ツバサ「出来たわ!押した人を500レス*の間なにもない空間に閉じ込めるボタンよ!」
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1/
―――
英玲奈「?!?!?!」
あんじゅ「ふぅ、やっと放した……って、あら?英玲奈ったらフリーズしちゃった?」フリフリ
ツバサ「……うん、成功のようね!」
あんじゅ「ま、いっか」
あんじゅ「で、ここがツバサの言ってた「なにもない空間」なの?」キョロキョロ
ツバサ「ええ」
あんじゅ「へぇ、凄いじゃない。どうなってるのかは知らないけど」
ツバサ「ふふん♪それはね――」
あんじゅ「あーいいいい、説明とかいいから。とりあえず帰りましょ。それから聞くわ」
ツバサ「帰れないわよ?」
あんじゅ「え?」
英玲奈(ココハドコダ?ドウシテ私ハ――)
―――
(*今回は諸事情(後述)により200レスです) 189/
>>256【英玲奈さんに喜んでいただけたようで何よりです】
英玲奈「ひょっとして水着をくれた人かな?だとしたらありがとう」
あんじゅ「……」
英玲奈「どうしたあんじゅ?浮かない顔だな」
あんじゅ「……なぁ〜んか最近露骨に英玲奈がヒイキされてなぁ〜い?」
英玲奈「そうかな?私はそうは思わないが…ほら、水着だってふたり分出てきたじゃないか」
あんじゅ「それはそうだけど……」
あんじゅ「ん〜…今、そういう時期なのかしら?」
英玲奈「時期?」 190/
あんじゅ「ここを見てる人たちって特定の誰かじゃない感じなのよねー」
あんじゅ「だから今は英玲奈贔屓の人たちが多い時期なんじゃないかなー?って」
英玲奈「だとしても、それは私たちにはどうにも出来んだろう?」
あんじゅ「そうね〜そうなんだけどね〜」
英玲奈「それに、たまにはそういう時期があっても良くないか?あんじゅは今まで散々いい目をみてきたんだからな」
英玲奈「そろそろ私の番が来ても良いころだろう?」
あんじゅ「なによ、私を置いてひとりだけ幸せになろうっての?ズルくない?」
英玲奈「いや、ずるくはないだろ……」 191/
あんじゅ「そういえばさぁ〜昔はそんな感じだったよね〜」
英玲奈「そんな感じ?」
あんじゅ「私たちって、けっこう人気に偏りあったじゃない?」
英玲奈「ああ…確かにな」
あんじゅ「いちばんファンが多いのがツバサで〜」
あんじゅ「いちばんプレゼントが多いのが私で〜」
英玲奈「……そうだったな」
あんじゅ「んでいちばんガチ勢が多いのが英玲奈」
英玲奈「――え?」 192/
英玲奈「ガチ勢…?なんだそれ?」
あんじゅ「やっぱり自覚なかったんだぁ〜」
英玲奈「……私の認識では、私には女性のファンが多くて、あんじゅには男性ファンが多くて、ツバサは満遍なく人気があった、くらいの話だと思ってたんだが……」
あんじゅ「ん〜…それも間違いじゃないけどね」
あんじゅ「ただ、英玲奈にはガチ勢っていうより、少々ヤバめのガチ恋勢がちらほらいたじゃない」
英玲奈「こ、こら!あんまりファンの子を悪く言うなよ」
英玲奈「それに言っただろ?私のファンはほとんどが女性ファンなんだぞ?ガチ恋なんて――」
あんじゅ「だーかーらタチ悪いんでしょー?」
英玲奈「お、おい!」
あんじゅ「私やツバサのファンは、A-RISE全員好きだけど強いて推すならあんじゅちゃん、とかいちばん好きなのはツバサさん、みたいな子がほとんどだけど」
あんじゅ「英玲奈のファンって英玲奈以外まったく見てない子がやたらといたのよね……」
英玲奈「……確かに、多少熱心なファンがいたのは認める」
英玲奈「だが、それと恋とは別の話だろ?!」 193/
あんじゅ「別じゃないのよね〜…これが」
英玲奈「何か証拠でもあるのか?私のファンがただのファンではなくガチ恋勢だという証拠が?」
あんじゅ「あるわよ」
英玲奈「あるのか?!」
あんじゅ「ええ、だって私やツバサのところにたまに脅迫文とか届いてたもの」
英玲奈「き、脅迫文だって!?」
あんじゅ「英玲奈様に馴れ馴れしく触るな尻軽女め〜とか」
あんじゅ「英玲奈様を差し置いてセンターなんて何様だこのチビデコ助〜とか」
あんじゅ「ツバサとまたきたわよ〜なんて話してたんだから」
英玲奈「う、嘘だ……!」 194/
英玲奈「そんな、まさかあの子達……か?」
英玲奈「いや、でも……まさか……いや、えぇ……?」
あんじゅ「ま、そうなるわよねー」
あんじゅ「だからツバサと「英玲奈には言わないでおこう」って言ってたのよねー」ウンウン
英玲奈「じゃあなんで言うんだよ?!」
あんじゅ「もう子供じゃないんだからそれくらい大丈夫でしょ?」
英玲奈「っ!」
あんじゅ「だいたいファンの呼び名が、ツバサはツバサ「さん」で、私はあんじゅ「ちゃん」なのに」
あんじゅ「英玲奈だけ英玲奈「様」なんて言われてた時点で――」
英玲奈「も、もうやめてくれーーーっ!!」
―― 195/
>>265【水着姿のえれあんで抜きますよことり】
あんじゅ「ははっ」
英玲奈「ことり…?」
あんじゅ「そこはさすがに意味不明ね〜」
英玲奈「そこは?じゃあ「抜きます」っていうのは意味がわかるのか?」
あんじゅ「え?それ聞いちゃう?」
英玲奈「何だ?聞いたらまずいのか?」
あんじゅ「別にいいけど…怒らない?」
英玲奈「? 怒るわけないだろう?」
あんじゅ「そこまで言うなら……」コショコショ
英玲奈「!?!?」///// 196/
英玲奈「な、な、な……!」バッ
あんじゅ「あ、なんかそのカッコ懐かしいかも」
英玲奈「何であんじゅは平気なんだ?!」
あんじゅ「あぁ〜それもデジャヴだわ〜」
英玲奈「何言ってるんだよ?!」
あんじゅ「落ち着きなさい英玲奈。私たちを見ている人たちは見てはいるけど見えてはいない、でしょー?」
英玲奈「し、しかし、現に……!」
あんじゅ「きっと適当に書いてるだけ。全部真に受ける必要はない、わよ」
英玲奈「! そう、だったな……」 197/
あんじゅ「もー、英玲奈ちゃんったら、テンパると視野がきゅ〜ってなるんだから」
英玲奈「面目ない…」
あんじゅ「そもそも考えてもみなさいよ。もしホントに私たちの姿が見えていたとして、よ?」
あんじゅ「「そういうこと」をしようとする輩が、わざわざ私たちが水着姿になるのを待ってからする理由なんかないでしょーに」
英玲奈「……そうか、そうだよな。だって私達は――」
英玲奈「もともと何も身につけていなかったのだから」
あんじゅ(ま、「そういう」趣味のヤツもいるかもだけど……英玲奈には黙っときましょ) 【今ボタンを押すと打ち上げ花火があがりますよ……たぶん】 198/
>>274【今ボタンを押すと打ち上げ花火があがりますよ……たぶん】
あんじゅ「だってさ」
英玲奈「却下だ」
あんじゅ「そうよね〜」
英玲奈「こんなヤツらの言うことなんかもう信じない」
あんじゅ「それは…ちょっと言いすぎじゃな〜い?」
英玲奈「いいんだ、もう。私は心底呆れ果てた」
>>275【テンパる英玲奈で抜きましたよことり】
英玲奈「!!」
あんじゅ「…あらあら〜」
あんじゅ(タイミング悪っ)
英玲奈「ふん、また下らない事を…!」
英玲奈「こんなヤツらを少しでも信用しようとした私がバカだったんだ!」
あんじゅ(あちゃ〜…) 199/
>>276【残り100レス】
英玲奈「どうせ嘘なんだろう?」
英玲奈「私は信じないからな」
あんじゅ「そうかな?」
英玲奈「は?」
あんじゅ「なにかひっかかるのよね」
英玲奈「何が言いたいんだ?嘘に決まってるだろう。いつもいつも適当なことを言っているだけなんだから」
あんじゅ「う〜ん…確かにそんな気もするけど、なにか理由がある気がするのよね」
英玲奈「理由?どんなだ?」
あんじゅ「とにかく、このままじゃ良くないと思うの。もう一度考え直してみない?」
英玲奈「断る」
あんじゅ(やっぱダメかぁ) 200/
英玲奈「…もう誰も信じないぞ…どうせ何もしなくてもいずれ此処とはおさらばだ」
英玲奈「そうしたら記憶も消えて全て無かった事になるんだからな」
英玲奈「最初からあんなヤツらと関わるだけ無駄だだったんだ」
あんじゅ「……」
あんじゅ「英玲奈ったらあの頃みたいな顔してる」
英玲奈「……あの頃?」
あんじゅ「ねえ、覚えてる?」
あんじゅ「私と英玲奈が初めて話した時のこと」
英玲奈「!!」
あんじゅ「あの入学式の日……あの時も英玲奈はそんな顔をしてた」
英玲奈「……覚えているさ。忘れる訳がない」
英玲奈「あの時、私は――」
――― ―――
・
・
・
・
・
あんじゅ「ただいまー」
ツバサ「おかえりー」
英玲奈「お疲れ様。大丈夫だったか?」
あんじゅ「だ〜いじょぶだいじょぶ〜♪私を誰だと思ってるの?」
英玲奈「それはそうだが毎回あんじゅだけに買い出しを頼むのは流石に……」
ツバサ「あんじゅや……いつも済まないねぇ……私がこんな体じゃなけりゃあ……ゴホッゴホッ」
あんじゅ「おとっつぁん!それは言わない約束でしょ……!」
英玲奈「……それも毎回毎回やらなきゃいけないのか……?」 英玲奈「それにしてもあんじゅの変装は相変わらず見事だな。喋らなければ私達でさえあんじゅだとは分からないぞ」
ツバサ「優木流隠遁術だっけ?そこにいるのに認識させないなんてすごい技術よね」
あんじゅ「!!」
英玲奈「ああ、かつてはスクールアイドル活動中以外は校内でその姿を見たものはいないとまで言われていたからな」
あんじゅ「……やめて……!」
ツバサ「そうそう。あまりに正体不明で「????系スクールアイドル」なんて呼ばれたことも――」
あんじゅ「もうやめて!!」
英玲奈「ど、どうしたんだあんじゅ?突然大声を出して」
ツバサ「昔の話は嫌いだったっけ?」
あんじゅ「……違う……もう遅いのよ……手遅れなの……!」フルフル
英玲奈「手遅れ?」 あんじゅ「そのネタはもう賞味期限が切れてるの……だって、ただの偽名だったんだもの!」
あんじゅ「そう……そうよ……今や私と彼女にはなんの共通点もない……」
あんじゅ「同じ名字つながりってなら宮下さんの方がずっといろいろ出来そうよね」
あんじゅ「だってあっちは少なくともふたりが同じ世界線に確実に存在しているんだもの」
あんじゅ「私と違ってね……ふ、ふふふ……っ」
英玲奈「お、おいツバサ……いったいあんじゅはどうしたというんだ……?」
ツバサ「うーん……やっぱり溜め込んでるモノでもあったんじゃない?」
あんじゅ「……だいたいこの結末だって最初に書いてからもう何年たってるのよ…こんなに時間かかるなんて思わないじゃない……」ブツブツ
あんじゅ「おかげでこんな修正入れなくちゃならないし……」ブツブツ
ツバサ「……しばらく放っておきましょ。あんじゅなら大丈夫でしょ」
英玲奈「……だな」 英玲奈「それはそうとツバサ、あのボタンのことだが……」
ツバサ「500レスボタン?」
英玲奈「ああ。だいたいどういうモノかはわかった…と思う」
ツバサ「無理しなくていいわよ」
英玲奈「いや、実際にこの映像を見れば信じない訳にはいかないさ」
――
英玲奈『――ここは、誰かに見られているのか?』
ツバサ『そうだけどそれがどうかしたの?』
あんじゅ『はぁ?!それでなんでツバサは平気なの?!』
――
英玲奈「これは確かに私達だ。そして驚いたことに本当に記憶がないときた」
ツバサ「そういう風に作ったからね」
英玲奈「……改めて、とんでもない天才だな。お前は」 英玲奈「ただ…」
ツバサ「何?」
英玲奈「……観測データだけじゃなく映像でも記録してるんだな…」
ツバサ「そりゃあね。貴重なデータだもの」
英玲奈「なんで裸なんだよ!」
ツバサ「なるべく詳細にデータ残したいから、余計なデータを増やしたく無かったのよ」
英玲奈「にしてもだな……」
ツバサ「?」
英玲奈「……はぁ、もういい、言っても無駄な気がしてきた」
ツバサ「あ、大丈夫よ。閲覧者達には映像は見せてないから」
英玲奈「…当たり前だ」
ツバサ「映像ごと送信してたらデータ量桁違いだからね」
英玲奈「……まさか、それだけの理由で…?」
ツバサ「そうよ」
英玲奈(こいつ…マジか…!)
ツバサ「?」 英玲奈「し、しかし本当にこれがほんの一瞬の出来事だったとはな。実際にこの身で体験してもにわかには信じ難い……」
ツバサ「一応、原理は説明したでしょ?」
英玲奈「確か精神と肉体を加速させる、んだったか?」
ツバサ「んー…イメージとしては近いかな。厳密には加速してるわけじゃあないんだけど……」
ツバサ「ほら、世界を加速させるスタンド使いがいたじゃない?世界は加速していくのに人の感覚はそれについていけないみたいな」
ツバサ「ああいう感じで世界の時間の流れから自分を切り離してコントロールしてるのよ」
ツバサ「そのための鍵となるのが「分解(ゼロ)の因子」ね。これは時空間をag-hablerで解析したデータを元に――」
英玲奈「すまん。やっぱり理解出来る気がしない」 初期は優木繋がりで何かあるか?なんて言われてたなそういえば ツバサ「ちぇー、これから面白い話になるのに……」
英玲奈「悪いがそういう話をしたいわけじゃあないんだ」
ツバサ「じゃあなんなの?」
英玲奈「理解は出来ないがアレがどういうモノで、どういう働きをするかはなんとなくわかった」
ツバサ「良ければきちんとわかるまで教えるけど?」
英玲奈「勘弁してくれ……。それに私が知りたいのはそこじゃない」
ツバサ「?」
英玲奈「正直なところ、アレがどういうモノかなんてのは実はどうでもいい」
英玲奈「私が知りたいのはひとつだけだ」
ツバサ「なによ?」
英玲奈「ツバサ、お前はアレを何の為に作った?」 ツバサ「もちろん、みんなの笑顔の為よ」
英玲奈「っ……!」
ツバサ「もしかして疑ってる?」
英玲奈「そんなことは……!」
英玲奈「……いや、確かに私はツバサを疑っている、のかもしれない」
ツバサ「……」
英玲奈「思えばツバサはいつもはぐらかしたり正直に答えなかったりはするが、嘘だけは吐かなかったよな」
英玲奈「それはわかってる。わかってはいるんだ」
ツバサ「……」
英玲奈「ただ今回のことは……」
あんじゅ「ていっ!」ビシッ
英玲奈「いたっ?!」 英玲奈「あんじゅ?!いきなり何を――!」
あんじゅ「こーらー、なーにツバサいじめてんのよー」
英玲奈「は、はあ?!いや、虐めてなんか……!」
あんじゅ「ツバサの顔をよーく見てみなさいな」
ツバサ「……」
英玲奈「……?何時もと変わら――」
あんじゅ「とおっ!」ビシッ
英玲奈「にぁっ?!だからなんなんだ!さっきから!?」
あんじゅ「あいっかわらずニブちんよね〜ニブのニブニブだわ!」
英玲奈「悪かったな!だったらはっきりと言ってくれよ!」
あんじゅ「はぁ〜……だってさ、ツバサ」
ツバサ「……」
ツバサ「思ったより、ショックなものね」
ツバサ「信頼してる人に信用して貰えないというのは」
英玲奈「!!」 ツバサ「昔から理解されないのには慣れてるつもりだったけど……」
ツバサ「英玲奈とあんじゅだけは、それでもって思ってたわ」
英玲奈「ツバサ……!」
ツバサ「ま、仕方ない。私は「あの」綺羅ツバサだもの」
英玲奈「ち、違う!それは違うぞツバサ!」
あんじゅ「そぉい!」ビシッ
ツバサ「きゃんっ?!」
あんじゅ「今のはツバサが悪い!」
ツバサ「……なんでよぉ」
あんじゅ「わかってるクセに」 ツバサ「……なに、私にはスネることすら許されないの?」
あんじゅ「そうよ」
ツバサ「なっ…!なんでよ!」
あんじゅ「だって、そんなの可愛くないもの」
ツバサ「――!!」
あんじゅ「この私を差し置いてリーダーやってるんでしょ?だったらいちばん可愛くなきゃダメ」
ツバサ「っ……私は……もう……」
あんじゅ「同じことよ。ねえ?英玲奈」
英玲奈「……そうだな」
ツバサ「英玲奈……」
英玲奈「たとえ私達がアイドルグループで無くなったとしても、絆は変わらない」
英玲奈「そしてツバサ、お前は今でも私達のリーダーだよ。あの時からずっと、これからも、な」
ツバサ「……」 あんじゅ「はい!じゃあ本題いこっか?」パンパン
英玲奈「は?……え??」
ツバサ「本題なんだっけ?」
あんじゅ「「500レスボタン」の目的でしょ?」
ツバサ「ああそうだったわね」
英玲奈「ちょ、ちょっと待てぃ!」
英玲奈「お前達流石に切り替え早すぎないか?!もう少し情緒というものをだな……」
あんじゅ「やーよ、あんな湿っぽい雰囲気。話終わったんだからさっさと止めましょ」
英玲奈「言うほど終わってたか……?」
ツバサ「お互いの信用と信頼を確認出来たから私は満足したわ」
あんじゅ「ねー?」
英玲奈「……わかったよ。もう……!」
あんじゅ「あ、英玲奈はスネても可愛いからそのままでいいわよー♡」
英玲奈「う、うるさい…っ!」 あんじゅ「で、目的はみんなの笑顔の為、だっけ?」
ツバサ「ええ」
英玲奈「アレをどう使えばみんなの笑顔につながるんだ……?」
ツバサ「偶像を造るのよ」
英玲奈「偶像……?」
ツバサ「ええ。この壊れきった世界にアイドルという偶像をね」
英玲奈「!! ツバサ……お前まだ……っ!」
ツバサ「言ったでしょ?あんなことでへこたれる私じゃない、って」
あんじゅ「……って言ったってどうするつもり?私達はもうステージに立てない……わよね?」
ツバサ「そうね。この「死神博士」の私がいたんじゃA-RISEはもう表舞台には立てないでしょうね」
ツバサ「……それはよーくわかったわ……」
英玲奈(そんな呼ばれ方あったか?)ヒソヒソ
あんじゅ(たしか「悪魔の科学者」だったと思う)ヒソヒソ ツバサ「そこで、よ」パン
ツバサ「私達の代わりが出来るアイドルなんてあの子達くらいじゃない?」
あんじゅ「あの子たちって……」
英玲奈「もしかして、μ'sのこと……か?」
ツバサ「ほかに誰がいるのよ?」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」
ツバサ「な、なによ?」
あんじゅ「あーあ、ツバサがついにバグっちゃったかー」
英玲奈「そうかそうか、うん、とりあえずゆっくり休むといい」
ツバサ「し、失礼ね!別にどこもおかしくなってないわよ!」
あんじゅ「はぁ……いーい?ツバサちゃん。よーく聞いて」
あんじゅ「あの子たちは、あの日、全員死んだの」 英玲奈「受け入れたくない気持ちはわかる。お前の責任じゃないとはいえ、使われたのはお前の技術なんだからな」
英玲奈「だが、だからって――」
ツバサ「待って待って!わかってるってば!そんなこと言われなくても!」
ツバサ「だからアイドルを「造る」んだって言ってるじゃない!」
あんじゅ「どゆこと?」
ツバサ「AIよ。超高性能のAIにアイドルをやらせるの」
あんじゅ「ロボットのアイドルってこと?」
ツバサ「ロボットにするかはまだ決めかねてるのよね……シャロンみたいなバーチャルアイドルでもいいかもしれないし」
英玲奈「ちょっと待て。確かAIは情緒方面ではまだまだ未熟だと聞いたが……違うのか?」
ツバサ「違わないわ。ただ容量問題がほぼ解決した今のAIの学習っていうのは、そのほとんどが単純に時間と質の問題なのよ」
ツバサ「その時間の問題を解決するのがこの「500レスボタン」ってわけ」 ツバサ「ついでに言うとその学習の質をあげる為には、本人の思考パターンを出来るだけ多く参照したい」
ツバサ「つまりこのボタンを本人に押させて、色んな思考パターンをモニター出来ればまさに一石二鳥!」
あんじゅ「だから、それは出来ないんだって」
ツバサ「それが出来るのよ」
あんじゅ「へ?」
ツバサ「正確には出来るようになった、のよね」
英玲奈「おいおい、まさかタイムマシンでも発明したんじゃないだろうな?」
ツバサ「あら、鋭いじゃない」
英玲奈「へ?」
ツバサ「実はこのボタンを作った副産物でね、時間を飛べる理論を見つけたのよ」
あんじゅ「……ずいぶんあっさりとまあ……」
英玲奈「」 あんじゅ「あ、だったらそんなまどろっこしいことしないで過去に行ってあの事件自体を止めたらいいんじゃない?」
あんじゅ「そしたらその後に起こった戦争だって……」
ツバサ「……」
あんじゅ「……ダメなの?」
ツバサ「出来なくはない、と思う」
あんじゅ「じゃあ何がダメなの?」
ツバサ「たぶん、だけど……それをしたら過去に行った人は二度と戻ってこれないと思う」
あんじゅ「え?!どうして?!」
ツバサ「過去を大幅に変えた時点で未来が変わる。するとその時間軸の未来はここには繋がらない可能性が高いから……」
あんじゅ「そこからこの時代に帰っても改変した別の世界のこの時代に帰ってきてしまう、ってこと?」
ツバサ「ええ」
あんじゅ「……アレを止められるなら、それでも……」
ツバサ「ダメよ!それは!」 ツバサ「私は過去を変えようなんて思ってない!変えたいのは今なの!未来なの!」
あんじゅ「ツバサ……?」
ツバサ「それに……」
あんじゅ「?」
ツバサ「良いことばかりじゃなかったけど……私達の思い出がなくなるかもなんて……イヤじゃない」
あんじゅ「ぷふっ!」
ツバサ「わ、笑わないでよ!私は……」
あんじゅ「いーのよツバサちゃん♡あなたがそう言うならそうするまでよ♡」ハグッ
ツバサ「わっ…ぷ!」
あんじゅ「じゃあ私はどうすればいいの?行くなら私しかいないでしょ?なんでも言って」ナデクリナデクリ
ツバサ「そ、その前に離しなさいよぉ!」 英玲奈「いや、まずは私だ」
あんじゅ「あら、もう再起動したの?」
英玲奈「ふっ……理解を諦めると案外すんなり受け入れられるものだ」
あんじゅ「自慢にならないわよ、それ」
英玲奈「うるさい!とにかく過去へ行くのはまずは私だからな!」
ツバサ「どうしたの?急に」
英玲奈「過去を変えると、帰ってこれない危険性がある。だよな?」
ツバサ「ええ」
あんじゅ「だーかーら、誰にも気付かれずにやれる私が適任なんじゃない?」
英玲奈「わかってる。だが万が一ということもある」 英玲奈「あんじゅはツバサが生きていくのに不可欠だ。だから私が――」
ツバサ「あら、英玲奈も必要よ?私は」
ツバサ「それとも「これからは私がツバサの足になる」って言葉は嘘だったのかしら?」
英玲奈「嘘じゃない!だがお前の技術ならその気になりさえすれば義肢なんて容易く作れるだろう?お世話用のロボットだってこの間――」
ツバサ「要らないわよそんなの」
英玲奈「なんでだよ!」
ツバサ「足なら、あるもの」
英玲奈「っっ!!」
ツバサ「万が一なんて許さないわ。私達は3人でA-RISE、でしょ?」
えれあん「……」
ツバサ「私が生きていくのにふたりはどっちも必要なの。だから必ずこの私のところに帰ってきなさい。いいわね?」
えれあん「!!」 あんじゅ「……ふふっ、なによそれ。相っ変わらずワガママなんだから」
英玲奈「フッ……そうだな、だがそれでこそツバサだ」
ツバサ「わかればいいのよ」フフン
あんじゅ「でもさぁ天っ才物理学者の綺羅ツバサにしては精神論なんてらしくないんじゃなぁい?」
英玲奈「それもそうだな。おいツバサ、万が一を起こらなくするのはそもそもお前の役目だろう?私達に責任を丸投げするつもりか?」
ツバサ「別にそんなつもりはないわよ。ただ」
あんじゅ「ただ?」
ツバサ「ああいう風に言えば、ふたりなら絶対に帰ってこようとするでしょ?死に物狂いで」
英玲奈「……なんて奴だ……」
あんじゅ「まぁ、合ってるけどね……」 ―――
ツバサ「準備できたー?」
あんじゅ「ばっちり!どう?英玲奈」
英玲奈「……これが、私…?」
あんじゅ「カワイイわよ♡英玲奈ちゃん♡」
英玲奈「ちゃんは止めろ。しかし褒められても別人すぎてなんとも思わないな」
ツバサ「どれどれ…?」
ツバサ「!!……に、似合ってるじゃない……っ!」
英玲奈「……笑いを堪えてるだろ」
あんじゅ「リクエストどおりにしたのにそれはないんじゃない?」ムスー
ツバサ「ご、ごめんごめん。そうね、バッチリよ!」 あんじゅ「にしても……ノリノリでやっておいて何だけど、こんなに胡散臭くて大丈夫?」
ツバサ「大丈夫、問題ないわ。英玲奈、最初のターゲットは覚えてる?」
英玲奈「東條希だろう?」
ツバサ「ええ、彼女ならそのくらいの方が興味を惹けると思う」
英玲奈「……その後はどうするんだ?」
ツバサ「……」
英玲奈「おい!」
あんじゅ「まーまー、その頃には私も行くだろうし、ね?」
ツバサ「そ、そうそう。詳しい作戦はあんじゅに伝えておくから」
英玲奈「本当に大丈夫なんだろうな……?」 ツバサ「じゃあ行くわよー!」
英玲奈「ああ、いつでもいいぞ」
ツバサ「……気を付けてね」
英玲奈「……ああ」
あんじゅ「んじゃ、後で会いましょ」フリフリ
英玲奈「ああ」
ツバサ「それじゃ……ポチっとな!」ポチッ
ヴゥンッ!
あんじゅ「おお〜…ホントに消えたわ……」
ツバサ「何よ?信じてなかったの?」
あんじゅ「ちょっとね」
ツバサ「ほらほら、冗談言ってないであんじゅも準備しなさい」
あんじゅ「は〜い♪」
――― ―――
・
・
・
・
・
希「ふぁぁあ……」
希「ん〜…まだちょっと眠いなぁ……」
希「あんだけ寝たのに…不思議なもんやね」
希(それにしても……)
希(何だったんだろう…?昨日は)
希(玄関先で突然気を失って、起きたときには丸1日たってるなんて……) 希(えっと……確か学校に行こうとして玄関開けたら)
希(なんだか怪しいお姉さんがいて、言われるがままにボタンみたいなの押したら意識が途切れて)
希(で、気付いたら朝)
希(パジャマに着替えさせられてベッドに運ばれてたけど、何かされた形跡はなし)
希(物取りどころかむしろ部屋はちょっと片付いてたし、どうやったのかはわからないけど鍵もかかってた)
希(にこっちからの電話がなかったら1日たってるなんてわからないくらいに異常なほど異常がなかった)
希(一体何が目的……?) 希「あ、そうそう」
希(電話といえば……)
希(バッテリーが完全に無くなるほどみんなから連絡があってたみたいなんだよね)
希(さすがに全部チェックする時間は無かったけど)
希(どうやら昨日はみんなの身にも何かあったみたい)
希「……何人かはたぶんウチと同じ目にあってるみたいやね」
希(100万円……)ギュッ 希(とにかく、にこっちが言ってたようにまずは会って話をしよう)
希(みんなの状況も気になるし、昨日の私のことも相談したい)
希(それに……)
希「……カードがウチに告げるんや、か……」
チャッチャッ
ピッ
希(……なんでかはわからないけど今朝から占いが上手くいかなくなった)
希(引いたカードを見ても漠然とした不安感があるだけで何のインスピレーションも湧かない)
希「しばらく占い師休業かなぁ……」 希「――にしてもにこっち遅すぎない?」
希「待ち合わせ時間もう5分も過ぎてるやん」
希「……これはわしわしMAXの刑やね♪」
希「ごめんなぁにこっち、ウチはにこっちをわしわしせなあかん。わしわししとかな気が済まんのよ」ニシシ…
希「……ん?」
希(なに…?)
希(あのひかr――)
カッッッッ!!!
おしまい 単純な実験スレかと思いきや未来世界モノだったとは…
また無印世界のキャラ以外でもこういうのやってほしいけど設定的に難しいかな?
なんにせよ面白かった乙! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています