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1/
―――
英玲奈「?!?!?!」
あんじゅ「ふぅ、やっと放した……って、あら?英玲奈ったらフリーズしちゃった?」フリフリ
ツバサ「……うん、成功のようね!」
あんじゅ「ま、いっか」
あんじゅ「で、ここがツバサの言ってた「なにもない空間」なの?」キョロキョロ
ツバサ「ええ」
あんじゅ「へぇ、凄いじゃない。どうなってるのかは知らないけど」
ツバサ「ふふん♪それはね――」
あんじゅ「あーいいいい、説明とかいいから。とりあえず帰りましょ。それから聞くわ」
ツバサ「帰れないわよ?」
あんじゅ「え?」
英玲奈(ココハドコダ?ドウシテ私ハ――)
―――
(*今回は諸事情(後述)により200レスです) 【テニヌじゃなくてわりとちゃんとテニスしてくれてた…よかった】 109/
―――
英玲奈「〜〜っっ」ゼェゼェ
あんじゅ「ゲームカウント6-3。私が1セット先制ね」
英玲奈「あ、ああ……」ハァ…ハァ…
あんじゅ「あれれ〜?結局英玲奈ちゃんてば私のサービスゲーム1回もブレイクできなかったんじゃな〜い?」
英玲奈「くそっ…!」ハァハァ
あんじゅ「勝負の前から結果がみえてるなんて言ってたワリに大したことないのね英玲奈ちゃん♪」
英玲奈「……この勝負は3セットマッチだぞ?まだ1セット終わっただけだ」
あんじゅ「はいはい」 110/
英玲奈「それと」
あんじゅ「なに?」
英玲奈「…ちゃんは止めろ」
あんじゅ「ふふ、わかったわよー♪次は英玲奈のサービスゲームからでしょ?」
英玲奈「ああ、先ずは1ゲーム、取らせてもらう!」
あんじゅ「そんなバテバテでだいじょぶ〜?」
英玲奈「ふん、心配は無用だ。もう呼吸も落ち着いた」
あんじゅ「そ、ならいいけど」 111/
あんじゅ「……」
あんじゅ(あんな大口叩くなんて英玲奈らしくないから何か策でもあるのかと思ってたんだけど…拍子抜けね)
あんじゅ(いつも通りバカみたいな全力サーブ打ってくるだけで、プレー自体も何の捻りもない)
あんじゅ(ちょっと最近鈍ってるから今はあのサーブについていけてないけど、そのうちあのスピードにも慣れてくるでしょうし)
あんじゅ(そもそも疲労が貯まればあんな威力のサーブそうそう打ち続けられないはず)
あんじゅ(走り回って既にバテ始めてる英玲奈と違って、失ったポイントがほぼサービスエースの私はまだ全然疲れてない)
あんじゅ(ふふ、残念だったわね英玲奈)
あんじゅ(貴女が勝つには何がなんでも第一セットを取るしか無かったのよ)
あんじゅ(……ここからは、ワンサイドゲームになるかもね) 112/
―――
ポーンポーンポーン……
あんじゅ「うそ……!?」
英玲奈「っしゃぁぁああ!!」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「ゲーム…カウント…7-5!これで…セットカウントも…1-1のタイ…だな…!」ゼェ…ゼェ
英玲奈「そしてついに…」
英玲奈「あんじゅのサービスゲームを…ブレイクしたぞ!」ゼェゼェ
あんじゅ「っ!」
あんじゅ(そんなまさか…なんで…っ!) 113/
英玲奈「どうしたあんじゅ?顔色が悪いぞ?」ハァハァ
あんじゅ「そ、それはこっちのセリフよ!英玲奈こそ大丈夫なのかしら?」
あんじゅ「絶対に追い付けない球にまで食らいついていってるから、そんなにバテバテになるんじゃないの〜?」
英玲奈「ああ、心配は無用だ。むしろ絶好調だよ。早く最終セットに入りたいくらいだ」ハァハァ
あんじゅ「このスタミナお化け…!」
あんじゅ(実際、英玲奈の動きは尻上がりに良くなってきてる…)
あんじゅ(なんなのよ…ずっと息が切れた状態であんなに動き続けられるなんて信じらんない!)
あんじゅ(しかも2セット目が終わったのに、まだ英玲奈のサーブにタイミング合わないなんて…今日は調子悪いにも程があるわ)
あんじゅ(でももう大丈夫。さすがにあそこまで追い込んだからもう英玲奈の動きも鈍るでしょ)
あんじゅ(対して私の方はまだ全然――)
あんじゅ(――ん?) 114/
あんじゅ(……待って、なにかおかしい……)
あんじゅ(いくら英玲奈でもあのスタミナは尋常じゃないわ)
あんじゅ(それにどんなに体力に自信があっても第一セットを取られた後の第二セットであんなにふらふらになるまで球を追う…?最終セットがあるのよ…?)
あんじゅ(そしてなにより)
あんじゅ(20ゲーム以上消化したのに私が疲れてなさすぎる…?)
あんじゅ(!!)
あんじゅ(なるほど…そういうこと)
あんじゅ(英玲奈は最初からこれに気付いて、実践してたってことか)
英玲奈「……」 【「キンキンに冷えたビールがたくさん入ってる冷蔵庫」】 115/
あんじゅ(だとしたら……)
あんじゅ「……ふ、ふふ……あはははは……!」
あんじゅ「わかったわよ英玲奈。そのバカみたいなスタミナのからくりが!」
英玲奈「なんのことだ?」
あんじゅ「とぼけなくていいわ。英玲奈、あなた今までこの特殊な体の回復力をあてにして戦っていたんでしょう?」
英玲奈「……さぁ、どうだろうな」
あんじゅ「――考えてみれば英玲奈は不自然なくらい最初から後先考えずに全力でやっていたものね」
あんじゅ「私のプレースタイルを知っていて、しかも3セットマッチなのにもかかわらず、ね」
英玲奈「……」 116/
あんじゅ「おかしいじゃない。普通あんなプレーをしてたら3セットなんて長丁場、とても持たないってわかっているはずだもの」
あんじゅ「実際、私はそれを意識してスタミナ消費を抑えながら戦っていたしね」
あんじゅ「でも、それこそが英玲奈の狙いだった!」
あんじゅ「私になるべく本気を出させないようにして、自分は全力で勝ちにいく」
あんじゅ「そうでもしないと私からセットを取ることなんて出来ないと考えた苦肉の策なんでしょう?」
英玲奈「っ…!」
あんじゅ「ふふ♪図星みたいね〜♪」 117/
あんじゅ「ま、英玲奈にしては色々と考えてたんじゃな〜い?」
あんじゅ「安い挑発を繰り返して私の平常心を奪おうとしてきたり」
あんじゅ「そのどさくさに紛れるようにして3セットマッチを提案してきたり、ね〜?」
英玲奈「……」
あんじゅ「本来なら1セットマッチの方が勢いで何とか出来そうな分、英玲奈の勝つ可能性が高いはず」
あんじゅ「でも1セットマッチだと私が早目に本気を出してくるから難しいと思ったんでしょ?」
英玲奈「……ふん」
あんじゅ「私が体力を温存してる間に何とかリードして、焦ってる隙に押しきっちゃおう!ってそういう作戦だったんでしょ〜?」
あんじゅ「技術で勝負出来ないから、ごり押しで勝とうなんて英玲奈らしいわよね〜」
英玲奈「っ!」 118/
あんじゅ「でも惜しかったわね〜」
あんじゅ「本当だったら第一セットを取って精神的にも優位に立った状態で、第二セットにいくつもりだったんでしょうけどぉ〜…」
あんじゅ「ごめんねー、第一セット私が取っちゃったから♪」
英玲奈「……」
あんじゅ「私が絶対に本気を出してくる最終セットに行くしかなくなっちゃったもんね〜?」
あんじゅ「そしてこれに気付いた以上、私も最終セットはアタマから全力でいくわよ」
あんじゅ「どぉーしよぉーそうなったらぁ〜英玲奈ちゃんに勝ち目なくなっちゃうー!」
英玲奈「……」
あんじゅ「ふふふ、残念だったわね〜英玲奈ちゃん♡」
あんじゅ「結局、貴女が勝つには何がなんでも第一セットを取るしか無かったのよ!」
英玲奈「……ふん」 119/
英玲奈「…言いたいことは、それだけか?」
あんじゅ「ええ、それじゃそろそろ始めましょうか」
あんじゅ「勝ちの見えている最終セットをね」
英玲奈「……そうだな、ただし私の、だがな」
あんじゅ「ふふっ…まだそんなハッタリを言える余裕があるんだぁ〜?」
英玲奈「ハッタリ?事実しか言っていないが?」
あんじゅ「っ! もういいわよ、それ」
あんじゅ「ま、いいわ。どうせ直ぐに地獄を見ることになるんだから」
英玲奈「さて、地獄を見るのはどっちかな……」
あんじゅ「ふん、言ってなさい」 120/
―
英玲奈「えーっと、最終セットはどっちのサーブからだっけな?」
あんじゅ「……英玲奈でしょ」
英玲奈「ああ、そうだったそうだった。第二セットの最後のゲームは私があんじゅのサービスゲームをブレイクして終わったんだったよな?」
あんじゅ「白々しい……!」
英玲奈「……そういえばあんじゅ、分かっているか?」ポーンポーン
あんじゅ「…なにをよ?」
英玲奈「第二セット、私は一度もあんじゅにブレイクを許していない事を」
あんじゅ「わかってるわよ!でもそれも今のうちよ!」
あんじゅ「見てなさい!そんな力任せのバカサーブ!すぐに――」
英玲奈「「直ぐに慣れる」か?」
あんじゅ「!!」 121/
英玲奈「あんじゅ、やはりまだお前は冷静さを欠いている」ポーンポーン
あんじゅ「な、なにを……?」
英玲奈「その勘違い、今から身をもって知るがいい」パシッ
あんじゅ「っ!」
英玲奈「…いくぞ!」
あんじゅ「来なさい!そんなハッタリ、本気の私には通用しないわよ!」
英玲奈「」スゥーッ
英玲奈「フッッッ!」ス…
バパァンッッ!!
あんじゅ「――は?」
英玲奈「15-0、だ」 122/
あんじゅ「なに…今の…?」
あんじゅ(球がまったく見えなかった)
あんじゅ(っていうか今のサーブ…打球音が無かった…?)
あんじゅ(……いや…打球音は確かにあった)
あんじゅ(ただ、サーブの打球音とコートへの着弾音が「ほぼ同時に」聞こえただけで)
あんじゅ(なによ、それ…)
あんじゅ(ってことは……英玲奈のサーブは音速とほとんど変わらないってこと…?)
あんじゅ(はぁぁぁああああ?!?!)
あんじゅ「……そんなの、絶対にありえない……!」ギリッ
あんじゅ(絶対になにかタネがあるはず……!)ギュッ
英玲奈「次、いくぞ」ポーンポーン 【どんどんテニスからテニヌになっているじゃないか!】 123/
―――
バパァンッッ!!
英玲奈「これでこのゲームも貰った。3ゲーム連取でゲームカウント5-2。追い詰めたぞ」
あんじゅ「く……っ!」ハァッ…ハァッ…
英玲奈「どうしたあんじゅ?このサーブに慣れるんじゃなかったのか?」
あんじゅ「出来るワケないじゃない!こんな……こんなムチャクチャなサーブ初めて見たし!!」
あんじゅ「なによこれ!今までこんなのを隠しながらやってたワケ?!」
あんじゅ「悔しいけど…っ!ここまで見ても英玲奈が何をしてるのかまったくわからない……!」
あんじゅ「いつの間にこんな技術を――」
英玲奈「おいおいあんじゅ、言っただろう?「勘違い」だと」 124/
あんじゅ「勘違い、ですって…?」
英玲奈「私は何も隠していなかったし、このサーブは何も特別なサーブじゃないぞ?」
英玲奈「さっきあんじゅも言ってただろ?私は技術で勝負出来ないからごり押しするしかないって、そのとおりさ」
あんじゅ「はあっ!?だったらなに?このサーブは今までのサーブと変わらないっていうの?!」
英玲奈「そうだ。このサーブは今までどおり「ただ全力でぶっ叩いてるだけ」のバカサーブだよ」
あんじゅ「ただ、速いだけ…?」
あんじゅ「ウ、ウソよ!今までと違いすぎるじゃない!」
英玲奈「確かに違うところはある。が、それは技術じゃあなく私の身体能力だ」
あんじゅ「身体能力ぅ?体力が回復したから威力が上がりました、って?」
あんじゅ「はん!ふざけんじゃないわよ!体力満タンだった第一セット最初のサーブと全っ然別物じゃない!」
英玲奈「そう別物だ。サーブじゃなくてこの私の方が、な」
あんじゅ「……?」 125/
あんじゅ「サーブじゃなくて、英玲奈が別物……」
あんじゅ「!!」
英玲奈「さすがに気付いたな」
あんじゅ「……そうか、なんで気付かなかったのかしら…この体は回復力が凄いだけじゃない」
あんじゅ「ダイエットや筋トレにもものすごい効果を発揮する…!ってことは……」
英玲奈「そのとおりだ」
あんじゅ「……だからなのね…」
あんじゅ「だから英玲奈は第一セットからバテるのも厭わずに全力でプレーし続けた」
あんじゅ「ただの回復ではなく、超回復をし続けるために!」
英玲奈「正解だ」 126/
あんじゅ「! 待って、ってことは…もしかしてあの最初のコート選びの時から…?!」
英玲奈「ほぅ……もうそこまで頭が冷えたか」
あんじゅ「あの時英玲奈は――」
―――
英玲奈『ああ、それじゃコートは私が決めて良いんだよな?』
あんじゅ『好きにすれば?太陽も風もないこの場所で意味があるとは思えないけど』
英玲奈『確かに意味は無いな。じゃあコートチェンジは無しでいこうか』
あんじゅ『別にいいわよ』
英玲奈『ただ私のサーブは強烈だからな。球拾いの事を考えて、あんじゅの後ろにポテ山がくるようにコートを作ろう』
あんじゅ『はぁ?ハンデのつもり?』
英玲奈『なに、私がサーブを外したあと、遠くまで球を拾いに行かせるのはさすがに申し訳なくてな』
あんじゅ『たしかに、英玲奈はノーコンだもんね〜』
英玲奈『悪かったな!』
――― 127/
あんじゅ「……あれも計算ずくだったワケね」
あんじゅ「自分がトレーニングするためだけじゃなく、私の体力を極力減らさないように」
英玲奈「ああそうだ」
あんじゅ「最終セットに入る前に私に長々と話をさせたのは仕上がった自分の体を完全に超回復させきるため」
あんじゅ「そうやってこの状況を作り上げた……」
あんじゅ「私と英玲奈の身体能力に絶望的な差がついたこの状況を!」
英玲奈「ふふふ、そのとおりだ」 128/
英玲奈「――理解したところで、始めようか」
英玲奈「勝ちの見えている最終ゲームをな!」
あんじゅ「っ!……この…っ!」
英玲奈「今の私ならあんじゅの球を全て拾えるぞ」
英玲奈「全部拾ってやる。拾って、拾って、拾って拾って拾いまくってやる。あんじゅに隙が出来るまで」
あんじゅ「っっ!」
英玲奈「さて、地獄を見るのはどっちかな……」
あんじゅ「」ゾクリ
英玲奈「さあ、地獄を楽しみな――!」 129/
――
英玲奈「どうしたあんじゅ!もうマッチポイントなんだぞ?」パコーン
あんじゅ「わかってる…っ…わよっ!」パコーン
英玲奈「甘い!そんな球で私からポイントを取れると思ってるのか!?」パコーン
あんじゅ「くっ…!だったらこれで…っ!」タタタッ
英玲奈「なにっ?!」
あんじゅ「づあっ!」スパーン
英玲奈「くっ…!」
英玲奈(この状況でまさかネットに詰めるとは…!なんて度胸だ……)
あんじゅ「はあっ…はあっ……これで、またデュースね……」
英玲奈「……ああ」 130/
あんじゅ「」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……」
あんじゅ「」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……どうした?お前のサーブだぞ?」
あんじゅ「うるっ、さいわね…わかってるわよ…!」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……もう諦めて楽になったらどうだ?そんな状態では例えこのゲームを取っても、次の私のサービスゲームはどうにもならんだろうに」
あんじゅ「はあ…っ?アンタ…さっき私がブレイクしたの…忘れたワケじゃ…ないでしょ、ね……?」ゼェ…ゼェ…
英玲奈(……忘れるわけないだろ。あんな鬼気迫るプレーを)
英玲奈(だがもうそれも――) 131/
あんじゅ「いくわよ…!」ゼェ…ゼェ…
あんじゅ「っ!」ポコーン
英玲奈「……フォルト」
あんじゅ「」ゼェ…ゼェ…
あんじゅ「っあぁっ!」パコーン
英玲奈「……フォルト。ダブルフォルトで私のアドバンテージだ」
あんじゅ「ふ、ふふ……ちょっと、遊び過ぎた…かしら…?」ゼェ…ゼェ…
英玲奈(あんじゅ……) 132/
あんじゅ「さあ、いくわよ…!」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……」
あんじゅ「っ!」スコーン
英玲奈「これで、終わりだ!」パコーン!
あんじゅ「…っ…!」パコン
英玲奈(何故あれに追い付ける!?)パコーン!
あんじゅ「っあぁ!」パコーン
英玲奈(そんなフラフラの状態で何故…!)パコーン!
あんじゅ「!……ふっ…!」ポーン
英玲奈「! ドロップ!?……しかし!」タタタッ
英玲奈「甘い!これくらい――」パコン
あんじゅ「はっ!」パシン
英玲奈「なにっ?!また、ネット際に…?!」
あんじゅ「……デュース、ね……」ゼェ…ゼェ…
英玲奈(っ…!) 133/
――
タァンッ!
英玲奈「……また私のアドバンテージ、そしてまたマッチポイントだ」ハァハァ
あんじゅ「ふん……ツいてる、わね……」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈「……」ハァハァ
あんじゅ「しゃべる、気力も…なくなった、のかしら…?」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈「…いいから、次を打てよ」ハァハァ
あんじゅ「ふふ…っ、焦るオンナは……っ、モテない、わよ……?」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈「……無駄口はよせ」ハァハァ
あんじゅ「はいはい……」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈(くそっ…!) 134/
あんじゅ「さて、と…」ゼヒュー…ゼヒュー…
あんじゅ「いくわよ……ふっっ!」パコン
英玲奈「はっ!」パコーン
あんじゅ「つうっ……!」パコン
英玲奈(済まなかった、あんじゅ)パコーン
あんじゅ「……負けない……!」パコン
英玲奈(私が不甲斐ないばかりに…っ!)パコーン!
あんじゅ「私は…っ!絶っ対に……!」パコーン
英玲奈(今、楽にしてやる…!!)パコーン!
あんじゅ「負けないっ!!」スパーン!!
英玲奈「あああああ!!」 135/
―
ポン……ポン……ポン…………
英玲奈「……終わっ……」ハァッ…ハァッ…
あんじゅ「あああぁぁぁ〜〜〜!!!」
あんじゅ「英玲奈のばかぁぁ〜〜!!」
あんじゅ「なんで……なんで勝っちゃうのよぉぉ!!」
あんじゅ「うわぁ〜〜ん」ボロボロ
英玲奈「あんじゅ……」ハァ…ハァ…
――― 136/
―――
英玲奈「いいかげん機嫌直してくれよ……」
あんじゅ「ふんっ!いーだ!この卑怯者!」
英玲奈「卑怯者は無いだろう。卑怯者は」
あんじゅ「うるさい!ばーかばーか!私を騙してたクセに!」
英玲奈「別に騙してはないだろ?」
あんじゅ「騙して不意討ちしたじゃない!」
英玲奈「不意討ちは、まあ……」
あんじゅ「ほーら見なさい!」
英玲奈「そ、それは卑怯ではないだろ!勝負とはそういうモノなんだから!」
あんじゅ「あーもううっさいうっさい!」
英玲奈「やれやれ……」
あんじゅ(わかってるわよ…そんなこと…っ!) 137/
英玲奈「……」
あんじゅ「……」
英玲奈「…なああんじゅ、実は私な……」
英玲奈「最後の方、負けてもいいと思ってたんだ」
あんじゅ「!?」
英玲奈「…最終セット7ゲーム目が終わった時、5-2で私は完全にあんじゅを追い詰めた」
英玲奈「肉体的にも、精神的にも、あそこがあんじゅの限界だと、私はそう思っていた」
あんじゅ「……」
英玲奈「……まさかそこから8ゲーム目をキープするなんて」
英玲奈「ましてや2セット目の私よりも遥かにボロボロの状態で9ゲーム目をブレイクされるなんて思いもしなかった」
英玲奈「あの時、寒気がするような気迫でプレーするあんじゅを見て、私は思い出したんだ」
英玲奈「そうか、A-RISEで一番の負けず嫌いはお前だったな、と……」
あんじゅ「……っ」 138/
英玲奈「私はそもそも勝ち負けにそんなに拘らないタイプだしな」
英玲奈「もちろん負けるのは嫌だが、例え負けても、全力でぶつかり合う事が出来たのなら悔いはない」
英玲奈「勝ち負けはただの結果で、その時点での実力差にすぎない」
英玲奈「だったら次は負けないようにまた鍛えればいいだけのことだと」
英玲奈「ツバサはあれでいてクレバーというか合理的というか、そういうところがあるからな」
英玲奈「負けた悔しさよりも、負けた理由の方が気になるタイプだ」
英玲奈「そうして敗因を分析し、対応策を考え、それを実践して、次の勝負には必ず勝つ」
英玲奈「と、そう考える」
あんじゅ「……」 139/
英玲奈「そんな私達の中で、あんじゅだけがどんなに敗色濃厚でも最後の最後まで負けたくないと駄々をこね」
英玲奈「負けた後も悔しい悔しいと怒りをぶちまける」
あんじゅ「なによ、それ……子供だって言ってんの?!」
英玲奈「違う」
あんじゅ「っ!」
英玲奈「…私だってツバサだって負けるのは嫌だ。負けたら悔しいに決まってる」
英玲奈「でもそれを素直に表現する事は私には出来ない。きっとツバサもだと思う」
英玲奈「……それを口に出すことは「弱さ」だと思っていたからだ」
英玲奈「でもそれは違った」 140/
英玲奈「次を考えるのは、今、負けた悔しさを正面から受け止めたくないただの逃げだ」
英玲奈「勝てないと分かっているのに、負けたくないと思うのは負け惜しみだ」
英玲奈「そういう「弱さ」は誰にだってある、でもそれを堪えるのが「強さ」だと思っていた」
英玲奈「私のサービスゲームをブレイクした時のあんじゅを見るまでは」
あんじゅ「……」
英玲奈「あんじゅは逃げなかった」
英玲奈「どんなに追い込まれてもその瞬間の悔しさから、その現状から逃げなかった」
英玲奈「次への希望へ逃げずに、どんなに絶望的でも絶対に今ここで勝つんだという気持ちを垂れ流していた」
英玲奈「端からみればみっともない悪足掻きにしか見えなかったかもしれない」
英玲奈「しかし私はそんなあんじゅをとても「強い」と思った」 141/
英玲奈「事実私は、あの時のあんじゅの気迫に、執念に、気圧されていた」
英玲奈「そしてブレイクされた時、心の底から敵わないと思った」
英玲奈「私の心は、その時完全に敗北したんだ……」
あんじゅ「……」
英玲奈「だからあんじゅ」
英玲奈「形はどうあれ、あの勝負は完全に私の負けだ」
英玲奈「だから、この勝負をあんじゅは誇って欲しい」
あんじゅ「……」
あんじゅ「……じゃあなんで勝ったのよ?」
英玲奈「……え?」 142/
あんじゅ「心が折れたんでしょ?負けを認めたんでしょ?」
あんじゅ「だったら負けてくれりゃいいじゃない」
英玲奈「あの、あんじゅ?話聞いてたか?試合の結果がどうあれ――」
あんじゅ「試合にも勝ちたかった!」
英玲奈「お、おう…」
あんじゅ「負けてもいいなら負けなさいよ!勝つ必要ないじゃない!なに勝手に勝ってくれちゃってんのよ!」
英玲奈「い、いやそれは違うぞあんじゅ」
あんじゅ「なにがよ?」
英玲奈「あんじゅがあそこまで試合に真剣だったからこそ、私も真剣に勝負しなけりゃ失礼だと思ったんだ」
英玲奈「あんじゅの気持ちに報いる為にも、手加減なんていう無粋な真似は出来なかった」
あんじゅ「そんなの知ったこっちゃないわよ!」
英玲奈「ええ……」 143/
英玲奈「じゃあなにか?あんじゅは私が手加減すれば良かったとでも言いたいのか?」
英玲奈「あの魂のぶつかり合いとも言える真剣勝負の結末が、もし八百長だったとして、お前はそんな勝利を喜べるのか?」
あんじゅ「もちろん!」
英玲奈「そうだろう?だからこそ私は――」
英玲奈「――え?」
あんじゅ「なによ?」
英玲奈「え?嬉しい、のか?八百長でも?!」
あんじゅ「あったり前じゃない!勝ちは勝ちよ!」
英玲奈「……は、はは……本当にお前ってヤツは……」
あんじゅ「なに笑ってんのよ!バカにしてる?!」
英玲奈(敵わない、な)
あんじゅ「きぃぃっ!悔しいぃぃ〜〜!!!」
――― 144/
>>123【「バイブ」】
英玲奈「!」
あんじゅ「あはっ、なにこれすっご!えっぐ!」
英玲奈「お、おい……」
あんじゅ「ね、ね、凶悪すぎない?この形」ウィンウィン
英玲奈「っ……」
あんじゅ「ほらほら英玲奈〜」
あんじゅ「? 英玲奈〜どしたの?」
英玲奈「……」
あんじゅ「――あ」
あんじゅ「あぁ〜…ひょっとしてコレ、英玲奈が隠し持ってるブツだったり?」ニマニマ
英玲奈「ぶっっっ!!」 145/
英玲奈「な、なななな……!」
英玲奈「なんってこと言うんだお前は!!」
あんじゅ「もー、じょーだんじょーだん。そんなに怒ることないじゃない♪」アハハ
英玲奈「真に受けるヤツがいたらどうするんだ!」
あんじゅ「ふたりだけなんだからそんなこと気にする必要ないのに〜」
英玲奈「……」
あんじゅ「英玲奈?」
英玲奈「……少し前からひょっとしたらと思っていたんだが……」
英玲奈「……あんじゅ、お前ここが誰かに見られていることを忘れてるんじゃないか?」
あんじゅ「え?」 146/
あんじゅ「忘れてないわよ?」
英玲奈「そうかぁ〜?にしては言動が少し油断し過ぎなんじゃないかと思うんだが……」
あんじゅ「あー、そーゆーこと?」
あんじゅ「……ん〜…コレ言っていいのかな…?」
英玲奈「何だ?」
あんじゅ「…ま、いっか。あのね英玲奈、たぶんなんだけど……」
あんじゅ「ココ見てる人たち、私たち(A-RISE)のこと知らないと思うわ」
英玲奈「はあ?!」 147/
英玲奈「いやいやいや、待て待て、それはないだろう。さすがに――」
あんじゅ「まあ姿は見えてないんだから、ツバサにしたってホントにあのツバサかの確証が持てないだけかも知れないけど」
あんじゅ「でも知ってるならまったく何も触れてこないのもおかしいと思うでしょ?」
英玲奈「それはまあ、確かに…でも最初の頃にあんじゅの名前を出してたヤツいなかったか?」
あんじゅ「ああ〜……いたわね〜……でもココに来てすぐにお互い名前自体は呼びあってたし」
英玲奈「ではあれはどうだ?園田海未や西木野真姫の件は」
あんじゅ「それはちょっと引っ掛かってるのよね〜」
英玲奈「他にもあれとかあれとか」クイッ
wsws希ロボ「」
Fツバサ『』 148/
あんじゅ「ツバサの人形はなんとなくわかるわ」
英玲奈「あれらはここを見ている人間が出しているんだろ?知らなくても出せるものか?」
あんじゅ「だってツバサ言ってたでしょ?見てる人たちが「書き込んだレスによってメッセージや物体が現出する」って」
あんじゅ「つまり文章で「ツバサの人形」とか「希ちゃんのロボット」とか指示すればいいだけだから、必ずしも外見を知っている必要は無いわ」
英玲奈「なるほど」
あんじゅ「ただし、文字にしてもロボットにしても「希ちゃん」「海未ちゃん」「真姫ちゃん」の名前をノーヒントで出してるから……」
あんじゅ「たぶん、μ'sの子たちのことは知ってるんだと思う」
英玲奈「そうだよな……でもあんじゅ」
あんじゅ「なに?」
英玲奈「μ'sの事を知っていて、私達(A-RISE)を知らないなんてありうるのか?」
あんじゅ「そこなのよね〜……」 149/
あんじゅ「でもそれこそ私たちのことを知ってる人たちが、私たちを好きな目にあわせられるなら、こんなに待遇良くはないんじゃない?」
英玲奈「……そうかもな」
あんじゅ「ツバサだって言ってたじゃない、たぶん記憶が残らない方が良いって」
英玲奈「そうか、そうだよな……」
あんじゅ「だからやっぱり、ここを見てる人たちは、μ'sを知ってるけどA-RISEを知らない、もしくは少なくとも私たちに悪印象を持たない人たち、ってことだと思うのよね」
英玲奈「果たしているかな?そんな人間が…しかも個人じゃなく集団で」
あんじゅ「……パラレルワールド、みたいな別の世界、とかならどう?」
英玲奈「別の世界?おいおい何言ってるんだあんじゅ?小説や映画じゃないんだぞ?」
あんじゅ「でもここが既に異世界みたいなものじゃない?」
英玲奈「っ……!」
あんじゅ(ホントはもうひとつ思いついた可能性あるけど…アタマの固い英玲奈に言ってもだからなぁ) 150/
英玲奈「むぅ……」
あんじゅ「はい!じゃあ考えるのはここまで!」パン!
英玲奈「なんだよ?急に」
あんじゅ「これ以上考えもムダだからよ。この答えはどーせツバサに聞かなきゃわからないんだし」
あんじゅ「まあ、聞いてもわかるかどうかはわからないんだけど…」
英玲奈「…違いない」クスッ
あんじゅ「だからそんなことは気にしないしない!」
あんじゅ「前にも言ったでしょ。どうにもならない事なんてどうにでもなっていい事よ」
英玲奈「……ああ、そうだったな」フフッ 151/
>>125【「押すと何かが起こるボタン」】
あんじゅ「ん?なにかしらこれ?」
英玲奈「ボタンだな。何も説明みたいなものは無いようだが…何のボタンだ?」
あんじゅ「じゃあさっそく――」
英玲奈「わあっ!ま、待て待て!いきなり押すヤツがあるか!?」
あんじゅ「なによー、さっき結論出たでしょ?考えてもムダなことは考えないで良いのよ」
英玲奈「それとこれとは……」
あんじゅ「それに前この話した時にはポテト出て来たじゃない?良い流れ来てるって!」
あんじゅ「だ〜いじょ〜ぶだいじょぶ〜。そんなに悪いことなんてそうそう起きないって〜」
英玲奈「そうかぁ〜?」
あんじゅ「なんか良いことありますよ〜に、っと」ポチリ
《何が起きる?安価>>217》 200レスで終了ならこのレスはもう拾われないかな?
【A-RISEのこと好きなのでそんな酷いことはしないよ~(人によると思うけど)】 152/
《押すと何かが起こるボタン》
《>>217地面がスポンジケーキになる》
英玲奈「!! じ、地面が?!なんだ、これは!?」
あんじゅ「ケーキ…?」ペロッ
あんじゅ「!? こ、これは……スポンジケーキ!!」
英玲奈「よく躊躇なく地面を食えるな!?」
英玲奈「とにかく――うおっ?!」ズブッ
あんじゅ「英玲奈!大丈夫?!」
英玲奈「ああ、だがどうする!このままでは体ごとケーキの地面に沈むぞ?!」
あんじゅ「落ち着いて英玲奈。私みたいに大の字に寝て接地面を増やすのよ」
英玲奈「よく躊躇なくケーキの上に寝転べるな……」 153/
英玲奈「ふぅ……とりあえず沈むのは回避出来たが…これからどうする?」
あんじゅ「あれを見て」
英玲奈「あれ?」
あんじゅ「あそこまで行けばとりあえずの拠点にはなるわ」
英玲奈「なるほど、卓球台か。しかしどうやって行く?最早立ち上がることもままならないぞ?」
あんじゅ「簡単よ、こうすればいいのよ」ゴロンゴロン
英玲奈「確かに寝そべったまま転がれば移動は出来るな……」
英玲奈「……すごくみっともないが」
あんじゅ「英玲奈ー?置いてくわよー?」ゴロンゴロン
英玲奈「……仕方ない、か……」ゴロンゴロン 154/
――
あんじゅ「これで、ひとまず安心ね」
英玲奈「……見渡す限りケーキだな…やはりすべての地面が置き換わっているのか…?とはいえこのためだけに……?」
あんじゅ「さすがに食べきれないわよね〜」
英玲奈「食う気なのかよ…」
あんじゅ「あ、見て英玲奈!ポテ山の標高が半分くらいになってる!」
英玲奈「自重で沈んだか、無理もない」
あんじゅ「あーぁ、もったいない…」
英玲奈「まだ食う気だったのか…?」
あんじゅ「あそこ!ツバサ刺さってる!」
英玲奈「アイツは比較的軽かったからな。東條希は完全に埋まったみたいだが」
あんじゅ「助けに行きましょ!」 155/
>>126【油圧式ジャッキ】
あんじゅ「英玲奈〜ファイト〜!もう少しよ〜!」
英玲奈「どうして当たり前のように私に行かせるんだ?まったく…」ゴロンゴロン
あんじゅ「英玲奈〜油圧式ジャッキだって〜!」
英玲奈「……だからなんだ?」 156/
>>153【ジョジョかよ】
あんじゅ「英玲奈〜!」
英玲奈「見えている!だが…」
あんじゅ「どーゆー意味ー?」
英玲奈「こっちが聞きたいよ……っと」ガシッ
Fツバサ『何か用かしら?』
英玲奈「目標を確保!直ちに帰還する!」
あんじゅ「オッケー!気を付けてねー!」
Fツバサ『さあ、行きましょう』 157/
――
>>162【テニヌじゃなくてわりとちゃんとテニスしてくれてた…よかった】
英玲奈「ん?テニス…?」
あんじゅ「……テニス、とは?」
英玲奈「おい、流石に競技自体を無かったことにするな」
英玲奈「にしても…どうして今さら?」
あんじゅ「……タイムラグがあるのかもね」
英玲奈「タイムラグ?」
あんじゅ「見てる人たちが書き込んだタイミングと、こちらに反映されるまでの時間よ」
英玲奈「なるほど、しかし最初はリアルタイムじゃなかったか?」
あんじゅ「時間が進むにつれて処理が遅くなる、とかそういうのかしら?」 158/
>>169【「キンキンに冷えたビールがたくさん入ってる冷蔵庫」】
ズズズズ……
あんじゅ「あぁ〜…せめて開けて中見たかったわね…」
英玲奈「あの沈みようからして空では無さそうだな」
あんじゅ「英玲奈!」
英玲奈「嫌だ!」
あんじゅ「…反抗期なの?」
英玲奈「心底不思議そうな顔をするな!欲しいなら自分で取ってくればいいだろう!」
あんじゅ「……それが出来れば良いんだけどね……」
英玲奈「! まさか!どこか悪いのか?!」
あんじゅ「めんどうじゃない?掘り返さなきゃだし」
英玲奈「知るか!」 159/
>>180【どんどんテニスからテニヌになっているじゃないか!】
英玲奈「さっきもあったが「テニヌ」とはなんだ?テニスとは違う意味合いで使われているが」
あんじゅ「あー、テニスの常識を越えたファンタジーテニスって感じの造語ね」
英玲奈「とするとやはりタイムラグがあるという説が正しそうだな」
あんじゅ「ええ、英玲奈が亜音速サーブ打ち始めた辺りじゃない?」 160/
>>189【英玲奈さんが楽しそうでなにより】
あんじゅ「ほら、きっと英玲奈が調子に乗って「地獄を楽しみな」とかやってた頃よ」
英玲奈「わ、悪かったよ…あの時は私もいっぱいいっぱいだったんだって!」
あんじゅ「今から考えると…必死に悪者演じてて笑えるわよね」
英玲奈「そういうことは思っても口にするなよ!///」 161/
>>190【何を読んでたんだっけ…まぁ面白いからいっか】
英玲奈「読む?」
あんじゅ「…ひょっとして私たちの言動ってテキスト化されてるのかもね」
英玲奈「! そうか!だから「見てはいるけど見えてはいない」のか!」
あんじゅ「じゃあ私がこんな格好してもわからないってことよね?」
英玲奈「こ、こらあんじゅ!はしたないぞ!」
あんじゅ「もう!英玲奈!はしたないって言ったらはしたない格好なのがバレちゃうじゃない!」
英玲奈「す、すまん…つい……!」 162/
>>207【このえれあんのやりとりすき】
英玲奈「面白がられている…」
あんじゅ「タイムラグ。今のやりとりじゃないでしょ」
英玲奈「そ、そうか…すると…?」
あんじゅ「テニスの後だから英玲奈のおもちゃが出てきた辺りかしら?」
英玲奈「わ、私のじゃないっ!」
あんじゅ「あ、そうだったわねごめんごめん。英玲奈のはもっとこう……」
英玲奈「そもそも持ってないと言ってるんだ!!」
あんじゅ「むきになると余計怪しまれるわよ〜?」プクク…
英玲奈「〜〜っっ!!どうすりゃいいんだよ!もうっ!」///// 163/
>>208【追いついた。面白い】
あんじゅ「だってさ?えーれーなーちゃん♡」
英玲奈「ちゃんは止めろ!タイムラグなんだろ?今の話じゃないはずだ!」
あんじゅ「ま、そうね。ただの感想だと思うけど…」
あんじゅ(ってことは見てる人たちは何かの目的があって集められた人たちじゃないの?)
あんじゅ(たまたま覗いて、気が向いたら書き込むくらいの感覚で見てるとしたら……)
あんじゅ(いったい何人の人が見てるのよ) 164/
英玲奈「……考えたんだが」
あんじゅ「な、なに?!」
英玲奈「? どうかしたか?」
あんじゅ「んーん、ちょっとぼーっとしてただけ?それで?」
英玲奈「ああ、あのボタンだけどな、もう一回押してみないか?」
あんじゅ「地面をケーキに変えたボタン?なんで?」
英玲奈「この現象が不可逆的なものかを調べたい。ただ単に地面をケーキにするだけの機械を作るかな?と思ってな」
英玲奈「もし地面を普通の地面とケーキとを入れ替えるボタンなら、押す度に入れ替わるから次に押した時は元に戻るんじゃないかと思う」
英玲奈「単に地面をケーキに変えるだけのボタンなら何も起こらない訳だからリスクは無いかな、と思ったんだが」
あんじゅ「……」
英玲奈「どうだ?」
あんじゅ「英玲奈にしては、よく考えてあると思う」
英玲奈「英玲奈にしては、は余計だろ」
あんじゅ「いいんじゃない?やってみましょうよ」 165/
英玲奈「じゃあ早速――」
あんじゅ「待って!私が押すわ!」
英玲奈「どっちでもいいだろ、それは」
あんじゅ「条件はなるべく揃えないと、押す人によって機能が変わったらどうするのよ?」
英玲奈「あ…!」
あんじゅ「まったく…ま、英玲奈らしいけどね」
英玲奈「悪かったな…!」
あんじゅ「じゃ、私が押すわね」
英玲奈「頼む」
あんじゅ「えっと…たしかあの時は……」
あんじゅ「なんか良いことありますよ〜に、っと」ポチリ
《押すと何かが起こるボタン》
《何が起きる?安価>>233》 166/
《押すと何かが起こるボタン》
《>>233 地面がこんにゃくになる》
英玲奈「ん?お、おおおっ?!」
あんじゅ「地面が、揺れてるっ?!」
あんじゅ「これ、コンニャク…?」
あんじゅ「……ってことは……」
英玲奈「!!」
英玲奈「あんじゅ!」
あんじゅ「え?」
英玲奈「走れ!逃げるぞ!!」
あんじゅ「な、なになに?!」
英玲奈「雪崩だ!!」 167/
――
英玲奈「なんとか…助かったか……」ハァハァ
あんじゅ「ポテ山が…崩れたの……?」ハァハァ
英玲奈「ああ、地面が急に弾性を持ったから山が少しバウンドしたんだ」
英玲奈「それで――」
あんじゅ「土砂崩れならぬポテ崩れが起きたってワケね」
英玲奈「ああ」
あんじゅ「…かわいそうなツバサ…成仏してね…」ナムー
英玲奈「演技でもないこと言うなよ……」 168/
あんじゅ「さて、供養も済んだことだし、本題に戻りますか」
英玲奈「相変わらず切り替えがはやいな」
あんじゅ「検証の結果としては、このボタンは「押す度に地面を何かに変えるボタン」じゃないかと思うんだけど…」
英玲奈「異議なし、だな」
あんじゅ「どうする?まだやってみる?」
英玲奈「それは悩みどころだな……正直、ケーキは歩きにくさもそうだが、あの甘ったるい匂いがキツかったしな」
英玲奈「コンニャクなら匂いもさそんなに無いし、歩けなくもないからそんなに不便は感じない」
英玲奈「これ以上はリスクを上回るリターンが来そうにないと思うぞ?」
あんじゅ「同感ね、ケーキでも埋まる危険性があったけど、これで地面が液体、ましてや気体にでもなったらと考えると……」
英玲奈「気体か……考えもしなかったが確かに洒落にならないな……」
あんじゅ「じゃあこのボタンは以降封印ということで」
英玲奈「ああ、異議なしだ」 169/
>>218【A-RISEのこと好きなのでそんな酷いことはしないよ〜(人によると思うけど)】
英玲奈「……」
あんじゅ「……」
英玲奈「やっぱりパラレル説が正しそうな気がするな…」
あんじゅ「…」
英玲奈「ということはアレが起こらなかった世界、なのかな……?」
あんじゅ「かもね……」
英玲奈「もしそうだったなら、私たちは――」
あんじゅ「止めましょ、もしもの話をするのは」
英玲奈「……すまん」 170/
あんじゅ「でも逆に考えると、今ここなら私たちの好感度は悪くないってことじゃない?」
英玲奈「今までの事を考えると、そうなんだろう」
あんじゅ「それならもうちょっとくらい……」
英玲奈「おいおい、あんじゅは十分厚遇されてるだろ」
あんじゅ「そう?」
英玲奈「お前がおねだりしたから食べ物ばっかり出てきてるんじゃないのか?」
あんじゅ「え?そうなの?」
英玲奈「テニスラケットだってそうじゃないか」
あんじゅ「えー、だったらもうちょい私好みの食べ物出てきても良くない?」
英玲奈「なんて贅沢なヤツだ……ひどい目に合わないだけでも御の字だと思うぞ、私は」 171/
>>234【ヨーヨー】
英玲奈「ヨーヨー…?」
あんじゅ「これは…英玲奈ね!」
英玲奈「え?!何が?!」
あんじゅ「英玲奈に喜んでほしくて書き込んだのよ、きっと
」
英玲奈「えぇ…私にヨーヨー好きな要素あったか…?」
あんじゅ「じゃあ私にヨーヨー好きな要素があると思う?」
英玲奈「いや、まったく」
あんじゅ「だったら英玲奈じゃない」
英玲奈「私にもないわ!」 172/
あんじゅ「えー、じゃあツバサ?」
英玲奈「ツバサか…ツバサなら……」
あんじゅ「あ、ねえねえ、この「ヨーヨー」ってさ、どっちのだと思う?」
英玲奈「どっちって?」
あんじゅ「ヒモついてる方と、水風船の方と」
英玲奈「さあ?紐の方なんじゃないか?」
あんじゅ「ヒモの方か〜」
英玲奈「なんだ?そっちだと何かあるのか?」
あんじゅ「べっつにぃ〜」
英玲奈「……お前、まともに会話する気無いだろ」 【このまえあんじゅさんが英玲奈さんのエクレア食べてましたよ】 173/
>>235【「地面を埋め尽くすほどの大量のローション」】
英玲奈「――ん?」
英玲奈「!? 何だこr……ぅわぁっ?!」ビターン
あんじゅ「急に立ち上がると危ないわよー?」
英玲奈「何だ、これは…?ぬるぬるしてる…?」
あんじゅ「ローション、かな?」
英玲奈「害は無いのか?」
あんじゅ「無いんじゃない?たぶん。ただの潤滑剤だし」
英玲奈「それで滑るのか…」 174/
―
英玲奈「くっ…!よっ、と……うわっ?!」ペターン
あんじゅ「もう諦めたら〜?」
英玲奈「しかしこれから先、立てないのは困るだろう?」
あんじゅ「なんで?」
英玲奈「何かあった時に迅速な行動がとれないからな。さっきのポテ崩れみたいな事が起きたら大変だ」
英玲奈「だからせめて…っ!この足場に慣れておかなくては……っ!」プルプル
あんじゅ「ただ滑るだけじゃなくてコンニャクが柔らかいからね〜」
英玲奈「く…っ!せめて地面が固ければ多少の踏んばりも効くんだが……くぁっ!?」ペターン
あんじゅ「ダメよ〜?あのボタンはもう使わないんでしょ?」
英玲奈「わかっている。だからこうして……おわっ!」ベチーン 175/
あんじゅ「ねえ英玲奈」
英玲奈「何だ」ハァハァ
あんじゅ「移動が出来ればいいんでしょ?」
英玲奈「ああ」フゥ
あんじゅ「だったら歩かなくても滑ればいいんじゃない?」
英玲奈「…それで自由に動けるならな」
あんじゅ「ん〜…じゃ、見ててね〜」
あんじゅ「とりゃ〜」ツルツル〜
英玲奈「!?」
あんじゅ「よ…っと」クルン
英玲奈「っな?!」
あんじゅ「それ〜」ツルツル〜
あんじゅ「ただいま〜♪」ツル〜
英玲奈「な、な、な……」
英玲奈「何者だ?!お前は?!」 176/
あんじゅ「じゃあ、はい、英玲奈もやってみて?」
英玲奈「出来るか!」
あんじゅ「今の見てたでしょ〜?」
英玲奈「見てた、しかし一体どうやってこの踏ん張りの効かない地面で方向転換したんだ?」
あんじゅ「簡単よ、こーするの」ズブッ
あんじゅ「それ〜♪」ツルツル〜
英玲奈「! なるほど、コンニャクに指を突っ込んで亀裂を……!」
あんじゅ「あははは〜♪」クルクルクル〜
英玲奈「……天才か、アイツ……」 177/
―
英玲奈「くっ!」ズボッ
英玲奈「はっ!」ズボッ
英玲奈「どうだあんじゅ!歩けたぞ!」
あんじゅ「確かに歩けてるわね〜」
あんじゅ「でも足突き刺しながら歩くくらいなら、滑ったほうが速くない?」
英玲奈「それは…なんか嫌だ」
あんじゅ「なんで?楽しいわよ〜?」
英玲奈「なんというか、私の中の尊厳がそれを受け入れないというか……」
あんじゅ「もー相変わらずアタマ固いんだからー」
あんじゅ「じゃあ次は走らなきゃね」
英玲奈「ああ、見てろよ…!」グッ
英玲奈「は!ぅわぁっ?!」ビッターン!
あんじゅ「……先は長そうね〜……」 178/
>>243【「英玲奈とあんじゅが好みそうな水着2着」】
あんじゅ「水着ぃ〜?今さら〜?」
あんじゅ「こんな状態で今さら水着なんて……」
あんじゅ「あ、でもこの水着かわいい♡着ちゃおっと♪」
あんじゅ「英玲奈はー?どうするー?」
英玲奈「もちろん着る!」ズボッズボッ
あんじゅ「なんかすっごい怒ってるみたいな歩き方よね」プププ
英玲奈「う、うるさい!」 179/
英玲奈「ほう…」
英玲奈「ほうほう!」
英玲奈「これはいいな♪」
あんじゅ「あら珍しい、英玲奈がニヤけてるわ」
英玲奈「言うなよ。でもこの水着、サイズもぴったりだしデザインも私好みだ」
英玲奈「嬉しくならない訳がない!」ニコニコ
あんじゅ「そうね〜、私の方の水着もいいセンスだもの」
あんじゅ「……それにしてもよく私たちの好みがわかったわね〜」 180/
英玲奈「ふふふ…♪」
あんじゅ「ふふ…なんだかホントに嬉しそうね〜?」
英玲奈「ああ、だって初めてだぞ」
あんじゅ「初めて?なにが?」
英玲奈「私用の良いものが出てきた事が、だ」
あんじゅ「そうだっけ?」
英玲奈「あんじゅは結構我が儘を叶えて貰っているからわからないだろうが、純粋な私へのアイテムは本当に無かったからな」
あんじゅ「へぇ〜そっか、よかったじゃない」
英玲奈「ああ」ニコニコ 181/
――
英玲奈「それっ!」ツルツル〜
あんじゅ「――英玲奈ったら、はしゃいじゃって……」
あんじゅ「そんなに水着が嬉しかったのかしら?」
英玲奈「やっほーぅ!」ツルツルツル〜
あんじゅ「ねえ英玲奈ー?腹這いで滑るのはプライドが許さないんじゃなかったのー?」
英玲奈「水着だからいいんだー!」クルクル〜
英玲奈「はっはっはっは!」ツル〜
あんじゅ「いみわかんない」フフッ
―― 182/
>>244【このまえあんじゅさんが英玲奈さんのエクレア食べてましたよ】
英玲奈「それは嘘だな」
あんじゅ「そーね〜」
英玲奈「我々は冷蔵庫の管理を徹底してるからな」
あんじゅ「個人のモノには名前と日付を必ず書いてるからね〜」
英玲奈「そして、所有権の無い物には手を出さない。これさえ守れば揉める事はない」
あんじゅ「うんうん」
英玲奈「……我々はそれをあの事件で学んだからな……」
あんじゅ「ええ……「血染めの白くまくん事件」……思い出したくもないわね……」 183/
英玲奈「よって!我々の中で冷蔵庫の中身による揉め事など起こり得ないと断言出来る!」
あんじゅ「そーだそーだー!」
英玲奈「……あるとすれば冷蔵庫外の話だよな?あんじゅ?」
あんじゅ「……え?」
英玲奈「私の買い置きのTOPPO…確かまだあったはずだったんだがなぁ…?」
あんじゅ「待って!共有箱のモノはノーカンでしょ?!」
英玲奈「名前、書いてあっただろう?」
あんじゅ「……」
あんじゅ「てやー!!」ツルツルツルツル〜!
英玲奈「あ!待て、このっ!」シュパー!
―― 184/
―
英玲奈「どうだ?反省したか?」
あんじゅ「ふーんだ、私が食べたって証拠もないクセに」
英玲奈「じゃあ何で逃げたんだよ」
あんじゅ「そりゃあ、英玲奈が怒るからよ」
英玲奈「それはお前が怒られるようなことをするからだろう……」
あんじゅ「しててもしてなくても怒られそうなら逃げるわよ、私は」
英玲奈「何でそんなに堂々としていられるんだ……?」 185/
あんじゅ「逆に聞くけどさぁ」
英玲奈「何だ?」
あんじゅ「仮に私が犯人だとして、よ?」
英玲奈「仮に、ではないと思うが…」
あんじゅ「ここで英玲奈に謝っても、帰ったらその記憶は無くなるワケじゃない?」
英玲奈「そうらしいな」
あんじゅ「だったら謝り損じゃない?」
英玲奈「はあ?!」
あんじゅ「だってそうでしょう?今、私が真摯に反省の弁を述べたとしても、帰ったらまた英玲奈は私を怒るんでしょう?だって忘れてるんだから」
英玲奈「それは!……そう、かもな……」
あんじゅ「でしょう?」 186/
あんじゅ「そうしたら私はまったく同じ罪で2回罰を受けることにならない?」
英玲奈「……そう、なるのか…?」
あんじゅ「英玲奈は、それでいいの?」
英玲奈「いい、とは?」
あんじゅ「ひとつの罪で、2度罰を与える事を貴女は良しとするのか、って聞いてるの」
あんじゅ「貴女の良心は!貴女の正義は!それを正しい事だと胸を張って言えるのかって問うているのよ!!」ビシィッ!!
英玲奈「!!」
英玲奈「……なるほど…」 187/
英玲奈「つまり、外での罪を此処で問うのは不毛だって事を言いたいのか?」
あんじゅ「不毛ってよりも、むしろ理不尽だと私は思うわ」
英玲奈「……確かに、それは一理ある、か」
英玲奈「よし、わかった!」
英玲奈「では、あんじゅ。この問題は帰ってからきっちり反省してもらうからな。それでいいか?」
あんじゅ「ええ、私は筋はとおす女よ。やったことに対する責任はちゃんととるわ」
あんじゅ「この優木あんじゅ!逃げも隠れもしない!」
英玲奈「……さっき逃げた事、もう無かった事になってるのか…?」
英玲奈「まあいい、その言葉、絶対に忘れるなよ」
あんじゅ「もちろん!」
あんじゅ(忘れるに決まってるじゃない) 188/
あんじゅ「そういえばさっきの」
英玲奈「ん?」
あんじゅ「アレなんなの?しゅぱーって」
英玲奈「しゅぱー?」
あんじゅ「なんかフィギュアスケートみたいに追いかけてきたじゃない!あんなの私聞いてない!」
英玲奈「ああ、あれか」
英玲奈「私もびっくりしたんだが、あの時突然出来るようになったんだ」ツイ〜
英玲奈「おそらく何百何千とチャレンジする内に必要なボディバランスと体幹が鍛えられていたんだろう」シュパー
英玲奈「あんじゅもトレーニングすればいずれ身に付けられると思うぞ」クルクルクル〜
英玲奈「はっ!」ピタァ
あんじゅ「……やめとくわ……途方もなく時間かかりそうだし……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています