ツバサ「出来たわ!押した人を500レス*の間なにもない空間に閉じ込めるボタンよ!」
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1/
―――
英玲奈「?!?!?!」
あんじゅ「ふぅ、やっと放した……って、あら?英玲奈ったらフリーズしちゃった?」フリフリ
ツバサ「……うん、成功のようね!」
あんじゅ「ま、いっか」
あんじゅ「で、ここがツバサの言ってた「なにもない空間」なの?」キョロキョロ
ツバサ「ええ」
あんじゅ「へぇ、凄いじゃない。どうなってるのかは知らないけど」
ツバサ「ふふん♪それはね――」
あんじゅ「あーいいいい、説明とかいいから。とりあえず帰りましょ。それから聞くわ」
ツバサ「帰れないわよ?」
あんじゅ「え?」
英玲奈(ココハドコダ?ドウシテ私ハ――)
―――
(*今回は諸事情(後述)により200レスです) 少し前
―――
英玲奈『――何を言ってるんだコイツは』
あんじゅ『さぁ?』
ツバサ『だーかーらー、押した人を――』
英玲奈『待て待て、つまりお前はその…なんだかよくわからないが、今までソレをずっと作ってたって事か?』
ツバサ『そうよ』
あんじゅ『え?あれからずっと?』
ツバサ『ええ、まぁね!』フフン
英玲奈『なんで得意気なんだコイツ?人の気も知らないで……』
あんじゅ『まあまあ、元気なら良かったじゃない♡』
ツバサ『?』 ツバサ『元気だけど…なんで?』
英玲奈『……フン、私達がツバサの顔を見るのは「あの時」以来だからな。それからずっと部屋に籠って一切顔も出しやしない。そりゃ――』
あんじゅ『そうそう、それはそれは心配してたのよ?英玲奈ったら』
英玲奈『な…っ!』
ツバサ『そうなの英玲奈?』
英玲奈『っ!……ああ、そうだ。お前は確かに天才だ。だがあんな事になった後で、ましてや引き籠ったとあれば…』
あんじゅ『まあなにかしらショック受けてるとは思うわよね。普通は』
ツバサ『ショック?私が?』
あんじゅ『あー…いちおう確認だけど、ホントにそーいうのないの?』
ツバサ『無くはないけど……こんなんでへこたれるほどヤワじゃないわよ、私は』
英玲奈『……なるほど。私はまだ「綺羅ツバサ」という人間を量りきれていなかったという訳か……』
あんじゅ『あっそ。ま、私はぜ〜んぜん心配してなかったけどね〜』 あんじゅ『んーと、それで……何を作ってたって?』
ツバサ『押した人を500レスの間なにもない空間に閉じ込めるボタンよ!略して「500レスボタン」ね!』フフン
英玲奈『……聞き間違いじゃなかったのか……』
あんじゅ『なんなの、それ?』
ツバサ『さっきから説明してるじゃない。それ以上でもそれ以下でもないわよ』
英玲奈『……突っ込みどころが多すぎてどこから指摘したものか困るな』
あんじゅ『……さすがに同感』
ツバサ『?』 ツバサ『まぁでも、これで完成!ってわけじゃあないんだけど』
あんじゅ『そうなの?』
ツバサ『ええ。あとひとつ、最後にどうしてもやらなくちゃいけないことがあるのよ』
英玲奈『なんだ?あれだけ自信満々に「出来たわ!」とか言っておいて違うのか?』
あんじゅ『!!』
英玲奈『……なんだ、その顔は?』
あんじゅ『ツバサの真似似てなっっ!!』
英玲奈『う、うるさいっ!そこはどうでもいいだろう!』
ツバサ『…出来てはいるわ。理論上、このボタンは完璧に作動する――ハズよ』
あんじゅ『あ、なんかヤな予感』
英玲奈『?』 ツバサ『というわけで二人とも』
あんじゅ『お断りします!』
ツバサ『まだ何も言ってないじゃない!』
英玲奈『何の話だ?』
ツバサ『とりあえず英玲奈、あんじゅを捕まえてて』
英玲奈『何だかよくわからないが、了解した』ガシッ
あんじゅ『ちょ…っ!うらぎりものーっ!』
英玲奈『別に私はツバサの敵な訳でもあんじゅの味方な訳でもないんだが…』
ツバサ『オーケー!じゃあ英玲奈、私の手を握って』
英玲奈『ああ』ギュッ
ツバサ『じゃあいくわよー!』
英玲奈『?』
あんじゅ『あぁ〜もう……』
ぽちり 2/
―――
英玲奈「」
英玲奈「」
英玲奈「――え?帰れない……?」
あんじゅ「あら、もう再起動したの?」
英玲奈「お、おいツバサ!帰れないってどういう事だ?!」
ツバサ「さっきボタンの説明したわよね?」
英玲奈「あの500レス?だか閉じ込められるっていうヤツか?」
ツバサ「なんだ、わかってるんじゃない」
あんじゅ「え、私閉じ込められてるの?マジ?」
ツバサ「ええ、そうよ」
英玲奈「ふざけるな!騙したのか私を!」
ツバサ「騙すもなにも、最初から言ってたわよ?」
あんじゅ「言ってはなかったけどね。なんとなーくわかってたけど…」 3/
ツバサ「え?言ってなかったっけ?」
あんじゅ「言ってなかったわね〜」
ツバサ「んんー?」
あんじゅ「ほんっと都合のいい記憶力よね〜…」
英玲奈「もういいだろうそんな事は!とにかくどうやったら帰れるのか教えてくれ」
ツバサ「んー…色々説明がめんどそうだから動作確認も兼ねてルール出すわね」ピッ
あんじゅ「ルール?」 5/
【1.500レスボタンを押した者はレスが500を越えるまでこの空間から出られない】
【500レス経過すれば自動的にボタンを押した瞬間の場面に戻され解放される】
【その際こちらでの記憶や経験は全てなくなる】 6/
あんじゅ「なにあの文字、ツバサが出したの?」
ツバサ「そうよ」
あんじゅ「その手首の装置で?」
ツバサ「まあね」フフン
英玲奈「おい!記憶が無くなるってなんだ!」
ツバサ「残らない方がいいわよ?多分」
英玲奈「そんなわけがあるか!」
あんじゅ「押した瞬間の場面ってことは…時間たたないの?」
ツバサ「厳密にはちょっとアレだけど…ざっくり言うと、そんな感じね」
英玲奈「おいツバサ、まだ私の質問が――!」
ツバサ「まだルールあるからとりあえず全部見てくれない?」 7/
【2.こちらで過ごす間その人物は食事や睡眠を必要としない】
【また痛覚もなく体がいくら傷ついてもすぐに治癒する】 8/
英玲奈「……は?」
あんじゅ「」パーン!
ツバサ「痛ッ!?!?」
あんじゅ「痛いんじゃない」
ツバサ「び、びっくりしただけよ!……でもまあこれも必要な確認よね、うん」
あんじゅ「……ホントだ、痛くない」ギュー
英玲奈「……は?」 9/
【3.この空間は基本的に何もない空間だが、例外的に何かがおきることがある】
【4.その方法は、レスを書き込む際に
・【】で囲んだ文字を空に浮かび上がらせる
・【】で囲み且つ「」で囲んだ生物以外のものを送り込む
というものである】 10/
あんじゅ「またレス〜?なんなのそれ?」
英玲奈「???」
ツバサ「ちなみにこの4番目のルールは本番では表示されない裏ルールなのよ♪」
英玲奈「???」
あんじゅ「…なんだかちょっと英玲奈が気の毒になってきたわ」
ツバサ「どうしてよ?」
あんじゅ「英玲奈はアタマ固いからね〜こういう展開についてけないんじゃない?」
ツバサ「あー」 12/
ツバサ「…うん、とりあえずは問題ないようね!」
あんじゅ「え?これで全部?」
ツバサ「ええ、そうよ」
あんじゅ「これじゃなんにもわからないじゃない」
ツバサ「最低限のことは伝えてるわよ」
あんじゅ「最低限すぎって言ってるんだけど……」
ツバサ「それ以上は伝える必要が無いしね」
あんじゅ「それって――」
英玲奈「お前の目的はなんだ?!」ガシッ
ツバサ「っっ!」 13/
ツバサ「痛…くはないけど、ずいぶん乱暴じゃない。らしくないわよ?」
英玲奈「いいから私の質問に答えろ!なんだコレは?!何の為だ!いままで何のためにお前は……っ!お前の本当にやりたいことは何だ?!」
ツバサ「……」
英玲奈「答えろと言っている!!」
あんじゅ「ま、まーまーまー英玲奈ちゃん、すこーし落ち着こ、ね♡」ポンポン
英玲奈「うるさいっ!」バシッ
あんじゅ「きゃっっ?!」
英玲奈「あ……!」
英玲奈「す、済まないあんじゅ。わ、私は……」
あんじゅ「だ、だいじょぶだいじょぶ〜痛くないし」
ツバサ「……英玲奈、私はやることがあるから話は少し待ってなさい。その間に頭を冷やすことね」
英玲奈「…っ!」
あんじゅ「?」 14/
ツバサ「……」フゥ…
ツバサ「さて皆さん!今から皆様方に私めがこの「500レスボタン」の仕様をご説明させていただきましょう」
ツバサ「先ほど表示されましたあの「ルール」実は全て本物でございます」
ツバサ「この空間には皆様方が書き込んだレスによってメッセージや物体が現出するのです!」
ツバサ「例えばこんな風に」ピッ
【「この説明が終わったら消えるイスとマイクとアイマスク」】
えれあん「!?」
あんじゅ「なに、今の…!いきなりイスが出てきたんだけど……!」
英玲奈「わからん…ツバサの手元にも突然マイクと眼帯?が現れたように見えたが……」
あんじゅ(……そもそも、ツバサは誰に向かって――)
あんじゅ「!!」 15/
ツバサ「――ただし、今回はお試しということで私の方で機能にいくつか変更や制限をさせていただいております」キィ
ツバサ「まずはルール1について、500レスボタンとありましたが今回の帰還条件は200レス!そしてそのレスは総レス数ではなく、私達のレス数に準拠するものとなっております!」
ツバサ「つまり今は15レスというわけです」
ツバサ「そしてもうひとつ!」
ツバサ「ルール4についてですが、メッセージ以外の物体を現出させる機能はこちらでその出現を管理させていただきます」
ツバサ「簡単に言うとこちらが安価等で指定した場所以外で書き込まれた物については、こちら側に反映されないものとなっております!」
ツバサ「…誠に申し訳ないのですが、今回はあくまでテスト故、また本来一人用の空間に三人で入った事等による弊害とお考えください」
ツバサ「なおメッセージについては規制も検閲もございませんのでどうぞご自由に」
ツバサ「……さて、この仕様がこの世界にどのような嵐を吹き荒らすのか……」
ツバサ「さあ、いよいよみなさんお待ちかね!次のレスから本格的に本編が開始されます!」
ツバサ「それでは、「500レスボタン」テストプレイ編へ――」
ツバサ「レディ・ゴー!」バッ! 16/
英玲奈「イスが…消えた……?!」
あんじゅ「……ツバサが持ってたマイクと眼帯もね」
英玲奈「なんなんだコレは…まったく意味がわからない……」
あんじゅ「……」
英玲奈「……あんじゅ?」
あんじゅ「……なに?」
英玲奈「どうかしたのか?そんな格好して」
あんじゅ「……ちょっと、気になったことがあるんだけど……」チョイチョイ
英玲奈「私はちょっとどころじゃないがな……なんだ?」
あんじゅ「あのね――」 17/
――
ツバサ「ふぅ」
ツバサ「さて、っと……」
ツバサ「ん?」
ツバサ「――なにしてるの?二人とも?」
英玲奈「そ、そんなことよりまずはこちらの質問に答えてもらうぞツバサ!」
ツバサ「頭を冷やしなさい、って言わなかったっけ?」
あんじゅ「だ、大事なことだからまずは教えてくんない?ね?」
ツバサ「まあいいわ。何?」
英玲奈「――ここは、誰かに見られているのか?」
ツバサ「そうだけどそれがどうかしたの?」
あんじゅ「はぁ?!それでなんでツバサは平気なの?!」
ツバサ「??」 18/
ツバサ「ああ、なるほど。そういうことね」
ツバサ「安心しなさい。私達を見ている人達は見てはいるけど見えてはいないわ」
英玲奈「何を言っているんだ……?」
あんじゅ(さらっと相手が複数人いることまで言ったわね。……まあ「みなさん」って言ってたからそうだろーなーとは思ったけど……)
ツバサ「わかった。そんなに不安なら証明してあげるわよ」
ツバサ「英玲奈ちょっといい?」チョイチョイ
英玲奈「ああ……何をするつもりだ?」
ツバサ「よっ、と……じゃあここを見ているみんなへ――」スッ
あんじゅ「ちょっツバサ!?」
ツバサ「シッ!黙って見てて?」
あんじゅ「……わかった……」 19/
ツバサ「それじゃあ改めてみんなへ質問、というか問題ね」
ツバサ「今、私が顔の前に挙げてるのが左右どちらの手か、そして出している指が何本なのかその数を当ててみて」
ツバサ「答えは……そうね、このレスから下5つのレスにある【】付きレスは優先的に反映させることにしましょう」
ツバサ「ご褒美が無いと答えが集まらないかもしれないから……もし正解したらその人の言うことを何でもひとつ聞く、というのはどうかしら?」
ツバサ「じゃあお願いね。答えてくれると嬉しいわ」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」 20/
>>27【出してない】
>>28【右手中指】
>>29【中指だから一本だな】
>>30【あんじゅとセックスしたい】
>>31【両手 人差し指中指 つまりダブルピースで4本】
ツバサ「みんなありがとー♪」フリフリ
英玲奈「なるほど」
あんじゅ「……気持ちわるっ…」
ツバサ「「出してない」は惜しかったけど正解者はなし、ね」
英玲奈「そもそも全員が同じ答えじゃなかった時点でこちらの姿が見えていないことは証明された、という事か」
ツバサ「そういう事」
あんじゅ「…ツバサのアレを指摘する人もいなかったしね」
ツバサ「ちなみに答えは「0」よ。ただし挙げていたのは手ではなく足だったけどね」 21/
ピピピピピピ
英玲奈「な、なんだ?!」
ツバサ「あ」
ボンッ!
あんじゅ「きゃっ?!」
英玲奈「どうした?!何が――!?」
ツバサ「……」
英玲奈「ツバサ!お前手が!!」
ツバサ「……大丈夫よ、治るから」シュウウ
あんじゅ「……本当にケガ治るんだ……」
ツバサ「……」 22/
あんじゅ「すご…あっという間に元通りね」
ツバサ「凄いでしょ〜?」ヒラヒラ
英玲奈「……だったら――」
ツバサ「それは無理よ」
英玲奈「っ!!」
あんじゅ「あ、ねえねえ、ダイエットとかは?効果無くなるの?」
ツバサ「それはあるわ。だから筋トレなんかは回復が早い分凄い効果を発揮するんじゃないかしら?」
あんじゅ「へー。なによ、使えそうじゃないココ♪」
ツバサ「でも元の場所へ帰ると記憶も肉体も元通りだけどね」
あんじゅ「あそっか…なぁんだ……」 23/
あんじゅ「それで、壊れたの?その装置」
ツバサ「ええ」
英玲奈「…まさかもう帰れない、なんて言わないだろうな…?」
ツバサ「それは大丈夫、ただ…」
あんじゅ「ただ?」
ツバサ「出てくるモノを制御出来なくなったわね」
英玲奈「出てくるモノ?」
あんじゅ「ってルールで言ってたアレ?」
ツバサ「ええ」 24/
あんじゅ「じゃあどうするの?これから」
ツバサ「どうもしないわよ」
英玲奈「大丈夫なのか?」
ツバサ「ええ、いずれにしても200レス経てば自動的に帰れるもの」
あんじゅ「今何レス?」
ツバサ「それもモニター出来なくなっちゃったけど……最後に確認した時から考えると20数レスってところでしょうね」
英玲奈「あと180弱というところか……長いんだか短いんだか」 25/
>>32【右手人差し指と中指】
英玲奈「ん?アレは…?」
あんじゅ「さっき間に合わなかったやつじゃない?」
ツバサ「そうね、答えてくれてありがとね♡」 26/
英玲奈「……」
あんじゅ「どーしたの英玲奈ちゃん?」
英玲奈「ちゃんは止めろ。……ツバサ」
ツバサ「なに?」
英玲奈「話を戻していいか?」
あんじゅ「あ」
英玲奈「お前の目的の話だ。こんな大がかりな仕掛けを用意してお前は何をするつもりだ?」
ツバサ「……」
英玲奈「もう十分頭は冷えた。そろそろ教えてくれないか?」
ツバサ「……」 27/
英玲奈「ツバサ!」
ツバサ「……帰ったら、教えるわ」
英玲奈「…今では駄目なのか?」
ツバサ「ええ」
英玲奈「何故だ?」
あんじゅ「記憶がなくなるからじゃな〜い?」
ツバサ「それもあるわ」
英玲奈「も?他にも理由があるのか?」
ツバサ「今の私は正常じゃない可能性がある」
英玲奈「正常じゃない…?まさかどこか具合が悪いのか?」
ツバサ「そういうわけじゃないけど……とにかく、今は話しても無意味ね」
英玲奈「……それを、納得しろと?」
ツバサ「ええ」 28/
あんじゅ「ほらほら〜顔が怖いわよ〜?え・れ・な・ちゃん♡」
英玲奈「だから!ちゃんは止めろと言っている!!」
あんじゅ「今のツバサに聞いてもムダよ」
英玲奈「!!」
あんじゅ「この顔見たらわかるでしょ?」
ツバサ「……」
英玲奈「……」
英玲奈「…わかった。だがあんじゅ、お前は気にならないのか?」
あんじゅ「そりゃなるわよ。でもツバサが後でってゆーならそうするしかないしね〜」
英玲奈「まぁ、な…」
ツバサ「ごめんなさいね」
あんじゅ「でも後でちゃんと説明しなきゃダメよ?」
ツバサ「ええ、もちろん」 29/
英玲奈「しかし、やはりあんじゅは凄いな」
あんじゅ「え?!どしたの急に!?」
英玲奈「胆が据わっているな、と」
あんじゅ「あ、ああ…そーゆーこと…ビックリした」
英玲奈「何でビックリするんだ?」
あんじゅ「だって英玲奈に誉められることなんてめったにないじゃない」
英玲奈「そうか?」
ツバサ「私は誉めるわよ」
あんじゅ「ありがと〜♡ツバサ大好きよ♡」ハグッ
ツバサ「私も大好きよ!」ハグッ
英玲奈「やれやれ…」フフッ 30/
英玲奈「あんじゅは不安になったりはしないのか?」
あんじゅ「不安って、どーして?」
英玲奈「突然訳のわからん場所に飛ばされて、誰かに見られてて、しかも干渉までされるんだぞ?」
英玲奈「これからどうなるのか不安に思わない方が難しいだろう?」
あんじゅ「ん〜…でもツバサがやることだしね」
英玲奈「!」
あんじゅ「実際痛みもないしケガもすぐ治るっぽいし…あんまり危なくはないんじゃないココ?」
あんじゅ「どうせどーにも出来ないしどーにもならないんだから気にするだけムダよ」
英玲奈「どうにもならないから不安になるんじゃないのか?」
あんじゅ「どうにもならない事なんてどうにでもなっていい事よ」
あんじゅ「そんな事より今を楽しみましょ♪」
英玲奈「いつか地獄を見そうな考え方だな」
あんじゅ「そうなったら地獄を楽しみましょ」
英玲奈「なんてヤツだ…」 31/
>>39【太っても戻るなら好きな物食べ放題やんけ】
あんじゅ「あ、ほらほら!あーゆーことよ英玲奈。どんな状況でもポジティブに考えれば楽しくなるんだから♡」
英玲奈「なるほど確かにそうだな」
英玲奈「それで、何を食べるんだ?」
あんじゅ「あ」
あんじゅ「ツバサぁ……」
ツバサ「だから壊れたんだってば」
英玲奈「楽しくなったか?あんじゅ?」
あんじゅ「う…」
英玲奈「仕方ないよな?どうにもならない事なんてどうにでもなっていい事、だろ?」
あんじゅ「ぐぬぬ……!」
あんじゅ「誰か美味しいものちょーだーーい!!」 32/
>>41【海未ちゃんや真姫ちゃんもここに来てたよね】
あんじゅ「ん?海未ちゃん真姫ちゃんって……確かμ'sの?」
英玲奈「どういう事だ?」
ツバサ「……」
あんじゅ「これはさすがに意味がわかんないわね〜だって――」
ツバサ「気にしなくていいと思う」
英玲奈「何故だ?」
ツバサ「適当に書いてる可能性もあるからよ」
英玲奈「なるほど、確かに」
あんじゅ「…ヘンなヤツもいるしね」
ツバサ「だから、書き込まれる内容を全部真に受ける必要はないわ」 【どうせチャラになるならアレコレやりたくなりそうだけどなにもない空間だとなにも出来ないね】 33/
>>48【どうせチャラになるならアレコレやりたくなりそうだけどなにもない空間だとなにも出来ないね】
あんじゅ「ねー」
英玲奈「真に受けるなと言った途端にまともなのがきたな」
あんじゅ「世の中もまだまだすてたモノじゃないってことよね〜」
ツバサ「……」
あんじゅ「どしたの?」
ツバサ「いや、なんでもないわ」 34/
>>49【「山盛りのフライドポテト」】
ツバサ「……」
英玲奈「……」
あんじゅ「きゃ〜♪本当に出てきたじゃな〜い♪」
あんじゅ「いっただっきま〜す♡」
英玲奈「お、おい!あんじゅ!」
あんじゅ「なに?」
英玲奈「お前…なんとも思わないのか?」
あんじゅ「美味しそうよねっ!」
英玲奈「いや、そうじゃなくて!この量…山盛りにも程があるだろう?!」
あんじゅ「サービス満点よねっ!」
英玲奈(ダメだこいつ…!)
ツバサ「地面に直置きなのは気にならないのかしら」 35/
あんじゅ「美味しー♪」モグモグ
ツバサ「……」
英玲奈「……」
あんじゅ「どしたの二人とも?美味しくない?」
ツバサ「いや美味しかったけど…」
英玲奈「よくそんなに食べ続けられるな……」
あんじゅ「……言われてみると、確かに……」
英玲奈「だろう?さすがに――」
あんじゅ「ちょっと味が物足りなくなってきたわね」
英玲奈「はあ?!」
あんじゅ「誰かー!次は味変できるなにかおねがーい♡」
ツバサ「さすがあんじゅね」
英玲奈「いいのか…?そんなので……」 >>56,58はどのみち空に文字浮かび上がるだけの模様 36/
>>51【ポテト不足してんのはこいつらのせいだったのか】
あんじゅ「はーぁ……さすがに飽きてきたわね〜……」
ツバサ(とか言いながら…)
英玲奈(手が止まる気配は無いな…)
英玲奈「! 見ろ!二人とも!」
あんじゅ「んあ?」
ツバサ「?」
英玲奈「まさか…この大量のポテトは……」
あんじゅ「そんな…っ?!」
英玲奈「いや、少しは食べるのを止めたらどうなんだお前は!?」
あんじゅ「え?なんで?」
ツバサ「――あり得ないわ」
英玲奈「だよな?!」
あんじゅ「よね〜?」
えれあん「「……は?」」 37/
英玲奈「もう止めておけ!そのポテトのせいで困ってる人がいるんだぞ?!」
あんじゅ「だったらなに?私が食べるのやめたらこのポテトその人に返せるっていうの?」
英玲奈「そっ…!そういう訳ではないが…」
あんじゅ「だったらせめて食べてあげるのが情けってもんじゃない?」
ツバサ「だから、あり得ないってば」
あんじゅ「なによ?ツバサは英玲奈の味方なの?」
英玲奈「そ、そうだ言ってやれツバサ」
ツバサ「そうじゃなくて、そもそもこのポテトで困ってる人なんていないのよ」
えれあん「「……は?」」 38/
3ツバサ「詳しく説明しても良いんだけど……聞く?」
英玲奈「断る」
あんじゅ「私もパ〜ス」
3ツバサ「よね……」
あんじゅ「いいから結論だけ言ってよ」
3ツバサ「結論はもう言ったわ。困ってる人なんていないって」
あんじゅ「そう、んじゃ安心して食べよーっと」
英玲奈「お前切り替え速すぎないか?!」
あんじゅ「うーん♪おいしー♪」
英玲奈「飽きたとは一体……」 39/
あんじゅ「それはそうとツバサ」
2ツバサ「なに?」
あんじゅ「その頭の数字なに?」
2ツバサ「頭の数字?なに言ってるの?」
英玲奈「気付いてなかったのか…先ほどからツバサの額の辺りに数字が浮いてるんだ」
あんじゅ「さっき出た時は3で、今は2ね」
2ツバサ「……」
あんじゅ「どしたの?」
2ツバサ「……わからないわ」
英玲奈「ツバサでもわからない事があるんだな」ヒョイ
英玲奈「…触れないな、この数字」
2ツバサ「……」 40/
1ツバサ「……」
あんじゅ「あ、また減った」
1ツバサ「そう…つまり今は1ってことね」
英玲奈「そうだが…その顔、何か分かったのか?」
1ツバサ「今のうちに二人に言って――」
1ツバサ「……」
あんじゅ「ツバサ?」
1ツバサ「…いや、なんでもないわ」
英玲奈「どうした?言いたい事があるなら言えよ。ツバサらしくもない」
あんじゅ「…ねえツバサ、ちょっとホントにおかしくない?大丈夫?」
1ツバサ「ええ。もう私から言うことは何もないわ」
あんじゅ「?」
英玲奈「それはどういう――」 41/
えれあん「!!」
あんじゅ「ツバサが……!」
英玲奈「消えた?!」
英玲奈「ど、どういう事だ?!またなにか企んでいるのか?!」
英玲奈「おい!出てこいツバサ!さすがに悪趣味が過ぎるぞ!」
あんじゅ「……」
英玲奈「まさか本当に消えたなんて事は無いよな?そうだろ?」
英玲奈「答えろ!ツバサぁぁ!!」
あんじゅ「……」 42/
英玲奈「おいあんじゅ!なにボーッとしてるんだ?!一緒にツバサを探すぞ!」
あんじゅ「まーまー落ち着いて英玲奈ちゃん。ポテト食べる?」
英玲奈「これが落ち着いていられるか!ツバサが!消えたんだぞ!」
あんじゅ「だから落ち着いて考えるんじゃない。幸い時間はた〜っぷりあるんだし」
英玲奈「〜〜話にならん!もういい、私一人で探しに行く!」
あんじゅ「いってらっしゃ〜い。迷子になんないでね〜」ヒラヒラ
英玲奈「なるわけないだろう!」 43/
あんじゅ「あらあら、ホントに行っちゃった」
あんじゅ「…」
あんじゅ(消える前のあのツバサの顔…)
あんじゅ(たぶんこうなる事がわかってた感じよね〜)
あんじゅ(でもあえて何も言わなかった)
あんじゅ(ってことはたぶん危険はないんでしょうけど……)
あんじゅ(あーぁ、もうちょっとちゃんとツバサの話聞いとけば良かったかな〜)
あんじゅ(こんな事になるなんて思わなかったもんな〜)
あんじゅ(……とりあえず英玲奈とは合流しといた方がよさそう、かな?)
あんじゅ「」スゥゥ 44/
キャアアアア
英玲奈「あんじゅ!?」
英玲奈「くそっ!なんだと言うんだ!立て続けに!!」ダッ
―――
英玲奈「あんじゅ!大丈夫か!何があった!!」
あんじゅ「あ、おかえり〜英玲奈」ヒラヒラ
英玲奈「……」
あんじゅ「どしたの?さ、座って座って」
英玲奈「……さっきの悲鳴は?」
あんじゅ「英玲奈に帰ってきてほしくて♡」テヘペロ
英玲奈「お前なぁ……」ハァ
あんじゅ「まーまー、細かいことはいいじゃない。一緒にいよ?ね?」
英玲奈「…わかったよ」 【「ツバサの等身大フィギュア(触れた部位によって色んなセリフを言ってくれるよ)」】 45/
あんじゅ「ところで、どうだったの?」
英玲奈「何がだ?」
あんじゅ「このポテト山の向こう見に行ってたんでしょ?」
英玲奈「ああ、だが向こう側までは行けなかった。誰かさんのおかげでな」
あんじゅ「そっか〜そーとーおっきいのねポテト山」
英玲奈「少しは悪びれろよ……」 46/
英玲奈「それはそうとあんじゅ」
あんじゅ「んー?」
英玲奈「ツバサの件、私なりに少し考えてみたんだが……」
あんじゅ「ええっ?!」
英玲奈「な、なんだよ?」
あんじゅ「あの、英玲奈が…脳筋の英玲奈が…考えてみた、ですって……?」
英玲奈「失礼なヤツだな、私だって考えくらいするさ」
あんじゅ「英玲奈ちゃん……大きくなって……」ホロリ
英玲奈「ちゃんは止めろ!大体何目線なんだそれは!」 47/
あんじゅ「では聞かせてもらおうか!英玲奈の考えとやらを!」
英玲奈「お、おう…」コホン
英玲奈「…私は思い出したんだ。ツバサが最初にコレを何と言っていたかを」
あんじゅ「最初?」
英玲奈「ああ。確かツバサはこう言っていた」
英玲奈「「押した人を閉じ込めるボタン」だと」
あんじゅ「あぁ〜うん、そうね」
英玲奈「ひょっとしたらツバサは普通に帰ったんじゃないか?」
英玲奈「ボタンを押したのはツバサで私達はツバサにくっついて来ただけだから、帰れなかったんじゃないか?と」 48/
あんじゅ「…それは…ないんじゃない?」
英玲奈「そうか?」
あんじゅ「だってツバサは本来一人用の空間に三人で入ったって言ってたでしょ?それで弊害が出てるとも」
あんじゅ「だったら三人とも押した人としてカウントされてるんじゃない?」
英玲奈「そうか…なるほど」
あんじゅ(でもツバサは「テストプレイ」とも言ってたのよね〜)
あんじゅ(ってことは――)
英玲奈「あんじゅ?」
あんじゅ「なに?」
英玲奈「ツバサは…無事なんだろうか?」
あんじゅ「そりゃ大丈夫でしょ。だってツバサだもん」
英玲奈「……そうか、そうだよな」 49/
>>53【「缶ビール」】
あんじゅ(こんなタイミングで…!)
カシュッ
あんじゅ(…ダメよあんじゅ。ツバサがいなくなって英玲奈は不安がってる)
ゴッゴッゴッ
あんじゅ(私がここで冷静さを欠くワケには……!)
あんじゅ「っはぁぁ〜〜!!さいっこー!!」ゲフゥ
英玲奈「少しは躊躇えよ……」 50/
あんじゅ「ビールは〜ポテトに〜合うのか?合わないのか?」
あんじゅ「どっちなんだいっ!?」
あんじゅ「あーーーーーーう!」ハァッ!
あんじゅ「なんてね!あははははははは!」
英玲奈「……今を楽しむ、か」
英玲奈「私も見習わないといけないのかもな」
英玲奈「」カシュッ
ゴクッ
英玲奈「…」
英玲奈「??」 51/
>>55【「ポテトに調味料かけるマン」】
あんじゅ「ああ〜〜!欲しい欲しい欲しい!!」
あんじゅ「来て来て!今すぐ来て!」
あんじゅ「おねがぁい♡」
あんじゅ「あーじーへーんー!」
あんじゅ「味変したぁ〜〜い」
あんじゅ「あーじーへん!あーじーへん!さっさとあーじーへん!しばくぞー!!」
あんじゅ「きゃはははははは」 52/
>>56【強姦魔(男)登場】
あんじゅ「えーやだーこわーい」
あんじゅ「英玲奈ちゃん守ってー♡」
英玲奈「……」 53/
>>58【レイプ犯(男)登場】
あんじゅ「きゃー今度はレイプ犯ですってー?」
あんじゅ「てゆーかなんでどっちもわざわざ(男)ってついてんのー?」
あんじゅ「そんなのあったり前じゃんねー!」
あんじゅ「あははははははは」 54/
>>59【「唐揚げにレモンかけるマン」】
あんじゅ「は?」
あんじゅ「ないない」
あんじゅ「マジない」
あんじゅ「いらんわー」
あんじゅ「いらんことするヤツやわー」
あんじゅ「そもそも唐揚げにレモンがいらないのよねー」
あんじゅ「でもー?」
あんじゅ「唐揚げはビールに〜?」
あんじゅ「あーーーーーーう!」ハァッ!
あんじゅ「あっはははははは」 55/
>>65【自動で動いて人を襲うバイブ】
あんじゅ「あははねえねえ英玲奈みてみて」
あんじゅ「人を襲うんだって♪」
英玲奈「……」
あんじゅ「どんな動きするのかな?どんな動きするのかな?」
あんじゅ「見てみたくなーい?あはははは!」
英玲奈「……なああんじゅ」
あんじゅ「んーなーにー?」
英玲奈「どうして白面でそこまでなれるんだ?」
あんじゅ「」 56/
英玲奈「たしかにコレはビールで、アルコールによる酩酊感もある」
英玲奈「しかしこの体のせいか?その酩酊感は直ぐに収まってしまう」
あんじゅ「……」
英玲奈「あんじゅ、お前酔ってないだろう?」
あんじゅ「」ハァ
英玲奈「なのにどうして――」
あんじゅ「あーもー!」
英玲奈「!」 57/
あんじゅ「なんでそーゆー事ゆーかな〜……さめるわー……」
英玲奈「醒める?いやもともと酔ってなど――」
あんじゅ「いい英玲奈!」ドン
英玲奈「!」
あんじゅ「お酒がそこに存在ればそこは酒の席なのよ!」
あんじゅ「そして酒の席には酒の席のルールがあるの!」
英玲奈「そ、そうなのか…?」
あんじゅ「そうなの!」ドン 58/
あんじゅ「いーい?英玲奈ちゃん?」
英玲奈「あの…ちゃんは――」
あんじゅ「いーい!英玲奈ちゃん!」
英玲奈「は、はい」
あんじゅ「酒の席にはね、それにふさわしい振る舞い方ってのがあるのよ」
あんじゅ「それを今から教えてあげるわ!」ビシィッ!
英玲奈「はぁ」
あんじゅ「ひとつ!酒の席ではたとえウーロン茶であろうとも酔っぱらうこと!」
英玲奈「えぇ…」 59/
あんじゅ「ひとつ!酔っぱらっている間のことはすべて笑って水に流すこと!」
英玲奈「そんな無茶苦茶な」
あんじゅ「ひとつ!他人の酔いを醒ますべからず!」
英玲奈「これに触れたわけか……」
あんじゅ「ひとーつ!唐揚げにレモンをかけるなー!」
英玲奈「お前やっぱり酔ってないか?」 60/
>>66【「出来立ての唐揚げ」】
英玲奈「本当に唐揚げが出てきたぞ…」
あんじゅ「わーありがとー♡」
あんじゅ「でも一皿だけだから二個ずつ分けましょ♪」
英玲奈「あ、ああ、ありがとう」
英玲奈「……なんだかみんなあんじゅに甘くないか?」 61/
>>67【「唐揚げに添えるレモン」】
英玲奈「お、レモンか」
英玲奈「あんじゅは要らないんだよな?なら私が――」
あんじゅ「は?」
英玲奈「え?」
あんじゅ「要るわよ」
英玲奈「いやいやいや、さっきから唐揚げにレモンをかけるなって散々言ってたじゃないか」
あんじゅ「あったりまえじゃない。唐揚げにレモンなんてかけないわ」
英玲奈「だったらコレは要らないだろう?」
あんじゅ「それは要るわよ」
英玲奈「なんでだよ?!」 62/
あんじゅ「ちっちっちっ……これだからお子ちゃまは……」ヤレヤレ
英玲奈「私とお前は同い年だけどな…!」
あんじゅ「レモンはね、唐揚げじゃなくてビールに搾るのよ」
英玲奈「ビールに?」
あんじゅ「騙されたと思って数滴搾ってみなさいな」
英玲奈「こうか?」ギュッ
あんじゅ「そーそー。そんでグイッと」
英玲奈「」ゴクッ
あんじゅ「どう?」
英玲奈「なるほど…コレは、いけるな」
あんじゅ「でっしょー?」 63/
英玲奈「ビールの苦味が和らいですっきりとした風味がついている」
英玲奈「これならビールが苦手な人でも飲みやすくなるんじゃないか?」
あんじゅ「英玲奈みたいな子供舌さんとかね〜」
英玲奈「いちいち一言多いな!」
あんじゅ「んじゃ私も…」ガブッ
あんじゅ「」グイッ
あんじゅ「んー♪爽やかー♪」
英玲奈「……せめて搾ってくれよ…」 64/
あんじゅ「まずは唐揚げをこう!」ガブッ
あんじゅ「ん〜♪おいひい〜♪」
あんじゅ「そののちにレモンをこう!」ガブッ
あんじゅ「んでビールをこう!」ゴクゴクッ
あんじゅ「かぁ〜〜っ!たまらないわ〜♪」
あんじゅ「唐揚げの脂をレモンビールですっきり流す!」
あんじゅ「この爽快感!悪魔的ね!!」
英玲奈「結局すっきりさせるなら最初から唐揚げにレモンを搾っておけばいいんじゃないか?」
英玲奈「そうしたら最初から脂っこいのが緩和されて食べやすくなるだろう?」
あんじゅ「イヤよ。それじゃ唐揚げの脂を感じられないじゃない」
あんじゅ「脂っこいのがイヤならそもそも唐揚げ食うなっつー話なのよ」
英玲奈(だんだんオヤジ化してきてないかコイツ……) 65/
>>68【ティーダのコンボ、気持ち良すぎだろ!】
英玲奈「てぃーだ?のコンボ?…何だ?アレは?」
あんじゅ「さー?」
英玲奈「ツバサが言ってた適当に書かれたやつ、って事なのか?」
あんじゅ「そーそー、そういうのは真に受けるなって言われたでしょ?」
英玲奈「そうだな。さすがに意味がわからなさすぎる」
あんじゅ「だいたい私たちにゲームネタをふってわかると思ってるのかしら」 66/
>>75【「ツバサの等身大フィギュア(触れた部位によって色んなセリフを言ってくれるよ)」】
英玲奈「ツバサ!?」
あんじゅ「――の人形、ね」
英玲奈「え?……あ、本当だ。人形だな、コレは」
あんじゅ「しかもこの衣装……」
英玲奈「……Shocking Party、か……」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」
あんじゅ「こんな…ポーズまで決めちゃってさ…」
英玲奈「ああ…」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」 67/
あんじゅ「……ふふっ」
英玲奈「どうした?急に…?」
あんじゅ「いや、この撮影した時の英玲奈思い出しちゃって……ぷくく…っ」
英玲奈「な、なんだよ?別におかしいことは無かったはずだ」
あんじゅ「珍しくすっごいかわいらしい笑顔で、ポーズもノリノリでさ〜。こーんな感じ」キャピッ
英玲奈「あ、あれは…!カメラマンにもっと笑えと言われたからで……!」
あんじゅ「へぇ〜?」
英玲奈「そ、そんなこと言ったらあんじゅだってウィンクまでしてポーズとってただろう?!」
あんじゅ「私はあれが通常営業だもーん♡」
英玲奈「く…!わ、私だってアイドルだったんだ!可愛くして何が悪い!」
あんじゅ「別に悪いだなんて言ってな〜いわよぉ〜?」ニマニマ
英玲奈「ぬぐぐ…っ!」 68/
あんじゅ「……でも」
英玲奈「?」
あんじゅ「……この笑顔には、敵わないなぁ……」
英玲奈「……そうだな」
あんじゅ「こんな変なポーズでも様になるのは、さすが綺羅ツバサよね」
英玲奈「ああ」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」
あんじゅ「なんか、腹立ってきたわ」
英玲奈「同感だ」 69/
あんじゅ「さ〜て、どうしてくれようかしらね〜?」
英玲奈「落書き…と言いたいところだが、あいにく書くものなど何も無いしな」
あんじゅ「…鼻にポテトでも突っ込んでやろうかしら」
英玲奈「ぶふぉっ?!」
あんじゅ「あら、いいアイデアだった?」
英玲奈「…さ、さすがにそれは……っ……ククッ……!」
あんじゅ「よっし!待ってて!めっちゃ長いの探してくる!」
英玲奈「っっ……!!」 70/
あんじゅ「」ポイッ ポイッ
英玲奈「……ものすごく真剣に選んでるな…」
英玲奈「災難だったな、お前も」
Fツバサ『』
英玲奈「ま、運が悪かったと思って諦めてくれ」ポン
Fツバサ『驚かせてるつもりなの?』
英玲奈「うわぁっ?!?!」ズザザッ
あんじゅ「英玲奈ー?どうしたのー?」
英玲奈「こ、こいつ……」
あんじゅ「なにー?」
英玲奈「こいつ、喋るぞ!」 71/
――
Fツバサ『何か用かしら?』
Fツバサ『さあ、行きましょう』
Fツバサ『驚かせてるつもりなの?』
Fツバサ『そんな…』
――
あんじゅ「なるほどね〜」
英玲奈「特定の部位に触るとそこに対応するセリフ、場所によってはランダムなセリフを言うフィギュアだったのか」
あんじゅ「」ギュッ
Fツバサ『当然の結果ね』
英玲奈「ツバサで返事をするな」 72/
あんじゅ「」ギュッ
Fツバサ『新しいことってわくわくするの。だからスクールアイドルってやめられないのよね』
英玲奈「スクールアイドルじゃなくて新しいオモチャで遊んでいるだけだろう?それは」
Fツバサ『そんな…』
英玲奈「だからもう止めろって」
Fツバサ『私たちのパフォーマンス、どうだった?』
英玲奈「微妙に合ってきてるのがまた腹が立つな…」
Fツバサ『課題があるみたいね』
英玲奈「ブッ…!」
あんじゅ「やった!勝ったわよツバサ!」
Fツバサ『当然の結果ね』
英玲奈「もう使いこなしはじめてるな……」 【「希そっくりのわしわしアンドロイド(女の子を見つけるとわしわし完了するまで永遠に追いかけてくるよ)」】 73/
>>101【うんち】
あんじゅ「……」
英玲奈「……」
あんじゅ「」グッ
Fツバサ『驚かせてるつもりなの?』
英玲奈「くだらないな」
あんじゅ「ホントにね」 74/
>>102【せいかいのおと】
英玲奈「「せいかいのおと」…?」
あんじゅ「「おと」って言われてもねぇ〜…」
あんじゅ「ツバサ、なんかコメントない?」グッ
Fツバサ『この調子なら、次のライブで新曲発表もできそうだわ』
あんじゅ「う〜ん…ランダム部位はイマイチね〜」
英玲奈「それで的確な発言が出たらそれこそ正解の音が欲しいところだな」 75/
>>103【「卓球台」】
あんじゅ「見て見て英玲奈、やっと遊べそうなものが出てきたわよ〜」
英玲奈「卓球の台か…しっかりした作りだしちゃんとネットも張ってあるな」
あんじゅ「卓球しましょ、卓球!」
英玲奈「どうやって?」
あんじゅ「ほら、唐揚げとレモンのお皿があるじゃない」
英玲奈「球はどうするんだ?」
あんじゅ「あ……」 /
あんじゅ「なんとか…ポテトを丸めて……」
英玲奈「弾むと思うか?ソレ」
あんじゅ「空き缶をどうにか……」
英玲奈「すぐにひしゃげるし、台が傷だらけになるぞ」
あんじゅ「レモンの皮……」
英玲奈「」ヤレヤレ 76/
あんじゅ「なんとか…ポテトを丸めて……」
英玲奈「弾むと思うか?ソレ」
あんじゅ「空き缶をどうにか……」
英玲奈「すぐにひしゃげるし、台が傷だらけになるぞ」
あんじゅ「レモンの皮……」
英玲奈「」ヤレヤレ 77/
>>104【カップ麺のプラモ】
英玲奈「カップ麺のプラモデル?そんなのがあるのか?」
あんじゅ「カップ麺のプラモデルがあったら味玉のパーツもあるかしら?」
英玲奈「さあ、どうだろうな?それがどうかしたのか?」
あんじゅ「球の代わりに…」
英玲奈「まだ諦めてなかったのか……」
英玲奈「カップ麺だから無いとは思うが、もし味玉パーツがあったとしても1/2に切ってあるやつじゃないか?」
あんじゅ「そっかぁ〜…」 78/
>>107【なんでバイブは出ねーんだよ】
英玲奈「なんで出ないと私達に言われてもな」
あんじゅ「ラケットにも球にもならなそうだからいらないしね」
英玲奈「……そんなに卓球に執着するタイプだったか?」 79/
英玲奈「ん?」
英玲奈「……ああ、なるほどな」
英玲奈「おい、あんじゅ」
Fツバサ『何か用かしら?』
英玲奈「いい加減ツバサは止めろ」
あんじゅ「ちえ〜わかったわよ〜」
英玲奈「ちょっとそのツバサの横に立ってみてくれないか?」
あんじゅ「え?こう?」
英玲奈「やっぱりな」
あんじゅ「? どうかした?」
英玲奈「あんじゅ、お前……」
英玲奈「太っただろ」
あんじゅ「!!」 80/
あんじゅ「う、うふふ〜またまたぁ〜、そんなドッキリには引っ掛からないわよ〜?」
英玲奈「あれだけ暴飲暴食してたらそりゃあな」
あんじゅ「ウソよ!認められないわ!」
英玲奈「認めなくてもいいけどな、そのツバサと並ぶとはっきり分かるぞ」
あんじゅ「……」ススス
英玲奈「こっそり離れるなよ」
あんじゅ「だってここに来てからのはノーカンでしょ?!」
あんじゅ「太っても戻るから食べ放題って言ってたじゃない!」
英玲奈「それ空の文字のヤツだろう?適当に言ってるか、「帰ったら」戻るからって事だったんじゃないか?」
あんじゅ「……そんな……」 81/
英玲奈「確かツバサはダイエットや筋トレは効果があるって言ってたな……」
あんじゅ「……」
英玲奈「やるか?ダイエット?しばらく体を動かしていないから丁度いい、やるなら私も付き合うぞ?」
あんじゅ「え!?英玲奈と!?」
英玲奈「嫌なのか?」
あんじゅ「…」グッ
Fツバサ『たまには息抜きするのも悪くはないわね』
英玲奈「」グッ
Fツバサ『スクールアイドルとして体調管理も重要なことよ』
あんじゅ「!!」 82/
英玲奈「」グッ
Fツバサ『課題があるみたいね』
あんじゅ「!」
Fツバサ『さあ、行きましょう』
あんじゅ「…」
Fツバサ『もっといいパフォーマンスができるように、頑張らないといけないわね』
あんじゅ「ちょっと…!」
Fツバサ『さあ、ライブの時間よ。準備はいいかしら?』
あんじゅ「待って、待ってよ…!」
Fツバサ『ラブライブを一度制覇したからと言って余裕はないわ。次に向かって、全力で進まなくては!』
あんじゅ「もー!わかったわよー!」
Fツバサ『当然の結果ね』 83/
―――
タッタッタッ
英玲奈「久しぶりだが、やはり体を動かすのは気持ちがいい」
あんじゅ「そうね、なんだか疲れにくいし、いい感じ」
英玲奈「疲れにくいというか疲れたそばから回復している感じだな」
あんじゅ「もうかなりの時間走り続けてるわよね?」
英玲奈「もしかしたらジョギング程度の運動なら無限に出来るのかもな」
あんじゅ「時間も距離もわからないのに、疲労までないんじゃどれくらい運動したかまるでわからないわねー」
英玲奈「じゃあ試しに全力ダッシュでポテ山1周してみるか」
あんじゅ「オッケー、ちょうどスタート地点に戻ってきたところだしね。いくわよー?レディ〜……」
英玲奈「GO!」 84/
――
あんじゅ「」ゼヒュ- ゼヒュー
英玲奈「さすがにかなりの疲労度だな……」ハァハァ
あんじゅ「み、水…」ハァ…ハァ…
英玲奈「あれば良かったな」
英玲奈「…ん?」
英玲奈「……凄いな、やっぱり」
あんじゅ「え?なにが?」ハァハァ
英玲奈「もう呼吸が落ち着いた。喉の乾きももうない」
あんじゅ「ウソ!だってまだほんの――!」
あんじゅ「……ホントだわ」
英玲奈「あんじゅも回復したならもう少し続けるか?」
あんじゅ「ええ〜?まだ精神的な疲労が回復してな〜い」
英玲奈「やれやれ…わかったよ。もう少し休憩しよう」 85/
英玲奈「……と、思ったんだが」
英玲奈「あんじゅ、ちょっと立ってみろ」
あんじゅ「まだ疲れてるー」
英玲奈「そうじゃない、いいから立ってツバサの横に並んでみてくれ」
あんじゅ「わかったわよー……」
あんじゅ「はい、これでいい?」
英玲奈「やっぱりだ……驚いたな」
あんじゅ「?」 86/
英玲奈「良かったなあんじゅ」
あんじゅ「なにがよ?」
英玲奈「もうトレーニングの必要は無さそうだぞ」
あんじゅ「え?ホントに!?」
英玲奈「ああ、ほぼ全盛期のスタイルに戻っている」
あんじゅ「ってことはここに来た時より痩せてるってこと?!」
英玲奈「そうなるな」
あんじゅ「やったー♪この空間さまさまね♪」
英玲奈「帰るまでは、な」
あんじゅ「あ、そっか……帰ったら元通りなんだっけ…」
あんじゅ「なーんだ、全然意味ないじゃない」
英玲奈「こらこら、さっそくポテトをつまむな」 87/
>>113【「希そっくりのわしわしアンドロイド(女の子を見つけるとわしわし完了するまで永遠に追いかけてくるよ)」】
英玲奈「東絛希!」
あんじゅ「のロボット?…あれ?」
英玲奈「こんなタイプあったか?」
あんじゅ「さあ?」
wsws希ロボ「」ヴゥン…!
英玲奈「動いた…?」
あんじゅ「こんにちは〜、あなた――」
wsws希ロボ「」シュン
英玲奈「速い!?」 88/
英玲奈「あんじゅ!後ろだ!」
あんじゅ「え?」
wsws希ロボ「ワシワシワシワシワシワシ」ワシワシ
あんじゅ「きゃあっ?!?!」
英玲奈「これが噂に聞いた東絛希の「わしわし」か!」
wsws希ロボ「ワシワシワシワシワシワシ」ワシワシ
あんじゅ「いだだだだ!痛い痛い痛い!潰れる潰れるー!」
wsws希ロボ「」シュウウ…
あんじゅ「シリコンとはいえ……ロボの手で直は……痛すぎ、る……」ガクッ
英玲奈「あんじゅぅぅぅ!!!」 89/
wsws希ロボ「」グルンッ
英玲奈「!!」
wsws希ロボ「」ジー
英玲奈「く、来るのか……?」
wsws希ロボ「」シュン
英玲奈「消えた!?」
英玲奈「っっ!!」ビクビク
英玲奈「……」
英玲奈「……?」
英玲奈「! ツバサ!」 90/
wsws希ロボ「」ジー
Fツバサ『』
wsws希ロボ「」ジー
英玲奈「何を、してるんだ…?」
あんじゅ「迷ってるんじゃ…ないかしら…?」
英玲奈「あんじゅ!無事だったか?!」
あんじゅ「なんとかね…」 91/
wsws希ロボ「ワシワシワシワシ」ワシワシ
Fツバサ『驚かせてるつもりなの?』
wsws希ロボ「!?」
wsws希ロボ「……」シュウウ
wsws希ロボ「」グルンッ
英玲奈「またこっちに…っ!」
あんじゅ「英玲奈…逃げて…」
英玲奈「あんじゅ!お前を置いて私だけ逃げられる訳ないだろう!」
あんじゅ「ううん…私だからこの程度のダメージですんだのよ…」
あんじゅ「もし英玲奈があれを食らえば――」
あんじゅ「アバラをもっていかれかねないわ!」
英玲奈「わかった。逃げよう」 92/
あんじゅ「ちょっとー!少しはためらってよー!」
英玲奈「うるさい!お前なら平気なんだろ?!私は逃げる!」
あんじゅ「うーらーぎーりーもーのー!」
英玲奈「なんとでも言え!」
wsws希ロボ「」シュン
あんじゅ「――え?」
あんじゅ「英玲奈ー!そっち行ったわよー!」
英玲奈「何故?!」 93/
あんじゅ「あのロボット、まさか……!」
あんじゅ「いいえ、私にはわかる……」
あんじゅ「間違いないわ!あのロボット――」
あんじゅ「常に新しい女の子を狙うタイプッッ!!」
wsws希ロボ「」カシャンカシャン
英玲奈「なんだそれーー!!」 94/
英玲奈「くっ…!このスピード差じゃ直ぐに追い付かれる…!」
英玲奈「しかし私も無策で逃げていた訳じゃないぞ!」
英玲奈「ここにたどり着きさえすれば!」ザッ
あんじゅ「あそこは…!ポテ山!」
英玲奈「これでどうだ!」クルッ
あんじゅ「! なるほど、ポテ山に背をあずける形にすれば後ろからは近付けない!」
あんじゅ「考えたわね英玲奈!これなら――」
あんじゅ「え?」
英玲奈「!?」 95/
あんじゅ「ロボットが、消えた?!」
英玲奈「どこだ…?どこにいる?」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」
英玲奈(諦めた…?まさかな、絶対に来るはずだ……)
英玲奈(落ち着け、落ち着いて――)
wsws希ロボ「」ガバァッ!
あんじゅ「ええっ!?!?」 96/
あんじゅ「ポテ山の、中からですってェェ〜〜!?」
あんじゅ「あのロボット!いつの間にッ!」
あんじゅ「まさか!英玲奈があそこに向かった時点で、スデにッッ!!」
wsws希ロボ「」グウンッ!
英玲奈(ふん、すべてお見通しってワケか――)
英玲奈「だがっ!」
ガシィッ!
あんじゅ「わしわしを!止めたッ?!」
英玲奈「読んでいたのは!お前だけじゃあないぞッッ!」 97/
英玲奈「攻撃目標がわかっているのならガードすることはそう難しいことじゃあない!」
英玲奈「攻撃のタイミングさえ分かればなッッ!」
あんじゅ「そうか、英玲奈は背後に回られないためにポテ山を背にしたんじゃあないッ!」
あんじゅ「攻撃のタイミングを飛び散るポテトで知るために、ポテ山を利用したんだァァ!!」
英玲奈「両手は押さえた!さあ、どうする?」
wsws希ロボ「……」ウィーン
英玲奈「――は?」 98/
あんじゅ「脇から……もう2本腕が……!」
英玲奈「ち、ちょっと待て!さすがにそれはズルくないか?!」
あんじゅ「万策尽きたわね。ロボットの両手を掴んでるおかげで胸ががら空きもいいところだわ……」
英玲奈「ま、待って……いや……やだ……やめて……」
wsws希ロボ「ワシワシMAX」ヴゥン
あんじゅ「WOH MY GODW」
英玲奈「いやぁぁぁあああ!!!!」 99/
――
あんじゅ「英玲奈〜だいじょ〜ぶ〜?」
英玲奈「……少しヒリヒリする」
あんじゅ「うわ〜まだ真っ赤……ここの回復力でもこんなに時間がかかるなんてね」
あんじゅ「やっぱり英玲奈じゃ防御力が足りなかったか〜」グッ
Fツバサ『当然の結果ね』
英玲奈「うるさいっ!」
あんじゅ「」グッ
Fツバサ『課題があるみたいね』
英玲奈「ツバサ止めろ!」 100/
あんじゅ「それにしても…」
wsws希ロボ「」
あんじゅ「英玲奈にわしわしした後、完っ全に停止したわね〜」
あんじゅ「まるで自分の役目は終わったと言わんばかりに……」
英玲奈「なんだったんだこのロボットは……」 101/
>>122【「テニスラケットとテニスボール」】
英玲奈「お、あんじゅ、ラケットとボールが出てきたぞ」
英玲奈「まったく、つくづくここを見てる奴等はあんじゅに甘いな」
あんじゅ「あ、もういらない」
英玲奈「は?」
あんじゅ「もう痩せたもーん」
英玲奈「お前なぁ……」 102/
英玲奈「せっかく出てきたんだ。少し位はやってみようと思わないのか?」
あんじゅ「思わないわね」
英玲奈「そもそもお前が欲しいと言っていたんだぞ?申し訳ない気持ちにならないか?」
あんじゅ「ならないわね」
英玲奈「……」
英玲奈「そうか、あんじゅは怖いんだな」
あんじゅ「は?」 103/
英玲奈「無理もない。あんじゅが私に勝てる唯一のスポーツがテニスだったものな」
英玲奈「そのテニスで私に負けたとあっては面子がたたないのはわかる」
英玲奈「そうか、うん。気付かなくて悪かったな」
あんじゅ「……誰が、誰に負けるですって……?」
英玲奈「今のあんじゅでは私に勝てない、と言っている」
あんじゅ「へぇ…英玲奈にしては面白い冗談じゃない?」
英玲奈「無理しなくていいぞ。今のあんじゅと私では勝負の前から結果はみえているからな」
あんじゅ「上等だわ!完っ全にこてんぱんにしてあげる!」
英玲奈(計算通り!)ニヤリ 104/
――
英玲奈「Which?」
あんじゅ「スムース」
英玲奈「」クルクル…カラン
あんじゅ「私のサーブからね。もう勝ったも同然じゃない」
英玲奈「そうかな?」
あんじゅ「私のサービスゲームをロクにブレイクしたことないクセに」
英玲奈「そんな時代もあったな」
あんじゅ「っ! 早く始めるわよ!」
英玲奈「ああ、それじゃコートは――」 105/
――
英玲奈「よし、始めようか」
英玲奈「一応確認するが3セットマッチでいいんだな?」
あんじゅ「ええ、いいわよ」
英玲奈「1セットでもいいぞ?あんじゅを長く苦しめるのは可愛そうだからな」
あんじゅ「……ふん、いちいち煽ってくるじゃない。らしくないわよ?」
英玲奈「煽る?事実しか言っていないが?」
あんじゅ「言ってなさい。どうせ直ぐにわかるわ」
英玲奈「是非ともそうしてくれ」
あんじゅ「っ!」ギリッ 106/
――
あんじゅ「いくわよー」ポーンポーン
英玲奈「こい!」
あんじゅ「」スゥゥ
あんじゅ「ハァッ!」スパァン!
英玲奈「くっ!」ポーン
あんじゅ「甘いわよ!」パシン!
あんじゅ「まずは1ポイント、15-0ね」
英玲奈「…ああ」
あんじゅ「どうしたの?最初の口数は?もう疲れちゃった?」
英玲奈「いいから次打てよ」
あんじゅ「はいはい」 107/
――
あんじゅ「ほいっ、と」ポン
英玲奈「くうっ!」
あんじゅ「これで1ゲーム」
あんじゅ「あらあら英玲奈ちゃん、大口叩いたワリにラブゲームじゃない」
英玲奈「くっ…!」ハァハァ
英玲奈(相変わらずねちっこいテニスをする…)
英玲奈(相手を四方八方に走らせて無理矢理隙を作らせ、確実にポイントをあげる)
英玲奈(天性の洞察力と相まってハマると手も足も出ないな……)
あんじゅ「どしたの英玲奈ちゃん?もう降参かしら〜?」
あんじゅ「やめてあげてもいいのよ〜?だって長く苦しめるのは可愛そうだもの」
英玲奈「……ちゃんは止めろ」
英玲奈「続けるぞ。次は私のサービスだからな」
あんじゅ「はーい」 108/
――
英玲奈「フッ!」ズパァン!
あんじゅ「っ!」
――
英玲奈「キープだ。これでゲームカウント1-1」
あんじゅ「…ほんっと相変わらずサーブだけはムチャクチャね」
英玲奈「「だけ」は余計だ。負け惜しみか?」
あんじゅ「ふん、1ゲームで二回もダブルフォルトしたクセに」
英玲奈「全力で打ってるからな。ある程度は仕方ない」
あんじゅ「そんなに返されるのが怖いの〜?」
英玲奈「そんな挑発には乗らん。中途半端に打ってラリーにでもなったら私に不利なのは目にみえてるからな」
あんじゅ「へ〜え、少しは考えてるんだ〜」
あんじゅ「でも、キープしてるだけじゃ勝てないわよ〜?」
英玲奈「……わかってるさ」 【テニヌじゃなくてわりとちゃんとテニスしてくれてた…よかった】 109/
―――
英玲奈「〜〜っっ」ゼェゼェ
あんじゅ「ゲームカウント6-3。私が1セット先制ね」
英玲奈「あ、ああ……」ハァ…ハァ…
あんじゅ「あれれ〜?結局英玲奈ちゃんてば私のサービスゲーム1回もブレイクできなかったんじゃな〜い?」
英玲奈「くそっ…!」ハァハァ
あんじゅ「勝負の前から結果がみえてるなんて言ってたワリに大したことないのね英玲奈ちゃん♪」
英玲奈「……この勝負は3セットマッチだぞ?まだ1セット終わっただけだ」
あんじゅ「はいはい」 110/
英玲奈「それと」
あんじゅ「なに?」
英玲奈「…ちゃんは止めろ」
あんじゅ「ふふ、わかったわよー♪次は英玲奈のサービスゲームからでしょ?」
英玲奈「ああ、先ずは1ゲーム、取らせてもらう!」
あんじゅ「そんなバテバテでだいじょぶ〜?」
英玲奈「ふん、心配は無用だ。もう呼吸も落ち着いた」
あんじゅ「そ、ならいいけど」 111/
あんじゅ「……」
あんじゅ(あんな大口叩くなんて英玲奈らしくないから何か策でもあるのかと思ってたんだけど…拍子抜けね)
あんじゅ(いつも通りバカみたいな全力サーブ打ってくるだけで、プレー自体も何の捻りもない)
あんじゅ(ちょっと最近鈍ってるから今はあのサーブについていけてないけど、そのうちあのスピードにも慣れてくるでしょうし)
あんじゅ(そもそも疲労が貯まればあんな威力のサーブそうそう打ち続けられないはず)
あんじゅ(走り回って既にバテ始めてる英玲奈と違って、失ったポイントがほぼサービスエースの私はまだ全然疲れてない)
あんじゅ(ふふ、残念だったわね英玲奈)
あんじゅ(貴女が勝つには何がなんでも第一セットを取るしか無かったのよ)
あんじゅ(……ここからは、ワンサイドゲームになるかもね) 112/
―――
ポーンポーンポーン……
あんじゅ「うそ……!?」
英玲奈「っしゃぁぁああ!!」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「ゲーム…カウント…7-5!これで…セットカウントも…1-1のタイ…だな…!」ゼェ…ゼェ
英玲奈「そしてついに…」
英玲奈「あんじゅのサービスゲームを…ブレイクしたぞ!」ゼェゼェ
あんじゅ「っ!」
あんじゅ(そんなまさか…なんで…っ!) 113/
英玲奈「どうしたあんじゅ?顔色が悪いぞ?」ハァハァ
あんじゅ「そ、それはこっちのセリフよ!英玲奈こそ大丈夫なのかしら?」
あんじゅ「絶対に追い付けない球にまで食らいついていってるから、そんなにバテバテになるんじゃないの〜?」
英玲奈「ああ、心配は無用だ。むしろ絶好調だよ。早く最終セットに入りたいくらいだ」ハァハァ
あんじゅ「このスタミナお化け…!」
あんじゅ(実際、英玲奈の動きは尻上がりに良くなってきてる…)
あんじゅ(なんなのよ…ずっと息が切れた状態であんなに動き続けられるなんて信じらんない!)
あんじゅ(しかも2セット目が終わったのに、まだ英玲奈のサーブにタイミング合わないなんて…今日は調子悪いにも程があるわ)
あんじゅ(でももう大丈夫。さすがにあそこまで追い込んだからもう英玲奈の動きも鈍るでしょ)
あんじゅ(対して私の方はまだ全然――)
あんじゅ(――ん?) 114/
あんじゅ(……待って、なにかおかしい……)
あんじゅ(いくら英玲奈でもあのスタミナは尋常じゃないわ)
あんじゅ(それにどんなに体力に自信があっても第一セットを取られた後の第二セットであんなにふらふらになるまで球を追う…?最終セットがあるのよ…?)
あんじゅ(そしてなにより)
あんじゅ(20ゲーム以上消化したのに私が疲れてなさすぎる…?)
あんじゅ(!!)
あんじゅ(なるほど…そういうこと)
あんじゅ(英玲奈は最初からこれに気付いて、実践してたってことか)
英玲奈「……」 【「キンキンに冷えたビールがたくさん入ってる冷蔵庫」】 115/
あんじゅ(だとしたら……)
あんじゅ「……ふ、ふふ……あはははは……!」
あんじゅ「わかったわよ英玲奈。そのバカみたいなスタミナのからくりが!」
英玲奈「なんのことだ?」
あんじゅ「とぼけなくていいわ。英玲奈、あなた今までこの特殊な体の回復力をあてにして戦っていたんでしょう?」
英玲奈「……さぁ、どうだろうな」
あんじゅ「――考えてみれば英玲奈は不自然なくらい最初から後先考えずに全力でやっていたものね」
あんじゅ「私のプレースタイルを知っていて、しかも3セットマッチなのにもかかわらず、ね」
英玲奈「……」 116/
あんじゅ「おかしいじゃない。普通あんなプレーをしてたら3セットなんて長丁場、とても持たないってわかっているはずだもの」
あんじゅ「実際、私はそれを意識してスタミナ消費を抑えながら戦っていたしね」
あんじゅ「でも、それこそが英玲奈の狙いだった!」
あんじゅ「私になるべく本気を出させないようにして、自分は全力で勝ちにいく」
あんじゅ「そうでもしないと私からセットを取ることなんて出来ないと考えた苦肉の策なんでしょう?」
英玲奈「っ…!」
あんじゅ「ふふ♪図星みたいね〜♪」 117/
あんじゅ「ま、英玲奈にしては色々と考えてたんじゃな〜い?」
あんじゅ「安い挑発を繰り返して私の平常心を奪おうとしてきたり」
あんじゅ「そのどさくさに紛れるようにして3セットマッチを提案してきたり、ね〜?」
英玲奈「……」
あんじゅ「本来なら1セットマッチの方が勢いで何とか出来そうな分、英玲奈の勝つ可能性が高いはず」
あんじゅ「でも1セットマッチだと私が早目に本気を出してくるから難しいと思ったんでしょ?」
英玲奈「……ふん」
あんじゅ「私が体力を温存してる間に何とかリードして、焦ってる隙に押しきっちゃおう!ってそういう作戦だったんでしょ〜?」
あんじゅ「技術で勝負出来ないから、ごり押しで勝とうなんて英玲奈らしいわよね〜」
英玲奈「っ!」 118/
あんじゅ「でも惜しかったわね〜」
あんじゅ「本当だったら第一セットを取って精神的にも優位に立った状態で、第二セットにいくつもりだったんでしょうけどぉ〜…」
あんじゅ「ごめんねー、第一セット私が取っちゃったから♪」
英玲奈「……」
あんじゅ「私が絶対に本気を出してくる最終セットに行くしかなくなっちゃったもんね〜?」
あんじゅ「そしてこれに気付いた以上、私も最終セットはアタマから全力でいくわよ」
あんじゅ「どぉーしよぉーそうなったらぁ〜英玲奈ちゃんに勝ち目なくなっちゃうー!」
英玲奈「……」
あんじゅ「ふふふ、残念だったわね〜英玲奈ちゃん♡」
あんじゅ「結局、貴女が勝つには何がなんでも第一セットを取るしか無かったのよ!」
英玲奈「……ふん」 119/
英玲奈「…言いたいことは、それだけか?」
あんじゅ「ええ、それじゃそろそろ始めましょうか」
あんじゅ「勝ちの見えている最終セットをね」
英玲奈「……そうだな、ただし私の、だがな」
あんじゅ「ふふっ…まだそんなハッタリを言える余裕があるんだぁ〜?」
英玲奈「ハッタリ?事実しか言っていないが?」
あんじゅ「っ! もういいわよ、それ」
あんじゅ「ま、いいわ。どうせ直ぐに地獄を見ることになるんだから」
英玲奈「さて、地獄を見るのはどっちかな……」
あんじゅ「ふん、言ってなさい」 120/
―
英玲奈「えーっと、最終セットはどっちのサーブからだっけな?」
あんじゅ「……英玲奈でしょ」
英玲奈「ああ、そうだったそうだった。第二セットの最後のゲームは私があんじゅのサービスゲームをブレイクして終わったんだったよな?」
あんじゅ「白々しい……!」
英玲奈「……そういえばあんじゅ、分かっているか?」ポーンポーン
あんじゅ「…なにをよ?」
英玲奈「第二セット、私は一度もあんじゅにブレイクを許していない事を」
あんじゅ「わかってるわよ!でもそれも今のうちよ!」
あんじゅ「見てなさい!そんな力任せのバカサーブ!すぐに――」
英玲奈「「直ぐに慣れる」か?」
あんじゅ「!!」 121/
英玲奈「あんじゅ、やはりまだお前は冷静さを欠いている」ポーンポーン
あんじゅ「な、なにを……?」
英玲奈「その勘違い、今から身をもって知るがいい」パシッ
あんじゅ「っ!」
英玲奈「…いくぞ!」
あんじゅ「来なさい!そんなハッタリ、本気の私には通用しないわよ!」
英玲奈「」スゥーッ
英玲奈「フッッッ!」ス…
バパァンッッ!!
あんじゅ「――は?」
英玲奈「15-0、だ」 122/
あんじゅ「なに…今の…?」
あんじゅ(球がまったく見えなかった)
あんじゅ(っていうか今のサーブ…打球音が無かった…?)
あんじゅ(……いや…打球音は確かにあった)
あんじゅ(ただ、サーブの打球音とコートへの着弾音が「ほぼ同時に」聞こえただけで)
あんじゅ(なによ、それ…)
あんじゅ(ってことは……英玲奈のサーブは音速とほとんど変わらないってこと…?)
あんじゅ(はぁぁぁああああ?!?!)
あんじゅ「……そんなの、絶対にありえない……!」ギリッ
あんじゅ(絶対になにかタネがあるはず……!)ギュッ
英玲奈「次、いくぞ」ポーンポーン 【どんどんテニスからテニヌになっているじゃないか!】 123/
―――
バパァンッッ!!
英玲奈「これでこのゲームも貰った。3ゲーム連取でゲームカウント5-2。追い詰めたぞ」
あんじゅ「く……っ!」ハァッ…ハァッ…
英玲奈「どうしたあんじゅ?このサーブに慣れるんじゃなかったのか?」
あんじゅ「出来るワケないじゃない!こんな……こんなムチャクチャなサーブ初めて見たし!!」
あんじゅ「なによこれ!今までこんなのを隠しながらやってたワケ?!」
あんじゅ「悔しいけど…っ!ここまで見ても英玲奈が何をしてるのかまったくわからない……!」
あんじゅ「いつの間にこんな技術を――」
英玲奈「おいおいあんじゅ、言っただろう?「勘違い」だと」 124/
あんじゅ「勘違い、ですって…?」
英玲奈「私は何も隠していなかったし、このサーブは何も特別なサーブじゃないぞ?」
英玲奈「さっきあんじゅも言ってただろ?私は技術で勝負出来ないからごり押しするしかないって、そのとおりさ」
あんじゅ「はあっ!?だったらなに?このサーブは今までのサーブと変わらないっていうの?!」
英玲奈「そうだ。このサーブは今までどおり「ただ全力でぶっ叩いてるだけ」のバカサーブだよ」
あんじゅ「ただ、速いだけ…?」
あんじゅ「ウ、ウソよ!今までと違いすぎるじゃない!」
英玲奈「確かに違うところはある。が、それは技術じゃあなく私の身体能力だ」
あんじゅ「身体能力ぅ?体力が回復したから威力が上がりました、って?」
あんじゅ「はん!ふざけんじゃないわよ!体力満タンだった第一セット最初のサーブと全っ然別物じゃない!」
英玲奈「そう別物だ。サーブじゃなくてこの私の方が、な」
あんじゅ「……?」 125/
あんじゅ「サーブじゃなくて、英玲奈が別物……」
あんじゅ「!!」
英玲奈「さすがに気付いたな」
あんじゅ「……そうか、なんで気付かなかったのかしら…この体は回復力が凄いだけじゃない」
あんじゅ「ダイエットや筋トレにもものすごい効果を発揮する…!ってことは……」
英玲奈「そのとおりだ」
あんじゅ「……だからなのね…」
あんじゅ「だから英玲奈は第一セットからバテるのも厭わずに全力でプレーし続けた」
あんじゅ「ただの回復ではなく、超回復をし続けるために!」
英玲奈「正解だ」 126/
あんじゅ「! 待って、ってことは…もしかしてあの最初のコート選びの時から…?!」
英玲奈「ほぅ……もうそこまで頭が冷えたか」
あんじゅ「あの時英玲奈は――」
―――
英玲奈『ああ、それじゃコートは私が決めて良いんだよな?』
あんじゅ『好きにすれば?太陽も風もないこの場所で意味があるとは思えないけど』
英玲奈『確かに意味は無いな。じゃあコートチェンジは無しでいこうか』
あんじゅ『別にいいわよ』
英玲奈『ただ私のサーブは強烈だからな。球拾いの事を考えて、あんじゅの後ろにポテ山がくるようにコートを作ろう』
あんじゅ『はぁ?ハンデのつもり?』
英玲奈『なに、私がサーブを外したあと、遠くまで球を拾いに行かせるのはさすがに申し訳なくてな』
あんじゅ『たしかに、英玲奈はノーコンだもんね〜』
英玲奈『悪かったな!』
――― 127/
あんじゅ「……あれも計算ずくだったワケね」
あんじゅ「自分がトレーニングするためだけじゃなく、私の体力を極力減らさないように」
英玲奈「ああそうだ」
あんじゅ「最終セットに入る前に私に長々と話をさせたのは仕上がった自分の体を完全に超回復させきるため」
あんじゅ「そうやってこの状況を作り上げた……」
あんじゅ「私と英玲奈の身体能力に絶望的な差がついたこの状況を!」
英玲奈「ふふふ、そのとおりだ」 128/
英玲奈「――理解したところで、始めようか」
英玲奈「勝ちの見えている最終ゲームをな!」
あんじゅ「っ!……この…っ!」
英玲奈「今の私ならあんじゅの球を全て拾えるぞ」
英玲奈「全部拾ってやる。拾って、拾って、拾って拾って拾いまくってやる。あんじゅに隙が出来るまで」
あんじゅ「っっ!」
英玲奈「さて、地獄を見るのはどっちかな……」
あんじゅ「」ゾクリ
英玲奈「さあ、地獄を楽しみな――!」 129/
――
英玲奈「どうしたあんじゅ!もうマッチポイントなんだぞ?」パコーン
あんじゅ「わかってる…っ…わよっ!」パコーン
英玲奈「甘い!そんな球で私からポイントを取れると思ってるのか!?」パコーン
あんじゅ「くっ…!だったらこれで…っ!」タタタッ
英玲奈「なにっ?!」
あんじゅ「づあっ!」スパーン
英玲奈「くっ…!」
英玲奈(この状況でまさかネットに詰めるとは…!なんて度胸だ……)
あんじゅ「はあっ…はあっ……これで、またデュースね……」
英玲奈「……ああ」 130/
あんじゅ「」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……」
あんじゅ「」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……どうした?お前のサーブだぞ?」
あんじゅ「うるっ、さいわね…わかってるわよ…!」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……もう諦めて楽になったらどうだ?そんな状態では例えこのゲームを取っても、次の私のサービスゲームはどうにもならんだろうに」
あんじゅ「はあ…っ?アンタ…さっき私がブレイクしたの…忘れたワケじゃ…ないでしょ、ね……?」ゼェ…ゼェ…
英玲奈(……忘れるわけないだろ。あんな鬼気迫るプレーを)
英玲奈(だがもうそれも――) 131/
あんじゅ「いくわよ…!」ゼェ…ゼェ…
あんじゅ「っ!」ポコーン
英玲奈「……フォルト」
あんじゅ「」ゼェ…ゼェ…
あんじゅ「っあぁっ!」パコーン
英玲奈「……フォルト。ダブルフォルトで私のアドバンテージだ」
あんじゅ「ふ、ふふ……ちょっと、遊び過ぎた…かしら…?」ゼェ…ゼェ…
英玲奈(あんじゅ……) 132/
あんじゅ「さあ、いくわよ…!」ゼェ…ゼェ…
英玲奈「……」
あんじゅ「っ!」スコーン
英玲奈「これで、終わりだ!」パコーン!
あんじゅ「…っ…!」パコン
英玲奈(何故あれに追い付ける!?)パコーン!
あんじゅ「っあぁ!」パコーン
英玲奈(そんなフラフラの状態で何故…!)パコーン!
あんじゅ「!……ふっ…!」ポーン
英玲奈「! ドロップ!?……しかし!」タタタッ
英玲奈「甘い!これくらい――」パコン
あんじゅ「はっ!」パシン
英玲奈「なにっ?!また、ネット際に…?!」
あんじゅ「……デュース、ね……」ゼェ…ゼェ…
英玲奈(っ…!) 133/
――
タァンッ!
英玲奈「……また私のアドバンテージ、そしてまたマッチポイントだ」ハァハァ
あんじゅ「ふん……ツいてる、わね……」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈「……」ハァハァ
あんじゅ「しゃべる、気力も…なくなった、のかしら…?」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈「…いいから、次を打てよ」ハァハァ
あんじゅ「ふふ…っ、焦るオンナは……っ、モテない、わよ……?」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈「……無駄口はよせ」ハァハァ
あんじゅ「はいはい……」ゼヒュー…ゼヒュー…
英玲奈(くそっ…!) 134/
あんじゅ「さて、と…」ゼヒュー…ゼヒュー…
あんじゅ「いくわよ……ふっっ!」パコン
英玲奈「はっ!」パコーン
あんじゅ「つうっ……!」パコン
英玲奈(済まなかった、あんじゅ)パコーン
あんじゅ「……負けない……!」パコン
英玲奈(私が不甲斐ないばかりに…っ!)パコーン!
あんじゅ「私は…っ!絶っ対に……!」パコーン
英玲奈(今、楽にしてやる…!!)パコーン!
あんじゅ「負けないっ!!」スパーン!!
英玲奈「あああああ!!」 135/
―
ポン……ポン……ポン…………
英玲奈「……終わっ……」ハァッ…ハァッ…
あんじゅ「あああぁぁぁ〜〜〜!!!」
あんじゅ「英玲奈のばかぁぁ〜〜!!」
あんじゅ「なんで……なんで勝っちゃうのよぉぉ!!」
あんじゅ「うわぁ〜〜ん」ボロボロ
英玲奈「あんじゅ……」ハァ…ハァ…
――― 136/
―――
英玲奈「いいかげん機嫌直してくれよ……」
あんじゅ「ふんっ!いーだ!この卑怯者!」
英玲奈「卑怯者は無いだろう。卑怯者は」
あんじゅ「うるさい!ばーかばーか!私を騙してたクセに!」
英玲奈「別に騙してはないだろ?」
あんじゅ「騙して不意討ちしたじゃない!」
英玲奈「不意討ちは、まあ……」
あんじゅ「ほーら見なさい!」
英玲奈「そ、それは卑怯ではないだろ!勝負とはそういうモノなんだから!」
あんじゅ「あーもううっさいうっさい!」
英玲奈「やれやれ……」
あんじゅ(わかってるわよ…そんなこと…っ!) 137/
英玲奈「……」
あんじゅ「……」
英玲奈「…なああんじゅ、実は私な……」
英玲奈「最後の方、負けてもいいと思ってたんだ」
あんじゅ「!?」
英玲奈「…最終セット7ゲーム目が終わった時、5-2で私は完全にあんじゅを追い詰めた」
英玲奈「肉体的にも、精神的にも、あそこがあんじゅの限界だと、私はそう思っていた」
あんじゅ「……」
英玲奈「……まさかそこから8ゲーム目をキープするなんて」
英玲奈「ましてや2セット目の私よりも遥かにボロボロの状態で9ゲーム目をブレイクされるなんて思いもしなかった」
英玲奈「あの時、寒気がするような気迫でプレーするあんじゅを見て、私は思い出したんだ」
英玲奈「そうか、A-RISEで一番の負けず嫌いはお前だったな、と……」
あんじゅ「……っ」 138/
英玲奈「私はそもそも勝ち負けにそんなに拘らないタイプだしな」
英玲奈「もちろん負けるのは嫌だが、例え負けても、全力でぶつかり合う事が出来たのなら悔いはない」
英玲奈「勝ち負けはただの結果で、その時点での実力差にすぎない」
英玲奈「だったら次は負けないようにまた鍛えればいいだけのことだと」
英玲奈「ツバサはあれでいてクレバーというか合理的というか、そういうところがあるからな」
英玲奈「負けた悔しさよりも、負けた理由の方が気になるタイプだ」
英玲奈「そうして敗因を分析し、対応策を考え、それを実践して、次の勝負には必ず勝つ」
英玲奈「と、そう考える」
あんじゅ「……」 139/
英玲奈「そんな私達の中で、あんじゅだけがどんなに敗色濃厚でも最後の最後まで負けたくないと駄々をこね」
英玲奈「負けた後も悔しい悔しいと怒りをぶちまける」
あんじゅ「なによ、それ……子供だって言ってんの?!」
英玲奈「違う」
あんじゅ「っ!」
英玲奈「…私だってツバサだって負けるのは嫌だ。負けたら悔しいに決まってる」
英玲奈「でもそれを素直に表現する事は私には出来ない。きっとツバサもだと思う」
英玲奈「……それを口に出すことは「弱さ」だと思っていたからだ」
英玲奈「でもそれは違った」 140/
英玲奈「次を考えるのは、今、負けた悔しさを正面から受け止めたくないただの逃げだ」
英玲奈「勝てないと分かっているのに、負けたくないと思うのは負け惜しみだ」
英玲奈「そういう「弱さ」は誰にだってある、でもそれを堪えるのが「強さ」だと思っていた」
英玲奈「私のサービスゲームをブレイクした時のあんじゅを見るまでは」
あんじゅ「……」
英玲奈「あんじゅは逃げなかった」
英玲奈「どんなに追い込まれてもその瞬間の悔しさから、その現状から逃げなかった」
英玲奈「次への希望へ逃げずに、どんなに絶望的でも絶対に今ここで勝つんだという気持ちを垂れ流していた」
英玲奈「端からみればみっともない悪足掻きにしか見えなかったかもしれない」
英玲奈「しかし私はそんなあんじゅをとても「強い」と思った」 141/
英玲奈「事実私は、あの時のあんじゅの気迫に、執念に、気圧されていた」
英玲奈「そしてブレイクされた時、心の底から敵わないと思った」
英玲奈「私の心は、その時完全に敗北したんだ……」
あんじゅ「……」
英玲奈「だからあんじゅ」
英玲奈「形はどうあれ、あの勝負は完全に私の負けだ」
英玲奈「だから、この勝負をあんじゅは誇って欲しい」
あんじゅ「……」
あんじゅ「……じゃあなんで勝ったのよ?」
英玲奈「……え?」 142/
あんじゅ「心が折れたんでしょ?負けを認めたんでしょ?」
あんじゅ「だったら負けてくれりゃいいじゃない」
英玲奈「あの、あんじゅ?話聞いてたか?試合の結果がどうあれ――」
あんじゅ「試合にも勝ちたかった!」
英玲奈「お、おう…」
あんじゅ「負けてもいいなら負けなさいよ!勝つ必要ないじゃない!なに勝手に勝ってくれちゃってんのよ!」
英玲奈「い、いやそれは違うぞあんじゅ」
あんじゅ「なにがよ?」
英玲奈「あんじゅがあそこまで試合に真剣だったからこそ、私も真剣に勝負しなけりゃ失礼だと思ったんだ」
英玲奈「あんじゅの気持ちに報いる為にも、手加減なんていう無粋な真似は出来なかった」
あんじゅ「そんなの知ったこっちゃないわよ!」
英玲奈「ええ……」 143/
英玲奈「じゃあなにか?あんじゅは私が手加減すれば良かったとでも言いたいのか?」
英玲奈「あの魂のぶつかり合いとも言える真剣勝負の結末が、もし八百長だったとして、お前はそんな勝利を喜べるのか?」
あんじゅ「もちろん!」
英玲奈「そうだろう?だからこそ私は――」
英玲奈「――え?」
あんじゅ「なによ?」
英玲奈「え?嬉しい、のか?八百長でも?!」
あんじゅ「あったり前じゃない!勝ちは勝ちよ!」
英玲奈「……は、はは……本当にお前ってヤツは……」
あんじゅ「なに笑ってんのよ!バカにしてる?!」
英玲奈(敵わない、な)
あんじゅ「きぃぃっ!悔しいぃぃ〜〜!!!」
――― 144/
>>123【「バイブ」】
英玲奈「!」
あんじゅ「あはっ、なにこれすっご!えっぐ!」
英玲奈「お、おい……」
あんじゅ「ね、ね、凶悪すぎない?この形」ウィンウィン
英玲奈「っ……」
あんじゅ「ほらほら英玲奈〜」
あんじゅ「? 英玲奈〜どしたの?」
英玲奈「……」
あんじゅ「――あ」
あんじゅ「あぁ〜…ひょっとしてコレ、英玲奈が隠し持ってるブツだったり?」ニマニマ
英玲奈「ぶっっっ!!」 145/
英玲奈「な、なななな……!」
英玲奈「なんってこと言うんだお前は!!」
あんじゅ「もー、じょーだんじょーだん。そんなに怒ることないじゃない♪」アハハ
英玲奈「真に受けるヤツがいたらどうするんだ!」
あんじゅ「ふたりだけなんだからそんなこと気にする必要ないのに〜」
英玲奈「……」
あんじゅ「英玲奈?」
英玲奈「……少し前からひょっとしたらと思っていたんだが……」
英玲奈「……あんじゅ、お前ここが誰かに見られていることを忘れてるんじゃないか?」
あんじゅ「え?」 146/
あんじゅ「忘れてないわよ?」
英玲奈「そうかぁ〜?にしては言動が少し油断し過ぎなんじゃないかと思うんだが……」
あんじゅ「あー、そーゆーこと?」
あんじゅ「……ん〜…コレ言っていいのかな…?」
英玲奈「何だ?」
あんじゅ「…ま、いっか。あのね英玲奈、たぶんなんだけど……」
あんじゅ「ココ見てる人たち、私たち(A-RISE)のこと知らないと思うわ」
英玲奈「はあ?!」 147/
英玲奈「いやいやいや、待て待て、それはないだろう。さすがに――」
あんじゅ「まあ姿は見えてないんだから、ツバサにしたってホントにあのツバサかの確証が持てないだけかも知れないけど」
あんじゅ「でも知ってるならまったく何も触れてこないのもおかしいと思うでしょ?」
英玲奈「それはまあ、確かに…でも最初の頃にあんじゅの名前を出してたヤツいなかったか?」
あんじゅ「ああ〜……いたわね〜……でもココに来てすぐにお互い名前自体は呼びあってたし」
英玲奈「ではあれはどうだ?園田海未や西木野真姫の件は」
あんじゅ「それはちょっと引っ掛かってるのよね〜」
英玲奈「他にもあれとかあれとか」クイッ
wsws希ロボ「」
Fツバサ『』 148/
あんじゅ「ツバサの人形はなんとなくわかるわ」
英玲奈「あれらはここを見ている人間が出しているんだろ?知らなくても出せるものか?」
あんじゅ「だってツバサ言ってたでしょ?見てる人たちが「書き込んだレスによってメッセージや物体が現出する」って」
あんじゅ「つまり文章で「ツバサの人形」とか「希ちゃんのロボット」とか指示すればいいだけだから、必ずしも外見を知っている必要は無いわ」
英玲奈「なるほど」
あんじゅ「ただし、文字にしてもロボットにしても「希ちゃん」「海未ちゃん」「真姫ちゃん」の名前をノーヒントで出してるから……」
あんじゅ「たぶん、μ'sの子たちのことは知ってるんだと思う」
英玲奈「そうだよな……でもあんじゅ」
あんじゅ「なに?」
英玲奈「μ'sの事を知っていて、私達(A-RISE)を知らないなんてありうるのか?」
あんじゅ「そこなのよね〜……」 149/
あんじゅ「でもそれこそ私たちのことを知ってる人たちが、私たちを好きな目にあわせられるなら、こんなに待遇良くはないんじゃない?」
英玲奈「……そうかもな」
あんじゅ「ツバサだって言ってたじゃない、たぶん記憶が残らない方が良いって」
英玲奈「そうか、そうだよな……」
あんじゅ「だからやっぱり、ここを見てる人たちは、μ'sを知ってるけどA-RISEを知らない、もしくは少なくとも私たちに悪印象を持たない人たち、ってことだと思うのよね」
英玲奈「果たしているかな?そんな人間が…しかも個人じゃなく集団で」
あんじゅ「……パラレルワールド、みたいな別の世界、とかならどう?」
英玲奈「別の世界?おいおい何言ってるんだあんじゅ?小説や映画じゃないんだぞ?」
あんじゅ「でもここが既に異世界みたいなものじゃない?」
英玲奈「っ……!」
あんじゅ(ホントはもうひとつ思いついた可能性あるけど…アタマの固い英玲奈に言ってもだからなぁ) 150/
英玲奈「むぅ……」
あんじゅ「はい!じゃあ考えるのはここまで!」パン!
英玲奈「なんだよ?急に」
あんじゅ「これ以上考えもムダだからよ。この答えはどーせツバサに聞かなきゃわからないんだし」
あんじゅ「まあ、聞いてもわかるかどうかはわからないんだけど…」
英玲奈「…違いない」クスッ
あんじゅ「だからそんなことは気にしないしない!」
あんじゅ「前にも言ったでしょ。どうにもならない事なんてどうにでもなっていい事よ」
英玲奈「……ああ、そうだったな」フフッ 151/
>>125【「押すと何かが起こるボタン」】
あんじゅ「ん?なにかしらこれ?」
英玲奈「ボタンだな。何も説明みたいなものは無いようだが…何のボタンだ?」
あんじゅ「じゃあさっそく――」
英玲奈「わあっ!ま、待て待て!いきなり押すヤツがあるか!?」
あんじゅ「なによー、さっき結論出たでしょ?考えてもムダなことは考えないで良いのよ」
英玲奈「それとこれとは……」
あんじゅ「それに前この話した時にはポテト出て来たじゃない?良い流れ来てるって!」
あんじゅ「だ〜いじょ〜ぶだいじょぶ〜。そんなに悪いことなんてそうそう起きないって〜」
英玲奈「そうかぁ〜?」
あんじゅ「なんか良いことありますよ〜に、っと」ポチリ
《何が起きる?安価>>217》 200レスで終了ならこのレスはもう拾われないかな?
【A-RISEのこと好きなのでそんな酷いことはしないよ~(人によると思うけど)】 152/
《押すと何かが起こるボタン》
《>>217地面がスポンジケーキになる》
英玲奈「!! じ、地面が?!なんだ、これは!?」
あんじゅ「ケーキ…?」ペロッ
あんじゅ「!? こ、これは……スポンジケーキ!!」
英玲奈「よく躊躇なく地面を食えるな!?」
英玲奈「とにかく――うおっ?!」ズブッ
あんじゅ「英玲奈!大丈夫?!」
英玲奈「ああ、だがどうする!このままでは体ごとケーキの地面に沈むぞ?!」
あんじゅ「落ち着いて英玲奈。私みたいに大の字に寝て接地面を増やすのよ」
英玲奈「よく躊躇なくケーキの上に寝転べるな……」 153/
英玲奈「ふぅ……とりあえず沈むのは回避出来たが…これからどうする?」
あんじゅ「あれを見て」
英玲奈「あれ?」
あんじゅ「あそこまで行けばとりあえずの拠点にはなるわ」
英玲奈「なるほど、卓球台か。しかしどうやって行く?最早立ち上がることもままならないぞ?」
あんじゅ「簡単よ、こうすればいいのよ」ゴロンゴロン
英玲奈「確かに寝そべったまま転がれば移動は出来るな……」
英玲奈「……すごくみっともないが」
あんじゅ「英玲奈ー?置いてくわよー?」ゴロンゴロン
英玲奈「……仕方ない、か……」ゴロンゴロン 154/
――
あんじゅ「これで、ひとまず安心ね」
英玲奈「……見渡す限りケーキだな…やはりすべての地面が置き換わっているのか…?とはいえこのためだけに……?」
あんじゅ「さすがに食べきれないわよね〜」
英玲奈「食う気なのかよ…」
あんじゅ「あ、見て英玲奈!ポテ山の標高が半分くらいになってる!」
英玲奈「自重で沈んだか、無理もない」
あんじゅ「あーぁ、もったいない…」
英玲奈「まだ食う気だったのか…?」
あんじゅ「あそこ!ツバサ刺さってる!」
英玲奈「アイツは比較的軽かったからな。東條希は完全に埋まったみたいだが」
あんじゅ「助けに行きましょ!」 155/
>>126【油圧式ジャッキ】
あんじゅ「英玲奈〜ファイト〜!もう少しよ〜!」
英玲奈「どうして当たり前のように私に行かせるんだ?まったく…」ゴロンゴロン
あんじゅ「英玲奈〜油圧式ジャッキだって〜!」
英玲奈「……だからなんだ?」 156/
>>153【ジョジョかよ】
あんじゅ「英玲奈〜!」
英玲奈「見えている!だが…」
あんじゅ「どーゆー意味ー?」
英玲奈「こっちが聞きたいよ……っと」ガシッ
Fツバサ『何か用かしら?』
英玲奈「目標を確保!直ちに帰還する!」
あんじゅ「オッケー!気を付けてねー!」
Fツバサ『さあ、行きましょう』 157/
――
>>162【テニヌじゃなくてわりとちゃんとテニスしてくれてた…よかった】
英玲奈「ん?テニス…?」
あんじゅ「……テニス、とは?」
英玲奈「おい、流石に競技自体を無かったことにするな」
英玲奈「にしても…どうして今さら?」
あんじゅ「……タイムラグがあるのかもね」
英玲奈「タイムラグ?」
あんじゅ「見てる人たちが書き込んだタイミングと、こちらに反映されるまでの時間よ」
英玲奈「なるほど、しかし最初はリアルタイムじゃなかったか?」
あんじゅ「時間が進むにつれて処理が遅くなる、とかそういうのかしら?」 158/
>>169【「キンキンに冷えたビールがたくさん入ってる冷蔵庫」】
ズズズズ……
あんじゅ「あぁ〜…せめて開けて中見たかったわね…」
英玲奈「あの沈みようからして空では無さそうだな」
あんじゅ「英玲奈!」
英玲奈「嫌だ!」
あんじゅ「…反抗期なの?」
英玲奈「心底不思議そうな顔をするな!欲しいなら自分で取ってくればいいだろう!」
あんじゅ「……それが出来れば良いんだけどね……」
英玲奈「! まさか!どこか悪いのか?!」
あんじゅ「めんどうじゃない?掘り返さなきゃだし」
英玲奈「知るか!」 159/
>>180【どんどんテニスからテニヌになっているじゃないか!】
英玲奈「さっきもあったが「テニヌ」とはなんだ?テニスとは違う意味合いで使われているが」
あんじゅ「あー、テニスの常識を越えたファンタジーテニスって感じの造語ね」
英玲奈「とするとやはりタイムラグがあるという説が正しそうだな」
あんじゅ「ええ、英玲奈が亜音速サーブ打ち始めた辺りじゃない?」 160/
>>189【英玲奈さんが楽しそうでなにより】
あんじゅ「ほら、きっと英玲奈が調子に乗って「地獄を楽しみな」とかやってた頃よ」
英玲奈「わ、悪かったよ…あの時は私もいっぱいいっぱいだったんだって!」
あんじゅ「今から考えると…必死に悪者演じてて笑えるわよね」
英玲奈「そういうことは思っても口にするなよ!///」 161/
>>190【何を読んでたんだっけ…まぁ面白いからいっか】
英玲奈「読む?」
あんじゅ「…ひょっとして私たちの言動ってテキスト化されてるのかもね」
英玲奈「! そうか!だから「見てはいるけど見えてはいない」のか!」
あんじゅ「じゃあ私がこんな格好してもわからないってことよね?」
英玲奈「こ、こらあんじゅ!はしたないぞ!」
あんじゅ「もう!英玲奈!はしたないって言ったらはしたない格好なのがバレちゃうじゃない!」
英玲奈「す、すまん…つい……!」 162/
>>207【このえれあんのやりとりすき】
英玲奈「面白がられている…」
あんじゅ「タイムラグ。今のやりとりじゃないでしょ」
英玲奈「そ、そうか…すると…?」
あんじゅ「テニスの後だから英玲奈のおもちゃが出てきた辺りかしら?」
英玲奈「わ、私のじゃないっ!」
あんじゅ「あ、そうだったわねごめんごめん。英玲奈のはもっとこう……」
英玲奈「そもそも持ってないと言ってるんだ!!」
あんじゅ「むきになると余計怪しまれるわよ〜?」プクク…
英玲奈「〜〜っっ!!どうすりゃいいんだよ!もうっ!」///// 163/
>>208【追いついた。面白い】
あんじゅ「だってさ?えーれーなーちゃん♡」
英玲奈「ちゃんは止めろ!タイムラグなんだろ?今の話じゃないはずだ!」
あんじゅ「ま、そうね。ただの感想だと思うけど…」
あんじゅ(ってことは見てる人たちは何かの目的があって集められた人たちじゃないの?)
あんじゅ(たまたま覗いて、気が向いたら書き込むくらいの感覚で見てるとしたら……)
あんじゅ(いったい何人の人が見てるのよ) 164/
英玲奈「……考えたんだが」
あんじゅ「な、なに?!」
英玲奈「? どうかしたか?」
あんじゅ「んーん、ちょっとぼーっとしてただけ?それで?」
英玲奈「ああ、あのボタンだけどな、もう一回押してみないか?」
あんじゅ「地面をケーキに変えたボタン?なんで?」
英玲奈「この現象が不可逆的なものかを調べたい。ただ単に地面をケーキにするだけの機械を作るかな?と思ってな」
英玲奈「もし地面を普通の地面とケーキとを入れ替えるボタンなら、押す度に入れ替わるから次に押した時は元に戻るんじゃないかと思う」
英玲奈「単に地面をケーキに変えるだけのボタンなら何も起こらない訳だからリスクは無いかな、と思ったんだが」
あんじゅ「……」
英玲奈「どうだ?」
あんじゅ「英玲奈にしては、よく考えてあると思う」
英玲奈「英玲奈にしては、は余計だろ」
あんじゅ「いいんじゃない?やってみましょうよ」 165/
英玲奈「じゃあ早速――」
あんじゅ「待って!私が押すわ!」
英玲奈「どっちでもいいだろ、それは」
あんじゅ「条件はなるべく揃えないと、押す人によって機能が変わったらどうするのよ?」
英玲奈「あ…!」
あんじゅ「まったく…ま、英玲奈らしいけどね」
英玲奈「悪かったな…!」
あんじゅ「じゃ、私が押すわね」
英玲奈「頼む」
あんじゅ「えっと…たしかあの時は……」
あんじゅ「なんか良いことありますよ〜に、っと」ポチリ
《押すと何かが起こるボタン》
《何が起きる?安価>>233》 166/
《押すと何かが起こるボタン》
《>>233 地面がこんにゃくになる》
英玲奈「ん?お、おおおっ?!」
あんじゅ「地面が、揺れてるっ?!」
あんじゅ「これ、コンニャク…?」
あんじゅ「……ってことは……」
英玲奈「!!」
英玲奈「あんじゅ!」
あんじゅ「え?」
英玲奈「走れ!逃げるぞ!!」
あんじゅ「な、なになに?!」
英玲奈「雪崩だ!!」 167/
――
英玲奈「なんとか…助かったか……」ハァハァ
あんじゅ「ポテ山が…崩れたの……?」ハァハァ
英玲奈「ああ、地面が急に弾性を持ったから山が少しバウンドしたんだ」
英玲奈「それで――」
あんじゅ「土砂崩れならぬポテ崩れが起きたってワケね」
英玲奈「ああ」
あんじゅ「…かわいそうなツバサ…成仏してね…」ナムー
英玲奈「演技でもないこと言うなよ……」 168/
あんじゅ「さて、供養も済んだことだし、本題に戻りますか」
英玲奈「相変わらず切り替えがはやいな」
あんじゅ「検証の結果としては、このボタンは「押す度に地面を何かに変えるボタン」じゃないかと思うんだけど…」
英玲奈「異議なし、だな」
あんじゅ「どうする?まだやってみる?」
英玲奈「それは悩みどころだな……正直、ケーキは歩きにくさもそうだが、あの甘ったるい匂いがキツかったしな」
英玲奈「コンニャクなら匂いもさそんなに無いし、歩けなくもないからそんなに不便は感じない」
英玲奈「これ以上はリスクを上回るリターンが来そうにないと思うぞ?」
あんじゅ「同感ね、ケーキでも埋まる危険性があったけど、これで地面が液体、ましてや気体にでもなったらと考えると……」
英玲奈「気体か……考えもしなかったが確かに洒落にならないな……」
あんじゅ「じゃあこのボタンは以降封印ということで」
英玲奈「ああ、異議なしだ」 169/
>>218【A-RISEのこと好きなのでそんな酷いことはしないよ〜(人によると思うけど)】
英玲奈「……」
あんじゅ「……」
英玲奈「やっぱりパラレル説が正しそうな気がするな…」
あんじゅ「…」
英玲奈「ということはアレが起こらなかった世界、なのかな……?」
あんじゅ「かもね……」
英玲奈「もしそうだったなら、私たちは――」
あんじゅ「止めましょ、もしもの話をするのは」
英玲奈「……すまん」 170/
あんじゅ「でも逆に考えると、今ここなら私たちの好感度は悪くないってことじゃない?」
英玲奈「今までの事を考えると、そうなんだろう」
あんじゅ「それならもうちょっとくらい……」
英玲奈「おいおい、あんじゅは十分厚遇されてるだろ」
あんじゅ「そう?」
英玲奈「お前がおねだりしたから食べ物ばっかり出てきてるんじゃないのか?」
あんじゅ「え?そうなの?」
英玲奈「テニスラケットだってそうじゃないか」
あんじゅ「えー、だったらもうちょい私好みの食べ物出てきても良くない?」
英玲奈「なんて贅沢なヤツだ……ひどい目に合わないだけでも御の字だと思うぞ、私は」 171/
>>234【ヨーヨー】
英玲奈「ヨーヨー…?」
あんじゅ「これは…英玲奈ね!」
英玲奈「え?!何が?!」
あんじゅ「英玲奈に喜んでほしくて書き込んだのよ、きっと
」
英玲奈「えぇ…私にヨーヨー好きな要素あったか…?」
あんじゅ「じゃあ私にヨーヨー好きな要素があると思う?」
英玲奈「いや、まったく」
あんじゅ「だったら英玲奈じゃない」
英玲奈「私にもないわ!」 172/
あんじゅ「えー、じゃあツバサ?」
英玲奈「ツバサか…ツバサなら……」
あんじゅ「あ、ねえねえ、この「ヨーヨー」ってさ、どっちのだと思う?」
英玲奈「どっちって?」
あんじゅ「ヒモついてる方と、水風船の方と」
英玲奈「さあ?紐の方なんじゃないか?」
あんじゅ「ヒモの方か〜」
英玲奈「なんだ?そっちだと何かあるのか?」
あんじゅ「べっつにぃ〜」
英玲奈「……お前、まともに会話する気無いだろ」 【このまえあんじゅさんが英玲奈さんのエクレア食べてましたよ】 173/
>>235【「地面を埋め尽くすほどの大量のローション」】
英玲奈「――ん?」
英玲奈「!? 何だこr……ぅわぁっ?!」ビターン
あんじゅ「急に立ち上がると危ないわよー?」
英玲奈「何だ、これは…?ぬるぬるしてる…?」
あんじゅ「ローション、かな?」
英玲奈「害は無いのか?」
あんじゅ「無いんじゃない?たぶん。ただの潤滑剤だし」
英玲奈「それで滑るのか…」 174/
―
英玲奈「くっ…!よっ、と……うわっ?!」ペターン
あんじゅ「もう諦めたら〜?」
英玲奈「しかしこれから先、立てないのは困るだろう?」
あんじゅ「なんで?」
英玲奈「何かあった時に迅速な行動がとれないからな。さっきのポテ崩れみたいな事が起きたら大変だ」
英玲奈「だからせめて…っ!この足場に慣れておかなくては……っ!」プルプル
あんじゅ「ただ滑るだけじゃなくてコンニャクが柔らかいからね〜」
英玲奈「く…っ!せめて地面が固ければ多少の踏んばりも効くんだが……くぁっ!?」ペターン
あんじゅ「ダメよ〜?あのボタンはもう使わないんでしょ?」
英玲奈「わかっている。だからこうして……おわっ!」ベチーン 175/
あんじゅ「ねえ英玲奈」
英玲奈「何だ」ハァハァ
あんじゅ「移動が出来ればいいんでしょ?」
英玲奈「ああ」フゥ
あんじゅ「だったら歩かなくても滑ればいいんじゃない?」
英玲奈「…それで自由に動けるならな」
あんじゅ「ん〜…じゃ、見ててね〜」
あんじゅ「とりゃ〜」ツルツル〜
英玲奈「!?」
あんじゅ「よ…っと」クルン
英玲奈「っな?!」
あんじゅ「それ〜」ツルツル〜
あんじゅ「ただいま〜♪」ツル〜
英玲奈「な、な、な……」
英玲奈「何者だ?!お前は?!」 176/
あんじゅ「じゃあ、はい、英玲奈もやってみて?」
英玲奈「出来るか!」
あんじゅ「今の見てたでしょ〜?」
英玲奈「見てた、しかし一体どうやってこの踏ん張りの効かない地面で方向転換したんだ?」
あんじゅ「簡単よ、こーするの」ズブッ
あんじゅ「それ〜♪」ツルツル〜
英玲奈「! なるほど、コンニャクに指を突っ込んで亀裂を……!」
あんじゅ「あははは〜♪」クルクルクル〜
英玲奈「……天才か、アイツ……」 177/
―
英玲奈「くっ!」ズボッ
英玲奈「はっ!」ズボッ
英玲奈「どうだあんじゅ!歩けたぞ!」
あんじゅ「確かに歩けてるわね〜」
あんじゅ「でも足突き刺しながら歩くくらいなら、滑ったほうが速くない?」
英玲奈「それは…なんか嫌だ」
あんじゅ「なんで?楽しいわよ〜?」
英玲奈「なんというか、私の中の尊厳がそれを受け入れないというか……」
あんじゅ「もー相変わらずアタマ固いんだからー」
あんじゅ「じゃあ次は走らなきゃね」
英玲奈「ああ、見てろよ…!」グッ
英玲奈「は!ぅわぁっ?!」ビッターン!
あんじゅ「……先は長そうね〜……」 178/
>>243【「英玲奈とあんじゅが好みそうな水着2着」】
あんじゅ「水着ぃ〜?今さら〜?」
あんじゅ「こんな状態で今さら水着なんて……」
あんじゅ「あ、でもこの水着かわいい♡着ちゃおっと♪」
あんじゅ「英玲奈はー?どうするー?」
英玲奈「もちろん着る!」ズボッズボッ
あんじゅ「なんかすっごい怒ってるみたいな歩き方よね」プププ
英玲奈「う、うるさい!」 179/
英玲奈「ほう…」
英玲奈「ほうほう!」
英玲奈「これはいいな♪」
あんじゅ「あら珍しい、英玲奈がニヤけてるわ」
英玲奈「言うなよ。でもこの水着、サイズもぴったりだしデザインも私好みだ」
英玲奈「嬉しくならない訳がない!」ニコニコ
あんじゅ「そうね〜、私の方の水着もいいセンスだもの」
あんじゅ「……それにしてもよく私たちの好みがわかったわね〜」 180/
英玲奈「ふふふ…♪」
あんじゅ「ふふ…なんだかホントに嬉しそうね〜?」
英玲奈「ああ、だって初めてだぞ」
あんじゅ「初めて?なにが?」
英玲奈「私用の良いものが出てきた事が、だ」
あんじゅ「そうだっけ?」
英玲奈「あんじゅは結構我が儘を叶えて貰っているからわからないだろうが、純粋な私へのアイテムは本当に無かったからな」
あんじゅ「へぇ〜そっか、よかったじゃない」
英玲奈「ああ」ニコニコ 181/
――
英玲奈「それっ!」ツルツル〜
あんじゅ「――英玲奈ったら、はしゃいじゃって……」
あんじゅ「そんなに水着が嬉しかったのかしら?」
英玲奈「やっほーぅ!」ツルツルツル〜
あんじゅ「ねえ英玲奈ー?腹這いで滑るのはプライドが許さないんじゃなかったのー?」
英玲奈「水着だからいいんだー!」クルクル〜
英玲奈「はっはっはっは!」ツル〜
あんじゅ「いみわかんない」フフッ
―― 182/
>>244【このまえあんじゅさんが英玲奈さんのエクレア食べてましたよ】
英玲奈「それは嘘だな」
あんじゅ「そーね〜」
英玲奈「我々は冷蔵庫の管理を徹底してるからな」
あんじゅ「個人のモノには名前と日付を必ず書いてるからね〜」
英玲奈「そして、所有権の無い物には手を出さない。これさえ守れば揉める事はない」
あんじゅ「うんうん」
英玲奈「……我々はそれをあの事件で学んだからな……」
あんじゅ「ええ……「血染めの白くまくん事件」……思い出したくもないわね……」 183/
英玲奈「よって!我々の中で冷蔵庫の中身による揉め事など起こり得ないと断言出来る!」
あんじゅ「そーだそーだー!」
英玲奈「……あるとすれば冷蔵庫外の話だよな?あんじゅ?」
あんじゅ「……え?」
英玲奈「私の買い置きのTOPPO…確かまだあったはずだったんだがなぁ…?」
あんじゅ「待って!共有箱のモノはノーカンでしょ?!」
英玲奈「名前、書いてあっただろう?」
あんじゅ「……」
あんじゅ「てやー!!」ツルツルツルツル〜!
英玲奈「あ!待て、このっ!」シュパー!
―― 184/
―
英玲奈「どうだ?反省したか?」
あんじゅ「ふーんだ、私が食べたって証拠もないクセに」
英玲奈「じゃあ何で逃げたんだよ」
あんじゅ「そりゃあ、英玲奈が怒るからよ」
英玲奈「それはお前が怒られるようなことをするからだろう……」
あんじゅ「しててもしてなくても怒られそうなら逃げるわよ、私は」
英玲奈「何でそんなに堂々としていられるんだ……?」 185/
あんじゅ「逆に聞くけどさぁ」
英玲奈「何だ?」
あんじゅ「仮に私が犯人だとして、よ?」
英玲奈「仮に、ではないと思うが…」
あんじゅ「ここで英玲奈に謝っても、帰ったらその記憶は無くなるワケじゃない?」
英玲奈「そうらしいな」
あんじゅ「だったら謝り損じゃない?」
英玲奈「はあ?!」
あんじゅ「だってそうでしょう?今、私が真摯に反省の弁を述べたとしても、帰ったらまた英玲奈は私を怒るんでしょう?だって忘れてるんだから」
英玲奈「それは!……そう、かもな……」
あんじゅ「でしょう?」 186/
あんじゅ「そうしたら私はまったく同じ罪で2回罰を受けることにならない?」
英玲奈「……そう、なるのか…?」
あんじゅ「英玲奈は、それでいいの?」
英玲奈「いい、とは?」
あんじゅ「ひとつの罪で、2度罰を与える事を貴女は良しとするのか、って聞いてるの」
あんじゅ「貴女の良心は!貴女の正義は!それを正しい事だと胸を張って言えるのかって問うているのよ!!」ビシィッ!!
英玲奈「!!」
英玲奈「……なるほど…」 187/
英玲奈「つまり、外での罪を此処で問うのは不毛だって事を言いたいのか?」
あんじゅ「不毛ってよりも、むしろ理不尽だと私は思うわ」
英玲奈「……確かに、それは一理ある、か」
英玲奈「よし、わかった!」
英玲奈「では、あんじゅ。この問題は帰ってからきっちり反省してもらうからな。それでいいか?」
あんじゅ「ええ、私は筋はとおす女よ。やったことに対する責任はちゃんととるわ」
あんじゅ「この優木あんじゅ!逃げも隠れもしない!」
英玲奈「……さっき逃げた事、もう無かった事になってるのか…?」
英玲奈「まあいい、その言葉、絶対に忘れるなよ」
あんじゅ「もちろん!」
あんじゅ(忘れるに決まってるじゃない) 188/
あんじゅ「そういえばさっきの」
英玲奈「ん?」
あんじゅ「アレなんなの?しゅぱーって」
英玲奈「しゅぱー?」
あんじゅ「なんかフィギュアスケートみたいに追いかけてきたじゃない!あんなの私聞いてない!」
英玲奈「ああ、あれか」
英玲奈「私もびっくりしたんだが、あの時突然出来るようになったんだ」ツイ〜
英玲奈「おそらく何百何千とチャレンジする内に必要なボディバランスと体幹が鍛えられていたんだろう」シュパー
英玲奈「あんじゅもトレーニングすればいずれ身に付けられると思うぞ」クルクルクル〜
英玲奈「はっ!」ピタァ
あんじゅ「……やめとくわ……途方もなく時間かかりそうだし……」 189/
>>256【英玲奈さんに喜んでいただけたようで何よりです】
英玲奈「ひょっとして水着をくれた人かな?だとしたらありがとう」
あんじゅ「……」
英玲奈「どうしたあんじゅ?浮かない顔だな」
あんじゅ「……なぁ〜んか最近露骨に英玲奈がヒイキされてなぁ〜い?」
英玲奈「そうかな?私はそうは思わないが…ほら、水着だってふたり分出てきたじゃないか」
あんじゅ「それはそうだけど……」
あんじゅ「ん〜…今、そういう時期なのかしら?」
英玲奈「時期?」 190/
あんじゅ「ここを見てる人たちって特定の誰かじゃない感じなのよねー」
あんじゅ「だから今は英玲奈贔屓の人たちが多い時期なんじゃないかなー?って」
英玲奈「だとしても、それは私たちにはどうにも出来んだろう?」
あんじゅ「そうね〜そうなんだけどね〜」
英玲奈「それに、たまにはそういう時期があっても良くないか?あんじゅは今まで散々いい目をみてきたんだからな」
英玲奈「そろそろ私の番が来ても良いころだろう?」
あんじゅ「なによ、私を置いてひとりだけ幸せになろうっての?ズルくない?」
英玲奈「いや、ずるくはないだろ……」 191/
あんじゅ「そういえばさぁ〜昔はそんな感じだったよね〜」
英玲奈「そんな感じ?」
あんじゅ「私たちって、けっこう人気に偏りあったじゃない?」
英玲奈「ああ…確かにな」
あんじゅ「いちばんファンが多いのがツバサで〜」
あんじゅ「いちばんプレゼントが多いのが私で〜」
英玲奈「……そうだったな」
あんじゅ「んでいちばんガチ勢が多いのが英玲奈」
英玲奈「――え?」 192/
英玲奈「ガチ勢…?なんだそれ?」
あんじゅ「やっぱり自覚なかったんだぁ〜」
英玲奈「……私の認識では、私には女性のファンが多くて、あんじゅには男性ファンが多くて、ツバサは満遍なく人気があった、くらいの話だと思ってたんだが……」
あんじゅ「ん〜…それも間違いじゃないけどね」
あんじゅ「ただ、英玲奈にはガチ勢っていうより、少々ヤバめのガチ恋勢がちらほらいたじゃない」
英玲奈「こ、こら!あんまりファンの子を悪く言うなよ」
英玲奈「それに言っただろ?私のファンはほとんどが女性ファンなんだぞ?ガチ恋なんて――」
あんじゅ「だーかーらタチ悪いんでしょー?」
英玲奈「お、おい!」
あんじゅ「私やツバサのファンは、A-RISE全員好きだけど強いて推すならあんじゅちゃん、とかいちばん好きなのはツバサさん、みたいな子がほとんどだけど」
あんじゅ「英玲奈のファンって英玲奈以外まったく見てない子がやたらといたのよね……」
英玲奈「……確かに、多少熱心なファンがいたのは認める」
英玲奈「だが、それと恋とは別の話だろ?!」 193/
あんじゅ「別じゃないのよね〜…これが」
英玲奈「何か証拠でもあるのか?私のファンがただのファンではなくガチ恋勢だという証拠が?」
あんじゅ「あるわよ」
英玲奈「あるのか?!」
あんじゅ「ええ、だって私やツバサのところにたまに脅迫文とか届いてたもの」
英玲奈「き、脅迫文だって!?」
あんじゅ「英玲奈様に馴れ馴れしく触るな尻軽女め〜とか」
あんじゅ「英玲奈様を差し置いてセンターなんて何様だこのチビデコ助〜とか」
あんじゅ「ツバサとまたきたわよ〜なんて話してたんだから」
英玲奈「う、嘘だ……!」 194/
英玲奈「そんな、まさかあの子達……か?」
英玲奈「いや、でも……まさか……いや、えぇ……?」
あんじゅ「ま、そうなるわよねー」
あんじゅ「だからツバサと「英玲奈には言わないでおこう」って言ってたのよねー」ウンウン
英玲奈「じゃあなんで言うんだよ?!」
あんじゅ「もう子供じゃないんだからそれくらい大丈夫でしょ?」
英玲奈「っ!」
あんじゅ「だいたいファンの呼び名が、ツバサはツバサ「さん」で、私はあんじゅ「ちゃん」なのに」
あんじゅ「英玲奈だけ英玲奈「様」なんて言われてた時点で――」
英玲奈「も、もうやめてくれーーーっ!!」
―― 195/
>>265【水着姿のえれあんで抜きますよことり】
あんじゅ「ははっ」
英玲奈「ことり…?」
あんじゅ「そこはさすがに意味不明ね〜」
英玲奈「そこは?じゃあ「抜きます」っていうのは意味がわかるのか?」
あんじゅ「え?それ聞いちゃう?」
英玲奈「何だ?聞いたらまずいのか?」
あんじゅ「別にいいけど…怒らない?」
英玲奈「? 怒るわけないだろう?」
あんじゅ「そこまで言うなら……」コショコショ
英玲奈「!?!?」///// 196/
英玲奈「な、な、な……!」バッ
あんじゅ「あ、なんかそのカッコ懐かしいかも」
英玲奈「何であんじゅは平気なんだ?!」
あんじゅ「あぁ〜それもデジャヴだわ〜」
英玲奈「何言ってるんだよ?!」
あんじゅ「落ち着きなさい英玲奈。私たちを見ている人たちは見てはいるけど見えてはいない、でしょー?」
英玲奈「し、しかし、現に……!」
あんじゅ「きっと適当に書いてるだけ。全部真に受ける必要はない、わよ」
英玲奈「! そう、だったな……」 197/
あんじゅ「もー、英玲奈ちゃんったら、テンパると視野がきゅ〜ってなるんだから」
英玲奈「面目ない…」
あんじゅ「そもそも考えてもみなさいよ。もしホントに私たちの姿が見えていたとして、よ?」
あんじゅ「「そういうこと」をしようとする輩が、わざわざ私たちが水着姿になるのを待ってからする理由なんかないでしょーに」
英玲奈「……そうか、そうだよな。だって私達は――」
英玲奈「もともと何も身につけていなかったのだから」
あんじゅ(ま、「そういう」趣味のヤツもいるかもだけど……英玲奈には黙っときましょ) 【今ボタンを押すと打ち上げ花火があがりますよ……たぶん】 198/
>>274【今ボタンを押すと打ち上げ花火があがりますよ……たぶん】
あんじゅ「だってさ」
英玲奈「却下だ」
あんじゅ「そうよね〜」
英玲奈「こんなヤツらの言うことなんかもう信じない」
あんじゅ「それは…ちょっと言いすぎじゃな〜い?」
英玲奈「いいんだ、もう。私は心底呆れ果てた」
>>275【テンパる英玲奈で抜きましたよことり】
英玲奈「!!」
あんじゅ「…あらあら〜」
あんじゅ(タイミング悪っ)
英玲奈「ふん、また下らない事を…!」
英玲奈「こんなヤツらを少しでも信用しようとした私がバカだったんだ!」
あんじゅ(あちゃ〜…) 199/
>>276【残り100レス】
英玲奈「どうせ嘘なんだろう?」
英玲奈「私は信じないからな」
あんじゅ「そうかな?」
英玲奈「は?」
あんじゅ「なにかひっかかるのよね」
英玲奈「何が言いたいんだ?嘘に決まってるだろう。いつもいつも適当なことを言っているだけなんだから」
あんじゅ「う〜ん…確かにそんな気もするけど、なにか理由がある気がするのよね」
英玲奈「理由?どんなだ?」
あんじゅ「とにかく、このままじゃ良くないと思うの。もう一度考え直してみない?」
英玲奈「断る」
あんじゅ(やっぱダメかぁ) 200/
英玲奈「…もう誰も信じないぞ…どうせ何もしなくてもいずれ此処とはおさらばだ」
英玲奈「そうしたら記憶も消えて全て無かった事になるんだからな」
英玲奈「最初からあんなヤツらと関わるだけ無駄だだったんだ」
あんじゅ「……」
あんじゅ「英玲奈ったらあの頃みたいな顔してる」
英玲奈「……あの頃?」
あんじゅ「ねえ、覚えてる?」
あんじゅ「私と英玲奈が初めて話した時のこと」
英玲奈「!!」
あんじゅ「あの入学式の日……あの時も英玲奈はそんな顔をしてた」
英玲奈「……覚えているさ。忘れる訳がない」
英玲奈「あの時、私は――」
――― ―――
・
・
・
・
・
あんじゅ「ただいまー」
ツバサ「おかえりー」
英玲奈「お疲れ様。大丈夫だったか?」
あんじゅ「だ〜いじょぶだいじょぶ〜♪私を誰だと思ってるの?」
英玲奈「それはそうだが毎回あんじゅだけに買い出しを頼むのは流石に……」
ツバサ「あんじゅや……いつも済まないねぇ……私がこんな体じゃなけりゃあ……ゴホッゴホッ」
あんじゅ「おとっつぁん!それは言わない約束でしょ……!」
英玲奈「……それも毎回毎回やらなきゃいけないのか……?」 英玲奈「それにしてもあんじゅの変装は相変わらず見事だな。喋らなければ私達でさえあんじゅだとは分からないぞ」
ツバサ「優木流隠遁術だっけ?そこにいるのに認識させないなんてすごい技術よね」
あんじゅ「!!」
英玲奈「ああ、かつてはスクールアイドル活動中以外は校内でその姿を見たものはいないとまで言われていたからな」
あんじゅ「……やめて……!」
ツバサ「そうそう。あまりに正体不明で「????系スクールアイドル」なんて呼ばれたことも――」
あんじゅ「もうやめて!!」
英玲奈「ど、どうしたんだあんじゅ?突然大声を出して」
ツバサ「昔の話は嫌いだったっけ?」
あんじゅ「……違う……もう遅いのよ……手遅れなの……!」フルフル
英玲奈「手遅れ?」 あんじゅ「そのネタはもう賞味期限が切れてるの……だって、ただの偽名だったんだもの!」
あんじゅ「そう……そうよ……今や私と彼女にはなんの共通点もない……」
あんじゅ「同じ名字つながりってなら宮下さんの方がずっといろいろ出来そうよね」
あんじゅ「だってあっちは少なくともふたりが同じ世界線に確実に存在しているんだもの」
あんじゅ「私と違ってね……ふ、ふふふ……っ」
英玲奈「お、おいツバサ……いったいあんじゅはどうしたというんだ……?」
ツバサ「うーん……やっぱり溜め込んでるモノでもあったんじゃない?」
あんじゅ「……だいたいこの結末だって最初に書いてからもう何年たってるのよ…こんなに時間かかるなんて思わないじゃない……」ブツブツ
あんじゅ「おかげでこんな修正入れなくちゃならないし……」ブツブツ
ツバサ「……しばらく放っておきましょ。あんじゅなら大丈夫でしょ」
英玲奈「……だな」 英玲奈「それはそうとツバサ、あのボタンのことだが……」
ツバサ「500レスボタン?」
英玲奈「ああ。だいたいどういうモノかはわかった…と思う」
ツバサ「無理しなくていいわよ」
英玲奈「いや、実際にこの映像を見れば信じない訳にはいかないさ」
――
英玲奈『――ここは、誰かに見られているのか?』
ツバサ『そうだけどそれがどうかしたの?』
あんじゅ『はぁ?!それでなんでツバサは平気なの?!』
――
英玲奈「これは確かに私達だ。そして驚いたことに本当に記憶がないときた」
ツバサ「そういう風に作ったからね」
英玲奈「……改めて、とんでもない天才だな。お前は」 英玲奈「ただ…」
ツバサ「何?」
英玲奈「……観測データだけじゃなく映像でも記録してるんだな…」
ツバサ「そりゃあね。貴重なデータだもの」
英玲奈「なんで裸なんだよ!」
ツバサ「なるべく詳細にデータ残したいから、余計なデータを増やしたく無かったのよ」
英玲奈「にしてもだな……」
ツバサ「?」
英玲奈「……はぁ、もういい、言っても無駄な気がしてきた」
ツバサ「あ、大丈夫よ。閲覧者達には映像は見せてないから」
英玲奈「…当たり前だ」
ツバサ「映像ごと送信してたらデータ量桁違いだからね」
英玲奈「……まさか、それだけの理由で…?」
ツバサ「そうよ」
英玲奈(こいつ…マジか…!)
ツバサ「?」 英玲奈「し、しかし本当にこれがほんの一瞬の出来事だったとはな。実際にこの身で体験してもにわかには信じ難い……」
ツバサ「一応、原理は説明したでしょ?」
英玲奈「確か精神と肉体を加速させる、んだったか?」
ツバサ「んー…イメージとしては近いかな。厳密には加速してるわけじゃあないんだけど……」
ツバサ「ほら、世界を加速させるスタンド使いがいたじゃない?世界は加速していくのに人の感覚はそれについていけないみたいな」
ツバサ「ああいう感じで世界の時間の流れから自分を切り離してコントロールしてるのよ」
ツバサ「そのための鍵となるのが「分解(ゼロ)の因子」ね。これは時空間をag-hablerで解析したデータを元に――」
英玲奈「すまん。やっぱり理解出来る気がしない」 初期は優木繋がりで何かあるか?なんて言われてたなそういえば ツバサ「ちぇー、これから面白い話になるのに……」
英玲奈「悪いがそういう話をしたいわけじゃあないんだ」
ツバサ「じゃあなんなの?」
英玲奈「理解は出来ないがアレがどういうモノで、どういう働きをするかはなんとなくわかった」
ツバサ「良ければきちんとわかるまで教えるけど?」
英玲奈「勘弁してくれ……。それに私が知りたいのはそこじゃない」
ツバサ「?」
英玲奈「正直なところ、アレがどういうモノかなんてのは実はどうでもいい」
英玲奈「私が知りたいのはひとつだけだ」
ツバサ「なによ?」
英玲奈「ツバサ、お前はアレを何の為に作った?」 ツバサ「もちろん、みんなの笑顔の為よ」
英玲奈「っ……!」
ツバサ「もしかして疑ってる?」
英玲奈「そんなことは……!」
英玲奈「……いや、確かに私はツバサを疑っている、のかもしれない」
ツバサ「……」
英玲奈「思えばツバサはいつもはぐらかしたり正直に答えなかったりはするが、嘘だけは吐かなかったよな」
英玲奈「それはわかってる。わかってはいるんだ」
ツバサ「……」
英玲奈「ただ今回のことは……」
あんじゅ「ていっ!」ビシッ
英玲奈「いたっ?!」 英玲奈「あんじゅ?!いきなり何を――!」
あんじゅ「こーらー、なーにツバサいじめてんのよー」
英玲奈「は、はあ?!いや、虐めてなんか……!」
あんじゅ「ツバサの顔をよーく見てみなさいな」
ツバサ「……」
英玲奈「……?何時もと変わら――」
あんじゅ「とおっ!」ビシッ
英玲奈「にぁっ?!だからなんなんだ!さっきから!?」
あんじゅ「あいっかわらずニブちんよね〜ニブのニブニブだわ!」
英玲奈「悪かったな!だったらはっきりと言ってくれよ!」
あんじゅ「はぁ〜……だってさ、ツバサ」
ツバサ「……」
ツバサ「思ったより、ショックなものね」
ツバサ「信頼してる人に信用して貰えないというのは」
英玲奈「!!」 ツバサ「昔から理解されないのには慣れてるつもりだったけど……」
ツバサ「英玲奈とあんじゅだけは、それでもって思ってたわ」
英玲奈「ツバサ……!」
ツバサ「ま、仕方ない。私は「あの」綺羅ツバサだもの」
英玲奈「ち、違う!それは違うぞツバサ!」
あんじゅ「そぉい!」ビシッ
ツバサ「きゃんっ?!」
あんじゅ「今のはツバサが悪い!」
ツバサ「……なんでよぉ」
あんじゅ「わかってるクセに」 ツバサ「……なに、私にはスネることすら許されないの?」
あんじゅ「そうよ」
ツバサ「なっ…!なんでよ!」
あんじゅ「だって、そんなの可愛くないもの」
ツバサ「――!!」
あんじゅ「この私を差し置いてリーダーやってるんでしょ?だったらいちばん可愛くなきゃダメ」
ツバサ「っ……私は……もう……」
あんじゅ「同じことよ。ねえ?英玲奈」
英玲奈「……そうだな」
ツバサ「英玲奈……」
英玲奈「たとえ私達がアイドルグループで無くなったとしても、絆は変わらない」
英玲奈「そしてツバサ、お前は今でも私達のリーダーだよ。あの時からずっと、これからも、な」
ツバサ「……」 あんじゅ「はい!じゃあ本題いこっか?」パンパン
英玲奈「は?……え??」
ツバサ「本題なんだっけ?」
あんじゅ「「500レスボタン」の目的でしょ?」
ツバサ「ああそうだったわね」
英玲奈「ちょ、ちょっと待てぃ!」
英玲奈「お前達流石に切り替え早すぎないか?!もう少し情緒というものをだな……」
あんじゅ「やーよ、あんな湿っぽい雰囲気。話終わったんだからさっさと止めましょ」
英玲奈「言うほど終わってたか……?」
ツバサ「お互いの信用と信頼を確認出来たから私は満足したわ」
あんじゅ「ねー?」
英玲奈「……わかったよ。もう……!」
あんじゅ「あ、英玲奈はスネても可愛いからそのままでいいわよー♡」
英玲奈「う、うるさい…っ!」 あんじゅ「で、目的はみんなの笑顔の為、だっけ?」
ツバサ「ええ」
英玲奈「アレをどう使えばみんなの笑顔につながるんだ……?」
ツバサ「偶像を造るのよ」
英玲奈「偶像……?」
ツバサ「ええ。この壊れきった世界にアイドルという偶像をね」
英玲奈「!! ツバサ……お前まだ……っ!」
ツバサ「言ったでしょ?あんなことでへこたれる私じゃない、って」
あんじゅ「……って言ったってどうするつもり?私達はもうステージに立てない……わよね?」
ツバサ「そうね。この「死神博士」の私がいたんじゃA-RISEはもう表舞台には立てないでしょうね」
ツバサ「……それはよーくわかったわ……」
英玲奈(そんな呼ばれ方あったか?)ヒソヒソ
あんじゅ(たしか「悪魔の科学者」だったと思う)ヒソヒソ ツバサ「そこで、よ」パン
ツバサ「私達の代わりが出来るアイドルなんてあの子達くらいじゃない?」
あんじゅ「あの子たちって……」
英玲奈「もしかして、μ'sのこと……か?」
ツバサ「ほかに誰がいるのよ?」
あんじゅ「……」
英玲奈「……」
ツバサ「な、なによ?」
あんじゅ「あーあ、ツバサがついにバグっちゃったかー」
英玲奈「そうかそうか、うん、とりあえずゆっくり休むといい」
ツバサ「し、失礼ね!別にどこもおかしくなってないわよ!」
あんじゅ「はぁ……いーい?ツバサちゃん。よーく聞いて」
あんじゅ「あの子たちは、あの日、全員死んだの」 英玲奈「受け入れたくない気持ちはわかる。お前の責任じゃないとはいえ、使われたのはお前の技術なんだからな」
英玲奈「だが、だからって――」
ツバサ「待って待って!わかってるってば!そんなこと言われなくても!」
ツバサ「だからアイドルを「造る」んだって言ってるじゃない!」
あんじゅ「どゆこと?」
ツバサ「AIよ。超高性能のAIにアイドルをやらせるの」
あんじゅ「ロボットのアイドルってこと?」
ツバサ「ロボットにするかはまだ決めかねてるのよね……シャロンみたいなバーチャルアイドルでもいいかもしれないし」
英玲奈「ちょっと待て。確かAIは情緒方面ではまだまだ未熟だと聞いたが……違うのか?」
ツバサ「違わないわ。ただ容量問題がほぼ解決した今のAIの学習っていうのは、そのほとんどが単純に時間と質の問題なのよ」
ツバサ「その時間の問題を解決するのがこの「500レスボタン」ってわけ」 ツバサ「ついでに言うとその学習の質をあげる為には、本人の思考パターンを出来るだけ多く参照したい」
ツバサ「つまりこのボタンを本人に押させて、色んな思考パターンをモニター出来ればまさに一石二鳥!」
あんじゅ「だから、それは出来ないんだって」
ツバサ「それが出来るのよ」
あんじゅ「へ?」
ツバサ「正確には出来るようになった、のよね」
英玲奈「おいおい、まさかタイムマシンでも発明したんじゃないだろうな?」
ツバサ「あら、鋭いじゃない」
英玲奈「へ?」
ツバサ「実はこのボタンを作った副産物でね、時間を飛べる理論を見つけたのよ」
あんじゅ「……ずいぶんあっさりとまあ……」
英玲奈「」 あんじゅ「あ、だったらそんなまどろっこしいことしないで過去に行ってあの事件自体を止めたらいいんじゃない?」
あんじゅ「そしたらその後に起こった戦争だって……」
ツバサ「……」
あんじゅ「……ダメなの?」
ツバサ「出来なくはない、と思う」
あんじゅ「じゃあ何がダメなの?」
ツバサ「たぶん、だけど……それをしたら過去に行った人は二度と戻ってこれないと思う」
あんじゅ「え?!どうして?!」
ツバサ「過去を大幅に変えた時点で未来が変わる。するとその時間軸の未来はここには繋がらない可能性が高いから……」
あんじゅ「そこからこの時代に帰っても改変した別の世界のこの時代に帰ってきてしまう、ってこと?」
ツバサ「ええ」
あんじゅ「……アレを止められるなら、それでも……」
ツバサ「ダメよ!それは!」 ツバサ「私は過去を変えようなんて思ってない!変えたいのは今なの!未来なの!」
あんじゅ「ツバサ……?」
ツバサ「それに……」
あんじゅ「?」
ツバサ「良いことばかりじゃなかったけど……私達の思い出がなくなるかもなんて……イヤじゃない」
あんじゅ「ぷふっ!」
ツバサ「わ、笑わないでよ!私は……」
あんじゅ「いーのよツバサちゃん♡あなたがそう言うならそうするまでよ♡」ハグッ
ツバサ「わっ…ぷ!」
あんじゅ「じゃあ私はどうすればいいの?行くなら私しかいないでしょ?なんでも言って」ナデクリナデクリ
ツバサ「そ、その前に離しなさいよぉ!」 英玲奈「いや、まずは私だ」
あんじゅ「あら、もう再起動したの?」
英玲奈「ふっ……理解を諦めると案外すんなり受け入れられるものだ」
あんじゅ「自慢にならないわよ、それ」
英玲奈「うるさい!とにかく過去へ行くのはまずは私だからな!」
ツバサ「どうしたの?急に」
英玲奈「過去を変えると、帰ってこれない危険性がある。だよな?」
ツバサ「ええ」
あんじゅ「だーかーら、誰にも気付かれずにやれる私が適任なんじゃない?」
英玲奈「わかってる。だが万が一ということもある」 英玲奈「あんじゅはツバサが生きていくのに不可欠だ。だから私が――」
ツバサ「あら、英玲奈も必要よ?私は」
ツバサ「それとも「これからは私がツバサの足になる」って言葉は嘘だったのかしら?」
英玲奈「嘘じゃない!だがお前の技術ならその気になりさえすれば義肢なんて容易く作れるだろう?お世話用のロボットだってこの間――」
ツバサ「要らないわよそんなの」
英玲奈「なんでだよ!」
ツバサ「足なら、あるもの」
英玲奈「っっ!!」
ツバサ「万が一なんて許さないわ。私達は3人でA-RISE、でしょ?」
えれあん「……」
ツバサ「私が生きていくのにふたりはどっちも必要なの。だから必ずこの私のところに帰ってきなさい。いいわね?」
えれあん「!!」 あんじゅ「……ふふっ、なによそれ。相っ変わらずワガママなんだから」
英玲奈「フッ……そうだな、だがそれでこそツバサだ」
ツバサ「わかればいいのよ」フフン
あんじゅ「でもさぁ天っ才物理学者の綺羅ツバサにしては精神論なんてらしくないんじゃなぁい?」
英玲奈「それもそうだな。おいツバサ、万が一を起こらなくするのはそもそもお前の役目だろう?私達に責任を丸投げするつもりか?」
ツバサ「別にそんなつもりはないわよ。ただ」
あんじゅ「ただ?」
ツバサ「ああいう風に言えば、ふたりなら絶対に帰ってこようとするでしょ?死に物狂いで」
英玲奈「……なんて奴だ……」
あんじゅ「まぁ、合ってるけどね……」 ―――
ツバサ「準備できたー?」
あんじゅ「ばっちり!どう?英玲奈」
英玲奈「……これが、私…?」
あんじゅ「カワイイわよ♡英玲奈ちゃん♡」
英玲奈「ちゃんは止めろ。しかし褒められても別人すぎてなんとも思わないな」
ツバサ「どれどれ…?」
ツバサ「!!……に、似合ってるじゃない……っ!」
英玲奈「……笑いを堪えてるだろ」
あんじゅ「リクエストどおりにしたのにそれはないんじゃない?」ムスー
ツバサ「ご、ごめんごめん。そうね、バッチリよ!」 あんじゅ「にしても……ノリノリでやっておいて何だけど、こんなに胡散臭くて大丈夫?」
ツバサ「大丈夫、問題ないわ。英玲奈、最初のターゲットは覚えてる?」
英玲奈「東條希だろう?」
ツバサ「ええ、彼女ならそのくらいの方が興味を惹けると思う」
英玲奈「……その後はどうするんだ?」
ツバサ「……」
英玲奈「おい!」
あんじゅ「まーまー、その頃には私も行くだろうし、ね?」
ツバサ「そ、そうそう。詳しい作戦はあんじゅに伝えておくから」
英玲奈「本当に大丈夫なんだろうな……?」 ツバサ「じゃあ行くわよー!」
英玲奈「ああ、いつでもいいぞ」
ツバサ「……気を付けてね」
英玲奈「……ああ」
あんじゅ「んじゃ、後で会いましょ」フリフリ
英玲奈「ああ」
ツバサ「それじゃ……ポチっとな!」ポチッ
ヴゥンッ!
あんじゅ「おお〜…ホントに消えたわ……」
ツバサ「何よ?信じてなかったの?」
あんじゅ「ちょっとね」
ツバサ「ほらほら、冗談言ってないであんじゅも準備しなさい」
あんじゅ「は〜い♪」
――― ―――
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・
・
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希「ふぁぁあ……」
希「ん〜…まだちょっと眠いなぁ……」
希「あんだけ寝たのに…不思議なもんやね」
希(それにしても……)
希(何だったんだろう…?昨日は)
希(玄関先で突然気を失って、起きたときには丸1日たってるなんて……) 希(えっと……確か学校に行こうとして玄関開けたら)
希(なんだか怪しいお姉さんがいて、言われるがままにボタンみたいなの押したら意識が途切れて)
希(で、気付いたら朝)
希(パジャマに着替えさせられてベッドに運ばれてたけど、何かされた形跡はなし)
希(物取りどころかむしろ部屋はちょっと片付いてたし、どうやったのかはわからないけど鍵もかかってた)
希(にこっちからの電話がなかったら1日たってるなんてわからないくらいに異常なほど異常がなかった)
希(一体何が目的……?) 希「あ、そうそう」
希(電話といえば……)
希(バッテリーが完全に無くなるほどみんなから連絡があってたみたいなんだよね)
希(さすがに全部チェックする時間は無かったけど)
希(どうやら昨日はみんなの身にも何かあったみたい)
希「……何人かはたぶんウチと同じ目にあってるみたいやね」
希(100万円……)ギュッ 希(とにかく、にこっちが言ってたようにまずは会って話をしよう)
希(みんなの状況も気になるし、昨日の私のことも相談したい)
希(それに……)
希「……カードがウチに告げるんや、か……」
チャッチャッ
ピッ
希(……なんでかはわからないけど今朝から占いが上手くいかなくなった)
希(引いたカードを見ても漠然とした不安感があるだけで何のインスピレーションも湧かない)
希「しばらく占い師休業かなぁ……」 希「――にしてもにこっち遅すぎない?」
希「待ち合わせ時間もう5分も過ぎてるやん」
希「……これはわしわしMAXの刑やね♪」
希「ごめんなぁにこっち、ウチはにこっちをわしわしせなあかん。わしわししとかな気が済まんのよ」ニシシ…
希「……ん?」
希(なに…?)
希(あのひかr――)
カッッッッ!!!
おしまい 単純な実験スレかと思いきや未来世界モノだったとは…
また無印世界のキャラ以外でもこういうのやってほしいけど設定的に難しいかな?
なんにせよ面白かった乙! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています