かすみ「ねぇしず子。なんでかすみんの背中に指文字で『しずく』って書いてるの?」しずく(自分の物には名札を付ける。当然だよね)
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かすみ「ねぇしず子〜。ちょっとくすぐったいんだけどぉ〜?」
しずく「ふふっ。気にしないで。こうすると、荒れ狂う大津波のような感情が一旦だけど落ち着くの」
かすみ「えぇ?何その独特な方法」
しずく「ごめんねかすみさん」
かすみ「ん〜。まぁいいよ」
しずく「ありがとね。かすみさん」
かすみ「うん。別に減るわけじゃないし……それに」
しずく「それに?」
かすみ「たったこれだけでしず子の役に立てるなら、お安い御用だよ!」ニコッ
しずく「!!」
かすみ「スクールアイドルと演劇部の掛け持ちだもん。変なストレスも溜まるだろうし、変な解消方法にもなるよね」
しずく(……。そういうところですよ。かすみさんのジゴロ……)
しずく「……」ジト… 名札って他人が見ても分かるようにしないと意味無いんですよ 愛「う〜ん。そうだといいんだけどねぇ……」
かすみ「それに、そういう時はこう!」グルン
愛「わわ」
かすみ「こうやって二人で一緒に巻けば、出来なんて分かりませんよ!あったかいを一緒に感じることができるマフラー!これだけでスーパー可愛いですっ!」
愛「……そうだね!ありがとうかすみん!大好きだぞー!!」ギューッ
かすみ「ちょ、ちょっと苦しいですぅ」
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
かすみ「んにゃぁああ!?」
しずく(そういうところだよ。かすみさん……。私も編み物、始めようかなぁ) 菜々「ふ〜。生徒会業務はデスクワークが多いので肩が凝りますねぇ」コキコキ
かすみ「かすみんはもうバテバテですよぉ……」
菜々「すみませんかすみさん。急に手伝って貰って」
かすみ「別にいいんですけどぉ……。そうだ!かすみん肩もみしてあげますよ!」
菜々「え、かすみさんだって疲れているのに。いいですよ別に」
かすみ「いいんですよ!こうして体を動かしてる方が気分転換にもなりますし!」モミモミ
菜々「んっ、あぁ^〜肩がほぐれゆ^〜」
かすみ「おぉ、生徒会長がしていけない顔してます……。写真に撮っておきたいくらいです」
菜々「えぇっ。だめですよそんなの!」
かすみ「いいと思うんですけどねぇ」 菜々「だってそれじゃあ、中川菜々の真面目なイメージが……」
かすみ「こういう部分をちょっと見せた方が、親しみ深くて生徒と距離が近い生徒会長になれるかもしれませんよ〜?」
菜々「なるほど……それは確かに。って、それでもさっきの顔はだめです!」
かすみ「えへへ。ごめんなさい!」
菜々「全くもう……かすみさんったら。ふふっ」
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
かすみ「あぱらちあっ!?」
しずく(そういうところだよ。かすみさん。さっきの顔はとりあえずクラウドに保存しておこう) 歩夢「あ、ねえねえかすみちゃん。ちょっといい?」
かすみ「なんですか?」
歩夢「私もかすみちゃんのを真似て作ってみたの。あゆぽむBOX!」
かすみ「あゆぽむBOX!?うわあっ!クオリティ高いですね、歩夢せんぱい!」
歩夢「でしょ?私も自信作なんだ!まず最初にかすみちゃんに見て貰いたくって!」
かすみ「ぐぬぬ……。これはかすみんBOXにも比肩し得る可愛さ……。はっ!そうだ!」
歩夢「え?どうしたの?かすみんBOXを持ってきて……」 かすみ「よし!二つを並べたら可愛いと可愛いで超かわいいになりました!可愛いを隠すなら可愛い大作戦です!!」
歩夢「何を言ってるのか全然分からないけど……あ!そうだかすみちゃん!こっちに寄って!!」
かすみ「え?あ、自撮りですかぁ?負けませんよぉ〜?」ピスピス
歩夢「はいチーズ!うん!私とかすみちゃん。そして二つのBOXで超々可愛いになったんじゃない?」
かすみ「確かに!んも〜っ。歩夢せんぱいもやりますねぇ。さすが可愛い同盟の仲間ですよぉ」コノコノ~
歩夢「ふふっ。ありがとうかすみちゃん!」
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
かすみ「るみゃああっ!?」
しずく(そういうところだよ。かすみさん……。しずくんBOX、私も作ろうかな。うぅ、語呂が悪いよぉ) 侑「う〜ん。曲作りに行き詰まっちゃったなぁ……」ムムム
かすみ「およ。侑せんぱいお悩みですかぁ?」
侑「まぁねぇ。ちょ〜っとメロディが降ってこないんだよねぇ……」
かすみ「なるほどぉ……。ではこういうのはどうですか!」
かすみ「メロディは降って来ませんが、かすみんが降ってきます!おりゃー!」グリグリ
侑「わわっ。あはははっ。いいねぇかすみちゃん!ときめきパワーがたまってきたよ!」
かすみ「かすみんはただ侑せんぱい成分を補給してるだけなんですけどねぇ」グテーン
侑「う〜ん。かすみちゃんからしか得られない栄養分もある!よってこれは、ゆうかす永久機関と命名する!」
かすみ「なるほど!私は侑せんぱいから侑成分を補給し、侑せんぱいは私からかすみん成分を補給するわけですね!」
侑「出来上がっちゃったなぁ!?永久機関がぁ!!うおー!!作曲が捗りまくるよぉ!!」
かすみ「その意気です!!」グッ
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
かすみ「ひんんあああ!?」
しずく(そういうところだよ。かすみさん……。私とかすみさんでも永久機関、作ろうね) かすみ「ほっ、はっ、やぁ!!」ターン
かすみ「どうですか!ランジュせんぱい!」
ランジュ「いいわね!だいぶダンスも仕上がってきたようね!」
かすみ「ふっふ〜ん♪やればできる女こと、かすみんですよっ!」
ランジュ「それじゃあこれはできるかしら!」タットッタターン!!
かすみ「んぇえ!?何ですかその動き!」
ランジュ「次のライブに組み込もうと思っている動きよ。だいぶ激しいけど、だからこそ絶対盛り上がるわ!」
かすみ「ぬぬぬ……負けられませんね!ランジュせんぱい!これはどうですか!」 かすみ「プリティハ〜トでかすみんワールドご招待〜♡」クネクネ
ランジュ「な、なによそのパフォーマンス!なんでだか分からないけれど、目が惹かれるわ!」
かすみ「ふっふ〜ん。これはかすみんだけの秘術。プリティキュート流人心掌握術ですよ!!」
ランジュ「そんな目の引き方があったなんて!ランジュにも教えなさい!」
かすみ「勿論いいですよ!でも、付いてこれますかね……?かすみんのスピードに!」
ランジュ「無問題ラ!ランジュを誰だと思っているのよ!」
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
かすみ「ぴょるにぇんっっ!?」
しずく(そういうところだよ。かすみさん……。ランジュさんのプリティポーズ……これはちょっと見てみたい) かすみ「しお子の笑った顔ってさぁ〜。ずるいよね〜」
栞子「何ですか藪から棒に」
かすみ「いやだってさぁ。普段は鉄面皮って顔してるのにさ、ライブになると八重歯をこれでもかっ!ってくらい見せて笑うんだもん。あれはずるいよぉ」
栞子「そんなことを言われても……。私はスクールアイドルとして全力で頑張っているだけです」
かすみ「だからさ、試しに普段のしお子がライブモードになってみてよ!」
栞子「え?どういうことですか?」
かすみ「だから。今ってオフの状態でしょ?この状態で、可愛いを精一杯伝えるアイドルモードになってみて、って言ってるの」
栞子「そこに何の意味が……」 かすみ「やってやってやって〜」ジタバタ
栞子「わ、分かりましたから!制服のリボンを引っ張らないでください!」
栞子「えぇ〜、それでは……」
栞子「……こほん。し、しおにゃんのリボン、取らないで欲しいにゃんっ!!」
かすみ「……!!なにそれしお子!!しお子の新機軸が誕生しちゃったよ!!すごいじゃんしお子!!」
栞子「こ、これは……少し恥ずかしいです……。ああ、なんてことを……」
かすみ「いいじゃんいいじゃん!!可愛い可愛い!!たぬかすみんになるから二人でたぬにゃんユニット組んじゃう!?」
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
かすみ「うみゃああああっっ!?」
しずく(そういうところだよ。かすみさん……。でも二人のユニット、ちょっと見てみたい) かすみ「うぅ。りな子ぉ。私のネットワーク、壊れちゃったよぉ」
璃奈「大丈夫かすみちゃん。インターネットは壊れないよ」カタカタ
かすみ「うぇえええん。後学の為にちょっとえっちなサイトを見ただけなのにぃ……」
璃奈「大丈夫問題ない。ほら、これでウイルス除去完了だよ──」
かすみ「……!」
かすみ・璃奈「「璃奈ちゃんボード『にっこりん』」」
璃奈「え?」
かすみ「あ、つい」
璃奈「え、どういうこと?かすみちゃん」
かすみ「あはは……。なんかりな子が笑ってる気がしたからさ。あ、次はにっこりん来る!って思ったらついつい……」
璃奈「私……そんな表情に出てたかな」プニプニ かすみ「う〜んどうだろう。りな子と過ごす時間がいっぱいになったおかげで、表情の変化も分かるようになったのかなぁ?」
璃奈「……そう、なんだ」
かすみ「あ、ごめんね。りな子。ちょっと無神経だったかも」
璃奈「うぅん。むしろ嬉しい」
璃奈「だって、かすみちゃんともっと深く繋がれたってことだもん。嬉しくないわけがないよ」
かすみ「そっか……。じゃあ、もっと一緒に楽しいこと、いっぱいしようね!りな子!」
璃奈「うん!璃奈ちゃんボード『にっこりん』!」
しずく「……」
しずく「……」シ~ズ~ク
璃奈・かすみ「んぴぃぃいああ!」
しずく(そういうところだよ。かすみさん……。璃奈さん、私とも一緒の時間をいっぱい増やそうね) 今更気がついたけど、りなりーのときはかすみだけじゃなくてりなりーにも名前書いてるのかな?
一年生組の友情(?)にちょっとキュンとした
栞子は名前書いてもらってないけど… しずく『……』シ~ズ~ク
かすみ『ひゃあ!また!?しず子!!』
しずく『うん……。また落ち着きたくなっちゃって』
かすみ『もーっ最近多くない?しず子の指文字!!』
しずく『……ねぇ。なんで私がかすみさんの背中に「しずく」って書いてるか分かる?』
かすみ『え?落ち着くから、じゃないの?』
きょとんとしたかすみさんの表情。可愛いけど、今はこの鈍感さが恨めしい。
しずく『そうだけど、本当の意味はもっと違うの』
かすみ『本当の意味?』
しずく『かすみさんってさ。自分がジゴロだって気づいてないよね?』
かすみ『ジゴロ?なんか男っぽいけど、かすみんが可愛さでみんなを落とすのは仕方がないことだよね〜』
そういうことじゃない!そんなおふざけの話じゃないのに! しずく『……そうだね。かすみさんが可愛いのは周知の事実だもん。でも、それと同じくらいかすみさんはカッコいいよ』
かすみ『え?』
しずく『人の心の機微に聡くて、その人が幸せになるような寄り添い方をしてくれる。かすみさんはそんなカッコいい人なんだよ?』
かすみ『そ、そんな〜。ちょっと照れるよしず子〜。えへ、えへへ……』
分からないのかすみさん。その寄り添い方を無差別に振りまいているから、私はこんなにも嫉妬で焼け焦げそうなのに。
しずく『そんなかすみさんだから、私は背中に「しずく」って書いてるの』
かすみ『え?どういうこと?話繋がってる?』 しずく『……例えば。かすみさんがその優しさを振りまいたが故に、かすみさんに心惹かれて告白した人がいるとするでしょ?』
かすみ『え、うん……』
しずく『でも、かすみさんは断るんだ。まだ考えられないって。今はスクールアイドルに集中したいからって。スクールアイドルの中須かすみを応援してくれると嬉しいって』
しずく『でも。その子は諦めないの。嫌です!って。どうしてもあなたと付き合いたいんですって!お願いしますって!帰ろうとするかすみさんの背中に抱き着いて、その子は執着を見せるの』
しずく『それでかすみさんも心が揺れるんだ。これだけ自分のことを想ってくれる人なら、いいのかな?って』
しずく『でもね。その子が抱き着いている背中の感触が、別のことを思い出させるの』
しずく『それは私。桜坂しずくのマーキングのこと』
しずく『告白されたかすみさんが思い出したのは桜坂しずくなの。それで、揺れ動いた心も正常に戻るの。桜坂しずくのいる、スクールアイドルのいる、同好会の日常を壊しちゃいけないって』
しずく『かすみさんがどこかの誰かの物にならないように。土壇場で私を思い出してくれるように。かすみさんの背中に【私】を刻み付けているの』
かすみ『しず子……』
そういうかすみさんの表情は── ……
…………
しずく「……はぁ。こんなこと。言えるわけない」パタン
不満や悩みはこうして文字として出力することで解消している。
かすみさんへの大きな思い。背中にしずくと書くだけじゃ、収まらないよ。
しずく「それもこれも。もうちょっとかすみさんの察しが良かったらなぁ……」
そうすれば、私の想いも伝わるのに。
しずく「あ、いけない。もうこんな時間。SSを書いてると時間を忘れちゃう。もう寝なくちゃ……」 →同好会部室→
私と侑先輩、歩夢先輩とかすみさん。
私たちはソファに座りながら、四人で雑談していた。
歩夢「──もう、侑ちゃんったら」
侑「そんな歩夢も可愛いYO!」
しずく「ふふっ。相変わらず仲がいいですね」
侑先輩と歩夢先輩。二人の距離は近い。体だけじゃない。心の距離がとても近くに感じる二人だ。
かすみ「二人を見ていると砂糖が全身から出そうですよ」
歩夢「砂糖が出るってどういうこと?」キョトン
侑「甘々ってことだよ歩夢!」
歩夢「えぇ!?ちょっと、恥ずかしい……」
侑「いいねぇ歩夢!そんな歩夢も可愛いYO!」
歩夢「んもぅっ!侑ちゃん!さっきからそれしか言わないじゃない!」
しずく「ふふっ。でも分かります。歩夢さんって少しからかいたくなっちゃいますよね」 歩夢「えーっ。しずくちゃんもそんなこと言うの?ぷんぷんだよ!」
侑「ちなみにどんな感じにからかいたくなるの?しずくちゃん」
しずく「どんな感じ、ですか。そうですね……」
私は歩夢先輩との距離を一気に詰める。
歩夢「えっ、しずくちゃん……?」
無防備な歩夢先輩の顎を、人差し指と親指で優しく挟む。そのまま、顎を上にやる。
歩夢「……っ!」
侑「!?!?!?!?!?!?」
かすみ「……」
私は歩夢先輩に覆いかぶさるような格好になり、歩夢先輩の顔の直上に、私の顔が来る。
つまり、私が上で歩夢先輩が下。そのような形で私たちは見つめ合っていた。
しずく「歩夢。私のものになれよ」
私は不敵な微笑を浮かべ、低く、それでいて甘く囁ように告げる。
みるみるうちに歩夢先輩の表情が赤面していく。
うん。こんなもんだろう。 しずく「どうでしたか侑せ──」
侑「ちょちょちょ!!しずくちゃん!!」バッ
目にもとまらぬ速さで、侑先輩は歩夢先輩を抱き寄せる。その様はまるで、「奪うな!」と言われているように思えた。
侑「これはもうからかいじゃないよ!!口説きだよ!!それもハイレベルの!!」
歩夢「ゆ、侑ちゃん……私……」
歩夢先輩は潤んだ瞳を侑先輩へ向けている。それを見て、侑先輩は確かに生唾を飲み込んでいた。
侑「あ、歩夢……。大丈夫。大丈夫だよ」ギュッ
歩夢「侑ちゃん……ふふっ。あったかい」ギュッ
やりすぎた、と思ったら幼馴染ラブラブ空間が形成されている。なんだこれ。
しずく「……ちょ、ちょっと調子に乗り過ぎました……。すみません」
歩夢「あ、うぅん。ごめんね。私、先輩なのに過剰に反応し過ぎちゃった」
侑「大女優発揮し過ぎだよしずくちゃ〜ん」
しずく「あはは……やりすぎちゃいました……」
と、私が苦笑していると。
背中に小さな感触があった。
しずく「え……?」 背中に生じた小さな感触は動いていく。もぞもぞと動き。いったん離れ。またもぞもぞと動いていく。
その繰り返し。
そして、その背中に感じたものとは。
しずく「『かすみ』……?」
ハッとして私は後ろを振り向く。
するとそこには、不満げな顔のかすみさんが立っていた。
かすみ「私、落ち着かなくなっちゃったっ!!」
しずく「──」
怒ったように言うかすみさんを見たらなんだかおかしくって。
しばらく、笑いを抑えられなかった。
しずく「あは、あはははははっ!」
かすみ「何笑ってるのしず子ぉ!」
私たち、同じだったんだね。かすみさん。
おわり 今書いてるSSの息抜きに書いたSSです
でも、息抜きに書いたSSの方が肩の力が抜けていい感じに書けるんですよね
読んでくださりありがとうございます! 糖分控えてるのになんだこの甘々は😡またこういうのお願いましす😊 しずかすだと思って楽しんでいたら、ゆうぽむまで叩き込んできて最後にしずかすで後味良く締めやがった…
とっても楽しかったです!
次回作も期待してます! 安心しきってる幼馴染が焦るシチュ好きだったから満足したわ
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