ダイヤ「AM0時に貴女の名を呼ぶ」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
一応これの続きです。
良かったら読んで頂けると幸いです。
ダイヤ「PM10時に貴女と繋がる」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1590675186?v=pc
千歌「PM11時に貴女と飲んだコーヒーの後味の意味を知る」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1596545261?v=pc
一つ目の時点では単発のつもりだったので、繋がりおかしいところあったら申し訳ないです。 千歌「ねぇねぇ、ダイヤちゃんって昔からその口調なの?」
ダイヤ「えぇ、お父様とお母様がお話されているのを聞いて育ってきましたから」
千歌「ふーん、そんなもんなのかなぁ……」
千歌「果南ちゃんにも鞠莉ちゃんにも昔から同じ?」
ダイヤ「えぇ、今と変わりないと思います」
千歌「えぇー、かなんちゃんとまりちゃんとか呼ばなかった?」
ダイヤ「幼い頃からこの口調ですから」
ダイヤ「自分が相手をそう呼ぶ時は中々想像出来ませんね」
千歌「んー、よっぽど特別!とか?」
ダイヤ「ですが、幼馴染みの果南さん鞠莉さんでもこうですしね」
ダイヤ「きっと今後もないかもしれませんね」
ダイヤ「やはり、中々昔からの口調や癖というのは抜けないものですし、変える必要もありませんから」 千歌「ふーん……」
ダイヤ「いつの間にかというより意識もあまりせずこうなっていましたね」
千歌「でもでも、ルビィちゃんとかは砕けた?感じでしょ?」
ダイヤ「そこは性格の違いかもしれませんね」
ダイヤ「千歌さんもお姉さん方と話し方は異なるでしょう?」
千歌「そう言われれば……美渡ねぇとかは乱暴だし、志満ねぇはおしとやかな感じだし」
ダイヤ「お二方ともいいお姉様でしょう?」
千歌「まぁ、そりゃそうだけどさ」
千歌「私はどんな感じ?」
ダイヤ「千歌さんですか?」
ダイヤ「そうですね……可愛らしい……と思いますよ」 千歌「なっ……またそうやってからかう」
ダイヤ「からかっていませんよ、本心ですから」
千歌「むぅ……」
たった1年前なら絶対そんなこと言えないはずだったくせに!
ふとした時にダイヤちゃんと離れてる時間が長いんだなって。
私の知らないところで大人になってる気がして……ちょっぴり寂しい?悔しい?悲しい?
ダイヤ「千歌さん?」
千歌「ひゃい!」
ダイヤ「そんなにむくれないでください、ね?」
千歌「別にむくれてないもん!」
千歌「ただ……」 ダイヤ「ただ?」
千歌「ううん!なんでもないよ!」
千歌「そろそろ帰らなきゃ!」
ダイヤ「そう言われると気になるのですが……」
ダイヤ「そうですね、帰ってまた模試の勉強もして頂かないといけませんし」
千歌「うげっ」
ダイヤ「なんですかその嫌そうな顔は」
千歌「だってぇ……」
ダイヤ「しっかり頑張って頂かないと、待つ宵の……と言うでしょう?」
千歌「マツヨイ??」
ダイヤ「噛み砕いて言えば、待つのは辛いということです」
ダイヤ「来てくれるのでしょう?」
最近一緒にお出かけすることが気づいたの!
こういう時ダイヤちゃんは口元のホクロを触る癖があるみたい!
きっと私だけが……うん!きっと鞠莉ちゃんも果南ちゃんも気づいてないよね。
私だけが知ってることなんだ! 千歌「えへへ……」
ダイヤ「何笑ってるのですか!」
千歌「うん!頑張るね!」
ダイヤ「はい、よろしい!」
ダイヤ「ところで、これをどうぞ」
千歌「これってさっきダイヤちゃんが買ってた?」
ダイヤ「えぇ、マグカップですわ」
ダイヤ「これから寒い時期に入りますから、暖かい飲み物を飲んで勉強に励んでください」
千歌「いいのっ?」
ダイヤ「えぇ、お近くの水族館ですから同じのがあるかもしれないと少し悩みましたが……」
千歌「ううん!すっごく嬉しい!大事にするね!」 ダイヤ「えぇ、そうして頂けると嬉しいです」
ダイヤ「いつかそのマグカップで乾杯……は変ですけど……」
ダイヤ「一緒に飲めるようにしてくださいね」
千歌「お揃い!だぁ!」
千歌「よーし!私頑張っちゃうぞー!!」
ダイヤ「ふふ、それではまたいつかお会いしましょう」
千歌「うん!また帰ってくる時連絡してね!」
ダイヤ「えぇ、きっと」
千歌「バイバーイ!」
うん、頑張る……頑張るでいいんだよね?
隣で笑えることを歩くことを夢見ても……。
たとえひとときの夢だったとしても……。
忘れるって決めたはずなんだけどなぁ。 ――
曜「千歌ちゃん模試どうだった?」
千歌「んー、そこそこ?」
曜「お、どんな感じ?見せて見せて」
梨子「私も興味あるなー、千歌ちゃん最近頑張ってるものね」
千歌「まぁ、人並み程度にね」
曜「おぉー、第一志望が……B!」
梨子「へぇー、すごいじゃない、結果が伴うと嬉しいでしょ?」
千歌「まぁねー」
曜「んん?んー……?んぁー?」
梨子「曜ちゃん何唸ってるの?」 曜「いやー、これ……」
梨子「あれ?」
千歌「何さ、2人して!」
曜・梨子「千歌ちゃん嘘ついてる!」
千歌「ギクッ!」
千歌「な、な、なんのこと?」
曜「一番志望順位低くしてるけどさ」
梨子「ここが第一志望じゃないの?」
千歌「え?」
千歌「違う違う!」
千歌「私にはレベル高すぎるって!試しに書いただけだよ!何でそう思うのさ」 曜「なんでって……」
梨子「そりゃー……」
曜・梨子「ダイヤちゃんがいるから」
千歌「!?!?」
曜「千歌ちゃん声出てないよ」
梨子「人って驚くと本当に口がパクパクするのね」
千歌「っはぁぁぁー……うぇぇ!?」
曜「千歌ちゃん、Japanese please OK?」
梨子「日本語求めるくせになんで英語なのよ」
曜「まぁまぁ細かいことはいいじゃん!」
千歌「な、な、な、なんでダイヤちゃんが出てくるの?」 曜「え?だって……」
梨子「帰ってくるたびにデートしてるってルビィちゃんが……」
千歌「私ちょっと2年生の教室に行ってくるね」
曜「ちょ!ストップストップ!たぶんHR中だから!」
梨子「どうせ、もうすぐ部室に来るでしょ?」
千歌「別に……勉強教えてもらってただけだよ」
千歌「ただ……本当にただそれだけ」
曜「んー……」
梨子「そっか」
梨子「それでも、目指してるんでしょう?」
千歌「……ん」
梨子「それならちゃんと第一志望に書かなくっちゃ、先生も勘違いしちゃうよ?」
千歌「次はそうするよ……きっとね」 曜「じゃ、勉強頑張らないとね!」
曜「でも、今は練習気合入れていくよ!」
千歌「うぇー、基礎トレ減らそうよー」
曜「ダメダメ!基礎が大事大事」
曜「しっかり体力筋力つけないと!」
梨子「曜ちゃん気合十分だね」
曜「もちろん!」
曜「春に向けてね!」
ルビィ「がんばルビィ!」
花丸「マルはもう少し優しい方が嬉しかったり……」
善子「甘いわね!ヨハネには造作もないわ!」 曜「あ、みんなやっほー!」
ルビィ「こんにち……」
千歌「ルビィちゃんちょっといい?」
梨子「あ」
花丸「千歌ちゃんすごい迫力ずら……」
善子「千歌も堕天したの?そうなのね!」
曜「あぁー、まぁ色々ありまして……」
花丸「千歌ちゃんどうしたの?」
梨子「いやぁ……かくかくしかじかで……」
花丸「なぁんだ、そのことならマル達も知ってるずら」
善子「ルビィが嬉しそうに話してたわよ」
ルビィ「ピギィ!」 千歌「まぁ、別にいいんだけどね」
千歌「ただ一緒にお出かけして、お話して、お勉強してってだけだから」
曜「まぁ、仲良きことはいいことだよ」
梨子「そうだね、模試の成績も伝えてあげたらきっと喜ぶよ」
梨子「今までの千歌ちゃんなら考えられないし」
千歌「ちょっと梨子ちゃん!」
曜「確かに……最近の千歌ちゃんは授業中も起きてるし」
千歌「もう!曜ちゃんまで!」
曜「あはは、ごめんごめん」
曜「さ、練習始めようか!」 千歌「おー!みんな行こう!」
梨子「ルビィちゃん達まだ着替えてないでしょ?」
千歌「そうだった……ゆっくり来てねぇ」
曜「おーい、千歌ちゃん梨子ちゃんおいてくよー」
千歌「あー待ってよー」
梨子「じゃあ先行ってるね?」
曜「模試も返ってきてモヤモヤした気持ちも晴れたし、今日はいっぱい練習しようね!」
千歌「うわ、すっごいキラキラしてる」
梨子「曜ちゃん模試返ってくる前もモヤモヤ吹き飛ばすためにいっぱいって言ってたじゃない」
曜「大丈夫大丈夫!」
梨子「なにが?」
千歌「あ!ごめん忘れ物!先行っててー」
曜「了解であります!」 千歌「模試褒めてくれるかな……」
千歌「いや、まだまだって言われるだろうなぁ……」
千歌「ん?」
善子「それなら千歌に教えてあげれば良かったんじゃないの?」
ルビィ「今回はダメなんだって」
ルビィ「相手の方に失礼でしょうって」
花丸「ダイヤちゃんらしいと言えばらしいずら」
善子「別にダイヤの望むことでもないんだから適当にすればいいのに」
善子「明日だっけ?ちょっと覗いてみたい気も……」 ルビィ「善子ちゃん!」
善子「ごめんごめん、冗談よ」
善子「それにしてもお見合いねー、私には考えられないわね」
花丸「ルビィちゃんはどうしたいの?」
ルビィ「え?」
ルビィ「ルビィは……」
そっか。そうだよね。
あの日のお話聞いてからもやっぱりどこか実感がわかなくて……。
そんな話進まないなんて思ってたけど。 ――
ルビィ「お待たせしましたー」
梨子・花丸「あれ?千歌ちゃんは?」
善子「ん?」
曜「あれ?千歌ちゃん忘れ物したからって戻ったはずなんだけど……会ってない?」
ルビィ・花丸・善子「はっ……」
善子「まさか……」
千歌「んー?どうしたのー?」
曜「なんだ千歌ちゃんいるじゃん」
花丸「千歌ちゃん部室来た?」
千歌「んー、行ったよー」 千歌「その前にお手洗い行ったけど」
ルビィ「ほっ……」
梨子「で、忘れ物はあったの?」
千歌「うん!バッチリだよ」
千歌「それより今日は曜ちゃんスペシャルメニューらしいからね、頑張ろうね!」
千歌「ね?曜ちゃん!」
曜「え?うん!」
曜「よーし!練習開始ヨーソロー!!」 ――
志満「あら?千歌ちゃんまたコーヒー飲むの?」
千歌「うん」
美渡「それにしたって砂糖入れすぎじゃ……」
千歌「私にはこれぐらいじゃないとダメなの!」
志満「それなら無理して飲まなくても……」
美渡「背伸びしたって大人にはなれないぞー」
千歌「ん……そうだね」
志満・美渡「千歌(ちゃん)?」
千歌「ううん!なんでもないよ!」
千歌「私はコーヒー克服するって決めたのだ!」
別にコーヒーが好きになりたいとかそんなのじゃなくって。
ただ……ただコーヒーを飲めばあの日の気持ちに戻れるような……そんな気がするだけ。
……明日か。電話……してみようかな。 千歌「出ない……」
千歌「もう寝ちゃったのかなぁ」
千歌「そうだよね、明日帰ってくるんだから早く寝るよね」
千歌「苦……砂糖足して牛乳も入れよ」
ダイヤちゃんのお見合いが始まるって分かって、片付けなきゃいけないこの気持ち。
だけど……いつまでも手放せない。
応援したい私、応援したくない私、カフェオレみたいに混ざり合う。
千歌「……ちょっと甘くしすぎたかも」
千歌「って、電話鳴ってる!」
千歌「もしもし!」 ダイヤ「もしもし、千歌さん?」
ダイヤ「すみません、少しバタバタしていて電話に気づきませんでした。」
千歌「ううん、大丈夫だよ」
千歌「用事?は大丈夫?」
千歌「忙しいなら別に大丈夫だよ?」
ダイヤ「いえ、もう済ませましたので問題ありませんわ」
ダイヤ「それで何かありましたの?」
何か……はあるんだけど……。
ダイヤ「千歌さん?」
千歌「あ、ごめんね」
千歌「特にこれ!っていうのはないんだけど」
千歌「なんとなく電話したくなって」
ダイヤ「そ、そうですか……」 千歌「ごめんね、なんにもないのに急に電話しちゃって」
ダイヤ「何を言っているのですか」
ダイヤ「用事があるないとかは関係ないでしょう?」
ダイヤ「私も千歌さんとお話できれば嬉しいですわ」
千歌「うん!ありがとう!」
千歌「あ、そういえば模試の結果が返ってきたんだけど」
ダイヤ「これ!があるじゃないですか!」
千歌「ひゃ……」
千歌「もう!急に大声出さないでよ!」
ダイヤ「すみません……」 ダイヤ「で、どうでしたの?」
千歌「んー、今までの私を考えたら悪くはないと思うんだけど」
千歌「写真送るね」
ダイヤ「千歌さん……」
ダイヤ「どうして第一志望が違う学校なのですか?」
千歌「あ」
ダイヤ「やりたいことができたのですか?」
ダイヤ「それなら喜んで応援致しますが……」
ダイヤ「少し寂しい気もしますね」
千歌「そのー……それは違くて……」
ダイヤ「ではどのような?」
千歌「……自信がなかったから」 ダイヤ「はぁ……相変わらず変なところで謙虚というかなんというか……」
ダイヤ「大体自分の望むことなんですから自由に書けばいいでしょうに」
ダイヤ「それに先生方もお困りになるでしょう?」
千歌「はい……梨子ちゃんにも注意されました……」
ダイヤ「なら、これ以上は何も言いませんが……」
千歌「が?」
ダイヤ「いえ、希望が変わった訳ではないなら少し嬉しいと思いまして」
寂しい、嬉しい、どうしてそんなこと言うの?
どうせならそっちから突き放してくれれば……。
酷い言葉で私を……。
そんなことを言うダイヤちゃんなんて想像ができないけれど。
それにこれは私の一方的な気持ちだから。 ダイヤ「変わってないですわよね?」
千歌「うん……変わらない、変わらないよ」
千歌「きっと」ボソ
それからも他愛もない、とりとめもないお話をして。
そしたらいつの間にかお別れの時間が迫ってて。
ダイヤ「もうこんな時間ですか」
千歌「わっ、ほんとだね」
千歌「……ね、今度はいつ帰る用事ありそう?」
ダイヤ「……そうですね」
ダイヤ「……今のところは特になさそうです」
千歌「そう……なんだ」
ダイヤ「どちらにせよ、帰ったとしてもこれからは練習と勉強で忙しいでしょう?」
千歌「えー、まぁそうだけどさぁ」 そう、忙しいから、だから会えない。そう思いたい。
きっと私はお話中に視界から外れた、口も付けない冷めたコーヒー。
千歌「……あま」
ダイヤ「また、砂糖ばかりのコーヒーでも飲んでいるのですか?」
ダイヤ「あまり、大量に入れると体に良くありませんわよ」
千歌「だってそうしないと苦いんだもん」
ダイヤ「ふふ、一緒に飲める時には克服してくださいね?」
千歌「はぁーい」
ダイヤ「では、そろそろ終わりにしましょうか」
千歌「そうだね、おやすみなさい」
ダイヤ「はい、おやすみなさい」
カップに残る冷めたコーヒーをを一気に飲み干して……。
口元に残る甘さはどこへやればいいんだろう。
小さく小さく音を殺して。
「好き」 ―次の日―
曜「ほら、やっぱり」
梨子「さすがね曜ちゃん」
曜「伊達に何年も幼なじみやってないからね」
千歌「曜ちゃん、梨子ちゃん、なんで?」
曜「千歌ちゃんらしくないからね」
千歌「そっか」
梨子「体調は大丈夫?」
千歌「うん、ありがと」
千歌「ごめんね、練習休んじゃって」
梨子「ううん、大丈夫だよ」 千歌「二人とも寒くないの?」
曜「厚着してきたからね」
千歌「いつからいたの?」
曜「さぁ、いつからだっけ?」
千歌「部屋に来れば良かったのに」
曜「ここの方がいい気がしたんだよ」
千歌「私が出てこないかもって思わなかった?」
曜「思わなかったよ」
千歌「そっか」
曜「昨日部室でルビィちゃん達の話聞いちゃったんでしょ?」
千歌「なんのこと?」
曜「昨日戻ってから変だったからね」
曜「今日花丸ちゃんと善子ちゃんに部室で何話してか聞いたの」
千歌「……」 曜「私には伝えてくれないのにって」
千歌「……曜ちゃんには何でもお見通しだね」
曜「ずっと一緒にいたからね」
曜「でもね、これからはきっとそうじゃない」
千歌「曜ちゃん?」
曜「千歌ちゃんが東京に行きたいようにに私だってここを出ちゃうかもしれない」
曜「梨子ちゃんだってそうでしょ?」
梨子「そうね、私は私の夢に、曜ちゃんも千歌ちゃんもそれぞれの夢へ」
千歌「どうして今そんな話するの?」
千歌「嫌だよ!聞きたくない!」
曜「千歌ちゃん、聞いて?」
千歌「曜ちゃん……」 曜「だからって終わりじゃないでしょ?」
曜「別の場所にいたって、どれだけ離れていたって、心が繋がっていれば」
曜「えーっと、だから……」
千歌「うん」
千歌「ふふ、大丈夫だよ、曜ちゃんありがとう」
千歌「私、もう一度繋ぎ直してくる」
曜「うん、行ってらっしゃい」
曜「はい、これ」
千歌「うん、借りてく」
梨子「行ってらっしゃい」
千歌「ごめんね迷惑かけて、明日からはしっかりするから」
曜「隠さなくなっただけで一歩前進かな?」
曜「何があったって私と千歌ちゃんの心は繋がってるよ」
曜「梨子ちゃんも、ね?」
梨子「もちろん!」
千歌「ありがとう、行ってきます」 曜「ごめんね、付き合ってもらって」
梨子「ううん、気にしないで」
梨子「来なかったらどうしよう!なんて慌ててた可愛い曜ちゃんも見れたしね」
曜「ちょっと!それ言っちゃったら台無しになるでしょ!」
曜「全く!梨子ちゃん帰るよ!」
梨子「どうやって?」
曜「あ……どうしよう!いきおいで自転車渡しちゃった!」
曜「千歌ちゃんの勝手に借りるのもなぁ……」
梨子「はぁ……曜ちゃん元々そのつもりだったでしょ」
曜「んー、なんのこと?」 梨子「とぼけるならお話は終わりです!」
曜「あー、待って待ってごめん、泊めて?」
梨子「はいはい」
梨子「大体やけに荷物あるなと思ったのよね」
曜「えへへ、いいじゃんいいじゃん」
梨子「とりあえず寒いし中戻りましょ?」
曜「千歌ちゃんのお家でお風呂一緒に入ろうよ!」
梨子「そんな急に……」
曜「平気平気!志満さんにお願いしに行こ?」
梨子「はぁ……二人して人を振り回すのが得意なんだから」
曜「おーい!梨子ちゃん早く早く!」
梨子「もう!曜ちゃんちょっと待ってー!」 ――
会って何を話そうかとか、何をしたらいいんだろうとか……
いろんなことを考えるけど、答えなんてわかるはずもなくて……
国語の問題に文句言ってたけど、実はそういうものなのかなとか意味のわからないことを考えて。
お疲れ様って言えばいいのかな、言えないや。
ごめんね、きっと貴女を傷つけてしまう。
いた。もう帰るみたい。
ダイヤ「千歌さん?」
ダイヤ「やはり知っていたんですね?」 少し驚きながら声をかけてくれて、少しずつ距離が縮まって。
それからまたどこか寂しい表情で。
私は何も言えなくて……ごめんね、ダイヤちゃん。
やっぱり貴女を……。
ダイヤ「千歌……んっ……」
何も言わずに、何も言えずに貴女にキスをした。
きっと貴女の手に私の居場所はないから。
きっと私と貴女の糸は繋がってはいないから。
少し……ほんの少しだけ足掻きたくって。
せめて忘れられないように、貴女に消えない傷を。
肌寒い夜に沈んでしまうほどに、壊れるようなキスを。 ――
どれほどの間貴女に触れていたでしょうか。
時間の感覚も分からぬ程に貴女に溺れてしまっていたのでしょうか。
やがて離れて目が合って、触れた唇の疼きが治らないままに、また貴女が目を閉じる。
少しつまさきを伸ばす貴女をそっと引き寄せて……。
大切な貴女を壊さぬように口付けを。
ダイヤ「……」
千歌「……」
ダイヤ「……千歌さん」
千歌「……もう少しだけ……お願い」 もう少しとせがむ貴女をどれほど抱きしめたでしょうか。
そっと、一歩、二歩と後ろに下がって千歌さんがニコッと笑う。
私の好きな笑顔……とは違う、どこか寂しげで物憂げな笑顔。
無理をさせているのは私と知りながら。
千歌「ダイヤちゃん」
ダイヤ「はい」
誰よりも優しい貴女の言うことがなぜか分かる気がする。
きっとお互い一番望まない言葉……ですが、一番今望んでしまう言葉。
千歌「あのね……私のこと嫌いになってもいいから……」
千歌「……私もダイヤちゃんを嫌いになってもいいかな?」
ダイヤ「……」
震える声で言う貴女に私は何も返せずに
どこまで臆病なんだろうかといらぬ事を考える。 千歌「それからっ!」
千歌「今から、また仲良くして欲しい」
ダイヤ「……えぇ」
ダイヤ「よろしくお願い致します、千歌さん」
千歌「うん、よろしくね!ダイヤちゃん」
勇気の出せない私は、自分のことを嫌ってもいいなんて言えなくて。
私を嫌いになってもいいから、貴女をずっと好きでいたい……なんて言えなくて。
やっと自分の想いに名前がついた22時。
私と貴女の心に繋がる糸は切れてしまった後で……
もう一度繋がったか細い糸は貴女を手繰り寄せるには弱すぎる。 ――
ダイヤ「ただいま戻りました」
ルビィ「おかえり、お姉ちゃん」
ダイヤ「ルビィ?まだ寝ていなかったのですか?」
ルビィ「うん」
ルビィ「お姉ちゃんはどうして戻ってきたの?」
ダイヤ「電車の時刻に間に合わなかったので……」
ダイヤ「もう一日だけこちらで休んで、明日帰ることにしました」
ルビィ「そうなんだ」
ダイヤ「疲れてるので、今日はもうおやすみさせて頂きますね」
ルビィ「さっき千歌ちゃんを見たよ」
ルビィ「ルビィ、慌てて追いかけてたの」
ダイヤ「そうですか、千歌さんは元気にしていましたか?」 ルビィ「千歌ちゃん泣いてたよ」
ダイヤ「……そうですか」
ルビィ「お姉ちゃん!」
ダイヤ「ルビィおやすみなさい、ルビィも早く寝るのですよ?」
ルビィ「ルビィ、今のお姉ちゃんなんて大嫌い!」
ダイヤ「はい……」
私もですなんて言葉を飲み込んで、もう一度おやすみと告げて、逃げるように自室へ向かう。
ダイヤ「私は……」
ダイヤ「私は千歌さんが……好き」
ダイヤ「……だった」
ダイヤ「……千歌さん」
気付く前に消えてしまった想いは……
想いを込めて呼んだ貴女の名は日付変更を知らせる時計の鐘の音に消えてゆく。 少し用事で席外します。
書き溜めてるので、戻り次第残り投稿します。
見て頂けている方いらしゃったら申し訳ないです。 ――
ルビィ「もしもし、善子ちゃん?」
善子「ルビィ?どうしたのこんな時間に?」
ルビィ「ちょっと手伝って欲しいことがあるの」
善子「手伝うって……リトルデーモンの頼みなら聞いてやらないでもないわよっ!」
ルビィ「うん、ありがとう」
善子「それでどうしたの?ルビィがこんな時間にお願いしてくるぐらいだから、今大変なんでしょ?」
ルビィ「ありがとう、ごめんね」
善子「なんで謝るのよ、私が友達の頼み一つも聞けない人だと思ってるの?」
ルビィ「ううん、ルビィ善子ちゃんがとっても優しいの知ってるよ」
善子「ヨハネよっ!」
善子「というか……さっきから息切らしてるけど何してるの?」 ルビィ「うん、花丸ちゃんにもお願いしたくって」
ルビィ「でも、今の時間なんて花丸ちゃん寝ちゃってるでしょ?」
善子「それってまさか、ずら丸の家に向かってるってこと?」
ルビィ「うん、あと少しなんだけど」
善子「ばかっ、早く言いなさいよ」
善子「私も今からずら丸の家に向かうわ」
ルビィ「でも、善子ちゃんこんな時間に外出たらダメだよ」
善子「ルビィがいいんだから私もいいでしょ?」
ルビィ「でも……」
善子「いいからっ!今から瞬間移動でそっちに向かうわ」
善子「詳しくはずら丸の家で聞くから!」
ルビィ「善子ちゃん、ありがとう!」 ――
花丸「なるほど」
善子「昨日話してたことがもう現実になったってわけね」
花丸「今日の練習でも曜ちゃんに確認されたの」
花丸「だからたぶん……」
ルビィ「そっか、でもきっといつかこうなってたと思うの」
善子「それで?ルビィは昨日から気持ちは変わってないのね?」
ルビィ「うん、変わらない」
善子「そう、それなら私は協力するわ」
花丸「もちろんマルも!」
ルビィ「二人ともありがとう!」
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんに自由に生きて……好きな人と一緒にいて欲しい」
ルビィ「たとえそれでルビィが全てを背負うことになっても」 善子「ルビィ……」
花丸「ルビィちゃんにはオラと善子ちゃんがついてるよ!」
ルビィ「ありがとう!」
ルビィ「それでね、実はあと二人に協力を頼みたいの」
ルビィ「きっとお姉ちゃんの心を溶かすのはあの二人しか」
善子「そうね、私がマリーに繋げるわ」
花丸「マルは果南ちゃん!」
ルビィ「出てくれるかな……」
善子「大丈夫よ、マリーなら、ほら!」
花丸「もちろん果南ちゃんも!」
鞠莉「はーい、どうしたの善子?」
果南「花丸ちゃんどうしたのー?」
果南「んんー?鞠莉の声聞こえる?」
鞠莉「果南?」
ルビィ「鞠莉ちゃん、果南ちゃんお願いがあるの!」 ――
鞠莉「なるほどねー」
果南「相変わらずだね、ダイヤは」
鞠莉「自分のことはへっぽこぴーだからね」
果南「それで?私達はダイヤに電話でもすればいいの?」
ルビィ「それは……」
ルビィ「無理を承知でお願いです!」
ルビィ「日本に帰ってきて欲しいの!」
善子「えぇー!」
花丸「ルビィちゃん、それは難しいんじゃ……」
鞠莉「分かりました」
ルビィ「え?」
果南「ダイヤの一大事だもんね」
ルビィ「鞠莉ちゃん、果南ちゃんいいの?」 鞠莉「Off course!! 今すぐ向かうわ」
果南「私はもう家出ちゃった」
ルビィ「ありがとう!鞠莉ちゃん!果南ちゃん!」
ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんの家で二人のこと待ってるから!」
花丸「切れちゃったずら」
善子「さすがのフットワークね」
ルビィ「それで、二人にお願いしたいことなんだけど……」 スペル間違いました。
意味がめちゃくちゃ変わるので修正。 鞠莉「Of course!! 今すぐ向かうわ」
果南「私はもう家出ちゃった」
ルビィ「ありがとう!鞠莉ちゃん!果南ちゃん!」
ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんの家で二人のこと待ってるから!」
花丸「切れちゃったずら」
善子「さすがのフットワークね」
ルビィ「それで、二人にお願いしたいことなんだけど……」 ――
善子「……時間稼ぎねぇ」
花丸「練習ノートも勉強道具もバッチリずら!」
善子「あくまでもルビィを誘いにきたていだからね?」
花丸「なんだか嘘つくみたいで難しいかも」
善子「しっかりやらないと意味なくなるわよ」
善子「それと、ルビィはもう行ってるのよね?」
善子「これでまだ家にいたら台無しよ?」
花丸「朝一に電話したけど、もう向かってるみたいだよ」
善子「相変わらず早起きね」
花丸「善子ちゃんも夜更かししないで早起きしなきゃ」
善子「ヨハネ!ヨハネは闇の魔力が満ちる魔の時間帯に……」
花丸「あ、曜ちゃん達から返事きた」
善子「聞きなさいよ!」 花丸「お大事にだって、なんだか騙してるみたいで申し訳ないずら」
善子「私達みんなが休んでるんだから曜と梨子は何かしら気づいてそうだけどね」
善子「千歌は……今そこまで余裕ないかもしれないけど」
善子「……それにしても、ダイヤかぁ……」
ダイヤ「私がどうかいたしましたか?」
善子「へ?だ、だ、、だ、ダイヤ?」
花丸「ダイヤちゃん!おはよう!」
ダイヤ「はい、おはようございます」
花丸「ダイヤちゃん帰ってきてたんだね」
ダイヤ「えぇ、と言ってももうしばらくすれば帰る予定ですがね」
ダイヤ「花丸さんと善子さんは……練習ではなさそうですわね?」
善子「え?えーっと……」 花丸「今日はおやすみだからお出かけずら」
花丸「しっかりやるずら」ボソ
善子「んぐっ……そうそうそれで、ルビィもどうかなと思って誘いに来たって訳」
花丸「それで、ダイヤちゃんのこともお話してたの」
ダイヤ「そうでしたか、生憎ですが、ルビィは用事があるようで朝起きたらすでに出かけておりまして」
花丸「そうなんだ……」
善子「ダイヤは何してたの?」
ダイヤ「……少し寝付けなくてモヤモヤしてたので、ランニングでもしてスッキリしようかと」
善子「よくそれで走る気になれるわね、私なら寝れるまで二度寝するわ」
ダイヤ「ふふ、善子さんらしいですわね」
善子「ヨハネだってば!」 ダイヤ「はいはい、ヨハネさんも規則正しい生活を心がけてくださいね?」
善子「……気をつけるわ」
花丸「善子ちゃんが言いくるめられてどうするずら」ボソ
花丸「ね、ダイヤちゃん折角だから作詞のアドバイスして欲しいんだけど……ダメ?」
ダイヤ「え?ですが、お出かけするのでは?」
善子「いや、それなら私もダイヤに聞きたいことがあるわ」
花丸「ダイヤちゃんお願い!」
ダイヤ「分かりました、折角に可愛い後輩からのお願いですからね」
ダイヤ「私の家でゆっくりお話しましょうか?」
花丸「わーい!ありがとうダイヤちゃん!」
善子「恐るべし花丸……」ボソ ――
ダイヤ「すっかり遅くなってしまいました」
ダイヤ「明日からまた講義もありますし、さっさと寝てしまいましょうか」
ダイヤ「ただいま戻りました」
誰もいないから必要もないはずですが、幼い頃から馴染んできたものは中々変えられませんね。
変える必要もないことですが。
ルビィ「おかえり、お姉ちゃん」
ダイヤ「ルビィ!?」
ダイヤ「どうして……」
ルビィ「どうしてもお姉ちゃんに伝えたくって」
ルビィ「ルビィはまだ守られないといけない?」
ダイヤ「ルビィ何を……」
ルビィ「自分で言うのもなんだけど、ルビィきっと強くなったよ」 ルビィ「千歌ちゃんにAqoursに誘われて、お姉ちゃんと一緒にスクールアイドルになれて」
ルビィ「ルビィは……ルビィはお姉ちゃんに自由に生きて欲しいよ!」
ルビィ「ルビィの知ってるお姉ちゃんはこんなに弱くないもん!」
ルビィ「お姉ちゃんなら大好きな人に大好きって伝えるぐらいできる!」
ルビィ「お家の事情、相手の事情、そんなの関係ない」
ルビィ「お姉ちゃんなら全てなんとかできるって、ルビィは信じてる」
ルビィ「それでも、万が一何かあっても……ルビィがいるよ」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「それだけ、ルビィ明日学校だから帰るね?」
ダイヤ「え?」
ルビィ「大丈夫だよ、きっとお姉ちゃんにはまだ足りないから、この先に進んでね」
ルビィ「大切な人達が待ってるよ」
ルビィ「バイバイ」 ダイヤ「何が……」
鞠莉「ちゃおー」
果南「ダイヤ、久しぶり」
ダイヤ「鞠莉さん、果南さん?」
ダイヤ「どうして?」
果南「ダイヤがあまりにもへっぽこだって聞いてね」
鞠莉「ちなみにルビィはちゃんと私のとこの者が送り届けるから安心してね?」
ダイヤ「私は……別に」
鞠莉「とりあえずディナーでもしましょうか?」
果南「そうだよ、ダイヤ待ってたせいでお腹ペコペコだよ」
ダイヤ「貴女達は何しにきたんですか?」
果南「ちょっとダイヤと喋りにきただけだよ」
鞠莉「そうそう!」 鞠莉「善子が電話してきた時は何かと思ったけどね」
ダイヤ「善子さんが?」
果南「こっちは花丸ちゃん」
ダイヤ「花丸さんも?」
果南「まぁ、3人とも一緒にいたみたいだけどね」
鞠莉「果南ー、テーブル開けてー」
鞠莉「シャイ煮バージョン4の登場よ」
果南「げ、相変わらず見た目が……」
鞠莉「改良を重ねて味はさらにスーパーアップしてるわよ!」
果南「何いばってんのさ、次は見た目の研究しなよ」
鞠莉「No!シャイ煮は味が全てでーす」
ダイヤ「そういうことですか……」 果南「なんのこと?」
ダイヤ「いえ、Aqoursの皆さんはお節介が好きだなと」
鞠莉「一番のお節介好きがなーに言ってんの」
果南「いえてるかも」
鞠莉「それより、私のウルトラシャイ煮ーを食べてみてよ」
果南「名前変わってるし」
鞠莉「ほら、ダイヤも!」
ダイヤ「……えぇ、いただきます」
ダイヤ「……美味しいです」
鞠莉「ほらー!早く果南も食べてみて!」
果南「美味しい……美味しいんだけどさぁ」 ダイヤ「……お二人は何も言いませんの?」
果南「何ダイヤ、説教して欲しいの?」
ダイヤ「いえ……ですが、ルビィや花丸さん、善子さんに頼まれたのでは」
鞠莉「今更私達が何か言うこともないでしょ?」
鞠莉「だって、ダイヤはとっくに自分の気持ちに気付いてるでしょう?」
ダイヤ「気持ちと現実はイコールではありませんわ」
果南「じゃあ、後は行動するだけじゃん」
ダイヤ「そんな簡単にっ……」
果南「簡単だよ」
果南「ダイヤなら簡単」 ダイヤ「何を根拠に」
果南「ダイヤを信じてるもん」
果南「ダイヤは強いからね」
鞠莉「強さなら果南の方がマッスルだけどね」
果南「もう!いいこと言ってるんだから茶化さないの!」
鞠莉「ソーリーソーリー!」
鞠莉「でも、私も信じてるよダイヤのこと」
鞠莉「そんなの当たり前だけどね」
ダイヤ「果南さん鞠莉さん……」
鞠莉「大体ダイヤは硬すぎまーす」
果南「自分のことだと特にね」
鞠莉「あれもこれも手に入れる!それでいいじゃない」
果南「ふふ、ダイヤはそれぐらい傲慢ぐらいがちょうどいいかもね」 ダイヤ「私は傲慢に生きてきたつもりはないのですが……」
鞠莉「少しくらいプラスしてもバチは当たらないってこと!」
鞠莉「ダイヤは優しいからね、時には自分にも優しくしないと」
果南「その傷を癒す方法知ってるでしょ?」
鞠莉「私達はダイヤに千歌っちにAqoursに救われたわ」
鞠莉「だから、私達がダイヤと千歌っちの手助けをしたっていいでしょう?」
ダイヤ「私と千歌さん……」
果南「ほら、ダイヤ行っておいで」
果南・鞠莉「千歌(っち)のところへ」
ダイヤ「お二人ともありがとうございます!」 果南「……ふぁ」
鞠莉「果南ったら大きなあくび」
鞠莉「……ふぁぁ」
果南「鞠莉だって」
鞠莉「さすがに疲れたもん」
果南「そういえばダイヤ駆け出していったけど大丈夫かな」
鞠莉「マリー‘sタクシー2号を依頼しているから大丈夫よ」
果南「そっか、安心したら眠くなってきたな」
鞠莉「私もう限界、おやすみ」
果南「私もー、ダイヤ後で片付けるから許してねー」
果南「おやすみ」 ――
ダイヤ「ご迷惑をおかけし、申し訳ございません」
ダイヤ「それと、ありがとうございます、千歌さんのお家までよろしくお願い致します」
私は間違ってしまったと思っていました。
だから、ずっと気付いていない振りをしていたのでしょう。
私はそちらの世界に行ってはいけないのだと、自由はいけないことだと。
ですが、世界はもっと単純にできているみたいです。
たとえ、その世界から後ろ指を指されようとも私はもう……。
初めてで舞い上がっているだけだと、幼い恋だと、身勝手と言われようが……。
貴女が許してくれるのであればそれだけで。 「コーヒー、ブラックかカフェオレどちらがいいですか?」
ダイヤ「……では、ブラックを頂けますか?」
ダイヤ「お気遣いありがとうございます。」
普段はブラックで飲まないのですが……。
なんとなく、そっちの方がいい気がしました。
だって……
甘いものなどいらないほどに貴女のことが好きみたいです。
苦いはずのブラックコーヒーを飲みながら、そう再度自覚する23時。 ――
曜「千歌ちゃんそろそろ寝ようよー」
千歌「ダメだよ!」
千歌「聞けば昨日曜ちゃん梨子ちゃんの家にお泊まりしてたんでしょ?」
曜「したけどー」
梨子「それでも明日学校よ?遅刻しても置いて行くわよ?」
千歌「えー!一緒に寝てるのにー?」
梨子「それが嫌ならそろそろ寝ましょうよ」
千歌「えー、もうちょっと遊びたいもん!」
曜「明日朝練あるんだよー?」
千歌「そうだけどぉ……」 梨子「授業中寝ちゃうわよ」
千歌「……それは困る……かも」
梨子「でしょ?」
曜「電気消してお話しよう?」
千歌「んー、わかった」
prrrrr!prrrrr!
千歌「ごめん、電話だ」
千歌「ダイヤちゃんから?」
梨子「出ないの?」
千歌「出るよー」 曜「じゃあ、私達先に寝てるね?」
千歌「え?曜ちゃんと梨子ちゃんも一緒にお話しようよ!」
曜「いいからいいから」
梨子「行ってらっしゃい」
曜「一件落着になりそうだね」
梨子「まだわからないわよ?」
曜「ならないとみんな困るでしょ」
梨子「そうだね」 曜「さ、私達はいつもと変わらないんだから、さっさと寝よう!」
梨子「明日の朝練軽めには……?」
曜「なりませーん、と言いたいところだけど、みんな疲れてるかもしれないからね」
曜「ミーティングで千歌ちゃんを問い詰めようか」
梨子「ふふ、それもいいかもね」
梨子「ルビィちゃんも今回でだいぶ気を揉んでそうだしね」
曜「そうと決まれば!おやすみなさい」
梨子「おやすみなさい」 ――
千歌「追い出された挙句電気も消された」
千歌「納得いかない」
千歌「……っと電話電話」
千歌「……もしもし」
ダイヤ「千歌さん、夜遅くに申し訳ありません」
ダイヤ「今から少し出れますか?」
千歌「今から?」
ダイヤ「えぇ、千歌さんの家の前におりますので」
千歌「……分かった」
ダイヤ「ありがとうございます」 ダイヤ「……ふぅ」
軽く息を吐きながら電話を切って、千歌さんが出てくるのを待つ。
千歌「ダイヤちゃん」
ダイヤ「千歌さん、お久しぶりです」
千歌「ついさっき会ってたような気がするけどね」
ダイヤ「ふふ、そうですね」
千歌「まだ帰らなくて大丈夫だったの?」
ダイヤ「一度帰りましたわよ?」
千歌「忘れ物?」
千歌「ダイヤちゃん案外おっちょこちょいだもんね」
ダイヤ「忘れ物……少し違うかもしれません」 ダイヤ「……」
千歌「ダイヤちゃん?」
千歌「わっ……」
ダイヤ「千歌さん、私は千歌さんが好きです」
ダイヤ「千歌さんは私のことが好きですか?」
千歌「……え?」
千歌「……私は……」
千歌「私も!ダイヤちゃんが好き!大好き!」
ダイヤ「良かった」
ダイヤ「私は不器用ですから、握ったこの手は離せません」
ダイヤ「それでもよろしいですか?」
千歌「……うん」
千歌「私も離さない!何があったって!」
ダイヤ「ありがとうございます」 千歌「ねぇ、私はダイヤちゃんの特別?」
ダイヤ「えぇ……」
ダイヤ「貴女のことを愛しています」
ダイヤ「千歌ちゃん」
上弦の月が姿を消した二人きりの夜に、特別な貴女の名を呼ぶ。 前々回から読んでたよ
素晴らしいちかダイをありがとう 今回もよかったです
とうとう0時を迎えてしまったけど、この二人の話はもう見られないのだろうか ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています