0001名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:34:15.31ID:8193iTeS
0033名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:54:57.25ID:8193iTeS
曜「ごめんね、付き合ってもらって」
梨子「ううん、気にしないで」
梨子「来なかったらどうしよう!なんて慌ててた可愛い曜ちゃんも見れたしね」
曜「ちょっと!それ言っちゃったら台無しになるでしょ!」
曜「全く!梨子ちゃん帰るよ!」
梨子「どうやって?」
曜「あ……どうしよう!いきおいで自転車渡しちゃった!」
曜「千歌ちゃんの勝手に借りるのもなぁ……」
梨子「はぁ……曜ちゃん元々そのつもりだったでしょ」
曜「んー、なんのこと?」
0034名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:55:22.48ID:8193iTeS
梨子「とぼけるならお話は終わりです!」
曜「あー、待って待ってごめん、泊めて?」
梨子「はいはい」
梨子「大体やけに荷物あるなと思ったのよね」
曜「えへへ、いいじゃんいいじゃん」
梨子「とりあえず寒いし中戻りましょ?」
曜「千歌ちゃんのお家でお風呂一緒に入ろうよ!」
梨子「そんな急に……」
曜「平気平気!志満さんにお願いしに行こ?」
梨子「はぁ……二人して人を振り回すのが得意なんだから」
曜「おーい!梨子ちゃん早く早く!」
梨子「もう!曜ちゃんちょっと待ってー!」
0035名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:55:56.40ID:8193iTeS
――
会って何を話そうかとか、何をしたらいいんだろうとか……
いろんなことを考えるけど、答えなんてわかるはずもなくて……
国語の問題に文句言ってたけど、実はそういうものなのかなとか意味のわからないことを考えて。
お疲れ様って言えばいいのかな、言えないや。
ごめんね、きっと貴女を傷つけてしまう。
いた。もう帰るみたい。
ダイヤ「千歌さん?」
ダイヤ「やはり知っていたんですね?」
0036名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:56:22.31ID:8193iTeS
少し驚きながら声をかけてくれて、少しずつ距離が縮まって。
それからまたどこか寂しい表情で。
私は何も言えなくて……ごめんね、ダイヤちゃん。
やっぱり貴女を……。
ダイヤ「千歌……んっ……」
何も言わずに、何も言えずに貴女にキスをした。
きっと貴女の手に私の居場所はないから。
きっと私と貴女の糸は繋がってはいないから。
少し……ほんの少しだけ足掻きたくって。
せめて忘れられないように、貴女に消えない傷を。
肌寒い夜に沈んでしまうほどに、壊れるようなキスを。
0037名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:56:44.71ID:8193iTeS
――
どれほどの間貴女に触れていたでしょうか。
時間の感覚も分からぬ程に貴女に溺れてしまっていたのでしょうか。
やがて離れて目が合って、触れた唇の疼きが治らないままに、また貴女が目を閉じる。
少しつまさきを伸ばす貴女をそっと引き寄せて……。
大切な貴女を壊さぬように口付けを。
ダイヤ「……」
千歌「……」
ダイヤ「……千歌さん」
千歌「……もう少しだけ……お願い」
0038名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:57:16.05ID:8193iTeS
もう少しとせがむ貴女をどれほど抱きしめたでしょうか。
そっと、一歩、二歩と後ろに下がって千歌さんがニコッと笑う。
私の好きな笑顔……とは違う、どこか寂しげで物憂げな笑顔。
無理をさせているのは私と知りながら。
千歌「ダイヤちゃん」
ダイヤ「はい」
誰よりも優しい貴女の言うことがなぜか分かる気がする。
きっとお互い一番望まない言葉……ですが、一番今望んでしまう言葉。
千歌「あのね……私のこと嫌いになってもいいから……」
千歌「……私もダイヤちゃんを嫌いになってもいいかな?」
ダイヤ「……」
震える声で言う貴女に私は何も返せずに
どこまで臆病なんだろうかといらぬ事を考える。
0039名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:57:47.50ID:8193iTeS
千歌「それからっ!」
千歌「今から、また仲良くして欲しい」
ダイヤ「……えぇ」
ダイヤ「よろしくお願い致します、千歌さん」
千歌「うん、よろしくね!ダイヤちゃん」
勇気の出せない私は、自分のことを嫌ってもいいなんて言えなくて。
私を嫌いになってもいいから、貴女をずっと好きでいたい……なんて言えなくて。
やっと自分の想いに名前がついた22時。
私と貴女の心に繋がる糸は切れてしまった後で……
もう一度繋がったか細い糸は貴女を手繰り寄せるには弱すぎる。
0040名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:58:14.28ID:8193iTeS
――
ダイヤ「ただいま戻りました」
ルビィ「おかえり、お姉ちゃん」
ダイヤ「ルビィ?まだ寝ていなかったのですか?」
ルビィ「うん」
ルビィ「お姉ちゃんはどうして戻ってきたの?」
ダイヤ「電車の時刻に間に合わなかったので……」
ダイヤ「もう一日だけこちらで休んで、明日帰ることにしました」
ルビィ「そうなんだ」
ダイヤ「疲れてるので、今日はもうおやすみさせて頂きますね」
ルビィ「さっき千歌ちゃんを見たよ」
ルビィ「ルビィ、慌てて追いかけてたの」
ダイヤ「そうですか、千歌さんは元気にしていましたか?」
0041名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 22:58:55.56ID:8193iTeS
ルビィ「千歌ちゃん泣いてたよ」
ダイヤ「……そうですか」
ルビィ「お姉ちゃん!」
ダイヤ「ルビィおやすみなさい、ルビィも早く寝るのですよ?」
ルビィ「ルビィ、今のお姉ちゃんなんて大嫌い!」
ダイヤ「はい……」
私もですなんて言葉を飲み込んで、もう一度おやすみと告げて、逃げるように自室へ向かう。
ダイヤ「私は……」
ダイヤ「私は千歌さんが……好き」
ダイヤ「……だった」
ダイヤ「……千歌さん」
気付く前に消えてしまった想いは……
想いを込めて呼んだ貴女の名は日付変更を知らせる時計の鐘の音に消えてゆく。
0042名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:00:46.91ID:8193iTeS
少し用事で席外します。
書き溜めてるので、戻り次第残り投稿します。
見て頂けている方いらしゃったら申し訳ないです。
0043名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:42:49.18ID:8193iTeS
――
ルビィ「もしもし、善子ちゃん?」
善子「ルビィ?どうしたのこんな時間に?」
ルビィ「ちょっと手伝って欲しいことがあるの」
善子「手伝うって……リトルデーモンの頼みなら聞いてやらないでもないわよっ!」
ルビィ「うん、ありがとう」
善子「それでどうしたの?ルビィがこんな時間にお願いしてくるぐらいだから、今大変なんでしょ?」
ルビィ「ありがとう、ごめんね」
善子「なんで謝るのよ、私が友達の頼み一つも聞けない人だと思ってるの?」
ルビィ「ううん、ルビィ善子ちゃんがとっても優しいの知ってるよ」
善子「ヨハネよっ!」
善子「というか……さっきから息切らしてるけど何してるの?」
0044名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:43:23.89ID:8193iTeS
ルビィ「うん、花丸ちゃんにもお願いしたくって」
ルビィ「でも、今の時間なんて花丸ちゃん寝ちゃってるでしょ?」
善子「それってまさか、ずら丸の家に向かってるってこと?」
ルビィ「うん、あと少しなんだけど」
善子「ばかっ、早く言いなさいよ」
善子「私も今からずら丸の家に向かうわ」
ルビィ「でも、善子ちゃんこんな時間に外出たらダメだよ」
善子「ルビィがいいんだから私もいいでしょ?」
ルビィ「でも……」
善子「いいからっ!今から瞬間移動でそっちに向かうわ」
善子「詳しくはずら丸の家で聞くから!」
ルビィ「善子ちゃん、ありがとう!」
0045名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:44:24.14ID:8193iTeS
――
花丸「なるほど」
善子「昨日話してたことがもう現実になったってわけね」
花丸「今日の練習でも曜ちゃんに確認されたの」
花丸「だからたぶん……」
ルビィ「そっか、でもきっといつかこうなってたと思うの」
善子「それで?ルビィは昨日から気持ちは変わってないのね?」
ルビィ「うん、変わらない」
善子「そう、それなら私は協力するわ」
花丸「もちろんマルも!」
ルビィ「二人ともありがとう!」
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんに自由に生きて……好きな人と一緒にいて欲しい」
ルビィ「たとえそれでルビィが全てを背負うことになっても」
0046名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:45:15.12ID:8193iTeS
善子「ルビィ……」
花丸「ルビィちゃんにはオラと善子ちゃんがついてるよ!」
ルビィ「ありがとう!」
ルビィ「それでね、実はあと二人に協力を頼みたいの」
ルビィ「きっとお姉ちゃんの心を溶かすのはあの二人しか」
善子「そうね、私がマリーに繋げるわ」
花丸「マルは果南ちゃん!」
ルビィ「出てくれるかな……」
善子「大丈夫よ、マリーなら、ほら!」
花丸「もちろん果南ちゃんも!」
鞠莉「はーい、どうしたの善子?」
果南「花丸ちゃんどうしたのー?」
果南「んんー?鞠莉の声聞こえる?」
鞠莉「果南?」
ルビィ「鞠莉ちゃん、果南ちゃんお願いがあるの!」
0047名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:45:49.95ID:8193iTeS
――
鞠莉「なるほどねー」
果南「相変わらずだね、ダイヤは」
鞠莉「自分のことはへっぽこぴーだからね」
果南「それで?私達はダイヤに電話でもすればいいの?」
ルビィ「それは……」
ルビィ「無理を承知でお願いです!」
ルビィ「日本に帰ってきて欲しいの!」
善子「えぇー!」
花丸「ルビィちゃん、それは難しいんじゃ……」
鞠莉「分かりました」
ルビィ「え?」
果南「ダイヤの一大事だもんね」
ルビィ「鞠莉ちゃん、果南ちゃんいいの?」
0048名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:46:14.41ID:8193iTeS
鞠莉「Off course!! 今すぐ向かうわ」
果南「私はもう家出ちゃった」
ルビィ「ありがとう!鞠莉ちゃん!果南ちゃん!」
ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんの家で二人のこと待ってるから!」
花丸「切れちゃったずら」
善子「さすがのフットワークね」
ルビィ「それで、二人にお願いしたいことなんだけど……」
0049名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:48:04.81ID:8193iTeS
スペル間違いました。
意味がめちゃくちゃ変わるので修正。
0050名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:48:26.64ID:8193iTeS
鞠莉「Of course!! 今すぐ向かうわ」
果南「私はもう家出ちゃった」
ルビィ「ありがとう!鞠莉ちゃん!果南ちゃん!」
ルビィ「ルビィ、お姉ちゃんの家で二人のこと待ってるから!」
花丸「切れちゃったずら」
善子「さすがのフットワークね」
ルビィ「それで、二人にお願いしたいことなんだけど……」
0051名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:48:53.89ID:8193iTeS
――
善子「……時間稼ぎねぇ」
花丸「練習ノートも勉強道具もバッチリずら!」
善子「あくまでもルビィを誘いにきたていだからね?」
花丸「なんだか嘘つくみたいで難しいかも」
善子「しっかりやらないと意味なくなるわよ」
善子「それと、ルビィはもう行ってるのよね?」
善子「これでまだ家にいたら台無しよ?」
花丸「朝一に電話したけど、もう向かってるみたいだよ」
善子「相変わらず早起きね」
花丸「善子ちゃんも夜更かししないで早起きしなきゃ」
善子「ヨハネ!ヨハネは闇の魔力が満ちる魔の時間帯に……」
花丸「あ、曜ちゃん達から返事きた」
善子「聞きなさいよ!」
0052名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:49:20.61ID:8193iTeS
花丸「お大事にだって、なんだか騙してるみたいで申し訳ないずら」
善子「私達みんなが休んでるんだから曜と梨子は何かしら気づいてそうだけどね」
善子「千歌は……今そこまで余裕ないかもしれないけど」
善子「……それにしても、ダイヤかぁ……」
ダイヤ「私がどうかいたしましたか?」
善子「へ?だ、だ、、だ、ダイヤ?」
花丸「ダイヤちゃん!おはよう!」
ダイヤ「はい、おはようございます」
花丸「ダイヤちゃん帰ってきてたんだね」
ダイヤ「えぇ、と言ってももうしばらくすれば帰る予定ですがね」
ダイヤ「花丸さんと善子さんは……練習ではなさそうですわね?」
善子「え?えーっと……」
0053名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:49:47.96ID:8193iTeS
花丸「今日はおやすみだからお出かけずら」
花丸「しっかりやるずら」ボソ
善子「んぐっ……そうそうそれで、ルビィもどうかなと思って誘いに来たって訳」
花丸「それで、ダイヤちゃんのこともお話してたの」
ダイヤ「そうでしたか、生憎ですが、ルビィは用事があるようで朝起きたらすでに出かけておりまして」
花丸「そうなんだ……」
善子「ダイヤは何してたの?」
ダイヤ「……少し寝付けなくてモヤモヤしてたので、ランニングでもしてスッキリしようかと」
善子「よくそれで走る気になれるわね、私なら寝れるまで二度寝するわ」
ダイヤ「ふふ、善子さんらしいですわね」
善子「ヨハネだってば!」
0054名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:50:14.43ID:8193iTeS
ダイヤ「はいはい、ヨハネさんも規則正しい生活を心がけてくださいね?」
善子「……気をつけるわ」
花丸「善子ちゃんが言いくるめられてどうするずら」ボソ
花丸「ね、ダイヤちゃん折角だから作詞のアドバイスして欲しいんだけど……ダメ?」
ダイヤ「え?ですが、お出かけするのでは?」
善子「いや、それなら私もダイヤに聞きたいことがあるわ」
花丸「ダイヤちゃんお願い!」
ダイヤ「分かりました、折角に可愛い後輩からのお願いですからね」
ダイヤ「私の家でゆっくりお話しましょうか?」
花丸「わーい!ありがとうダイヤちゃん!」
善子「恐るべし花丸……」ボソ
0055名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:50:44.44ID:8193iTeS
――
ダイヤ「すっかり遅くなってしまいました」
ダイヤ「明日からまた講義もありますし、さっさと寝てしまいましょうか」
ダイヤ「ただいま戻りました」
誰もいないから必要もないはずですが、幼い頃から馴染んできたものは中々変えられませんね。
変える必要もないことですが。
ルビィ「おかえり、お姉ちゃん」
ダイヤ「ルビィ!?」
ダイヤ「どうして……」
ルビィ「どうしてもお姉ちゃんに伝えたくって」
ルビィ「ルビィはまだ守られないといけない?」
ダイヤ「ルビィ何を……」
ルビィ「自分で言うのもなんだけど、ルビィきっと強くなったよ」
0056名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:51:14.34ID:8193iTeS
ルビィ「千歌ちゃんにAqoursに誘われて、お姉ちゃんと一緒にスクールアイドルになれて」
ルビィ「ルビィは……ルビィはお姉ちゃんに自由に生きて欲しいよ!」
ルビィ「ルビィの知ってるお姉ちゃんはこんなに弱くないもん!」
ルビィ「お姉ちゃんなら大好きな人に大好きって伝えるぐらいできる!」
ルビィ「お家の事情、相手の事情、そんなの関係ない」
ルビィ「お姉ちゃんなら全てなんとかできるって、ルビィは信じてる」
ルビィ「それでも、万が一何かあっても……ルビィがいるよ」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「それだけ、ルビィ明日学校だから帰るね?」
ダイヤ「え?」
ルビィ「大丈夫だよ、きっとお姉ちゃんにはまだ足りないから、この先に進んでね」
ルビィ「大切な人達が待ってるよ」
ルビィ「バイバイ」
0057名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:51:43.49ID:8193iTeS
ダイヤ「何が……」
鞠莉「ちゃおー」
果南「ダイヤ、久しぶり」
ダイヤ「鞠莉さん、果南さん?」
ダイヤ「どうして?」
果南「ダイヤがあまりにもへっぽこだって聞いてね」
鞠莉「ちなみにルビィはちゃんと私のとこの者が送り届けるから安心してね?」
ダイヤ「私は……別に」
鞠莉「とりあえずディナーでもしましょうか?」
果南「そうだよ、ダイヤ待ってたせいでお腹ペコペコだよ」
ダイヤ「貴女達は何しにきたんですか?」
果南「ちょっとダイヤと喋りにきただけだよ」
鞠莉「そうそう!」
0058名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:52:13.11ID:8193iTeS
鞠莉「善子が電話してきた時は何かと思ったけどね」
ダイヤ「善子さんが?」
果南「こっちは花丸ちゃん」
ダイヤ「花丸さんも?」
果南「まぁ、3人とも一緒にいたみたいだけどね」
鞠莉「果南ー、テーブル開けてー」
鞠莉「シャイ煮バージョン4の登場よ」
果南「げ、相変わらず見た目が……」
鞠莉「改良を重ねて味はさらにスーパーアップしてるわよ!」
果南「何いばってんのさ、次は見た目の研究しなよ」
鞠莉「No!シャイ煮は味が全てでーす」
ダイヤ「そういうことですか……」
0059名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:53:12.39ID:8193iTeS
果南「なんのこと?」
ダイヤ「いえ、Aqoursの皆さんはお節介が好きだなと」
鞠莉「一番のお節介好きがなーに言ってんの」
果南「いえてるかも」
鞠莉「それより、私のウルトラシャイ煮ーを食べてみてよ」
果南「名前変わってるし」
鞠莉「ほら、ダイヤも!」
ダイヤ「……えぇ、いただきます」
ダイヤ「……美味しいです」
鞠莉「ほらー!早く果南も食べてみて!」
果南「美味しい……美味しいんだけどさぁ」
0060名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:54:11.36ID:8193iTeS
ダイヤ「……お二人は何も言いませんの?」
果南「何ダイヤ、説教して欲しいの?」
ダイヤ「いえ……ですが、ルビィや花丸さん、善子さんに頼まれたのでは」
鞠莉「今更私達が何か言うこともないでしょ?」
鞠莉「だって、ダイヤはとっくに自分の気持ちに気付いてるでしょう?」
ダイヤ「気持ちと現実はイコールではありませんわ」
果南「じゃあ、後は行動するだけじゃん」
ダイヤ「そんな簡単にっ……」
果南「簡単だよ」
果南「ダイヤなら簡単」
0061名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:55:02.37ID:8193iTeS
ダイヤ「何を根拠に」
果南「ダイヤを信じてるもん」
果南「ダイヤは強いからね」
鞠莉「強さなら果南の方がマッスルだけどね」
果南「もう!いいこと言ってるんだから茶化さないの!」
鞠莉「ソーリーソーリー!」
鞠莉「でも、私も信じてるよダイヤのこと」
鞠莉「そんなの当たり前だけどね」
ダイヤ「果南さん鞠莉さん……」
鞠莉「大体ダイヤは硬すぎまーす」
果南「自分のことだと特にね」
鞠莉「あれもこれも手に入れる!それでいいじゃない」
果南「ふふ、ダイヤはそれぐらい傲慢ぐらいがちょうどいいかもね」
0062名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:55:32.08ID:8193iTeS
ダイヤ「私は傲慢に生きてきたつもりはないのですが……」
鞠莉「少しくらいプラスしてもバチは当たらないってこと!」
鞠莉「ダイヤは優しいからね、時には自分にも優しくしないと」
果南「その傷を癒す方法知ってるでしょ?」
鞠莉「私達はダイヤに千歌っちにAqoursに救われたわ」
鞠莉「だから、私達がダイヤと千歌っちの手助けをしたっていいでしょう?」
ダイヤ「私と千歌さん……」
果南「ほら、ダイヤ行っておいで」
果南・鞠莉「千歌(っち)のところへ」
ダイヤ「お二人ともありがとうございます!」
0063名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:56:07.75ID:8193iTeS
果南「……ふぁ」
鞠莉「果南ったら大きなあくび」
鞠莉「……ふぁぁ」
果南「鞠莉だって」
鞠莉「さすがに疲れたもん」
果南「そういえばダイヤ駆け出していったけど大丈夫かな」
鞠莉「マリー‘sタクシー2号を依頼しているから大丈夫よ」
果南「そっか、安心したら眠くなってきたな」
鞠莉「私もう限界、おやすみ」
果南「私もー、ダイヤ後で片付けるから許してねー」
果南「おやすみ」
0064名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:57:51.27ID:8193iTeS
――
ダイヤ「ご迷惑をおかけし、申し訳ございません」
ダイヤ「それと、ありがとうございます、千歌さんのお家までよろしくお願い致します」
私は間違ってしまったと思っていました。
だから、ずっと気付いていない振りをしていたのでしょう。
私はそちらの世界に行ってはいけないのだと、自由はいけないことだと。
ですが、世界はもっと単純にできているみたいです。
たとえ、その世界から後ろ指を指されようとも私はもう……。
初めてで舞い上がっているだけだと、幼い恋だと、身勝手と言われようが……。
貴女が許してくれるのであればそれだけで。
0065名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:58:24.94ID:8193iTeS
「コーヒー、ブラックかカフェオレどちらがいいですか?」
ダイヤ「……では、ブラックを頂けますか?」
ダイヤ「お気遣いありがとうございます。」
普段はブラックで飲まないのですが……。
なんとなく、そっちの方がいい気がしました。
だって……
甘いものなどいらないほどに貴女のことが好きみたいです。
苦いはずのブラックコーヒーを飲みながら、そう再度自覚する23時。
0066名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:58:50.77ID:8193iTeS
――
曜「千歌ちゃんそろそろ寝ようよー」
千歌「ダメだよ!」
千歌「聞けば昨日曜ちゃん梨子ちゃんの家にお泊まりしてたんでしょ?」
曜「したけどー」
梨子「それでも明日学校よ?遅刻しても置いて行くわよ?」
千歌「えー!一緒に寝てるのにー?」
梨子「それが嫌ならそろそろ寝ましょうよ」
千歌「えー、もうちょっと遊びたいもん!」
曜「明日朝練あるんだよー?」
千歌「そうだけどぉ……」
0067名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:59:23.17ID:8193iTeS
梨子「授業中寝ちゃうわよ」
千歌「……それは困る……かも」
梨子「でしょ?」
曜「電気消してお話しよう?」
千歌「んー、わかった」
prrrrr!prrrrr!
千歌「ごめん、電話だ」
千歌「ダイヤちゃんから?」
梨子「出ないの?」
千歌「出るよー」
0068名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/16(金) 23:59:51.72ID:8193iTeS
曜「じゃあ、私達先に寝てるね?」
千歌「え?曜ちゃんと梨子ちゃんも一緒にお話しようよ!」
曜「いいからいいから」
梨子「行ってらっしゃい」
曜「一件落着になりそうだね」
梨子「まだわからないわよ?」
曜「ならないとみんな困るでしょ」
梨子「そうだね」
0069名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:00:18.32ID:5r353WMk
曜「さ、私達はいつもと変わらないんだから、さっさと寝よう!」
梨子「明日の朝練軽めには……?」
曜「なりませーん、と言いたいところだけど、みんな疲れてるかもしれないからね」
曜「ミーティングで千歌ちゃんを問い詰めようか」
梨子「ふふ、それもいいかもね」
梨子「ルビィちゃんも今回でだいぶ気を揉んでそうだしね」
曜「そうと決まれば!おやすみなさい」
梨子「おやすみなさい」
0070名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:00:49.11ID:5r353WMk
――
千歌「追い出された挙句電気も消された」
千歌「納得いかない」
千歌「……っと電話電話」
千歌「……もしもし」
ダイヤ「千歌さん、夜遅くに申し訳ありません」
ダイヤ「今から少し出れますか?」
千歌「今から?」
ダイヤ「えぇ、千歌さんの家の前におりますので」
千歌「……分かった」
ダイヤ「ありがとうございます」
0071名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:01:32.89ID:5r353WMk
ダイヤ「……ふぅ」
軽く息を吐きながら電話を切って、千歌さんが出てくるのを待つ。
千歌「ダイヤちゃん」
ダイヤ「千歌さん、お久しぶりです」
千歌「ついさっき会ってたような気がするけどね」
ダイヤ「ふふ、そうですね」
千歌「まだ帰らなくて大丈夫だったの?」
ダイヤ「一度帰りましたわよ?」
千歌「忘れ物?」
千歌「ダイヤちゃん案外おっちょこちょいだもんね」
ダイヤ「忘れ物……少し違うかもしれません」
0072名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:02:24.23ID:5r353WMk
ダイヤ「……」
千歌「ダイヤちゃん?」
千歌「わっ……」
ダイヤ「千歌さん、私は千歌さんが好きです」
ダイヤ「千歌さんは私のことが好きですか?」
千歌「……え?」
千歌「……私は……」
千歌「私も!ダイヤちゃんが好き!大好き!」
ダイヤ「良かった」
ダイヤ「私は不器用ですから、握ったこの手は離せません」
ダイヤ「それでもよろしいですか?」
千歌「……うん」
千歌「私も離さない!何があったって!」
ダイヤ「ありがとうございます」
0073名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:03:13.62ID:5r353WMk
千歌「ねぇ、私はダイヤちゃんの特別?」
ダイヤ「えぇ……」
ダイヤ「貴女のことを愛しています」
ダイヤ「千歌ちゃん」
上弦の月が姿を消した二人きりの夜に、特別な貴女の名を呼ぶ。
0074名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:04:15.35ID:5r353WMk
おしまい。
思ってたよりだいぶ長くなりました。
0075名無しで叶える物語(奈良漬け)2020/10/17(土) 00:05:01.71ID:5r353WMk
誤字脱字等結構ありそうで申し訳ないです。
前々回から読んでたよ
素晴らしいちかダイをありがとう
0077名無しで叶える物語(やわらか銀行)2020/10/17(土) 06:17:07.74ID:oW8x6/0x
乙
これはいいちかダイ
今回もよかったです
とうとう0時を迎えてしまったけど、この二人の話はもう見られないのだろうか
0081名無しで叶える物語(光)2020/10/18(日) 22:10:51.76ID:ZabK6xPk
控えめに言って最高