AqoursSS 『Stop! ZERO to ONE』
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〜啓発イベント当日 朝10時〜
星空「皆さん、今日はよろしくお願いします!」
オタク取締官「最高の啓発イベントにしましょうね」
千歌「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
星空「しかしキャッチコピーの『Stop! ZERO to ONE』、シンプルでAqoursらしさもあって素敵ですね。部内でも評判ですよ」
ダイヤ「それほどでも、ありますわ!ルビィも一緒に考えてくれたのです!」
花丸「でもドラマはかなり削られてしまったずらね」 星空「すいません、いささか描写がリアルすぎる部分があり、本省からストップが入りまして…あと大麻栽培シーンは過激さ云々の前に大麻じゃなくてケナフでしたから」
善子「だから何度も確認したのに!!葉っぱが根元まで分かれてる方?分かれてないほう?って!!」
鞠莉「まぁまぁ気にしないの善子!どっちみちカットだったみたいだし!」
善子「あ・ん・たね〜〜!!」 星空「では、皆さんにはステージが始まる13時まではイベントスタッフとして働いていただきますね。今日はトウカイ麻取だけでなく愛知県の医薬安全課の方達も来ていますので、よろしくお願いしますね」
県職員1「お〜リアルAqoursだ!」
県職員2「可愛いわね!あ、善子ちゃんだ!おはよしこ〜!」
善子「だからヨハネ!です!!今日はよろしくお願いします!」
果南「善子ちゃんファンサービスも礼儀も忘れないとは流石だね…」 ルビィ「あの〜…」
花丸「これはなんずら…?」
ルビィと花丸は輪ゴム鉄砲を持たされて立っていた。
オタク取締官「ああこれね。この輪ゴム鉄砲をあの的に当てるんだ。子供向けのアクティビティだね」
おたく取締官の指先には、覚醒剤をはじめとする薬物の写真が復す貼られた的が置いてある。
オタク取締官「子供たちに違法薬物への警戒心を植え付けるのさ」
梨子「なんかそれは…」
曜「方法が歪んでいるような…」 星空「それでは、そろそろイベントが始まりますのでこのTシャツに着替えていただけますか?」
ルビィ「これは…可愛い…くない…?」
そのTシャツは前部分にM&Aチョコのような地球儀のようなキャラクターが描かれている。
星空「我慢してください…!ちなみにお持ち帰りいただいて大丈夫ですよ。記念にと思ってください」
千歌「よーし!じゃあみんな!今日は頑張るよ!Aqours〜〜〜」
全員「サーンシャイン〜〜〜!」 そうしてスタッフの仕事をこなしているうちに、ステージの時間となった。
星空「先にお伝えしていた通り、ステージは40分の時間を確保しています。全力の皆さんを会場中が楽しみにしてくれていますよ」
オタク取締官「ドラマの方も大好評ですよ!
ウェブ配信の方も再生回数グングン伸びてます。
渡辺さんとダイヤさんの泣きの演技がえげつないってコメントで持ちきりですよ!」
曜「いやぁお恥ずかしい」
ダイヤ「光栄ですわ」
果南「じゃあ、行こうか」
9人はステージに上がった。
名古屋駅まえに設置された特設ステージの前は人で一杯になっている。 千歌「皆さんこんにちは!今日は薬物啓発イベント『Stop! ZERO to ONE』にお越しいただきありがとうございます!私たちは今回のイベントガールを務めさせていただいている
全員「Aqoursです!」
千歌「今回のお話をいただいた時は、クスリのことなんて何も分からなくてこの仕事が務まるか不安でした」
ダイヤ「しかし、違法薬物やそれを取締る仕事に就いている人たちを知っていくことで、決して他人事ではないと感じたのです」
花丸「今伝えたい。知ってほしい!その思いでドラマやステージの準備をしてきました」
善子「一曲目は、この気付きを得る機会をくれた麻薬取締部の皆さんのイメージに合わせて選びました」
千歌「それでは聴いてください」
全員「Daydream Warrior」 会場のボルテージは続く2曲目から4曲目まで高まり続けた。
Aqoursのメンバー自身も、確かな手応えを感じていた。
千歌「それでは、最後の曲になります」
曜「違法薬物を広げないためには勇気が必要です」
ルビィ「やらない勇気!断る勇気!」
鞠莉「そして、手を出したとしても、一度振り返って考えて欲しい。自分の側の人たちを」
果南「自分はダメだと思うのではなく、かけがえのない人たちを今一度思い出す勇気を!」
千歌「私たちの今!全てを込めて届けます!最後の曲!
勇気はどこに?」
全員「君の胸に!」 そうしてステージは最高の盛り上がりを持って終わった。
オタク取締官「すごい…すごいよ…これがスクールアイドルの力…」
星空「ドラマからキャッチコピー、そしてステージまで…私たちの期待を遥かに超えてくれましたね…」 オタク取締官「星空、自分の妹を思い出したんじゃないのか?」
星空「ええ、妹達のパワーも凄かったけど、彼女たちも素晴らしかった。妹達が拓いたスクールアイドルの未来に彼女たち、Aqoursがいるんだと思うと、言葉がありません」
2人の取締官のところにAqoursが戻ってきた。
みんないい顔をしている。
千歌「どうでした、私たち。輝いてましたか?」
星空「最高でした!!!」 興奮が収まるのを待ち、公務員組とAqoursのメンバーは会場の撤収を始めた。
星空「皆さんはここまでで大丈夫ですよ。まだ15時ですから、名古屋を楽しんで帰ってください」
梨子「いいんですか?まだ作業が…」
オタク取締官「大丈夫です!皆さん疲れているでしょう。お気遣いなく」
千歌「本当に、本当に貴重な経験をありがとうございました!」 曜「何も知らない私たちが安心して暮らしていけるのは、皆さんのような人たちがいるからなんだって…その人たちの力に少しでもなれたなら嬉しいです!」
オタク取締官「なってるよ!!!すごい力をもらったよ!!!俺、この仕事一緒続けるよ渡辺さん!!!」
曜「は、はい」
花丸「もっと色々と教えて欲しかった気持ちもあるけど…」
ルビィ「自分たちでも考えていかないとね!」
果南「あ〜なんかボロアパート見るとしばらくは電気メーター見ちゃいそう!」
鞠莉「地下室はワインセラーにするわ!いいワインが入ったら送りますね!」
ダイヤ「……」 そうしてAqoursのメンバーは取締官の2人と分かれた。
みんな名古屋のどこを回ろうか話している。
曜「水族館行こうよ!水族館!」
果南「私も気になってた〜!」
善子「曜が行きたいって言うなら私も水族館が」
ダイヤ「み、皆さん!」
一番後ろを歩いていたダイヤが呼びかけた ダイヤ「わ、忘れ物をしてしまったので取ってきますわ!皆さん、いく場所が決まったら連絡してください」
果南「もうEメールの使い方なんて忘れたよ」
ダイヤ「いつまでガラケーネタ引っ張るんですか!お願いしますわね!では!!」
そうしてダイヤは名古屋駅の方まで走り去った。
梨子「忘れるほど荷物持ってましたっけダイヤさん」
ルビィ「…お姉ちゃん」 〜名古屋駅前〜
ダイヤ「星空さん!!」
星空「はえっ!?黒澤さん!どうしたんですか?」
ダイヤ「ゼェ…ゼェ…はぁ…はぁ…脇腹いった…」
星空「と、とりあえず落ち着いて」
ダイヤ「私、なりたいのです」
星空「え…?」 ダイヤ「麻薬取締官に!どうやったらなれますか?!」
星空「黒澤さん…本気?」
ダイヤ「はい、本気ですわ」
星空「楽じゃない仕事よ。女性なら得にね」
オタク取締官「私、席外すな。任せていいな、星空」
星空「はい。ありがとうございます。」
星空はダイヤの顔を覗き込むように見た。 星空「残業は当たり前。日を跨ぐのも珍しくない。
相手は中毒者であれば何をするかもわからないし、売人だったら犯罪のプロフェッショナル。
今までの常識は何一つ通用しないわ」
ダイヤ「はい…」
星空「相手が刃物を持っていることもザラだし、注射器だって捜査現場に散らかってるから、
少し間違えると肝炎やHIVのリスクだってあるわ。」
ダイヤ「……」
星空「それに全国転勤だから家族とも離れる可能性は高いわよ。
私も出身は東京だけど、今はこっちで働いているし」
ダイヤ「はい……」 星空「気持ちは嬉しい。でもお勧めはしない。
黒澤さんに向いてる向いてないではなくて、もっと他に落ち着いた暮らしができる仕事があるわ。
それでもこの仕事を選びたいと思うなら…」
ダイヤ「思うなら…?」
星空「歓迎する!」
ダイヤ「私、なりたいです!
…星空さんはなんでその仕事を?」
星空「守りたかったの。私も妹がいてね。下の妹もスクールアイドルをやってい…」
ダイヤ「星空凛さん!?」 星空「そ、そう!3姉妹なのよ。私が長女でね。
凛は末っ子。
あの子が楽しそうに友達と一緒に輝いている姿を見て、あぁこの子たちの未来を明るいものにしたいって思ったの。
で、警察庁は落ちたから麻取を受けたってわけ」
ダイア「珍しい名字とは思いましたが、まさか実の姉妹とは…」
星空「スクールアイドル好きにはすぐバレちゃうわ。自慢の妹よ。今は大学3年生。上の子は今年社会人」
ダイヤ「はわわ…確かに目元が凛さんそっくりですわ」 星空「よく言われる!
で、麻薬取締官のなりかたね。基本は二通り。
薬剤師国家試験合格見込みor薬剤師で面接を通るか、
国家公務員採用一般職試験に合格して面接に通るかですね」
ダイヤ「薬剤師、ですか?」
星空「第一次覚醒剤乱用期の名残と言われています。
当時の薬物流通を薬剤師免許者に任せていたそうですから。
薬剤師で入ってもそうでなくても、今は業務内容は変わりません。
唯一鑑定専門の鑑定課は薬剤師だけですね」
ダイヤ「なるほど」
星空「ちなみに私は法学部出身です。
よく勘違いされますが、麻薬取締部に入るのに学部は関係ありません」
ダイヤ「そうなのですか?」 星空「入ってすぐに取締官になるわけではないんです。
薬学部と法学部出身者は1年の見習い期間を得て取締官手帳をもらいます。
他学部はそれが2年になるだけなので、出身学部は関係ありません。
私の同期にも経営学部や建築学部の人がいますよ」
ダイヤ「つまり、少しでも早く取締官になるには薬学部か法学部ですのね」
星空「はい。その通りです。強いて言うなら、薬学部は6年制なので法学部の方が取締官への任官は早いです。ただ…」
ダイヤ「ただ?」
星空「薬剤師免許は潰しが利きますから、はっきりいって学力やお金が許すなら薬学部をお勧めします」
ダイヤ「…わかりました」 星空「ってところかな。それで、ダイヤちゃんはなんでなりたいの。麻薬取締官」
ダイヤ「私も同じですわ。
私はずっと守られてきたと気づいたのです。
家族や友人、内浦の方々に。沢山の愛情をいただいて。
私はその気持ちを、愛を、お返ししたいのです。少しでも大事な人たちが安心して過ごせる世の中にするために。」
星空「そっか。ふふ、なんだか嬉しいわ。
こう言う話なかなか恥ずかしくて周りにできないから」
ダイヤ「私、なれますでしょうか…取締官に」
星空「それはわからないわ。採用人数も毎年まちまちだから…」
ダイヤ「定員288名…ですわね」 星空「そう。でも受かるか受からないか。確率は2分の1って思いましょ。
そうね…体力はあった方がいい。
それと運転免許。運転は必須スキルよ」
ダイヤ「わかりました。千歌さんには『運動神経ない姉妹の姉の方』って馬鹿にされますけどがんばります!」
星空「そんなこと言うのね高海さん…」
ダイヤ「それでは、星空さんありがとうございました。とても参考になりましたわ」 星空「どういたしまして。
でも一つだけ言わせて。
選択肢の幅を狭めないで。
麻薬取締官は一つの職業に過ぎない。
でもね、ダイヤちゃんの未来は無限大なんだからね」
ダイヤ「星空さん…ありがとうございます!」
星空「連絡先、教えてもらえるかしら。私にできることなら力になるわ」 ダイヤ「え、え、いいんですか?」
星空「もちろんよ」
ダイヤ「ガラケーとスマートフォンで赤外線って使えますか」
星空「え?ガラケーなの?」
そうしてダイヤは星空とメールアドレスを交換した。
「スマートフォンに変えたらLINEのID教えてね」
と言われ…
ダイヤ「ダイヤちゃん…か。ふふふふふ…」 〜コメダ珈琲店名古屋駅西店〜
ダイヤ「お待たせしましたわ」
鞠莉「忘れ物、あった?」
ダイヤ「ええ。皆さん、ここのコーヒー代は私が払いますわ。待っててれてありがとう」
曜「コメダ結構高いですよ?」
ダイヤ「え?げっ!」 ゆっくり2杯目のコーヒーを飲み終えてから、Aqoursは沼津への帰路についた。
今回の仕事を通して、みんなが何かしらの気づきを得たことだろう。
愛。本音をぶつける大切さ。側にいる人の尊さを。
そして、ダイヤは自分の夢を、作りたい未来を。 この物語は、後に伝説の女麻取と呼ばれた黒澤ダイヤのルーツの物語である。 あんまり関係ないけど小宮さんが薬剤師なりたい時期があったはず 続編が書き始めたはいいものの、書き終わる前に過去ログに入ってしまったので、もしよろしければ見てください。
itest.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1591108736/l50 なんで保守圏内まで溜めてから立てないの?アホなの? >>41
そうです!
先日スレ立てして続編を途中まで書いたところ、、まだ保守圏内ではなく過去ログに連れて行かれました。
今日明日あたりで再度スレ立てして続編投下します。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています