希「真姫ちゃんともう一人の真姫ちゃん」
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はーい、音ノ木坂学院のかしこいかわいい生徒会長の絢瀬絵里よ
前回までのあらすじは
一人暮らしをしていた私は毎日、どこからか感じる気配や視線に不安を感じていたわ
ストーカーかと思った私は警察に相談しようかと悩んでいるとそこに東條さんが
後輩の西木野さんと共に調査を開始、特に異常は見つからず、感じていた気配も消えて一件落着かと思ったわ
けど、階段が壊れてから、全てが変わった
毎日深夜にかかってくる謎の電話と階段を上がってくる音に私は身の危険を感じて、東條さんに相談
そして西木野さんが全てを告げる、ここはやばい場所だってね
そして私は東條さんの家に一旦避難、そしてそこで更なる恐怖を知ることになるの
実は私は一人暮らしじゃなかってとこにね
世の中って本当に怖いことってあるものなのね
絵里「もう、一人暮らしはできないわ」 #4
希「ふっふっふー♪」
真姫「どうしたのよ、希、随分と機嫌がよさそうね」
希「部費の予算が上がったんよ!」
真姫「...この意味不明な集まりに?」
希「むっ...そういうことを言う真姫ちゃんには恩恵を与えてあげないよ!」
真姫「じゃあ、退部します、お世話になりました」ガタッ
希「ごめん!ごめん!冗談だから行かないで!!」 凛「相変わらず真姫ちゃんと希先輩は仲がいいにゃー」
花陽「そうだね...でも、花陽だって真姫ちゃんと仲良しだよ?」
凛「凛もー凛もー!真姫ちゃんと仲良し!」
花陽「もちろん凛ちゃんとも!」
凛「えへへー」
希「うちは?希ちゃんは?」
花陽「もちろん希先輩も」
希 凛「いえーい!!」パシンッ!
真姫「元気よね、貴方達」 希「さて!今日は学校で噂になっているオカルト的な話を集めてきたよ!」
真姫「本当にぶれないわね...」
凛「どんな話があったの?」
希「えっとまずは...首無しライダー」
花陽「く、首無し!?」
希「定番やね、事故でなくなったライダーが自分の首を探してるんだって」
凛「凛はちょっと会いたくないかな?」
真姫「ちょっとじゃなくて、会いたくないわよ!そんなやばそうなやつ」 真姫「というか、言いたくはないけど顔がないのにどうやって探してるのよ」
希「それは....」
花陽「たしかに言われてみれば....」
真姫「でしょ?矛盾してるわよ」
希「それはほら、霊的なあれで...」
真姫「仮にそうだとしても、完全に悪霊じゃない...そんな幽霊」
凛「会ったら呪われそうにゃ」
真姫「いい?なにもしてなくて悪霊に襲われてるっていうなら私は全力でサポートはするつもりだけど...」
真姫「面白半分で首を突っ込んで、厄介なことに巻き込まれて助けてっていうのはやめてよね?迷惑よ」
希「ご、ごめん....真姫ちゃん...」 希「........」シュン
真姫「..........」
凛「真姫ちゃん、言い方がちょっときつすぎだよ?希先輩、元気なくなっちゃったよ?」
真姫「それは...」
花陽「真姫ちゃんは先輩に危ない目に会ってほしくないからつい、強く言いすぎちゃったんだよね?」
真姫「は、花陽!」
花陽「私達のことを思って言ってくれてるんだから、真姫ちゃんを責めないであげて」
凛「真姫ちゃん!」
花陽「まぁ、ちょっと言い方が冷たいかもしれなかったけど、それは真姫ちゃんなりの優しさだから」
真姫「っ〜!!」
凛「あー真姫ちゃん、顔が真っ赤にゃ!」
真姫「うるさい!!」 希「ふふふ....」
真姫「な、なによ...」
希「なんでーも?えい!」ぎゅっ!!
真姫「ひ、ひっつかないでよ!暑苦しい!!」
希「もう冬だよ?暑くなんかないはずだよ?」
真姫「うぅ...ふざけないで!」
希「照れない照れないー」
凛「凛もー凛もー真姫ちゃんにぎゅってする!!」
花陽「じゃあ、花陽も....」
真姫「もう!!なんなんのよ!!」 真姫「疲れた....」
絵里「あら?西木野さん」
真姫「絢瀬先輩」
絵里「相変わらずみたいね」
真姫「まぁ、そうですね」
絵里「最近どう?東條さんは?」
真姫「希ですか?」
絵里「えぇ、大変じゃない?」
真姫「まぁ、そうですね...でも慣れました」
絵里「そう....」
真姫「........」 絵里「あと、この間はありがとね...助かったわ、色々と」
真姫「あぁ...いえ、私は何も...ただアドバイスをしたようなもんですから」
絵里「そんなに謙遜しないでよ、実際、あのまま...あそこに住んでいたらと思うとぞっとするわ」
真姫「会長の身に何も起きなくてなによりです」
絵里「本当に見えるのね、貴方って」
真姫「はい...まぁ、だからと言って何ができるって訳でもないけどね」
絵里「できてるわよ」
真姫「そうですか?」
絵里「希がね、自慢をしてくるのよね」
真姫「自慢?」
絵里「えぇ、貴方に色々と救われたってね、何回も何回もしつこくね」 真姫「っ.....」
絵里「あら?赤くなったわね」
真姫「か、からかわないでください!!」
絵里「ふふ...いつもクールなかんじだけど、可愛いとこもあるのね」
真姫「はぁ....」
絵里「ごめんね?まぁ、これからも東條さんのことをよろしくね」
真姫「私は希の保護者じゃないんですけど....」
絵里「保護者とは思ってないわよ、むしろ....」
真姫「むしろ?」
絵里「....いや、なんでもないわ」
真姫「え?」
絵里「なんでもないわ、またね!」
真姫「えー....」 希「あ!いた!真姫ちゃん!」
真姫「!あ、希」
希「探したんだよ?一緒に帰ろう?」
真姫「えぇ....」
希「今日はどこに寄り道しようかなー?ケーキ屋さんとかどう?」
真姫「また寄り道ー?」
希「ええやん♪ええやん♪早く行こう?」
真姫「仕方ないわね....」
希「〜♪」 希「そういえば、なんで真姫ちゃんはあそこにいたの?」
真姫「あぁ、あそこでばったり絢瀬先輩と会ってね」
希「エリチー会長さんと?」
真姫「えぇ」
希「...なにを話してたの?あ、予算のアップのお願いをしてくれてたの?」
真姫「してないわよ、ただの世間話みたいなものよ」
希「世間話?」
真姫「そうよ、他愛のない話よ」
希「ふーん....」
真姫「?」 希「んー.....」スリスリ
真姫「なによ、希」
希「別にぃ....」
真姫「あのねぇ...」
希「.........」
真姫「なに拗ねてるのよ、もう....」
希「拗ねてないもん」
真姫「はぁ....」 希「.........」ムスッ
真姫「もう....ほら」スッ
希「....なに」
真姫「ケーキよ、食べに来たんでしょ?」
希「....食べさせて」
真姫「え?」
希「真姫ちゃんがうちに食べさせて」
真姫「はぁ....はいはい」
希「はいは一回!」
真姫「もう..わかったわよ、ほら...」スッ
希「あーん」
真姫「........」
真姫(全く...子供みたいなんだから)
希「あーん!!」 希「〜♪」
真姫「機嫌が直ったみたいね」
希「どうかなー?」
真姫「先輩、勘弁してください」
希「先輩って呼ばないで!」
真姫「全くどっちが年上なんだか...」
希「先輩禁止!!」
真姫「はいはい....」
希「さあ、次の店に行くよ!!」
真姫「え!まだ行くの!?」 花陽「〜♪」
凛「よかったね、かよちん」
花陽「うん!新作のこのおにぎり!気になってたの!」
凛「もう、かよちん食べ過ぎないでよ?」
花陽「う、うん....」
花陽「.......」もぐもぐ
凛「.........」
花陽「〜♪」もぐもぐ
凛(相変わらずハムスターみたい....)
凛「こっちのかよちんも凛は大好きにゃー」 凛「ん?あれは....」
真姫「........」テクテク
凛「真姫ちゃんにゃー」
花陽「.......」もぐもぐ
凛「一人でどうしたんだろう?こっちは帰り道とも違う方角のはずだし...それに制服でもないし」
花陽「.....ん?」もぐもぐ
凛「気になるにゃ、追ってみるにゃ!!」ダッ
花陽「!?ま、まへっよ!凛ちゃ!」 凛「........」チラッ
凛「あれ?」
花陽「はぁ...はぁ...ど、どうしたの凛ちゃん?」
凛「うーん....さっき、こっちの方に真姫ちゃんがいたはずなんだけど...」
花陽「真姫ちゃん?」
凛「うん、私服みたいだったけど」
花陽「見間違いじゃないの?」
凛「えー、でもたしかに」
花陽「だって.....」スッ
凛「?スマホがどうしたの?」
花陽「希先輩から、真姫ちゃんと喫茶店に行ってるんだって」
凛「え」 花陽「美味しそうなケーキ....」
凛「.........」
花陽「凛ちゃん?」
凛「じゃあ...さっきに凛が見た真姫ちゃんは...見間違えってこと?」
花陽「多分、そうじゃないの?」
凛「でも...あれは...」
花陽「それに真姫ちゃんの家とは違う方角なのに、私服でこの時間にいるって難しくない?」
凛「!た、たしかに....」
花陽「この時期はマフラーとか、帽子とかで似た感じに見えることもあるし」
凛「う、うーん...そうだったのかな?」
花陽「もしくは真姫ちゃんに本当に似た人がいたのかもね」
凛「...そうかもね!」 真姫「昨日、私に似た人を見た?」
凛「うん」
花陽「花陽は見てないけど、凛ちゃんが見たんだって」
真姫「ふーん...見間違えじゃないの?」
凛「見たの凛は!見たんです!」
真姫「はいはい....で?この真姫ちゃんみたいに可愛かったってこと?その人は」
凛「.......」
真姫「なんで黙るのよ!!」
花陽「あはは...」
真姫「もう....」 希「それはドッペルゲンガーかもね」
凛「ゲンガー?ポケモン?」
希「まぁ、その元ネタになったものかもね」
真姫「........」
花陽「その、ドッペルゲンガーってなんなんですか?」
希「簡単に言えば、自分自身の姿を見る幻覚の一種で『自己像幻視』とも呼ばれるんよ」
凛「??」
希「ようは、幻覚もしくは、生霊やその人の第二の自我の塊ってところやね」
凛「じゃあ、凛は幻覚を見てたってこと?」
希「さぁ、どうやろ?普通にそっくりさんって可能性もあるからね」
真姫「........」 希「ちなみドッペルって言葉はたしかドイツ語で生き写し、コピーって意味があるらしいんよ」
花陽「へー」
凛「希ちゃん詳しいね!」
希「ドッペルゲンガーはオカルト界では有名だからね」
真姫「どんな界よ」
希「ちなみにドッペルゲンガーにはこんな特徴があるんよ」
希「まず、基本的にドッペルゲンガーの人物は周囲の人間と会話をしないんよ、そして忽然と消える」
凛「!....まさか、昨日のも....」
希「.............」
真姫「希?」 希「!ううん!なんでもないよ」
真姫「.......」
希「ちなみにあのリンカーンも、自分のドッペルゲンガーを見たって言われるんよ」
凛「リンカーン?なんかそんな番組あったよね?」
花陽「レストランのやつ面白かったよね」
真姫「大統領でしょ、なに変なことを言ってるのよ」
希「うちは巨大化のやつ好き」
真姫「なんで貴方まで話が脱線してるのよ!」 希「日本だと芥川龍之介もドッペルゲンガーを見たって話しもあるんよ」
真姫「へー....」
希「まぁ、現代では自分自身のドッペルゲンガーを見る場合は病気って場合もあるらしいけどね」
真姫「あー...そういえば、パパから統合失調症の人でそういうケースがあるって聞いたことがあるわね」
凛「...パパ?」
真姫「!と、とにかく!そういう話を聞いたことがあるの!」
花陽「でも今回は凛ちゃんが見たから....」
凛「え!凛、病気なの!?」
真姫「貴方...話を聞いてないでしょ?」 希「まぁ、他人の空似の可能性もあるけどね」
真姫「あら、今回は随分とあっさりと否定したわね」
希「いや、ほら...横顔とか後ろ姿は似てるけど、正面から見たら違うってことよくあるやん?」
凛「あー、わかるにゃー!後ろから声をかけたら違う人ってあるある!」
花陽「恥ずかしいよね...間違えると」
凛「うん、うん」
希「まぁ、本物のドッペルゲンガーならそれはそれでかなりテンションがあがるけどね!」
真姫「いる訳ないでしょ、いたら見て見たいわよ」
希「!そ、そうやね...まぁ、そういうのもロマンがあってええやん?」
真姫「ロマンねぇ...」
花陽「.........」
凛「?かよちん?」 真姫「じゃあ、今日は習い事があるからこの辺で」
凛「うん!バイバーイ!」
希「じゃ、じゃあ!うちも真姫ちゃんと一緒に帰る!!」
真姫「帰るって...今日は寄り道はしないわよ?」
希「寄り道はしないよ、その...もうちょっと真姫ちゃんよ一緒にいたいなーって」
真姫「.....なにを企んでるのか知らないけど、貴方の家は隣町でしょ、余計に遠くなるでしょう?」
希「む...なに、真姫ちゃんはそんなにうちといたくないの?」
真姫「そうは言ってないわよ、ただ...希が大変じゃないかって」
希「うちはええの!真姫ちゃんと一緒に帰るん!!」ガシッ
真姫「子供か!」
希「お願い〜一緒に帰ろうよ〜」
真姫「あーもう!今日だけよ!わかった?」
希「はーい♪」
真姫「全く調子がいいんだから」 真姫「......なんで」
花陽「ん?」
凛「どうしたの、真姫ちゃん?」
希「.......」
真姫「なんで皆ついてくるのよ!」
凛「まぁ、まぁ」
花陽「たまには皆でこうやって帰るのもありかなって」
真姫「........」
花陽「ね?希先輩?」
希「!う、うん...そうやね!」
凛「なんかRPGみたいだね!縦に並んで歩く?」
真姫「歩かないわよ!」 真姫「本当に家までついてきたわね」
希「相変わらず立派なお家やね」
凛「じゃあ、真姫ちゃんまた明日ね!」
花陽「ばいばい!」
真姫「...今日は時間がないからあれだけど...今度はお茶くらいは出すから」
凛「え!じゃあ!また来ていいの!?」
真姫「まぁ、うん...その友達だし」
花陽「真姫ちゃん!」
希「じゃあ、高級なお菓子をよろしくね!」
真姫「...希を除いて」
希「え....」 希「さて...うちらも帰ろうか」
凛「そうですね」
花陽「......希先輩」
希「ん?なぁに?花陽ちゃん?」
花陽「何か隠してますよね」
希「なんのこと?」
凛「え?」
花陽「...ドッペルゲンガー」
希「!」
花陽「やっぱり....」
凛「??」 花陽「希先輩、花陽ね...花陽も真姫ちゃんや先輩とかの役に立てたらいいなって思って勉強してるんです」
希「そうなん?勉強熱心で偉いなぁ」
花陽「ドッペルゲンガーにはこんな話もあるんですねよね?」
希「.......花陽ちゃん」
花陽「ドッペルゲンガーは死の予兆...」
希「花陽ちゃん!!!」
凛「!!」
花陽「...........」 凛「ど、どういうことなの?かよちん?希先輩?」
希「.......」
花陽「先輩、一人で抱え込まないでください、私達だっています」
花陽「真姫ちゃんを助けたい気持ちは一緒です!!」
希「...花陽ちゃんには敵わないなぁ...」
凛「もう!!凛にもちゃんと説明してよ!!」
花陽「!ごめん、ごめん」
凛「もう...仲間外れにしないでほしいにゃ」
希「わかった、ちゃんと説明するよ、場所をちょっと変えようか?」 希「さて...ここでええかな?」
凛「この時間の神田明神は夕日が見えて綺麗にゃ」
花陽「じゃあ、説明するね」
希「ドッペルゲンガーっていうのは自分のドッペルゲンガーを見たら死ぬって言われてるんよ」
凛「え...」
希「所説あるけど、死の予兆とも言われる場合もあるんよ」
花陽「.......」
希「ある人は見た瞬間に心臓麻痺でショック死をしてしまったり、ある人は何年も精神をボロボロになって...時には自殺も」
凛「ま、待ってよ!!じゃあ、それって」
希「もしかしたら、凛ちゃんが見たのが本物のドッペルゲンガーだったら...」
凛「ま、真姫ちゃんが危ない!!」 希「まぁ、もしかしたらっていう可能性なんだけどね」
花陽「だから先輩は真姫ちゃんを心配して家までついていったんだよ」
凛「そっか...そういうことだったんですね」
希「真姫ちゃんの...いや、うちらの周りはスピリチュアルなことが多いやん?」
凛「たしかに...マンションに、海に....」
花陽「たしかにそうだね」
希「だから...嫌な予感っていうか...その...」
凛「野生の勘?」
花陽「どっちかって言うと虫の知らせじゃないかな?」 希「いつも真姫ちゃんには助けてもらってるし」
花陽「そうだね...」
凛「でも海の時は」
希「結果はどうあれ、巻き込まれる原因を作ったのはうちだし」
花陽「そんなに自分を責めないでください」
希「自分がわがままでずるい人間だっていうのはわかってるんよ」
凛「ずるい?」
希「何度も怖い目にあってもうちが懲りずに部活を理由に皆を巻き込んでるんよ」
花陽「.......」
希「だって、そうしないと...うちと真姫ちゃんを繋ぐものがなくなっちゃうだもん」
希「もちろん、花陽ちゃんや凛ちゃんも一緒、危険な目に合わせる可能性があるのにこうやって一緒にいる...うちが一人になるのが怖いから、嫌だからってね」
希「うちはわがままで嫌な人間なんよ」
凛「先輩.....」 花陽「そうかもしれませんね」
凛「かよちん!?」
花陽「でも!今はそんな自分を責めてる場合ですか?違いますよね?」
希「.....」
花陽「今は真姫ちゃんを助ける、守ることが最優先じゃないんですか?」
希「そうやね....」
凛「凛はね、二人と違ってれーかんとか?ないけど、これも一つの道だと思うんだ」
凛「だから無理矢理巻き込まれたとか、嫌だとかは思ったことはないよ、それも...えっと...そう、運命なんだよ」
凛「自分の大切な人を守りたいから守る!それだけ!」
希「凛ちゃん....」
凛「真姫ちゃんもかよちんも、もちろん先輩も!」 花陽「人ってわがままなんです、だからそのわがままを通すために頑張るんだと思います」
凛「だから凛もわがまま言いますね、一緒に真姫ちゃんを守るにゃ」
希「本当に...二人共優しいなぁ....」
花陽「ふふふ....」
凛「そうと決まったら!明日から頑張るにゃー!」
花陽「おー」
希「うん、頑張ろう!」
バタン
真姫「ドッペルゲンガーか.....」
真姫「それも運命ってことなのかしら?」
真姫「..........」 凛「おはよー!」
真姫「...うん、おはよう」
花陽「じゃあ、行こうか?」
真姫「えぇ....」
希「ふふ.....」
真姫「なんで希まで私の家まで迎えに来てるのよ」
希「ええやん、うちだって真姫ちゃんと一緒に登校したいもん!」
真姫「まぁ、別に希がいいならいいけど...遠くないの?」
希「うん、余裕!いい運動になるよ、早起きは三文の徳だしね」
真姫「ふーん.....」 凛「........」テクテク
花陽「........」テクテク
真姫「ねぇ....」
希「ん?なに?真姫ちゃん?」
真姫「なんで私を囲むようにして皆、歩いてるのよ」
凛「あ、えっと...あれだよ!あれ!」
希「SPごっこだよ!いかがですか?真姫お嬢様?」
真姫「いや、なんか恥ずかしいんだけど」
希「気にしない、気にしない」
真姫「いや、気にするわよ!!」 真姫「なにか、企んでるの?」
希「企んでるなんてひどいなぁ!うちは真姫ちゃんを大事にしてるってことの証だよ」
真姫「ふーん...花陽」
花陽「!な、なに?」
真姫「なにかあったの?」
花陽「え?」
真姫「希になんか言われたの?凛ならまだしも、貴方まで一緒になってやるなんて」
凛「真姫ちゃんひどいにゃ」
花陽「別になにもないよ?」
真姫「...本当?」
花陽「うん」 真姫「じゃあ、なんでこんなことをしているのよ」
花陽「えっと...二人に流されちゃったみたいな?」
真姫「....そう、二人共、花陽に迷惑をかけないでよ」
凛「む!真姫ちゃん凛に冷たくない?」
希「そうだ!そうだ!花陽ちゃんだけに甘いよ、えこひいきや!」
凛「えこひいき!えこひいき!」
真姫「小学生か!!」 絵里「貴方達」
真姫「!あ、生徒会長、おはようございます」
絵里「おはよう、道の真ん中で騒ぐのは感心しないわね」
花陽「あ、ごめんなさい....」
絵里「元気なのはいいことだけどね...TPOをわきまえてね?」
希「はーい」
絵里「...というか、なんで西木野さんを囲むようにして歩いてるの?」
真姫「これは皆が勝手に...」
希「SPごっこや!」
絵里「...東條さん?あなたいくつ?」
希「いくつに見える?」
絵里「貴方は私と同級生でしょうが!」 真姫「....はぁ、朝からなんか疲れたわ」
花陽「ごめんね、真姫ちゃん?」
凛「帰りもやろうかなー?」
真姫「やめなさい、恥ずかしいっての」
凛「真姫ちゃんは恥ずかしがり屋さんにゃー」
真姫「いやいや、普通あんなことされたら誰でも恥ずかしいっての」
花陽「あはは...次からは気をつけるね」
凛「少しは喜んでほしいにゃ....」
真姫「いや、だってそもそも頼んでないから」 希「..........」ペラ
絵里「また、変な雑誌を読んでるの?」
希「!エリチ会長さん」
絵里「ドッペルゲンガー特集?」
希「うん、ちょっと興味があって」
絵里「持ち込むなとは言わないけど、朝みたいなことはしちゃだめよ?」
希「うん、気を付ける」
絵里「...真剣な顔をしてるわね」
希「はい?」
絵里「授業の時もそれくらい真剣にしてくれればいいのに」
希「あはは....」
絵里「........」 絵里「なにかあったの?」
希「いや、特にはなんもないよ」
絵里「ふーん....」
希「........」ジッー
絵里「.........」
希「........」ペラ
絵里「嘘ね」
希「!」
絵里「あ、反応した」
希「もうなんなん?意地悪しないでよ、会長さん」 絵里「西木野さん....になにかあったんじゃないの?」
希「!」ガタッ
絵里「やっぱり...」
希「っ...なんで会長さんがそんなことを知ってるん?」
絵里「貴方がそんなに真剣な顔になるってことは後輩になにかあったくらしいしか考えられないし」
希「後輩とは限らないよ?」
絵里「貴方、他に友達いないじゃない」
希「それはさすがにひどくない?」
絵里「事実でしょ?」
希「うぅ....」 絵里「まぁ、そういう私も友達はいないんだけどね」
希「え、そうなん?」
絵里「うーん...まぁ、そうね、まぁ、生徒会長だし」
希「あー....」
絵里「あー...ってなによ」
希「いや会長さんって硬そうなイメージがあるし」
絵里「そうかしら?」
希「うん、怖い硬いってイメージが強いよ?」
絵里「怖いって...私って怖い?」
希「うちは怖くないけど、会長さんのことをよく知らないとそう誤解されてそうなイメージかな?表情硬いし」
絵里「硬い...」
希「でも、会長さんを知ってる人ならわかるはずだよ、会長さんが険しい顔をしてるのは皆の為に頑張ってるからだって」
絵里「東條さん....」 絵里「ねぇ、東條さん」
希「ん?」
絵里「今頼ってとは言わないわ、なにか困ったことがあったら私も頼ってもいいのよ?」
希「会長さん...」
絵里「絵里でいいわ、今は生徒会長としではなくて、一人の貴方の友人として聞いてほしいの」
希「え、それって」
絵里「私と...希は友達よ」
希「絵里...ちゃん...」
絵里「よろしくね?希?」スッ
希「....うん!よろしく!」 絵里「そう...ドッペルゲンガーね...」
希「まぁ、まだ確定って訳ではないんだけど」
絵里「わかったわ、とりあえず連絡先を交換しておきましょう」
希「え?」
絵里「いきなり私が西木野さんの周りをうろついたらさすがに色々と目立つでしょ?」
希「たしかに...」
絵里「なら、なにかあったら呼んで頂戴?力にはなれるかはわからないけど」
希「ありがとう...絵里ちゃ、絵里ちゃん」
絵里「今のいいわね」
希「?」
絵里「私ね、エリーチカって呼ばれたのよ?」
希「うん、知ってるよ」
絵里「そういえば、エリチー会長って呼ばれてたわね、じゃあエリチって呼んで」
希「えっと...エリチ?」
絵里「うん、なんかしっくりくるわね」 絵里「じゃあ、なにかあったら連絡を頂戴」
希「うん」
絵里「じゃあねー」
希「うん、ばいばい」
希「......ありがとう」
真姫「ねぇ...」
凛「なに?」
真姫「これって朝の続き?」
希「うん」
真姫「恥ずかしいんだけど」
花陽「あはは....」 絵里「貴方達」
凛「!」
花陽「せ、生徒会長さん」
絵里「........」
真姫「あ、すいません....騒がしかったですか?」
絵里「いえ、気をつけて帰ってね」
真姫「え?」
絵里「最近、世の中物騒だからそう帰るものありかもね」
希「エリチ....」
真姫「...ん?」
絵里「じゃあねー」
真姫「........」 真姫「結局、家までついてくるのね」
希「まぁ、いい運動?」
真姫「はぁ...何を企んでるのか知らないけど...」
凛「企むなんてひどいにゃ!」
真姫「...まぁ、いいわ、上がっていく?」
花陽「え?いいの?」
真姫「今日はなにもないし、まぁ、皆がいいなら...」
凛「上がってく!!お菓子!」
希「高級なお茶菓子がうちを待っているんや!」
真姫「貴方達ねぇ...」 真姫「はい、紅茶」
花陽「ありがとう」
凛「じゃあ...紅茶が皆に行きわたったところで乾杯にゃ!」
真姫「いや、お酒じゃないんだから」
希「我ら4人、姓は違えども....」
真姫「ボケにボケをかぶせないで!なに誓ってんのよ!」
花陽「このお菓子、美味しい.....」モグモグ
真姫「...花陽が唯一の癒しね」
希「む.....」 希「ん?このノートは....」スッ
真姫「!!」
希「もしかして真姫ちゃんの日記とかー?」
真姫「だめ!!それは!」
希「少しくらいいいでしょ?」
真姫「だめだって言ってるでしょ!!!!」
希「!!」ビクッ
花陽 凛「!?」
真姫「.....!...あ、ご、ごめんなさい...」 真姫「その...日記みたいなものなのよ、だから読まれたくなくって」
希「いいんよ...その、ごめん...」
花陽「.......」もぐもぐ
真姫「.........」
希「..........」
凛「え、えっと....」
花陽「皆、紅茶さめちゃうよ?」
真姫「!そ、そうね...」
希「う、うん....」
花陽「.........」 凛「じゃあ、そろそろ帰ろうか?」
花陽「うん、希先輩はどうする?」
希「じゃあ、うちも....」
真姫「ちょっと待って」
凛「?皆、私に何か隠してない?」
希「!」
花陽「隠し事?」
真姫「えぇ...今朝から不自然よ、貴方達」
希「.......」
真姫「もしかしてだけど、ドッペルゲンガーのこととかしら?」
凛「!?な、なんで!」
花陽「凛ちゃん!」
凛「あ」
真姫「やっぱりね....」 希「やっぱりって...どういうこと?」
真姫「え?」
希「見たってこと!?ねぇ!見たの!?」ガシッ
真姫「い、痛いわよ!希!」
希「真姫ちゃん!!」
花陽「の、希先輩!!」
凛「お、落ち着くにゃ!!」
希「ねぇ!真姫ちゃん!」
真姫「み、見てないわよ!!見てないわ!!」 希「....本当?」
真姫「本当よ」
希「本当の本当?」
希「....よかった」ガクッ
真姫「希!?」
凛「先輩!大丈夫?」
希「あはは...気が抜けて腰が抜けちゃったよ」
真姫「もう、びっくりさせないでよ」
花陽「それはこっちの台詞だよぉ」
凛「そうにゃ、そうにゃ!」 真姫「こっちの台詞ってどういう意味よ?」
花陽「!」
凛「そ、それは....」
真姫「やっぱりね...自分のドッペルゲンガーを見たら死が訪れるかもしれない...」
希「真姫ちゃん...もしかして...」
真姫「えぇ、知ってるわ、見たら死ぬかもしれないんでしょ?高確率で」
花陽「......」
凛「真姫ちゃん....」
真姫「それがどうしたの?大したことじゃないじゃない」
希「大したことじゃない?」
真姫「えぇ」
希「........」 真姫「そもそも本当かどうかもわからないんでしょ?凛が見たっていう、それがドッペルゲンガーかどうか」
花陽「それはそうだけど....」
真姫「なら気にする必要はないんじゃないの?」
凛「でも、皆、真姫ちゃんが心配で!」
真姫「ありがとう...でもね、仮に本当に私のドッペルゲンガーいたとしたらどうするの?」
希「なんとかするに決まってるやん...」
真姫「どうにかする?神出鬼没で正体不明のドッペルゲンガーを?」
希「そうするしかないやん!!真姫ちゃんが...真姫ちゃんが死んじゃうかもしてれないんだよ!」
真姫「それはそれで仕方ないんじゃない?」
希「!」 希「仕方ない?...仕方ない!?」
真姫「私はね、ドッペルゲンガーって一種の死神みたいなものだと思うのよ」
花陽「死神って...真姫ちゃん...もしかして」
真姫「これも運命、きっと私の命が....」
希「!!!」グッ!
凛「希先輩!!」
真姫「....離してよ....」
希「真姫ちゃんでも言っていいことと悪いことがあるよ」
真姫「人間は...人はいつか死ぬのよ...それが皆より少し早いだけなのかもしれない、それだけのことよ」
希「っ.....!!」
凛「真姫ちゃん!!先輩もやめて!!」 真姫「いい?私のお父さんがお医者さんだからいうわ、人は簡単に死ぬのよ」
真姫「こうして今生きてることも奇跡みたいなものなのよ」
希「....なんでそんなことをいうん....」
真姫「私だけが特別ってことはないの、事故や病気で毎日、年齢も性別も関係なく人は死んでいくわ」
希「....やめて...」
真姫「それに私は一回、事故で死にかけてこうして生きている...きっとロスタイムが終わったのよ」
希「やめてよ!!!」
真姫「だから悔いはないわ....うん...まぁ、ドッペルゲンガーがいるかすら、わかんない状況だし、大袈裟かもしれないけど」
花陽「なんで...なんでそんなに涼しい顔をしてそんなことを言えるの?」
真姫「だって...私にはこんな...こんな私のことを心配してくれる友達や先輩がいるんだもの...」
凛「真姫ちゃん...でも....」
真姫「それだけで私は幸せよ、なんてね?」 希「っ!!.......」ダッ
凛「希先輩!!」
真姫「希.....」
花陽「真姫ちゃん!凛ちゃん、先輩を追いかけないと!!」
真姫「.........」
凛「かよちん!真姫ちゃんを頼んだよ!!」
花陽「うん!!」
凛「真姫ちゃん!!」
真姫「なに?」
凛「凛は難しい事はわからないけど、凛は諦め悪いから!真姫ちゃんになんて言われても諦めないからね!」ダッ
真姫「......そう」 真姫「ふぅ.....」
花陽「真姫ちゃん....」
真姫「花陽、ごめんね?」
花陽「え?」
真姫「私って不器用だから...でもね、皆と会えてよかったと思ってるの本当によかったと思ってるわ」
花陽「......」
真姫「だからね.....」プルプル
花陽「!」
真姫「私だって...信じたくないわよ...でも仕方ないじゃない!」
真姫「運命から逃げられない、だから...最後をどう迎えるかが大事だと思うのよ」
花陽「真姫ちゃん、もしかして...」
真姫「大丈夫よ、私は見ないからまだ...私はね」 真姫「私だってそんな簡単には死にたくはないわ...でも、そのせいで皆が危険な目に遭うくらいなら、私は...」
花陽「でも...真姫ちゃん」
ピンポーン!
花陽「!!」
真姫「誰かしら?....」
花陽「凛ちゃんが戻ってきたのかな?」
ピンポーン!
真姫「はいはい、出るわよ」
花陽「あ、待ってよ!真姫ちゃん」 真姫「はい」ガチャ
「........」
真姫「!!!!」
花陽「あ!!そ、な.....」
「.........」スッ
真姫「っ!!!」
花陽「真姫ちゃん!!」グッ
真姫「!?」
花陽「逃げるよ!!早く!!!」 花陽「真姫ちゃん!他に入り口は?」
真姫「はぁ...はぁ...こっちよ!!」
花陽「携帯....しまった、部屋に....」
真姫「サイズが合うかはわからないけど、靴はあるわよ!」
花陽「とりあえず早く逃げないと!!」
真姫「でも...逃げても無駄なんじゃ....」
花陽「いいから!!早く逃げるよ!!!」
真姫「う、うん!」 真姫「はぁ....はぁ.....」タッタッタッ
花陽「っく....とにかく私の家に!!」タッタッタッ
絵里「ん?あれは....西木野さんとたしか...小泉さん...」
絵里「なにかあったのかしら?」
絵里「......まさかね?」
凛「うーん.....」キョロキョロ
希「.......」
凛「いたにゃ!」
希「凛ちゃん...」
凛「もう...いきなり飛び出さないでよ、探したんだよ?」
希「ごめん....」 凛「たしかに、さっきの真姫ちゃんはひどかったと思うよ?でもさ...」
希「あんな言い方ないやん!自分が死んでも構わないって!」
凛「うん...でも、真姫ちゃんが本心であんなことを言うのかな?って」
希「え?」
凛「真姫ちゃんもさ...きっと不安だと思うよ...けど、真姫ちゃんって自分よりも他人を優先させたりするじゃん」
凛「だから...さっきのは本心じゃないと思うんだよ」
希「........」
凛「真姫ちゃんは素直じゃないから」
希「...そうかもね?」 〜♪
凛「ん?」
希「あ、うちのスマホだ....ん?エリチ?」
希「もしもし?」
絵里『あー希?どこにいる?』
希「公園にいるけど」
絵里『そう、さっきね西木野さんと小泉さんを見たんだけど』
希「え!」
絵里『なんか血相を変えて走ってけど、なにかあったの?』
希「...まさか!」
絵里『どうしたの?希?』
希「エリチ!!どこで見たの?どこに向かって行ったの!?」
凛「ど、どうしたの?希ちゃん?」
希「もしかしたら.....」 絵里「わかったわ、私も追ってみるわ!」
希『ありがとう、エリチ!うちもすぐに向かう!』
絵里「いえいえ、どうやらお役に立てる時がきたようね」
希『エリチ...』
絵里「じゃあ、一旦切るわね、なにかあったら連絡するわ!」
希『うん』ガチャ!
絵里「さて...と....ん?」
真姫「.........」テクテク
絵里「西木野さん?....いや、さっき西木野さんはさっき走っていったはず」
絵里「じゃあ、あれは.....」
絵里「ドッペルゲンガー?」
真姫「.......」スッ
絵里「き、消えた!?」 真姫「工事中?通行止め?」
花陽「こんなの朝はなかったはずなのに」
真姫「...これも運命ってことなのかしら?」
花陽「何を言ってる!諦めちゃだめだよ!!」
「..........」スッ
真姫「!!」
花陽「そ、そんな...」
真姫「っ!こっちよ!」
花陽「う、うん!!」 真姫「はぁ...はぁ....」
花陽「っく...ここは....」
真姫「我ながら...馬鹿ね...こんな廃ビルに逃げ込むなんて...」
花陽「仕方ないよ...他に道がなかったんだから...」
真姫「花陽...逃げなさい...今からでも貴方だけでも...」
花陽「だめだよ!!絶対に真姫ちゃんは皆で守るんだから...」
真姫「花陽...ありがとう...」
花陽「ふふふ」
グラ!!グラ!!
花陽「!?」
真姫「地震!?」
ドーン!!
真姫 花陽「!?」 真姫「痛たた....花陽?」
真姫「花陽!?」
花陽『大丈夫だよ?真姫ちゃん!』
真姫「どこにいるの?」
花陽『今の地震で天井が崩れてきたみたい...』
真姫「まさか...この瓦礫の向こう?だ、大丈夫なの!?」
花陽『うん』
真姫「こっち側には出口とかあるのかしら?」
花陽『ここは3Fだから...多分、階段で降りれれば外に出られるんじゃないのかな?』
真姫「そうね...花陽も外に出たほうがいいかも...この感じ、やつはここにいるわ」
花陽『!そ、そうだね...でも...』
真姫「いいから!!外で落ち合うわよ!!」
花陽『わ、わかったよ!!』
真姫「さて....どうしたもんかしら?」 真姫「...階段は無事みたいね...よし...」
コツコツ...コツコツ
真姫「!!」
「...........」
真姫「いつの間に上に....早く逃げないと!!」
真姫「はぁ...はぁ...」
真姫「あともう少し、あそこから出られるはず!」
真姫「あともう少し!!」
ドン!!
真姫「よし!!外に出られたわ」 真姫「花陽は?」キョロキョロ
花陽「真姫ちゃん!」
真姫「花陽!!よかった無事なのね」
花陽「うん.....」
真姫「あいつは多分中にいるわ、早く逃げて!」
花陽「真姫ちゃんも...早く!!」
真姫「わかったでしょ!さっきの地震の倒壊もそう!貴方まで危険な目に!!」
グラ!
真姫「!!」
花陽「!?」
真姫「危ない!!」
ドーン!!
絵里「!?なんの音!?」 花陽「.......」
真姫「花陽!?花陽!!」
花陽「.......」
絵里「い、一体なんの音?」
真姫「!!」
絵里「西木野さんと小泉さん!?」
真姫「生徒会長...」
絵里「どうしたの!?」
「.........」スタスタ
真姫「!」
絵里「西木野さんが二人....」 絵里「小泉さんは大丈夫!?」
真姫「はい、多分気を失ってるはずです」
絵里「そう、よかったわ...」
真姫「会長、花陽をお願いします」
絵里「え?」
真姫「これ以上、誰かを巻き込むのは嫌なの....」
絵里「待って!今、希達を呼ぶから!!」
真姫「っ....こっちよ!!!わたしはここよ!!」ダッ
「.........」
絵里「西木野さん!!」 真姫「はぁ...はぁ....」
真姫「まさかこんなことでこんなに走ることになるなんてね...」
真姫「なるべく人気のないところへ!」
花陽「......」
真姫「花陽...ごめんね....」
真姫「もう...誰も巻き込まないから....」
真姫「たどり着いた先がここなんてね?」
真姫「でも、この時間なら誰もいないはず....」
真姫「...最後くらいなら、少しくらいならいいわよね?」 真姫「.........」スッ
〜♪
真姫「..........」
真姫「私...未練がたらたらね...」
希「いいんじゃないの?」
真姫「希.....」
希「見つけたよ、本当に...本当に馬鹿なんだから!」
真姫「.......」
希「嫌なら素直に嫌だって言ってよ!」
真姫「そうね....」
希「うちは...私は真姫ちゃんと離れたくない!!」
真姫「.......」 真姫「でも運命は決まってるようなものよ」
希「運命は決まってるものばっかじゃない!変えられるものもある!!」
真姫「......」
希「だからうちも、花陽ちゃんも凛ちゃんも...皆こうしてるんじゃない!!」
真姫「...馬鹿なんだから...」
希「うちは頭悪いもん!!馬鹿だもん!!」
真姫「そうかもね...私も含めて」
希「真姫ちゃん....」
真姫「もう少しあがいて....」
「.........」 真姫「!!」
希「真姫ちゃん!!」サッ
真姫「希!」
希「真姫ちゃんはうちが守る!」
真姫「希.....」
希「運命は変えられる!!」
「...........」 絵里「そうよ」ガラッ
真姫「!生徒会長....」
凛「凛もいるよ」
花陽「やっと追いついた....」
真姫「凛...花陽...花陽、大丈夫なの!?」
花陽「うん...大丈夫だよ?」
真姫「そう...よかった....」
絵里「全く...最近トラブルばっかね....」
「.......」
絵里「さぁ、奪えるもんなら奪ってみなさい」
凛「どっからでもかかってこいにゃー!」
花陽「ドッペルゲンガーを煽るのはどうなの?」 「.........」
真姫「........」
ピピッ!
花陽「!?」
絵里「あ、ごめんなさい...私の時計よ」
「時間切れね」
凛「しゃ、喋ったぁ!!!」
「次は....年後に来るから」フッ
花陽「き、消えた!?」 真姫「.....」ガクッ
希「真姫ちゃん!」
真姫「気が抜けたみたい...ごめんなさい」
凛「終わったってこと?」
花陽「よ、よかったぁ....」
絵里「一件落着ってことかしら?」
希「多分...そうやね」
凛「ねぇ、お腹すいたし、皆でラーメン食べにいかない?」
花陽「いいね!花陽もお腹すいちゃった」
真姫「...呑気なんだから」
絵里「私もいっていいかしら?」
凛「大歓迎にゃー」 希「真姫ちゃん」
真姫「なによ、希?」
希「運命は変えられる!うちは実はエリチと友達になったんよ」
真姫「生徒会長と?」
希「うん!」
真姫「そう...よかったわね」
希「まぁ、真姫ちゃんが一番だけどね!」
真姫「はいはい」
希「むしろ嫁?」
真姫「意味わかんない」 真姫「........」
真姫(運命か....)
「次は....年後に来るから」フッ
真姫(次もそう言って貴方達が助けてくれるのかしらね?)
希「ん?なに?」
真姫「なんでもないわ」
希「そう....」
真姫「.......」
真姫「おしまいよ」 おしまいです
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