15日の衆院予算委員会の集中審議で、立憲民主党から元首相の野田佳彦氏が質問に立った。野田氏が予算委の質問に立つのは7年ぶりという。菅義偉首相に対し、「今日は予算委員会の質疑というよりも、党首討論のつもりで質問をしたい」と意気込みを示した。

 最初に、菅氏が首相官邸の隣にある公邸に住まず、衆議院の赤坂宿舎に住み続けていることを取り上げた。前々首相の野田氏は首相時代に公邸に住んでいたが、安倍晋三前首相は7年8カ月の任期中、渋谷区富ケ谷の私邸から車で15分ほどかけて官邸に通った。菅氏も公邸には住まず、官邸から車で5分ほどの赤坂宿舎から通っている。

 福島県沖を震源とする13日夜の地震では、菅氏は発生から20分ほどで赤坂宿舎から官邸に入った。野田氏は「首都直下型地震だったらどうなったか。道路が陥没し、倒壊した建物で、道路寸断される可能性がある。信号機も機能しないかもしれない。そんなときに赤坂と永田町は目と鼻の先だけれども、20分では到達しないだろう」と指摘した。

 その上で、「(公邸なら官邸まで)歩いて0分だ。なぜ入らないのか。いまは空き家だけど、1億6千万円の維持管理費がかかっている。総合的に考えても、公邸に入らない理由が分からない」とただした。

 菅氏は「大事なのは、緊急事態に対応することができるかどうか。緊急事態には対応していく態勢は日ごろからしっかり取っている」と反論した。

 野田氏は「非常にかたくなだが、合理的な理由にはなっていない。総理はわがままだ」と批判した。

朝日新聞
2021年2月15日 13時16分
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