自民党の石破茂前地方創生担当相は2日午前放送のラジオ日本番組で、憲法改正を来年秋に行われる党総裁選のテーマとすることに慎重な考えを示した。「あまり気が進まない。(自衛隊を憲法に明文化することは)9条3項だろうが、9条の2だろうが、現状を追認する話だ。それより財政や少子化、社会保障をどうするかのほうがテーマになるべきだ」と述べた。

 石破氏は5月15日に出演した民放番組で、憲法9条改正に関し「総裁選に名乗りをあげる者は、この問題を絶対避けて通ってはいけない。安全保障環境が激変している中で、これを総裁選で論じないで何を論じるのか」と強調していたが、一転した。

 ラジオ日本番組では9条1、2項を維持し、自衛隊の存在を明文化する安倍晋三首相(自民党総裁)の意向に重ねて反対した。「今まで3項を付け加える議論が出てこなかったのは、そんなことをやってはいけないというコンセンサス(合意)があった。それを乗り越えようというのだからアンビシャス(野心的)な試みだが、論理的整合性(がない)という点で賛成できない」と訴えた。

 さらに連合国軍総司令部(GHQ)の占領下で制定された現行憲法に、独立国に必要な軍隊などの規定はないことに言及し、自衛隊を軍隊と明確に位置づけないままの改正に強く反対した。「ことの本質から目をそらすやり方は、必ず後世に禍根を残す。やってはいけないことははっきりしていて、今さえよければいいという考え方には与(くみ)しない」と語った。

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