彼方「一秒でも」 しずく「長く」
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近江家 4月3日
─チュン チュン
しずく「ん…ふあ…」
彼方「すやぁ…zz」ムギュウ
しずく「…あぁ、かなたさん…」
しずく(わあ、すごく顔近い…)ナデナデ
彼方「えへへぇ…」zzZ
しずく(…かわいい)ナデナデ しずく(ぁっ、えっと…今何時…スマホ…)スッ
しずく(わ…みんなからお祝いのメッセージ来てた…早めに寝ちゃったからなぁ…お返事しとこう)スッ スッ
しずく「……ふふ、嬉しいな」
遥「あっ、しずくちゃんおはよう」
しずく「ん…あ、おはよう遥さん…ふあぁ…」
遥「あ、もう少し寝ててもいいよ?」 しずく「ん…んーん、起きる…」
遥「そっか…あ、しずくちゃん。お誕生日おめでとう」
しずく「…ありがとう」ニコリ
彼方「……zzZ」ギュ
遥「お姉ちゃんにしっかりホールドされちゃってるね」
しずく「あはは、昨夜からずっとこれだよ…よいしょ…ごめんなさい彼方さん…」ヒキハガシ
しずく「ん…というか遥さん、早起きだね」ムクリ
遥「うん、朝ごはん作ろうって思って…今作ってるんだ」 しずく「あ、じゃあ私も手伝うよ」
遥「えっ、いいよしずくちゃんは…お誕生日なんだし」
しずく「お誕生日とか関係ないよ、私も作りたいし…彼方さんが寝てる間に作ろ?」
遥「…しずくちゃんがいいなら…じゃあ、一緒にやろっか」
しずく「うんっ、やろっ」
彼方「ムニャムニャ…zzZ」
しずく「…ふふ」ナデナデ
彼方さんは明日、進学先に近い場所に引っ越すことになってる 本当は元々遥さんが心配だから離れたくないという事でここから通うつもりではいたらしいけど
(こちらとしては逆に彼方さんの方が心配だけど)
さすがにここからだと遠すぎるし…行けない距離でもないけど進学してまで彼方さんの負担になってしまうのは、遥さんとしても本意じゃないと思う
だから遥さんの説得あって渋々引っ越すことにしたらしい
まぁ、引っ越しても暇があればここに居着いてそうだけど…彼方さんなら全然有り得る…
そんなこんなで昨日まで引っ越しの準備や入学の準備やらで時間が取れない状況が続いていて…あまり気軽に会える時間が無くなっていたけど…
彼方さんは私との時間のために昨日と、私の誕生日である今日の予定を空けてくれていた 昨日は同好会の皆さんでお花見に行った
もちろん彼方さんと一緒に卒業した果林さんやエマさんも一緒で。
お誕生日前日だったけれど、皆にお祝いしていただいて…本当に嬉しかった
そして彼方さんの作ってくれたケーキも食べた…美味しかったなぁ。
こんな至福な一日を過ごせてしまうとは…。ちょっと反動がこわいね。
そして、彼方さんが一緒に私の誕生日を迎えたいと言ってくれたので、私の希望で彼方さんの家に泊めさせてもらった
彼方さんのすぐ横で寝ることになったけど…流石に2人だと少し狭かったかもしれない でも彼方さんの匂いに包まれながら眠るのはかなり贅沢な気がして…
狭さはあんまり気にならなかった
寧ろおかげでいい夢を見れたと思う。
今日も今日で幸せな一日になりそう
そうそう…今日は、彼方さんとのデートで
お付き合いをはじめてから初めてのデートになる
なんなら人生初の、かな。
二月に起こった出来事がなければ、きっと今この場所にもいなかっただろうし、勿論彼方さんの横で眠ることもなかったんだろうなぁ
まぁ、その出来事があって心から良かったとは素直に思えないところなんだけど… 大好きな人を1度でも傷付けてしまうのは、かなり精神的にくるものだし。
…未だにあの時の苦渋に満ちた彼方さんの表情が思い浮かぶことがある。お付き合いしてからもたまに、夢に出てきてしまうほど。
思い出してしまうと、普段以上に彼方さんに会いたくなるし、離れたくなくなってしまう。
まぁそれもあるし、一緒にいれる時間も限られているから…今日はなるべく長く一緒にいたいな。きっと今日が終わっちゃえば、しばらく会えなくなっちゃうかもだし
ひとまず…いかにして彼方さんと1秒でも長く過ごせるのか…考えておこう
しずく「……うーん…」 遥「しずくちゃん?ちょっと、お味噌汁の味見してもらってもいいかな?」スッ
しずく「あっ、うん…」ズズ
しずく「……うーん」
遥「だめ…?」
しずく「あ、ううん?ちょうどいいと思う!」 遥「良かったあ…」パァァ
しずく「わ…」
しずく(…今そこで、天使を見たよ、ほんとだよ)
しずく(ああ、天使過ぎて思わずしょうもない一句読んじゃった)
しずく(私も遥さんみたいな妹が欲しかったなあ…)ナデナデ
遥「…!?あっ、ちょ!また妹扱いしてるでしょしずくちゃん!」バッ しずく「ええっ、してないよ?」
遥「ほんとに〜?どうせ私みたいな妹がほしいって思ったんでしょ〜っ」
しずく「……」
遥「むぅ…やっぱり思ったんだね」
しずく「思ってないよ?遥は可愛いなぁって思っただけだよ?」
遥「呼び捨てになってるよ!?」 しずく「あ、ごめんね?つい姉になりきってたよ」
遥「ぐぬぬ…そっちがその気なら私だってしずくって呼ぶもん」
遥「しずく!」
しずく「あ!めっ、だよ遥!お姉ちゃんを呼び捨てにしちゃ!」
遥「お姉ちゃんじゃないってば!しずくちゃんこそ呼び捨てにしないでよ!しずく!」 しずく「あ、こら遥!」
遥「んなっ……しずく!」
しずく「遥!」
遥「しずく!」
しずく「遥!」
遥「しずく!」 彼方「ん〜…朝から何してるの〜二人とも〜…zzZ」トコトコ
はるしず「彼方!?」
彼方「…おうおう、なんだね突然…だいぶ新鮮味を感じたぞ〜…」
しずく「あ…ごめんなさい、つい勢いで」
遥「ご、ごめんお姉ちゃん…起こしちゃった?」
彼方「んーん、いい夢見れたから寝覚め善子さんだったよ〜」ノビー しずく「ふぅ…もお、朝から顔熱い…」
遥「まだ慣れないものなの?」
しずく「さっきみたいに寝起きで抱きつかれた状態からだったら割と平気なんだけど…」
しずく「不意打ちはちょっとね…彼方さんに関しては不意打ち特化だから厄介なんだよね」
遥「あはは、確かに。私も不意打ちよく食らうし」
しずく「敵わないよね」
遥「ねー」 遥「あ…しずくちゃんお魚大丈夫?」
しずく「あ、そっか!シャケ…!」ガシャ
鮭「」ジュ〜
しずく「あわわ、ちょっと焦げちゃったかも…」
遥「火が強すぎたのかもね、まぁ…食べようと思えば食べれると思うよ」
彼方「洗顔完了〜、どしたのお?」
しずく「ちょっとシャケが焦げちゃって」 彼方「んー?あぁ、このくらいなら全然大丈夫だよー、おけまる〜」
しずく「ほっ…良かった、あまりこんなミスしないんですけどね…緊張してるのかな」
彼方「まぁまぁ、彼方ちゃんでもたまにやるし…いつもいつでも上手くゆくなんて保証はどこにもないからねぇ」
しずはる「そりゃそうじゃっ」
彼方「…おや、ノリがいいね二人とも」 しずく「のせないでください」
遥「言わざるを得ないもんね?」
しずく「ねー?」
彼方「えっへっへ。お、遥ちゃんのみそ汁おいしそうだねぇ」
遥「うん、頑張ってみた!もう出来上がるから準備するね」
彼方「おー、じゃあ彼方ちゃんも手伝うよー」
カチャ カチャ ────
─
遥「味噌汁にご飯、シャケ…納豆」
しずく「朝ごはん!って感じの作れたね」
彼方「納豆にしずくちゃんか…闇鍋思い出すねぇ」
しずく「…もう、やめてくださいってば」
彼方「ふふ、じゃあ食べよっか〜」
しずはる「うん」「はいっ」
しずかなはる「いただきまーす」 …
彼方「ん…」ズズ
彼方「んーっ、遥ちゃんのおみそ汁おいしい〜…五臓六腑に染み渡る〜」
遥「良かったぁ、しずくちゃんのシャケもおいしいよ!」モグモグ
彼方「ん…うん、寧ろちょうどいい焼き加減だと思うなぁ」モグモグ
しずく「ほ、ほんとですか?良かった…」モグモグ
モグモグ…
遥「今日は二人でどこ行くの?」
彼方「うーん、特には決めてないけど〜…」 しずく「急遽決まりましたもんね」
遥「行き当たりばったり?」
彼方「かなぁ、まぁ彼方ちゃん達らしいかもね」
しずく「達ってなんですか…私はプランは立てておきたかったんですけど…」
彼方「えへへ…まぁ、しずくちゃんの誕生日だし…しずくちゃんの行きたいところに行こうよ」
しずく「行きたいところですか…うーん」 しずく(正直彼方さんとならどこでも行きたいけど…私の趣味だけだと退屈させちゃうし…うーん)
遥「私、映画のチケット持ってるからそれ使って観にいってきたら?」
しずく「え?」
彼方「ええ?いいの〜?」
遥「うん、友達からのもらいものなんだけど…観に行くタイミングがなくて。」
しずく「もらいものなのに大丈夫なの?」
遥「大丈夫。使わない方がもったいないし…期限は明後日までだから、二人に使って欲しいな」 遥「後でチケット渡すね」
彼方「遥ちゃ〜ん、ありがと〜っ」
彼方「今度一緒に映画行こうねぇ」
遥「うんっ、今日は二人で楽しんできてね」
しずく「ありがとね、遥さん。私ともいつか行こうよ」
遥「あっいいね!」
彼方「おやぁ、彼方ちゃんは除け者〜?」 遥「たまにはいいでしょ?しずくちゃんと二人で出掛けたことってなかったし」
しずく「ふふ、言われてみればそうかも」
彼方「妹と恋人を同時に取られた気分になりそうだぜ…」
しずく「大丈夫ですよ、ちゃんと彼方さんの恋人ですし」
遥「うん、ずっとお姉ちゃんの妹なのは変わらないよ〜」
彼方「…ふふ、分かってるよ〜」ホクホク 彼方「…あ、なら二人で出掛けてる時の写真、撮って送って欲しいなぁ」
彼方「是非ともホーム画面にしたい」
遥「うんっ、その時はいっぱい撮るね」
しずく「それじゃあ…近いうちにお出かけしようね、遥さん」
遥「うんっ!」 彼方「ふふ…ごちそうさま。美味しかったよ〜」
遥「私も、ごちそうさまっ」
しずく「ん…ごちそうさまでした、お片付けしましょうか」
彼方「うん、お片付けして…お着替えしないと」
しずく「あ…あの…彼方さん」
彼方「ん〜?」 しずく「…制服に着替えませんか?」
彼方「え?」
しずく「彼方さんと、制服でお出かけしたいんです…」
遥「……」
彼方「……」
彼方(…そっか)
しずく「あの、ダメですか…?」
彼方「んーん?いいよ〜、しずくちゃん持ってきてるの?」 しずく「あ、はい!一応持ってきてます」
彼方「用意周到だねぇ」
しずく「ダメ元でしたけど」
彼方「断る理由なんてないよ〜、じゃ…制服デートしようねぇ」
しずく「…!はいっ」
遥「…ふふ」 ────
─
彼方「お〜…なんだか久しぶりに着た感じするよ〜、制服」
遥「ほんとに…なんだか不思議としっくりくるね」
しずく「……」 彼方さんの制服姿…卒業式以来だなぁ
私の希望で着てもらったけれど
なんだか彼方さんが帰ってきた感じがして、でも本当は違くて
もうこの姿を今後拝むことはないんだろうなと思うとやっぱり、少しだけ寂しくなった
…ああダメ、涙腺が…泣くなしずく
…でもやっぱり、一度くらいは恋人として、制服でデートをしたかった
付き合うようになって、彼方さんが在校中の時は全然出来なかったから
多分彼方さんは、私の意図を察してくれたんだと思う
本当に察しが良くて、優しい人だなぁ 彼方「おや…泣いてるの?しずくちゃん」
しずく「…はっ、いえ!泣いてないですよ?」グシグシ
彼方「…そっか」ニコ
彼方「でも、しずくちゃんの制服姿もなんだか久しぶりに見たなぁ」
しずく「っ…あ、そうですね…昨日まではあまり会いませんでしたし…」
彼方「だねぇ、嬉しいよ」
しずく「…わたしも、嬉しいです。もう一度彼方さんの制服姿が見れて」 彼方「うんうん、レアだからきちんと堪能してくれたまえよしずくちゃん」
しずく「それは勿論」
彼方「…じゃ、行こっかしずくちゃん」
しずく「はい」
遥「じゃあこれ!二人分の映画のチケット」スッ
彼方「おー、ありがとー遥ちゃん」ムギュ 遥「わわっ、急に抱き着かないでってば…楽しんできてね?」ナデナデ
しずく「遥さん、ありがとう。楽しんでくる。…また連絡するね?」
遥「うんっ、お姉ちゃんの事よろしくね」
遥「二人とも、行ってらっしゃい!」
彼方「うん、行ってきま〜す」
しずく「行ってきますっ」 ────
─
彼方「んーっ、眩しいぜ〜」
しずく「彼方さん、中盤辺り寝てませんでした?」
彼方「え、まさか〜…寝てないよ?」
しずく「本当に?」
彼方「あんな爆発音とか連発されたら寝ようと思っても寝れないよzzZ」
しずく「彼方さん“zzZ”が出てますよ」 しずく「でも、爽快なアクションシーンでしたね」
彼方「…うんうん、確かに〜…最後はびっくりしちゃったなぁ」
しずく「ですよね!まさか溶鉱炉から中指を立てて飛び出してくるとは思わなかったです!」
彼方「わわ、大きな声でネタバレダメだよ〜?」
しずく「はっ、すみませっ」クチオサエ
彼方「…ふふ、気持ちは分かるけどね」
彼方「でも、ほんとに素敵な映画だったね」 しずく「はい、キャストの俳優さん方の演技が本当に秀逸で…いつかあんな風に演じれるようになりたいです」
彼方「きっとなれるよ、しずくちゃんなら」
しずく「努力あるのみですよね」
彼方「将来しずくちゃんが名女優になって…沢山ドラマとか映画に出るようになったらいつでもしずくちゃんの事見れるようになるねぇ」
しずく「名女優になれたら、ですけどね」 彼方「…きっとラブストーリーのドラマとかに引っ張りだこになるんだろうなぁ…」…
しずく「…あ、あれ、どうしたんですか」
彼方「…ううん?なんでもないよ〜」
しずく「あ…キスシーンとかそういうの心配してます?」
彼方「…!だっ、で…違うよ?!」
しずく「分かりやす過ぎますよ…」
しずく「まぁもしかしたらそういう経験も将来的にはあるかもしれませんね」
彼方「……意地悪だなぁ」
しずく「ふふ、彼方さんをからかうのって楽しいんですね」 彼方「くっ、しずくちゃんが黒いぜ…」
しずく「ふふっ」クス
彼方「も、もぉ…この話おしまい〜!次行こうよしずくちゃん、どこ行こっか〜」
しずく(かわいい)
しずく「ん…そうですね、うーんと…どうしましょうか…」キョロ
彼方「…あっ、あそこ行ってみようよしずくちゃん」ユビサシ
しずく「…?スクールアイドルショップ…?ですか?」 彼方「うんっ、色んなスクールアイドルのグッズが売ってるんだって〜」
彼方「彼方ちゃんたちのもあるかな?」
しずく「なるほど…あるんじゃないですか?行ってみましょうか」
彼方「うん、行こー行こー」 ───
─スクールアイドルショップ
ズラァ〜
彼方「おー…いっぱいあるねぇ」
しずく「ほんとに…予想以上でした」
彼方「…!わぁしずくちゃん…!遥ちゃんのアクリルキーホルダーがあるよすごいよ遥ちゃんだぁ…!」
しずく「すごく興奮してますね」
彼方「遥ちゃんのグッズがあるんだよ〜?実際に見ると嬉しくなっちゃうよ〜」 彼方「…買っとこ」ヒョイ
しずく「買うんですね」
彼方「遥ちゃんはいくらあってもいいものだからねぇ…」
彼方「まぁ彼方ちゃんにとっての遥ちゃんは遥ちゃん一人しかいないけどね…!」 しずく「…ふふ、なんですかそれ」
彼方「うわぁクリアファイルもあるし缶バッジもあるんだねぇ…豊作豊作♪」
しずく「…あ!虹ヶ咲のありますよ」
彼方「あ、ほんとだぁ」
彼方「ブロマイドとか充実してるねぇ…こういうの見てると本当に嬉しくなっちゃうなぁ」
しずく「少しだけ照れくさいですけどね…あ、寝そべりぬいぐるみありますよ」
彼方「おお、しずくちゃんの寝そべりだぁ…メガジャンボ…」カカエ 彼方「…うん、ぬいぐるみになってもかわいいぜしずくちゃん…」
しずく「ん、彼方さんのも可愛いですよ?」カカエ
彼方「…お、彼方ちゃんとしずくちゃんの寝そべりが揃ったねぇ」
寝そべりしずく「…コンニチハ〜カナタサ〜ン」ユラユラ
しずく「…そんな間延びした話し方しませんよ私…」 彼方「おーそっか…難しいねぇ」
しずく「……」コホン
寝そべり彼方「しずくちゃ〜ん、今日もお膝を貸しておくれ〜…」ユラユラ
彼方「…おお!似てる!…のかな?」
しずく「わりと頑張って寄せてみたんですけど…」
彼方「…彼方ちゃんも本気出しちゃおっかな〜」 寝そべりしずく「カナタサ〜ン」グイグイ
しずく「…大して変わってないですし、そんな積極的にスキンシップしないですよ私」
彼方「一部彼方ちゃんの願望が入ってしまった」
しずく「願望しか入ってないじゃないですか…」
彼方「いや〜、否めないよねぇ」 彼方「しずくちゃんも願望込めてみたら?」
しずく「えぇ〜、いいですよ私は…」
彼方「いいからいいから〜、やってみそー」
しずく「ん…ん、じゃあ…」コホン
寝そべり彼方「…しずくちゃ〜ん♪…チュ」
しずく「な…なんちゃって…」
彼方「…っ…//」 しずく「…//」
しずく「す、すみません…//」
彼方「う、ううん…//」
……
彼方「か…買おっかなぁ…これも…」
しずく「あ…じゃあ、わたしも…」
彼方「うん…」
しずく「……//」
彼方「…//」
……
どうしようめちゃくちゃ気まずい恥ずかしい…! うおおおおおお
こういうのがいいんですよおおおおお ───
─
彼方「…ふふん、買っちゃったね」テクテク
しずく「…買っちゃいましたね」テクテク
彼方「しずくちゃんに会えない間はこの子をしずくちゃんだと思ってすやぴするよ〜」
しずく「想像してみるとちょっとこそばゆいですね…」
彼方「しずくちゃんも彼方ちゃんの寝そべり抱いて寝るといいよ〜」
彼方「あ、言われなくてもそうしちゃう?」
しずく「ぅ、ん…否めないですね…」
彼方「えへへ〜」 しずく「まぁ…本物が1番ですけど」
彼方「否めないよね〜」
しずく「……次、どこ行きましょうか?」
璃奈「ゲームセンターとか」
しずく「ああ、ゲームセンターですか…彼方さんにしてはめずらし…あれ!?璃奈さん!?」 彼方「おっ璃奈ちゃんだ〜、奇遇だねぇ」
かすみ「かすみんもいますよ〜♪」
しずく「わ、かすみさんも…」
璃奈「しずくちゃん、お誕生日おめでとう」
かすみ「おめでとっ、しず子!」
しずく「あっ、えと…うんっ、ありがとう」ニコ しずく「…というか、二人ともどうしたの?こんなところで」
かすみ「ほら、今日しず子のお誕生日だけど、彼方先輩とデートだっていうし…」
かすみ「それでかすみん達予定空いちゃってるしぃ、りな子と二人でどっか遊びに行こうかなーって思って」
璃奈「デートしてた」
かすみ「ぅ…皆まで言わなくていいの」 彼方「かすみちゃん積極的だなぁ」
かすみ「そ…そんなんじゃないですけど!」
かすみ「ま、まぁ…そしたら二人を見かけたので…声掛けようと思って」
かすみ「…ていうかなんで二人とも制服なんですか」
璃奈「そういえば確かに…彼方さんの制服姿、久しぶりに見た」 彼方「うーん?まぁ、成り行きだよ〜」
しずく「一度制服デートしたいなって思って」
かすみ「へぇ、なんだぁかすみん達も制服着てくれば良かったねー」
璃奈「うん、楽しそう」
璃奈「そうだ、二人とも…行き先が決まってないなら少しだけゲームセンターで遊ばない?良かったらだけど」
しずく「うん、いいよ!彼方さんはゲームセンターでも大丈夫ですか?」
彼方「うん、いいよ〜。彼方ちゃんUFOキャッチャーやりたいな〜」
かすみ「決まりだね!じゃあまずUFOキャッチャーやりましょうか」
璃奈「楽しみ…!りなちゃんボード、わくわく」 ────
─
アーム「」ウィーーン ボトッ
彼方「んああ〜また落とした〜」
かすみ「アーム弱すぎませんか?」
しずく「手掴みだったら余裕で取れるのに…」
璃奈「それはゲームにならないから…」
しずく「この犬のぬいぐるみ…かなたさ…オフィーリアに似てて可愛いから絶対欲しい…」 彼方「…んん?あれ?今すごい言い間違えしなかった?」
しずく「……してないですよ?」
璃奈「一旦諦める…?」
かすみ「しず子は諦め悪いから取れるまで離れないでしょ」
しずく「えっ、そんなことないよ?」 かすみ「まーたこの子は嘘ばっかりー…この前のゲームの時だってムキになっちゃってたじゃん」
しずく「あっ、アレはかすみさんに負けるのが悔しかったからで…」
彼方「大丈夫、大丈夫だよしずくちゃん!彼方ちゃんが必ず取るからね!全集中…!」チャリン
しずく「彼方さん…」トゥンク
かすみ「トゥンクじゃないよ…もう」
璃奈「ファイト!」
それから数十分の格闘を経て、ようやく… 彼方「すやぁ…」zzZ
しずかす「寝てる!?」
璃奈「UFOキャッチャーしながら寝てる人…始めてみた」オドオド
かすみ「ていうか集中力切れてるじゃん…」
アーム「」ガシッ ウィーーン
かすみ「…え?あ、でも…アームちゃんと掴んでるよ?」 しずく「えっ、え…ほんとだ…」
璃奈「!?」
彼方「…」zzZ
アーム「」ウィーーン…パッ
出口「」ボトッ
しずかすりな「え、えぇ…」 かすみ「彼方先輩、寝てる時の方が本領発揮出来るんじゃ…」
璃奈「可能性は否めない…」
从||´・_・`||从
しずく「…あ、ていうか彼方さん!こんな所で寝ないでください!ああほら!ガラスに涎ついちゃいますから!」ユサユサ
彼方「zzZ…はっ!」ガバッ
彼方「うおおお彼方ちゃんはまだまだやれるぞー…!」 かすみ「いやもう終わりましたけど」
彼方「えっ!あれ?なんでぇ?」
しずく「私にもよくわからないんですけど…でも間違いなく彼方さんのおかげですよ」
彼方「う、んー?そ、そうなの…?じゃあ…」カカエ 彼方「はいっ、わんちゃんだよ〜」スッ
しずく「ふふ、ありがとうございます。はぁやっぱり可愛いうれしい〜っ…」ギュムッ モフモフ
璃奈「今のしずくちゃんが一番かわいい」
かすみ「…まぁかすみんの次くらいだけどね!」
彼方「おー二人とも分かってくれる〜?しずくちゃんのこういうところもかわいいんだよ〜」パシャッ しずく「ちょっ、いきなりなんで撮るんですか!?」
彼方「なんでかって?そこにしずくちゃんがいるからだよ〜」
しずく「山みたいに言わないでください…」
かすみ「あ、写真撮るんだったらあっちでプリクラでも撮りましょうよ〜」ユビサシ
彼方「おお、プリクラ…昔遥ちゃんと撮ったことあったな〜」
しずく「なんか凄くプリクラの機械あるね、違いとかあるの?」 璃奈「機種によってはオシャレに特化した大人の為にあるものとか…」
璃奈「大人数で撮る人向けの機種とかあるみたい」
璃奈「それとやっぱりデコレーションにも種類とか機種によって違うし」
璃奈「ほぼ全機種出来るけど、小顔や肌を白く見せたりとか…そういうのに特化した機種もある」
しずく「へ、へぇ…」 彼方「今のプリクラってすごいんだねぇ」
かすみ「そこそこ歳重ねた人のようなコメントですね…」
かすみ「ていうか詳しいねりな子」
璃奈「愛さんとはよく撮ったりしてたから」
かすみ「………」
かなしず「……」ポン
かすみ「無言で肩に手を置かないでくれます!?しかも二人して!」 璃奈「……?じゃあ、4人で撮ろっか」
璃奈「無難な機種でいいよね」
かすみ「うん、そこはりな子に任せるよ」
璃奈「分かった、じゃあここにしよう」スゥ
しずく「…わ、すごい…中身が証明写真と全然違う」
かすみ「証明写真と比べちゃダメでしょ」 彼方「へぇ、意外と広いんだねぇ」
璃奈「フレーム、どうしよう?色々種類があるけど…」ポチポチ
彼方「んー…この春っぽい感じのがいいんじゃない?桜があっていいなぁ」
しずく「あ、いいですね」
璃奈「じゃあ桜のやつで…」
璃奈「あまり盛らない方がいいよね」
かすみ「盛らない設定には出来ないの?」 璃奈「昔は盛らない機種があったらしいけど…今は極力盛らないようにするのが精一杯」ポチポチ
かすみ「え〜かすみん今のままでもかわいいのに〜」
璃奈「うん、みんな可愛いから…加工はいらないと思うんだけど…仕方ないね」
璃奈「ん、出来た…!くっつこう」ギュウギュウ
かすみ「えっ、もう位置に着くの?」ギュウ しずく「わわっ…なんか緊張する」ギュウゥ
彼方「ぴーすぴーす…!」チョキー
トルヨー!
3! 2 ! 1!
パシャッ
しずく「……え、もう撮れた?」
彼方「ぽいねぇ」
璃奈「撮ったのはそこの画面で見れるよ」 かすみ「あ、ほんとだ…うぅわみんな目でか!」
彼方「あははっ、ほんとだ〜目が大きい〜、肌もすごい白いねぇ」
しずく「極力盛らないようにしてもここまで盛っちゃうんですね」
璃奈「これはまだ可愛い方、愛さんはノリでもっと盛るけど…まるで別人みたいだった」 かすみ「その時のプリクラちょっと見たい…」
璃奈「…見せないけど、盛れすぎて恥ずかしいし…」
かすみ「えー」
璃奈「あと2枚取れるから、2人ずつで撮ろう」
彼方「お、じゃーしずくちゃん一緒に撮ろー」
しずく「はい、そうですねっ」
彼方「しずくちゃんとツーショットー♪」
パシャ パシャ ────
─
璃奈「…これで全部撮れたね」
彼方「ここからどうするの〜?」
璃奈「全部これで良かったら隣の落書きコーナーでデコレーションだね、こっち」ササッ
彼方「…へぇ、タッチペン使うんだね」
璃奈「うん、これでハートとか付けれる…どうする?」
かすみ「んーじゃあ色々スタンプ付けちゃお」ポチポチ
しずく「私も何かつけようかな」ポチ 彼方「おお…ハートいっぱいだぁ…」
かすみ「うん、こんなところかな」
しずく「彼方さん、何か書きますか?」
彼方「うーんそうだねぇ…何書こうかなぁ」
彼方「じゃあ…よし、徒歩で来た……っと」カキカキ
しずく「わぁ、健康的ですね!」
かすみ「突っ込んでよしず子」 璃奈「OK押して…これで完了、仕上がりまで外で待とう」スッ
かすみ「りな子すっかりプリクラのプロだね」
彼方「ねー」
璃奈「別に…プロじゃないよ、愛さんがちょっと詳しいから覚えちゃっただけで」
しずく「でも、璃奈さんすごく頼もしかったよ?」
璃奈「そ、そうかな」 しずく「うん。なんかデコレーションするのって結構夢中になるね」
璃奈「うん、みんなでデコレーションするの楽しい」
カチャ
かすみ「あ、出来たよ?」ヒョイ
彼方「どれどれ…おー、なんか感動…!」
璃奈「人数分あるから分けよう」 かすみ「はい、どーぞー」
しずく「……すごいなぁ、いつも眠たげな彼方さんの目がシャキッとしてるように見える…」
彼方「えへへ〜」テレ
かすみ「…ほんとに、いつになく凛々しいというか…プリクラすごいですね…」ムムム 璃奈「プリクラ、撮れたし…何かやりたいのある?」
彼方「お、あそこにお化け屋敷?があるね」ユビサシ
璃奈「ん…VRで楽しめるお化け屋敷だね」
かすみ「あからさまに怖そう…」
璃奈「でも、そんなに怖くないと思う…多分」
かすみ「多分って…」 しずく「わぁ…ちょっとやってみたいかも」
かすみ「しず子正気?もしかしたらトラウマ植え付けられるかもよ?」
しずく「もうかすみさんったら、大袈裟だよ」
彼方「んー2人専用だって…しずくちゃんがやりたいならもう1人必要だねぇ」
しずく「誰かやりません?」 彼方「彼方ちゃんは途中で寝ちゃう可能性があるけどどう?」
しずく「ここ仮眠室じゃないんですからね彼方さん……」
彼方「えへへ〜」
しずく「…もう、じゃあ…璃奈さんやる?」
璃奈「私はかすみちゃんのリアクションが見たい」ググッ
かすみ「はっ!?何言ってんのりな子!?ちょ、押さないでよ!」 璃奈「いいから」グイグイ
かすみ「えっ、ほんとにやるの!?やだってばぁぁっ」
しずく「やったぁ、楽しみ…っ」スッ キラキラ
彼方「おお、率先して機械の中に…さすがしずくちゃん」
かすみ「こわいものなしかっ」 璃奈「はいさっさとしずくちゃんの隣座って」ハヨハイレ
かすみ「えぇ…怖いんだけど…」スッ
しずく「私が横にいるから大丈夫だよかすみさん」
かすみ「いやこっちもそうなんだけどりな子の強引さが怖い」
璃奈「……」
从||๑>•̀๑||从 かすみ「いっら!何その腹立つ顔〜!」
彼方「璃奈ちゃんボードのバリエーションが豊富になってきたねぇ」
かすみ「最近は煽り系が増えてきましたけどね!」
しずく「あはは…」
璃奈「それじゃあ、店員さん呼ばないと出来ないから、呼んでくるね」 ───
しずく「おー…これがVR…」スチャ
かすみ「ヘッドホンも付けるんだ…本格的過ぎて怖い」…スチャ
彼方「おお〜なんか武装してるみたい」
かすみ「それ全然かわいくないじゃないですか」
璃奈「VRだから、かわいさを求められても…」REC
彼方(わ…璃奈ちゃん撮ってる…) しずく「…あっ、はじまった!」
かすみ「っ…!」ビクッ
しずく「すごいこの世界…リアルだね…本当にそこにあるみたい」
かすみ「こ、ここ…廃墟…?わぁっ!びっくりした…しず子か…」
しずく「…あ、これがかすみさん…?」
しずく「…わっ、真っ暗になった…!」ビクッ 彼方「…これお互いの声は聞こえるの〜?」
璃奈「うん、ボイスチャット機能があってちゃんとゲーム内で話せる」REC
彼方「へぇすごいなぁ……ん、ていうかしずくちゃんすごく震えてない?」
しずく「………っ」ガクガクブルブル
かすみ「……わぁ!変な女いる!変な女いるよ!?」 璃奈「……」REC
璃奈「ほんとだ…なんならかすみちゃんより…」REC
しずく「…っ、ひ…!」ブルブル
彼方「びびってる…」
かすみ「……」スッ
しずく「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
かすみ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ビクン 璃奈「…!おお…」REC
彼方「び、びっくりしたぁ…」
かすみ「ちょっとお!急に大きな声出さないでよしず子!びっくりしたじゃん!」
しずく「かか、かす、かすみさんが急に動くからだよ!」
かすみ「ちょっと座り直しただけじゃん!」
しずく「あっ!」 かすみ「えっ?なに!?ていうかしず子どこにいるの!?」
しずく「横にすわすわす座ってるでしょ!」
かすみ「いやそっちじゃなくてこっちの…」
しずく「うわあぁ!そこかすみさんそこそこ!いるいるいるいる!」パンパンパンパンッ
かすみ「ひう!?ちょっとしず子肩叩かないで痛い痛い痛いっ」 しずく「ご、ごめんなさ…」
しずく「ぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!」グイーッ
かすみ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!ちょっとぉ!服引っ張んないでよダメだってば!」アタフタ
彼方「な、何が起きてるの…?」
璃奈「相当怖いんだねしずくちゃん…」REC しずく「きゃあぁぁあ首取れたよ!とれたとれたこわいとれたぁぁ!」グイィィィ
かすみ「ほんとやめて!?服伸びるからやめて!!ほんとに集中出来ないしもうなんなのこの子ぉ!」
しずく「ねぇ1回止めない!?1回止めない!?あるいはスキップしない!?一旦紅茶で落ち着かせて」パンパンッ
かすみ「いったい!ってばぁ!そんなの出来るけないでしょ!」 しずく「うわぁん…!」
彼方「が、頑張れ〜しずくちゃん…」
その後、しずくちゃんはあまりのおばけの怖さに叫び続け、最後まで泣き続けた
…
しずく「だ、誰か助けてくだざい…っ」ポロポロ
かすみ「助けて…ほんと助けて…」
かなりな「…うわぁ…」 ───
─
かすみ「はぁ、はぁ…終わった…怖かった…」カチャ
しずく「…ふぅ、楽しかったですね」カチャ
かすみ「嘘つけい!」ペシッ
しずく「あたっ」
かすみ「見てよこれ!これ!!肩のとこ見て!引っ張った跡あるよ!?見て!?しず子がやったんだよ!?」
しずく「わたしが…これを…一人でやったの?」
かすみ「ふざけてんの!?」 かすみ「ていうかあんなに余裕そうだったくせに全然ダメじゃん!サイテーだよしず子!」
しずく「さ、さいてーまで言わなくても…思ってたより怖かったんだもん」
かすみ「だからってかすみんに危害与えないでよね!肩痛いし!ほんと酷かったですよね!彼方先輩!」
彼方「んー可愛かったよ〜?」
かすみ「ダメだこの人たち!」 璃奈「か、かすみちゃん落ち着いて…深呼吸…」
かすみ「ぐぅ…ひぃ…っ、ひぃ…ふぅ…」
彼方「ラマーズ法だねぇそれ」
しずく「か、かすみさんごめんね?」
かすみ「ん…もういいけど!なんだかんだで楽しかったし、しず子の弱点も分かったしっ」 しずく「う、ぐう…」
彼方「しずくちゃん涙出てるよ〜?」フキフキ
しずく「んん…」
かすみ「で……とっくに遅いけど、ちょっと遊んだら何か食べない?どこか食べに行きましょうよー」
彼方「そういえば気付いたらもう15時なんだねぇ…」
しずく「確かに…私も少しお腹空いちゃったかも」キュルル 璃奈「じゃあ、おすすめのお店があるんだ」
璃奈「良かったらそこに行かない?」
しずく「うん、いいよ」
かすみ「じゃあそのお店で食べたら解散にしよっか、4人で遊びすぎちゃったし」
璃奈「うん、そうだね」
彼方「そんなに気を遣わなくてもいいのに〜」
かすみ「やや…普通遣いますって…」ジト
しずく「まぁ、時間も時間だしね」
璃奈「…じゃあ、決まりということで」
かすみ「うん、じゃあちょっとだけ遊んでから行こっかー」
── ───
──
─数十分後 お店
ジュウウゥ
かすみ「…ていうかここって…」
愛「おーみんな!いらっしゃーい♪」
彼方「なるほどー、おすすめは愛ちゃんちのお店だったのかぁ」
璃奈「さっき愛さんから通知きて…誘われたからっていうのもあるけど、ほんとにおすすめ」 璃奈「それにこの機会だから鉄板をみんなで囲んでみたかったんだ。りなちゃんボード、ワクワク」
しずく「なるほど…」
しずく「え、ていうか…」
歩夢「……いらっしゃいませ〜♪」
しずく「何故歩夢さんがここに…」 彼方「ほんとだ、歩夢ちゃんだぁ」
歩夢「…あれ?みんな…!こんにちは
。あ、それとしずくちゃん!お誕生日おめでとう!」
愛「うんっ、おめでと!しずく!」
しずく「わわ…あ、ありがとうございます」ニコ しずく「…で、あの…どうして歩夢さんが…」
愛「ゆうゆが忙しいみたいでさ、なんか暇してたらしいからお店手伝って貰ってるんだー。」
歩夢「いや別に暇じゃなかったよ?愛ちゃんが強引に私を連行しただけだから…家でゆっくりしたかったのに」プクー
愛「あっはははっ、そういうこと言うー?ていうか結局暇だったんじゃーん!」 歩夢「ちがっ…暇って言われるのが普通に嫌なのー!」
かすみ「最近地味に仲良いですね…愛先輩の横に立ってるの見るの慣れてきましたよ」ジト
しずく「え、そうなの?歩夢さんの横って侑さんのイメージが強すぎて違和感が」
彼方「あるよねぇ〜」
歩夢「ちょっと待って私に侑ちゃんしか友達がいないみたいな言い方してないかなそれ…違うかな?これ怒っていいのかな?プラスに捉えられないもんね?ダメ?」
璃奈「お、落ち着いて歩夢さん…しょうがない」
歩夢「しょうがないって何!?出禁にするよ!?」 愛「いや歩夢にそんな権限ないぞー?みんなごゆっくりねー!行くよ歩夢〜」グイー
歩夢「なんか不本意だよー…」
かすみ「…楽しそうですね、二人」
彼方「ねー、いつの間にあんなに仲良くなったのかなぁ」
璃奈「愛さんからの矢印が強いだけな気もする…」
しずく「それはあるかもね…」 ──
─
歩夢「はい、ポテトベーコンもんじゃでーす」コト
彼方「おお!ポテトベーコン…すごい…美味しそう!」
しずく「美味しそうですね!」目キラキラ
歩夢「今日はしずくちゃんの誕生日だから、愛ちゃんの奢りだって」
しずく「えっ!いいんですか!?」
歩夢「うん、みんなの分も一緒にって」 璃奈「…愛さん、さすが」
かすみ「こういうとこあるから憎めないですよね愛先輩」
しずく「えっと、ありがとうございます…!後で愛さんにお礼言わないと…」
彼方「愛ちゃんは男気あるなぁ」
歩夢「それ多分褒め言葉として間違ってますよ彼方さん…」 歩夢「じゃあ、また何かあったら呼んでくださいね」
しずく「ありがとうございます」ニコ
彼方「じゃあ焼こっか〜…彼方ちゃんが焼くね?混ぜて…投入…!」ジュゥゥ
璃奈「わぁ、いい音…りなちゃんボード、じゅるり」
しずく「食欲が増しますねぇ」
彼方「あーんするー?しずくちゃん」
しずく「えぅ…そ、それは流石に…人前だと恥ずかしいですよ…」
かすみ「…良かったですね、二人とも」 かなしず「え?」
かすみ「2月のあの時ことを思い出すと、こんな今になるなんて想像出来ないですもん」
しずく「…まぁ、そうだよね…私もそう思う…でもそれは2人が…」
彼方「うん、それはかすみちゃん達のおかげだって彼方ちゃんも思うなぁ…」
璃奈「…そんなこと」
彼方「あるよ〜」
彼方「まぁ…あの出来事は元を辿れば二人から始まったものかもしれないけど…」 彼方「2人がいなかったらきっと、しずくちゃんも彼方ちゃんも間違えたままだったよ」
しずく「彼方さんはなにも間違えてなんか…」
彼方「ううん。最初、彼方ちゃんがしずくちゃんを振っちゃったのが間違いだったんだって思うんだ」
彼方「あの時、自分の気持ちにまともに向き合おうとなんてしてなくて…好きだって気持ちに気付けなかった」
彼方「だから、しずくちゃんもそのおかげで間違えちゃったんだよ」 彼方「それでも彼方ちゃん達は恵まれてるよねぇ…言葉や行動を間違えたとしても、ちゃんと答え合わせしてくれる人がいる…」
彼方「それはかすみちゃんと璃奈ちゃんにも分かるよね」
璃奈「…うん、私の場合はしずくちゃんが答えを示してくれた…かすみちゃんにも」
璃奈「きっと、私も当時はかすみちゃんとこうしてるのは想像できなかったと思う」
彼方「…うん、示してくれたから…こうしてしずくちゃんと彼方ちゃんも…かすみちゃんと璃奈ちゃんもお互いに繋がることが出来たんだなぁって思うんだぁ」 彼方「だから…これからはしずくちゃんといてもね、失敗してもいいって思うよ」
かすみ「え?」
彼方「今度どっちかが間違えても、どっちかが答え合わせしてくれるからだよ、それで繋がりの糸もより強くなるんじゃないかなぁって思うし」
彼方「寧ろ私は、しずくちゃんとならこの先間違えていきたいって思う」 彼方「付き合っていくってそういうものなんじゃないかなって思うしねぇ」
しずく「……彼方さん…」
かすみ「…彼方先輩ってすごいですよね」
璃奈「…うん、すごい」
彼方「んー……?ふふ…はぁい出来たよ〜♪食べよ食べよ〜」
ジュゥゥ… ────
──
─食後
愛「うーわ!結構食べたねーみんな…」
しずく「うー…おいしすぎてちょっと食べすぎちゃいました…ごちそうさまでした、それとありがとうございます、愛さん」
彼方「もんじゃ出そう〜…ごちそうさま〜」
かすみ「ごちそうさまでした…ていうか今日断トツで可愛くないこと言わないでくださいよ彼方先輩…」
璃奈「圧倒的満足…ごちそうさま」
从||๑><๑||从 愛「…ふふ、お粗末さま〜!あぁりなりー、口ついてるぞー」フキフキ
璃奈「ん…」
歩夢「…みんな美味しそうに食べるから、私までお腹空いてきちゃったなぁ」
愛「うん!愛さんもお腹空いてきちゃったよー…お店終わったら一緒に食べよーねー歩夢!」
歩夢「いいの?わぁ楽しみ」
彼方「…ふふ、じゃあ…彼方ちゃん達はそろそろ行こっかぁ」
しずく「…ん、そうですね」 愛「えーもう行っちゃうの?」
彼方「うんー、気付いたら夕方だし…彼方ちゃん達はあんまり遅くまで遊べないからねぇ」
歩夢「あ…そっか、明日お引越しでしたもんね、彼方さん」
愛「あっ、そっかそっか!」
彼方「そーそー、それにしずくちゃんの家もここから遠いしねぇ」
しずく「はい、それから私も明日演劇部の方で少し用事があるので…だから、ここからはお話でもしつつ駅まで歩こうかなって」
璃奈「…ごめん、もっと二人でいたかったよね」 彼方「んーん、一緒にわちゃわちゃできて楽しかったよ〜?」
しずく「ダブルデートっぽかったですしね」
かすみ「2人が満足ならいいですけど…」
しずく「うん、大満足だよ」
璃奈「後でしずくちゃんの発狂シーン、送っておくね」
しずく「…!撮ってたの!?」 彼方「璃奈ちゃんがっつり撮ってたよね〜」
愛「えーなになに?発狂シーンって」
しずく「く、食いつかなくていいですから…」
かすみ「是非見て欲しいです!ほんとに酷かったですから!」
しずく「さ、さっき謝ったじゃん…もぉぉ恥ずかしいなぁ…」
歩夢「S字開脚を越える恥ずかしさはないと思うけどね…」
しずく「それだけは真っ先に忘れてください」 彼方「発狂もS字もどっちもかわいかったよ〜?」
かすみ「発狂は百歩譲るとしてS字開脚がかわいいとか気は確かなんですか…」
彼方「あばたもえくぼというやつだよ〜」
璃奈「あばた扱いされてる時点で…」
愛「きゃははっ、まぁS字チャレンジが広まってる時点でみんな正気じゃない気がするけどねー!アタシは好きだけど!」
しずく「…はは、ありがとうございます…もう一刻も早く忘れてくださいね…」
jΣミイ˶º - º˶リ 彼方「ふふ、じゃ…もう行こっかぁ、しずくちゃん」
しずく「……ああ、はい。今日はありがとう。かすみさん、璃奈さん」
璃奈「こちらこそ」
从||^ᵕ^||从
かすみ「うん、またねしず子、彼方先輩も」
彼方「うん、2人とも本当にありがとぉ。またね〜?」フリフリ
しずく「ごちそうさまでした」フリフリ
愛「うんっ、じゃあねーっ」フリフリ
ガララ
ピシャリ 歩夢「……あ、かすみちゃん達はこれからどうするの?」
かすみ「んー、ここで少し休んでからりな子の家にお邪魔しようかなと思ってます」
璃奈「久しぶりのお泊まり会…」ワクワク
愛「いいなーりなりーん家!私も歩夢ん家とか泊まりに行こうかな!」
歩夢「愛ちゃん食器片そっか」カチャ
かすみ「華麗にスルーされてますけど」
愛「そういうとこもいいよね!」 かすみ「は、はぁ…そういうもんですか…」
璃奈「愛さん、ハート強いから」
愛「ふふん、ハートの強さは誰にも負けないからねー♪」
かすみ「羨ましいくらいポジティブですもんね…」
かすみ「…」
璃奈「…?どうしたの?かすみちゃん」 かすみ「…本当に良かったなぁって思って」
璃奈「…しずくちゃんと、彼方さん?」
かすみ「うん、彼方先輩が言ってたけど…2人なら失敗も怖くないって言えるのは素直にすごいなって…」
璃奈「…私も、かすみちゃんとなら胸を張って言い切れると思う」
从||>ᴗ<||从
かすみ「……そっか」
かすみ「…ふふ、うん…かすみんもそうかも」ニコ
ポツ ポツ
歩夢「あ…雨…」
─
── 何でこういうのってみんなくっつけようとしちゃうんだろうな ────
─
ザァァ
しずく「わぁぁ、本格的に降ってきちゃいましたね…」
彼方「予報になかったのにねぇ…屋根つきのベンチがあって良かったよー」
しずく「……ですね、通り雨でしょうし……少しのあいだ雨宿りしましょうか」
彼方「そうだねぇ、しずくちゃ〜んお膝かしておくれ〜」
しずく「ん、どうぞ?疲れちゃいましたよね」ポンポン 彼方「うーん…映画も…、買い物もしたし…ゲームもプリクラも…沢山したしねぇ…」ゴロン
しずく「最後のエアホッケーで大分体力使ってましたもんね」
彼方「あはは…2対2でやった時は本当に熱い戦いだったよ〜…」
彼方「まぁ、疲れちゃったけどぉ…すごく楽しかったな…」
彼方「何より…しずくちゃんの色んな表情が見れて良かったよ」 しずく「…私も、楽しかったですから」
彼方「うんうん」
しずく「でも…ここでこうしてのんびりするのもいいですよね」
彼方「……元々本当は、最後にこうしたかったんじゃないの?しずくちゃん」
しずく「えっ…どうしてそう思うんですか?」 彼方「しずくちゃんなら傘くらいスクールバッグに入れてそうだな〜って思って」
しずく「えっ…ぅっ…ばれてましたか…」
彼方「ふふ…なんとなくねぇ、まぁ時間もまだあるし…彼方ちゃんも今こうしたかったから…」
彼方「彼方ちゃんだって少しでも長く一緒にいたいもん」
彼方「だから、前にも言ったけどわがままくらいいつでも聞くよ〜?」
しずく「うぅ…はい、ありがとうございます…彼方さん」
彼方「…うんうん」 しずく「…なんだかこうして制服姿で膝枕してるの…虹ヶ咲に戻った感じがしますね」
彼方「彼方ちゃんもそう感じるなぁ…でも、この為に制服デートしたかったところはあるんじゃない?」
しずく「雨は流石に想定外でしたけど…それもありますね」
しずく「メインは彼方さんと制服デートしたかっただけなんです」
彼方「ご満足〜?」
しずく「はい、ご満足です」 しずく「…本当は、彼方さんが虹ヶ咲にいる内にもっと沢山…デートとか、膝枕とかしたかったんですけどね…あの日よりもっと早くに気持ちを告げて…」
しずく「諦めずにいたら変わったのかなぁ…なんて…時々考えてしまうんですよね」
しずく「…色々、遠回りになっちゃったのかもしれません…」
彼方「…あの時点で自分の気持ちに気付けなかった彼方ちゃんがいうのもなんだけど…きっとあの時しか無かったんじゃないかなぁ」
彼方「色々な出来事が重なって今があるんだと思うよ、やっぱり」
しずく「…そっか、そうですよね」
彼方「まぁ、これが遠回りになるんだとしたら…時には遠回りも悪くないなぁって思うよ〜」 しずく「…遠回りも悪くない…か…うん、確かにそうかもしれないですね」ナデナデ
彼方「んふふーそうでしょ〜?」
彼方「私はね、この特別な繋がりを…しずくちゃんとの繋がりを、すごく大切にしたいんだ」
彼方「だから…彼方ちゃんが進学先でこれから多忙になって、会える機会が少なくなっても…別れを受け入れようだなんて…そんな風に思わないで欲しいんだ」
しずく「っ…ど、どうして…」
彼方「ふふん、わかるよ〜?…きっと未だに…彼方ちゃんに対して負い目とか感じてるんだよね?しずくちゃんのことだから…」
しずく「………」 彼方「もう、私の前で雨を隠さなくていいんだよ」
彼方「この先しずくちゃんの上に大粒の雨が降るなら…彼方ちゃんはどんなに遠くにいても傘をさしに行くんだから」
しずく「…っ、急に詩人みたいなこと言うんですね」
彼方「えへへ〜、言ってみたかったんだ」
しずく「彼方さんの言う通り…いつか別れの日が来るかもしれないって思ってました」
しずく「その時はもう、受け入ようって…私は過去に彼方さんを傷付ける様なことをしたんだから…って」 しずく「でも、さっきの彼方さんの…一緒に間違えて、答え合わせして付き合っていきたいって言葉を聞いて…改めて気付かされました」
しずく「本当に大切に想って貰ってるんだなぁって…」
しずく「だから…私も、彼方さんに雨が降るならどこからでも傘をさしに行きます」
しずく「もう二度と彼方さんを雨で濡らしたくないですから」
彼方「お天気的な意味でも来てくれるー?」
しずく「…ぜ、善処します」 彼方「あはは、そっちは善処かぁ…」
彼方「でも…何でもない日はさ」ムクリ
しずく「……?」
彼方「実際に雨が降ってても…降ってなくても…いつでも雨宿りしにきてほしいな」ゴソゴソ…スッ
しずく「え…これ…え?鍵ですか…?」
彼方「お引越し先の合鍵…」
しずく「ど、どうして…」 彼方「…いつだってしずくちゃんに会いたいから」
しずく「…っ…かなたさん…」
しずく「ありがとうございます…うれしい」
しずく「でも、下手すると本当に毎日会いに行ってしまいそうなので…本当に雨が降った時だけにしますね?」
彼方「あははっ…そうだねぇ、彼方ちゃんも毎日来てくれたら帰したくないー!ってなっちゃいそうだから」
彼方「今から…雨が楽しみだなぁ」 しずく「梅雨時は毎日会えるかもしれませんね」クス
彼方「おおっ、確かに…!」
彼方「…でも、いつか一緒に住もうよ、しずくちゃん」
しずく「へ?」
彼方「どれくらい先の話になるのか分からないけど〜…しずくちゃんと一緒に住みたいなって、それで一生一緒にいられたらなぁ…なんて、ダメかな?」
しずく「…断る理由がないです」
しずく「是非、その時がきたら…迎えてくださいね?」
彼方「おお、やったぁ。勿論だよ〜!」 彼方「…約束だからねぇ?」
しずく「はい、約束です!」
しずく「それまでは、雨の日に訪問しますね」
彼方「ふふ、うんっ。やったぜ〜っ」ニコニコ
いつか未来の…かなたの約束を、私たちは雨の下で交わした
一生一緒にいようだなんて…まだ早い約束かもしれないけれど
私は彼方さんとの未来を約束出来たことがとても嬉しくて…幸せで、私と同じように喜んでくれる彼方さんが更に愛おしく思った。
しずく「……彼方さん」ズイ 彼方「…!……うん」
しずく「ん…」
彼方「…ん、っ」
しずく「っ…はぁ…」
彼方「…えへへ、久しぶりだね…」オデココツン
しずく「…ゎ…//」 彼方「もんじゃの味したけどね」
しずく「そ、それは言わなくてもいいじゃないですか…彼方さんだってしましたよ?もんじゃの味」スリスリ
彼方「マジかー…お互い様だね。ふふ、やっちまったぜ」ギュ
しずく「……」
しずく「……幸せ、こうしてるの」ギュウ
彼方「ん、彼方ちゃんも……ねぇ、しずくちゃん」
しずく「はい…?」 彼方「…大好きだよ」
しずく「へ…っ//は、はい…私も、彼方さんが…大好きです」 微笑
彼方「ふふ…嬉しい」
しずく「改めて言われるとちょっと、恥ずかしいですけどね…」 ポツ ポツ
……シーン
彼方「…おお、止んだねぇ」
しずく「…ですね…」
さっきの雨空が嘘のように、夕日が公園を照らす
夕日によって光る桜の花びらがとても綺麗で、見ていると幸福感も相俟って…自然とお互いの頬が緩んだ
彼方「あ…そうだ!しずくちゃん。もう一つプレゼント〜」ゴソゴソ
しずく「え?」 彼方「これ、彼方ちゃんのカーディガンだよ〜」
しずく「ええっ、いっいいんですか?」
彼方「うん、しずくちゃんに使って欲しいんだ。会えない間は彼方ちゃんだと思って欲しいなあ〜」
しずく「……じゃ、じゃあ…頂きますね?」
彼方「うん♪」
しずく「わぁ…あったかい…彼方さんの匂い…」ギュ…クンクン 彼方「っ、はっ恥ずかしいから嗅がないでしずくちゃん…//」
しずく「あ、あ…すみませんつい…でも、落ち着いちゃって…」
彼方「もぉ…」
彼方「…折角だからさ、着てみてよ〜」
しずく「い、今ですか?じゃあ…失礼して…」ファサッ…
彼方「……」
しずく「…どうですか?」 彼方「うん!ちょっと大きいかもしれないけどバッチり!」
しずく「ほっ…サイズ感は気にならないくらいですから、良かったです!」
彼方「折角だから…二人で写真撮ろっか?」スマホスタンバイ
しずく「!そうですね、撮りましょうかっ」
彼方「はい、にっこり〜」ズイッ
しずく「…」ニコ
パシャ 彼方「…うん、可愛い〜…ホーム画面にしとこう」スッ スッ
しずく「私にもくださいね?」
彼方「うん勿論!送っといたよ〜」
ピロン
しずく「わ…ありがとうございます。…ほんとにかわいく写ってますね、彼方さん…」
しずく(私もホーム画面にしよ…)スッ
彼方「…ふふ、しずくちゃん…改めて言うね?」
しずく「…?」 彼方「しずくちゃん、お誕生日おめでとう。その…生まれてきてくれて、ありがとね?」
しずく「っ!…うぅ…も、もぉ彼方さん!泣かせようとしてます…っ!?」
彼方「えへへ、ちょっとだけ狙っちゃった」
しずく「意地悪ですよもぉ…」グシグシ
彼方「でも、ちゃんと本音だよ?」
しずく「…だ、だから余計に泣きそうになるんですよ…もう…」
しずく「でも…本当にありがとうございます…彼方さん。私も彼方さんこうして一緒にいれて…生まれてきて良かったって思います」
彼方「……ふふ、良かったぁ」 彼方「…そろそろ、行こっか?」スクッ
しずく「ん…そうですね…」スク
彼方「手、繋ごう?」
しずく「ぁっ…はい」ギュ
その時…彼方さんから指を絡ませて、手を握ってきた
少し驚いたけど私もしっかり握り返して…そのまま公園を後にした
でもあと少ししたらこの手を離さなきゃいけない…
もっと、彼方さんと一緒にいたいな…
この時間はとても幸せ…だけど、歩を進めていくほど少しずつ憂鬱になってしまう。
毎日が今日だったらいいのに…なんてね。 彼方「………」テクテク
しずく「……あ、あれ?」テクテク
しずく「彼方さん?道間違ってませんか?」
彼方「んー?間違ってないよ〜?」
しずく「ええ…こっちの道の方が駅に近いですけど…」ユビサシ
彼方「うん、そうだけど〜駅まではこっちの道をこういって右に曲がって行った方がいいんだよ〜?」 しずく「ええ…全然知らない道なんですけど…そっちの方が近道なんですか?」
彼方「違うよ、しずくちゃん」
しずく「…?」
私の手を引きながら、迷わず前を進む彼方さんを不思議そうに見ていると、彼方さんはぴたりと立ち止まった どうしたんだろう…そう思っている間に彼方さんはこちらを振り返って、微笑んで…悪戯っぽく呟いた
彼方「遠回りだよ」 お疲れ様!
とても良かったです
またかなしず書いてほしい 乙!めちゃくちゃ良かった
かなしずと遥ちゃんの距離感がすごく自分好みだったし、彼方ちゃんがちょっと達観した恋愛観なのも好き 乙!とても良かった
かなしずの続編も見たいけど、あいぽむ編も期待 素晴らしい…
二作とも好きだったので後日談感謝
それといつかあいぽむ編も書いてくれることを期待したい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています