璃奈「爛れている」
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─9月 某日
璃奈「かすみちゃん、今日の分…お願いしていい?」
かすみ「…ぇ…え、早くない?これから練習だけど…」
璃奈「…今、してほしくて」
かすみ「も、もぉぉ…りな子がいいなら、いいけどさ…」
私たちの関係は…多分、爛れている かすみ「……ん」チュ
璃奈「……ぷわぁ…」
かすみ「……//い、いい?これで……」
璃奈「今日は頬っぺじゃなくておでこの気分だった…」
かすみ「〜っもぉ〜!わがまま言わない!」
璃奈「ご、ごめん」
かすみ「まったく…あ、明日はおでこにしてあげるから…!」
璃奈「…うん、ありがとね。かすみちゃん」
きっかけは夏 \支援/
从[˶˃ᴗ˂˵]从从cι˘σ ᴗ σ˘*
ノレcイ´=ω=)jΣミイ˶º ᴗº˶リ ───
─8月
私たち一年生は夏休み中、暇があれば私の家でゲームの会をしていた
私たちの間で、それぞれが考えた罰ゲームをくじ引きにして
ゲームで負けた人が引いた罰ゲームを実行するという遊びが、ちょっと流行った頃だった。
璃奈「いらっしゃい」
かすみ「あ゛〜、あづいよりなご〜…」 璃奈「今冷房効いてるから、入って?」
かすみ「ぅ〜…ぉじゃまします…」
璃奈「しずくちゃんは」トコトコ
かすみ「また演劇部の方の練習だって〜…中々忙しいよねぇしず子も」トコトコ
璃奈「そっか、中々三人揃うこと無さそうだね」
かすみ「ねー」 璃奈「じゃあ今日は二人で遊ぼう」ガチャ
ヒヤァ〜
かすみ「ぁっ、ダメ…生き返る…」
璃奈「………」
かすみ「やばいよ、生きてるって感じする…命に感謝…何これもう…かすみんここで死んでもいいくらいだよりな子…」
璃奈「言ってることめちゃくちゃだよかすみちゃん」 かすみ「そういえば…この前かすみんが来れなかった時はしず子と二人だったんだよね?しず子負けたんでしょ?」
璃奈「うん」
かすみ「どんな罰ゲームやったの?」
璃奈「S字開脚」
かすみ「…は…?」
璃奈「しずくちゃんはS字開脚をして泣いて帰った」
かすみ「…え待って待ってどうやったのそれやばくない?」 璃奈「うん、下手なことして痛い目にあった」
璃奈「肉体的にも精神的にも」
かすみ「ええ…」
かすみ「誰そんな罰ゲーム書いたの…」
璃奈「かすみちゃんだよね」
かすみ「えっ、わたし!?」
璃奈「かすみちゃんの字で書いてあった」 かすみ「うっそだー……あ、まって私M字開脚は書いた記憶あるけどその時SとMごっちゃになってたかも…」
璃奈「バカじゃないの?」
かすみ「辛辣すぎない?!」
璃奈「いや…だって、あまりにも…」
かすみ「ていうか素直にS字をやろうとするしず子もしず子でしょ!」
かすみ「そもそもS字なんてそんな訳わかんない可愛くない格好をかすみんがさせるわけないじゃん!」
璃奈「M字も大概だよ」 璃奈「しずくちゃんがちょっと怒ってた」
かすみ「ああだからライン素っ気なかったのかぁ」
璃奈「ええ…あとで謝った方がいいよ」
かすみ「うん…でも、二人を辱めたかったんだもん」
璃奈「なんなのこの子…りなちゃんボード、ドンビキ」
かすみ「〜…っ!ドン引くな!もうっ、十分涼んだしゲームしよゲーム!」
かすみ「今回こそかすみんの可愛いスティック捌きでりな子を負かすからね!」
璃奈「う、うん…じゃあ麦茶持ってくるから…とりあえず座って?負かすさん」
かすみ「中須です!!……かすみんです!!!」スト ───
─
数時間後
かすみ「だぁぁっ、また負けたぁ…!」
璃奈「5勝2敗…正直危なかった」
璃奈「かすみちゃん、大分上手になったよね。すごい」
かすみ「むぅ…負けは負けだもん、もう少しでりな子に勝てたのに〜…」
璃奈「次頑張ろう…はい、くじ引き」 かすみ「ぐぬぬ…」ガサゴソ
かすみ「……今日の罰ゲームは…」スッ
かすみ「」
璃奈「罰ゲーム、何?」
かすみ「ほっ…ほほ、ほほほほ…ぃ、え…///」
璃奈「??ほほほい…?サンバのリズム?ん?」
かすみ「ちがっ…//これ!//」ズイッ 璃奈「……!!勝った人の…頬に…一回キス…」
かすみ「誰!これ書いたの!しず子!?」
璃奈「…うん、しずくちゃんの字だ」
かすみ「何考えてんの!?ていうかこれされる方もある意味罰ゲームでしょ!」
璃奈「私は別に…大丈夫だけど」
かすみ「は…//」 璃奈「…変な意味じゃなくて、頬っぺくらいなら別に」
璃奈「かすみちゃんは私にするの嫌?」
かすみ「いっ、嫌とかじゃなくて普通に恥ずかしいじゃん…//」
璃奈「大丈夫…多分、全く何も思わないから」
かすみ「ちょっとは何か思ってよ!それはそれでなんか傷付くし!」
璃奈「ええ…」 かすみ「ていうかこれ絶対やんなきゃなの…?ほんとに変な感じになんない?」
璃奈「罰ゲームは絶対」キリッ
璃奈「恥ずかしいのは一瞬だから」
かすみ「ほ、ほんとかなぁ?んー…わ、分かったよ…罰ゲームだしね」
かすみ「しず子には後で怒っとこ」
かすみ「ん…じゃ、じゃあ…するからね?」
璃奈「…うん、きて?」 かすみ「…っ…///」
璃奈「…ぁっ……」从||///□///||从
璃奈「ご、ごめん…今のは」
かすみ「りな子のばかっ//」
璃奈「……も、もう変に喋らないから…」
かすみ「もぉ…頼むよ?い、いくからね…?」
璃奈「ん…」(目閉じ)
かすみ「………ん」チュ
璃奈「…っ……!」 璃奈「……ぷわぁ…」プワプワ
かすみちゃんから頬っぺにキスされた瞬間、浮遊感…っていうのかな…身体中がプワプワした
その柔らかさと僅かに感じる熱が思っていた以上に気持ちよくて、心地良くて…
近くで感じられるかすみちゃんの匂いも相まって…安心感に包まれた
うん、頭もプワプワする
それ以外に形容しようがない、この感覚…
うう、ただいま体温上昇中…
というか…かすみちゃんのこの匂い、好きかも 璃奈「…………」
かすみ「…っ…ちょ…なんか言ってよりな子…//」
璃奈「あっ…ごめん…えっと、ありがとうございました」
かすみ「お、お礼の意味がわかんないんだけど…ええ…?ど、どういたしまして…?」
璃奈「……//」
なんだろう…癖になっちゃう
私はまた、あの感覚を味わいたくなった M字開脚の延長で考えると片方の膝関節を逆に曲げればいいだけじゃないか? ───
─
数日後 部室
かすみ「侑せーんぱい♡」ダキッ
侑「わっ、びっくりしたー…どうしたのかすみちゃん」ナデナデ
かすみ「えへへぇ、練習で疲れた身体を癒してるんですよ〜」ギュウ
侑「ふふ、お疲れ様♪でも暑苦しくない?」
かすみ「確かに暑いですけどぉ〜」
歩夢「じゃあもう終わりでいいよね」 ──
愛「わー…ほんとかすみんってゆうゆのこと好きだよねー、最近甘えてるとこばっか見てる気がするー」
璃奈「…うん」
璃奈「……」ジッ
侑さんはスクールアイドルが大好きだ
私たち同好会のメンバーも勿論大好きで、やりたいこと全てを全力で実行している
でもその中でも侑さんの熱量は圧倒的に強くて
その強さが私たちのモチベーションに繋がってる部分は、個人的にはあると思ってる そして同じくらいに強い熱量を持つかすみちゃんに好かれるのは、分かるような気がする。
きっとトーク番組があって、侑さん大好き芸人…みたいなテーマがあったら
真っ先に出演してるんだろうな…とかどうでもいい妄想をしてしまった
─
菜々[皆さんは、なんのくくりですか!]
ぽむせつかす[私たちは!高咲侑大好きスクールアイドルです!]
─
…なんて…ふふ
というかナチュラルにせつ菜さんが分裂してしまっていた…
私の妄想、雑だなあ 璃奈「…ふふ」
かすみ「何笑ってんの?」
璃奈「!…わぁ……っ!?」
从||?□!||从
かすみ「えっ、ちょ…そんなビックリするー?」
愛「うーんなんかねー、りなりーさっきからぼーっとしてるんだよね、悩みでもあるん?」
璃奈「な、ないない…滅相もない…」
あいかす「???」
璃奈「……」ジッ
かすみ「え…な、なにりな子…」 …近くで見ると…かすみちゃんって、こんな可愛かったっけ…いや、普段からずっと可愛いとは思っていたけれど
…不思議なもので、あの時の頬っぺキス以降…かすみちゃんがこれまで以上に可愛らしく見えるようになった
というか、そんなことより…またあのぷわぷわの感じになりたい…
きっとあの感覚にさせるのは、かすみちゃんしかいない、あのかすみちゃんから発生する甘い匂いが無ければ多分、ぷわぷわ出来ないから
ああ、ぷわぷわしたい… この数日間、ほぼそれだけを考えてた。
こんなことをかすみちゃんに伝えたら引かれるかもしれないけど…一か八か、お願いしてみようと思った。
璃奈「かすみちゃん、話があるの」
璃奈「二人きりで」
かすみ「へ、ぇ?二人きり?」
愛「おお?二人きり?りなりーついに告白かなー?」
かすみ「えっ…//」 璃奈「愛さん茶化さないで、私は真剣」キリッ
愛「えっ、マジで告白!?」
璃奈「…いや…違うけど、真剣なお話があるの」
愛「ふぅん?2人きりでかぁ…」
かすみ「ほ、ほんとに告白かと思ったじゃん…まぁ話は別にいいけどさ」 璃奈「!…ありがとう…!」
从||´༎ຶ.̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̸̨̨̨̨̨̨̨̨̨̨̨̨.̸̸̨̨ ༎ຶ||从
かすみ「…!?何その顔!?」
愛「っ、ぷはははははっ!りなりー何その顔〜っ!ひっ、キモすぎぃ!」バンバン
璃奈「」
…渾身の嬉し涙だったんだけど ───
部室
シーン
かすみ「…で、話ってなんなの?真剣な話って言ってたけど…」
璃奈「…うん」
璃奈「…あまり、大きな声では話せないことなんだけど」
かすみ「うん」
璃奈「この夏休み中…たまに私たち、ゲームの会をしてるよね」
かすみ「…うん」 璃奈「それでこの間、かすみちゃんが負けて、罰ゲームをしたよね」
かすみ「っ…う、うん…」
璃奈「……」ゴクリ
璃奈「あ、あの罰ゲームのやつ…もう一回して欲しいの」
かすみ「…うん」
りな子「………」
かすみ「…うん?」
かすみ「は…?え!?」 かすみ「なっ、なんで!?」ガタッ
かすみ「ばっ、罰ゲームって…!あれ!?あれあれあれだよね!?」
璃奈「うん…頬っぺにあれするやつ…」ポッ
かすみ「やっぱり!?いやいやなんでぇ!?この前ちゃんとやったじゃんっ」
璃奈「やったけど…その、正直…あれ以来あの感触が忘れられなくなって」
かすみ「ええ…」スト 璃奈「気持ち悪いと思うかもしれない…」
璃奈「けど…頬っぺにかすみちゃんの唇が触れた瞬間にね…全身がぷわぷわしたの」
かすみ「え、ぇ…ぷわぷわってなに…?」
璃奈「ぷわぷわして…心地良かったの」
かすみ「まっ、待って…待ってりな子…ちょっと待ってね…」ムムム
璃奈「うん」
かすみ「りな子は、その…かすみんの事好きなの?」 璃奈「お友達としては大好きだよ…でも、他の意味としては…その…」
かすみ「えぇ…ど、どういうことなのそれぇ…」
璃奈「私にも分からない…けど、かすみちゃんにされたのが忘れられなくて…」
璃奈「かすみちゃん、いい匂いするし」
かすみ「……いきなり何言ってんの//」
璃奈「ぷわぷわさせるのはきっと…かすみちゃんにしか出来ないこと…だから、お願いしてもいいかな?」
璃奈「一度だけなんだ…」
かすみ「う、うぅ…んー…//」 かすみ「…め、めちゃくちゃ恥ずかしいんだよ?する方も…//」
璃奈「分かってる…それは、ごめん」
かすみ「…一回したら満足するの?」
璃奈「…!うん…っ、だから…」
かすみ「わ、わかった…りな子がそれで満足できるなら…一回だけだからね?」ガタ
璃奈「あ、ありがとう…かすみちゃん」
かすみ「もぉ…なんなの、これ…ほんとに誰もいないよね?」キョロキョロ
璃奈「いない大丈夫早く」 かすみ「…もの頼まれてるのにそんな捲し立てられるの初めてだよ」スト
かすみ「…じゃ、するからね」ズイッ
璃奈「…うん」
かすみ「…ふぅぅ……もう………ん」チュ
璃奈「…っ、ぷわぁ……」プワプワ
かすみ「…わ、ほんとにぷわぷわしてる…//」
かすみ「そ、そんなにいいの…?」 りな子「いい…五臓六腑に染み渡る…」プワプワ
かすみ「ぷわぷわが…?」
璃奈「ぷわぷわが…」プワプワ
かすみ(なんなのぷわぷわって…//)
从|| ^ᵕ^ ||从 プワプワ
ご満悦である ───
─
翌日 部室
かすみ「ほぁぁ!?また!?一回で終わりって言ったじゃん!」
璃奈「かすみちゃん…ごめんなさい、またぷわぷわしたくて…」
かすみ「え、えぇ…」
かすみ「さすがに出来ないでしょ…」
璃奈「そう…だよね…」シュン
かすみ「………」 璃奈「………」
かすみ「んもーっ!そんな顔しないでよぉ!かすみんが悪いみたいじゃん!」
璃奈「あぅ…ご、ごめん…」
かすみ「いいよもう…これで最後だからね?」
璃奈「…!か、かすみちゃん…!ありがとう…っ」
かすみ「仕方ないなぁ…ほら、こっちきてりな子」
そして、三回目のぷわぷわを体験した
ダメだ…病みつきになる…でもさすがにこれ以上はかすみちゃんに迷惑掛けられない… ──
2日後 部室
璃奈「………」ソワソワ
しずく「……」
かすみ「……」
しずく「…ねぇかすみさん…璃奈さん昨日からずっとソワソワしてかすみさんの方を一瞥してるけど…」コソッ
しずく「…どうかしたの…璃奈さん」コソコソ
かすみ「…し、知らない…」コソ
しずく「うそー?ほんとに?」
かすみ「…気にしなくていいの、しず子は」 璃奈「………」ジー
しずく「…無理だよ、気になるよ…いよいよじっと見てるよ?」
かすみ「…っ」
かすみ(なんなの…なんなのりな子!そんなにぷわぷわしたいの?!)
かすみ(そんなにして欲しいなら言えばいいじゃん……って違う違う…違うけどぉ…)
かすみ(そんな射抜くような視線で見ないでよ…)プイ
璃奈「………」シュン かすみ「………」
璃奈「……」シューン
かすみ「〜っ…!だぁぁもぉー!!」ガタッ
しずりな「!?」ビクッ
しずく「ど、どうしたのかすみさん…びっくりしたあ…」
かすみ「どうしたもこうしたもないよ!」
かすみ「りな子!ちょっときて!」グイッ
璃奈「ぇっ…わわっ、かすみちゃん…!?」
ガチャ
しずく「えっ、ちょっと二人とも…」
バタン
しずく「ええぇ…??」 ──空き教室
璃奈「あ…あの…かすみちゃん…」
かすみ「…もうっ、りな子!」ビシッ
璃奈「ぁ…はい…」
かすみ「気を使ってるのか分かんないけどあんなに見られてたら逆に気にするよ! 」
かすみ「練習中もこっち見てたでしょ!」
璃奈「…ご、ごめんなさい」
かすみ「まったく……」
かすみ「い、いいよ…もう…してあげるから…」 璃奈「…!ぇ、でもかすみちゃんに迷惑掛けるし」
かすみ「あんなジロジロ見られてたらお互い練習に影響しちゃうじゃん…」
かすみ「だから、その…仕方ないからりな子が飽きるまで付き合って…あげる…よ」
璃奈「え?」
かすみ「で、でも一日一回だけだからね!これ絶対守ってよねっ」
璃奈「いいの…?」 かすみ「かすみんにしか出来ないんでしょ?恥ずかしいけど…」
かすみ「ほっとけないじゃん、りな子が我慢してるの見てたら」
璃奈「かすみちゃん…」
かすみ「その代わり、今度スイーツでも奢ってよね!」
璃奈「…うん…!分かった…ありがとう、かすみちゃん」
かすみ「そ、それじゃあ…早速する?」
璃奈「…あ、うん」 璃奈「出来たら今…」
璃奈「ぎゅってしながらして欲しい」
かすみ「…//なんで注文増やすの//」
かすみ「ほんとに…ほんとにもうりな子は…っ//」ギュウゥ
璃奈「ふみゅ…」
璃奈(わ、かすみちゃん…どきどきしてる…)
かすみ「っ…いい?」
璃奈「お…お願いします」 かすみ「……ん」チュ
璃奈「…っ、ぷわ…」プワプワ
かすみ「…//は、はい…終わり…//」スッ
璃奈「ふあぁ…ありがとう、かすみちゃん」
かすみ「…うん、じゃあ…次は明日…だからね?」
璃奈「…うん」 そして、冒頭の9月のやり取りに繋がる
でも、そんなやり取りを続けていたら…いつの間にかりな子からもキスしてくるようになってきた
勿論頬っぺに、最近はおでこも追加された
原因はよく覚えてないけれど…最初はりな子がしてみたいって言ったのかな
かすみんはそんなに嫌な気分にはならなかったから…拒んだりはしてないけど
りな子のいうぷわぷわには一度もならなかった
…なんだろう、なんかちょっと悔しい そして10月末頃には、かすみんとりな子のやり取りは頬やおでこにキス…
どころじゃなくなってた。
首筋や、鎖骨…
一回だけ内腿にされたことがあったけど…さすがに恥ずかしすぎて怒った
ここまでくるとまずいのでは…恋人でも、ないのに
というか…確実に私はりな子とのこのやり取りに違和感を感じなくなってきてる…
寧ろ好きになってしまってる
そんな気がしてきた ───
─
飛んで 1月末 部室
かすみ「ひゃ…っ…//」
璃奈「ん…かすみちゃん、かわいい…」
かすみ「っ…//り、りな子…!ちょ、待って…首くすぐった…ぃ//」
璃奈「……っ…ん」チュ …静かな空間に僅かに響くリップ音、息遣い…たまに聞こえる濡れた音と人目を阻んでしている事への背徳感が、体温を上昇させる
それと、かすみちゃんが顔を真っ赤にさせながら潤んだ瞳で見つめてくる所が、私の高揚感を煽る
この反応が好きで、私からもかすみちゃんにキスするようになった
こんなやり取りをもう数ヶ月続けている
…でも…本当は、やめなきゃいけない そんな思いとは裏腹に回数を重ねる程…私たちのやり取りはどんどんエスカレートしていた
そして私が元々ぷわぷわしたいという理由がいつの間にか薄れていて
ただただかすみちゃんを独占したいという欲求になっている
寧ろそれだけになってきている…気がする
もう既に、私はかすみちゃんが好き…なんだと思う でも…これを恋と認めてはいけない気がした
この行為を重ねて気持ちがそう錯覚してしまっているんだと思うから。
きっと本物ではないって…思う
何よりかすみちゃんからしたらきっと迷惑な話だと思うし
かすみちゃんは、侑さんが好き…だと思うから
だったら尚更この関係はまずいよね、きっと…さすがに不健全が過ぎる けれどかすみちゃんは、それでも拒まない…故に私がかすみちゃんの優しさに甘えすぎてしまう
勿論かすみちゃんが悪いわけじゃないけど…
このままだと確実にかすみちゃんも、私もダメになっちゃう…
今なら、後戻り出来るかもしれない 璃奈「…」
かすみ「りな子ぉ!聞いてる?!」
璃奈「…!わゎっ…な、なにかすみちゃん」
かすみ「だーかーらー!跡付けないでってば!」
璃奈「ぁっ…」
かすみ「見てよほら!肩だったからいいけど…万が一のことがあったらまずいでしょ!」 璃奈「ごめ…ぇ、でも…かすみちゃんもこの前私の鎖骨辺りに付けたし」
かすみ「…っ//し、知らない!自分で付けたんでしょっ…//」
璃奈「どうやって…!?」
从||?□!||从
かすみ「とっ、とにかく!跡付けるのは禁止ね!」
璃奈「ん…」
かすみ「ていうかもう一日一回とか関係なくなっちゃってるし!りな子ってばほんと何回すんの…もお」
璃奈「……」 璃奈「……かすみちゃん、あのね」
かすみ「ん…なにー?」
璃奈「…これで、最後にしようって思って」
かすみ「…え…?」
璃奈「ごめん、勝手なこと…言うと思う」
璃奈「私ね、かすみちゃんにずっと甘えてた」
璃奈「本当は、すぐに終わるって思ってた…けど多分、このままずっとズルズルしたままになると思う 璃奈「私のわがままで始まったことなのに…ごめん、でもきっとこれはお互いの為にならないと思う」
璃奈「ダメになっちゃう…って、思う」
璃奈「そんなこと…私が言うことじゃないけど…」
璃奈「……でもね」
かすみ「…いいの?りな子は」 璃奈「……いい、今までの友達の関係のままでいた方が…いいと思うから」
かすみ「っ……そっか、まぁ…」
かすみ「…まあまあまあ!そうだよねっ」
かすみ「あんまり可愛い関係じゃなかったしね…そもそもりな子がやめたくなるまでって話だったし」
かすみ「…うん、いいと思う。それで」
かすみ「…いいと思うよ」 璃奈「………ありがとう、かすみちゃん…ごめんね」
かすみ「………」
かすみ「…で、でもさ!りな子、私ね…」
璃奈「っ…!……か、帰ろう!」
かすみ「へ…」
璃奈「も…もう、遅いし…」
かすみ「…っ……うん、そうだね」
かすみ「帰ろっか」 恐くなった
その先を聞いてはいけない
聞いたら後戻りができない…
だってかすみちゃんが言おうとしてることはきっと、私と同じで本物の感情じゃないと思ったから。
でも、今ので知ってしまった
本当は出来たら知りたくなかった、かすみちゃんの気持ちを
…かすみちゃんをそうさせてしまった責任は私にある
だから私は、好きな人を嫌いになるチョコレートを作った ───
─
翌日 放課後
彼方「ふぁぁ…寝た寝たぁ…」ノビーッ
…わぁ寝過ごしちゃったかなぁ
保健室、あったかすぎて、罪すぎる…
ふっふ、頭が冴えすぎて五七五になっちゃったぜ…
練習の疲れも取れたし、帰って夕飯作らないと〜…
彼方「…帰るかぁ」スクッ
彼方「……ん?」 隣のベッドに横たわる見慣れた後ろ姿が一つ…珍しいなぁ
彼方「…かすみちゃん?」
かすみちゃんはこっちを振り向かないまま、彼方ちゃんの声に応答する
かすみ「…おはようございます、彼方先輩」
彼方「おはよ〜…なんかめずらしいねぇ、かすみちゃんが保健室になんて…具合悪いの?」
かすみ「具合は悪くないですけど…」 彼方「なるほど…たまたま眠たかったのかな?だったら彼方ちゃんと一緒にすやぴして欲しかったなぁ」
かすみ「い…嫌ですよ、身動き取れそうにないですし…」
彼方「それは否めない」
かすみ「ちょっとは否めてくださいよ…」
彼方「へへ。…なんだかかすみちゃん…ちょっと元気ないね?」
かすみ「そうですかね…」
かすみ「…彼方先輩、かすみんって可愛いですよね?」 彼方「藪からスティックにどうしたのかね…そりゃあ、可愛いと思うよ〜?うん、かすみちゃんは可愛い〜」
かすみ「ですよねぇ。でも、なんか違いますね…」
彼方「…?」
かすみ「かすみん、可愛いんですよ」
彼方「…どうしたの?かすみちゃん」
かすみ「私が可愛いのは当たり前なんですけど…色んな人に可愛いって言ってもらえるのって」
かすみ「嬉しいんですよね、やっぱり」 かすみ「勿論彼方先輩に言って貰えるのも嬉しい」
かすみ「ただ…こんなに人に可愛いって言って貰えることで気持ちが高揚して、ドキドキすることってなかったな…って」
かすみ「そんな人が出来たんですよ」
かすみ「最初は何でもなかったはずなのに…もっと求めて欲しくなって…求めたくなって、可愛いって言って欲しくて」
かすみ「この子が好きなんだって思いました」 かすみ「でも昨日、振られちゃったというか…いきなり全部終わっちゃって……なんだかなって」
かすみ「でも、今日の同好会の活動はいつも通りでした」
かすみ「いつも通り過ぎて、ちょっと寂しくなっちゃいました…」
彼方「…泣いてるの?」
かすみ「…泣いてなんかないですよ?」 かすみ「…わからないんです…りな子の気持ちが…」
彼方「……!」
かすみ「りな子はかすみんのこと…っ、どう思ってるんだろうって…どうしてこんな気持ちに…ならなきゃ…」ポロポロ
彼方「…かすみちゃん」ギュウ
かすみ「っ…」
彼方「二人の間でなにがあったのか…分からないけど」
彼方「とりあえず寝よう」 かすみ「へ…?」
彼方「寝て起きたらきっと…少しは楽になると思うから」
彼方「ごめんね?かすみちゃんに掛けてあげれる言葉は…してあげれることは…今はそれしかないんだ」
かすみ「…そんなに気を遣わなくたって」
彼方「ほっとけないんだもん、かすみちゃんがそんなに泣いてたら」
かすみ「………」
彼方「起きるまで傍に居てあげるから〜」ツンツン
かすみ「っ…な、なんなんですか、もぉ…」 彼方「…ふふ」ナデナデ
かすみ「…こんなとこしず子に見られたらむくれそう…」
彼方「…?なにゆえしずくちゃん…?」
かすみ「あぅ…いえなんでも…その、彼方先輩…」
彼方「言わないよ〜?誰にも」
かすみ「ま、まだ何も言ってないですけど」
彼方「…かすみちゃんから聞かされた話の詳細は分からないけど」 彼方「きっと吐き出さなきゃ潰れちゃいそうだったんだよね?」
彼方「かすみちゃんとしては元々人に話せる様な事じゃなかったんだと思うし」
彼方「だからそういうお願いかな〜って」
かすみ「…鋭すぎてこわいです」
彼方「えへへ〜」
かすみ「…でも、全部はまだ話せないけど…彼方先輩に話せて大分スッキリしました」
かすみ「もう、大丈夫だと思います」 彼方「無理はしないでね?」
かすみ「…む、無理になりそうになったら…また話してもいいですか?」
彼方「もちのろんだよ〜」
かすみ「あ、ありがとうございます…彼方先輩…」
かすみ「じゃあ…少しだけ、寝ますね」 彼方「うん、おやすみ〜、かすみちゃん」ナデナデ
かすみ「…おやすみなさい」(目閉じ)
彼方「………」
かすみ(…もう大丈夫)
かすみ(りな子が友達でいたいって思うなら…)
かすみ(友達でい続けよう) まさか大嫌いですと話が繋がってたとは…!
あのSSも好きだったけど今回もめっちゃいいね… ゆっくりと気持ちが変わっていく感じが手に取るように伝わってくる ───
─
2月14日 部室
キラキラキラ…
侑「それではこれより…チョコレート交換会を始めます!拍手!」
…パチパチパチパチ
果林「…ていうか部室の飾り付けまでしちゃって…そんな大袈裟な行事でもないでしょうに」
エマ「またそんな事言ってぇ…私は楽しそうでいいと思うなぁ」
侑「1度やってみたかったんですよこういうの!」
侑「なんか陽キャっぽいじゃないですか!」 果林「陽キャって…」
愛「まぁゆうゆの気持ちはわかるよ!ちょこっとくらい陽キャ気分味わいたいよねー!チョコだけに!」
侑「…ぷっふ…っ、あはははははっ!」
愛「きゃはははははっ!」
ゆうあい「……ww」
エマ「うわあ…」
歩夢「ゆ、侑ちゃん?落ち着いて…」
侑「あっははははは!だめっ、腹筋が…っ、もうだめだぁ…っ」バタン
エマかり「倒れた!?」 歩夢「あーあー…もう侑ちゃん大丈夫?」サスサス
歩夢「もう愛ちゃん…レベルは下げてって言ってるのに、また腹筋が肉離れしちゃうよ…」
愛「…いやあ、これでもめっちゃ下げたんだけどなぁ、よくこんなのでツボにハマるよね」スン
かすみ「一緒になって笑ってたじゃないですか…」
璃奈「侑さんの笑いのレベル、恐るべし…りなちゃんボード、おろおろ」
彼方「ここまでくると寧ろ侑ちゃんの方が面白いよねぇ」 せつ菜「侑さんがこの状態では…困りましたね、侑さんの腹筋が復帰するまで待ちますか」
侑「…!かっは…っ」
侑「」
しずく「…せつ菜さん今トドメ刺しましたよ!?」
せつ菜「ええ!?」 ───
侑「」グッタリ
せつ菜「……えー、侑さんはもう少ししたら復活すると思うので」
せつ菜「先に始めておきましょうか」
せつ菜「侑さんの分は歩夢さんが代わりに引いてもらえますか?」
歩夢「うん、いいよー」
せつ菜「よろしくお願いします!」 せつ菜「…それでは各々持ってきたチョコを箱に入れてシャッフルということで…えーと」
璃奈「この箱に」ズイッ
かすみ「ちょ!…それかすみんBOXだけど!用途違うけど!」
璃奈「これしかなかった」
从||・᷄ὢ・᷅||从
かすみ「これしかないことないでしょー……もういいけどさっ」 彼方「……ふふ、大丈夫ならじゃあかすみんBOXに入れちゃうよ〜?」ヒョイ
せつ菜「…それでは私も失礼して!」ヒョイ
かすみ「ぁ…せつ菜先輩のは、手作りなんですか?」ヒョイ
せつ菜「はい!そうですよ!真心を込めて作りました!」
かすみ「…大丈夫なんですかね」 せつ菜「何がですか?」
かすみ「いえなんでも…」
せつ菜「…?あ、皆さんの入りましたね!」
せつ菜「それでは皆さん!交換会始めましょうか!」
─
─── ───
─
─交換会終了後
帰路
璃奈「侑さん…大丈夫かな?せつ菜さんのチョコ…引いちゃってたけど」テクテク
かすみ「んー…侑先輩あの状態だったし…あの場で食べれなかったのが幸いだったかもね」テクテク
かすみ「まぁ喜んで食べちゃいそうだけど」
璃奈「でも、意外と今回のはまともかもしれない」
かすみ「だといいけどねぇ…」 璃奈「あ……かすみちゃんのチョコのコッペパン、美味しかった」
かすみ「お……うん、ありがと」
かすみ「まぁ当然だけどね!作るの好きだし!」
かすみ「でもりな子のも中々美味しかったよ?」
璃奈「ん、そうかな?初めての試みだったけど…問題なくて良かった」
かすみ「うん」 璃奈「……そういえば、しずくちゃんは?」
かすみ「あー…しず子はね、彼方先輩に…」
璃奈「…彼方さん?」
かすみ「うん、本命チョコ渡すんだって」
かすみ「ちょっと覗こうかと思ったんだけどね」 璃奈「おお、それは……やめとこう」
かすみ「あれりな子、今ちょっと揺らがなかった?」
璃奈「ゆ、揺らいでない」
从||ㅇㅁㅇ;;||从
かすみ「焦ってんじゃん!」
璃奈「き、気のせい気のせい…その、うまくいくといいね」
かすみ「顔に出てるし…ん、まぁね、上手くいったらしず子のことからかってやろーよ」 璃奈「うん、反応が楽しそう。りなちゃんボード、わくわく…」
かすみ「ねー」
かすみ「…かすみんもそういう本命!みたいなチョコレートとか貰いたかったなぁ…」テクテク
璃奈「…………」テクテク
…私は、今回かすみちゃんに渡したのとは別のチョコレートを二つ作った それには自分の認識している恋愛対象を嫌うことが出来る薬が含まれてる
かすみちゃんに食べさせる為の一つと、私が食べる為の一つ
嫌いあってしまえばもう、お互いに依存することも…そこから勘違いして好きあうことも完璧に無くなるって思った。
…でも、そのチョコができた頃には自分が冷静じゃ無かったことに気付いた。 やっぱり、私はかすみちゃんといる時間が好きで
今だって友達として普通に話せてる…と思うし。
この時間は本当に幸せだって思う
きっとこれを使ったら尚更ダメになっちゃう…同好会の皆も巻き込み兼ねない
何より…私がかすみちゃんを拒絶することも、かすみちゃんに拒絶されることも
考えてみたらゾッとしてしまった 要は私は、嫌われることが恐くなったんだ
…改めてこの場所は、この友達という関係だけは手放せないって思った。
無かったことにはならないけど、薬がなくてもこのまま時が過ぎたら…あの頃のことを忘れていけるのかな
…忘れちゃう、のかな。
…なんだか私は、ずっと中途半端だな …でももう、これ以上間違えたくない
だから…あのチョコは棄ててしまおう
きっと、このまま時間が経てばちゃんと…以前のような友情関係に戻れると思った。
でも…後日、そのチョコがきっかけでしずくちゃんと彼方さんを巻き込む大きな問題が起きてしまった
その話はまた…別の話になるけれど ここからあの話に繋がるのね
しかしこの二人もどうなるのやら… しずくちゃんと彼方さんに起こった事件は解決に終わり、三年生は卒業式を迎えた
その日は華やかで最高の卒業式だった
打ち上げもしたし楽しかった…
けれどその打ち上げの後、しずくちゃんに思いがけない指摘をされた
あのチョコートを作った本当の理由についてだ
かすみちゃん自身もあまり話されたくないこと…だと思ったし、だから作った理由をこの一連ではずっと話さなかった
でも、理由を隠していたことをしずくちゃんに見破られていた
かすみちゃんとの間のこともどことなく知っている風だった
もう、気付かれてるなら…一番迷惑を掛けてしまったしずくちゃんには話すしかないと思った
そして、落ち着いた日に部室で二人になって、全てをしずくちゃんに話した。 璃奈「………」
しずく「…そっか」
璃奈「…ごめん、全部隠してて」
しずく「ううん…まぁ、相談して欲しかったっていうのが本音だけど…そこはお互い様になるのかな…私も相談なんて出来なかったし、今回」
しずく「それに中々言えないよね…そういうことって」
璃奈「…でも、どうして…分かったの?」 しずく「この間、彼方さんが話してくれたんだ」
しずく「本当は言わないでって言われてたらしいけど…かすみちゃんが璃奈さんとの事ですごく悩んでたって」
璃奈「…!」
しずく「詳しいことまでは分からないけど…もし何かあったら力になってあげて欲しいって言われて」
しずく「それで、二人の間に本当に何かあるのなら…って思って」 しずく「ちょっとだけカマかけてみちゃったけど」
しずく「…やっぱりあのチョコには理由があったんだね…聞かせてくれてありがとう、璃奈さん」
しずく「彼方さんが教えてくれなかったら、気付けなかったよ…」
璃奈「そっか…彼方さんが…しずくちゃん…色々ごめんなさい…」
しずく「…んーん、大丈夫だよ。もう気にしないで?」
しずく「…で、璃奈さん」 しずく「…今度は、私が二人の背中を押す番だよね」
璃奈「え…?」
しずく「私、今回は本当に二人に感謝してる」
しずく「二人がいなかったら、今頃どうなってたのかなって思うと…ゾッとしちゃう」
しずく「私と彼方さんを繋いでくれたのは紛れもなく璃奈さんとかすみさんだから」 璃奈「…しずくちゃんの力だよ」
しずく「んーん、2人のおかげ」
しずく「…だから、今度は私が二人を繋いであげたい」
しずく「それがもしダメでも、ハッキリさせようよ。かすみさんとのこと」
璃奈「で、でも…私は今のままでも…」
しずく「かすみさんはさ、璃奈さんのお願いを今まで受け入れてくれてたんだよね」 しずく「次は璃奈さんもかすみさんの言葉に耳を傾けてあげてほしいな」
しずく「璃奈さんのしてることは…正直言って独りよがりだよ」
璃奈「……」
しずく「前の私と似てるって思う」
しずく「…今度は、二人が本音で語って」
しずく「好きなら好きだってお互いに伝えて欲しい」 璃奈「…で…でもね、しずくちゃん」
璃奈「…私の好きも…かすみちゃんの好きも結局のところ錯覚だって思うんだ…」
璃奈「ただの共依存からくるものだったんだと思う…」
璃奈「そんな中途半端な気持ちを伝えても…ダメだって思うんだ」
璃奈「それに元々、かすみちゃんは侑さんが…」
しずく「それは…」 しずく「依存してるから好き…じゃなくて、好きだから依存してるのかもしれないよ?」
しずく「…実際のところどっちかなんて分からないけど…少なくともかすみさんは璃奈さんとのことで思い悩んでたし、泣いてたみたいだから 」
しずく「侑先輩に対する感情は私は分からない…でも、あのかすみさんが泣いちゃう程なんだよ?」
璃奈「……」 しずく「だから、今度はかすみさんの気持ちをちゃんと聞いてみようよ」
しずく「璃奈さんの気持ちも話して、ね…」
しずく「…璃奈さんは、かすみさんとどうなりたいの?」 璃奈「………」
しずく「友達でいたい?」
璃奈「……それは…」
しずく「………」
しずく「…恋人に、なりたい?」
璃奈「っ!……」
しずく「…自分の気持ちを見て見ぬふりしてるだけだよ、璃奈さんは」
しずく「後者になんてなれないって思い込んでるだけだと思う」 璃奈「…そんなこと、ないよ」
しずく「んーん…恋人ってフレーズ聞いてから顔真っ赤だもん、璃奈さん」
璃奈「ええっ…」カァァ
しずく「…璃奈さん、意外と話すだけで解決することって沢山あるんだよ?」
しずく「私は彼方さんとの事で痛感した」 しずく「私も、璃奈さんもかすみさんも不器用過ぎたんだよね」
璃奈「…」
しずく「…伝えようよ、聞こうよ、二人の気持ちを」
しずく「それでもし、上手くいったら…いつか璃奈さんと恋人の愚痴とかしたいな」ニコ
璃奈「…それは…ちょっと、楽しそうだけど…」
しずく「ふふ、でしょ?」
しずく「だから、次に自分をさらけ出すのは璃奈さんの番だよ」
しずく「そこで自分の気持ちともしっかり向き合えると思うから」 璃奈「…しずくちゃんってやっぱり、少しかすみちゃんと似てるね」
しずく「うええっ!?そ、そうかな?」
璃奈「うん、色々似てる部分はあると思うけど…かすみちゃんもこんな感じで親身になって話してくれてたよね?」
璃奈「しずくちゃんと彼方さんのことで」 璃奈「すごく、熱心に話してくれて…」
璃奈「今回はしずくちゃんも同じくらい熱心で」
しずく「…な、なんかそんな風に言われると恥ずかしい…」
璃奈「でも、本当のことだから」 璃奈「だから、改めて二人と出会えて良かったって思う」
しずく「……璃奈さん…」
璃奈「…その、私…うまく、話せるか分からないけど…明日かすみちゃんと話してみようと思う。ちゃんと」
璃奈「…しずくちゃん、ありがとね」
しずく「ううん…応援してるね、璃奈さん」ニコ
私は確かに…独りよがりだったと思う
しずくちゃんに言われて、かすみちゃんとしっかり向き合おうと思った
─でもその翌日、事件が起きた ───
─
侑「……」スッ
かすみ「…なんですか、これ」
侑「…新聞部の子がね、たまたま見かけて…カメラで撮影したらしいんだ」
画質は悪いけど…その写真には空き教室の中で私を押し倒しているりな子と、押し倒されてる私の姿があった
侑「…これ、璃奈ちゃんとかすみちゃんだよね?」 かすみ「ま、待ってくださいちょっと待ってください…」
かすみ「その…この写真、どうなるんですか」
侑「…SNSで情報が投稿されてるんだ、虹ヶ咲新聞部ってアカウントから」
かすみ「…!」
侑「写真はまだ投稿されてないけど…状況は事細かに書かれてて…」 侑「部員は一人しかいないしそんなに目立たない部だから、今のところあんまり拡散はされてないんだけどね」
侑「でも、詳しくは読んでないけど…あることないこと書かれてたと思う」
侑「このまま拡散が進んだら酷いことになるかもしれない…」
侑「で…終業式の前に写真を投稿させてもらうって、部の人に直接言われたんだ。さっき」 侑「やろうとしてる事がえぐいよね…スクールアイドルの知名度は強いから、多分拡散力を上げるだけの為にやってるんだと思う」
かすみ「っ…ど、どうして…今更…」
侑「温めてたのかもね…このタイミングに投稿で知名度を上げればこれから入る新入生の目にも止まるし、新部員も入るかもしれない」
侑「恐らくだけどそういう心算なんじゃないかな」 侑「…心当たりあるんだよね、かすみちゃん」
かすみ「…」
このまま拡散が続いたら、同好会の活動にも支障が出る…
それが防げたとしても、もしかしたらこの写真でりな子のファンが減っちゃうかもしれない…
誹謗中傷も受けてしまうかもしれない…
そんなの… かすみ「…っ、ちょっと行ってきます」ガタッ
侑「!待ってかすみちゃん、逆効果だと思う」
かすみ「へっ…」
侑「真実はどうであれ行ったら認めることになるよ、余計にSNSで情報が増えるだけだと思う…」
かすみ「でも…!でもこんなのでりな子の活動に影響が出るのは嫌なんです!!」 侑(…真っ先に璃奈ちゃんの心配をするんだね)
侑「……落ち着いて、かすみちゃん」
侑「璃奈ちゃんとは…その、付き合ってるの?」
かすみ「…っ…そんなんじゃないです」
侑「じゃあこの写真は…」
かすみ「…事実です」 侑「…事実なんだね」
かすみ「…すみません」
侑「…大丈夫、詳しくは聞かないけどさ。事情があったんだよね?」
侑「なんとかあっちの部の人と話して投稿を消すようにお願いするから安心して、写真も捨てるように言うから」
かすみ「侑先輩…本当にすみません…お願いします…」
侑「うん、任せて」 むしろガチ百合アイドルならそれはそれで人気出そう
と思ったけど同性同士の恋愛が当たり前の世界だとそういうわけにもいかないのかな…… ガチャ
璃奈「………」
かすみ「…りな子」
侑「!…璃奈ちゃん…」
璃奈「…かすみちゃん、話があるの」
かすみ「…話?」 璃奈「…うん、侑さんは…ちょっと…」
侑「ん…分かった」スク
璃奈「ごめんなさい」
侑「…んーん、また明日ね?2人とも」
かすりな「……」
ガチャ
パタン
璃奈「……」 かすみ「…どうしたの?りな子」
璃奈「…今の話、聞いちゃった」
かすみ「……最初から?」
璃奈「うん…」
璃奈「私のせいで…ごめんね、かすみちゃん…本当にごめんなさい…」 かすみ「…謝んないでよ、こんなのお互い様じゃん」
かすみ「私のせいでもあるよ」
璃奈「…後悔してるよね」
かすみ「…ううん、そんなことないよ」
璃奈「ごめんなさい」
かすみ「………」 かすみ「…嫌じゃ、なかったんだよ…私は」
璃奈「え…?」
かすみ「りな子にするキスも、してもらうキスも…正直嫌いじゃなかったよ」
かすみ「してもらう度に可愛いって言ってくれるの、嬉しかったんだから…私は」
かすみ「なんというか…その…うん、好きだった」 かすみ「だからね、りな子を拒むなんてこと出来なかったんだよ…あの時」
かすみ「終わりにしようって言われた時は正直…ちょっと寂しかった」
璃奈「……」
璃奈「…かすみちゃんは…私の事好き…?」
かすみ「っ…それを聞いてどうするの?」 璃奈「今みたいに…かすみちゃんの気持ちを聞きたいの、私の思いも伝えたいって思ってる…」
璃奈「この状況で聞くことじゃないのは分かってる。でも…遅いかもしれないけど、ハッキリさせたいんだ」
かすみ「…どうしてそう思ったの?」
璃奈「…ごめんね、しずくちゃんに全部話したんだ」
かすみ「へっ…?」 璃奈「親身になって話を聞いてくれた…」
璃奈「それで、しずくちゃんに言われて気付いたんだ」
璃奈「私ばかりしたい事を聞いてもらってて…かすみちゃんの言葉を聞こうとなんてしてなかった」
璃奈「私が勝手に始めて…勝手に終わらせちゃったから」 かすみ「…先にさ、りな子の気持ちを聞かせてよ」
璃奈「え…?」
かすみ「りな子がどう思ってるのかわかんないまま終わっちゃったんだもん、あれからしばらくモヤモヤしてたんだからね…先に聞かせてほしい」
かすみ「りな子は私のこと、どう思ってる?」 璃奈「……私は、みんなと心を通わせて繋がりたい…今もそう思ってる」
璃奈「勿論かすみちゃんとも」
璃奈「でも、かすみちゃんとの繋がりは少しずつ違っていっちゃって…私は臆病になった」
璃奈「好きな気持ちは強くなった…けど、恋って認めちゃダメな気がしたんだ」 璃奈「自覚が薄いだけでただ依存してただけなんじゃないかって…このままだとダメになると思った」
璃奈「私は…」
かすみ「っだぁぁもうまどろっこしい話は無し!」
璃奈「ええっ」 かすみ「2文字か3文字で答えて!」
璃奈「あ、あの…えっと…」
かすみ「はい好きなの嫌いなのどっち!」
璃奈「す、…好き」
かすみ「……ん、私も」
璃奈「……」
かすみ「…//」
璃奈「…かすみちゃん…」 かすみ「…もうさ、難しく考えなくていいじゃん、りな子」
かすみ「あの時りな子が感じたことが正解じゃないの?ちょっと生々しい話になるけどさ…私はりな子と触れ合えて」
かすみ「りな子のことすごく可愛いって思えたし、幸せな気持ちになれたよ?」
かすみ「りな子にするのが、されるのが好き…じゃなくて、りな子との時間が好きになったんだよ?」
かすみ「りな子は?」 璃奈「わ、私も…好き、だったよ」
璃奈「私もかすみちゃんといる時間が…心地よくて好きだった」
かすみ「…なら、そういうことなんじゃん」
璃奈「……いいのかな、そんな単純なことで」
かすみ「いいでしょ」 かすみ「依存してただけとかさ、好きじゃなかったらしないでしょ依存なんて」
かすみ「もうとっくに心は通ってたはずでしょ?私とりな子は」
かすみ「でも、こんな話…もっと早くにしておけば良かったんだよね…お互いに」
璃奈「ん…そう、だよね」
かすみ「…ね、りな子」 かすみ「今は出来ないけどさ、この問題が落ち着いたら…」
かすみ「今度こそちゃんと始めようよ、私と」
かすみ「まずは…手を繋ぐところから!」
璃奈「え、えっ…て、手…?えっと…」
かすみ「っ…だっ…//」
かすみ「だからぁ!付き合ってくださいー!って言ってるの!」 璃奈「!?あ、あぅ…//…ええっと…そ、その…はい…お願い、します…?」
かすみ「…ん、うん…こちらこそね
璃奈「……」
璃奈「……あ、で…でも…新聞のこと、どうしよう」
かすみ「…それは、侑先輩が話し合ってくれるらしいけど…どうなるかわかんない」
璃奈「…多分、無理かも」 そこで鈍感になるりなりーもそうだしそこで「手を繋ぐことから」始めようとするかすみんもそれっぽくてすき
同学年相手だと割とへたれそうだよねかすみんって 璃奈「あの部の…話を盛って記事にする傾向があるから、もしかしたら誤解されるような事を書いて写真を貼るかもしれない」
かすみ「ちょ、不安を煽るようなこと言わないでよ…」
璃奈「あ、ごめん」
かすみ「まったく〜…とりあえず、後で侑先輩から連絡がくると思うから…」 かすみ「どうなるかはわかんないけど…」
璃奈「そこからどうするかだね…」
かすみ「うん…とりあえず、帰ろっか」
璃奈「…別々の方がいい、よね」
かすみ「そこまで気にすることないかもだけど…まぁ、一先ずはね…」
璃奈「…そうだよね」 かすみ「…そんな顔しない」デコピン
璃奈「あたっ…わ、わかるの…?」
かすみ「…大体ね」
璃奈「…ちょっと嬉しい」
かすみ「そ、そう…//」
璃奈「…照れてる?」 かすみ「て、照れてないし!もうっ、りな子先帰って!私は戸締りして帰るから!」
璃奈「う、うん…分かった」
璃奈「…またね、かすみちゃん」
かすみ「…うん、じゃあねりな子」
…ガチャ……パタン
かすみ「………ふぅ」
こんな状況なのに…顔が熱くて、どきどきが止まらなかった ───
─
夜
しずく「…そっか、上手くいったんだね」
かすみ「…い、一応ね…」
かすみ「…しず子がりな子の後押ししてくれたんだよね…」
かすみ「その…ありがとう、しず子」
かすみ「それを伝えたくて電話したんだけどさ…」 しずく「そっか…でも、璃奈さんが勇気出してくれたからだよ」
しずく「かすみさんも…本音を伝えてくれたからだと思う」
かすみ「………」
しずく「…ほんとに良かった」
かすみ「うん…ありがとう。でもねしず子…」 しずく「…さっき…侑先輩から聞いたよ、写真のこと」
かすみ「そうなんだ…うん…さっきね、その事で侑先輩があっちの部の人と話してくれたみたいなんだけど」
かすみ「…聞く耳、持ってくれなかったって…」
しずく「……」
かすみ「…これが広まったら、ファンのみんなに嫌われちゃうのかな…」 しずく「さすがにかすみさんでも弱気になっちゃうよね…」
かすみ「そりゃなるでしょ…私だってもっと堂々としていたいよ?でも」
かすみ「でも…怖いんだよ、しず子…私も、りな子も…どうなっちゃうのかな…」
かすみ「…今後ずっと後ろ指さされちゃうのかな」
かすみ「っ…これじゃりな子と手なんか繋げないじゃん…」 しずく「……かすみさん」
かすみ「…あっ、ごめ…っ」グシグシ
かすみ「ごめんしず子…こんなこと言うつもりじゃなかったのに」
かすみ「もっと前向きに考えなきゃね」
しずく「…大丈夫だよ」 しずく「一旦寝よう、かすみさん」
かすみ「へっ?」
しずく「寝たらね…大分気分が落ち着いて、少し楽になると思うから」
かすみ「…彼方先輩の受け売りでしょ」
しずく「えっ!?よ、よくわかったね…?」 かすみ「…同じこと言われたことあるもん…」
しずく「そ、そうなんだ…なんか恥ずかしい…」
かすみ「お熱いねぇしず子は」
しずく「…からかうと倍にして返すよ?」
かすみ「ふふ…かすみんはそれを倍にして返すよ?まぁ…じゃあ、しず子の惚気話聞く前に寝るね」 しずく「の、のろけないし!」
かすみ「はいはい、それじゃあまた、明日ね…しず子」
かすみ「聞いてくれてありがと…おやすみ」
しずく「もう…うん、またね…おやすみ」…ピロン しずく「………」
…なんとか、しなくちゃ…
一歩手前という所で…こんな
ファンの人の反応は…分からない、二人の関係を歓迎してくれるかもしれないし…そうじゃないかもしれない
正直、もしかしたら同好会の存続にも関わる事態になるかもしれない せつ菜さんは生徒会長だけど…会長の一存で何とかできるとは限らない
しずく「……」スッ…スッ
新聞部のツイート…少しずつ拡散されてるな…
多分…写真が投下されたら一気にいくと思う…
更新の時間は大体23時くらいか…なんでこの時間帯?
まぁ…終業式の前だから、この傾向なら明日の夜になるのかな それまでに何とか写真を奪わないと…
しずく「どうしたら…」スッ…
しずく「ぁっ…この画像…」
しずく「……//」
何となく、一年生のグループトークを遡っていると…とある画像と、動画を見つけた
…これ、新聞部に持っていけば交換してくれるかな… いや、望み薄かもだけど…ていうか下手したら私の高校生活が、ある意味終わるかもしれないけど…
それに、これが成功したとしてもあっちは多分虚偽の情報を拡散するんだろうな…
やめるように言っても聞く耳はもたないみたいだし…
ちょっと悩んじゃうな…でも、2人の為だし… これなら写真もハッキリしてるから拡散力は凄いだろうなぁ
拡散力か…拡散力…ん…?
…そっか
うーんでも…
しずく「…もう自殺行為だけど、やるしかないか…」 ───
─
その翌日、とある画像を現像して私は新聞部室まで持っていった
部員の人に交換条件の旨を伝えて、私の写真を提供した
かなりの勇気を要したけれど
思いの外、交換条件は飲んでくれた
…そんなに価値あるのかなとも思ったけど… そしてかすみさんと璃奈さんの映った写真は無事、回収できたしスマホの画像も消してもらった
意外とすんなりいくもんだなぁ…
そして今夜…部に渡した画像は拡散される事になる…
その前に私がやるべき事は一つ
この動画をSNSに投稿すること…
拡散力は正直私の方が上だから心配ないと思うけど…ちょっと反応がこわいな…最悪彼方さんの目に触れませんように…!
そしてその夜、私はひとつの動画をSNSに投下した スクールアイドル同好会の桜坂しずく!
まさかの痴態!
マニアックなS字開脚露出!破廉恥!淫乱!やらしい!
詳細については今後本人に追求していきたいと思います
写真添付
虹ヶ咲学園 新聞部より ───
─
終業式 当日
かすみ「…なにこれ」
かすみ「……なにこれ!!?」
おかしいおかしいおかしい…なんでしず子が載ってるの?私達のは…?
ていうかこれ罰ゲームのやつだよね
なんか他のツイートで普段から好きでやってるみたいに書かれてるし…ほんとに大嘘じゃん…
これじゃしず子が…コメント欄見るのこわい…
かすみ「……」チラッ ─やらしい子なのは分かるけど別にこれはやらしくない
─純粋に努力賞あげたい
─えらい綺麗なS字だなぁ
─S字開脚を見たのは初めてです
─本人の動画見たけどただの罰ゲームらしいですよ
─罰ゲームなのに何故デタラメを書くのか…
─前のかすみちゃんと璃奈ちゃんのツイートもデタラメかな?
かすみ「あわわわわわ…」 かすみ「で、でも…意外と非難のコメントなさげ…寧ろ褒められてる…?」スッ
かすみ「ていうか本人の動画って何…しず子のアカウントは…」スッ…スッ
かすみ「あった…」
かすみ(新聞部より1時間前に投稿されてる…)タップ
─────
─ 動画
しずく「えっ、えっ…ほんとにやるの?」
璃奈「罰ゲームは絶対だから」●REC
しずく「り、りなさんのおにぃ…」
しずく「え…S字ってどうやってやれば…」
璃奈「しずくちゃんの思うS字を見せればいいと思う」REC
しずく「…というかなんで撮ってるの璃奈さん…」
璃奈「かすみちゃんにも見せなきゃ罰ゲームにならない…」
しずく「ええ…絶対からかわれるやつだよ…」 璃奈「ささ…はじめて?」
しずく「……っ//」グイッ
璃奈「…!おおっ…すごいよ、しずくちゃん…綺麗なS…!」REC
しずく「っ…!もっ、もういいかな…!?きつい…っ、痛い痛いいたい…っ」
璃奈「うん、いいよ」REC
しずく「…だっは…!き、きつかったぁ…」ドサッ
璃奈「お疲れ様、しずくちゃん。良かったよ」REC
しずく「はぁ…っ、はぁ…//すごく恥ずかしいんだけど…//」
REC停止 ─
────
かすみ「…これ、りな子がグループで送ったやつだ…」
朝からびっくりだよ…めちゃくちゃこの動画ツイート伸びてるし…
とりあえず、学校行かなきゃ─
…その後、学校に行って終業式を無事に終えたけど…特に大きな騒ぎは見られなかった
しず子どうなってるんだろ…なんでこうなったのか事情を聞かなきゃ…
そこで、侑さんから部室にくるように連絡があった。
多分しず子のことだと思うけど…─ ───
─
部室
愛「あはははは!すごいよしずく!めっちゃくちゃこのツイートバズってるじゃん!」
jΣミイ˶º - º˶リ…
歩夢「もう愛ちゃん笑いすぎ…あの、しずくちゃん…大丈夫?」
jΣミイ˶º - º˶リ…
璃奈「急展開すぎて無になってる…」 ガチャッ
かすみ「しず子!いる!?」
jΣミイ˶º - º˶リ…
璃奈「…かすみちゃん」
かすみ「はぁ…はぁ…しず子…あのツイートどういうことなのっ?」
jΣミイ˶º - º˶リ……
かすみ「…ねぇちょっとしず子…聞いてる?」
jΣミイ˶º - º˶リ……
かすみ「それ一体どういう感情なの!?」 侑「あ、あのーかすみちゃん…落ち着いて?」
かすみ「落ち着いてなんてられないですよぉ!」
侑「まぁそうだよねー…」
侑「一応しずくちゃんからは昨日聞いたんだけどね…」
侑「あ、ちょっと歩夢と愛ちゃんは席外しててもらえるかな」
歩夢「…うん、分かった。いくよ?愛ちゃん」グイー 愛「えー愛さんも話聞きたいよー」
歩夢「だめー」
愛「えー…てかめっちゃ強く引っ張るね歩夢…」
ガチャ …パタン かすみ「……で、どうしたらこうなったんですか?」
侑「…しずくちゃんね、例の写真を持ってあの新聞部に提供したらしいの」
侑「かすみちゃん達の写真を交換条件にしてね」
かすみ「っ…やっぱり、そういうこと…」
かすみ「このままだとしず子が…」
璃奈「しずくちゃん、決死の覚悟だったと思う」
璃奈「あの部のアカウントは虚偽の情報が多いの知ってたから…」
璃奈「そのツイートが極力目立たないように、嘘言われても平気なように…」 璃奈「先に拡散力がある自分のアカウントからあの動画を投下したんじゃないかな」
侑「まぁ結果的には成功したのかな…かすみちゃんも多分コメント欄見たよね?あんまり信用されてないみたいだったし」
侑「かすみちゃんと璃奈ちゃんのことも虚偽だと思われてる…」
侑「まぁ前から話盛ったりしてたらしいから元々信用されてないのかもだけど」
璃奈「でも…自分が大きく損するのにここまでどうして…」 侑「損得とかじゃなくて、友達を守るためだったらなんでもするでしょ?2人だって」
かすりな「……」
かすみ「でも、これじゃしず子が…」
かすみ「…ていうか、なんでしず子ずっとこの状態なんですか…?」
jΣミイ˶º - º˶リ……
侑「いやさ…意外としずくちゃんの動画が好評でさ、海外の人からも絶賛のコメントが多くて」 かすみ「えっ!昨日の今日で!?」
侑「みんなも言ってたけど、わたしも正直ときめいちゃったんだよねぇ…何あのきれいな曲線美…」
璃奈「うん」(感心)
かすみ「な、何の話ですか急に…」
侑「しずくちゃんは完全にSになってた」
かすみ「語弊のある言い方やめません?」 侑「さすが女優って感じ」
かすみ「まだ女優じゃないし関係ないです」
侑「まぁとにかく…しずくちゃんの狙い通り…以上になっちゃったのかな?見てよこのトレンドにあるタグ」
かすみ「え?」
#S字チャレンジ
かすみ「」
侑「ね?」 かすみ「ね?じゃないでしょ!なんですかこのタグ!ていうかトレンドに上がるんですか!?しかも昨日の今日で!」
侑「うんだから思ってた以上の反響過ぎてさ…みんなこのタグつけて真似し始めちゃって…」
璃奈「うん、それでしずくちゃんがショック状態になっちゃったんだ…」
侑「なんかどことなく幼く見えるよね、かわいい」
jΣミイ˶º - º˶リ…
かすみ「ショックになると人ってこうなるんですね…」 侑「でさ、このしずくちゃんのとこのコメントすごいんだよ…?ほら」
─これはSクールアイドル
─桜坂Sずく
─しずくちゃんのS字でクランク練習したい
─素人にしか見えない
─グッズ化してほしい…フックにしたい
─かすみんのS字チャレンジも期待したい
─人間もここまできたのかぁ
─これで彼女ができました
かすみ「勝手に私期待されてるんですけど…」 かすみ「ていうか本当に昨日の今日でこんなに影響出るもんなの…?」
かすみ「これは、確かにしず子のメンタル持たないかも…正直やってる方は恥ずかしいし…」
璃奈「恥ずかしくない、芸術だと思う。私は好き」
かすみ「じゃありな子できるの?」
璃奈「…やってみたいけど身体がかたいから無理。恥ずかしいし」
かすみ「本音出ちゃってるじゃん!」
jΣミイ˶º - º˶リ…! 璃奈「あ…気付いた」
かすみ「え…」
しずく「あ…かすみさん」ニコリ
かすみ「あ、あの…大丈夫?しず子」
jΣミイ˶º - º˶リ …スン
かすみ「…しっかりしなさい」ビシッ
しずく「あたっ…ええ?ぁ、ここどこ…あぁ、部室かぁ…」
侑「大丈夫じゃないねこれね」
しずく「だ、大丈夫ですよ?」 かすみ「しず子ホントなにしてんの…かすみん達の為にここまですることなかったのに」
しずく「ううん、何とかしなきゃって思ったらいても立ってもいられなかったし、この手しかなくて…」
しずく「まぁ、冷静じゃなかったのは確かなんだけどね」
しずく「でもこれでかすみさんと璃奈さんの話題が上がらなくて良かったよ。後悔はしてない」
しずく「ただね、ただ…こんなに伸びる動画だとはおもわなかったんだよなぁ…はは」
璃奈「…ごめんね、しずくちゃん。でも、ありがとう」 しずく「…ううん、困った時はお互い様だもん」
かすみ「…しず子ってさ、本当にバカだよね」
しずく「……」
かすみ「……」
しずく「え?」
かすみ「え?」
しずく「え、それだけ?この後何か言うんじゃないの?!悪口だけ!?」
かすみ「だって本当にバカなんだもん!それ以外の言葉見つかんないし!」 しずく「そ、そうかもしれないけどかすみさんよりはバカじゃないもん!」
かすみ「はぁ!?かすみんがバカとか今関係ないじゃん!」
侑「バカは否定しないの?」
かすみ「…かすみんバカじゃないもん!」
しずく「しちしちが?」
かすみ「しち!」
ゆうしずりな「…」 かすみ「ぇ…なに、こわ…違った?」
侑「49だよかすみちゃん」
しずく「ほら!やっぱりバカだよ!」
かすみ「むきーっ!」
璃奈「今のはしずくちゃんの問題の出し方にも悪意があった気が…」 かすみ「だ、大体!話戻すけどそもそも素直に罰ゲームするとこからしず子はバカでしょ!」
しずく「S字とM字間違えて書いた人に言われたくないよ!」
かすみ「今話そこじゃないでしょ!」
しずく「いや絶対そこでしょ!」
璃奈「ふ、2人とも落ち着いて…」アワアワ
侑「…やっぱり一年生見てるとホッとするなぁ」 しずかす「……え」
侑「しずくちゃんとかすみちゃんが口喧嘩して…それを璃奈ちゃんが鎮めようとする光景…見てるとなんかホッとする」
侑「どんな時でもわちゃわちゃしてて…間違えた時は本気で寄り添ってくれてさ」
侑「ほんとに仲良しで、きっとこの先どんなになってもそういう関係なんだろうねぇ」
侑「3人が真面目で、バカじゃなきゃこんな関係築けないよ」
侑「いい関係性だと思う」 かすみ「…なんか、こそばゆいですね…そこまで言われると」
しずく「まぁ、バカは気になりますけどね…そりゃあ、友達ですからね…」
璃奈「この3人がいれば敵無し…りなちゃんボード、むんっ」
かすみ「なんかひっさびさに見たよりな子のそれ」
璃奈「確かに…言われてみれば、そうだね」
かすみ「…ねぇしず子、色々言っちゃったけどさ…その、ありがとね?」
しずく「…ふふ、どういたしましてっ」 ガチャ
歩夢「みんなー…話終わったの?」
侑「あっ、ごめんごめん!もう大丈夫だよ」
愛「ちょうどせっつーきたよ〜…わっ、すごい形相」
せつ菜「しずくさん!!」バッ
しずく「!は、はひ…!」
かすみ(やば…さすがにツイートの事で怒られるかな)
璃奈「あわわわわ…」 せつ菜「なんですかあれは!」
しずく「ぇっ、あのえっとー…話せば長くなると思うんですけど…」
せつ菜「最っ高に綺麗でした!」ギュ
しずく「…は?」
かすみ「え…?」 せつ菜「もーなんなんですかあの曲線美!完全なるSでしたね!人ってS字をも表現出来てしまうものなんですね!」
しずく「あ、あのすみませ…せつ菜さん…手を離してもらえると…」
せつ菜「あっ、すみません…彼方さんに怒られてしまいますね!」
しずく「っ//いやそういう意味じゃっ」 せつ菜「ちょっとコツを教えて頂けませんか!しずくさん!」
しずく「…はぁ?」
かすみ「なんなのこの人の謎の熱量は…」
璃奈「…じゃあ…私達もやろう、S字チャレンジ」
かすみ「えっ、何突然」
愛「おーいいじゃんいいじゃん!愛さんもやってみたい!歩夢もやろー!」 歩夢「え、ええ?流石に恥ずかしいよ…」
愛「恥ずかしいかー、ならM字でもいいんじゃない?」
歩夢「余計恥ずかしいよ//」
侑「いいんじゃない?もう色んな人もS字チャレンジしてるし、そんなに恥ずかしくないよ」
歩夢「そういう問題じゃないよ侑ちゃん…」
せつ菜「是非みんなでやってみましょう!Sずくさんにレクチャーしてもらって!」
しずく「次Sずくさんって呼んだら怒りますよせつ菜さん」 かすみ「ていうかこれほんとにやる流れなの…」
璃奈「やろう、しずくちゃんだけ目立つよりみんなで目立った方がいいと思うし」
璃奈「出来るか分かんないけど」
愛「大丈夫だよー!愛さんついてるし!」
かすみ「…!か、かすみんだってついてますけど!」
璃奈「二人がいるなら安心できる…!」
从||>ᴗ<||从 ガチャ
せつ菜「じゃあ早速中庭に行きましょうか!」グイッ
しずく「ちょちょ!?せつ菜さん待って引っ張らないで下さい!」
侑「じゃあ私がカメラ回しとくねー、撮ったらエマさんや果林さんにも見せとこ♪」
歩夢「ほんとに?ねぇ、ほんとにやるの!?」
愛「せっつーの熱には逆らえないし!みんなやる気だからねー、ほら行こ行こ!」グイッ
歩夢「…っ、もうこのぉ!アイドルグループは終わりd」
パタン 璃奈「…グループじゃないけど…」
かすみ「それ何となくりな子のセリフじゃない気がする…ていうかもう、変な流れになっちゃったじゃん」
璃奈「たまにはこういうのも悪くないと思う」
かすみ「S字開脚することが?」
璃奈「みんなでわちゃわちゃすることが…だよ」
かすみ「…そっか」 璃奈「…あのね…かすみちゃん」
かすみ「ん?」
璃奈「本当はね、かすみちゃんは侑さんが好きなのかなって思ってた」
かすみ「え?」
璃奈「気持ちを伝えられなかったのは、そこで遠慮しちゃってた部分もあったから」
璃奈「実際どうなのかなって」
かすみ「あー、まぁ…確かに好きだけど、そういうのじゃないっていうか」 かすみ「りな子のと違うよ…?好きだけど憧れの先輩っていうか、いっぱい応援してくれるし」
璃奈「…そうなんだ」
かすみ「ん、なにー?不安だったのりな子ー?」
璃奈「ちょ、ちょっとだけね…気になってたから」
かすみ「だいじょーぶ、安心してよりな子」
かすみ「…ちゃんとりな子と繋がってるよ?」 璃奈「…かすみちゃん」
かすみ「せっかくしず子が繋いでくれたんだしね…」
かすみ「私たちの関係を少しずつさ、大切に二人で進めていこうよ」スッ
璃奈「ぁ………うん」ギュ
………
璃奈「……っ…!」 かすみちゃんから差し出された手を握った瞬間、気持ちがぷわっとした
あの時と全く同じ感覚だ…
もしかしたら…これだけで良かったのかな
かすみちゃんの匂いが良かったからでも…キスが良かったからでもなかったのかな
ただこうして手を繋ぐだけで…良かったなら、かすみちゃんに触れるだけでこうなるなら もしかしたら…もっと前からかすみちゃんのこと好きだったのかな
だとするなら私は、かすみちゃんの好きなものに対するひた向きさを好きになったのかもしれない
そっか…かすみちゃんに対する気持ちは本当に、本物なのかも…
そう思ったらなんだかホッとしちゃった
…繋いだ手があたたかい
指を絡めてみる かすみ「っ…//」ピクッ
かすみ「あの…//どうしたの?りな子…//」
璃奈「う…ううん、なんとなく…ねぇ、かすみちゃん」
かすみ「な、なに…」
璃奈「ずっと前から好きでした」 かすみ「は…//えっ//何突然…//」
璃奈「伝えたくなっちゃって」てれてれ
かすみ「なっちゃってじゃないよもう…//」
かすみ「か、かすみんだってずっと前から好きだし…っ」
璃奈「うん、すごく嬉しい…かすみちゃんかわいい」
从||*´ω`*||从
かすみ「っ…//も、もおおっ!いいからほら!行くよっ//」グイー
璃奈「…うんっ…」
ガチャ パタン
…かすみちゃんは、本当にかわいい
自分のこと可愛いって言うくせに
人に可愛いって言われると照れちゃうとこが可愛いくて大好き
こんなにかわいい子が…私にとって大切な人になった。
嬉しくて、嬉しくて嬉しくて…
幸せ この先のかすみちゃんとの日々は、どんなことが起こるんだろう…
やっぱりデートとか、したいな
考えたらかすみちゃんとしたいことが多い…うーん
今度、かすみちゃんにも聞いてみよう
そんな事を考えている時間が既に幸せかも…なんて
私の頬は、気付かぬ内に緩んでいた。 しずく「大嫌いです」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1613489346/
後日談だけのつもりだったのに前後日談になってしまいましたが、一応↑の話に繋がってます
もう一つ最後にかなしずで書こうと思うので見かけたら読んでやってください…
読んで頂いてありがとうございました从cι˘σ ᴗ σ˘* おつでした。照れるかすみんは本当に可愛いね。もう一つのも楽しみにしてます 乙
S字開脚は左脚があぐらで右脚が女の子座りみたいな感じ? 完結乙
良質なかすりなをありがとう
かなしずも楽しみにしてる 乙
かすりなの甘酸っぱい感じとてもいい
バズって困惑するしずくちゃんも可愛い ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています