あなた「果林さんが廃人になった?」
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エマ「そうなんだよ〜。果林ちゃん呼びにお部屋に入ったら鍵が開いてて、様子がおかしくて……」
歩夢「心配だね……様子見に行こっか?」
あなた「そうだね。ちょっと私と歩夢ちゃんで見に行ってくるから、エマさんはみんなに発声練習から始めるように伝えておいて!」
エマ「うん、わかったよ〜。鍵はこれだから、果林ちゃんのことよろしくね」 あなた「寮に着いたはいいけど……」
歩夢「な、何だか思っていたよりも深刻そうだね……」
果林「……」パクパク
あなた「ダラっとソファに腰掛けてて、私たちにも気づいてないみたい」
果林「……」パクパク
あなた(……)ゾクゾク
歩夢「ねえ、見て。何だか果林さん、ずっと口をパクパクしてるよ」
あなた「あっ本当だ!何かを伝えようとしてるのかな?」
歩夢「うーん、声は出ていないみたい」
果林「……」パクパク
あなた「胸は動いてるから息はしてるみたいだけど、全然動かないし、目も虚ろだね」
歩夢「保健室の先生呼んでこようか?」
あなた「そうできたらいいんだけど、うちの保険医ってだいたいどこかに行ってて捕まえられないからなぁ。そうだ!真姫ちゃんに写真送って見てもらおう」カシャッ
歩夢「せっかくお泊り合宿の日なのに、残念だね……」
あなた「そうだね……三船さんにも報告しないといけない……あれ?そういえば昨日の面談って果林さん受けてなかった?」
歩夢「三船さんの面談のこと?」
あなた「そうそう、三船さんが生徒会長になってから気になる人を呼び出してやってるやつ。今週からスクールアイドル同好会のみんなを毎日1人ずつ呼び出してたと思うんだけど」
歩夢「確か、果林さんだったと思うけど、どうして?」
あなた「いや、関係あるとまでは言えないけど、三船さんなら果林さんがこうなったことについて、もしかしたら何か知ってるかもしれないと思って。私、ちょっと生徒会室に行ってくる!」
果林「……」パクパク あなた(生徒会室のドアを開けるのって、何だか緊張しちゃうな……)
あなた(三船さんが、他の分野に才能を活かせる場所があると判断した生徒は放課後、10分間だけ呼び出されて面談を受ける)
あなた(何人かはその面談で種目を変えたり転部したりしたみたいで、元いた部活の人たちからは不評なんだけど、本人はみんな変更してから上手くいってるみたいだから、誰も不満を口にできないみたい)
あなた(噂によると、物理の先生も面談を受けて、地理の先生を勧められて今勉強中だとか)
コンコン!
あなた「失礼します」
ガラガラ
あなた「三船さんに用が……えっ!」
栞子「……」パクパク
あなた「そ、そんな……」
あなた(三船さんも果林さんみたいに廃人化しちゃってるなんて!)
栞子「……」パクパク
あなた(あんなに知的で真面目そうなイメージがある三船さんが意識もなくよだれまで垂らして……)
栞子「……」パクパク
あなた(何だか興奮するな……) あなた(……じゃなくて!)
あなた(どうして果林さんと全く同じ状態になってるの?何かの伝染病なのかな?だとしたら……)
ピコン♪
あなた「あっ、真姫ちゃんからだ」
あなた(ふんふん……病気の可能性は低い、か。流石真姫ちゃん!頼りになるなあ。でも、じゃあ何で2人もこうなっちゃってるんだろう?)
あなた(……一応写真撮っておこう)
あなた「これは状況証拠を残しておくって意味でね、写真撮んないといけないよね、しょうがない、しょうがない」カシャッ
あなた(別にやましい理由じゃないからね、うん)
栞子「……」パクパク
あなた(えっっっっっ!!!) 歩夢「あっ!ど、どうだった?三船さんから何か……」
あなた「えっと、それなんだけど……」
歩夢「その写真……嘘!?ど、どうして三船さんも!?」
あなた「わからない、私が行った時にはもうこうなってて、何が何だか」
歩夢「もしかして、何か大変な病気なのかな……今何だかウイルスが流行ってるもんね」
あなた「それなんだけど、真姫ちゃん曰く病気の可能性は低いみたい。もちろんちゃんと診察した訳じゃないから完璧なことはわからないけど、少なくとも外傷があってのことじゃないし、呼吸が正常なら内部の問題も特になさそうだって」
歩夢「す、すごいね!真姫ちゃんって写真だけでそんなに色々わかるんだ!」
あなた「それと、真姫ちゃんが昔見たことある患者さんに状態が近いみたい。その人は奥さんに集めてた模型全部捨てられて心にぽっかり穴が空いちゃったみたいで、だからもしかしたら果林さんも、何か喪失感のようなものがあるんじゃないかって」
歩夢「喪失感……」
あなた「うん、ただ三船さんまでこうなっちゃってるのがちょっと想定外というか、よくわかんなくなっちゃって」
歩夢「果林さんと三船さん、学年も違うし共通点があんまりないよね。」
あなた「そうだよね。でもだからと言ってこのタイミングでそっくりの状態になっちゃうなんて偶然だとは思えないからきっと原因は同じなんだと思う。でも、果林さんと三船さんが失ったものって…いったい何だろう?」 歩夢「う〜〜ん。なんだろう?あんまり思いつかないよ」
あなた「そうだよね……ちなみに私がいない時果林さんはどうだった?」
歩夢「このまんまだったよ。口はずっと動いてるんだけど、何も喋らないんだ」
あなた「そっかぁ……」
歩夢「喋らなくても、意識はあるかもしれないから、なんとか意思疎通取れないかな?」
あなた「意思疎通……そうだ!璃奈ちゃんに頼んでみようよ!璃奈ちゃんは意思疎通をとることをずっと考えていたし、正直意味わかんないくらい技術力があるからきっとなんとかしてくれるよ」
歩夢「ふふっ、こういう時、あなたがいてくれてよかったって思うよ」
あなた「だって、三船さんを必死に説得してやっと掴んだ泊まり込みの合宿だもん!早く果林さん……と三船さんに復活してもらって、ちゃんと練習頑張らなきゃ!」
歩夢「そうだね。そろそろ発声練習も終わった頃だと思うし……」
ピコン♪
あなた「噂をすれば、だね。せつ菜ちゃんからだ。私たちも戻っ……」
あなた「……え!?」 あなた「今戻ったよ!大丈夫?」
せつ菜「それが、お2人が戻ってくるまで少し休憩にしていたんですが、璃奈さんがなかなか帰ってこなくて」
愛「慣れてる学校だけど、もう暗くなってるし、うちの学校広いじゃん?だからもしかしたら迷子になっちゃったのかと思って、愛さんとせっつーで探しに行ったんだよ、そしたら……」
璃奈「……」パクパク
あなた(な、なんだか犯罪臭が……)ゾクゾク
愛「最近やっと少しずつ笑ったりできるようになって来たのに、急に無表情どころか無反応になっちゃったみたいで」
歩夢「果林さんと、一緒だ……」
あなた「それに三船さんも」
しずく「果林さん……?」
かすみ「三船さんって……三船栞子ですか?」
彼方「なになに、いったいどういうこと?」
エマ「そうなんだよ〜、実は果林ちゃんもおんなじような感じになってて……」 あなた「一旦、整理してみよう」
せつ菜「朝は普通でしたよね。今日は私が部室の鍵を持ってきて」
しずく「その時は、果林さんも璃奈さんも普通でしたよね」
彼方「今日は学校に泊まり込みの合宿だから、荷物が多かったもんね……だからみんなで一旦部室に集まったんだよね」
エマ「それで、わたしと果林ちゃんは寮が近いし、あまりかさばるといけないから」
かすみ「エマ先輩と果林先輩だけ、放課後になってから荷物を取りに行ったんですよねっ」
歩夢「放課後はまたみんなで1回集まって、今日をどうするかって話をしたんだよね」
愛「そーそー、それが16時頃でしょ?それからしばらく話して、エマっちが面談の時間になったんだよね?」
エマ「そうだよ、三船さんもその時はふつうだったと思うけどな〜」
せつ菜「果林さんが荷物を取りに戻ったのは、エマさんが出て行ってしばらくしてからでしたよね」
歩夢「私たちもそれを見て、ストレッチしたり準備を進めて」
あなた「果林さんとエマさんが少し遅いから様子を見に行こうとして、廊下でエマさんと会ったのが、17時過ぎ」
エマ「面談は16時半からで、うわさ通り10分きっかりに終わったよ」
かすみ「部員に文句言われないように短時間で時間通りに終わらせるんですよ。そういうところはしっかりしてるんですよね」 噛まないか心配だけど、硬いもの噛っても大変だし指を口に突っ込んでみよう 歩夢「私達がいない間みんなは?」
しずく「はい、先輩たちが出られてからすぐエマさんが戻ってきて、指示を聞いたので一先ず発声練習をしていました。」
せつ菜「時間がかかっているようなので、練習の後は小休憩として、しばらく解散しました。その時はそれぞれ飲み物を買いに行ったり、お手洗いに行ったりしていたと思います」
愛「そんでりなりーがなかなか戻ってこないから探しに行って、女子トイレの中でぐったりしてるのを愛さんが見つけて……それが18時前くらいだと思う。そのままじゃ可愛そうだし、全然重くなかったから、部室までおんぶして連れてきたんだ」
歩夢「そうなんだね、愛ちゃんありがとう」
あなた「私達が寮に着いたのは17時過ぎで、三船さんに相談に行こうと私だけ生徒会室に行ったんだ。そうしたら三船さんはもうこうなってて、それがだいたい17時30分あたりかな」
彼方「ってことは、果林ちゃんは16時過ぎから17時前まで、三船さんは17時前から17時半頃、璃奈ちゃんは17時半頃から18時前までの間にこうなってしまったってことになるのかな」
エマ「うん、そうだね」
あなた(……あれ?なんだろう、何かがひっかかる……) メンバーが真面目に議論してる間三人はアホ面さらしてぱくぱくしてると思うと せつ菜「なるほど、病気の心配はほとんどないと」
彼方「真姫ちゃんすごいね〜。彼方ちゃん感心しちゃったよ」
あなた「もしものことがあったらいつでも連絡してって言ってくれたから、そこは少し安心かな」
かすみ「む〜、かすみんだって、りな子が病気じゃないことくらい、見ただけでわかりましたけどね!」
愛「あれ〜、りなりーのこと聞いた時、1番かすかすが取り乱してたんじゃない?」
かすみ「そっ、そこまでじゃないですぅ!っていうか、かすかすって言わないでください!」
アハハハ
あなた(思ったよりも和やかな雰囲気……病気じゃなさそうとはいえ、立て続けに知り合いが変になっちゃったし、みんなだって怖いだろうにどうして?)
歩夢「どうして?って顔してるね」
あなた「えっ?」
歩夢「ふふっ。私はみんなの気持ち、わかる気がするな」
あなた「みんなの気持ち……」 あなた「あの、さ。これからのことなんだけど」
みんな「……」
あなた「えっと、こんな状況で、3人のことは心配だし、みんなも集中できないかもしれないし、みんなは、どうしたい?」
せつ菜「……璃奈さんのことがあった時、私、言ったんです。合宿は続けたいって」
せつ菜「もちろん、他に2人も同じ状況の人がいるだなんて知らなかったからでもあるんですが、あなたが今日のためにどれだけ頑張っていたか、知っていますから!そしたら……」
彼方「みんな、おなじ意見だったんだよね」
かすみ「三船栞子も泊まって監視するって条件はちょっと納得できませんでしたけど、それでも先輩がどれだけ交渉してくれたか、かすみん見てましたから」
愛「それにさ、りなりーもきっと、これくらいで合宿ダメになって欲しくないって思ってる気がするんだよね。それじゃあせっかく色々とカバーしてくれるぶちょーがうかばーれない、なんてね」
エマ「きっと果林ちゃんも同じこと思ってるよ」
しずく「それに、きっと先輩なら、この状況もなんとかしてくれるんじゃないかって思ってますから」
あなた「みんな……」
歩夢「ねぇ、あなたはどうしたい?」
あなた「私は……私は、みんなのサポートがしたい!そのために、今日まで色々と考えてきたんだし!
あなた「それに、真姫ちゃん言ってた。何か喪失感みたいなのがあるんじゃないかって。私、3人のことも何とかしてみせる!今のところまだ何もわからないけど、頑張ってみるから!」
あなた「だからみんなは私に任せて、しっかりと自分のために時間を使ってほしい!」
かすみ「やっぱり、先輩ならそう言ってくれると思ってました♡」
彼方「だから、みんな頑張れちゃうんだよねぇ」
あなた「あ、ありがとう。それじゃあ、具体的な話をしよう」 あなた「……と、もともと計画してたのがこんな感じだね。それで、私はみんなのことを回りながら作曲するつもりだったんだけど、その時間で色々と調べてみる」
エマ「うん、ほとんどこれでいいと思うけど、何人かは果林ちゃん達のことを見てた方がいいんじゃないかなぁ」
しずく「そうですね、ふとしたきっかけで目覚めるかも知れませんし、あるいは……いずれにしても、放っておくのは心配ですからね」
愛「カリンは寮だとちょっと遠いよね。私がここまで運んで来ようか?」
あなた(……)
あなた「いや、それだと他の寮生に見られた時に変に誤解させたり、不安にさせたりするかもしれないから、私たちが交代で行こう。そのかわり、と言ったら申し訳ないんだけど、三船さんのことをこっちまで連れてきてもらえるかな?私も手伝うよ」
愛「オッケー、オッケー」
せつ菜「それでは、順番を決めましょう。練習する人と見守る人、部室に1人と果林さんのお部屋に1人、でいいでしょうか」
あなた「そうだね、私は基本的に色々と見て回るし、時々寮や部室にも顔出しにくるよ。で、見守ってる人は何かあったらすぐに私に連絡ね!それで19時30分までソロ練習して、それから一旦ご飯にしよつ」
彼方「ご飯は彼方ちゃんが色々と準備してるから任せて〜、とびっきりのご馳走しちゃうよ〜」
エマ「彼方ちゃんのごはん楽しみだな♪」
せつ菜「以前レシピを見せてもらったことがあるのですが、とっても美味しいんですよね!この間のイベントの時も大盛況でした!」
歩夢「う、うん。そうだね……」
あなた「よし、少しトラブルもあって遅くなっちゃったけど、合宿頑張ろう!」
みんな「おー!!」 ガラガラ
あなた「様子はどう?」
エマ「ずっと変わらないよ。こうしてお口をパクパクしてるだけ」
果林「……」パクパク
あなた「うーん、そっか」
エマ「それでね、さっき頼まれたことだけど」
あなた「うん!どうだった?」
エマ「寮の他のお友達はみんな連絡くれたよ〜。果林ちゃんみたいに動けない子はいないみたい。でも、わたしも寮のみんなとお友達なわけじゃないから本当にみんな無事かはわからないの、ごめんね」
あなた「ううん、エマさんが謝ることじゃないよ」
エマ「うん……」
あなた「それから三船さんとの面談はどうだったの?」
エマ「この間と一緒だよ〜。スクールアイドルの時間を、保育園でのボランティアに費やした方がいいって」
あなた「エマさん保育士似合いそうっていうのはわかるけど……スクールアイドル活動で保育園に行ってるのにね」 エマ「その三船さんと璃奈ちゃんの様子はどう?」
あなた「これから見に行ってくるけど、かすみちゃんから連絡ないってことは、変化はないんだろうなって」
あなた「……あのさ、エマさんは、果林さんが失くしたもの、あるいは欲しがってるものって何だと思う?」
エマ「……そうだなぁ、わたしね、同好会のみんなのこと大好きだよ」
エマ「だけどやっぱり、家族のことを考えて、寂しくなっちゃうこともあるの。果林ちゃんも、もしかしたら、そういう寂しさがあったのかなあって」
あなた「そっか……そうだよね……私、もっと頑張らなきゃ」
エマ「何言ってるの?あなたはいつも頑張ってるよ?だからたまには……」
あなた「ううん、私もっともっとみんなのこと手伝いたいんだもん。そういうものを与えてしまってるんだとしたら、そこは私がカバーしなきゃなって!」
エマ「……」
あなた「それじゃあ私、部室のほうに行ってくるから、交代の時間までよろしくね」
エマ「うん、ありがとう!いってらっしゃい!」 ガラガラ
あなた「かすみちゃん」
かすみ「あ〜先輩♡」
あなた「2人はどう?」
かすみ「ずっとこのまんまです」
あなた「2人が動かないからってイタズラしちゃダメだからね」
かすみ「もう!いっくらかすみんでもこの状況で変なことしたりしませんよ〜……って、ふ、普段でもそんなことしませんけどねっ」
あなた「あはは、わかってるよ。かすみちゃん本当は優しいもんね」
かすみ「〜〜〜/// 先輩ずるいですよ……」
あなた「?」
かすみ「そ、それで、果林先輩は?」
あなた「さっきエマさんのところに行ったけど、同じ感じだったよ」
かすみ「そうなんですね……練習室のほうは?」
あなた「あっちもみんな真剣にやってたよ。それに、せつ菜ちゃんしっかりしてるからこういう時任せられるし」
かすみ「あの料理さえなかったら完璧なんですけどね……まぁ可愛さはかすみんの方が上ですけど!」
あなた「はは、かすみちゃんはいつも通りだね」 あなた「それでさ、璃奈ちゃんがこうなっちゃったのは……何か喪失感があったんじゃないかって話なんだけど、かすみちゃんは同じ1年生としてどう思う?」
かすみ「りな子ですか?う〜ん……りな子とは学科が違うので、一緒の授業とかはないんですけど、でも、たまに教室行ったりする時に思うのは、少しずつ笑うようになってきたかなって」
あなた「それは私も思ってた」
かすみ「もともと友達がいなかった訳じゃないんですけど、最初の頃はいつも愛先輩といた気がするんです」
かすみ「でも最近は少しずつ同じクラスの子とかと一緒にいるのを見る気がします」
かすみ「だから、りな子がこうなっちゃうんだとしたら、そういう友達がいなくなっちゃったりした時じゃないかなって」
あなた(なるほど……やっとできた大切な友達がいなくなる、っていうのは十分あり得るのかな)
あなた(だとしたら3人に共通する友人がいて、その子の転校かなんかの連絡を聞いて強い喪失感を覚えた──?)
かすみ「でもでも、かすみんだったらたぶん、クラスの友達とお別れになるとしても、ここまでならないと思うんです」
かすみ「それに……三船栞子のことはよく分かんないですけど、だれか親しい友達がいるっていう話も聞きませんし」
あなた「そうなんだね……」
あなた(3人に共通する友人がいるって時点で少し無理があるかなぁ。璃奈ちゃんと三船さん、それに果林さんは学科や学年が違うし)
あなた(もしも璃奈ちゃんと果林さんに共通の、それもかなり仲がいい友人がいるんだったら1回くらいその話を聞いてるはずなのに、聞いたことない)
かすみ「やっぱり、よく、わかんないです。すみません……」
あなた「ううん!謝らないで!かすみちゃんのお話とっても参考になったよ!」
かすみ「本当ですか?かすみん、先輩のお役に立てましたか?」
あなた「うん、ばっちり!ありがとう、かすみちゃん」
かすみ「えへへ♡」 ガラガラ
あなた「みんな、そろそろ……ってあれ?」
愛「よっ、ぶちょー!」
しずく「彼方さんなら、準備があると家庭科室に。歩夢さんもそのお手伝いに行きましたよ」
あなた「うん、それは歩夢ちゃんから連絡貰ってるけど、それにしてももう片付けに入ってたんだね!せつ菜ちゃんが時間キープもしてくれたの?」
せつ菜「はい!あなたに任せていただいたので、その仕事はしっかりやらねばと思いまして!」
あなた「せつ菜ちゃんありがとう!」
あなた(やっぱり、絵里さんやダイヤさんもそうだけど、生徒会長経験者だけあって頼りになるなぁ。緊急時とかアドリブに強い。今日はこの後も頼っていこう)
愛「りなりー達は?あのまま?」
あなた「うん……だけど、彼方さん、ご飯を食べさせてみせるって張り切ってたみたいだよ」
あなた「幸い口が開いたり閉じたりしてるから、噛まなくてもいいようなものだったら食べてくれそうだって」
しずく「彼方さん、流石ですね」
せつ菜「では、私たちも家庭科室に移動しましょう!」
あなた「そうしよう。私からかすみちゃんとエマちゃんに家庭科室に来るように伝えておくね!」
愛「サンキュー、ぶちょー。あ〜カナちゃんの料理楽しみだな〜」
あなた(それにしても手伝いに行ったのが歩夢ちゃんで、というかせつ菜ちゃんじゃなくて良かったよ……流石のせつ菜ちゃんも空気読んでくれたのかな?)
せつ菜「……ちょっとお手伝いに行ってきますので、先に行っててください!」
あなた「うん、わかった。2人に伝えておくね」 エマ「お待たせ〜」
かすみ「ふわぁ〜……いい匂い……」
あなた「あっ、エマさん!かすみちゃん!」
かすみ「どうしたんですか先輩、そんなに慌てて。もしかしてぇ、かすみんに逢いたくて逢いたくて……」
愛「2人ともせっつー見なかった?」
エマ「わたしは見てないよ〜」
かすみ「私も見てませんけど……先輩たちと一緒だったんじゃないんですか?」
あなた「練習終わってからせつ菜ちゃんがトイレに行くって言って別れたんだけど、その後全然来なくて……」
彼方「それで、歩夢ちゃんとしずくちゃんで探しに行ってもらってるんだぁ」
エマ「だから2人も居ないんだね」
あなた「私のせいだ……この状況なのに目を離しちゃったから……」
愛「君のせいじゃないよ。トイレに行くって言ったんだし、じゃあついてくって言われたらアタシも流石に恥ずかしいし……」
彼方「それに、何かあったと決まった訳じゃあないからね〜。案外せつ菜ちゃん、迷子になってただけだったりして〜」
かすみ「き、きっとそうですよ!もうせつ菜先輩ったら!帰ってきたらお仕置きしなきゃですね!」
ピコン♪ あなた「歩夢ちゃん!」
しずく「せ、先輩!」
歩夢「しずくちゃんが見つけてくれたの。でもその時から、もう……」
せつ菜「……」パクパク
あなた(うわあっ!あのせつ菜ちゃんが壁にもたれながらペタンと座り込んで、太ももと、足と足の間から、子供っぽい真っ白なパンツが見えちゃってるよぉ!!)
あなた(……じゃなくて!)
あなた「どうしてこんな空き教室なんかに?」
しずく「わかりません……近くを探しても見つからないので、しらみつぶしに教室を覗いてみたら、こうなっていて……」
かすみ「……」
歩夢「……」
愛「……」
エマ「……」
あなた「……」
彼方「……ねぇ、ご飯、食べよう?」
あなた「彼方……さん?」
彼方「人ってねぇ、お腹が空くと、イライラしちゃったり、頭が回らなくなったり、悪いことがいっぱいあるんだよ〜」
彼方「だから美味しいご飯を食べれば、みんな元気でるよ。みんなに食べてもらう為に、いつもねむねむの彼方ちゃんも頑張ったんだから〜」
あなた「彼方さん……」
愛「……そう、だよね!よいしょっ……」
エマ「愛ちゃん?」
愛「せっつーこのまんまじゃ、おまんま食べても気になっちゃうでしょ?りなりーよりは大変だけど、でも部室までならアタシ運べるから」
歩夢「私も、手伝うよ」
彼方「それじゃあ、お願いね〜。彼方ちゃんたちは家庭科室に行こっかぁ」
あなた「な、何かあったらすぐ!連絡ね!」
愛「はーい!」 彼方「それじゃあ、いただきま〜す」
みんな「いただきます!」
かすみ「お、美味しいですぅ!」
しずく「はい、とっても……」
エマ「ボーノだよ〜」
あなた(みんな、口数はいつもより少ないけど、いつも通りに振る舞おうとしてる。これは、彼方さんのお陰だ)
あなた(このお料理もそうだけど、さっきの重い空気を切り裂いたのも、彼方さんの一言のお陰。いつもマイペースで、だからこそこういうとき本当に頼りになる)
あなた(対して私は……なんにも出来てない。なんとかするって言って、結局せつ菜ちゃんまでああなっちゃった……)
あなた(私は部長なんだから、みんなを守らなきゃ!だから、しっかり考えよう)
あなた(果林ちゃんから始まって、三船さん、璃奈ちゃん、そしてせつ菜ちゃん。この共通点、かぁ)
あなた(……ん?)
【あなた(……あれ?なんだろう、何かがひっかかる……)】
あなた(……それって、もしかして)
あなた(この順番は……)
あなた(人為的に……選ばれてる……?) あなた(果林さんのことがあってから、何か知ってるかもしれないと思って三船さんの所に行った)
あなた(その次は、璃奈ちゃんの技術があれば何とかしてくれるだろうと思って、璃奈ちゃんに相談しようとした)
あなた(そして、私の代わりをたくさん務めてくれて、今後も助けになると思ったせつ菜ちゃん……)
あなた(共通するのは、『私が頼ろうとした人』)
あなた(まさか、まさか)
あなた(頼りになりそうな人、何とかしてくれそうな人を先回りして……襲っているってこと……?)
あなた(だとしたら、この一連の騒動は、決して病気や事故なんかじゃなく、誰かが引き起こした事件だってことになる、そして……)
あなた(みんな下校してて、この校内にいるのが私たちだけだということは……)
あなた(犯人は……同好会のメンバー……? あなた(って、そんな吸魂鬼みたいな人いるわけないよね。人為的に人を廃人にすることなんて出来る訳がないよ)
あなた(でも、それにしても、果林さんは置いておくとして、三船さん、璃奈ちゃん、せつ菜ちゃん)
あなた(何とかしてくれそうな人がこの順番でああなっちゃったのは、あまりにも出来すぎてる……)
あなた(もし、本当にこの中に犯人がいるとしたら?)
あなた(イタズラ好きなかすみちゃん?……でも根は真面目で良い子なのは知ってるし、こんな大きなことをするとは思えない)
あなた(それともしずくちゃん?実は演劇部のスパイで、同好会の転覆を狙ってて……ってそんなの演劇部に何のメリットもないしなぁ)
あなた(愛ちゃん?エマさん?それとも彼方さん?……まさか、歩夢ちゃん?)
あなた(うぅ……大切なみんなのこと疑っちゃって、最低だな、私……。でも、私が解決しなきゃいけないんだから、こういう可能性もあるって、少しは頭に入れておかないと)
あなた(もし、もしも、この事件が誰かによって引き起こされたものだとしたら。また被害者が出る可能性がある。そして、私の考えがあってるのだとしたら、次に狙われるのは……)
【あなた(いつもマイペースで、だからこそこういうとき本当に頼りになる)】
あなた(……!!) 彼方「ご馳走さまでした〜」
みんな「ご馳走さまでした!」
彼方「それじゃあ、これが果林ちゃんのぶんで〜、こっちが璃奈ちゃんたちのぶんね」
愛「カリンのはアタシが行くよ!そのままカリンのこと見ておくね」
しずく「では、璃奈さんたちのぶんは私が」
エマ「わたしも手伝うよ〜、3人分は大変だもんね」
かすみ「そしたら、かすみんも手伝います!」
歩夢「じゃあ私は彼方さんの片付けお手伝いするね」
あなた「あっ、待って!」
歩夢「?」
彼方「どうしたの〜?」
あなた「え、えーっと、ほら、歩夢ちゃんさっきも料理作るの手伝ってくれてたみたいだし、今度は私が彼方さんのお手伝いするよ!」
あなた「その代わり、愛ちゃんについてってもらえるかな?」
愛「愛さんが運ぶのは1人ぶんしかないし、これくらいへーきへーき!」
あなた「でも、この状況で誰かを1人にするのは何だか心配だから…」
歩夢「わかったよ。愛ちゃん、行こう」
エマ「わたしたちも」
彼方「それじゃあ、彼方ちゃんたちも行こうか」
あなた「う、うん」 彼方「ごめんね〜手伝ってもらっちゃって」
あなた「う、うん」
彼方「それで、一体どうしたのかな〜?」
あなた「え?」
彼方「ご飯の時も、なんだかおとなしかったみたいだし、ご飯食べ終わってからは、なんだか怯えてるみたいに見えるなぁ」
あなた「え、そ、そうかな?」
彼方「彼方ちゃんの目はごまかせないよ〜」
あなた「……あのさ、例えば、人の魂を食べちゃうような怪物がいたとして、さ」
彼方「おぉ〜、ファンタジーだねぇ」
あなた「う、うん。そうなんだけど、それでね、もしその怪物がさ、今回の事件を起こしていたとして」
彼方「ふんふん」
あなた「相談しようとした三船さんとか、何とかしてくれそうな璃奈ちゃんとか、リーダーシップがあるせつ菜ちゃんとか」
あなた「私が頼ろうとした人がみんな、やられちゃってるなって、思って」
彼方「なかなか知能的な怪物なんだね〜」
あなた「そ、それで、その、さっき、重たい空気を変えてくれた、彼方さんのこと、頼りになるなって、思っちゃって……だから、次は……」
彼方「う〜ん、悪いんだけど、彼方ちゃん、それは違うと思うな〜」
あなた「……え?」 彼方「だって、だとしたらね、あなたが無事なのはおかしいよ」
あなた「……」
彼方「そうだなあ、彼方ちゃんがもしもだよ、その怪物なんだとしたら、やっぱり1番みんなのことを考えてくれて、誰よりも頼りになるあなたのことを狙うと思う」
あなた「彼方……さん……」
彼方「どうしてみんな、食事の時も平気そうにしていたか、わかる?」
あなた「それは……彼方さんがみんなを元気付けようとしていたから……」
彼方「それもあるかもしれないけどね、1番はあなたがいるからだよ」
あなた「私が……?」 彼方「さっき、しずくちゃん言ってたでしょ〜」
【しずく「きっと先輩なら、この状況もなんとかしてくれるんじゃないかって思ってますから」】
彼方「みんな、あなたの行動力やパワフルさに助けられてるんだよ。同好会の危機を救ってくれたことも、すっごく感謝してるんだ」
彼方「だから今回のことも、あなたなら乗り越えてくれるって信じてるから、だからみんないつも通りでいられるんだと思うなぁ」
あなた「彼方さん……」
彼方「でね、もしも彼方ちゃんが果林ちゃんたちみたいになったとしたら、それでもやっぱり合宿は続けて欲しいって思っちゃうなぁ」
あなた「そんな……そんなことはさせないよ!させないっていうか……ちゃんとみんな元通りにして、みんなで合宿やろうよ!」
彼方「やっぱりあなたは優しいね、ありがとうね」
あなた「ううん、優しいのは彼方さんの方だよ。さっきはすごく動揺してたけど、彼方さんのお陰で勇気出てきた!私、頑張るから!」
彼方「うんうん〜、そのいきだ〜」
あなた「じゃあ、みんなのところに戻ろう!」 あなた「それじゃあこれからの話ね」
あなた「せつ菜ちゃんのこともあったから、基本的には1人にならないように。いつ何かあった時、もう1人が私たちに知らせられるように」
あなた「それと、交代で部室や果林さんの部屋にいる時は、必ず鍵をかけること」
あなた「これは今みんなのことを見てくれてるしずくちゃんと愛ちゃんにも言ってあるんだけど……何があるかわからないから念のためね」
あなた「そして私は、みんながどうしてこうなっちゃうのか、今一度しっかり考えてみる。考えてわかる訳じゃないかもしれないけど、部長としてみんなのこと、必ず何とかする!」
あなた「だから、みんなは、今まで通り練習をしてほしい。ユニット練が出来ないのは残念だけど、そのぶんソロ曲をみっちり練習してね、その間に私は色々と動いてみるから」
歩夢「でも、それじゃあ……」
あなた「いいの!これは部長として私のやりたいことだから!」
歩夢「……」
あなた「それから何度も言うけど、何かあったり、気になったことがあったらすぐに連絡してね!私もすぐに返すようにするから」
かすみ「歩夢先輩……先輩のこと、信じましょう。同好会廃部の危機を2度も救ってくれた先輩ですから、今回だってきっと何とかしてくれますよ!」
歩夢「……無茶だけは、しないでね」
あなた「うん、ありがとう」 あなた(ああは言ったけど、私に出来るのは地道な聞き込みくらい)
あなた(ネットで調べたりはしてるけど、ワードが悪いのか、それとも類似例が無いのか、私の欲しい情報はなかった)
あなた(だったらみんなのことを見回りながら、何か糸口が見つかるまでもがくまで!)
コンコン!
あなた「愛ちゃん、私だよ」
ガチャッ
愛「いらっしゃ〜い」
あなた「様子はどう?」
愛「う〜ん、やっぱり全然動かないね……でも、口にスプーン持ってったらちゃんと食べたんだよ!」
あなた「本当?」
愛「うん!カナちゃんが食べやすいようにやってくれたお陰だよね!」
あなた「彼方さんは凄いよ、本当に」
愛「それで、みんなは練習?」
あなた「うん、集中してやってくれてる」
愛「そっか、愛さんも交代したら、負けないように頑張んなきゃね!」
あなた「……それでね、愛さんに今のうちに聞いておきたいことがあって」
愛「うん!どーんと聞いて!」 あなた「愛ちゃんは璃奈ちゃんと特に仲が良かったと思うんだけど、最近何かあった?」
愛「何かって、ずいぶんアバウトな質問だなぁ」
あなた「なんか、こう、不満を口にしてたとか、悩んでることがあった、とか」
愛「うーん、アタシがりなりーと一緒にいる限りは、普通だったと思うけどねー」
愛「というかむしろ逆かな、最近は特に表情にも変化が見えるようになってきたし、りなりー天下って感じで」
あなた「そう、だよね……」
愛「カリンとせっつーに関しても、そういう話は聞いたことないなぁ」
あなた「そっか、交友が広い愛ちゃんでも聞いたことないんだね」
愛「ごめんね〜、あんまり役に立てなくて」
あなた「ううん、仕方ないよ」
愛「これは愛さんの想像なんだけどさ」
あなた「う、うん」
愛「うまく言えないんだけど、外的要因っていうのかな、そういうのな気がするんだよね」
あなた「どういうこと?」
愛「つまり、何か不満とかが爆発してこうなったーっていうよりは、ふとしたきっかけが原因何じゃないかなって」
あなた「ふとした原因……」
愛「そうじゃないと、みんながみんな同じ悩みをかかえてなきゃいけないからさ、それは、流石にありえなくない?」
あなた「やっぱり愛ちゃんって頭いいよね」
愛「もー照れるよー!ぶちょーこそ褒め上手なんだからー!」
あなた「ありがとう!私ももう少し考えてみるね!それじゃあ、しずくちゃんのとこに行ってくる」
愛「頑張ってね!」 テクテク
あなた(確かに、2人でも怪しいのに、4人に共通する何かがあるとは考えづらい)
あなた(でもおんなじ症状が出るってことは、みんな何かを喪失した……)
あなた(4人が根底に抱えていた何かが失われたわけじゃないんだとするなら、考えられるのは……)
あなた「……失ったんじゃなくて、与えられた……?」
あなた(そうだ、そう考えるなら、一応の説明はつく)
あなた(4人ともが持っていた共通のものがないのなら、与えてしまえば、それをみんなが持つことになる)
あなた(う〜ん……だけどみんながあそこまで喪失感をえるようなものの検討がつかないなぁ)
あなた(しずくちゃんにも話を聞いてみよう)
コンコン!
あなた「しずくちゃん、私だよ」
……
コンコン!!
あなた「しずくちゃーん?」
あなた(……!鍵が、空いてる……!?) ガラガラ
あなた「しずくちゃん!!」
璃奈「……」パクパク
栞子「……」パクパク
せつ菜「……」パクパク
しずく「……」パクパク
あなた(何だろう、他の3人と表情は一緒なのに、どこか上品というか、まるで没落した貴族の成れの果ての見ているかのようなある種の気品さがあって麗しい……)
あなた(……じゃなくて!)
あなた「そ、そんな……しずくちゃんまで……」
あなた(でも、だけど)
あなた(これではっきりしたのかもしれない)
あなた(どれだけ調べても、集団廃人化のニュースは出てこなかった)
あなた(もしも危険な伝染病の類なら、有名になってるだろうから少しくらいヒットするはずだけど、少しもない)
あなた(もちろん、今日突然発生した希少種の可能性もあるけど、だとしたら果林さんのクラスメイトとか寮生とかにも蔓延してるはず)
あなた(そして、ここは鍵をしずくちゃんがもっていたはずの密室だった)
あなた(その鍵が開いていたということは)
あなた(壁を透過する幽霊のような超常を考えないとすると)
あなた(中にいたしずくちゃんが自分で開けたということ、つまり)
あなた(もし何か犯人のような存在がいるとするならそれは)
あなた(しずくちゃんの、顔見知りということ) あなた(考えなきゃ……)
あなた(果林さんが狙われた時間、エマさんは面談を受けていた)
あなた(三船さんが狙われた時間、私は歩夢ちゃんと一緒にいた)
あなた(璃奈ちゃんが狙われた時間、ここは私が1人だった時間、でも寮と学校の距離を考えると、やっぱり歩夢ちゃんには難しい)
あなた(せつ菜ちゃんが狙われた時間、愛ちゃんとしずくちゃんは私と一緒だった)
あなた(しずくちゃんは……そもそもいつ狙われたんだろう?部室に料理を運んだのが、しずくちゃんとエマさん、かすみちゃんで、その後かな?)
あなた(私は彼方さんと一緒に片付けをして、そのまま練習場に向かって少ししてから愛ちゃんのとこに行って、そのままここに来た)
あなた(練習場のみんなは私が愛ちゃんのところに行ってる間、何かトイレとか言い訳すれば狙えなくもない)
あなた(愛ちゃんは私が愛ちゃんのとこに行く前はフリーだけど、距離や時間を考えると難しいのかな)
あなた(……こう考えると1人で動き回ってる私が1番怪しいんじゃない?) あなた(動機とかきっかけとか方法とか、それは考えても分からないこと)
あなた(そもそも単独犯かどうかも分からないし、もし複数犯による事件だったらもうお手上げ)
あなた(だから仮に単独犯だと仮定して)
あなた(同好会のメンバーの中に犯人がいるのなら)
あなた(アリバイが唯一ないのが、かすみちゃん)
あなた(それだけで犯人だって断定は出来ないけど、全ての犯行を1人で行うことができるのはかすみちゃんだけなはず……)
あなた(まず果林さんを狙って、エマさんとすれ違うように三船さんを、その後休憩中に璃奈ちゃんを)
あなた(せつ菜ちゃんは部室から家庭科室に来る途中で狙える。エマさんとはどこかで待ち合わせてたんだろうけど、そのくらいの時間の融通はきくだろう) あなた(かすみちゃんだと考えたくはないけど、できる人は他にいないもんな……)
あなた(今日のことをよく思い出さないと……)
あなた(……!?)
あなた(待って、そういえばあの時)
あなた(何であの人はあんな不自然な言動をとったんだろう?)
あなた(……そうか、もし、そうなら、私は、私達は、とんでもない勘違いをしていたのかもしれない)
あなた(冷静なようで気が動転してて、というかその可能性を考慮する必要がなかったから、単純なことを見落としていた)
あなた(でも、そうだとしたら辻褄が合う……)
あなた(だとしたらこの順番にも、なにかの意図が推測できるのかも)
あなた(ただ、動機も方法もわからない以上証拠がない、だから断定もできない。けど、あの時ああしなかったのは絶対におかしい)
あなた(一体どうやって……あっそろそろ交代の時間……)
ガラガラ
あなた「……うそっ……!?」 愛「いらっしゃ〜い、交代の時間だよね」
かすみ「あれっ、先輩、いないんですか?」
歩夢「ここにいないなら部室のほうかな?」
愛「それなんだけどさ、何分か前から、既読つかないんだよね、あれだけちゃんと連絡するように言ってたのぶちょーなのにさ」
歩夢「私も、交代の時間くらいに練習室に来るかと思ってたのに、来ないから心配で連絡したんだけど」
かすみ「やっぱり、な、何かあったんですかね?」
愛「行こうよかすみん、ぶちょーを探しに!佐賀市に!なんちゃって」
かすみ「ダジャレ言ってる場合じゃないですよぅ」
歩夢「わ、私、どうしたら」
愛「歩夢もさ、行こう?」
歩夢「行って、いいのかな?」
愛「カリンなら、大丈夫だよ。それに、カリンの為を思うなら尚更、ぶちょーのこと探さなきゃいけないと思う」
かすみ「っていうか、先輩のこと探すのに、歩夢先輩がいなくてどうするんですか!それが私じゃないのは悔しいですけど、歩夢先輩は先輩の幼馴染なんですから!」
歩夢「う、うん。ありがとう、私も行くよ!」
愛「まぁあの子ずっとスマホで色々調べててくれてたみたいだし、案外ただの充電切れだったりして」
かすみ「それだったら本当に許しませんからね」
歩夢「そ、それじゃあ、行こう」
かすみ「はい!」
タタタッ
愛「……アタシが、しっかりしなきゃ」 愛「とりあえず、部室見にいこうか」
かすみ「そうですね」
歩夢「う、うん」
愛「本当はカリンも連れてこれればよかったんだけどね」
かすみ「でもあんな状態の果林先輩おぶって移動したら、目立ってしょうがないですよ」
歩夢「そう、だね」
愛「……」
かすみ「……」
歩夢「……」
愛「えーっと、あのさ……」
歩夢「ねぇ、もう少し、急ごう?」
愛「歩夢……」
かすみ「そう、ですよね。先輩、かすみんたちがいなくて不安で不安でたまらないかもしれないですからね、早く合流してあげないと」
愛「そうだね!じゃ、走ろっか!」 愛「ふぅ、学校着いたね」
歩夢「まずは、部室を見に行ってみるんだよね」
かすみ「そうですね。そこにいなかったら練習場に行きましょう」
愛「っていうか、部室にはカナちゃんがいるはずだし、カナちゃんに電話すればよかったんじゃない?」
歩夢「そ、そうだね、何で気がつかなかったんだろう」
かすみ「今さらな気もしますけど、ちょっと電話してみますね」ピピピッ
♪〜♪〜♪〜
愛「あれっ……気のせいかな、なんかこの教室から音聴こえてこない?」
かすみ「ここって家庭科室……」
歩夢「彼方さん、片付けの時に置いて行っちゃったのかな?」
かすみ「彼方先輩のことですし、寝ぼけて置いてっちゃったんじゃないですか?もう、しょうがないですね、かすみんが……」
ガラガラ
かすみ「拾っ……!!!」 愛「カナちゃん!!」
歩夢「彼方さん!!」
かすみ「彼方先輩!!」
彼方「……」チュパチュパ
かすみ「もしかして、寝てるんですか?」
愛「確かに、カリンとかりなりー達とは様子がちょっと違うね。反応はないけど、目は瞑ってるし、親指を口にくわえてる」
彼方「……」チュパチュパ
かすみ「なんだか、赤ちゃんみたいです……」
愛「でも、なんで部室でみんなのこと見てるはずのカナちゃんがここに……」
ダッ!!
愛「あ、歩夢!?」
歩夢「あの子のこと!探さないと!!」
かすみ「ど、どうしましょう。私、ここに残った方が……」
愛「い、いや、今1人になるのは不味いよ。カナちゃんには申し訳ないけど、ここにいてもらって、アタシ達は歩夢を追うよ!」
かすみ「は、はい」 ダッダッ!
愛「ダメ、エマっち繋がらない!」
かすみ「先輩も電話でないですっ」
歩夢「……っ!」
愛「歩夢!そんなに走ったら危ないよ!」
歩夢「でも、私、あの子がいないと、私……」
かすみ「先輩……どうしちゃったんですか……」
愛「……大丈夫だから、かすみん、歩夢!あの子のこと、信じてあげなきゃ!」
愛「みんなのことを繋いだのも、μ'sやAqoursと知り合えたのも、こうして合宿できてるのも、全部ぶちょーがいたからっしょ?」
愛「そのぶちょーのパワフルさ、アタシたちが信じてあげなきゃ!」
かすみ「愛先輩……」
歩夢「部室っ、着いたよ!」
ガラガラ
あなた「……」パクパク サスペンスあるある、犠牲者のフリで的から外れる展開?
それとも先帝の無念は晴らすか?
楽しみ かすみ「せんっっっぱいっっ!!!!」
愛「なんで……」
かすみ「先輩!なに……やってるんですかっ!かすみんをおいて、こんな、こんな……うええぇぇぇぇんっっ……」ポロポロ
愛「かすみん……かっかすかす!落ち着いて、ね?」
かすみ「ぐすっぐすっ……うう……」
愛「歩夢も……歩夢……?」
歩夢「……」ポロポロ
歩夢「あなたがいないと……私、何にも出来ないんだよ……」
愛「歩夢も泣いたらダメだよ、ナイターの時間だけに、なん、て……」
かすみ「ぐすっぐすっ……先輩……」
歩夢「ねぇ……起きてよう……起きてよっ!!」
愛「2人とも……」 歩夢「ねぇ、覚えてる……?」
歩夢「ちっちゃい頃、鬼ごっこで、私が鬼になった時、私、鈍臭くて、全然捕まえられなくて……」
歩夢「男の子に馬鹿にされて、泣いちゃった時……」
歩夢「すぐに私のところにきて、励ましてくれたよね……」
歩夢「私が悩んだり、迷ったり、泣いたりした時、いっつも助けてくれたよね……」
歩夢「あなたがいたから、私は今こうして、スクールアイドルとして、みんなに勇気を与えられるようにまでなったんだよ」
歩夢「これまでずっと支えられて、甘えてきたから、これから私があなたを……支えなきゃって思ったのに……」
歩夢「あなたがいなくなっちゃったら……私、どうやって生きていけばいいの?」ユサユサ
歩夢「ねぇ……ねぇ……」ポロポロ
ポタッ
…ゴクン! ガキA「タッチ!」
ガキB「タッチ返し禁止な!にげろ〜!」
ロリ歩夢「ま、まってよ〜!」
ロリ歩夢「あっ!」
ドサッ
ロリ歩夢「いたたた……」
ガキB「あいつ、また転んでやがるぜ!」
ガキA「どんくせぇよな!あいつ!」
ガキC「だんさもなく転んだり、マップを見てもまよったりするらしいよ!」
ガキ共「アハハハハハ!!!」
ロリ歩夢「ううっえ〜〜ん……」
ガキA「あ〜あ、女子ってすぐ泣くよな」
ガキB「あいつ誘ったのお前だろ!」
ガキC「いやっ、えっと、お前らだってさんせいしたじゃんかよ〜!」
ヤンヤヤンヤ
ロリ歩夢「ぐすっぐすっ……」ポロポロ ロリあなた「あゆむちゃん!」トテトテ
ロリあなた「どうして泣いてるの?」
ロリ歩夢「鬼ごっこなのに、何にもないところで転んじゃって、バカにされたの……」
ロリ歩夢「私、どんくさいから、みんなに、きらわれちゃうんだ……」
ロリあなた「たくさん転ぶことって、そんなにわるいことかなぁ?」
ロリ歩夢「えっ……?」
ロリあなた「テレビでやってたんだけど、金属って叩いたりするとかたくつよくなるんだって!」
ロリあなた「歩夢ちゃんは人よりたくさん転んだから、それだけほかの人よりも強くなれると思うんだ!金属みたいに!」
ロリあなた「ねっ!」ニコッ
ロリ歩夢「あ、ありがとう……」
ロリ歩夢「あなたって、優しいね……」 あなた(……懐かしい夢だ)
あなた(泣いてばかりだった歩夢ちゃんが、この日から少しずつ、笑うことが増えていったんだよね)
あなた(なんでこんな夢、急に……)
ポタッ
あなた(あっ口になんか落ちてきた)
あなた(これ……涙だ)
あなた(だれかが泣いてるのかな)
あなた(……なんでだろう、なんか、わかる。きっと、いや、絶対これは)
あなた(歩夢ちゃんが泣いてるんだ)
あなた(泣かないで、歩夢ちゃん)
あなた(歩夢ちゃんのキラキラした笑顔が好きだから)
あなた(助けてあげなきゃ)
あなた(なんで寝てるんだろう、私)
あなた(起きなきゃ、起きなきゃ)
あなた(起きて、みんなで)
あなた(笑い合うんだ!)
…ゴクン!
ガバッ
あなた「歩夢ちゃん、どうして泣いてるの?」 ふふっ…♪やっぱり幼馴染みなんだ覚えてるなぁ@cメ*˶☍ ᴗ ⁰˵リ
熱い展開 歩夢「……!!」
ギュッ
あなた「あはは、痛いよ、歩夢ちゃん」
歩夢「よ、よかっ……ほんと、うに……」
あなた「歩夢ちゃん……」
かすみ「先輩……先輩……。え〜〜〜ん」
あなた「ごめん、ごめんね、みんな」
愛「……」
あなた「愛ちゃんも、心配かけて、ごめんね」
愛「……歩夢もかすみんも、君のことが大好きだから、君がいなくなったら取り乱しちゃってさ」
あなた「……」
愛「だから、あー愛さんがしっかりしないとって、思ったんだけど」
愛「アタシだって、君のこと、大好きだからさ……」
愛「恐かったんだよ……本当は……」ポロポロ
あなた「愛ちゃん……」 愛「でも、本当に君にはかなわないよ。愛さんじゃあ君の代わりにはなれないみたいで」
歩夢「ううん、愛ちゃんのせいじゃないよ。私、気が気じゃなかっただけで……」
かすみ「愛先輩が、頑張ってまとめようとしてくれてて、それは、伝わってました」
愛「……そっか、サンキュー」
かすみ「それで、先輩、何があったんですか?」
愛「そう、それ!」
歩夢「一体みんなどうして……」
あなた「その話なんだけど、ここじゃあちょっとできない」
愛「えっ、部室にいると何かヤバイの?」
かすみ「やっぱり、伝染しちゃうんですか!?」
あなた「詳しい話は後。今は……一旦出よう。誰か練習場の鍵持ってる?」
歩夢「私、今持ってるよ」
あなた「それじゃあ、行こう」
あなた「それと、廊下では、喋らないでね」
3人「???」 ガラガラ
あなた「みんな入って」
ゾロゾロ
ガチャッ
愛「ふぅ〜、喋らないって、なんだか辛いなー」
歩夢「道が長く感じちゃうよね」
かすみ「電気、つけますね」
あなた「待って!!!」
かすみ「ひゃあ!」
あなた「あっごめん……。でも、できれば電気はつけないほうがいいんだ」
歩夢「どうして?」
あなた「みんな、もしかしたら察してるかもしれないけど、今回の出来事、何があったのか、今から説明する」
かすみ「えぇ、かすみん全然わかんないんですけど……」
愛「いやー、正直愛さんも、何がなんだか」
歩夢「ね、ねぇ、待って、彼方さんのこと……言わないと」
愛「そ、そう!カナちゃんも家庭科室でみんなみたいに動かなくて、あと、エマっちも連絡がつかなくて……」
かすみ「しず子も、いつのまにああなっちゃったんですか?先輩で気を取られてましたけど、しず子もさっき……」
あなた「混乱するのも、無理ないよね……そしたらこっちを聞いてもらったほうが早いかな?」
愛「胸ポッケの……スマホ?」
あなた「ここに、一部音源が入ってるから、聞いてほしい」
ポチッ 『私たちは今まで、最初の被害者は果林さんだと思っていた。』
『理由は簡単。果林さんが最初に発見されたから』
『そして、2番目の被害者の三船さんは、果林さんが発見される直前、面談をしていたとの証言があったから』
『これを疑う必要がないからね、必然的に果林さん、三船さんの順番で被害にあったのだと思い込んでいた』
『でも、この証言を疑うとしたら?そうしたら、少しずつ、少しずつ、話は変わってくる』
『……どうして疑おうと思ったの?』
『きっかけはしずくちゃんだよ』
『感染式なら、寮の人やクラスメイトにも症状が出てもおかしくないのに、そんな話は聞かない』
『どれだけ調べても、類似例すら出てこない』
『だとしたら、人為的な作用によって引き起こされた可能性を考えなきゃいけないでしょ?』
『だとしたら、鍵のかかっていたはずのこの部屋に入ることができるのは』
『しずくちゃんの顔見知りに限られるんだよ』
『それで、考えたら、違和感に気づいたんだ』
『当時は突如のことに混乱してスルーしちゃったけど』
『璃奈ちゃんが被害にあった時、あの場で唯一、果林さんも同様の被害にあっていたと知っていたにも関わらず』
『その情報を私たちが合流するまで共有しなかった人がいる』
『せつ菜ちゃんが言ってたよね、【他に2人も同じ状況の人がいるだなんて知らなかった】って』
『普通だったら、同じような状況の人がいたら、すぐにそのことを口にするはずなんだよ、でもしなかった』
『普通だったら、という視点が欠けていたからだよ。つまり』
『その人は普通じゃなかったんだ』
『そうでしょ?』
『エマさん』 あなた(そろそろ交代の時間)
あなた(次のローテーションは彼方さんが部室、歩夢ちゃんが寮で、彼方さんにはエマさんが、歩夢ちゃんにはかすみちゃんが付き添ってる)
あなた(つまり、この部室に、エマさんが来る)
あなた(もしかしたら、この場で彼方さんを廃人化させるつもりかもしれない)
あなた(隠れてみておく?いや、どういう方法で廃人化させるかわからないし、範囲魔法みたいなものだったら意味がない)
あなた(だったら胸ポケットにスマホを入れて置いて……)
あなた(本当は通話状態がいいんだけど、それだと向こうからの音でバレるかもしれない)
あなた(だったらカメラ機能のビデオモードで。こうすれば、映像は取れなくても声のやりとりが記録される)
あなた(もし私が廃人化させられても、他のみんながこれに気づけば、解決の糸口になるかもしれない)
あなた(通知も全部切って、バイブも最小に)
あなた(みんなと連絡は取れないけど、それはそれで異変に気付きやすくなるよね)
あなた(残りの時間で考えよう。動機、方法、全部がつながるように……)
あなた(……もしかしたら、それは意外なほどばかばかしいようなことだったり)
ガラガラ
あなた「……うそっ……!?」
あなた「彼方さん……は?」 エマ「そうなの、彼方ちゃん、家庭科室に忘れ物したって言って途中で寄ったんだけど、そしたら急にみんなみたいに……」
あなた「そうやって、1人ずつ、巧妙に誘い出したんだね」
エマ「?ど、どうしたの?」
あなた「私の推理、聞いてほしいんだ」
エマ「えっ?」
あなた(不意を突かれてビックリしてる、今だ!服を直すフリをして……)
ポチッ
あなた『私たちは今まで、最初の被害者は果林さんだと思っていた。』
……
あなた『そうでしょ?』
あなた『エマさん』
あなた『人狼ってやったことあるかな?全良な市民の中に何人か悪者の狼がいて、毎日1人ずつ狼の犠牲者が出る中で、誰が狼か当てるゲーム』
あなた『あれやってるとよくあるんだよね。狼の視点ではお互いが狼だと認識してるから、市民とは少し視点が違って、だからこそボロが出たりすること』
あなた『さっきのエマさんも、そんな感じだったんだと思う』
エマ『あの時は、私も気が動転してたんじゃないかなぁ』
あなた『だとしても、果林さんと璃奈ちゃんの状態が結びつかないってのは、ちょっと無理があると思うよ』
あなた『私や歩夢ちゃんがすぐにできたことなんだから』
エマ『……それで』
エマ『わたしがみんなのことを襲ったとして、どうやったの?こんな大きなこと』 あなた『ああなった……私は廃人化ってよんでるんだけど、廃人化した順番が違うなら、ちょっとずつ変わってくるんだ』
あなた『つまり、きっかけが三船さんで、そこから果林さん、璃奈ちゃん、せつ菜ちゃん、っていう順番』
あなた『これを考えて、私が思った共通項』
あなた『親からの愛情が不足してるんじゃないかってこと』
あなた『果林さんは親元から離れて1人で暮らしてる』
あなた『璃奈ちゃんは両親とあんまり接してこなかった過去がある』
あなた『せつ菜ちゃんは両親にガチガチに制限されてる』
あなた『エマさんは、それを解消してあげたんだよ』
あなた『その上で、奪ったんだ』
エマ『奪った?』
あなた『うん。ずっと考えてたんだ。真姫ちゃんが言ってた喪失感のこと』
あなた『でも、みんながみんな持ってて、あれだけ強く喪失感を覚えるものって、どれだけ考えても思いつかなかったんだ』
あなた『だから逆に、与えてから奪ったんじゃないかって思ったの』
あなた『そうやって全部繋げてったら、ばかばかしくて、でも妙に納得できるものが1つだけあったんだ』
あなた『そう考えると、最初の被害者が三船さんだったことや、みんなが必死に口をパクパクしてることにも、説明がつく』
あなた『つまり、みんながエマさんから与えられて、そして喪失したものは』
あなた『エマさんの、おっぱいだよ』 ここスタッフロールに「おっぱ…ンフッww」ってなるNGシーン入ってそう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています