穂乃果「かまいたちのような夜」
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小林「災難だったね。この辺の天気は変わりやすいからなぁ」
小林さんが同情した様子でうんうんと頷く。
ペンションの扉を叩くと人の良さそうなおじさんが出てきてくれた。それがこのペンションのオーナーの小林さんだった。
ことり「ありがとうございました。ここに着かなかったらどうなっていたことか…」
ことりちゃんが怯えた様子で言う。
まったくその通りだ。
小林さんが助けてくれなければ、今頃は氷漬けになっていたことだろう。
小林「なに、当然のことをしたまでだよ。それより君達は何でこんな時間に外を歩いていたんだい? あまり誉められたことではないね?」
少し怒った調子で小林さんが言う。 私たちは素直に事情を説明した。
スキーの練習に夢中になっていたら迷子になったこと。何とか友達と連絡を取ろうとしたけれど、スマホを持っていなかったことなど。
話を聞き終わると小林さんは笑い出した。
小林「はっはっは、そうかい。スキーをしていたら迷子になった、ね。若い時ってのは周りが見えないものだからねぇ」
くっくっ、と小林さんが体をふるわせていた。
隣にいることりちゃんが顔を赤くしている。
穂乃果「もう、そんなに笑わなくてもいいじゃないですか。本当に大変だったんですから」 今日子「そうですよ、あなた。笑い事ではありません」
小林さんの奥さんの今日子さんがお盆を持ってやってきた。上には湯気の立つスープが乗っている。
小林「いや、すまないね。何だか自分の若い頃を思い出すようで……ん? き、今日子。そのスープは…」
今日子「? 私が作ったものですけど…」
小林「下げなさい、すぐに」
小林さんがきっぱりと言う。
穂乃果・ことり「??」
今日子さんはしぶしぶお盆を下げて、スープの代わりに暖かいココアを出してくれた。 小林「さて、今日はお客さんもいないし、遠慮なく泊まっていいきなさい。朝になれば吹雪も止んでいるだろうから」
穂乃果「すいません、ありがとうございます」
本当にこのペンションにたどり着けてよかった。
今日子「それじゃあ私はベッドの用意をしますね」
ことり「あ、私、手伝います」
今日子「いいのいいの。それよりお友達も心配しているでしょうから、連絡してあげなさい」
小林「うん、そうだな。そこの電話を使いなさい」
小林さんが談話室の隅にある電話機を指さした。今時珍しいダイヤル式の電話機だ。
そうだ。きっと今頃大騒ぎになっているに違いない。 穂乃果「すいません。お言葉に甘えて、使わせていただきます」
私は海未ちゃんの携帯番号を頭に浮かべて電話機を回した。耳にコール音が響く。二回、三回、四回……コール音だけが続くが、海未ちゃんの声は聞こえない。
ことり「穂乃果ちゃん? どうしたの?」
穂乃果「うーん、なんでだろ? 海未ちゃん出ないや」
すると、コール音が途絶え、電話が繋がった。
穂乃果「あ、海未ちゃん? 私」
電話の向こうは無音だった。でも、誰かが聞いている気配がする。 穂乃果「海未ちゃん? おーい、私だよ、穂乃果! ことりちゃんも私も無事だよー!」
『……』
海未ちゃん、なんで何も言わないんだろう?
そう思っていると、不意に電話が切れた。ツー、ツー、という音だけが耳に響く。
小林「どうしたんだい?」
穂乃果「電話、繋がったんですけど……海未ちゃん、何も言ってくれなくて」
小林「? そんな妙なことがあるはずが……」
小林さんは何かを察したようにはっと口をつぐんだ。 小林「……別荘に泊まる予定だったと言っていたね。もしかして、それは凄く大きなお屋敷じゃないかい? こう……洋風な、海外ドラマとかに出てくるような」
穂乃果「? そうですけど…それが何か?」
小林さんが複雑な表情を浮かべ、「…まさか……そんな……」と独り言を言い始めた。明らかに様子がおかしい。
ことり「あの、真姫ちゃんの別荘が何か…?」
小林「あ、ああ。いや、その……」
言うか言わまいか迷っているようだった。でも、私とことりちゃんが詰め寄ると小林さんはしぶしぶ口を開いた。
小林「そのお屋敷はね、この辺じゃ少し名の知れたお屋敷なんだ」 穂乃果「名の知れた? 確かに凄く立派なお屋敷でしたけど」
あれだけ立派なお屋敷なら地元の人の間で話題になってもおかしくはないと思う。
小林さんはゆるゆると首を振った。
小林「そうじゃないんだ。名が知れているのは、その……あまりいい意味でじゃない」
ことり「いい意味でじゃない…?」
小林「そうだ」
小林「あのお屋敷はね、呪われているんだよ」
小林さんは声を潜めて言った。
>>142
1.「どういうことですか?」私は小林さんの言葉の真意を計りかねた。
2.「冗談はやめてください!」私は小林さんの言葉に憤った。 文章もうまいし 読んでて楽しい&ドキドキだわ
かまいたちシリーズ大好きだし嬉しい >>134
ここの小林さんのセリフ、きゃんで再生してしまった 当たり前だろかまいたちなんだし
メインキャラだぞ小林さん夫婦
原作知らないのか 一度別の光と間違えてから安価慎重になってやんのw
冒頭の丸パクりが原因で粘着されてるのをもう忘れる頭と小林定期ネタに反応できない新参っぷりww
ネ実に逃げ帰る早さだけは素晴らしい SIMが1人だけと思ってるヘタレ>>152
そのヘタレぶりは相変わらずのゴキブリっぷりww なんかちょいちょいコロ助コロ助言うSIMは何かあったの? ゴミSSに引っ張ろうとして失敗したダメ作者コロ逃げヘタレ光、発狂 穂乃果「どういうことですか?」
私は小林さんの言葉の真意を計りかねた。
小林さんは『呪われている』と言った。それと今の電話と、いったい何の関係があるんだろう。
小林「うちのペンションは観光客のお客様が来ることが多いけれど、時々地元の方もやって来てね。この辺の土地のことを話してくれることがあるんだ」
小林さんはコーヒーを一口飲み、それから口を開いた。 小林「少し長い話になるけれど……聞くかい?」
私とことりちゃんは顔を見合わせてから、こくりと頷いた。
真姫ちゃんの別荘が呪われている?
詳しく話を聞かない限り、絶対に納得できない。
小林さんは記憶を辿るように天井を仰ぐと、ぽつぽつと語り出した。 あのお屋敷、古い建物には見えないだろう?
ところがね、出来上がってから少なくとも30年は経っているそうなんだ。少なくとも、というのは、これはここいらに住むお爺さんが教えてくれたことでね。
そのお爺さんは30半ばでこっちに越してきたそうなんだ。その時、既に屋敷はあった。お爺さんはもう定年だから、屋敷は出来上がって最低でも30年くらいは経っているってことだね。
当時、あのお屋敷はあんなに大きくはなかったそうだ。もっとこじんまりとした、普通の大きさの家のようだったと。 今の大きさになったのには理由があってね。
屋敷が出来てから、後から後からどんどん増築されていったんだそうだ。
何故そんなことをしたのか、正確なことは誰も知らない。噂では後ろめたい理由のある金を隠すためだとか、秘密裏に違法な植物を栽培するためだとか、根拠のない憶測が色々流れていたらしい。
そのお爺さんは金持ちの道楽だろうと言っていたけどね。 屋敷の持ち主はめったに姿を現さなかったそうだ。名字は何といったかな……そうそう、西木野だったかな。
君達の友達と同じ名字だろう? つまりあのお屋敷はその子の祖父に当たる人物が所有していたんだよ。
話を戻そう。
屋敷は増築を重ね、どんどん大きくなっていった。常に金槌の音が聞こえ、見る度に姿が変わっていたそうだ。
当然そんなことをしていれば人の目を引く。当時の屋敷はちょっとした観光地のような扱いを受けていて、県外から見に来る人もいたそうだ。
ただ、ある事件が起こってから状況が変わり始める。
屋敷の召使いがバラバラの死体で発見されてからね。 発見したのは屋敷の増築に携わっていた大工の一人だった。
休憩中に何げなく屋敷の脇の林に足を踏み入れて、腰を抜かしたそうだ。
召使いは何も身につけず、仰向けに横たわっていた。
体は十個のパーツに分解され、流れ出た血で地面が黒く染まっていたらしい。
そのお屋敷には何人か召使いがいたそうだが、その召使いは一番の古株だった。もっとも、事件が起きてから召使いは残らず辞めていったそうだが。 当然大騒ぎになった。
地元の新聞にも一面で取りざたされ、マスコミが屋敷を取り囲んだ。
増築を重ねる豪華なお屋敷。そこで発見されたバラバラ死体。話題性は十分だろうからね。
警察が疑ったのは屋敷の持ち主である男、西木野某。……すまないね、どうしても名前が思い出せなくて。
屋敷に出入りしていたのは西木野氏と召使い数人。それから増築に携わっていた大工くらいのものだった。
その中でも西木野氏は外出をほとんどせず、必要なものは召使いに運ばせていたようだからね。
疑われるのも当然の話だ。 人のSS荒らすなんてゴミ作者の極まりやなー
ついでに保守。感謝せーよ 人のSS荒らすなんてゴミ作者の極まりやなー
ついでに保守。感謝せーよ すまん、オウム返ししかできないまでに追い詰められてたか
悪かったよ >>173
どんまいw
残った連中で好きに続けてくれたまへ
私はあちらで楽しくやってるよ 逃げるか
まっスレ潰そうとして自演失敗なんざここにいられないわな
しかも
83 名前:名無しで叶える物語(光) [sage] :2020/01/19(日) 08:39:48.20 ID:/Wi/gT5W
ちなみに>>52とか、絶対死ぬパターンの安価とってるのもわしやでw
あとIDかわるのはWi-Fi表記ではすごくいいこちゃんでお前らと他スレで仲良くやってる隣人やからやでww
取り敢えずこのSSは進行させんよ
とか抜かして平然と進行してるし
お前のクソssなんざ相手ではないってことだ >>175
キミがなんの関係もない他SSで発狂レスしてるのをここに張らないでやってる優しさに感謝することね
まぁ他に見てる人にはどっちが可哀想なのかは一目瞭然ですがっ w 涙目でワロタ
ここにお前のゴミSS貼るのもこのスレに負けてて人もいないから嫉妬だろ
見に行く気にもならんよ
お前風情が書いたゴミなど しかし徹底的な捜査が行われたにも関わらず、逮捕に至る証拠は何も見つからなかった。西木野氏は何のお咎めもなく、犯人は謎のまま。
その後も屋敷の増築は続き、表面上、事件は幕を閉じた。
そして、事件が起きてから妙な噂が立つようになる。 屋敷で怪奇現象が起こるという、荒唐無稽な噂だ。
噂の出所は屋敷の大工や、事件が起こってからますます増えた野次馬達だった。
誰もいないはずの屋敷の窓に人影が写る。
夜遅く、人魂が浮かび上がっているのを見た。
携帯に、使われていない番号から電話がかかってくる。
身の毛もよだつような恐ろしいうめき声が屋敷の地下から聞こえる。
様々な噂が流れた。 殺された召使いの怨念が怪奇現象を引き起こしているに違いないと人々は言い、屋敷にはより多くの人が集まるようになった。オカルト雑誌の記者まで来ることがあったそうだよ。
しかし、やがてもう一つの事件が起きて、あのお屋敷には誰も近づかなくなった。
今度は屋敷の主である西木野氏が、変死体で発見されたんだ。 風が窓をがたがたと揺らしている。
まだ吹雪はやまないようだ。
机の上のココアはすっかり冷め切ってしまっていた。
穂乃果「……じゃあ、小林さんはさっきの電話が悪霊に繋がったとでも言いたいんですか」
小林「もちろん、そんなことを言うつもりはないよ。ただ、探しているであろう友人から電話がかかってきて無言のまま切るだなんて、おかしいとは思う」
ことり「……」 小林「噂が全て真実であると思っている訳でもない。しかし、あのお屋敷には何かあるのは間違いないと思う」
何か。
それはいったい何なのだろう。
バラバラにされた召使いの怨念か。
はたまた真姫ちゃんのお爺さんの……。
小林「とにかく、触らぬ神に祟りなし、だ。友達の別荘とはいえ、明日戻り次第すぐに帰ることを薦めるよ」
小林「さて、そろそろ休んだ方がいい。寝室はあっちだよ」
小林さんは席を立った。 木造で、暖かみが感じられるいい部屋だった。
でも、今の私たちにそんなことを感じる余裕はない。
ことりちゃんと二人、ベッドに腰掛けて向かい合った。
穂乃果「ことりちゃん、さっきの話、どう思う?」
ことり「どうって言われても……分からないよ。そんなことがあったなら、真姫ちゃんが知らないはずがないし、私たちにそれを話さないなんてこともないと思う」
穂乃果「そうだよね、真姫ちゃんがわざわざそんな事件があった別荘に招待するなんて……」 私は考えた。
真姫ちゃんのこと。
真姫ちゃんのお爺さんのこと。
亡くなった召使いの人のこと。
そして、皆のこと……。
小林さんの言ったことを信じたわけじゃないけれど、もし本当にあの別荘に何かがあるのなら……。 私は考えた。
真姫ちゃんのこと。
真姫ちゃんのお爺さんのこと。
亡くなった召使いの人のこと。
そして、皆のこと……。
小林さんの言ったことを信じたわけじゃないけれど、もし本当にあの別荘に何かがあるのなら……。 ことり「穂乃果ちゃん……私、なんだか嫌な予感がするの」
ことりちゃんが潤んだ瞳で私を見た。
ことり「なんだか、もう皆に会えないような気がする……」
穂乃果「ことりちゃん……」
私は>>189
1、「大丈夫、穂乃果が一緒だよ」ことりちゃんを抱き締めた
2、「大丈夫、穂乃果が一緒だよ」ことりちゃんの頭を撫でた 穂乃果「大丈夫、穂乃果が一緒だよ」
私はことりちゃんを抱きしめた。
甘い香りが鼻の奥に広がる。頭の中にしびれたような感覚が走り、目の前が白く光る。
ことりちゃんは小さく震えていた。
ぎゅっ、と抱きしめる腕に力を込める。 ことり「穂乃果ちゃん…」
ことりちゃんが切ない表情を浮かべ、抱きしめ返してくる。
吹雪の中を二人、一緒に乗り越えた時からだろうか。
それとも、私は以前からずっとこうしたかったのか。
分からない。
分からないけれど、それでも私の体はことりちゃんをベッドの上に押し倒していた。 ことりちゃんは驚いたような表情を浮かべた後に、ゆっくりと目を閉じた。
私は胸の奥が熱くなり、心臓が早鐘を打つのを感じる。
熱に浮かされたような、ふわふわした感覚が体を覆い尽くした。
本能のままに、ことりちゃんの唇に自分のそれを押しつける。
ことりちゃんの体がびくりと波打った。
私は自分の鼓動がますます高鳴るのを感じる。 頭のどこかで声が鳴り響く。
こんなことをしてはいけないと。
私は聞こえない振りをして、ことりちゃんの衣服を取り払っていった。 頭のどこかの声はまだ鳴り止まない。
それでも、今私の耳に聞こえるのはことりちゃんの嬌声だけだ。
私が体を触る度に、ことりちゃんは聞いたことのない声を上げる。
その響きが私をますます興奮させ、指先に熱がこもる。
私は、目の前のことを考えたくなかったのかもしれない。
けれど今はただ、この快楽を貪っていたかった。
終 End.No31『あなたと共に』 どこからやり直しますか?
レス番
18、21、32、49、51、100、142、187
から選択
>>201 >>49から選択肢2
私たちは左に進んだ。
風の音はどんどん強くなる。
ことり「さ、寒い…」
ことりちゃんはガクガク震えている。
私も、指先から感覚が消え、体温がどんどん下がっていくのを感じる。 穂乃果「はぁ…はぁ…」
口から出る息は白いはずだけど、すぐに吹雪と混ざって分からなくなる。
どれくらい歩いたか分からなくなり、時間の感覚が消えていく。
その時、急に視界が開けた。
私たちは、自分の目を疑った。
もうもうと湯気が立ちこめる温泉がそこにあったのだ。 穂乃果「こ、ことりちゃん!」
ことり「うん! 行こう穂乃果ちゃん!」
私たちはすっぽんぽんになると、そのまま温泉へダイブした。
体の芯がじーんと痺れて、一気に体温が戻ってくる。
穂乃果「くぅ〜!! 超気持ちいい!」
ことり「なんもいえねぇ……!」
感動のあまり涙を流し、私たちは笑い合った。
桃源郷は、ここにあったのだ。 ビュオオオオオオオオオオ…
穂乃果「」
ことり「」
終 EndNo.30『遭難』 どこからやり直しますか?
レス番
18、21、32、51、100、142、187
から選択
>>207 >>187から選択肢2
穂乃果「大丈夫、穂乃果が一緒だよ」
私はことりちゃんの頭をなでた。
ことり「穂乃果ちゃん…」
穂乃果「海未ちゃんだってきっと、何か事情があっただけだって! えーと、ほら、凛ちゃんと一緒になって、ドッキリでしたー!…みたいな?」
自分で言ってて相当苦しいのが分かった。 それでも、私はことりちゃんを少しでも励ましてあげたかった。
ことり「……うん」
ことりちゃんは弱々しい笑顔を浮かべた。
見せかけだけでも元気が出たようだった。
穂乃果「じゃあ、もう寝ちゃおう? 明日は朝一で別荘に戻らないとだし」 ことり「うん。分かったよ」
部屋の電気を落として、目を閉じた。
雪中行軍の疲れが出たのか、不安はまだ心の底に残っていたけれど、やがてブレーカーが落ちるかのように、私たちは眠りの底に落ちていった。 穂乃果「……ん?」
まだ朝にはなっていない。
それでも目が覚めたのは、部屋の中が明るかったからだ。
電気がついているわけではなかった。
かといって、これは月明かりでもない。
なんだろう?
部屋の中は柔らかいオレンジ色に染まっていた。 夕日? いや、そんなことはありえない。
今はたぶん明け方前くらいのはず…
見ると、ことりちゃんは既に起き出して、窓の近くに佇んでいる。
穂乃果「ことりちゃん…?」
ことりちゃんは彫像のように固まっているようだった。
表情から感情が消えている。
私は胸の内に生じた嫌な予感に引っ張られ、窓の近くに駆け寄った。 吹雪は止んでいた。
外は、夕日が照らしているように明るい。
原因はすぐに分かった。
穂乃果「……そんな……」
窓の外からオレンジ色の光が差し込む。
遠目に見てもよく分かる。
燃えているのは、真姫ちゃんの別荘に間違いなかった。 小林さんの言葉が頭の中にこだまする。
『あのお屋敷には何かあるのは間違いない』
何か。
それを知る機会は、永遠に失われてしまった。
炎に呑み込まれ、形を失っていく屋敷を見て、私たちは、ただ呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。
終 End No.28『燃えゆく秘密』 どこからやり直しますか?
レス番
18、21、32、51、100、142
から選択
>>216 穂乃果「うん、ありがとう」
やっぱり真姫ちゃんは優しい。
真姫「夕食までまだ時間あるみたいだから、ここでくつろいでいいわよ」
真姫「疲れたなら部屋で休んでてもいいけど」
うーん、どうしようかな。
>>218
1.ここでくつろいでいこう
2.何だか眠気が……部屋で休もう 穂乃果「一回部屋に行ってもいいかな?」
慣れないスキーを頑張りすぎたせいか、私は何だか眠気を感じていた。
真姫「あら、そう? 大丈夫?」
穂乃果「うん。ちょっとだけ眠ろうかなーって」
夕食がどれくらいで出来るのかは分からないけれど、30、40分くらいは眠れるだろう。 真姫「分かった。寝過ごさないようにね」
穂乃果「もー、分かってる分かってる」
私は談話室を後にして、二階へ向かった。 穂乃果「ふぁ〜、やっぱり広い…」
午前中に荷物だけ置かせてもらい、すぐに滑りに行ったのでよく見ていなかったけれど、部屋の中は屋敷の外観に負けず劣らず、圧巻だった。
三人くらいは余裕で横になれそうなベッド。
壁に掛けられた高そうな絵。
綺麗に磨き上げられた黒塗りのテーブルとイス。 さらにバスルームに、クローゼットもついている。
これで一人一部屋ずつなのだから恐ろしい。
穂乃果「お金持ちって凄いなぁ…」
私はテーブルに手を添えて呟いた。 穂乃果「ん……」
まぶたが重い。
本格的に眠気がおそってきたようだ。
私はベッドに倒れ込んだ。
穂乃果「ふぉぉぉ……こ、これは…」
まるで希ちゃんの胸に四方から顔を挟まれているかのような……なんてバカなことが頭に浮かんだかと思うと、私はあっという間に眠りに落ちた。 穂乃果「……ん」
ノックの音がする。
しまったと思った。
真姫ちゃんに言われてたのに、どうやら眠りすぎてしまったみたいだ。
私は>>226
1、もちろんすぐに扉を開けた
2、「誰だ!」と声を掛けた
3、扉に鍵を掛けて眠り込んだ 穂乃果「うー…」
せっかく気持ちよく寝ていたのに、これじゃあ台無しだ。
私は扉に鍵を掛けて、眠り込んだ。
ノックの音は相変わらず続いているが、知ったことではない。
私は夢の世界へと再び舞い戻ることにした。
しかし、意識が落ちる直前に扉が開かれ、誰かが部屋に入ってきた。 おかしいな。扉には確かに鍵を掛けておいたはずなのに……
和木「すいません、お嬢様から返事がなかったら鍵を開けるように言われていましたので」
私は寝ぼけた頭で部屋に入ってきた人を見た。
真っ白なエプロンが目を引く、格好からして家政婦さんだろう。
穂乃果「えーと……」
起きたばかりなので頭が上手く回らない。
屋敷に着いた時に一度だけ顔を見たような気がする。 和木「和木と申します。西木野家で家政婦をさせていただいております」
そうだ、思い出した。真姫ちゃん家の家政婦さんだった。
和木「お疲れのようですが、夕食はぜひ食べて頂きたいですね。腕をふるいましたので」
和木さんはにっこりと微笑んだ。
手には鍵の束がある。
そりゃそうか。屋敷のマスターキーくらいあって当然だ。
和木「皆さんはもう食堂に集まっていますよ。さぁ、行きましょう。料理が冷めてしまいます」 そう言われて、私は急に空腹を感じた。
昼間使った分のエネルギーを体が求め始めているらしい。
穂乃果「すいません、お手数お掛けしました」
私はベッドから降り、和木さんと連れだって食堂へ向かった。 食堂には既に皆が集まって、着席していた。
海未「よく眠れましたか、穂乃果?」
海未ちゃんが満面の笑みで私を見る。経験上、この笑顔は怒っている時の笑顔だ。
穂乃果「あ、あはは。ぐ、ぐっすりでした…」
海未「いくら遊びに来ているとはいえ、夕食の時間まで寝過ごして、あげく家政婦の方の手を煩わせるなど…」
海未ちゃんの口からくどくどとお説教の言葉が飛んでくる。まずい、これは経験上長いやつだ。 ことり「まぁまぁ海未ちゃん。その辺にしよう?」
海未「む、ですが」
ことり「ごはんの席だし……ね?」
海未「むぅ…分かりました」
ことりちゃんが助け船を出してくれたおかげで助かった。
私は胸を撫で下ろし、着席することにする。
私は>>235
1.手前の席に腰かけた
2.奥の席に腰かけた ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています