河野太郎デジタル相は25日、新潟県新発田市で講演し、別人の情報をひも付けるミスが多発したマイナンバーカードの問題について「いろいろとご迷惑をおかけしている」と陳謝した。「原因を特定したので、防ぐために一つ一つ対策を打っている」と理解を求めた。

 ひも付けのミスに関連し、日本のデジタル化を阻む要因として、書類に判子(認め印)を押す慣習など三つの問題を指摘。銀行口座の名前はカタカナ表記だが、住民票や戸籍は漢字表記のみであったり、住所で「1丁目2番地3号」を「1―2―3」と省略したりすると、「コンピューターは同じ人か判断できない」と強調した。

 相次ぐ野党議員からの批判については「マイナンバー制度は民主党政権がつくった制度。『おまえが始めたんだろ』と言い返したくもなる」と愚痴をこぼす一幕もあった。

 河野氏は講演後、阿賀町を訪れ、山間部の上川地域に薬をドローンで届ける配送実験も視察した。【中津川甫】

毎日新聞
2023/6/25 22:26
https://mainichi.jp/articles/20230625/k00/00m/010/195000c