学校法人「森友学園」(大阪市)をめぐる補助金の不正受給事件で、詐欺などの罪で懲役5年の実刑が確定した理事長の籠池泰典氏(70)と、懲役2年6カ月の実刑が確定した妻の諄子氏(66)が13日、大阪市内で記者会見した。泰典氏は「判決には承服できないが、わが国の法制度を尊重し、従う所存だ」と述べ、同日中に大阪高検に出頭することを明らかにした。大阪拘置所に収監される見通し。

 会見では「服役にあたって」と題する文書を泰典氏が読み上げ、「森友事件に関する真相は今なお隠されたままです。私どもは今後も真相解明のために活動するつもりです」と述べた。

 確定判決によると、籠池夫妻は2016年、大阪府豊中市内の国有地に小学校を建設するため、工事代金を水増しした虚偽の契約書を提出するなどし、国の補助金約5600万円を詐取。11~16年度には、大阪市内で運営する幼稚園で、在籍する専門職員の数を実際より多く申告し、府と市の補助金約1億2千万円をだまし取るなどした。

 籠池夫妻は今年1月に最高裁に上告を棄却されて以降、ユーチューブで自身の近況などを発信してきた。泰典氏は「判決文を見ると、ちょっとおかしいんじゃないの、ということは皆さんわかると思う。私は国策捜査だと言ってきた」などと持論も展開していた。(森下裕介、松浦祥子)

朝日新聞
2023/3/13 10:08
https://www.asahi.com/sp/articles/ASR3B77PTR3BPTIL018.html