政府が1983年に、首相による日本学術会議への指揮監督権を否定する文書を作成していたことが4日分かった。首相の「一定の監督権行使」を認め、会員候補の任命拒否を可能とする見解をまとめた18年の内閣府見解と齟齬を来しており、過去の国会答弁と同様、矛盾しているとの批判が強まりそうだ。

 菅義偉首相は今年9月、学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人の任命を拒否。政府は83年、首相の任命は「形式的にすぎない」と国会で答弁。野党から国会への説明もなく法解釈を変更したと批判されている。今回の文書により、監督権を巡っても、ひそかに解釈を変更していた可能性がある。

共同通信
2020/11/4 18:50 (JST)
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