新型コロナウイルス感染症のワクチン接種をめぐり、政府は、健康被害が出た場合の製薬会社などの賠償責任を免除する方針を固めた。必要な救済措置は政府が講じる。ワクチンを速やかに確保するための特別措置で、政府は、10月以降とみられる次期国会に関連法案を提出する。

 自民党の森山裕国会対策委員長は26日、記者団に「(企業の)免責の法案が必要になるのではないか」と述べ、関連法案が次期国会に提出されるとの見方を示した。官邸幹部も同日、「(免責の法案は)当然やることになる」と話した。政府関係者によると、特別措置法をつくる案を軸に検討しているという。

 新型コロナの予防に使うワクチンの開発は現在、世界の製薬会社や研究機関などが進めている。各国で需要が極めて強く、臨床試験(治験)や承認手続きを一部簡略化し、通常より短期間で実用化される見込みだ。ウイルスの遺伝情報を使うといった新しいタイプのものも多く、実用化後に予期しない健康被害が生じる恐れがある。

朝日新聞
2020/8/27 18:43
https://www.asahi.com/articles/ASN8W6470N8WULFA019.html