https://mainichi.jp/articles/20200410/k00/00m/010/001000c
 息苦しい。手放せなくなったマスクのせいだけではない。今回の新型コロナウイルス禍で、安倍晋三政権の対応を批判したり、疑問を呈したりすると「安倍総理だって頑張っているのに」「国難なんだから批判するな」といった声が湧き起こるのだ。この現象、一体何なのか?【吉井理記/統合デジタル取材センター】

 ご記憶だろうか。安倍首相が突然「国難」という言葉を持ち出し、衆院を解散したのは2017年9月のことだった。首相自ら「国難突破解散」とネーミングした。

 少子・高齢化と北朝鮮ミサイル問題は「国難」で「国難を乗り越えるため、どうしても今、国民の声を聞かなければならない」(17年9月25日)との説明だった。