http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/180503/plt18050318190015-n1.html

 〈4人のスピーチが終わり、いよいよ野党の登場となった。トップは立憲民主党の枝野幸男代表。今まで以上に大きな拍手がわき起こった〉

 枝野氏「安倍晋三という人は、なぜ総理大臣なんでしょうか。共謀罪、特定秘密保護法、そして安保法制、そして今また『高プロ』制度など国民の多くの懸念の声を押し切って法律を自民党が作ってきたのはなぜなんでしょう。安倍さんや自民党の人に聞くと、おそらく選挙に勝ったからだと答えるでしょう」

 「でも違います。選挙に勝った人に立法権を一時的に預ける。そしてそうやって選ばれた国会議員の中で選ばれた総理大臣以下、内閣に行政権を預ける。それは選挙に勝ったからではなくて、選挙に勝った人に主権者である国民の主権を一時的に預けると決めているルールがあるからです。そのルールを憲法というんです」

 「憲法をないがしろにする権力は自分のよって立つ基盤がどこにあるのか、自分たちが預かっている権力の源泉がどこにあるのか、そのことを理解しない権力だと言わざるを得ません。ましてや憲法は選挙に勝った者にどんな法律でもつくっていい、どんな行政でもしてもいい、そんな権限を預けているわけではありません」

 「基本的人権の尊重、平等原則、そして憲法9条、さまざまな制限、限定の下で私たち国会議員は立法権をお預かりしている。自民党の人たちもそうです。内閣総理大臣もその憲法というルールで限定された権力を預かっているんです。そのことを忘れて、選挙で勝って数を持っているから何をやってもいいんだという権力は正統な権力ではありません」

「そもそも単純な多数決が民主主義なんでしょうか。単純な多数決が正義なんでしょうか。久しぶりに会った友人たちで飯を食いに行こう。ある人は焼き肉が食べたいといい、ある人はすき焼きが食べたいといい、ある人はすしが食べたいという。意見が分かれたら多数決で決めるのもいいでしょう。でも、その中に例えば、そばアレルギーでそば屋には行けないという人が1人でもいたら、それ以外のお店から選ぶ。これが本来の民主主義です。みんなでみんなのためにものを決める本当の民主主義というのはそうしたものです」

 「数の力だけで押し切ってはいけないことを決めているのが憲法です。この憲法をないがしろにするゆがんだ権力を一日も早くまっとうなものに変えていくため、多くの市民の皆さんと、そして思いを同じくする他の政党の皆さんと立憲民主党は力を合わせてまっとうな政治を取り戻すため先頭に立って頑張っていくことをお約束します」