産経ニュース 2018.3.6 20:38
http://www.sankei.com/life/news/180306/lif1803060045-n1.html


 JR東日本の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)」が今春闘でストライキ権行使の可能性を
一時通告したことを受け、同社の冨田哲郎社長は6日、労使協調を掲げた労使共同宣言の失効を
組合側に通知したことを明らかにした。JR関係者によると、労使共同宣言は昭和62年の同社発足以来、
JR東労組と結ばれていた。

 冨田社長は6日の定例記者会見で「不毛な労使対立で国民の信頼を失い、破産した国鉄の反省のもと、
平和的話し合いで解決していくのは基本」と労使共同宣言の意味について説明。その上で、
「交渉が煮詰まる前にもかかわらず、争議行為を通告してきたことで根底にある(信頼関係の)基盤が失われた。
今後は是は是、非は非として施策を進めていく」と話した。

 JR東労組の組合員は、昨年10月時点で加入資格のある全社員の約80%を占める約4万6千人。
ストをめぐっては同労組が2月、本来業務以外をしない「非協力形式」でのスト実施を会社側に通告したが、
5日後に解除した。組合の脱退者が相次いでいることが背景にあるとみられる。同労組は
「担当者不在で取材に応じられない」としている。