http://www.y-mainichi.co.jp/news/33094/

 「花筐(はながたみ)」でキネマ旬報の日本映画監督賞を受賞した大林宣彦さん(80)が、平和への思いを熱く語っているのを先日ラジオで聞いた。余命3カ月と言われた肺がんを乗り越えて完成した同作品で受賞したのだ▼かつて「時をかける少女」などの青春映画で薬師丸ひろ子や原田知世らをスターにした同監督も、安倍政権の登場で作風がガラリと変わり、今では反戦・平和をテーマにさまざまな場所で平和の尊さを伝えているようだ▼「よもや日本がこんなに激変して再び戦争する国になろうとするとは思いもよらなかった。これではいけない」「花筐も戦争を知らない若者たちのためにつくった」という▼若者と言えば作家の室井佑月さんが以前に88歳の元特攻志願兵の新聞投書を紹介していた。「世論調査では自民党支持や改憲に賛成は18〜29歳世代が他の世代に比べて異様に多い」と指摘▼その上で「わざわざ自分たちを兵隊にする、戦場に送るそういう勢力を支持しているお前たち、馬鹿だなあ。18〜29歳、自分たちが何をしているのかわかっているのか」とこうした風潮を嘆いていた▼そこは八重山の若者はどうだろうか。親として思うのは子や孫たちを絶対に戦地に行かせたくない。子や孫たちも絶対に戦争や戦争準備に加担してほしくない。(上地義男)