二階幹事長が「今から解散をやめられないか」と漏らした事情
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171011-00531255-shincho-pol

 小池新党からの攻勢に “二階から目薬”の心境ではないか。民進党を呑み込む勢いの希望の党に、選挙の陣頭指揮を執るはずの二階俊博自民党幹事長(78)が思わぬ本音を漏らしていた。

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 先月28日、二階幹事長は小池新党について、

「解散の前の日に党名を決めたり、ちょっと準備が足りない」

 と、話していたという。こと、小池新党については強気な発言が目立つのだが、

「確かに本人は解散前までは“いつでも選挙に勝てる”と語っていたんですけどね」

 と、自民党関係者。

「先月25日、安倍総理が解散の会見を行う3時間半前に小池さんが希望の党代表に就任して、一気に話題をかっさらい、状況が一変しました。その直後、二階さんは“今から選挙をやめられないか”と周囲に話していたそうです。表向きは小池批判をしていますが、さすがに小池さんがここまでやるとは予想できていませんでした。27日に二階さんが官邸に入ると“本当に止(と)めるのか”と騒然となりました」

 もっとも、二階幹事長にとって選挙を延期したい理由は他にもあった。子飼いの議員が軒並み、公認問題で揉めているのだ。

子分の獲得に奔走
 9月28日、自民党の1次公認が発表された。政治部デスクが言う。

「これまで無所属議員を二階派に入会させては、派閥拡大を図ってきた二階幹事長ですが、今回の選挙で山梨2区の長崎幸太郎さんや埼玉11区の小泉龍司さんなど、二階派に属する無所属議員の公認がどうなるかが話題でした。多くが2次公認以降への先送りだったのですが……」

 1次公認の中で関係者に驚きを与えたのが、神奈川4区だった。

「菅官房長官が後見人を務める山本朋広防衛副大臣と、二階幹事長に近く先ごろ自民党に入党した浅尾慶一郎代議士のどちらが公認されるか、と持ちきりだったんです。結果、山本さんが公認されることに」(同)

 公認されたのは、

「やはり菅官房長官の力ですよ。もともと、山本さんは菅さんの側近に誘われて神奈川4区にきたんです。菅さんは今回の公認も“俺が守ってやるから、安心しろ”と声をかけ、最終的にねじ込みました」(同)

 さすがの二階幹事長も肩を落としているという。先の党関係者が言う。

「二階さんは本来、解散になる前に公認問題の根回しをしたかったのです。実際、長崎幸太郎代議士に関しては、会派入りをさせるべく動いていましたから。それなのに解散が早すぎた」

 結果、長崎氏は復党の上、無所属で出馬する形に。ただ、強引な手法は相変わらずで、
「すでに入党済みの浅尾さんを山本さんの対抗馬として無所属で出馬させ、勝ったら公認させようというプランも出ています。もちろん、地元は猛反発です」(先のデスク)

 政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。

「二階さんは政権のキャスティングボートを握っているわけでもなく、相変わらず子分の獲得に奔走しているだけ。安倍さんも構っていられないでしょう」

 そんな“内ゲバ”を繰り返しているから、希望の党の足音に気付かなかったのでは──。