https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170909-00000085-san-pol

 「おかしいではないかと率直な質問をしている。それに対して答えが全く返ってこない」「疑惑がないんだと(立証する)丁寧な説明をしてもらいたい」

 不倫疑惑報道が直撃し、民進党に離党届を提出した山尾志桜里元政調会長の記者会見で飛び出した質問…ではない。同党の蓮舫代表(当時)が5月、学校法人「加計(かけ)学園」問題への政府の説明姿勢について記者団に語った言葉である。

 民進党は8日の常任幹事会で山尾氏の離党届受理を決定した。ただ、蓮舫氏の言う「丁寧な説明」は山尾氏からは一切ない。7日夜の会見では、「男女の関係はない」などの不倫疑惑を否定する短い説明を一方的に述べただけで、記者の質問は全く受けつけずに逃げ去った。

 前原誠司代表は8日、国会内で記者団に「事実関係は本人にしか分からない。ご自身の離党の判断を尊重したい」と説明した。もしも不倫疑惑を否定する山尾氏の言い分が事実だとすれば、「虚偽」の報道を前提とした離党届を、その真実性を検証することなく認めたということになる。

 加計調査チームにパナマ文書調査チーム、五輪招致疑惑調査チーム…。「調査」が大好きな民進党らしからぬ姿勢ではないか。

 国会論戦で追及の先頭に立ってきた山尾氏が、錦の御旗にしてきた「疑惑の立証責任」に頬かむりしたまま党を離れたことを民進党はどう受け止めるのか−。前原氏に尋ねたところ次のような答えが返ってきた。

 「いろいろなことをお考えになって党を離れた。これからのことは、ご本人が政治家として自らの判断で行動されるべきだ」

 離党した以上、その後は山尾氏個人の判断で…ということらしい。前原氏の言葉からは、10月の衆院3補欠選挙に向けて一連の騒動を早期に幕引きさせたいという思いしか感じられなかった。

 山尾氏は5月、改正組織犯罪処罰法の国会審議での閣僚答弁に関連し、記者団にこう語っている。

 「真実に目をつぶって、ただただ国民に嘘をついて安心させるという議論はやめてほしい」(松本学)