真姫「お花見させてくれない?」
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ある日の部室
花陽「うぅ…んん……」グッタリ
真姫「さすがに、疲れたわね……」グッタリ
花陽「お疲れ、さまです……」
真姫「お互いに、ね…。それにしても、まさかこんなことになるなんて……」
花陽「そうだね……こんなに忙しかったの、生まれて初めてかも」
真姫「春休みだけで、一生分歌って床を見たような気がするわ…」 アルパカでもわかる!激動の春休み!
日本一になっても終わらない!海外ライブです!
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帰ってきたらとっても人気!やったね!
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次のライブ?ドゥームどうしよう…続ける?
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最初に決めた通り、解散することにしました!
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最後にアキバで合同ライブ!楽しかったねー!
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はぁ?入学直前に解散発表?ふざけないで!!1!
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ダレカタスケテー!
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みんなの気持ちはごもっとも…お詫びもするけど、アイドルとしてやるべきことは
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μ'sじゃなくてもやれるって、ライブで証明しよう!
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あと来年度の準備もしなきゃ…忙しすぎるデッショー ←今ここ 花陽「ねえ真姫ちゃん。9人揃ってできる間は、μ'sを続けた方がよかったのかな……?」
花陽「それぞれの進路までの短い延長戦でも、そこで心の準備ができて、みんなの反応も違ったと思うんだ」
真姫「そうね……少なくとも、学校中を巻き込んだ騒動は起きなかったハズよ」カミノケクルクル
真姫「私は穂乃果や絵里ほど「μ'sがスクールアイドルであること」に対してこだわりはないから、全員揃ってそのままプロ入りの道もアリだったと思う」
真姫「今、全く後悔してないと言えばウソになるわね」
花陽「そっか…」シュン 真姫「しょげないで最後まで聞いて。花陽、私はこっちを選んで良かったと思ってるわよ」
真姫「スクールアイドルは今しかできないもの。こうして副部長として、一緒に作業するのだってそう」
真姫「何があっても続けるって、にこちゃんに約束したのもあるけど…プロとしての新生μ'sとアイドル研究部の両立より、こっちに専念する道の方が魅力的だって思ったの」
真姫「それに、もしどうしてもμ'sが恋しくなったら、その時また始めればいいのよ。やるだけやりきった後にね」
花陽「真姫ちゃん…お医者さんとアイドルの両立、できそう?」
真姫「できるわよ。……次世代の、誰よりもハイスペックになった私なら、たぶんね」
真姫「これまでだって、だいぶ無茶や無謀を通して来たじゃない。これから先も、きっとずっとそうなるわ」 真姫「あなた方こそどうなの?それを聞くってことは、花陽も後悔してたりするのかしら?」
花陽「……ううん。私も、今の選択に満足してるよ。疲れで弱気になってたみたい」
花陽「さみしい気持ちも残ってはいるけど、それでも今は、新しい目標に向かって頑張ろうって思えるから!」
花陽「どんな子が入ってくれるかな?それでグループがどう変わっていくのかな?どんなステージになるのかな?って、考えるだけでワクワクするんだ♪」
花陽「真姫ちゃんの言う通り、今しかできないことを、精一杯がんばりたいな」
真姫「ふふっ、それでこそ部長ね」 真姫「私たちの進退で、あれだけの騒ぎが起きたんだもの。きっと新入生のレベルだって高いはずよ。楽しみじゃない」
花陽「うんっ!楽しみだよね!!もしかしたら、μ'sだって越えちゃうアイドルグループができるかもしれないよ!!」
真姫「そうね……それを目指して頑張るのもいいかも」
花陽「あ、でも、その前にまずは、私たちが新入生を超えないとだよね」
真姫「ええ、その通りよ。部長と副部長が揃って舞台袖にいるようじゃ、格好がつかないもの」
花陽「そうならないように頑張ろうね!」 真姫「とはいえ…」
花陽「とはいえ…」
真姫「疲れたわねぇ……」グデー
花陽「そうだね~……」グデー
真姫「やる気が出ても、体がテンションに付いていかないわね……」
花陽「春休み、1ヶ月なのに長かったもんね。このまま寝ちゃいたいくらい……」
真姫「ダメよ、寝るなら家に帰らないと」
花陽「そうだよね……でも、もう少しだけこうしていたいな……」ポケー
真姫「そう、ね……少しくらいならいいかしら……」ポケー 真姫「っ……あ、そうだわ。花陽。もし良ければ…お花見させてくれない?」
花陽「え?お花見……?いいけど、どこでするの?」
真姫「ここでよ」
花陽「ここ?部室で?」
真姫「そう。ここまでの春休み、休みなんて名前だけだったでしょ。せめて最後にちゃんとお休みしたいの」
花陽「うーん、それはそうだけど、今からかぁ……」 真姫「準備はしなくていいわよ。今あるものでバッチリだから」
花陽「そうなの?」
真姫「ええ。花陽、ちょっと隣の部屋で、床に座っててくれないかしら?鞄取ってくるから」
花陽「床?ちょっと待っててね」スクッ
テクテク ストン
花陽「これでいいの?」
真姫「ありがと。それじゃ、そのままじっとしてて」 真姫「」ユカニゴロン
花陽「…?」
真姫「」ジーッ
花陽「……」
真姫「」ジーッ
花陽「………」
真姫「ふふっ」ニコニコ
花陽「…………」
花陽「えっ?これがお花見???」 真姫「そうよ」フンス
花陽「真姫ちゃんおかしくナッチャッタノォ!?」
真姫「失礼ね、私は至って正常よ」
真姫「こうやって花陽を眺めて、疲れきった心と体を休める。これをお花見と言わずして何と言うのかしら?」
花陽「えぇーっと……ちょっと私の記憶の中には、ふさわしい言葉が見つからないなぁ……」
真姫「当然よ。私が今考えたもの」キリッ
花陽(うぅっ、やっぱり真姫ちゃん、頑張りすぎてちょっとヘンかも…) 花陽「真姫ちゃん、お花見なら外でやらない?桜、綺麗だよ?」
真姫「無理よ。今の体力じゃ校舎から出る前に力尽きちゃうし。屋上まで階段上るとかもってのほか」
花陽「じゃあせめて、床に寝転がるのはやめない?窓際の椅子使うとか」
真姫「悪くないけど、せっかく広々使えるんだからもったいないじゃない」
花陽「うーん、確かにそうかもだけどぉ……」
真姫「でしょ?だからこれでいいのよ」 真姫「」ジィーッ
花陽「ねぇ、真姫ちゃん、これ…お花見、楽しい?」
真姫「楽しい。少なくとも、私にとってはすごく有意義な時間よ」
真姫「ほら、花陽ってかわいいし、見てて飽きないのよね」
花陽「そ、そう……///」
真姫「照れてる花陽もかわいいわよ♪」
花陽「も、もう……///からかわないでよ……///」
真姫「ごめんってば。私だけ楽しんじゃってるわよね。ちょっと待ってて」カバンゴソゴソ 真姫「はい、これ」スッ
花陽「わぁ、おにぎり!」
真姫「お花見にお弁当は必要よね。長引いた時のために持ってきたんだけど、花陽の口には合わないかしら?」
花陽「ううん!そんなことないよ!いただきます!」パクッ
花陽「……おいしい!とっても美味しいよ!!」
真姫「ふふっ、良かったわ。飲み物とお菓子もあるわよ」
花陽「えへへ♪私ばっかり食べちゃってごめんね?真姫ちゃんも食べよ?」
真姫「ありがとう。でも大丈夫よ、私まだお腹空いてないし、寝転びながら食べるなんてお行儀悪い真似できないわ」
花陽「そ、そっか(そこはちゃんと気にするんだね……)」 真姫「」ジーッ
花陽「……」モグモグ
真姫「」ジーッ
花陽「……」ゴクゴク
真姫「」ジーッ
花陽(た、食べにくい)
花陽(食べてる間だけ、うしろ向こっと)クルッ
真姫「!」 真姫「…」コロコロ
花陽「!?」
真姫「」ピタッ
花陽(ま、真姫ちゃんが転がって、正面に!?)
花陽「…」クルッ
真姫「…」コロコロ
花陽「」クルッ
真姫「」コロコロコロ
花陽(あ…ちょっと楽しいかも) 真姫「はぁ、はぁ……」ゼーゼー
真姫「花陽、どうして向きを何度も変えるのよ……意外と疲れるんだからね……」
花陽「ご、ごめん……恥ずかしいのと、面白いのとでつい……」
真姫「わ、私だけを見てって言ったくせに…」
花陽「歌ってるときは話が別なの!」
真姫「それに、お、面白いって…どういうことよ」
花陽「だって、普段の真姫ちゃんからは想像もつかない行動だし、その……か、かわいいなって思っちゃって……あはは……」 真姫「っ、あ、あなたねぇ……///」
花陽「え?どうしたの?」
真姫「いや、なんでもないわ」
真姫「それよりほら、今ので私は体力使っちゃったから、お花見の時間が伸びたわよ?」
花陽「ええっ!?そんなぁ!」
真姫「ずるくないわよ。花陽が動き回らなければ、食べ終わる頃には全快してたはずだもの」
花陽「むー……!だったら、動かないようにするから!その代わり、真姫ちゃんもちゃんと休んでね!約束だよ!」
真姫「はいはい。わかったわよ」 食事からしばらくして~
花陽「…」モジモジ
真姫「」ジィーッ
花陽(と、トイレに行きたくなっちゃった……)モジモジ
花陽(真姫ちゃんは相変わらず、こっちをただ見ているだけです)チラッ
真姫「♪」カイフクチュウ
花陽(今の真姫ちゃんなら、私がトイレに行くなんて言ったら…廊下も転がってついてきちゃいそう)
花陽(お花見が終わる気配もないし、こ、このままだと本当に漏れちゃうよぉ~……)オロオロ 真姫「どうしたの?」
花陽「えっ!?な、なんでもないよ」アセアセ
真姫「そう?さっきから落ち着きないけど大丈夫?」
花陽「だ、大丈夫だよ!平気だから!」
真姫「……もしかして、お手洗いに行きたいの?」
花陽「そ、そうなの!ちょっと行ってくるね!」スクッ
花陽(よかった…察しの良さはいつもの真姫ちゃんだぁ) 真姫「待って」ガシッ
花陽「ひゃっ!?」
真姫「それなら、私も行くわ。一緒に行きましょ」
花陽「えぇーっ!?」
真姫「なによ、嫌なの?」
花陽「だ、だって真姫ちゃん、なんで私の足をつかんでるの……?」プルプル
真姫「そんなの決まってるじゃない。引きずって連れていってもらうためよ」
花陽「ひ、引きずる!?転がって…じゃなくて、歩いて行こうよ!汚れちゃうよ!それか待ってて!!」
真姫「オコトワリよ。一瞬でも花陽のいない空間でお花見なんて、私が嫌なの!」
花陽「良いこと言ってる風だけどイミワカンナイよぉ!真姫ちゃん離して~!」ズリズリ 真姫「」ズザザザ
花陽「うぅぅぅ…!」ズリズリ
花陽(け、結局真姫ちゃんを引きずりながらトイレに向かうことに……)
花陽(部室のすぐ近くにあるはずのトイレが、今はすごく遠く感じるよぉ~!)
花陽(はやくしないと、ほ、本当に間に合わないかも……)
真姫「花陽」
花陽「な、なぁに?」プルプル
真姫「もし漏らしちゃったとしても、別に人生が終わったりしないわ」
花陽「そうだとしても減っちゃうの!私のなかで、何かがごっそり!」 花陽「あっ、も、もうダメぇ……このままだと、ホントに…出ちゃうぅ……」プルプル
花陽「だれか…ダレカタスケテェェェェ!!」ポロポロ
タスケテー
タスケテー
タスケテー
海未「私で良ければ!」ズサー!
花陽「きゅ、救世主海未ちゃん!」 海未「花陽、一体どう……」
海未「足にしがみついてる、それは…真姫ですか?」
真姫「それって何よ。失礼ね」
花陽「ぅぅぅ海未ちゃん!!何も聞かないで!真姫ちゃんを預かって!!!」
海未「へ?預かるとはどういう」
花陽「後で!後で説明するから!もれちゃうから早くしてぇぇぇ!!///」 海未「あ、はい!わかりました」ヒョイッ
真姫「ちょっと!?離しなさいよ!私はまだお花見してるの!!」
花陽「」ダッシュ!
真姫「海未でも思ったより休まるわ。伊達に未来の花を名乗ってないわね」ゴロゴロ
海未「は、はぁ……ありがとうございます……?」 真姫「……ゴメンナサイ///」プシュー
花陽「いいよ。結果的に間に合ったから」
海未「ま、まあ…誰にだってそうなる時はあります。穂乃果なんてしょっちゅうですから」
真姫「穂乃果と一緒……余計に立ち直れないわ……」
花陽「そういえば、海未ちゃんはどうして学校に?」
海未「春休み中バタバタしてて、弓道部の方に全く顔を出せていなかったので。ついでに部室にも寄っていこうと思った矢先、花陽の声がして」
花陽「そうだったんだ。ごめんね、海未ちゃんも疲れてるのに迷惑かけちゃって」
海未「いえ、気にしないでください。私が花陽の立場ならきっと同じことになってましたから」 花陽「ううん、そういうわけには。助けてもらったぶん、何かお返しさせてほしいな」
海未「そうですか……?それでは」
海未「なるほど……!確かにこれは、体に良いかもしれません」ジィーッ
真姫「デッショー?いずれガンにも効くようになるわ」ジィーッ
花陽「だからってお花見は、やーだーよぉーー!!」グスン
おわり 乙、日常系カオス系問わず細かいところまで想像できるのはやっぱμ'sなんだわ
まきぱなうみ良いね! おつでしょ!
最近ちょくちょくμ´sSS増えてうれしみ その後を描いて新鮮な気持ちにさせつつギャグもしっかり味わえる良きSS 真姫「オコトワリよ。一瞬でも花陽のいない空間でお花見なんて、私が嫌なの!」
ここめっちゃ草 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています