かのん「お気に入り席」
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かのん「まさか席が並ぶなんてね。改めてよろしくね、可可ちゃん」
可可「こちらこそデス!席決めは神引きデシタ!新学期早々、幸先が良さそうデス!」
かのん「あるいは、運を使い果たしちゃったかもよ?」
可可「それはありません!かのんの近くが、可可のラッキープレイスですので!」 かのん「相変わらずお上手だねぇ」
可可「本気で言ってるのデスよ?授業中ずっとかのんの後ろ姿を見られるというのは、それだけで嬉しいことなのデス!」
かのん「そうかなぁ、私の背中なんて見たって面白くないと思うけど」
可可「たまには横や後ろを向いてクダサイね、前みたいに横顔が見れないというのは寂しいので!」 かのん「あははっ、了解。用もなく後ろ向いちゃうよー」
可可「そうしてもらえると嬉しいデス、可可はいつでもウェルカム、デス!」
――――――――
かのん「とかなんとか言ってたのに」 可可「すやぁ…」
かのん「ちょっと目を離したらおやすみモード。昨日も遅くまで起きてたって言ってたっけ」
可可「くー…くー…」
かのん「ま、振り返れば可可ちゃんの寝顔っていうのも、悪くないかな」 可可「んんー…」
かのん「あんまり夜更かし過ぎないようにね、頑張り屋さん」
可可「えへへ…くー…」
かのん「ふふっ、訂正。確かにかなりいい席かもね、これは」 ……………………………………
先生「まずは三角比の相互関係のおさらいです。この関係を用いれば、sinθ、cosθ、tanθのうち、どれか一つの値さえわかれば、他の二つを導き出すことが可能でしたね」
かのん「うーん…」
先生「三角関数を学ぶ上で、これらの基本性質はとても重要になりますので、不安だなという人は必ず復習しておいてください。次に、三角比と三角関数の違いですが――」
かのん「うーーーん…」 ――――――――
休み時間
かのん「だぁぁぁ、なんとか乗り切った…」
可可「かのん。さっきの授業、かなり悩んでいマシタね」
かのん「私には難しすぎるよぉ、記号や公式が次から次へとやってきて…ねえ、可可ちゃん。高校数学ってどうしてこんなに難しいんだろう?」
可可「高校だから、じゃないデスか?」 かのん「だよねぇ、はぁぁ…」
可可「でも、数学に翻弄されるかのんの姿は、後ろから見ていて楽しかったデス」
かのん「笑い事じゃないよ、人が苦労してるのにー」
可可「そんな様子もとても可愛かった、と言っているのデス」 かのん「いいよね、可可ちゃんは数学得意だから余裕そうでさ」
可可「勉強に苦戦するかのんを間近で見られる。ここは言葉どおりの特等席なのかもしれマセンね」
かのん「ちぃちゃーん、すみれちゃーん!可可ちゃんが意地悪するよー!」
可可「あははっ、でも、この席はかのんにとっても良い環境なのデスよ?」 かのん「むぅ…いい環境って?」
可可「勉強がわからなくて困ったときは、後ろを向けば良いのデス!可可が教えマスから!」
かのん「先生に指されたとき、答えを教えてくれるってこと?」
可可「指されても答えられるようにするということデス!可可がしっかり丁寧に個別指導いたしマスので!この席順はお勉強にも最適デス!」
かのん「う、うーん。ありがたいんだけど、逃げ場が無くなってしまったような…」 ……………………………………
可可「むむむむむ…」
かのん「可可ちゃん、険しい顔してどうしたの?何か悩み?」
可可「あ、かのん…いえ、なんでもありマセン」
かのん「そうは見えないよ、今日の可可ちゃん、ずっと思い詰めてる様子だもん。私でよければ、話聞くよ」 可可「うぅ、ですが…」
かのん「無理には聞かないけど、遠慮しないで話してくれたら嬉しいな。話しにくいことなら、どこか場所と時間を改めてもいいから」
可可「かのん…いえ、ここで大丈夫デス。可可の話、聞いてもらえマスか?」
かのん「もちろんだよ!」 可可「ありがとうございマス。実は、可可…」
かのん「うん」
可可「最近、衣装作りがスランプなのデス」
かのん「スランプ?」 可可「ハイ…一年生が入部して、活動が更に進化していく中で、Liella!が今後どのような色を出していくべきか、ずっと考えていたのですが…」
かのん「そっか、色々と考えてくれてたんだ」
可可「考えれば考えるほど深みにはまって、難しいデス…」
かのん「確かに、新しくなったり、変わる部分があると戸惑っちゃうよね」 可可「かのんなら、こういうときどうしマスか?」
かのん「そうだね、うーん…あ、良いこと思い出した!私も作詞に困ってるときに試した、とっておきの方法があるんだけど」
可可「わあっ、どんな方法デスか?教えてください!」
かのん「知りたい?いいよ、その方法はね…」 可可「その方法は…!」
かのん「恋ちゃんのお屋敷で、ジャパニーズ缶詰」
可可「それは嫌デスー!」
かのん「えー、私のときは有無を言わさず部屋に閉じ込めたのに、自分はやらないんだ?」 可可「そ、それは…」
かのん「さっそく恋ちゃんにお願いしなきゃだね。衣装のデザインが終わるまで出られませんって、専用のお部屋を用意してもらわないと!」
可可「くぅっ…そ、その節は大変なご迷惑を…どうか、どうかジャパニーズ缶詰だけは…」
かのん「あはははっ、うそうそ、冗談だって」 可可「ふぇ…?」
かのん「ジャパニーズ缶詰される側のプレッシャー、これでわかってもらえたかな」
可可「だ、騙したのデスね!ひどいデス、可可の気持ちを弄んで!まさか、この前の仕返しのつもりで…!」
かのん「そんなつもりじゃ。でも、ちょっとは気持ちがほぐれたでしょ?」 可可「えっ?」
かのん「気になってたんだ。可可ちゃん、最近難しい顔してることが多かったから」
可可「あ…」
かのん「自分を追い込んでも、上手くいかないときってあるよ。そんなときは、肩の力を抜いて、少し一休みしないとね。悩みから距離を置くと、案外うまくいくもんだって」 可可「かのん…ありがとうございマス!」
かのん「いえいえ。気晴らしにさ、甘い飲み物でも買いに行こうよ。今日はなんだかミルクティーの気分なんだ」
可可「それなら、今日は可可がご馳走しマス!」
かのん「そうと決まれば、急いで買いに行かなきゃだね、お昼休みが終わる前に!」
可可「はいデス!」 ……………………………………
可可「かのん、かのんっ」
かのん「んー?」
可可「見てクダサイ、衣装のデザインが出来上がりマシタ!」
かのん「わ、可愛いね!」 可可「かのんは、いいと思いマスか?」
かのん「うん、すごく良いと思うよ!曲のイメージともぴったりだし、きっとみんなも賛成してくれるよ!」
可可「わあ、そう言ってもらえると、頑張った甲斐がありマス!」
かのん「でもこれ、どうして英語のノートに書いてあるの?」 可可「完成したのがついさっきだから、デス!」
かのん「ついさっき?ってことは、英語の授業中に描いてたってこと?」
可可「ハイ!閃きが頭の中を駆け抜けて、これだーって思いマシタので、一気に仕上げちゃいマシタ!」
かのん「私の後ろで内職してたんだ。いけないんだー」 可可「存分に目隠しにさせてもらいマシタ。この席は本当に便利デス!アイデアが浮かんできたのも、かのんの後ろ姿のおかげかもしれマセン!」
かのん「ご利益みたい言ってくれちゃって。でも、一区切りついたみたいでよかったよ!」
可可「胸のつかえが取れた心地デス!そこで提案なのデスが、今日の帰りにクレープを食べにいきマセンか?この前、話を聞いてくれたお礼もしたいので!」
かのん「それと、可可ちゃんの頑張りの労いだね。いいね、行こう行こう!」 ……………………………………
可可「かーのーん」
かのん「なにかな、可可ちゃん」
可可「呼んでみただけ、デス」
かのん「はいはい、好きだね、それ」 可可「かーのんっ」
かのん「こらこら、背中触らないの」
可可「かのんの背中がすぐそこにある以上、それは無理な話デス」
かのん「もう、すぐぺたぺたしてくるんだから」 可可「ふふふっ♪」
かのん「どうしたの、随分とご機嫌だね」
可可「様々な検討を重ねた結果、この席はやはりスバラシイなと思いまして」
かのん「それはまた。どう素晴らしいの?」 可可「なにもかもデス。日々の生活が、より楽しく、キラキラしたものに思えるのデス」
かのん「それはなによりだねぇ、何か理由があるの?」
可可「そんなの決まっていマス。前にも言ったでしょう?かのんの近くは、可可のラッキープレイスなのデス!」
終わり 素晴らしい席順かのくぅでした。
宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作です。よろしければ併せてお願いします。
かのん「可可ちゃんの徒然デイズ」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1649576013/
ありがとうございました。 ちょっとまって?>>22の可可以外NGで見えないんやが… おっほ。クーカーの人🔥🔥🔥
2期本編は供給無さそうなのSSすごくありがたいでぇす!! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています