千歌・歩夢・かのん「スクールアイドル野球対決?」
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Aqoursと虹ヶ咲とLiella!が野球の試合をする話です
色々設定ごちゃ混ぜ
試合展開決めずに書くのでどこが勝利するか1にも分かりません 侑「そうなんだ。皆も知ってる通り、今度私達3グループがプロ野球チームとコラボさせて貰うことになったよね?」
侑「その一環として私達も野球の試合を行って野球をプレーして貰えませんか?って提案が来たんだ」
千歌「ふむふむ!」ワクワク
侑「場所は埼玉県のベルーナドーム!埼玉西武ライオンズの本拠地だね!」
Aqours全員「」 侑「日にちは直前で申し訳ないのだけど3週間後ーーーってあれ?」
千歌「あそこかぁ〜〜」
梨子「うぅ……」
ダイヤ「あそこなのね……」
侑「あれ…っ、どうしたの!?Aqoursの皆はベルーナドームで何度もライブをしてるんだよね?!」
侑「最近やったライブでは『Aqoursのセカンドホーム』とまで言ってたようなーーー」
善子「あの風穴の開きし天蓋空間はね!夏暑くて冬寒いのよ!」
かすみ「季節と言うのはそういうものですよ!?」 果南「アハハっ。虹ヶ咲の皆も一度ライブをしたみたいだけど、あの時は5月だったから結構快適だったんじゃない?」
しずく「そうですね。寧ろ射し込む夕焼けがステージや客席を照らしてくれたことが印象に残ってます!」
愛「そうそう!メッチャ楽しかった思い出ばっかりだよ〜!」
果林「気温もそこまで気にならなかったと思うのだけどーーー」 ルビィ「いいなぁ〜。ルビィ達は暑かったり寒かったり虫さんが顔の近くに飛んできてビックリしたり見に来てくれた皆に雨が降りかかっちゃったりして……」
果南「この間ライブさせて貰った時なんて凄い冷え込みでね。大変だったよ」アハハ
ミア「極端な気温の影響に風穴、夕陽、虫、雨……その球場は本当にドームなのかい?スタジアムの間違いなんじゃ……」 侑「あははは……最近は大分暖かくて過ごしやすくなってきたし、試合をするのはお昼前から夕方までの予定だからきっと大丈夫だよ!」
侑「それにね!試合の後にはライブを披露して貰うって計画なんだ!」
エマ「本当?!またあの広〜い会場でライブが出来るの!?」
侑「うん!大勢の人に私達のことをアピールする絶好の機会だと思うんだ!」
侑「ーーーだから皆、どうかな?」 千歌「……!」バッ
Aqours8人「っ!」コクリ!
歩夢「野球は未経験だけど、私達も…!」
虹ヶ咲11人「っ!」コクリ!
かのん「えーーーっと……」
Liella!4人「……」 かのん「あ、あの〜〜…皆さんやる気になってる所にアレなんですけど〜…」オズオズ
侑「はい!Liella!のかのんちゃん!」ビシッ
かのん「私達、5人グループなんですよね……」
千砂都「野球は9人スポーツだよね?」
全員「……………」
彼方「そこはまぁ、助っ人集め頑張って〜ってことで」ノレcイ´=ω=)b ビシッ
かのん「えーーー!?」ガビーン 千歌「しゃー!そうと決まれば練習だー!うおおおおお!!」
曜「うわぁ!千歌ちゃんがThank you, FRIENDS!!のドラマパートみたいなテンションに!」
かのん「え、あの……」
ミア「OK。練習指示から試合での指揮、Baseballのことならボクに任せてよ」
ランジュ「いいわね!頼りにしてるわ、ミア♪」
かのん「ちょ、ちょっと……!」
侑「皆、ありがとう!」
かのん「待っ……」
侑「それじゃあLiella!の皆も3週間後に!分からないことがあったら何でも聞いてね!一緒にこの野球大会、成功させよう!」⎛(cV„Ō ᴗ ŌV⎞و✧
かのん「まずあと4人どう集めればいいのか教えてえ゛ぇぇぇぇ!!!!!」ヒーン こうしてAqours、虹ヶ咲、Liella!は野球の練習を開始(Liella!は助っ人集めから)!
ルールを把握し野球の動きも身に付けるうちにあっと言う間に試合が行われる日になりました!
ベルーナドーム
ワーワー
アキバレポーター「スクールアイドルファンのみんなー!こーんにーちはー!はっちゃけてるかーい!?」
アキバレポーター「本日はここベルーナドームにてスクールアイドルAqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!の3グループが!」
アキバレポーター「野球の試合を行ったのちに!ライブも披露する特大イベントが開催されちゃうよー!楽しみだね楽しみだねー!!」
アキバレポーター「と言うことで本日司会進行と実況解説ぜーんぶ務めますアキバレポーターでーす!よろしくね〜〜!!」 アキバレポーター「早速ですがグラウンドには3グループが既に勢揃い!これから1試合目の組み合わせを決めちゃうよー!」
ワーワー
曜「わはー!見に来てくれた人いっぱーい!」
栞子「こんなに沢山の人が…嬉しいですね」
恋「はい。これはお恥ずかしいプレーやライブはお見せ出来ませんね!」 アキバレポーター「さぁさぁそれでは各グループの代表者さん、くじ引きの前へお願いします!」
千歌・歩夢・かのん「……!」ザッ
千歌「えへへ〜!楽しみだね!早く試合したーい!」
歩夢「私はちょっと緊張しちゃってるよ〜」ドキドキ
かのん「……」ガタガタガタ アキバレポーター「本日は総当たり戦の3試合が開催されます!」
アキバレポーター「赤色と青色と無地のくじ3本から赤と青を引いた2チームが第1試合。赤と無地の2チームが第2試合。青と無地の2チームが第3試合のカードとなりまーす!」
せつ菜「つまり、青を引ければ1試合目と3試合目での対戦となり」
すみれ「逆にそれ以外は連戦になるって訳ね」
花丸「連続で試合するのは大変ずら…」
アキバレポーター「そこはお若い皆の体力に頑張ってもらいましょ〜〜!それではくじ引きお願いしまーす!」 千歌・歩夢・かのん「せーの!」スッ
歩夢・かのん「…あっ!」
アキバレポーター「出ましたー!虹ヶ咲が赤!Liella!が青!Aqoursが無地を引いたー!」
アキバレポーター「と言うことで対戦カードは」
虹ヶ咲ーLiella!
Aqoursー虹ヶ咲
AqoursーLiella!
アキバレポーター「以上に決定しましたー!」 千歌「あーーん!初戦逃しちゃったぁぁ!」
鞠莉「ドンマイ千歌っち〜♪」
クゥクゥ「逆にクク達は休憩を挟めマス!ラッキーですナイスですかのん〜!」
かのん「そうかなぁ…私はまずどんな雰囲気になるのか見たかったよぉ……」ブルブル
アキバレポーター「さてさてさて!それでは早速第1試合の準備に入ります!スクールアイドルの皆さんの退場を拍手でお送りくださーい!」
パチパチパチパチ……!! 〜〜〜
侑「ーーーさて!それじゃ1試合目のスタメンだけど…!」
ミア「初戦と2試合目の連戦になったね。前日ミーティングで決めたメンバーから変更は無しだよ。しずく、璃奈。外野の両翼は任せたよ。特に、しずく……」
しずく「は、はいっ!!!精一杯頑張りますね!」
璃奈「私もがんばる。璃奈ちゃんボード『むんっ』」 ===
かのん「はぁぁぁ〜〜〜……………」ドキドキバクンバクン
すみれ「何をそこまで緊張するって言うのよ……」
かのん「だってライブの披露ともまた違うじゃぁぁん!こんな大きな会場で沢山の人の前に立つなんて初めてだしぃぃ!」
クゥクゥ「確かにそう言われるとドキドキしてきちゃいました…」
恋「もう、緊張が移ってしまっては困りますよ」
千砂都「そうそう。折角の機会なんだから楽しもうよ!練習だってしっかりしてきたし、それにーーー」
???「……」ニコッ
千砂都「心強い助っ人も居るしね♪」 助っ人が気になる、違う世界から茂野とか沢村きても許す >>21
思わせぶりで申し訳ないでやんす。普通にスパスタ世界の人物でやんす 〜〜〜
ワーワー
アキバレポーター「さぁ間もなく第1試合目の開始です!両チームベンチに入り準備万端と言ったところでしょうか!」
アキバレポーター「それではここで今回の野球大会のルールを説明します!」
アキバレポーター「基本的な野球のルールとは変更なし!7イニング制のDH無しで行います!」
アキバレポーター「投手の球数制限はありませんが怪我にだけは気を付けて下さいね!」
アキバレポーター「それとマウンドと塁間の距離はプロ野球選手の使用する距離よりも短め!女の子用の規格で行うよ〜!」
アキバレポーター「まぁ細かいことはあまり気にせずに怪我無く楽しみまっしょー!!」 アキバレポーター「それではお待ちかねのスターティングメンバーの発表です!」
アキバレポーター「まずは先行虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会からご紹介します!」
アキバレポーター「1番、センター エマ・ヴェルデ!背番号8!」ワーワー
エマ「頑張るよ〜!」
アキバレポーター「2番、セカンド 中須かすみ!背番号2!」ワーワー
かすみ「やっほやっほ〜♪」
アキバレポーター「3番、キャッチャー 優木せつ菜!背番号7!」ドワァァァ!
せつ菜「ふぅ…燃えてきました!」
アキバレポーター「4番、ショート 宮下愛!背番号5!」ワーワー!
愛「よっしゃー!愛さんに任せなさ〜い!」 サニパ足してたとしてもLiellaって人数足らんよな
どうすんだ… 書き貯めが尽きてプロ野球開幕戦も始まりつつあるのでここから投下ペース少し落ちますご了承 アキバレポーター「5番、ファースト 朝香果林!背番号4!」キャーキャー!
果林「みんな〜応援よろしくね〜♡」ノシ
アキバレポーター「6番、ライト 桜坂しずく!背番号3!」ウオオオォォ!?
しずく「私はイチロー……私はイチロー……!!!」ブツブツ
アキバレポーター「7番、サード 近江彼方!背番号6!」ウォォォ!?オネエチャーン!
彼方「zzz……ハッ!?今遥ちゃんの声が聞こえた!?」オネエチャーン!ウオォォ!ハルカチャーン!!
アキバレポーター「8番、ピッチャー 上原歩夢!背番号1」ワーワーワー!!
歩夢「わぁ…!凄い歓声……!頑張らなくちゃ!」
アキバレポーター「9番、レフト 天王寺璃奈!背番号9!」ワーワー!
璃奈「すー…はー…。璃奈ちゃんボード『メラメラ〜!』」 助っ人によるけど今の所
大人数でハイスペ揃いの虹
フィジカルナンバー1のAqours
相手にリエラが勝てるビジョン見えねぇな
期待 アキバレポーター「ベンチ入りメンバーは三船栞子、背番号10!ミア・テイラー、背番号11!鐘嵐珠、背番号12!」ワーワー!
アキバレポーター「そして虹ヶ咲応援隊長、高咲侑!背番号0!」ワーワー!
アキバレポーター「以上が虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の全メンバーです!」 Liellaはでも高校球児に例えれば高校一年で140キロ出る投手とかホームラン軽く飛ばす打者とか3年生並のスペックある一年の集まりだからワンチャンある 栞子「結果的に私達3人がベンチスタートになりましたね」
ランジュ「んー!ランジュも早く試合に出たいわ!」
ミア「残念だけどランジュ、君の出番はAqoursとの対戦からだよ。出番があるとしたらPinch Hitter.代打だよ」
ランジュ「むぅ〜」
ミア「助っ人集めで練習時間が削れてしまった上に大半が1年生メンバーであろうLiella!」
ミア「折角ピッチャーを出来るメンバーが豊富になった虹ヶ咲だ。ここはある程度温存しつつ勝利を目指すのがベターさ」 千砂都「ーーーな〜んてこと思われてるんだろうなぁ」
かのん「そりゃまぁ事実だし…」
恋「あちらはベンチ入りメンバーが3人も居る以上長期戦にでもなればこちらが不利になってしまいます」
クゥクゥ「つまり先手必勝と言う訳デスね!」
すみれ「そうね。まずは守備をしっかりこなして先制点を目指しましょう」
アキバレポーター「さぁ続いては!私立結ヶ丘女子高等学校Liella!のスターティングメンバーです!守備位置につくのに合わせてご紹介していきまーす!」
かのん「よ、よぉし!行くよぉぉ…!」プルプル
千砂都「かのんちゃんリラックスリラックス笑」 虹とAqoursは全体では強いが
一年生がほぼ守備の穴で自動アウトマシン
と考えるとどれだけリエラの一年生が化け物か分かる アキバレポーター「ライトにつくのは澁谷ありあ!背番号9!打順は8番です!」ワーワー
ありあ「はぁ…何でこんなことに…」タッタッタッ
アキバレポーター「センターは平安名すみれ!背番号4!打順は4番です!」ワーワー
すみれ「ギャラクシー♪🤘」タタタッ
アキバレポーター「レフトは唐可可!背番号2!打順は7番です!」ワーワー!
クゥクゥ「わぁ〜!広いデス!芝生がフカフカです!」ザクザク タッタッ
アキバレポーター「ショートは嵐千砂都!背番号3!打順は1番です!」ワーワーワー!
千砂都「うぃーっす!ちぃだよ〜♪」ノシ
アキバレポーター「サードはサヤ!背番号8!打順は9番です!」ダレ!?ビジンダ!
サヤ「さぁ、お嬢様達のために頑張りましょう」ペコリ アキバレポーター「セカンドは聖澤悠奈!背番号6!打順は2番です!」ドワァァァァァ!!!!
悠奈「パァッ!🤗 さぁ〜!張り切っていくよー!」
アキバレポーター「ファーストは柊摩央!背番号7!打順は3番です!」キャーキャーキャー!!!
摩央「フフ、満員ね。恥ずかしい所は見せられないわ」
アキバレポーター「キャッチャーは葉月恋!背番号5!打順は5番です!」ワーワー!
恋「さぁ!かのんさん!思い切って行きましょう!」
アキバレポーター「そしてピッチャー、澁谷かのん!背番号1!打順は6番です!」ワーワーワー!
かのん「ハァ、ハァ……うぇっぷ…吐きそ……」ドキドキドキドキ
アキバレポーター「そしてベンチ入りメンバーは平安名すみれちゃんの妹さん!背番号10!」イモウト!?カワイイネェ!
すみれ妹「お姉ちゃん達がんばれ〜」フラッグフリフリ
アキバレポーター「以上が私立結ヶ丘女子高等学校Liella!&Sunny Passionなど合同チームの全メンバーです!」 虹ヶ咲
1中エマ
2二かすみ
3捕せつ菜
4遊愛
5一果林
6右しずく
7三彼方
8投歩夢
9左璃奈
Liella!
1遊千砂都
2二悠奈
3一摩央
4中すみれ
5捕恋
6投かのん
7左可可
8右ありあ
9三サヤ 球審「投球練習!5球!」
かのん「……えいっ」スポッ
恋「きゃっ!」バスッ
恋「かのんさん!リラックスですよっ」肩クルンクルン
かのん「う、うん…!」クルクル…
かのん「たぁっ」シュッ
恋「っ!」ワンバン ドスッ
すみれ「(あーれは酷いわね〜…)」
かのん「あれ、あれぇぇ〜〜……?」
球審「ボールバック!ラスト1球!」
かのん「〜〜〜っ!」スポッ
恋「(高い…!)」パシッ ピシュッ!
千砂都「……」パシィッ
千砂都「……」タッタッタッ
かのん「あっ、ちぃちゃぁぁん……」フルフル
千砂都「んふふ♪」ニコニコ >>39
ガラスのハートとノミの心臓両方持ってます(ニッコリ) 千砂都「うりゃ♪」コチョコチョ
かのん「ひゃあ!?///」ビクッ
かのん「アッハハwwちぃちゃ…っ!やめっ、あはははははははwww」ヒィー
恋「千砂都さん!?」
千砂都「……ふぅ〜」スッ
かのん「ハァ、ハァ……あひ…///」
かのん「もぉ〜!ちぃちゃぁん!いきなり…!!しかもこんな所でぇ!!!///」
千砂都「あははっ♪これでもう恥ずかしいことなんて無いよね♪」
かのん「もぉ……///」
かのん「ーーーありがとね。何だか胸がスッとした」
千砂都「なら良かった。かのんちゃんなら絶対大丈夫だから!」
かのん「……うんっ!!」
青文字『かのんのやる気が絶好調になった!』ピロン
なおノミの心臓とガラスのハートは絶好調でも無効化されない模様 恋「千砂都さん…すみません。本来捕手であるわたくしがかのんさんを落ち着かせなければいけない所を……」
千砂都「いいんだよ。私はかのんちゃんを信じてるだけだから」
千砂都「かのんちゃんを引っ張るのは恋ちゃんの役目だよ!よろしくね!」၄(cʸ„o ᴗ oリ၃ bグッ
恋「……はいっ!」
恋「(千砂都さんも捕手を守ることは出来ました。まん丸の扱いはお手の物ですからね)」
恋「(本当なら千砂都さんがかのんさんのパートナーを務めるべきなんです)」
恋「(それでも千砂都さんはかのんさんの後ろを守るとわたくしに捕手を譲られました)」
恋「(かのんさんを、そしてわたくしのことも信じて下さっている千砂都さんの想いに応えなくては!!)」
恋「1回表!しまっていきましょう!!!」
「「「おおおおーーーー!!!!」」」 アキバレポーター(ウグイス嬢)「1番 センター エマ」
アキバレポーター(実況)「さぁ待ちに待ったプレイボール!虹ヶ咲の切り込み隊長エマちゃんにどんな球を投げるのか!?かのんちゃん恋ちゃんバッテリーに注目です!」
球審「プレイボール!」
かのん「……」スゥ、ハァ…
可可「かのーん!後ろは任せてくださーい!!」
すみれ「クゥクゥはともかく外野は任せなさーい!ビビるんじゃないわよー!」
かのん「……!」コクリ!
かのん「(ーーー行ける。皆が後ろに居てくれるから!)」グッ
アキバレポーター「さぁかのんちゃん振りかぶってーーー」
かのん「ふっ!!」ピシュッ!
スゥーーーー…シュルルルル!!!
エマ「!!!」
スパァァン!
球審「ストライィィーク!」
恋「かのんさん!ナイスボールです!」ピシュ
かのん「うん!」パシッ 栞子「エマさんが初球振れませんでしたね」
ミア「……」
栞子「ミア?」
ミア「あぁ、いや……」
ミア「もし今の球がたまたまじゃないなら厄介だなって」
虹ヶ咲メンバー「!」
かのん「えいっ!!」ピシュッ
エマ「ふんっ!」チッ
ファール!
エマ「(わぁぁ…ビックリだよぉ〜)」
エマ「(ボールの速さはランジュちゃんの方が速いけど、凄く速く見える……)」
エマ「(それに当たったと思ったら全然ボールの下に当たっちゃった)」
エマ「(速いボールには愛ちゃん栞子ちゃんランジュちゃんで慣れてるのに、こんなに迫力のあるまっすぐのボール投げられるかのんちゃん、凄いよ!)」ワクワク! アキバレポーター「かのんちゃん2球続けて素晴らしいストレートです!」
アキバレポーター「指にしっかり掛かって抜群のノビを見せてます!言うなれば怪童の如きストレート!」
アキバレポーター「球質もかなり重そうですねぇ!」
恋「(かのんさんは本来立ち上がり不安定で調子も極端です。それが千砂都さんのおかげで解消されて正直良すぎるくらいの球が来てます…!)」
恋「(2球で追い込めましたし確実に打ち取りましょう)」サイン パパッ
かのん「(ボール球になっていいカーブ。よし…!)」コクリ
かのん「…えいっ!!!」スポッ
かのれん「あっ」
エマ「(変化球!曲がってくる…!でも真ん中に……!!)」
エマ「たぁっ!!」カキーーーン! アキバレポーター「打ったーー!左中間真っ二つーーー!!いや!センターすみれちゃんがフェンス到達前に捕った!すぐに中継に戻すーーーもエマちゃんは2塁へ!ツーベース!!」
ミア「Yes!!!」
果林「ナイスバッティングよエマ!」
彼方「伊達にいつも『それじゃ間を取って私が』と切り込んでないねぇ。いよっニジガクの切り込み隊長〜」
エマ「えへへ♪」
かのん「あばばばば……」
アキバレポーター「1番バッターから素晴らしい攻防!打ったエマちゃんもお見事!地味ながら堅実な守備で3塁に行かせなかったすみれちゃんもお見事!」
千砂都「かのんちゃんかのんちゃん!」ピシュ
かのん「ちぃちゃん……!」パシッ
千砂都「今のカーブ、よく曲がってたよ!大丈夫大丈夫!」
かのん「……うんっ!」
恋「ファーストとサード前進して下さい!バンド警戒!サードタッチプレーです!千砂都さんは3塁、悠奈さんは1塁に入れるようにしください!すみれさーん!もっと前ですー!2塁のカバーにも入れるように準備してくださーい!」
かすみ「むむむ……超前進守備じゃないですか……」 アキバレポーター「2番 セカンド 中須」
かすみ「(完全に長打無いと思われてますよぉ〜)」クルッ
ミア「(何言ってるんだ。事実無いだろ)」サイン パパッ
かすみ「(バントはせずに進塁打。簡単に言ってくれますね)」
かすみ「でもかすみんなら〜そんな地味なお仕事もかわいーーく出来ちゃうんです〜♡」
侑「かすみちゃーん!がんばれー!」
かすみ「はーい♡」
ピシュ カコン ファール あーん飛ばないです〜
ピシュ カコーン ファール あーん手が痺れちゃいました〜
ピシュ ボール
ピシュ ふん゛っ……! コキン
アキバレポーター「かすみちゃん打った!ボテボテのセカンドゴロ!悠奈ちゃん摩央ちゃんに送りアウト!エマちゃんは3塁へ!」
かすみ「ふぅー……」
ミア「OK、かすみ。理想的だ」
かすみ「ミア子〜!かのんちゃんの投げるボールヤバいよー!すっごく速く見えるし当てるので精一杯!しかもメッチャ手痺れてるんだけど……」
ミア「……ナイスバッティングかすみ」
侑「かすみちゃんナイス進塁打!」
かすみ「せんぱ〜〜い♡かすみん手が痺れちゃいました〜♡先輩の手で温めて欲しいです〜♡」
しずく「はいアイシング」ピトッ
かすみ「ぎゃー!つめたー!」
ミア「……先制点が欲しいな」 ちなみに今回発売されるパワプロ2022の彼女候補のCVにちゅんるんいるからみんな買えよな アキバレポーター「3番 キャッチャー 優木」
愛「せっつー!ストレート威力あるよ!」
せつ菜「はい!しっかりミートします!」
愛「アタシ達で先制点取るよ!」
せつ菜「はい!行きます!!」
恋「内外野共に前へ!1点防ぎましょう!」オー!
恋「(試合前に言った通り先手必勝。先制点を渡す訳にはいきません!初回から1点を守りにいきましょう……!)」
かのん「うん…!」
かのん「(低めに、低めに!)」ピシュッ
スパァン!ストライーク!
せつ菜「(成程、確かにかなりノビてきますね)」
かのん「えぃっ!」シュッ
せつ菜「!?(カーブ……!!)」ブンッ
パシッ ストライクツー!!
悠奈「パァ!ナイスボール!キレてるよ〜!」
せつ菜「(歩夢さんの遅いカーブとも愛さんで見慣れたカーブとも違います。初速が速くて、手元でグンと落ちる……!)」 恋「(また2球で追い込めました。本来のかのんさんの投球です)」サイン パパッ
かのん「(お、早速…!)」
恋「(勿論です。出し惜しみ無しで行きましょう!)」
かのん「よぉし……!」ギュッ
かのん「……ふぅっ!!!」ビシュッ!
せつ菜「(インコースーーー!!?)」
ググッ…!シュルルルルルルル!!!!
せつ菜「なぁっ!!?」ブンッッ!
パシィィ!!
球審「ストライィク!バッターアウト!」
アキバレポーター「せつ菜ちゃん三振〜〜〜!い、今のスライダーのように大きく変化した球は!?」
かのん「ふぅ…!決まったぁ!」
かのん「これが私の決め球『超真ハンバーグ改』だよ!」 可可「かのーん!ナイスピッチデス!」
千砂都「いいよーかのんちゃーん!2アウト〜!!」
悠奈「2アウトー!」
ありあ「(へぇ〜〜。お姉ちゃん普通にやるじゃん…)」
すみれ「(全く、運動神経普通です〜みたいな顔してピッチャーの才能あり過ぎなのよ…)」フフン ミア「厄介だね……あの子はチキンなベイビーちゃんなんかじゃない」
ミア「ストレートはノビるし重い。まだ立ち上がりだから甘く入ったり大きく外れた球も1球ずつあったけどコントロールもまとまっている」
ミア「それに加えて球速も変化もあるパワーカーブに何だいあの大きな横変化のスライダーは?!Breaking Ballまで一級品じゃないか!」
ミア「メンタルに難はありそうだけど才能に溢れるピッチャーだよ……!」
侑「かのんちゃん……」トキメキ
歩夢「!?」
ミア「とにかくこのまま先制点を逃すのは痛い!打つんだ愛!!」 かのん「えいっ!」ズリュ…!
恋「(ーーー!少し高い!)」
愛「とりゃあ!!!」カキィィィン!!!
アキバレポーター「打ったー!!痛烈な打球がピッチャー横を抜けてセンター前へーーー」
千砂都「はぁっ!!!」パシィッ!!
愛「っ!!」ダダダッ
千砂都「とりゃー!!」ビシュッ!
摩央「…ナイスボール」パシッ
アウトォォ!スリーアウト、チェンジ!!
ワーワー!!!
アキバレポーター「しょ、ショートの千砂都ちゃんに超ファインプレーが出たー!!」 >>51
ニジガクのブストスならバックスクリーンに叩き込むだろ かのん「ちぃちゃぁぁん!!😭」
千砂都「へへーん♪後ろは任せてって言ったでしょ♪」
かのちぃ「「うぃーっす!」」ピトッ
可可「千砂都〜〜!流石デス!」
悠奈「千砂都ちゃん痺れる〜!パァ!」
すみれ「さぁ攻撃よ!先制点を取るのはこっちなんだから!」
恋「はい!」
===
ミア「……先制点を逃したか」
ミア「仕方ない!切り替えよう!」パンッ
侑「そうだね!またチャンスは来るよ!今度はしっかり守ろう!」
かすみ「はぁ〜い!」
タタタッ…
侑「歩夢!」
歩夢「っ!侑ちゃん…」クルッ
侑「歩夢のピッチング、見せてあげなよ!」
歩夢「……うんっ!」ニコッ 歩夢「わぁ…ちょっと遠く感じるな…」
球審「投球練習、5球!」
せつ菜「さぁ歩夢さん!ボールの感触を確かめながら行きましょう!」
歩夢「うん!」
千砂都「(さてさて、ほんわかな雰囲気の歩夢さんはどんな球を投げるのかな?)」
歩夢「せーの…それっ!」ピョン
ほわーーーーん パシ
千砂都「ほほーぅ…」
可可「……おそっ!!」
かのん「クゥクゥちゃん!!!」 千砂都「(確かに遅い山なりボールだけど)」
摩央「これは逆に打ちづらいでしょうね」
クゥクゥ「そうなのデスか摩央さん?!」
摩央「遅いボールは当てることは出来てもタイミングを合わせたり強い打球で返すのは難しいから」
クゥクゥ「ナルホド……」
サヤ「ですが金属バットで打つのです。しっかりセンター返しすればヒットは生まれると思いますよ。それでは一塁コーチ行ってきますね」ススス…
恋「サヤさん…!お願いしますね!」
すみれ妹「私は3塁に行ってくるね」
すみれ「ランナーコーチも大切な役割よ。しっかりね。打球ぶつからないように気をつけるのよ?」
すみれ妹「はぁ〜い」
ありあ「(優しい……ウチのお姉ちゃん絶対言ってくれないでしょ)」
かのん「へくちっ」 アキバレポーター「さぁ今度は1回の裏!Liella!のリードオフウーマン千砂都ちゃんが打席に入ります!」
千砂都「よろしくお願いしまーす!」
せつ菜「よろしくお願いしますね」
せつ菜「さて……」サイン パパッ
歩夢「ふぅ…」コクリ
アキバレポーター「マウンド上の歩夢ちゃん、投げた!」
ふわん
千砂都「低め……だけどちょい甘!」カキン!
歩夢「!」
せつ菜「!! エマさーん!!」 エマ「〜〜〜〜〜!」タタタタッ
千砂都「!!」
ポンッ パシィ
アキバレポーター「落ちたー!初球打ちセンター前ヒーット!」
愛「なぁー!エマっち惜しいー!」
エマ「愛ちゃん歩夢ちゃんゴメンね〜届かなかったよ〜」
歩夢「大丈夫ですエマさん!」
せつ菜「また次行ったらお願いします!」
千砂都「ふぅー!」タタタ
サヤ「ナイスバッティングです千砂都様」
千砂都「ありがとうサヤさん!」
千砂都「でも、今のエマさんのダッシューーー」
千砂都「センター返しだけだと危ないかもね…」 ランジュ「惜しい〜!あとちょっとでノーバウンドだったわ!」
侑「うん!流石はエマさん!芝生の上の駆けっこなら凄いスピードだよ!」
せつ菜「(ーーーその通り、エマさんの守備範囲は驚異的です)」
せつ菜「(そして歩夢さんの緩急ある投球と制球力)」
せつ菜「(こちらも立ち上がりを凌げれば一気に流れを掴めます!)」
せつ菜「(ーーーだからこそ!)」 すみれ「(あれだけ遅い球なら盗塁しない手はないわね)」サイン パパッ
千砂都「(ういっす!)」コクリ
歩夢「……」チラッ
せつ菜「歩夢さん大丈夫です!練習通りに行きましょう!」
愛「歩夢〜!ランナーはせっつーに任せてバッター集中だよー!」
歩夢「うん!よぉし…」フゥ…
歩夢「……」
千砂都「……」リーリー
歩夢「…………」
千砂都「…………」リーリーリー
歩夢「………」
千砂都「(間が長ーー
歩夢「えいっ!」スッ ピョン!
千砂都「っ!」ダッ! 間もなくラブライブANNが始まるので一旦終わり
野球SS書くの想像以上に難しい(白目) 悠奈「(っ!千砂都ちゃんスタート良くない!)」
悠奈「(ウエストされてカットも出来ないぃぃ〜!)」
パシッ ボール!
せつ菜「たぁぁぁっっ!!!!!」ビュンッ!!
愛「しっ!!!」パシァァン! タッチ
千砂都「くっ…!!」
アウトォォ!!
ワァァァ!!
アキバレポーター「せつ菜ちゃんが盗塁を阻止したー!1アウトォ!」 かのん「そんな!ちぃちゃんが刺されちゃうなんて……!」
クゥクゥ「せつ菜さん、強肩デス!」
恋「いえ、今のは肩の強さで刺したものではありません」
クゥクゥ「アェ?」
恋「歩夢さんは盗塁を阻止するために非常に早い投球動作を行いました」
すみれ「クイックね」
恋「そのくいっくに加えてせつ菜さんの捕球から送球の早さ。あれが決め手でした。わたくしにはあんな一瞬で投げるなんてとても……」
すみれ「確かにあれでは少しスタートが遅れた千砂都が刺されるのも必然って訳ね」
千砂都「なぁ〜〜〜〜!!皆ゴメン〜〜〜〜!!!」
クゥクゥ「千砂都〜〜……」
千砂都「悔しいよぉ!次は絶対に盗塁決めてやるぅ!」プンプン せつ菜「(いえ、簡単に盗塁はさせませんよ)」
せつ菜「(歩夢さんのウィークポイントであるスピードの遅さは私がカバーします!)」
せつ菜「さぁ1アウトです!集中して守っていきましょう!」オー!
悠奈「パァ〜…折角のランナーがアウトになっちゃったよ〜」
悠奈「まぁ、だったら私が代わりに塁に出るしかないよね!」パァ! 今夜はここまで。読みやすく面白く出来るように頑張ります せつ菜「(さて、歩夢さんの生命線。変化球や緩急がSunny Passionの悠奈さんにどこまで通用しますでしょうか)」サイン パパッ
歩夢「うん…!」コクリ
歩夢「えいっ」ピョン
ふわぁぁん……
悠奈「(1ボールからの2球目!思いっ切りーーー!)」
ふわわぁん…………
悠奈「んっ!?」
悠奈「(さっきより来ない!もっと遅い!!)」
ブォンッ! パスッ ストラーーック!
愛「歩夢いいぞ〜!」
彼方「その調子その調子〜」
果林「リラックスよー!」
かすみ「GoGoですぅ〜!」
せつ菜「(どうしてもまだ制球は甘いですが、)歩夢さんいいですよ!どんどん行きましょう!」シュッ
歩夢「うんっ!」パシッ
悠奈「ふむふむ。さらに抜く球も有り、ね!」スブリッ せつ菜「(続いてーーー)」
歩夢「えいっ!」ピシュ
悠奈「ーーパァッ!?」
ふわっ……ククッ…クククッ……!!
パシイッ!ストライークツー!
悠奈「パァ〜〜!カーブだ!」
せつ菜「フフッ。歩夢さんの大きな武器の1つ、スローカーブです!」ニコッ
侑「いいぞ!いいぞ!あ、ゆ、む〜!」
ランジュ「追い込んだわ!」
栞子「歩夢さんいいですよ!」
アキバレポーター「歩夢ちゃん追い込みました!ストレート、チェンジアップ、スローカーブ!歩夢ちゃんも豊富な球種を次々と披露していきます!」
せつ菜「(もう1球カーブです!出来るだけ外に…!)」
歩夢「え〜いっ!」
ククッ……クククッ……!!
悠奈「ん〜〜〜〜…………っ、パァッ!」
カキンッ……!!
アキバレポーター「泳がされた!」
アキバレポーター「打球はライトへ打ち上がったー!!」
虹ヶ咲全員「あ゛っ……」
しずく「ハッ!!!」ビクッ かすみ「しず子!」
しずく「えっと、えっと…!」タタッ
愛「しずくー!前!前!」
しずく「はい!オーライ!オーライ!!」
エマ「しずくちゃーん!!」
しずく「はい!ここです!」カマエッ
脳天ぽこーーーーん
しずく「きゃうっ!!」
ミア「UNOOOOOOOOOOOOOO!!!!」
アキバレポーター「しずくちゃんあーーっと!!平凡なライトフライでしたが脳天キャッチだ〜!!」 悠奈「ありゃ、ラッキー♪」
アキバレポーター「1アウトから再びランナー1塁!続いて3番摩央ちゃんが打席に入ります!」
エマ「しずくちゃん!大丈夫?!」
しずく「はい、大丈夫です…」サスサス
しずく「うぅ…落下地点には入れたのに…」
かすみ「もぉ〜〜〜!しず子ー!しっかりー!」プンスコ
侑「あはは……しずくちゃんの所に飛んじゃったら仕方ないね」
ミア「仕方ないでは済ませたくないけどね。Baseballは1プレーで大きく流れが変わるスポーツなんだ」
ランジュ「それでも身体にぶつかるようになっただけ進歩したと思うわ!ずーーーーーーーー………………っとバンザイの連続だったもの!」
ミア「um……」眉間に拳 果林「歩夢!切り替えて行きましょう」
歩夢「はいっ♪」
侑「それに歩夢なら大丈夫。打たれても誰かがエラーしちゃっても気にせずコツコツ投げるもん!」
栞子「はい。歩夢さんのある意味マイペースな所は投手の適性に溢れています」
栞子「それに歩夢さんの本領は肩が温まってきてからですから」
ミア「あぁ…。さぁまた仕掛けてくるよ!慎重に攻めるんだ!」
せつ菜「(勿論です。ですが盗塁を警戒してカウントを悪くするのも避けたいーーー)」サイン パパッ
歩夢「(スローカーブ…)」コクリ
歩夢「えいっ!」
ふわっ…クククッ……!!
悠奈「(摩央!)」
摩央「ーーー待っていたわ」
せつ菜「!?」
パシィィィン!!
ワァァァァ!!
アキバレポーター「外を上手くミートしたー!ライト寄りの右中間へー!」
しずく「また来た!」タタッ
かすみ「ぎゃー!しず子触るなー!!」
ポーン トッ トッ…
しずく「だ、大丈夫だもん!バウンドする球ならーーー」バッ
スカッ
アキバレポーター「あーっと!ライトしずくちゃん追い付いたがグラブ空振りー!!」
かすみ「しず子〜〜〜〜〜〜!!!!」ギャー エマ「ふっ、かすみちゃん!」パシッ ヒューン
アキバレポーター「エマちゃんがカバー!しかし悠奈ちゃんはあっと言う間に3塁へ行き1アウト1、3塁!Liella!チームも先制のチャンス到来だー!」
クゥクゥ「神……(感涙)」
千砂都「流石摩央さん!初球打ち決まったー!」
かのん「チャンスだよすみれちゃん!打てー!」
すみれ「えぇ……見てなさい!決めてやるわ!」
アキバレポーター「さぁLiella!の4番、すみれちゃんが打席に入ります!どのようなバッティングを見せるのか〜?!」
すみれ「ふんっ!ふんっ!」ブンッブンッ!
せつ菜「(……随分と)」
彼方「(力んでるねぇ)」
かのん「すみれちゃーん!リラックスだよー!」
恋「しっかりミートしていきましょう!練習通りにです!」
すみれ「えぇ…!分かってるったら分かってるわよ……!!!」ギュッ…!
クゥクゥ「……千砂都。すみれから打てる気配を感じません」
千砂都「あはは。普通の練習では普通に打てるんだけどね」
千砂都「どうしてかランナーを絡めた練習になった途端力んじゃうんだよね」
赤字『すみれはチャンスに弱かった』ブビー せつ菜「(この様子なら打ち取れます…!)」
せつ菜「愛さん!かすみさん!」ハーイ!
アキバレポーター「さぁ虹ヶ咲はゲッツーシフト!併殺狙いだ〜!」
すみれ「むむむ……」ギュッ
せつ菜「(さぁ引っ掛けて貰いますよ)」
歩夢「やぁっ!」ピョン
すみれ「(ストレート高め!!)」
ブンッ!!!ストライーク!
クゥクゥ「どこ振ってるデスかー!」
千砂都「すみれちゃん高い!ボール球だよー!」
すみれ妹「お姉ちゃーん!」
すみれ「むむむむむむ…!!」
歩夢「えいっ!」シュッ
クククッ………!!
すみれ「っ!」ブンッ!
パシッ ストライークツー!
アキバレポーター「高めに外したストレートとスローカーブ2球で追い込んだ!」
すみれ「ぐぬぬぬ……!」
せつ菜「(さぁ、これを当てて貰いますよ!)」
歩夢「うんっ。えいっ!」ピョン
すみれ「(来た!ストレートーーー!)」
ふわわぁぁん…………
すみれ「じゃないぃぃ!!」カコンッ
アキバレポーター「チェンジアップに体勢崩されたー!ショート真正面ゲッツーコースぅぅ!」
すみれ「いやぁぁぁ!!ギャラクシィィ!!!」ダダダダッ!! 愛「オーライ!かすかす!」パシッ シュッ!
かすみ「かすみんでーーー」パシッ
摩央「ーーー!!!」タタタタタッ
かすみ「ひょえっ!?」
摩央「♡」ウインクパチッ♡
かすみ「ひょわぁっ///」ピシュ
ひゅーん ぽてっ…
果林「んっ……!(かすみちゃん送球が弱いわ!)」ノビッ…!
かのん「すみれちゃん!走れーーー!!!」
すみれ「なああああああぁぁぁ!!!!」ダダダダダダ!!
バンッ!
パシッ!
…………セーーフ!!
千砂都「きたー!!」
かのん「やったー!!!」
アキバレポーター「セーフ!1塁はセーフ!!ゲッツー崩れの間にLiella!チーム1点先制〜〜〜!!!」 ミア「なっ…!?何だよ今の弱々しい送球は!?」
ランジュ「色気よ」
ミア「what!?」
ランジュ「あの摩央って子、かすみの視線に上手く入ってウインクしてたわ♡」
ランジュ「かすみってばドキッとしちゃったんじゃないかしら♡」
ミア「……………!!!!!」プルプル…!
===
クゥクゥ「摩央サマ〜〜〜!ナイトセクシ〜〜〜〜!」😭
摩央「フフ、上手く動揺させられたみたい」
悠奈「流石摩央!ナイスっ」パンッ
摩央「えぇ」パンッ
かのん「やったやった!先制点!」
千砂都「これは大きいよ!助っ人サニパ様々だよ〜!」
悠奈「えへへ♪いえーい!」
===
ミア「全く!!ウチの1年は何をやっているんだ!」
栞子「その言われ方は心外です」
ミア「侑。方針を変えるべきかもしれない。ボクはこの勝負、2戦とも必勝を誓っているんだ」
ミア「もしこのまましずくやかすみの守備から傷口が広がったらーーー」
侑「大丈夫!」
ミア「何を根拠にーーー」
カキィィイン!!!! 恋「捉えました!!」タッ
せつ菜「璃奈さぁぁん!!(甘く入ってしまいました!!)」
愛「りなりー!!」
ミア「!!璃奈!!」
ミア「……!?」
璃奈「オーライ…オーライ……!」
パシィンッ!
アウトォォ!!スリーアウト、チェンジ!
恋「えっ!?」
アキバレポーター「何と璃奈ちゃんかなりレフト線寄りの後方に守備位置取り!そこへ恋ちゃんの痛烈な打球がドンピシャで飛び込んできました!」
アキバレポーター「細腕の璃奈ちゃん強めの打球でしたがしっかりキャッチ!これはファインプレーだ〜〜!」
恋「そんな……完璧に捉えられたのですが……」
サヤ「今のはレフトの方が上手でしたね。まるであそこへ飛ぶのが分かってるかのような位置取りでした」
恋「うぅ……」
===
ミア「璃奈!どうしてあんな極端なシフトを!?」
璃奈「えっと、歩夢さん、練習で愛さんやランジュさんにあそこへ打たれることが多かったから……」
璃奈「歩夢さんがヒット打たれる時の打球方向をデータにまとめておいて、愛さんやランジュさんに似た人がバッターの時は守備位置を変えてみようと思ってたの」
璃奈「勝手にしちゃってた。ミアちゃんゴメンね?」
ミア「No problem!!!璃奈!今のはチームを救うスーパープレイだよ!ウチの1年生は最高だ!!」テノヒラクルー
侑「ねっ♪虹ヶ咲は色んな個性の子が集まったスクールアイドルグループだもん!」
侑「誰かがミスしちゃっても他の誰かがカバー出来る!私はそう信じてるから!」
しずく「侑先輩……」ウルウル
彼方「まぁそれはそれとしてこの先しずくちゃんが狙われやしないか彼方ちゃんは不安なんだぜ〜」
しずく「うっ…」
彼方「フフフ。彼方ちゃんのように幸運の置き物を目指すのだしずくちゃんよ……」
果林「置き物では困るわよ……?」
果林「さ、私から攻撃よ。まずは同点に追いつかなくちゃ!」
エマ「果林ちゃん!Forza!」
果林「えぇ!」 ミアちゃんの掌クルックルっぷり
流石ヤンキースファンや 恋「ハッ、急いでプロテクターをつけなければいけません…!」ガチャガチャ
サヤ「お嬢様お手伝いいたしますね」カチャ
恋「ありがとうございますサヤさん…!」
千砂都「!」キラーン
千砂都「それじゃ私2球だけ受けてきちゃうね!」タタターッ
恋「千砂都さん…!はいっお願いしますね!」
恋「(千砂都さん、捕手をわたくしに譲って下さったとは言え、かのんさんの球を受けられるのはやっぱり嬉しそうです)」クスクス
千砂都「よーしかのんちゃん!ちぃに思い切り投げ込んできなさーい!」
かのん「ちぃちゃん!うんっ行くよ〜!」
===
ミア「果林!それと彼方、あと一応しずくも!」
果林・彼方・しずく「?」
ミア「単刀直入に言うよ。あのピッチャーからウチの5番以降の打線では得点は望めないと思う」
果林「……ふぅん」
彼方「ほほぅ」
しずく「……」
ミア「そもそも6番にアダム・ダンが居て7番に置き物が居ること自体がおかしいんだ」
しずく「なっ、私はアダム・ダンさんなんて方ではありません!今の私はイチローさんです!」
ミア「フライを脳天で受けるイチローがどこに居るって言うんだ!」
しずく「うぅ……」 ミア「それはともかく……あのピッチャーのストレートの質とBreaking Ball。1イニングス目を見ただけでも彼女はピッチャーの才能に溢れていることがよく分かった」
ミア「歩夢と璃奈も含めて愛以降の5人が手玉に取られることも有り得るかもしれない」
果林「それで?」
ミア「けれどピッチャー特有の脆い繊細さも伺える。そこにつけこみたい」
ミア「だから果林と彼方には球数を多く投げさせて欲しい。3球三振なんかで帰ってくるなよ?」
ミア「配球を読んでヒットを打てればBest。フォアボールを誘えたらBetterだ」
ミア「2人ならそれが出来るとボクは思ってる。信頼してるよ」
果林・彼方「…ふふっ」
果林「オッケー。お姉さんが華麗に魅せてあげるわ」スタスタ
彼方「彼方ちゃんが幸運の置き物と言われる所以を見せてしんぜよう〜」
しずく「……」
しずく「あれっ。ミアさん?私は…?」
ミア「……あぁ、しずく。キミは……」
ミア「万が一当たったらホームラン間違いないようなスイングを見せてくれ。会場の皆を沸かせるんだ」テクテク
しずく「……あれっ!?私だけ期待されてないような!?ミアさん!?ミアさーん!」 アキバレポーター「さぁ2回の表!セクシー系スクールアイドル果林ちゃんが打席に入ります!その抜群のスタイルはバッテイングでも力強さを見せるのかー!?」
かのん「(身長もその他色んな所も大きい……///)」
恋「(身体の大きさはそのまま野球において有利に働きます。長打には気をつけましょう)」サイン パパッ
かのん「うん!…えいっ!」ビシュッ
スゥーーーシュルルル!スパァン!
ストライーク!
果林「(成程ね。確かに凄く速く見える)」
果林「(愛もランジュも速い球を投げるけどそれとは違う。投げたあと手元にどんどん伸びてくる。どちらかと言えば栞子ちゃんのような球質ね)」
かのん「たぁっ!」シュッ
ふわっ…クンッ!パシィッ
ストライクツー!
果林「(そしてこのカーブ。一瞬高め?って思ったら突然落ちて低めに決まる。ストレートに張っていたらまず打てないわ)」
恋「(ストレートもカーブも見逃しました。狙いが読めませんね…)」
恋「(1球外して……)」
かのん「よいしょ!」
パシッ ボー!
果林「(これで3球は投げさせたわ。さぁ、ここからね)」ブンッ!ブンッ!
恋「(力強いスイング…やはりまずは直球狙いでしょうか。ならーーー)」
かのん「(オッケー!超真ハンバーグ、改!)」ビシュッ!!
シュルルルルルル!!!
アキバレポーター「出たー!大きなスライド変化!かのんちゃんの高速スライダーが外角いっぱいに決まーーー!」
果林「っ!!!」ザッ…!
果林「(外の球は踏み込んで、払うように……!)」
カキィィイン!! かのれん「あっ!?」
アキバレポーター「果林ちゃん打ったー!打球はライトへー!!」
ありあ「わ、わっ……!」
ザッ!パシッ…!
アキバレポーター「ありあちゃんの前に落ちて綺麗なライト前ヒーーーット!」
愛「さっすがカリン!ないばっちー!」
エマ「果林ちゃーん!」
せつ菜「素晴らしいです果林さん!」
果林「フフッ」グッ!
かのん「う、打たれちゃった……」
恋「かのんさんすみません!今のはわたくしの配球が読まれていました!落ち着いて後続を断ちましょう!」
かのん「うん……」
かのん「(今、凄くいいところに投げられたのにな……)」シュン…
ミア「フフ…いいぞ。完璧に決まったと思ったボールをヒットにされるのが一番堪えるよな」
ミア「さて……」
アキバレポーター「ノーアウトランナー1塁でバッターはしずくちゃん!」
しずく「ふんっ!」ブォンッッ!!
しずく「たぁーーーーー!!!」ブォンッッ!!
アキバレポーター「す、凄まじいスイングです!!これは怖い!!」
かのん「あわわわ……」
かすみ「ま、当たらないんだけどね」
侑「かすみちゃん……っ!大丈夫だよ!きっと打てるよ!」
歩夢「そ、そうだよそうだよ!」
かすみ「練習でしず子がバットにボールを当てられていましたか……?(小声)」
ゆうぽむ「…………」 恋「(これだけの大振り。変化球でかわしていきたいですね)」
かのん「(うん…)」シュッ
ククッ!
しずく「たぁーーーー!!!!」
ぶぉんっっ!!!!
https://i.imgur.com/RANVwDu.jpg
(イメージ)
ストライーク!
しずく「きゃうん!」ドテッ
虹ヶ咲ベンチ「…………」
Liella!陣「……」
恋「(これは、もう1球同じ球で……)」
かのん「(う、うん…)」シュピッ
しずく「えいえいさーーーー!!!」ブォンッ!
ストライークツー!
しずく「はぅぅ!」ズテッ
かのれん「……」
かのれん「(カモでは!?)」
ミア「……」サイン パパッ
果林「……」コクリ かのん「(最後も同じ球!しっかり低めに投げてーーー)」
恋「(三振です!)」
果林「ふっ!」ダッッ!!
摩央「ーー!!スチール!!」
恋「!?」
しずく「たりゃああああああああ!!!」
ぶぉん!ストライーク!バッターアウッ!
恋「くっ……!」シュッ
果林「お先に♡」タン…
パシッ…
千砂都「くぅ〜!スライディング無しで決められちゃった!」
果林「ふふ♡奪っちゃったわね♡」ズイッ
千砂都「うひゃっ///(顔近っ///)」
果林「お返しよ♡」
アキバレポーター「これはお見事盗塁成功!しずくちゃんは三振に倒れるも果林ちゃんは2塁へ到達!1アウト2塁となりましたー! 」 回の途中ですがお休みなさい
どうしても長々しくなってしまいそう 貴方は新聞が「権力の監視役」だと考えていませんか
しかし本当にそうでしょうか
米国、官僚、財界など本当に強いものに媚びへつらう、「権力の追従者」ではないでしょうか
この度の消費税増税に関する報道でそれが明らかになりました
貴方が権力の監視役だと思い、多大な信頼を寄せ、少なくない代価を支払っている新聞が貴方の首を絞めている
それが現実です
新聞に対する評価を改める必要があります 乙
うちのパワプロではすみれがアダムダンと化してるわ アキバレポーター「いやはや見事バッテリーの間を読み切った素晴らしい盗塁でした!かのんちゃん恋ちゃんバッテリーは完全にバッターに集中しきっていましたね〜!」
恋「かのんさん!1アウトを取れました!ここからは下位打線です!リラックスしていきましょう!」
かのん「そうだね…!」
千砂都「後ろには私達が居るよ〜!どーんと任せてよ!」
サヤ「三遊間は鉄壁です。ご安心を」
悠奈「それなら私と摩央の一二遊間も破らせないよー!」
摩央「それを言うなら一二塁間よ、悠奈」
悠奈「パァ!えへ〜言い間違え〜」アハハ
かのん「フフッ」クスクス
彼方「ふーむ。そう簡単には崩させないか。良いチームだねぇ」
歩夢「彼方さーん!私バッティングは自信無いからお願いしまーす!」
彼方「ふふふ。無茶を言うでない。彼方ちゃんだってノーパワーさ」ノレcイ´=ω=)b ビシッ
璃奈「良い顔して言うことじゃない……」 遥「お姉ちゃ〜ん!頑張って〜!」
彼方「ハッ!?遥ちゃん!?」シャキーン
彼方「うおおおおおおお!彼方ちゃん勝負師発動ォォ!」
金色文字『彼方は勝手に勝負師と威圧感を獲得した!』テレッテーテレッテッテー!
彼方「ふぅーーー……」コォォォ!!
かのん「いいっ!?」ビクッ
千砂都「何か出てる!」
サヤ「オーラを帯びていますね。警戒です」ザッ
かのん「……っ!」ピシュッ…
パシィ ボール!
ドッ…! ボールツー!
恋「かのんさん!振ってきませんよ!ストライク取りましょう!」ピシュ
かのん「う、うん……!」
かのん「(でも、素振りすら1回もしてないのが逆に怖いぃぃ!)」
かのん「(あんなふんわりした雰囲気なのに、打ちそうな感じが凄くするよぉぉ!)」
かのん「(とにかく!1ストライク取らなきゃーーー
彼方「サッ!」バント カマエッ
かのん「!?」ピシュ
パシィ ボール!ボールスリー!
アキバレポーター「うーんここはかのんちゃんボール先行で3ボールノーストライク!腕も振れてない!踏ん張りどころだね!」 恋「かのんさん!大丈夫ですよ!かのんさんの球なら簡単には打たれません!」
千砂都「かのんちゃんなら大丈夫だよ〜!」
ありあ「お姉ちゃんしっかりー!」
クゥクゥ「ククはかのんを信じてますー!」
かのん「う、うん……」フゥ、フゥ…
すみれ「(違うわ。今のかのんに掛ける言葉はそんなんじゃない)」
すみれ「かーーのーーーんーーー!!フォアボール出す位なら打たれなさーーい!」
すみれ「何のために私達が後ろに居るのよ!!さっさと打たれなさい!!」
かのん「すみれちゃん……」
かのん「アハハ…打たれるのはやだよ……」
かのん「でも、ビクビクしてフォアボール出すのも駄目だよね……」フゥ…!
かのん「(ゴメン皆!行くよ!)」ピシュ!
彼方「ほいさ!」バントッ
パァン! ストラーイク!
彼方「むっ?」
恋「かのんさんこの球です!いいですよ!」
かのん「うん!」
バシィ! ストライークツー!
すみれ「(全く、世話のかかるエース様なんだから…)」フフッ 彼方「むむーフルカウント。なかなか踏ん張りますなぁ」
彼方「(こうなると彼方ちゃんはここまでだ)」
彼方「(でも、せめてカーブにヤマを張ってーーー!)」
かのん「やぁぁ!!」ビシュッ!
スゥーーーーーぎゅんっ!!
彼方「んんっ!!」ブンッ
スパァァン! ストライィィク!バッターアウト!!
彼方「ストレートは駄目だ〜。いやぁ速いねぇ」
アキバレポーター「3ボールから見事持ち直したー!彼方ちゃん三振!2アウトです!」
アキバレポーター「しかしまだチャンスは続きます!8番ピッチャー歩夢ちゃん!!」ワーワー!
彼方「歩夢ちゃん歩夢ちゃん」
歩夢「彼方さん?」
彼方「初球甘く来たら行っちゃえ」ヒソヒソ
歩夢「えっ?!」
ミア「彼方!歩夢には既にボクがーーー!」
彼方「初球打ち、でしょ〜?」
ミア「!」
ミア「……へぇ、よく分かってるじゃないか」
彼方「いやはや、あの子を打つには隙を突くしかないよ〜」 かのん「よし!あと1アウトでチェンジ!」
千砂都「いいよー!かのんちゃーん!」
すみれ「油断するんじゃないわよー!」
クゥクゥ「相手バッターはピッチャーデス!楽チンデス〜!」
すみれ「だから油断すんじゃないって言ってんでしょうー!」
恋「(その通りです。相手はここで同点打を放ちたい筈)」
歩夢「(初球。甘く来たら初球…)」
恋「(逆にこちらは8、9番で1アウトを取れればいいのです。1球外して打ち気を逸しましょう)」サイン パパッ
かのん「(ストレートを外のボール球に……)」コク、リ…
かのん「(早く歩夢さんも打ち取って攻撃に入りたい……!次は私が先頭バッターだし!)」スッ
恋「(かのんさん、投げ急がないで下さいね……!)」
歩夢「(ミアちゃんも彼方さんも言ってた、甘く来る初球……!)」
かのん「(早く、このピンチを抑えたい!!)」シュッ
スゥーー……
恋「!?」
恋「(外し球が外から真ん中に!!!)」
歩夢「初球!!」
歩夢「えいっ!!」
カキィン! かのん「あっ!?」
アキバレポーター「歩夢ちゃん打ったー!!センター前に!これは落ちるぞー!」
愛「カリン!回れ回れー!」グルグルグル!
果林「えぇ!!」タタタッ!
侑「やった!歩夢!!」
恋「す、すみれさん!!」
クゥクゥ「しゅみれ〜〜〜!!!」
すみれ「まっっったく……」パシッ
すみれ「油断すんなって言ったでしょうがあああああ!!!!」ビシュッ!!!!
愛「!!?」
ぎゅうううううんんん!!!!!
アキバレポーター「なぁぁぁ!?センターすみれちゃんから凄い返球が返ってきたぁぁぁ!!!」
恋「!! 悠奈さん!ノーカット!!」
悠奈「パァ!!」サッ
璃奈「果林さん!滑って!こっちに滑って!」
果林「っ!?」
パシィ!バンッ!
ズザァァァッ!
…………!アウト!アウトォォォ!!!
ドワァアアアアアア!!!
スリーアウト!チェンジ!!
アキバレポーター「ホームタッチアウトぉぉ!!!センターすみれちゃんが刺したぁー!!!」 ミア「shit!!!!!!!!!」バンッ!!
侑「そんなぁ〜歩夢クリーンヒットだったのに……」
ミア「今、結ヶ丘の守備陣で最悪の想定をしていたのがセンターの彼女だった。打球が飛ぶ前にかなり前進していたみたいだ……」
ミア「そこに飛んでしまった……クソッ、さっきの愛の打球ももぎ取られたしどうにもunluckyだ!!」
===
かのん「すみ゛れ゛ち゛ゃぁぁ゛ぁん!!!」ガバッ
すみれ「ぎゃぁ!抱きつくんじゃないわよ!」フギギ…!
千砂都「ナイスレーザービーム!流石に追い付けなかったから助かったよ!」၄(cʸ„o ᴗ oリ၃ b
すみれ「今のをショートの千砂都が捕れる訳…いや、本気そうだし別にいいわ……」
恋「すみれさん申し訳ありません。助かりました……」
すみれ「謝らないの。恋は外してたじゃない。今のは投げ急いだこのエース様が悪いわね」ツンツン
かのん「くぅ……ゴメンナサイ」
すみれ妹「お姉ちゃん。今のはナイスプレーだよ。バウンドさせる所もマウンドかわしてて完璧だったね。褒めてあげる」パチパチ
すみれ「フフッ。ありがと♡」
クゥクゥ「……」
すみれ「ん?」
クゥクゥ「く、ククだってアレ位出来ますからね!かのんを助けられますから!!」プクー!
すみれ「はいはい笑。だったら是非この回打って援護して欲しいものね」
クゥクゥ「なぁぁ〜〜!!かのん!クク達のパワーをこの天狗ソクムシに見せてやりましょう!!」
すみれ「誰が天狗ソクムシよぉ!?」
アハハーーー
悠奈「Liella!、良いチームだね!」ニコッ
摩央「ーーーえぇ。きっとこれから強大なグループになるわ」フフッ 果林「ごめんなさい。タッチかわせなかったわ」タッタッタ
侑「そんなことないです果林さん!打撃に走塁完璧でした!」
歩夢「私ももう少しセンターからズレた所に飛ばせてたら……」
侑「歩夢は凄く良い打球だったよ!ナイスバッティング!」
彼方「ごめんねぇ。せめてランナーを進められていればよかったのだけど」
しずく「私は全てにおいて……申し訳ありません」
かすみ「う〜かすみんもゲッツー取れなかったからしず子に強く言えないですぅ…」
せつ菜「皆さんは悪くありませんよ!私がチャンスで打てていれば。それに摩央さんの読みを読みきれなかった……!」
愛「そんなこと言ったら愛さん4番なのに打ち取られちゃったよ!次は絶対打つから!ゴメンね!」
虹ヶ咲ベンチ「……」
侑「み、みんな……」
ランジュ「謝った所で点は入らないわよ」
虹ヶ咲全員「!!!」 ランジュ「初回に2回。いい感じに攻められてるのに1点が取れてないわね」
ランジュ「まだ5イニングあるけど、あの子・かのんの硬さが完全に解けて手に負えない状態になったら私達のピンチだわ」
ランジュ「でもランジュは皆なら逆転出来るって信じてる。虹ヶ咲の個性を集結させた強さ、見せて欲しいわ!」
侑「ランジュちゃん……!」
ランジュ「それでも点が取れなければ、ランジュが代打で出ちゃうんだからね!」
かすみ「なぁっ!?ランジュ先輩の出番はAqours戦ですぅ!かすみん達の華麗な逆転劇を見ていてくださぁいぃ!!」
ミア「ボクもそのつもりだけど、このまま打ちあぐねるようなら……構わないよね、侑?」
侑「う、うん…。でも大丈夫!私は皆の力を信じてるよ!」
歩夢「侑ちゃん……!」
球審「虹ヶ咲の皆さん!守備に!」
せつ菜「あっ!すみません!」
侑「さぁ皆!まずは守備だよ!締まっていこう!」パンパン
虹ヶ咲「オーーーー!」 せつ菜「すぅーーーー……」
せつ菜「2回!裏ー!!締まっていきましょー!!!」
「オオオーーーー!!!!」
アキバレポーター「うおおぉぉ!チーム虹ヶ咲、気合いを感じられます!チームLiella!は追加点なるでしょうか!?」
アキバレポーター「2回裏は6番ピッチャーかのんちゃんから!!」
かのん「ふっ、ふっ…!」フルン、フルン!
悠奈「かのんちゃんはバッティングはちょっと見劣りする上にピッチング集中。クゥクゥちゃんはパァ!ありあちゃんも人数合わせ」
悠奈「下位打線ちょっとしょっぱいね〜」
すみれ「確かに明らかなウチのウィークポイントね」
千砂都「1人でも出てサヤさんに回ったら面白いんだけどね」クスクス
サヤ「フフ。期待し過ぎないで下さい。お若い皆様とは違いあまり無理出来ない身体ですので」
恋「サヤさんったらご謙遜を。ですがサヤさんに頼ることなく私達の力で勝利したいですね!」
摩央「主役は私達スクールアイドルだもの。かのんさん、クゥクゥさん頑張って」 球審「ボールバック!ラスト1球!」
歩夢「はっ!」ピョン
せつ菜「はぁっ!」パシシュッ!
愛「ほっ!」パシッ
せつ菜「歩夢さんっ」ガシャガシャ
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「立ち上がりに比べて腕も振れて低めに決まるようになってますね!」
歩夢「うん!温まってきた感じがするよ」
せつ菜「それでは早速"解禁"していきましょうか!下位打線で試し投げもしていきたいです!」
歩夢「うん!思い切り投げるね!」
せつ菜「はい!腕を振って自信を持って来てください!」
歩夢「分かったよ!」
栞子「ふふふ、来ますね。歩夢さんの魔球が……」
侑「うぅ〜!歩夢がんばれ〜!」 アキバレポーター「さ〜〜〜かのんちゃんが打席に入ります!」
かのん「よーし……!」
かのん「(速いボールだと打つのは難しいかもだけど、歩夢さんみたいなボールなら私だって!)」
かのん「(カーブは捨ててストレート狙い!)」
せつ菜「(ーーーと言う狙いでしょうから、早速行きますよ!)」サイン パパッ
歩夢「うん!」スッ
歩夢「えいやっ!」ポムッ
ヒューン…!
かのん「(来たっ!ストレート!)」
かのん「やぁっ!!」
ボコッ!ぽてーん!
かのん「い゛ぃ゛ぃっ!?」
歩夢「わっ」パシッ
歩夢「よいしょっ、果林さん!」シュッ
果林「ナイスよ歩夢!」パシッ
アウトォ!
アキバレポーター「あーっとかのんちゃん積極果敢な初球打ちもピッチャーゴロ!1アウトです!」 かのん「……えぇ〜?」
千砂都「むむむ。タイミングはバッチリだったのに」
すみれ「ただの打ち損じじゃないのよぉ!勿体ない」
サヤ「……」
===
せつ菜「歩夢さん!ナイスです!1アウトです!」
歩夢「(せつ菜ちゃんゴメンね!落ちなかったかも…!)」人
せつ菜「大丈夫です!どんどん投げ込んできて下さい!」
アキバレポーター「続いて打席に入るのは7番クゥクゥちゃん!」
クゥクゥ「打ちマスよー!!」ヘロン、ヘロン…!
せつ菜「(この下位打線でどんどん投げて感覚を掴みましょう!)」サイン パパッ
歩夢「うん!」スッ
歩夢「やぁっ!」ポムッ
ひゅーーん…!
クゥクゥ「ド真ん中ー!绝好的球!!」ヘローン!
すぅっ……!
ぼこんっ!ぽーん!
クゥクゥ「……アェッ!?」
せつ菜「オーライ!果林さん!」パシッ ピシュッ
果林「はいっ!2アウト!」パンッ
アキバレポーター「おーっとまたも初球打ち、またも高く弾んでキャッチャーゴロ!この回は2球で2アウトです!」 恋「うぅん……ボールの上を叩いてしまいましたね」
すみれ「かのんもクゥクゥも簡単にアウトになって〜!ヒットに出来るボールだったんじゃないの〜?!」
サヤ「……いえ、恐らくですが2球とも手元で落ちていますね」
千砂都「落ちてる?重力ボールってこと?」
悠奈「うーん、落ちると言うよりは沈んでるように見え…たかな?」
千砂都「今の2球だけではハッキリ分からないなぁ」
かのん「よーし!ありあー!打つなー!打っちゃ駄目ー!」
ありあ「ちょ…!そんな大声で打つなって言わなくても……」
せつ菜「……」サイン パパッ
歩夢「んしょ!」ピシュ
パスッ ストラーイク
サヤ「一番遅い球、チェンジアップ。あれではありませんね」
歩夢「やっ!」シュッ
クク〜〜ッ! パシッ ストライークツー!
サヤ「スローカーブ…違いますね」
すみれ「…………」
すみれ「いや!かのんがデカい声で指示したせいで球種変えられてるじゃないのよォ!!サイン出しなさいよサイン!!」ムキィ
かのん「あぁ〜〜〜!ゴメン〜〜〜〜!!!」 せつ菜「(チェンジアップの抜け方とカーブの変化はバッチリです。が、"あの球"はまだ本来の変化を見られていません)」
せつ菜「(この回隠し通してしまうよりも歩夢さんに感覚を掴んで貰ってから次の回しっかり使っていきたい……!)」サイン パパッ
歩夢「んっ!」スッ
歩夢「(しっかり親指と小指だけで挟んで……)」
歩夢「(手の平で滑らすように、腕を振って!)」ポムッ
ひゅーん……!!
サヤ「ーー来ました!」
ありあ「打たないで……見る……!」
すぅっっ……!!
せつ菜「(よしっ)」
ありあ「わっ」
パシッ!ストラーック!バッターアウト!チェンジ!!
アキバレポーター「低め一杯に決まって見逃し三振ー!歩夢ちゃん2回は完璧!5球で料理だー!」
侑「やったー!歩夢ナイスピッチング!」
せつ菜「歩夢さん!最後良かったですよ!」ガシャガシャ
歩夢「うん!ちゃんと沈んだね!」
せつ菜「はい!」
せつ菜「歩夢さんの魔球『ぽーむ』」
せつ菜「ここからどんどん使っていきますよ!」 栞子「その『ぽーむ』と言う呼び方、せつ菜さんと侑さんしかしていませんよね。本来の呼称である『パーム』でよいのではありませんか?」
侑「えー?どうして?歩夢らしくて可愛くてよくないかな?」
せつ菜「そうです!歩夢さんの可愛らしさを表現しつつの必殺技!名前は大切です!」
歩夢「私はどっちでもいいんだけどな……」アハハ…
ミア「何にせよナイスピッチだ歩夢。だが2巡目に入る次の回がポイントだ。少しずつ飛ばして行けよ」
歩夢「うん!私らしく1球1球コツコツ行くよ!」
ミア「よし!璃奈!じっくり見ていくんだ!」
璃奈「うん。わかった」
===
摩央「最後の球。コーチャーボックスから手元を見ていたけど親指と小指だけで挟んでいるように見えたわ」
すみれ妹「私も見えた」
千砂都「ならやっぱり変化球だったんだね!」
サヤ「その独特の握りは…パームボールと呼ばれる変化球ですね。手の平と言う意味を持ちその文字通り手の平の上を滑らせるようにして投じるボールです」
かのん「へぇ〜〜」
クゥクゥ「ほぇ〜〜〜〜」
サヤ「投げる人それぞれによって沈み方や変化も異なるそうです。歩夢様の場合ストレートと速度も起動も見分けがつかなそうなのが厄介ですね」
恋「成程……」
サヤ「次の攻撃、攻略の糸口を見つけられるよう善処します。ですがその前にしっかり守りましょう」
すみれ「そうね!かのん!そろそろピシッと3人で締めなさいよ!この回また1番に回るんだから!」
かのん「う、うん!よーし、皆行こう!」
「「「おー!」」」 一旦ここまで。のんびり好きに書いちゃってますが読んで貰えていたら幸い
あと >>121 誤字。×起動 ○軌道 >>126
なんでや
開幕3連戦結構点数とったやないか >>127
すまん去年のイメージでやっぱ…
開幕戦は頑張ってたね1勝しかできなかったけど
立浪監督には期待してる
あとBCADはようやっとる 虹とLiellaでこれなら
Aqoursはとんでもねぇな
一年が自動アウト二人と自動死球一人だけど二年三年が強い 恋「かのんさん、この回2巡目に入るとは言え先頭は小柄な9番天王寺さんからです。先頭をしっかり切って、すみれさんの言う通り3者凡退を目指しましょう!」
かのん「うん…!ランナー溜めてクリーンナップとか想像もしたくないよ……!」
恋「大丈夫です。自信を持って投げ込んできてください!」
===
璃奈「ーーーよし」シャキーン
かすみ「りな子?!それは!?」
しずく「璃奈ちゃんボード……?」
璃奈「野球用サングラス型璃奈ちゃんボード。キラーン」
愛「おぉ〜!いいねぇ!似合ってるよ!」
ミア「ボールの見え方は大丈夫そうかい?相手ピッチャーのボールはかなりキレるよ」
璃奈「大丈夫。ちゃんと見てデータ収集してくる」テクテク
ミア「……データ収集?」
球審「ラスト1球!」
かのん「ふぅっ!」ビシュッ
スゥーー…ぎゅるるるるる!スパァン!
璃奈「(今のが高速スライダー。超真ハンバーグ改……)」チキチキ…
璃奈「(球速、回転数、回転軸ーーーちゃんと計測出来てる。璃奈ちゃんボード『よすよす』)」
球審「……ん?」
球審「貴女、そのサングラスちょっと見せて貰えますか?」
璃奈「え」ギクッ 璃奈「これはただのサングラス…です」
球審「それを確認するだけです」
璃奈「……はい」スチャ…
球審「……」
璃奈「……」ドキドキ
球審「天王寺さん」
璃奈「はい」
球審「このグラス面に写し出されてるトラッキングシステムのような数値は何でしょうか?」
璃奈「…………えーーっと」汗ダラダラ
恋「?」
アキバレポーター「おーっと?何かあったのでしょうか?何やら璃奈ちゃんと球審がやり取りしていますがーーー」
アキバレポーター「ふむ。今情報が入りました!何と!璃奈ちゃんの装着していたサングラスにトラッキングシステムの機能が搭載されていたとのことです!」ザワッ…!?
アキバレポーター「球速や回転数、回転軸。野球においては投球の情報を計測出来て研究に活用されるシステムですが、これは……」
ミア「り、璃奈……!何てことを!」
かすみ「と言うかいつそんなの用意したんですかぁ!」
璃奈「昨晩、作った……」
歩夢「手作り!?」
璃奈「私はバッティングでは役に立てそうにないから……せめて情報収集で役に立ちたかった」
璃奈「璃奈ちゃんボード『しょぼん…』」
愛「りなりー……」 アキバレポーター「むむむ…しかしボールの軌道も記録出来てしまう以上有利に働いてしまいます!使用を許可するのは……」
球審「折角の交流試合で厳しいことは言いません。ですがこれを使うのは許可出来ません」
璃奈「はい……」
球審「折角なのでこれは私が使わせて貰います」スチャ
璃奈「!?」
球審「よく見えますね。それではプレイ!」
アキバレポーター「球審が拝借したー!」ワーワー!
果林「お咎め無し……で良かったのかしら?」
彼方「そうだねぇ……」
ミア「……ハッ!璃奈!マシーンに頼ることはない!キミ自身の目でよく見ていくんだ!」
璃奈「ミアちゃん……」
侑「そうだよ璃奈ちゃん!自信を持って!」
かすみ「りな子に出来ることをすればいいんですよー!」
エマ「頑張れ璃奈ちゃーん!」
璃奈「侑さん。みんな……」
璃奈「よし……」ギュッ
アキバレポーター「さぁ一悶着ありましたが3回表プレイ!色んな意味で存在感を発揮する璃奈ちゃん、かのんちゃんの投球にどう対応するかー?!」 恋「(とらっきんぐしすてむと言うのが何かは存じませんが私達の方針は変わりません。この回は3者凡退に拘ります!)」サイン パパッ
かのん「うん!」コクリ
かのん「うん!?」ギョッ
璃奈「んしょ…!」伸脚
アキバレポーター「おぉ!?璃奈ちゃん伸脚のようにしゃがんだ!只でさえ小さい璃奈ちゃんがより小さくなったー!」
かのん「う〜……ストライクゾーンが小さいぃぃ…!」
恋「かのんさんここです!迷わずに!」バシバシ!
かのん「うんっ……!」ピシュッ
パシッ ボール!
かのん「う゛えぇぇぇん!凄く投げづらいよぉぉ!」
愛「あはは!いいぞりなりー!」
彼方「なるほど、その手があったか。次の打席は彼方ちゃんもすやぴしちゃおう」
しずく「流石に打席に横になるのは注意されてしまうと思いますよ……」
ミア「と言うか打撃姿勢を取らないのは問答無用でストライクを取られるから止めるんだ彼方……」
栞子「(…あの伸脚姿勢は大丈夫なのでしょうか?)」 球審「天王寺さん。その体勢でスイング出来ますか?出来ないなら打撃姿勢を取ってないとみなしてストライクを取りますよ?」
璃奈「振れます」フルン……
球審・恋「……」
璃奈「振れます……!」フルン…!
球審「いいでしょう」
かのん「そんなぁ〜!」ヒーン
千砂都「かのんちゃん大丈夫大丈夫!フォアボール狙いなんだからキャッチボールみたいに置きに行っちゃえ!」
悠奈「そうだそうだ!怖くないぞー!」
かのん「う、うん……!よい、しょ!」ピッ
ひゅ〜〜〜ん……
璃奈「んしょ!」スクッ!
恋「!!」
璃奈「こういうボールを投げてくれるのを、誘ってた……!」
コキン! サヤ「っ!」バッ
ぽーんっ コロコロ……!
愛「抜けたー!?」
ファール!!ファール!!
愛「ぬぁー!!おっしぃぃぃ!」
アキバレポーター「これぞ正に幻惑打法!置きに来させたボールをフルスイング!サードサヤさんの横を抜けたかと思われましたが惜しくもファール!しかしこれは攻めづらいぞー!」
璃奈「まだまだ」シャガミ
かのん「ううぅ……!(もっとしっかり投げないと打ち返されちゃう!)」ピシュッ
パシッ ボール!2ボール1ストライク!
パシィ ボー!3ボール1ストライク!
千砂都「かのんちゃん打たせよう!私が絶対アウトにするから!」
かのん「うぅ、うん……!!」
アキバレポーター「チーム虹ヶ咲、初回からかのんちゃんにプレッシャーをかけ続けています!なかなかリズムに乗せさせない!これも虹ヶ咲の色濃い個性の賜物かー!」
璃奈「よし…(やるなら、このカウント……)」 恋「かのんさん、置きに来て下さい!内野の皆さんを信じて!」
かのん「ふぅ〜〜…うん!みんな、お願いね!」
「「「おー!」」」「パァ!」
璃奈「(皆私がさっきみたいにフルスイングすると思ってる)」
璃奈「(イケる……)」スルリ…
サヤ「……!」
サヤ「(右手の握りが緩い……)」
かのん「よい、しょっ!」ピシュッ
ひゅーーーん……
璃奈「…………っ!」バッ
かのれん「!?」
愛「セーフティ!!!」
璃奈「(サードの方に、転がす!)」
ミア「ーーー!!璃奈駄目だ!サードが来てる!!」
璃奈「!?」
サヤ「っ!」ダダダッ!
璃奈「わっ……!」グイッ…!
コツン!コロッ……! かのん「あっ……!オーライ!オーライ!」タタッ パシッ シュッ
摩央「ナイスフィールディング」パシィ
アウトォ!
アキバレポーター「うおおぉぉ!意表の付き合いはLiella!が制したー!」
アキバレポーター「璃奈ちゃんが完全にノーマークのセーフティバントを仕掛けたかと思いきやサードのサヤさんが猛チャージ!!璃奈ちゃん思わずバットを引くも引ききれず転がった打球はファースト方向へ!かのんちゃんが処理して1アウトォォ!」
璃奈「完璧だと思ったのに。璃奈ちゃんボード『しょぼぼぼーん…』」
サヤ「ふぅ……思わず身体が動いてしまいました」
かのん「サヤさん助かりました!ナイスチャージです!」
サヤ「いえ、寧ろかのん様はマウンドを駆け降りて大丈夫でしたでしょうか?」
かのん「全然平気です!」フゥ、フゥ…!
===
璃奈「ミアちゃんゴメンね。出塁出来なかった……」トボトボ
ミア「気にしなくていい、璃奈。寧ろキミが出来る最大限のプレッシャーを与えられたよ」ニコッ
愛「そうだよりなりー!ファールもセーフティも惜しかった!次の打席も頑張ろう!」
璃奈「うん。ありがとう……」
ミア「さぁここだ!エマ!もう一度キミからチャンスを作るんだ!」
エマ「任せて!よーし、行くよ〜〜!」
アキバレポーター「序盤からかのんちゃんを攻め続けるも1点が遠いチーム虹ヶ咲!ここで1番エマちゃんに打順が戻ります!」 ミア「(璃奈の頑張りを無駄にはしたくない!)」サイン パパッ
エマ「(初球、ストレート狙い!)」コクリ
ミア「(ここまでのほとんどが初球ストレート。ダッシュで打球を処理した直後、球威が落ちるかもしれない。それを狙うんだ!)」
恋「(……1番のエマさん。思い切りの良い振りをされて先程はいきなり2塁打を浴びてしまいました)」
恋「(それも真ん中に入ったとは言え初見のカーブを。要注意です)」
恋「(身長も高くて長打力もある先頭打者。手足も長くスラッとしなやかです。そんなエマさんを攻めるとすればーーー)」
恋「(インコース。かのんさん、投げ込めますか?)」
かのん「(大丈夫!さっきの璃奈ちゃんに比べたら全然投げやすいよ!)」スッ
かのん「やぁっ!!」ビュッ!
スゥーー…しゅるる…!
エマ「(初球!ストレート!)」ブンッ…!
キィィン……!
アキバレポーター「打ったーー!!……が!!」
千砂都「ほいっ!」パシィ!!
エマ「(でも、インコースは苦手だよぉぉ……!)」
アキバレポーター「ショートライナー!!ちょーーっと窮屈なバッティングでしたでしょうか!金属バットの根本でした!」
ミア「ぐぅ……っっ!!」ギリ…!
侑「惜しい……!」
エマ「うぅ……」トボトボ…タユン、タユン…
恋「……」
恋「(あれだけ大きいと内角は打ちづらいのでしょうか……///)」
恋「(意図せず泣き所を突けたのかもしれませんがとになく)2アウトです!かのんさんこの調子で行きましょう!」
かのん「うん!!」ハァ、フゥ…! アキバレポーター「さぁかのんちゃん息を弾ませつついよいよリズムに乗ってきたか!このまま初めての3者凡退となるかー!」
かすみ「させませんよー!」
アキバレポーター「そこに立ちはだかるのは2番かすみちゃんだー!」
ミア「……どうしたものか」
侑「どうしたものかって?」
ミア「この回、理想は璃奈とエマのどちらかが出塁。かすみで小技を仕掛けつつせつ菜と愛に回して一気に逆転まで持っていきたかった」
ミア「璃奈の立ち回りは見事だった。その直後エマにストレートを狙わせたのも間違っていなかったハズだ。なのにどうも噛み合わない……」
ミア「結局この回もツーアウトでランナー無しだ。これではあの投手の弱味も攻めきれないだろう」
ミア「それでもツーアウトから愛まで回るようにかすみとせつ菜に打たせるか、それともこの回は捨てて次の回先頭のせつ菜から攻めるか……shit!難解だ!」
かすみ「ん〜?ミア子ノーサイン?」
侑「ミアちゃん!かすみちゃんサインを待ってるよ!」
ミア「えぇい、くそっ!何でもいい塁に出るんだかすみ!」
かすみ「えぇ〜?いきなり抽象的じゃ〜ん!」
ミア「くそ!どうして噛み合わないんだ!ボクのBaseball理論は日本の野球には相性が良くないのか!?」
栞子「ミア……」 侑「かすみちゃん!ツーアウトだけど頑張って!せつ菜ちゃんに回せばきっとチャンスは生まれるよ!」
かすみ「先輩……♡」
侑「チャンスで愛ちゃんに回して逆転のチャンスを作ろう!!」
せつ菜「侑さん…」
愛「ゆうゆ…!」
愛「よーし行けーかすみーん!愛さんまで回せー!」
果林「エラーでも何でもいいわ!出塁よかすみちゃん!」
しずく「かすみさんらしく嫌らしいバッティングだよ!」
彼方「デッドボールでもいいよ〜〜」
ランジュ「何言ってるの!狙うはホームランよ!!」
かすみ「えぇい!皆して勝手なこと言い過ぎです!かすみんは先輩のために打つのみです!」
かすみ「さぁ来なさい!澁谷かのん!いや、しぶ子!!!!!」
かのん「しぶ子!?私!?」
クゥクゥ「なー!?かのんのこと変な呼び方しないでクダサイー!!」
すみれ「(人のことグソクムシとか言うアンタがゆーなアンタが……)」 アキバレポーター「さぁツーアウトですが応援部長の侑ちゃんの掛け声で虹ヶ咲ベンチは元気一杯です!」
ミア「……」
ミア「(侑の一言でメンバーが活気づいた……)」
かのん「えいっ!!」ビシュッ!
かすみ「くぅっっ!!」ガキィン
ファール!
かのん「ふぅっ!」ビシュッ!!
しゅるるるるるる!
かすみ「きゃあっ!」ブンッ!!
ストライークツー!
侑「かすみちゃん頑張れー!かすみんのステージもっと見てたいYOーー!!!」
かすみ「〜〜〜〜っ♡♡」
かすみ「はいっ!まだまだかすみんの2曲目は終わりませんよぉ!」
カキィン!ファール!
ギィン!ファール!
パシィ!ボール!
チッ……!ファール!
バスッ!ボール!
アキバレポーター「んん〜〜〜!かすみちゃん粘ります!次が8球目!」
かのん「(ハンバーグもいい〜……)ふぅっ!!!」ビシュッ!!
スゥーー……
かすみ「ストrーーー
しゅるるるるるる!!!!!
かすみ「んなぁっっ!!」ブンッ!
パシィ!!ストライーク!バッターアウト!!チェンジ!
アキバレポーター「しかしかのんちゃんの高速スライダーに空振り三振ー!かのんちゃんはこの試合初めての3者凡退だー!」 かのん「ハァ、ハァ……!よしっ、3者凡退!」グッ!
千砂都「ナイスピッチングかのんちゃん!」
悠奈「パァ〜〜〜!ナイピナイピ!」
クゥクゥ「乗ってきましたね!!」
すみれ「それくらい出来て当然でしょう?でもナイスよかのん!」
かのん「皆ありがとう!」ハァ、フゥ…!
かのん「よーし今度はこっちの攻撃!追加点取るぞー!」オー!
恋「(かのんさん、今の回で大分息があがっています。投球は力強かったですが……)」
恋「(お水を用意して差し上げなくては……!)」タタタ
サヤ「かのん様お疲れ様です。まずは水分補給を」
かのん「あっありがとうございますサヤさん!」
かのん「ーーーんっ、ぷはっ……。ふぅ〜〜…」
サヤ「この後の補給食も用意してありますが、一先ずこちらのバナナを召し上がっていて下さい」
かのん「ふわぁ、ありがとうございます〜!」
クゥクゥ「oh…正に至れり尽くせりデス……」
千砂都「よく知ってるねクゥクゥちゃん」
恋「サヤさん…!ありがとうございます!」
サヤ「いえ、メイドとして当然の働きですお嬢様」
サヤ「さて、かのん様の息が整うよう出来る限り球数を要しつつ、歩夢様のパームボールの見極めをして参ります来ね」スタスタ…
すみれ妹・ありあ「……かっこいい///」
アキバレポーター「さぁ〜!3回裏!チームLiella!のラストバッター!謎の美女サヤさんの登場だ〜〜〜!」 一旦ここまで
ちうにち君とほぼ同じ得点数なのに開幕カード3連敗したチームだって居るんだ 天王寺璃奈、パワプロサクセスで云うところの『すけすけゴーグル』を自作するとは! サヤ「よろしくお願いいたします」ペコリ
せつ菜「よ、よろしくおねがいします!///」ドキッ
せつ菜「(何て凛とした佇まいと落ち着いた表情!ピンと伸びた背筋!間違いありません……この人は!)」
サヤ「…?」
サヤ「(さて、私はあくまでも人数合わせ。華を持つのはお嬢様達です)」
サヤ「(そのためにもこの打席、歩夢様かのパームボールを引き出したい)」
サヤ「(ですので申し訳ありませんがーーー)」
歩夢「えいっ」ピシュ
ふわっ……ククッ…クククッ〜〜!
サヤ「……はっっ!!」
カキィィイン!!!
あゆせつ「っ!!!」
璃奈「あっ…………」
アキバレポーター「スローカーブ打ったーーーー!!!!!璃奈ちゃんが全く追えない程に飛距離文句なし!!!レフトポール巻くか!?それともーーー!?」
ファーーール!ファーール!!
アキバレポーター「ファールです!!惜しくもファール!!」
サヤ「ふぅ……カーブなら十分運べますね」
サヤ「(さぁ、これで投げざるを得ませんね?見せてくださいパームボール)」 かのん「す、凄い……サヤさん……」
クゥクゥ「やはりメイドさんは万能であり最強……」
恋「ふふっサヤさんは凄いんですから!」エヘン
すみれ「もう、恋が得意気にすることじゃないでしょ」クスッ
千砂都「でもでも凄いよ。何かスポーツ経験者なのかなサヤさん?」
恋「どうなのでしょう。あまりそのようなお話は聞いたこと無いのですが、たまに冗談のように『前世では小学生の頃バスケットボールに全力を注いでいたんです♪』と仰ることがありましたね」
すみれ「へぇ、小学生でバスケ。最高じゃない」
すみれ妹「小学生でバスケは最高だからね」
恋「そうなのですか?」
すみれ「そうなのよったらそうなのよ」
歩夢「(き、9番にこんな長打のある人が……どうしようせつ菜ちゃん……)」ジッ
せつ菜「……!」キラキラ
歩夢「(せつ菜ちゃん!?)」
サヤ「(これでカーブは投げづらく、ストレートとパームの組み合わせで攻めざるを得ない筈。投げて貰いますよ?パームボール)」
せつ菜「(はい!メイドさん!受けて立ちます!!)」
サヤ「!?」
サヤ「(今のは……)」
せつ菜「(メイドさん!サヤさんはメイドさんなんですよね!?その美しい佇まいと何事も余裕でこなす万能戦士の風格!!正にメイドさんそのものです!くぅ〜〜!萌えます!!ロマンです!!)」
サヤ「(……まさかモノローグに介入されてしまうとは思いませんでした)」
せつ菜「(申し訳ありません!本物のメイドさんとこうして接することが出来るなんて初めての機会ですので!!まるで小説に登場するかのようなメイドさん……!好きです!好きなんです!)」キラキラ
サヤ「(ふふっ、貴女の好きと言う想いの力は相当なものとお見受けしました)」
せつ菜「(恐縮です!!)」
サヤ「(折角なので直接要望いたしましょうか。是非歩夢様のパームボールを見せて頂きたいです)」
せつ菜「(いいですよ!ですが、歩夢さんのぽーむをそう簡単に打てるとは思わないで下さいね!あの球は歩夢さんの努力の結晶なんですから!)」
サヤ「(ほぅ…)」
せつ菜「(そうです。あれは、試合の開催が決まったすぐのことでしたーーー)」
サヤ「(……あら?回想に入られるのですか?スポーツ物における回想はあまり歓迎されるものではありませんが……)」
せつ菜「(簡潔明瞭にしますので!)」 メイドさんがやたら万能な元ネタって何だろう
かなり昔からありそうだけど ーーー
ーー
ー
虹ヶ咲学園 グラウンド
ミア「よしOKだ!ピッチングを見る限りピッチャーが出来そうなのは愛、ランジュ、栞子、あとせつ菜も行けそうだな」
愛「任せておいてよ!」
ランジュ「愛とのダブルエースで2試合とも完封よ!」
ミア「完封完投はともかくとして、ピッチャーが多いことに越したことはない。それだけで人数の多い虹ヶ咲の強みを活かせるからね」
ミア「それじゃ今の4人は別メニューでピッチャーの練習をーーー」
栞子「ミア、いいでしょうか」
ミア「ん?何だい栞子?」
栞子「もう1人、投手の適性がある人が居ます。歩夢さんです」
ミア「what!?」
歩夢「え、わ、私!?」
かすみ「え〜しお子〜どういうことですか〜?歩夢先輩は何とかホームベースに届いた山なりボールでしたよぉ?」
璃奈「かすみちゃんはワンバウンドで凄いボール球だった」
かすみ「りな子だってそうじゃーん」
璃奈「そんなことない。璃奈ちゃんボード『アンチ乙。私はベースの上は通せていたから』」
かすりな「むむ〜」
しずく「まぁまぁ、2人ともボール球なことには変わりないんだし……」
かすみ「ミア子の遥か頭上に放り投げて金網ガシャーンしたしず子は黙ってて!」
しずく「はぅぅっ……!」ガビーン
ミア「……あの子犬ちゃん達は置いておいて、栞子。歩夢にピッチャーの適性があると言える理由を教えて貰えるかな?」 イメージ的に咲夜さん。
でも基本的にメイドって多芸じゃないと即切り捨てられそうだし、昔からそう言うものだったのかな 栞子「はい。まず先程歩夢さんが投じた数球のボール」
栞子「歩夢さんは今初めて野球のボールをマウンドから投じられましたね?」
歩夢「うん…」
栞子「それが全球きちんとストライクゾーンに収まったこと。それだけで歩夢さんの制球力に可能性を感じました」
侑「うんうん!いきなりストライクに投げられるなんて歩夢凄いよ」
歩夢「えへへ…///」
栞子「歩夢さんは何か野球やソフトボールに慣れ親しむ機会があったのでしょうか?」
歩夢「うーん。体育の授業でソフトボールをやるってことも無かったし……あっ」
栞子「?」
歩夢「もしかしたら野球のゲームをやったことがあるから何となく雰囲気を掴めてたのかも!」
栞子「野球ゲームですか…!確かにイメージを掴むことには役立っているのかもしれません!」
璃奈「ゲーム……歩夢さん、因みにどんなタイトルのゲームなのか分かる?」
歩夢「えーーーっと…うーーんと……あっ思い出した」
歩夢「確か『メジ○ーWii パーフェ○トクローザー』ってタイトルだったよ♪」
璃奈「」
璃奈「……あ、あのバグだらけのク○ゲー……」 栞子「……?○ソゲーと言うのがどのような意味かは分かりかねますが、歩夢さんの投手適性はそれだけではありません」
栞子「何事にもコツコツ取り組み、自分のペースで目標を達成していくことの出来る性格」
栞子「何十、何百球にも渡りボールを投げ、1球1球制球出来なければ試合は成り立ちません。歩夢さんはそう言った先発投手としての適性を性格上も持ち合わせているのです」
ミア「ふむ……成程。確かに一理ある」
ミア「だけど試合の日まであと3週間しか無いこの状況で歩夢がピッチャーとして大成出来るだろうか?」
栞子「私は可能性を感じます。3週間しか無いのではなく3週間もあるのですから」
ミア「um……Baseballはある意味フィジカルと才能のスポーツ。才能のあるヤツは短期間である程度のレベルまでなら一気に上達するのがBaseballの面白さだ」
ミア「よし!歩夢、キミもピッチャー組として練習をしてみよう」
歩夢「え、えっと……いいのかな……?」
ミア「勿論だ。メジャーではショートが華のポジションと言う風潮もあるけど、やっぱりボールに一番長く触れているピッチャーこそゲームの主役でありセンターさ」
ミア「どうだい?1人1人がソロでパフォーマンスを行い全員がセンターである虹ヶ咲でアイドルをする歩夢なら、やってみたくなるだろう?」
歩夢「……」
侑「歩夢、やってみなよ!私歩夢が格好良く投手やるところ見てみたいよ!」
歩夢「侑ちゃん……うん……!」
歩夢「私、やってみるよ!」 〜〜〜
侑「それじゃ今日の練習はここまで!皆お疲れ様〜!」
彼方「皆、今日までありがとね。彼方ちゃんはここまでだ。後はよろしく……」パタム
エマ「彼方ちゃ〜ん!し、しっかりしてぇぇ!」
果林「野球ってアイドルとはまた違ったキツさがあるわね……太ももと上腕がパンパンだわ……」
せつ菜「はい……!ですがこれは身体が引き締まること間違いなしです!」
かすみ「どうでしょうかね……かすみん達こんなに練習しちゃってムキムキマッチョになってしまわないか不安です……」
ランジュ「ランジュは構わないわ!筋肉がつけばより力強いパフォーマンスが出来るもの!」
かすみ「かすみんの可愛さに必要以上の筋肉はいりませーーんーー!」
侑「あはは!皆お喋りもいいけど早く着替えようね!汗びっしょりだし風邪ひかないように気をつけよう!」ハーイ
===
侑「ーーーよし、後片付けと軽いボール磨き完了。私に出来るのはこれくらいだからなぁ」
侑「そろそろ皆も帰り支度済んだ頃かな?歩夢はーーー」
ピシュ ポーン パシッ
侑「……ん?」
歩夢「はぁ、はぁ……もう1球……!」
ピシュ ポーン パシッ
歩夢「ふぅ、はぁ…」
侑「あ、歩夢!」
歩夢「…あ、侑ちゃん」
侑「まだ練習あがってなかったの!?」 歩夢「えへへ……」
侑「(壁に当てての投げ込み……壁にボールの跡があんなに沢山ついてる……)」
歩夢「あのね!今日だけで結構思った所に投げられるようになったんだよ!」
歩夢「それと愛ちゃんに教えて貰ったカーブ、スピードは遅いけどちゃんと曲げられたんだ!」
侑「そうなんだ……!凄いよ歩夢!」
歩夢「えへへ♡」
侑「私に捕らせてよ!歩夢の投げる球捕ってみたい!」
歩夢「えぇ!駄目だよもう暗いもん!」
侑「え〜!自分はその暗い中練習してるのに!」
歩夢「私は愛ちゃんやランジュちゃん達に追いつかなきゃいけないからいけないもん。だからいいの♪」
侑「むむむ…」
歩夢「ふふっ♡」
侑「……歩夢。投手の練習楽しそう」
歩夢「えっ。あ、うん。実は、結構……///」
侑「ふふっ、そっか」
侑「怪我だけはしないように。無理しすぎちゃ駄目だよ?」
歩夢「はぁい」
侑「でも頑張れ!私、歩夢が凄い投手になれるんじゃないかって思えてきたよ!」
歩夢「うん!私頑張るよ!」 ーーー
ーー
ー
せつ菜「(こうして今日までコツコツ練習を重ねてきた歩夢さん)」
せつ菜「(その中で磨き上げられたスローカーブとチェンジアップ。そしてーーー!)」
せつ菜「(歩夢さんが編み出した、ストレートと見分けがつかないこのパームボールこそが!)」
せつ菜「(歩夢さんの必殺魔球『ぽーむ』なんです!!)」
歩夢「やぁ!」ポムッ
ひゅーーーーん……
サヤ「(ボールの出所、腕の振り、回転、回転数……!)」
サヤ「(確かにストレートと見分けがつきません!!!)」
ブンッッ!チッッ!! ファール!!
アキバレポーター「サヤさん粘る粘る粘るー!!ストレートとパームを投げ分け操る歩夢ちゃんに対して何とか懸命にファールで食らいついています!次がなんと10球目!!」
歩夢「ふぅ……!」
せつ菜「歩夢さん惜しいです!ですが良いですよ!押せています!さらに低く際どい所に攻めていきましょう!」
歩夢「うん!」
侑「歩夢ー!頑張れー!」
愛「ここまで来たら三振だー!勿論打たせてもいいよー!後ろには愛さんが居るよー!」
果林「歩夢、そろそろ決めちゃいなさい!」
アキバレポーター「さぁ10球目!カウント2ボール2ストライク!!」
歩夢「えいっっ!」ポムッ
ひゅーーーーーん…!
サヤ「(低い……!ですがストレートなら低め一杯に決まるコース!見送れません!)」
すぅっ……!
サヤ「ーーーくっ!(沈……!!!)」 キィィン…!ぼこんっ!!
アキバレポーター「サヤさん叩きつける格好になった!打球は大きく跳ねて歩夢ちゃんの頭を越えるー!」
愛「いいいっよっしゃあああああ!見せ場ああああああ!!!」ダダダダッ!!!
サヤ「ーーーっ!」タタタッ!
恋「サヤさん!走って!!」
すみれ「面白い打球になったわ!!」
千砂都「内野安打に出来るーはしれぇぇ!!」
悠奈「パァーーーッ!!」
トッ…パシッ!!!
愛「っ…つりゃぁああ!!」ビシュッ!!!
果林「ふっ!!」
スパァァン!!
ダンッ!!
…!アウト!アウトォォォ!!!!
サヤ「く……!」
かのん「うわ、ぁ…………!」
アキバレポーター「アウト!アウトォォ!!ショート愛ちゃんのスーパープレイが飛び出したー!リプレイを見ましょー!!」
アキバレポーター「低めのボール球に手を出さざるを得なかったサヤさん!寧ろギリギリまでストレートとして対応しつつ沈んだ瞬間スイングの軌道を変えて何とか喰らいついていますね!お見事!!」
アキバレポーター「そして大きく跳ね上がった打球に一直線に向かう愛ちゃん!ショートバウンドの難しい打球を捕球!そして瞬時に一塁へ送球!!これまたお見事過ぎます!プロ野球でよく見る渋くも格好良い超ビッグプレーですよこれはぁぁ〜〜〜!!!」
サヤ「はぁ、ふぅ……申し訳ありません。出塁することが出来ませんでした」
恋「サヤさんそんな……凄かったです」
すみれ「緊迫感あったわね……」
かのん「うん……うん……!!」
かのん「凄いな、歩夢さん……あんなボール投げられて」ドキドキ…ドクンドクン…
かのん「私も、負けられない……!」ワクワク…! 速球派じゃなくても球数増えると握力落ちるし粘られるとカウントも厳しくなるからサヤさん天敵だな ===
ミア「OK歩夢!ナイスピッチングだ!」
侑「やったやった!!」
ランジュ「初球は危なかったけど強打者のラストバッターを抑えたわ!」
栞子「1番打者に戻ります。歩夢さんっ気を抜かずに!」
歩夢「うん!」ニコッ
アキバレポーター「マウンド上で笑みを浮かべる歩夢ちゃん!エースの風格すら漂っています!」
アキバレポーター「立ち上がりに先制点こそ許してはいますがそれもゲッツー崩れ!3番摩央ちゃん以降はヒットを許していません!ここからどこまで行けるのかー!?」
ミア「そうだ……先制点を取られこそしているが歩夢は理想的な自分のペースに持ち込めているんだ。まだまだここからだ……!」
ミア「さぁトップバッターだ!さっきの借りを返してやれ!」
せつ菜「(そうです!ここからはヒットすら許しませんよ!)」
千砂都「(ふふふ〜そうは行かないよ!借りを返すのはこっちの台詞だ!)」
せつ菜「(!?)」
せつ菜「(あなたも脳内に!)」
千砂都「(ん!?何だろ!?今せつ菜ちゃんとお話出来ちゃってる!?)」
せつ菜「(成程……あなたも相当な大好きの使い手のようですね…!)」
千砂都「(何のことかは分からないけど、そうだね。私は大好きなかのんちゃんのために打って走って守る!それだけだよ!)」
せつ菜「(いいでしょう!受けて立ちます!!!)」
===
ミア「……ん?ところでこの機械のような箱は何だい?」
侑「あれ、何だろう?さっき璃奈ちゃんが取り出していたようだけど」
ランジュ「何だか"テレテレパシーボックス"って言っていたわよ。特殊な磁気を発して何も言わなくても考えてることが分かる機械なんですって」
ランジュ「『これを使えばサインを使わなくてもより正確に作戦を伝達出来たりバッテリー間のリードが出来る。上手く使えば相手チームの作戦もお見通しなんてことも出来るかも。璃奈ちゃんボード『やるわけないやろ、ボケ!』なんてね』って言ってたわ!」
ミア「り、璃奈……何てものを!本当にそんな機能のあるマシーンを置いていたらまた注意を受けてしまいかねないじゃないか!スイッチは!?OFFにしておくんだ!」
侑「あはは……」 ランジュ「大丈夫よ!まだ試作品段階で交信し合う相手の指定も出来ないみたいなんですって!効果のサンプルを取りたいそうだし璃奈が戻ってくるまで触れないでおきましょ!」
ミア「ummm…………」頭を抱える
栞子「もしかしたらこの野球大会を一番有意義に使おうとしているのは璃奈さんなのかもしれませんね……」
侑「あっははは……」
===
千砂都「(絶対出塁するよ!かのんちゃんがあれだけ頑張ってるんだから!)」
せつ菜「(それは歩夢さんだって同じです!肩の温まってきた歩夢さんの球はそう簡単には打たれません!)」
千砂都「(それでも負けない!かのんちゃんだって、今日のためにすっごく努力してきたんだから!!!)」
千砂都「(すごく、すごく……頑張ってきたんだから……!)」
せつ菜「(ハッ……!今度はLiella!の回想ですか!)」
サヤ「(ことあるごとに回想ばかりして間延びさせるスポーツ作品は読者に不快感を与えますから手短にしないといけませんよ?)」
千砂都「(はーい!)」
ーーー
ーー
ー 一旦ここまで
Liella!の助っ人集めと練習風景綴って3回裏1アウトからまた再開します やっぱり一歩一歩着実に雑草魂系アイドル上原さんは侮れんな @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ
⊂ つ ≡ ≡ ≡≡○
と´ /
`し' 日ハム5連敗……
あのーBIGBOSSさん?いつまでヘラヘラできますかね? 完結まで半年くらいかかりそう
一試合目以降回想で振り返りエンドの予感しかないw 野球大会が決まった日の結ヶ丘への帰り道
かのん「はぁぁ〜〜……どうしよう……」トボトボ
すみれ「どうするも何も最低4人。助っ人見つけて練習を始めるしかないでしょ?」
恋「そうですね。大変だとは思いますが大きなドーム会場でライブを披露出来る機会が舞い込んできたのです。頑張りましょうかのんさん!」
かのん「う〜〜〜……」
クゥクゥ「かのんしっかりしてください!試合までの時間は限られているんですよ!」
クゥクゥ「こういう時は役割分担デス!5人でやるべきことをどんどん進めていきましょう!」
すみれ「良いこと言うじゃない。クゥクゥの言う通りよ。腹括ってやってやるのよ!」
千砂都「かのんちゃん頑張ろ!」
かのん「うん……うん!がんばろう…!」ノ√cั>’-<)、
クゥクゥ「それではまずレンレン!練習場所の確保をお願いします!運動部の皆さんからグラウンド使用の許可を!」
恋「はい!上手く調整して貰えたり使用させて貰えるよう便宜を図ります!」
クゥクゥ「千砂都は練習道具の用意をお願いします!」
千砂都「オッケー!究極のボールを用意してくるよ!」
すみれ「究極のボールとは」
クゥクゥ「そしてかのん!かのんは人気者です!助っ人集めはかのんにお願いします!」
かのん「う、うん…当たってみる……けど、一緒に1日野球の試合に付き合ってくれる人なんて見つかるかなぁ……」
クゥクゥ「そこはかのんとすみれが頑張るのみです!」
すみれ「しれっと私も助っ人探しチームな訳ね。それでクゥクゥは何をするのよ?」
クゥクゥ「ククは当然試合で着るユニフォームを今から全力で作りマス!!!」
すみれ「なるほど……まぁ衣装に関しては信頼してるわ」
クゥクゥ「ふふん!Aqoursや虹ヶ咲には負けませんヨー!!」
===
内浦
ルビィ・曜「うおおおおおお!!」
虹ヶ咲学園
侑「本当にありがとう!よろしくね!」
服飾同好会「任せて!野球のユニフォーム作りなんて初めて!面白そう♪」 〜〜〜
「えぇっ!?野球!?」
「プロ野球選手がプレーするような球場で野球大会……それは流石に……」
「運動は力になれそうにないよぉ…ゴメンね……」
「私野球は嫌いなの!野球やってる人の4割はクソ野郎よ!畜生なんだよ!!」
かのん「う゛ーーーん……」
すみれ「ま、難しいわよね」
かのん「どうしよ゛うすみれちゃん!?」エーン!
すみれ「泣くんじゃないわよ!とにかく粘り強く勧誘するしかないわ」
かのん「うん……。どこか、どこかに身体動かすの得意で野球の試合に付き合ってくれるような人……」
悠奈「あ、かのんちゃん!ちょっと久しぶり〜!」ノシ
摩央「こんにちは」
かのん「あ」
悠奈「イベント出演でこっちに来てたんだぁ!でも会えるとは思ってなかったから嬉しいーーー」
かのん「確保ォォォォ!!!!!!」ガバァッ!
すみれ「合点!!」シュババ!
悠奈「パァーーーー?!!!?」
〜〜〜
悠奈「なるほどなるほど」
かのん「突然のお願いになってしまうんですがこの通りお願いします〜〜!!」
すみれ「お願い出来ないかしら……?」
悠奈「……」ニコッ
摩央「えぇ」コクリ
摩央「試合後にはライブ披露が出来るとのことだけど、それは私達もOKなのかしら?」
かのん「え、えっ…それって?!」
悠奈「勿論協力するよ!面白そう!」
かのん「う゛えええぇぇん!悠奈さん摩央さんありがとうございますぅぅ!!」
すみれ「助かります……!それに東京代表のサニパが助っ人だからってライブ披露出来ないなんて絶対言わせないわ!」
摩央「フフ。ありがとう」 かのん「ハッ!そう言えばさっき侑さんから連絡が来たんだけど、優勝チームには披露する曲数が増える特典があるんだって!」
すみれ「あら、そんなの願ったり叶ったりじゃない!」
悠奈「パァ〜〜ッ!それなら目指すは優勝だね!!摩央!早速野球の練習だ!」
摩央「えぇ。きちんと力になれるよう仕上げましょう」
かのん「うぅ……心強いです……!」
悠奈「えへへ!任せておいてよ!」
〜〜〜
悠奈「それじゃまた3週間後に〜!ポジジョンはどこでもオッケーだよー!」ノシ
摩央「必ず勝ちましょう」
かのん「はーい!よろしくお願いしまーす!」
すみれ「これで最低あと2人ね」
かのん「うん……!」
恋「あっ!かのんさんすみれさん!」タッタッタッ
かのん「恋ちゃん!どうしたの?」
恋「聞いて下さい!サヤさんが助太刀して下さるそうです!」
すみれ「恋の家のメイドさんが!?」
恋「はい!頭数合わせ程度ならと仰って下さって!」
かのん「やったやった!これであと1人!!」
かのすみ「…………あと1人か」
〜〜〜
かのん「お願いありあ〜〜〜!!!日給6千円出すからぁぁ!!」ドゲザ
ありあ「お姉ちゃんにしては最大級の条件なんだろうけど絶妙に安い」
かのん「そこをどうにかぁぁぁ!!」ヴェェェェン!!
ありあ「…………はぁ」
すみれ「あ、あのさ。プロ野球の試合見に行く気は無いかしら?」
すみれ妹「えぇっ?!唐突に何!?」
すみれ「んんっ……えっと……」
すみれ妹「……ホントのことを言って」
すみれ「はぁ〜い……」 翌日 結ヶ丘高校グラウンド
千砂都「よし!アップにキャッチボールも終わったことだし本格的な練習を始めよっか!」オー!
すみれ「やっぱりまずはポジションを決めてノックかしら?」
千砂都「そうだね!それぞれの動きとかも1から勉強だから早めにポジションを決めるのが先決かも!」
かのん「ポジションかぁ。それこそ誰がピッチャーやるかも問題だよね……」
千砂都「ピッチャーはかのんちゃんだよ?」
かのん「…えぇぇえ゛ぇぇっ!!?」
すみれ「ちょ、かのんがピッチャーってどうなのよ?豆腐メンタルに務まるもの?」
かのん「なぁっ!?すみれちゃん酷い!誰が豆腐ハンバーグさぁ!!」
すみれ「言ってない言ってない」
恋「千砂都さん。かのんさんが投手と言うのは何か理由があるのですか?」
千砂都「うん。今皆とキャッチボールして、かのんちゃんしか居ないって思った」
恋「成程、千砂都さんが皆さんと代わる代わるボールを受けていたのは試験のようなものだったのですね!」
クゥクゥ「オォ……千砂都に審判されたと思うと説得力がありますね……!」
すみれ「でもそれだけじゃ納得出来ないわ!私の方が遠くまで投げられてたし速い球投げられるわよ!」
千砂都「ん〜〜〜。それじゃ2人ともクゥクゥちゃん相手に投げてみてよ!クゥクゥちゃんバット持ってバッティング準備!」
クゥクゥ「アェ!?わ、わかりましたっ」 すみれ「ちょ、クゥクゥじゃ相手にならないんじゃない……?」
千砂都「クゥクゥちゃんは運動苦手だけどパワーが全く無いわけじゃないから当たれば外野まで十分飛ばせると思うんだ」
千砂都「"当たれば"ね」ニコッ
すみれ「ふ〜〜〜ん。いいわ。まず私が投げる!」
クゥクゥ「えいっ!えいっ!」フルンッフルンッ
クゥクゥ「千砂都〜〜〜ククは準備完了デスよ〜〜」
千砂都「よしっ!私もマスクだけ被って、と。早速やってみよう!」
すみれ「行くわよクゥクゥ!」ガバァッ
クゥクゥ「来るがいいデス!ヘアカラーだけメジャーリーガー!!」
すみれ「こん、の…………!!!」ビュッ!!
ヒュルルルルルル……!!!
クゥクゥ「やぁーーー!!!」
ぶるん!パシッ!
クゥクゥ「あぅ!」
すみれ「へへーん!どう?空振りよ!」
千砂都「うん。高めに外れたボール球だもん当たり前だよ」
すみれ「なっ…!」
千砂都「ノーボール1ストライク!クゥクゥちゃん、この辺りがストライクゾーンだからこの辺に来た球だけを打つんだよ」
クゥクゥ「ナルホド。わかりました!」
すみれ「クゥクゥに私のボールが打てるとは思えない…わ!!」ビュッ!!
ヒュルルルルル……!!!
クゥクゥ「(……ストライクゾーン!!)」
カコン!! すみれ「ギャラッ!!?」
ひゅーーん…ぽーーん!
クゥクゥ「わ、わ……!打てました!」
恋「クゥクゥさん凄いです!外野まで飛びました!」
かのん「すごい!レフト前ヒットだ!」
すみれ「う、嘘……」ガーン
千砂都「よし、それじゃ次はかのんちゃん!」
かのん「あっ、そっか……。うぅ〜自信無いよぉ」
千砂都「大丈夫大丈夫!さっきのキャッチボールより少し強めに投げる感覚で投げてみてよ!」
かのん「う、うん!」
かのん「それじゃ行くよクゥクゥちゃん、ちぃちゃん!」
クゥクゥ「ばっちこーいデス!」
すみれ「ばっちこいはクゥクゥの言う台詞じゃないわよ」
かのん「よい、せっ!!」ピシュ
スゥーーー……
クゥクゥ「(すみれよりは遅ーーー)」
シュルルルル……!
クゥクゥ「ほぇっ!?」
パシィ!ぶるん!
千砂都「すとらいーく!」 すみれ「コラクゥクゥ!かのん相手の時だけ下手になるんじゃないわよ!捕ってから振ってるじゃないの!」
クゥクゥ「うるさいデス!別に手抜きなんてしてません!」
千砂都「よーし2球目!」
かのん「(今と同じようにストライクゾーンに……!)」ピシュ
スゥーーー……シュルルルル!!
クゥクゥ「…っ!」フルン!
パシイッ
クゥクゥ「アェ?アェ〜?」
恋「またも振り遅れて空振りです!」
すみれ「……」
かのん「(縫い目にちゃんと指をかけると投げやすくてコントロールもつく……よし、もう一回!)」スッ
かのん「えいっ!」ピシュッ!
スゥーーーー……
クゥクゥ「(まだかのんの手元を離れただけーーー)」
シュルルルル!!!
クゥクゥ「(と思ったらもう目の前に来てるんデス!!)」フルンッ!
パシッ!
千砂都「ストラーイク!バッターアウト!」
恋「空振り三振…!」 クゥクゥ「あぅ……」
クゥクゥ「全然タイミングが合わせられませんでした」
千砂都「うんうん!やっぱり見込み通りだよ♪」
すみれ「……」ザッ
クゥクゥ「ん、しゅみれ…」
すみれ「クゥクゥ交代。私がバッターやるわ」
かのん「すみれちゃんもやるの!?」
すみれ「当たり前よ。納得出来ないもの。さぁ来なさい!」
恋「真剣勝負の様相です……かのんさんもすみれさんも頑張って下さい!」
すみれ「どうせ勝負するならやる気が出るように賭けましょう。負けた方はジュース奢りね!」
かのん「えぇっ?!」
千砂都「おぉいいねぇ。私も乗った!すみれちゃんがかのんちゃんの球を打てたら私が奢ってあげよう!」
かのん「えぇぇっ!?」
千砂都「さぁかのんちゃん!ちぃのお財布を守って貰おう!」
かのん「ううぅ……!それじゃ行くよ……!」ガバッ ビュッ!
スゥーーー……
すみれ「(何よ!この位のスピードならーーー)」
シュルルル!!
すみれ「んっ!?」
ブンッ!!パシッ!
千砂都「すとらーっく♪」 クゥクゥ「今のデス!今みたいにかのんの球は気付いたら手元に来ていて打ちづらいんです!」
恋「実際の球速よりも速く見えると言うことでしょうか?」
千砂都「そういうこと!指がボールの山にしっかり掛かってて回転の強いノビる球が来てるんだ!」
かのん「(よく分かんないけどそうなんだ……)」
すみれ「……」
千砂都「よしどんどん行こう!」バシバシ
かのん「えいっ」
すみれ「ーーーたぁっ!!」
チッ……!!ガシャンッ
かのん「わっ……!」ビクッ
千砂都「おおっ、すみれちゃんもやるねぇ!2球目でアジャストさせるなんて」
すみれ「駄目よ。全然ボールの下に当たっちゃったわ」
すみれ「(でもまだ認めないったら認めない!ちゃんと当たれば飛ぶハズよ!)」ギュッ
千砂都「ノーボール2ストライク!」
かのん「ふぅ……」ドキドキ
かのん「……えいっっ!!」ビシュッ!
スゥーーーー…………シュルルルル!!!
すみれ「ーーーっ!!!」
ブンッ!!!スパァン!!!
恋「あっ……!」
クゥクゥ「ほわぁ……!」
千砂都「っ……!ナイスボールかのんちゃん!!」
かのん「……や、やったぁ!三振だぁ!」 千砂都「かのんちゃん最後思い切り投げたでしょ!凄いノビだったよ!」
かのん「えっ!?あ、あはは〜……」
千砂都「あははっ!それで、どう?すみれちゃん?」
千砂都「ピッチャーに必要なボールがどんなものか、分かったんじゃないかな?」
すみれ「……くぅ〜〜〜〜〜!ジュース買ってくる!!」タッ
かのん「あっ…!い、いいよすみれちゃん!」
すみれ「私が言い出したんだからいいの!」タタタッ
クゥクゥ「…………むぅ。ククも一緒に飲み物買います!」タタッ
すみれ「なぁっ…!クゥクゥには奢らないわよ!?」
クゥクゥ「なぁ〜!?ククはそんないやしんぼではありません!自分の分は自分で買います!!」
ギャーギャー
千砂都「あはは。ちょっと煽り過ぎて意地悪になっちゃったかな。反省反省」
恋「そうですね…ですが勝負事に勝敗は付き物ですから。それにしてもかのんさんの投げる球、お見事でした。特に最後の球は横から見ていてもとても迫力を感じましたよ!」
かのん「自分ではよく分からないけど……何だろ……」トクントクン
かのん「クゥクゥちゃんとすみれちゃんに投げて、ちょっと…楽しかったかも」ドキドキ
千砂都「……ふふっ」ニコッ
千砂都「ピッチャーの投げる球はただ速ければいいってものじゃないんだ。ボールに思い切りスピンをかけて投げ込める繊細な指遣いや腕の使い方」
千砂都「これは丸が大好きな私でも出来ないこと。一種の才能だよ」
千砂都「だから自信を持ってかのんちゃん!かのんちゃんにはピッチャーの才能がある!練習すればもっと磨きがかかるよ!きっと!」
恋「素敵な歌声だけでなく投手の才能まで持っているなんて……!ふふっ、人の才能と言うのはどこにどんなものが眠っているか分からないものですね♪」
かのん「うん……///」
かのん「わ、分かったよ。私ピッチャーやってみる……!!!」グッ! ===
すみれ「……」
チャリン チャリン ポチッ
ガコン ヒョイ
すみれ「……」
ポチッ ガコン ヒョイ
クゥクゥ「かのんに負けて悔しいですか?」
すみれ「……そうね」
すみれ「三振したのも悔しいけど、それ以上に」
すみれ「私は野球でも一番目立つ場所に立つ格が無いんだなって。それが一番悔しいわ」
クゥクゥ「……」
すみれ「ま、勝負してよかったわ。納得出来た。私はかのんの後ろを守ってLiella!を勝利に導くわ」
クゥクゥ「そういうことです」
すみれ「ん?」
クゥクゥ「クク昨日野球についてちょっと勉強しました」
クゥクゥ「確かに凄いピッチャーが1人居るだけでチームに大きな力の差が生まれるスポーツだと思います」
クゥクゥ「ですがいくらピッチャーが相手を0点に抑えてもこちらが点を取れなければ永遠に勝てません」
クゥクゥ「ククは昨日、ムエンゴと言う恐ろしい言葉を知りました……」
クゥクゥ「チームを勝たせる打つ人、守る人も必要なのです。1人1人が大切デス」
すみれ「……そうね」
クゥクゥ「ですから悔しがってる時間なんて無いのです!練習して勝利を目指しましょう!」
すみれ「えぇ!」ヒョイ
クゥクゥ「ほわ?!これは?」
すみれ「クゥクゥにも奢ってあげるわ。励ましてくれたお礼♪」
クゥクゥ「なー!?ですから自分の分は自分で買うって言いましたー!!」 ムエンゴの恐ろしさを若くして認識しているとはやるな 〜〜〜
クゥクゥ「ただいまデース」テクテク
すみれ「ただいま」
千砂都「あっ…」
千砂都「すみれちゃん。さっきはゴメンね」ペコ
すみれ「ん?」
千砂都「その、ちょっと煽りが過ぎたと言うか……」
すみれ「ふふっ、別に気にしてないわ」
クゥクゥ「嘘です凄く悔しがってマシtーーー」
すみれ「コラ。奢った飲み物返しなさい」
クゥクゥ「驳回(断る)!返しませーん!」
すみれ「全く……。情報漏洩マウスはかのんだけで十分よ」
かのん「情報漏洩マウス!?」ゴーン
すみれ「それで?ピッチャーはかのんとして私達はどこを守るのよ?」
千砂都「そうだねぇーーー」
〜〜〜
千砂都「ーーーって感じはどうかな?」
すみれ「私をセンターに置くと言うのは皮肉かしら?」ニコー…
千砂都「違う違う!ゴメンってばぁ!」
すみれ「冗談よ。寧ろ任せなさい」フフッ
恋「あ、あのっ!すみれさんは強肩を活かすと言うことで外野。それは分かります!」
恋「それよりもわたくしが捕手と言うのは……!?千砂都さんどういう理由なのでしょうか?」 千砂都「……」
恋「……?」
千砂都「本音を言えばやっぱりかのんちゃんとバッテリー組みたいよ。絶対楽しいもん」
千砂都「でもサニパの2人も協力してくれることになって、目標が優勝に変わった」
千砂都「勝ちに拘るなら、恋ちゃんにかのんちゃんのボールを受けて貰って私はその後ろを守る」
千砂都「それが一番良いと思ったんだ」
千砂都「私はやっぱり、かのんちゃんの背中を見て、かのんちゃんのために動くのが一番頑張れるから……!」
かのん「ちぃちゃん……」
千砂都「それにね、恋ちゃん。ちょっと…」チョイチョイ
恋「?」トコトコ
千砂都「かのんちゃん、結構ネガティブな所あるでしょ?」ヒソヒソ
恋「そうですね」
千砂都「これは漫画の受け売りなんだけど、プラス思考とマイナス思考の両極があるから投手と捕手をバッテリーって呼ぶんだって」ヒソヒソ
恋「つまり…」
千砂都「うん。マイナス思考になりがちなかのんちゃんを恋ちゃんのプラス思考で引っ張ってあげて欲しいの」ヒソヒソ
恋「わたくし、プラス思考でしょうか?」
千砂都「うーん。プラス思考と言うより、天然さん?」
恋「天然?天然と言うのは……?ポジティブな考えのことを天然と呼んだりするのですか?」
千砂都「うんうん。そういう所だよ」クスクス
恋「???」 千砂都「それに私も恋ちゃんも踊りが得意だけど、私は内野、恋ちゃんはキャッチャーの動きに活かせると思うんだ」
恋「そうなのですか?」
千砂都「うんっ。内野手は一歩目の動き出しやここ一番の踏ん張りが大切だし、キャッチャーは点を防ぐ最後の砦。強い体幹と柔軟な動き両方が必要なんだ!」
クゥクゥ「ふむむ。千砂都が何を言ってるのか何となくしか分かりませんが何となく説得力を感じられます……!」
かのん「う、うん……!」
千砂都「勿論私もキャッチャーの練習するよ!Liella!のダンス&スポーツリーダーとして何でもサポートはするから!」
千砂都「だから恋ちゃん。かのんちゃんをよろしくね……!!!!!」၄(cʸ„o ᴗ oリ၃=3フンス!
恋「はい……!分かりました!精一杯務めたいと思います!」ʃt(c◜・ ᴗ ・)=3フンス!
千砂都「よーしそれじゃ早速それぞれポジションについて守備練習から始めてみよーーー!」オーーー! 〜〜〜
夕方
すみれ妹「それでは皆さんさようなら」ノシ
すみれ「はーー疲れた……また明日もこんな調子で練習するって訳ね?」
千砂都「時間は限られてるからね!頑張ろう!」
クゥクゥ「ううぅぅ……!頑張りましょう!」(((6cƠᴗƠ∂)) プルプルプル……
すみれ「いや、一番心配なのはクゥクゥアンタよ……」
恋「かのんさんも初日から守備に投球練習にお疲れ様でした」
かのん「うん……肩張りまくりでヤバい……けど、楽しかった……」
千砂都「ふふっ。何だかかのんちゃん投げるのハマっちゃってる感じ?」
かのん「うーんどうかな……思った所へ指にしっかり掛かったボール投げられたりすると楽しいけど、私全然安定してないし」
恋「そうですね…ちょっと1球ごとのムラが大きいとは感じました」
千砂都「そこをこれからの期間でどれだけ安定させられるかって訳だね!嵐ピッチングコーチが存分に鍛えてあげよう!」
かのん「うひぃ〜お手柔らかに〜!」
アハハハ…… 〜〜〜
夜 澁谷家
ありあ「お姉ちゃんご飯出来たって〜」トントン ガチャ
ありあ「あれ、居ない。もしかして外かな……?」
かのん「ふっ……!」バサッ!
かのん「えいっ!!」バサッ!
ありあ「(うわぁ。タオル使って投げる練習してるよ。やば…)」
ありあ「(私なんてちょっと練習付き合っただけですっごく疲れたのに、まだ練習するの?アイドルの練習でもないのに)」
ありあ「……はぁ、まったく」
ありあ「(お姉ちゃんってホント、極端と言うか)」
ありあ「(ビビりなクセに一度決めるとどこまでも頑張っちゃうと言うか……)」
ありあ「お姉ちゃん!ご飯!てか家でまでそんな練習したら怪我するよ?!」
かのん「ふぅっ!」バサッ!
ありあ「話を聞け〜〜!」ペシッ
かのん「わあっ!え、ありあ!?」
ありあ「うわ、聞こえてなかったの?没頭しすぎ……」
かのん「あははは……私が一番練習頑張らなきゃいけないからさ。まだ全然安定して投げられないし」
かのん「それにもし私が打たれてそれでーーー」
かのん「ーーー負けるなんて絶対、嫌だから……」
ありあ「お姉ちゃん…」
ありあ「それでも無理し過ぎはよくないよ。早くご飯食べよ?」
かのん「あはは、はーい」
かのん「ありあ、心配してくれてありがと」
ありあ「べ、別に…/// 私はお小遣い貰いたいだk
かのん「はーおなかすいたーお母さん今日のご飯なにー?」ハンバーグヨー ヨッシャー! ウルサイ!
ありあ「あ、ちょ……!///」
ありあ「(ーーーはぁ、取り敢えず千砂都ちゃんに連絡しとこ)」スマホッ 〜〜〜
ありあ『ーーーってことがあったよ。お姉ちゃん張り切り過ぎ気負い過ぎって感じ』
千砂都「……かのんちゃん」
千砂都『ありあちゃん情報感謝!無理し過ぎないように声もかけてくれてありがとね!まるっ』
千砂都「…… よし!かのんちゃんのストレートを活かせる変化球を研究しよう!」
千砂都「(かのんちゃんはやっぱい凄いや……私も力にならなくちゃ!)」
〜〜〜〜〜
数日後
かのん「えいっ!」ピシュ
すみれ「そーーれっ!」カキーーン!
かのん「ギャー!」
クゥクゥ「ほわ、わぁ〜〜!」
千砂都「おおっレフトオーバー!すみれちゃんはまっすぐに滅法強いねぇ!」
すみれ「ふふーん♪まぁこれくらいは当然よね」
恋「(それではこちらは如何でしょう)」
かのん「(よぉし…)えい!」シュッ!
ふわっ…ククッ!!
すみれ「ギャラッ!?」ブルン!
千砂都「うんうん!かのんちゃんの速いカーブいい感じだね!」
かのん「うん…!切るように投げる感触いいかも!」
すみれ「くぅ〜!かのん!もう1球来なさい!」
かのん「よぉし!やぁっ!」シュッ
すみれ「ギャラクシー!!」カキーン!
かのん「あー!?」
すみれ「こんなもんよ!」
恋「当然来る球が分かっていればそうなりますね」 千砂都「(むぅ……流石にカーブだけじゃ限界があるのかな)」
千砂都「(どっちのボールも凄くいい感じになってきてるけど、個性豊かな虹ヶ咲や運動が得意な子が何人も居るAqoursに対抗するにはーーー)」
かのん「もう1球種?」
千砂都「そう!それも決め球に出来るような凄い変化球を身につけられればかのんちゃんはもっと凄いピッチャーになれるよ!」
かのん「おぉ……!でも、私あんまり挟んだり抜いたりする投げ方は下手だよ?」
千砂都「そうだね。だからかのんちゃんの得意な切る投げ方で変化させられるいい感じのボールを探してみようよ!」
かのん「うん!わかった!やってみよう!」
恋「徹底的にお付き合いしますよ!」
かのん「よろしくね恋ちゃん!」
〜〜〜
ビュッ パシッ スポッ パスッ
シュッ バスッ ビシュッ ドッバシッ…………
かのん「ハァ、ハァ……!」
恋「(なかなか良い感触の球が見つかりませんね……)」
千砂都「うーん……かのんちゃんちょっと力抜いて遊び投げしてみよっか」
かのん「ふぅ〜。おっけ」
かのん「どんな握りがいいかなぁ…」ヒュッパスッ ヒュッパスッ
千砂都「あははっ、かのんちゃんそのグローブにボール出し入れするのハンバーグ作ってるみたい」
かのん「確かにそれっぽいね」クスクス
かのん「よーしそれじゃハンバーグ捏ねて形作る時みたいな握りでーーー」
かのん「それっ笑」ヒュンッ
千砂都「いけー!ハンバーグボール!笑」
シュルルルルル……くんっ!!!!
恋「ひゃあっ!?」バスッ
かのちぃ「わーーーーー!?!?」
かのちぃ「何かすっごい曲がったーー!?」ガビーン 千砂都「い、いい今どんな握りしてたの!?」アタフタ
かのん「えーっと!?ハンバーグの空気抜く時みたいな握りだったから…!?!」ギャーギャー
〜〜〜
かのん「えいっ!」ピシュッ!
シュルルルル……! パシンッ!
恋「はい!しっかり曲がりました!」
千砂都「いいね……スピードのあるスライド変化……」
かのん「切る感覚だからコントロールもつけやすいよ!」
千砂都「やったやった!かのんちゃんの決め球は高速スライダーだよ!」ピョンピョン
かのん「うん……」
かのん「(でも、もっと変化を大きくしないと当てられちゃう……!)」
かのん「(もっと強く切って、指を引っ掛けてーーー!)」 〜〜〜
その夜
千砂都「ほぁーーー野球した後のお風呂と言うのもサッパリしていいねぇ♪」ホコホコ
千砂都「ーーーあれ?ありあちゃんからメッセージだ」
ありあ『もしかしてまだ練習してるの?!お姉ちゃんまだ帰ってきてないからちょっと心配』
千砂都「……え?」
〜〜〜
タッタッタッタッ……!!!
千砂都「かのんちゃん……!」
かのん『…………あっ!嘘!?グローブ忘れてきた!!』
恋『あら……少し戻らないといけませんね』
千砂都『もう暗いし一緒に行くよ!』
かのん『いいよいいよ!ちゃんと気をつけて帰るから今日はここで!』
恋『そうですか……お気を付けて』
千砂都『ばいばーい!』
千砂都「まさか。まさか……!」
〜〜〜
かのん「ハァッ……ハァッ……!!!!」
かのん「(もう少し、もう少しで思い描いてるものになる……!!)」
かのん「ううぅぅぅ……肩も肘もいった……張りすぎ……」
千砂都「ーーーっ!!!!」
千砂都「かのんちゃん!!!!」 かのん「あっ、ちぃちゃん……」
千砂都「……。あの後ずっと、1人で投げてたの……?」
かのん「う……ゴメン……」
千砂都「謝って欲しい訳じゃないよ」
かのん「……」
かのん「まだ変化の大きさも、ストレートと見分けづらいようにする投げ方も、曲がり始めのタイミングも全然駄目だもん」
かのん「自信を持てる球にしたい……」
かのん「スクールアイドルになって色んなことがあって、少しずつ自分は変われたって思ったけど!」
かのん「それでも私のせいで皆がガッカリしたり、皆で勝とうと決めたのに負けるのは嫌だ。絶対に嫌だよ!!!」
千砂都「……」
千砂都「…ふふ。ホント、私もかのんちゃんも負けず嫌いだよね」スタスタ
かのん「ちぃちゃん?」
千砂都「今日はもうこの1球だけ。私にかのんちゃんの想いを投げ込んできてよ!」バシバシ!
かのん「っ!」
千砂都「さぁ来て!かのんちゃん!」
かのん「よし……行くよちぃちゃん!!!」ガバッ!
ザッ……すぅ…………
かのん「(ハンバーグもいい〜…………)」
かのん「ふぅっ!!!!」ビシュッ!!
スゥー…
千砂都「んっ…!(抜けた?!軌道が完全にストレーーー)」
ググッ…シュルルルルルルル!!!!
千砂都「ッッッ!!!?」
バスンッッ!!! かのん「……!」ハァ、ハァ……!
千砂都「(……捕れてる。ギリギリグローブに入ってた)」
千砂都「かのんちゃん……今の……」
かのん「えへへ……ちぃちゃんのおかげだぁ……」
かのん「私の決め球、投げられた……」ヘタリ…
千砂都「っ!かのんちゃん!!」
〜〜〜
千砂都「もう……」膝枕
かのん「あはは…ゴメンね。もう動けないや」
千砂都「まったくもぉ。かのんちゃんやっぱり投げることにハマってるよ絶対」
かのん「え〜?そうかなぁ?」
千砂都「そうだよぉ!」
千砂都「でもーーー」
千砂都「やるって決めたら何球でも一生懸命にボールを投げて」
千砂都「失敗の怖さも、負ける悔しさも知っていて」
千砂都「それでこんなに凄いボールを投げられてーーー」
千砂都「かのんちゃんは本当に凄いよ。胸を張ってLiella!のエースピッチャーだって言えるよ」ナデナデ
かのん「えへへ。ちぃちゃんが褒めてくれた///」
千砂都「もぉ!ニヤニヤして!こんな無理してちぃは怒ってるんだよ!?」
かのん「あはは!ごめーん」ニヤニヤ
千砂都「むむむ……!」
ありあ「お姉ちゃーん!千砂都ちゃーん!持ってきたよー!!」
かのん「あ、ありあ。何?持ってきたってーーー」
千砂都「ありあちゃん来た〜!この無茶しすぎなお姉ちゃんの肩と肘を思い切り冷やしてあげなさい!」
ありあ「はーい!!!」氷のうガシャーン
かのん「はっ!?あい゛い゛ぃぃぃやぁああ゛あ゛あああああ!!!!ちめ゛たああ゛あ゛あああああ!!!!!!」 ーーー
ーー
ー
千砂都「(かのんちゃんがあんなに頑張って練習して!完成させた決め球もあるんだもん!)」
千砂都「絶対負けない!!!」
ガキンッ!! ファール!
歩夢「…ふぅ!またファール…!」
アキバレポーター「さぁ1番千砂都ちゃんもサヤさん同様に粘る粘るー!次が8球目ー!」
歩夢「やぁっ!」
千砂都「っ…!!!スロカ!!」ブンッッッ!
チッ…!ぽてっ……! ファール!
アキバレポーター「ここもファール!しかし全く前に飛ばせません!ノーボール2ストライクが続いています!」
せつ菜「歩夢さん全部最高の所に来ています!次こそ決めましょう!」
歩夢「うん!行くよ〜!」
アキバレポーター「マウンド上の歩夢ちゃん!汗こそかいていますが整った息遣いで次々と低めの際どい所へ投げ込んできます!難攻不落の様相すら感じさせますー!!」
せつ菜「(随分と長い回想でしたね!すっかり押せ押せですよ!!)」
千砂都「(へへっ、ついうっかり大好きなかのんちゃんについて耽っちゃってたよ!)」
せつ菜「(Liella!の負けたくない気持ち!強く伝わりました!!)」
せつ菜「(ですがそれでも!!歩夢さんのぽーむは捉えさせません!!)」
歩夢「やぁっ!」ポムッ 歩夢はかのんほど才能に恵まれてないかわりに雑草魂みたいな強みがありそう
上原的に ひゅーーーーーん……
千砂都「(低めギリギリ!!ストレートなら入る!でもパームなら……!)」
千砂都「(外れる!!振ら……ない!!!!!)」
すぅ……っ パシッ
……ボーーール!!
千砂都「……っ!ぷはっ……!!」
アキバレポーター「うおおお!よく振らなかった!!よく見た千砂都ちゃん!!1ボール2ストライク!」
せつ菜「(よく見た、ですか……違いますね?千砂都さん)」ニヤリ
千砂都「……」
せつ菜「(今のは見逃し三振覚悟で一か八か見送っただけ)」
せつ菜「(肩の温まった歩夢さんのボール球と緩急を織り交ぜた投球術ーーー)」サイン パパッ
歩夢「やぁっ!」ピョン!
千砂都「(今度は高め!!沈んだらギリギリ入る……!?)」ザッ!
すぅーーーー……
千砂都「(これはパーム!打たなくちーーー!!)」
するるる……!
千砂都「(沈まない……っっ!!!)」
コキン!
せつ菜「(この術中にハマってしまえばまともに打つことは出来ません!!)」
ふわぁぁん…!
せつ菜「歩夢さん…いや!愛さん!!」 歩夢「んっ!!」ピョン!!
歩夢「くぅっ…!愛ちゃんお願い!」
千砂都「(落ちる!!内野安打にする!!)」タタタッ!!
愛「オッケーーー!!!もっかい見せ場ー!!!」ダダダッ!
かすみ「ちょぉーー!!?かすみんの方じゃないですかー!」
愛「ごめんカッス!!それじゃ間に合わない!!!」パシッ!
かすみ「誰がカッスですかぁぁぁぁ!!!」ムキィ
愛「りゃ!!!」ビシュッ!!
千砂都「……っ!!!たあああああ!!!」バッ!!
バシィ!!ズザァァァァァァ!!!!
……!アウト!アウトォォ!!!
アキバレポーター「な!何と千砂都ちゃん決死のヘッドスライディング!!」
アキバレポーター「も、一瞬及ばずーーー!!!!
アキバレポーター「歩夢ちゃんの頭上を僅かに越えて若干セカンド寄りにポトリと落ちた打球を再び愛ちゃんがアウトにするスーパープレー!!」
アキバレポーター「これぞ部室棟のヒーロー!!!守備でも歩夢ちゃんを助けます!!」
千砂都「くぅ…………!!!!」
果林「だ、大丈夫!?怪我は無いかしら?」
千砂都「ぐすっ……大丈夫です!!」
果林「……いいわね。私、負けん気の強い子は好きよ」グイッ
千砂都「あ…ありがとうございます…!」スクッ
パチパチパチパチパチパチ……!
アキバレポーター「素晴らしい守備の愛ちゃんだけでなく、千砂都ちゃんの必死の走塁!そしてそれを称える果林ちゃんにも拍手が送られます!!さぁ3回裏も2アウト!!」 千砂都「…………」タッタッタッ
かのん「ちぃちゃん……!大丈夫?怪我してない?」
千砂都「うん、大丈夫。それよりもゴメン。絶対塁に出たかったのに」
かのん「そんなことないよ。ちぃちゃんの気持ち伝わった」ギュッ
千砂都「っ!」
千砂都「〜〜〜〜……っ!」ウルウル…
かのん「歩夢さん……本当に凄いね」ナデナデ
かのん「私、絶対負けないよ……!」
千砂都「うん……!かのんちゃん……!!」ギュゥッ!
クゥクゥ「悠奈さーん!まだまだここからデス!打ってくださーい!」
悠奈「モチロン!!」
摩央「悠奈。頼んだわよ」
悠奈「パァッ!!!」
アキバレポーター「2アウトになり2番悠奈ちゃん!第1打席目はライトフライのエラーで出塁しています!ここでも出塁なるかー!?」
せつ菜「(さぁここでもう一度集中です。球数が増えてきてますがボール球も活用しますよ)」サイン パパッ
歩夢「(うん!)」コクリ
歩夢「やぁ!」ポムッ
ひゅーーーーん……すうっ……
悠奈「ふんっ!!」ブンッ!!
パシッ ストライーク!
アキバレポーター「初球から振っていきますがパームボールに空振り!よく沈んでますねぇ!!」
悠奈「パァ〜〜…!まだまだ!」 悠奈「(私は歩夢ちゃんのパァ!ムボールを見てなかったから今のはストレートとして振ったけどーーー)」
歩夢「えいっ!」ポムッ
悠奈「(もう1球来るなら!ボール気味でも!!!)」ザッ…!!!
すぅっ……!
悠奈「ここ!!!!!」
カッ…ギィィィィーーーーン!!!!
歩夢「わっ!!」
せつ菜「っ!!センター!!!エマさーーん!!!」
アキバレポーター「打ったぁぁ!!!左中間!!!ついに歩夢ちゃんのパームボールを捉えtーーー」
エマ「やぁぁぁ〜〜!!!」タタタタタッ
エマ「届く……っ!!」バッ!
パシィィッッ!!!!
悠奈「パ…っ!!なぁっ……!」
アキバレポーター「捕った!捕った捕った捕ったー!!!センターエマちゃん追い付いたー!!」
アキバレポーター「完全に捉えたかと思われた打球でしたがもう一伸び足りず!そこへ一直線に追い付いたエマちゃん腕を伸ばしてよく掴み取りました!!」
アキバレポーター「終わってみれば3回裏は虹ヶ咲の固い守り好プレー3連発でチェンジ!この良い流れを攻撃に持っていけるのかー!?」 歩夢「はぁ〜……最後はビックリしたぁ」
せつ菜「歩夢さん!ナイスボールでしたよ!」
歩夢「そんなことないよ〜。エマさんに感謝だよ〜」
せつ菜「いえいえ!!歩夢さんのぽーむは例え芯で捉えられてもこの"飛ばなさ"があるんです!」
せつ菜「歩夢さんのぽーむは『重さ』も武器ですから!!!」
歩夢「」
歩夢「も、もぉ!!!重いとか言わないで!!///」
せつ菜「ですが……!ぽーむのあまりの完成度の高さに感動で震えが止まりません……!!」
彼方「ストレートと見分けがほぼ全くつかなくて沈む変化して当たっても重くて飛ばない……厄介なボールだよ全く」フフフ…
璃奈「回転数が決して多くないのもポイントだと思う。回転数が多いボールが強振したバットに当たればその運動エネルギーが一緒になってよく飛ぶ。その逆も然り」
璃奈「それが歩夢さんのパームが重くて飛びにくい理由」
歩夢「だから重いって言わないでよ〜〜!!!」ポムー!
果林「(ふふ、どっちの重いにかかってるのかしらね……)」クスクス ===
悠奈「んんん……っ!!歩夢ちゃんのパァ!ム……ほんの少しだけ押し戻された……」
摩央「……」
悠奈「摩央〜〜!悔しいよぉ〜〜!」
摩央「次、私が必ず打つわ。悠奈の打てなかったボールを……」ゴゴゴ…
悠奈「かのんちゃんゴメンね!2打席ノーヒットなんて助っ人として情けないよぉ!」
かのん「えへへ。大丈夫です!」
かのん「さぁ!この回クリーンナップだよ!気合い入れて守ろう!!」タッ!
千砂都「かのんちゃん?!」
すみれ「(どうしたのよ。この回は随分と元気にマウンドへ向かうじゃない)」
かのん「(歩夢さん、凄い……!沢山の球種をしっかり操ってて、マウンドの上で堂々としてて、好打者の皆を打ち取って……)」ワクワク
かのん「(負けたくない……!私、歩夢さんに投げ勝ちたい!!!)」
かのん「(そのためにもこの回、思いっきり投げるよ!!)」
アキバレポーター「さぁ〜投手戦の様相を見せてきた虹ヶ咲 対 Liella!の試合はいよいよ4回表に入ります!」
アキバレポーター「そして虹ヶ咲の打順は3番せつ菜ちゃんから!ピンチを迎えながらも0点に抑えているかのんちゃんをそろそろ崩せるかー!?」
せつ菜「当然です!この回で一気に攻め立てますよ!かのんさんお覚悟を!!」
かのん「ーーーふふっ♪」
せつ菜「!?(笑って……?!)」 そう。1回裏に結ヶ丘が1点先制。
この場面、けっこう勝負の綾になりそう。得点シーンなので試合終了後にでも振り返りがあるとうれしい。 両チームとも投手は自責点0なのでスコアレスと錯覚するかも。指摘ありがとう。 ミア「せつ菜、頼むぞ……!」
〜数分前〜
璃奈「あ、交信ログが取れてる。璃奈ちゃんボード『よすよす』」
ミア「璃奈!キミはまた何てマシーンを……!速くスイッチを切ってくれ!」
璃奈「わかった。もう実験はしない」
ミア「ホッ…ってそうじゃない!皆、円陣だ」
サッ…!
ミア「イニングは4回表。ボク達が攻撃出来るイニングはこのままだと残り4回。3番から始まるこの回、とても重要だ」
ミア「とは言え歩夢がとてもExcellentなピッチングをしてくれている。勝負所は終盤に必ず訪れる。まずはとにかく3、4、5番からチャンスを作り同点に追い付こう」
せつ菜・愛・果林「……!!」コクリ
ミア「場合によってはピンチヒッターもあるよ。ランジュ、準備は出来てるかい?」
しずく「!」
ランジュ「えぇ勿論よ。いつでも行けるわ」
しずく「……」シュン…
侑「……」
ミア「せつ菜、とにかく塁に出て欲しい。そのためにもーーー」
ミア「…………」
せつ菜「ミアさん?」
ミア「ーーー侑。キミならせつ菜にどう指示を出す?」
侑「え、私!?私に野球の戦略を聞かれても……!」
ミア「いいんだ。キミの思ったままを聞かせてくれないか」
侑「私、だったら……とにかくせつ菜ちゃんらしく思い切り打ちに行って欲しい!」
侑「そう言うよ!」
ミア「……そうか」
ミア「せつ菜。甘い球だったら初球から打ちに行けよ。その代わり打ち損じてアウトになったら承知しないよ」
せつ菜「なかなか難しいことを言ってくれますね!ですが燃えます!行ってきます!」
愛「先頭頼むよせっつー!この回こそ点取るよ!」
果林「チャンスで回して頂戴ね。お姉さんがせつ菜を還してあげるわ!」
せつ菜「はい!!!」 ミア「……」
ミア「(ここはフォアボールでも何でもいいから出塁して欲しい。相手投手も前の回こそ3人で片付けたが歩夢のような安定感が出てきたかと言われるとまだ判断出来ない)」
ミア「(そう言う意味でもここは見ていけと指示すべきだったが……)」
ミア「(つい侑の意見を聞いてしまった。ここまで結果が出せていないボクの戦略よりも、素人の侑の意見を……)」
ミア「(それでも、もしかしたらーーー)」
ミア「(それを確認するイニングにもしたい……!)」
侑「せつ菜ちゃん!せつ菜ちゃんらしく思いっきり!!」
せつ菜「(はい……!!!)」コクリ
せつ菜「(侑さんの応援は力をくれます!しっかりミートして出塁してみせます!!)」
恋「(この回は1つの山場。出来れば1球目の入り方を変えていきたい所ですが)」サイン パパッ
恋「(かのんさんは初球ストレートを投げさせることでその後が安定する、と言うルーティンが確立されています)」
恋「(それを悟られないようにしつつ、上手にかのんさんを引っ張ってみせます!)」
かのん「ふふっ……♪」ガバッ
かのん「ーーーやぁっ!!!!!」ビシュッッッ!!!
すっ…
恋「(!?真ん中ーーー!!)」
せつ菜「(甘い!!!)」ザッ!
……シュルルルルル!!!う゛んっ!!
せつ菜「っ!?」
恋「!!?」
ブンッ!! バスッ……!!!
恋「くっ!」ポトリ…
ミア「な……!?」
アキバレポーター「初球ストレートストライーク!!!甘い球でしたがせつ菜ちゃん空振り!と、言いますか今の球ーーー」
愛「……さっきの回よりも、速い!」
かのん「♪」ニコッ 今日も書き進められるか少し怪しいので朝に保守がてら少しだけ 控えまでメンバー充実してる虹ヶ咲より
人数合わせ入れて頑張ってるLiellaを応援してしまう 4回表 無死ランナー無し 3番せつ菜 0ボール1ストライクから再開します ミア「何だ今のストレート……」
ミア「明らかに球速が上がった!そしてさらにノビている!」
ミア「(ギアを上げたと言うことか!?いや、それにしてはーーー)」
千砂都「かのんちゃん……?」
恋「かのんさん……この球……」
恋「(と、とにかく1球目直球で空振りが取れました!その残像が残ってる内に、次はカーブをーーー)」
かのん「!」ブンブン!イヤイヤ
恋「(ーーー!サインに首を…!)」
かのん「(ストレート続けさせてよ恋ちゃん♪」
かのん「(もう1球投げたい!私、ストレートの速さなら歩夢さんに負けないよ!)」ウズウズ
恋「…………」
千砂都『かのんちゃん、結構ネガティブな所あるでしょ?』
『これは漫画の受け売りなんだけど、プラス思考とマイナス思考の両極があるから投手と捕手をバッテリーって呼ぶんだって』
『マイナス思考になりがちなかのんちゃんを恋ちゃんのプラス思考で引っ張ってあげて欲しいの』
恋「(今のかのんさんの様子。表情からも明らかにネガティブな面が影を潜めています)」
恋「(これまではわたくしがプラス思考。ですが今はかのんさんが。であればーーー)」
恋「(申し訳ありませんかのんさん。それではまっすぐを外の高めなんて如何でしょうか?)」
かのん「(うん!オッケー!バッチリ投げるよ!)」コクリ!
恋「(ーーーかのんさんの投げたい球種を投げさせつつ、細心の注意を払いつつ痛打されないコースへ要求します!)」
せつ菜「(初球、私がストレートに振り遅れて、その直後かのんさんがサインに首を振りました)」
せつ菜「(恐らく……もう1球ストレート!)」スルリ…
せつ菜「(ここは必ずヒットを打って出塁です!短く持って鋭く振り抜きます!!)」ギュッ! かのん「……たぁっ♪」ビシュッッ!
せつ菜「(外!高め!!)」ザッ
しゅるるるるるる!!ヴん゛っっ!!
せつ菜「ーーーぐっ!!!」
ヂッ!!ギィィン! ガシャン!
ファール!!
アキバレポーター「バッテリーストレートを続けます!そしてせつ菜ちゃんまたも若干振り遅れたか!?捉えきれずファールで追い込まれました!高速もいこまれ!」
恋「(かのんさん、凄い球が来ています。しかし、これは……)」
悠奈「パァ〜〜…………」
ミア「Out of control(制御不能)……」
サヤ「(かのん様。少し暴走気味に感じられます)」
サヤ「(試合前から続いていた極度の緊張)」
サヤ「(その中で歩夢様の投球に同じ投手として感化され、一種の興奮状態にーーー)」
サヤ「(さらにご自身の投げることが楽しいと言う想いが合わさることで、これまで解放されていなかった力で投球がなされています)」
サヤ「(しかし、これは……)」 サヤ「かのん様。素晴らしくボールが走っています。大胆に、ですが繊細に攻めましょう」
かのん「はいっ♪」ニコッ
悠奈「良い意味で肩の力抜いてゴーゴー!!」
かのん「うん!」
千砂都「(良かった。周りの声はちゃんと聞こえてるみたい)」
千砂都「(何だが突然かのんちゃんを遠く感じちゃったから……)」
千砂都「……」頭ブンブン
千砂都「(とにかく!私はかのんちゃんの後ろを守る!それだけだよ!)」ザッ!
恋「(サヤさん、悠奈さん。声掛けのタイミングがありがたいです。これならーーー)」サイン パパッ
かのん「(カーブで1球外す。オッケー)」コクリ
かのん「(恋ちゃんがこのカーブをどんなコースに、どんな軌道で投げて欲しいかまで分かる気がするよ)」スッ…
かのん「それっ!」ピシュッ
せつ菜「(っ…カーブ!!)」ザッ
せつ菜「(低め!外れる!?止まれぇぇっ!!)」ググッ!!
…ビタッ!! ドッ、バスッ!
ボーッ!
恋「っ…!(カーブの落差も先程よりも大きく……?!)」
アキバレポーター「せつ菜ちゃんギリギリスイングを止めて見送り1ボール2ストライク!さぁ〜〜カウントが整ったー!」 せつ菜「(追い込まれました……次来るのは当然)」
恋「(高速スライダー、ですね?かのんさん)」
かのん「(モチロン!!)」コクリ!
せつ菜「(来る…!!)」スッ…ギュゥッ!
恋「(バットを長く持ち直しました……外に、ボール2個分外して下さい)」
かのん「……」
かのん「ふふっ…」ガバッ
かのん「(恋ちゃんそれじゃ外過ぎるよ)」
かのん「(せつ菜ちゃんを打ち取るなら、もっと内側からーーーでも、もっと大きく!!!)」ビッッ!!
スゥ…
恋「(っ!真ん中寄り過ぎます!)」
せつ菜「(行ける!果林さんのように踏み込んでーーー!!!)」
ギュルルルルルル!!!ヴヴん゛っっ!
恋「!!」
ブンッッ!!!バスっ……
せつ菜「な……ぁっ!!?」
恋「っ!」ヒョイッ タッチ!
アウトォォ!
アキバレポーター「高速スライダー!超真ハンバーグ改決まったァァァ!!!スイングアウト三振!!」
アキバレポーター「しかしこれまた大きな変化でした!」
恋「(スライダーまでも変化がより大きく……)」
恋「(甘く入ってしまったと思ったのですが、きちんと大きく曲がってわたくしの要求通りの場所に…!!)」
千砂都「か、かのんちゃん……」ゾクゾク … せつ菜「くっ……」タッタッ
愛「せっつー」
せつ菜「っ…愛さん!すみません!!」
愛「謝らなくていいよ!まだアタシ達絶対もう1打席回ってくるんだから!切り替えよう!」
せつ菜「!」
愛「それより最後の球打てなかったのは?何があったの?」
せつ菜「かのんさん、第1打席とはまるで別人です。ストレートの速さも、変化球の変化の大きさも……」
せつ菜「高速スライダーも芯で捉えたと思ったのにバットの先を通過していきました……」
愛「……分かった。あんがと!せっつー!」ポンッ
せつ菜「愛さん…っ!お願いします!!」タッ
侑「せつ菜ちゃん……」
せつ菜「……!!」ウル…
せつ菜「ミアさんすみません!出塁出来ませんでした…!」
ミア「……いや、今のは仕方ないさ」
ミア「この回の彼女、カノンは少しおかしい位に飛ばしてる」
ミア「でも安心するんだ。あんなペースで投げ続けられる訳無い」
ミア「これでこのゲーム、終盤にチャンスが必ず来るハズだ」
ミア「せつ菜、歩夢。頼むよ」
あゆせつ「うん!(はい!)」 せつ菜「(愛さんの言う通りです。切り替えです!)」
せつ菜「(野球の攻撃は1人1人の戦いです。凡退すればそれまで…まるでソロのステージのようです)」
せつ菜「(ですが!打線も守備も全員で行うものです!それが野球でありチームなんです!)」
せつ菜「(私に今出来ることは切り替えて守備に集中すること!可能な限りこの点差のまま再び攻撃に戻ることを考えなくちゃいけません!)」
アキバレポーター「さぁーてここで注目の対決になりましたー!この回一気にギアを上げたかのんちゃんと4番愛ちゃんの激突です!!」
愛「……」
愛「(今まで色んな部活の助っ人をしてきた。試合にだって沢山参加した)」
愛「(そんな時、たまにあるんだよね)」
愛「(ヤバい、って思う相手にぶつかることが)」
愛「この回のかのんちゃんは、正にそれだよ。ヤバい香りがクンクンする……」
愛「(でも、ここでアタシまで凡退する訳には絶対行かない!!)」ギュッ!
愛「さぁ来い!」 恋「(宮下さんの第1打席目。甘く入った初球の直球を打たれたことで結果的にまだ変化球もこの回の直球も見られていません)」
恋「(かのんさん。この場面だけ変化球で初球入らせて下さい)」サイン パパッ
かのん「……」ムー
恋「(変化球でカウントを作らせて、最後に直球で決めますので!伝わって下さい〜〜!)」
かのん「(はぁい)」コクリ
かのん「やぁっ!」ピシュッ
ふわっ…くくっ!スゥッ!
愛「んっ…!」
パシィ ストライーク!
愛「(カーブ……入り方変えてきた)」
愛「(決め球は速くてキレるスライダー。なら次は、ストレートーーー!)」
かのん「ふぅっ!!」ビシュッ!
ギュルルルルルル!!
ヴヴん゛っ!!!
愛「なっ!?」
ブンッッ!!!ストライクツー!!
愛「裏、かいてくれんじゃん……!」
アキバレポーター「ここも高速もいこ!今度は一変2球続けて変化球で追い込みました!!」 恋「(ここからです。1球内寄りの高めに直球を外して意識をつけ、カーブを真ん中低めに外す。そして最後は外の低めに直球!)」
恋「(さぁかのんさん!直球ですよ!)」
かのん「おっけ……!」ガバッ スッ…
かのん「(愛さんでも、打たれない位の!私のストレートを!!)」ビシュッ!!
すぅ…
恋「(なっ…内寄りですが高さがストライクゾーン!!)」
愛「(3球勝負!!!!)」ザッ!!
シュルルルルルル!!!う゛う゛ん゛っっ!!
愛「(ーーー!!!伸びる!!!)」
キィィィン!!!
かのん「!!」
アキバレポーター「打ったぁぁ!!打球はレフトへー!!」
クゥクゥ「ほわぁ!?」
すみれ「クゥクゥ!!前に出てワンバン!!」
クゥクゥ「アェ!?前!?」
すみれ「ちょっ!!脚止めないの!!動いて前出なさい!!」
クゥクゥ「はわわわわ!!!」
ぎゅるるる! ザッ ビスッ ぼこっっ!!!
クゥクゥ「疼痛(あ痛ぁぁ!)!!!!!!」 すみれ「ちょぉぉ!!前!前に落としたわ!拾って千砂都に投げるのよ!」
クゥクゥ「〜〜〜〜〜!!!(泣)」ヒュッ
千砂都「おっけー!クゥクゥちゃんナイス守備だよ!」
クゥクゥ「どこがデスかぁ〜〜…!」
アキバレポーター「ここは愛ちゃんが4番の意地を見せてレフト前ヒーット!そしてドライブの掛かった球足の速い打球でしたがクゥクゥちゃんも身体を張っての捕球お見事です!さぁ1アウト1塁となりましたー!」
愛「……くっ……そぉぉぉ……!!!」
エマ「愛ちゃん……!?な、ナイスバッティングだよ!?」
愛「そんなことない……ないんだよ……!」
愛「(4番としてここは長打が欲しかった!!)」
愛「(なのにかのんちゃんのストレートのノビ……バットに当てて振り切るだけで精一杯だった!!)」
愛「(ヤバいよ……かのんちゃんの球も、ここからどう点を取るかもヤバいよ!)」
侑「やったぁ!!」
歩夢「流石愛ちゃん!」
ミア「愛が出てくれた!」
ミア「しかしあの様子だとシングルが精一杯だったのか?それ程までなのか……!?」
ミア「とにかくランジュ!ピッチヒッターの準備は出来ているかい!?」
ランジュ「えぇ!」
ミア「果林が続くか、もしくは愛を2塁に進めたら行くよ!!」
ランジュ「任せて!待ちくたびれたわ!!」 一旦ここまで
4回表 虹0-1Liella! 1死ランナー1塁 5番果林から再開します ドーム公演賭けてμ'sとAqoursが野球対決する奴思い出した
あれも名作だった >>17
対戦カード3試合。
今頃になって気づいたけど、左側が先攻チームで合ってる? >>245
特別意図せず並べてましたが攻撃全振りAqoursが先行の方が面白そうなのでそれで行きます >>246
そうでしたか。ありがとう。
しかしクジの色でそう決まっているというのはいささか無理があるかと思います。
試合ごとに先攻後攻を決める場面がある方がより公平感があるかと考えますが、如何に? >>247
くじ引きでは対戦カードの決定だけを行い
先行後攻の決定は試合前にジャンケンか何かで決定(1戦目に描写しなかったので2試合目以降も描写せず決定)してると思って下さいな 恋「(追い込む所までは良かったのですが外そうとした直球が……やはり初球直球のリズムを崩してはいけなかったのでしょうか……)」
恋「かのんさん!」
かのん「大丈夫大丈夫!1アウトー!クゥクゥちゃんもナイスストップだったよー!」
クゥクゥ「かのーん♡謝謝〜〜♡」
恋「(良かった。打たれてしまいましたが動揺はしてないようです)」
===
ミア「(さてーーー!)」
愛「(どうするよミアチ……!)」
ミア「(愛がシングル止まりになる程だ。簡単に連打出来るとは思えない)」
ミア「(それでもここでスコアリングポジションに持って行けなければランジュを投入する意味が無い!)」
ミア「(愛は走れそうなら走ってくれ)」サイン パパッ
愛「(行ければ行け。難しいヤツ来たじゃん!でも、ここはそう言う場面!)」ザッ!
ミア「(果林は1球見るんだ。愛が行けそうかどうかも見たい)」
果林「(了解)」コクリ
===
恋「(第1打席目にヒットを打たれている巧打者の朝香さん。様々な攻め方を想定出来る場面です)」
恋「(ですが朝香さんさえ凌げればーーー!?)」
ランジュ「ふふん♪」ギュッ
ミア「…あっ!?コラ、ランジュ!まだバットを持つな!!」
ランジュ「どうして?ピンチヒッターで出るかもしれないのでしょう?」
ミア「それを悟られないためにだよ!」
ランジュ「あら!なるほど!」
恋「(そうです……!虹ヶ咲には代打を投入出来る戦力があります!)」
恋「(であればこの場面。連打は勿論、盗塁や進塁打で宮下さんを2塁へ進ませてしまうのも避けたい……!)」
恋「(慎重に、慎重に……!策を考えるのです葉月恋!)」
かのん「……」
かのん「大丈夫大丈夫♪」 >>248
ならば左様心得るとしましょう。
回答に感謝します。
試合の続きを楽しみにしてます。 愛「(さて。上がった球速に加えて、さっきカリンが盗塁した時の恋ちゃんの送球。意表を突かれてたけど決して悪くなかった)」
愛「(クイックの早さにもよるけど、良いスタート切らないと簡単には盗めないね!)」
恋「(まずここは1球直球を外します。かのんさんクイックでお願いしますね)」
かのん「(おっけー♪)」コクリ
愛「(サインあっさり決まった)」リーリー
かのん「…」セット
愛「(……さっきから全然こっちに意識が無い。コレ、逆に初球が一番行けるんじゃーーー
かのん「ふっ!」ザッ ピシュ!
愛「!! やばっ!」バッ
ズザァ!! セーフ!
摩央「ナイス牽制。惜しかったわね」
かのん「はいっ!」
かのん「(ふふ。じっとしててね♪)」
愛「むむむ。これはちょっとやりづらいな…」
かのん「……」
かのん「はっ!」スザッ ビシュッ!
パァン! ボール!!
恋「!!」ガバッ
愛「……」帰塁タタッ
千砂都「かのんちゃんいいよ!クイックちゃんと出来てる!」
かのん「えへへ♪練習したもん!任せて!」
ミア「く……早いな……」
愛「(これは、盗塁試みるのはちょい危ない橋を渡ることになるよ…!)」🙅♀
ミア「(コラ!小さくてもバツのポーズを見せるな!)」 ミア「くそ…1点差の4回。ギリギリのスチールはするべきではない、か…」
果林「(いいじゃない。これで分かりやすくなったわ。打つだけ、でしょ?)」チラッ
ミア「!」
ミア「全く、自信のある表情してさ……!」
侑「大丈夫。果林さんならきっと打ってくれるよ!」
彼方「そーだそーだ!打て打て果林ちゃーん!」
かのん「やぁっ!」ピシュ!
果林「はぁっ!!」
カキィン!!
恋「(…!外低め一杯のカーブを!)」
ファール!
ミア「っておいおい!あんまり難しいボールには手を出すなよ!?」
彼方「あ〜、果林ちゃんってどんな球でも上手く打てるけどどんな球にも手を出しちゃう所あるからね〜」
璃奈「実戦形式の打撃練習でも併殺打が多かったデータがある……」
果林「フーーー……」ギュッ
エマ「(大丈夫。果林ちゃんは打つよ!)」
エマ「(練習始めてすぐは、愛ちゃんやランジュちゃんの投げるボールが最初は皆打てなくて)」
エマ「(果林ちゃん負けず嫌いだから、その日からずっと陰でバットを振って練習してたの!)」
エマ「(手に豆が出来るのと練習してるのがバレちゃうのが嫌で手袋と絆創膏グルグルにして、だったけど……)」
エマ「(それでも、今日まで一番バットを振ってたのは果林ちゃんなんだから!)」
エマ「果林ちゃーん!絶対打てるよー!!」 かのん「やぁ!!」ビシュッ!
果林「ふっ!!」
カキィィン!!ファール!
ガキッ!!ファール!!
カキーーン!!ファール!!
チッ……!ファール!!
恋「(くっ…どの球種にもタイミングを合わせてしっかり振り切ってきます!)」
かのん「ふぅ……ふぅ……」
果林「フフ……さっきまでの笑顔がようやく消えてくれたわね……!」フゥ……
恋「(かのんさん…!)」
かのん「……やぁ!」牽制ビシュ!
愛「うぉっと!?」ザァッ!
かのん「(大丈夫。絶対打たれないし走られないよ!!)」
千砂都「かのんちゃん……!」
サヤ「(かのん様。身体の動きも集中力も研ぎ澄まされています……。ですが、このままではーーー)」
かのん「ふぅっ!!!」ビシュッ!!
ギュルルルルルル!!!う゛う゛んっ!!
果林「(ーーーさっき私が打った高速スライダー!!!)」ザッ!!
恋「(直球を待っていたタイミングの取り方!!引っ掛けて下さい!!)」
果林「(っ……!思い切り引っ張ってあげる!!!)」
カキィィンッッ!!!
サヤ「……くっ!!」ダッ!
果林「よしっ!!」タッ
アキバレポーター「果林ちゃん決め球の高速スライダーを三遊間に打ち返した!!ショート千砂都の横抜けーーー」
千砂都「〜〜〜〜〜〜っっ!!たぁっ!!!!」パシィ!!
果林「ーーー!!!」
アキバレポーター「なぃぃぃ!!!掴んだ!!!」 千砂都「セカン!!!!」グッ…ピシュッ…!
愛「くっそぉ……!」ダダダッ!ズザァッ!
悠奈「パァッッ!!」パシッ!
アウトォ!!
悠奈「ファーストっ…は無理かぁ〜!」
かのん「ちぃちゃん!」グッ
千砂都「かのんちゃん!!」グッ!!
アキバレポーター「ショート千砂都ちゃんも魅せるー!抜けるかと思われた打球を見事なキャッチと送球で2塁フォースアウト!!思わず呼び捨てしちゃいましたゴメンね千砂都ちゃん!!」
ミア「ぐ……くっ……!」
侑「お、惜しい……!!!」
果林「……………!!!」ギュゥゥ……!
エマ「果林ちゃん……惜しかったよ!あと少しでまたヒットだった!」
果林「……えぇ。次こそもう一本打ってあげるわ……!!」ギュッ…!
しずく「…………」スクッ ミア「(ランナーを進めることも出来ず入れ替わる形で果林が塁に残った……だって!?)」
ランジュ「あまり理想的な形にはならなかったわね。紙一重だったとは思うけど」
ミア「ランジュ…!」
ランジュ「それで?ランジュがピンチヒッターで行くのは変わらない?」
ミア「っ……shit……!キミを出すのは確実に点が取れるのを見込める絶好の機会でなければならない!」
ン……
ミア「いくらキミでもツーアウト1塁の状況であのピッチャーから必ず点を取れると言い切れるのかい!?」
ランジュ「えぇ!すべてをランジュに委ねちゃいなさい!」
ブンッ……
ランジュ「要するにホームランを打てばいいのでしょう?そうすれば一気に逆転だわ!」
ミア「だから…っ!!愛ですらシングルヒットを打つのが精一杯のピッチャーなんだよ!?」
ブンッッッ……!ブンッッッ……!!!!
ランジュ「任せなさい!ランジュならきっと打てるわ!」
ミア「何を根拠…に……」
しずく「えいっ……!えいっ……!!!」ブンッ……!!ブンッ……!!!
侑「しずくちゃん……」
ミア「しずく……」 しずく「(私には代打を出さないで欲しいなんて言えない。球技は本当に苦手だから……)」ブンッ!!
しずく「(でも!このまま交代されてしまうのは嫌……!私だって、私だって貢献したいもん!!)」ブンッ……!!
ミア「……どうすればいいんだ」
ミア「ーーー侑。キミならどうする…?」
侑「えぇっ!?また私!?」
ミア「…ボクは、勝ちたいよ」
ミア「愛するBaseballのゲームを皆でプレー出来る機会なんだ。絶対に勝ちたい」
ミア「まだあの子、カノンを崩すチャンスは必ず訪れるだろう。それでも、この回まで無得点となると流石に苦しくなる……」
ミア「この先は下位打線だ。1巡目不安定だった彼女ならともかく、今のカノンからしずく達が打てるイメージがボクには沸かない」
ミア「かと言ってランジュを投入してランジュで得点出来なかったら?ボク達は最強の切り札をこの先のターニングポイントで使えなくなってしまう」
ミア「しかしこのままバットにボールを一度も当てられていないしずくに奇跡を期待しろと言うのも夢物語のような話だ」
ミア「侑。キミならどうする……?」
侑「私は……しずくちゃんを信じるよ!!あのスイングを見てよ!もし当たったらしずくちゃんだってホームラン打てるかもしれないよ!」
ミア「……勝ちたいなら、どうする?」
侑「う、えっと……それは……」
球審「しずくさん?バッターボックスへ!」
しずく「あ、はい!えっと……」チラッ…
ミア・侑「…………」 璃奈「勝ちたいなら、ランジュさんを代打で出す」
ミア・侑「!」
愛「りなりー…?」
璃奈「ランジュさんは練習でもホームランを連発するほどの凄いバッティングをしてた。しずくちゃんとランジュさんどちらかにホームランを期待するのなら、当然ランジュさんに賭けるべき」
栞子「その場合、しずくさんの面目が立たないまま交代になってしまいますが…」
璃奈「大丈夫。しずくちゃんはそれくらいで凹むような弱い子じゃない」
璃奈「だからミアちゃん。自信を持って。ランジュさんはしずくちゃんの代わりに絶対に点を取ってきて!」
侑「璃奈ちゃん…」
ランジュ「任せて!!ランジュの力見せてあげるんだから!」
ミア「璃奈……。ありがとう…」
ミア「球審!代打だ!」
しずく「!!」
かすみ「あっ!?しず子代打!?」
アキバレポーター(実況)「んっ!?ここでベンチから登場するのは、嵐鐘珠ちゃん!ランジュちゃんだ!!」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、選手の交代をお知らせします。バッター、桜坂に代わりましてーーー」
アキバレポーター「嵐鐘珠」ドワァァァ!! ホームラン打てばいいんだろ?というセリフが似合いすぎる女 逆にここから虹のターンじゃね
野球なんだからターン制バトルだよ 思いついた展開を好き勝手に書いてるのでその辺りはゴメンね
出来るだけドンドン書き進める。再開します 公平に書いてる気がするので気にしないでほしい。
楽しいみにしてます かのん「わぁ、ランジュさん……背が大きくてユニフォームの上からも筋肉が分かる……」ドキドキ
恋「かのんさん!」ガッシャガッシャ
かのん「恋ちゃん。どうしたの?」
恋「その、大丈夫でしょうか?」
かのん「えっ?何が?」
サヤ「無理をなさっておりませんか?」
かのん「ええっ?!って、皆……」
千砂都・悠奈・摩央「……」
かのん「え、えっ?私無理なんてしてないよ!大丈夫だよ!」
かのん「腕も触れてるし肩も軽いし!皆だってこの回の私、凄くいい球投げられてるって思うでしょ!?」
悠奈「パァ〜……それはまぁそうなんだけど〜」
かのん「も、もぉ〜!大丈夫!大丈夫だから!ランジュさんにだって私、絶対に打たれないよ!任せて!!」
摩央「(負けたくない。自分は決して負けないと言う投手としての本能、我儘。そしてエースの自覚の芽生え……)」
恋「かのんさん……」
恋「分かりました。嵐鐘珠さんは明らかに虹ヶ咲さんの切り札です。慎重に…いえ、かのんさんの最高の球を投げ込んで下さいね!」
かのん「うん!!」
千砂都「かのんちゃん…」
かのん「ちぃちゃん…。もう!ちぃちゃんまで何でそんな顔するの!?私が投げてたら不安!?」
千砂都「違うよ!違うけど……」
千砂都「私達が後ろを守ってるから!それだけは忘れないでね!」タッ…
かのん「モチロン!たった今助けられたばかりだもん!」
かのん「ふぅ〜〜……」
かのん「(駄目だ私。良いボール投げられてたつもりだったけど、皆を不安にさせちゃってたみたい)」ドキドキ…
かのん「(もっと、もっと良い球を投げなくちゃ……!!!!)」バクンバクン…! ランジュ「さぁ、嵐鐘珠のショータイムよ!」
ミア「SHOW TIME……何を言ってるんだか」
ミア「……」
ミア「(もし、この選択で得点出来なかったら、その時はーーー)」
ミア「いや、そんなこと考えるな。ランジュを信じるんだ。打ってくれランジュ!」
恋「(まずは当然直球です。が、外角低めに外してください)」
かのん「(うん……!)」
恋『その、大丈夫でしょうか?』
千砂都『かのんちゃん…』
すみれ『かーーのーーーんーーー!!フォアボール出す位なら打たれなさーーい!』
すみれ『何のために私達が後ろに居るのよ!!さっさと打たれなさい!!』
かのん「(打たれないよ。負けないよ。逃げもしないよ……!!!)」ズクンズクン…!
かのん「やぁぁ!!!」ビシュッ!
恋「(ーーー際どい良いコース!)」
ヴ……ン……!!!
恋「!?」 >>262
水差してすまん
片方に感情移入しちゃうと勝敗が辛くなるんや…全試合読みたいから頑張ってくれ ギャキィィィィン!!!!!
かのん「!!!?」
アキバレポーター「アウトローを引っ張ったー!!?そして一体どこまで伸びるー!?」
ファーーール!!!
アキバレポーター「ファール!ファールですが飛距離十分!!女の子用規格に設けられたフェンスを軽々と越え、あわやベルーナドーム常設フェンスを越えようかと言う打球でしたー!」
ランジュ「ん〜折角ストレートだったのにボール球だったかしら?」
ランジュ「それに」
ランジュ「思ったより"来なかった"わね。もっと凄い球が来ると思っていたわ」
かのん「!!!」ドクン…!!
恋「(凄まじいスイングの速度です……)」
恋「(ですがかのんさん落ち着いて下さい挑発です。明らかに直球をもう1球欲しがっている故の言葉です…!)」サイン パパッ
かのん「……ハァ、ハァ」コクリ
かのん「っっやぁぁ!!!」ピシュ!
ふわっ…くくっ…!!すっ…!!!
ランジュ「……」
パシィ!ストライーク!! 虹信の言うことなんて気にすんなよ
あいつら気に食わないことがあるとすぐ発狂するからな アキバレポーター「あれだけの大飛球を打たれても尚ストライク先行で追い込んだァァ!かのんちゃん恋ちゃんバッテリー攻めます!そうです!強打者相手こそ攻めるだけなのです!!!」
恋「(追い込めばかのんさんにはこの球があります!)」
かのん「ハァ、ハァ……」コクリ
かのん「ふぅっ!!!!」ビッッ!!
シュルルルルルル!!!う゛ん゛っ!!
ランジュ「……」
スパァン!!!
恋「(見逃し……!?)」
……ボール!!
アキバレポーター「のわぁぁ!!!?外角一杯に決まったかと思われた高速スライダーをランジュちゃん平然と見逃したー!!!見極めているのかー??!」
球審「(ーーー天王寺さんから拝借したゴーグル。ストライクゾーンが明確に映し出されています。これのおかげでより正確な判定が出来ています)」
球審「(それにしても今のは僅かにボール1個分外れただけ。よく見逃せましたね)」
恋「……」サイン パパッ
かのん「はぁ……はぁ……!!」コク、リ……
かのん「ふぅっ!!!」ビシュッ!!
シュルルルルルル!!!
恋「(今度はストライクゾーンの中に!打つ気が無いなら三振して貰います!)」
ランジュ「これじゃないわ」
カチッ…!ファール!!
恋「(……っ!!簡単にカット……されてしまいました……)」 璃奈「……ランジュさん、ストレートしか狙ってない」
愛「だね……よくストレートだけ狙って変化球に合わせられると思うよ」
ミア「ランジュはオオタニのようなノーステップ打法だからね……だとしてもそれなら尚更初球のストレートを仕留めて欲しかったよ!」
ミア「(頼むランジュ…!ホームランなんて出来すぎな望みは言わない!外野の間を抜けば果林の脚なら帰ってこられるハズだ!打ってくれ!)」
恋「(まだです!もう1球!今度は先程のせつ菜さんに投げたより大きな変化の高速スライダーを!)」サイン パパッ
かのん「……」フルフル
恋「(っ……!ならばカーブをストライクゾーンから落としましょう!とにかくまだカウントが有利なうちにボール球で勝負をーーー!)」
かのん「……」ブンブン!
恋「(かのんさん……!?)」
かのん「(駄目だよ恋ちゃん。変化球じゃかわせない)」ザッ ガバァッ……
恋「(ま、まさか…!)」
愛「振りかぶった!?カリン!走れーーー!」
ミア「いや走るな!1塁が空く!!それにーーー!!!」
ランジュ「(勝負球が来るわ!!!)」
恋「(直球勝負ーーー!?)」
かのん「(打たれたくない打たれたくない負けない絶対負けない嫌だ嫌だもう負けるのも皆をガッカリさせるのも嫌だ…………)」
かのん「私は!皆の喜ぶ顔が!!見たい!!!」スッ…!!!
かのん「やあああああああああ!!!!!」ビシュッッッッ!!! ーーーーーーしゅるるう゛ん゛っ゛!!!
ランジュ「ーーー!!!!!」ヴン…!!
カキーーーーーーーーーーン!!!!!
恋「!!!!!」
すみれ「っっ!!!」ダダッ!!!
千砂都「すみれちゃあああああん!!!!バーーーーック!!!!」
アキバレポーター「打ったああああ!!!!大飛球がセンター後方に舞い上がって行くーーー!!!」
すみれ「あっ!!?」ガシャッ!
アキバレポーター「後ろに守っていたすみれちゃんが早くもフェンス一杯に到達!!!打球は!?フェンスを!すみれちゃんを越えるか!?」
すみれ「っ……!!!!!」グッ…!!!
アキバレポーター「どうだ!?若干詰まっているのか!?いや、伸びているのかーーー!?」
すみれ「たあああっ!!!!!」バッ!!!!
アキバレポーター「すみれちゃんジャンプーーー!!!!」
ガシャッ!!!!
すみれ「ぐぅっ……!!!」
すみれ「きゃあっ!!」ズザァッ!!
アキバレポーター「すみれちゃん倒れ込んだがどうだ!?打球はどこに消えた!?」
ランジュ「………………」 すみれ「はぁっ……はぁっ…………!!!」フルフル
ギュッ…………!!!!!
すみれ「っっ!!!!」バッ!!!!
っっ!!!!!アウト!!アウトォォォ!!!
ああああああああ!!!?
きゃああああああ!!!!!ワーワーワー!!!!!
アキバレポーター「何と!!すみれちゃん捕っているー!!!?ホームランキャッチだああああああああ!!!!!」
アキバレポーター「打球は完全にフェンスの向こう側まで到達しようかと言う飛距離でした!が!!女の子用規格フェンスギリギリの所で待ち構えたすみれちゃんジャンプ一番!!!」
アキバレポーター「グラブの正に先端で掴み取っています!!その直後倒れ込んでもボールを離さない意地もお見事!!」
アキバレポーター「いえ!お見事なのはすみれちゃんだけではありません!かのんちゃんの魂の1球がランジュちゃんのバットを僅かに押し返したでしょうかー!?」
アキバレポーター「ともあれこれで3アウトチェンジで4回表終了です!!またしても!またしても虹ヶ咲は無得点!!!」
ランジュ「…………やられたわ。まだ"上"があったのね」
ミア「…………」ガクリ…
璃奈「わっ!ミアちゃん!?」
ミア「……駄目だった、か……」 クゥクゥ「しゅみれ〜〜〜〜〜!!!!!!!」
すみれ「はぁっはぁっ……!!」
すみれ「ど、どどどんなものよ!!!この平安名すみれにかかればホームランをもぎ捕るくらい訳ないのよー!!オーッホッホッホ!!」
クゥクゥ「まぐれー!!」
すみれ「うっさい!!結果が全てよ!!」
かのん「お、抑えた……?」フラッ…
千砂都「かのんちゃん!?」
すみれ「どんなものよかのん!!私のスーパーギャラクシーファインプレー刮目したでしょうね!?」
かのん「やっ、た………」ガクン…!! ヘタリ…
すみれ「えっ!?」
恋「かのんさん!?」
サヤ「かのん様!!」
アキバレポーター「あっと!?かのんちゃんどうした!?ベンチ前でへたり込んでしまった!!」 ミア「…………」
ランジュ「……ミア、謝るわ。点を入れられなかった。ごめんなさい」
ミア「……いや」
ミア「あれを捕られたらもうどうしようもないさ」
璃奈「ミアちゃん…」
ミア「しずく、侑。すまなかった。キミ達を信じていたらもしかしたら違った結果が訪れたかもしれない」
侑「そんなーーー!」
しずく「そんなこと言わないで下さい!」
しずく「私は、代打を出されたこと自体は納得しています!私がへっぽこなのは紛れもない事実ですから!」
しずく「でも、結果論でそのようなことを言われたら……悔しいです!!どうしてランジュさんを投入したんですか!得点をあげるためじゃないですか!それなら胸を張って下さい!私は声援を送り続けますから!!」
かすみ「しず子…………」
ミア「……すまない」
「……………」
愛「はい!切り替えよう!」パンッ!
せつ菜「そうです!!!切り替えて守備につきましょう!」
「!!!!!」
侑「う、うん!!その通りだよ!皆!まずは守備につこう!しっかり守って、次の攻撃こそ点を取ろう!」
侑「ね!ミアちゃん!まだまだこれからだよね!?」
ミア「…………」
栞子「ミア?」
ミア「あ、あぁ……そうだね。ランジュはサードに入って彼方がライトだ」
侑「み、ミアちゃん……」 ランジュ「分かったわ。歩夢、ランジュがしっかり守るからピッチングは任せるわ」
歩夢「うん……!」
彼方「彼方ちゃんはより幸運の置き物に近付くぜよ〜〜……」タタタ…
侑「みんな……みんな!頑張って!!」
アキバレポーター「かのんちゃんは現在ベンチで休んでいるようです!そして心配なのはチーム虹ヶ咲もでしょうか!?」
アキバレポーター「流石に今の場面無得点は堪えたか!!守備につくナインにあまり覇気が感じられません……!」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、シードの変更をお知らせします。代打いたしました嵐鐘珠がサードに入ります。サードの近江がライト。6番 サード 嵐鐘珠。7番 ライト 近江。以上に変更となります」
ミア「…………」
侑「ミアちゃん!元気出して!まだ攻撃は3回も残ってるんだから!」
しずく「そうです!応援しましょう!!」
ミア「……あぁ。ただ、ちょっと考えたいことがある。少し時間をくれないか……」
侑「ミアちゃん……」
栞子「ミア……」 アキバレポーター「4回の裏 Liella!&Sunny Passionなど合同チームの攻撃は、3番 ファースト 柊」ワーワーワー!!!
かのん「うぅ…………」ハァ、ハァ、ハァ…
千砂都「かのんちゃん!しっかりして…!」
かのん「負けて、ない……まだ負けてない……」
千砂都「かのんちゃん……!!!」
ありあ「お姉ちゃん、どうしてこんな…さっきまで元気だったじゃん!」
サヤ「張り詰めていた緊張の糸が切れてしまった、と言う言葉はあまりにも軽々しいですね」
サヤ「かのん様は今の回、必死に自分を奮い立たせ自分の限界以上の力を引き出して投球を重ねていました」
サヤ「初回から続いていた極度の緊張も、好投手 歩夢様の投球や強力な虹ヶ咲のメンバーに立ち向かわなければならない畏れも、チームのエースとしてマウンドに立つ重圧も、全て跳ね返して強く在らねばと気丈に……」
サヤ「まるで、自分を偽るかのようにーーー」
千砂都「それは違うよサヤさん!!!」
サヤ「!!」
千砂都「かのんちゃんは、かのんちゃんは…これが本当のかのんちゃんだよ!」
千砂都「どんなことにも前向きで、自分の気持ちをハッキリと言えて、大好きなことに全力でーーー」
千砂都「それで、凄く…怖がりで、負けず嫌いなんだ……私と同じで……」
千砂都「上手く行かない、出来ないことの怖さも、自分の力が足りなくて叶えたい願いを成し遂げられない悔しさも知ってて」
千砂都「その上で強くなりたいって思ってる。それが澁谷かのんって子なんだ……!」
サヤ「……千砂都様。申し訳ございません。かのん様のことを知ったようなことを述べてしまいましたね」
千砂都「……」グスッ… かのん「ちぃちゃん……褒めすぎ、だよ…」ヨロ…
千砂都「かのんちゃん!」
かのん「あはは…ゴメンね。何か急に力が抜けちゃって」
クゥクゥ「大丈夫ですかかのん!?」
かのん「うん……!ちょっと張り切っちゃっただけ……休めばまだまだ行けるよ……!」
悠奈「!!」
恋「まだ行くって……!継投は考えていないのですか!?」
千砂都「私投げるよ!それに、サニパの2人だってピッチャーの準備はしてくれてるハズ……!」
かのん「それじゃ駄目。駄目だよ……!」
かのん「だって、私……このチームのエースピッチャーだもん!!!」
かのん「それに、ピッチャーだけはアッサリサニパの2人に譲ったら駄目……」
かのん「Liella!のマウンドは、Liella!の私が守らなきゃいけないんだ……!!」
悠奈「パァ〜〜〜〜……!!」 一旦ここまで。隅田と鈴木以外に猫でポジれる要素が無くて泣いてる かのん「この大会、私達とサニパの皆の目標は優勝。だけど、私達にとってサニパは越えなきゃいけない壁なんだよ」
かのん「そんなサニパに何もかも頼りきりになっちゃったら、私達いつまで経ってもサニパに追いつけないよ」
「!!!!」
かのん「だからピッチャーだけは、ピッチャーだけは譲りたくない……!!!」キッ!
悠奈「……っ!!!」ニコッ!!
悠奈「いいね、その目。いいよかのんちゃん」
悠奈「そういう事ならこの試合、同点まではLiella!に預けるよ!」
恋「同点……」
すみれ「って!1点でも取られて追いつかれたらかのんは交代ってこと!?」
悠奈「アハハッ!まぁそういうことだけど、でも私達はこれから攻撃するんだよ!」
悠奈「先頭の摩央から!」
悠奈「きっとチャンスメイクしてくれるよ!」
摩央「……」ギュッ…!
せつ菜「(苦しい展開です……)」
せつ菜「(それに加えてこの回はLiella!の皆さんも3番から)」
せつ菜「(ーーーとにかく守るのみです…!この最小点差のまま終盤に行くことを第一に考えましょう!)」
せつ菜「(摩央さんには1打席目いきなりスローカーブを打たれました。ヤマを張っていたのでしょうか……)」
せつ菜「(敢えてそのスローカーブをボール球に外して入ってみましょう)」
歩夢「はぁっ!」ピュッ!
摩央「…………」
パシィ ボール!
せつ菜「(全く反応無し……それはそれで不気味ですね)」
摩央「(この球はもう打ったわ。悠奈の仇はとった……)」
摩央「(来なさい。あの球……)」ギュゥゥゥ…! せつ菜「(歩夢さんのコントロールは完全に冴え渡っています。ボール先行くらい訳ありません)」
せつ菜「(次はまっすぐを高めに外しましょう。カーブに続き目線を上げさせます)」
歩夢「よいしょ!」ピシュ!
ふわぁぁん……
摩央「あの球ーーー!?」ザッ!!!
ブヴんっ!!!!! ストライーク!
せつ菜「っ……!?(何てスイングしてくるんですか!?)」
千砂都「パームボール狙いだったのかな!?ボールの凄い下を強振したよ!」
悠奈「パァ!ム狙い……?」
サヤ「もし今のがパームであればジャストミートでしたね」
サヤ「ただ、ベンチや打席からもう何球も見ていますがストレートとパームボールの見分けはバッターボックスからでは正直つきません……」
サヤ「スピードも軌道も回転数も同じ。握りを見ようにもテイクバックの際は上手く身体で隠し腕の振りも速い……とにかくクセが見つかりません」
恋「では…前の回の悠奈さんのように決め打ちをするしかないのでしょうか……」
悠奈「決め打ち……」
クゥクゥ「でもそんなスイングをしたら相手のキャッチャーに裏をーーー」
せつ菜「(ーーーパーム狙いなら)」
歩夢「えいっ!」ピシュ
せつ菜「(低め一杯のまっすぐ!見逃して貰います!)」 摩央「あの球!!」
ブンッッッ!!!!
せつ菜「(えっ!?)」パシィ
ストライクツー!!
アキバレポーター「おっと!?摩央ちゃん力んでいるのかボールの大分下を振っているぞ!それともボール球であろうとパームボールにヤマを張って打ちに行ってるのかー!?」
悠奈「摩央……まさか……?」
せつ菜「(ぽーむにヤマを張ってるだけなら今のはボール球になるから見逃すハズ。なのに強振してきた。もしかして……)」
せつ菜「(歩夢さん、ぽーむです。インコースに外れるくらいのコースに、そして、ホーム手前でワンバウンドさせてください!)」
歩夢「(う、うん……!?)」
歩夢「(ボールゾーンにも投げる練習は沢山したけど、難しい要求!しっかり投げなきゃ!)」
歩夢「えいっ!」ポムッ
ひゅーーーーん……
摩央「あの球!!」ザッ!!
ドッ…カキィイィン!!
ランジュ「きゃあ!」ガバッ!
ぎゅんっ…!ガシャーン!ファール!!
アキバレポーター「おほー!ワンバウンドするパームボールにまで手を出します摩央ちゃん!ちょっと強引過ぎないかー!?」
せつ菜「(間違いありません……!摩央さんはこの打席、ぽーむしか狙っていません!!)」
せつ菜「(前の打席、悠奈さんを打ち取った球種であるぽーむを打つことしか考えていないんです!!!!!)」ガビーン せつ菜「(相棒である悠奈さんの打ち取った球種を自らが必ず打って攻略すると言う強い意志!!正直燃えます……!)」ドキドキ
果林「(なるほど……。歩夢に負けず劣らずの重さって訳ね)」
せつ菜「(……ハッ!!燃えてる場合ではありません!これを逆手に取らない手はーーー)」
悠奈「摩央〜〜〜〜〜〜!」
せつ菜「!」
摩央「…悠奈」
悠奈「(無理にパァ!ムに拘らないで!!摩央のバッティングをして!)」
悠奈「(フリースイングフリースイング!)」サイン パパッ
摩央「(フリースイングのサイン……。ふふ、悠奈にはお見通しって訳ね)」(割と皆にお見通し)
摩央「(分かったわ。パームボールだけに執着するのは止め。さて、何を狙おうかしら……)」
せつ菜「(今、サインが出ました。つまりぽーむだけを狙うのを止めろと指示が出たと言うこと)」
摩央「(それでも狙うべきはパームかしら)」
せつ菜「(ですが逆に裏をかいてぽーむを……いえ、摩央さんのクレバーな雰囲気。ぽーむを続けたら今度こそ痛打されそうです。それだけは避けなければいけません!)」
摩央「(決めたわ。カウントも整っているしストライクゾーンにまっすぐは来ない。パームが来るものと構えるわ。ボール球でも軽打して外野に落としてあげる)」グッ…!
せつ菜「(裏の裏をかいて低め一杯にチェンジアップです!タイミングを崩して打ち取ることも、手が出ず見逃し三振を奪うことも狙えます!!)」
歩夢「(わかった!)」コクリ! 歩夢「…たぁ!」シュッ…!
ふわぁぁん…………
摩央「(パーム…!?いや、まっすぐーーー
ふわぁぁぁぁん…………
摩央「(でもない!!!抜いた球!!)」
摩央「くっ……ぐぅぅ!!!!!!!」スッ…ググググ……!!!
せつ菜「っ!?」
摩央「っ…………やぁぁぁ!!」グリン!!
カキィン……!!!
果林「っ!!やぁっ!!!」バッ!!!
スウッ……!!!!!
果林「くぅぅ!!」
ぽてん!!トッ、トットットッ……!!
アキバレポーター「摩央ちゃん上手い!!!!!ライト線側に落としたー!!長打コースだあああ!!」
トットットッ……!!!
彼方「うひー!代わった所に飛ぶんだからランジュちゃんの所に飛んでよー!」飛びました
アキバレポーター「さぁフェンス際で回転の掛かったボールがバウンドする!!彼方ちゃん上手く処理出来るか!?」
摩央「(処理がもたついたら3塁までーーー!!)」タッタッタッ!!
アキバレポーター「摩央ちゃんは2塁へ向かうー!!」 カシャン!ぽてっ、ガシャン!!
彼方「おおぉぉぉっ!?」
ぽてっ…
彼方「ーーーそこだぁ!」パシッ
アキバレポーター「彼方ちゃん捕った!が、ワンバウンド多いか!?」
かすみ「彼方せんぱーい!!」
彼方「かすみちゃーん!!」ピュンッ…っ!
摩央「ーーー3塁、行く!!」ダダダッ!
アキバレポーター「摩央ちゃん緩めずに3塁へ向かったー!」
ひゅぅぅーーーん……ぽてっ…
かすみ「あ゛ーーーーん゛!!!彼方先輩肩弱いですー!!」パシッ
かすみ「サードぉぉ!!」ピシュ……っ!
ひゅぅぅぅーーーん……ぽてっ…
ランジュ「きゃあ!かすみも肩がとても弱いわ!!!!」
摩央「ふっ……!」ズザァッ!!
セーーフ!! ドワァァァ!!
アキバレポーター「セーーフ!!摩央ちゃん3塁到達ー!ここでスリーベースが出たァァァ!!」 >>289
ぎゃースタメン発表の時は間違えてなかったのn辞書登録します 千砂都「やったぁ!!ノーアウト3塁!!」
クゥクゥ「摩央サマ……抱いて……」
悠奈「駄目だよ!!!」
恋「絶好の好機が来ました!!!すみれさん!!」
すみれ「…………っ!」スクッ!
アキバレポーター「摩央ちゃん……素晴らしい打撃を見せました!」
アキバレポーター「タイミングを外すチェンジアップに上体が突っ込みかけましたが軸足を必死に堪えーーーそこから腰を残しつつ最後は左肘を抜いて右手で押し込んでの流し打ち!!」
アキバレポーター「これぞ正にーーー」
ランジュ「あなた、ヘンタイなのね」
摩央「!?」
アキバレポーター「変態打ち……もとい、曲芸的なバッティングでした!!」
アキバレポーター「さぁノーアウト3塁で4番すみれちゃんと言うとんでもない山場が突如訪れたァー!!」
せつ菜「歩夢さん……!すみません!」
歩夢「せつ菜ちゃんが謝ることじゃないよ!今のはバッターの摩央さんが打つのが上手だっただけ」
愛「とは言え、この状況をどうする?1点は覚悟だよ」
せつ菜「いえ……!0点で凌ぐことを考えましょう!!」
果林「当然よね。それで、どうするの?」
せつ菜「まず4番のすみれさんとは勝負です。1打席目と同じように力んで貰えれば確実に打ち取れるハズです!」
せつ菜「そして5番の恋さん。彼女は最悪フォアボールになってもいい攻めをします」
せつ菜「その後に続く、先程からベンチで休んでいる6番のかのんさん。スイングの弱い7番クゥクゥさんで打ち取れれば0点で凌げて次の攻撃も8番からです!」
愛「当然スクイズは警戒だよね」
せつ菜「勿論です。内野は超前進です。歩夢さんはとにかく低めに集めて空振りないしタイミングを崩した内野ゴロを打たせることに集中して下さい!」
歩夢「任せて!」
かすみ「エラーだけはしちゃ駄目ですよ!」
ランジュ「あら、かすみが一番心配だわ」
かすみ「かすみん守備は頑張って出来るようになりましたもん!!」
歩夢「うん!かすみちゃんの守備信頼してるよ!」
かすみ「ううううぅぅ……!」ドキドキ…! せつ菜「さぁ!守りましょう!!」オーーー!
侑「皆……頑張れ……!」
しずく「皆さーん!集中です!!」
栞子「防ぎましょう!」
ミア「…………」
すみれ「……………」ギュッ……
千砂都「すみれちゃん!!力まずにね!!」
恋「すみれさん!リラックスです!!」
クゥクゥ「ここで凡退したら承知しないデスよ!!」
すみれ「…………」チラッ
かのん「……んしょ!」
かのん「すみれちゃん……がんばれ……」
すみれ「……ボロボロじゃない。エース様」
かのん『私達にとってサニパは越えなきゃいけない壁なんだよ。そんなサニパに何もかも頼りきりになっちゃったら、私達いつまで経ってもサニパに追いつけないよ』
かのん『だからピッチャーだけは、ピッチャーだけは譲りたくない……!!!』
すみれ「(打ってやるわ。絶対に点を入れて少しでも楽にしてあげる……!!!)」ザッ
すみれ「っ……!」
愛・かすみ・果林「っ!」ザザッ…!!
サヤ「超前進守備……ランジュ様も投球と同時に前進しますでしょう。スクイズを警戒しつつホーム突入も許さない構えですね」
千砂都「も〜!すみれちゃんを甘く見て〜!いつも通りに打てれば確実に点を入れられるよ!頑張れすみれちゃん!」
クゥクゥ「打つしか無いですよー!!!」
すみれ「当然ったら当然よ……!打つだけよ!!」 せつ菜「(初球から厳しく行きます)」
歩夢「(うんっ)」
歩夢「ふっ…!」シュッ
ふわっ……!
すみれ「えっ!?(ぶつかる…っ!?)」
くくっ…くくくっっ…!!
すみれ「うっそ…!?」
パシィ! ストライーク!!!
せつ菜「ナイスボールです歩夢さん!最高の1球目です!」
アキバレポーター「なんと初球はすみれちゃんの膝元!インローにスローカーブをコントロールしてみせました歩夢ちゃん!」
アキバレポーター「すみれちゃんは足を動かされた……!」
せつ菜「(もう1球内です)」
歩夢「やぁっ!」ポムッ
ひゅーーん……
すみれ「(まっすぐーーー!!!)」
すぅっ……
すみれ「!!」
ぶんっ!!! ストライクツー!!
千砂都「あぁっ……!」
クゥクゥ「また2球で追い込まれましたー!」
悠奈「まだまだ!縮こまらないで!!」
すみれ「(まっすぐ……まっすぐだけ……!)」フゥ、フゥ……! せつ菜「……」
せつ菜「(ここも完全に気負いすぎています。後はもうストライクゾーンは必要ありません)」
せつ菜「(まず外にまっすぐを外します)」
歩夢「えいっ!」
ふわぁぁん…!
すみれ「(まっすぐ!!)」ザッ…!!
すみれ「(でもボール球…!)」ググッ!
パシッ! ボール!
すみれ「ふぅ〜〜……!」ギュッ…
せつ菜「(完全にまっすぐだけに絞っていますね。ですがもうゾーンの中には投げませんよ)」
せつ菜「(次は顔の高さにまっすぐです。高めに目線を上げて軌道も植え付けて、最後は外にぽーむを落として三振です!!)」サイン パパッ
歩夢「(……うんっ!)」コクリ
歩夢「(すみれちゃんは明らかに私のストレートを狙ってる……高めに外す球だけど絶対に低く行っちゃダメ!)」
歩夢「(外すのだから、顔よりも少し高めに外す位の気持ちで!)」ピシュ!
ふわぁぁん!
せつ菜「(いい高さです!これでしっかり目線を上げて貰っーーー)」
すみれ「……っ!!!まっすぐ!!!!!」ガバァッ!!!!
せつ菜「!?」
キャアアアアン!!!!! せつ菜「なっ……えぇっ!!!?」
アキバレポーター「すみれちゃん顔より高いボールを大根切りィィィーーーーー!!!!」
愛「エマっち!!!タッチアップ!!」
エマ「オーライ…!行くよ……!!」
アキバレポーター「エマちゃん僅かに左中間寄りに移動!そして定位置より3歩後ろに下がったか!?これは犠牲フライかぁ〜〜!?」
摩央「フゥ……」スッ…
すみれ妹「捕ったらGo、捕ったらGo……!!」
タタッ…………パシィ!
すみれ妹「ごーーーー!!!」
摩央「ふっ!!!」ダダダッ!!
愛「エマっちー!!ここー!!!」
エマ「っ…!!愛ちゃん!!」ビシュ!
しゅーーーーん……!
愛「っ…!!間に合えええええ!!!」ビシュッッッッ!!!
ぎゅううううううううう゛う゛ん!!!
アキバレポーター「タイムロス無しで愛ちゃんからバックホーーーム!!!」
恋「摩央さん!!」
摩央「はぁっ!」ズザァッ!!
バシィッッ!!!バッ!!!
せつ菜「っぁ!!!!!」ガバッ!! せつ菜「……!!!」
摩央「お先に……」
っセーーフ!!セーーーーーフ!!!!
恋「っ!!!」ピョーン!!
アキバレポーター「セーフだああ!!タッチアップでチームLiella!が次の1点!!中盤で2点目を取ったあああ!!!」
すみれ「ハァ、ハァ……」←フライでも全力疾走
千砂都「やったー!!2点目だー!!」
悠奈「あははっ!完全にボール球!!でもナイス!ナイスだよすみれちゃん!!」
かのん「やった、やった…すみれちゃん……」
クゥクゥ「ククは信じとったデスー!!」テノヒラクルー
すみれ「点、入った……」
すみれ「やっ…………たぁ……!!!」グッ!!
アキバレポーター「すみれちゃん渾身のガッツポーズでベンチに戻ります!!」 せつ菜「………ぐぅっっ!!!」
せつ菜「(まさか、そんな……!ボール球ですよ!?頭よりも高く外れていたボールだったのに!!)」
侑「2点目、取られた……」
栞子「まさか、あんな打ち方を……」
しずく「…………」
しずく「あんな、打ち方……ありなんですか……?」ゾクッ……
エマ「うぅ……間に合わなかった……」
かすみ「歩夢先輩、2失点目…」
ランジュ「……」
歩夢「ふぅ〜…………」
歩夢「1アウトーーーー!!ランナー無くなったよーー!!」
「!!!!!」
歩夢「まずはこの後をしっかり守ろうー!」
歩夢「ミアちゃんも言ってたよね!終盤に絶対チャンスが来るって!」
歩夢「だからこの後を0点に抑えよう〜〜!!」
愛「歩夢……」
せつ菜「歩夢さん……」
侑「っ……!そうだよ歩夢ー!みんなー!ここから守ろうー!」
しずく「もう一度集中です!!」
かすみ「はいっ!守りましょう!」
果林「その通りね!さぁバッター来なさい!」
栞子「……正にエース、ですね。歩夢さん……!」 せつ菜「……!」パンッパンッ!
せつ菜「(歩夢さんの言う通りです。切り替え、切り替え!!)」
恋「(まだまだここからです!)」
恋「(わたくしが出て、脚を絡めてあわよくばもう1点取れれば……!)」
歩夢「たぁっ!」
ふぁっ…くくっ!!
恋「(カーブ!届きます!!)」
カキィン…!!
歩夢「っ!」バッ!
アキバレポーター「得点直後恋ちゃん初球強襲ー!歩夢ちゃんの横を抜けてセンターに抜けるかーーー!?」
かすみ「〜〜〜〜やぁっ!!」パシッ!
アキバレポーター「いや!かすみちゃん追いついた!」
愛「かすみんパス!!」
かすみ「!」
かすみ「愛先輩!!」ヒュッ!
愛「らぁっ!!」パシッ ビシュッ!
果林「ナイス!!!」バシィ!
恋「な……っ!?」
アウト!アウトォォ!!ドワァァ!!
アキバレポーター「アライバきたー!!!」
アキバレポーター「センター前に抜けようかと言う恋ちゃんの打球を虹ヶ咲の三遊間が防いだー!」 愛「ナイスかすかす!」
かすみ「かすみんです!!!」
愛「ジョーダンジョーダン!」ガシガシ
かすみ「きゃー!頭ガシガシしないでくださいー!」
ランジュ「ナイスプレーよ!2アウト!」
歩夢「愛ちゃんかすみちゃんありがとう!2アウトー!」
かのん「……」フラ…
千砂都「かのんちゃん!」
かのん「…任せてちぃちゃん。まだまだ私からチャンス作るよ……」
すみれ「違ーう!」
かのん「?」
サヤ「この打席かのん様はスイングしてはいけません。打席に立ってるだけでアウトになってきて下さい」
かのん「えっ…?!」
クゥクゥ「えっではありませんよかのん!かのんはまだ投げるのでしょう!?ここは体力温存デス!」
悠奈「皆の言う通りだよ。まだ、マウンドで投げるんでしょ?」ニコッ
かのん「……」
かのん「うん。分かった。行ってくる」 かのん「……」スッ
せつ菜「!」
アキバレポーター「おおっと、ここはかのんちゃん打席の隅に立ちバットも肩に乗せるだけで構えます」
アキバレポーター「前の回素晴らしい投球を見せただけに次の回へ向けてここは体力温存でしょうか?!」
せつ菜「ふぅ……」
せつ菜「(まずここは3球でアウトを貰いましょう)」
歩夢「うん…!」
ピシュ ストライーク
ピシュッ ストライクツー
ピシュ ストライーク!バッターアウト!
かのん「はぁ、ふぅ……。よし……」
千砂都「かのんちゃん!バットとヘルメット頂戴!片付けるから!」
かのん「あっ。ありがとうちぃちゃん」
クゥクゥ「まさかのすみれのバッティングで1点を追加出来ました!守りましょう!ククも頑張って守ります!!」
すみれ「まさかは余計だけど、クゥクゥの言う通りよ。私達が守るわ。あなたはこの点差とマウンドを守りなさい」
悠奈・摩央「……」ニコ…
かのん「みんな……ありがとう……!」
かのん「よぉし…!皆、5回行くよ!!」ダッ
千砂都「あっ!かのんちゃん待って!」
「今からグラウンド整備を行いますよ!澁谷さんベンチへ戻ってください!」
かのん「ぶへーーーー」ズコー
千砂都「かのんちゃあああぁぁぁん!!!!」၄(cʸ„o □ oリ၃ 一旦ここまで。グラウンド整備して5回表から再開します 佐々木朗希みたいな選手はAqoursにいるのかな? アキバレポーター「只今の時間はグラウンド整備が行われております。7イニング制なので4回終了時な訳ですね〜」
アキバレポーター「また先程の実況でワタクシ二遊間を三遊間と言い間違えてしまいました!訂正してお詫び申し上げます!いやはや、これでは某野球漫画の一二遊間誤植に言及出来ませんね!以後気をつけます!」
アキバレポーター「さてさて、スクリーンには両チームのライブ映像も流れておりますが、両ベンチはこの時間どのように過ごしておりますでしょうか?!」
===
侑「皆!あのピンチをよく1点で凌いだよ!」パチパチ
栞子「歩夢さんよく粘られました」パチパチ
歩夢「うん……0点に抑えられたらよかったんだけど……」
せつ菜「歩夢さんは一切の投げミスありませんでした。私の責任です!」
愛「いやいや、摩央ちゃんの粘り腰もすみれちゃんの大根切りも打った方を褒めるしかないよ。ゆうゆの言う通り1点で抑えられたことをポジろう!」
璃奈「愛さんの言う通り。璃奈ちゃんボード『(*^◯^*)』」
果林「そうね。さぁ、ここからの終盤必ず来るチャンスをモノにするわよ」
果林「そうでしょう、ミア?」
ミア「………………」
エマ「ミアちゃん…?」
ミア「……え?あぁ、よくあの場面を1点で抑えられたと思う。流石だ歩夢」
歩夢「う、うん……」
かすみ「ちょっとぉ!ミア子!何凹んでんの!まさかもう勝つの諦めたって言うの!?」
ミア「……まさか。少し考え事をしているだけさ。出来れば静かにして欲しいかな、子犬ちゃん」
かすみ「ぬぬぬぬぬぬぬ……!!!なんなんですかその態度はー!」
璃奈「……」
彼方「まーまー。それよりもかすみちゃん。今いい感じのインターバルっぽいしアレ出しちゃわない?」
かすみ「ハッ!確かに今最高のタイミングですね!では彼方先輩、お出ししましょう!」
彼方「ラジャー♪」 かすみ・彼方「じゃじゃーん!」
「おぉ〜」
かすみ「お手軽に食べられる補給食です!かすみんは定番のコッペパン!」
彼方「彼方ちゃんも定番のレモンの蜂蜜漬け〜。それとアーモンドチョコレートを特製ミネラルたっぷりジュースと一緒にどうぞ〜」
「わーい!」
エマ「ん〜〜♡ボーノだよ〜♡」
ランジュ「とっても美味しいわ!かすみ!彼方!」
彼方「フフフ〜我々はこういう面で貢献しなきゃだからね〜」
かすみ「かすみんはプレーでも貢献しますもん!あ、はい歩夢先輩どうぞ」
歩夢「かすみちゃん、ありがーーー」
ポロッ……
歩夢「あっ……!」
かすみ「はわ!」
愛「おっと!セーフ!」
歩夢「あ、愛ちゃん……!ありがとう!落としちゃうところだったよ〜!」
かすみ「ホッ…歩夢先輩、愛先輩ゴメンナサイ。ちゃんと最後まで持てていませんでしたかもです〜」
愛「落ちなかった訳だし気にしない気にしない♪歩夢はこの回打席回ってくるからね。しっかり栄養補給してまだまだ頑張らないとだね!」
歩夢「うん!」
侑「……歩夢?」
ミア「…………」
歩夢「もぐもぐ…うん!美味しい♡ 少しお腹膨らませて、この先も頑張るよ!」
かすみ「えへへ」ニコニコ
かすみ「ーーーハッ!!!?」
しずく「っ!?」ビクッ
かすみ「にししし……かすみんいいこと思いついちゃった〜♪」 ===
『始まりは君の空〜♪』
すみれ「(そう言えば、今日2試合した後にライブパフォーマンスするのよね)」
かのん「はぁ、ふぅ……今のズッコケで何か疲れた……」
クゥクゥ「かのん〜……」
すみれ「(ウチのエース様、ライブ出来るのかしら)」
すみれ「(まだ1試合目でこんなになっちゃって……)」
すみれ「(出来るだけ私達が援護してあげなきゃね…!!)」グッ
すみれ「ほら、かのん!アミノ酸摂れるゼリー飲料!あげるからしっかり飲みなさい!」
千砂都「かのんちゃん私も!カロメ持ってきてるから食べて!」
かのん「2人ともありがと……いただきます」パク…モソモソ…
サヤ「申し訳ございません。昼食の用意はしてきたのですが試合中に摂れる軽食・補給食は十分ではありませんでしたね」
かのん「そんなことないですサヤさん。バナナいただけましたし。えへへ、お昼ご飯も楽しみだなぁ」
恋「かのんさん……大丈夫ですか?」
かのん「うん…!大丈夫……!」スクッ…
かのん「皆が取って、守ってくれた2点差。絶対に守ってーーー」
グゥ〜〜〜〜〜…………
かのん「…………」
かのん「お腹すいた……」フラ~…
クゥクゥ「アイヤー!かのーーん!しっかりしてください〜!!」
かすみ「Liella!のみなさ〜ん。可愛いかすみんがちょ〜〜っとお邪魔しますよぉ〜」ササッ
「!?」 璃奈「あれ、かすみちゃんが向こうのベンチに行ってる」
果林「ちょ、かすみちゃんってば何ちょっかい出しに行ってるのよ…!」
栞子「一体何を……」
===
クゥクゥ「むむ?!相手チームの人が突然何デスか!?ハッ、まさか……スパイ!?」
悠奈「何だとー!?ズルはダメだよ!」
かすみ「フッフッフ……そんなことをしに来た訳ではありません!」
かすみ「かすみんは〜折角の交流の機会ですのでこのコッペパンの差し入れをお持ちしたのです〜♪」ジャーン
恋「まぁ……!」
かすみ「見たところかすみん達のように補給食を用意してないみたいですねぇ。と言うことで是非かすみん特製コッペパンを召し上がってくださいな!」
ありあ「凄い、綺麗な見た目で美味しそう」
かすみ「そうでしょうそうでしょう♪さぁさぁしぶ子、どうぞ〜」
かのん「ホント?いいの?美味しそう……♡」フラフラ…
かすみ「(にしし…!) 」
すみれ妹「駄目だよ!」
かすみ「ほぇっ!?」
すみれ妹「知らない人から食べ物とか何かを貰ったり、ついていったら駄目なんだから!」
すみれ「……!(偉いわ我が妹よ!)」ナデナデ!
クゥクゥ「確かにその通りデス!もしかしたらそのコッペパンを使ってかのんのお腹を壊すつもりでは!?」
千砂都「……」ムムッ
かすみ「ななななな!そんなことする訳ないじゃないですか!!」 かすみ「かすみんはあくまでもスクールアイドルの交流として〜!」アセアセ
クゥクゥ「慌ててて怪しいデス〜!」
すみれ「そうね……!」
恋「とにかくかのんさん、そちらのパンを召し上がるのはーーー」
かのん「〜♪」ノ√cัo’ᴗo)、モグモグ
千砂都「わー!?かのんちゃん食べてるー!!」ガビーン
かすみ「(やりましたー!大成功♪)」
かすみ「(それはかすみん特製の超ハイカロリーコッペパン!!)」
かすみ「(オートミールを使って作ったパンで栗羊羹とバナナをムース状にしたものを挟んで、はちみつレモンたっぷりのソースを添えたかすみんの自信作!)」
かすみ「(本当は歩夢先輩達に食べさせてお腹パンパンにしてしまいかすみんの華麗な活躍を一層目立たせるために作ってきましたが、こんな使い道もあったなんて〜)」ニヤニヤ
かのん「はぁ…♡美味しかった♡」ドリンクゴクゴク
かすみ「(にしし!水分も摂ることでオートミール入りパンがお腹の中で膨らみます!これでしぶ子は動けなくなってしまうに違いありません!かすみん達の勝利です〜!!)」 千砂都「か、かのんちゃん大丈夫!?」
かのん「うん!美味しかった!」
すみれ「美味しかった!じゃないわよ!変なもの入ってないわよね!?」
かすみ「むー!失礼な!そんな食べ物を粗末にするようなことかすみんしませんもん!」
サヤ「……」パク…
サヤ「そうですね。栗羊羹とバナナが具で、ソースははちみつレモン味。パンに含まれているのは…オートミールでしょうか」
サヤ「これは……非常に効率の良い補給食ですね。糖質カロリー、アミノ酸を素早く吸収出来るように調理されています」
かすみ「……ほぇ?」
かのん「うん……何か、食べた瞬間に少し元気出てきたかも…」
かすみ「な、なんですと!?」
かのん「お腹ペコペコなのも満たされたかも。かすみちゃん、ありがとう…!」
かすみ「え、えええぇぇぇ!?」
すみれ「いや、何よその反応」
かすみ「い、いいえ!?お味の方がちょーーっと自信無かっただけですから!」
かすみ「美味しく召し上がって貰えたのなら何よりです!それではかすみんはこれで!勝負はまだまだこれからなんですからねー!」タタッ
千砂都「……何だったんだろ」
===
かすみ「……」トボトボ
果林「ちょっとかすみちゃん、何してきたのよ?」
かすみ「えっと、その……」
かすみ「敵に塩を送ると言いますか……」
栞子「しお?」
愛「ちょー!塩送ってる状況じゃないっしょー!?何やってんのさーかすかすー!」
璃奈「あれは…カッス!?」
かすみ「かすみんです!かすでもカッスでもないですー!!」
しずく「かすみさん!メッだよ!!」
かすみ「ふええぇぇん!こんなハズでは〜〜!!」ヒーン
赤字「かすみは相手チームに塩を送ってしまった。かのんの体力が少し回復した!」ブビー
青字「この試合での勝利時、取得経験値が上がった!」ピロン 敵に塩を送る。戦国サクセス(パワプロ2011決)を思い出した。 こうでもしないとLiella!が弱すぎるんだろうけどさすがにかのんちゃん強すぎじゃない? むしろ恋ちゃんとかヒットになってないだけで安定して打ってるし、ちぃちゃんもバランス良くない?
グループとして少ないんだろうけど このかのん、虹との死闘にすべてを出し尽くしてAqoursにウソのようにボロ負けしそう アキバレポーター「さぁ〜!グラウンド整備も終了して5回表の攻防に入ります!」
球審「投球練習、3球!」
かのん「ふぅ…」スッ…
かのん「くっ…!」ピシュ…!
恋「っ!」パシッ
シュッ…ドッ!バスッ
彼方「(おや〜?)」
かのん「えいっ…!」
恋「(また高めに抜けて…!)」パシッ
かのん「(あ、あれ……?)」
悠奈「……」
彼方「(ふむ。これまた前の回とは別人だ)」
彼方「(これなら彼方ちゃん達下位打線でもチャンスがあるのでは?)」チラッ
ミア「…………」
彼方「(でも、ミアちゃんはまだ考え中みたい)」
彼方「(サインが無いなら、彼方ちゃんが自分で考えて塁に出る方法を考えなくちゃ!)」
ミア「……」 恋「かのんさん!」ガッシャガッシャ
かのん「あはは…我ながら酷いね」
恋「握力、ですか…?」
かのん「ううん、握力はまだある…。脚の踏ん張りがきかないのかな……?」
かのん「でも大丈夫。絶対抑えてみせるから…!」キッ
恋「……」
恋「かのんさん1人で投げないで下さいね。わたくしがかのんさんをリードしますし、後ろには千砂都さん達が守っているのですから…!」
かのん「っ…!うん……ゴメン」
恋「ここは女房役のわたくしを信頼してください♡」ニコッ
かのん「……」
かのん「ふふっw」
恋「どうして笑うんですか!?」ガーン
かのん「ゴメンゴメン!ありがとう!」
恋「も、もう!まずはこの回下位打線を3人で抑えますよ!」
かのん「うん!」
かのん「(1人で投げない……その通りだね……)」
かのん「("私が"投げる。そこは絶対に譲りたくない……)」
かのん「(でも、そこから皆で守り抜くんだ……!この点差を!)」 アキバレポーター「さぁ虹ヶ咲は7番彼方ちゃんから!下位打線からですがランナーを貯めて上位打線に回せるか〜!?」
彼方「(彼方ちゃんは幸運の置き物。当然ここは、見る!)」
かのん「やぁ……っ!」ピシュ…
バシッ ボール!
バスッ ボールツー!
恋「(ストレート2球とも高めに…でしたらーーー)」
かのん「ん゛っ…!」シュッ…
くくっ…
ドッ バシッ… ボールスリー!
恋「(カーブは変化します…!ストライクゾーンの中に入れば…!)」
果林「いいわよ彼方!」
愛「カナちゃんナイ選!」
彼方「(おうともさ。このままフォアボール狙いでーーー)」
かのん「〜〜っ!」ビシュ
パンッ! ストライーク!
パシッ! ストライクツー!
彼方「むむむ…!」
アキバレポーター「かのんちゃん…!明らかに前の回の全力投球が響いています!球速もコントロールもガタ落ち!それでもフルカウントまで持ち込みました!」
アキバレポーター「さぁ彼方ちゃんはここからどう出る!?」 彼方「(彼方ちゃんはファールをわざと打つようなバッティングは出来ない。当たったら前に飛んじゃう)」
彼方「(それならやっぱり最後までフォアボール狙いで振らずにーーー)」
遥「お姉ちゃーん!!打ってー!!」
彼方「!!」
彼方「(遥ちゃん…!!!)」
彼方「……」
彼方「…………!!」ギュッ
恋「(フルカウント……高めに抜けるのが怖いですが、やはりここはストライクを2つ取れたーーー)」
かのん「(ストレート…!)」ピシュ…!
しゅるる……!
彼方「……っ!やああああああああ!」ザッ
コキィン……!
かのん「!」
アキバレポーター「彼方ちゃん打ったー!!」 エマ「彼方ちゃんが外野まで飛ばした!」
しずかすりな「落ちてえぇぇー!」
彼方「落ちろぉ〜!」
すみれ「……っ!」タタタッ!パシッ!
彼方「あっ……」
アキバレポーター「センターすみれちゃん猛ダッシュでナイスキャッチ!彼方ちゃん惜しい〜〜!!!」
すみれ「っし!前に出てて正解だったわ!」
すみれ「(全部私の所に飛ばしなさいかのん!絶対に全部捕ってあげるんだから!)」
かのん「ふぅ……」
恋「……」
恋「(振りの速度が決して鋭くない近江さんに外野まで運ばれました)」
恋「(やはりかのんさんは先程の回を投げきって限界をーーー)」
恋「(…っ、ですが!それでもかのんさんはLiella!のエースとしてマウンドを譲らないと仰るのです!)」
恋「(その程度の我儘……いえ、意地を受け止められず、導くことも出来ず何が女房役ですか!)」
恋「すみれさんナイスプレーです!かのんさん!どんどん投げ込んでいきましょう!」
かのん「はぁ、ふぅ…。うん!」 彼方「うぅ……」トボトボ タッタッ…
遥「お姉ちゃん……」
彼方「(今打った球、凄く際どい高めの球だった……)」
彼方「(見逃していたら、フォアボールだったかも……)」
ミア「……」
ミア「("勝つためのプレー"なら、待球だったと思う)」
ミア「(けれどーーー)」
遥「お姉ちゃーん!惜しかったよー!!」
彼方「っ!遥ちゃん……」
「良い当たりだったよ彼方ちゃーん!」
「惜しかったー!」
「しゃっきりさんで野球する彼方ちゃんも可愛いよー!」
彼方「みんな……」
アキバレポーター「凡退こそしましたがフルスイングで打球を放った彼方ちゃんに声援と拍手が送られています!」
せつ菜「彼方さん…!惜しかったです!」
栞子「紙一重でした。それに、外野まであれだけの強い当たりを放つことが出来たのは初めてだったのではありませんか?」
侑「うん!ナイスバッティングだったよ彼方さん!」
侑「歩夢も頑張れ!!絶対打てるよ!!」
歩夢「うん!」
ミア「("虹ヶ咲らしさ。彼方らしさを魅せるプレー"は、今の……)」
ミア「(いや、けれど結果を伴わせるには何かあと一歩が足りなかった)」
ミア「(そのあと一歩はーーー)」 アキバレポーター「さて1アウトとなり8番歩夢ちゃん!第1打席は初球を打ってセンター前ヒットでした!」
歩夢「(まだまだここからだよ!私が出塁して、璃奈ちゃんが送れればランナー2塁でエマさんに回る!)」ギュ……
歩夢「……」
歩夢「っ!」ギュッ!
恋「(直球なら何とかストライクを取れそうです。そこへカーブを上手に混ぜて……!)」
かのん「っ!」ピシュ…
しゅるる…パシッ ストライク!
歩夢「(コースは外一杯。でも高さは中途半端。ボールの速さも落ちてる)」
歩夢「(かのんちゃん、今投げるの凄く大変だよね。分かるよ)」
歩夢「(でも、ずっと投げていたいよね。それも分かるよ…!同じピッチャーだもん!)」
歩夢「(だから、だからこそーーー!)」
かのん「はぁっ…!」シュッ…
しゅるる……!
恋「(っ…逆球!内寄りに!)」バッ
歩夢「やぁっ!!」
ボコン!!!!
千砂都「あっ…!」
サヤ「くっ!」
歩夢「(私、このまま負けたくないよ!)」タタッ
ぽてーん!
アキバレポーター「レフト前に落ちたー!直前の彼方ちゃんと似た打球でしたが今度こそヒーーット!!」 歩夢「やった…!」タタタッ
果林「ナイスバッティング!歩夢!」
歩夢「果林さん!はいっ!」
果林「と言っても凄く根っこに当たったわね」クスッ
歩夢「あはは…。夢中で振ったからあんまり格好良くなかったかも」ジンジン…
果林「それでもヒットはヒットよ。ここからチャンスを広げましょう。牽制には注意してね」
歩夢「うん!」ビリ…
歩夢「……」
歩夢「(思い切り振ったのに根っこで打っちゃったから、ちょっと手が痺れちゃった)」ビリビリ…
アキバレポーター「さぁ1アウト1塁となりましてラストバッター璃奈ちゃん!」ワーワー!
璃奈「(ここは絶対に歩夢さんを2塁へ送る!)」
恋「(ーーーそう、天王寺さんはお考えでしょう)」
恋「(ですが簡単には当てさせませんよ!)」サイン パパッ
かのん「(うん…!)」コクリ 同じ日に2試合やるとなるとかなりキツい状況だなこれ? 投手陣が自滅and自滅っぽくなってるの草
野手陣まったく攻略できてない かのん「やぁっ…!」シュッ!
ふっ…くくっ…!
璃奈「わっ」
コキッ!ぽてっ ファール!
璃奈「カーブ……」
恋「(高めのボール気味でしたが、もう1球カーブ行きますよ…!)」
かのん「ふっ!」
璃奈「(ボールと軌道をよく見て!)」サッ
コキィィン!
ぽーーーん!!
璃奈「あっ…!」
千砂都「恋ちゃん!上!!」
恋「はい!!」バッ
フェア!! パシッ!
千砂都「セカン!!」
恋「はいっ!!」ピシュッ!
璃奈「あっ…待って……駄目…!!」タタタッ…
千砂都「えいっ!」パシッ シュッ!
パシィ! アウトォ!
アキバレポーター「のあーーっと!ダブルプレーだぁぁ!」
アキバレポーター「璃奈ちゃん送りバントを試みるもホームベース付近に跳ね上げて2-6-3と渡りました!」
アキバレポーター「変化球を転がすのはなかなか難しい!とは言え痛恨のゲッツーとなってしまいました……!」 かのん「よ、よぉし……!」グッ
悠奈「ナイスピー。かのんちゃん!」ポン
かのん「悠奈さん…ありがとうございます…!」
「かのんちゃんがんばれー!」
「ナイスピッチングー!」
かのん「お客さん……みんな…」
かのん「(あと、2イニング……!)」
===
璃奈「みんな、ゴメン……」
愛「どんまい!狙いは悪くなかったよりなりー!」
かすみ「くぅ……歩夢先輩の脚があと8m長ければ……」
歩夢「無茶言わないで欲しいなぁ」
かすみ「わぁ!歩夢先輩戻ってくるの早っ!」
歩夢「ふふふ♡」
かすみ「ひょえぇぇ…!かすみんこの裏の守備もしっかりやりますよぉぉ!」ダダッ
歩夢「うん!皆もよろしくね!」
エマ「任せて!私もすみれちゃんみたいに飛んできたボール全部捕っちゃうんだから!」
せつ菜「さぁ!守りましょう!ここを守れば次は1番からです!」オー!!!
侑「歩夢!はい!水分摂って!」
歩夢「侑ちゃん…!ありがとう!」
歩夢「んく、んく……」
歩夢「ふぅ…!よしっ、行ってくるよ!」
侑「歩夢!」
歩夢「なぁに?侑ちゃん?」
侑「えっと……」
侑「っ……!この回も踏ん張れ!!歩夢は全然投げ負けてなんていないから!!」
歩夢「……うん!見てて!抑えてくるから!」タッ!
侑「歩夢……!がんばれ…!!」 ドワァァァ!!
「歩夢ちゃーーん!!」
「歩夢ちゃんがんばれー!」
「虹ヶ咲がんばれー!!」
アキバレポーター「Liella!にも虹ヶ咲にも大きな声援が送られる中試合は5回裏に入っていきます!」
アキバレポーター「特に両投手へのエールは激しさを増すばかり!点差は2点ありますが試合は完全に投手戦となっております!」
アキバレポーター「さぁそして5回裏チームLiella!の打順はこちらも7番から!クゥクゥちゃんが打席へと向かいます!」
ミア「…………」
ミア「(歩夢はヒットこそ打ったけれど、彼女らしさを垣間見える内容ではなかった、のかな……)」
ミア「(そして璃奈のバント。セオリー通りで間違いの無い選択だった)」
ミア「(けれど、あれもどこか璃奈らしさは感じられなかった)」
ミア「(もし、もしも……虹ヶ咲の個性を全力でプッシュしつつ結果が伴えばーーー)」
ミア「shit……全部ボクのせいだ」
栞子「ミア?」
ミア「いや、何でもないよ。それよりも栞子」
ミア「ブルペンへ行こう。肩を作るよ」
栞子「!」
球審「ラスト1球」
歩夢「えぃっ!」
歩夢「……」グッ、パッ…
歩夢「(うん。大丈夫…)」
歩夢「……あれっ」
栞子・ミア「……」スタスタ
歩夢「(栞子ちゃんがブルペンに…!!)」
歩夢「(そうだよね。虹ヶ咲は投手王国だもん。私だけが投げ続ける必要なんて無いよね)」
歩夢「…………」
歩夢「(でも、何でだろう)」
歩夢「(今、私)」
歩夢「(この場所を誰にも譲りたくないって思ってる……!!!)」ギュッ…! クゥクゥ「よぉぉし!打ちますよ〜!」
歩夢「……」
歩夢「(打たせないよ……!)」スッ
歩夢「(かのんちゃんよりも先に、マウンドを降りるなんて嫌だもん!)」ピシュッ!
ふわっ……!!
クゥクゥ「ひょわ!?(すっぽ抜け!?)」
くくっっ……!!くくくくくっ…!!!
パシッ! ストライィィィク!!
クゥクゥ「」6cƠ□Ơ∂
アキバレポーター「初球ストライク!それにしても何て大きな変化のカーブでしょう歩夢ちゃん!」
アキバレポーター「尻上がりに制球力と変化球の精度が増しております!!」
せつ菜「(歩夢さんもここに来て最高潮です!どんどん攻め込みますよ!)」
歩夢「(勿論だよ!)」
歩夢「やぁっ!!」ピシュ!
クゥクゥ「ひょわ!?(今度こそぶつかる!?)」ビクッ
パシィ! ストライクツー!!
クゥクゥ「アェ!?インコース一杯……?!」
せつ菜「(3球勝負です!)」サイン パパッ
歩夢「(うん!)」コクリ
歩夢「(もう1球、スローカーブ!)」ピシュ!!
ぐわっっ…!!くくくくっっ……!!
クゥクゥ「〜〜〜〜!!!エイヤー!!」
ブンッ!! バシッ!
ストライーク!バッターアウト!!
アキバレポーター「キタ━━ヽ(≧∀≦) |ズ|バ|ッ|と|三|振|毎|度|あ|り|っ|!|(≧∀≦)ノ━━!!!!!」 せつ菜「ナイスボールです歩夢さん!!」
歩夢「うん!」
「歩夢ちゃーーーん!!!」キャーキャー
「ナイスピッチ!!!」
「贔屓の先発ローテに入って〜〜!!」
「ウチの未来を担って〜〜!」
アキバレポーター「寄せ付けません歩夢ちゃん!7番クゥクゥちゃんをいとも簡単に片付けました!スタンドからも歩夢ちゃんへの声援が大きくなっていきます!」
ドワァァァ!!!ワーワー!!!きゃ〜〜〜!!
虹ヶ咲メンバー「…………!!!」
かすみ「ぬぬぬぬ……!歩夢先輩にばっかりエールの声がぁ!」
ランジュ「ふふ…やるわね、歩夢!!!」
愛「(くそぅ、不甲斐無い……!)」
果林「(この声援、歩夢にだけ一人占めなんてさせないわ!)」
エマ「ばっちこ〜〜〜い!!私の所に飛ばして来て〜!」
璃奈「私のすばしっこさとシフト取り、守備で見せてみせる…!」
彼方「なら彼方ちゃんは敢えてここですやぴしちゃうぞ〜〜!すやぁ…」
せつ菜「うわぁ!!?彼方さーーーーん!!!何寝転がっているんですかー!!!」
「アハハハハ!!」
「彼方ちゃん起きてー!!」
歩夢「みんな……」
侑「皆の、雰囲気が……」
しずく「何だか、歩夢さんの投球に感化されてーーー」
栞子「…はぁっ!」ビシュッ
ミア「……」パシィッ
ミア「……」チラッ
ミア「(そうだ。"コレ"なんだよ……)」 アキバレポーター「守備につく虹ヶ咲への歓声が強まる中バッターは8番ありあちゃん!」
かのん「はぁ、はぁ…ありあ、がんばれ…」
ありあ「(ちょっ、お姉ちゃん。私の打席なんて見なくていいよ。座ってなよ……)」
ありあ「(こんな、幾らお客さんが沢山入ってるからって)」
ありあ「(スクールアイドルじゃなくて野球をしてあんなにヘトヘトになって、バカみたい……)」
ありあ「……」
ありあ「…………!」キュッ…!
歩夢「えぃっ!!」シュッ
ありあ「わっ…!!」
くくくくっ…!!!
フルンッ!ストライーク!!
ありあ「な、何、今の球……」フルフル
歩夢「たぁっ!」ピシュ
ありあ「っ!!」フルンッ
パシィ!ストライクツー!
ありあ「(当てられない……当てられる気がしない……)」
歩夢「えいやっ!」
くくくくっ…!!
ありあ「やぁぁぁ……っ!」
ふんっ……!パシッ
ストライク!!バッターアウト!!
アキバレポーター「オッケ━━━━━━(ゝ○_○)━━━━━━━━イ!!!!」
アキバレポーター「7、8番を連続3球三振ー!歩夢ちゃん!パームだけでなくスローカーブも冴え渡っています!!」 ありあ「うぅ……」トボトボ…
サヤ「積極的な良いスイングでしたよ、ありあ様」
ありあ「そんなこと…。ありがとうございます……」
恋「サヤさん!」
サヤ「はい」クルッ
恋「えっと……頑張って下さい!」グッ
サヤ「えぇ、善処いたします」
サヤ「……」スタスタ
サヤ「(お嬢様の望みはここで決定打を放てと言うものでしょう)」
サヤ「(しかし私はあくまで人数合わせの身。私が試合の結果を左右するようなプレーに走るのは本意ではありません)」
サヤ「(お嬢様達とは違い年齢を重ねている身でもありますし、何よりーーー)」
歩夢「ふぅ……9番のサヤさん……!」
サヤ「(歩夢様の凄みが増しております…!)」
アキバレポーター「さぁ5回の裏はあっという間に2アウト!打席には9番サヤさんが入ります!先程の打席はあわやホームランかと言う打球を放ち、粘り強く球数を投げさせました!ここはどんなバッティングを見せるかー?!」 せつ菜「(ここは繊細且つ大胆に攻めましょう!必ず打ち取ってみせます!!)」サイン パパッ
歩夢「(うん……!!)」コクリ
歩夢「……」グッ、パッ…
歩夢「(大丈夫!まだまだ行けるよ!)」スッ
歩夢「はぁっ!」ポムッ
ひゅーーーーーん……!
サヤ「(パームボール……!掬い上げーーー)」ヴン…!
すんっ…!!
ブンッッ!!!ドッパシッ!
サヤ「!!」
ストライーク!!!
恋「サヤさん…空振り……!」
悠奈「今のパァ!ムやばい!凄く沈んだ!!」
すみれ「完全にフルスロットルじゃない…!!」
歩夢「ふぅ……!」
歩夢「(思い切りっ!腕を振って!!)」シュッ!
ぐわっ…!!
サヤ「っ!」
くくくくっ…………!!
サヤ「(外れる……?!)」
パシッ!!!
…っストライーク!!
アキバレポーター「ここも!ここも2球で追い込んだ!!歩夢ちゃんの投げるボールがまるで花びらのように舞い踊るー!」 サヤ「(1打席目は十分捉えられると思えたカーブでしたが、軌道も曲がり幅も非常に追いづらいものに変わりーーー)」
サヤ「(まっすぐとパームボールだけに集中出来なくなっています…!)」
歩夢「(もう1球……!!)」ピシュ!
サヤ「…………くっ!!」ググッ…!
パシィ! …ボーーール!
サヤ「(際どい…そこへ狙って投げたのですか?)」
歩夢「ふふっ♡」ニコリ
サヤ「ふふ……歩夢様もまた、素晴らしい好投手でございますね……」ニコ…
せつ菜「(慎重に、慎重に……!)」
歩夢「ふっ……!」ピシュ…
ふわぁぁん…………
サヤ「っ……!」グッ!!
パスッ ボーール!!
サヤ「(今度は一番抜いたチェンジアップ。思わず手が出かかりました……)」
サヤ「(素晴らしい緩急です。正に変幻自在)」
せつ菜「…………」
サヤ「(さぁ、次……。来ますね…!)」ギュッ 歩夢「ふぅ〜〜……」スッ…
歩夢「たぁっ…!!」ビュッ!!!
ひゅーーーーー…………
サヤ「(っ、真ん中!)」
サヤ「(ここから先程の落差で落ちるならーーー!!!)」
サヤ「(ここです!!!)」ヴン…!!!
ひゅるるるるる…!!!
ブゥゥンッ!!!!
パシィィッ!!!
サヤ「!!?」バッ!!
サヤ「(…沈んでいない!!!)」
サヤ「(まっすぐを……真ん中に!?)」
ストライィィィク!!!バッターアウトォォ!!!
ワァァァァァ!!!ワーワー!!
せつ菜「っっ…!!!!」グッ!!!
歩夢「やった…!!!」グッ!
アキバレポーター「三者連続三振ー!!!!!」
アキバレポーター「歩夢ちゃん!下位打線でこそありますがここで圧巻の奪三振ショー!!!」 ドワァァァ…………!!!!ワーワーワー……!!!
西武第二球場改めCAR3219フィールド
曜「ーーーわぁ、また凄い歓声」
鞠莉「盛り上がってるみたい、ね!」ビシュッ!
カキーーーーーン!!!
「Aqoursのみなさーん!5回が終了しました!ご移動をお願いしまーす!」
曜「おっ、はーーーい!千歌ちゃーん!切り上げてだって〜〜!」
千歌「ふっふっふ……いよいよチカ達の出番が近づいてきたのだ……!チカだけに!!!」
===
愛「へくちっ!」
ランジュ「あら!大丈夫?」
愛「うん!大丈夫っ」
愛「でもこれは、ライバルの香りがするね…!」
ランジュ「ラ?」
===
千歌「それはさておき、みんなー!練習終わりにして移動しよう〜!」
鞠莉「OK!で・も、ラスト1球!勝負よ果南〜〜!」
果南「いつでもおいで〜」
鞠莉「マリーライトニングシャイニートルネイドファストボール!!!!」ビシュッッッッ!
シュゥゥゥン!!!
果南「えいやぁ」ヴン
ガキィイイィィイーーーーーン!!!!
鞠莉「OH,NOOOOOOOOO!!!!!!」
ヒュゥゥゥゥウウウウウ……ガサガサ……ぽてーん……
花丸「いやぁぁ…!またマルが取りに行くの〜〜?」
果南「アハハ!ごめんごめん!マル〜!最後のは私が取りに行くからいいよ〜!」タタッ
果南「ふふっ、試合でもこれくらい打てたらいいな〜♪」タッタッタッ エースとして見事なピッチングだからこのままムエンゴはかわいそう ===
せつ菜「歩夢さん!ナイスピッチです!」
果林「最後の裏をかいたストレート、痺れたわ!」
歩夢「えへへ。ありがとう♡」
侑「歩夢!歩夢……っ!!」
歩夢「侑ちゃん…もう、凄い顔だよ」フフッ
侑「だって…!歩夢のピッチングが凄くて…!!」
ミア「nice pitching.歩夢」
歩夢「あっ…」ハッ
歩夢「ミアちゃん。栞子ちゃん……」
歩夢「準備進めてたんだね」
ミア「あぁ。でも歩夢があまりにも簡単に片付けたからアップには不十分だったかな」
歩夢「えっ」
ミア「その辺りも含めて話がある。皆、いいかな」
「……」ザッ…
ミア「まず、謝らせて欲しい」ペコリ
「っ…?!」
ミア「ここまで不利な展開を招いたのは完全にボクの作戦ミスだった。すまない」
せつ菜「作戦ミスなんてことありません!歩夢さんの2失点は私の配球ミスです!」
愛「いや!それよりもアタシが先制点取っていればここまで我慢の展開にならなかったよ!」
しずく「いいえ私です!そもそも最初の失点は私のエラーから始まったのですから!」
かすみ「かすみんは悪くありませんよ!?ちょっとあの果林先輩みたいなセクシーな人にビックリしただけで……!」
ミア「フフ……アハハ!」
栞子「ミ、ミア…?」
ランジュ「大丈夫?おかしくなっちゃったの?」
ミア「HAHAHA……おかしいさ。何故謝る時ばかりそうやって誰よりも自分が悪いと言い張るんだよ。それをプラスに働かせればいいのに……」
「???」 ミア「結論から言うよ」
ミア「勝とうとするのを止めよう」
「…っ!?」
かすみ「ちょ、ちょー!?何言ってるのミア子!?」
果林「ここから逆転して勝つに決まっているでしょう?」
愛「そうだよ!6回1番からだよ!?ここで一気に打線繋げてーーー!」
ミア「まず攻撃は打線を繋ごうなんて考えなくていい」
愛「えぇ…っ!?」
ミア「um……結論の前に別の言葉を言えばよかったかな」
ミア「ボクが言いたいのは、Baseballをするよりもそれぞれのステージを見せて欲しいってことさ」
「?????」
侑「えっと……皆ハテナマークが増えちゃってる感じがするんだけど」
ミア「……虹ヶ咲はソロアイドルが集まるグループでありチーム。個性のかたまりだ」
ミア「なのにボクは、その特性を自分の思い描くBaseballに当てはめてしまい殺してしまっていた」
ミア「皆もっと、もっと自分をアピールしていいんだ」
ミア「今プレーしているのは紛れもなくBaseballだけど、ボク達はあくまでスクールアイドルなんだから」 ミア「自分はアウトになってでもランナーを進めよう」
ミア「相手ピッチャーに多く球数を投げさせてプレッシャーをかけよう」
ミア「とにかくバットに当てて打球を前に飛ばそう」
ミア「バックを信じて打たせてアウトにしよう」
ミア「全部、全部……虹ヶ咲と言うチームには相性が悪いと思うのさ」
ランジュ「……」
愛「アハ……マジで言ってる?」
ミア「大マジだよ」
ミア「とにかく自分が打つ。走る。捕る。投げる。守る。Baseballのどの部分でもいい。プレー以外の部分でもいい」
ミア「ここからは全員がそれぞれ虹ヶ咲のスクールアイドルとして、自分が一番だとアピールするパフォーマンスを魅せることを第一に考えて欲しい。いや、そうするんだ」
かすみ「え、えぇっと……かすみんだったら例えアウトになってもエラーをしても可愛ければOK……みたいな?」
ミア「まぁ最初に言った結論としてはそれが正解」
歩夢「で、でも!それじゃ勝てないんじゃ……!」
ミア「そう。それだとbetter。bestではない」
かすみ「いや!ならどうしろと!?」
ミア「それぞれのスクールアイドルとしての個性を出しきった上で試合にも勝つ」
「っ……!」
ミア「もしもそんな結末を迎えられたら、ボク達にとってこれ以上痛快なことは無いだろう?」ニヤ…
「…………」
「…………!」ニコッ! 果林「つまり、ここからはスクールアイドルとして」
彼方「サインも作戦もなーんにも無しで」
歩夢「アピール合戦?」
愛「誰よりも自分が一番目立って!その上で活躍して!」
かすみ「な、何なら相手チームのLiella!よりも……」
エマ「チーム虹ヶ咲の皆が、アピールのライバルになるってこと…?!」
ミア「あぁっ!」ニコッ
せつ菜「フフ……」
璃奈「ミアちゃん。凄いアイディア。璃奈ちゃんボード『武者震い』」フルフル
ミア「このままでは勝つためにとにかく点を取ろう。そして守ろうと言う、シンプルだけど先が見えない作戦にしかならない」
ミア「それならいっそ、魅せてやろうよ」
ミア「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が、どれだけ破天荒で個性派揃いなのかをね」
「……!」ニコッ エマ「よぉぉぉぉし!!なら私がまずエモエモなホームランを打って1点差にしちゃうよぉ!!」スクッ!
かすみ「なぁー!エマ先輩ズルいです!かすみんが可愛くタイムリーを打ってみせます!だからエマ先輩はランナーに居てくださいー!」
せつ菜「いーえ!お2人とも塁上に居て貰えるだけで結構です!私が歩いてホームまでお返ししてみせます!!球場は燃え上がるような大騒ぎ間違いなしです!!」
愛「いやいやそこまで行くなら満塁で回してよ!!ド派手な超ブチ上げ逆転満塁ホームラン!見たくなーい!?」
かすみ「そんなの愛先輩だけ目立って面白くありません!」
果林「そうよ。私だってあの子を骨抜きにする位のバッティングを魅せなきゃ気が済まないもの」
ランジュ「ふふっ!皆いいわね!でも、取り敢えずランジュまで最低1人はランナーを置いて回してよね?私がソロホームラン打つだけじゃ追いつけなくて負けちゃうんだから!」
愛「ちょっとー!それってアタシ達凡退してんじゃーん!」
かすみ「かすみん絶対打ちます!塁に出ます!」
エマ「ならやっぱり間を取って私が〜♪」
侑「み、皆……凄い燃えてる……!」
栞子「ミア。いいのですか?これはある意味絵空事と言いますか…」
ミア「いいんだ」
ミア「ボクは勝ちたい。このチームで誰よりもそう強く思ってる」
ミア「ただ、そのせいでどこか1人で空回って、皆に行儀の良いBaseballをさせてしまった。ここまでの苦戦は必然だったんだよ」
ミア「だから、勝ちたいと言う気持ちを一度手放す。一番強い想いを、手放す……!」
ミア「虹ヶ咲が一番のスクールアイドルだと見せつける!」
ミア「その上で、勝利を願うんだ……」 侑「ミアちゃん……」
璃奈「良かった」
ミア「璃奈?よかったと言うのは?」
璃奈「ミアちゃん。この試合の最初から、少し張り切りすぎてるように思ってたから」
ミア「うっ…。あぁ、その通りだよ」
璃奈「でも今は、楽しそう」
ミア「そう、かな?」
璃奈「うん。私ね、今日の最後まで、一生懸命練習してきた野球を楽しみたいって思ってるよ」
璃奈「それと折角の機会だから試したい道具も開発した。そこも含めて今日とっても楽しい!璃奈ちゃんボード『にっこりん♪』」
璃奈「あとは、勝ちたい!ゲームもスポーツもやっぱり、勝つのが一番楽しいから!」
ミア「……あぁ!」
歩夢「えっと、それで…さっきの一番最初の話はーーー」
ミア「…あぁ。歩夢、握力は大丈夫かい?」
歩夢「っ…!」
歩夢「……大丈夫。大丈夫だよ!」
ミア「……そうか。わかった」
ミア「マウンドは君のステージだ。ここまであれだけの好投を魅せた君を、ボクの判断でマウンドからは降ろさない。君がステージを終わりにするまで、君が投げるといい」
歩夢「……!!!」
ミア「あくまで栞子はその後のための準備さ」
歩夢「………………わかった。私、頑張るよ!!」
侑「歩夢…………」
ミア「さぁ!ここからが虹ヶ咲のSHOW TIMEだ!!」 Aqoursがチートすぎて星と虹連合軍になってもいい気がしてきたw アキバレポーター「第1試合から白熱する対決もいよいよ終盤の6回に入ります!」
アキバレポーター「ここまで再三のチャンスを作りつつもホームが遠い虹ヶ咲!1番エマちゃんからの好打順を何としてでも活かしたいところ!」
恋「かのんさん、この回です…!」
かのん「うん。分かってる」汗フキフキ
かのん「(脚が重くてキツい……けど!)ここでもう一回、巻き直しで行くから……!」
恋「投げきるなら…あと2イニングあります。腕を振れば球威はついてきますから、出来るだけ制球を意識していきましょう!」
かのん「うん……!」
アキバレポーター「さぁエマちゃんが打席にーーー」
エマ「〜〜〜〜〜〜♪」ラ~ラ~♪
恋「!?」
かのん「う、歌!?」
エマ「(私のステージは、エモエモで皆を癒やしちゃうようなステージ!)」〜♪
エマ「(かのんちゃん!Liella!の皆も!一緒に歌おう!)」〜〜♪
かのん「わぁ、素敵な歌声……」
かのん「(歌声を聞くだけで分かる。エマさんも歌うのが好きなんだ。私と一緒……)」
かのん「……〜〜♪」
千砂都「かのんちゃん…?!」
かのん「〜〜♪〜〜……ハッ!私までつい…!!」
エマ「♪」ニコッ
かのん「///」ドキッ
かのん「(いけないいけない!!何だかエマさんの雰囲気に飲み込まれそう…!)」ブンブン!
恋「(先程の打席で内角を窮屈に打ちました。ここでも投げ込めればサヤさん千砂都さんが必ず処理して下さる筈です!)」サイン パパッ
かのん「(うん…!インコースにストレート、投げ込むよ……!)」コクリ!
かのん「行くよ!」スッ
エマ「(〜〜♪)」
かのん「っ…やぁ!!」シュッ…! しゅるるる……スゥッ……
恋「(ーーー!!真ん中!!!)」バッ
エマ「えーーーい!!」ブン…!
カキィィン!!
サヤ「っ!」バッ
千砂都「やぁぁ……っ!!」ダッ
ザッ……!
アキバレポーター「エマちゃん初球を振り抜きレフト前ヒーーーット!!これぞ正に切り込み隊長〜〜!!」
侑「やった!!レフト前ヒット!!」
しずく「クリーンヒットです!!」
エマ「やったぁ!」タタタッ
彼方「ないばっちエマちゃ〜ん!お歌も良かったよ〜」
エマ「えへへ♪かのんちゃんと一緒に歌えたよ!」
彼方「ほほぅ」
かのん「(やっちゃった。完全にエマさんの歌声に吸い込まれちゃった)」
かのん「(まるでエマさんと一緒に歌ってるような気分だったな……)」
エマ「さぁ!!次は走るよ!」ザッ!!
かのん「!?(予告盗塁!?)」ギョッ
アキバレポーター「ノーアウト1塁となり2番かすみちゃん!ここまでノーヒットですがここでも粘り強い打撃に期待です!!」
恋「(初回と似た展開になりました……落ち着きましょう。せめて、1点で凌げればーーー!!)」
恋「って、あら……?」
かすみ「ヤッホー♡みんなー!可愛いかすみんがここからチャンスを広げて、いえ!エマさんを一気にホームまで帰しちゃいますよぉ〜♡」从c˘σ ᴗ σ˘*ノシ
キャー♡かすみちゃーん♡
かすみんからファンサ貰っちゃった〜♡
かすみ「えへへ〜♡もっともーっと応援くださーい!!」
キャーキャー!
恋「………………」 球審「中須さん。打席へ!」
コペ子「かすみん……がんばって…!」
かすみ「あ〜!コペ子〜!応援に来てくれたんですかぁ〜?!」
コペ子「うん……ずっと応援してたよ……」
かすみ「こんな近くで応援してくれていたんですね〜♡ありがとー!」
かすみ「ん〜〜……まっ♡」チュッ♡
コペ子「っっ……!!///」
キャーキャー!いいなー!
球審「中須かすみさん!!!」カッ!!
かすみ「うひゃあああい!?今行きます〜〜!」アセアセ
アハハハ!かわい〜!
しずく「もう、かすみさんってば……」
歩夢「かすみちゃんらしいね」クスクス
かすみ「ふぅ〜…。しぶ子!!」
かのん「!!?」ビクッ
かすみ「かすみんここまでノーヒットだから〜…エマ先輩みたいに甘い球投げて欲しいですぅ〜〜♡」
かのん「嫌だよ!?」
恋「(お断りです!!)」サイン パパッ!
かのん「(ここもインコース!OK!!)」コクリ!
かのん「打たせないよ…!!」ザッ!
エマ「たぁっ!!」ダッ!
摩央「っスタート!!スチーール!!」
かのん「!?(しまっ…!)」ピシュ…! しゅるる…!
かすみ「(高めの抜け球!!叩きます!!)」
キィィン!
かのん「っ!!」
クゥクゥ「ほわぁぁ〜!またこっちに!」タタタタッ…!
千砂都「レフト線、ヤバい!」
ぽてーん! っファーール!ファーール!!
アキバレポーター「ファール!!!僅かにファール!!惜しかったー!」
アキバレポーター「かすみちゃんもエマちゃんに続いて積極的に振りに行きます!!」
かのん「あ、あっぶな……」
エマ「もぉぉぉ!かすみちゃーん!」
かのん「!?」
エマ「私今カンペキにスタート切れたのにー!どうして打っちゃったのー!?プンプンだよー!」プンプン!
かすみ「ふふーん!残念でしたねエマ先輩……!
かすみ「ここまでノーヒットのかすみんは絶対にここでヒットを打たなくてはいけません!好球必打ですー!」
愛「あははっ!いいぞ2人とも〜!打て打て走れ走れ〜!」
せつ菜「お膳立て任せますよかすみさん!!」
果林「かすみちゃん!可愛さも忘れずにね!」
彼方「エマちゃんは走れそうならどんどんスタート切っちゃえ〜」
エマ「うん!次もスタート切るよ〜!」
かのん「な、何……???」
恋「(突然虹ヶ咲の皆さんが我先にへと……!)」
摩央「(まるでアピール合戦ね)」 恋「(とにかく!エマさんのスタートをケアです!)」
かのん「(うん…!)」
かすみ「……」
かすみ「(ふふん。かすみん次にどんな球が来るか分かっちゃいましたよ〜!)」
かすみ「(エマ先輩の盗塁警戒を利用させて貰います!)」
かのん「ふぅ……」スッ
エマ「(行くよ〜〜♪)」スススッ…
かのん「(今度はクイック!!)」ザッ!
エマ「(行く!!)」ダッ!!
ビシュッ!しゅるるる!
かすみ「外高めに外し気味のストレートぉぉ!!」ザッ
恋「っ!?」
かこーん!!
アキバレポーター「かすみちゃん再び高めのストレートを叩いたー!打球はセンターへ!!これは面白いぞー!」
かすみ「くぅー!可愛く落ちてくださーい!!」
悠奈「パァ〜……!すみれちゃん!」タタッ!
すみれ「くぅっ……!!」ダダダッ!!
アキバレポーター「センターの前に落ちるか!?」
彼方「エマちゃん!2塁の前でストップ!」
エマ「かすみちゃぁぁぁん……!」ブレーキ キキィッ!
かすみ「落ちちゃえ落ちちゃえー!」
かのん「すみれちゃんっ……!お願い!!」
すみれ「っっ!!!っつりゃあああ!!」グワッ!! パシィ……!!!
すみれ「っっっ!!」ゴロンゴロン!
……っ!アウト!アウト!!!
アキバレポーター「のぁーーー!!捕ったーーー!!!すみれちゃん捕っているー!!」
かすみ「っっ……!!!」
彼方「エマちゃん!!バック!ばーーっく!」
エマ「〜〜〜っ!」タタタタッ
すみれ「ぐぅっ!ファースト…!!」バッ!
摩央「無理しないで!間に合わないわ!」
かのん「はぁ…。すみれちゃんあんがと……」フゥ、フゥ…
アキバレポーター「すみれちゃんの好守がここ一番で出続けています!!かすみちゃんは2球続けて惜しい打球でしたがLiella!のセンターがこれを阻むぅぅ!」
かすみ「ぬにににに……!!!!!」
かすみ「おのれへあ子〜〜〜〜〜!!!よくもかすみんの初ヒットをーー!!
すみれ「……へあ子?」
かすみ「…………ぐすっ」タッタッ
コペ子「かすみん……」 せつ菜「かすみさん!惜しい打球でした!!」
かすみ「ふぇぇぇぇん!!せつ菜先輩かすみんの仇を取ってくださいぃぃ!!」ギュー
「かすみちゃん惜しかったよー!」
「まだ終わってないよ〜!諦めないでー!」
かすみ「みなさーーん……!ありがとうございますぅ〜……!」ノシ
侑「かすみちゃん!惜しかった……!」
かすみ「侑せんぱぁぁぁい!かすみん悔しいですぅぅ…!」ギュー
歩夢「あ゛っ…!」
侑「よしよし」
歩夢「……」ポムーー……
かすみ「ふふふ。これぞ試合に負けて勝負に勝つってヤツです……(小声)」
しずく「まだ負けてないよ!かすみさん!」
かすみ「……分かってますぅ」ギュゥ……
アキバレポーター「さぁランナーは進めず1アウト1塁となりました。ここで打席に向かうのはここまで2三振のせつ菜ちゃん!」
アキバレポーター「キャッチャーとしてリードを頑張りつつの3番!負担はあると思いますがクリーンアップとしての意地を見せられるか!?」
せつ菜「…………」ザッザッ
侑「せつ菜ちゃん!!!」
せつ菜「っ!」クルッ 侑「そろそろせつ菜ちゃんらしい熱さを見せてよ!!」
侑「優等生のせいとか……ん゛んっ!!」
侑「優等生のせつ菜ちゃんじゃなくて!熱くときめかせるスクールアイドルのせつ菜ちゃんを魅せて!!!」
せつ菜「侑さん…………」
せつ菜「…!」コクリ!
せつ菜「(ここまで打撃は2三振。リードだって私があともう少し冴えたリードを出来ていれば歩夢さんが2失点となることも無かった筈です…!!!!)」
せつ菜「(それでも、それでも!)」
せつ菜「……っ!!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああアアアアアっっッッッ!!!!!!!!!!」
オオオオオオオオ……!!!!!ザワッ…!!
せつ菜「(まだ!今ならまだ取り返せます!!)」ギュゥゥゥ!!
アキバレポーター「せつ菜ちゃん吠えたァァァ!!!これだ!このフェイクこそせつ菜ちゃん!!!」
アキバレポーター「バチバチに気合いを入れてかのんちゃんに対峙します!!」
かのん「(すっごい大きな声……私も声デカいとかよく言われるけど、それ以上かもね)」
かのん「(でも、叫んだ所で絶対に打たせないよ…!)」
恋「(2度三振を取れている優木さんです!かのんさんも自信を持って投げ込めます!)」
恋「(1番2番と狙い球なら早いカウントから打ってきます)」
恋「(なら、エマさんの盗塁に引き続き警戒しつつーーー)」
恋「(2度三振を奪っているスライダー!例え当てられても引っ掛けさせられます…!)」
かのん「(うんっ!)」コクリ すみれ有能すぎる
いなかったら3点くらい取られてそう メンタルが安定したかのんだったら強いんだろうけどねー エマ「(この回まだ3球しか投げてないけど全部ストレート。でも、スピードは確実に落ちてる!)」
エマ「(スタートをちゃんと切れれば絶対セーフにーーー)」
かのん「っ!!」ギロッ!!
エマ「ほわぁ!」ビックリ!ササッ!
かのん「(じっとしててよ〜〜……!!!)」ジトーー…!!
エマ「彼方ちゃん!かのんちゃん凄く見てくるよぉ!」
彼方「そりゃあそうだ。1つでも塁を進められたら大ピンチ。チームLiella!からすれば絶対に嫌だもの」
彼方「でもねエマちゃん」
彼方「野球は相手の嫌がることを率先してやる畜生が勝つスポーツなのだよ」
彼方「って言うのが彼方ちゃんがプロ野球選手の本を読んで学んだ野球観なのさ」
エマ「なるほど……!」
摩央「(随分嫌な野球観ね……)」
エマ「よぉし…!」ザッ…!
かのん「(牽制入れた!セットで静止したら…すぐ!)」
かのん「投げるっ!!」サッ!
エマ「…っ!やぁぁ!!」ダッ
摩央「スタート!スチール!!」
かのん「(スタート遅らせた!!しっかり投げ込むーーー!!)」ビシュッ!
しゅるるる……
せつ菜「(1打席目は見るのに徹しすぎた!!)」
せつ菜「(2打席目は当てることばかり考えすぎた!!)」
せつ菜「(そんなバッティング!私が読んで憧れた野球漫画の主人公にはそぐわない!!)」
せつ菜「(何も考えずに!!)」
ぎゅるるる!!
せつ菜「(来たボールを思いっ切り振り抜くのみです!!!!!!!!)」ブン…!!!
カッッッ……
キャアアアアアアアアアン!!!!! ヴン…………ッ!!!
サヤ「っ…!」
千砂都「なぁぁっ!!」ズザァッ…!
アキバレポーター「抜けたあああ!!!火の出るかのような痛烈な打球がレフトへー!!」
千砂都「ヤバい!!」バッ!
千砂都「クゥクゥちゃん身体で止めて!!!」
クゥクゥ「はわ…!はいぃぃ!」タタッ
千砂都「(トンネルは絶対駄目!ファンブルも!!)」
トットッ…!!
クゥクゥ「(かのん!かのん…!!)」
クゥクゥ「やぁぁ!」
パシィンン!!
エマ「3塁…!」
千砂都「クゥクゥちゃんナイス!!!!早く私に!!!!」
クゥクゥ「ハイヤーー!」ピュッ!
千砂都「おっけー!カンペキ!!」パシッ バッ!
エマ「あぅっ…!」キキッ…
アキバレポーター「球足の速く強烈な打球をレフトクゥクゥちゃんミス無く捕球!そしてすぐに中継へ戻す!」
アキバレポーター「地味に見えますがこれもまた練習の成果!一瞬でもスキが生まれれば3塁を狙おうとしていたエマちゃんを2塁で食い止めたー!」
アキバレポーター「しかしこれでせつ菜ちゃんも続いた!!1アウト1、2塁ー!!」
せつ菜「やりましたあああああ!!!」ガッツポ
せつ菜「これぞ"せつ菜・スカーレットインパクト"です!!!!!」 アキバレポーター「そしてこの場面で迎えるのはーーー!!!!!」
愛「ふぅ〜〜〜〜〜……!!!!」
愛「最っっっ高の場面が来たじゃん!!!」
アキバレポーター「前の打席ヒットを放ち、守備でも好守を見せる4番!!愛ちゃんだあああああ!!」
ドワァァァ!!!!!キャー!!きゃー!!
恋「タイムをお願いします!」
タッタッ…!
愛「よ〜し…!」
愛「みんなー!!!愛さんにエールちょーーだーーーい!!」
「愛ちゃーーーん!!」
「愛ちゃん打ってー!!」
「ここ勝負ポイントだよーー!!」
「がんばれーー!!!!」
愛「ありがとー!!!それと、Liella!にもー!!!エール送ってー!!」
ざわっ…!?
愛「こんなに楽しい激アツな場面、盛り上がるしかないっしょー!!!!」
ドワアアアアアァァァァ!!!ギャーーー!!!ぎゃーーー!!
「かのんちゃん頑張れえぇぇぇ!!!」
「Liella!負けんなー!!!」
「サニパ助けてえええ!!」
「真っ向勝負いけー!!」
かのん「……はぁ、はぁ……」ドクン、ドクン…
かのん「はは…凄い歓声……」
恋「かのんさん!」
かのん「…はっ。恋ちゃん。みんな……」
悠奈「……」
千砂都「かのんちゃん……」 千砂都「かのんちゃん、ゴメン!私の背があと2mあればエマさんとせつ菜さんの打球だって捕れてたのに……!!!」
かのん「あはは……そんな無茶な……」
恋「とにかく、いよいよ正念場です」
かのん「(はは、正直もうずっと正念場だよ……)」
かのん「(でも、負けたくない。打たれたくない)」
かのん「(投げるの大変だけど、楽しい……)」
かのん「(この場所を、誰にも譲りたくない!!!!)」
恋「かのんさん?かのんさんっ!」
かのん「あ゛ぇ゛!?」ギロッ
恋「ひぃっ!!!」
かのん「あ、ゴメン。変な声出た」
恋「かのんさぁぁん……」ʃt(c◜; ᴗ ;) ビックリ
かのん「ごめんね。ごめん…」ハフ…ハァ…
サヤ「(かのん様、スタミナもメンタルも限界が近いです。勝利のためならどう考えてもここで継投ですがーーー)」
悠奈「かのんちゃん。もう一回伝えるよ」
かのん「!」
悠奈「私達は同点までこの試合、Liella!に預けるから!」
摩央「えぇ」
千砂都「悠奈さん。摩央さん……」
悠奈「だからあと少し、踏ん張れ!後ろは全力で守るから!パァ!」
かのん「……はい」
かのん「ふぅ〜〜〜……」
かのん「(そうだ。1人で投げない。後ろには皆が居て、恋ちゃんが捕ってくれるんだから)」
かのん「みんな…情けないピッチャーでゴメンね……」
かのん「それでもわたし、逃げないで投げるから……!!よろしくね!!」 千砂都「うん!!」
悠奈「パァ!」
摩央「Liella!の底意地、見せて頂戴ね」
サヤ「強い心で立ち向かいましょう」
かのん「はい……っ!」
恋「(とは言え、前の回から非力と見受けた近江さん、中須さんにまで外野まで飛ばされ、エマ・ヴェルデさん、優木さんには引っ張られています……)」
恋「(外野へ打たれることを前提にーーー)」
恋「一死1、2塁です。もし外野を深く抜かれたらそれだけで同点に追いつかれかねません」
恋「外野は下げます。単打で2塁走者が帰還する所までは覚悟して、内野の皆さんは中継と連携にきちんと集中して入りましょう」
「……」コクリ…!
球審「そろそろ!」
千砂都「あ!はーい!かのんちゃん!踏ん張ろう!!」タッ
悠奈「守るよー!」タッ… 恋「かのんさん。1点までは許容範囲です。長打を打たれないように全力で行きましょうね」
かのん「……うん」
恋「……不服ですか?」
かのん「ううん。でもーーー」
かのん「恋ちゃんなら、こんなヘロヘロな私でも愛さんを打ち取れるリードをしてくれるんじゃないかなって思って……」
恋「……」
恋「当然最善を尽くしますよ!わたくしを信じて投げ込んできて下さい!」ガシャッ…
かのん「うん……!」
愛「打ち合わせ終わったね!さぁ!愛さんと勝負だ!」
恋「負けませんよ!打ち取らせて貰います!」
愛「へぇ〜〜〜…!!!!望む所じゃん!!」ニッ
恋「外野後退してくださーい!!!」
「…!」ザッザッ…
恋「サヤさんと摩央さんは塁線を締めて下さい!そこは絶対に抜かせません!」
サヤ「はい。死守します」
摩央「こっちに飛んでくるようならかのんさんの勝ちね」
恋「千砂都さん悠奈さん!打球浮きます!ライナーと中継想定していて下さい!」
千砂都「りょーかい!!」
悠奈「パァ!!」
恋「かのんさん!!」
かのん「!」
恋「(三振狙いますよ!!!)」パンッ!パンッ!!パンッ!!!
かのん「…………!」コクリ!! 愛「(さぁ〜〜〜〜て!ここは絶対に打つ!!それだけ!!)」
愛「(でも!アタシは4番!!狙うはモチロン逆転3ランっしょ!!)」
愛「(かのんちゃんの投げる球、さっきはヤバすぎたけど今は数段落ちてる)」
愛「(追い込まれるまでは球種絞る!追い込まれても絶対拾う自信あるし!!)」
恋「(ーーーもし、長打を狙って球種を絞ってくるなら)」
恋「(球威も制球力も落ちているかのんさんですが……)」
恋「(読み合いになるなら……!!!!)」
恋「(正直単純な所のあるわたくしですが、宮下さんの裏をかき続けてみせます!!)」
愛「(まずは当然ストレート狙い!!初球から投げてくるなら思い切り叩く!!)」ギュッ!
恋「(カーブです!勇気を持ってストライクゾーンの中に!)」
かのん「(うん!!!)」コクリ
かのん「…うりゃあああ!!!」シュッ!!
愛「ーーーっ!」ザッ…!
ぐっ……くくっ!
パシッ!! ストライーク!!!
アキバレポーター「初球カーブでストライク!!!ここでゾーンの中にカーブを入れる度胸!!かのんちゃん恋ちゃんバッテリー完全に腹を括っています!!」 愛「(さっきもカーブから入って、次はストレートと思って狙ったらスライダーだった)」
愛「…………」
恋「(スライダーは直前に優木さんに強く打ち返されています。変化はまだありましたが、曲がりはもう空振りを取れる程では……)」
恋「……」ブンブン
恋「(1球目は直球から入る流れも断ってしまいました。ここからは要求通りに来ないことを前提に、そして決め球はスライダーです!!)」
恋「(内角に直球。ボール球になっていいです!厳しく来て下さい!)」
かのん「(おっけー……)」
かのん「(恋ちゃんを信じて、恋ちゃんの狙いを汲み取って……)」ハァ、ハァ…
かのん「……」ボヤ…
かのん「っ!」ザッ
アキバレポーター「かのんちゃんプレートを外す!流石に緊迫の場面です……!!見てるこちらも手に汗ぐっしょりです!」
かのん「(ヤバ…。フラ…って来た……)」
千砂都「…っ!!!ばっちこーーい!!!もう一回アウトにしてみせる!!」
かのん「(ちぃちゃん……!)」
かのん「集中。集中……!!!」汗グシ…! かのん「ふぅ〜…!」スッ
愛「(ストレート……!)」
かのん「(ストレートをインコースに!どうせなら厳しい球に!)」シュッ!
しゅるる…!
愛「(ストーーー!!!)」
スゥッ!!
愛「っぶ!!な!!」ザッ!!
パシィ!ボーール!!
アキバレポーター「2球目はインコースへストレート!愛ちゃんも狙っていたか!踏み込みましたがちょっと身体に近すぎる厳しいボールでした!」
愛「やばっ!ちょー厳しい球投げてくるじゃん!!!」
愛「アガる……アガるよ!!!」グッ!!
恋「ふぅ……ふぅ……!」
恋「(怖い。怖いです……!ですが!!)」
かのん「ハァ、ハァ…!」
恋「(かのんさんの方がわたくしの何倍も恐れ、気力を振り絞って投げているのです!!わたくしがかのんさんを引っ張るのです!)」
恋「(次もボール球で構いません。スライダーを外へ外して下さい)」
かのん「(ボール球でいいスライダー……)」コクリ
かのん「(多分、私がコントロールがきかなくなってるのを前提に恋ちゃんは考えてくれてる)」
かのん「(ここで投げるのはボール球だけど、恋ちゃんが本当に思い描いてるここの1球はーーー)」ザッ…! かのん「っふ!!」シュッ!
しゅるるる…!!
愛「(外!!今度こそストレートーーー!!!)」
……くんっ!!
愛「(じゃない!!!)」グッ!!!
パシッ!…っボーール!!2ボール1ストライク!!
恋「くっ……!」
恋「振っていませんでしょうか?!」
球審「バットは確かに止まっています」
恋「分かりました。確認ありがとうございます」
愛「(っっ…ぶなーーー!!)」
愛「(まだそんな…っ!ストライクから外れるスライダーコントロール出来んの!?)」
かのん「ハァ、ハァ……っ!!」
恋「(かのんさん……!!)」
かのん「(今みたいなのが理想でしょ……?ここだけは、コントロールしてみせるよ……)」ヨロ…
千砂都「〜〜〜…………っ!!!かのんちゃんナイスボール!!バッター狙い絞れなくなってるよ!」
悠奈「このまま集中切らさないで!!かのんちゃんなら打ち取れるよ〜!!」
ランジュ「愛!迷うことは無いわ!あなたなら打てる!!!」
侑「愛ちゃーーん!決めちゃえー!!!」
アキバレポーター「両チームベンチ、スタンドからもエールが飛び交います!!」
アキバレポーター「正にターニングポイント!!カウント2ボール1ストライク!次の1球はどこに何を投げるLiella!バッテリー!!?」 恋「ふーー……」
愛「(2-1。ここは当然ストライクが欲しいよね……!)」
愛「(ならやっぱりストレート?その裏をかいて1球目みたいなカーブ?)」
愛「(ヤバい……。狙いがブレる……)」
愛「……」
愛「(決めた。まだコントロールがきいてる内に、もう1球カーブ!!)」
愛「(それを引きつけて掬い上げて!!レフトフェンス越えてやる!!)」ギュッ!
恋「……」サイン パパッ
かのん「……」コクリ
かのん「(あそこに、あそこに!!)」ザッ…!
かのん「ふっ…!!」ピシュ!
しゅるる……
愛「!!!?」
愛「(ストレート!!!内角高め!!!打てる!!!)」
愛「うりゃああああああ!!!!!」バッ…!
カキィィーーーーーーン!!!!
かのん「!!!!!!!」
千砂都「あっ…………」 アキバレポーター「打ったー!!!レフトへ行ったーーーー!!!!!」
アキバレポーター「ーーーがっっ……!!!」
ファーール!!!ファーーーール!!!!
千砂都「っっ……」
クゥクゥ「は、はぅああぁぁ……!」
かのん「っ…………ぷはぁっ!!はぁっ!はぁっ…!!!」
恋「(……ッッ!ナイスボールですかのんさん!!)」
恋「(ファールを打たせました!追い込みました!!)」
アキバレポーター「打った瞬間は逆転3ランかと思われる打球でしたが切れていきました…!!」
アキバレポーター「愛ちゃん少し打ち急いでしまったでしょうか?!」
アキバレポーター「リプレイを見ると、これは……僅かにボール球ですね!!」
アキバレポーター「いかにも打ちたくなるような内角高めのストレートでしたが、これをヒットゾーンに飛ばすのは難しいでしょう!」
愛「(今のは、打たされたね……)」
愛「(やっちった。追い込まれた……!)」
璃奈「っ…!愛さんなら打てる!」
かすみ「愛せんぱぁぁい!!かすみんの分まで打ってくださああい!!」
歩夢「愛ちゃん!お願い!!」
果林「愛!!楽しみなさい!!」
「愛ちゃーーーん!!粘れー!!」
「ここで打つのが4番だよぉぉ!!」
愛「みんな…!」
愛「よっしゃあ……!!こっからだよ!!」ギュッ! 恋「(ここです)」
恋「(ここで、ストライクゾーンの外角一杯にスライダーです)」
恋「(ボールゾーンに外れる所には、要求出来ません……3球目に見逃されてしまいました)」
恋「(宮下さんから空振りは期待出来ません)」
恋「(それで3ボール2ストライクになったら最後、走者の2人が大きくリードを取り、或いはスタートを切ります)」
恋「(そこにバットへ当てられてしまったら…………)」
恋「(ですからここで見逃し三振、又は引っ掛けさせての内野ゴロを狙います!!)」
恋「(伏線は張りました!)」
愛「(さぁ、ここ!!)」
愛「(何で来るって当然スライダーっしょ!!)」
愛「(この場面3球目に来た、まだあれだけの変化をさせられる決め球!!)」
愛「(ボールに逃げるなら見る!もし甘く入ったら、今度こそ引っ張ってかっ飛ばしてあげる!!)」
すみれ「……」
すみれ「(相手の4番、完全に引っ張りに来てるわね)」
すみれ「クゥクゥ!かのんの妹ちゃん!!」
クゥクゥ・ありあ「!!」
すみれ「(こっち!もっとレフト側へ!)」/cリs`゚ヮ˚)ʂノシ
クゥクゥ・ありあ「はいっ!」ザッザッ
愛「っ…!」
愛「(外野がレフト方向に動いた!!)」 愛「…………」
愛「(なら……ストレートもある!?)」
愛「(くぅ…!2球目と4球目の内角ストレートがチラつく!!)」
愛「(スライダーだけにヤマを張って、インコースにストレートを投げられたら、手が出ないかも!!)」
愛「(それに、裏の裏をかいてカーブが来たら……?)」
愛「……」
愛「(みのさんだけは絶対に駄目!基本はストレート!!そこからスライダーとカーブもケアしてみせる!!)」
愛「(割合はストレート6!スライダーとカーブそれぞれ2ずつで待つ!!)」
愛「さぁ!来い!!!」
かのん「(そと、いっぱいに、超真ハンバーグ改……)」フラ…
かのん「(ありあが、ちぃちゃんが名付けたハンバーグボールをダサいって言って)」
かのん「(どうせダサいならお姉ちゃんの投げるその球に似たボールがゲームであるからそれをモジればって言って、名付けた)」
かのん「(私の、決め球…!!!)」キッ!
ありあ「お姉ちゃん………」
ありあ「あんな、フラフラして……」
ありあ「(どうか、こっちに飛んで来ないで欲しい……)」
ありあ「(でもーーー)」
ありあ「(飛んできたら、絶対捕らなきゃ……!!!!)」
ありあ「(お姉ちゃんを助けなきゃ!!)」 かのん「(ハンバーグも、いい……!!!)」ザッ…!!
かのん「…ふぅっ!!!!」ビシュッ!!!
しゅるるる……!!
愛「(ストーーー違う!!!)」
ギュルッ………っ!
愛「(高速スライダー!!!)」
愛「くぁっ……!!!」ブ…!!
愛「(外!無理に引っ張らない!!センター返し!!!)」
カッ…
キィィーーーーン!!!!!!
かのん「!!!」
恋「っ!!!すみれさん!!!ありあさーーん!!」
アキバレポーター「愛ちゃん弾き返したぁぁぁー!!!!!!」
アキバレポーター「打球はセンター右!!引っ張りに備えたシフトの裏だーー!!」
すみれ「くぅぅぅ…!!!!」ダダダッ!!
すみれ「(裏目っーーー
ありあ「〜〜〜〜っ!!!」
すみれ「!!!!!」
アキバレポーター「いや!!!ライトのありあちゃんが打球に突っ込んでいるー!!!」
彼方「!!!せつ菜ちゃんハーフウェイ!!」
璃奈「エマさんも!!一旦ストップ!!」
エマ・せつ菜「!!!!」キキッ!!
ありあ「お姉ちゃん!お姉ちゃん……!!!!」タタタッ……!!
すみれ「待って!!妹ちゃん!!回り込むのよ!!!」
すみれ「ランナー止まってるわ!!無茶しちゃ駄目ーーー!!!!」
ありあ「お姉ちゃん……っっ!!!!」バッ……!!! ズザアアァッッ……
ポーーーーン…………
かのん「あ……」
かのん「ありあ……」
アキバレポーター「落ちたあああああああああ!!!!!」
彼方・璃奈「ゴーーーーーー!!!!!」
エマ・せつ菜「っ!!!!」ダッ!!
アキバレポーター「ハーフウェイのランナーがそれぞれスタートを切る!!」
ありあ「あっ……!ボール……どこ…メガネ…!!!」バッ!
すみれ「っ……!!!!」ダダッ!!
ガシャーン!!! トンッ……パシッ!
アキバレポーター「すみれちゃん全速力でボールに追い付いた!!」
すみれ「…!!!」バッ!
悠奈「すみれちゃん!!!」
すみれ「悠奈さん!!!」ビシュッ!!
エマ「っ!!やったぁ!!!」ダン!!
アキバレポーター「エマちゃんホームイン!!!虹ヶ咲念願の1点目ー!!!!!」
悠奈「パァッ!!!」パシッ!ビシュッ!!
せつ菜「っ…!(ボールバックが速い!!私までは無理…ですか!!!)」
恋「…………っ!」パシッ……
愛「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
愛「よっしゃああああああ〜〜〜〜!!!!!!!」グッ!!!!!
アキバレポーター「ついに!!ついに出ました!!!虹ヶ咲の4番、愛ちゃんからタイムリーが出ましたー!!!!」
アキバレポーター「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!!1点返して1-2!!!!」
アキバレポーター「なお1アウト2、3塁で5番果林ちゃんに続きます!!!!」 かのん「…………打たれた」
恋「……」ギュッ…!!
ありあ「ぁ……ぁ……わたし……」フルフル
すみれ「妹ちゃん!大丈夫!?怪我は無い!?」
ありあ「わたし、わたし……」
すみれ「…………」
すみれ「よく勇気を出して飛び込んだわね。惜しかったわ」グイッ
ありあ「でも、捕れなくて……点入っちゃっ……お姉ちゃん……お姉ちゃんが……」
すみれ「しっかりして!まだ守備の途中よ!」
ありあ「っ!」ビクッ
すみれ「時間は巻き戻らないし結果は変わらない!でもまだ1点しか入っていないわ!」
すみれ「あと2アウト取らないと守備は終わらない!今はもう一度集中し直してこのピンチを切り抜けるのよ!!」
ありあ「……………」ガクガク…
ありあ「……っ!」コクリ…!
すみれ「そうよ……まだピンチは終わってないんだから……!」
すみれ「かのん、踏ん張りなさいよ……!!!」
すみれ「次飛んできたら、次こそ追い付いて絶対に捕ってあげるから!!」 かのん「…………」
恋「かのんさん……」
かのん「恋ちゃん。私の決め球、打たれた……」
恋「っ……!」
恋「配球もかのんさんの制球も間違っていませんでした」
恋「宮下さんが1枚上手だっただけです」
かのん「……うん」
恋「まだ1点差でわたくし達がリードしています!」
かのん「…うん」
恋「ですから…っ!」
果林「ふっ……ふぅっ……!!」ブンッ!ブンッ!!
ランジュ「さぁ、一気に行くわよ…!!」
恋「この後を……」
かのん「うん……抑えるよ」
かのん「抑える。抑えるんだ……」
恋「かのんさん……」
恋「あと2アウトです。バックを信じて、わたくしのミットを信じて投げて下さい…っ!!」
かのん「うん……」 恋「すぅ……」
恋「1アウト2、3塁です!!内野はバックホーム体勢!」
恋「外野も今度は前です!犠牲フライに注意!!絶対に2塁走者までは帰しませんよ!!」
「オオー!!」
千砂都「かのんちゃん打たせて!!!どんな、どんな打球でも掴んでみせるから!!」
悠奈「かのんちゃん!まだ1点リードしてるよ!!」
摩央「ここで折れないLiella!ではない筈よ」
サヤ「かのん様…どうかお気を強くお持ちになってください」
クゥクゥ「かのん……かのん…!!」
すみれ「かのん!!」
ありあ「お姉ちゃん。お姉ちゃん……」
すみれ妹「みんな、がんばって……!」
アキバレポーター「さぁ1点返して尚大一番は続きます!!果林ちゃんが一気に試合をひっくり返せるかー!?」
果林「ふー……」
果林「(私のアピールと言っても、ユニフォーム姿ではセクシーな露出は出来ないし、ボタンを外せても1個くらい)」
果林「(それにLiella!の皆のこの空気。私の魅力で動揺…なんて感じでは無いわね)」
果林「いいわ。ここは結果でアピールしてみせる!」
果林「さぁ、覚悟してちょうだい。さっきのリベンジさせて貰うわ!」
姫乃「あぁ…!!!果林さん!!///」
姫乃「ユニフォームのボタンを1つだけ外して、パンツも気合いを入れるために引き上げ直して…!!」
姫乃「素敵です……ユニフォーム姿も何て魅力に溢れているのでしょうか!」
姫乃「果林さん!打ってください!頑張って下さいっ!!!」 恋「(ここはもうとにかく芯を外すしかありません!)」
恋「(この場面朝香さんが直球を狙わない筈がないでしょう。そこへスライダーを投じて内野の正面をつくことを願うばかりです…!)」
恋「まだ、まだです!かのんさん!」
かのん「……」スッ
かのん「ふっ…」ズリュ……
スゥーーー……、…
恋「あ…………(抜け球ーーー)」
果林「(かのんちゃん。悪いけど私ね)」
果林「(……っ!根っからの負けず嫌いなの!!!!)」ザッ!!
カキィィィン!!!!!
恋「っ!すみれさあああああん!!!」
すみれ「オーーライ!!!!」ダダッ!!
アキバレポーター「果林ちゃん初球打ちーーー!!!!!」
アキバレポーター「痛烈な打球が左中間の間にーーーいや!!!センターすみれちゃんが一直線で打球に向かう!!!」
果林「なっ…!まさか!?」
すみれ「捕るわ!捕ってやるわよかのん!!!」ダダダッ!!
アキバレポーター「ここまで幾度となく虹ヶ咲の打球をもぎ取ってきたすみれちゃんがライナーに突っ込むー!!」
すみれ「(ーーーギリギリ届く!そして捕れる!!)」
すみれ「(捕ったらすぐにバックホーム!!ここさえアウトをもぎ取れれば!!)」
すみれ「やぁぁぁっ!!!!」バッ!!
果林「止めて……!」
すみれ「(届いた……!捕れる……!!!!)」
バスッッッ……………… すみれ「……えっ」
アキバレポーター「あーーーーーっと!!!すみれちゃん大きく弾いた!弾いてしまったー!!」
すみれ「(待って。待ちなさい
待ってよ。何でグラブに入っていないのよ。
どうしてよ。どうしてこの一番大事なところで弾くのよ私
駄目よ。あのボールが落ちたら、もう駄目ったら駄目よ
サードランナーも、セカンドランナーも帰っちゃう
そんなの駄目。止めて。お願い
かのんを、かのんを負けさせる訳には……
すみれ「っっっっ……!!だめええええええええ!!!!!!!」
クゥクゥ「しゅみれええええええ!!!!!!」
パシッ……
すみれ「……………うそ」 ズサァァ…!!!ズザァッ!!!
璃奈「せつ菜さん!!愛さん!!!バック!!!」
せつ菜・愛「っ!?まさか……!!!」ダッ…!
クゥクゥ「あぅ…!!」ギュッ…!
すみれ「クゥクゥ!!!」バッ!!
クゥクゥ「へ、へへ…!どうデス!すみれがナイストスしてくれたおかげで楽に捕れましーーー」
すみれ「早く!!私にボール渡して!!」
クゥクゥ「あぇ?」
せつ菜「っ!」ダン!!
璃奈「ゴー!!」
せつ菜「はい!!」ダッ!!
クゥクゥ「あ、わっ!!」ポイッ!
すみれ「っ!」パシッ!!
すみれ「千砂都ォォォ!!!」ビシュッッッッ!!
ぎゅうううんんん!!!
千砂都「はいっ!!!」パシッ!!
千砂都「……っっ!!」バッ!
愛「やぁっ!!」ズザァッ!!
せつ菜「ふっ!!!」ダン…!!
ホームイン!!!
せつ菜「……っ!!!よしっ!!!」グッ!!!
侑「やっ………たぁあああ!!!」
歩夢「同点……!」
アキバレポーター「同点だあああああ!!!!!!」
ドワァァァ!!!!ワーワーズドワァァァァァァ!!!!!!! すごい面白いんだけど
Liella!が人数差でいじめられてるように見えてきた… (1表)
ヴェルデ 中二
中須 二ゴロ
優木 三振
宮下 遊ゴロ
(1裏)
嵐 中安→盗塁死
聖澤 右失
柊 右安
平安名す 遊ゴロ L 1-0 虹
葉月 左飛
(2表)
朝香 右安→走塁死
桜坂 三振
近江 三振
上原 中安
(2裏)
澁谷か 投ゴロ
唐 捕ゴロ
澁谷あ 三振
(3表)
天王寺 投ゴロ
ヴェルデ 遊直
中須 三振
(3裏)
サヤ 遊ゴロ
嵐 遊ゴロ
聖澤 中飛
(4表)
優木 三振
宮下 左安
朝香 遊ゴロ
鍾 中飛 桜坂代打
(4裏)
柊 右三
平安名す 中犠飛 L 2-0 虹
葉月 二ゴロ
澁谷か 三振 (5表)
近江 中飛
上原 左安
天王寺 捕併殺
(5裏)
唐 三振
澁谷あ 三振
サヤ 三振
(6表)
ヴェルデ 左安
中須 中飛
優木 左安
宮下 右二 L 2-1 虹
朝香 左犠飛 L 2-2 虹
こんな感じだっけ せつ菜「やりました!やりましたぁぁ!!」タッタッ!
エマ「せつ菜ちゃんもお帰りー!」
しずく「同点ですよ!!」
ミア「……っ!」グッ!
アキバレポーター「チーム虹ヶ咲が終盤の6回についに同点に追いつきました!!」
アキバレポーター「初球を振り抜いた果林ちゃんの打球!打った瞬間は左中間を完全に破ったかと思われました!」
アキバレポーター「しかしLiella!のすみれちゃんがまたもや強襲!前進守備を敷きつつも左中間寄りに位置取り打球へ一直線!」
アキバレポーター「頭を越えられそうになりつつも斜めジャンプ一番!ここも届いたかと思われました!!」
アキバレポーター「ーーーが!まさかの捕球ミス……!大きく弾いてしまいました!!」
アキバレポーター「しかし!!そこにレフトのクゥクゥちゃんがカバー!落ちたかと思われたボールを決死のダイブで掴み取りました!」
アキバレポーター「しかししかし!!一瞬飛び出したランナーせつ菜ちゃん愛ちゃんもすぐにベースへ戻りタッチアップ!無事生還となりました……!!」
アキバレポーター「何という熱い攻防!!そして!2アウト3塁となり先程代打から出場のランジュちゃんだあああああ!!!」
果林「…………っ」タッタッ…
侑「あっ!!果林さん!!ナイス犠牲フライです!」
栞子「同点に追いつけました!」
果林「全然ナイスじゃないわよ!どうしてあの打球が追いつかれるの!?絶対左中間抜けたと思ったのにぃ!!」
果林「私が逆転打を打つって決めていたのに!!もぉ〜〜!!」
エマ「果林ちゃん……」
かすみ「ふふふ。果林先輩もへあ子にもぎ取られて残念でしたね。かすみんとお揃いです」
果林「…………!!!!」ワナワナ…!
かすみ「ギャー!!そのヘルメットで殴りかかろうとするような構えは何ですか!?」
ミア「クールになるんだ果林。あのセンター、只者ではないよ」
ミア「相手打者の打球を読むシフト取りや空中に飛ぶフライやライナーを掴み取る技術にとても長けている。アクロバティックだね」
ミア「それでも同点に追いついたんだ。ナイスバッティングだよ」パチパチ
果林「むぅ〜〜…」 せつ菜「さぁ!あと1点取ればこの回一気に逆転です!」
栞子「ランジュ!決めましょう」
ランジュ「えぇ。でも、入るのは1点じゃないわ」
ランジュ「ランジュもホームに帰るのだから2点よ!!」バッ!
かのん「はぁっ……はぁっ……」
かのん「(打たれ、た……)」
かのん「(同点、に……)」
クゥクゥ「追いつかれてしまいました……」
千砂都「かのんちゃん…」
すみれ「くぅ……っ!」ギュッ…!
悠奈「……」肩グルグル
かのん「っ……」ガクッ
恋「かのんさんっ……!」
アキバレポーター「あぁっ……と、かのんちゃん膝に手をつきうなだれてしまいました!」
アキバレポーター「ここまで力投を続けていたかのんちゃんですが、流石にこれはーーー!」
悠奈「かのんちゃん」ザッ…!
かのん「悠奈、さん……」ハァ、ハァ…
悠奈「見せて貰ったよ。Liella!の意地!」
悠奈「確信した。Liella!はこれから私達を脅かす手強いライバルになるって!」
悠奈「だからこの後は、助っ人の私達に任せて!」
かのん「……」
悠奈「今日は一緒に!勝とう!
悠奈「ねっ!」ニコッ
かのん「はい……よろしくお願いします……」
ザッ……
アキバレポーター「あ〜〜〜!かのんちゃんマウンドを降ります!同時に内野陣がマウンドに集まります!これは投手交代でしょうか!?」 千砂都「かのんちゃん!」
かのん「みんな、点差守れなくてゴメン……」
摩央「謝ることなんて1つも無いわ。とても心が熱くなった」
サヤ「はい。素晴らしい力投でしたよ」
恋「胸を張って託しましょう」
かのん「うん…。それで、投げてくれるのは…悠奈さん?摩央さん?」
悠奈「えへー!わたし!」パァ!
摩央「恋さん。キャッチャー私が入ってもいいかしら?」
恋「摩央さんが捕手を?」
摩央「えぇ、こういう時はバッテリーごと変えるのが良いって言うみたい」
摩央「それにーーー」
摩央「悠奈の球を捕るのは私……もとい、恋さんが捕れる保証が無いから」
恋「…………っ!」ゾクッ
悠奈「よしっ!そうと決まれば"アレ"に替えなきゃ!」タッタッタッ!
千砂都「あっ…!え、アレって?!」
悠奈「すぐ戻るから!守備位置変更考えておいて〜!」
アキバレポーター「おっと!悠奈ちゃんがベンチに向かいます!かのんちゃんの交代だけでなく何かトラブルでしょうか!?」 すみれ妹「あれ、どうしたんですか?」
悠奈「ちょっとグローブを替えるんだ!」ガサゴソ
すみれ妹「グローブを…?」
千砂都「えっと、ピッチャーに悠奈さん。キャッチャーに摩央さん。となると恋ちゃんが取り敢えずファーストで、かのんちゃんを……」
恋「セカンドには置けません。脚に相当疲労が溜まっています」
サヤ「私がセカンドに入りかのん様をサード、でしょうか?」
恋「それも大変です。それにこの場面でかのんさんを内野に置くことが酷です」
千砂都「かと言って長打のあるランジュさん相手に外野の要のすみれちゃんを移動させられないし……」
恋「すみれさんの守備と打球勘は外野でこそ活きますからね……となると……」
クゥクゥ「ククがセカンドに入りマス!そうすればかのんがレフトでジッとしていられます!」
千砂都「わ!クゥクゥちゃん!」
恋「やはり、そうなりますね……!」
クゥクゥ「任せて下さい!」
摩央「……こう言うのは失礼だけど、クゥクゥさんは運動苦手よね?大丈夫なのかしら?」
千砂都「大丈夫ではありません!ファイヤーフォーメーションです!」
クゥクゥ「ですが!ククは全ポジションの動きは勉強しています!どのポジションでもどう動けば、どこに位置取りを取ればいいか分かっています!」
摩央「なるほど……それなら、クゥクゥさんにセカンドを託してもよさそうね」
サヤ「私がセカンドに入るのもよいですが、そうするとクゥクゥ様は1塁へ遠投になってしまいますし、クゥクゥ様がセカンドが妥当でしょうか」
クゥクゥ「はい!絶対に皆さんに迷惑は掛けません!全力でばんがります!!」
かのん「ありがとうクゥクゥちゃん…。よろしくね……」ザッザッ…
クゥクゥ「はいっかのん!任せてください!!」 悠奈「お待たせ〜!さぁ、同点で食い止めるよ!!」タッタッタッ!
恋「あ、悠奈さん……って!?」
千砂都「えっ!?それって…!?」
悠奈「えへー!」パァ!
アキバレポーター「さぁ〜!ここでLiella!は投手を含めた守備交代が行われますのでお知らせします!」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「Liella!&Sunny Passionなど合同チーム、シートの変更をお知らせします」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「セカンドの聖澤がピッチャー。ピッチャーの澁谷がレフト。レフトの唐可可がセカンド。ファーストの柊がキャッチャー。キャッチャーの葉月がファースト。以上に代わります」
アキバレポーター「と言うことで!悠奈ちゃんがピッチャーに入ります!!」
アキバレポーター「ーーーが!!これは驚きました!!」
ランジュ「投手交代……でも関係ないわ。私は打つだけ」
球審「投球練習、5球!」
悠奈「よーし!」
ランジュ「……あら?」
悠奈「ん〜〜〜……」ガバッ……!
悠奈「パァッ!!!」ビシュ!!!
………………う゛ ん゛っ!!!
摩央「ふっ…!」
スパァァァン!!!!!
ランジュ「…へぇ。驚いた」
ランジュ「セカンドの時とは逆の腕で投げて、それだけのボールが投げられるのね」
悠奈「えへー!両腕で投げられるくらい出来なきゃラブライブ!東京代表は務まらないよ!!!」グルグル!
悠奈「それに!あれだけのピッチング見せられて、私のパッション……燃えない訳無いよね!!」
悠奈「この場面、絶対あなたを抑えるよ!!」パァ!! アキバレポーター「何と!悠奈ちゃん左投げです!!」
アキバレポーター「セカンドを守っている時はグローブを左手にはめていましたが現在は左投げ用グローブを右手にはめております!」
アキバレポーター「驚きはそれだけではありません!」
悠奈「パァ!!」ビシュッ!!
スパァァァン!!!!
悠奈「よーし!3球も投げればもう全開だよ!」
アキバレポーター「左投げでこの球速と球威!!完全にかのんちゃん以上の速さを持つ速球です!!」
恋「(確かにこれだけの速球、わたくしの捕球を心配する摩央さんの言葉も頷けます……!)」ゴクリ…
かのん「……ハハ。悠奈さん凄いな……」
かのん「……」ギュッ…
ランジュ「いいわね……あなた最高よ。私、速いストレートを投げるピッチャー大好きなの!」
悠奈「それはどーも!それじゃあやろうか!」
ランジュ「えぇ!!」ギュッ!
アキバレポーター「さぁ〜〜!投球練習も終わり試合再開!!」
アキバレポーター「2-2の同点!2アウト3塁!!この激アツな場面を凌ぐかチームLiella!?!それとも一気に逆転かチーム虹ヶ咲!?」
アキバレポーター「緊迫の一瞬が今始まります!!」 球審「プレイ!」
悠奈「行くよ〜……!!!」ザッ…
悠奈「パァッ!!」ビシュッ!!
…………う゛ん゛っ!!!!
ランジュ「……ふっ!!」
ヴン゛ッッ!!!! スパァァン!!
ランジュ「っ!!!」
ストライイイイク!!
ミア「なっ!?」
栞子「ランジュが直球に空振り!」
愛「マジ?!ヤバっ!」
アキバレポーター「初球はストレートに空振り!!ランジュちゃんの凄まじいスイングに真っ向勝負です悠奈ちゃん!!」
ランジュ「凄い…凄いわあなた!」キャアキャア!
ランジュ「(でも、澁谷かのんのストレートに比べてノビは無い)」
ランジュ「(あの子がランジュを打ち取ったあの1球の方がノビてた……)」
ランジュ「(だから打てる!捉えてみせるわ!!)」ギュッ!
アキバレポーター「第2球ーーー!」
悠奈「パァッ!!」ビシュ!!
ランジュ「やぁ!!!」ヴン…!!
キィィン!!!ガシャーン!!ファール!!
アキバレポーター「ランジュちゃんも負けじと2球目でアジャスト!!追い込まれましたがタイミングはバッチリです!!」 悠奈「むむ〜!やるな〜!」
ランジュ「次はフェンスオーバーよ!」
悠奈「そうはいかないよ!!」
悠奈「(どんどん私のパッション、高まっていくからね!!)」
ビシュッ!!キィィン!!
ビシュッッ!!キャアァン!!
ビシュッッゥ!!!ガキィン!!
ビシュッッッ!!!キィィィン!!!!
アキバレポーター「す、凄まじいストレートとフルスイングのぶつかり合いです……!!」
アキバレポーター「球速球威だけではありません悠奈ちゃん!コーナーの厳しい所へビシビシと投げ込んでいきます!」
アキバレポーター「それに対してフルスイングでタイミングを合わせるランジュちゃん!ストレートに絶対の自信があるのか!紙一重でファールが続いています!!」
ランジュ「(1球ごとにスピードも球威も上がってきてる。本当に凄いわね)」
ランジュ「(でも、そろそろ上がり目の限界が見えた)」
ランジュ「(次は捉えるわ!!)」ザッ!ギュッ!!!
摩央「…………」サイン パパッ
悠奈「パァ!」コクリ!
アキバレポーター「さぁ!!第7球!!」
悠奈「パァーーー!!!」ピシュゥッ!!
………………う゛ん゛っっ!!!
ランジュ「(外!!!真芯で捉える!!!)」ヴン…!!
……………フッ…………!!!
ブヴヴン!!!!!!!
ドッ!!バシィッ!!!!
ランジュ「……えっ!?」
摩央「ナイスボールよ悠奈」タッチ
アウト!!アウトォォ!!
スリーアウト!!チェンジ!!! ドワァァァ!!!!ワァァァァァ!!
あ〜〜〜〜〜…………!!!!
アキバレポーター「か、空振り三振〜〜〜!!!!」
アキバレポーター「何だ今の球は!?ストレートにしか見えなかったのに……っ!落ちました!!!」
ランジュ「……消えた」
ランジュ「ーーーって!!どうして!?」
ランジュ「どうして変化球を投げたのよぉ!?」
ランジュ「何でランジュと真っ向勝負してくれなかったの〜〜〜!?」
悠奈「パァ〜?」
摩央「私達の目的はこの大会の優勝だもの。前の打席から見ててもストレートしか狙わないあなたを打ち取るなら当然のことよ」
ランジュ「〜〜〜〜〜っ!!!!!」カァァァ!!
ランジュ「太狡猾了!太狡猾了!!!(ズルい!ズルいわ!!!)」ムキィィ!!!
摩央「对唔住(ごめんなさいね)」ザッザッ…
アキバレポーター「前の打席ほぼ完璧なホームラン性の打球を放ったランジュちゃんを見事三振に打ち取り悠奈ちゃん見事な火消しー!!!!」
クゥクゥ「悠奈サマー!!!!」
恋「素晴らしい投球でした!」
サヤ「お見事です悠奈様」
悠奈「えへー!パァ♪」
かのん「よかった……同点止まり……」タッ…タッ…
千砂都「かのんちゃんっ」
かのん「ちぃちゃん…待っててくれてありがと」
千砂都「……ううん」
アキバレポーター「同点に追いつかれこそしましたが最後の修羅場は見事くぐり抜けましたLiella!&サニパ連合!」
アキバレポーター「しかし6回表で何と試合は振り出しに!ここから一体どうなるのでしょうか!?」 ランジュ「〜〜〜〜!!!」プクー!!!
栞子「ランジュ……完全にしてやられましたね」
ランジュ「もぉ!あのバッテリー!最後に変化球投げたの!絶対に捉えたと思ったのに消えたわ!!」
ミア「あぁ、横から見ていても凄い落ち方をしていたよ。ツーシーム?スクリューボール?分からない……」
ミア「……と言うか、そんなに怒るくらいならファストボールが来ている内に打ってくれよ」
ランジュ「ぐぅ……!」
侑「それでも!それでも同点においつけたよ!ミアちゃんの言う通り終盤のチャンスをものにしたよ!!」
ミア「um……終盤にチャンスが来ること自体はそうだけど、皆が最高のバッティングを出来たのはボクは関係無い」
ミア「それぞれが個性を発揮した結果だよ」
ミア「ありがとう」
かすみ「ミア子……」
璃奈「そんなことないよ。ミアちゃんがアドバイスをくれたおかげだよ」
ミア「璃奈……それでも、ボクの間違いがこの試合を窮屈なものにしてしまっていたのは事実さ。こればかりは取り返しがつかない」
ミア「けれど、ここからは皆自由だ。守備の時間でもそれぞれのポジションが君たちのステージだよ」
ミア「魅せてくれ。見せつけてやれ」ニヤリ
「……!」ニコリ!
歩夢「よぉし!皆、行こう!」
「オーーー!!」 かのん「はぁ、はぁ〜〜……!ベンチぃいぃぃ……」ストン…!
千砂都「かのんちゃん大丈夫……じゃないよね!?サヤさんっもう肩を冷やした方が!?」
サヤ「そうですね……まずは軽くキャッチボールをしてクールダウンを行いましょう。そして肩を冷やすのは試合終了後です。何せまだーーー」
恋「少なくとも7回表の守備が残っていますから!」
クゥクゥ「はい!この回点を取って次を守ればクク達の勝利です!!」
悠奈「そういう事!絶対打たせないからとにかく点を取ろう!」
すみれ「……!」ギュッ…!
ありあ「……………」
ありあ「お姉ちゃん…………」
かのん「……あ。ありあ…」
ありあ「ごめん。ごめん……」ポロポロ…
かのん「……」
ありあ「わたしが…捕れていたら……お姉ちゃん抑えられたのに……」
ありあ「ごめん……ごめんなさい……」
千砂都「ありあちゃん……」
かのん「…………」
かのん「バーーーーカ」
恋「!?」
ありあ「な……!バ、バカって…!ひどいよ!!」ボロボロ…っ!
かのん「なんてね」ギュ…
ありあ「っ…!」
かのん「……怪我してない?」
ありあ「…してない」
かのん「眼鏡、壊れてない?」
ありあ「…大丈夫」
かのん「なら良かった」
かのん「私のために頑張ってくれてありがと。それだけで十分だよ」ポンポン
かのん「最後は打たれちゃうようなショボい姉でごめんね」
ありあ「そんな、こと……!」 かのん「いつまでも泣かない!ちぃちゃん達が絶対に点取り直してくれるから!応援するよ!」
ありあ「……うんっ!」
かのん「でもその前に私アンダーシャツ替えたい……ちょっと着替えてくるね」スクッ…
かのん「ーーーちぃちゃん」
千砂都「うん?」
かのん「点、取ってきて……お願い」
千砂都「っ……!!うん!!任せてよ!!」グッ!
かのん「うぃっす……」ニコ…
恋「かのんさんっ、ご迷惑でなければ着替えお手伝いしまーーー!」
千砂都「恋ちゃんっ」
恋「はいっ?!」
千砂都「……ほんの少しだけ、かのんちゃん1人にしてあげて」
恋「…………はい」
クゥクゥ「かのん……?」
すみれ「…………」 カツン、カツン…………
ストッ……
かのん「はぁ〜〜〜。つ、疲れた……」
かのん「うっはへ……汗びっしょり……」ヌギヌギ…
かのん「まさか1試合目だけでこんなに疲れるなんて……もうこの試合だけで終わりでいいよ……帰りたい……」
かのん「死ぬほど緊張したし初回からずっとピンチの連続だったし突然調子良くなったかと思ったら一気にバテるし最後は結局打ち込まれちゃったし……もーーーー……」
かのん「…………」
かのん「(でも、楽しかったな)」
かのん「(練習してきた時よりも良い球投げられたし、練習してきた成果を発揮出来た、と思う……)」
かのん「(歩夢さんと投げ合えて、虹ヶ咲の皆も個性的で、1人1人ドキドキしながら投げて)」
かのん「(恋ちゃんが捕ってくれて、ちぃちゃんやすみれちゃんが何度も助けてくれて、クゥクゥちゃんもノーエラーで頑張ってくれて、悠奈さんサヤさん摩央さんも沢山声をかけてくれて、すみれちゃんの妹さんもコーチ頑張ってくれて、ありあもーーー)」
ありあ『ごめん……ごめんなさい……』
かのん「………………っ………う、ぐ…………」
かのん「う…………あ…………ぐ、そ………」
かのん「さいごまで、なげたかった…………」
かのん「点、とられなければ…まだ…なげられたのに……」
かのん「守りきれなかった…………!!!」
かのん「う゛……っ、ぐぅっ……!!あ、あう……う、うううう…!!!!!」 かのん「………………………!!!!」
かのん「……………!!!」
かのん「…………………」
かのん「………」
かのん「……」
かのん「はぁっ!!!!!」
かのん「グスッ…!」ゴシゴシ…
かのん「よし!!!」
カツンカツン!!
アキバレポーター「さぁ6回の裏、Liella!の攻撃に入ります!」
アキバレポーター「何とこちらも1番からの好打順!ついに同点に追いついた虹ヶ咲をもう一度突き放すことは出来るのでしょうか!?」
アキバレポーター「1番千砂都ちゃんが打席に向かいます!!」
千砂都「ふーーーー……」ザッ、ザッ…
千砂都「1、2、3、4……」ザッ、バッ、グッ、タッ…
せつ菜「……!?」
千砂都「〜〜♪」タッタッ、クルッ!グンッ!サッ、キュッ!
愛「おぉ〜!メッチャキレキレなステップ!」
かすみ「ぬぬぬぬ!!かすみん達みたいにアピールですか〜!?」
千砂都「はっ!ふっ!!たぁっ!!」バッ!
キャアアアアアア!ワーワー!!
アキバレポーター「千砂都ちゃんも魅せます!華麗なダンスステップを披露しながら左打席へーーー」
アキバレポーター「左打席へ!?」
千砂都「嵐千砂都、スピードモード!!!」キッ! アキバレポーター「これは驚き!ここまで右打席に入っていた千砂都ちゃんが左打席に入りました!これはーーー!」
ランジュ「内野安打狙いってことね」ザッ
愛「そうはさせないよ!」ザッ!
千砂都「……」
アキバレポーター「内野安打狙い!当然虹ヶ咲は警戒シフト!特にショート愛ちゃんとサードランジュちゃんは早くもかなり前に出てきました!」
せつ菜「(それを承知で2人の頭を越える打球を放とうと言う狙いかもしれません…)」
せつ菜「璃奈さん!」⁄/*イ`^ᗜ^リノシ
璃奈「了解!」タッタッタッ!
アキバレポーター「うーん!左打席に入った千砂都ちゃんですが逆方向はかなり前へ!ヒットゾーンはかなり狭そう!このシフトを破るのは難しそうだ!」
せつ菜「(これで走りながら当てるだけの流し打ちは封じました)」
せつ菜「(それとも引っ張りますか?突然の左打ちで引っ張れるかは分かりませんが!)」
せつ菜「(ともあれまずはカーブから入ります!ボールから外に決まるカーブなら引っ張ることは困難です!)」
歩夢「(うん!)」
歩夢「……」グー、パー…
歩夢「(うん、まだ行ける…!)」スッ
歩夢「えいっ!」シュッ!
ふわっ……
くっ……
せつ菜「っ!」
パシッ… ストライク!
アキバレポーター「初球は何とバックドアのスローカーブ!外角一杯に決まりました!歩夢ちゃんの制球力は終盤に入っても冴え渡っています!!」
せつ菜「(ギリっギリ入りましたが……カーブの曲がりが前の回に比べて弱い……)」
歩夢「…………」 せつ菜「(流石の歩夢さんも疲れが出てきたと言うことですね)」
歩夢「……」グッ、パッ…
歩夢「(この試合、私の後には栞子ちゃんが居てくれる)」
歩夢「(だから私のステージはこの回まで)」
歩夢「(ーーーこの回までは、私のステージ!!)」ギュッ!!
歩夢「…やぁっ!!」ギュシュッッ!
ふっ…くくくっっ!!
せつ菜「…っ!」
せつ菜「(曲がり始めが早い!そして内寄りに!!)」
千砂都「(インコース!!!来た!!!)」ザッ!!
千砂都「っっつあ!!!」ブ…!
ばこん!!ぽーーーん!!
かすみ「っ!!!」ダッ!
せつ菜「(引っ張られて叩きつけられた!!)」
せつ菜「かすみさん前です!!急いーーー」
かのん「ちぃちゃああああん!!!走れえええええ!!!!」
千砂都「っっ!!!!!」ダダダダダダッ!!!!!
歩夢「…速い!!」 千砂都「(絶対セーフにする!!!)」ダダダッ!!
かすみ「くっ…やぁっ!!」パシバッピュッ!
千砂都「〜〜っっ!!」ダッ…!
ダバシッンッ…!!
かのん「っ!!」
恋「際どい……っ!!」
クゥクゥ「セーフ!?」
侑「それとも、アウト!?」
……セーーーフ!セーーーフ!!
千砂都「うぃっしゃー!!」ガッツポ!!
かのん「ちぃちゃーーーーん!!!」バッ!!
アキバレポーター「セーーフ!!千砂都ちゃん内野安打ー!!超前進守備をかいくぐったぁぁ!!」
かすみ「ぬににに…!!!かすみん今カンペキだったのにぃ!!」
愛「いや!かすかすが2、3mジャンプしてジャンピングスローしてればアウトに出来た!!」
かすみ「出来る訳無いじゃないですかそんなの!!」
ランジュ「何言ってるのかすみ。それくらい出来なくてスクールアイドルを名乗るつもり?」
かすみ「えーい!!そこのフィジカルお化け三遊間お黙り下さいです!!」
歩夢「…………」
せつ菜「歩夢さん!」
歩夢「(ゴメンね。曲げることを意識しちゃった)」サッ
歩夢「(まだ、まだ大丈夫だよ…!!行ける、行けるもん!!)」 かのん「やった…やったちぃちゃん!!」
クゥクゥ「ノーアウトのランナーです!」
恋「この好機、逃すわけにはいきませんね!」
かのん「悠奈さん!続いてー!!」
悠奈「任せて!!」
かのん「よぉぉぉし!!絶対この回勝ち越すよ!!」
すみれ「……かのん」
かのん「うん?!」
すみれ「そんなに大声出したら疲れるでしょ。座ってなさい」
かのん「…………」
かのん「……ふにゃ」フラ~~……
クゥクゥ「オアーーーッ!?かのーん!!」
すみれ「……」
すみれ「(そうよ。休んでなさい。絶対、絶対に点取ってあげるから!)」グッ…!
アキバレポーター「さぁノーアウトのランナーが出て2番悠奈ちゃん!先程は凄まじい投球を見せてくれましたが打撃の方はここまでノーヒット!続けるか〜!?」
悠奈「当然!ここで打てなきゃラブライブ!東京代表の名が廃っちゃうよ!」 せつ菜「(悠奈さんには既に歩夢さんの全球を見せています)」
せつ菜「(それでもまだヒットは打たれていない。自信を持っていきましょう!)」サイン パパッ
せつ菜「(それと歩夢さん、クイック忘れずにーーー)」サイン パッ……
歩夢「(うんっ!!)」コクリ!
歩夢「(まだ行ける、まだ行けるよ…!!)」
歩夢「(まだ私のステージは、終わらせない!!)」スッ…………
千砂都「ふっ!!!!」ダッ!!!
せつ菜「(歩夢さん!?クイック!!)」
果林「ッ!スチール!!」
歩夢「やぁっ!!」シュッ!
ふわっ…くくっ……くくくっ!!
悠奈「……」
パシッ ストライク!!
千砂都「っし!」ザァッ!!
セーフ!
歩夢「…………」
せつ菜「歩夢さん……」
歩夢「(せつ菜ちゃんゴメン。今、クイックのサイン出てたね…)」
歩夢「(でも大丈夫)」
歩夢「(ホームまで帰さなければ、点は入らないから……!バッター集中だよ!!)」 アキバレポーター「千砂都ちゃん盗塁成功ォォ!!初回盗塁失敗のリベンジを決めました!」
千砂都「どうだぁ!リベンジしたよ!」
歩夢「……」ニコッ
千砂都「むむ…!」
アキバレポーター「しかしマウンド上の歩夢ちゃんはまだまだ涼しい表情!揺るぎません!!」
愛「いいぞ歩夢〜!これくらいピンチでも何でもないよね!」
果林「歩夢なら抑えられるわ!」
ランジュ「ランジュの所に打たせなさい!華麗に片付けてあげるんだから!」
歩夢「うん!よろしくね!」
悠奈「……ほんと、優しい顔して強い子だね!歩夢ちゃん!」
せつ菜「…私も驚いています。この試合で歩夢さんはより一層強く優しく成長されました」
せつ菜「正にまごころ系、そしてコツコツ系スクールアイドルです!」
せつ菜「(私は歩夢さんを信じます!ですからもう少し、もう少し頑張って下さい歩夢さん!!)」
歩夢「はぁっ!!」ポムッ!
ひゅーーーー……
悠奈「(ど真ん中!?これは……パームボール!!ここから沈む!)」ブ…!!
すぅっ……んっ……!!
ブンッッ!!!
悠奈「パァッ!?もっと沈んだ!!」
アキバレポーター「歩夢ちゃんのパームが悠奈ちゃんの手元で消えるかのように沈みました!!これで追い込んだぁぁ!!」
歩夢「ふぅ……!」グッ、パッ…
歩夢「(多分、パームを投げられるのはーーー)」
歩夢「(あと、2球……)」 パームといいスライダーといい、肘に負担の掛かる球種だからねえ。 歩夢「(まだ、小指以外の力は入る…けど)」
歩夢「(小指で挟むのがつらいかな……)」
歩夢「(……それでも、パームはまだ沈んでくれる!)」
歩夢「(あともう少し、最後まで頑張るよ!!)」
せつ菜「(ノーボール2ストライク……)」
せつ菜「(ボール球を見せた上で勝負したい所ですが、もう歩夢さんの球数猶予は残り僅かと見るべきです)」
せつ菜「(ここまで見て悠奈さんは配球を読むタイプには感じられません)」
せつ菜「(来た球を打つタイプなら……)」
歩夢「……」コクリ
悠奈「(ノーアウト2塁!絶対ヒットを打つ!)」
悠奈「(でも、どんなに最低でも千砂都ちゃんを3塁に進める!)」
悠奈「(そうすれば、摩央が絶対に点を入れてくれるから!!)」
悠奈「(さぁ来い!3球勝負のつもりで構えるよ!!)」ギュッ!
歩夢「…っ!やぁっ!!」シュッ…!
ふわぁぁぁん……
悠奈「(ストレート…っ!じゃない!)」
ふわぁあん……
悠奈「(チェンジアップ…!!!ボールが来ない!!)」
せつ菜「(インローのゾーン内に収まるチェンジアップ!)」
せつ菜「(三振も内野フライも三遊間へのゴロも狙える完璧なコースです!)」
せつ菜「(その上タイミングもズラしました!まともにスイングもさせませんよ!!!)」 摩央「悠奈っ…!」
悠奈「……っ!!パァァッ!!!」
ゴキィィン…!!
せつ菜「なぁ……!!ぐっ……!!」
ぽてっ…!
かすみ「オーライですぅ!」パシッ!
かすみ「果林先輩!」シュッ!
果林「OKかすみちゃん!」パシィ!
アウトォ!
アキバレポーター「歩夢ちゃんが悠奈ちゃんを3打席とも封じ込めたぁ!!」
アキバレポーター「しかしながら悠奈ちゃんも意地の進塁打!!インローのゾーン内に吸い込まれて行ったチェンジアップをバットの根本に当てつつ無理やり逆方向へ転がしました!」
アキバレポーター「これで1アウト3塁に!Liella!はこれ以上無い勝ち越しのチャンスだぁぁ!!」
せつ菜「(どうして今のボールを逆方向に運べるのですか……!)」
悠奈「パァ〜〜……3の0だぁ〜……」タッタッ…
悠奈「(でも、ランナーは進められた!)」
悠奈「摩央!後は頼んだよ!!自分のバッティングでいいからね!」
摩央「……えぇ。任せて悠奈」
アキバレポーター「さぁこの場面で迎えるはここまで2安打!悠奈ちゃんが凡退すれば直後の摩央ちゃんが打つ!恐怖の並び3番摩央ちゃんだぁ!」ワーワー!!! せつ菜「タイムお願いします!」タイム!
愛「いや〜こっちも正念場って感じだね!」
果林「ここで取られたら後が無いわ。必ず守り抜きましょう」
かすみ「はい!そもそも歩夢先輩が先頭のあら子を出さなければよかったんですぅ」
ランジュ「あれはかすみが2mジャンプ出来なかったのが悪いわ!」
かすみ「どぅあから無茶言わないで下さいぃぃ!」
歩夢「ふふ。かすみちゃんの言う通りだよ。ピンチ作っちゃってゴメンね」
歩夢「でも、自分で作ったピンチだから…ちゃんと自分で守り切るよ…!」
愛「歩夢…!!」
愛「信じてるよ!それに後ろにはアタシ達が居るからさ!思いっ切り投げな!」
歩夢「うん!」
せつ菜「腹は括れましたね。シフトは当然ホーム死守。前進守備です」
せつ菜「ただ、摩央さんは歩夢さんのボールを上手く拾って2回とも外野まで運んでいます」
せつ菜「ゴロにも、頭上を越すライナーどちらにも対応出来るようにお願いします」
「オッケー!」「ですぅ!」
せつ菜「歩夢さん!とは言えこの場面狙うは三振です!2アウトまでこぎ着ければ十分凌げます!もう一踏ん張りです!」
歩夢「うん……!」
歩夢「あの、せつ菜ちゃん……」
せつ菜「はい?」
歩夢「もし、カウント有利で追い込めたらーーー」
歩夢「私、とっておきだけど変なボール投げちゃうかもしれないから、よろしくね」
せつ菜「!?」⁄/*イ`^ᗜ^リ !? せつ菜「えっ!?とっておき?!変なボール!?」
歩夢「あぁ…!せつ菜ちゃんシーッ!とにかくよろしくね!」
せつ菜「え、ちょ…!」
球審「そろそろ!」
せつ菜「は、はいぃぃ!」
せつ菜「(何ですか!?変なボールとは!?歩夢さんにはここまで隠してきた私も知らないような球種がまだあるんですか!?)」
せつ菜「…………」
せつ菜「(とにかく!そう言うことであれば……!その球も投げられるよう逆算して攻め込みます!!)」
摩央「(さてとーーー)」
摩央「(さっき悠奈が打ち取られたのはチェンジアップ……!!)」コォォォ…!
摩央「(けれど……)」スンッ…
摩央「(私は前の打席でそのチェンジアップを長打にしている。恐らくこの場面またゾーンの中にとは考えにくいわ)」
摩央「……」
摩央「(歩夢さんは緩急を巧みに操りバッターのタイミングを崩し、ボールを低めに集めて凡打の山を築いてきたピッチャー)」
摩央「(私も1打席目はともかく、2打席目は飛んだ所が良かっただけで打ち取られたようなもの)」
摩央「(けれど、低めに集めると言うことは裏を返せばゴロ自体は打てなくもない)」
摩央「(この場面、強く叩きつけられればそれだけで3塁の千砂都さんは突っ込んでこられる)」チラッ…
千砂都「(うん!少しでもバウンド浮かせて転がしてくれれば突っ込むよ!!)」コクリ!
摩央「(えぇ)」コクリ
摩央「(であればこの場面私に必要なのはとにかくバットに当てること。内野手の正面を突くライナー、浅すぎるフライ、そして三振。これだけは絶対に避けて、千砂都さんをホームに返すわ)」ギュッ!
歩夢「っ……」スッ…
摩央「(球種は問わない。全てのボールをとにかく引きつけて、低めの球ならボール気味でも叩きつける…!)」
歩夢「やぁっ!」ピシュッ! ひゅーーーん……
摩央「っ…!」
摩央「(高い!!パームならここから落ちーーー)」ブ…!
ひゅるるる…!!
摩央「っ!!」ブンッ!!
パシッ! ストライーク!!
アキバレポーター「初球はインハイへのストレート!!歩夢ちゃんせつ菜ちゃんバッテリー、この場面でも攻めの姿勢は崩しません!!」
摩央「(低めに意識を向けすぎたわね。少しだけ高めが来ることもケア。犠牲フライだっていいのだから)」
せつ菜「……」サイン パパッ…パッ!
歩夢「ふぅ〜…」コクリ
アキバレポーター「さぁ第2球!!」
歩夢「はっ!!」ピビシュッ!!
ふっ…くくくっ…!!
摩央「(カーブ!)」ザッ!
摩央「(外低めに逃げる……けれど、届けば当てられる!叩いてバウンドさせられる!)」ブ…!!
せつ菜「(曲がれ!もっと曲がれえぇぇ!!)」
くくくっ…!!!
摩央「はぁっ!」
ガキィィン!!ぽーーーん!
果林「っ…!!」バッ!
ファーール!!ぽてーん、ぽてーん……
アキバレポーター「アウトローへ外れていくカーブに摩央ちゃん手が出た!いや、転がすために敢えて手を出したか!?」
アキバレポーター「しかしながらここ一番歩夢ちゃんのカーブは依然大きな変化!ボールは一塁側ファールゾーンへ飛びました!さぁ早くも2ストライク追い込んだ!!」
摩央「(1、2打席目で見た時より曲がり始めが早い分変化も大きかったわ。やられたわね)」
摩央「(それでも!早くに追い込んだなら勝負球のパームを使いたい筈。狙いやすいわ!)」ギュッ! せつ菜「ふぅーー!!」
せつ菜「(歩夢さん、ナイスカーブです!)」
歩夢「(千砂都ちゃんに当てられた曲がりを意識しすぎたカーブを敢えて要求したせつ菜ちゃん)」
歩夢「(見逃されたらボール球どころか、ワイルドピッチになっちゃうようなボールになるのに……せつ菜ちゃんは凄いな…)」
歩夢「(そんなせつ菜ちゃんだから、信頼して投げるよーーー)」スッ…
せつ菜「(お団子に触れた…!これまでに無い動き、サイン!)」
せつ菜「(謎の球が来ます!いいですとも!捕ってみせますよ!!歩夢さん!!)」
歩夢「(お願い!捕ってね!せつ菜ちゃん!!)」スッ…
アキバレポーター「さぁ第3球!!再び3球勝負来るか!?勝負球パームボールで来るのか!?」
歩夢「えいやぁっ!!!」ポムパッ!!
ふわん……っ 摩央・せつ菜「!?」
ほわんくくっ……ふよんくくくっ……
摩央「(揺れ……っ!?)」
せつ菜「(これは!!無回転!!)」
せつ菜「(ナックルボール!!)」
ふわぁぁっ……
摩央「な、あ……!」ビタ……………!!
悠奈「あっ……!」
せつ菜「くぅっ……!!!」
せつ菜「(ギリギリまで!ミットに収まる最後まで!!目で追う!!!)」スッ…!!
パシッ……
摩央「…………!!!」ギュ…………!
ストライイイィィィク!!!バッターアウト!!!
ドワァァァアアアアア!!!ワーワー
!!
侑「い、今の球……!!!」
歩夢「っ!!!!」
歩夢「よかった……ちゃんと揺れた……」フルフル…! アキバレポーター「なななななぁぁ!!!?摩央ちゃん見逃し三振ーーー!!!!」
アキバレポーター「いいいい今の球は!?揺れました!!ま、まさか!ナックルでしょうか!!?」
アキバレポーター「リプレイを見ます!のぁぁー!!ナックルボールです!歩夢ちゃんナックルの握りでボールを押し出しています!!」
アキバレポーター「そして驚きはそのナックルの変化!!完璧に揺れています!左右に1回ずつ振れて、そして最後にもう一度シンカー気味に沈みながらせつ菜ちゃんのミットへ収まりましたァァ!!!」
摩央「……」
摩央「(フォームが若干違っていた。あれはフォームが乱れた訳ではなく、ナックル専用のフォーム……)」
摩央「(まさか、こんな終盤にあんな隠し球……それも、変化するか分からないナックルボール……)」
摩央「(完全に意表を突かれてしまったわ……)」
摩央「(身体が、動かなかった……)」
すみれ「……………」ギュゥゥゥ!!
摩央「すみれさん、ごめんなさいね」
摩央「この場面、頼んだわ…」
すみれ「はい!!!任せて頂戴!!!」
アキバレポーター「まさかまさかの秘密兵器がここで飛び出した!!Liella!の助っ人サニパの2人を退け2アウト!!」
アキバレポーター「そして4番!ヒットこそ出ていませんが!歩夢ちゃんのボールに決してタイミングは合っていませんが!!ここまでLiella!の全得点を叩き出しているギャラクシーガール!!」
アキバレポーター「すみれちゃんとのラストバトルだぁー!」ワーワー!!! 愛「歩夢〜〜〜!!!ナイスボール!!2アウトまで来たよー!!」
果林「あと1アウト!集中して取りましょう!!」
ランジュ「打たせていいんだからね!」
歩夢「うん…!」コクリ
歩夢「ふぅ、はぁ……」フルフル…
かすみ「歩夢先輩……」
歩夢「(右手が、震える)」
歩夢「(でも、あと1人だから。あと1人抑えられれば、皆がきっと打って点を入れてくれる。その後は栞子ちゃんが投げてくれる)」
歩夢「(だからーーー!)」
すみれ「…………」
千砂都「すみれちゃーん!最高の見せ場が来たよー!」
すみれ「……」コクリ
恋「すみれさん!決めてください!!」
すみれ「……」コクリ
クゥクゥ「今度こそきちんとヒット打って点を入れるデスこの打点乞食ー!!!」
すみれ「…………」スーン
クゥクゥ「あー!ククのことだけ無視しました!!」
悠奈「パァ〜〜!すみれちゃんお願い!打って〜〜!!」
摩央「力まずに!振り抜けば必ず打ち返せるわ!」
ありあ「すみれ、さん…!!」
すみれ妹「お姉ちゃん……!お姉ちゃんっ!がんばれ!」
かのん「ハァ…ふ……すみれちゃんっ!!」
すみれ「!!」バッ…!
かのん「打って……!すみれちゃんなら絶対打って点入れてくれるって信じてるから!」
すみれ「かのん……」 ーーー
ーー
ー
一昨日の練習後……
かのん「あぁ〜〜……つかれた……」バタリ
すみれ「お疲れ。投げ込みは今日までだっけ?」
かのん「うん。明日は肩肘休めて明後日に向けて万全にするんだ」
すみれ「エース様は大変ねぇ〜。はぁ〜残念。私が誰にでも打たれる棒球しか投げられないヘボピーでなければピッチャー代わってあげてもよかったのだけど〜」
かのん「あははは……結構根に持ってるね」
すみれ「ふんっ」
かのん「……頼りにしてるよ?すみれちゃんのこと」
すみれ「ふーんだ。調子いいこと言って」
すみれ「大体ねぇ!私が4番でセンターってどういうことよ!嫌味!?嫌味でしょ!!これで明後日の試合何とも言えない成績しか残せなくて守備の人とか打てん王とか優勝お断り人とか言われるんでしょー!?キーーーッ!!」
かのん「嫌味じゃないし誰もそんなこと言わないって……」
かのん「すみれちゃん、練習でも凄く打ってたじゃん。Liella!で一番長打力あるし」
すみれ「恋の方がしっかり当てるの上手いからそんな気しないわ」
かのん「ストレートには滅法強いじゃん」
すみれ「変化球投げてこられたらそれまでよ。来るのが分かっててかのんのカーブを打ち返せるレベルだし」
かのん「それでもーーー」ジッ…
すみれ「…何よ」
かのん「すみれちゃんは守備でも打撃でも、私のこと何度も助けてくれる気が今からしてるよ。すみれちゃんなら絶対何とかしてくれる。何かを巻き起こしてくれるって」
すみれ「……」
かのん「そんな予感がしてる」 かのん「それにさ!4番センターだよ?!響きが最高に格好いいよね!」
すみれ「そう?」
かのん「そうだよ!だってゴジラだよ!ゴジラすみれ!やば〜メッチャ打ちそう」クスクス
すみれ「……やっぱ馬鹿にしてんでしょ」
かのん「してないってば〜笑」
すみれ「口角が上がりまくってんのよ!」ムニーー
かのん「あふぇー!」
かのん「で、でも!絶対すみれちゃんは4番でセンターが一番似合うよ!寧ろすみれちゃんが一番輝ける場所はここだって本当にそう思ってるから!」
かのん「だから!明後日の試合ーーー!」
ーーー
ーー
ー
すみれ「……証明してあげるわ」
かのん「すみれちゃんが4番って所……見せちゃえ……!!!」
すみれ「不可能なんてないってことを」
愛「歩夢!!なすみんタイミングずっと合ってないから絶対大丈夫!上から見下ろして投げちゃえ!!」
かすみ「誰ですかなすみんって!?」
歩夢「ふぅ……」
すみれ「崩してみせるポーカーフェイス」
すみれ「虜に、しちゃうわよ!!」ザッ!!
アキバレポーター「さぁ機は熟した!正にターニングポイント!大一番!!」
アキバレポーター「歩夢ちゃんとすみれちゃんの三度目の激突です!!」 侑「歩夢……!がんばれ。がんばれ…!!!」
ミア「侑」
侑「あっ!ミアちゃん!栞子ちゃんはもう準備完了?」
ミア「あぁ」
栞子「はい。いつでも行けます」
ミア「……ピンチではあるね。けれど、ここまで2安打浴びていた3番を三振にとっていたじゃないか」
ミア「凄いな歩夢。どうやったんだ?」
侑「追い込んでから、ナックルを投げたんだと思う」
ミア「何だって?ナックル?」
侑「私とキャッチボールに近い投げ込みしてた時にね、遊びで投げてたんだ」
侑「1回か2回しか揺れたこと無かったんだけど、まさかここで投げるなんて」
ミア「Crazy……そんな変化するかどうか分からないボールを投げるなんて」
ミア「でも、だからこそ面白い…!!」
しずく「ここで4番のすみれさんを抑えられればきっと勝機が見えてきます!」
栞子「はい。歩夢さん!投げきりましょう!」
ミア「……投げきれるか。歩夢」
侑「っ……私は歩夢を信じるよ!!」
侑「歩夢ーーーー!!!!がんばれーーー!!!」 歩夢「……」
歩夢「(侑ちゃんの声が聞こえる)」
歩夢「(侑ちゃんの声が私に力をくれる)」
歩夢「(だから…あと1人。全力で投げるよ!!」ク……
歩夢「(っ…!お願い!右手に力、入って!)」グッ…!
すみれ「(私がこの人のボールでタイミングを合わせられたのはストレートだけ)」
せつ菜「(もうまっすぐは例えボール球であろうと投げません。と言うより、ボール球を使っている余裕が歩夢さんに残っているかどうか……)」
すみれ「(それ以外のボールは変化も大きい上にどうしても身体が迎えに行ってしまう)」
せつ菜「(とにかく!ゾーンの中に変化するボールを入れます!)」
すみれ「(…決めた。腹括るわ。この打席もストレートを狙う!!)」
すみれ「(どうせ大きく曲がるカーブと沈むパーム投げてくるんでしょ!?)」
すみれ「(タイミング合わせられないし、当てられるか分からないけど……!!)」
アキバレポーター「さぁ!第1球!!」
歩夢「はぁぁっ!!」ピシュッ
ふわっ…くくっ!!
すみれ「〜〜〜〜〜っ!やぁ!!」ブン…!!
チッ! バスッ……ポロ…… ファール!
歩夢「(カーブを振ってきて、当てられた…!)」 アキバレポーター「初球はスローカーブでファール!!」
アキバレポーター「歩夢ちゃんのここまでの投球を支えたカーブがアウトローに行きましたがすみれちゃんも振っていきました!僅かに掠りましたね!次はどうか!?」
歩夢「(カーブで空振り取れなかった)」
すみれ「(ほら、掠らせてやったわよ。変化球だけでいいの?1球くらいストレート使いなさいよ)」
せつ菜「(今のはフェイクです!すみれさんが待っているのは間違いなくストレート!!)」
せつ菜「(歩夢さんにはまっすぐと同じスピードで投げられるぽーむがあります!)」サイン パパッ
歩夢「(パーム……)」コクリ!
歩夢「(しっかり握って!腕を振って!!)」ポムッ!
ひゅーーーーー……
すみれ「ーーー!!!」
すぅっ……!!
すみれ「っっ…!!りゃぁぁ!!」
ブン!!チッ!! ドスッ!! ファーール!ファーール!!
歩夢「!!」
アキバレポーター「2球目はパーム!!しかしこれもすみれちゃん喰らいついてまたも掠らせた!惜しかったですがこれで追い込まれた!!」
せつ菜「(今、沈むぽーむの軌道に合わせて振りました!まっすぐは狙っていない……?)」
すみれ「ふぅ〜〜〜〜!!」
すみれ「(か、掠ってよかった……!!さぁ!裏かいてストレート来なさいよ!!)」 千砂都「(すみれちゃん。余裕無さそうに見えてストレートを投げさせようと誘ってる)」
恋「(確かに2球続けて変化球を打とうとする姿勢を見せれば…。ですが……!)」
せつ菜「ふぅ〜〜……」
せつ菜「(迷う必要はありません。ここは絶対にまっすぐ狙い)」
せつ菜「(まだ十分沈む変化も見られました。まっすぐ狙いならもう1球ぽーむで空振りを取れます)」サイン パパッ
歩夢「(パーム…!)」
せつ菜「(歩夢さん!もう1球ぽーむ行けますか!?)」ミット バシッッッ!!
歩夢「ふぅ……」コクリ…
歩夢「(大丈夫。もう1球なら…パームも投げられる)」フルフル…
かすみ「……」
歩夢「(これが私の、最後の1球のつもりで投げるよ!)」フル……スッ…
かすみ「(歩夢先輩……?)」
かすみ「(何で、そんなに右手が震えているんですか……!?)」
アキバレポーター「歩夢ちゃん構えて第3球!!1球外すか!?それともここで勝負に行くか!?」
歩夢「……たぁっ!!!」ポム……ッ ひゅーーー……
すみれ「(一番スピードのある球!!絶対にスレトート!!)」
せつ菜「(高めーーー!)」
せつ菜「(ですが!ここから沈む!!空振り貰います!!)」
ひゅるるーーー……
すみれ「(振り切れ!!!)」ザッ!!
…………す……
せつ菜「(っ沈ーーー!?)」
キャアアン!!ぼこっ!!!!
歩夢「!!!」バッ!
かすみ「オーライです!!!」ダッ!!
すみれ「っ…!!くっ!!!!!」ダッ!!!
せつ菜「歩夢さん!!」
アキバレポーター「叩いて弾んだ!!!マウンドとファーストの間に跳ねるー!!!」
アキバレポーター「これはピッチャーゴロだ!!歩夢ちゃん落下点に入ーーー」
かすみ「歩夢先輩!!かすみんが捕ります!!」タタタッ!
歩夢「かすみちゃん大丈夫!!オーライ!!」
かすみ「だっ、駄目…!」
歩夢「よしっ!」パシッ
歩夢「果林さんーーー!」
ポロッ………… >>439
それ言ったら変化球投げてることや他のキャラが上手いのかにも疑問もとうや。
些事でしかない 歩夢「……………え」
ぽて……
アキバレポーター「えっ!?あ、歩夢ちゃん零した!!」
かのん「っ!!すみれちゃん!走れえええ!!」
すみれ「やぁああああ!!!」タッタッタッ!!
せつ菜「歩夢さん!!まだ間に合います落ち着いて!!!」
千砂都「やああぁぁっ!」ズザァッ!!
歩夢「っ!!」バッ!!
ヒョイッ……!!
歩夢「果林さーーー!!!」
ポロ……………
せつ菜「あっ…………」
侑「あゆ、む……」
すみれ「ぐうぅぅぅ!!」ダンッ!!
セーーーフ!!
ホームイン!!!
かすみ「歩夢、先輩……」 これはピッチャー的には次の試合以降にも後を引きそうなミスだ きゃああああああ!!!?
あああああ…………っっ!!!
アキバレポーター「い、一塁セーフ!!」
アキバレポーター「まさか、まさか……!!!」
歩夢「…………」ヘタリ、ペタン…
アキバレポーター「歩夢ちゃんっ…!ピッチャー歩夢ちゃんのエラーでLiella!が1点勝ち越しーーー!!!」
アキバレポーター「何ということでしょう!マウンドを速やかに駆け下りてボールを掴んだ歩夢ちゃん!ここまでは何の変哲も無いピッチャーゴロでした!」
アキバレポーター「しかしーーー!!」
歩夢「(握れ、なかった……)」フルフル…
アキバレポーター「一塁へ送ろうとした際にボールが手から溢れてしまいました!」
アキバレポーター「すぐさまもう一度ボールを掴んで今度はそのまま下手投げで送ろうとするも、再び歩夢ちゃんの手からボールが落ちました……」
アキバレポーター「どちらもボールを手に取ってはいますが、握れなかったのでしょうか……」
アキバレポーター「焦っているようには見えませんでしたが、歩夢ちゃん……」
愛「歩夢……」
しずく「歩夢さん……」
ミア「…………oh my god」 すみれ「はぁ…っ!はぁ……っ!!」
すみれ「(何が、何が起こったのよ……?)」
悠奈「1点…!点入ったよ!!」パァッ!
千砂都「何かきたあああああ」タッタッ!
かのん「すみれちゃん、やった…!」
クゥクゥ「そんな……!どうして!?」
摩央「クゥクゥさん、そんな怪訝な表情する場面ではないわ」
かすみ「……」
かすみ「歩夢先輩。手、大丈夫ですか?」
歩夢「かすみちゃん…」
かすみ「かすみんの手、握ってみてください」ギュ
歩夢「……」ク……
歩夢「ん…!んんっ……!」ク…………
かすみ「……限界の限界まで、投げていたんですね」
歩夢「かすみちゃん、私、私……」
かすみ「ごめんなさい。かすみんが歩夢先輩のこと押し退けてでも捕れば……」
かすみ「かすみんが捕っても十分アウトに出来たのに…」
歩夢「……」
侑「歩夢」タッタッ…
歩夢「あ……侑ちゃん……」
侑「……まだ、投げる?それとも、栞子ちゃんに任せる?」
歩夢「……」
歩夢「ううん」
歩夢「今ので私のステージは終わり」
歩夢「そのつもりで、投げたから……」
侑「…うん。分かった」 侑「ミアちゃんっ」
ミア「…OK」
ミア「栞子、ここからはキミのステージだ。しっかり魅せてきてくれ」
栞子「はい。まずはこの回を抑えてきます」ザッ…!
アキバレポーター「あぁ…!ここで歩夢ちゃんがマウンドを降ります!」
アキバレポーター「奇しくもかのんちゃんと同じく6回2アウトまで投げた所での交代となります!」
「歩夢ちゃああああん!!!!」
「ナイスピッチングだったよー!!」
「凄かったよぉぉぉ!!」
アキバレポーター「歩夢ちゃん、紛れもなく素晴らしい投球でした!スタンドからも声援と拍手が送られます!」
アキバレポーター「5回2/3を投げて被安打は4!結果としてには3失点ですが自責点自体は1!」
アキバレポーター「チームLiella!のタイミングを尽く外してアウトを奪う投球、お見事でした!!」
歩夢「……」カツン、カツン…
しずく「歩夢さん…」
歩夢「ミアちゃん、しずくちゃん。ごめんね……」
ミア「いいや、ナイスピッチングだったよ歩夢。正直ここまでゲームを引っ張ってくれるとは思わなかった。震えたよ」
歩夢「……」
侑「歩夢、クールダウンしよう」
しずく「私はアイシングの準備しますね!」
侑「ありがとう!」 アキバレポーター(ウグイス嬢)「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、選手の交代をお知らせします」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「ピッチャー、上原に代わりまして…三船」
ドワァァァ!!
「栞子ちゃーん!!おねがーい!」
「ニジガクまだまだこれからだよー!」
侑「キャッチボールは……やめとこっか。肩回そう」
歩夢「うん…」
グルグル……
歩夢「(握れなかった……それに)」
歩夢「(最後のパーム。あと1球ならちゃんと投げられると思ったのにーーー)」
せつ菜「(僅かにしか沈みませんでした)」
せつ菜「(それでも、確かに沈んではいました。だからこそピッチャーゴロに打ち取ることは出来たのですから)」
せつ菜「(あと、一塁に送球するだけだったのに……)」
歩夢「(ナックル投げちゃったの、失敗だったのかな……)」
歩夢「(ううん。それよりも、自分の身体のことだもん。自分が一番分かってる)」
歩夢「(果林さんの近くまで少しだけ走って、グローブの方でぽんって投げれば……)」
歩夢「(どうしよう。終わってから、考えばかり浮かんでーーー)」
侑「歩夢!」
栞子「せつ菜さん!」
歩夢「っ!」
せつ菜「!」
侑・栞子「まだ試合は終わってないよ(ませんよ)!」 せつ菜「栞子さん……!」
栞子「まずこの回を抑え、次の回必ず追いつき逆転する。それだけです」
侑「歩夢があんなに頑張って投げてたんだよ?皆が絶対に打ってくれるよ!」
侑「だから早くクールダウンして皆を応援しよう!」
歩夢「うん……うんっ!」
せつ菜「そうですね。その通りです!!」
栞子「さぁ。まっすぐ系スクールアイドル 三船栞子、参ります!」
ランジュ「栞子!頼んだわよ!!」
栞子「お任せ下さい」
アキバレポーター「マウンドに上がった栞子ちゃん、投球練習に入ります」
栞子「ふっ……、やぁぁ!!」ビシュ!
すぅ……しゅん! スパァン!
恋「……上原さんに比べれば格段に速く感じますね」
恋「ですがこの球質。かのんさんに近いです」
恋「かのんさんの球を受けてきたわたくしなら、打たなければいけない投手です!」
アキバレポーター「さぁ2アウト1塁から再開!5番の恋ちゃんが打席に入ります!」
アキバレポーター「恋ちゃんはここまでノーヒットでこそありますが打球自体は鋭いもの!ここから続くことは出来るでしょうか?!」 せつ菜「(次の打者が疲弊しているかのんさん。ならば1塁が空く盗塁は仕掛けてこないでしょう)」
せつ菜「(ただ、ヒットエンドランで外野を抜かれたら一気にホームを狙われます。そこだけは注意です)」
せつ菜「璃奈さん!エマさん!彼方さーん!」⁄/*イ`^ᗜ^リ ノシ
璃奈・エマ・彼方「はーい!」
アキバレポーター「虹ヶ咲の外野陣は後退しつつ右左中間を少し締めたシフト。長打が出てもホームまでは帰さないという姿勢ですね」
せつ菜「(さぁ栞子さん!後は思い切り投げるだけです!)」
栞子「(はいっ)」
栞子「ふっ…」
アキバレポーター「注目の交代直後の1球!」
栞子「はぁっ!」ビシュッ
恋「っ!」
スパァン!!ストライーク!
アキバレポーター「初球外角低め一杯にストレート!ナイスボールです!」
恋「(まるで糸を引くかのような綺麗な直球…!)」
恋「(思わず手が出せませんでした。次は振りに行きます!)」ギュッ せつ菜「(次は振ってくるでしょう)」サイン パパッ
栞子「(はい)」コクリ
栞子「やぁっ!」ビュッ!
すっ…ぐるる!
恋「はっ!!」
ガキィィン!ファール!
アキバレポーター「2球目は振っていくもファール!ピッチャーが交代してもバッテリーはストライク先行で押していきます!」
恋「(今のは…!?)」
恋「(速度は同じように感じましたが初球の糸を引くかのような綺麗な回転の直球とは違い、何か不規則な回転とも言えるかのようなーーー!)」
せつ菜「(2本の指で投げるストレートとは違い3本指で引っ掛けながら投げて微妙に沈ませつつ僅かな横変化をすることもあるムービングファスト)」
せつ菜「(栞子さんの第2の武器です!)」
せつ菜「(そしてーーー!)」
栞子「(はい、3球勝負。お任せ下さい)」
アキバレポーター「さぁ追い込んでからの3球目!」
栞子「やぁっっ!」ピシュッ!
すっ……
恋「(直球!真ん中!!行きます!!)」ブ…!
しゅるるん……!
恋「っ!!」 パシィッ! ストライーク!バッターアウト!!
ワーワー!!ヤッター!!
アキバレポーター「きたー!ズバッと三振まいどありーっ!!」
アキバレポーター「最後は手元でスッと食い込みつつ沈みました!今のはツーシームでしたでしょうか!?スイングをかわす大きな変化でしたぁ!」
恋「くっ…!対応出来ませんでした…」ギュッ!
恋「(…ですが切り替えましょう。次の回守りきればわたくし達の勝利です!)」
せつ菜「栞子さん完璧です!痺れました!」
栞子「ありがとうございます。練習通り投げられて良かったです」
ランジュ「ナイスよ栞子!でもランジュの所へ打たせてもよかったのに!」
栞子「ふふ。それはすみません」
侑「みんなおかえり!!」
しずく「継投からテンポ良く凌げました!」
歩夢「栞子ちゃん…みんな…!ありがとう!」
栞子「そんな、お礼だなんて」
栞子「きちんとアウトを取ることが出来てホッとしています。多少なりとも緊張していたんですよ?」
栞子「どちらかと言えば、褒めて欲しいです」
歩夢「あ…うん!そうだね!栞子ちゃん凄く良い投球だったよ!格好良かった!」
栞子「ありがとうございます…///」 ===
悠奈「パァー!抑えるよー!」タタター
かのん「ついに最終回だ」
かのん「よい、しょ…」グッ
太ももピキッ……!!!
かのん「ホグワアァァーーーーーーーッッツ!!!?」ズキーーーン!
千砂都「かのんちゃん!?」
すみれ「何でハリポタ……」
かのん「あ゛い゛っ……だぁぁぁ…!!!ふとも゛もっっ……吊ったああああ!!」
サヤ「落ち着いて下さいかのん様。ゆっくり、ゆっくり伸ばして……」
かのん「うぅっ……!う〜〜〜〜………!!!」
〜〜〜
かのん「ハァ、ハァ……うぅ……」グスッ
サヤ「大丈夫でしょうか?」
かのん「はい…落ち着きました……」
千砂都「無理はしちゃ駄目だけど、あともう少しだから!頑張ろうかのんちゃん!」
かのん「うん……あぁ……もう……泣いたせいで頭フラフラしてきた……」
クゥクゥ「かのん……」
恋「(かのんさん、完全に満身創痍です)」
悠奈「かのんちゃん!レフトに立ってくれてるだけでいいから!あと3人、踏ん張って!」
かのん「は、はい……っ」フラフラ…
アキバレポーター「さぁついにここまでやって来ました最終回!」
アキバレポーター「かのんちゃんがとてもゆっくりレフトの守備位置につくのが気がかりですが、その一方で前のイニング凄いボールを投じてランジュちゃんを三振にとった悠奈ちゃんの前に下位打線の虹ヶ咲は正に万事休す!最後の粘りを見せられるか?!」
アキバレポーター「そんな虹ヶ咲はベンチ前で円陣を組んでいます!」 虹ヶ咲「…………」
ミア「追い詰められたね。でも」
ミア「今の自由な皆ならきっとチャンスを作れると思ってる。諦めずに自分のステージを披露しよう」
せつ菜「はい!!1点差の最終回、下位打線から……!!正に燃える展開じゃないですか!!」
せつ菜「バツゲームになんてさせません!必ず同点、逆転を目指しましょう!!」
愛「そのためにも、先頭のカナちゃんには何がなんでも出塁して貰わなきゃ!」
彼方「うーん。結構攻め入るスキがあったかのんちゃんはともかく、あの悠奈ちゃん相手となると流石に荷が重そうなんだぜ……」
ミア「um……」
彼方「と言うことでミアちゃんお願い」
ミア「what?!」
果林「そうよ。ミアはまだ出場してないんだし、ずっと口ばかり動かして身体が固まってるんじゃない?」
かすみ「そうですよ。口うるさいままで終わるつもりじゃないですよね?」
ミア「ふんっ…煽ってくれるじゃないか」
かすみ「必ず出てかすみんまで回して下さい!ミア子!!」キッ!!
しずく「(かすみさん、凄い気合い……)」
ミア「分かったよ。必ず出塁する。だから栞子、璃奈。そしてエマにかすみも」
ミア「頼んだよ」
栞子「はい」
璃奈「任せて」 アキバレポーターさんよ、ゲームセットの声を聞いていないのだから「万事休す」はまだ早いよ。追い詰められたことを表現するなら例えば「土俵際」や「崖っぷち」がふさわしいと思います。 ミア「よし、球審!代打だ!」
球審「はい。7番近江さんに代わってーーー」
ミア「ボクだ!!!」
うおおおおぉぉぉ!?
アキバレポーター「さて!7回表は7番彼方ちゃんから!!ですがここで代打起用のようです!」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 選手の交代をお知らせします」
アキバレポーター(ウグイス嬢)「7番 近江に代わりまして、ミア・テイラー」
ワーワー!!!
アキバレポーター「代打はミアちゃん!!ここまでは主にメンバーへ指示を出す役割を担っていましたがプレーの実力は如何でしょうか!?」
ミア「Hey, come on!」
悠奈「ふふふ。そんな細腕で私のボールを打てるのかな?」
果林「ーーーで、ミアのバッティングってどうなの?相変わらず体力と腕力はヘナチョコよね?」
愛「そうだね。アタシ達への練習指示から基礎の底上げを優先してくれて、なかなか自分の練習はーーー」
璃奈「大丈夫だよ」
しずく「っ、璃奈さん?」
璃奈「ミアちゃんは大丈夫」
悠奈「〜〜〜〜パァッ!!」ビシュッ!
璃奈「だってーーー」 ミア「ーーーふっ!!!」ザッ!!!
キャアアン…!!
悠奈「わっ?!」
ふわっ……ぽーーん!
璃奈「ミアちゃんは、野球が大好きだから!」
せつ菜「きたあああああ!!!」
果林「センター前ヒット!!」
アキバレポーター「ミアちゃん初球のストレートを打ち返したー!ノーアウトランナー1塁!!」
ミア「…ふぅ!」タッタッタッ…
彼方「ナイスバッティングだよミアちゃーん」
ミア「thanks。狙い通りのボールを打てたよ。でも、手が痺れてしまったかな」
彼方「それでも外野まで飛ばすんだから凄いよ〜」
ミア「まぁそれも金属バットのおかげさ」
悠奈「パァ〜……油断なんてしてなかったんだけどな」
ミア「(ふん。舐めてかかった訳では無いだろうけど、初球は間違いなくストレートでカウントを取りに来ると思ったよ)」
ミア「(あまり甘く見るなよ)」
ミア「(ボクはBaseballを愛しているんだ!このスポーツでだけはそう簡単に負けて堪るか!)」 栞子「流石ですミア」スタスタ
アキバレポーター「先頭バッターが出塁したことでまだまだ試合は分からなくなりました!前の回からピッチャーに入った栞子ちゃんが続けるでしょうか!?」
ミア「ふぅ…」
ミア「(ここからだ。栞子、キミの強みであるまっすぐがピッチングだけでない所を見せてやれ!)」
歩夢「栞子ちゃん……頑張って!!」
栞子「お任せ下さい。さぁ、参りますよ」
ランジュ「栞子ー!打てー!」
栞子「(あら、3塁コーチにはランジュが入っていたのですね。重要な役職ですが、大丈夫でしょうか?)」
栞子「(…いえ、それよりも今は相手投手に集中ですね)」
悠奈「パァ〜!」スッ
栞子「(先程ランジュに対して投じた落ちる変化球。あの球を投じられると苦しいですが、走者の居る今いきなり投げてくるとは思えません)」
栞子「(直球を投げてくるならば……!!)」
悠奈「えぃっ!!」ビシュッ!!
…………う゛ん゛っ!!
栞子「はぁぁぁっ!!!」カッッ!!
キィィン……!!!
悠奈「むっ!?」
クゥクゥ「わぁっ!!ククの後ろ…!!」ヨタヨタ…!
すみれ「ぐっ…!(まずいっ!)」
せつ菜「っ!落ちてええぇぇ!!」
ひゅーん…ぽーん!
アキバレポーター「セカンドの頭上を越えて落ちたああああ!!栞子ちゃんもセンター前へ運んだぁあああ!!」
アキバレポーター「これでノーアウトランナー1、2塁!!分からない!分からなくなってきましたああー!」 彼方「やったやった!栞子ちゃんもないばっち〜!」
栞子「ありがとうございます。ただ、飛んだ方向が良かったです」
栞子「それにしっかり捉えた自信がありましたが、完全に押し込まれてしまいました。手も痺れています」
彼方「アハハ。ミアちゃんと同じこと言ってるよ」
栞子「あら、そうなのですか」
彼方「うんうん」
栞子「まぁ、何はともあれこれでチャンスが広がりました。一気に攻め込みましょう」
アキバレポーター「ミアちゃんも栞子ちゃんも初球のストレートに対してバットを短く持ちコンパクトに打ち返してのヒット!」
アキバレポーター「ミアちゃんは一切の迷い無く!栞子ちゃんもスピードのあるストレートに臆することなく振り切っています!お見事!!」
ランジュ「(むむむ。2人が打ったからランジュの立場がちょっぴり無いわ……)」
ランジュ「(でも、ランジュはホームランを狙っていたんだから!仕方ないわよね!えぇ、そうよ!仕方ないわ!)」ウンウン!
ミア「(全く、ランジュにヒットを狙うって考えがあればさっきの場面十分にワンヒットは有り得たのだけど……まぁ過去のことを考えても仕方ないか)」
ミア「さぁ璃奈!この場面でキミはどんなパフォーマンスを見せてくれるんだい!?」
璃奈「任せてミアちゃん。私のとっておきを…ここで出すよ!」
アキバレポーター「ここでラストバッター璃奈ちゃん!!2打席目まではバントを試みて2つとも失敗に終わっています!」
アキバレポーター「超重要なこの場面、どうするのかー!?」 悠奈「ふぅ〜〜……」
悠奈「下位打線だからって甘く見てた訳じゃないけど、流石に簡単に終わらせてはくれないか!」
恋「悠奈さん!よろしくお願いします!」
千砂都「ここから確実にアウト取っていこー!」
悠奈「パァ!任せて!ギアもう1つ上げていくよ!!」
璃奈「……よし」ギュッ
しずく「あれ?今璃奈さんが持ってるバット、私達が使ってるものとは違いませんか?」
愛「ホントだ。あれは、りなりーが個人的に持ってきたバット……?」
「……………」
かすみ「まさか……」
アキバレポーター「さぁノーアウトランナー1、2塁!璃奈ちゃんこの場面はやはり送りバントでしょうか?今度こそバントを決められるか!?」
恋・サヤ「…っ!」ジリッ…!
アキバレポーター「そして当然Liella!はバント警戒!サードのサヤさんは若干、そしてファーストの恋ちゃんがかなり前に出てきています!」
璃奈「(……皆、私がバントするって決めつけてる)」
璃奈「(確かに私がここでするのはバント)」
璃奈「(でも、狙っているのはーーー)」
歩夢「もしかして、璃奈ちゃん……」
歩夢「あの伝説のバントホームランをするつもりなんじゃ!?」
侑「……えっ!?な、何!?バントホームラン!?」 アキバレポーター「さぁ悠奈ちゃんが璃奈ちゃんへ第1球をーーー!」
悠奈「パァ〜〜〜〜ッッ!!!」ビシュッッッ!!
アキバレポーター「投げたああ!!」
…………う゛ん゛っ゛っ!!!
璃奈「(チャンスは初球しかない!絶対決める!!)」サッ!
……ぐわんっ!!
璃奈「ーーー!!!(高めに、浮き上がる!!)」
カッ……………
キャアアアアアアアアアン!!!!!!
悠奈「パァッ!!!?!!?」ビクッ
恋「えっ!!!?」
摩央「あら」
アキバレポーター「ファッ!?」
ミア「…………何だ?」
アキバレポーター「璃奈ちゃん高めのボールを打ち上げてしまった……のですが……これは……」
ひゅうううう……!!!!
アキバレポーター「べ、ベルーナドームの天井付近まで打ち上がっています……」
ひゅるるる……………
アキバレポーター「そして落ちてきて……」
摩央「オーライ。オーライ……」
パシッ
……アウト!
アキバレポーター「キャッチャー摩央ちゃんが落ち着いて捕球!璃奈ちゃん送りバント……???を試みましたがここは悠奈ちゃんの球威が勝りました!!」 璃奈「うぅ……角度をつけられなかった……」
璃奈「璃奈ちゃんボード『しょぼぼん……』」トボトボ…
球審「待ちなさい天王寺さん」
璃奈「!」ギクッ
球審「そのバットは一体何なのでしょうか?」
璃奈「これは何の変哲も無い金属バット」
璃奈「最大直径67mm未満。質量900g以上の915g。その他アマチュア規則に則ったただの金属バット」
球審「普通の金属バットであんな飛び方をするとは思えないのですが」
璃奈「金属バットは金属バット(普通の金属とは言ってない)」
球審「……まぁ、結果はアウトですし使用前に指摘が無かった以上プレーの取り消しなどはありません」
球審「1アウト1、2塁で続行です!」ワーワー!
アキバレポーター「ど、どうやらまたもや璃奈ちゃんが何か仕掛けてきたようですね……!しかし残念ながらバントは成功せず!1アウトとなり打順は1番のエマちゃんに戻ります!!」
愛「り、りなりー!今の何!?そのバット何!?」
璃奈「これは私特製の特殊金属バット。色々な研究をしてる最中に偶然生まれた超硬質且つ高反発性を生む金属で作られたもの」
璃奈「これに当てて角度さえつけられればこのドームの外にだって飛ばせるハズだった」
歩夢「やっぱり、狙いはバントホームランだったんだね」
璃奈「うん。でも、失敗しちゃった…」
璃奈「璃奈ちゃんボード『やってしまいましたなぁ』」
せつ菜「璃奈さんだけ超野球外伝ドラ○ースの世界で野球をやっていますね……」
侑「あははは……。もう次は使わせて貰えないだろうし、璃奈ちゃん程々にね……」
璃奈「うん……」 かすみ「まったくもう」
璃奈「かすみちゃん」
かすみ「かすみん達のことが信用出来ないの?りな子!?」
璃奈「……うん。エマさんはともかく、かすみちゃんはあんまり」
かすみ「ぐぬぬぬぬ……!!!」
しずく「……あ。と言うか、このままだと」
果林「そうよ。エマが倒れたらかすみちゃんが最後のバッターになっちゃうわよ」
「…………」
かすみ「むきーーっ!何ですかその目は!!」
かすみ「絶対絶対かすみんが打ってやりますからね!!」
かすみ「手のひら返しし過ぎて手首ボロボロになっちゃっても知りませんから!!」
愛「そうだかすかす!何とかしてこーい!!」
かすみ「かすみんです!!」 アキバレポーター「さてエマちゃんが打席に入ります…!1打席目には真ん中に入った変化球を見事に捉えツーベースを放っています!」
アキバレポーター「その思い切りの良いスイングで悠奈ちゃんの球威あるストレートも弾き返せるか!?」
悠奈「そうはさせないよ!!勝つのは私達だ!!」
ミア「……」チラッ
ミア「(外野は当然前進守備。とは言えもしレフトとライトに落ちさえすればーーー)」
かのん「ハァ、ハァ……」フラ、フラ…
ありあ「えっと、バウンドしたボールが飛んで来たらとにかく内野に返す…ノーバウンドだったら……」
ミア「(ボクの脚でも一気にホームに帰れる可能性は大いにある。行くつもりで一歩目スタートを切ろう)」
かのん「はぁ……はぁ……」
かのん「(頭が、フラフラする……)」
悠奈「〜〜っ!!パァ!!」ビシュッ!!
……う゛ん゛っっ!!ズパァァンッ!!
エマ「っ!!」
アキバレポーター「悠奈ちゃん初球はインローへストレート!!凄まじいクロスファイヤーがエマちゃんの内角をえぐります!!」
エマ「(今のボール、凄い……こんなのインコースに投げられたら、私……)」
エマ「(ううん!!ここで1点取れなきゃ終わりだもん!終わらせない!絶対に打ってみせるよ!!)」ギュッ! これひと試合どれくらいの時間なんだろ?
Aqoursとか人数も9人でこれ連戦出来るのかな アキバレポーター「0ボール1ストライクから2球目!」
悠奈「(ここからは絶対に……打たせないよ!!)」ビシュッ!
エマ「(インコース…!!!)」
ガキッ…!!ファール!!
果林「エマ……!」
かすみ「(エマ先輩……)」
アキバレポーター「エマちゃん何とかバットに当てましたがファール!これで追い込まれました…!!」
悠奈「ふぅ!(恋ちゃんが1番は内角が苦手だと思うって教えてくれたから有利に進められた!)」
悠奈「(あとはーーー!)」
エマ「当たった!」
エマ「(インコースは窮屈で苦手だけど、もう1球投げてくるなら……思い切り引っ張りを狙うよ!)」ギュッ!
摩央「……」サイン パパッ
悠奈「パァ!」コクリ
アキバレポーター「第3球!」
悠奈「パァッ!!」ピシュゥッ!!
……う゛ん゛っ!!
エマ「っっ!!!」
エマ「(外!!)」
エマ「(踏み込んでーーー!!)」
……………フッ…………
ブンッッ!!
エマ「あ……っ」
ストライイイィィィク!!バッターアウト!!
アキバレポーター「空振り三振ーーー!!!再び悠奈ちゃんの沈むボールが決まったー!!」 虹ヶ咲、絶体絶命!
まだ望みはあるものの、さてどうなる!? 二死一二塁、1点ビハインド。虹ヶ咲、追いつけるか。 悠奈「パァッ!!」グッ!
摩央「ナイスボールよ悠奈」ピシュ
悠奈「おっけーい!2アウト!!あと1人だよー!」
千砂都「うぃっす!!最後まで集中!!」
クゥクゥ「絶対捕ります!」
恋「2アウト1、2塁!ふぉーすぷれいです!」
サヤ「内野手は捕ったら近い所ですよ」
ちぃクゥれんパァ「はぁい!!」
アキバレポーター「白熱の第1試合もついにここまで来ました!2アウト1、2塁となり2番かすみちゃん!!」
アキバレポーター「今日はここまでノーヒット!それでも粘り強く当てるバッティングをこれまで何度も見せています!あるか大波乱!?起こすか大番狂わせ!!」
「かすみちゃん頑張れー!!!」
「せつ菜ちゃんに繋いでー!」
コペ子「かすみん……かすみん!!がんばれ…!!」
「リエラサニパもがんばれぇぇ!」
「抑えちゃえー!!」
アキバレポーター「この大詰めの場面!スタンドからも両チームへ大きな声援が送られています!」
かすみ「……ふぅ」スタスタ
エマ「かすみちゃん…ゴメンね」トボトボ
かすみ「エマ先輩、そんな泣きそうなお顔しちゃダメですよ」
かすみ「かすみんを見ていて下さい。かすみんは最後まで可愛いを貫きますからっ」
エマ「…うん。頑張って!」
かすみ「はいっ!絶対に打ってみせます!」 悠奈「ふー!」
悠奈「(ビシッと3人で締めたかったのにカッコ悪いなぁ!)」
摩央「(悠奈の投げる球が打たれるなんて微塵も思っていなかったけれど、流石に相手も立派なスクールアイドルと言うことね)」
摩央「(最後が可愛いこの子であっても)」
悠奈「(全力で投げ込むよ!)」
かすみ「えへへ。追い詰められちゃいましたぁ。ここは可愛いかすみんに免じてお手柔らかにお願いしますぅ♡」
悠奈「ことわる!」パァ!!
かすみ「ぬぬぬ…!!!かすみんの可愛さに少しは油断して下さいよぉ!」
愛「そうだー!かすみんガチかわで行っちゃえー!」
璃奈「がんばれーっ」
しずく「当てればきっと何かが起こるよ!食らいついて!」
エマ「……っ!」グス…
果林「ほらエマ。かすみちゃんを応援するわよ」
エマ「うん…!!」
果林「ちょっと気負っちゃったわね。この打席でもエマの歌声が聞けると思ったのに」
エマ「……あっ」
エマ「そっか、私…最後の最後で打たなきゃって気持ちで一杯になっちゃって……」
果林「そうね…。でもほら、かすみちゃんは最後まで可愛さを貫く姿勢よ。きっと何かやってくれるわ」
エマ「う゛っっ…う゛〜〜〜〜ッ」ぐすっぐすん
しずく「あぁっ…!エマさんがコンビニでお箸が入ってなかった時みたいな泣き声を!」
果林「ほらほら泣かない。かすみちゃんを信じて応援よ」
エマ「……うんっっ!!かすみちゃああん!頑張れえええ!!」 ミア「(初球の前に守備位置の確認だ)」チラッ
ミア「(センターのスミレは当然前。ライト、カノンの妹も前進している)」
ミア「(そしてカノンはーーー)」
すみれ「かのん!!もっと前よ!そこじゃほぼ定位置じゃない!」
かのん「……」ハァ、ハァ…
すみれ「ちょっとかのん聞いてるの!?」
千砂都「かのんちゃん!もう少し前に出ておこう!」
かのん「(すみれちゃんとちぃちゃんの声が聞こえる……)」
かのん「(前……?)」フラ…
すみれ「(ちょっと……ヤバいわよアレ……)」
千砂都「(かのんちゃん、もうホントのホントに限界なんだ)」
千砂都「(なら!私が絶対にかのんちゃんの所へボールを飛ばさせないだけ!三遊間と私の頭上は絶対に越させない!!)」ザッ!
すみれ「(私も、左中間は全部…いえ、レフトフライだろうと横取り出来る位の位置取りよ!)」タッ…
ミア「(おいおいカノンは大丈夫か?相手チームのボクから見てもフラフラじゃないか。向こうのベンチには1人ボクより小さい子が居るけど、あの子にプレーは厳しいのかな)」
ミア「(…とは言え、右中間が少し空いた)」
ミア「(ライトはここまで2、3度あった打球処理を見ても素人。セカンドに入っているクゥクゥもレフトからの返球を見るに肩は弱い)」
ミア「(ファーストのレンがカットに入ったら止まらないといけないが、右中間とライト、そしてレフト線寄りに打球が万が一落ちたらーーー)」
ミア「(脚の遅いボクだけど、迷うことなくホームへ突っ込んでいい状況だ!)」ザッ! アキバレポーター「さぁチームLiella!のシフト取りとサイン交換も完了して……第1球!!」
悠奈「パァッ!!!!」ビシュッ!!
………う゛ん゛っ!!!!
かすみ「てやぁぁ!」
バシィッ!!ぶんっ! ストライイイィィィク!!
クゥクゥ「ナイスボールデス悠奈サーーン!!」
千砂都「1ストライクぅー!!」
「悠奈ちゃんナイスボー!」
「このまま押し切れー!」
せつ菜「かすみさんボールをよく見て!着払いですよ!」
かすみ「わかっ、わかってますよぉ!」ギュッ!
侑「かすみちゃん!空振り可愛いよ!でも力強さもある!絶対打てるよー!」
かすみ「せんぱぁぁい!!♡」
かすみ「よぉぉし!!みなさあぁぁん!可愛いかすみんにエールをくださーい!」
「かすみん打てー!!」
「とにかく粘ろー!!フォアボールだっていいんだよー!」
「ニジガクぅぅぅ!!」
コペ子「かすみん…っ、かすみん…!!」
アキバレポーター「初球の1ストライクだけでベンチスタンドから大歓声!かすみちゃんは大分振り遅れたか!?ノーボール1ストライク!!」 摩央「(タイミングが合っていない。悠奈のストレートをこの子は打てない)」サイン スッ
悠奈「(パ!)」コク
かすみ「…………」
アキバレポーター「さぁ第2球!」
悠奈「うりゃあ!」ビシュッ!!
かすみ「りゃああ!」
ぶんっ!ズバァン! ストライクツー!!
「よーし追い込んだああ!!」
「あああ!!!かすみちゃああああん!!」
アキバレポーター「2球目もストレート!!かすみちゃんバットを短く持って振りに行くもボールの下!空を切るぅー!」
アキバレポーター「さああぁぁ追い込まれたああああ!!!」
かすみ「ふぬぬ……!」
かすみ「(追い込まれてしまいました……)」
かすみ「(でも、このまま終わるわけにはいきません!)」
かすみ「(だってかすみんが、かすみんがあの場面で歩夢先輩の代わりにボールを捕っていればよかったんです)」
かすみ「(あの時もっと別の声掛けをして歩夢先輩を止めていられれば……)」
かすみ「ん〜〜!!」ブンブン!
かすみ「(終わったことを悔やんでも仕方ありません!ここで打てば取り戻せます!絶対に打つんですぅ!)」
歩夢「かすみちゃん……頑張って…負けないで…!」 摩央「(さぁこれでおしまいよ)」サイン パパッ
悠奈「(パァッ!決めるよ)」コクリ
かすみ「っ!!!」
アキバレポーター「さぁ第3球!!」
悠奈「パァッ!!」ピシュゥッ!!
…………う゛ん゛っ!!!
かすみ「(ストレートにしか見えないけど!!ここからーーー!!!)」ビタッ…!!
…………ふっ………
ドスッ!バシッ! ボーーール!!
悠奈・摩央「っ?!」
かすみ「〜〜〜っ!はぁぁぁ〜っ!!」
かすみ「ふえぇぇぇん!!ボールが消えちゃいますぅ!こんなボール打てる気がしませぇぇん!」
摩央「(見逃した……?)」
アキバレポーター「かすみちゃんどうにかバットを止めたあああ!よく!よくぞ見逃した!」
アキバレポーター「悠奈ちゃんの消えるかのように落ちる変化球を見送り1ボール2ストライク!さぁここから粘れるかぁー!?」 悠奈「(むむ。流石にちょっと低め一杯から落としたから見送られちゃったかな。ボール球に見えて手が出なかったのかも)」
摩央「(なら今度はゾーンの中に決まるように。大丈夫。この球はまず当てられない)」サイン パパッ
悠奈「(おっけ!)」コクリ
かすみ「!!」
かすみ「(また"ほんの少しだけ深く頷きました"!!!)」
かすみ「(同じ落ちる球が来ます!)」
アキバレポーター「第4球!!」
悠奈「とりゃっ!!」ピシュゥッ!!
かすみ「(高い!!ここから落ちるならーーー!!)」
かすみ「(低め一杯に決まります!!当たってええええぇぇぇ!!)」
…………ふっ…… キンッ!!
悠奈・摩央「!!!」
ファーール!!ファーーール!!
千砂都「わっ…!悠奈さんの落ちる球が!」
摩央「(当てられた!?)」
アキバレポーター「かすみちゃん今度は落ちる変化球を当てたー!無我夢中のスイングでしたがよくぞ喰らいつきました!何とか粘っています!」
愛「いいぞかすみん!!」
璃奈「まだ、これからー!」
しずく「がんばれ、がんばれかすみさん…!!!」ギュウッ!
コペ子「かすみん……かすみん……」 かすみ「ふぅ、ふぅ……!」
かすみ「(Sunny Passionのお2人。サインの交換がとっても早いです)」
かすみ「(投げる球種がストレートと落ちる球の2つだけだからなのでしょうけど、それだけじゃなくてお互いのことをよく知って信頼してるから)」
かすみ「(だからサインが決まるのも交換が終わるのも一瞬で……)」
かすみ「(だからーーー)」
かすみ「(勢いよく投げるだけのストレートは"頷くのが浅くてお鼻が下がるくらい")」
かすみ「(きちんと握りを変えて気合いを入れて投げる必要がある落ちる変化球は"頷くのがほんの少しだけ深くなって顎が引かれている"んです!)」
かすみ「(ピッチャーの人の性格もあるのでしょうけど…!)」
かすみ「(これはキャッチャーの人もまだ気付いてないピッチャーのクセです!)」
かすみ「(だけど、多分もうーーー!)」
摩央「(何かクセを掴まれている…?)」
摩央「(腕の振り、軌道。この2つは見極められないハズ。或いは回転…?いいえ、これも見極めは困難)」
摩央「(だとしたら悠奈自身に……)」
摩央「(それならあと数球あれば必ず掴める。自信があるわ。だけど2ボール、さらに見極められて3ボール…なんてことは避けたい)」
摩央「(それなら、今は当てられていないストレートで押し切る)」
摩央「(まだカウントが有利な今!高めの釣り球で終わらせるわ!)」サイン パパッ
悠奈「パァ!」コク
かすみ「っ!!!」
かすみ「(ストレートが、来ます!!)」 アキバレポーター「さぁ!サインの交換が終わり第5球ーーー!」
悠奈「っ!」ザッ!クルッ!
ミア「おっと…!」
悠奈「(ここが勝負球だからね。リード大きくは取らせないよ)」
ミア「(牽制……。この場面全球勝負球だろうけど、特にここ。決めるつもりだ)」
ミア「子犬ちゃん、いやかすみ!!何が何でも当ててくれ!信じてるよ!」
せつ菜「かすみさんなら必ず打てます!!」
エマ「かすみちゃああん!」
果林「かすみちゃん!」
「かすみーん!!」
「かすみちゃんんんんんんっっ!!」
「悠奈ちゃあああん!!」
「リエラサニパあああああ!!!」
かのん「…………」
かのん「(すごい歓声)」
かのん「(大きなこえが、響いてくる)」
かのん「(なのに遠く聞こえる……目の前がぼんやりする……)」
かのん「(立ってるだけでしんどい、けど、頑張らなきゃ…………)」
かのん「………………」
かのん「……あれ」
「駄目…よそ…な……………ル…んで……ら…ないよ……」ヨロ…フラ…… 悠奈「(よしっ!)」スッ…!
かすみ「(ストレート、来ます!!)」ギュッ!
かすみ「(タイミングは2球目と同じ!あとはとにかく上から叩いてやります!!」
アキバレポーター「改めて、第5球!!」
悠奈「ふ〜〜〜……」ザッ…!
千砂都「ばっちこーい!!!!」
クゥクゥ「来いやーーですー!!!」
恋「死守いたします!!」
サヤ「(……来る!)」
すみれ「(これで終わりよ!)」
歩夢「かすみちゃんっ!」
ランジュ「かすみ!」
彼方「かすみちゃ〜ん!」
しずく「かすみさんっ!!」
悠奈「パァァッ!!!!」ビシュッッッ!!!
………………う゛ん゛っっ!!!!
かすみ「ーーー!!!!!」ザッ!!
かすみ「(高い!!!!!)」ブ……!!
摩央「(良い高さ!さぁ手を出して終わり!)」
悠奈「(決まった!!!!!)」
侑「っっ!!かすみちゃああああん!!!」
コペ子「っ……かすみぃんん!!」
かすみ「〜〜〜っ!!やぁあああああ!!!!!」ガバァッ!!!
摩央「っ!!!」
カキャアアアアン…………!!!!!
アキバレポーター「高めの釣り球大根切りィィィィィィィィィ!!!!!」 サヤ「!!!!!」
千砂都「ぐぅぅ……っ!!!!」
悠奈「うそっ……!!?」
かすみ「…っ!やった……!!!!」ダッ
アキバレポーター「打球はサード頭上越えてレフト線~~~~!!!」
愛「よしッッ!!!!!」
果林「レフト線!!入るーーー」
ミア「OK!!!よくやったかすみ!」ダダッ!!
果林「わ……」
ミア「(この当たりならフェンスまで到達する!あのカノンの状態なら栞子も帰れるーーー)」チラッ
かのん「……うわぁっ!!!!」
パシィィンッッ!!
ミア「ぞ………………」
かすみ「……えっ?」
塁審「っ…!!」タッタッタッ…!
かのん「はぁ、はぁ………っっ」ギュッ…
……っ!!アウト!!アウトォォ!!!
ゲーーームセット!!!!
えええええええっ!!?
うおおおおおおおおおおお!!!! アキバレポーター「な、ななななな!?」
アキバレポーター「何と!!レフト線上にかのんちゃんが、かのんちゃんがぁ!!」
かすみ「な、何で…何でですか……!」
ミア「why……」
ミア「何故だ……」
ミア「…っ何故ッッ!どうしてそこにカノンが居るんだああああああ!!!?」
千砂都「かのんちゃん!!かのんちゃん!?」タタタタタッ!!!
すみれ「……勝った」
クゥクゥ「勝ち、ました……」
恋「勝利……です。勝利です!」
千砂都「かのんちゃあああん!!!」ダキッ!
かのん「わぷっっ!!!」
千砂都「や、やった!やったぁ!!!勝ったよ!!試合終了だよ!!」
かのん「……ゴフッ」チーン
千砂都「…あれっ!?かのんちゃん!?かのんちゃああああああん!!」
悠奈「……あはは。ビックリ」
摩央「虹ヶ咲は勿論、私達も驚愕ね…」 アキバレポーター「何という結末でしょう…」
アキバレポーター「かすみちゃんが放った渾身の打球。痛烈なライナー気味の打球がレフト線付近を襲いましたが、どうしてかレフト線上に居たかのんちゃんがキャッチして3アウト、ゲームセットとなりました……」
アキバレポーター「と、取り敢えず改めてリプレイを見てみましょう!」
アキバレポーター「インハイ完璧な高さへ釣り球を投げた悠奈ちゃん!」
アキバレポーター「しかしかすみちゃん、一瞬下から出かかったバットを一気に手首を返して大根切り!!鋭い打球がサードサヤさんの頭上を越えてレフト線に向かいます…!」
アキバレポーター「しかしここです!何故か、かのんちゃんが打球が飛んだ位置にドンピシャで待ち構えていたのです!」
アキバレポーター「しかしこれは見直してみるとかのんちゃんも打球に大分驚いているようですね。本当にどうしてーーー?」
千砂都「どうして!?どうしてかのんちゃんレフト線上になんて居たの!?」
かのん「えっと、それ、は……」
ミア「ボクにも教えてくれ」ザッ
かのん「…あっ、ミア・テイラー…ちゃん」
ミア「どうしてだよ?かすみに1球目を投げる時に見た時、キミは確かに定位置に居た。レフト線からは大分離れた場所に、立っているのもやっとの状態で居たじゃないか」
ミア「それがどうしてレフト線上に居るんだよ」
かのん「う゛……みんな、怒ったりしない……?」
「……怒る???」
かのん「う゛…えっと……」 かのん「ちょうちょが……」
ミア「……what?」
千砂都「…蝶々?」
かのん「その…この球場、外と繋がってるでしょ?どこから入ってきたのかちょうちょが居たの」
かのん「レフト線の上に止まってて…」
かのん「それが目に入って、何か、凄く嫌な予感がして」
かのん『駄目だよそんな……ボール飛んで来たら危ないよ……』ヨロ…フラ……
かのん「丁度牽制が入ったタイミングだったからすぐに行って戻れると思ったんだけど……脚がまた吊りかけちゃって」
かのん『あぎゃ…!!!』
かのん『や、やば…い…!!タイム、タイムーーー!!』
カキャアアアアン…………!!!
かのん『えっ…………うわぁっ!!!』バシイッ!
かのん「みたいな…?」
ミア「…………」 すみれ「みたいな…?じゃないわよ……」
千砂都「そんな偶然…」
ミア「……フッ」
ミア「HAHA……AHAHA!!」
千砂都「わぁっ」
すみれ「ほら。あまりにも馬鹿げた理由に笑うしかなくなっちゃったじゃない…」
かのん「あぁっ…!ご、ごめんなさい!!」
ミア「い、いや……いいんだ。いいんだ……HAHA」
ミア「まさか、そんなこと有り得るのか?いや、有り得るよな…」
ミア「(今までだって色んな信じられないプレーを見てきた)」
ミア「(でも、それはいつも画面かフェンスの向こう側の出来事で、近いようで遠い現実離れしたもののように感じることもあった)」
ミア「(けれど、今日はーーー)」
ミア「ありがとう、Liella!」
ミア「一緒にボクの愛するBaseballをしてくれて。楽しかったよ」
ミア「さぁ、ベンチに戻ろう」スッ かのん「あ、ありがとう…!」ガシッ
千砂都「はい、行くよ…っ!」ガシッ
アキバレポーター「どうやらカメラには映っていませんでしたがかのんちゃんは直前に位置取りを変えていたようですね。にわかには信じ難い超ファインプレーで試合は締めくくられました…!」
アキバレポーター「そのかのんちゃんは今千砂都ちゃんミアちゃんに引き上げられすみれちゃんにも寄り添われながらベンチの方へ戻ってきております!」
「ナイスゲーム~~~!!」
「Liella!サニパ連合やったー!!」
「ニジガクぅぅ…………!!」
パチパチパチパチ……!
アキバレポーター「そして両チームには大きな拍手が!両軍を讃えあっています!」
アキバレポーター「と言う訳で改めまして第1試合。虹ヶ咲対Liella!Sunny Passionなど合同チームの対戦は、2-3でLiella!の勝利となりました!」
クゥクゥ「かのん!!」
恋「かのんさん!皆さん!やりました!勝利です!勝つことが出来ましよ!」
かのん「うん…やった、ね……」
悠奈「ううぅぅぅ…!かのんちゃんありがとうぅぅ!!最後全然締まらなくてゴメン~!」
かのん「そんな、ナイスリリーフでした悠奈さん…」
千砂都「摩央さんも!サヤさんありあちゃんも!みーんなお疲れ様!やったー!!カッタデー!!」 かすみ「そんな……かすみんの同点、逆転タイムリーがぁ…」トボトボ…
彼方「やられちゃった、ね……」
かすみ「うううぅぅ……!!おのれしぶ子ぉぉぉ!もっかいかすみん達と勝負ですぅぅ!」
せつ菜「残念ですが、試合終了ですかすみさん」
しずく「かすみさん……っ、でも!最後の打球凄かったよ!」
侑「うん!!!!!ナイスバッティングかすみちゃん!!」
果林「惜しかったわ」
愛「マジで落ちてたら絶対逆転タイムリーだったよ~!」
栞子「紙一重でした、ね」
エマ「かすみちゃんおいでえええ!いいこいいこしてあげるー!」
歩夢「かすみちゃん。ありがとう…」
コペ子「かすみん……ぐすっ…」
コペ子「悔しい、けど…可愛くて格好良かったよかすみん…!」
ミア「かすみ。Thanks…」
かすみ「ううううぅぅ……!!!ふぇええええんん!!!」 ベイスボールやよそ見を引き起こすあの「ちょうちょ」が原因とは! 虹ヶ咲の全敗は見たくないけどAqoursが負ける姿も想像できないから次も楽しみだわ Aqoursのチート感
野生児の印象強いな…千歌のソフト得意設定は適応されるのだろうか >>507
Liella!が勝つ姿なんて誰も想像できてなかっただろうにご都合主義展開で勝てたんだから虹ヶ咲がAqoursに勝つ可能性も普通にあると思う
まぁ一試合目は明らかに虹ヶ咲に勝たせる気はなかったっぽいし作者次第ではあるけどねぇ なんだかんだ虹も代打ボクを含めすべての札切っちゃったな アキバレポーター「只今両チームがベンチ裏へ引き上げつつあります。お疲れさまでした」
アキバレポーター「さて、それでは第1試合の得点シーンを振り返ってみましょうか」
アキバレポーター「1回裏、虹ヶ咲は運悪く球技が苦手なしずくちゃんの所へ2回も飛んでしまいエラーが絡み1アウト1、3塁」
アキバレポーター「ここで虹ヶ咲バッテリーがすみれちゃんを見事ゲッツーコースに打たせます!」
アキバレポーター「けれども1塁は僅かに間に合わず。ゲッツー崩れの間にチームLiella!が初回に1点先制しました!」 アキバレポーター「4回裏、先頭の摩央ちゃんが粘り腰でスリーベース!続くすみれちゃんは追い込まれてから高めのボール球を大根切り!」
アキバレポーター「バッテリーとしては見せ球として大きく外していたのですが、ある意味この打席唯一打てる球だったのかもしれません…」
アキバレポーター「センターへの犠牲フライとなりチームLiella!が2点目をあげました!」
アキバレポーター「しかしマウンド上の歩夢ちゃんは崩れません。その直後、そして5回の裏を見事に抑えます」
アキバレポーター「その好投に応えるべくついに虹ヶ咲打線が目覚めたのが6回表!」 アキバレポーター「先頭のエマちゃんから明らかに虹ヶ咲打線に思い切りの良さが生まれました!」
アキバレポーター「エマちゃんせつ菜ちゃんがヒットで出塁!1アウト1、2塁となり4番愛ちゃん!」
アキバレポーター「ここで愛ちゃんが渾身のタイムリーツーベース!!さらに2、3塁から果林ちゃんも痛烈なヒット性の当たり!」
アキバレポーター「その打球をここまで好守を連発していたすみれちゃんが捕った…かと思われましたが痛恨のファンブル!してしまうのですがーーー!」
アキバレポーター「これをレフトクゥクゥちゃんがカバーでナイスキャッチ!結果的には犠牲フライとなり虹ヶ咲が同点に追いつきます!!」
アキバレポーター「続く2アウト3塁で代打からの出場、前の打席ホームランをもぎ取られたランジュちゃんが打席に立ちます!」
アキバレポーター「ここでチームLiella!はかのんちゃんから悠奈ちゃんへ継投。熱いストレートの真っ向勝負…と思わせてからの沈む変化球!見事強打者ランジュちゃんを空振り三振に取りました!」 アキバレポーター「そして直後の6回裏。内野安打で出塁した千砂都ちゃんが盗塁と進塁打で3塁まで進み3番摩央ちゃん」
アキバレポーター「1、2打席目と痛打を浴びていた相手に歩夢ちゃんが投じたのはまさかの隠し球ナックルボール!」
アキバレポーター「完璧に意表を突き摩央ちゃんを見逃し三振!この場面歩夢ちゃんが見せた凄み、試合中に覚醒したエースピッチャーとしての意地か、それとも消える直前の眩い炎だったのか……」
アキバレポーター「さらに続くすみれちゃんも見事ピッチャーゴロに打ち取ったーーーと思われた矢先…!」
アキバレポーター「ここまでの熱投で握力が力尽きたかボールを握ることが出来ず、痛恨のタイムリーエラー……まさかの3点目が決勝点となりました…!」 スタンド席
???「はぁ~……ヤバいっす。スクールアイドルってこんなこともするっすね…」
??「なんとかLiella!は勝てたけど、あんまり脚を使えてなかったな…もっと走ればよかったのに」
??「この球場、蝶々や虫がいっぱい居る……」
??「ふーむ、今は野球場にもスムージーが販売されている時代なのですね~。なかなか映えますのー!」 別のスタンド席
ダイヤ「ふぅ……終わったわね」
梨子「はい」
ダイヤ「(何と言いますか、Liella!のショート嵐さんとセンター平安名さんの好守にここ一番の場面阻まれ続けた上、虹ヶ咲の皆さんに勢いや思い切りの良さが出るのが終盤だった。そんな試合だったわ)」
ダイヤ「(でもそれだけじゃなく、流れやツキ。そうした目に見えないものがLiella!に味方した。そんな風にも見えたわね)」
ダイヤ「(特にヒットどころかまともな打球が飛んでいないのにチームの得点全てに絡んだ4番の平安名さん…)」
ダイヤ「ツキ、運…ねぇ」
ダイヤ「うちには1人そういうのに見放されてる子が居るし、どうなるのかしら」
梨子「う、う~ん……?」 千歌「あっ!梨子ちゃんダイヤさーん!偵察お疲れ様ー!」
ダイヤ「…………」
梨子「あっ、千歌ちゃん達やっと来たぁ」
果南「遅くなっちゃってゴメンねー」
ダイヤ「随分とのんびりいらしたのね。そんなに沢山お料理を持って」
曜「凄いよ!ライブの時はやってなかったけどこんなに沢山食べ物屋さんが開くんだね!」
マリー「見てー!ソーキそばだってダイヤ~!沖縄料理店もあるなんて凄いわ~♪」
ダイヤ「そうね。それで、5回が終了した後すぐにこちらに向かったと連絡が来てた筈だけど、ずっと食べていたの?」
千歌「えへへ~。ついー」
曜「ドーム一周しちゃった!!特にもつ煮が美味しかった~!」
鞠莉「あら、もしかしてダイヤお腹空いてる!?大丈夫よ勿論ダイヤの分も買ってきてるからっ☆」
ダイヤ「…………」ゴゴゴ… 善子「よ、ヨハネ達は早く行こうって催促してたんだからね!」
ルビィ「そっ、そうだよ!おねえちゃんが待ってるよぉ!って!」
善子「いやルビィ貴女も千歌達と一緒になって食べてたじゃない!!」
ルビィ「きゃー!何で言うの善子ちゃああん!!」
花丸「……みんな」
梨子「ダイヤさん、怒ってるよ……」
千歌「あ。」
ダイヤ「…ふぅ」
ダイヤ「偵察で得たデータはわたくし達だけで見て活用しましょうね。マルちゃん。梨子さん」
千歌「あ~!それは困る!ダイヤさんごめんなさいぃぃぃ!!」
ダイヤ「……」ツーン
梨子「もぉ、千歌ちゃんってば……」 果南「あははっ。ダイヤごめんって。私がちゃんと言わなかったのが悪かったからさ」
ダイヤ「全くよ。果南が居ておきながら」ムスッ
果南「ごめんごめん」
果南「(それにしてもーーー)」チラッ
果南「お店の方ばかり見てて盛り上がっているのだけ聞こえてたけど、3-2でLiella!が勝ったんだ。ちょっと意外な結果だね」
鞠莉「そうだね。それにと~~ってもロースコア!ニジガク2点しか取れなかったなんて!」
曜「これなら私達の打ち勝つ野球が有利になるんじゃないかな!」
千歌「ふっふっふ……トーゼンだよ!」
千歌「なんてったってチカ達バッティング練習しかしてないもんね!!」ドーン!
千歌「チカ達が打ちまくってチカが抑える!単純明快!完璧なゲームプランだよ!」ドドーン 花丸「その打撃練習、千歌ちゃん達ばっかり打っててマル達は球拾いしかしてなかったような」
千歌「そ、そんなことないよ!皆平等の球数で練習してたハズだよ!ビョードー!」
ルビィ「それでもルビィ達は全然打つの上手になれた気がしないよぉ」
曜「投げる投手が私達だったからね!」ドヤァ!
善子「ど真ん中にしか投げないマリーはともかく、千歌はアレだし曜はノーコン過ぎて練習にならなかったって言いなさいよ!」
千歌「アレって何さ!ぶれーきんぐぼーるおんりーと呼んでよぉ!!」
梨子「あはは…結局私やダイヤさん、1年生の皆は攻撃の役には立てなさそうだよね」
千歌「問題ないよ梨子ちゃん!チカ達が打ってチカが外野まで飛ばさせない!善子ちゃんを置くサードにも飛ばさせない!それで勝ったも当然だよ!」
鞠莉「イエェェス!ファイヤーフォーメーショ~~ン!」 ダイヤ「全く……」
ダイヤ「(今の試合を見てさえいれば、そう上手く行くとは思えないのでしょうけど。この子達には何を言っても無駄よね)」
ダイヤ「(一度痛い目を見ることで学ぶこともあるわ)」
ダイヤ「それだけ余裕ならこのデータはやっぱり要らないわね」
千歌「あー!だからそれは流石に要るー!ごめんなさぁい~~!」
ダイヤ「そう?それにそれだけ食べれば梨子さん達で作ってきた昼食も要らないわよね?」
ダイヤ「わたくし達だけで頂きましょうか。マルちゃん梨子さん」
善子「ちょー!?ヨハネは何も食べてないわよ!?何でハブるのー!」
キャーキャー!
果南「アハハ。今日も皆元気だね」
果南「試合、楽しみだなぁ」 Liella! ロッカールーム
かのん「あ゛い゛た゛たたたたぁぁぁっっ!!」
サヤ「もう少しだけ我慢して下さいね。すぐ終わります」
かのん「ううぅぅ…………っ!」
サヤ「はい、脚のストレッチおしまいです。一度完全に冷やしてしまいましょう」
かのん「え゛っ。ひゃあああ!!///」ピトー
かのん「あっん♡やだぁっ、つめたいぃぃ///」
千砂都「か、かのんちゃん……///」
ありあ「(バスタオル巻かれてるとは言えズボン脱がされてメイドさんにいいようにされてエロい声出してるお姉ちゃん……)」 クゥクゥ「うぅ、かのんが屍となってくれたおかげでクク達は勝利を掴むことが出来ました……!かのんの犠牲は無駄にはしません!!!」
すみれ「殺すな殺すな」
恋「しかし、かのんさんの脚…1試合間が空く間に回復出来るでしょうか……」
悠奈「取り敢えずピッチャーは難しいよね~。2試合目は私が先発行くよ!」
摩央「それが最善ね。次はもっと完璧に抑えましょう、悠奈」
悠奈「パァッ!」
サヤ「ふぅ、これでかのん様の処置は出来ました。とにかく今は身体を一度休めましょう。すぐお昼ご飯をお出ししますね」
「はーい」
「やったー!」
「う゛う゛ぅぅぅ……///」 虹ヶ咲 ロッカールーム
愛「あ~~!悔しい!悔しいね!」
侑「うん!でも、次はもっと皆打てると思うよ!6回と7回凄くいい感じだったもん!」
彼方「侑ちゃんの言う通りだねぇ。彼方ちゃんも次は出塁するよ~」
彼方「さてさて。時間も余裕がある訳では無さそうだし、まずは栄養補給をしようじゃないか」
かすみ「……はい。消化の良いものを作ってきたので頂きましょう」
璃奈「かすみちゃん彼方さんありがとう。広げるの手伝う」
彼方「ありがとうね~」 モグモグ…
ミア「…ふぅ。改めてなんだけど1試合目はボクの采配、指示、遡れば練習方針全てが誤りだったことが敗因だと思う」
ミア「sorry」
侑「ミアちゃん…」
愛「もうそう言うのは言いっこ無しで行こう?ミアちはアタシ達をメッチャ引っ張ってくれたじゃん!」
愛「6回入る前に個人アピールをもっとしていいんだ!ってアドバイスしたのにはビックリしたけど実際その後打線が繋がりだした訳だし」
ミア「いや、言わせてくれよ。試合までの練習を含めてキミ達をボクのBaseball観に当てはめてしまっていたんだ」
ミア「投げて捕って打って走る。まず全員がそれを出来るように訓練し、そこからどんな作戦にも対応出来るように仕上げる」
ミア「さらにその中で栞子が適性を見出しベストのポジションと打順を決める…」
侑「それじゃ、駄目だったの?」
ミア「あくまでもこのメンバーにおいては、って話さ。それだけでは足りなかった」 ミア「侑がエールを送った時の方がみんな活き活きとプレーするのを見てようやく気付けた」
ミア「事前の練習ではもっと個性を強く伸ばしてやって、試合では自由に好きなように、自分の思い描くプレーを、例え破天荒であってもーーー」
ミア「Freedom、Myself、Crazy……」
ミア「それをもっと早くキミ達に伝えられていれば、型にハマったBaseballを押し付けなければ、もっと違った結果はあったんじゃないかな……」
栞子「ミア……」
かすみ「……っ!もぉ~~~!」
ミア「何だようるさいな。いきなり大きな声出すなよ子犬ちゃん」
かすみ「うるさくて結構だよ!」 かすみ「ミア子は楽しくなかったの!?さっきは楽しそうにしてたじゃん!」
ミア「…あぁ、楽しかったよ。愛するBaseballをこのメンバーで出来た。それだけでボクは楽しかったよ」
かすみ「ならいいじゃん!」
かすみ「それに、かすみんはミア子に練習の指示されて悪い気はしなかったからね!」
かすみ「野球なんて素人同然で、バット振っても逆に振り回されてたかすみんが…!」
かすみ「ちゃんとキャッチボール出来るようになったり、バットに当てられるようになったのはミア子が口うるさく野球のやり方を教えてくれたからでしょ!」
かすみ「最後の打球……しぶ子が変な所に居たせいで捕られちゃったけど」
かすみ「全然可愛くない打ち方だったけど…!」
かすみ「ずっと、手に感覚が残ってる……」フルフル
かすみ「悔しいのに、ずっとドキドキしてるの!楽しかったの!」ギュッ!
璃奈「私も、楽しかったよ」
ミア「璃奈…」 璃奈「私も1回ライナー捕れて、ミアちゃんが褒めてくれたの凄く嬉しかった」
璃奈「それに色々作った道具を試すのにも良い場になった。璃奈ちゃんボード『キラーン』」
せつ菜「あはは…あれについては璃奈さんの打席だけが完全にギャグパートになってしまっていましたね…」
璃奈「照れ照れ」
愛「あはは。褒めてないぞ~りなりー笑」
璃奈「でも、バント全部失敗しちゃったのは悔しい。次の試合も出られるなら今度は決めたい!」
愛「そうだね!アタシもまだ満足してないよ!次は絶対ホームラン打つんだから!」
ミア「……みんな」 彼方「ミアちゃん」
ミア「ん…」
彼方「彼方ちゃんも少し疲れたけど楽しかったよ~」
彼方「次の試合は虹ヶ咲らしさを存分に出して、その上で勝利を収めようじゃないか」
栞子「そうですよミア。私達は1試合こなしています。その上で歩夢さんが頑張ってくれたおかげでランジュや愛さんの肩を温存することが出来ました」
せつ菜「次は必ず勝利しましょう!野球を存分に楽しんだ上で!」
ミア「……Thanks」
ミア「皆の言う通りだね。絶対に勝とう」
ミア「Baseballを楽しんで、みんなが最高のパフォーマンスを魅せた上で!」 ランジュ「ミア~!美味しいもの買ってきたわよ!」ガチャ
ミア「ランジュ。寄る所があるって消えたかと思ったらフードショップに行ってたのかい?彼方とかすみが用意してくれたのに」
エマ「見て見て~!ピッツァにホットドッグにハンバーガーだよ~!」
ミア「Really!?ハンバーガーだって!?」
ランジュ「えぇ!ほらこれ食べて元気出して!」
ミア「あぁ!いただくよ!!」モグー
果林「私達は荷物持ちとして行っただけだけど」
しずく「お腹が空いてる人は足しにしてくださいね」
彼方「お~球場メシは勉強になりそうだ。彼方ちゃんいただきまーす」 侑「ふふ、皆元気出てきてよかった。ね、歩夢」
歩夢「……」
侑「歩夢……?」
歩夢「うん…ごちそうさま…」
歩夢「ちょっとだけ食休みしてくるね」スクッ…
栞子「歩夢さん…?」
侑「……ちょっと、行ってくるね」 ===
歩夢「……」
侑「歩夢」
歩夢「侑ちゃん…」
侑「気にしてる?最後、エラーしちゃったの」
歩夢「…」コクン
歩夢「握力が本当に限界だったのは自分が一番分かってたのに」
歩夢「私、自分からマウンド降りなかった」 歩夢「先に失点しちゃったけど、私なりに頑張って試合を作れて、かのんちゃんと投げ合うのが楽しくて」
歩夢「この試合勝ちたい。かのんちゃんよりも長く投げて、投げ勝ちたい」
歩夢「私が虹ヶ咲を勝たせたいーーー」
歩夢「いつの間にか、そんな気持ちで一杯になって……ワガママなことしちゃったよぉ……」
歩夢「最後に、一塁に投げるだけだったのに……」ポロ、ポロ…
侑「……」ギュッ…ナデナデ…
歩夢「侑ちゃぁぁん……」
侑「今回の野球大会で歩夢が得た経験は絶対無駄にならないよ」
侑「あんなに格好良く、強く、頼もしい歩夢を私、初めて見られたもん」
侑「ワガママでも失敗なんかでもないよ。きっと歩夢がもっと素敵なスクールアイドルになれる経験になったハズだよ」 侑「それに誰もさっきの試合の歩夢を責めたりしないから。本当に凄かった。皆が歩夢のことを応援してたよ」
侑「だからあのエラーは引きずり過ぎないで」
侑「次の試合。歩夢をどこで起用するかはこれからミアちゃんと考えるけど、きっと出番があるから」
侑「そこでまた歩夢の活躍を見せてよ」
歩夢「うん。うん……っ!!」ギュッ! ワーワー!
アキバレポーター「さぁ~~~!再び戻ってきましたベルーナドーム!」
アキバレポーター「続いて第2試合!浦の星女学院 Aqours対虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の試合が始まります!」
アキバレポーター「先行はジャンケンでAqoursが取りました!それではスターティングメンバーを発表していきましょう!」
アキバレポーター「1番ピッチャー千歌ちゃん!
2番センター梨子ちゃん!
3番ショート曜ちゃん!
4番キャッチャー果南ちゃん!
5番セカンド鞠莉ちゃん!
6番ファーストダイヤちゃん!
7番サード善子ちゃん!
8番ライトルビィちゃん!
9番レフト花丸ちゃん!」
アキバレポーター「以上のラインナップです!」
アキバレポーター「続いて後攻虹ヶ咲の布陣は!」
アキバレポーター「1番センターエマちゃん!
2番セカンド栞子ちゃん!
3番ピッチャー愛ちゃん!
4番ショートランジュちゃん!
5番ファースト果林ちゃん!
6番キャッチャーせつ菜ちゃん!
7番ライトミアちゃん!
8番サード彼方ちゃん!
9番レフトかすみちゃん!」
アキバレポーター「以上になります!」 かのん「どっちが勝つかな……?」ゴロン
千砂都「正直、分からないかな」膝枕
恋「先程の終盤の猛攻に加えて今度は鐘嵐珠さんが始めから打線に居ます」
クゥクゥ「かのんと悠奈さんはあの人を何とかかわすことが出来たから虹ヶ咲を2点までに抑えられました。逆に言えば」
すみれ「あの人が打てば虹ヶ咲は一気に大量得点だってあるわよね」
悠奈「パァ~ッ。虹ヶ咲の打線も注目だけど私達はAqoursがどんな野球をするか注目しなきゃだね!」
摩央「えぇ。次も勝って優勝を勝ち取るために」
かのん「うん!」ゴローン
すみれ「そんな良い返事しても膝枕されながらじゃ格好つかないわよ」
かのん「えへへ~」
千砂都「えへへ~♡」
恋「あっ…!試合が始まりますよ!」 千歌「ふふふ!チカの10割バッター伝説がここから始まるのだ!!」
曜「千歌ちゃーん!打て打てー!」
鞠莉「Let's Go FIREAHHHHH!!」
せつ菜「…すぅっ」
せつ菜「よおおおおおおおおし!!!」
せつ菜「1回の表ーーー!!!締まっていきましょおおおおおおお!!!!」
「おおおおーーーー!!!!!」
ー
ーー
ーーー ーーー
ーー
ー
数日後ーーー
虹ヶ咲学園
歩夢「私今からランニング行くけど一緒に行く人~?」
愛「はーい!愛さんも行く!」
かすみ「かすみんも行きまーす!」
璃奈「私も。ミアちゃんも行こう?」
ミア「うーん。ランニングは苦手…とは言ってられないね。OK、付き合うよ」 タッタッタッ…
「あっ!歩夢ちゃーん!」ノシ
歩夢「こんにちは~」ノシ
「この間の野球の大会感動しちゃったー!お疲れ様ー!」
歩夢「ありがとう♡今度はライブで感動させてみせるから遊びに来てね♡」
「キャー!!絶対行きまーす!!」
歩夢「ありがとー!それじゃあまたねー」タッタッタッ…
「歩夢ちゃん……///」
「何だか今の歩夢ちゃん、いつもの優しくて可愛いだけじゃなくて凛々しさもあったねー!」
「うん!前の野球大会から歩夢ちゃんの見る目少し変わっちゃったかもー!」
歩夢「はぁっ、はぁっ…!」タッタッタッ!
歩夢「(えへへ。今日は練習終わったら侑ちゃんとキャッチボールしたいなぁ♡)」 ===
侑「……」ペラ…
侑「(応援に来てくれてた虹ヶ咲野球部の人がつけてくれた記録)」
第1試合 虹ヶ咲ーLiella!&Sunny Passion合同
虹ヶ咲 0000020 |2
Liella! 100101× |3
投手
虹ヶ咲 上原→三船
Liella! 澁谷→聖澤
第2試合 Aqoursー虹ヶ咲
Aqours 2030101 |7
虹ヶ咲 2010032× |8
投手
Aqours 高海→渡辺→小原
虹ヶ咲 宮下→鐘嵐珠→優木→三船
ホームラン
Aqours 松浦1回2ラン 松浦3回3ラン 渡辺7回ソロ
虹ヶ咲 宮下1回ソロ 鐘嵐珠1回ソロ 桜坂6回3ラン
侑「ホント2試合目のAqoursとの試合も凄い試合になっちゃったな……。正に死闘と言うか……」 侑「Aqoursの果南さんに1回には愛ちゃんが2ラン、3回にもランジュちゃんが3ランを打たれちゃって一時はどうなっちゃうかと思ったよ」
侑「それでもその愛ちゃんランジュちゃんがホームランを打ち返して、そして何より代走から出場したしずくちゃん!」
侑「盗塁を2塁、3塁へ次々と決めて…しかもベース上で演劇までして!」
侑「そしたら演技に没頭し過ぎてホームスチールまでしちゃって結局最後はアウトに…笑」
侑「でも6回裏!曜さんの投げたボールがデッドボールになりそうになって、それに対してまるでバットを殺陣(たて)の剣みたいに振り回して……」
侑「その時初めてしずくちゃんがバットにボールを当てられたんだよね」
侑「凄い音したなぁ。"グワァラゴワガキーーーン!!"みたいな打球音で……」
侑「それが一気に同点に追いつく3ランHR!」
侑「でも、7回に栞子ちゃんが今度は曜さんにホームラン打たれちゃって1点勝ち越し……」
侑「だけど最後はせつ菜ちゃんが逆転サヨナラ2点タイムリー!」
侑「もう…皆でプロ野球のサヨナラ勝ちみたいに大喜びしちゃったなぁ……」
侑「本当に一生忘れられない1勝だよ」
侑「……ふっw、ダジャレになっちゃった……ww」クスクス… ===
浦の星女学院
千歌「うおらあああああ!!!次花丸ちゃん行くぞぉぉ!!」カキーン!!
花丸「ずらあああぁぁぁ!!」ズザー
千歌「くぅおらああああ!!それくらい捕れなくてどうすんだあああ!!」
花丸「ひーーーん!」
梨子「千歌ちゃん……もう野球大会は終わったんだから野球の練習する必要は無いんだよ……?」
千歌「そんなこと無いよ梨子ちゃん!次いつまた野球大会が開かれるか分からないからね!」
千歌「来たるべく戦いの時のためにチカ達はもっとバッティング以外の所もレベルアップしていかなきゃなんだよ!」
梨子「スクールアイドルとしてレベルアップしようよ~!」
千歌「ダメなの~!!もう1回鍛え直してリベンジしないとAqoursは前に進めないよ!!」 曜「いやぁ、千歌ちゃん気合い入ってるね」
鞠莉「よっぽど1勝1敗で終わっちゃったのが悔しかったみたいね~」
千歌「コラー!!そこのAqoursの中継ぎぃぃ!!投げ込みサボるなー!」
鞠莉「あら!"マリー達"のことかしら!?」
曜「どうも!  ̄|渡|辺|寿|司| ̄です!」
鞠莉「  ̄|ホ|テ|ル|オ|ハ|ラ| ̄デース!」
千歌「もぉぉぉ!!2人がとんでもない炎上したから虹ヶ咲に負けちゃったし2試合目のLiella!にも最後凄い追い上げ許して最終的にあんな結果になっちゃったんじゃーん!!」
果南「あはは。そう言うチカも先発した2試合とも結構失点してたけどね」
千歌「むむむむ……!だからこうして投手陣と守備を鍛え直しているんだよ!」 千歌「よーし次はルビィちゃん善子ちゃん行くぞー!」カキーン!
ルビィ「きゃー!」
善子「ぎゃー!!」イレギュラーボコー
千歌「善子ちゃんまたそれー!!そんなんだからこの間の2試合で合計6エラーもするんだよォォ!?」
善子「ヨハネの元へ飛んだボール全部イレギュラーするのだから仕方ないでしょう!?練習から分かってたことじゃない!!ヨハネ悪くないもん!!!」エーン!!
ダイヤ「はぁ… 。痛い目には遭ってくれたけれど、逆に野球へのめり込むことになるなんて……」
ダイヤ「草野球でも何でもいいからもう一度試合させないとこの状況終わりそうにないわね……」 ===
結ヶ丘女子 体育の授業
かのん「ハァッ、ハァッ……!」
教師「澁谷さん○分○秒!クラスで○番目!良い記録ね!」
かのん「やっ、た……!」
千砂都「かのんちゃん凄い!長距離走の成績良くなったね!」
かのん「えへへ。この前の試合からランニングの量思い切り増やしてるもんね!」
すみれ「はぁ、はぁ……!まさかかのんに負けるなんて……!」
かのん「すみれちゃんよりも早くゴール出来たのは自信になるね!ふふーん♪」
すみれ「こんの……!もう一度勝負よ!!スタートラインにつきなさい!!」
かのん「オッケー!臨む所だよ!」
教師「2人とも。授業中です。勝負は放課後部活の時間にやりなさい」
千砂都「クスクス。2人とも張り切り過ぎだよ~笑」
クゥクゥ「コヒュー、コヒュー……」ゼェ、ゼェ… 音楽科 自習時間
恋「ふふ。皆さん体育の授業楽しそう」
恋「……」ペラ…
恋「(応援に来て下さったソフトボール部の方が書いて下さった2試合の記録ーーー)」
第1試合 虹ヶ咲ーLiella!&Sunny Passion合同
虹ヶ咲 0000020 |2
Liella! 100101× |3
投手
虹ヶ咲 上原→三船
Liella! 澁谷→聖澤
第2試合 AqoursーLiella!&SunnyPassion合同
Aqours 4030120 | 10
Liella! 0010125 | 9
投手
Aqours 高海→渡辺→小原→高海
Liella! 聖澤→嵐→澁谷→嵐
ホームラン
Aqours 松浦1回満塁 小原3回3ラン 松浦5回ソロ
Liella! サヤ7回2ラン
恋「(改めて見ても第3試合…序盤からとても苦しく、それでも諦めずにチーム一丸となって戦い、最後は壮絶な結末を迎えた試合になりましたね……)」 恋「(初回に悠奈さんがまさか投げる方の左手に打球を受けてしまうなんて誰が思ったでしょうか)」
恋「(幸い大事には至りませんでしたが念の為悠奈さんは交代)」
恋「(かのんさんに変化球を教えるために多数の変化球を会得していた千砂都さんが緊急登板されて)」
恋「(それでもAqoursの強力な打線はとても抑えきれず。それでも凌いで、凌いで……)」
恋「(わたくし達も5回までに2点、6回にも制球の乱れる渡辺さんから2点を返して迎えた最終回ーーー)」
恋「(登板した小原さんに対しエラーも絡みつつ打者一巡しようかと言う猛攻で1点差まで迫ったのですよね……)」
恋「(最後はかのんさんが渾身の打球を放つも、それまで4つもエラーをしていた津島さんのグラブに収まり試合終了……)」
恋「(最後のアウトの瞬間はわたくし達もAqoursの皆さんも呆けてしまっていましたね。ふふっ)」 クゥクゥ「かのんはあの日からすっかり元気いっぱいですね……」ゼェ、ハァ…
かのん「うん!スクールアイドルとして成長するためにまだまだ体力が足りないって改めて分かったし、それにーーー」
かのん「あの日悔しい想いをしたのが、また私に力をくれてるから、体力作りも頑張れてるんだ♪」
千砂都「ふふっ♪かのんちゃん偉い!」ナデナデ
かのん「えへへ♡」 すみれ「…ま、やって良かったわよね。今となっては」
クゥクゥ「うーん、ククとしてはとても疲れたイベントでしたが、確かにそうですね。楽しかったです!」
千砂都「うん!楽しかった!それに結果的にサニパの願いも叶えられたし良かったよね!」
かのん「まさか最後あぁなるとは思わなかったけどね…あはは」
かのん「って、あっ。恋ちゃんがこっち見てる。おーい!」ノシ
恋「!」
恋「ノシ」ニコッ
かのん「ふふっ」ノシ
かのん「よしっ!今日もこの後の練習頑張ろうね!Liella!ファイト~!」
「オー!」 ===
侑「それにしてもまさか1勝1敗どころか得失点差まで同じになるなんて思わなかったなぁ」
侑「サッカーだとその場合得点数が多い方が勝ちみたいだけど、ランジュちゃんが『それはサッカーの話!失点数は虹ヶ咲が一番少ないわ!』って主張して揉めちゃって」クスクス
侑「千歌ちゃんが『チカ達も勝った気がまるでしないから優勝特典は要らないよ!』って、ライブを披露したいSunny Passionに譲ってくれたんだよね」
侑「はぁ~~!皆疲れてたハズなのに4グループどれも凄く素敵なライブだったなぁ~~ときめいちゃった~~……」
侑「もうこんな機会無いだろうし、貴重な経験になって良かった」
侑「(同好会の皆、そして歩夢も1つ大きく成長出来たみたいだし、ね♪)」
ピロン♪
侑「…ん?」 侑「誰からだろ?」
侑「わっ!この間の野球大会の主催者さんからだ!何だろ……?」
『お世話になっております。先日は誠にありがとうございました』
『実はですね、私達の方にこのようなご連絡が……』
侑「…?」
『ズルいずるいずるーい!穂乃果達が海外のライブに行ってる間にこんな楽しいことしてるなんてずーるーいー!』
『凛たちも混ぜてニャー!!』
『と言ったものがありましてつきましては……』
侑「……え」
侑「えええええええええぇぇ!?」
ー終ー 大変申し訳ないのですがこれで終わりにさせて下さい
パ・リーグコラボ試合が始まる日までに終えたかったのですが書きたいネタや試合展開を整合性持たせつつ面白く書くには力不足過ぎました
野球SSは初めてでしたが性質上書き貯め投下すべきだったと痛感しています 特にすみれの描写
身長がある程度あって尻と太ももがデカくて何でもそつなくこなせる上にティアラを空中キャッチしたアレ
守備の人に仕立てつつ、打撃はチャンスで力むせいでヒットは出ないけど何故か点に絡んだらキャラが立って面白いかなと思いましたが上手く伝えられなかったのは残念です
Liella!の推しは千砂都です とても拙いものになってしまいましたが保守や感想ありがたかったです
読んで頂きありがとうございました
お粗末な上に打ち切りですみません失礼します そうなったか。お粗末なんてとんでもない!楽しませてもらいました。
何はともあれ乙です! 1試合だけなのは残念だけど1か月楽しかったわ
乙乙 松浦、「その日1日のうちでの」サイクルホームラン!
1979年のヤクルトスワローズでジョン・スコット外野手が記録したと伝わる。
作者の人、野球ネタへの目配りが細かいな! >>560
>特にすみれの描写
そんなことはない。ノーヒットでチームの全打点を記録するなど、もっともだと思えました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています