侑「歩夢、別れよう」歩夢「……わかった。でも、最後に……」
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歩夢「一緒に旅行に行かない?」
侑「え?」
歩夢「最後の思い出にね。そしたら私、ちゃんと気持ちに整理がつくと思うの」
侑「でも……」
歩夢「計画は私が立てるから」
侑「うーん……」
歩夢「いいでしょ? お願い。最後のワガママだから」
侑「……わかったよ」
歩夢「うふふっ」 すみません。接続エラーで間違えて2つ建ててしまいました。こちらで進めていきます。 ※※※
1日目
歩夢「来てくれてありがとう」
侑「歩夢、分かってると思うけど……」
歩夢「うんっ。これは、私が自分を納得させるための旅行。ちゃんと侑ちゃんのことは諦めるから、安心してね」
侑「……」 侑(歩夢の服、最近着てなかったやつだ)
侑(……なんだろう。とっても懐かしい感じがする)
歩夢「それじゃ、いこっか」ニコッ
侑「うん」 〜
侑「遠出するのかと思ってたのに、ここは……」
歩夢「私たちが通ってた幼稚園だね」
侑「遊具かなり変わってるね」
歩夢「そうだね。色は変わっちゃってるけど、あそこのブランコで一緒によく遊んだよね」 歩夢「ゾウさんの形をしたすべり台も、男の子たちと喧嘩になった砂場も、侑ちゃんが落ちて怪我をしちゃったジャングルジムも、今は違う遊具に変わっちゃってる」
侑「……よく、覚えてるね」
歩夢「うふふっ。でも、たった今忘れちゃった」
侑「……そっか」
歩夢「次、行こっか」
〜 〜
侑「上野公園?」
歩夢「小学生の頃、二人で家出したことがあったよね」
歩夢「お母さんたちのSuicaを使って、知ってる名前の駅で降りて」
歩夢「ほら、そこの動物園、子どもは入園料が無料だったから。中に入って沢山歩き回って、疲れて大きな木の下で眠ってたら、いつの間にかお母さんに連れ戻されてて……」
侑「あんまり覚えてないや。あはは」
歩夢「うん。私ももう、あんまり覚えてない」ニコニコ
侑「……」 〜
侑「旅行って行ったのに、1日目は家に帰ってきちゃうんだ?」
歩夢「うん。予算の関係上ね」
侑「それはありがたい、のかな?」
侑「明日も行くんでしょ?」
歩夢「うん。明日はちゃんとお泊りもするから、着替え用意してきてね」
侑「今日も用意してたんだけど……」
歩夢「うふふ。ごめんごめん」 ※※※
2日目
歩夢「おはよう侑ちゃん」
侑「ふにゃ……。あ、歩夢?」
歩夢「うん。歩夢だよ。今日の目的地はちょっと遠いから、朝から行こうかなって」
侑「?」 〜
侑「新幹線なんて乗るのいつ以来だろ」
歩夢「中学校の修学旅行が最後かもね」
侑「あ、そうそう。たしか新幹線でコヨーテ※を」
歩夢「えへへっ」スッ
侑「あるんだ……」
※インディアンポーカーのようなボードゲーム 〜
歩夢「二人でやるとすぐ決着ついちゃうね」
侑「でもこれ、何回やっても飽きないんだよねー」
歩夢「そうかな?」
侑「うん。もう一回やろうよ」
歩夢「いいよ」
侑(……あ。歩夢が今日つけてるシュシュって……) ――――
――
小学生時代
侑「渋谷って、ほんとうにオシャレだったね〜」
歩夢「そうだね。私にはちょっと派手で怖かったけど……」
侑「え。歩夢ちゃん、あんまり派手なの好きじゃなかった?」
歩夢「えっと……。きらいなわけじゃないんだけど」
侑「よかった」ニコッ
侑「ねぇねぇ、ちょっと手出してみてよ」
歩夢「?」スッ
侑「それっ」
歩夢「……わぁ」キラキラ
侑「歩夢ちゃんと侑の、初デート記念!」ニコッ
歩夢「で、でーと?!」
侑「冗談だよじょーだん!」
歩夢「そそそ、そっか……」
歩夢「……」ニコニコ
――
――――
侑(あの時の……) 歩夢「どうかした?」
侑「あっ……。いや、なんでもないよ」
歩夢「そう?」
侑(……歩夢) 〜
侑「京都かー」
歩夢「京都だよー」
侑「ねえ、京都に来たのって……」
歩夢「中学校の修学旅行で来たことあるから」
侑「やっぱり」
侑「どうして思い出の場所ばっかり……」 歩夢「ん? それはもちろん、侑ちゃんとの思い出を順番に消していくためだよ」
侑「……歩夢、怒ってるの?」
歩夢「怒ってなんかないよ。これが私なりの気持ちの整理の仕方。ごめんね、なんか未練がましく見えたかな?」
侑「そ、そんなことは無いけど……」
歩夢「そう? それなら良かった」 〜
歩夢「北野天満宮に着いたよ」
侑「懐かしいね」
歩夢「受験の1年前だったから、学業成就のお守りを買って」
侑「あそこの牛の像を撫でたら、頭が良くなるって先生が言ってたよね」
歩夢「あれ? 侑ちゃん、覚えてるんだ?」
侑「うん……」
侑(昨日から、歩夢との思い出がどんどん蘇ってくる……。歩夢はスッキリした顔になっていくけど、私、今どんな顔してるんだろ?)
歩夢「……うふふっ」 〜
侑「旅館まで予約してるなんて」
歩夢「当たり前でしょ」
侑「私は安いホテルとかで良かったのに」
歩夢「せっかく京都まで来たんだもん。お庭の景色を楽しんで、綺麗なおふとんで寝たいでしょ?」
侑「綺麗なおふとんって……」フフッ
歩夢「?」
侑「だってどうせこの後」
歩夢「なんの話?」
侑「あっ……」
侑「いや、なんでもないよ」
歩夢「ふーん」
侑(この旅行から帰ったらきちんと別れるって決めてるのに。どうしちゃったの私……) 別れたくないからってこうやってセコいことしてんだよな
でも結局別れたい原因の解決になってないんだから早く別れたほうがお互いのためだろ 歩夢「じゃ、私温泉入ってくるね」
侑「あ、私も!」
歩夢「え? 一緒に入るの?」
侑「それくらい良いでしょ? 温泉なんて友達同士でも入るじゃん」
歩夢「友達……ね」
侑「うん。歩夢と私はもうすぐただの友達に戻るんだから。どっちにしたってお風呂くらい……」
歩夢「……そうだねっ」ニコッ
侑(これでいい。きちんと言葉にしておけば、これ以上変な気持ちになんて……) 〜
歩夢「明るいところでお互いの裸見るのって、実は久しぶりだよね」
侑「歩夢はいつも電気消したがるからね〜」
歩夢「もうっ」ポムゥ
侑「……」ジッ
侑(歩夢、やっぱり綺麗な身体してるよね。私なんかと違って、女の子らしい身体付き……ああ、なんか……)
侑(……)ムラッ 歩夢「侑ちゃん?」
侑「!?」ビクッ
侑「な、なに?」
歩夢「顔が真っ赤だよ? のぼせちゃった?」
侑「ああそうかも。最近はシャワーだけで、ゆっくりお湯に浸かってなかったし」
歩夢「へえ」
侑(……いつもなら、『女の子なんだからきちんと身体温めないと』とか『シャワーだけじゃ健康に悪い』とか言ってくれるのに……) 〜
歩夢「電気消すね」
侑「うん」
パチンッ
侑「うわっ、真っ暗」
歩夢「ふふっ」
侑「あ、でも月が結構明るいかも」
歩夢「そうだね」
侑「……ねぇ、歩夢」
歩夢「どうしたの?」
侑「この旅行って、いつまでやるの?」
歩夢「明日で終わりだよ」
侑「え!?」 歩夢「ごめんね。三日間も付き合わせちゃって」
侑「あ、いや。むしろ何か短く感じちゃったというか……」
歩夢「そうなの?」
侑「うん」
歩夢「でも、もうおしまいだよ」
侑「分かってるよ」
侑「……」
侑「……歩夢」
歩夢「ん?」
侑「明日までは、私たちってまだ恋人なんだよね?」
歩夢「侑ちゃんがそう思ってくれるなら」
侑「じゃ、じゃあさ!」バッ 侑「最後に一回だけ、その……しない?」
歩夢「……」
侑「だめ、かな?」
歩夢「……だーめっ」
侑「そっか……そうだよね……」シュン
歩夢「……おやすみ、侑ちゃん」
侑「……おやすみ」 ※※※
3日目
歩夢「おはよう侑ちゃん」
侑「おはよう歩夢」
歩夢「バタバタして悪いけど、もうすぐチェックアウトするよ」
侑「大丈夫。あんまり荷物広げたりしてないし……」
歩夢「そう。それじゃ、部屋の外で待ってるから」
侑「え、手伝ってくれないの?」 歩夢「それくらい自分でしなきゃだめだよ」
歩夢「……明日から、私はいないんだから」ボソッ
侑「え?」
侑「や、やだなあ。恋人じゃなくなるってだけで、歩夢と私はずっと友達でしょ?」
歩夢「……そう思う?」
侑「ち、違うの……?」
歩夢「……うふふっ」
歩夢「冗談だよ、冗談」
侑「もう、びっくりさせないでよ」
歩夢「ごめんごめん」
侑(……あれ?) 〜
侑「この切符……」
侑「まっすぐ東京に帰るんだね?」
歩夢「うん。あんまり遅くなると、お母さんたちに悪いから」
侑「ふーん?」
侑「ねえ歩夢」
歩夢「なに?」
侑「私から別れようって言われて、どうしてあんなにあっさり諦めちゃったの?」
侑「いや、言い出した私が聞くのもおかしいんだけどさ」
歩夢「どうなると思ってたの?」 侑「正直相当粘られるかなと思ってたし、覚悟もしてたよ」
歩夢「旅行に誘うって、かなり粘った方だと思うけど?」
侑「まあ、それはびっくりしたけど……」
侑「もっと理由を問い詰めてきたり、泣き出したりするんじゃないかなって……」
歩夢「うふふっ。侑ちゃんの中の私って、そういう感じなんだ?」
侑「う、うん」
歩夢「流石侑ちゃんだね。私のことよく分かってる」
歩夢「本当は私だってそうしたかったよ。侑ちゃんは優しいから、私が泣いたらまだ恋人でいてくれるかもしれないって、ちょっと考えたよ」
侑「ずるっ」
歩夢「ずるいよ。私は」
侑「あはは」
歩夢「うふふ」 歩夢「……」
侑「それで……理由は、聞かないんだ?」
歩夢「他に好きな人が出来た。私のことが嫌になった。あとは、私と別れるよう誰かに脅迫されている……とか?」ヘラッ
侑「……」
歩夢「聞いたところで、私は幸せになれないもん」
侑「そっか……そうだよね」
歩夢「この旅行を提案した時もね、ほんとは少しでも侑ちゃんと一緒にいる時間を伸ばせたらな〜とか、案外気が変わってくれたりしないかな〜とか。そんなこと考えてたんだ」
侑「じゃ、じゃあ」
歩夢「でもね」
歩夢「昨日温泉に入る前、侑ちゃんがきちんと釘をさしてくれたよね」
歩夢「だからその後、侑ちゃんが私を試した時も、ちゃんと断れたんだ」 侑(……あぁ)
侑(私は、こんなに頑張ってる歩夢になんて酷いことを……。歩夢、歩夢……歩夢)
歩夢「侑ちゃんと思い出の場所に行って、侑ちゃんと思い出話をして……。そのたびに、なんだかスッキリしてきたんだ」
歩夢「旅行に来て良かった。ねえ侑ちゃん。私、ちゃんと気持ちに整理がついたよ」
侑「……そっか」 〜
歩夢「長旅だったね〜」
侑「……」
歩夢「ずっと座ってるのも疲れるよね……侑ちゃん?」クルッ
侑「え? ああうん!」
歩夢「もう、ちゃんと聞いてたー?」
侑「き、聞いてたよ……」
歩夢「もう少し寄り道しながらおうちに帰ろっか」
侑「うん……」
侑(あのパン屋は、せつ菜ちゃんと出会った日に歩夢と買い食いをしたお店)
侑(かすみちゃんと初めて練習をして、歩夢の可愛い動画を撮った公園)
侑(私が花をあげた場所……あの時の歩夢、最高に可愛かったな……) 侑「……私、前にずっと歩夢の側にいるって、おばあさんになってもずっと一緒にいるって言ったよね」
歩夢「……」
侑「歩夢は、恋人じゃなくなっても、ずっと私の側にいてくれる?」
歩夢「……わからない」
侑「歩夢……」
歩夢「?」
侑「やっぱり、えっと……!」
歩夢「……侑ちゃん?」
侑(だめだめ。歩夢困った顔してるじゃん。もう歩夢の中で、私との関係は終わってるんだ。これ以上歩夢を傷つけちゃだめだよ……!)
侑「……なんでもない」
歩夢「……うんっ」ニコッ
侑「その、明日からもよろしく」
歩夢「わかったよ」 〜
侑(その日、歩夢と私は恋人ではなくなった)
侑(私は、どこかで甘えていたんだと思う。恋人じゃなくたって、私と歩夢はずっと仲の良い幼馴染でいられると思ってた)
侑(だけど、次の日の朝……)
侑(歩夢は、私を起こしには来なかった)
侑(歩夢……)
侑「――ねえ、覚えてる?」
完 侑ちゃんはどうして別れようと思ったんだろう
お互いにまだまだ好き合ってそうだけど別れることに納得してそうでもあるね 本当に別れちゃうんだ・・・と少し寂しくなった後、>>51の下のスレを読んだら幸せになれた 傍にいることが当たり前すぎて失ってから初めて存在の大きさに気付く感じか
これからとてつもない喪失感が襲ってくるんだろうな 最後に>>49みたいに言わせて寄りを戻すのが目的かと思ったらそのまま別れるとは 案外歩夢の方が先に立ち直って侑の方はずっと引きずるパターン すごいな
とうふの発想が凄い
的確に未練を掻き立ててくる >>57
でも>>28の最後の行を見ると手応え感じ始めてるようで
この依存状態に落とす目的だったともとれる
つまりここからやろ この状況を利用して逆に侑ちゃんを依存させる やりかねない上原ならば どうせせつ菜かかすみんと付き合うんだから問題なしや これだけ未練ありそうなら逆に歩夢に新しい人ができそうになったら全力で焦りそう >>69
歩夢が自死したのなら、前日まで二人で出かけていた侑ちゃんは叩き起こされて色々尋問されるはずで、焦りも自己嫌悪もそれほど強くない最後の文からはそのような事は起きてないと考えられます。
最後の文には大切な人が離れていってしまった・・・もう元に戻れない、そう言った失恋の感情が表れて見えました。 死んだようにも取れる終わり方にしたら荒れる可能性があることもわからんのか
特にゆうぽむなんて荒れやすいのに
あ、意図的か 侑ちゃんが壊れたっていうより、歩夢が従来から抱き続けてきた
「侑ちゃんが自分以外の下へ行ってしまう」
「侑ちゃんを自分の下に繋ぎ止めておきたい」
等々の不安感を侑ちゃんの中にも構築させる為の旅だったように思える
侑ちゃんの最後の台詞が、歩夢のこれまでの思考回路を踏襲した証みたいになってる 相手がせつ・かすなのか侑ちゃんがノンケ化したのか、もしくは日頃から重すぎる歩夢に嫌気が差したのか
いろいろ想像膨らませられて、そっちの方が面白いやん >>79
任せるにもほどがあるだろ
自分の余命が僅かだと知らされた侑が、
自分のいなくなった後でも歩夢が生きて行けるようにとこんな行動に出たけれど、
実はすべてが歩夢の策略で、本当に命が尽きるのは歩夢の方だったとか思いついちゃったじゃないか >>53
その2つのSSの続きがこれだったとしたら…? >>1は特に何も考えてないかもしらんけど
自分から別れ切り出しといてのこのグズグズっぷりは
リアルな身勝手チャラ男のそれだわ せめて作中の人間にはちゃんと語ってるくらいはしないと、この2人の関係はクッソ気持ち悪い >>82
おそらくラストの曖昧な終わり方を書きたいだけで話の前後まで考えてないだろうから>>1のクズっぷりが出ているSSだと思う
お盆に人の死を連想させる作品を書くなんて非常識なゴミだわ あーなるほど、切ない別れの感動SSって所だけやりたかったのね
無意味にキャラ殺して感動させようとする安っぽいSSと同じだね このあと、これだからゆうぽむ推しはっていうのがセットでわく流れかな >>71
普通にこれやろ
死ネタだと思ってるやつは流石に読解力無さすぎ
とツッコもうとしたら、なるほどいつもの庭か 別れを切り出された歩夢がどう出て侑がどうなったかが重要な話で
そもそも何故侑は別れを切り出したのかって理由はあまり関係ないんだろう
大事なのは、理由はどうあれ別れても親友に戻るだけだと侑は思ってることと(最後に自分で甘えと言ってる部分)
そこまでを歩夢が解ってるのかどうかだと思う
とにかく別れを切り出した相手に未練を感じさせて逆依存に持ち込むこの雰囲気は凄いと思う
見てて侑に感情移入して後悔してったわ 何をどう捉えるか読み手に委ねる形の終わり方なんだから色々な解釈がある
読解力もくそもないわこんなの
茸とか庭とかをいつもの呼ばわりしてる時点でスレ荒らす気満々で草だわ 最後に一回だけやらせてって言うの実体験くさい生臭さ
俺の周りもこんなやつばっかだったわ ごめん
侑ちゃんのリアルな女々しいクズ男描写がよかったと言いたかった 侑ちゃんを依存させるための罠だな
失ってから初めて気づくパターンと勝手に
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