海未「紙芝居屋さんです」完
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/cVσ_VσV 皆さん、お越し頂き有難う御座います
コチラは前スレッドのpart5です。
もし、初めてお越しになった方で
このお話に興味を持って頂けたならば
下記の順番よりご覧下されると幸いです
私自身も驚嘆の長さとなりましたが、
このスレッドで終わりとなりますので
どうか、最後まで宜しくお願いします。
part1↓
海未「紙芝居屋さんです」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1601463098/
part2↓
海未「紙芝居屋さんです」2
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1606052649/
part3↓
海未「紙芝居屋さんです」3
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1609773337/
part4↓
海未「紙芝居屋さんです」4
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1613400698/ 果南「それにしても、あの絵里って子。アレだけ監督さんの事を恨んでたのに、よく仲直り出来たもんだよねぇ」
善子「本当にね。私だったらたぶん、顔を合わせた瞬間呪文で粉々にしてると思うわ」
ルビィ「ピギィ……ッ」
ダイヤ「物騒なこと言わないで下さいまし」
曜「正直、なんで仲直り出来たのか、私にはよく分かんないんだよねぇ」
梨子「難しい話だよね」
海未「……」
千歌「……」 千歌「……ねぇ、紙芝居屋さん。」
海未「はい」
千歌「仲直りってさ、二人だけの問題にしちゃいけないんだって、」
千歌「このお話を観て、私はそう思ったよ。」
海未「……」
千歌「だって、許す方も、それに許して貰う方も、ケンカした瞬間から独りぼっちになっちゃうんだもん」
千歌「きっと、最初は辛いかも知れないけど、それでも……」
千歌「誰もいないよりは、誰かが隣にいた方が絶対にいいもん。」 海未「……そうですね。」
海未「一人の力なんて、本当に大したものではありませんから」
海未「それが諍いなら、尚のこと誰かの力を借りなければ、解決はより困難なものになってしまうでしょう」
海未「だからこそ、こんなにも広い世界で、私たちは小さく寄り添い合っているのでしょうね……」
千歌「……」
曜「……」
梨子「紙芝居屋さん……」 「オッオーゥ!」
海未「!」
鞠莉「な〜に湿っぽくなってるんデスカぁ〜?」
鞠莉「ハッピーエンドなんだからぁ、みんなもっとお祭りみたいにはしゃがないと!」
花丸「うふふ、そうだねぇ〜。みんなハッピーハッピーずら〜♪」
善子「クックック……、ここに祝いましょう。ヨハネ降誕の日を。」
海未「……」
海未「そうですね、その通りです。」 ルビィ「ぅゅ、か、紙芝居屋さんっ」
海未「はい?なんですか。」
ルビィ「次は、どんなお話をしてくれますか……?」
海未「次、ですか、」
海未「そうですねぇ。また、楽しいお話がいいですね……」
海未「……」
ルビィ「?」 曜「──あっ!」
曜「ねぇねぇ、みんな。」
千歌「?」
ダイヤ「はい?」
果南「どうしたのさ?」
曜「あのね、」
「遊園地が完成したんだって!」
海未「……」 善子「ほ、ホントに!?」ザッ
善子「……あっ、」
鞠莉「オーゥ!身を乗り出したくなる気持ち、私も分かるわよ?」
善子「うぅ……っ///」
果南「やぁ〜、これは楽しみだねぇ」
花丸「その話、まるも聞いたずらぁ〜」
花丸「開園記念で、子供にはオモチャと変わったアメを配るんだって〜」
ルビィ「!?」 ルビィ「お、お姉ちゃん!!」ガシッ
ダイヤ「へ?」
ルビィ「まだお昼過ぎだから間に合うよ!行こうっ!」
ダイア「る、ルビィ!?今からですの!?」
ルビィ「今からですのっ!!」
ダイヤ「〜っ」
曜「あはは」
花丸「ノリノリずらぁ〜」 善子「さぁ行きましょう!リトルデーモン達よ!」ザッ
花丸「は〜い♪」スッ
曜「了解であります!」タタッ
鞠莉「イェーイ♪」バッ
果南「お。かけっこなら負けないよ?」スッ
梨子「ちょっ、ちょっと待ってよぉー!」ザッ
千歌「えへへ。よぉーし!」グッ
千歌「あ」 海未「……」
千歌「紙芝居屋さん……」
「おーい!」
千歌「!」
「はやくはやく〜っ!」
「置いてくわよー!?」
千歌「っ」
海未「……さぁ、行ってらっしゃい。」
海未「みんな待ってますよ?」 千歌「……」
千歌「また、来るから!」
海未「……」
千歌「絶対に来るからねっ!」
海未「……」
海未「……はい、」ニコッ /cVσ_VσV これにて、第九幕は終わりとなります
次回が本当の最後となりますので、
また、お付き合い頂けたら幸いです。 環境の激変でここしばらく読むに読めずやっと追いついて読むことができましたが
終演まで残り一幕までにはなんとか間に合ったようでよかった
千歌ちゃんの言う仲直りのくだりは心から納得せざるを得ず >>168
/cVσ_VσV 分かってはいた事ですが
それでも、寂しいものですね
>>169
/cVσ_VσV 不粋を通り越しています
なにより営業妨害ですよ
>>170
/cVσ_VσV いえ、そんな大それたものでは無いです
どちらかと言えば願望でしょうか
>>171
/cVσ_VσV ありがとうございます
必ずハッピーエンドにすると
前々から決めていましたから >>172
/cVσ_VσV 失念していました
難しいものです
>>173
/cVσ_VσV 恐縮です。
ですが、恐らく半分も活かせてはいない
そんな気がします。まだまだですね
>>174
/cVσ_VσV いえいえ、此処までお付き合い頂けた事
本当に有り難く思っています
共感して頂けて何よりです。
>>175
/cVσ_VσV みんな元気で素晴らしいです。
きっと楽しく遊んでいる事でしょう /cVσ_VσV お待たせして申し訳ありません
最後の更新なのですが、
少し手直しする箇所がありまして
すみませんが、明日の夜まで
どうかお待ち頂けないでしょうか
最後の最後まで本当にごめんなさい。 終わってしまうのか
2で止まってるので今から読もうと思ってるけど感想書く頃にはスレは落ちてると思う、でも読んどくよ >>179
/cVσ_VσV ご心配をお掛けしてすみません
>>180
/cVσ_VσV お読み頂きありがとうございます
私としてももう少し続けたいのですが
お話の都合上、それも中々難しく
本当に申し訳ないと思っています。 /cVσ_VσV お待たせして申し訳ありません
今から更新させて頂きますので
どうか最後まで宜しくお願いします。 〜薔薇と謎のオブジェと二つのステージと海と大きな時計があって人が賑わう広い公園〜 キャハハハッ!
マッテヨ-!
ワイワ-イ!
──キキッ、
「ふぅ、」
海未「よいしょっと」
海未「……」 <ドッチボ-ルスルヒト-!
<ハ-イ!
<ボクモヤル-!
<チ-ムド-スル-?
海未「……ふふっ、」
海未「今日も子供たちは元気ですね。」 海未「ついこの間、お話が終わったばかりだと言うのに」
海未「それも、もう随分と昔のことの様に感じます」
ボ-ルヒッカカッタ-!
オマエトレヨ-!
ワ-ワ-!
海未「……」
海未「彼女たちの大冒険……そして、平和になったお話」
海未「私が語るお話で、あんなに賑わったのは本当に久しぶりでしたね」
海未「……」 スッ
海未「……さて、」
海未「みなさーん!紙芝居は如何ですかー!」
海未「紙芝居をやりますよー!」
ワ-ワ-!
キャハハハッ!
「みなさーん!」
………
… あの、素敵な時を皆さんと過ごしてから
少しだけ時間が経ちました
変わらない景色の中で、変わらない私は
今日も足繁く通い続けます
遊園地の人気は
もはや街の隅々まで行き渡っている様で
週末には、子供の手を引く大人たちの姿が
あちこちで見受けられます
街に、新しい風が吹きはじめました。 …
………
ホ-ラッ!カエリマスヨ!
キョウノゴハンハ-?
カレ-. スキデショ?
ワ-イ!
海未「……」
海未「……こんな日もあります。」
海未「でも、大丈夫」
海未「明日は、きっと来てくれますから。」 〜薔薇と謎のオブジェと二つのステージと海と大きな時計のある広い公園〜 「──よっと、」ストッ
海未「ふぅ」
マッテマッテ-!
オソ-イ!
アハハハ!
海未「……」
海未「ふふっ、」 海未「今日も、とてもいいお天気ですね。」
海未「子供たちも所狭しと駆け回っています」
海未「……」
海未「……私も頑張らないと、」
海未「みなさーん!紙芝居ですよー!」
「みなさーん!」
………
… 新しい風は子供たちの興味をくすぐり
また、古い物を露わにして行きました
居場所を無くした古い物たちは
今、あちこちで慌てふためいています
突然、支えを失った看板の様に
この街にポツンと、ただ取り残されました
それだけなんです。 …
………
海未「……」
海未「……明日はきっと、」
海未「うん」
海未「そんな予感がします。」 〜薔薇と謎のオブジェがあって海が見えて大きなステージのある広くて寂しい公園〜 ──キキッ、
「……」
アレ-?マダキテナイノ-?
ユウエンチダッテサ-
アタシモイキタ-イ!
海未「……」 オカシモラッタ-?
ウン!
オイシイヨネ-
海未「……」
海未「……はは、」
………
… そうですね
子供たちは、今日も元気に駆け回っています
でも、それは嘗てほどのものではありません
声は減ってしまいました、しかし
私は、今もこうしてお話を届けようとしています
あの、素晴らしい時間をまた共有する為に
ただ辛抱強く待ちながら ………
…
海未「……日が、暮れますね。」
海未「……」
海未「明日は、」
海未「明日はきっと……」 〜薔薇と謎のオブジェとステージがあって海の見える広い公園〜 ソ-レ!
ドコヤッテンノ-!?
ワ-!
海未「……」
海未「……」
海未「……だいぶ、減ってしまいましたね。」 海未「あの遊園地は、とても楽しい所なんでしょう」
海未「ふふ、あの子たちの笑顔が目に浮かびます」
海未「どれだけ遊んでも遊び尽くせない遊具。味わった事のない数々の食べ物」
海未「それらは、きっと素敵な思い出として、あの子たちの記憶に残って行くのでしょうね。」
海未「……」 「あのぉ、」
海未「!」
海未「は、はい!」
「えっと、申し訳ないんですが」
海未「な、なんでしょう?」
「図書館って、ここの近くにありますか?」
海未「へ?あ……」
海未「……」 「?」
海未「……」
海未「……そちらの美術館通りを、真っ直ぐ進んだ先にありますよ。」
「あぁ、ありがとうございます」
海未「いえ……」
………
… 昨日、近所の駄菓子屋さんが閉店しました
"永らくのご愛顧ありがとうございました"
張り紙には、この一文だけが書かれていて
これも過ぎゆく季節の一つなのかと
うら寂しい心をそっと覆い隠しながら
小さくお辞儀をして、その場を去りました
これも時代なんですね。 ………
…
モウカエロ-!
ハ-イ!
海未「……」
海未「……」
海未「……私は、私はまだ、」
海未「あの子たちの笑顔を覚えています」 海未「……」
──時々
時々、私はまだあの瞬間に居るのでは、と
そう勘違いをしてしまう事があるんです。
沢山の子供たちを前に
期待の眼差しの中、私のお話を読み聞かせる
そんな勘違いをしてしまいます。 お饅頭を頬張りながら笑ってる子
お友達と手を繋ぎながら観ている子
様々な笑顔を向けてくれる子たち
そんな、多くの喜びの中に
今もまだ自分はいるのだと
海未「……」 この、草臥れた自転車の荷台に
舞台を作るんです。
そうすれば、何時でもどこでだって
私の劇場が始まるんです
それを観に、あの子たちは来るんですから 朝起きて
ご飯を食べて
元気よく家を飛び出したら
猫も草木も電柱も
行き交う人すら置き去りにして
笑顔をお土産に来てくれるんです。 だから、大丈夫。
明日にはきっとやって来る
私は、そんな気がする
きっと
海未「きっと……」 海未「……」
海未「……」
海未「……朝焼けも、青空も、夕日も」
海未「ここから見る空は、とても綺麗だったんです」
海未「小さくても、本当に綺麗な空が広がっていたんです。」 海未「最初にここへ来たときの空も、すごく綺麗だった」
海未「駆け寄ってきたあの子へ、お饅頭を渡して、時間が過ぎるのも忘れて、」
海未「私も、子供みたいに一緒に夢中になって、本当に……本当に……」
海未「素敵な空だったんだ。」 海未「……」
海未「新しいものが来たならば、古いものは去る」
海未「コレは、至極当たり前のことなんです。」
海未「きっと、ここはもう私を必要としてはいないんでしょう」
海未「それなら……」
スッ 海未「皆さん、今まで本当にありがとうございました」
海未「皆さんにお話をご覧頂けた事、とても嬉しく思います」
海未「もしかしたら、また何処かでお逢い出来るかもしれませんね」
海未「その時は、ぜひお声を掛けて下さい」
海未「そしたら、また楽しいお話をご披露させて頂きますね」
海未「……」 終わってしまったか
長編最後まで読み切れたのは初めてだ、それぐらい丁寧でおもしろかったよ! どれほど多くの時間が過ぎたとしても海未ちゃんはあの時と同じ姿のままなのか ワ-ワ-!
ブランコノロ-!
キャハハハッ!
──キキッ、
「よいしょっと」ガタッ
「……」 アハハハ!
ジャングルジムイコ-!
サッカ-ヤロ-ヨ!
ワ-イ!
「……ふむ、結構いますね。」
「これなら、もしかしたら観てくれる子がいるかも知れません」
「よし、準備しますか。」ガタンッ グラ…
「あら?あらららっ!?」
グラグラグラッ
「よっとっとっ……とぉ!!」ガシッ
ピタッ
「ふぅ……危なかった。」
「着いて早々汚してしまったら、笑い話にもなりませんからね」
ガタゴトッ
「ふむ。こんなものですか。」
「──さてさて、」スゥ 海未「こんにちはー!」
海未「紙芝居は如何ですかー!」
海未「楽しい紙芝居を始めますよー!」
海未「みなさーん!」
……
海未「……」 「わーい!」
海未「!」
「ねぇ、紙芝居やるの!?」
海未「おや、こんにちは。」
「こんにちわ!」
海未「お嬢さん、紙芝居はお好きですか?」
「うん!」
海未「それは良かった」
海未「では、楽しんでいって下さいね」 海未「あ、そうそう」スッ
海未「お話の前に、これを差し上げます」
「……これは?」
海未「お饅頭です。美味しいですよ?」
「ありがとう!」
海未「よいしょっと、」
海未「それでは、お話を始めたいと思います。」
パチパチパチッ 昔々、ある漁村に
普通の女の子がいました。
千歌「やっほ〜♪」 この、普通の女の子
頭も普通なら、運動も普通
普通普通の普通星人
そんな彼女は、ある日こう思ったのです。 千歌「特別になりたいなぁ。」
千歌「なにかすっごい事をして、色んな人から見てもらえる様なとびっきりの特別になれたらなぁ」
千歌「でも、私に特別なんてあるのかな?」
千歌「それとも、特別な人は最初から特別なのかな?」
千歌「う〜ん……」 千歌「……」
千歌「……探してみよう。」
千歌「私の特別を探してみよう!」
千歌「よーしっ!!」 そう思い立った少女は、方々を駆け巡り
色んな人達と色んな事をしてみました 千歌「こんにちは!」
果南「やぁ、こんにちは。」
千歌「貴方は、どんな特別を持ってる?」
果南「う〜ん。私の特別かぁ……」
果南「やっぱり素潜りかな?」
千歌「じゃあさ、それ教えて!」
果南「いいよ」
千歌「わーい!」 千歌「こんにちは!」
曜「はい、こんにちは」
千歌「貴方は、どんな特別を持ってる?」
曜「私の特別?そうだねぇ……」
曜「着物作りかな?」
千歌「それ教えて!」
曜「ヨーソロー!」
千歌「?」 千歌「はじめまして!」
梨子「あら、はじめまして」
千歌「貴方は、どんな特別を持ってる?」
梨子「私の特別?そうねぇ、」
梨子「やっぱりかb……っ」
千歌「かぶ?」
梨子「……」
梨子「……唄を作れる事かな。」ニコッ
千歌「じゃあそれ教えて!」
梨子「えぇ、いいわよ」 千歌「う〜ん、」
その後も、この普通の少女は
色々な場所で様々な事に挑戦してみました
しかし…… お琴を弾いても
ダイヤ「普通ですわ」
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