海未「紙芝居屋さんです」完
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/cVσ_VσV 皆さん、お越し頂き有難う御座います
コチラは前スレッドのpart5です。
もし、初めてお越しになった方で
このお話に興味を持って頂けたならば
下記の順番よりご覧下されると幸いです
私自身も驚嘆の長さとなりましたが、
このスレッドで終わりとなりますので
どうか、最後まで宜しくお願いします。
part1↓
海未「紙芝居屋さんです」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1601463098/
part2↓
海未「紙芝居屋さんです」2
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1606052649/
part3↓
海未「紙芝居屋さんです」3
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1609773337/
part4↓
海未「紙芝居屋さんです」4
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1613400698/ ピギィをしても
ルビィ「普通だ」
千歌「……」
ルビィ「まぁ、がんばルビィだな。」ポンッ
千歌「……うん、」 千歌「ハァ、ダメだなぁ。」
千歌「何をやっても、普通普通……」
千歌「特別な人は、やっぱり最初から特別だったのかも」
自分だけの特別がどうしても見付けられず
彼女は、すっかり意気消沈してしまいました 千歌「私は何もない、普通星人ですよ〜……」
千歌「でゅわ〜……」
千歌「……」
千歌「──ッ」ジワッ
『そんな事ないよ』
千歌「!」 『私も、最初は普通だったよ?』
千歌「あ、あの……」
『でもね、』
『村が廃村になりかけた時、絶対に救わなきゃって思って、とにかくがむしゃらに頑張って、色んな人たちに呼びかけたの』
『あっちへ走ってこっちへ走って、行った事のない場所へいったり、会った事のない人に会ったり……』
『そしたら、いつの間にかそれが私にとっての特別になってたんだ』 千歌「……」
『本当は、私じゃなくても出来た事なんだろうけど』
『あの時、自分の気持ちを捨てないで、みんなと一緒に村を救おうとした日々は、』
『間違いなく、私にとっても特別な事だったんだよ』
千歌「特別……」
『それから私は、自分ならやればなんでも出来るって、そう思える様になったんだ』 千歌「で、でもさ!」
『え?』
千歌「それで失敗しちゃったら、ますます自分の事が嫌いになっちゃうんじゃないの!?」
千歌「こんな事、やらなきゃ良かったって……そう思っちゃうんじゃないのっ!?」
千歌「だって、なんにも残らないんだよっ!?それでお終いになっちゃうんだよっ!!」
千歌「〜っ」
『……』
『違う』 千歌「えっ」
『私はね、こう思うの』
『どんな結果になろうとも、それを怖がらないで直向きに頑張れる何かを、先ずは見つけること。』
『その中で、何か一つの物事が終わった時に、拾って来たものや誰かに渡されたものが、どれだけ大事なものなのか』
『それを見失わないで大切に出来れば、それが特別になるんじゃないかなって』
『……そう思うんだ。』 千歌「……」
『貴方は、どうしたい?』
千歌「わたしは……」
『私が言いたかったのはそれだけ!』
『じゃあね!』
千歌「……」 ──それは、
淀んだ空に一縷の光が射し込んだかの様な
真っ直ぐに突き抜けて行く、そんな爽快感を
彼女の言葉から感じました。 千歌「……そっか。」
千歌「私は今まで、自分の中の特別を見つける為に色んなことをして来た」
千歌「でも、その為には例えどんな結果になろうとも、怖がらずに精一杯やらなくちゃ駄目だったんだ」
千歌「頑張った事は絶対に変わらないもん。それを忘れない様に、私は私の中で大切にして行ければ、きっと……」
千歌「……」
千歌「決めた。」 千歌「私は、私が特別になれる何かを絶対に見つける!」
千歌「そしたら、きっと自分のことが好きになれる筈だもん!」
千歌「〜っ」
千歌「ぃよーし!やるぞーっ!!」
「おーい!」 千歌「え?」
「この村、近々廃村になるんだって!」
千歌「へぇ、そうなんだぁ……」
千歌「……」
千歌「……」
「うぇえええぇえええええっっ!!?!?」 こうして、
廃村の危機から村を救うべく立ち上がった
この普通の少女。
必死の呼び掛けの甲斐もあり、
想いを同じくした大勢の仲間達が
一人、また一人と、彼女の元へ集いました。 刻一刻と迫り来る、廃村の危機との
村の存亡を賭けた戦いは熾烈を極め
脇目も振らず、
七転八倒の日々を送って行くうち
……いつしか
あの、普通を嫌っていた少女は
普通ではなくなっていました。 それは、本人には知る由も無かったこと
しかし、戦いに加わる者達は皆
口々にこう言っていたのです
「彼女の中に輝きを見た」と、
村を救いたいと言う、彼女の特別な輝き
その”輝き”は、
いつまでも、村人の心に残り続けています。 ……今はなき、故郷への想い
それは、あの激動の日々を送った者たちに
深い悲しみだけでは無く
沢山の希望も与えたのです。
"思い出に生きるだけが人生ではない"
彼女たちの頑張りは、
決して消える事のない村の名を添えて ………………
………
…
海未「……おしまい。」
海未「お粗末さまでした」
海未「お嬢さん、楽しんで頂けたでしょ──」
「紙芝居屋さんっ!!」ガシッ
海未「!?」
「〜ッッッ」
海未「え?ぇえ?」
「とっっっっっても良かったっ!!!!!」 海未「あははっ……」
「〜♪」
海未「えっと、あ、ありがとうございます。」
「あのね、紙芝居屋さん」
海未「な、なんでしょう?」
「わたしね?わたし、」
「なんだかとっても……」
侑「ときめいちゃったよっ!!!」 侑「ねぇねぇ!明日も来てくれる!?」
海未「っ」
海未「……ふふっ、もちろんですよ。」
侑「やったー!」
スッ
侑「へ?」
海未「……」ナデナデ
侑「か、紙芝居屋さん?」
海未「ふふふっ」
パチパチパチパチパチパチッ!!!
海未「!」 千歌「すてきーっ!!」パチパチッ
鞠莉「イェース!」パチパチッ
梨子「とっても良かったです!」パチパチッ
善子「な、泣いてなんかないからねっ!」パチパチッ
ダイヤ「感動……感動しましたわっ、」パチパチッ
果南「なんだか胸がいっぱいだよ」パチパチッ
ルビィ「うぅ……良かったぁ……」パチパチッ
花丸「はあぁぁぁっ……感動ずらぁ〜」パチパチッ
曜「気持ちがギュッと詰まってたよ!」パチパチッ 海未「え?え?」
海未「ど、どうして皆さんがここに……?」
海未「なんで……」
「紙芝居屋さん!」
海未「!?」 穂乃果「久しぶりー!楽しかったよー!」パチパチッ
ことり「やっぱり絵が可愛いねぇ〜♪」パチパチッ
花陽「頑張ったねぇ…頑張ったねぇ……っ」パチパチッ
凛「にゃー!面白ーい!」パチパチッ
真姫「……元気そうで良かったわ。」パチパチッ
絵里「ふふ、相変わらず素敵なお話ねぇ」パチパチッ
希「いやぁ〜、良い子たちやんねぇ」パチパチッ
にこ「うんうん。やっぱ輝いてナンボよ」パチパチッ
ツバサ「うぅ、いいお話だったよぉ〜っ」パチパチッ
英玲奈「……お前、鼻水を拭け。」パチパチッ
あんじゅ「ふふ。素敵だったわよ♪」パチパチッ 海未「ぁ……ははっ……」
穂乃果「紙芝居屋さん」
海未「〜っ」
穂乃果「久しぶりだね♪」
海未「本当に……本当にお久しぶりですっ。」
海未「お元気でしたか?なにか、大事はありませんでしたか……?」
穂乃果「うん!みんな元気だよ!」
海未「……良かった。」 穂乃果「……」
穂乃果「こんなに時間が経っちゃって、本当にごめんね」
海未「〜っ」
穂乃果「寂しい思いさせちゃったね……」
海未「いえ、いえ……っ」
海未「忘れないでくれて……本当に嬉しいですっ……」
「忘れるわけないよ」 海未「!」
千歌「やっほー」
海未「……ふふっ、」
海未「やっほー♪」
千歌「えへへ」
千歌「改めて、久しぶりだね」
海未「はい。貴方もお変わりありませんか?」
千歌「うん!」 千歌「あのね?」
千歌「やっぱり、紙芝居屋さんのお話とっても楽しかったよ。」
海未「うふふ、ありがとうございます」
千歌「……紙芝居屋さんは、楽しかった?」
海未「……」
海未「はい」
海未「私も、楽しかったですよ。」
千歌「良かった♪」 侑「ねぇ、紙芝居屋さん。」
海未「なんでしょう?」
侑「みんなさ、紙芝居のお話に出てた子たちなんだよね?」
海未「えぇ、」
侑「紙芝居屋さんはさ、どうしてみんなを描いたの?」
海未「そうですね……」
海未「残したいものがあったんです。」 侑「残したいもの?」
海未「はい」
海未「景色も、時代も、人も、それぞれは目まぐるしく変わって行きます」
海未「でも、そんな中で決して変わらない何かがあると私は思うんです。」
海未「それらをこうして描いて、聞かせ歩くことで、その変わらないものを伝える事が出来ると、そう思ったんです。」
侑「……」
海未「……それに、」 海未「例え紙の中でも、描けばいつでもどこでもみんなと一緒にいられる」
海未「見に来てくれた時のままの、子供たちの姿を覚えていられるから」
侑「……」
侑「私もさ、」
海未「はい?」
侑「私のことも、いつか描いてくれる?」
海未「……ふふっ、」
海未「えぇ、もちろんですよ。」
侑「えへへ」 「あの〜」
海未「?」
侑「お?」
歩夢「なんだか、面白そうな事してますね。」
海未「おや、初めまして。」
歩夢「初めまして♪」 穂乃果「おー!また新しい子だね!」
千歌「おいでおいで、楽しいよ〜♪」
侑「いらっしゃーい♪」
歩夢「ふふふ、ありがとうございます。」
歩夢「……あのぅ、」
海未「なんでしょう?」
歩夢「コレって、何かのお店なんですか?」
海未「……」
海未「……そうですね、私は」 /cVσ_VσV 見て頂いた全ての方々
今日まで本当に有難うございました。
此れをもちまして、
紙芝居屋さんのお話はお終いになります
約9ヶ月間と言う時間の中で
色々な出逢いや出来事がありました
途中、挫折しそうになった事も
何度かありましたが
見て下さった色んなな方々の
応援や励ましの言葉に支えて頂き
なんとか最後を迎える事が出来ました。
皆さんには感謝しても仕切れないほど
暖かく見守って貰えました。
改めて、本当にありがとうございます。
紙芝居屋さんのお話は終わりですが
これからもなにかしら小話でも
投稿して行きたいと思っていますので
もし、お見かけしましたなら
どうぞ、声を掛けて下さい。
本当に、本当にありがとうございました。 完走乙
半年近く毎日更新楽しみにしてたから無事に完結したのは嬉しいけどやっぱ寂しいし楽しみが無くなってしまったな…
とにかくお疲れ様、またどこかで会おうな 完走乙
海未ちゃんも最後にはハッピーエンドになれて良かったな 読み終えた……凄く充実した時を過ごせた
長期執筆、乙でした 今気づいたけど完結してたとは…これから読ませてもらいます ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています