歩夢「パラレルワールド?」続
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かすみ「皆さん、おはようございます」
かすみちゃんに手を引かれ、部室へ入室する。
皆の視線が、わたしに集まる。
歩夢「…………」
わたしは何も言えずに、俯いてしまう。みんなの顔が見れない。
──でも、そんな時だった。
しずく「歩夢さん! おはよっ!」
歩夢「……え?」
顔を上げると、しずくちゃんがわたしに笑顔を向けながら挨拶をしてくれる。
璃奈「おはよ、歩夢さん」
果林「おっはよー! 歩夢ちゃん!」
エマ「おはようっ、歩夢ちゃん」
彼方「歩夢ちゃんおはよ〜」
せつ菜「おはようございますっ! 歩夢さん!」
愛「よっ! 歩夢っ」
歩夢「…………」ポカーン
開いた口が塞がらなかった。 歩夢「……どうして……?」
歩夢「どうしてみんな……普通に挨拶してくれるの?」
愛「いや、朝に誰かと会ったら挨拶すんだろ普通」
歩夢「…………」
歩夢「愛」
歩夢「久しぶり、だね」
愛「……おう」
歩夢「この言葉の意味、わかるでしょ? ──皆も、愛も」
歩夢「──わたしはッ! あの子じゃないんだよ!?」
歩夢「な、なのになんで皆……そんな何も言わないの……」
歩夢「わたしが残って……あの子が消えちゃったのに……」
歩夢「わたしを責めないの……? 」
せつ菜「歩夢さん」
歩夢「!! せ、せつ菜ちゃん……」
歩夢「あ、あなたは一番あの子の事が大好きだったよね? な、なら」
せつ菜「あなたの中で私達は、あなたを攻めて罵倒するような集団なんですか?」
歩夢「!!」 そういやこっちのポムはアニメぽむが帰れた事知らないんだよな…恩人が死んでると思ってる中のこれはしんどい… 昨日一気に読み進めて追い付いた
こっちの世界の同好会メンバーが元の世界の歩夢とまた会える日が来ることを願わずにはいられないな そういえば狂犬ぽむの自殺を止めた要因はかすみんだったな…続きが気になる 歩夢「……違う……」
歩夢「みんなが優しいのは、知ってる」
歩夢「あの子を通して見てたから……」
歩夢「でも! その優しさだって……あの子が……」
せつ菜「……」
せつ菜「歩夢さん」
せつ菜「私は、あの人が大好きでした」
歩夢「……うん。知ってるよ」
せつ菜「でも、あなたもあの人の事が大好きでしたよね?」
歩夢「!!」
せつ菜「多分、私よりも……」
歩夢「……大好きに差なんてないよ」
せつ菜「大好きな事は否定しないんですね」
歩夢「……」 せつ菜「歩夢さん」
せつ菜「確かに、あの人に会えなくなったのは辛いです。それは……同好会の皆さんも一緒に感じている想いです」
せつ菜「──ただ、あなたが一番辛いと思う」
歩夢「……っ……」
せつ菜「罪悪感を抱え込まないでよ」
せつ菜「あの人だって、あなたに良い未来を過ごして欲しいことを願っていると思います」
歩夢「……せつ菜ちゃん……」 かすみ「歩夢先輩」
かすみ「あなたが今やりたいことは何ですか?」
歩夢「え? わたしのやりたいこと……?」
かすみ「はい」
かすみ「今日はみんなで、それを確認したかったから集まったんです」
かすみ「あなたがやりたい事、みんなでサポートしますから」
歩夢「ど、どうして……?」
かすみ「今度は、私達の番だから」
歩夢「え?」 しずく「あの人は私に」
しずく「自分らしく生きる事の大切さを教えてくれた」
しずくちゃんがわたしに手を差し伸べる。
彼方「願いを信じる大切さを教えてくれた」
彼方さんがわたしに手を差し伸べる。
璃奈「歌の素晴らしさを教えてくれた」
果林「勇気を出す大切さを教えてくれた」
エマ「勇気を出す大切さを教えてくれた」
愛「真っ直ぐ生きる事の大切さを教えてくれた」
せつ菜「私に大好きを教えてくれた」
かすみ「コツコツと、夢へ向かって一歩一歩踏み出す事の大切さを教えてくれた」
璃奈ちゃんも、果林さんもエマさんも、愛とせつ菜ちゃんもかすみちゃんも──皆わたしに手を差し伸べてくれる。
歩夢「みんな……」
かすみ「歩夢先輩」
かすみ「私達はあの人から沢山大切な事を教えてもらいました」
かすみ「いつも笑顔で、私達を支えてくれたんです」
かすみ「だから……だから!!」
かすみ「今度は、私達の番」
かすみ「今度は私達全員が──あなたを支えます」
歩夢「みんな……!」
かすみ「歩夢先輩。──手を伸ばして」
かすみ「私達は全員」
「「「あなたの味方だから」」」 歩夢「っ……!」
視界が少し、ぼやけてしまう。
歩夢「わ、わたしが……やりたい事は……!!」
──でも、泣いてはいけない。
わたしの憧れのあの子は、笑顔の時が多かったから。
だから──今は笑顔で、みんなに想いを伝えよう。
歩夢「わたしは!」
歩夢「スクールアイドルに、なりたい!!」
歩夢「きっかけは、一人の女の子との約束だったけど……この想いは、今のわたしの気持ちです!!」
歩夢「だから皆……わたしと一緒に」
歩夢「──スクールアイドルとして、一緒に歩んで下さいっ!!」 その瞬間──皆がわたしに抱き着く。
しずく「歩夢さん! 一緒に歩いていこっ!」
彼方「一緒に夢を叶えよう、歩夢ちゃん」
璃奈「一緒に頑張ろう、歩夢さん」
果林「歩夢ちゃん! ようこそ!」
エマ「スクールアイドル同好会へ! だよ〜!」
愛「これからもよろしくな、歩夢」
せつ菜「一緒に大好きを、貫きましょう!!」
かすみ「歩夢先輩。スクールアイドルへの道は厳しいですから、ビシバシいきますよ!」
歩夢「わっとと! み、みんな……ふふっ、苦しいよ」ニコッ
泣きそうになるけど、必死に笑顔を作った。
──そして、その時だった。
同好会の部室の入口扉から、数回のノック音が響いた。 彼方「あれ? お客様かなぁ? 日曜日なのに誰だろ……」
彼方「はいはい〜。行きますよ〜」
彼方さんが扉へ向かい、開ける。
そこに立っていたのは──わたしの愛しの子。
若葉「こ、こんにちは! 私、五十嵐若葉って言います」
若葉「いきなりでごめんなさい」
若葉「──私、スクールアイドル同好会のマネージャーになりたくて、来ました!」
──わたしの幸せな日々が、また始まった。 ・
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・
璃奈「若葉さん。今度のライブについてなんですけれど」
若葉「うん。前に言ってた特別照明の件だよね? 準備整ってるから後で詳細内容説明するね」
璃奈「ありがとう!」
せつ菜「若葉さん、MCのせつ菜スカーレットストームの時、実はウェーブがやりたくて……」
若葉「扇状にお客さんが配置されるから、出来ると思うよ! MCパフォーマンスとして取り入れよっか。あとで少しタイムテーブル組み直そうよ。せつ菜ちゃん」ニコッ
せつ菜「!! ありがとうございますっ!!」ペカー
愛「おーい、若葉〜」
しずく「若葉先輩っ」
エマ「若葉ちゃ〜ん!」
果林「若葉ちゃん!」
若葉「ちょちょ! み、みんな順番!」
ザワザワザワザワ
歩夢「………………」 歩夢(若葉ちゃんがマネージャーになってから数ヶ月)
歩夢(彼女はモテモテだった)
歩夢「…………」ムスー
かすみ「すーごい顔してますよ、歩夢先輩」
歩夢「え?」
彼方「嫉妬マシマシだね〜」
歩夢「そ、そんなことないもん!」プイッ
歩夢「別に!! 全然!! 気にしてないもん!! 嫉妬なんてしてません!!」プイッ
かすみ「嘘でしかない。せつ菜先輩並に声大きくなってますよ?」
せつ菜「!?」
彼方「乙女心は複雑だね〜」ニヤニヤ
かすみ「まぁ、若葉先輩めちゃめちゃ優秀だし、なによりものすごく優しいですからね。あぁなるのも仕方ないですよ」
歩夢「そんなこと幼馴染のわたしが一番知ってるもん!!」プイッ
かすみ「めんどくさ……」
彼方「こらこらかすみちゃん、違うでしょ? めんどくさかわいいでしょ?」
かすみ「それです彼方先輩」
歩夢「むぅ〜……わたしの若葉ちゃんなのにぃ……!!」プクー
かすみ(かわいい)
彼方(かわよ) 彼方「仕方ないなぁ」
かすみ「ですね」
歩夢「え?」
彼方「おーい、若葉ちゃ〜ん!」
かすみ「歩夢先輩が呼んでますよ〜?」
歩夢「!?」
若葉「へ? 歩夢ちゃんが!? ──ごめんみんな、ちょっと待ってて!」
スタスタ
歩夢「え? へ?」
若葉「歩夢ちゃん、どうしたの?」
歩夢「か、彼方さん? かすみちゃん?」キョロキョロ
かすみ「あとはお二人でごゆっくり!」
彼方「そゆこと! さっ、みんな! 外で練習するよ〜」
歩夢「え? え!?」
そのまま皆、流れるままに部室から姿を消した。先程までの騒がしさはどこへいったんだろう。
部室にわたしと若葉ちゃんだけになる。
若葉「み、みんなどうしたんだろ……?」
若葉「──まぁいいや。歩夢ちゃん? 何かあったの?」
歩夢「え!? えっと……その……」
若葉「ん?」キョトン
歩夢「そ、その……」モジモジ 若葉「ふふっ、モジモジしてる歩夢ちゃんも可愛いね!」
歩夢「!! わ、若葉ちゃん!? からかわないでよ」
若葉「へ? からかってないよ?」
歩夢「そういう事平気で言うんだから……」
若葉「ホントの事言ってるだけなんだけどなぁ」
歩夢「……ねぇ、若葉ちゃん」
若葉「ん?」
歩夢「わたし、若葉ちゃんの皆に優しい所が、大好き」
若葉「え?」
歩夢「でも……」
歩夢「もっとわたしにも……構ってよ」
若葉「!!」キュン
歩夢「……」
若葉「はぁぁぁぁぁ……!!」
ギュッ!!
歩夢「!?////」
若葉「私の幼馴染は世界一かわいい!!」
歩夢「は、恥ずかしいよ!!」
若葉「えっへへ〜!」
バッ
若葉「もしかして歩夢ちゃん、嫉妬してた?」
歩夢「うっ……」 歩夢「若葉ちゃん……優しいから……」
若葉「歩夢ちゃん……」
歩夢「……」
若葉「同じだね」
歩夢「へ?」
若葉「歩夢ちゃんもみんなからモテモテだから、私も実は嫉妬してた時あったよ?」
歩夢「え、えぇ!?」
若葉「ふふっ」ニコニコ
歩夢「わ、私が世界一大切なのは──」
若葉「それも一緒だよ」
歩夢「え?」
若葉「私も君が、世界一大切だよ」
若葉「歩夢ちゃんを最初に可愛いと思ったのは、私なんだからね」
若葉「だからキミのことは、特別視してるよ」
歩夢「わ、若葉ちゃん……?」
若葉「証明してあげるよ」
若葉「歩夢」
歩夢「!?」 若葉「これからは、歩夢って呼ばせて」
若葉「キミだけ、唯一の呼び捨ての子だよ」
若葉「いいかな?」
若葉「歩夢」ニコッ
歩夢「わ、若葉ちゃん……!」
歩夢「大好き!!」ニコッ
ギュッ!!
若葉「うん。私もだよ」
若葉「歩夢っ!」ニコリ わかぽむもいい…。両方の世界の色んなエピソードを無限に読みたくなる ───────────
10月5日
わたしには大切な仲間が沢山います。
可愛くて優しいのに、トークが面白くて一緒にいて楽しいしずくちゃん。
おっとりしているのにしっかりしていて優しい彼方さん。
頭が良くて、あの子に会うために色々と努力してくれている、可愛くて優しい璃奈ちゃん。
明るくて優しくって可愛い。なのにスクールアイドルの時はセクシーでかっこいい果林さん。
優しくって一緒にいると心がぽかぽかする、歌が本当に上手なエマさん。
一番気を許せる、仲間でライバルのわたしの親友である愛。
いつも元気で優しい、切磋琢磨し合える、大好きなせつ菜ちゃん。
わたしに若葉ちゃんとの約束を思い出させてくれた、憧れで大好きなかすみちゃん。
そして……世界一大切な若葉ちゃん。
みんな、あの子のおかげ。
あの子がいたから、この幸せな日々に戻る事ができたんだ。
ありがとう、歩夢。
わたしはあなたを目指して、今日も頑張るから。
夢への一歩を歩むから。見守っていて下さい。そして、
いつかまた会いましょう。
あと、若葉ちゃんから歌が届きました。わたしの為に作ってくれたの。約束の歌。
すっごく良い名前の歌で、わたしの気持ちを表してくれているの。
その歌の名前を、ここに残します。
その歌の名前は──
─────────── 先日専ブラが途中アクセス出来なくなって完結に2日間掛かってしまいました。申し訳なかったです。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました! 乙乙
もう一人の歩夢も光の向こうでサムズアップしてるよ 急に伸びてきたと思ったら完結編が来てただと……
ありがとうございます本当に 最後若葉ちゃんが歩夢を呼び捨てにするようになるとこ好きだしこれからもこのメンバーの日常を見ていたいくらいパラレルワールドの同好会メンバーも好きになったわ…
とにかくめっちゃ良かった乙 @cメ* ˶˘ ᴗ ˘˵リ わかぽむがこっちの世界でも幸せでよかったよ…
素敵な土曜日の朝をありがとう 若葉ちゃんの世界線でも同じこと言ってるの2人の結び付き感じていいな ある意味キャラ崩壊ではあるんだけどそれぞれが魅力的に描かれていて
あいぽむ、あゆせつ、かすりなとかの関係性もすばらしい 改めておつ!
おまけも最高に良かった……!
マジでキャラが全然違うにも関わらずめちゃくちゃすんなり入ってきてこっちも愛着湧くぐらい好きになったわ。
ほんとに素晴らしい作品をありがとう… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています