せつ菜「それでは、第3回ぽむ玉対策会議を始めます」
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@歩夢「もうっ、大丈夫なわけないでしょ! 本当に倒れますよ!」
歩夢「あんまり気が進まないけど、仕方ないか……」つ@@@@ ギューッ!
歩夢「ぽむ玉をギュッと搾って、出てきたぽむ汁をコップで受け止めて……」つ@@@@ ポタポタ
歩夢「はいっ、彼方さん! これを飲んでください!」つ凵 グイット!
彼方「ええーっと、これはなあに?」
歩夢「眠らなくてよくなる薬ですっ!」
彼方「そっかあ〜。……彼方ちゃん、ちょっと目が覚めちゃったぜ?」
@歩夢「ひとつのぽむ玉から採れる量の薬を飲めば、一晩だけ寝なくても平気になるんです」ポンッ!
@歩夢「さあ、グイッといってください。味もそこそこ美味しいはずですから!」
彼方「まあ、歩夢ちゃんがそこまで言うなら飲もうかな……」
彼方「んー、変な臭いはしないけど……。ええいっ、女は度胸だ!」コクコク
彼方「おっ! けっこう美味しい」ゴクッゴクッ
@歩夢「どうですか?」
彼方「あっ、確かに眠気が取れてる! すごいすごい、ちゃんと効いてるよ!」オー!
@歩夢「でも、まだ少し眠そうですね。……ちゃんと4つ使ったのにな」ウーン?
彼方「あー、4日前に寝たのも3時間くらいだったし、その前も何日か徹夜してたからかも」
歩夢「もうっ、ダメじゃないですか! ほらっ、もっとガンガン飲みますよ!」つ@@@@@@@@@@ ギューッ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 彼方「本当に素晴らしく効くんだ! もうすっごいの!」キラキラ
彼方「おかげでここ3週間ずっと一睡もしてないのに、今の彼方ちゃんは元気いっぱいだぜ!」
エマ「3週間!?」ガーン!
かすみ「愛先輩のとは違う意味で、彼方先輩のもヤバそうですねぇ」
せつ菜「彼方さんの報告というか、彼方さん自体がヤバいですね!」
璃奈「理系の意見としては薬の成分が気になるけど、後輩の意見としては飲むのをやめて欲しいと思う」
彼方「えー! でも、睡眠時間が必要なくなったおかげで、他のことに時間を回せてるんだよ?」
彼方「練習もじっくりできるし、手の込んだ料理だって作れるし、テストもバッチリだったからね!」
璃奈「歩夢さんの薬だから、健康への悪影響は何もないのかもしれないけど……」
果林「それでも、やっぱり心配になるわよねえ」
しずく「確かに色々なものを削ってそうですよね」 せつ菜「コーヒーとかエナジードリンクみたいに、眠気が吹き飛ぶ感じなんですか?」
彼方「んー、そういうのとはちょーっと違うんだよね〜」ンートネ
彼方「眠いときにね、一晩ぐっすり眠るとすっきりするでしょ? 当たり前だけどさ」
彼方「ぽむ薬を飲むと、一瞬でそんな感じになれるんだよ!」
せつ菜「まさに飲む睡眠といったところですね。体に影響さえなければ、私も欲しいくらいですが……」メモメモ
愛「でも、ほら、大丈夫だよ! 確かに薬は怪しいけど、歩夢のことなら信じられるでしょ?」ネッ?
エマ「愛ちゃん、自分に言い聞かせてるみたいな感じだね」
璃奈「ほら、愛さんもヤバいネタを掴まされてるから」
しずく「歩夢さんがちょっとその気になれば、私たち色々と終わりそうですね」
かすみ「もうっ、しず子ぉ! 怖いこと言わないでよ!」
果林「最後は私の番ね。私の話も、また違う意味でヤバいのよねえ……」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
@歩夢「果林さん、歩夢です。入ってもいいですか?」コンコン
果林「ええ、待ってたわ。歩夢、今日はごめんなさいね」ガチャ
@歩夢「いえいえ、私も暇だったんで。いつもお世話になってる果林さんの役に立てるなら嬉しいです」
@歩夢「あー、やっぱり散らかってますねえ。果林さんのお部屋」
果林「そうなのよ。私は特に何もしてないのに、勝手に散らかっていくの」
果林「いつもはエマが片付けてくれるんだけど、最近はあんまり来てくれなくってねえ」
@歩夢「あはは……」
果林「今日も実家にちょっと帰るって言ってたけど、大丈夫なのかしら?」
果林「最近ちょくちょく帰ってるらしいけど、スイスってちょっとで行けるようなところじゃないわよね?」
@歩夢「うーん、そうですねえ。でも、エマさんが幸せそうにしてるのは、果林さんも嬉しいでしょ?」
果林「もちろん、それはそうね。最近のエマは生き生きしてて、私も嬉しくなるわ」フフッ
果林「だけど、部屋が散らかるのは困るのよね。だから、今日は歩夢が来てくれて助かったわ」
@歩夢「はい、任せてください!」 @歩夢「果林さん、ここに散らばってる雑誌は捨てても大丈夫ですか?」
果林「私がビシッと写ってるやつは残しといてちょうだい。エマが褒めてくれそうなやつ。他はいらないわ」
@歩夢「あの、この飲みかけのペットボトルの群れはいったい……」
果林「捨てた方がいいんでしょうけど、もったいない気もするのよね。中身をまとめたりできないかしら?」
@歩夢「……こっちの隅にある冷蔵庫に入れておきますか?」
果林「ああ、それは壊れてるの。ゴミ捨て場まで持っていきたいんだけど、重たくってね」
@歩夢「…………」
果林「歩夢、どうしたの?」
@歩夢「もうこのぉ部屋は終わりだっ!」
果林「あ、歩夢?w」アセアセ
歩夢「普通に掃除しても埒が明きません。ここは不用品を徹底的に片付けましょう」つ三@ エイッ!
ズオオオォォ >>>≫≫ @ ≪≪<<< ズズズッ
果林「……これは何?」
歩夢「ブラックホールです」
果林「ブラックホール」 @歩夢「いらないものは、この子がすべてこの世から消し去ってくれますから」ポンッ!
果林「この世から」
歩夢「さらに、これをこうすれば……」ゴソゴソ
@果林「え? 何? 何を付けたの? ……ぽむ玉!? イヤッ! 乗っ取られる!?」
歩夢「それが果林さんの思考を読み取って、いらないものかどうかを判断します」
@歩夢「いらないと判定されたものは、事象の地平面の向こうへと連れていかれるんですよ」ポンッ!
@果林「私の考えてることを読み取るだけ? 私を操ったりはしないのね?」
@歩夢「大丈夫、そんなことはしません」
@歩夢「果林さんはこれがいるのかなっていうのを、あの子が知るためだけに使われるんです」
@歩夢「あっ、でも……」
@果林「な、何!?」
@歩夢「冗談でも、自分はいらないとか思わないでくださいね。吸い込まれますから」
@果林「ええっ!? 私はいるわよ! いるに決まってるわ! 絶対にいるわっ!」
@歩夢「なら、問題ありませんね。後は見てるだけだし、おしゃべりでもしましょうか?」フフッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 果林「そのブラックホールは、10分くらい私の部屋をうろうろしてたんだけど……」
果林「部屋にあったいらないものを、ホコリひとつ残さずにすべてこの世から消してくれたわ」
エマ「だから果林ちゃん、教科書がなくなったって言ってたんだね……」
エマ「いじめにあってるんじゃないかって、すっごく心配したのに……」
璃奈「なんで教科書が吸い込まれてるの?」
しずく「教科書はいるでしょ……」
果林「ち、違うわよ! 私は教科書がいらないだなんて思ったわけじゃないの!」
果林「ただ、別になくてもいいわよねえって思ったってだけなのよ!」
彼方「それを、普通は『いらない』って言うんじゃないの?」
果林「えっと、それはそうかもしれないけど……」
エマ「果林ちゃん……」
果林「いや、でもブラックホールは本当にすごかったのよ!」アセアセ
果林「壊れた冷蔵庫を一瞬で飲み込んだところなんて、なかなかに見応えがあったんだから!」ドヤァ
愛「どうしてカリンは、この状況でドヤ顔ができるの?」 かすみ「いやいや、もっと気にしなくちゃいけないことがあるでしょ!?」
かすみ「大丈夫なんですか!? ブラックホールでしょう!?」
せつ菜「ゴミだけじゃなくて、虹ヶ咲ごと吸い込まれそうですね……」
かすみ「いくら小さくたって危ないですよ! 部屋にいていいようなもんじゃないでしょ!」
しずく「ルンバの代わりにするには、色々とあれ過ぎるよね」
愛「いや、そうとは限らないよ。すごく小さいブラックホールなら、学校を吸い込んだりはできないからさ」
愛「マイクロブラックホールとか言うんじゃなかったっけ? 勝手に消えちゃうんだよね?」ネッ?
璃奈「そうだね。マイクロブラックホールなら、学校を吸い込む前に消えちゃうよ」
しずく「消えちゃうの?」
璃奈「量子サイズの小ささだと、ホーキング放射による質量の減少が無視できなくて蒸発するの」 彼方「ブラックホールって蒸発するんだ……」
璃奈「でも、それはピコとかフェムトとかのオーダーでの話だから、人の目に見えるような大きさじゃない」
璃奈「そもそも部屋にブラックホールがあったとして、視認できるのかって問題があるけど……」
璃奈「まあ、ここではシュヴァルツシルト半径を持つ球体が見えるとするね」
璃奈「ぽむ玉くらいの大きさだと、数センチはあるでしょ? それだと……」
しずく「それだと?」
璃奈「虹ヶ咲だけじゃなくて、地球ごと吸い込まれるかな」
かすみ「やっぱりダメじゃん!」
璃奈「それに、仮にマイクロブラックホールだったとしても安全とは言えない」
璃奈「数グラムのものでも、消える過程で原爆レベルのエネルギーを周囲にばらまくから」
せつ菜「結局、どっちにしてもヤバいってわけですね」メモメモ
愛「そっかあ、やっぱりダメかあ。……くそぉ」
エマ「なんとかして、ぽむ玉は安全だってことにしようとするのやめよう?」 果林「でも、私の部屋は大丈夫だったわよ。ぽむ玉はちゃんと掃除してくれたし。なんで?」
璃奈「それは、ほら、歩夢さんが上手いことしてくれたんだよ。なんか、こうさ? 多分だけど」
かすみ「りな子の説明が、急にふわっとしちゃいましたよ!」
かすみ「さっきまでは何か難しそうなことを色々と言ってたくせに!」
璃奈「だって、分かんないんだもん」ムスッ
璃奈「科学的な知識には自信があったはずなんだけど、ぽむ玉を知ってからは分からないことばっかりだよ」
璃奈「璃奈ちゃんボード『無知の知』」
せつ菜「璃奈さんですら分からないことだらけだなんて、ぽむ玉はオーバーテクノロジーですね!」メモメモ
かすみ「ねぇ、せつ菜先輩? ずーっとメモを取ってますけど、何か分かりそうですかぁ?」
せつ菜「うーん、ぽむ玉はすごいということしか分からないですねえ」
かすみ「ですよねぇ。かすみんはぁ、やっぱり分かる人に聞かないとダメだと思うんですよぉ」
せつ菜「……分かる人ですか?」
かすみ「そうです、そうです! ほらぁ、歩夢先輩に聞きに行ってくださいよぉ?」 せつ菜「いや、それは最終手段というか……。まだ早いですよ!」
かすみ「なんでですか! 早くて悪いことなんかないでしょ!」バンッ!
かすみ「生徒会長の権力で呼び出して、ビシッと聞いてやってください!」
せつ菜「ダメですよ! 権力の濫用は許されません! とにかくダメです!」
璃奈「だけど、これ以上は本人に聞かないと何も分からないような気がするな」
璃奈「ねえ、愛さんが聞いてきてくれない? 同じ2年生だし」ネ?
愛「え? ……いや、それはちょっと。いくら、りなりーの頼みでも……」
愛「こういうのは、先輩の3年生が聞いた方がいいんじゃない? 愛さんは、そう思うよ」
せつ菜「そうですね! 礼儀正しい歩夢さんなら、長幼の序を重んじることでしょう」
せつ菜「年上の3年生の方々に聞いていただければ、きっと答えてくれるはずです!」
彼方「彼方ちゃんは気が進まないな〜。素敵なお薬をもらえてるし、何も不満はないもん」
エマ「私も別に聞かなくていいかな。歩夢ちゃんのおかげで家族に会えてるだけで十分だよ」
果林「私もいいわ。吸い込まれたりすると怖いし」
しずく「果林さんの理由は、もうちょっと取り繕えませんか? 最上級生なわけですし」 果林「別にいいでしょ! 3年生だって、怖いもんは怖いのよ!」
果林「そう言うしずくちゃんこそ、聞いてみればいいんじゃない!?」
果林「優しい歩夢なら、後輩の質問には丁寧に答えてくれるはずよ!」
しずく「えー、操られたりすると怖いですしー」
果林「しずくちゃんも私と似たようなもんじゃない!」
しずく「私はいいんですよ。去年まで中学生だった1年生ですから」
1年生「2年生!」ギャーギャー
2年生「3年生!」ギャーギャー
3年生「1年生!」ギャーギャー
せつ菜「このままでは埒が明きませんね。……いいでしょう。私が聞きます」
かすみ「よっ! さすが生徒会長!」
せつ菜「ですが、歩夢さんに聞くわけではありません」
果林「歩夢に聞かないで誰に聞くのよ?」
せつ菜「ねえ、あなたは何か知っているんじゃないですか?」
せつ菜「侑さん!」
侑「……」 エマ「侑ちゃん、いたんだね」
璃奈「エマさんの台詞や話なんかでも、その存在は示唆されてたはず」
エマ「ううん、そうじゃなくてね。私が言いたいのは、この会議に参加してたんだなあってことだよ」
侑「ひどいなあ、エマさん。最初からいたでしょ? 見れば分かるじゃん」ネエ?
しずく「見えていない人たちには、しゃべらないと分からないんですよ?」
愛「そう言えば、ゆうゆはこの会議になると急に静かになるよね? 前の会議のときもさ」
侑「私は歩夢のお団子が荒ぶってるところなんて、今まで一度も見たことないからね」
侑「だから黙ってたってだけだよ?」ネ?
せつ菜「確かに侑さんから目撃情報が報告されたことはありませんが……」
せつ菜「だからといって、歩夢さんのあれやこれやの話を聞いても黙っていられるものですか?」
彼方「そもそも本当に一度も見たことないの?」
かすみ「ずっと一緒の幼馴染でしょ? 何かあるはずです!」 侑「えー、でも知らないものは知らないからなあ」ヘラヘラ
侑「あ! そう言えば、歩夢に用事があるんだった」
侑「悪いけど、私は抜けるね。会議は続けてくれて構わないから」スタスタ
かすみ「ちょーっと待ってください! 侑先輩!」ガシッ!
かすみ「怪しすぎるでしょ! 逃がしませんよ!」グイーッ!
かすみ「うぎゃっ!」ズルッ ベタンッ!
かすみ「あいたたた……、転んじゃいました。ごめんなさい、侑先輩は大丈夫で――」
エマ「きゃあああぁぁーっ!」
かすみ「な、何ですか!?」
せつ菜「か、かすみさんっ! あ、あなた、それは、何をっ!」
かすみ「うえっ!? ほ、本当に何ですか!?」
果林「かすみちゃん! その、あなたが抱えているものは何なのっ!?」
かすみ「え? ……う゛え゛っ!? う、う、腕!?」ギャー 侑「ひどいなあ、かすみちゃん。あんまり強く引っ張るから、取れちゃったじゃん」ヘラヘラ
彼方「大丈夫、侑ちゃん!? 早く止血しないと――」ダッ
彼方「って、あれ?」
愛「……血が出てない?」
しずく「運よく血管が傷つかなかったってことですか?」
璃奈「ありえないよ! 腕が肩から千切れておいて、出血がないなんて考えられない!」
侑「もー、腕が取れちゃって痛いなあ。……かすみちゃん、どうしてくれるの?」ン?
かすみ「あっ、いや、そんな……。ごめんなさい。かすみん、そんなつもりじゃ……」オロオロ
せつ菜「待ってください!」
かすみ「せつ菜しぇんぱぁい」ウルウル
せつ菜「かすみさん、大丈夫ですよ。あなたは下がっていてください」
せつ菜「侑さん……。あなた、おかしいですよ?」
侑「えー、私が責められるの? 私は被害者でしょ?」
せつ菜「そういうことを言っているわけじゃありません! 腕が千切れたのに、その様子……」
せつ菜「明らかに異常です! そもそも、あなた本当に侑さんで――」
@歩夢「せつ菜ちゃん、あんまり侑ちゃんをいじめないであげてくれるかな?」ガチャ
せつ菜「あ、歩夢さん!?」
@歩夢「侑ちゃんは、本当に何も知らないの。だからね?」 @歩夢「侑ちゃん、大丈夫? そんなに痛くないはずだけど……」
侑「あ! 歩夢ー! ちょっと驚いちゃったけど、そこまで痛くないから大丈夫だよ」
歩夢「いくらかすみちゃんが軽いとはいえ、1人分の体重がもろに腕1本にかかっちゃうとね……」ブチッ
歩夢「普通の人の体でも、脱臼くらいはしてたはずだよ」つ@ ペタペタ
@歩夢「はい、これでもう大丈夫!」ポンッ!
@歩夢「これから少しお話があるから、侑ちゃんは眠ってようね?」ナデナデ
侑「……」フラッ
@歩夢「おやすみなさい。ふふっ、可愛いなあ」ポスッ
彼方「腕が元通りに……」
しずく「でも、かすみさんが千切った腕は、あそこに転がったままですよ!?」
璃奈「ぽむ玉が新しい腕になったんだ」 @歩夢「えっと、みんなは何か聞きたいこととかあるかな?」
@歩夢「ないなら、もうお開きにしたいんだけど……」
愛「いやいや、ないわけないでしょ」
せつ菜「聞きたいことがありすぎて、何から聞くべきか迷うくらいですよ?」
彼方「まず、その侑ちゃんは何なの? 腕が千切れても平気そうだったけど……」
@歩夢「……この侑ちゃんは、ぽむ玉から生まれたんです」
@歩夢「ほら、髪の毛って切れても痛くないでしょ? だから、侑ちゃんも平気みたいで」
しずく「そこに落ちてる腕も、ぽむ玉からできてるんですか?」
@歩夢「あっ、そうだね。いつまでも、あのままにはしておけないよね。……えいっ!」
💪 → グニグニ(((💪)))ウニョウニョ → ウネウネ(((@)))ウニウニ → 三@ ピョーン
エマ「腕が、ぽむ玉に……」
@歩夢@「じゃーん! ダブルぽむ玉だよ! 似合うかな?」エヘヘ
全員「…………」
@歩夢「似合ってなかった?」シュン 腕 → グニグニ(((腕)))ウニョウニョ → ウネウネ(((@)))ウニウニ → 三@ ピョーン
腕の絵文字の出し方が分からないのでこれでお願いします
重ね重ねすみません 果林「それで、どうしてぽむ玉から生まれた侑が会議に来てるのよ!?」
@歩夢「ごめんなさい。みんながどんな話をしてるのか、私も気になっちゃって……」
@歩夢「ほら、ぽむ玉の話って、私の話みたいなものだし……」
@歩夢「でも、やっぱりよくなかったですよね。盗み聞きなんかして、ごめんなさい」ペコッ
しずく「この会議のこと、歩夢さんに知られてたんですね……」
かすみ「盗み聞きって、歩夢先輩はずっとドアのすぐ外にいたってことですか?」
璃奈「恐らく違うと思う。きっと、侑さん越しに聞いてたんだよ」
愛「だろうね。このゆうゆは、そのために作った盗聴器みたいなもんってことかー」
彼方「偽物の侑ちゃんをスパイとして送り込んでたんだね〜。まったく気づかなかったぜ」
@歩夢「璃奈ちゃんの言うことはその通りだけど、愛ちゃんと彼方さんには反論したいな」
@歩夢「まず、この侑ちゃんを偽物って呼ぶのはやめてくれます?」
せつ菜「ですが、その侑さんは歩夢さんがぽむ玉から作ったんですよね?」
@歩夢「それはそうだけど、だからって偽物だなんて言うのはどうなの?」
@歩夢「だって、みんなはぽむ玉から生まれた侑ちゃんにしか会ったことないよね? なのに……」
せつ菜「……は?」ゾワッ @歩夢「みんなが仲良くしてる侑ちゃんは、最初からずっとこの侑ちゃんなんだから……」
@歩夢「だから、偽物だなんて呼んだらこの子が可哀想だよ」プンプン
せつ菜「待って! 待ってください! ……え? 最初から、ずっと?」
@歩夢「そうだよ? この中で最初に侑ちゃんに会ったのは、璃奈ちゃんと愛ちゃんだったかな」
@歩夢「せつ菜ちゃんというか菜々ちゃんも同じ日だったよね?」
@歩夢「まあ、どっちにしても、そのときにはもう――」
かすみ「嘘です! そんなの嘘ですっ!」
@歩夢「ホントだよ? 嘘なんてついてない。そもそも、なんで嘘だって思うの?」
@歩夢「さっき腕が千切れる前の侑ちゃんを、かすみちゃんは普段と違うって少しでも思ったかな?」
かすみ「そ、それは……」
彼方「つまり本物の侑ちゃんは、ずっと前にもう……」コソコソ
璃奈「うん、多分。初めから高咲侑なんて人はって可能性もあるけど、口ぶりからすると……」ヒソヒソ
かすみ「あ! でも、普段は明るい侑先輩が、この会議になると全然しゃべらないのは変でしょ?」
かすみ「だから、やっぱり――」
@歩夢「侑ちゃんには、ぽむ玉を変だって思わないようにしてもらってるの」
@歩夢「だって、自分がぽむ玉からできてるのに、そこを気にされると困るでしょ?」ネ? @歩夢「みんなにもそうしてもらうべきだったんだけど、ぽむ玉に驚いてるのを見るのが面白くって……」
@歩夢「それで、つい……。それに、洗脳みたいなことは、できればしたくなかったから……」
@歩夢「ごめんなさい、すべきことをしなかった私のミスです」ペコッ
@歩夢「だから、これからはちゃんとそうしてもらうね?」
エマ「え? どういうことなの?」
歩夢「こういうことですよ」つ三@ ピュッ!
@エマ「あっ! ……あっ……あっ……あぁ〜」(´;ω;`)ビクンビクン
@エマ「…………」
果林「エマ!?」
果林「歩夢っ! あなた、何を!」
@歩夢「大丈夫ですよ。まったく痛くない――」ポンッ!
歩夢「ことはないかもしれないけど、すぐに何も感じなくなりますから」つ三@ ピュッ!
@果林「あっ! ……あっ……あっ……あぁ〜」(´;ω;`)ビクンビクン
@果林「…………」 @歩夢「ふふっ、あの子を思い出すなあ」ポンッ!
彼方「歩夢ちゃん! 2人はどうなっちゃったの!?」
@歩夢「10分もすれば、問題なく目を覚まします。何も心配はいりません」
@歩夢「ただ、侑ちゃんの腕が千切れちゃったあたりからの記憶だけは消して……」
@歩夢「それと、今後は何かあってもぽむ玉に違和感を覚えないようにしてもらいます。それだけですから」
かすみ「ちょっと待ってください! そんな操られるみたいなのはイヤです!」
しずく「そうですよ! 別に、歩夢さんの秘密を公表したりはしませんよ?」
璃奈「ぽむ玉の原理は気になるけど、歩夢さんの不利益になることをするつもりはない」
歩夢「……ごめんね」つ三@@@@ ピュッ!
愛「りなりー!」グイッ!
@かな@あい@しず@かす「あっ! ……あっ……あっ……あぁ〜」(´;ω;`)ビクンビクン
@かな@あい@しず@かす「…………」
歩夢「あれ? 愛ちゃんに当たっちゃったの?」
@歩夢「まあ、別にいいか」ポンッ! せつ菜「……歩夢さん、どうしてそんなことをしたんですか?」
@歩夢「え? だから、ぽむ玉のことであんまり目立ちたくないし、みんなが変だって思わないように――」
せつ菜「違います! そういうことではなく、ぽむ玉の力をなぜ頻繁に行使していたのかということです!」
せつ菜「私たちが驚いているのが面白かったと言っていましたが……」
せつ菜「面白半分でそんなことをする人には見えませんし、力に溺れるタイプだとも思えません!」
せつ菜「私たちを洗脳したくなかったというのは本音でしょうが、だったら初めから何もしなければ……」
@歩夢「……私にはね、絶対にしたいことがあるんだ。絶対にしなきゃいけないことが」
@歩夢「でも今の私にはできないから、ぽむ玉を鍛えたいの。色々なことに使って、可能性を探りたいんだ」
せつ菜「……ぽむ玉にも、できないことがあるんですね」
@歩夢「火星にも行けるしスクールアイドルの神様にも会えるけど、全能ってわけじゃないから……」
璃奈「それで、色々と私たちを手伝ってくれてたんだね」
@歩夢「ごめんね、実験台みたいにしちゃって。せめて、もう少し隠そうとするべきだった」
@歩夢「どうせ何かあっても記憶を消せばいいやって、簡単に考えちゃってたのかな……」シュン せつ菜「そういうことでしたら、私たちは協力し合えるはずです!」
せつ菜「洗脳する必要なんて、何もありませんよ!」
@歩夢「でも、私の力がバレたら、大変なことにならないかな? 捕まっちゃったりしない?」
@歩夢「みんなが言いふらすと思ってるわけじゃないんだよ? だけど、ついうっかりってあるし……」
璃奈「大丈夫だよ。そんなことにはならないから」
@歩夢「そうかな? 研究所とかに送られて、ずっと実験されるんじゃ……」
璃奈「バレたところで、歩夢さんをどうこうできる人がいるとは思えないけど……」
せつ菜「分かりませんよ! 非公開の特務機関に狙われるかもしれません! 秘密組織です!」ペカー
せつ菜「組織に所属するエージェントは、対能力者のスペシャリストですからね!」ペカー
せつ菜「いくら歩夢さんでも、油断はできませんよ!」ペカー
@歩夢「や、やっぱり……」ブルブル
璃奈「いやいや、そんな組織ないから。アニメじゃないんだし」
せつ菜「でも、歩夢さんのぽむ玉はアニメみたいでしょう?」
璃奈「それはそうだけど……」
せつ菜「ほら! やっぱりです!」ペカー
璃奈「いや、ちょっと待って? なんで、せつ菜さんはそっち側なの?」 璃奈「まあ、歩夢さんがそんなに心配なら、何か私たちに枷をかけたら?」
璃奈「ぽむ玉を使っちゃうのは同じだけど、洗脳するよりはマシでしょ?」
せつ菜「なるほど! うっかり口を滑らせそうになったら、頭がパーンとなるわけですね?」
璃奈「頭がパーンはイヤかな」
@歩夢「えっと、うっかりしちゃいそうになったら、しゃべれなくなるみたいな感じかな?」
璃奈「そう、それで安心でしょ?」
せつ菜「相手は記憶を読む能力者かもしれませんよ? パーンしなくて大丈夫ですか?」
璃奈「うん、せつ菜さんはちょっと黙って?」
@歩夢「確かに、それがいいかも。やっぱり、洗脳なんてしたくないし……」
@歩夢「って、みんなにあんなことしちゃった私が言ってもあれだけどね」シュン
璃奈「ううん、そんなことないよ。歩夢さんが思いとどまってくれて、嬉しい」
歩夢「ありがとう。……じゃあ、そういうふうに変えるね」つ三@@@@@@ エイッ!
@エマ@かり@かな@あい@しず@かす「あっ! ……あっ……あぁ〜」(´;ω;`)ビクッビクッ
璃奈「……この顔は、なんていうか、あれだね」
歩夢「うん、とっても素敵だよね。すっごく可愛い」ウットリ❤︎
璃奈「え?」
@歩夢「ん?」ポンッ! @歩夢「ぽむ玉を鍛えるためにやってるっていうのは嘘じゃないけど……」
@歩夢「この顔が見たいっていう気持ちも、嘘じゃないんだ」
@歩夢「ほら、『どんなときでも、楽しむことが大事だ』って、せつ菜ちゃんも言ってたでしょ?」ネ?
歩夢「……じゃあ、次は2人の番だね❤︎」つ@@
せつ菜「あれ? これ、普通に力に溺れてるパターンですか? 見誤りました?」
歩夢「そんなことないよ。ただ、趣味と実益を兼ねてるってだけ」つ@@
歩夢「ちゃんと、さっき言った通りにするから。洗脳なんてしないよ」つ@@ ズイッ!
璃奈「こわい」
歩夢「大丈夫、大丈夫だよ。2人とも、可愛い顔を見せてね」つ三@@ エイッ!
@せつ菜「あっ! ……あっ……あぁ〜」(´;ω;`)ビクッビクッ
@璃奈「あっ! ……あっ……あぁ〜」(´;ω;`)ビクッビクッ
@エマ@かり@かな@あい@しず@かす@せつ@りな「……あっ……あっ……」ポムッポムッ
@歩夢「ふふっ、可愛いなあ。みんな、ぽむ玉つけて可愛いなあ」ポンッ!
@歩夢「可愛いなぁ、可愛いなぁ……。とーっても可愛いなぁ……」
@歩夢「これからは、みーんな可愛い」
@歩夢「私のあの子」 おつでした。すごい展開になってた…。ぽむ玉補完計画みたいなのを目指してるんだろうか いくらポム玉を鍛えてもあの頃の”本物”の侑ちゃんには届かないんだなって考えると悲しい みんながぽむ玉に戸惑う姿を見ることで、正気を繋ぎ止めてたのかもしれない 侑ちゃんが実は死んでて生き返らせたいとか
それか死ぬまで言ってなくても植物状態とか 時間の壁か第四の壁を超えることじゃないかな
記憶操作精神操作はできてるみたいだし ギャグモノだと思って読み進めてたらまさかのホラーモノでびっくりですよ…
オリジナルの侑ちゃんは一体どうなってしまってるんだ… >>93
> 璃奈「こわい」
それまで気丈に振る舞ってた璃奈が本気で怖がってるっぽいのがいい
ほぼ無表情だけどうっすら涙目になってるの想像するとゾクゾクする ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています