璃奈「重ねてきたら」愛「ここにいたの」
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りな「なんで!?やだっ!!!」
母「ごめんね……お父さんもその日はちゃんと休める予定だったんだけど……」
りな「うそつき!!!!」
母「ほら…わがまま言わないで……来週は絶対みんなで行けるようにするから、ね?」
りな「もういかない!!!せんしゅうだっていけるっていってたのにあそびにいけなかったもん!!!おとうさんもおかあさんも!りなよりおしごとのほうがすきなんでしょ!?」
母「そんなことない!!お母さんもお父さんも璃奈ちゃんが一番大切で……」
りな「もういい!!」 愛「……アタシね、助っ人でいろんな部にお邪魔させてもらって、いろんな子と知り合って、それでいろんな景色がみられる今の感じがすっごく楽しいんだ!」
愛「それにね、自分が楽しいって感じたたくさんのこと、伝えたい人がいるの」
愛「だから、ごめんね?」
「そっか……」
愛「ごめん、なんか、いろいろ、よくわかんないこと言っちゃった」
「……うん、よくわかんなかった(笑)」
愛「そーだよね、うん(笑)」
「お疲れー、どうだったー?」
「ダメだって」
「えー、なんで?」
「これだよ、これ」
「小指?…………マジ!?恋人!!?」
愛「違うよ!???」
「え、違うん?」
愛「違うわ!!!!!///」
「うっわ、テレテレじゃん、ガチかよ」
「このネタで揺すれんじゃね?」
「採用」
愛「こーらー!!!」 ──────
────
──
─
愛「よっすー、おねーちゃーん」
祖母「こんにちは」
美里「あら愛ちゃん、おばあちゃんも」
愛「検査、どうだった?」
美里「いつも通り、特に問題ないみたいよ」
愛「そっか、良かった」
美里「それより、まだそんな薄着で……もう夏じゃないんだから」
愛「ヘーキヘーキ!」
祖母「もうちっと上着着た方がいいって私も言ってるんだけどねぇ」
愛「ダイジョーブだって!」
美里「もう愛ちゃんったら……」
美里「……」ジーー
愛「?どしたの?」
美里「その花、まだ付けてたのね」
祖母「そういえば、愛ちゃんがそれ付け始めたのはいつ頃からだったかねぇ」
美里「ふふふ、いつ頃だったかしらねぇ」
愛「な、なにさー」
美里「………お父さんとお母さんと、仲良くやってる?」
愛「んー、別に。相変わらず忙しそうだよ」
祖母「愛ちゃんが自分から手伝ってくれるようになって、2人とも喜んどるよ」
愛「あ!もうおばーちゃんてばぁ!」
美里「ふふふっ♪」
美里「よかったね、愛ちゃん」ナデナデ
愛「うっ………」
愛「……うん……///」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「次、は……」
「天王寺さーん、入ってー」
璃奈「……失礼します」
「……よし、じゃあ面談始めます」
璃奈「よろしくお願いします」
「えーと、情報処理学科志望ってことだけど……」
璃奈「はい」
「……うん、特に問題なし、このままなら進学できます、って感じ」
璃奈「そうですか」
「……理系得意なのはみればわかるけど、他に志望理由とかってあるのか聞いてもいい?」
璃奈「理由、ですか」
璃奈「えっと………」
璃奈「……小学校の頃から算数とか理科の方ができて、それで、母がそのことを活かせるようにって考えてくれて、そしたらそのときの先生が、ここの高等部の情報処理学科のことを勧めてくれたので……」
「そっか。お母さんが……」
璃奈「はい」
「……うん、娘が無事に進学できて、お母さんも喜んでると思うよ」
璃奈「……いえ」
「?」
璃奈「………」
璃奈「私は……頑張れなかった、から」 璃奈「ずっと、何も変えられなかったから」
璃奈「それで、お母さんには、心配ばっかりかけて」
「………」
璃奈「だから私には、喜んでもらえる資格なんか、無いんです」
「………」
璃奈「………」
「そんなこと言わないで?顔、上げてよ」
「数学と理科、3年間ずっとテストで学年上位5位以内だったんだよ?」
「頑張ったじゃん!ね?」
璃奈「………」
「きっとお母さんも、お父さんも、もちろん先生だって、あなたが頑張ってたの、ちゃーんと分かってるんだから」
「だからさ、喜んでもらえる資格が無いなんて、そんなこと言わないで」
璃奈「………」
璃奈「はい。ありがとう、ございます」
「ふふふ♪ちょっと早いけど、卒業おめでとう」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「あ、来てくれた!」
愛「ちーっす!」
愛「どうしたの?人手が欲しいって」
「いやー、実はさぁ」
「新入生勧誘のポスターとビラ配り手伝って欲しいんだよね」
愛「あ、もうそんな季節かぁ」
「大丈夫?」
愛「うん!OK OK」
「ありがと!助かるよ!」
愛「いえいえ!」 ──────
────
──
─
「ねぇ!勧誘手伝ってくんない?!」
「こっちも!ウチ部員少なくて……頼んでいいかな?!」
愛「え、あー……」
「じゃあウチも!」
愛「え!?」
「じゃあ……」
愛「(わーーーぁ)」
愛「………」
愛「………」
「愛ちゃん?いける?」
「流石にムリ?」
愛「……や!いける!」
愛「全部やったろーじゃん!愛さんに任せなさいっ!!」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「────、改めて、入学おめでとう!じゃあ、明日はオリエンテーションと全校集会があるから、8時50分には教室にいるように」
「それでは解散!」
「このあとどうするー?」
「どっか寄ってく?」
「カラオケいきますかー」
「いこいこ、行くの久しぶりだなぁ」
璃奈「………」
璃奈「(校内、見て回りろうかな)」
──────
璃奈「………」トコトコ
璃奈「(……わぁ………)」
璃奈「(……中等部の校舎よりずっと大きい………迷っちゃうかも)」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛「お願いしまーす!」
「すみません!ソフトテニス部ってないんですか?」
愛「ソフトテニス?あるよ!」
愛「今テニスコートで体験入部みたいのやってたと思うよ!」
愛「場所わかる?」
「どこですか?」
「えっとね……あー、一緒に行こっか!」
「はい!ありがとうございます!」
──────
────
愛「お願いしまーす!」
愛「ねぇねぇそこのキミ!背高いねー!バレー興味ない?」
「えっと……」
愛「バスケは?」
愛「じゃあー、ハンド?」
「……あの……」
愛「………あ」
愛「どっかの部に行くところ?」
「!」
「……あの、服飾同好会って……」
愛「ああ!案内するよ!」
「あ、ありがとうございます」
愛「こっちこっち」 愛さんの中学の同級生が思ったより良い子達でよかった
あと恋人を示すときにナチュラルに小指立てる辺りやはり虹ヶ咲の子達は… ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
璃奈「(部室棟、ここも広い……)」トコトコ
「じゃあまた!」ガラララ…
「次はバスケ部か、急げ急げー………わっ!」
璃奈「!!」
「ごめん!!ぶつかるとこだったね、だいじょーぶ?」
璃奈「はい」
「そっか!なら良かった、ほんとごめんねっ」
「そんじゃーね!」タッタッタッ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛「(今の子……)」
愛「(かぁわいかったぁぁ〜〜!)」
愛「(あの子も部活見に来たのかな……?)」
愛「(せっかくだし勧誘しとけばよかった〜)」
愛「(っとと!それより早く行かなきゃ!)」タッタッタッ ──────
────
「バドミントン部どこですか?」
愛「バド部は今向こうの奥の……あ、ほら!ラケット見える」
「あっほんとだ!ありがとうございます!」
愛「いえいえ!はい次の人!」
「卓球部は……」
愛「卓球部は2階だよ、そこの階段上がって左に3つ目の部屋」
「ありがとうございます!」
愛「いえいえ!はいお次は?」
「書道部の活動場所教えて下さい!」
愛「書道部って、たしか今教室棟の方でなんかやってなかった?」
「そうなんですか?」
「うん。そっちの方に行けば案内ポスターとかあったはずだよ」
「分かりました。ありがとうございます」
愛「いえいえ〜」
愛「次……」
愛「あっ……」
「………なにしてんの……?」
愛「や、これはその……」
「いつから案内係になってたん……」
愛「あ、あはは……」 ──────
────
「貼り終わった?」
愛「後1枚!」
「OK」
愛「こんなとこにもポスター貼るんだね……よいしょっ」
「同好会は数が多いからさ、部じゃないと電光掲示板使わせてもらえないんだよねぇ」
愛「へぇー、大変なんだ」
「そーそー」
愛「………よしっ、と。じゃあ次のとこ行こうかな」
「愛こそ大変じゃない?」
愛「そうでもないよ♪まぁあっちこっち行ってて流石にちょっと疲れたけど、でも!新入生といっぱい喋れたし!」
「おー、さすが愛さん!」
愛「へっへーん」
「頑張ってねー!」
愛「ありがと〜!」
────────
「そっち貼り終わったー?」
「ばっちりー、さっきまで愛さんに手伝ってもらってたー」
「そっかー、よし、じゃあひとまずてっしゅー」
「ほーい」
「……ん、風強くなってる?」
「うん、あ、ねぇ聞いた?」
「何?」
「午後からちょっと天気悪くなるらしいよ」 ──────
────
愛「おーい!来たよー!」
「あ!おーい!」
愛「入部希望者いた?」
「興味持ってくれた子は何人かいたけど、入部してくれるかはわかんないなぁ」
愛「そっか、でも、興味持ってくれたんなら可能性あるっしょ」
「そだね」
「そういえば、さっき誰か案内してた?」
愛「さっき?ああ、新入生かな」
愛「たくさん案内したからどの子かわかんないや」
「あはは、やっぱ請け負いすぎじゃないの?」
愛「かもねー」
「やっぱり体力あるなー………」
「………あれ?」
愛「どしたん?」
「……今日は」
「頭の花飾り、付けてないんだね」
愛「……」
愛「………え………?」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
璃奈「………あれ」
璃奈「これ……」
璃奈「(造花……?)」
璃奈「………」
璃奈「(さっきの人の……?)」
璃奈「(落としちゃったのかな)」
璃奈「………」
璃奈「(届けないと、だよね)」
璃奈「………」
璃奈「………」スッ……
璃奈「……!」ピタッ…
璃奈「………」 ────────
『でねー』『うんうん』
『あっ』
『あの、』
『え?』
────────
璃奈「…………」
────────
『これ、落ちたよ』
『あ、ああ、ありがと……』
────────
璃奈「………」 ────────
……笑わなきゃ
笑わなきゃ、笑わなきゃ
笑わなきゃ、笑わなきゃ、笑わなきゃ
笑わなきゃ、笑わなきゃ、笑わなきゃ、笑わなきゃ
────────
璃奈「………」
────────
『ひっ…!』『っ!?』
『い、行こっ』『うんっ』
『……ヤバ……』
『…………キモ……』
────────
璃奈「…………」
璃奈「………」
璃奈「……」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛「はぁッ、はぁッ、はぁッ、はぁッ……」タッタッタッッ
愛「(無い……無い……!!……どこ……どこで落とした……風で飛ばされた?)」
愛「(部室棟の中?1階?2階?外?グラウンドの方?テニスコート?)」
愛「見つけなきゃ……早く……!!」
愛「(ない……じゃあ、あっち……?)」
愛「(ここにもない……)」
愛「(ここにもない……!)」
愛「ないっ………!!」
愛「(どこ……)」
愛「(どこ行っちゃったの……?……っ!)」 おねーちゃんにもらった大切なお花、失くしちゃった……
あの花を付けてると、いつもおねーちゃんを近くに感じられて、なんだかお守りみたいで、安心できた、のに………
それなのに、失くしちゃった……
アタシが気づかなかったせいで、どこかに……いっちゃった………
絶対、失くさないって、言ったのに……
愛「……っ」ポロポロ…
愛「っ!」
愛「あ、だめ、……泣いちゃ……」
「あ、おーい!愛〜何してんの〜!」
愛「っ!!」
愛「…っ……」
愛「……!」ダッッ!
「あれ!?………行っちゃった……」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
璃奈「(……きっと……誰かが拾ってくれる……)」
璃奈「(そう、だよ……)」
璃奈「(わたしが拾って届けても、不気味なだけ)」
璃奈「(だから……私じゃなくても……)」
────────
『璃奈ちゃんは本当に優しいのね』
『お母さんも、優しい璃奈ちゃんが大好きよ』
────────
璃奈「…………」
璃奈「…………」
璃奈「…………」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛「……」トボトボ……
愛「……」
愛「(……逃げ、ちゃった………)」
愛「……ぅうっ………」ポロポロ
愛「(泣きたく、ないのに………泣いちゃっ……ダメなのに…………!)」
愛「どうしよ……っ失くしっ…ちゃった……っ……」
愛「……っごめん……おねーちゃん…っ……」
愛「……ひぐっ……っ……うぅっ……」ポロポロ…
愛「………あ」
愛「………雨……?」
ゴロゴロゴロ………ピシャーン!!
愛「ひゃっ!!?」
愛「……ぁぅ……っ…」
愛「(……濡れる……寒い……っ…雷……音…っ…大きい……)」
愛「……っ……うぅ…っ……」ポロポロ
愛「(……ダメ……っダメなのに………っ……泣き虫の、アタシに……)」
愛「(戻っちゃう………)」 「………はぁ…はぁ………いた」
愛「……どこっ……っ……行っちゃっ……たんだよぉぉ……っ……」ボロボロ
「………」
愛「……ひっ…っ……うぁぁ……っ……」
「………」
「………」
「あの……」
愛「ぅぅぅう……っ……クスンッ…っ…」
「あのっ」
愛「わっ!?」
愛「えっ!??」
愛「なっ、なっ、……!?」
「これ」スッ…
愛「……?」
愛「!!!!!」
愛「これ………!!」
愛「どこに」
「そっ、それじゃあ……」タッタッタッッ
愛「あっ………待っ……」
愛「……ありがとっ!!!」 愛「………」
愛「今のって………」
愛「………」
愛「………」
愛「………」
愛「……あ……」
愛「……お花、戻って、きた…………」
愛「………」
愛「………」
愛「……っ…!」
愛「戻ってっ…っぎだぁ……っ……!」
愛「っ……うっ…………っ…」
愛「…っ……よがっだ………」
愛「……っ……んぅぅう……っよがっだぁ……っ!!」
愛「ぅぁぁ……っ…」
愛「……っ…」
愛「……!」
愛「……あっ……」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
璃奈「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
璃奈「……はぁっ……」
璃奈「………」
璃奈「………」
璃奈「………」
璃奈「(……あの人、泣いてた。大丈夫かな)」
璃奈「(でも)」
璃奈「(ありがと、って言われた)」
璃奈「(言ってくれた)」
璃奈「(言ってもらえた)」
璃奈「………」
璃奈「………」
璃奈「(手を伸ばして、拾って、)」
璃奈「(届けられて、よかった)」
璃奈「………」
璃奈「………」
璃奈「(……晴れてきた)」
璃奈「あ」
「「 虹…… 」」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
愛「………」
愛「………」
愛「……ん〜〜〜………」
美里「どうかしたの?」
愛「ん〜〜?ちょっとねー………」
美里「?」
美里「今日何かあったでしょ?」
愛「うぇ!?」
愛「べっ別に?」
美里「やっぱり何かあったのね」
愛「……あっはは、おねーちゃんにはお見通しかー」
美里「ふふふっ」
美里「それで?何があったの?」
愛「………」
愛「……実はね」
愛「今日さ、ちょっと落とし物しちゃってね、それで学校中探してて」
愛「もうめちゃくちゃ探し回ったんだけど全っ然見つかんなくてさー」
愛「もうヤバい!どーしよーー!ってなってたんだけど、」
愛「そしたらね!1年生の子が届けてくれたの」
愛「渡してくれた後、すぐ走ってどっか行っちゃったんだけどね」
愛「とにかく本当に助かったんだよ。あの子がいなかったらまだ探してたかも」
美里「そうだったの。あ、じゃあ今考えてるのってそのお礼とか?」
愛「……うん、まぁそんなとこ」
愛「(……ホントは、あの子が最後に見たアタシの顔が泣き顔のままじゃ嫌!っていうのが1番だけど)」
愛「(とにかく、もう1回会って、今度はちゃんと話したいな)」 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇
──────
:初登校はどうだったかな?
──────
母「………」
母「………」
母「(ふぅ、休憩終わり)」
母「(さ、そろそろ戻らないと)」
母「!」
──────
:初登校はどうだったかな?
璃奈ちゃん:先輩に落とし物届けたよ
璃奈ちゃん:(スタンプ)
──────
母「ふふっ♪」 ──────
:初登校はどうだったかな?
璃奈ちゃん:先輩に落とし物届けたよ
璃奈ちゃん:(スタンプ)
:すごい!良いことしたね😊
:(スタンプ)
──────
──────
:初登校はどうだったかな?
璃奈ちゃん:先輩に落とし物届けたよ
璃奈ちゃん:(スタンプ)
:すごい!良いことしたね😊
:(スタンプ)
璃奈ちゃん:お母さんが勇気をくれたの
璃奈ちゃん:ありがとう
────── ──────
────
──
─
ppp! ppp! pppp! pppp!
璃奈「………ん」
璃奈「……ぅむ……」カチッ
ピッ………
璃奈「………」
璃奈「……んーーー………」
──────
────
璃奈「……ふぁぁ…………」
璃奈「………あっ」 ──────
おはよう!
ちょっと時間あったからサンドイッチ作っておいたよー!
いってらっしゃい!
──────
璃奈「(♪)」
璃奈「……いただきます」
璃奈「……」パクッ
璃奈「……」モグモグ
璃奈「……♪」
──────
────
ニャー、ニャー
璃奈「………」ナデナデ
璃奈「……よし」
璃奈「行ってきます」 ──────
────
「きりーつ」
「礼!」
「「「「「「ありがとうございましたー」」」」」」
「はー終わった終わったー」
「午前授業最高」
「この後どうする?」
「ご飯?」
「ファミレス行こーよ」
「そだね」
璃奈「(………)」
璃奈「(……食堂とか、行ってみようかな)」
──────
────
璃奈「(……広いっていっても、やっぱりお昼になればこんなに混むんだ)」
璃奈「(席、空いてるかな……)」
璃奈「………」
璃奈「(今日は、いいか……)」
璃奈「(家に食べるもの、あったかな)
「どーしたの?あ、席無かった?」
璃奈「えっ」
「あっ!!!君……!」
璃奈「!」 「……やった、あははっ!やぁーっと見つけた〜!」
「この間はホントありがとね!これ、拾って届けてくれて」
璃奈「……いえ」
「……これ、すっごい大切なものなんだ」
「今度何かお礼させて?」
璃奈「お礼なんて、別に」
「させてもらわないと愛さんが困る!」
「あ、ところでさ、これからお昼?」
璃奈「えっと……はい」
「そーなんだ!じゃあさ、外で一緒に食べない?」
璃奈「えっ」
璃奈「……なら、買ってこないと………」
「いいよいいよ!アタシのお弁当あげる!一緒に食べよ?」
璃奈「えっ、そんな」
「いいっていいって!」 「………あ!そうだ!」
「その後さ、愛さんのダジャレショー!、お昼のついでに御いっショー!しちゃわない?」
「あ、今のはダジャレショーのショーと御一緒の……」
璃奈「面白い、です」
「お……そっか!」
「ふふっ、やぁ〜今日初めてダジャレで笑ってくれる人見つけた〜愛さん超嬉しいよ!」
璃奈「……笑って……?」
「?……どうかした?」
璃奈「……いえ……」
「へへっ、じゃあ行こっか ♪」ニカッ!
変な人
背も高くて、金髪で、ちょっと怖い
でも、
笑顔があったかくて、眩しい ──────
────
「あっ!そういえば名前、言ってなかったよね?」
「アタシ、」
愛「宮下愛っ!」
愛「キミは?」
璃奈「………私、」
璃奈「天王寺、璃奈です」
愛「璃奈ちゃんって言うんだ!」
愛「んー、じゃーあー………」
愛「りなりー!かな♪」
璃奈「……りなりー……?」
愛「うん!よろしくね!りなりー」
愛「ほら」パッ
璃奈「?」
愛「ハイタッチ♪」
璃奈「……え?」
愛「ん♪」ニコニコ
璃奈「………」
璃奈「………」スッ…
愛「ふふっ!」
パチンッ♪ おばーちゃんと、いつも繋いでいた手
お母さんと、お父さんと、繋がなくなっていった手
おねーちゃんと、約束をした手
おかーさんと繋げなくて、乱暴に振り解いた手
自分で、傷つけてしまった手
繋いだり、離れたり、また近づいたりを、積み重ねてきた手
そして今日、ここで
アタシの手は、アタシより少し小さなその手と、
私の手は、私より少し大きなその手と、
また新しく、ひとつに重なった。
おしまい 年末に規制で書き込めなくなっていたときに保守していただいた方、ありがとうございました めちゃめちゃ好きだった。乙
これはスクスタに繋がる素晴らしい脳内補完用二次創作 素晴らしい
愛さんとりなりーが変わっていく過程の描き方がめちゃくちゃ丁寧で本当に素晴らしい
読めてよかったありがとう 何回読み返しても最高としか言いようがない
本当にこのssを読めて良かった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています