鞠莉「ホテルオハラが倒産した」
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ホテルオハラが倒産した。
高校生の頃と同じように、また私には何も守れなかった。
パパとママが色々動いてくれて、私自身には負債が残らないようにはしてくれたが、同時に全てを失った。二人にももう会えない。
果南の家もその煽りで廃業。借金は大分あるようだ。
果南は私に迷惑が掛かると思っているらしく最初は断られたが、一人では生きていけないと泣きつくと、「仕方ないなぁ、これだからお嬢様は。」と力なく笑って一緒に生きる事を了承してくれた。
ビジネステクニックが〜なんて粋がってはいたけれど、オハラグループの後ろ盾を失った私に世間は冷たかった。
果南はダイヤに、私はルビィに仕事を斡旋してもらう事にした。
辛い状況だけど、果南と二人で借金を返しながら生きていくのは何だか楽しみでもあった。 チラシが届いて1泊9000円くらいのプランが載ってたのはビビった 明日までだけど通常5万5千が特別価格1万5千くらいでプラスgoto分で1万円を割ってたはず 果南の家の借金は普通に働いていても、そう簡単に返せる額ではなかった。
そこで相談に行ったのはダイヤのところだった。
大学卒業と同時に家業を継いだダイヤはその手腕で経営の幅を大きく広げていた。私とは大違いだ…
「企業というのものは、わたくしの私物ではないのです。でもお二人の頼みを無下に断る事もできません。」
当然だ。私達の求めているのは普通の就職先ではない。
ダイヤは果南だけを別室に連れて行き話をした。
戻った果南は少し青ざめた顔で「私がひとりで頑張るから。」と言った。
そんな事言わないで。私にも働かせて。と言うと、代わってダイヤが深い溜め息をつきながら、「それならルビィに仕事を斡旋させましょう。」と言った。
黒澤グループでルビィが担当しているのは接客関係の仕事だ。
勿論それが何を意味しているかが解らないほど、世間知らずのお嬢様ではないつもりだ。 「鞠莉ちゃん、経験はあるの?」
聞いてくるルビィに首を振る私。果南とだけ…俯いて付け加える。
「そう、それなら本番の無いところが良いかな。研修も必要だよね?」
そう言って口元に笑いを浮かべる。
高校時代、あんなに可愛らしかったルビィが怖い。 「鞠莉ちゃん久しぶりだね。会いたかったよ。」
そう言って現れたのは曜だった。
曜が千歌と別れた後、ルビィのひもになっているという話はなんとなく聞いてはいた。
「私ね、ずっと鞠莉ちゃんのブロンド、素敵だなって思ってたんだ。」
そういって私の髪に手をやる曜。舐め回すような視線が怖い。
「…よろしく…お願いします…」
曜は私の働く店の店長だという。なるべく視線を合わせないようにしていたら少し乱暴に顔を掴まれ曜の方へ向かされた。
「こちらこそ、よろしくね。大丈夫だよ。鞠莉ちゃんなら直ぐに人気嬢になれるよ。」
涙がこぼれそうなったけど耐えた。大変なのはこれからなんだ。
ルビィは悪魔だ。 果南がどんな仕事をしているかは知らない。
果南もダイヤも話そうとはしてくれない。
私に風俗で働かせているのをかなり気にしているようだけど、きっとそれよりも辛くて大変な仕事なのだろう…
少しお酒の量が増えてるのが心配。 無駄遣いはしないように心掛けている。
必要最低限の生活費以外は借金返済と貯金に使っている。
でもたまには贅沢したくなる事もある。
だからオプションや指名料で貰った分のお金は自由に使うことにしている。
今日のお客さんはごっくんのオプションをつけてくれた。
すごく気持ち悪いんだけど、それだけでお金が貰えるなら悪くない。
明日の晩御飯は果南の好きなお刺身にしよう。 店の待機部屋は狭いけれどきれいな個室だ。
待ち時間は資格の勉強をしている事が多い。
将来の事を考えて今できる事を少しでもしておくのだ。
とはいっても、店長(名前を呼びたくない…)が色々気を使ってくれて、予約がない時でもフリーのお客さんを優先で回してくれているみたい。
今日、待機していたらオーナーが視察に来たという。誰かと思ったらルビィだった。
「元気にしてる? 仕事の方はどう?」
と聞くから、辛いけど果南の為なら頑張ルビィできるわ。と答えたら
「果南ちゃんの為じゃなくて、お客様の為に頑張りなさい。接客業は遊びじゃない。」
と冷たく返された。
あの可愛かった頃のルビィにもう一度会いたい… 今日はホテルじゃなくて自宅に派遣だった。
初めてなので少し緊張する。
プレイ中、お客さんが時々あらぬ方を向いているな。と感じる。
よく見ると部屋の片隅に何度も視線を向けているみたい。
まさかと思って、そんなにカメラが気になるの?とカマをかけたら激しく動揺したのでプレイを止めてドライバーに連絡する。
阻止しようと私のスマホの持つ手を掴む力が思ったより強くて焦ったけど店長に言われて緊急通報ボタンを設定しておいてよかった。
その夜、店長から「あの客はルビィちゃんに魚たちのパーティーに招待されたから安心して」とLineが来た。
笑えない冗談だけど、さすがルビィは頼りになるわ。 果南のお仕事はとても辛いみたい。
だんだんお酒の量が増えてきている。
今日はお客さんが差し入れで大好きなレモンのケーキをくれたので、
果南と一緒に食べようとウキウキ顔で帰ったら
「鞠莉はいいよね。男の人の相手するだけでいいんだから。」
と言われた。
見るとかなりお酒を飲んでるみたい。
自分が冷たく言われた事より果南が辛そうな姿に心が痛んだ。 今日のお客さんはプレイ時間中、ずっと私の肛門をひたすら舐めていた。
楽といえば楽だけど、ある意味いままでで一番辛かった。 ホテルが倒産した→風俗堕ち
オタクの発想のワンパターンぶり 今日のお客さんはとても優しかった。
自分の恋人のつもりでいる。なんて言ってた。
だけど本当は少し乱暴で物を扱うくらいでいてくれた方が助かるんだけどな。
だって、どんなに優しくされたって、私は果南以外には感じないし、心も開かない。 あんまり否定評価ばっかりするとまた「読者様が〜」みたいなこと言い出す人出てくるよ
まあ…この手のにそれ言い出す人は出ないか
作品に対しての反応に違いはないのに不思議だね 今日は初めての3Pオプション。
お客さんがどんな人なのかよりも、もうひとりの女の子がどんな子なのか凄く緊張する。
お店のHPで確認すると
のん(21)B95 / W56 / H82とあった。
予約の時間がきて受付で合流。
「マリーちゃんやね。今日はよろしくね。」
優しそうな口調。関西の人なのかしら?
年は…まあ、私もお店ではハタチって事になってるし。
スリーサイズを見てぽっちゃり系かと思ったけど、純粋にグラマラスな感じみたい。
まあ、胸のサイズは盛ってるしウエストはもっとありそうだけど。
「今日のお客さんはスキモノでね。常連さんなのでよろしくね。」
下品に笑う店長を無視して、のんちゃんとお客さんの待つホテルへ向かった。 「うちらはね、昔アイドルやったんよ。」
プレイ中にのんちゃんが突然言い出すからびっくりした。
もしかしてバレてるの?と思ったら、
お客さんが巨乳のアイドル好きだという情報を店長から聞いていたらしく、それの為のサービストークだったようだ。
「マリーちゃん、もっと外人キャラで売った方が受けがいいんと違う?」
のんちゃんに言われて、そういえば最近ずっとルー語を喋ってない事に気がついた。 仕事が休みの日の果南はお酒を飲まないから優しくて好き。 お客さんにされたプレイと全く同じ事を果南にしてもらって上書きしてもらうとか 嬢同士の交流はお店から一応禁止されている。
まあ、それほど厳しく管理されているわけじゃないけど。
のんちゃんとは何となく気があって、あの後何度か食事に出かけた。
のんちゃんはとても事情通で、色々な事を知っていた。
私が店長の事を嫌っているのも知っていて、でも、店長が私の事を凄く気に掛けていてくれていると言っていた。
なんでも知っているのね。と言うと、
「うち、本業は占い師やからね。」
と答えた。本気で言っているのか冗談なのかサッパリ解らない。
果南以外とこうやって話するの久しぶりだな。 この前の3Pのお客さんに気に入られてしまったようだ。
嫌なプレイをしてくる訳ではないのだけど、
一旦ね。とか言って気持ち悪く笑いながらずっとおっぱいを揉んでいる。
ちょっと苦手。 たまにはお客さんが全然つかない日もある。
そういう時は収入0。
今日明日の生活費に困っている訳では無いけれど、さすがにがっかりだ。
そういう時に系列店の店員さんとかがお客さんとしてついてくれる事がある。
お茶消しって言うそうね。
「0から1へ!だね!」
ホテルへ行ったら店長がそう言いながら満面の笑みで待っていた時は
さすがにひっぱたいてやろうかと思ったわ。 最近、果南がおかしい。
私の指にやたらと御執心で事あるごとに手を握ってくる。
だからベッドで、
貴女の大好きな指で気持ちよくしてあげるね。
って言って手を伸ばしたら「そういうんじゃないから!」ってキレられた。
なんなのよ、もう! 街でのんたんを見かけた。
背が高くて、とても綺麗な金髪の人と腕を組んで歩いていた。
なんだかちょっと妬けた。
私もたまには果南と出かけたいな。 今日のお客さんはずっと本番をさせろとしつこかった。
断ると釣り上げる気か?幾ら欲しいんだ?と言ってくる。
しまいには俺は店長の友人だぞ。とか、バックにヤ○ザがついているんだぞ!
とか言ってくる始末。
毅然とした態度で断ったら怒って、後悔するぞと言い捨てて服を着て出ていった。
その事を店長に報告したら、出禁にするね。と言ってくれた。
ニヤニヤしているので、どうしたの?と店長にきくと。
「でもバックにヤ○ザって。ダイヤちゃんの顔が浮かんじゃったよ(笑)」
だって。
こいつはいつも一言多い。 ちょっと前まであった風俗スレといい
曜ちゃんの役回りが酷くて草 ラス枠のお客さんが延長したいというから、
本指だし悪いお客さんじゃないから承知したら、
電車無くなっちゃたでしょ?タクシーで送るよ。とか、
お腹すいてない?なにか食べに行こう。とかしつこくて困った。
車を用意しておくからと言うので店に戻ると、店長が待っていた。
「ドライバー出払っちゃってね。家まで送るよ。」
なんてヘラヘラした顔で言うからタクシーで帰ります。と答えたら、
「そんなに冷たくしないでよ。」
と少し寂しそうに上目遣いで言う顔が、ちかっちを追いかけて曇ってた頃の曜とダブって見えてしまった。
曜にだって今まで色々あったのよね。
お店での待遇も良くしてもらってるし。今度からは心のなかでは曜って呼ぶね。
せっかくそう思ったのに、助手席の私の胸元をチラチラ見る視線が気になって仕方なかった。
何より、きちんと前を見て運転して… 今日のお客さんは最悪だった。
口に出した後、それを歯磨き粉代わりに歯を磨けと言ってきた。
嫌だったけど基本プレイの範囲内だろ!と言われて仕方なく従った。
さすがに気分が悪くなってプレイを中断させてと言って、トイレに逃げ込んだ。
店にクレームを入れるからな!と怒鳴っていて怖かったけど、しばらくしたら出て行った。
店に戻って顛末を曜に話すと、
「クレームなんか来てないよ。鞠莉ちゃんは何も悪くないから気にしないで。」
と、私の手を握りながらやさしく言ってくれた。
そこで終わりなら良いのだけど、なかなか離してくれず手を撫で回された。
やっぱり心の中の呼び方を店長に戻そうかしら… 今日は、気持ち悪い笑いのお客さんがローション風呂のオプションをつけてくれた。
お店を出る時に説明は聞いたが、私も使うのは初めてで少し楽しみ。
少なめに張った湯船にローションの元の粉末を混ぜ入れながらお客さんはしきりに、
わくわくが叶うとか、ときめくとか言っている。
結局お客さんはプレイ時間内ずっと、ぬるぬるのお風呂の中で私のおっぱいにむしゃぶりついていた。
ところでローションまみれのおっぱいを散々舐め回していたけど、お腹を壊したりしないのかしら? 創作は自分の中にあるものを出し切るもの
自分の中のキショいとこ仄暗い欲望や体験を吐き出して消化して自分を救うんや
公開オナニーと云われる所以やな こう言ってはなんだけれど、私は自分の容姿には自信がある。
顔は勿論、スタイルだって。
でもその日のお客さんが興味をもったのは私の一部分だけだった。
そのお客さんはプレイ時間中ずっと、
腋の匂いをかいでは舐め、匂いをかいでは舐めをずっとしていたの…
まあ、顔や耳を舐められるよりはいいのだけど…
それより舐めた後に匂いを嗅いだら自分の唾液の匂いしかしないんじゃないの?
最後に挟んで欲しいとせがまれたので、してあげたらその瞬間に果てた。
世の中にはいろんな趣味の人がいるのね。 例のおっぱい好きのお客さんは最近頻繁に来てくれる。
うちのお店はそれなりな高級店でえげつないサービスのない割にはかなり料金も高めだ。
どんなお仕事の方なのかな?と少し興味が湧いてくる。
最近よく来てくれるけど、お金持ちなのね?
冗談めかしたトーンで聞いたら、おっぱいを吸う口はそのままで、
「私、有名な音楽家なの。今度マリーさんにも曲を書いてあげるね。」
だって。
お客さんの言うことは話半分に聞くようにしてしてるけど、これは少し面白かったわ。 待機時間にお店のHPを何気なく見ていたら、のんちゃんの名前が消えていた。
曜に聞いたら、結婚するから辞めたんだそうだ。
いつか見た、あの金髪の美人とかな?と思っていると曜が、
「鞠莉ちゃんも目標金額まで貯まったら辞めちゃうんだよね。そうしたらもう会えないくなるね。寂しいな〜。」
と、言い出した。
え? 何を言ってるの? お店を辞めたら会えないなんて、そんな事あるわけ無いじゃない…
馬鹿なこと言わないで。私達、ずっと昔から友達でしょ?と言うと、
「だって鞠莉ちゃん、私のことテンチョーとしか呼んでくれないから…」
と、上目遣いで子犬の様な表情をしながら言う。
卑怯だ。私の方が背が高いからいつも曜は上目遣い攻撃をしてくる…
だって、店長なんだもん仕方ないじゃない。そんな意地悪言わないで…
答えながらつい涙が溢れてきた。
最近は果南にも見せていない涙を、曜に見せたと知ったら果南は怒るかしら? 最近果南の様子がおかしい。
あれだけ飲んでいたお酒も、全然飲まなくなった。
体調が悪いの?と聞いても、「平気だよ。」としか答えてくれない。
仕事が大変なの?とは、聞けなかった。 最近、曜と少しは話すようになったので、果南の仕事について思い切って聞いてみた。
「黒澤家の闇の部分については触れちゃだめだよ。」
それだけ言うと曜は口をつぐんだ。
じゃあ、ルビィに聞いてみるわ。と言うと、
「鞠莉ちゃん!」
とだけ、曜はきつい口調で言った。 音楽家さんは最近来てくれない。
最後に来てくれた時、もし彼女にバレたら包丁で刺されちゃう。
なんて、笑って言っていた。
その直後、国民的美少女コンテスト出身の人気アイドルが、
プロデューサーでもあった交際相手を刺したと週刊誌で見たけど、まさかね? 最近、果南がすごく優しい。
嬉しいはずなのに不安になるのはどうして? 今日のお客さんはやたらと店外で会おうとしつこくて困った。
本指名で今回で三回目だけど急にだ。
しまいには、なんで何度も通ってるのだめなんだ!と怒り出す。
それなら本番をやらせろと言い出す始末。
なるべく穏便に済ませたかったのに暴力を振るわれそうになったからお店に連絡した。
「魚たちのパーティーに招待しておいたから安心して。」
と、曜。そのつまらない冗談、面白いと思っているの? たまにはこの仕事をしていて良かったと思うこともある。
そのお客さんは二回目で、一回目はなかなかイケなくて時間がギリギリで焦ったから覚えていた。
なんでも事業が失敗して、もうこの世の最後だから良い思いをしようと遊びに来たそうだ。
最後だったら、本番のあるところにすればよかったんじゃないの?
ときくと、たまたま情報サイトで私を見つけて、外国人と遊びたいと思ったそうだ。
まあ、ハーフなんだけどね。
そのお客さんはもう一度私と遊びたい一心で生きていこうと思ったらしい。
頻繁には来れないけど、また来るよ。
と、言ってくれた。
人の励みになるって嬉しいものなのね。 今日のお客さんは変わった人だった。
最初は眼鏡をかけていて、おとなしい感じ。
こういうお店は初めてなのでリードをお願いします。というので私が攻めに。
ところが、眼鏡を外してベッドに横たわり、いざプレイが始まると
「ああ、ああ〜!! ああ〜〜〜!!! なるほどなるほど!!!
ああ、ああ〜〜〜〜!!! なるほどーーーー!!!!!」
とずっと絶叫。
今までホテルで隣の音が気になってことなんてないけど、
今回ばかりは聞こえちゃっているんじゃないかと焦ったわ。 ある日出勤すると、ルビィと曜が待っていた。
「鞠莉ちゃん。今までお疲れ様。」
そういうルビィの顔は優しく、あの頃のようだった。
え? どういう事?
曜は鼻をすすりながら泣いていて答えてくれない。
「果南ちゃんから聞いてないの?」
なにも…
と、その時、スマホからHAPPY PARTY TRAINのメロディが流れる果南の着信音だ。
一応、雇用主のルビィに断ってから電話に出る。
「鞠莉、悪いんだけど、ちょっと来て欲しいところがあるんだ。」
なんだか口調が固い。少し不安な予感がよぎる。 駅まで果南と待ち合わせて合流。
なんだかモジモジしている。
今日はお仕事じゃなかったの?ときくと果南は、
「辞めてきた。後で詳しく話す。」
と言った。
「いいから、ついてきて。」
私が何か言おうとするのを遮るように、果南は私の手をとって歩き出す。
不安な気持ちが吹っ飛んだ。例え何が待っていようとも果南とならば乗り越えられる確信がある。 果南に連れてこられたのは駅前のサイゼリアだった。
「本当はね、もっと高級なお店にしたかったんだけど、私そういうところ知らないし。
それにせっかく貯金してるのに高いお店じゃ鞠莉に怒られそうだから…」
目を逸らして言う果南。キョトンとする私。
店内に入って席につくと、果南はメニューを見ながら幾つか注文する。
「鞠莉、辛味チキン好きだったよね? パエリアも注文しちゃおう。」
え、ええ…何が何だか分からずにうなずく。
「あのね、鞠莉が頑張ってくれたおかげもあって、目標の金額が思ったより早く貯まったんだ。」
そう言って果南は貯金通帳を見せてくれた。
そこに記載されている額は私が稼いだお金の倍近くだった。
「誤解しないで。法に触れたりする事をしてたわけじゃないから。
ダイヤが私にそんな事させるわけ無いでしょ?
ただ、少し危険な仕事だったから…ごめんね。」
私は無言でただ首を振った。
「鞠莉にも辛い思いさせちゃったね。ルビィにはもう仕事を辞めさせるって言ってある。
本当に急にで、ごめんね。」
首を振る。いろんな感情がいっぺんに溢れてきて無表情になっていたかもしらない。
それを見て果南は不安になったのだろうか? 何度もごめんね。を繰り返す。 あやまらないで、果南。私は貴女と一緒にいるだけで幸せなの。
これからも一緒にいてくれるんだよね? それだけ約束してくれるのなら、他に何もいらないの。
やっと、それだけ言えた。自分でも声が震えているのがわかる。
「うん。約束するよ。だからこれを受け取って欲しいんだ。」
そう言ってポケットからリングケースを取り出すと、私の前に差し出した。
蓋を開けるとシンプルな指輪がそこにあった。
……
「善子だったら、契約の証とか言うんだろうけどね。私は口下手だからうまい言葉が浮かばないや。」
そう言って私の手を取り左手の薬指につけてくれる。少し、ゆるい。
「あれ?…確かに何度も指の太さ確認したのに…」
あせる果南。可愛い。それで一時期、指にご執心だったのね。サイズくらいきいてくれればよかったのに。
「鞠莉、昔と比べてかなり痩せたし、少し太ればいいんだ。もっと注文しよう。」
というから、エスカルゴと言ったらそれだけは勘弁してくれと言うので、
小エビのサラダとマッシュルームスープ、デザートにはイタリアンプリンね。と返した。
「わかった、わかった。それからさ、お酒飲むとさ鞠莉に酷いこと言っちゃったりするから
禁酒してたんだけど、今日だけはちょっと飲んでいいかな?」
と果南。大好きなお酒も我慢してくれていたのね。
結局ワインのマグナムボトルを二人で一本開けた。
帰り際に果南が
「鞠莉さぁ、そういえば昔、サイゼでカードで使えなくてべそかいてた事あったよね?」
なんて意地悪を言うから膨れていたら、
「これからはあの頃に帰れるね。」
と言って肩を抱いてくれたので、許してあげることにした。
その日の食事は、今までの人生で一番美味しくて、楽しくて、豪華なイタリアンだった。 終わりです。
稚拙な文章にお付き合いいただきありがとうございました。
鞠莉と果南も、ルビィと曜も、のんと金髪の彼女も皆、幸せになったと思います。
おっぱい好きの自称音楽家さんは、週刊誌の人が別人であることを祈っています。 乙
サイゼでカード使えなくて泣いてるSS懐かしいな 途中でIDが変わってしまいましたが、1です。
たくさんの感想ありがとうございます。
こういった投稿は初めてで読みにくかったと思いますが、お付き合いいただけたのは幸いです。次に書く時は、改行位置や行間等工夫して見たいと思います。
体験談かというご質問に関しては、プレイ内容や、お客様や曜やルビィとのエピソードは体験談を脚色して使っております。
あなたちゃんに関しては、最初遊びでちょっと匂わせる程度のつもりでしたが、反応もいただけたので調子に乗ってしまいました^^;
サイゼでカードはまさしくそのSSにインスパイアされました。そのSSを呼んで鞠莉ちゃん推しになりました。作者様には感謝の言葉しかありません。
果南ちゃんの仕事に関しては、ぎりぎり非合法じゃない危険な仕事。くらいしか実は考えていません(汗)。皆様のご想像にお任せいたします。
最初にエンディングを思いついてそこに行き着くように話を考えていました。鞠莉ちゃんの魅力は曇り顔の向こうにある笑顔だと思っています。もちろんハッピーエンドしかありえません。
重ねて、お付き合いいただきありがとうございました。 >>94
乙!
果南ちゃんの仕事は用心棒か何か?
厄介をボコボコにした罪悪感を酒でごまかしてたとかw 黒澤ギャングの一員として高利貸しの取り立てやってたんでしょ 乙!
曜ちゃんが嫌な奴で鞠莉ちゃんが曇らされるのかと思ったが
ちゃんとみんな収まるところに収まって良かった
途中のエロいとこも良かったからまた書いて 仕事できそうなやり手になったルビィも草だった
マスコットルビィは思い出の世界にしかいないという悲哀 >>40
侑ちゃんそこまで堕ちてしまったか.... >>94
いや、普通に読みやすかったです
読みにくかったみたいな意見は自分の推しキャラの扱いが気にくわないとかそんな程度の意味だから気にしないで >>103
いや普通に読みにくかったよ……つめつめだし ウシジマくんとか好きそう
果南が何をしてたのかも書ききって欲しかった。それくらい面白かったわ 全て書かないで読者に考察させるっていろんな小説で見るし結構好き この時点でのようちか、ようるびの関係も気になるけど… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています