エマ「わたしの夏の初体験」
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千歌「ねーねー、今日夏祭りがあるんだけど一緒に行かない?」
エマ「へぇ〜お祭りなんてやるんだ」
絵里「日本の夏の風物詩ね」
千歌「そうそう、浴衣を着て屋台を回ったり盆踊りをしたり……」
千歌「花火大会もやるんだよ、もうすっごくキレイなんだから」
エマ「わぁ、楽しそ〜行く行く〜」
絵里「行くのは構わないけどこのまま行くの?浴衣の用意をしないと」
絵里「エマ、あなた浴衣持ってるの?」
エマ「ゆかた……?なにそれ?」
千歌「夏に着る着物みたいなものだよ。このままでも大丈夫、心配ないよ」
千歌「会場の近くに浴衣のレンタル屋さんがあるからそこで借りるといいよ」
絵里「あぁ、それならそのままお祭りに行けるわね」
エマ「わたし浴衣なんて初めて〜、かわいい浴衣あるかなぁ」
千歌「もちろん‼かわいい浴衣がいっぱいあるから、きっとエマさんに似合う物もあるはずだよ」
エマ「それは今から楽しみだな〜。わくわくしてきたぁ」 レンタル屋
エマ「わぁ〜本当に沢山浴衣があるねぇ」
絵里「どれを着ようか迷っちゃうわね」
エマ「どれもかわいいなぁ〜」カチャカチャ
千歌「私は実はもう決めているんだよね」スッ
千歌「じゃーんっ‼みかん柄の浴衣だよ」
エマ「かわいい〜!!」
絵里「千歌にぴったりね、私はなににしようかしら……」ジーッ
エマ「うーん……あっ、これいいなぁ」スッ
千歌「お花の模様だね、かわいい」
エマ「うん、これスイスの花のエーデルワイスなんだよ。こんな浴衣もあるんだ」
千歌「それじゃさっそく着てみよー、私が着付け手伝ってあげる」
絵里「―決めた、この紫陽花柄の浴衣にしましょ」
絵里「千歌とエマはどこに行ったのかしら……あら?」
千歌「ほらほら絵里さん見て、エマさんの浴衣姿」
エマ「似合う、かな……?」モジモジ
絵里「へぇ、エーデルワイスの花がよく映えてキレイね。よく似合ってるわよエマ」
エマ「えへへ、ありがと絵里ちゃん」
エマ「でも、この浴衣少し胸がキツい……」
千歌「これでも大きめのサイズにしたんだけどね、浴衣は帯を絞めるからちょっと窮屈なんだよね」
千歌「絵里さんも決まったんだ、その柄もいいね。一緒に着付けしよっ」
絵里「えぇ、よろしくお願いするわ」 エマ「わぁ〜絵里ちゃんすっごくキレ〜イ、見とれちゃうなぁ」
千歌「髪もおろして大人っぽいなぁ、私も髪おろしたけどなんか子供っぽい……」
絵里「そんな事ないわよ、千歌だって普段とは雰囲気が違って大人っぽいわ」
千歌「本当?私大人っぽい?」パァァ
エマ「わたしはおさげにしてみたよ、こっちの方が子供っぽいかな」
千歌「ううん、初めて見る髪型だから新鮮だよ。たまには髪型を変えるのも楽しいねぇ」
絵里「今日はせっかくのお祭りですものね、気分を変えて楽しみましょ」
千歌「よーし、それじゃお祭りの会場にレッツゴー‼」トテトテ
エマ「あ、待って千歌ちゃん。―ひゃんっ!?」コケッ
絵里「危ない‼浴衣は足下が洋服と違うからゆっくり歩かないと転ぶわよ」
エマ「そ、そうなんだ。ありがとう絵里ちゃん」
絵里「千歌も走ったりしちゃダメよ」
千歌「あはは……ごめんなさ〜い」 夏祭り会場
エマ「う〜ん、あちこちからいい匂いが……」ヒクヒク
エマ「色んなお店がいっぱい並んでる、人もいっぱいいて賑やかだねぇ」
絵里「この様子を見てるだけでも楽しいわね」
千歌「見てるだけじゃつまらないよ、実際に回って楽しまないと」
千歌「エマさん、どこか気になるお店ある?」
エマ「そうだなぁ〜色々気にはなるけど目移りしちゃって……」
千歌「それじゃ屋台の定番、たこ焼きから食べよう‼」
ジュージュー……クルンクルンクルン
エマ「わぁ、細い針であんなに早くひっくり返してる。面白〜い」
絵里「まさに職人芸ね、見事なものだわ」
千歌「―ありがとうございま〜す」
千歌「ほら、出来立てだよ。とっても熱いから気を付けて食べてね。―はむっ」
絵里「人に気を付けてとか言ってあなたはすぐ食べたりして平気なの?」
千歌「はふっ‼この、出来立てをはふはふしながら食べるのがおいしいんだよ。はふはふっ」
エマ「はふっはふっ!!本当だ〜外はふっくら中はトロトロ、たこさんもコリコリしておいし〜♪」
絵里「や、やるわねエマ……」
絵里「私はしっかり冷ましてから、ふぅ、ふぅ〜。―あむっ」
絵里「あっつ‼なんでよ〜!?はふはふっ」シロクロ 絵里「あぁ熱かった……火傷しなかったわよね……」ヒリヒリ
千歌「冷ますならもっと時間をかけないと」
エマ「絵里ちゃんもあんな事するんだねぇ〜」クスッ
絵里「うぅ……恥ずかしいところを見られたわね」
絵里「なにかお口直しになる物はないかしら」
絵里「―ん?あ、チータピ‼」パァァ
絵里「こんな所にも売ってるのねぇ、買って行こうっと」
千歌「チータピ?タピオカミルクティーとなにか違うの?」
絵里「ふふん、飲んでみればわかるわよ」
エマ「どれどれ……」チュウ〜
エマ「―んん〜、チーズのコクがタピオカミルクティーと合わさってとてもまろやかに」
千歌「おいしいねぇ〜これ」チュウチュウ
絵里「でしょう?私チータピ大好き♪」
絵里「はぁ〜これは何度飲んでもいいものね、お祭りの屋台で飲むチータピはまた格別だわ」ホワワ〜ン
千歌「チータピ飲むとおしゃれになった気分だよ」
エマ「チータピ、尊い……」チュウチュウ 千歌「屋台は食べ物だけじゃないんだよ」ユビサシ
エマ「『金魚すくい』……?」
絵里「お祭りといえば金魚すくいと言われているわね」
千歌「私金魚すくい得意なんだ〜、やって行こうよ」
エマ「うん‼」
千歌「はい、エマさんのポイ」
エマ「これ、どうやって使うの?」
千歌「これで金魚をすくうの、まずはじっくり狙いを定めて……それっ」ヒョイッ
エマ「すご〜い千歌ちゃん」パチパチパチ
千歌「へへーん、まぁね〜」ドヤァ
千歌「あまり水に付けているとポイが破れちゃうからね」
エマ「よーし、私もやってみよ」スッ
エマ「えっと、ここかな。あっ」
エマ「あ〜あ、破れちゃった……」
千歌「あはは、最初はそんなもんだって」
エマ「なにかコツとかないの?」
千歌「そうだねぇ、ポイはそっと斜めから入れて金魚の頭か横からすくう事かな」
千歌「水面や壁際に近い金魚を狙うといいよ」
エマ「なるほど〜、それじゃもう1回」スッ
エマ「あの金魚がいいかな、そっと、そっと……」ヒョイッ
エマ「取れた‼取れたよ千歌ちゃん!!」
千歌「やったねエマさん‼覚えがいいよ‼」
千歌「この調子でもっとすくっちゃおう♪」
エマ「おーっ♪
絵里「……」ジーッ
絵里「―えいっ」ヒョイッ
絵里「やった、私も取れたわぁ♪」 エマ「千歌ちゃんに教えてもらったから沢山取れちゃった」
千歌「家に帰ったらかわいがってあげてね」
エマ「うん、同好会の皆の名前を付けて大切に育てる」
絵里「私も亜里沙にいいおみやげが出来たわ、うふふ」
エマ「他にも金魚すくいみたいなお店ないかなぁ」
千歌「それなら水ヨーヨー釣りがあるよ」
エマ「それもやりた〜い」
千歌「この糸の先に付いてる針にプールの中で流れている水ヨーヨーをうまく引っかけるの」
千歌「金魚すくいよりは難しくないはず、―よっと」クイッ
エマ「風船を割らないようにしないと……」ソーッ
エマ「―よいしょ、取れた〜」
絵里「確かにこれなら簡単に取れるわねぇ、―それっ」クイッ
絵里「ふふっ、こういうアトラクションは楽しいわねぇ」
エマ「ね〜、日本のお祭りはエモエモだよ〜」
千歌「釣り上げた水ヨーヨーはこうやって遊ぶんだよ」バインバイン
エマ「ゴムで手元に戻って来るんだ、面白〜い」バインバイン
絵里「だから水ヨーヨーって言うのね、釣り上げたあともこうやって遊べるのはいいわねぇ」バインバイン 千歌「さてと次は〜」
千歌「―あれ?エマさんは?」キョロキョロ
絵里「どこに行ったのかしら?さっきまで隣にいたのに」
千歌「もしかしてはぐれちゃった?どうしよ〜」アタフタ
絵里「落ち着いて、多分そう遠くには行ってないわ」
絵里「きっとなにか気になる屋台でも見つけてふらふら行ってしまったのよ、この周りから探しましょう」
絵里「私達ははぐれないように、手を繋ぎましょうね」ギュッ
千歌「うん、―絵里さんがいてよかったぁ、心強いよ」ギュッ
エマ「うわぁ〜」キラキラ
エマ「すご〜い、雲まで売ってるなんて」
おじさん「お嬢ちゃん、これは雲じゃない。わたあめだよ」
エマ「わたあめ?」
おじさん「見てな、こうやって作るんだよ」ザラザラ
おじさん「こうして箸を回していけば……ほぅら」
エマ「おぉ〜!!みるみるうちにモコモコに、魔法みた〜い」パァァ
おじさん「へっ、どうだい」ドヤァ
エマ「それ、もっと大きくなるんですか?」
おじさん「あ?ま、まぁ出来るっちゃ出来るけどこれ以上大きくすると値段の割りに合わなく……」
エマ「―もっと、大きくして……欲しいな」
エマ「ねぇおじさん……おねがぁい♪」
おじさん「ぷひょっ……w」
おじさん「しょうがねぇなぁ〜特別だぞぉ」クルクルモコモコ
エマ「もっと、もぉ〜っと大きくしてくださ〜い♪」
おじさん「わはははっ‼合点承知の助!!」デレデレ 絵里「エマ、どこにいるのかしら……」キョロキョロ
千歌「ん?なにあれ?」
絵里「雲が人の頭の上に浮いてる?」
千歌「あれわたあめだよ。あっ、エマさん‼」
エマ「ん〜わたあめってふわふわでお口に入れると溶けちゃう〜とってもボーノ♪」
絵里「エマ、やっと見つけたわよもう」
千歌「急にいなくなったから心配したよ」
エマ「ごめんね、わたあめが気になってつい……」
絵里「わたあめ、それが?随分大きいわね」
エマ「おじさんにお願いして大きいのを作ってもらったの」ニコニコ
千歌「本当に雲みた〜い、こんなに大きくなるんだねぇ」
絵里「こんな大きいわたあめ、高かったんじゃないの」
エマ「おじさんがいい人でね、値段はそのままでいいって言ってくれたの」
絵里「へぇ、よっぽどエマの事を気に入ったのね」
絵里「はぁ、なんだか歩き疲れたわね。どこかで少し休みましょ」
千歌「そうだね、あっちにベンチがあるから休憩しようか」
エマ「あむあむ……わたあめおいしいなぁ〜」 エマに魅了されるとみんな気持ち悪くなってしまうのか… 千歌「ごめん、私ちょっとトイレ行って来る」
エマ「行ってらっしゃ〜い」
絵里「―ふぅ」ストン
絵里「あぁ……下駄なんて普段履かないから足が痛くなっちゃった、あなたは大丈夫?」
エマ「わたしはなんともないよ、故郷ではよく山歩きをしてたからね」
絵里「そう、足が強いのねエマは」
エマ「わたしを探し回って疲れちゃったんだよね、下駄を脱いで絵里ちゃん」スッ
絵里「ちょ、エマ、なにを」
エマ「ごめんね、お詫びにマッサージしてあげる」グニグニ
絵里「あっ、あっ、あぅ……」ピクピク
絵里「痛いようなくすぐったいような……き、気持ちいい〜」トローン
エマ「果林ちゃんにもよくやってあげるんだよ、疲れが取れるって喜んでくれるんだ」ギュッギュッ
絵里「おんっ……!!くぅ〜……はぁ、そこっ、そこいい〜!!」ビクッビクッ
エマ「―こんなもんかな、少しは楽になったでしょ」
絵里「はぁ……ありがとう、おかげで足が軽くなったわ」
エマ「よかった、また疲れたらやってあげるね」
千歌「お待たせ〜」
絵里「千歌も戻って来たし、屋台巡りを再開しましょうか」
エマ「まだまだ回ってないお店あるもんね」
千歌「このままラストスパートかけていこ〜!!」 千歌「夏と言ったらやっぱり冷凍みかんだよね〜♪」ピトッ
千歌「ん〜!!ひんやりして気持ちいい〜」
千歌「食べるとシャーベットみたいでおいしいんだなこれが」モグモグ
千歌「―くぅ〜!!これこれ、冷凍みかん最っ高。かーんかーんみかーん♪」
エマ「りんご飴だって、りんごが丸ごと飴になってるんだ。インパクトあるなぁ」ペロペロ
エマ「―んっ、中のりんごシャキシャキ‼飴の中に入ってると新鮮なままなんだ〜」
エマ「すごいなぁ、故郷の妹弟達にも食べさせてあげたいよ」シャクシャク
エマ「とっても不思議、どうやって作ってるんだろう」
エマ「ねぇおじさん、作り方を教えて。おねがぁい♪」
絵里「お小遣いで買って食べるチョコバナナはおいしいなぁ♪」モグモグ
絵里「他にもなにか甘い物はないかしら」キョロキョロ
絵里「あら、たい焼きパフェ?なにかしらあれ」
絵里「まぁ‼たい焼きの口が開いていて中身がパフェになってるのね、これはぜひ食べないと」
絵里「―あんこや生クリームにアイス、果物まで入って……これは夢のような食べ物ね♪」ジーンッ
絵里「太っちゃいそう……でもやめられないわぁ、幸せ〜♪」パクパク 千歌「はぁ〜食べた食べた」ケプッ
絵里「もうしばらくは食べなくてもいいくらい堪能したわね」サスサス
エマ「あのおじさんもりんご飴の作り方を教えてくれて親切だったなぁ」
アッチカラコッチカラヨットイデ〜♪
エマ「―ん?なんだかあっちから音楽が」
千歌「あぁ、盆踊りが始まったんだね。私達も行って踊ろっ」
絵里「私お腹いっぱいでまだ動けない……」
千歌「盆踊りくらいならへーきへーき、ほら行こう」グイッ
絵里「ちょ、千歌」
エマ「皆で輪になって踊ってる〜」
千歌「日本にはお盆って言うのがあってね、ご先祖を供養する為に踊るんだよ」
エマ「へぇ、スイスとはまた違った文化だねぇ」
千歌「私が踊るから真似して踊ってね」
千歌「みかん風味の優しさで〜、今日もいい日だよっといで♪」サコイナ
エマ「皆で踊ると楽しいねぇ」
絵里「激しいダンスじゃなくてよかったわ」
エマ「お祭りも盆踊りも皆が一体になって楽しめる」
エマ「お祭りって、いいなぁ」
千歌「ほらほら、一緒に歌って踊って!!」
エマ「きらき〜らきらきらサンシャインは〜一緒にいるよずっと♪」アソーレ
絵里「きらき〜らきらきらサンシャインと〜みんな踊ればぴっかぴか♪」サコイナ
千歌「だからだいすきぴっかぴか〜♪」 エマ「う〜ん、楽しかったぁ」
絵里「ちょうどいい腹ごなしになったわね」
千歌「2人共すっごく上手だったよ」
エマ「先生がよかったんだよ」ナデナデ
千歌「そんな、照れるのだ」
エマ「私も故郷にお墓参りに行ったら歌を歌ってみようかな」
絵里「ふふ、ご先祖様がびっくりしそうね」
千歌「いよいよ今日のハイライト、花火大会が始まるよ‼」
絵里「ちょっと千歌、どこまで行くのよ。お祭りの会場からはどんどん離れて行ってるけど」
千歌「あまり人が来ない穴場があるんだよ、いいからついて来て」
絵里「まったく……また足が痛くなってきたわ」
エマ「おんぶしてあげようか?」
絵里「いやいや、流石に高校生にもなっておんぶなんてしてもらう訳にはいかないわよ」
千歌「それじゃ、手を引いてあげる」ギュッ
千歌「わたしも背中押してあげるよ、よいしょ〜」グイッ
絵里「まるで年寄りね……でも、助かるわ」 千歌「とうちゃ〜く、お疲れ様」
エマ「わぁ、お祭りの会場があんな下の方に」
絵里「なるほど、この高台なら花火がよく見えそうね」
絵里「私達の他に誰もいないし、まさに穴場ね」
千歌「あともう少しで打ち上がるね」チラッ
エマ「なんかドキドキしてきた〜」
ヒュ〜……ドォーン‼
絵里「きゃーっ‼」ビクッ
エマ「あはは、びっくりしたねぇ」ナデナデ
エマ「すご〜い……空が真っ暗だから本当に夜空に花が咲いたみたい」
千歌「スイスにも花火ってあるの?」
エマ「あるけど、やっぱり日本の花火が1番キレイかな」
ポポポンポポポンポポポポ〜ン
エマ「ほら絵里ちゃんすごいよあれ」
絵里「何発打ち上げているのかしら、すごい迫力ね」
千歌「あ、みかんだ‼おいしそ〜」
エマ「今度はパンだ‼食べた〜い」
絵里「チョコレートまで!!よく花火で表現したわね……」 ヒュ〜ドォーン‼ドォーン‼ドォーン‼
絵里「きゃっ!?いきなり大きな花火が何発も」ビクッ
千歌「終わりが近付いているんだよ」
エマ「あはは、まるで昼間みたいに明るいね」
絵里「ここからでもお腹に花火の音が響いてすごいわね、そばにいなくてよかったわ」
千歌「絵里さんは怖がりだなぁ〜」
絵里「こ、怖くなんてないわ。ただちょっと……驚いているだけ」
千歌「最後に1番大きな花火が上がるからね」
絵里「1番……大きな……」ヒクッ
エマ「それじゃ、今からくっついていようか」ギュッ
絵里「ちょ、エマ!?」
千歌「私も〜」ムギュッ
絵里「千歌まで……窮屈じゃない、もう」
絵里「―ふふふっ」
ヒュゥゥゥ〜…………ドッッッカーン‼
絵里「ぎゃあぁぁぁ〜!!」
エマ「うわぁ〜すごいすご〜い!!」
千歌「た〜まや〜!!か〜ぎや〜!!」 パラパラパラ……シーン……
千歌「終わっちゃったね」
絵里「も、もう終わり?結局驚いてばかりであまり楽しめなかったわ……」
エマ「夜空にまだ花火の余韻が残ってる……キレイ……」
エマ「花火ってすぐ消えちゃうと思ってたけど」
エマ「頭に焼き付いて離れないね、いつまでも覚えていそう」
千歌「エマさんに喜んでもらえて、よかった」
エマ「うん、今日見た花火は一生忘れられないと思うよ」
エマ「花火だけじゃない、浴衣に屋台に盆踊り……」
エマ「どれも故郷では体験した事のなかったものばかりだった」
エマ「とってもエモエモで嬉しみが深くて草で」
エマ「千歌ちゃんと絵里ちゃんと過ごせた事が、なによりも尊い」
エマ「夏の終わりにいい思い出が出来たよ」
エマ「今日はありがとう、千歌ちゃん、絵里ちゃん」ニコッ 千歌「それじゃ、そろそろ帰ろうか」
絵里「ま、待って……最後の花火で腰が抜けてしまって」
千歌「え?動けないの?大丈夫?」
エマ「あらら、じゃあここはやっぱりわたしの出番だね」
絵里「エ、エマ?なにを、―ひゃあっ」グイッ
エマ「あはは、絵里ちゃん軽〜い♪」
絵里「ちょ、エマ、大丈夫だから、降ろして」カァァ
エマ「いいからいいから、このまま下まで連れて行ってあげる」
絵里「……も〜」ポフン
千歌「いいな〜絵里さん、エマさんにおんぶしてもらって」
絵里「代われるなら代わりたいくらいよ……」
エマ「この浴衣ももう少し着ていたかったんだけどなぁ」
千歌「また来年も一緒に着ようよ、今度はエマさんの浴衣を買ってさ」
エマ「それいいね〜それまでにお金貯めておかないと」
絵里「私も来年までに花火の音に慣れておかないとね」
千歌「また3人で夏祭り行こうね♪」
エマ「うん♪また来年が楽しみだなぁ〜、うふふっ」 これで終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました。 おつおつ
毎度のことながら心温まる良い話だわ
お祭り行きたくなってきた 以前「おじさんと私」というタイトルのエマちゃんSS書いた人かな?あれも良かった
(エロではなく人情モノ) 結構書いてるとかじゃなくて前に○○書いてた人ですよねとかいうレスなんなんって話じゃろ
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