「そっちで引き取ってもらえない?」

「はぁ?嫌ですよ……うちにそんな余裕ありませんから」

「じゃあ……」

「うちも無理だよ……それにさぁ、子どもって、あいつらのだぞ……誰だって嫌だろ」

「まったく、いつの間に子ども作ってたんだ……」

「親戚っていってもあいつらほとんど疎遠だったじゃないのよ、なんだって娘だけ残して……」

「施設でいいでしょ、ねぇ?」

「ほんとにどこ行ったかわかんないの?」

「死んだんじゃない?」

「はぁ……まったく……」

「……で?どうする?」

「………」

「……………あの……!」

「……私に、引き取らせてください」

「私が育てます」

「………」

「………」

「……だ、そうだけど?」

「ウチは別に」

「いいんじゃない?」

「いやぁ、よかったよかった」

「……いいの?アレはまだ残ってるんじゃないの?」

「……大丈夫です。なんとかします」