希「いいじいさんに連れられてー」真姫「異人さんよ」
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やぁやぁ、うちの名前は東條希
オカルトやスピリチュアルなことが大好きな音ノ木坂学院の三年生
突然だけど皆は生きていて不思議な経験をしたことってある?
例えば幽体離脱とかお化けやUFOを見たとか!
そんな非日常っていうのはね日常の中に潜んでたりするもんなんだよね
自分がいた世界、自分が見ていた世界が急に現実離れした世界になるみたいな
例えるならコインで言う表と裏みたいなんかんじかな
これからお話をするのはそんなうちが体験をしたちょっと変わったお話
それはある夏の出来事だった 希「真姫ちゃん....」ボソッ
真姫「え?」
希「...逃げるが勝ち!!」グッ
真姫「!」
希「........」ダッ!
真姫「え!ちょ!!」グイッ!
ことり「!!」
希「ちょっと走るよ!!真姫ちゃん!!」
真姫「うわっ!!」
ことり「........」 希「はぁ...はぁ...なんとか撒けたかな?」
真姫「い...いきな...り...引っ張らないでよ...」ぜぇぜぇ
希「ごめんごめん」
真姫「はぁ...はぁ...」
希「もう少しだから」
真姫「わかったわ....」
希「よし...境内に入れた」
真姫「ここなら大丈夫ってことなの?」
希「この辺の州域ならここが一番安全だと思う」
真姫「そう....」
希「ちょっと休もうか?」 希「真姫ちゃんはコーヒーでよかったかな?缶コーヒーだけど」
真姫「ありがとう...って着替えたの?」
希「うちでも巫女さんの端くれやからね、こっちのが頼もしいでしょ?」
真姫「そうね...ありがとう」
希「ふふ...砂糖さんはどれくらいがいい?加糖さんがいい?それとも無糖さん?」
真姫「コーヒーを人の名前みたいに呼ばないでよ、無糖でいいわ」
希「はい」スッ
真姫「....ありがとう」
カポッ
真姫「......」ごくごく
希「不謹慎だけど...なんか二人でこんな時間にこうやってるの...なんか新鮮やね」
真姫「....そうね」
希「例え世界中の皆が真姫ちゃんが忘れてもうちは真姫ちゃんのことをちゃんと覚えてるから」
真姫「なによ、それ」
希「大丈夫...うちが一緒にいるから...もう少しだけ頑張ろ?」 希「それにしてもなんなんやろうね...この状況は」
真姫「......」
希「なんで真姫ちゃんなんだろ...」
真姫「多分...私は生贄なんだと思う」
希「生贄?」
真姫「私があの檻の中にいた時、あいつが檻の前に立って変な本を読みあげていたの」
希「本を読み上げていた?....なんかの儀式?」
真姫「かもね...聞いたことない言語だったし、たぶん呪文みたいなものだと思うわ」
希「でもなんでそれだけで生贄だって思うん?」
真姫「私とあいつの間に台みたいなのが置かれていて...そこに短剣が置いてあったの」
希「短剣...」
真姫「それを時折持って私に向けながらなにか言ってたし...そんなことをされたらそう思わない?」
希「......」 真姫「このままなにも解決できないなら....私は...」
希「絶対にだめ!!」
真姫「!」
希「なんで真姫ちゃんが犠牲にならないといけないん?うちはそんなの絶対にさせない!!」
真姫「希....」
希「真姫ちゃんはなんも悪いことをしてないじゃん!!だからこんなの絶対におかしいよ!!」
真姫「........」
希「諦めちゃダメ!!うちが頑張るから!!一緒に元の日常に戻ろう?」
真姫「ありがとう....っ...」
希(絶対に....真姫ちゃんを...皆を...元の日常を取り戻すんや!!) ヒュー!!ヒュー!!!
真姫「...なんか風が強くなってきたわね....」
希「そうやね...」
真姫「........」
希「........」
真姫「ねぇ、希」
希「なに?」
真姫「なんか胸騒ぎがするのは私だけかしら?」
希「奇遇やね....うちもそんな感じがする」
真姫「もしかしてあいつが....」
希「近づいてきてるみたいやね」
真姫「どうするの?私が言うのもなんだけど策はあるの?」
希「やれるだけやってみるよ、うちだってなにも考えなしにここに来た訳じゃないんだから」 ビュー!!ビュー!!
真姫「っ......」
希「どうやら...門前まで来てるみたいやね」
真姫「入ってくるってこと?」
希「多分入ろうとしてる...でも結界が貼られてるから簡単には入れないと思う」
真姫「そう....」
希「....真姫ちゃんをこれを.....」スッ
真姫「お守り?」
希「厄除けのお守り、身に着けておいて」
真姫「...わかったわ」スッ
希「有名な神社の厄除けのお守りだから、きっと真姫ちゃんのことを守ってくれる」
真姫「希の分は?」
希「大丈夫、うちのもちゃんとあるから」 真姫「......!空が!」
希「急に雲ができてたね...ちょっとまずいかな」
真姫「まずい?」
希「月を見て」
真姫「月?...雲で月が隠れてきた?」
希「月は神聖なものだったりするんよ...月がなくなるってことは天からの加護がなくなるってことなんよ」
真姫「ってことは....」
希「相手にとってはより行動がしやすくなるってこと」
真姫「それってまずいんじゃ」
希「そうやね...多分この雲はあいつの仕業かもしれないね」
真姫「.......」
希(さてと....どうしたものか....とにかくいろんなものを試してみるしかないか) 真姫「...風が止んだ?」
フッ
真姫「!電気が」
希「真姫ちゃん....来るよ、うちの後ろに下がって」
真姫「う、うん....」
コツ...コツ....
希「...........」
コツ....コツ....
真姫「っ.......」
希(....周りの照明が消えて月も見えなくなって真っ暗なはずなのに)
コツ...コツ....
「...........」
希(相手の姿が見えるなんて...これまた不思議やね) 希「...珍しいなぁ、こんな時間にそんな恰好をした人がお参りにくるなんて」
「.........」
真姫「っ.......」ギュッ
希「外人さんかな?ハロー、いやこの時間はハローではないか...お面まで付けちゃってお祭り帰りかな?」
「........」
希「...こんな芝居は無駄か...なんの用や」
「.........」
希「こんな神聖な場所に来るなんていい度胸やん、立ち去るなら今のうちだよ」
「..........」
希「..........」
「...........」スッ
希「!」 希「っ....なに?頭が.....」グラッ
真姫「希?どうしたの?」
希「....え?誰?...」
真姫「!?」
希「...なんでうちはこんな時間に明神さんに?」
真姫「希!どうしちゃったのよ!!!私よ!!真姫よ!!」
希「まき?....」
真姫「っ...そ、そんな希まで....なんで....」
希「.....!!!」
真姫「っ....嫌っ...希にまで忘れられたら私....私...」
希「あああああああああああ!!!」
「!!」
真姫「!!」ビクッ 希「はぁ...はぁ....」
真姫「の、希?」
希「いい度胸してるやん...うちの中から真姫ちゃんを消そうとするなんて」
「........」
真姫「!希、私のこと....」
希「忘れる訳ないよ、真姫ちゃんは皆にとって...うちにとって大切な人なんやから!!」
真姫「!!」
希「人の思い出っていうのはね...そう簡単に消せるものではないし、消していいものやない!あんたなんかにうちと真姫ちゃんの思い出は消せない!!」
「.......」
希「あんたに宣戦布告をするわ、あんたは絶対に許さない...皆を...うちらのかけがえのない日常を返してもらうよ!!!」
「........」
希「あんたが何者か知らんけど、あんたをここで倒す!!」 希「まずはこれやね....はっ!!」ヒュッ
「!!」
真姫「あれはお札?」
「っ.......」バチッバチッ
真姫「効いてる!?なんか火花みたいなのが出てる...」
希「これが効くってことはやっぱり人間やないね、あんた」
「........!!」スッ
希「!!」グイッ
真姫「きゃ!」
希「真姫ちゃん、あいつの手は注意してね...」
真姫「手?」
希「うん...なにをしてくるかわからないからね」 「..........」スッ
希「てぇやぁ!!」バチッ
真姫「すごい...まるで映画みたい...」
希「っ.....」ボワッ
真姫「お札が!!燃え尽きた!?」
希「これは手強そうやね....」
「..........」
希「なら....これはどう?」サッ
真姫「なにそれ...スプレー?」
希「これはお清めスプレーっていうんよ...これならどうや」
「!」
希「お清めパワー射出!はーい!ぷしゅ!!!」シュッ! 「!!!」バタ!バタ!
希「よし!今のうちに!真姫ちゃん!」グッ
真姫「え?なに!?」
タッタッタッ
真姫「なにこれ」
希「うちが作った結界、真姫ちゃんはこの中に入って」
真姫「じゃあ希も中に」
希「うちはあいつを倒す」
真姫「一人じゃ危険よ!」
希「でも倒さない限り真姫ちゃんもうちも元の日常には戻れない」
真姫「でも!.....」
希「大丈夫♪」 「..........」キョロキョロ
希「真姫ちゃんならおらんよ」
「!」
希「あんた一体なんなんや...なんでこんなことを!なんで真姫ちゃんなん?」
「.......」
希「まぁ...いいや、あんたを倒して...私達の日常を取り戻す!」
「........」
希「伊達に神社でバイトはしてないよー!!!」スッ
「..........」バチッバチッ
希「お札はダメージはあるけど...これじゃあ決定力にかけるなぁ...」
「.........」カパッ
希「!?お面を外した?.....」
「........!!」ギロッ
希「!な...なんなん...その顔は....」 「.........」
希「っ....」
希(顔の半分は普通の顔なのに...もう半分は全く血の気のない顔...いや、腐ってる?まるで半分ミイラ!?)
「..........」ブツブツ
希(なにか言ってる?)
「アのむスめはドこだ」
希「!」ゾクッ
希(なにこの声....聞いただけで鳥肌が....)
「ジかんガナイ」
希(時間がない?相手は焦ってるってこと?)
「タまシイをよコせ」
希(成程...あいつは真姫ちゃんからを魂を奪って自分のものにする気みたいやね...よし!絶対に渡さないようにしないと!) 希「あんたにあげる魂はないよ、さっさと成仏しな」
「よこセ!!!!!」ダッ
希「!!急に動きが!!」
「ァぁアああああ!!!」
希「がっ.....」
「バショをいえ」
希「だ、誰が言うもんか....」
希(なんて力なんや...うちをこんな簡単に持ち上げるなんて)
「.......」グッ
希「ぁ!....っ....」
「イわナイとくビをオルぞ」
希「だ...誰が......」
「.........」ググッ....
希「ぁ....あ...ぁ....」
希(ま、まずいこのままだと....意識が....) 真姫「希を離して!!!」
「!」
希「!...ま....ち....」
真姫「.........」
「.........」スッ
ドサッ
希「ぅ.......」
真姫「希!!」
「.........」スタスタ
希「ま...きちゃん...ど..して」
真姫「私のせいで希を犠牲にしたくないの!!希が犠牲になって私が残っても私は結局一人...誰も私のことなんてわからない、なら私が消えればいい」
希「っ......」
真姫「ありがとう...希....」
希「!真姫ちゃん.....」 「..........」スタスタ
真姫「...さよなら....」
希(うちはなにやってるんだ...なにが一緒だから大丈夫だ...大丈夫じゃないじゃないか!)
希(ここでうちが....私がやらなきゃ...誰がやるんだ!!!)
希「やあああああああああ!!!!!!!」
「!!」
真姫「希!?」
希「この!!!」ドン!
「!?」グラッ
希「はぁ...はぁ...はぁ...」
真姫「希....」
希「言ったでしょ、うちがいるから大丈夫だって」
「........」
希「あんたには真姫ちゃんは渡さないよ!」 希(とは言ったけど...こんな得体のしれない相手をどうやって倒したら)
「.......」
希(弱点でもわかれば...倒せるかもしれないのに....)
「.......」
希(!....待って...そういえば『あれ』にはたしかそういった類の話はあったはず)
真姫「希?」
希「真姫ちゃん!!ちょっと走るよ!!」グイッ
真姫「え!なに!?」
希「いいからついてきて!」ダッ
「!」
真姫「!わかったから!引っ張らないでよ!!」 ガチャ
希「えっと...たしかこの辺にあったはず」ゴソゴソ
真姫「一体どうしたのよ、それにここはなんなのよ」
希「うーん...まぁ、宝物庫みたいな場所かな」
真姫「え!!そんな場所に勝手に入っていいの?」
希「緊急事態だし、何故か誰もおらんから細かいことはええんよ」
真姫「えー...」
希「.....!あった」
真姫「何を探してたの?強力なお札とか?」
希「これだよ」スッ
真姫「え?これってただの古い...」
希「もしかしたらこれならあいつを倒せるかもしれない」
真姫「本当?」
希「やってみないことにはなにも始まらないし、やってみよう!」 「.........」キョロキョロ
希「こっちや」
「!」
希「..........」
「.........」
希「あんたの悪行もここまで、今日で終わりだよ」
「.........」
希「一つだけ疑問があったんよ...なんであの日あの場所だけが荒らされていたのか」
真姫「.........」
希「....それはこれのせいだぁ!!」スッ
「!!!!」
希「その反応...やっぱり弱点みたいやね!」
希「くらえ!!!」 パー!!!
真姫「光った!?」
希「見て...真姫ちゃんあいつを」
真姫「...!!なによ...あれ、あいつの体から...」
「助けて」「苦しい」「なんで私が」
希「今までの犠牲者達みたいやね...あいつが生きながらえる為に犠牲になった」
真姫「っ.....」
希「鏡っていうのは魂が宿ってると昔から言われていたんよ...だから卑弥呼とかは鏡を使っていたとも言われてるんよ」
希「有名な3種の神器でも八咫鏡があるくらいだからね」
希「だからこの魔力が宿っている鏡ならその魂が見えると思ってね...見て真姫ちゃんあいつの体を」
真姫「!体が...」
「.........」フラフラ
真姫「ボロボロになっていく?」
希「無理やり奪った他人の魂を自分の命にしてたからそれが反発をして抜けていってるんや、それで体が崩壊していってる」
真姫「........」 希「人の命は永遠じゃない...だからこそ今を生きようと皆頑張ってるんや」
「..........」ドサッ
希「あんたは他人の時間を命を奪ったんや....あの世でその罪をちゃんと償んだね」
「」
ヒュー...
真姫「砂になった.....」
希「........」
真姫「...終わったってこと?」
希「そうやね...」
パー!!
真姫「!今度はなに!?」
希「!!」 「」
希「この子は....」
真姫「たしか前に貼り紙で見た....」
希 真姫「!!」
希「!思い出した...この子!うちのクラスの子や...今まで忘れてたなんて...」
真姫「私と同じように被害って遭ってたってことね」
「」
希「...気を失ってるだけみたいね...」
真姫「この人は取り込まれてから戻れたってことかしら?」
希「そうかもね....よいしょっと」スッ
真姫「運ぶの私も手伝うわ...希」
チュン...チュン...
希「日が開けるね...」
真姫「そうね......」 真姫「それにしてもよくわかったわね弱点が」
希「カーブミラーを破壊するなんておかしいからね」
真姫「成程、道が荒れていたのはそれを隠すためのカモフラージュだってってことね」
希「そういうことやね」
真姫「ありがとうね...本当に色々」
希「どういたしまして!大切な後輩だからね」
真姫「...私が後輩だから助けてくれたってこと?」
希「へ?」
真姫「それとも...μ’sのメンバーだから?」ジッ
希「!ん?ま、真姫ちゃん?」
真姫「.........」ジー
希「え、えっと.....」
真姫「.........」 真姫「なんてね」
希「え」
真姫「今度ちゃんとお礼をさせて」
希「!いいよ...お礼なんて別に」
真姫「させてよ、いいでしょ?焼肉なんてどう?」
希「!焼肉....」グー
真姫「行きたいお店があるならどこでもいいわよ、今度また聞くからその時までに考えておいて」
希「焼肉....焼肉....」
真姫「ふふ....」
真姫(それにしてもなんで希だけが私のことを覚えててくれたんだろう....)
真姫「.........」 真姫『誰か助けて....パパ...ママ...皆....』
「おーい真姫ちゃん?」
真姫「.........」
「真姫ちゃーん?」
真姫『助けて....希...』
「真姫ちゃん!!!」
真姫「!!」ビクッ
希「どうしたん?ぼーっとして眠い?」
真姫「え...あ...ちょっとね、うん...」
希「多分皆、元に戻ってるだろうし家に帰って寝た方が」
グイッ
希「!」
真姫「......」
希「真姫ちゃん?」
真姫「今はちょっと...希がいないと不安ていうか...もうちょっと一緒にいてほしい...」
希「真姫ちゃん....ええよ、落ち着くまで一緒にいてあげる」
真姫「........」 こうしてうちと真姫ちゃんの短いようで長かった戦いは終わった
皆も無事に戻ってうちらの日常は元に戻った
少し変わったところもあるが....
どこが変わったかというと
真姫「.......」
希「あのー...真姫ちゃん?」
真姫「なに?」
希「なんか近くない?」
真姫「そうかしら?」
希「.........」
真姫ちゃんとの距離が近くなったような気がします
気のせい?
真姫「♪」
希(ち、近い.....)
真姫「....!」
真姫「ハッピーエンドね」 これでおしまいです
最後までお付き合いいただきありがとうございました 乙
夜中に外で突然記憶が戻ったことえり混乱してそう
特にエリチカヤバそう >>147
何処チカ⁉︎ 真っ暗チカーっ⁉︎
それはともかく完結乙、毎回楽しみにしてたよ >>140
希「日が開けるね」×
希「夜が明けるね」○ >>146
いいね!
ホラー路線かなり良かったわ!
またこんな感じの路線の話出来たら頼むわ! 焼肉ねだるのんちゃんがこんな時まで余裕崩さなくてらしさに溢れてて良い ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています