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穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを〜!」
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0001名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:23:40.44ID:qBRXjiCt
何年か前にエタッてしまったSSです
そこまで行くのにだいぶ長いので、以前に読んでくださってた方は退屈かも知れませんがお付き合いください
0370名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:31:14.27ID:VfFuUysO
秋穂「これ、この人が用意してくれたの」スッ

オカマ「なにこれ?」

千歌「この区域の安全な場所をリストアップしたものです、しばらくここに隠れた方がいいかと!」

オカマ「あ〜ら嬉しい!んー、でもね…」

ブリトニー「うん、ね?」

秋穂「……?なに?」

オカマ「お金溜まったから故郷に帰れる事になったのよ、ブリトニーちゃん」

秋穂「え!?な、なんで……!?お金がネックだって……」

オカマ「警察にありのまま話したら貸してくれたの」

秋穂「へ、警察……?なんで警察なんかに!?何から逃げてるのか分かってんの!?」

オカマ「警察に行ったのは私だし、戸籍もデタラメに名前も偽名、大丈夫よきっと」

ブリトニー「明日、日本を発つの!」

秋穂「信じらんない…。何でよりにもよって、警察なんかに…」

オカマ「あらやだ何言ってんのよ。秋穂ちゃんも警察の人と一緒じゃない」

秋穂「この人は!!……違うから……」

オカマ「何よ〜それ〜」

秋穂「…ッ!もういいもん!!」ダッ

千歌「あ、秋穂ちゃんッ!」

オカマ「ちょっと心配性すぎるのよね、あの子」

千歌「………」
0371名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:37:16.86ID:VfFuUysO
-翌日- 放課後 〜学校〜

秋穂「………」ボー

秋穂「……帰ろ」

ピンポンパンポーン

『高坂秋穂さん、至急理事長室までお越しください』プツッ

秋穂「………」





秋穂「まさかついに退学?これってやばいんじゃ…」

秋穂「もしそうなら…海未おばちゃんから…雷が落ちる?」

秋穂「」ゾッ

秋穂「はあ…」トボトボ

秋穂「ここだ…」

コンコン

「どうぞ〜」

ガチャリ

秋穂「失礼します……」

秋穂「……何かご用ですか?」

鞠莉「ふーむ…この子が高坂秋穂…。あの高坂穂乃果の姪っ子ね」

千歌「うん、正真正銘…穂乃果さんの姪ちゃんだよ」

果南「(……全然知らなかった)」

秋穂「……松浦さんに刑事に……理事長」

秋穂「何の集まりですか?これ…」

鞠莉「うーんと、この集まりはね……何の集まりだろう?」

秋穂「……帰ります」

鞠莉「え、ちょっと!ストップ!!ストーップよ!!


秋穂「っ…何なんですかいったい?」

鞠莉「はぁ…千歌ッチ、説明してあげて」
0372名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:41:34.75ID:VfFuUysO




千歌「っていうわけなの」

秋穂「じゃあこの人たちがこの前あなたが言ってた残った友達?」

千歌「そう!スクールアイドルやってる時からの仲間だよ!」

秋穂「そうなんだ…。ん…?じゃあ松浦さんって…」

果南「」ギクッ

鞠莉「そっ。果南はとっくにアラサー♪所謂、お・ば・さ・ん♡」

鞠莉「おばさんなのに制服着て果南ったら、んもう〜///」

果南「なっ!鞠莉がやれって…!」

秋穂「…なんでこの高校にいるの?」

鞠莉「ここは“あいどる”に近づける何かがあるの」

秋穂「……漠然としすぎじゃない?」

秋穂「そもそも、私があなた達と協力するメリットがない」

鞠莉「ふふっ、あなた…“あいどる”側からマークされつつあるんでしょ?」

秋穂「……たぶん」

鞠莉「使える駒は多い方がいい、それは私たちも同じ事」

鞠莉「昨日の敵は今日の友……なら逆もまた然りでしょ?昨日の友は今日の敵……」

秋穂「………」

秋穂「………わかったよ」

鞠莉「OK!じゃあ交渉成立って事ね!」
0373名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:45:06.34ID:VfFuUysO
秋穂「ただひとつ条件」

鞠莉「……?なーに?」

秋穂「あなた達の職業柄、ただの高校生の私が接触してるのは…側から見てておかしい。だから松浦さんを貸して欲しいの」

秋穂「すぐにコンタクトが取れるように」

鞠莉「なーんだ!そんな事、どうぞどうぞご自由に!」

鞠莉「果南もいいよね?」

果南「え、まぁ…いいけど」

秋穂「ありがとう、じゃあ今日は帰るから」

秋穂「さよなら」ペコリ

鞠莉「チャオッ!」

バタンッ

鞠莉「……ふー」

千歌「どうだった?」

鞠莉「気難しそうな子かなぁ?それに割とナイーブそうだね」

千歌「……寂しいのかな」

鞠莉「どうだろうねぇ…私たちで穴埋め出来るような存在じゃないのは間違い無いね、あの人は」

鞠莉「それは千歌ッチが一番分かるでしょ?」

千歌「分かるけど…」
0374名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:47:57.34ID:VfFuUysO
果南「ねぇ鞠莉、私、どれくらい彼女と一緒にいなきゃいけないのかな?」

鞠莉「んー、べったり…かな?」

果南「え…」

千歌「ってことは今からだね!」

鞠莉「ザッツライト!さっ、果南、行っておいで!」

果南「……やっぱり、一番損な役回りだ」
0375名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:49:41.33ID:VfFuUysO
スタスタ

果南「…どこ行くの?」

秋穂「友達のところ、今日母国に帰るらしいから一応見送り…一応だよ」

果南「ふーん…」

果南「…こんな人気のない場所にいるの?」

秋穂「まだ日本から発ってなければ…」

・・・パーーーン!!

秋穂「!?」

果南「なに今の音…?」

秋穂「銃声……っ!」ダッ

果南「あっ、ちょっと!」ダッ
0376名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:52:12.24ID:VfFuUysO
タッタッタッタッ、ザッ

秋穂「ッ!どうした……の……」

果南「…?なに?」

果南「…!!」

ブリトニー「」

オカマ「うっうっうぅ……」

秋穂「なに…なんで…?」

オカマ「あ、秋穂ちゃん…」

オカマ「い、今…ここから出ようとして…ブリトニーちゃんが立った瞬間…うっ…うぃ…」

秋穂「…瞬間、なに?」

オカマ「私が相談した警察官がやって来て…ブリトニーちゃんを銃で…殺したの…!!」

果南「……っ」

秋穂「その人の顔は…見たの?」

オカマ「携帯で写真撮ったわ……」ゴソゴソ

オカマ「これよ…!!」

秋穂「ん…」スッ

秋穂「!!!この人…」

果南「どうしたの?」

秋穂「……松浦さん、理事長達…まだいるかな」

果南「え、そりゃあね」

秋穂「戻ろう」ダッ

果南「えっ!?ちょ、ちょっと!!」

オカマ「あ、秋穂ちゃん!」
0377名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:56:25.47ID:VfFuUysO
バンッ!!

千歌&鞠莉「んん??」

秋穂「はぁはぁ…はぁ…」

鞠莉「どうかした?秋穂ッチ」

秋穂「……今、ブリトニーが死んだ」

千歌「えっ…」

秋穂「警察官に殺されたの」

鞠莉「……その警察官のお顔は見たのかしら?」

秋穂「写真がある…これ…」

千歌「……!この人は」

秋穂「この人…あなたの上司だよね?珍さんのお店に来た時、私から穂乃果おばちゃんの帽子を取り上げた人だからハッキリと覚えてる」

千歌「そうだけど…先輩が…なんで…」

秋穂「二人が言ってた人を殺した警察官ってのも多分この人だと思う」

千歌「……」

鞠莉「……それで秋穂ッチ、それが私たちに関係あるのかしら?」

鞠莉「私たちが情報を漏らしたとでも?」

秋穂「……そうじゃない、そうじゃないけど手を組んだ以上は情報共有するべきでしょ?」

鞠莉「……なるほど。まったく、その通りだね…。そうですね、では私からも一つ情報を渡します」
0378名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:59:09.95ID:VfFuUysO
果南「はっ…はっ…完全に歳だ…やっと着いた…」

鞠莉「この高校に“あいどるランド”への招待状が届いたの、それも秋穂ッチをわざわざご指名でね」

秋穂「“あいどるランド”?」

千歌「“あいどる”が作ったテーマパークだよ」

鞠莉「そう、表向きはね」

秋穂「表向き…どういうこと?」

鞠莉「裏ではあんな事やこんな事をやってるって口」

秋穂「……そんな所に馬鹿正直に行く必要が?」

鞠莉「当然、無理にとは言わない。だけど、ここには何か重要な事実が隠されてるはずなの、行ってくれると助かっちゃうんだけど」

鞠莉「果南もつけるから」

果南「えっ!?」

秋穂「……考えとくよ」
0379名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:01:31.21ID:VfFuUysO
〜三森荘〜

ガチャ、バタン

秋穂「……はぁ」ドサッ

秋穂「……人が死んだのに、混乱もしない……私、おかしいのかな……」

秋穂「……“あいどるランド”」

スッ

秋穂「ネットの評価は…」

【“あいどる”の魅力を余す事なく教えてくれる世界一のテーマパークだ】

【バーチャル映像でのわかりやすい説明で、血の大晦日、ホノカ一派の残虐さがひしひし伝わってきた】

秋穂「……こんなんばっか、何も知らないくせに」

シャッシャッ

秋穂「……ん?」

秋穂「これって…」

【ゴミ清掃員?がすげぇデカイおにぎり食ってたのは笑った】

秋穂「……いや……まさか……ね」

秋穂「こんな所に行くなんて言ったら……海未おばちゃんは絶対に反対するよね……」

海未「私がどうかしましたか?」

秋穂「え……う、うわぁ……!!!??」

海未「な、なんですか…その化け物でも見るような反応は…」
0380名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:04:30.85ID:VfFuUysO
秋穂「う、海未おばちゃん…。は、入るならノックしてよぉ…!」

海未「しましたよ…返事が無かった上にカギが空いているから何かあったのかと思い心配して…」

秋穂「し、したんだ…そっか」

海未「何かしていたんですか?」

秋穂「い、いや別に!」

秋穂「そ、それより海未おばちゃんは何の用?」

海未「あっ…晩ごはんを作りにきたんです。今日はアルバイトもないと聞いていたので」

秋穂「う、うん…ないよ」

海未「ではキッチンを借りますね」

秋穂「は、はーい…」

スタスタスタ…

秋穂「……やっぱ、言えないよ」ボソッ
0381名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:07:45.99ID:VfFuUysO




ムロタ「そうか…死んでしまったんだね…」

鞠莉「ええ…秋穂ッチの勧めを受け無かったみたい」

千歌「ごめんなさい…私がもっと強く勧めとけば…」

ムロタ「本人たちが選んだ道だ、僕たちが後悔してもどうしようもない」

ムロタ「……話は変わるが穂乃果の姪に話はつけたかい?」

鞠莉「一応、話はしました。ただ悩んでるみたい」

ムロタ「身内に心配はかけたくない……その辺りの事で悩んでいるのかも」

千歌「……秋穂ちゃんが嫌って言うなら私が」

鞠莉「ダメだよ、千歌ッチは顔が割れてる。行くなら秋穂ッチ…もし千歌ッチが行くとしても、やっぱり秋穂ッチも同伴しないと」

ムロタ「“あいどる”の娘、このアドバンテージを活かさないわけはないからね」

ムロタ「それにあそこには…」

鞠莉「……?あそこにはなぁに?」

ムロタ「いや、なんでもない…まぁ最終的に彼女なら行く決断をしてくれるだろう…。もしダメだったなら、また僕に相談してくれ」
0382名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:11:07.71ID:VfFuUysO
-翌日- 〜学校〜

秋穂「………」ボー

「おーい、高坂」

秋穂「…?」

教師「何を黄昏てんだ、教室閉めるから出ろ」

秋穂「……はい」ゴソッ

ガララ、ガチャン

秋穂「………」

教師「なぁ高坂、いったいいつになったら血の大晦日のレポート出す気だ?」

秋穂「………“あいどる”を誉めそやす文なんて書きたくないもん」

教師「まぁ…お前ならそう言うと思ったわ」

教師「だからもうレポートは書かなくていい、代わりに“あいどるランド”に研修行ってこい」

秋穂「……研修って何のためにですか?」

先生「いやなに…校外学習みたいなもんだ、これ行かないと進級出来ないと思っとけよ、ただでさえお前は単位ヤバいんだから」

先生「じゃあなっ!」

秋穂「……ちぇ、足元見て……私、そんなに休んでないよ」

秋穂「進級しないと海未おばちゃん怒るかな…?」

秋穂「…うん、怒るだろうな」

秋穂「くそぅ…」
0383名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:14:17.99ID:VfFuUysO
コンコン

鞠莉「どうぞぉ〜」

ガチャ

秋穂「理事長」

鞠莉「あら秋穂ッチ、どうするか決めたの?」

秋穂「決めたよ…。行く、確かめたい事もあるし」

秋穂「というか理事長…なんか根回しした?」

鞠莉「No!私はダーティーな事は好きじゃないの」

鞠莉「……でも良かった、果南にも連絡しとくね」

秋穂「……あのさ、一つお願いしたい事が」

鞠莉「んー?」

秋穂「私が行く事は内密にお願い、あんまり心配とかかけたくないからさ…」

鞠莉「……園田海未の事ですね?」

秋穂「」ギクッ

秋穂「まぁ…それはそうとして、出発とかはいつするの?」

鞠莉「一週間後の早朝にバスが出ます、団体ツアーですよ」

鞠莉「詳細は日を追って説明するから、今日は帰って結構よ」

秋穂「……わかった」
0384名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:16:18.90ID:VfFuUysO
秋穂「」スタスタ

秋穂「……ん?」

千歌「あっ」

千歌「…やっ、今日はどうしたの?」

秋穂「“あいどるランド”…行くことを伝えに」

千歌「そ、そっか……気をつけてね」

秋穂「……うん」

千歌「……先輩、今日は署に来てなかったよ」

秋穂「……そうなんだ」

千歌「ごめんね…」

秋穂「何で謝るの?あなたが謝る必要なんて…ないよ…」

千歌「………」

秋穂「私、行くね…」

千歌「あっ…うん…」

秋穂「………」 スタスタ

秋穂「私が全部終わらせなきゃ……穂乃果おばちゃんの為にも……」
0385今日はここまで(光)
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2020/07/04(土) 02:18:55.51ID:VfFuUysO
-1週間後-

トントン

秋穂「…よし、じゃあ行こっか」

大家「こんな朝早くからどこに行くんだい」

秋穂「あっ大家さん!おはようございます!えーと……ちょっとテーマパークに……」

大家「そうかい……ほら、掃除の邪魔だから退くんだよ」サッサッ

秋穂「あっと…すいません、それじゃ!」

秋穂「…………」

スタスタ……タッ…ダダダダ!

秋穂「やってみせる、私が…」


秋穂「私やる…やるったらやる!!」

第4章「最後の希望」-完-
0387名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:36:00.49ID:VfFuUysO
第5章「あの日その時この場所で」

ブロロロロッ…

「はーい、みなさん!今回のツアーのガイドを務めさせていただきます私!はっちゃけお姉さんです!」

ガッハッハッハッハッ

秋穂「……」

果南「……あのさ高坂さん」

秋穂「ん?あぁ、秋穂でいいよ」

果南「そう?なら秋穂…マリーも言ってたけど今回、少しでも危険だと感じたら直ぐに逃げるんだよ?」

秋穂「……うん、わかってる」

果南「……何か行く目的があるの?」

秋穂「目的っていうか…」

秋穂「……もしかしたら、会えるかもしれないから」

果南「誰に?」

秋穂「………」

果南「……?」
0388名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:39:22.01ID:VfFuUysO
キッ

ガイド「みなさん着きましたよ〜!!ここが“あいどるランド”です!」

ゾロゾロ…

ガイド「では、ここからは一旦自由行動ですので!皆さんお好きなアトラクションへどうぞ!」

ガイド「正午に再度集合願います!」

果南「正午まで時間あるね…私たちはどうする?」

秋穂「……寝たい」

果南「へ?」

秋穂「朝早かったから眠いんだよぉ…」

果南「そ、そう?えっと…どこかにベンチは…」
0389名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:41:28.92ID:VfFuUysO
秋穂「……Zzz」

果南「(マイペースな子だなぁ…)」

果南「はぁ〜、暇だなぁ〜…」ボー

果南「ん?」


「さっきの乗り物超楽しかったなぁ!!」

「おーおーおー!」ポイッ

カンカラッカラカラ…


果南「ポイ捨て……っ、ここは人生の先輩として一言ガツンと……」

果南「って、え?」


サッサッサッ、ガシャン

「………」


果南「……(清掃員の人かな?……仕事早いなぁ……)」


「………」ジッ


果南「(えっ…なんか見られてる?)」

秋穂「……ムニャ」ゴロンッ

果南「あ」

ドサッ!!

秋穂「ぐえっ…!?」


「…あっ」サッ!!!


果南「あ、逃げた……何なんだろ?」
0390名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:43:43.43ID:VfFuUysO
果南「よいしょっと…」

秋穂「ん〜…Zzz…」

トサッ

果南「ふ〜…しかし、ベンチから落ちてよく起きないなぁ…」

秋穂「……ふふっ……Zzz……」

果南「…結構大人びた子なのかと思ってたけど」

秋穂「ムニャムニャ……うふふ、海未おばちゃん……♪」

果南「クスッ…割と子供っぽいところもあるのかな」
0391名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:46:41.19ID:VfFuUysO
ユサユサ…

秋穂「うぅ……んぅ……?」

果南「起きて秋穂、時間だよ?行こ」

秋穂「はぁい……」クシクシ

果南「シャキっとしなよ〜?むしろ今からがメインなんだから」

秋穂「うぅん…そうだね…よし、行こうか…」

果南「うん」

果南「(……寝言は聞かなかったことにしよっか)」
0392名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:50:11.33ID:VfFuUysO
ガヤガヤ

ガイド「はい!では、お次は皆様をバーチャルアトラクションへとご案内させていただきます!」

果南「これだ、多分…このアトラクションに何か秘密が」

秋穂「………」

ガイド「スクリーンに注目です!」

ガイド「今から悪の団体、史上最低のチーム、ホノカ一派の紹介を立体映像を交えて説明していきます!」

秋穂「……!!」

秋穂「……っ、こんな事だろうと思った」

果南「でも何か掴めるかもしれない…耐えて」 」

秋穂「……わかってるよ」

果南「(……ホントにわかってるのかな)」
0393名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:53:29.58ID:VfFuUysO




ガイド「さて、お次は絢瀬絵里! 通称エリーチカ!」

ブワンッッ!!

「うわああああぁぁ!!!」

ガイド「この冷酷な目…如何にもテロリストですね」

秋穂「」プルプル

果南「……耐えて」

秋穂「……」コクッ

ガイド「つい先日までは収監されていたようですが……現在は脱走、アメリカ国内に潜伏中との事です!」

秋穂「!!」

ガイド「怖いですねぇ〜!もういっそ殺してしまえば!と思いますね!」

果南「よかったね…もうすぐ来てくれるかもしれないよ?」

秋穂「……うん」

秋穂「(絵里おばさんが…来てくれる)」
0394名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:57:12.82ID:VfFuUysO
ガイド「最後はこの…世紀の大悪人!!」

ガイド「高坂穂乃果!!!」

ブワンッッ!!

「うわあああぁぁぁ、ひいいいぃぃ!!!!!」

秋穂「…………」ワナワナ

果南「…………」

ガイド「世界を滅亡へと追いやろうとした……悪魔です!!!」

ブーブーブーブーブー!!

秋穂「……ッ」ギリギリ

秋穂「……ッッッ」グシャッッ

果南「こらこら、そんなに噛んだら唇切れるよ…」

果南「制服も破れちゃうし…」

秋穂「わ…か…って…るぅ…よぉ…」

果南「(……この子、やっぱりわかってない!)」
0395名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:00:09.09ID:VfFuUysO
ガイド「続きましては、予てより検討されていました“あいどる”のイメージソングについて」

ガイド「作詞・作曲を担当するのは現在も一線でご活躍中のハターキ先生に決定しました!」

「いえええええぇぇぇぇい!!!」

ガイド「ハターキ先生は今回ご自身で初作曲との事で“あいどる”も『偉大なるお方、楽しみです』と期待を寄せています!」

ガイド「続きましては……」





ガイド「ではみなさん!明日に備えて、今日はおやすみなさい!グッバイ!」

ゾロゾロゾロ…

果南「とりあえず、マリーには私から連絡しておくよ」

秋穂「……うん」

ガイド「おっとその前に!スマホなどの貴重品はこちらでお預かりさせていただきます!」

果南「………」

秋穂「………」

ガイド「さぁ!こちらのボックスに!!」

ワイワイワイワイ…

秋穂「どうするの…?」

果南「まぁ…大丈夫だよ…」
0396名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:05:54.34ID:VfFuUysO
〜理事長室〜

果南『うん…うん…そう』

果南『絵里さんが生きてる事はわかった……今はアメリカにいるらしいよ』

鞠莉「そう……それはよかったわね、希さんと海未さんも喜ぶことでしょう」

果南『ただ…みんなについての有益な情報は得られなかった…』

鞠莉「……まだ明日がある、何か絶対に」

果南『そうだね、明日……うわっ!?ちょ、いやっ……!』ブツンッ

鞠莉「え、果南!?ちょっと果南!返事なさい!!」

プープープー

鞠莉「………」サァー

鞠莉「これは…もしかしたら…ヤッバイかもね…」
0397名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:09:11.00ID:VfFuUysO
〜ホテル自室〜

果南「うっ…」

ガイド「ダメですよ松浦さん!」ニッコリ

ガイド「スマホ類は預かるって言ったじゃないですかー!では研修期間しっかり預かっとくので!グッバーイ!」スタタタタタタタタ

キィ、バタンッ

果南「………」

果南「って…えぇ?なんで電話してる事が分かったの…?電波…?」

果南「もしかして監視カメラ?」

果南「そうだ、監視カメラだ…!まずい、秋穂にも伝えなきゃ」

果南「でも、秋穂の部屋は別棟だから一回外に出ないとダメか…」
0398名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:12:50.69ID:VfFuUysO
果南「早く早く…!」タッタッタッ

「脱走者発見ッッ!!!」

果南「!?」

果南「(まずい!隠れないと!)」サッ!


女子高生「キャア!!」

ガイド「もう逃げられないわよ」ニッコリ

女子高生「やめて!離して!」

ガイド「大丈夫よ!大人しくしなさい」ニッコリ

女子高生「やめっ…!うっ…」バタッ


果南「(眠っちゃった……あの子にいったい何をする気なの?)」


ガイド「ボーナスステージ!1名追加です!」ニッコリ

職員1「サンキュー!」
職員2「サンキュー!」
職員3「サンキュー!」
職員4「サンキュー!」


果南「(ボーナスステージ…?)」
0399名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:15:45.26ID:VfFuUysO
ガイド「・・・」チラッ

果南「うっ…!」

果南「(し、しまっ…嘘ッ…!目…あっちゃった…!)

ザッザッ

果南「(こっちに来てる!!うっ……どうしよう……応戦する?でもそんな騒ぎ起こしたら……)」

果南「(誰か…誰か助けて…!)」

ザッ

果南「……〜〜!」

「………」

トントン

果南「えっ?」クルッ

フッ…

果南「あっ……えっ……こ……Zzz……」 バタッ

「………」

スッ、サササッ…
0400名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:26:00.68ID:VfFuUysO
ズル…ズル…ズル…

果南「スー…スー…」

「……はぁはぁ」

「」キョロキョロ

ガチャリ

秋穂「待って!!」

「」ビクッ!!

秋穂「その人をどうするつもり?」

「!……っ」プイッ

秋穂「……ッ!!」

秋穂「あなた…もしかして…」

「ち、違う!私は違うよ…!全然違うから…!」

秋穂「この声…やっぱりそうだ…花陽おばさん…だよね?」

花陽「……!!」

花陽「……わ、私……私は……花陽おばさんじゃ……ないから!!」

秋穂「やっぱり……花陽おばさんだ!!」
0401名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:29:25.99ID:VfFuUysO
スタスタスタ…

花陽「………」

秋穂「花陽おばさん」

花陽「………」

秋穂「ねぇ!花陽おばさん!」

花陽「………」

秋穂「…ッ!ねぇってば!!!」

花陽「わ、私は花陽じゃないから!人違いだから……早く……か、帰りさない!」

秋穂「……嘘ばっか」
0402名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:31:10.42ID:VfFuUysO
スタスタスタ…ピタッ

秋穂「……?なんで止まるの?」

花陽「……はぁ」

秋穂「何もないよ?」

秋穂「上も、下も、右も、左も…壁!壁!壁!壁っ!」

秋穂「なんでこんなところに?」

花陽「」コンコンコンコンコンッ

秋穂「……?なにやってるの?ドアじゃないよ?そこ、壁だよ?」

ギィ…

秋穂「わっ…壁に隠し扉が!?」

花陽「」スタスタ

秋穂「あ、ま、待って…!」
0403名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:36:27.56ID:VfFuUysO
ザッ…!

「お帰りなさい!リーダー!」

秋穂「り、りーだぁー?」

花陽「ただいま」

花陽「先にこの子をお願い、向こうで寝かせといてあげてくれるかな」

果南「ん…んぅ〜…」

「了解しました!」

秋穂「……ここって、花陽おばさんの秘密基地?」

花陽「だから…私は花陽おばさんじゃ…!」

秋穂「…っ、あっそう!違うんだ!じゃあ、あそこに飾ってある写真はなに!?」

花陽「!!」

秋穂「昔のμ'sの写真…あれ、メンバー以外は持ってないはずだよねっ!!」

花陽「……ッッ!」
0404名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:40:19.72ID:VfFuUysO
ダダダダダダッ…!

秋穂「……ん?」

花陽「あっ……」

ダキッ!

凛「かーよちん!おかえり〜!」

花陽「あ…ちょ、ちょっと凛ちゃん…!」

凛「んにゃ…?」

秋穂「り、凛おばちゃん……」

凛「あ、あれ…?もしかして…」

にこ「花陽〜…あんた、帰ってるなら言いなさいよねぇ…」

にこ「ったく、なんであんな子連れてきたのよ…って」

秋穂「に、にこおばちゃんまで…」

にこ「あっ…秋穂…?」

花陽「〜〜〜!!……はぁ、うぅ……」

にこ「花陽?な、なんで秋穂を連れてきたのよ!?」

秋穂「ほら、やっぱり…花陽おばさんなんじゃん…」
0405名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:44:07.80ID:VfFuUysO
秋穂「なんで…しらを切るの?」

花陽「………」

秋穂「花陽おばさん…私ずっとおばさんのこと!」

凛「ま、待って!秋穂ちゃん!」

秋穂「……凛おばちゃん達は隠したりしないのに!なんで花陽おばさんは!」

凛「ち、違うんだよ…秋穂ちゃん!かよちんの話、聞いてあg…」

にこ「…凛」

凛「にゃ?な、なに?どうしたのにこちゃん?」

にこ「……花陽は多分、話す気ないわよ」

秋穂「……なんの話?」

凛「でも!ちゃんと話さないと秋穂ちゃんにも伝わらないよ?」

凛「伝わらないままなんて、秋穂ちゃんもかよちんもかわいそうだよ…」

にこ「……いいわ秋穂」

秋穂「えっ、なに?にこおばちゃん」

にこ「私から話すわ」
0406名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:47:34.20ID:VfFuUysO
にこ「いいでしょ?花陽」

花陽「………」

にこ「…っ、まぁいいわ」

にこ「単刀直入に言うと、花陽はあんたに会いたくなかったのよ」

秋穂「…え?」

凛「ちょ、ちょっとにこちゃん!」

花陽「………」

にこ「…いいから聞いてなさい」

秋穂「な、なんで?私は…おばちゃん達と会えて嬉しいよ…?すごく安心もしたし…」

にこ「勘違いしないで。別に花陽はあなたが嫌いだから会いたくなかったわけじゃない」

秋穂「どういうこと…?」

にこ「…心配なのよ、花陽は」
0407名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:50:48.66ID:VfFuUysO
にこ「あの血の大晦日で穂乃果が…あぁなったのは自分のせいだって」

秋穂「そんな…!花陽おばさんは全然悪くないよ!悪いのは…そう、“あいどる”だよ…」

凛「秋穂ちゃんあのね…かよちんは昔、穂乃果ちゃんと同じユニット組んでたりもして、人一倍穂乃果ちゃんに対して思い入れがあるんだ」

にこ「ましてや花陽の性格で、あの事に負い目を感じないわけがない」

秋穂「………」チラッ

花陽「……ッ!」サッ

秋穂「……そっか」

凛「だからね、ここで秋穂ちゃんに何かあったら…って、かよちんは考えちゃうんだと思う…すごく心配なんだと思う」

秋穂「………」スタスタ

にこ「秋穂…?」

秋穂「………」ピタッ

花陽「うっ…」クルッ

凛「……!秋穂ちゃんお願いにゃ!かよちんを許してあげて!」

秋穂「………」

花陽「〜〜!」
0408名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:54:51.00ID:VfFuUysO
ギュッ

花陽「……え」

秋穂「……」ニコッ

秋穂「さっきも言ったじゃん…。私、花陽おばさんの事…本当に恨んでなんかいない…」

花陽「………」

秋穂「今日、会えて良かったと思ってる…。凛おばちゃんにもにこおばちゃんにも」

秋穂「花陽おばさん…。全然負い目なんか感じなくていいんだよ…そんなこと…」

花陽「……っ」プルプルッ

秋穂「………ありがとう、私のこと想ってくれてて」

花陽「!」

クルッ

秋穂「あっ…」

ダキッ!

花陽「私も……私も本当は、ずっと会いたかったよぉ…!」

花陽「ずっと…ずっとずっとっ!!」

花陽「ごめんね…ごめんね!秋穂ちゃん…!!」

ギューー!!

秋穂「…うん、全然、平気だよ…」


にこ「ふぅ、まったく、世話焼かせるんだから…」

凛「グスッ、うんうん…流石にこちゃんにゃ…凛、感動しちゃったよぉ…」
0409名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:02:26.29ID:VfFuUysO




花陽「少しでも穂乃果ちゃんの穴を埋めるようと思ってリーダーを引き受けたんだけど…」

花陽「やっぱり私なんかじゃ全然で…本当はにこちゃんが適任だと思うんだけど…」

にこ「バカ言わないで。あんたが作ったグループなんだからあんたがリーダーよ」

にこ「それに…私はここにいる時間も短いんだし」

凛「みんながまとまってやっていけてるのはかよちんのおかげだと思うけどな〜」

凛「だから、うん!やっぱりかよちんが適任!」

花陽「え、えぇ〜、そうかな…」

秋穂「ふふっ…流石だね」

花陽「あ、ありがとう…」
0410名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:10:59.83ID:VfFuUysO
花陽「……あのね、秋穂ちゃん。これは秋穂ちゃんを子供扱いしてるから言うわけじゃないんだけど……」

秋穂「ん…?」

花陽「これ以上はダメ、今すぐ帰った方がいい」

秋穂「え、な…なんで?」

花陽「それは…」

ゴソッ…

花陽「…!」

果南「うっ…」

にこ「起きたみたいね」

凛「大丈夫だった?」

果南「え、あっ…は、はい……あの、ここって……」

秋穂「花陽おばさんが助けてくれたの」

果南「花陽おばさんって…」チラッ

花陽「…おはよう」ニコッ
0411名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:16:06.58ID:VfFuUysO
果南「あっ、μ'sの…」

秋穂「それで、花陽おばさん…帰った方がいいってどういうこと?」

秋穂「いったいここには何があるの?」

花陽「……」

花陽「……ボーナスステージ、あそこに行ったら最後だよ」

秋穂「ボーナスステージ…?」

にこ「あんた達、研修生としてここに来てるんでしょ?」

秋穂「うん、まだ1日目だけど」

にこ「なら、明日にでも見極めされるわね」

果南「見極め?」

にこ「なんて事無いわ、ただμ'sのメンバーをVRゲームで殺してポイントを取るシンプル極まりない遊び」

果南「うっ…」

凛「なんて事ある気がするけど…ほんと酷すぎだにゃ!」

花陽「ゲームとはいえ……秋穂ちゃんに穂乃果ちゃんを撃ってほしくはないから」

にこ「……というより、撃てないでしょ?」

花陽「……だからここにいても、もう意味は無いんだよ?」

秋穂「………」
0412名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:22:43.57ID:VfFuUysO
にこ「ボーナスステージに行けば、あんた達の知りたい情報も何か掴めるかもしれないわ」

果南「(…なら!そこに行けばAquorsについても何か…)」

花陽「……ここに入ったら必ず“卒業”しないといけない。絶対に見極めはさせられるけど…安心して、ボーダーを下回れば、その時点で“卒業”、帰れるよ」

凛「わざわざゲームをやる必要は無いってことにゃ」

果南「………」チラッ

秋穂「……わかったよ」

花陽「うん、わかってもらえてよかった…」

果南「(まぁ、そりゃそうだよね……)」ガクッ

にこ「・・・」
0414名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 15:27:58.80ID:VfFuUysO




ギィ…

花陽「じゃあ、海未ちゃんや希ちゃんによろしくね」

凛「凛たちは元気だってねー!」

秋穂「うん、ちゃんと伝えとく」

秋穂「……じゃあ、また」

花陽「うん、気をつけてね」

秋穂「うん…」クルッ

スタスタスタ…

花陽「……大きくなったんだね」

凛「そうだね〜、昔はあんなに小さかったのに…」

にこ「……花陽、あの子」

花陽「ん?」

にこ「……いや、やっぱりなんでもないわ」

花陽「……?」
0415名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 15:30:23.33ID:VfFuUysO
スタスタスタ…

秋穂「松浦さん…」

果南「あっ、今更だけど私も果南でいいよ?」

秋穂「そっか、ねぇ果南さん」

秋穂「私、ボーナスステージに行くよ」

果南「えっ!?」

果南「でも花陽さん達に…」

秋穂「花陽おばさんはああ言ってくれたけど…私、手ぶらで帰る事なんて出来ない」

秋穂「理事長と約束したしね」

秋穂「それに花陽おばさん達に頼ってばっかりじゃダメだと思うし…」

果南「秋穂…」

秋穂「見極めだっけ……とりあえずそこで目に止まらないと話にならないけど」

果南「そうだね……」

秋穂「はぁ……」

秋穂「憂鬱だなぁ…」

果南「え?」
0419名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:20:19.40ID:GMUchzye
-翌日-

バキュン、バンッ、バンバンッ!!

ピンポーン!

ガイド「素晴らしいですね二人とも!」

ガイド「高坂さんに松浦さん、過去最高得点を叩き出して、1.2フィニッシュでしたね!」

秋穂「……っ」

ガイド「では、今回の成績優秀者達をボーナスステージへとご案内します!」

ガイド「サンキュー!!」

「サンキュー!」「サンキュー!」「サンキュー!」

ガイド「ではボーナスステージ行きのチケットを掴んだ皆さんは私についてきてください!」
0420名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:22:19.06ID:GMUchzye
ザッザッザッ…

果南「……よく出来たね?」

秋穂「あんなの、穂乃果おばちゃんじゃないもん…」

秋穂「穂乃果おばちゃんや絵里おばさんを悪者に仕立て上げようとする連中が作り上げた偽物」

果南「……そっか」

果南「(それがわかってても、やっぱり機嫌は斜めなんだね…)」

秋穂「……ボーナスステージ、何があるんだろう」

ザッ

果南「!」

ガイド「つきました!ここからはボーナスステージへの切符を掴んだ者だけが踏み入ることの出来るゾーン!意気に感じてくださぁい!」
0421名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:24:52.89ID:GMUchzye
ガイド「こちらのヘッドギアをお付けください」

果南「な、なにこれ…?」

カチャカチャ…

ガイド「……ふふっ」

ガイド「準備はいいですね!?」

秋穂「………」

ガイド「あなた達は今から凄いものを観れる……いや、拝めるのよ!」

ビリッ……ビリビリ……!

秋穂&果南「…っ!」

ガイド「途中、何があっても勝手に退場しようとしないでくださいね!」

果南「……だ、大丈夫なのこれ?」

ガイド「ではお二人様を、夢の国に……ごあんなーい!!」

職員「あんなーい!」
職員「あんなーい!」

ガイド「ポチッと!」

秋穂「うっ…!」

果南「ぐっ…!」

グルッ!!ギリリリリリ!!ギュルルルル!!ギュルン!!
0422名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:27:59.36ID:GMUchzye




果南「う…うぅ…」

果南「ここ…は…?」

果南「あれ、秋穂は…」キョロキョロ

果南「いない…連絡取らないと…」

果南「…あっ、そういえばスマホ返してもらってない…」

果南「……見慣れない場所だけど」

果南「どこなんだろう、ここ?」

フッフッ、ハッハッ…フッフ、ハッハッ…

果南「……?」

果南「何の音?」
0423名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:31:17.80ID:GMUchzye
【黄金米・GOHAN】

穂乃果「えへっ、あはは!」

花陽「わ〜!!!!」

花陽「ハッ……んん……!!」ブンブンッ

穂乃果「へへ、ふふふ!!」

花陽「うぅ〜!」ブンブンッ

花陽「穂乃…!」

タタタタタタ

パシッ

花陽「ふぇっ!?」

穂乃果「へ?」

果南「ちょっと来て!!」

花陽「えぇっ!?ちょっと…!だ、誰か…タスケテー!!」

・ ・ ・

穂乃果「……ありゃ〜、行っちゃった……花陽ちゃんの知り合いなのかな?」
0424名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:36:18.23ID:GMUchzye
花陽「はぁ…はぁ…」

果南「あの…花陽さんですよね?」

花陽「えっ、そ、そうです…けど…」

果南「よかった〜、知り合いに会えて〜」

花陽「知り合い…?あれ?私たちどこかで…?」

果南「なに言ってるんですか?昨日お会いして…」

花陽「昨日!?昨日は私…練習してたから多分、会ってないと思うけど…」

果南「あの!そこよりここってどこなんですか?花陽さんもなんか…若返った?」

花陽「えっ?どこってここは…音ノ木坂です」

果南「音ノ木坂…?ん?」

果南「え、えっとぉ…花陽さん今おいくつですか?」

花陽「…じゅ、15歳です」

果南「15歳…?」

花陽「はい…15歳…」

果南「(あれ…ってことはここは…2010年…?)」

果南「……これが、ボーナスステージ?」

花陽「……?」
0425名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:40:39.29ID:GMUchzye
花陽「あの、私そろそろ行かないと…ダイエ…ランニングの最中なので…」

果南「あっ…ご、ごめんなさい」

花陽「し、失礼します…」

果南「(ま、マズイ!このまま私一人で行動しても何もわからない…!せっかく秋穂のおかげで来れたんだし、何か情報を手に入れないと…!)」

果南「あの!良かったら付いて行っていいですか?」

花陽「え?」

果南「そ、その…μ'sの練習風景とか見たくて…」

花陽「……え、えっと……うん、いいと思います。みんな良いって言うと思う……」

果南「ありがとうございます!」
0426名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:47:43.26ID:GMUchzye
海未「花陽はどうしたんですか?」

穂乃果「なんか知らないお姉さんに連れて行かれてたよ?」

海未「知らないお姉さん?」

希「それ、花陽ちゃん大丈夫なんかなぁ?」

にこ「まさか誘拐とかじゃないでしょうね…」

ことり「そ、それはないんじゃないかなぁ…」

真姫「高校生なのよ?そんなことあるわけないでしょ…。花陽は結構しっかりしてるんだし」

凛「どうだろう…かよちん、ご飯ご馳走するって言えば人が変わるから」

海未「なぜ止めなかったんですか?」

穂乃果「だ、だって〜!知り合いなのかなぁ?と思って…」

海未「呆れた…。本当に人攫いだったらどうするつもりですか!」

凛「えぇ!?やだやだ!そんなの絶対嫌だよ!!穂乃果ちゃん酷いにゃ!!」

穂乃果「ま、まだ決まったわけじゃないよ〜!!」

フッフッフッ…ハッハッハッ…

絵里「あら…帰ってきたみたいよ?」

花陽「うっ…た、ただいま帰りましたぁ〜…」バタッ…
0427名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:54:59.27ID:GMUchzye
海未「大丈夫ですか花陽?ずいぶん遅かったですが…」

花陽「ご、ごめんなさい…」

穂乃果「あれ、花陽ちゃんあのお姉さんは?」

花陽「もうすぐ上がってくると思うけど…」

タッタッタッ

果南「お〜、ここが神田明神!あっ!それにμ'sのみなさん!」

凛「わぁ〜、オトナって感じするにゃ〜!」

希「この人がさっき言ってたお姉さん?」

花陽「うん。えっと…えーっと…あのっ…名前聞いてもいいですか…?」

果南「あっ、松浦果南です!いや〜、μ'sの皆さんに会えて光栄です!」

穂乃果「お、おぉ〜!こっちこそ光栄ですっ!こんなお姉さんからも応援されてるなんて!」

果南「あっ…は、はい…あはは…穂乃果さんからお姉さんって…なんか複雑…」

穂乃果「是非!μ'sの練習見ていってください!」

果南「あっ、ありがとうございます!」

穂乃果「よーし!!じゃあ花陽ちゃんも帰ってきたしダンスレッスンだー!!」

海未「穂乃果と花陽は別メニューです!」

穂乃果「ぐっ…!」

絵里「地道にやれば成果も出てくるわ、頑張りなさい」

穂乃果「うぅ…はーい…」
0428名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:02:11.47ID:GMUchzye
果南「(あっ、そうだ…大事な事聞かないと)」

果南「あの!」

穂乃果「ん?」クルッ

果南「この中に…」

ことり「中に?」

果南「“あいどる”はいますか!?」

・・・ポカーン

果南「あっ、いやその…」

クスッ…

果南「…!」

穂乃果「みーんな!本当のアイドルだよ!」



0429名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:05:05.39ID:GMUchzye




スタスタスタ

秋穂「ここって…確か」


「いったぁーい!」


秋穂「この声…」

秋穂「…!」タッタッタッタ


ことり「穂乃果ちゃん、もうやめようよ〜!」

穂乃果「まだまだ〜!次こそ出来るっ!」


秋穂「穂乃果…おばちゃん…」

秋穂「……ちっちゃい時から変わってないんだなぁ」


穂乃果「とぉぉーー!」

ラララララ♪

穂乃果「!」

穂乃果「〜〜♪とぉー!」ピョーン


女の子「えへへっ」

秋穂「今の鼻歌…あの子が?あの曲は確かSUNNY DAY SONG…」

秋穂「……あの子、まさか!」

ギュル!!!

秋穂「うっ…な、なに!?」

ギュルルル!!!
0430名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:10:28.37ID:GMUchzye
秋穂「……うっ」

秋穂「なに…?また場所が変わった…?」

秋穂「あれ?この場所…見た事あるような…」

「うぅ〜…」ゴソッ

秋穂「!?」

穂乃果「ギモヂワルィ…」

秋穂「…!!」

穂乃果「んっ…だぁれ…?」

秋穂「穂乃果おばちゃん…」
0431名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:15:04.73ID:GMUchzye
穂乃果「はぁ…穂乃果おばちゃんって…私?」

穂乃果「あなたは…?」

秋穂「あっ…えっと…あの、私、調べないといけない事があるんだけど…手がかりとかがなくて…」

秋穂「μ'sのみんななら何か知ってるかもって」

穂乃果「……私がさぁ……熱出しちゃったから、ラブライブにも出れなくなって」

秋穂「そんな!穂乃果おばちゃんのせいじゃ…ないよ…」

穂乃果「……ありがとうね、でもみんなに迷惑かけちゃった事に変わりはないから。ゴホッ……私、リーダーなのに」

穂乃果「……みんななら……部室にいるのかなぁ……でも今は……流石にいないかな……」

秋穂「…部室。行ってみる!ありがとう!」ダッ

穂乃果「うんぅ……頑張ってぇ……」

秋穂「」ピタッ

穂乃果「んぅ…?」

秋穂「」ダダッ、ダキッ!

穂乃果「!」

秋穂「私が……守るから、絶対……穂乃果おばちゃんの頑張り、無駄にしないから……!」ギュー

穂乃果「え……え……?」

スッ…

秋穂「…またね」

タッタッタッ…ガラッ、タッタッタッ


穂乃果「」ポカーン

穂乃果「……な、なんか……すごい夢……」バタッ
0432名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:18:40.46ID:GMUchzye
〜音ノ木坂学院〜

タッタッタッ

秋穂「もうこんな時間だし、誰もいないかな」

秋穂「よっ…と」スタッ

秋穂「さて、穂乃果おばちゃん達の部室はどこだ…」

〜アイドル研究部部室〜

秋穂「…ここだ、アイドル研究部」

秋穂「………」

秋穂「」ガチャリ

・・・シーン

秋穂「……まぁ、そりゃ誰もいないよね」
0433名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:20:24.41ID:GMUchzye
秋穂「………」キョロキョロ

ゴソゴソ…

秋穂「ミナリンスキー?のサイン色紙…」

秋穂「あっちは衣装かな?」

秋穂「そうだ!パソコンに何かあるかも…」

秋穂「起動ボタンは…」

ガチャ

秋穂「…ッ?」クルッ

“あいどる”「やぁ……秋穂」

秋穂「…!!!」

秋穂「“あいどる”…!」
0434名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:24:30.08ID:GMUchzye
秋穂「……」ジリッ

“あいどる”「……」

秋穂「何しにここへ…?」

“あいどる”「何をしにって、娘に会いにきたんだよ」

秋穂「娘…?」

“あいどる”「うん、雪穂ちゃんと私の…可愛い可愛い娘にね」

秋穂「……は?」

秋穂「……私があなたの……娘?」

秋穂「……ふざけないで、あなたが親な訳がない」

“あいどる”「本当にそうかな?」

秋穂「……何が言いたいの?」
0435名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:30:42.34ID:GMUchzye
“あいどる”「人が人を評価するのは固定観念でしかないということだよ」

秋穂「………」

“あいどる”「秋穂、君は私を悪だと認識しているでしょ」

秋穂「……ッ!当たり前でしょ!あなたが何をしたか……自分でもわかってるはず!!」

秋穂「穂乃果おばちゃんだって……あなたが!」

“あいどる”「人間、一度そう思われたら、もうおしまい」

“あいどる”「雪穂ちゃんは盲信して、私を一方的に非難するんだ?」

秋穂「盲信なんかじゃない!あなたと違って、お母さんは何も悪いことなんてしてない!」

“あいどる”「それは君の育った環境と周りにいた大人達の影響でそう思っているだけだよ」

“あいどる”「雪穂ちゃんは悪いことなんてしないっていう固定観念があるのさ」

秋穂「………」

“あいどる”「現に世界中の多くの人たちが私を信じている」

秋穂「……それこそ盲目なだけでしょ?」

“あいどる”「……物事には表と裏が……光と闇が存在する、あなたにとっての裏は……闇は私なんだよ」

秋穂「でも…事実でしょ?」
0436名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:35:36.03ID:GMUchzye
“あいどる”「裏はいつも汚れ役で、不公平なんだ」

“あいどる”「きっとそれは表の存在が大きすぎるから…でもその存在を支持している人間もいて…」

“あいどる”「でもきっといつかそれを…」

秋穂「何を言ってるのか……全然わかんない」

“あいどる”「………」

秋穂「……あなたが何をしようがあなたの勝手、私はそれを止めるだけだから……。でも、その中で私のお母さんを悪く言わないで」

秋穂「あなたの悪事を人のせいにしないでよ…」

“あいどる”「私もお母さんなんだよ」

秋穂「だからッッ……ふざけないで!!!」

“あいどる”「………」

秋穂「そんなわけないもん……!私のお母さんは……私のお母さんは高坂雪穂だけなんだから!!」

秋穂「……ハァハァ」

“あいどる”「秋穂、それも固定観念だよ」

“あいどる”「いい?君にお父さんはいない。君の親は雪穂ちゃんと、私なんだよ」

“あいどる”「君は運命の子…。いや、神の子なんだ」

秋穂「……そんなわけ……ない……ありえない……」
0437名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:37:55.94ID:GMUchzye
秋穂「……あなたは誰なの?」

“あいどる”「………」

秋穂「マスクを外して……!」

“あいどる”「マスクを外したら、私がお母さんだって認めてくれる?」

秋穂「……例えあなたがそうだとしても、人をたくさん殺した殺戮者を親だなんて思いたくない」

“あいどる”「殺戮者は雪穂ちゃん?私?」

秋穂「…は?」

“あいどる”「秋穂、先入観は良くないよ」

“あいどる”「さっきから言ってるのに、人の話を聞かないのは穂乃果ちゃんそっくりだね」

秋穂「……うるさい!」

ダッ!

秋穂「あなたが穂乃果おばちゃんを語らないで!!」

“あいどる”「……」

バッ!

秋穂「……!取ってやる!」

“あいどる”「……娘に顔を見られるくらい、なんてことはないよ」

秋穂「……ッ!」
0438名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:42:14.85ID:GMUchzye




ダダダダダダダダダ

花陽「…?」

にこ「はぁ…はぁ…はっ…」

花陽「どうしたのにこちゃん?そんなに慌てて…」

にこ「どうしたもこうしたも…はっ…はっ…ないわよ…!」

にこ「あの子たち……秋穂ったら!ボーナスステージに行ってるわよっ!!」

凛「え!?」

花陽「う、嘘…?」

にこ「本当よ…!昨日何か様子が変だとは思ってたけど…案の定じゃない!」

にこ「どうするのよ!あの子たちがもし“あいどる”の顔でも見たら…!」

凛「そ、それだけは絶対にダメにゃ!」

花陽「あの友達の子ならともかく、秋穂ちゃんがあのゲームを突破するなんて…」

凛「凛がもう少し釘を刺しておけば…」

にこ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

凛「そ、そっか……どうしよう!かよちん!」

花陽「………」
0439名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:44:41.31ID:GMUchzye
花陽「もう、強制終了させるしかないね…」

凛「どうやって終了させるの?」

花陽「向こうのサーバーをハッキングして…」

凛「な、なるほど!」

にこ「…無理ね」

凛「え、ど…どうしてにゃ!?」

にこ「そもそも、そんな簡単にハッキングが出来るなら私たちはこんな大変な思いをしてコソコソ活動してない、違う?」

花陽「……それは」

にこ「それに、向こうのガードだって生半可なものじゃないはず」

花陽「……いや、ガード無しの状況を作ればいいんだよ」

にこ「…?」

花陽「“あいどるランド”施設内の電源を全て落として、その間に…」
0440名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:48:12.98ID:GMUchzye
にこ「……その間に直接アクセスして強制的にあの子達を引き戻すのね」

にこ「さっきよりかは現実的な案だけど、誰があの厳重な警備をかいくぐって電源を落としに行くのよ」

花陽「……それは」

にこ「……はぁ」

凛「…凛が…行くよ」

花陽「り、凛ちゃん…!?」

にこ「冗談でしょ凛…あんた、捕まったら何されるかわからないのよ?」

にこ「もしかしたら殺され…」

凛「でも、早くしないと秋穂ちゃん達がっ!」

にこ「……凛」

花陽「……凛ちゃん」

凛「……任せて!もし見つかったとしても凛、絶対逃げ切るから!」

凛「昔よりスピードは落ちてるけど、きっと大丈夫だよ!へへへ…」
0441名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:51:26.96ID:GMUchzye
花陽「わかった…なら、凛ちゃんにお願いするね」

花陽「でも、絶対に無茶はしないで!」

凛「ダメだよかよちん、無茶しないと潜入出来ないにゃ」

凛「それに秋穂ちゃんは…凛たちが守ってあげないと!」

凛「えへへ、大人のかっこよさを見せないとね〜!」

にこ「……凛、気をつけなさいよ」

凛「…うん!」

花陽「電源を落としたらすぐに逃げて!短時間で戻されるだろうけど、その間に…私が!」

凛「わかったにゃ、そっちの方は任せたよ!」

凛「じゃあ…行くにゃ!」
0442名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:59:26.01ID:GMUchzye
にこ「………」

花陽「」ジー

にこ「今からパソコンとにらめっこしてたって仕方ないでしょ…」

にこ「いくら凛でも施設へ到着するまで10分はかかる…」

にこ「それまで気を休めときなさい」

花陽「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「……なに?」

花陽「凛ちゃん、すごく明るく振る舞ってたけど……本当は……」

にこ「……そんなの、私でもわかったわよ」

にこ「でも実際、この中で一番の適任者は凛…。あの子にしか出来ないのも事実よ」

花陽「秋穂ちゃん達を危険に晒した上に凛ちゃんまで…」

花陽「私、やっぱりリーダーには向いてないや…」

にこ「………」

ギュッ

花陽「!」

にこ「しっかりしなさい!小泉花陽!」

にこ「あんたのこの手はなんのためにあるの?」ギュー

にこ「仲間を守るためでしょ!」

花陽「にこちゃん…」

にこ「過ぎたことぐちぐち言って、不向き云々言ってもしょうがないでしょ!」

にこ「ダメな事したなら取り戻せばいいじゃない!」

花陽「あ、ありがとう…」

にこ「…私も凛も」

にこ「期待してるんだから、リーダー」

花陽「…そっか、そうだよね」

花陽「取り戻せばいいんだ…」

花陽「(凛ちゃん……!私に挽回のチャンスを……お願い……)」

花陽「(そして、凛ちゃんと秋穂ちゃん達みんな無事で帰ってきてほしい……)」

花陽「(いや…私が帰らせなきゃダメなんだ!)」
0443名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 14:02:00.72ID:GMUchzye
凛「……結構簡単に入れたにゃ」

凛「誰もいない……秋穂ちゃん達の方に集まってるのかな……」

凛「早くしないと……」ダッ





秋穂「……!」グッ

“あいどる”「……秋穂が雪穂ちゃんの何を知ってるのかな」

秋穂「……黙って!」

“あいどる”「私は…少なくとも秋穂よりは雪穂ちゃんの事を…」

秋穂「うるさい…うるさいうるさいうるさいッッ!!」
0444名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 14:07:11.16ID:GMUchzye
凛「……あそこの部屋だ!」

凛「」タッタッタッタッタッタッ!


警備員1「………」スタスタ、キョロキョロ


凛「!」サッ

凛「(ッ!早くしないといけないのに!)」

凛「…早くどっか行かないかな」チラッ

ミャー

凛「!?」


警備員2「!」ギョロッ


凛「(うっ…ば、バレた…!?)」サッ

猫「にゃー」

凛「(な、何でこんなところに猫ちゃんが…!?)」
0445名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:16:17.71ID:GMUchzye
警備員1「………」

警備員2「………」

警備員3「………」

コツ…コツ…コツ…


凛「………」ナデナデ

猫「んにゃ〜」

凛「…あっ、へっ…くちゅん…!」

凛「えへへ、今、バレなかったかな?」ナデナデ

凛「…本当は凛、猫ちゃん触っちゃダメなんだけど…もしかしたら…だから…」

凛「………」

凛「もし凛がここでダメだったら、かよちん…また落ち込んじゃうよね」

凛「クスッ…やっぱりかよちんは凛がいないとダメだね〜!ね、猫ちゃん…」ナデナデ

猫「にゃ〜」

凛「……凛だって、みんなと一緒の気持ちだもん。穂乃果ちゃんの忘れ形見を……守らなきゃって……!」


警備員「」コツコツコツコツ…!

凛「……またね」ポンポンッ

猫「んにゃあ」

凛「……!」ダッ

警備員1「!」

警備員2「こいつ!?」

警備員3「捕まえろ!!」

凛「強行突破にゃ!」ダダダダダダッ
0446名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:18:02.71ID:GMUchzye




にこ「………」

花陽「遅い…」

花陽「もしかして……凛ちゃん……」

にこ「……凛に限ってそんなはず」

花陽「……やだよ、もうやだ……あの時みたいな想いはもうしたくないよ……」

にこ「………」

にこ「だ、大丈夫だから…!花陽はドッシリ構えて準備してなさい!」

にこ「ほら!向こうの電源が落ちたらパソコンつくようになってるんでしょ!」

にこ「もうすぐつくんだから…!ちゃんとパソコン見てなさいってば!」

花陽「にこちゃん…うん」
0447名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:54:07.56ID:GMUchzye
-10分後-

にこ「……」

ドキ…ドキッ…

にこ「(……あ、あれ?私、もしかして緊張してる……?)」

にこ「(凛を信用してないっていうの…?)」バクバク

にこ「(い、いや…でも、流石に時間だって…)」バクバクバク

にこ「(秋穂たちの方も心配だし……もし、これがダメなら完全にお手上げ……もう秋穂たちは……!)」バクッバクッバクッ

花陽「……お願い」

にこ「……!」

花陽「お願い、凛ちゃん!」

にこ「……そうね、諦めちゃダメよね」

にこ「……頼むわよ!凛!」

にこ&花陽「……ッッ!!」

・・・

にこ&花陽「……!!」

・・・ウィーン、パッ

にこ&花陽「あ…」

花陽「…パソコンが起動した」

にこ「やっ……た」

花陽「凛ちゃん……!やった!」

にこ「あの子、やったわね!」





-“あいどるランド施設外”-

凛「…はぁ…はぁ…」

凛「えへへ…!いくら衰えたとはいえ!凛の脚力ナメないでよね!」

猫「みゃー」

凛「へへ〜、また会えたね!猫ちゃん♪」

凛「……かよちん、にこちゃん、あとは頼んだよ」
0448名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:58:13.81ID:GMUchzye
にこ「花陽、あとは!」

花陽「うん、任せて!」カタカタッ

花陽「この端末からボーナスステージ…アトラクションの中枢に入れるはず…!」

花陽「…これ!」カチッ!

にこ「いけそう!?」

花陽「うん!入り込んだよ!」カタカタッ

花陽「この中に強制終了の項目がきっと…!」グリッ

花陽「はやくっ…はやくっ!」

にこ「……頑張って!」

花陽「……うん!……あった!」

にこ「よし…!やったわね!」

花陽「これで…!」カチッ

【強制終了すると、プレーヤーの身体及び脳内が損傷する可能性があります。よろしいですか?】【はい・いいえ】

花陽「……え?」
0449名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:02:37.62ID:GMUchzye
にこ「ちょ…何よこれ…!」

花陽「……ど」タラー…

花陽「どう……しよう?」

にこ「……花陽、早くしないと、また電源戻されたら!」

花陽「うん、で…でも損傷って…!」

にこ「……っ」

花陽「穂乃果ちゃんなら…どっちに…」

にこ「花陽ッ!」

花陽「……!う、うん、そうだよね……」

花陽「自分で決めないと…でも、こんなの…!」





“あいどる”「君が生まれたのは奇跡なんだよ」

秋穂「喋らないでッ!」

秋穂「……あなたは誰!!」バッ





花陽「〜〜〜!!!」

花陽「え〜いッッ!!」

カチッ

【はい】
0450名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:04:13.86ID:GMUchzye




秋穂「…………!!」

秋穂「……ひ」

グワアアアン

秋穂「うっ…いたっ…!」

秋穂「な、なに…!?」

“あいどる”「…またね、秋穂」





ズキッ

果南「いたっ…!」

果南「な、なにこれ…?」

グワアアアン
0451名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:16:54.80ID:GMUchzye






〜ボノカ一派 アジト〜

秋穂「スー…」

果南「うっ…うぅ…」

凛「……うん」

スタスタ

にこ「どう?」

凛「まだ寝てるよ…友達の子はうなされてたけど…秋穂ちゃんは寝息たててた、多分、疲れたんじゃないかな…」

にこ「そうでしょうね…」

花陽「とにかくみんな無事でよかったよ…」ホッ

凛「かよちんのお手柄だね!」

花陽「そんな、私なんて…最後まで悩んでたし…」

ポフッ

花陽「あいたっ…!」

にこ「そう卑下しないの」

にこ「結局あの二人もなんともなさそうだし、損傷ってのはブラフだったんじゃない?」

にこ「そう考えたら、正解を選んだのは花陽なんだし、あんたのお手柄でしょ?」

花陽「にこちゃん…」

凛「そうにゃ!かよちんもっと自信持つにゃ!」

花陽「凛ちゃん…」

花陽「うん、ありがとう…」
0452名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:26:14.35ID:GMUchzye
にこ「しかし凛はよく無事だったわね…」

凛「昔に比べたら全然だけどね!まだまだ若い子には負けないよ〜!」

花陽「あはは、なんか凛ちゃん…」

にこ「ちょっとおばさんくさいわよ?」

凛「えっ…な、なにそれ!酷いにゃ〜!って…くちゅん!」

にこ「あんた帰ってきてからくしゃみ多いわね…風邪?」

凛「えへへ、ちょっと…」

花陽「でも凄く危なかったんだよね…よく巻けたね」

にこ「でも、侵入者が出たって事で向こうは大騒ぎよ!私たちもこれからは慎重にいかないといけなくなったわね…」

花陽「でも、やっぱり凛ちゃんが無事で何よりだよ」

にこ「まぁ…それはそうだけど、なんか心配し損って感じ」

凛「あれれ〜?にこちゃん心配してくれてたのぉ〜?」クスクスッ

にこ「ち、違うわよ!ちょっと花陽に釣られて!」

凛「またまた照れちゃって〜♪」

にこ「やめなさい…!ちょ、くっつくなぁ…!」


「………」


花陽「ちょっと二人とも〜!」

「おばちゃんたち」

花陽「!」

秋穂「おはよう…」クシクシッ
0453名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:33:59.06ID:GMUchzye
にこ&凛「……」

秋穂「座っていい?」

凛「あっ…うん!もちろん!ご、ごめんね寝てるのに大きい声出しちゃって…!起こしちゃった?」

秋穂「うーうん…仲よさそうだなぁって思って見てたよ」

秋穂「……花陽おばさん、ごめんなさい」

花陽「えっ…な、なんで謝るの?秋穂ちゃん、別に謝るような事してないよ?」

秋穂「私、花陽おばさんの言うことを聞かずに行って…結局、みんなに助けられて…」

にこ「……ま、結果的にみんな無事だったんだから、そんなに気にしなくていいんじゃないの?」

秋穂「……ごめんね」

凛「秋穂ちゃん、知りたい事があったんでしょ?そんなに落ち込む事ないよ!」

花陽「二人の言う通りだよ秋穂ちゃん、大丈夫だから…」

秋穂「……うん」
0454名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:37:13.80ID:GMUchzye
秋穂「私たち結局“卒業”出来たのかな…」

花陽「出来たみたいだよ。秋穂ちゃん達が解放されて帰ってるところに凛ちゃんが出くわしたんだ」

凛「二人ともフラフラでびっくりしたんだよ?」

にこ「引きずって帰ってきたのよね」

凛「腕パンパンになったにゃ…」

秋穂「ありがと…凛おばちゃん」

凛「うん!どういたしまして!」

秋穂「………」

秋穂「………あのさ」

果南「おはようございます〜…」

秋穂「あっ…」

にこ「起きたのね、おはよう」
0455名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:40:56.12ID:GMUchzye
花陽「二人とも起きたし…ちょっと質問してもいいかな?」

果南「は、はい…」

秋穂「うん…」

花陽「」ゴソゴソ

花陽「これ…」スッ

花陽「廃校騒動の時に在籍していた1〜3年生の卒業アルバムなんだけど」

にこ「あんた達“あいどる”の顔は見た?」

秋穂「……!」

果南「私は……見てないです」

果南「μ'sの皆さんと一緒にいました」

花陽「そっか、私たちと…秋穂ちゃんは?」

秋穂「私は…」

秋穂「…見たような気が…する」

花陽「……ッ!?」

凛「え、えぇ!?」

にこ「ほんとに…!?」

花陽「こ、このアルバムの中にその顔をした人はいる?」

秋穂「……探すからちょっと待ってね」
0456名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:50:36.65ID:GMUchzye
秋穂「………」パラ…パラッ…

花陽「………」

パタンッ

にこ「……!」

凛「ど、どう?いた?」

秋穂「ごめん……わからない、思い出せない……」

花陽「そ、そっか…でも、それならそれでいいんだよ」

花陽「あそこで“あいどる”の顔を見たら…ダメだから…」

果南「……?どういう事ですか?」

にこ「あんた達の前にもボーナスステージに行った人間が何人かいたわ」

にこ「その大半は無事に戻ってこれた……戻れたのはよかったんだけど………」

果南「……だけど?」

にこ「全員自ら命を絶ったの。調べた結果、自殺した全ての人たちの共通点は“あいどる”の顔を見たということ」

果南「う、うわぁ…」ゾー

花陽「うん、だから秋穂ちゃんも無理に思い出す必要はないからね」

凛「そうだよ。秋穂ちゃんが思い出さなくても凛たちが絶対に“あいどる”の正体を突き止めてみせるから!安心して!」

秋穂「うん、ありがとう…」
0457名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:54:38.60ID:GMUchzye
秋穂「……私からも一ついいかな?」

花陽「うん!」

秋穂「……私」

花陽「うんうん」

秋穂「“あいどる”の子供なのかな…?」

にこ&凛&花陽「!!?」

果南「い、いや…な、何言ってんのさ秋穂!」

秋穂「だって…“あいどる”がそう言ってたんだもん」

果南「私たちを困惑させようとしてるんだよ!“あいどる”の口車に乗せられちゃダメ!」

秋穂「……私もあの中ではそう思った……ただのデタラメだって……」

秋穂「でも…改めて考えるとなんだか、妙に説得力があって…」

果南「……そんな馬鹿な話」
0458名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:56:41.84ID:GMUchzye
秋穂「おばちゃん達は知ってた…?」

花陽「いや……私は聞いた事ないよ」

凛「凛も初めて聞いた……」

にこ「……寝耳に水よ」

果南「ほら!μ'sの皆さんでも知らないって事は…!」

秋穂「……うん」

にこ「…………」

花陽「……秋穂ちゃん、それが嘘か本当かなんて事はどうでもいいんだよ」

花陽「そんなの気にせずに、秋穂ちゃんは秋穂ちゃんのやりたいようにすればいいんだから……ね?」

秋穂「そう……だよね……ありがとう……」
0459名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:01:12.91ID:GMUchzye
果南「この度はホントにお世話になりました!」ペコッ

花陽「また困った事があったら頼ってね」

果南「はい!ありがとうございます!」

凛「秋穂ちゃんも元気でね!身体壊さないようにね?」

にこ「昨日も言ったけど、海未と希によろしく伝えといてちょうだい」

秋穂「わかった、おばちゃん達も元気でね」

秋穂「じゃあ、バイバイ」

果南「失礼します」

花陽「うん!気をつけてね」
0460名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:07:50.50ID:GMUchzye
ザッ…ザッ…

にこ「……さっきの秋穂の話」

花陽「えっ?」

にこ「“あいどる”が母親って話」

にこ「秋穂がいたから言わなかったんだけど…」

にこ「昔、穂乃果と海未がそんな事話してたような気がするわ」

凛「え、じゃああの話は嘘とかじゃなくて…」

にこ「多分、本当の事でしょうね…」

凛「……でも“あいどる”は女性なんだよ?どうやって雪穂ちゃんと……」

にこ「あいつらの科学力や発明力があれば、どうとでもなるでしょそんなの」

花陽「……何にしても、私たちは秋穂ちゃんを信じるだけだよ」

にこ「そうね……あの子の原動力は穂乃果なんだし……寝返るなんてことはないわよね」

花陽「うーん…いや、寝返る云々って言うよりかは…秋穂ちゃんの思うようにやらせてあげたいなって…」

花陽「それでもし道を踏み間違えそうになったら、私やにこちゃんや凛ちゃん……周りの大人達が教えてあげればいいと思うんだ」

にこ「……そうね」

凛「そうだよね…とにかく、今まで通り接してあげるのが一番にゃ」

にこ「でもあの子……帰ったら多分、海未にも聞くわよ」

にこ「海未は……なんて答えるのかしら」
0461名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:13:29.75ID:GMUchzye
果南「じゃあ私はマリー…理事長のところに寄ってから帰るけど秋穂はどうする?」

秋穂「私は……また後で行くって伝えといて」

果南「了解、じゃあ一旦ここで解散だね」

秋穂「うん…そうだね」

果南「またね」スタスタ

秋穂「うん…」

秋穂「………」スッ

ピッ

プルルルル、プルルル…

『…もしもし?』

秋穂「海未おばちゃん…?あのさ、今から、会えない…?」
0462名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:17:47.31ID:GMUchzye
〜公園〜

秋穂「……」

ザッ

秋穂「……!」

海未「……秋穂」

海未「あなた……どこに行っていたんですか?」

秋穂「………」

海未「……テーマパークですよね」

秋穂「…!誰に聞いたの?」

海未「大家さんです。秋穂…まさかそのテーマパークというのは…」

秋穂「…そう、“あいどるランド”だよ」

海未「……なぜ黙って行くんですか」

秋穂「海未おばちゃんに……心配かけたくなかったんだもん……」

海未「っ!……はぁ、今回だけは不問にします」

海未「それで、話とはなんですか?」

秋穂「……うん」
0463名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:20:31.55ID:GMUchzye
秋穂「私、“あいどる”の子供なのかな」

海未「……!?誰からそれを?」

秋穂「アトラクションの中で“あいどる”が言ってた…」

海未「“あいどる”に会ったんですか…!?」

秋穂「うん…」

海未「な、何かされていないですか…!どこか怪我は…!」

秋穂「大丈夫だよ、なにもされてない…」

秋穂「でも、その発言だけ…すごく気になってるの」

秋穂「……もしかして、海未おばちゃんは知ってたの?」

海未「……それは」

海未「……知らなかったと言えば嘘になります」

秋穂「……!」
0464名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:24:42.02ID:GMUchzye
秋穂「なんで今まで黙ってたのっ!?」

海未「確信が持てなかったからです……。それに、あなたには関係のないこと……それを知ることで色々危険も……」

秋穂「ッッ!!私に関係がない……?」

秋穂「ホントにそう思ってるの!?」バッ

海未「秋穂、落ち着きなさい…」

秋穂「……ッ」スッ

秋穂「……なにか他に隠してることないの」

海未「ありませんよ。それに…別にこの事だって隠していたわけではないんですから」

秋穂「………」
0465一旦落ちます(光)
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2020/07/05(日) 17:28:25.23ID:GMUchzye
秋穂「私…お母さんに会いたい」

海未「雪穂は……お母さんは今も行方知らず、会うのは不可能です」

秋穂「友達の知り合いの人に頼めばすぐ見つかるもん…」

海未「……今、お母さんに会って何をしたいんですか?」

秋穂「……子供がお母さんに会いたいって思うのはおかしいこと?」

海未「いいえ…。ただ、なぜ今なのかと私は聞いているんです」

秋穂「……“あいどる”に言われて気づいたの……私、お母さんの事何も知らないんだって」

秋穂「……“あいどる”が言ってた事も気になるし」

海未「言っていた事?何を言っていたんですか?」

秋穂「……殺戮者って」

海未「殺戮者……?」

秋穂「お願い海未おばちゃん…私、お母さんと会いたいの…お母さんの事を知りたいの」

海未「………」

秋穂「お願い…」

海未「……っ」

海未「わかりました…」
0467名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 15:53:55.74ID:8UYPe4RL
〜理事長室〜

コンコンコンッ

鞠莉「どうぞ」

ガチャ

秋穂「理事長…」

鞠莉「これはこれは…秋穂ッチじゃない。お帰りなさい」

鞠莉「果南から聞いたよ、色々大変だったみたいだね」

秋穂「うん、ホントに…色々ね」

鞠莉「……ただ、収穫もあった」

秋穂「……ねぇ、理事長、お願いがあるの」

鞠莉「なーに?」

秋穂「人を…探して欲しいの…」

鞠莉「おやおや?秋穂ッチが私的な理由で私にお願いなんて珍しいね」

秋穂「………」

鞠莉「……いいよ、私たちは協力関係にあるんだし」

鞠莉「それに……秋穂ッチのそんな顔を見て断るなんて、出来ないしね」

秋穂「理事長…ありがとう」
0468名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 15:55:46.98ID:8UYPe4RL
-数日後-

ガチャ

ムロタ「やっ、マリー」

鞠莉「ハロー♪ムロタさん」

鞠莉「頼んでたあれは?」

ムロタ「さっぱりだね…僕の持つコネクションをフルに使って探したけど…分かったのは数年前の滞在地だけだ」

ムロタ「今、どこで何をしてるのか…影も形も掴めなかった…」

鞠莉「十分です。すぐ秋穂ッチに連絡しましょう」

ムロタ「これはメモね、住所とか書いてあるから…秋穂ちゃんに渡しといて」

鞠莉「OK!サンキュー!ムロタさん♪」

ムロタ「うん、お安い御用だよ」
0469名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 16:02:54.31ID:8UYPe4RL




-数日後- 〜理事長室〜

秋穂「ありがとうございました!色々と調べていただいて…」

ムロタ「どうってことないよ、気をつけて行っておいで」

鞠莉「チャオ!」

秋穂「」ペコリッ

バタンッ

鞠莉「……ふぅ」ギシッ

鞠莉「……アンビリーバボーですね、まさか……高坂雪穂があそこにいたなんて」

ムロタ「今もいるかどうかはわからないけどね」

鞠莉「ふわぁ…私も最近あまり寝れてないし…少し仮眠しようかしら」

ムロタ「マリー、寝る前にこれ…見てもらってもいい?」スッ

鞠莉「……写真?これは?」

ムロタ「ハターキと“あいどる”の意見交換会の時のもの」

鞠莉「……これがなにか?」

ムロタ「マリー、眠気で視野が狭くなってるんじゃないのかい?」

鞠莉「むっ…失礼な!この写真がなんだって言うんですかいったい!」プリプリ

ムロタ「よく見なよ、ハターキの後ろに立ってる人物を」

鞠莉「ん〜…」 ジッ

鞠莉「……!OH……」

ムロタ「それ、どう見ても梨子だよね」
0470名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 16:14:30.06ID:8UYPe4RL
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ガチャ

果南「どうしたのマリー?急に呼び出したりして…」

鞠莉「果南…梨子が見つかった」

果南「え…う、嘘っ!?」

ムロタ「今度“あいどる”のイメージソングを作るハターキって人と一緒にいるみたいなの」

果南「え…そ、それって梨子ちゃん…」

鞠莉「……梨子が“あいどる”側なのかどうかはわからない」

鞠莉「だから調べてきてほしいの」

果南「調べてきてほしいって、どこに?」

鞠莉「……ニューヨーク」

果南「ニューヨ……え?」

果南「ええええぇぇ!?」

鞠莉「果南、今すぐニューヨークへ飛んで」

果南「ちょっと待った!!なんでニューヨークなの!?」

ムロタ「ハターキをニューヨークで見たという目撃情報が多数あってね」

鞠莉「ニューヨークではムロタさんの頼れる知り合いも少ないし…果南が自力でって事になるんだけど…」

果南「う、嘘でしょ?」

鞠莉「…………」

果南「本当なんだ……」

鞠莉「お願い果南、あなたにしか頼めないの」

果南「…………」

果南「……分かった、やっぱり梨子ちゃんの事は気になるし、行くよ」

鞠莉「果南…!」
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