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穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを〜!」
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
0001名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:23:40.44ID:qBRXjiCt
何年か前にエタッてしまったSSです
そこまで行くのにだいぶ長いので、以前に読んでくださってた方は退屈かも知れませんがお付き合いください
0002名無しで叶える物語(茸)
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2020/06/27(土) 21:26:25.22ID:2Kg73xCZ
1分で2.5レスできるですよ!
コピペなら早くしてください!
落ちますよ!
0003名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:27:27.04ID:qBRXjiCt
-2018年-

穂乃果「ふ〜!一段落一段落!」

雪穂(22)「あー!!」

穂乃果「」ギクッ

雪穂「ちょっとお姉ちゃん!!!」

穂乃果「な、なーにぃ?雪穂…」

雪穂「またお饅頭つまみ食いしたでしょ!」

穂乃果「えっ…た、たははぁ〜…ば、ばれちゃったか」

雪穂「もう!そんなんでよくお店続けられてるね!やっぱり私が継げば良かったよ!」

穂乃果「むっ!な、なによう〜!雪穂がやりたいことあるって言うから私が後継いだんだよ!」

雪穂「それと饅頭つまみ食いすることの話は別っ!」

穂乃果「む〜…!」
0004名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:29:03.90ID:qBRXjiCt
穂乃果「あれ?雪穂、もう行っちゃうの?」

雪穂「んー、そろそろ戻らないとだしね」

穂乃果「なんだー…泊まっていけばいいのに」

雪穂「お姉ちゃんほど暇じゃないんだよ〜」

穂乃果「ちょっとぉ!その言い方だとまるで私が暇人みたいじゃん!」

雪穂「違うの?」

穂乃果「違うよ!」

雪穂「あはは…じゃ、行くね」

穂乃果「うん…まぁ頑張りなよ」

雪穂「ありがと、お姉ちゃんも…」

雪穂「頑張ってね…」
0005名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:31:43.12ID:qBRXjiCt
穂乃果母「あら?雪穂ったらもう出たの?」

穂乃果「お母さん、起きてたんだ」

穂乃果「うん、さっき出たよ」

穂乃果母「んもう〜!あの子ったら何も言わずに!」

穂乃果「私も泊まっていけばって言ったんだけどね〜」

穂乃果「…忙しいんだよ雪穂も」

穂乃果母「そうかもしれないけど…無理が祟って身体を壊しでもしたら…」

穂乃果「大丈夫だよ、雪穂もさ、もう子供じゃないんだし…」
0007名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:36:19.36ID:qBRXjiCt
-翌日-

真姫(23)「へぇ、じゃあ雪穂ちゃん今は家にいないのね」

真姫「なんのお仕事してるの?」

穂乃果「それが私もよく知らないんだよねぇ…ただ本人はやりがい感じてるみたいだし良いんじゃないかなぁ」

真姫「ふ〜ん…」

真姫「で、穂乃果…あなたは?」

穂乃果「ふえ?」

真姫「お店はいいの?」

穂乃果「大丈夫大丈夫!お母さんいるし!」

真姫「…暇ね」

穂乃果「うっ…真姫ちゃんまで雪穂と同じような事言わないでよ〜!」

真姫「私は暇じゃないの」

真姫「そろそろ行くわね、また今度愚痴聞いてあげる」

穂乃果「…はーい」
0008名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:39:34.30ID:qBRXjiCt
トボトボ…

穂乃果「はぁ…みんな忙しそうだなぁ…」

穂乃果「って…いやいや!私も忙しいけどね!!」

オギャー!!

穂乃果「ん?」

女「うぅ…お願いだから泣き止んでぇ…」

赤子「オギャーオギャー!」

女「…っ」

穂乃果「へへー!ベロベロバー!」

女「!」

赤子「キャッキャッ!!!」ニコニコ

穂乃果「えへへ、可愛いですね!」

女「助かりました!ありがとうございます!」

穂乃果「いえいえ!そんな大したことじゃ」

女「…ってあなた」

穂乃果「…っ?」

女「あなた…穂乃果さんですよね!!!」

穂乃果「ふぇ!?」

女「高坂穂乃果さんですよね!!!」
0009名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:41:52.51ID:qBRXjiCt
穂乃果「そ、そうですけど…なんで?」

女「今からあなたのお店に伺おうと思ってたんです」

穂乃果「あっ!お客さんですか!是非!ご来店お待ちしてますね!」

女「違います!」

穂乃果「え?違うの?」

女「この子を」

穂乃果「この子を?」

チラリッ

赤子「キャッキャ」

穂乃果「この子がどうかしたんですか?」

女「この子の面倒を……この子を育ててあげてください!」

穂乃果「…ほぇ?え?え?」
0010名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:44:54.02ID:qBRXjiCt
女「はい!」バッ

穂乃果「え、えぇ!?」

穂乃果「ちょ、ちょっと!」

女「ソレデハ!」 ダッ

穂乃果「ちょ…!待ってっ!!!」

ギュッ!

女「グエッ…首が…!!」

穂乃果「あっ!」パッ

穂乃果「ご、ごめんっ!」

女「ゲホッ!」

女「な、なんですか!」

穂乃果「それはこっちのセリフだよぉ!」

穂乃果「いきなり知らない赤ちゃん育ててって…!無理だよそんなの!」

女「知らない子供って!何バカな事を言ってるんですか!」

穂乃果「え、えぇ…私、何かおかしな事言ってるかなぁ…?」

女「その子はあなたの姪っ子ですよ!」

穂乃果「……は?」

女「その子は…雪穂の…高坂雪穂のれっきとした実の娘……高坂秋穂ちゃんです!」

穂乃果「え…?」

穂乃果「えええええええええ!!!?」
0019名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:49:05.41ID:qBRXjiCt
女「じゃあ私はこれで」

穂乃果「い、いや待って!!」

女「まだ何かあるんですか!?」

穂乃果「秋穂って言われても、私…全然…全然わかんないよ!」

穂乃果「雪穂に子供がいるなんて事も聞いた事ないし…」

女「え?聞いてないんですか?」

穂乃果「そうだよ!何もかも初耳だよ!?」

女「でも…私も雪穂から頼まれただけなんです、あなたに…穂乃果さんに預けるようにって」

穂乃果「え、え…?」

穂乃果「ど、どういうこと…?」

女「すみません…もう本当に時間がないんです。あとは姉妹間で連絡を取り合ってください」

女「失礼します」タッタッタッ…

穂乃果「……え、えぇ?」ポカーン
0020名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:50:32.53ID:qBRXjiCt
プルルルルルルル

穂乃果「……」

秋穂「スー…zzz」

『おかけになった電話番号は…』

ピッ

穂乃果「んもぅ!何で出ないの!?」

穂乃果「(何やってるの…雪穂…)」

穂乃果「………」チラッ

秋穂「ムニャムニャ…」
0021名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:54:14.32ID:qBRXjiCt
ガラッ…

穂乃果「さて…」イソイソ

穂乃果「とりあえずお母さんに見つからないようにした方がいいよね…?」

穂乃果母「穂乃果?帰ったの?」

穂乃果「あ、や、やばっ!」

穂乃果母「まったくどこ行ってたの…って」

穂乃果「あ、いや…ち、違うのお母さん!この子は!」

穂乃果「あの!!その!!」アタフタ

穂乃果母「穂乃果!!」

パチンッ!!

穂乃果「ぐ、ぐぇっ……え、えぇ!?」ドサッ

穂乃果母「私はあなたをそんな子に育てた覚えはないよ!!」

穂乃果「ぅえぇ!?」

穂乃果母「誰との子なの!いつ出来たの!何で隠してたの!」

穂乃果「ち、違う!お母さん話聞いて!」

穂乃果「こ、この子は…お母さんの…その…そう…!孫なの…!」

穂乃果「……」

穂乃果母「……」

穂乃果「(って、これじゃ弁明になってないじゃん〜!!)」

穂乃果母「そりゃあそうでしょ何言ってんの!!」
0022名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:56:07.17ID:qBRXjiCt
穂乃果「ち、違う!私の子じゃないよ!」

穂乃果母「嘘つかないの!あなたとソックリじゃない!」

穂乃果「え?」

穂乃果「そ、そうかな?」ワタシコンナカワイイ?

穂乃果母「そうよ」ムカシハコンナカンジダッタノヨ

穂乃果「って!ちっがーう!!!」

穂乃果母「!?」ビクッ

穂乃果「この子は私の子じゃないの!!ゆ・き・ほ・の・子・な・の!」

穂乃果「名前は秋穂っていうの…いや、秋穂っていうらしい」

穂乃果母「ゆ、雪穂の!?」
0023名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 21:59:44.49ID:qBRXjiCt
穂乃果「いたた…」サスサス

穂乃果母「ごめんなさい穂乃果…いきなりぶったりして…」

穂乃果「本当だよ、すごい痛かったよ…ンモウ…」

穂乃果「だいたい、お母さんこの1年間で私がお腹膨らましてた事あった!?見た!?」

穂乃果母「た、確かに…見てないわねー…」

穂乃果「早とちりがすぎるよぉ!」

穂乃果母「だ、だからごめんなさいって言ってるじゃない…」

穂乃果母「それにしても……この子が雪穂の子……にわかにも信じがたいわね」

穂乃果「私もだよ…でも…雪穂の面影…あるよね」

穂乃果母「…この子は雪穂が直接?」

穂乃果「うーうん……知らない女の子が……でも、雪穂に頼まれたって言ってた」

穂乃果母「……雪穂と連絡は?」

穂乃果「…ダメ、通じない」

穂乃果母「そう…」

穂乃果母「何はともあれ、雪穂と連絡がつくまでは私たちが責任持って育てるしかなさそうね」

穂乃果「うん、だね」

穂乃果母「もうっ!!雪穂、今度帰ってきたらお説教よ!!」
0024名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:03:20.97ID:qBRXjiCt
穂乃果「でも…私も伯母さんかぁ〜…なんか感慨深いなぁ…」

穂乃果母「あら…私なんておばあちゃんよ、聞いただけでシワが増えそう」

穂乃果「お父さんがいればきっと大はしゃぎしてただろうね!」

穂乃果母「そうねぇ…孫が出来たんだもの…こんなに急でもきっと喜んだでしょうね」

穂乃果「…でもぉ…似てるってだけで判断しちゃっていいのかなぁ…」

穂乃果母「何言ってるのよ!どっからどう見ても雪穂の子じゃない!」

穂乃果「いやそういう問題じゃなくてだよ〜、戸籍とか…さ」

穂乃果母「あ、オシメとかミルクとかも…」

穂乃果「……お母さん」
0025名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:09:00.15ID:qBRXjiCt
-数ヶ月後-

ガラッ

穂乃果「いらっしゃいませー!」

「よっ!穂乃果!」

穂乃果「ん?」

ヒデコ「久しぶり!」

穂乃果「え…わっ!もしかしてヒデコ!?」

ヒデコ「うん!」

穂乃果「うわっ!本当に久しぶりだね!何年ぶり!?」

ヒデコ「そうだね〜……まぁ、懐かしさに浸る前に……その背中の子、あんた結婚したの?」

穂乃果「違うよ、この子は雪穂の子」

ヒデコ「へぇ〜可愛い〜///」

ヒデコ「ほれほれ、可愛いでちゅね〜♪」

秋穂「」ビクッ

秋穂「フエエエェェン!!」

ヒデコ「ぬ、ぬわっ!」

穂乃果「あ、あれ!?おかしいな…あんまり人見知りしない子なんだけど…!!」

穂乃果「はいはい、秋穂落ち着いて〜」ユッサユッサ

秋穂「エッ…エッ…」ピタッ

ヒデコ「お、おぉ〜…やるね伯母さん」

穂乃果「ふふん!私、姪っ子にすっごく好かれてるんだ!」ドヤッ

ヒデコ「うわ〜ドヤ顔…すっごいムカツク …」

ヒデコ「ま、いいや…穂乃果、今日はあんたに話があって来たの」

穂乃果「話?」
0026名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:14:45.19ID:qBRXjiCt
ヒデコ「最近ね、妙な噂があってさ…」

ヒデコ「とある宗教グループが全国のスクールアイドルを中心に勧誘して、かなり規模を大きくしてるって話知ってる?」

穂乃果「いや、知らない…」

ヒデコ「そっか…」

穂乃果「それがどうかしたの?」

ヒデコ「いやね、その宗教団体の教祖があの廃校騒動になった代の音ノ木坂卒業生の可能性があるのよね」

穂乃果「そう…なんだ」

ヒデコ「穂乃果…あんた、何か知らない?」

穂乃果「………」

穂乃果「いや…何も…」

ヒデコ「………」

穂乃果「………」

ヒデコ「そっか。ならいいんだ…邪魔したね、またなんか買いに来るよ」

穂乃果「う、うん…またね」

ヒデコ「あっ、そうだ穂乃果」

穂乃果「ん?」

ヒデコ「今度の日曜日、音ノ木坂OGでちょっとした同窓会やるんだ」

穂乃果「へぇ〜」

ヒデコ「あんたもよかったら来なよ、OGだしお母さん誘ってもいいよ?」

穂乃果「ははは。うん、了解!」

ヒデコ「ん!じゃ秋穂ちゃんまたね〜!」

秋穂「ン…」

ヒデコ「じゃね、穂乃果」

穂乃果「うん…バイバイ、ヒデコ」
0027名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:17:28.65ID:qBRXjiCt
-日曜日-

穂乃果「あ、そういえば今日だ…ヒデコが言ってた同窓会」

穂乃果「せっかくだし行ってみよっかな!」

穂乃果「ね〜!お母さーん!あのね〜」





穂乃果「んじゃ、行ってくるね!お母さんは本当にいいの?」

穂乃果母「私は秋穂と留守番してる。それにオールドすぎるしね」

穂乃果「そっか…じゃあ行ってきます!」

ガララ

穂乃果母「行ってらっしゃい、気をつけてね」

穂乃果「うん!」

バタンッ
0028名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:21:29.29ID:qBRXjiCt
穂乃果「みんなと会うのいつぶりだろ」

穂乃果「ここだ!」

穂乃果「よしっ!久しぶりにみんなと会うんだ!明るく行こう!!」

ガラッ!!

穂乃果「こっんばんっわー!やっほー!みんな久しぶり〜!」

一同「・・・・・」

穂乃果「あ、あれ?あはは…こんばんわ…?」

理事長「穂乃果ちゃん」

穂乃果「あ、理事長…お久しぶりです!」

理事長「えぇ…」

穂乃果「あの…私の代の子が見当たらないんですけど、どこに…?」

理事長「……」

穂乃果「……?」
0029名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:24:47.25ID:qBRXjiCt
タッタッタッタッタッタッ…

穂乃果「ヒデコ…!」

海未(24)「……!穂乃果…」

穂乃果「はぁ…はぁ…海未…ちゃん…」

海未「…来たんですね」

穂乃果「理事長から聞いて…」

海未「やっぱり…穂乃果にだけ連絡が行ってなかったんですか…」

海未「……まだお通夜ですので顔は見れます」

穂乃果「なんで…」

穂乃果「ヒデコはなんで……」

穂乃果「死んだの…?ねぇ、なんで…?海未ちゃん、知ってるんでしょ…?」

海未「………」

海未「少し、場所を変えましょう…」
0030名無しで叶える物語(カボス)
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2020/06/27(土) 22:29:39.62ID:TcFPyCOH
20世紀少年パロのやつか
懐かしすぎる
0031名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:31:25.72ID:qBRXjiCt
〜公園〜

海未「音ノ木坂の卒業生が教祖の宗教団体の話は聞きましたか?」

穂乃果「うん、それは聞いた…」

海未「…ヒデコはかなり前から、1人でその団体の周りを調べていたようです」

海未「聞いたところ、過激な団体のようです…理由はわかりませんが…おそらくヒデコはその団体に…」

穂乃果「……」

穂乃果「なんでヒデコはそんな危ない事を…」

海未「…わかりません、ですが何か深い理由があるはずです、でないとそんな危険な事は……」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?」

穂乃果「……」

海未「穂乃果!」

穂乃果「ハッ…ど、どうしたの海未ちゃん」

海未「穂乃果…変なこと考えていませんよね?」

穂乃果「え……変なことって……?」

海未「ヒデコがやっていたことを穂乃果がやるなんてこと…ないですよね」

穂乃果「え…い、いや…そんな…私ただの和菓子屋だよ?宗教団体を尾行?監視?出来るほど…優秀じゃないよ…」

海未「そう……ですよね……」

海未「なら、いいんですけど…」
0033名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:37:18.79ID:qBRXjiCt
穂乃果「話聞かせてくれてありがとう、葬儀には出るから」

海未「は、はい…」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

穂乃果「………」

穂乃果「(友達が死んだ……こんな簡単に……人が死んだ、この前まで話をしてたのに……)」

穂乃果「ヒデコ…」

穂乃果「…お父さんが亡くなった時とはまた違う悲しさ」

穂乃果「なんだろう…この感じ」

穂乃果「どうしよう…」

穂乃果「私…ただの和菓子屋で全然…何も出来ないし…」

穂乃果「……っ」
0034名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:41:16.36ID:qBRXjiCt
-翌日-

穂乃果「じゃあ、ヒデコのお葬式行ってくるね…」

穂乃果母「うん、気をつけて…」

穂乃果「…あれ、靴ベラどこだっけ?」

穂乃果母「そこ、秋穂のベビーキャリーの下に埋もれてるわ」

穂乃果「ホントだ…」

オギャァァァァ…!

穂乃果母「あっ秋穂起きたみたい…行ってらっしゃいね、穂乃果」スタスタ

穂乃果「うん…」

穂乃果「……ん?」

穂乃果「ベビーキャリーの紐になんか引っかかかってる…手紙?」

穂乃果「……【穂乃果へ】」

穂乃果「ヒデコから…?」

穂乃果「いつの間に…」

穂乃果「あっ…」


ヒデコ『ん!じゃ秋穂ちゃんまたね〜!』

秋穂『ン…』

ヒデコ『じゃね、穂乃果』


穂乃果「あの時かな…なんて…書いてるんだろ…」
0035名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:45:13.24ID:qBRXjiCt
【穂乃果へ

この手紙を見てる時、多分私はこの世にいない。
自分で選んだ道なので後悔もしない…。
正直この件に関してはアンタに話すかどうかかなり悩んだよ…。
なんたって正義感で作られてるような人間じゃん、穂乃果は。アンタが無茶するのが怖くてさ…って無茶したあたしが言えることじゃないか。
本題に入るね。もう時間がないから走り書きなのは許してほしい。
まず、アンタにも話した団体の教祖、私が調べていたのはこいつの素性。
顔も年齢も分からない。分かってるのは精々信者に「るどいあ」と呼ばせていること。
単にアイドルのアナグラムってだけなんだろうけど、コイツを野放しにしとくとヤバイ。私の第六感がそう言ってるの。
きっといつか、世界までもコイツは掌握してしまうって。そう思ってる。
穂乃果、この手紙で全ての意図を汲み取れとは言わない。実行しろとも言わない。
ただ一つだけ私の見解を言わせてほしい。

世界を救うのは、アンタにしかできない。】


穂乃果「世界を、救う…」
0036名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:48:22.75ID:qBRXjiCt
〜葬儀場〜

ことり(24)「あ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「…!ことりちゃん…久しぶりだね」

穂乃果「デザイナーのお仕事は?わざわざ日本に戻ってきてくれたの?」

ことり「うん、だって…」

穂乃果「…そっか、ヒデコも喜ぶよ」

海未「二人とも、もうそろそろ中に…」

ことり「うん」

穂乃果「ことりちゃん!海未ちゃん!」

ことり「どうしたの?」

海未「どうしました?」

穂乃果「あとで……話があるんだけど、いいかな?」

ことり「えっ、う…うん…」

海未「…わかりました」
0037名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:49:56.22ID:qBRXjiCt
〜穂むら〜

穂乃果「ただいまー」

穂乃果母「おかえりなさ…ってまぁ!」

ことり&海未「おばさん、お久しぶりです」ペコッ

穂乃果母「ことりちゃんに海未ちゃん!久しぶりねぇ〜…」

穂乃果母「さっ…上がって」

ことり&海未「ありがとうございます、お邪魔します」
0038名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:54:03.07ID:qBRXjiCt
バタンッ

穂乃果「久しぶりだね…こうやって部屋に3人でって」

海未「そうですね…」

穂乃果「………」

海未「………」

海未「あの…それで穂乃果、話とは?」

穂乃果「うん…私」

穂乃果「ヒデコのやってた事を引き継ごうと思うんだ」

海未「!?」

ことり「…?」

海未「な、なにを言っているんですか!?ヒデコが何故亡くなったのか、あなたは分かっているでしょう!!」

ことり「えっ…」

穂乃果「分かってるよ!でもヒデコは死んだ!これじゃヒデコのやってた事が無駄になっちゃう!」

海未「ヒデコはそんな事望んでません!!!」

穂乃果「望んでるよ!!」

海未「それはあなたの思い込みです!」

穂乃果「思い込みじゃない!!だって…手紙にも!」

穂乃果「ほら!!!」バサッ

海未「………」

穂乃果「……誰かがやらないといけないんだよ」

ことり「穂乃果ちゃん…」
0039名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 22:57:30.87ID:qBRXjiCt
穂乃果「学校が無くなるって時もそうだった」

穂乃果「誰かがやらないと、後で後悔する…誰かが…やらないと…」

海未「その誰かがあなただと言いたいんですか?」

穂乃果「そうは思ってない!思ってないけど…」

穂乃果「私は…この手紙を見た以上…放っておくことなんて出来ないよ…」

穂乃果「海未ちゃんも私の性格、良く知ってるでしょ…?」

海未「それは…。ですが…」
0040名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:03:16.75ID:qBRXjiCt
穂乃果「ヒデコは“るどいあ”を危ないって…止めないとって…とにかく危険視してた」

穂乃果「もしこのままみんな何もしなかったら…」

海未「それでも…止めましょう穂乃果」

海未「それに…もしあなたが死んでしまったら誰がその続きをやるんですか?」

海未「ことりでしょうか…それとも私でしょうか…」

穂乃果「………」

海未「私は……あなたが死んだら黙っていられる自信はありません……」

穂乃果「なら…」

海未「だから、ダメですよ…」

穂乃果「」ギリッ

穂乃果「ヒデコが死んで何も思わないけど、私が死んだら泣いてくれるの!?悲しんでくれるの!?なんで…ヒデコと私の何が違うの…!?」

ことり「穂乃果ちゃん海未ちゃん落ち着こうよ!」

ことり「…違うよ、違うよ穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…ッ?」

ことり「海未ちゃん…ヒデコちゃんが亡くなって悲しくないわけない…」

ことり「海未ちゃんは……ただ、これ以上、友達が亡くなるのは嫌だって言ってるんだと思うよ……」

穂乃果「……!」
0041名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:06:10.21ID:qBRXjiCt
ことり「私はいま何の話をしてるのかよくわからないけど……」

ことり「でも、何かすごいものに穂乃果ちゃんは立ち向かおうとしてるんだと思う…」

ことり「きっと昔みたいに…」

穂乃果「……」

ことり「穂乃果ちゃんも海未ちゃんの気持ち…わからないわけじゃないよね?」

ことり「穂乃果ちゃんもヒデコちゃんが亡くなって悲しかったでしょ?」

ことり「もし穂乃果ちゃんが行って死んじゃったら次は本当に海未ちゃんが…うーうん、私だって…」

海未「………」

穂乃果「………」
0042名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:08:02.72ID:qBRXjiCt
穂乃果「それでも…」

穂乃果「それでも、私は行くよ」

ことり「…!」

海未「…っ、穂乃果!!」

穂乃果「それに大丈夫だよ…海未ちゃん…ことりちゃん」

穂乃果「次なんてない…絶対、私が決着をつけるから…」

海未「…!」

穂乃果「話はこれだけ……ごめん、私が呼んどいて悪いんだけど今日は帰って……ごめんね……」

海未「……」

ことり「(穂乃果ちゃん…)」
0043名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:10:36.29ID:qBRXjiCt
穂乃果母「あら、もう帰るの?」

海未「はい、お邪魔しました」

ことり「またお邪魔させてもらいます」

穂乃果母「ええ、またいらっしゃいね。もう、あの子ったら見送りにも来ないなんて!しょうがないわねぇ…」

海未「いえ…いいんですよ」

穂乃果母「……」

穂乃果母「…海未ちゃん、ことりちゃん…あの子弱いから何かあったら助けてあげてね…」

穂乃果母「弱いのに、責任感だけは強いから…1人で全部背負いこんじゃったりしちゃうの」

穂乃果母「だから、お願いね」

海未「…えぇ、存じています」

穂乃果母「ホッ…うん、ありがとね」
0044名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:14:58.32ID:qBRXjiCt
穂乃果「とは言ったものの…」

穂乃果「私、その団体のことなんにも知らないし…」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「とりあえずヒデコが遺してくれた情報の中から調べていく必要があるかなぁ…」


穂乃果母「穂乃果ー!秋穂、お風呂に入れてくれない?」


穂乃果「えぇ?こんな時間なのにまだ入れてなかったの?」


穂乃果母「今日お客さん中々引かなくてね」


穂乃果「私、いま忙しい!」


穂乃果母「ッ穂乃果!!!」


穂乃果「」ビクッ

穂乃果「んもう…世界を救うよりも赤ん坊をお風呂に入れる方が急務だよ」

穂乃果「はいはーい…」
0045名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:17:01.91ID:qBRXjiCt
-翌日-

穂乃果「じゃ、しばらくお店は任せるね」

穂乃果母「いつもは任せられてるような言い方ね?」

穂乃果「一応、店主は私だよ…」

穂乃果母「はいはい…それじゃ穂乃果、秋穂行ってらっしゃい」

穂乃果母「何やるのかは知らないけど、秋穂に怪我だけはさせないでよ?」

穂乃果「はーい、行ってきます」
0046名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:21:55.90ID:qBRXjiCt
穂乃果「えーっと…ヒデコによると確か教祖は音ノ木坂学院卒業生の可能性が高いんだよね…」

穂乃果「なら、とりあえず理事長に当たってみよっかな…」

穂乃果「っていうか、理事長が何も知らなかったら正直、詰み同然なんだけどね…あはは…」

穂乃果「行こうか、音ノ木坂学院に」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜音ノ木坂学院〜

穂乃果「わぁ…何年ぶりだろ…来るの」

在校生1「えっ…えっ!あの人μ'sのリーダーだった高坂穂乃果さんじゃない!?」

穂乃果「(へへへ、私もまだ有名なんだなぁ)」エッヘン

在校生2「背中の子はお子さんかな?」

穂乃果「ん…?」

在校生3「えっ…穂乃果さん結婚してたの…?うわあああん!!」

在校生2「ちょ、ちょっと!」

穂乃果「(うっ…なんか、すごい居心地が…)」

穂乃果「は、早く理事長室に行かなきゃ…!」ダダダダダッ
0047名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:25:10.21ID:qBRXjiCt
コンコンッ

理事長「どうぞ」

ガチャ

穂乃果「失礼します」

穂乃果「こんにちわ、理事長」

理事長「穂乃果ちゃん…大変でしたね色々と…」

穂乃果「はい…」

穂乃果「…理事長、今日はお話があって来ました」

理事長「あの、その前に…その背中の子は…?」

穂乃果「あっ、この子は…」

理事長「穂乃果ちゃんのためならことりも結婚式に出席するために帰ってきたと思うわ…残念ね」

穂乃果「いや、この子は雪穂の子で…姪っ子なんです」

理事長「あっ…そ、そうでしたか……ご、ごめんなさい……で、要件…お話とは?」

穂乃果「はい…実は」
0049名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:30:37.70ID:qBRXjiCt
理事長「……その件でしたか」

穂乃果「はい、理事長はヒデコから何か聞いたりしませんでしたか?」

理事長「……いいえ、私もその件については噂で聞く程度なの」

穂乃果「そう…ですか…」

理事長「……ヒデコさんからの情報ではありませんが……」

穂乃果「?」

理事長「最近学院内でおかしな動向が見られるのです」

穂乃果「おかしな動向…?それって…?」

理事長「穂乃果ちゃんも知っているように音ノ木坂学院は部活の種類が豊富で、どの部活も精力的に活動しているんですが」

理事長「最近…他の部活動からスクールアイドル部へ編入する生徒がかなり多いんです」

理事長「それだけじゃありません……あのUTX学園からわざわざ転入しスクールアイドル部を希望する人も少なくないんです……」

穂乃果「……」

理事長「学院の理事長として学校の繁栄は喜ばしく思います。ですがどこか違和感を覚えるんです」

穂乃果「たしかに…」

理事長「…もしよかったら、スクールアイドル部へ顔を出してみてはどうかしら?」

理事長「何か分かるかもしれないわ」

穂乃果「そうですね…ありがとうございました」
0050名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:35:02.30ID:qBRXjiCt
穂乃果「(他の部活から編入……UTXから転校……)」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「・・・」

穂乃果「うぅ…!ダメだ、私じゃ何もわかんないよぉ…」

穂乃果「…っと、ついた…。はは、にこちゃんの字のまんまだ」

コンコン、ガチャ

穂乃果「失礼しまーす…」

穂乃果「誰かいますかー…?」

トントン…

穂乃果「え?」クルッ

「…高坂穂乃果さんですね?」

穂乃果「はっ…」

ドスッッッ!!

穂乃果「ゴフッ……!!」

穂乃果「あぅっ…うぇ…」バタンッ

穂乃果「」

「…………ご同行願います」
0051名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:36:15.44ID:qBRXjiCt
穂乃果「んっ…」

穂乃果「んぅ…?…ッ痛!」ズキッ

穂乃果「…ここは」

「目、覚めた?」

穂乃果「…!」ビクッ

「驚かないでよ、私はあなたと話がしたいだけなんだよ?」

穂乃果「…あなた、誰?」

「私?私…“あいどる”」

穂乃果「アイドル…?アイドルって…スクール?」

「違うよ、あ、そっかぁ…うん」

穂乃果「なんなの…?」

「前はね、“るどいあ”って名乗ってたの」

穂乃果「!!」
0052名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:37:46.65ID:qBRXjiCt
「あなたとずっとずっと話が…」

穂乃果「そんなのどうだっていいよっ!!!」

「・・・・・」

穂乃果「教えて…」

穂乃果「ヒデコを殺したのはあなた?」

「うん」

穂乃果「…っ!」ギリッ

穂乃果「なんでっ…!」ギシッ

穂乃果「ッ…何これっ…!外してよ!」

「私はイスに手を縛りつけろなんて命令してない」

穂乃果「…?」

「私は悪くない」

穂乃果「……なら外してよ」

「時が来たらね」

穂乃果「…なんなの」
0053名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:39:36.17ID:qBRXjiCt
「覚えてるかなぁ…あの日の穂乃果ちゃん達の練習」

「すごくはりきっててね……」

穂乃果「……あなた誰なの?」

「………」

穂乃果「……そのお面、取って喋ろうよ」

「このひょっとこのお面…すごく気に入ってる」

「人を笑顔に出来るの」

穂乃果「……名前は?」

「“あいどる”」

穂乃果「そうじゃなくて…本名、あるでしょ?」

「誰でもいいと思う」

穂乃果「え…?」

「分かったら私ともう遊んでくれない、歌ってくれない」

穂乃果「……」
0054名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:41:18.59ID:qBRXjiCt
「さて……」

穂乃果「…?」

「そろそろ拘束を解こうと思う」

穂乃果「………」

穂乃果「解いてくれるのは嬉しいけど…」

「けど?」

穂乃果「手足が自由になったら…多分、私…絶対手とか出ちゃうよ……」

穂乃果「そんな事をしても何も変わらない事は分かってるのに……!」

穂乃果「あなたを許せない…!!」

「………うん」

穂乃果「………」

「そっか」

「でもね」

穂乃果「……?」

「秋穂の親を殴れる?」

穂乃果「……え?」

「私はあなたの妹なんだよ」

「ねぇ、秋穂は元気?」
0055名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:44:26.33ID:qBRXjiCt
穂乃果「(えっ……ちょっと……待って……)」

穂乃果「(秋穂の親…?私の妹…?)」

穂乃果「(音ノ木坂の卒業生…?)」

穂乃果「(なら……)」

「…………」

穂乃果「(なら……“あいどる”の正体は……)」

「さて、解き終わったよ」

穂乃果「・・・」

「殴らないの?」

穂乃果「……秋穂はどこ?」

「とっくにお家に帰ってるよ」

穂乃果「なんで私の家を知ってるの?」

「知ってて当然だよ」

穂乃果「…………」

フラッ…

穂乃果「かえる……」

「………………」

「近々ライブをしようと思う」

穂乃果「……ライブ?」

「あの一時代を築いた最高で最低の伝説のアイドル、μ'sに……イヤ、μ'sだけに出演してほしい」

「日にちはそうだね……8月3日なんてどう?」

穂乃果「・・・」

「安心して、プレゼントはちゃんと持っていくよ、きっと喜んでくれる」

「穂乃果ちゃん、早く他の8人を集めないとね」

穂乃果「………」スタスタ

「…………」

「一緒に東京を盛り上げようね」

「ホノカちゃん」
0056名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:46:40.17ID:qBRXjiCt
〜公園〜

穂乃果「…………」

海未「…穂乃果」

海未「…こんな所でなにを」

穂乃果「…………」

海未「もうあたりも暗いですし…」

穂乃果「…………」

海未「……?」

海未「隣、失礼しますね…」

穂乃果「…………」

海未「…………」

穂乃果「“るどいあ”に会った…」

海未「!?」

穂乃果「意味はわからないけど今は“あいどる”って名乗ってるんだって…」

海未「……顔は見たんですか?」

穂乃果「なんか、ひょっとこのお面つけてて…」

海未「そうですか…」
0057名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:47:55.56ID:qBRXjiCt
穂乃果「でも、もういいや…」

海未「…なぜですか?」

穂乃果「私“あいどる”の正体わかっちゃったもん……」

海未「え?」

穂乃果「………」

海未「誰…ですか?」

穂乃果「…………」

海未「穂乃果?」

穂乃果「…………」

海未「穂乃果…!」

穂乃果「……グスッ、多分……」

穂乃果「雪穂…かなぁって…」

海未「雪…穂…?」
0058名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:50:47.14ID:qBRXjiCt
穂乃果「うん…」

海未「そんな…何かの間違いですっ!」

穂乃果「間違いじゃないよ!秋穂の親って言ってたし、それに…」

海未「……それに?」

穂乃果「……私の妹だって言ってた」

海未「……そんなの証拠がありません、きっと混乱させようとしているんですよ」

穂乃果「私の実家だって知ってた…」

海未「家なんて…調べれば簡単に分かります」

穂乃果「でも、でも…!」

海未「穂乃果…落ち着いてください」

海未「ヤケになって無理に結びつけようとしているだけです…だから…落ち着いてください……ね?」

穂乃果「……わかった」
0059名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:54:05.79ID:qBRXjiCt
海未「穂乃果は…雪穂であってほしいんですか?」

穂乃果「そんなわけない、そんなわけないよ…!!」

海未「ですよね、違いますよ…きっと」

穂乃果「海未ちゃん……」

穂乃果「うん、だよね…」

海未「ええ、きっと違います」ニコッ

穂乃果「……ありがと、なんか元気出てきたよ」

海未「なら良かったです」

海未「あの、穂乃果……」

穂乃果「うん?」

海未「全部、一人で背負い込もうとしないでくださいね?悩んだり困ったりしたらいつでも私を…私達を頼ってください」

穂乃果「……うん、ありがとね!海未ちゃん」
0060名無しで叶える物語(光)
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2020/06/27(土) 23:57:19.55ID:qBRXjiCt
スタスタ

穂乃果「……私、ヒデコの事もあって焦ってたのかもしれない」

海未「……えぇ」

海未「…焦らない方がいいです」

海未「昔から穂乃果が焦っていて、それでいい方に転んだ覚えがないので」

穂乃果「たはは…たしかにね」

海未「ひたむきな性格が故に、いつも何かを始めるとき視野が狭くなります…」

穂乃果「そう…かな」

海未「そうですよ!」

穂乃果「えへへ、ごめんごめん」

穂乃果「あっ、じゃあ私こっちだから!」

穂乃果「バイバイ、海未ちゃん」

海未「ええ、また…」
0061名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/27(土) 23:58:56.22ID:qBRXjiCt
ウーウー

海未「………」

海未「(“あいどる”は穂乃果に妹と言った……)」

海未「(肝心の雪穂は消息不明…)」

海未「……ダメですね……穂乃果の手前ああは言ったものの、どう考えても“あいどる”の正体は雪穂という事になってしまいます……」

海未「……穂乃果も馬鹿じゃありません、考えているとまた気持ちは沈んでいくでしょうし」

海未「何とかして雪穂の潔白を…」
0062名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 00:01:32.41ID:/aA6JPT8
ウーウー

海未「なんだか、やけに騒がしいですね……」

海未「火事でもあったんでしょうか…」

「火事よ火事!三丁目の和菓子屋さん!!」

海未「…和菓子屋さん?」

「穂むらだ!!」

「高坂さんのお家よ!!」

海未「そ、それ本当ですか!?」ガッ

「えっ!?え、えぇ……今も消火中だって!」

海未「そんな……」

海未「穂乃果!!!」ダッ
0063名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 00:03:11.07ID:/aA6JPT8
海未「ハァハァ…!」

「離れてください!」「危ないから下がって!」

海未「穂乃果…!」

「おいおい、店主が中にまだ残ってるらしいぞ」

海未「……え?」

海未「中にまだいるんですか!?」

「えっ…う、うんさっき消防隊の人が言ってたよ…」

海未「そんな……」

海未「穂乃果…!」 ダッ

消防隊員「あっ、おいコラ!何してるんだ行くなッッ!!」
0064名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 00:04:53.64ID:/aA6JPT8
海未「ゲホッ!!ゲッホ!!!」

海未「熱さと煙で息が……」

海未「穂乃果…どこにいるんですか…?」

海未「ゲホッゲホッ…」

穂乃果「はっ…はっ…」

海未「…!穂乃果……!」

穂乃果「……!海未ちゃん……!」

海未「良かった無事で……おばさんはどこですか?」

穂乃果「秋穂と一緒に先に逃がしたよ」

海未「そうですか、良かった……ほら、あなたも」

海未「穂むらがもう崩れます!」

海未「さっ、早く!」

穂乃果「ま、待って海未ちゃん!正面はダメだよ、裏口の方から出よう!」

海未「……?は、はい……」
0065名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 00:07:24.72ID:/aA6JPT8
穂乃果「はっ…はっ…ここまで来ればとりあえずいいかな……」

海未「ハァハァ……こんなところにまで逃げる必要……ハァハァ……ないじゃないですか……」

穂乃果「海未ちゃん!私のお願い聞いてくれるかな…?」

海未「え、あっ…はい…」

穂乃果「ありがとう」

穂乃果「まず海未ちゃんにはμ'sのみんなとコンタクトを取ってほしいの」

海未「は、はい…」

穂乃果「それでみんなとコンタクトが取れたら…」

「おい!いたぞ、あそこだ!」

海未「えっ?」

穂乃果「ご、ごめん、海未ちゃん…行かないと」

海未「え、え?」

穂乃果「海未ちゃん……任せたから!!!」

「待て!逃すな!」

穂乃果「……ッ!」ダダッ
0066名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 00:08:48.09ID:/aA6JPT8
海未「警察…?」

海未「なぜ穂乃果が警察に…」

海未「……いえ、今は穂乃果に頼まれたことをやるだけですね……」

海未「コンタクト……ですか……取れますかね……」

海未「ことりやにこならともかく…絵里は…」

海未「所在地はおろか連絡先もわからない状態でどうやって…それに…」

海未「……っ」

海未「……悩んでも仕方ありませんね。とりあえず把握してる方からあたりましょうか」
0067名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 00:12:12.64ID:/aA6JPT8
-翌日-

ピンポーン

海未「……留守でしょうか」

ガチャリ

こころ「はーい、あ、海未さん!お久しぶりです!」

海未「お久しぶりですこころちゃん、にこはいますか?」

こころ「ごめんなさい…今、お姉様はお仕事中で…」

海未「そうでしたか……ごめんなさい、急に来てしまい」

こころ「いえいえ!あの、良かったら中で待ちませんか?」

海未「いえ、また今度お邪魔させてもらいますね」

こころ「そうですか…。お姉様に海未さんが来たこと、お伝えしときますね!」

海未「ありがとうございます、ではまた…」

こころ「はい♪」
0068一旦落ちます(光)
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2020/06/28(日) 00:15:58.89ID:/aA6JPT8
スタスタ…

海未「噂によるとここで…」

「何か悩み事ですかな?」

海未「えっ?」

「うーん、苦悩や不安が心に入り混じっているなぁ…」

海未「は、はぁ…」

「ふふっ……」

海未「ん…?もしかしてこの声…」

希(25)「よかった〜!気づいてくれて!久しぶりやからウチの事忘れてるかと思った」

海未「希…。元気そうで何よりです」

希「うん。海未ちゃんは元気って感じじゃないね?」

海未「……はい」

希「……ま、中に入りよ」
0071名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 01:21:21.62ID:/aA6JPT8
海未「聞きましたよ、かなり人気があるみたいですね、希の占い」

海未「占いで生計を立てるなんて正直不可能と思っていました…」

希「今の子達はスピリチュアルを待ち望んでるからね」

海未「なるほど…って答えになっていませんよ…いや、そうじゃなくて…」

海未「今日は希に…」

希「大事な話があって来た、それは穂乃果ちゃんの周りで起きてる出来事の話やろ…?」

海未「…はい…よく分かりましたね…」

希「スピリチュアルパワー全開やからね、海未ちゃんが来ることも分かってたよ」

海未「なら話は早いです、相談も兼ねて希に聞きたい事が」
0072名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 01:26:34.19ID:/aA6JPT8
希「“あいどる”……本当にいたんやな」

海未「知っていたんですか?」

希「噂程度やけどね」

海未「…希」

海未「絵里の居場所を教えてください」

海未「μ'sでハッキリした行方がわからないのは絵里だけです」

希「……海未ちゃん、それは無理なんよ……」

海未「…!」

海未「何故ですかッ!」

希「海未ちゃんも絵里ちに何があったのか知ってるやろ?」

海未「……ッ」

海未「知っています……知っていますが……私は、穂乃果のことも……」

希「親友として絵里ちをこの件に巻き込ませるわけにはいかないよ」

海未「別に巻き込むつもりは…それに絵里に何かお願いをしたいわけではないんです、ただ話を…」

希「今朝、警察の人がここに来てね……こんなものを置いていったんよ」パラッ

海未「ッ!これは…」
0073名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 01:31:24.77ID:/aA6JPT8
海未「指名手配って…そんな…」

海未「自宅放火に加えて実母殺害未遂……なんですかこれは……」

海未「穂乃果がこんな事するわけないじゃないですか!デタラメですよ!」

希「当然、穂乃果ちゃんがやったなんてウチは思ってない……」

希「でもな海未ちゃん、ウチらが思ってる以上に世の中っていうものは流されやすい」

希「ウチらが無実と思ってるだけではどうしようもないんよ」

希「……こうやって穂乃果ちゃんみたいに“あいどる”に関わったせいで平穏な日常が、日々が……崩れていくこともある……」

海未「………」

希「海未ちゃんと穂乃果ちゃんには本当に申し訳ないと思ってる」

海未「……なぜ穂乃果にこんな無実の罪が……?」

希「大方“あいどる”の息がかかった警察の仕業やろうね」

海未「………」

海未「わかりました、色々ありがとうございます」

海未「希、申し訳ありませんでした…」

希「……うん」

海未「…また会いましょう」クルッ

希「…………」

海未「…………」スタスタ

バタンッ

希「……はぁ」

希「絵里ち、ごめんね……でもウチは……」

希「海未ちゃん……絵里ちは無理でも、ウチで良かったら、いつでも協力するから……」
0074名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 01:39:19.58ID:/aA6JPT8
海未「…………」

海未「(希がダメとなると、もう絵里と連絡を取ることは不可能に……)」

海未「(それに希の言う通り、こんな状況に絵里を呼ぶべきなんでしょうか…)」

海未「(最悪、絵里との接触は諦めて8人で…)」スタスタ

「…………」ジー

海未「……はぁ、どうすれば……」

「え!?スルー!?ちょ……!ちょっとちょっと!」

海未「え……?あっ」

「いくら久しぶりだからって、私のオーラに気づかないってどうなってんのよ!」

海未「すいません……久しぶりですね、にこ」

にこ(25)「ふんっ!んもぅ!」
0075名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 01:43:31.18ID:/aA6JPT8
海未「にこ、プロのアイドル事務所からスカウトされたみたいですね」

にこ「へへん、まぁねぇ〜!」

にこ「まぁ〜♪にこの魅力なら当然だしぃ〜♪むしろ10代のうちに気付けなかったプロスカウトに問題がある気がするわね!」

海未「それで、どこの事務所に所属するんですか?」

にこ「……フッ」

にこ「結局断ったわ」

海未「え、なぜ?」

にこ「プロのアイドルになったら思うように時間が取れなくなるし……そしたら、あの子達の面倒を見れなくなっちゃうじゃない……」

海未「……ですが」

にこ「あぁ〜!もうその話はいいの!というか、話って何?こころに海未が大事な用があるって言ってたって聞いたから待ってたんだけど?」

海未「あっ…えっと、とりあえずマンションの前で話すような事じゃないですし……公園でも行きましょう」

にこ「はいはい」

にこ「………というか………μ's以外で………あんた達以外と活動するとかありえないし………」ボソッ

海未「え?」

にこ「あぁー!もういいから早く行く!」

海未「??は、はい…」
0076名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 01:48:03.78ID:/aA6JPT8




にこ「ふーん、それで私のところに来たってわけね」

海未「はい…ですが希に止められてしまって…」

にこ「なに、それで納得したの?」

海未「えぇ…希の言う通り絵里をこんな状況で呼ぶのは…やはり良くないかと思い…」

にこ「…私は絵里なら喜んで協力してくれると思うけど」

海未「えっ?」

にこ「希だって今、絵里がどこで何してるかなんて知らないはずでしょ?なのに連れ戻す事には否定的って……それはただの希のエゴじゃないの?」

海未「……ですが」

にこ「希の言う事だって一理あるわよ…でも、結局やるかやらないか決めるのは希じゃなくて当人の絵里なんだから」

海未「…………」

にこ「………希だってあんた達が嫌いでそう言ってるんじゃない。希なりの優しさなんでしょうけど」

海未「はい…」
0078名無しで叶える物語(SIM)
垢版 |
2020/06/28(日) 08:56:36.18ID:7DPe3Nno
続きはよ!!!
0079名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2020/06/28(日) 09:23:47.06ID:WYHvwYft
面白いな……続き待ってます
0080名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2020/06/28(日) 09:26:22.23ID:AF+d+dtr
一年はいまどこに


ありさは
0082名無しで叶える物語(家)
垢版 |
2020/06/28(日) 14:26:15.48ID:YZoPk7kS
読んでたら懐かしさがこみ上げてきた
前スレが落ちた時点でかなり進んでたんだよな
0087名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 18:32:53.12ID:MvGxZyme
にこ「…私も妹がいるから、絵里の気持ちはわかってるつもり」

にこ「でも、いつまでも落ち込んでなんていられないし…何より、絵里はずっと落ち込むような性格じゃない」

にこ「何かしら行動してるはずよ」

にこ「それに…もし、まだウジウジしていたとしても…」

海未「……しても?」

にこ「あの子なら、あんた達がピンチだって聞いたら絶対に駆けつけてくれる」

にこ「μ'sに入る前からコーチしてくれたり、なんだかんだお節介なのよ、絵里も」

海未「………」

にこ「…不幸はあったけど、絶対にμ'sへの愛は無くなってないはずよ」

にこ「私が保証するわっ!」

海未「にこ…ありがとうございます」ペコリ

にこ「ま、にこの願望も入ってるかもだけどね」
0088名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/28(日) 18:34:52.08ID:MvGxZyme
にこ「っていうか海未」

海未「はい?」

にこ「絵里の所在地や連絡先がわかったところで、あんた、どうやって穂乃果に伝えるの?」

にこ「穂乃果も行方……わからないんでしょ?」

海未「あっ…」

にこ「はぁ…あんた、そんな抜けたキャラだった?」

海未「すいません…最近、色んな事が起こりすぎて……整理が……」

にこ「まっ、いいわ…」

にこ「もし何か困った事があったら私のとこに来なさいよ、相談ぐらいなら乗ってあげるから」

海未「…はい、ありがとうございます」

にこ「んじゃ、私は帰るわね」

海未「…にこ」

にこ「なに?」

海未「にこは…」

海未「にこは…絵里が帰ってきてくれると思いますか?」

にこ「………」

にこ「言ったでしょ、それはあの子が決めること」

海未「……そう……ですよね」

にこ「……じゃあね」
0089名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:35:47.81ID:MvGxZyme
海未「………」トボトボ

「海未ちゃん」

海未「…?」クルッ

「やっ」

海未「…誰、ですか…?あっ…」




穂乃果『なんか、ひょっとこのお面つけてて…』




海未「(ひょっとこのお面……それにこの佇まい……雰囲気……)」

海未「もしかして……あなたが」

海未「……“あいどる”?」

「うんっ!情報収集、頑張っているかね?」
0090名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:38:03.08ID:MvGxZyme
海未「私に…何か用ですか…?」

「海未ちゃんもライブに招待しようと思ってね」

海未「ライブ…?」

「うん、ライブ。8月3日に音ノ木坂学院の屋上でやろうと思ってるんだ」

海未「(8月3日……)あなたがなにか歌うつもりですか?」

「……穂乃果ちゃんも来る」

海未「!」

「きっと来る、来てくれる」

海未「穂乃果が今どこにいるか知っているんですか…?」

「……さぁ、何処にいるんだろうね」

海未「……あなたの目的は何ですか?」

「………つまらないよねぇ、この町………」

海未「え?」
0091名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:39:55.37ID:MvGxZyme
「一昔前、スクールアイドルの大ブームが巻き起こって、町中が盛り上がった……」

「……スクールアイドル界の伝説、μ'sの活躍によってスクールアイドルは一躍人気コンテンツとなったよね」

海未「…質問の答えになっていないんですが」

「でも、数が増えただけ、クオリティの低下は否めないもの」

「アイドルは増え過ぎた」

海未「さっきから何を…!」プスッ

海未「えっ…?」クラッ

海未「(後ろから……)」

「安心して。少しの間、眠っちゃうだけの麻酔だから」

海未「あ……あなた……は……だ………れ………な………」バタッ

「………ライブ絶対に来てね、ウミちゃん」
0092名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:42:09.16ID:MvGxZyme
チャン……ミチャン……ウミチャン!!

海未「んっ…」

ことり「海未ちゃんっ!よかった…目覚ました…」

海未「ことり……私は……」ムクッ

ことり「ビックリしたんだよっ?道端に誰か倒れてると思ったら、それが海未ちゃんなんだもん」

海未「(そうでした……私は“あいどる”と話してて……それで……)」

海未「それで………ッ!」ズキッ

ことり「海未ちゃんっ!?大丈夫?」

海未「え、えぇ……平気ですよ」

海未「(麻酔銃か何かですかね……どうりで)」

ことり「本当に大丈夫なの?一応病院に行った方が…」

海未「いえ、本当に大丈夫ですよ……最近、あまり寝れてなかったからか、少し目眩がしただけです」

ことり「そ、そう…?ちゃんと寝ないとダメだよ?」

海未「……そうですね」
0093名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:44:06.85ID:MvGxZyme
海未「それよりもことり、日本に帰っていたんですね」

ことり「うん、ちょっと前にね」

海未「それで、今回は何用で?」

ことり「それがね!これからはこっちでお仕事する事になったんだ!」

海未「え…日本で…ですか?」

ことり「え?そ、そうだよ…だ、ダメ…かなぁ?」

海未「い…いえ!そんな事はありませんよ!ことりと会う機会が多くなるのは……嬉しいです」

ことり「えへへ…私も♪」

海未「(……ことり……このタイミングで日本に戻ってくるのは……)」
0094名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:48:10.29ID:MvGxZyme
-8月3日-

海未「……行ってきます」

ガララ…バタン

〜音ノ木坂学院〜

海未「……ふぅ」

ガチャリ

海未「」キョロキョロ

海未「あっ…穂乃果!」

穂乃果「……ッ!」

穂乃果「…海未ちゃん」

穂乃果「良かった、無事で…」

海未「……来たんですね」

穂乃果「そりゃあね…私は戦うって決めたから…」

海未「…そうですよね」

穂乃果「それより、なんで海未ちゃんがここに?」

海未「はい……私も……“あいどる”に会ったんです」

穂乃果「“あいどる”に!?……そっか」
0095名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:50:12.38ID:MvGxZyme
海未「穂乃果、それは…」

穂乃果「リボンのこと?へへへ…うん、子供っぽく見えるから外してたんだけどね…変装のつもりで」

パチパチパチパチ

穂乃果&海未「!」

「いやいや、似合ってるよ穂乃果ちゃん」

穂乃果「……」

海未「“あいどる”…」

「二人とも、今日は本当に来てくれてありがとう」
0096名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:51:38.56ID:MvGxZyme
穂乃果&海未「…………」

「…………」

「穂乃果ちゃん」

穂乃果「……?」

「海未ちゃん」

海未「……?」

「そして……私」

「三人だけのライブだ」

海未「あなた、何を言って…」

「この広い屋上で三人だけのライブは辛いよね」

「ねぇ穂乃果ちゃん」

穂乃果「………」

「………ねぇ穂乃果ちゃん」

穂乃果「……用があるなら早く言ってよ」

「怒らないでよ穂乃果ちゃん………そのリボン、懐かしいね、似合ってるよ……すごく可愛い」

穂乃果&海未「…………」

「……やっぱり三人だけじゃ盛り上がらないね」

「どんなに頑張ったって、所詮は三人」

「誰も振り向いてくれないんだよね…」

海未「………」
0097名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:54:50.19ID:MvGxZyme
「おわり」

海未「……?」

「今日のライブはここまで」

穂乃果「え?」

「ふふっ…でも安心して」

「もう次の予定は決まってるから」

「次は……2019年の12月31日だよ、東京の人たちを巻き込んで、盛大にラブライブ9周年を盛り上げよう」

「同時にμ'sの復活コンサートもやるから絶対にメンバーを集めるんだよ」

穂乃果「……何をする気なの?」

「東京の街を再びアイドルの熱気に包み込むのさ」

海未「…具体性にかけますね」

「海未ちゃんも疎くなったなぁ」

海未「……」

「いずれ分かるよ……じゃあね、二人とも……また会おう」スタスタ

ガチャリ、バタンッ
0098名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 18:57:11.40ID:MvGxZyme
・・・・・

海未「いったい、なんだったのでしょうか…」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?どうかしたんですか?」

穂乃果「ねぇ、海未ちゃん……」

海未「はい?」

穂乃果「海未ちゃんも以前“あいどる”に会ったんだよね?」

海未「え、あ…はい、それがどうかしましたか?」

穂乃果「なんだろう……何か今日の“あいどる”には少し違和感があったような」

穂乃果「前とは違う……何かが……」
0099名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:01:59.44ID:MvGxZyme
〜帰路〜

海未「つまり穂乃果は“あいどる”は一人ではなく…複数人存在していると言いたいんですか?」

穂乃果「……どうかな、あくまでもなんとなく感じただけだから……私も断言は出来ない」

穂乃果「でも…あの違和感…その線もあるのかな」

海未「“あいどる”が複数人いるとなると……いよいよ正体と目的が分からなくなってきましたね……」

穂乃果「そうだねぇ…疲れるね…」

「あっ!穂乃果ちゃ〜ん!海未ちゃ〜ん!」

穂乃果「んっ…あっ!ことりちゃん!」

ことり「えへへ♪久しぶりだね、穂乃果ちゃん♪」
0100名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:04:45.03ID:MvGxZyme
穂乃果「ことりちゃん、日本に帰って来てたんだね!」

ことり「うん!しばらくはこっちでお仕事することになったの♪」

穂乃果「へぇ〜!お母さんとも定期的に会えるし、よかったねっ!」

ことり「うん!って穂乃果ちゃん、それ!」

穂乃果「ん?」

ことり「そのリボン!またつけ始めたんだぁ〜♪懐かしいね〜、やっぱり似合ってるし、すごく可愛い!」

穂乃果「…っ!」

海未「えっ…」

ことり「え?」
0101名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:08:29.63ID:MvGxZyme
ことり「あっ…えっ…わ、私…何かイケナイ事、言っちゃったかな…?」

穂乃果「……」

穂乃果「……ハッ!」

穂乃果「う、うーうん!そんな事ない!………ありがとね、ことりちゃん♪」

ことり「そっか、よかったぁ…」

ことり「じゃあ私、ちょっとお母さんに用があるからこの辺で♪」

ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、またね!」

穂乃果「うん、またね!」フリフリ

タッタッタッタ …

海未「……あっ、そういえば……」




『同時にμ'sの復活コンサートもやるから絶対にメンバーを集めるんだよ』




海未「あの!ことr…」

穂乃果「海未ちゃんッ!」

海未「えっ!?……は、はい?」

穂乃果「いいよ、言わなくて…」

海未「え…?」

海未「な、何故ですか?」
0102名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:13:21.88ID:MvGxZyme
穂乃果「何故?」

穂乃果「……私は、もう誰も犠牲になってほしくない」

海未「……」

穂乃果「ヒデコが死んだ時……私、すごく悲しくて……寂しくて……冷静でいられなかった」

穂乃果「でも、ヒデコの手紙を読んで思ったの……私が守らなきゃ……って」

海未「……いったい、何を守るって言うんですか?」

海未「ごく普通の市民である私たちが守れるものなんて……」

穂乃果「確かにそうかもしれない、世界を救うなんて……現実的じゃない」

穂乃果「でも、一人だとしても、せめてみんなは……μ'sのみんなだけは……失いたくない……絶対に守りたい」

海未「一人で世界を救うなんて…無理です、そんなの」

穂乃果「……かもね!」

穂乃果「でも、やれるとこまでやるよ」

穂乃果「だから、海未ちゃんも…もう私の事はほっといてくれていいよ」
0103名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:17:54.56ID:MvGxZyme
穂乃果「……」 スタスタ

グイッ!

穂乃果「…!」

海未「一人でやるなんて、自分一人で世界を救うだなんて…!」

海未「思い上がりすぎです…!」

穂乃果「……っ」

海未「これは穂乃果だけの問題じゃなく、μ'sの問題のはずです」

海未「なら、一人ではなく九人で解決するべきなんじゃないんですか!?」

穂乃果「……でも、私は……μ'sのリーダーとして」

海未「あの時…栄冠を勝ち取ったのは、あの九人だったからです!一人では成し遂げられなかったはずです!」

海未「あなたがそれを一番わかっているはずなのに!……なのに、なんで……」

穂乃果「………」
0104名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:24:28.07ID:MvGxZyme
海未「メンバーにコンタクトを取れと言ったと思ったら、今度は巻き込みたくない?意味がわかりません」

海未「もう、ついていけません…」

穂乃果「………」

海未「……グスッ」ゴシゴシ

海未「…私は集めます」

穂乃果「え?」

海未「メンバー全員…」

海未「私があなたを止める権利がないのなら、あなたが私達を止める権利もないはずです…!」

穂乃果「海未ちゃん…」

海未「…穂乃果に守られる筋合いなんて、こっちにはありません!」

海未「廃校だって一人で阻止できなかったのに、世界を救うなんて大それたこと、無理に決まっていますから…」

穂乃果「……わかったよ……でも無理だと思う、みんな……こんな厄介ごとなんて……」

海未「……待っててください」クルッ

穂乃果「………」クルッ

穂乃果「………またね」
0105名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:27:31.29ID:MvGxZyme
穂乃果「……ごめん、海未ちゃん」

穂乃果「でもやっぱり、これは私の問題、みんなに迷惑はかけられないから……」

穂乃果「…とは言っても、何をしたらいいかなぁ…」

老婆「穂乃果」

穂乃果「あ、常連さん、お久しぶりです!」

穂乃果「この間は住処紹介してくれてありがとうございました」

老婆「ただの地下だよ、感謝なんていらないわい」

老婆「それより、これを見てみんさい」

穂乃果「え?どれどれ…」

穂乃果「……ッ!“あいどる”、政治に参入か……って」

穂乃果「これは……なんだかイヤな予感が……」
0106名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:32:36.72ID:MvGxZyme
-6ヶ月後- 〜ロシア〜

コツ…コツ…コツ

ガチャ

オペレーター「ん?……あらあら、この案件にあなたは関係がないはずだけど?」

「潜入捜査に加えて組織撲滅までがミッションだなんてあの子には荷が重すぎるでしょ」

オペレーター「ふーん、それで代わりに出陣なんて、お優しいのねぇ」

「……そんなんじゃないわよ……私はただ、あの手の輩が許せないだけ」

オペレーター「うーん…でも、あなたが担当なら色つけないとね…全く…」

「だから、お金なんていらないって言ってるでしょ…いつも…」

オペレーター「とは言っても、一応『お仕事』なんだからね♪」

「……好きにしてちょうだい」

オペレーター「じゃあ後でマップは送っとくから、よろしくお願いね」

女「…エリーチカ」

絵里(25)「…っ、その名前で呼ばないで」
0107名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:35:28.31ID:MvGxZyme
オペレーター「あれぇ…そんな装備でいいのぉ?」

絵里「いつも言ってるでしょ、私は武器なんていらないの」

オペレーター「心で語りかけるってやつ?」

オペレーター「く〜!か〜っこい〜!」

絵里「…茶化さないで」

オペレーター「んもぅ、軽いジョークなのにぃ」

オペレーター「ロシアンジョーク?ってやつよ!」

絵里「ハラショー、とっても笑えるわロシアンジョーク」

オペレーター「でしょでしょー!いやーエリーチカに褒めてもらうとうれs」

絵里「それじゃあ行くから、早くマップ送っときなさい」

バタンッ

オペレーター「……OH」
0108名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:39:38.89ID:MvGxZyme
ピピッ

絵里「ん」

絵里「…何よ、すぐそこじゃない」

絵里「こんなのマップじゃなく、口頭で伝えなさいよね」

絵里「…まったく」

「お姉さん!ねぇ、そこのブロンド美女!」

絵里「………」スタスタ

「ちっ…無視すんなよ!」グイッ

絵里「…っ、気安く触らないで!」グリッ

「あいだあぁぁぁ!!!!!」

絵里「…あら、あなた見た事あるわね」

「は、はぁ!?」

絵里「あ、あぁ…あなた、今から尋ねるEN-JINマフィアさんの使いっ走りじゃない」

絵里「お使い中にナンパなんてしてちゃ…ダメでしょ、坊や?」

「うっせぇ……どうせ俺なんて組織の末端、所詮は使い捨てなんだよ……忠誠心なんざハナからねぇ」

絵里「へぇ…」

絵里「ねぇ…あなたにお願いがあるんだけど」

「は?」
0109名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:43:43.73ID:MvGxZyme
キィィ…

男1「あん?」

「今、帰りましたー…遅くなってすみません」

男2「おいおい下っ端くんよw お使いにどれだけ時間かけてんだよ」

「す、すみません」

男1「ったくよぉ〜……ん?」

男1「お前なんか影が濃くn…」

ドスッ

男1「」ドサッ

男2「!?ど、とうした……って」

男2「誰だテメェは!!」

絵里「……あっ、私?」

男2「テメェしかいねぇだろ!」

絵里「賢い可愛いエリーチカ…頭を文字ってKKEでいいわ」

絵里「なんてね」

男3「なに呼ばせようとしてんだボケ!」

絵里「呼んでくれた方が虫唾が走って、仕事が早く終わるのよ」

男3「知らねぇよ!!」
0110名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:48:14.00ID:MvGxZyme
ボス「まぁまぁ、待てや」

男3「ボス……いやしかし」

ボス「いやはや、こんな綺麗なお嬢ちゃんがわざわざ会いに来てくれてるとは」

絵里「」ジッ

男3「なにガン飛ばしてんだコラァッッ!!」

ボス「まぁ落ち着けや」

ボス「なぁ嬢ちゃん、ここに来た理由は一つだよなぁ」

絵里「………」

ボス「女一人でここに乗り込むなんて馬鹿な事するほど、こいつが欲しかったんだろ?」スッ

ボス「もうクスリキメたくてキメたくてたまらねぇんだろ?」

絵里「……えぇ、ありがとう、頂くわ、おいくらかしら?」

ボス「ふふ…金なんていらねぇよ、その代わり…これからは毎日俺と楽しい事をするだけの人生になるだけよ」

絵里「あら嬉しい、じゃあこのお薬、証拠として頂いてくわね」

ボス「あ?」

ドスッ

ボス「」バタッ

男2&男3「テメェ……!!!!」

絵里「すぐ発情するけど…あなた達、もしかしてお猿さん?」

男2&男3「犯してグズグズにして泣かせて、後悔しながら死なせてやるッッ!!」

絵里「…口だけは達者ね」
0111名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:51:01.37ID:MvGxZyme
男2&男3「」

「す、すげぇ…」

絵里「さてと……」ジロッ

「い、いや…や、やめて…勘弁してくれ」

「俺はただ、母ちゃんに美味いモン食わしてやりたくて……その、食いっぱぐれないから……この仕事やってるだけなんだよ……!」

絵里「…もういいから、さっさと行きなさい」

「…え、い、いいのか」

絵里「……あなた、どうせ15にもなってない世間知らずちゃんでしょ?」

「んだとッッッ!!」

絵里「大人はあんな人混みで人をナンパなんてしたりしないの」

絵里「大抵ナンパする奴なんて、自分を大きく見せたいだけの見栄っ張りなんだから」

「……チッ!」

絵里「……だから、早く行きなさいよ……私は……その……年下は……興味ないから」

「……ケッ!」ダダダダ

絵里「………はぁ」

絵里「ダメね……もう」
0112名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 19:58:40.13ID:MvGxZyme
プルルルルルルル…ガチャリ

オペレーター「もしもし〜?」

絵里「私よ、終わったわ」

オペレーター「お疲れ様、さすがに早いね〜、報酬もあるし、とりあえず一旦戻ってきてくれない?」

絵里「だから、報酬なんていらないってば」

絵里「報告はしたし、もう切るわよ」

オペレーター「え!?あ、ああぁ!!ちょ、ちょっと待ちなさい!」

絵里「…っっ、うるさいわね…何よ」

オペレーター「あなた宛に電話が来たのよ、発信源はえーと……ヤポーニャ、日本ね」

絵里「(日本……)……内容は?」

オペレーター「ん〜、よくわかんなかったなぁ、なんかずっと同じ事言ってたけど」

絵里「………」

絵里「私は…日本にやり残した事なんてないし、イタズラ電話でしょ」

オペレーター「たしか、ミューズって言ってたかなぁ……」

絵里「」ピクッ

オペレーター「なになにっ!ジャパニーズソープ?」

絵里「……ねぇ、しばらく仕事入れないで」

オペレーター「今日も別に入れた覚えはないんだけどね」

絵里「…っ、いいから」

オペレーター「はいはい、なに、どっか行くの?バカンス?」

絵里「……そこ」

オペレーター「え?」

絵里「日本の…東京よ」
0113名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:02:33.07ID:MvGxZyme
〜日本〜

絵里「……(もう二度と来ることはないと思ってたけど……)」

「おい、あっちで愛民党が選挙活動やってるってよ!行こうぜ!!」

「マジかよ!もしかして“あいどる”も来てたりすんのかなぁ」


絵里「……“あいどる”?」スタスタ


絵里「…………なに、これ…………」

「“あいどる”!“あいどる”!“あいどる”!“あいどる”!」

「うわああああああああああ!!!“あいどる”だああああああ!!!!」

あいどる「」スッ

ピタッ…シーン …

絵里「(……こんな大人数が一瞬で……飼いならしてるって言うの?なんなの……あいつは)」

“あいどる”「やぁ、みんな、今日は来てくれてありがとう」

“あいどる”「『今』を維持する愛民党に清き一票をお願いします、では」

絵里「…これだけ?」

“あいどる”「あっ、そうだ……絵里ちゃんも私に清き一票を」

絵里「………っ!?」
0114名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:04:36.83ID:MvGxZyme
“あいどる”「やっと…絵里ちゃんも来たんだね」

絵里「……なに、誰?」

“あいどる”「実は今日会ったのは偶然じゃないんだ、必然さ」

絵里「………」

“あいどる”「絵里ちゃんを待ち伏せてたんだよ」

絵里「……!」

絵里「なんなの…」

“あいどる”「なんで下ばかり見てるの?こっちを向いてよ、寂しいじゃないか」

絵里「………あなたh」ガッ

絵里「え?」

「絵里だぁぁぁ……μ'sのぉぉぉ、“あいどる”の御交友だぁぁ……」

絵里「ちょっと、離しなさい!」ジタバタ

「絵里だぁぁぁ……」

絵里「……ッ!離しなさいってば!!」

グルンッ

「!?……ぐぇっ!?」 ドサッ

絵里「……!」キッ

“あいどる”「あははは」

絵里「…っ!」ダッ


“あいどる”「追って」

「おおおぉぅぅぅぅぅっっっ!!!」
0115名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:06:34.04ID:MvGxZyme
ダダダダダダダッ

絵里「まさか、この歳になって数百人と鬼ごっこする事になるなんて……笑えない」

「ああああああああああうううううううう」

絵里「もうしつこいわね…」

絵里「(でも……逃げ切れる!)」

絵里「(あんた達みたいな狂信者より、私の方がこの辺の立地は詳しいんだから…!)」

ダダダダダダダダダッ

絵里「(あとは……ここを右に行けば!……って)」キュイッ

絵里「行き、止まり……?」

絵里「(嘘、前までここに壁なんて……)」

ガシャッ

絵里「(…?足元から…なにか)」チラッ

グイッ!

絵里「え!?」

ウワアアアアアアア………!!!
0116名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:08:23.83ID:MvGxZyme
ドサッ!

絵里「いったぁい…」

絵里「誰よぉ…もうっ」

「ごめんごめん、絵里ちゃん…ピンチそうだったから」

「大丈夫?」

絵里「……この声……まさか」バッ

穂乃果「怪我ない?本当にごめんね!」

絵里「穂乃果…」

穂乃果「……久しぶりだね、絵里ちゃん」

絵里「えぇ…」

穂乃果「“あいどる”をマークしてたらさ、絵里ちゃんがいてビックリしたよ」

絵里「……さっきの」

穂乃果「ん?」

絵里「さっきのアレはなに?私が日本を離れている間にいったい何があったのよ」

穂乃果「…とりあえず私の家行かない?ちょっと歩くけど」

絵里「……えぇ」
0117名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:11:20.18ID:MvGxZyme
コツ…コツ…

絵里「…ところで穂乃果」

穂乃果「どうしたの?」

絵里「さっきの質問以外にも聞きたい事は山ほどあるんだけど、とりあえず一ついいかしら」

穂乃果「うん」

絵里「家って、あなた…もしかしてこんな地下に住んでるの?穂むらはどうしたのよ?」

穂乃果「全焼…」

絵里「…意味がわからないのだけど」

絵里「なんでそうなったのよ…」

穂乃果「まぁ、色々あって……後でその件も含めて……全部話すから」

絵里「理解しきれるかしら……」
0118名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:14:36.70ID:MvGxZyme
絵里「それにしたって、なんで地下なんかに…」

穂乃果「私いま指名手配されてて」

絵里「ダメ、全然頭に入っていきそうにないわ」

穂乃果「そんな時に常連さんが紹介してくれたんだ、ここならひとまずはって」

絵里「常連さんって……あのいつも風呂敷を持ってたおばあさん?」

穂乃果「そうだよ!」

絵里「ふぅん…(いったい何者なのかしら)」

絵里「…ちゃんと栄養は採れてるの?健康は?大丈夫?」

穂乃果「大丈夫だよ!それに、ここに住み始めてから、色々発見があって楽しいよ」

穂乃果「今まですごく贅沢に生きてきたんだなって…」

絵里「そう…ならよかった…」

穂乃果「さて、話してる間に着いたよ」

絵里「ここが……割とちゃんとした家じゃない」

穂乃果「でしょでしょ!!」
0119名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:18:16.82ID:MvGxZyme
穂乃果「ただいま、帰ったよ」

穂乃果母「おかえりなさい!って、あら?もしかして…」

絵里「お久しぶりです、おばさん」

穂乃果母「まぁまぁ、絵里ちゃん!本当に久しぶりね〜!」

穂乃果「また綺麗になって、昔と違ってワイルドな……すっかり大人の女性ね……」

絵里「えぇ…まぁ最近はオシャレとかはあまり考えてないんですけど…」

ヒョコ

絵里「…ん?」

秋穂「穂乃果おばちゃん、おかえりなさい〜!」

穂乃果「秋穂〜ただいまー」ダキッ

絵里「」ポカーン

穂乃果「ん、あぁ……雪穂の子だよ」

絵里「あ、あぁ……なるほどね」

秋穂「あれれ、おばちゃんはなにもの?」

絵里「私……私は、そうね……エリーチカって言うの」

秋穂「エリチカおばちゃん!」

絵里「お、おばちゃん……まだ25なんだけれど……」

穂乃果「た、たはは……まだ2歳だから」
0120名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:21:12.71ID:MvGxZyme
ドサッ

穂乃果「じゃあ…んーと、どこから話そっか」

秋穂「なにをなにを?」チョコン

絵里「その前に穂乃果、一つ聞かせて」

穂乃果「ん、何?」

絵里「私を日本に来るように促したのはあなた?」

穂乃果「え?何が?」

絵里「…電話、寄越さなかった?」

穂乃果「…?いや、かけてないけど…」

絵里「…?なら、たまたまあのマンホールの下にいたの?」

穂乃果「さっきも言ったけど、私は“あいどる”をマークしてただけだから…ホントに偶然だよ」

絵里「……じゃあ誰が」

「私ですよ」

絵里「?」クルッ

海未「絵里に連絡をしたのは私です」

穂乃果「海未ちゃん…」
0121名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:24:46.67ID:MvGxZyme
海未「久しぶりですね、絵里」

絵里「海未…あなただったのね」

海未「はい…すいません、わざわざ出向いてもらって…。それに…」

絵里「いいえ…いいのよ、あなたが連絡を寄越すなんてよっぽどの事でしょうし」

海未「絵里……すいせまん」

穂乃果「海未ちゃん……私一人でやるって……言ったはず……」

海未「…穂乃果、本当に一人でやろうと思っているんですか?」

穂乃果「え…?」

海未「一人でやろうとするなら、何故絵里に事の顛末を説明しようとしたんですか?」

穂乃果「そ、それは…」

海未「……あなたが考えていることなんて……ただの自己満足です……ただの独り善がりです」

海未「出来もしないことを一人で解決しようとする、後先考えずに行動する……ただの馬鹿者です……!」

穂乃果「バカ…」

穂乃果「でも……私は……刺し違えてでも“あいどる”を……」

海未「穂乃果、刺し違えてでもと言いましたが、あなたに何かあった時のことを考えられないほど、あなたは馬鹿ではないでしょう?」

穂乃果「それは……」

海未「……あなたがもし死んでしまったら……残された者はどうすればいいんですか?」

穂乃果「………」

絵里「…………」
0122名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:26:50.56ID:MvGxZyme
海未「例えばあなたの膝の上にいる秋穂」

秋穂「ほぇ?」

穂乃果「………」

海未「秋穂だけじゃありません、私だって…」

穂乃果「………」

海未「……一人で背追い込まず、困ったらみんなで解決……そうするって8年前……決めたじゃないですか」

絵里「海未の言う通りよ穂乃果、なにも一人で背追い込む必要なんて」

穂乃果「……無理だよ」

海未「ッ!」

穂乃果「これは……私しか……そう、リーダーの私の問題、みんなは……巻き込めない」

海未「……っ、あなたは……っ……」

絵里「穂乃果……」

穂乃果「…………」
0123名無しで叶える物語(光)
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2020/06/28(日) 20:30:59.94ID:MvGxZyme
「まーったく、ウチのリーダーさんはこんな面倒くさかったっけかなぁ?」


穂乃果「……!?」


「そうにゃそうにゃ!面倒くさいのは一人で十分だよね〜!」

「チョット!!それって誰の事よっ!!」

「ま、まぁまぁ…二人とも、あんまり大きい声は……響くし、ね…?」

「でもこうやって、みんな揃うのは久しぶりだよね♪」

「ふんっ!私より絵里の方が必要ってのが気に入らないわね!」


絵里「……ふふっ、スーパーアイドルは多忙だし、仕方ないじゃない、ね?」


「ま、まぁね〜!海外にいた割には良く知ってるじゃない!」

穂乃果「こ、こんな……これって……」

海未「あの時、言ったでしょう……絶対にみんな集めてみせると」

穂乃果「みんな……海未ちゃんが……?」

海未「声をかけたのは私です、でも決めたのはみんなです」

海未「…みんな、穂乃果のためならと」

穂乃果「……みんな」

海未「穂乃果、あなたが一番わかっているはずです…あの時にラブライブで優勝出来たのも…みんながいたから、みんなで頑張れたからと…」

海未「今回だって、それは同じではないですか?」

穂乃果「……」ジワッ

穂乃果「…みんな、変だよ」


ことり「へへ…♪」

真姫「まったく、最近全然顔見せないと思ったら…」

凛「真姫ちゃん、すっごく心配してたんだよねー!」

花陽「改めて…久しぶり、穂乃果ちゃん」

希「μ's再集結やねぇ♪」

にこ「多忙の中来たんだから、感謝しなさいよね!」


穂乃果「…グスッ…ッ……みんな……グスッ……エグッ……あ、ありがとう……」

絵里「……フッ」
0124一旦落ちます(光)
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2020/06/28(日) 20:34:20.37ID:MvGxZyme
穂乃果「私…私…」グスッ

ナデナデ

穂乃果「…んっ」

秋穂「泣かないで、穂乃果おばちゃん」

穂乃果「…うん、ありがとう、秋穂」

穂乃果「みんな、来てくれてありがとう……本当にありがとう……」

凛「へへへ〜!でも、みんな揃うなんて本当に久しぶりだにゃ!」

穂乃果「そうだよね……本当はもっと楽しい感じで再開したかったんだけど……」

花陽「あ、あの…私、実はあまり現状を把握してなくて…」

絵里「そうね…ちょうどいいわ穂乃果、みんな揃ったんだし…これまでのこと、話しなさい」

穂乃果「うん…あのね」


秋穂「おぉー」カチカチ…ピッ


穂乃果「あっ、秋穂、テレビつけちゃダメだよ……」

穂乃果「って!!」

穂乃果「……これ……!!」

【羽田空港では現在も消火活動は続いており、犯人の素性・動機は未だ不明です、死傷者は……】

絵里「……さっきまで私がいた羽田……偶然かしら」

海未「穂乃果……これは」

穂乃果「………間違いない、絶対に………“あいどる”だ………」


“あいどる”とのライブコンサートまで残り9ヶ月。
この空港爆破をキッカケに“あいどる”は暴走を始める。
そして、これはまだ序章にしかすぎなかった。

第1章「はじまった恐怖」-完-
0125名無しで叶える物語(茸)
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2020/06/29(月) 01:23:48.20ID:Bv1iNm3A
いいですね!
悪くないと思いますよ!
ただ惜しむらくはほぼ原作と変わらないところですね!
せっかくなのでオリジナリティが欲しいところです!
0129名無しで叶える物語(SIM)
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2020/06/29(月) 07:42:54.83ID:Hp9Lud0n
つづきはいつになるのか
とらあえず、保守せな!
0131名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/06/29(月) 08:19:01.43ID:bdrJex0d
こんな神SSがあったとは…
期待!
0137名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:19:01.97ID:jkhiq8KD
第2章「21世紀少女」

-1ヶ月後-

希「ただいまー、お昼の町内巡回終わったよ」

凛「おかえりー、早かったね!」

にこ「そりゃ早くもなるわよ。だっていつもと変わりゃしない平和な街並みよ?パパッと終わるに決まってるじゃない」

希「あれ?穂乃果ちゃんと絵里ちは?」

花陽「何か…調べる事があるって言って、二人揃って出て行っちゃった」

凛「真姫ちゃんはいつも通りお仕事にゃ」

希「真姫ちゃんは二足の草鞋で大変やね」

にこ「まぁ、真姫の財力は貴重な武器なんだし、頑張ってもらわないとね!」

花陽「えっ…」

凛「それは…」

希「にこっち…」

にこ「え…は、い、い、いや…じょ、冗談よっ!!」

3人「」ジトッ

にこ「あは、あははは!!」

穂乃果母「みんなー、お昼ご飯出来たんだけど、食べていくかしら?」

4人「わーい!いただきます!」
0138名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:23:42.50ID:jkhiq8KD
〜都内 某レズビアン風俗店〜

穂乃果「……ここ?」

絵里「えぇ…みたいよ」

穂乃果「…初めて入るんだけど」

絵里「私はあるわよ」

穂乃果「う、うそ!?」

絵里「仕事でだけど」

穂乃果「え、どうだったの!?」

絵里「……いいから、早く行きなさい」

穂乃果「……はい」

ガチャ

黒服「いらっしゃいませ」

黒服「コースはどうなさいますか?」

穂乃果「う、うーん……これ、選ばないとダメ?」

黒服「はい」

穂乃果「じゃあ…このイチャイチャ、気になるあの子はおサセだったコースで」

黒服「こちらですね…ご指名はどうなさいますか」

穂乃果「えっと…17番で」

黒服「かしこまりました…では、こちらへどうぞ」
0139名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:27:23.86ID:jkhiq8KD
ガチャリ

女「今日はよろしくお願いします♪あは♪ちゃんと待てが出来てお利口さん」

穂乃果「………」

女「緊張しなくていいのよー?とりあえずサングラスと帽子取ってもらえる?」

穂乃果「あの…私、世間では一応、指名手配犯になってるから……怖がらせちゃうかもしれないんだけど」

女「…え?」

スッ

穂乃果「やっと見つけたよ」

女「!!!」

女「だれk…むぐっっ!!!」

穂乃果「し、静かに!!」

女「うっうぅ……!!」

穂乃果「大きい声出さない!?出さないって約束してくれるなら手をどけるから!!」

女「……ん!ん!」 コクッ

穂乃果「ほんと?…じゃあ、ゆっくり外すからね」
0140名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:31:57.38ID:jkhiq8KD
女「はぁ…はぁ…」

穂乃果「…1年ぶり…だよね」

女「今更…私に何のようですか」

穂乃果「聞かせて…雪穂は今どこ!?いや…じゃなくて…なにか“あいどる”について知ってる事は!?」

女「………」

穂乃果「あなたが秋穂を私の所に連れてきてから、“あいどる”は現れて…ヒデコは殺された…」

穂乃果「考えてみたら、あなたと出会ってから目まぐるしく状況が変わった」

穂乃果「その…だからつまり…あなたとあなたに秋穂を託した雪穂は“あいどる”が公に出る前から、“あいどる”の存在、そして脅威を知っていた…ってことだよね?」

女「はぁ…」

穂乃果「…?」
0141名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:37:34.67ID:jkhiq8KD
女「“あいどる”は……秋穂ちゃんの片親です」

穂乃果「え……じゃ、じゃ、じゃあ……やっぱり“あいどる”は……雪………」

女「“あいどる”は雪穂じゃありません」

穂乃果「え?だって今…」

女「言ってるじゃないですか、片親だって」

穂乃果「だから雪穂なんじゃ……」

女「プッ…なんの根拠があって…」

穂乃果「こ、根拠なんてもんじゃないよ!も、もう証拠の域だよ!」

女「なぜ?」

穂乃果「だ、だって…“あいどる”は音ノ木坂の卒業生で、そんでもって音ノ木坂は女子高で…つまり秋穂の母親が雪穂な場合、必然的に父親の人ではないってことになって…」

穂乃果「その…片親と言っても、つまりそれは雪穂のこt…」

女「穂乃果さん、固定観念を捨ててください」

穂乃果「…え?」

女「男と女が子供を作る、そんな時代は終わったんですよ、とっくの昔に」

穂乃果「…え?」ドクンッ

女「話はそれだけですか?」

穂乃果「………」

女「では、私はこれで、穂乃果さんが来たことは黙っておきますから」

穂乃果「……待って」

女「なんですか?」

穂乃果「あなたは…こんなところで何してるの?」

女「………私は“あいどる”の虜になってしまったんです」ニコッ

バタンッ

穂乃果「…………」
0142名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:42:58.90ID:jkhiq8KD
絵里「……遅いわね、穂乃果」

スタスタ

絵里「……ん」

絵里「どうだった?」

穂乃果「大変だよ…絵里ちゃん」フラフラ

絵里「大変って、なにが?」

穂乃果「人類の技術は私達が思ってる以上に進化してるよ……」

絵里「へ??」

絵里「話が見えないんだけど…私は収穫があったのかって言ってるの!」

穂乃果「ハッ…ご、ごめん…」

絵里「しっかりしてよね、んもぅ…」
0143名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:46:37.82ID:jkhiq8KD




絵里「……つまり、秋穂ちゃんの母親は二人いる?」

穂乃果「たぶん…そういう事になる」

穂乃果「本当にそんなことが可能なのかはわからないけど…」

絵里「……で、穂乃果……雪穂ちゃんの居場所は聞けた?」

穂乃果「あっ…」

絵里「…はぁ」

絵里「戻る?」

穂乃果「……いや、いいよ……」

穂乃果「あの子の発言から考えて“あいどる”が雪穂の可能性はほぼ無くなったし」

穂乃果「だったら今、雪穂に会う必要はないもん」

穂乃果「今は“あいどる”を止める事が先だよ」

穂乃果「……お母さんに会わせられないって考えたら、秋穂には申し訳ないけど」

絵里「……ほんとにね」
0144名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:49:47.77ID:jkhiq8KD
穂乃果「あっ、そうだ…あの子が出て行った後、こんなモノが落ちてて」ガサゴソ

絵里「なに?」

穂乃果「これ」スッ

絵里「……これは」

穂乃果「何か関係があるのかな?」

絵里「……まだ分からないわね、ただのファンなだけかもしれないわよ」

穂乃果「た、確かに…じゃあ返してきた方が」

絵里「例えば!の話だから…一応、私が持っておくわ」スッ

穂乃果「う、うん…」





コツコツコツ…

絵里「もうすぐアジトね」

穂乃果「アジトって…一応、私の家だよ?」

絵里「……もしかしたら尾行されてるかもしれないし、穂乃果あなた先に帰りなさい」

穂乃果「あっ、わかった…絵里ちゃんは?」

絵里「私はちょっと寄るところがあるから」

穂乃果「…そっか、じゃあ、気をつけてね!」タッタッタッ

絵里「えぇ、じゃあ…」
0145名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 11:55:32.24ID:jkhiq8KD
コツコツコツ…

絵里「………」

希「絵里ち」

絵里「…の…希?」

絵里「どうしてここに…」

希「絵里ちがここに来るってカードがね」

絵里「…相変わらずね」

希「絵里ちこそ」

希「………」

希「ホントにごめん、こんな状況で絵里ちを呼んでしまって」

絵里「…なに言ってるの、別に希が呼んだわけじゃないでしょ」

希「でも、ウチがもう少し本腰を入れて止めてれば」

絵里「あの子達には……私が必要だから」

希「え?」

絵里「8年前も……そうやって頼られてμ'sに入った、今回も同じよ」

絵里「海未に…穂乃果に…みんなに頼られたから、戻ってきた、それだけのこと」

希「………絵里ち」

絵里「それに、あの子だって……それを願ってるはずだから……」


【絢瀬家之墓】


絵里「…そうでしょ、亜里沙」

希「……お水、汲んできたよ」

絵里「……ありがと、希」
0146名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:01:39.93ID:jkhiq8KD
-同時刻- 〜地下 穂乃果宅〜

穂乃果「ん〜、こんな事してていいのかな…」

凛「なにが?」

穂乃果「きっと“あいどる”は何か仕掛けてくる…それが分かってるのに、何もせずにゴロゴロしてるだけなんて…」

花陽「ご、ゴロゴロは緊張感なさすぎじゃ…」

凛「でも、何をしてくるか分からないなんて、対策のしようがないにゃ」

にこ「歌でも歌ったら?」

穂乃果「歌?なんで歌?」

にこ「あんた昔、歌でいろんな人の心は動かせるって言ってたじゃない」

にこ「なら、歌で“あいどる”の脅威を歌詞にして都民に呼びかければいいのよ」

花陽「それって啓蒙活動?」

穂乃果「うーん…でも今の私じゃ外で堂々と歌えないんだよね…」

にこ「ギターとかは?」

花陽「路上ライブ…だね」

穂乃果「えぇ、ギターなんてないよぉ〜」

穂乃果母「え?ギター、あるわよ」

穂乃果「う、嘘!?えっ、ええ!?な、なんで?」
0147名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:05:19.03ID:jkhiq8KD
穂乃果母「お父さんの!」

穂乃果「うそ〜!お父さんギターなんて弾いてたの!?」

穂乃果「っていうか、なんでそのギターがここに!?燃えたんじゃ…」

穂乃果母「家が焼けてから何日か後に秋穂と二人で、残ってるもの片っ端から持ってきたのよ」

穂乃果母「奇跡的にこのギターは無事だったってわけ!」

穂乃果「へ、へぇ〜…」

にこ「にこが教えた変装技術があれば、花陽の言ったみたいに、路上ライブぐらいなら出来るんじゃない?」

穂乃果「でも…私、ギター弾いた事ないんだけど…」

秋穂「え!穂乃果おばちゃん、ギター弾くの?」

穂乃果「え…ん、んぅ〜…」

秋穂「秋穂聞きたい!」

穂乃果「……そうだよね、少しでも可能性があるんだ!やれる事はやろう!」

穂乃果「今からでも覚えよっか!よーし!頑張るぞー!オー!」

秋穂「オー!」


凛「仲睦まじいにゃ〜!」

花陽「そうだねぇ…」

にこ「んじゃ、にこはこころ達の晩御飯を作りに一旦帰るから」

花陽「あっ…うん、気をつけてね♪」
0148名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:09:32.74ID:jkhiq8KD
にこ「」スタスタ

にこ「んっ…?」

絵里「……おかえりなさい」

にこ「……なに、出待ち?」

絵里「それを言うなら待ち伏せ…でしょ?」

にこ「どっちでもいいわよ、なに?用があるなら入りなさいよ」

絵里「……にこ、あなたに折り入って話があるの」

にこ「…何よ、改まって」

絵里「今の彼女達に私が接触するのは不可能」

絵里「だから、にこのツテを利用させてもらいたいの」

にこ「……フッ、何を言い出すかと思えばこの銀河ナンバー1アイドルのにこにーを利用しようだなんて……」

絵里「お願い。誰にも出来ない、にこにしか出来ない事なの」

にこ「んっ……別に、やらないとは言ってないわよ、ちょっとからかっただけ……」

絵里「にこ…」

絵里「…クスッ、ありがと」

にこ「で、にこにしか出来ない事って?」

絵里「えぇ、これを見て」
0149名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:12:40.97ID:jkhiq8KD




スタッフ「じゃあ矢澤さん、スタンバイお願いしやーす!」

スタッフ「雰囲気に合わせて、こうバキューン!!と相槌お願いします」

にこ「はーい♪(なにその雑なディレクション…にこをこんな邪険に…!!むぅ……)」

「こんにちわ、お久しぶりね矢澤にこさん」

にこ「えっ、あ、あぁA-RISE!!……さん」

にこ「今日はよろしくお願いします!」ペコリ

ツバサ「いいのよ呼び捨てで、同い年なんだし…昔の馴染みじゃない」

にこ「そ、そう?」

英玲奈「我々は昔、共に拳を交えた、言わば戦友であり宿敵」

ツバサ「そっ、だから壁なんてないのよ」

にこ「で、でも…にこ、まだ駆け出しだしー…」

あんじゅ「昔馴染みに上下関係なんて隔たりはいらないのよ♪」

にこ「そ、そうですよねぇ〜♪」

スタッフ「A-RISEさん、出番っス、お願いしゃーす!」

A-RISE「では、また後で」

にこ「は、はい!また後で!」

にこ「(〜〜!!なんか、複雑…)」
0150名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:16:06.36ID:jkhiq8KD
〜〜〜

にこ「あんた達が調べてた人物からA-RISEの写真が出てきたぁ?」

絵里「えぇ、A-RISEは何か“あいどる”と関係があるのかもしれない」

にこ「その子がただA-RISEファンなだけなんじゃないの?」

絵里「それがわからないから、芸能界にコネがあるにこにお願いしてるのよ」

にこ「んぅ…」

絵里「私の情報ではA-RISEは今や芸能界の重鎮とも一定の関係を築いてるらしいの、調べる価値はあると思うわ…お願い、にこ」

にこ「別にいいけど…どんな感じで、何を聞き出せばいいのよ」

絵里「“あいどる”についてさりげなく聞いてくれればいいの」

絵里「変に深いところまで聞く必要はないわ、関連性があるかどうかだけわかれば…」

にこ「…わかった…」

〜〜〜

にこ「はぁ…」
0151名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:18:38.57ID:jkhiq8KD
プロデューサー「ごめ〜ん!矢澤ちゃ〜ん、放送終わっちゃった♪」

にこ「うぇ!?に、にこの出番は…」

プロデューサー「いや、尺なくなっちゃって☆」

にこ「そ、そんな…ちょっとぐらいは…」

プロデューサー「いや〜!ちょっとぉ、放送中トラブっちゃって、みたいな?それで予想以上に時間押しちゃってー、プラス生放送だしアゲアゲで、的な!」

プロデューサー「だからA-RISEには当初の予定より長めに出てもらっちゃって!だから矢澤にこにーちゃんの、出番カット!!!ってスタッフ間で決まっちゃってさぁ〜、マジサゲサゲディスカッション!!!」

にこ「…えぇ」

プロデューサー「ま、そもそもにこにーちゃんコネっしょ?しょーがないでしょ」

プロデューサー「ま、今度機会があればまた!」

プロデューサー「じゃね☆」

にこ「…………」ポカーン

にこ「……はぁ?」
0152名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:20:47.48ID:jkhiq8KD
ドンッ!ドンッ!ドンッ!

にこ「信じらんない!信じらんない!信じらんなーい!!!」

にこ「にこの出番ナシ!?わざわざ呼んでおいて!?」

にこ「このにこにーに対してこんなぞんざいな扱い、ホントありえな〜い!!!んもぅ〜!!!」

ツバサ「矢澤さん」

にこ「何!?」

にこ「あっ…お、お疲れ様です」

ツバサ「」ニコッ

ツバサ「良かったら楽屋に来ない?お茶でも…」

にこ「い、いえ、私は……(はっ!)」

にこ「(楽屋に行けば話が切り出しやすくなるか…)」

にこ「お、お邪魔します!」

ツバサ「フフッ…そうこなくっちゃ」

ツバサ「こっちよ」

スタスタスタスタ

にこ「(……怒りで任務、忘れるところだった……///)」テユーカワスレテタ…
0153名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/06/30(火) 12:23:08.18ID:jkhiq8KD
バタンッ

にこ「す、すごっ…」

あんじゅ「毎週使うから、内装は私たち好みにしてるのよっ♪」

にこ「へ、へ〜…(しかも、めちゃくちゃ広い…)」

ツバサ「どうぞ腰掛けて、今お茶を出すから」

にこ「あ、ありがとう…」

コポコポ……コトッ

ツバサ「……ごめんなさいね、今日」

にこ「い、いや、そんな!A-RISEはなにも悪くないし…」

英玲奈「それでも申し訳ないことをしたな」

にこ「ま、まぁ…」
0154名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2020/06/30(火) 12:28:39.23ID:pGFQRF+G
ツバサ「・・・」

あんじゅ「・・・」

英玲奈「・・・」

にこ「・・・」

ズズズッ…

にこ「(切り出すなら今しかない!!)」

にこ「そ、そういえば最近“あいどる”って人がゆ、有名ですよね〜……いろんな事に手出してるし、もしかしてアイドル業界にも来たりしてぇ〜……」

にこ「………(ど、どう?)」

ツバサ「どう、かしらね……私たちはそういうことに詳しくないから……」

にこ「で、ですよねぇ〜!(これは、白…よね?)」

あんじゅ「うふっ…その事がどうかしたのかしら?」

にこ「い、いえ…!ちょっと気になって!」

にこ「あっ…これ以上お暇してもアレなので、にこ、そろそろ出ますね!」ペコリッ

ツバサ「もう?あと少しくらい…」

にこ「い、いえ!お茶ご馳走さまでした〜!!」ビューン

・・・シーン

ツバサ「………」

ツバサ「ふぅ……」ズズ ッ

あんじゅ「あれは感づいてるわね」

英玲奈「探りを入れておいて、正解だったな」

ツバサ「一応、μ'sの件は山田先生に連絡しときましょう」

あんじゅ「そうね」
0155ID変わってごめん(光)
垢版 |
2020/06/30(火) 12:34:51.55ID:jkhiq8KD
絵里「そう…特に不審な様子はなしだったのね…」

にこ「えぇ、別に昔と変わってなかったわよ」

絵里「………わかった、ありがとう、にこ」

絵里「ご苦労だったわね」

にこ「別に〜!いいわよ!にこにしか出来ない仕事だったわけだし!」

絵里「…………」

にこ「絵里…?」

絵里「にこ、今日こんな事をさせておいて……言うのもおかしいかもしれないんだけど……あなたは……もう“あいどる” に関わらない方がいいと思う」

にこ「……は?な、なんでよ……」

にこ「なんで急に、そんな事……」

絵里「あなたはまだ夢を叶えられる」

にこ「……………っ、バカにしないで!!!私だって覚悟を決めてやってんのよ!」

絵里「……にこ自身はそうかもしれない……けど、こころちゃんたちは……」

にこ「………っ」

絵里「穂乃果も…みんなも分かってくれると思う」

にこ「………」

絵里「これから戦いは本格化していくでしょうし…」

絵里「みんなには私から話しとくから」

にこ「………」

にこ「ちょっと……時間を……ちょうだい……」

絵里「……えぇ」
0156名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:39:49.63ID:jkhiq8KD
-3ヶ月後- -2019年8月-

凛「ねぇねぇ、海未ちゃん」

海未「どうかしましたか?」

凛「凛も穂乃果ちゃんの助けになりたいから協力するって言ったけど…」

海未「けど?」

凛「肝心の“あいどる” が何にも仕掛けてこないじゃん」

凛「これじゃ助けようがないにゃー…」

花陽「凛ちゃん、何もないなら、それに越した事はないんだよ?」

凛「そうだけど〜…」

海未「いえ、凛の言う通りです…何か不気味なほど動きがありません」

海未「私たちと接触もせずに…いったい何を企んでいるのか…」


希「ふむふむ…愛民党、和解成立、山田博子党首の手腕発揮…」バサッバサッ

海未「…山田博子?…希!ちょっとその新聞貸してください!」

希「え、いいけど…どうかしたん?」

海未「ッ……これは……」
0157名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:44:57.03ID:jkhiq8KD
-深夜-AM2:00 〜商店街〜

穂乃果「スゥー…ハァ…」

穂乃果「…よし!」

〜〜〜〜〜♪

穂乃果「日が暮れてどこからか…」





穂乃果「ララララ〜ララララ〜ララララ〜」

トゥドドトトドド…ッタン!

穂乃果「ありがとうございます」

・・・シーン

穂乃果「…なんて」

秋穂「おぉ〜!!」パチパチパチパチ

穂乃果「どうだった?」

秋穂「すっっっっっごく!!!よかった!!!」

穂乃果「そっか!なら、よかった…」

穂乃果「さてと…んじゃ、帰ろっか」スッ

秋穂「うん!」ニギッ
0158名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:48:15.38ID:jkhiq8KD
真姫「穂乃果」

穂乃果「んっ…あっ、真姫ちゃん!」

秋穂「……」スササッ

真姫「」スタスタ

穂乃果「今帰り?遅いね」

真姫「残業…それよりさっきの歌…」

穂乃果「あっ、聞いてた…?へへっ…頑張って作ってみたんだけど」

穂乃果「でも、ダメだね…。改めて真姫ちゃんや海未ちゃんの偉大さがわかるよ」

真姫「当然でしょ、簡単に超えられたら堪ったもんじゃないわ」

真姫「……でも」

穂乃果「……?でも?」

真姫「わ、私は好きだったけど…」

穂乃果「真姫ちゃんっ…!うんっ!ありがとー!」ダキッ

真姫「く、くっつかないの!もうっ///」
0159名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 12:52:16.18ID:jkhiq8KD
穂乃果「にこちゃんに言われてギター始めたんだ……“あいどる” の脅威を少しでも多くの人に伝えようって……」

穂乃果「いやー!コード覚えるの大変だったよ!むしろ覚えられたのが奇跡っていうか」

穂乃果「あんまりストレートな歌詞だと“あいどる” に感づかれるから、歌詞書くのも苦労して…」

真姫「そう…大変だったのね」

穂乃果「うん…まぁね」





トボトボ

真姫「……にこちゃん……何してるのかしらね」

穂乃果「えっ、気になるなら会いに行きなよ」

真姫「そういう問題じゃなくて!……その、もう私たちのところには戻って……」

穂乃果「にこちゃんにも事情があるんだよ、真姫ちゃんだって…辛いなら抜けていいんだよ?」

真姫「冗談……おバカなリーダーを一人にして逃げるなんて、出来るわけないし」

穂乃果「た、たはははー…」

真姫「みんなそう思ってる」

真姫「だから…」

穂乃果「…だから?」

真姫「にこちゃんも戻ってくるわよ、絶対」

穂乃果「…!」

穂乃果「……そう、だね……」

真姫「…えぇ」
0160名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:03:00.44ID:jkhiq8KD
真姫「…ところで穂乃果」

穂乃果「ん、なーに?」

真姫「帽子にサングラスって…怪しくない?」

穂乃果「ふふふ、にこちゃん直伝の変装術だよ!」

真姫「……深夜なんだし、別に変装なんて……」

穂乃果「でも、一応ね!」

真姫「そんな格好でこんな時間に女の子連れ回してたら警察に声かけられるわよ」ジッ

秋穂「…!!」ビクッ

秋穂「」サッ

真姫「えっ」

真姫「な、なに?」

穂乃果「あ…そっか」

穂乃果「真姫ちゃんと秋穂は喋ったことないんだっけ」

穂乃果「真姫ちゃんが来る頃には、もう秋穂は寝て…すれ違い状態だったしね」

穂乃果「よし!折角の機会だし自己紹介だ!」

穂乃果「この子が雪穂の子供で私の姪っ子の秋穂!」

穂乃果「ほら秋穂、真姫ちゃんに挨拶」

秋穂「……むぅ」ジー

真姫「…っ、なにジッと見てるの?」

秋穂「…つり目のおばさん、穂乃果おばちゃん取る…敵…」

真姫「ゔ、ゔぇぇ…だ、誰がつり目のおばさんよ!真姫よ!西木野真姫!!」

真姫「もう…失礼なところは伯母そっくりね」

穂乃果「えぇ!?私、失礼じゃないよ!」

秋穂「真姫おばさん…こんばんわ」

真姫「今?…こんばんわ…」

穂乃果「ふふふ♪」
0161名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:07:24.04ID:jkhiq8KD
チュンチュン…

ノカ…ノカ…

穂乃果「んんぅ〜…」

ホノカッッッ!!!

穂乃果「う、うわぁぁぁぁ!!!な、なに!!!?」

海未「むっ…///お、驚きすぎですよ…」

穂乃果「海未ちゃん…?ふわぁ…朝からどうしたの?」

海未「まったく…本当は昨日伝えておきたかったのに…どこへ行っていたんですか…」

穂乃果「ちょっと歌いに…」

海未「まぁいいです、これを見てください」バサァ

穂乃果「えぇ〜、なになに?愛民党……和解成立……?そっか、やっぱり……“あいどる” は政治にまで手を……」

海未「それはそうとして、その下の写真を見てください」

穂乃果「なになに?握手を交わす山田博子党首…って、え!?」

穂乃果「山田先生って私たちの代の体育の先生じゃん!!な、なんで…」

海未「ここまで手を回しているなんて…もしかしたらA-RISEも、もう…」

絵里「だとすれば、A-RISEに接触したのは愚策だったかもしれないわね…」

海未「絵里…」

絵里「A-RISEがシロなら、あわよくば“あいどる” の正体を暴いてもらおうと思ってたのに…」

穂乃果「でも、にこちゃんはシロって言ってたんでしょ?」

絵里「あくまで、にこの目にはそう映った、それだけよ……」

穂乃果「そんな…ツバサさん…先生…」

穂乃果&海未&絵里「………」

ガチャリ

穂乃果「!」

花陽「はっ……はっ……」

穂乃果「凛ちゃん、花陽ちゃん、どうしたの?」

花陽「た、大変です……お台場が……」

凛「て、テレビをつけてみるにゃ!」

絵里「……?」

ピッ
0162名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:10:12.61ID:jkhiq8KD
リポーター『お台場上空からの光景をご覧ください!』

リポーター『広範囲に渡る火の海は未だ衰えを見せず、お台場全域を包み込むかと錯覚するほど、ありえない勢いで広がり続けています!』

ドンッッッッ

リポーター『また爆音が聞こえました!!ここまで……熱風が!』

リポーター『この上空にまで爆風が伝わってきました!!』

リポーター『とんでもない威力です!人命を最優先に避難活動は続いています!』

リポーター『こちらからは以上です!!』

プツンッ

穂乃果「これは…」

絵里「こんな事するのは一人しかいないわ…」

海未「“あいどる” …」

凛「こんな事を平気でやるなんて…」

花陽「し、信じられないです…」
0163名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:14:50.18ID:jkhiq8KD
プルルルルル

穂乃果「電話…真姫ちゃんからだ」

ピッ

真姫『穂乃果、ニュース見た?ウチの病院にもこれから大勢搬送されてくると思う、今夜は多分行けないから……ごめんなさい』

穂乃果「うん、うん……わかった、大丈夫、気にしないで真姫ちゃんも頑張ってね」

ピッ

花陽「でも、お台場全域を炎上させるほどの爆弾なんてあるのかな…?」

絵里「あるにはあるけど、一般人が手に入れるのはまず無理でしょうね」

海未「やはり“あいどる” の線が…いや間違いなく“あいどる” の仕業でしょうね」

海未「しかしなぜ今……そこがわからないですね……」

絵里「……私の推測でよければ話していい?」

絵里「この推理が正しければ、“あいどる” がこれから何をしでかすのかも、多分わかると思う」

海未「……話してみてください」
0164名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:17:45.13ID:jkhiq8KD
絵里「私が初めて“あいどる”と会った時、アイツはこう言った」

「なんで下ばかり見てるの?こっちを向いてよ、寂しいじゃないか」
「絵里ちゃんを待ち伏せてたんだよ」
「実は今日会ったのは偶然じゃないんだ、必然さ」

絵里「ってね」

絵里「言われたとき、変な感じがしたの…というより、どこかで聞いた事のあるフレーズ、既視感を覚えたわ」

海未「なんで下ばかり……待ち伏せ……はっ!」

絵里「そっ……これは……」

海未&絵里「ラブノベルスの歌詞」

絵里「と言っても多少言い回しは変えてるけど、まずこの歌を参考にしていると思うわ」

凛「でも、それがなんでこれからの“あいどる”の動きがわかることに繋がるの?」

絵里「凛、今の季節は?」

凛「8月…夏だよね」

絵里「そう8月、そして今回爆発の被害を受けたのは…」

穂乃果「お台場…」

絵里「そしてこれから導き出される答えは」

花陽「あっ…!もしかして、夏色えがお…?」

絵里「ご名答。つまり“あいどる”はμ'sの歌の歌詞ないし馴染みのある場所に攻撃を仕掛けるはず」

絵里「それが戦いの予兆であるかのように…」
0165名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:33:20.35ID:jkhiq8KD
絵里「今回、夏場のお台場に攻撃を仕掛けたのを見ると、私たちに気付かせようとしているのは間違いないわね」

凛「絵里ちゃんの考えはわかったけど…どうやってこれからの“あいどる”の動向を探るの?」

絵里「それは……過去の歌詞ノートを引っ張り出して、あいつが実行しそうなものを探し当てるしかないわね」

凛「ざっくりしすぎだにゃ〜…」

花陽「凛ちゃん!事件を未然に防げるかもしれないんだよ!」

凛「そうだけど…なんだか漠然としてて…」

穂乃果「やろう!みんなを守るために!」


ことり「こんにちわ〜♪ごめんね中々来れなくて〜」

希「いやー、さっきのニュース凄かったねぇ…」

凛「ことりちゃん!希ちゃん!ちょうど良いところに!」

ことり&希「へ?」
0166名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:36:08.44ID:jkhiq8KD
-翌日-

ドサッ!!!!!

凛「」

希「す、すごぉ…」

海未「持ってきましたよ」

ことり「う、海未ちゃんこんなに書いてたの…?」

海未「えぇ、バリエーションや曲調などを意識し、試行錯誤した結果こんなに増えてしまったんです」

海未「だから…中には多数、没になった物もあります」

凛「へぇ〜、没のはどんな感じかな?どれどれ」

凛「ズドン!ズドン!ロボット惨状〜!」

パシッ!!

海未「み、見ないでください凛!!」

凛「えぇ…!?で、でも見ないと対策できないよ!?」

希「惨状と参上を掛けるセンス…嫌いじゃないけど没にして正解かもね」

海未「…〜///」

海未「もうっ…!没ばかり見ないでくださいー!」
0167名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:37:35.85ID:jkhiq8KD
海未「もう没ノートは持って帰ります!」

凛「ハナから持ってこなければ良かったのに〜」

絵里「……フフッ……なんだか、懐かしい感じね……」

フッ…ハッ…ハァハァ…

絵里「ん?」

絵里「隣の部屋から…?」

絵里「穂乃果、大丈夫?」


穂乃果「う、うえぇ…?」

バタッ…

絵里「え!?ほ、穂乃果!?」

穂乃果「うぅ…み、みずぅ〜…」

絵里「何やってるのよもうっ!」
0168名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 13:42:24.09ID:jkhiq8KD
ゴクッ…ゴクッ…

穂乃果「プハァ〜!生き返るぅ〜!」

絵里「それは良かった…なんで腕立て伏せなんか?」

穂乃果「ん?あぁ…いや昔ね、海未ちゃんにアイドルになるにはまず体力!笑顔で腕立て伏せ出来ないとダメ!って言われて」

穂乃果「だからまぁ…初心に帰るって意味と…」

絵里「…意味と?」

穂乃果「来たるべき時のため…決戦に備えて…かな」

絵里「そう…良い心がけね」

穂乃果「うん…本当は私一人でやらなきゃいけないのに……みんなに手伝ってもらってるんだ……。せめて、私がみんなを守るぐらいの気持ちでやらないと」

絵里「もうっ…まだそんなこと言ってるの?」

穂乃果「えへへ、そういう気持ちってこと!大丈夫、ダメな時はみんなに頼らせてもらうから!」

絵里「……えぇ」

プルルルルル

絵里「……んっ、ちょっとごめんね」

穂乃果「うん!よし!じゃあ次は腹筋50回だ!」

絵里「……ふふ」ピッ
0169名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 14:42:57.91ID:jkhiq8KD
絵里「もしもし?」

オペレーター『はーい♪エリーチカ、頼まれてた案件の詳細、分かったわよ♪』

オペレーター『今回私、かーなり頑張っちゃったんだから〜!だからそーねぇ、報酬は〜』

絵里「溜まりに溜まってるお給料から引いといてちょうだい」

オペレーター『う、うぐっ……巧い手口……』

絵里「実際溜まってるんでしょ、別にいいじゃない」

絵里「そんな事より、早く話して」

オペレーター『はいはーい…えーとね…まず先日のЯпония(ヤポーニャ)のOdaibaに使用された爆弾、あれはTOKYOで製造されているわ』

絵里「東京で?」

オペレーター『えぇ、それとその工場の責任者の名前・出身校も割れた』

絵里「教えて」

オペレーター『ファーストネームはMIKA、出身校は音ノ木坂学院というTOKYOの千代田区…?かな?にある高校ね』

絵里「……ミカ?」

オペレーター『そう、MIKAだけど?』

絵里「……ありがと、また何かあったら連絡するわ」

オペレーター『もう連絡しないd』

プツ…プー…プー

絵里「……また音ノ木坂出身者……やっぱり“あいどる”が一枚噛んでるわね……」
0170名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 14:45:31.81ID:jkhiq8KD




ザッ

穂乃果「ここが、ミカが工場長の?」

絵里「えぇ、正確には責任者だけど」

穂乃果「……よし、行こう」

穂乃果「ん?」

ミカ「あ」

ミカ「うっ…!」ダッ

穂乃果「えっ!?ミカ!!ちょっと待って!」 ダッ

穂乃果「ミカってば!」

パシッ

ミカ「はぁはぁ…」

穂乃果「はぁはぁ…久しぶり…だね、ミカ…」
0171名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 14:53:08.85ID:jkhiq8KD
〜応接室〜

ミカ「………」ソワソワ

穂乃果「ミカ…別にそんなにソワソワしなくても」

ミカ「あっ、そ、そうだよね…ごめん」

穂乃果「まぁ、昔話でも交えながら…」

絵里「……いいえ、それより“あいどる”の事よ」

ミカ「」ピクッ

穂乃果「ちょ、絵里ちゃん!」

絵里「穂乃果…私たちは何も懐かしさに浸る為に尋ねてきたんじゃない…少しでも私たちに有利になる情報を得る為に来たの」

絵里「そんな悠長なこと話してる場合じゃない」

穂乃果「……わかったよ」

絵里「時間がない…さぁ、知ってる事を全て話すのよ」

ミカ「……はい」

ミカ「……絵里先輩達は先日のお台場の爆破事件の根源について調べてるんですよね」

絵里「そんなところよ」
0172名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:10:57.64ID:jkhiq8KD
ミカ「爆破事件が起こる2週間前、アイツはやってきました…」





「久しぶりだねミカちゃん」

ミカ「……誰?」

突然工場に尋ねて来て、素性も明かさないので…最初は相手にしてなかったんですが…
私がシカトを続けてると…

「穂乃果ちゃんの家、火をつけたのは私」

ミカ「…!?」

ミカ「う、嘘でしょ…」

「私の指示に従わなければアナタの大切な場所、友達は次々消えていく、そう…例えばヒデコみたいに」

ミカ「……帰って」

「……精巧な爆弾を作って欲しい、強力で過去に見た事もないような威力を保持する爆弾を」

「君の技術力なら作れる、頼んだよ…」

「作らなければ…」

ミカ「…………」

アイツはそう言って帰って行った……私はその時、返事をしませんでした……それが癪だったのか……その2日後……可愛がっていた部下が亡くなりました……



0173名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:15:16.42ID:jkhiq8KD
ミカ「私が話せるのはこれだけです」

絵里「……部下が殺されたから、そのあと馬鹿正直に作って、それを見す見す渡したっていうの?」

ミカ「………」

穂乃果「絵里ちゃん、そんな言い方…」

絵里「お台場ではたくさんの人が死んだ……それこそ何百人と、いやそれ以上かもしれないわ」

ミカ「じゃあどうすれば良かったって言うんですか!!!」

ミカ「絵里先輩には分からない……きっと分からないですよ……」

絵里「………」

絵里「分かるわよ……私は……亜里沙を失ったんだから……」

ミカ「え…」

穂乃果「………」

絵里「あなたの場合は…最初の選択肢を間違えなければ…部下は助かった…違わない?」

ミカ「………」

絵里「私には選択なんてなかった…」

ミカ「………すみません、何も知らないで」

絵里「……別に、あなたが謝ることじゃないわよ」
0174名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:23:53.95ID:jkhiq8KD
絵里「知っている情報はこれだけ?」

絵里「有益な情報は全て話してほしいんだけれど」

ミカ「他に…他…」

穂乃果「ミカ、“あいどる”の顔は見なかった?」

ミカ「見てない……マスクしてて……」

絵里「マスク?お面じゃなくて?」

ミカ「はい……白い生地に「μ's」ってあしらったマスクです、覆面?みたいな……」

絵里「……?」

穂乃果「初めてだね…」

ミカ「だから最初はおかしなμ'sファンかと……今でもμ'sの熱狂的なファンはいるしね」

穂乃果「うん…ありがたい事にね」
0175名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:26:35.03ID:jkhiq8KD
ミカ「あ…あと、ロボットの設計を頼まれた」

穂乃果「ロボット?ガンプラ、みたいな?」

絵里「お台場を爆破しておいて、そんなスケールになるわけないでしょ」

穂乃果「だ、だよね…」

絵里「で、その依頼、受けたの?」

ミカ「いえ、それは断りました」

ミカ「何せ、巨大ロボットを希望していたので……全然畑違いですから」

ミカ「あとは…特にないですね…」

絵里「そっ…。時間を取らせたわね、ごめんなさい、ありがとう」

穂乃果「ごめんね、ミカ…また今度ゆっくりお茶でも…。じゃあね」

ミカ「…うん」

ミカ「…………」

ミカ「穂乃果っ!」

穂乃果「ん?」

ミカ「何か…私に手伝える事があれば言ってね!」

穂乃果「ミカ…うん、ありがと!」
0176名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:31:36.08ID:jkhiq8KD
〜地下 穂乃果宅〜

コツコツ…コツ

穂乃果「ただいま〜」

絵里「帰ったわよ、って…」

希「うーん…パーティー終わらないとか…何かに引用されそうやない?」

絵里「まだやってるの…」

凛「むっ…じゃあ絵里ちゃんやってみなよー!答えがないから物凄く考えるんだよ〜!?」

穂乃果「ロボット……ロボット……」

絵里「?…何か引っかかることがあるの穂乃果?」

穂乃果「ん…いやぁ…」

穂乃果「ミカが言ってたロボット……うーん、なんだろうこのモヤモヤ」

絵里「………」
0177名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:36:14.78ID:jkhiq8KD
-2019年9月28日-

穂乃果「ふっ…はぁ…ふっ…!はぁ…」

穂乃果「はぁ…はぁ…流石に…腕立て150回は効くなぁ…」

クイクイッ

穂乃果「ん?」

秋穂「おなかへった〜…」

穂乃果「えへへ…そうだね、私もお腹減った!オヤツの時間だしどこか食べに行こっか?」

秋穂「うん!」

穂乃果「その前にシャワー浴びてもいい?」

秋穂「いいよっ!」

穂乃果「ありがと秋穂」


ジャーーーー

穂乃果「ふぅ……」

サラッ

穂乃果「(あれから…ずっとロボットの意味を考えてるけど一向に何のことか分からない…)」

穂乃果「……思い過ごし、なのかな」

キュッ

ガラッ

穂乃果「お待たせ、秋穂!じゃ行こっかぁ〜」フキフキ

秋穂「しゅっぱーつ!」
0178名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:38:31.31ID:jkhiq8KD
秋穂「」キョロキョロ

秋穂「穂乃果おばちゃん!警察の人いないよ!行こ!」

穂乃果「よーし、じゃあ行こう。はぐれないように手繋いでね」

秋穂「うん!」ギュッ

ウィーン

店主「いらっしゃい、お、嬢ちゃん来たね!」

秋穂「こんにちわ!えーと!いちご大福、生地固め、アンコ少なめ、片栗粉少なく、あとイチゴおまけして♪」

店主「おうよ!いつものだね!」
0179名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:42:26.18ID:jkhiq8KD
穂乃果「7×4」

秋穂「…26?」

穂乃果「惜しい!ん?なんか既視感のある答え…」

コトッ

店主「はいよ、お待たせ!」

秋穂「」モニュッ

秋穂「おいしいっ!」

店主「そいつぁ嬉しい!まぁ自分でも丈ムラの和菓子は東京、イヤ日本一と思ってるけどね」

穂乃果「」モニュモニュ

店主「でも、ここと並ぶぐらい美味い和菓子の老舗が有ってよ…穂むらって言って…」

穂乃果「………」

店主「俺ァ、昔、そこの饅頭を食って感銘受けたね…こんなにうめぇもんがあるのか…と」

店主「以前そこのオヤジが亡くなった事を知ってよ……その後は娘が切り盛りしてたらしいが…店は依然人気だったらしい」

店主「もう俺がその店に行ったのは数十年前だし…その店は燃えちまって…娘さんの面は拝んでねぇが…唯一と言えるライバル店だったよ…」

穂乃果「」ゴクンッ

穂乃果「ごちそうさまです」

秋穂「ごちそーさまです!」

店主「おう、また来てくれな!」

ウィーン
0180名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 15:59:21.24ID:jkhiq8KD
スタスタスタ…

秋穂「さっきのおじちゃんの話、昔の秋穂のお家のこと?」

穂乃果「うん、秋穂は覚えてないだろうけどね」

秋穂「ふぇ〜…」

穂乃果「………」

秋穂「今日も歌っていくの?」

穂乃果「うん、そのつもりだよ」

穂乃果「今日は誰か聞いてくれるかなぁ」

秋穂「なんで聞いてくれないんだろうね、いい曲なのに」

穂乃果「ね、いい曲なのにね」

秋穂「秋穂、全部歌えるよ!」

秋穂「〜〜〜♪」

秋穂「アレ?」

穂乃果「ん、その曲は?」

秋穂「えっと……希お姉ちゃん達が、海未お姉ちゃんの昔作った歌詞?に試しに曲付けたらって言って作った曲」

穂乃果「へぇ〜…そうなんだ」
0181名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 19:13:21.49ID:jkhiq8KD




穂乃果「ラララ〜♪ラララ〜♪」

タンッ!!

穂乃果「ありがとう」

・・・シーン

穂乃果「はぁ…」

秋穂「」パチパチパチパチ

秋穂「人こないね」

穂乃果「こないねぇ…」

ザッ

穂乃果「ん?」

「ダメダメよ…ほんとダメダメ…」

穂乃果「この声は…」クルッ

にこ「何から何までダメダメなのよ!」

穂乃果「にこちゃん…」

穂乃果「え、き、聞いてたの?」

にこ「た、たまたま通りかかっただけよ!たまたま!」プイッ
0182名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 19:16:56.44ID:jkhiq8KD
にこ「………」

穂乃果「……ひ、久しぶりだね、にこちゃん……元気にしてた……?

にこ「………」

穂乃果「え、え〜っとぉ…」

穂乃果「か、風邪引かないようにね?そ、それじゃ!」

にこ「あっ……(う、嘘でしょ?昔のあの気遣いはなんだったのよ!バカ穂乃果!)」

穂乃果「(……これでいいんだよね……ってアレ?)」

穂乃果「秋穂は…?」

にこ「………」

クイクイッ

にこ「え?」

秋穂「お家…また来る?」

にこ「……えっ」

にこ「……!」キッ

にこ「穂乃果!!!!!」

穂乃果「え…な、なに!?」

にこ「やっぱり戻るわ、私!!というか、私だけ仲間ハズレにしようとするなんて……本当に絵里はいけ好かないわね!!!」

穂乃果「え、えぇ…!?」
0183名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 19:25:09.99ID:jkhiq8KD
穂乃果「に、にこちゃん…絵里ちゃんは何もにこちゃんが嫌いだから仲間ハズレにした訳じゃ……」

穂乃果「むしろ、にこちゃんの事を…」

にこ「…っ、あんたがわかった風な口聞かないで!」

穂乃果「うっ…」

にこ「あんた達が一致団結して頑張ってるのに……私だけ何もしてない……」

にこ「こころ達も私達が何をやってるのか、だんだん分かってきたみたい…あの子達、それを知るや否や…」

にこ「μ'sは9人でμ'sです!みんなのところに行ってあげて…だって」

にこ「…私が見てないところで成長してるものね」

にこ「あの子達は弱くない…きっと3人でも強く生きていける…」

穂乃果「…………」

にこ「私、改めて決心がついたわ!あんた達と一緒に戦う!いい!?あんた達に拒否権はないんだからっ!!」

穂乃果「に、にこちゃん……!」

穂乃果「……真姫ちゃんの言う通りだ」

にこ「むっ…何がよ…」

穂乃果「…クスッ、何でもない、じゃ帰ろう秋穂!」

秋穂「うん!」

穂乃果「……にこちゃんも!」

にこ「……えぇ!」

穂乃果「…私もこころちゃん達に教えてもらったな、やっぱりμ'sはこの九人じゃなきゃだよね!!」

にこ「…当然!」
0184名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 19:29:22.88ID:jkhiq8KD
穂乃果「というわけで、にこちゃんが帰ってきました〜!」

にこ「帰ってきてあげたわよ!なんか文句ある!?」

真姫「なんだか前より高飛車になってない?」

凛「磨きがかかってるにゃ」

花陽「とにかく、おかえりにこちゃん!」

にこ「なんか花陽以外辛辣!!」

希「これがμ'sのおもてなしやからね」

絵里「…にこ」

にこ「何…」

絵里「………後悔しない?」

にこ「………しない」

絵里「………そう、お節介だったみたいね」

にこ「まぁ……いや……でも、その……心配してくれた点はありがとう」ボソッ

希「おやおやぁ…今なんと?」ニヤッ

にこ「別に…!ありがた迷惑って言ったの!」

凛「素直じゃないにゃ〜」

凛「でもでも!やっぱりμ'sはこの九人揃ってこそだよね〜!」

穂乃果「だよねだよね!えへへ〜!」
0185名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:02:12.03ID:jkhiq8KD
にこ「あっ…あと一つ渡すものが」

穂乃果「ん、なに?」

にこ「この雰囲気に水を差すようで悪いんだけど…にこの家のポストに……入ってた、“あいどる”からの手紙」

8人「!?」

穂乃果「中身は!?」

にこ「まだ開けてないわ」

絵里「中に剃刀入ってても不思議じゃないけど…」

にこ「触った感じ、そんなもの入ってなさそうだけど…」

にこ「…開けるわね」

にこ「……」

ことり「な、なんて書いてあるの…?」

にこ「……12月25日のクリスマス、狼煙を上げます」

海未「……それだけですか?」

にこ「これだけ……」

絵里「……狼煙」
0186名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:05:18.03ID:jkhiq8KD
絵里「……今日はもう遅いし、解散しましょう」

絵里「いいわよね、穂乃果?」

穂乃果「あっ、うん…!みんな今日もお疲れ様!ちゃんと寝て、疲れとってね!おやすみ!」

凛「ふわぁ…じゃあ、凛は久しぶりに家に帰ろうかなぁ〜」

花陽「最近、みんな一緒だったから一人は怖いなぁ…凛ちゃん、今日泊まりに行ってもいいかな…?」

希「んー!最近お店開けてなかったから明日は久しぶりに開けようかなっ」

ことり「私もデザイナーの仕事が残ってて、ごめんね!」

にこ「私も今日はとりあえず帰るわね」

真姫「私も…そうするわ、明日は久しぶりよ休みだし…」

穂乃果「うん、気をつけてね…」

海未「では私も……」

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「はい?」

穂乃果「ちょっと…聞きたい事が」

海未「………?」

絵里「…………」
0187名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:08:53.97ID:jkhiq8KD
海未「どうしたんですか、穂乃果?」

穂乃果「こんな感じの歌、知らないかな?」

穂乃果「〜〜〜♪」

穂乃果「どう?」

海未「あ……ん、な、…なっ…///」

グイッ!

穂乃果「ふぇ?」

海未「穂乃果ぁ〜!あなたって人はっ!!」

ブンブンッ!

穂乃果「え!?ちょ、海未ちゃん…!ストッ…ストップ!!酔う、酔うから!酔うからぁぁ〜〜!!!」

穂乃果「胸倉掴んで振り回すのはダメぇ〜…!!」


絵里「……なんの話をするかと思えば、大した話じゃなさそうね」

絵里「私も寝ましょ…ふわぁ…」
0188名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:12:34.09ID:jkhiq8KD
海未「はぁ…はぁ…」

穂乃果「う、うぷっ……」

海未「……昔、私が作った詞に希達が面白半分で曲を作ったんです」

海未「そしたら中々いいものが出来上がってしまったので……みんな妙に耳に残ってしまっていて……うぅ……恥ずかしい……」

穂乃果「な、なるほど…だから秋穂も覚えてたんだ…」

穂乃果「そ、そうだ…その詞…歌詞教えて!」

海未「う、えぇ!?」

海未「そ、そんな無理ですぅ…!」

穂乃果「え…な、なんで!?どんな歌詞なの?」

海未「……ろ、ロボットをコンセプトにした……」ゴニョゴニョ

穂乃果「ロボット…?あれ…?そんな歌、μ'sにあるっけ?」

海未「本来は没にしていたものだから、あまり突かれたくないんですよ、もうっ…!!!」

穂乃果「あっ、そ、そうだよね……たはは……ごめんごめん」

海未「もう私も帰ります!!!」プンスカッ

穂乃果「お、おやすみ〜…ご、ごめんね海未ちゃん〜…」
0189名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:16:59.33ID:jkhiq8KD
-2019年9月30日-

凛「でも、狼煙ってなんの事なんだろうね〜」

にこ「宣誓とかの比喩じゃないの?」

希「そんな懇切丁寧に挨拶してくれる人は、こんな回りくどい事しないよー、にこっち」

にこ「冗談よー、冗談」

絵里「大方、またどこか派手に爆破させて…それを狼煙と言い張るつもりでしょ….」

希「『始まり』の狼煙、そして12月…それを考えると…」

花陽「Snow halation…とかかな…」

ことり「なら、第二回ラブライブ最終予選会場…?」

絵里「……どう、かしらね……こんな事言うのもなんだけど“あいどる”からしたらイマイチ、インパクトに欠けるんじゃないかしら……」

絵里「………(ミカは渡した爆弾はお台場の分だけと言っていたけど、あの爆弾はもう複製されてるでしょうし、言っていた数はあてにならないわね………)」

ことり「あれぇ?そういえば穂乃果ちゃんは?」

凛「穂乃果ちゃん…最近、空けること多いね、なにかやる事あるのかなぁ」

希「絵里ち、何か知ってる?」

絵里「わからない…でも穂乃果は穂乃果の調べたい事があるんでしょ」

絵里「私たちも自分たちの出来ることをやりましょ」
0190名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:20:39.70ID:jkhiq8KD
コトッ

ミカ「はい、お茶」

穂乃果「ごめんねミカ、この間来たばっかりなのにまた…」

ミカ「うーうん、気にしないでよ、私も手伝える事ないかって言ったしね!」

穂乃果「…ありがとう」

ミカ「で、今日はどうしたの?」

穂乃果「あ、いやね…ちょっとミカに聞きたい事があってさ」

ミカ「私に聞きたい事?」

穂乃果「うん、その…私たちが2年生だった頃の音ノ木坂在校生で今、工科大学か何かに通ってる子っているかな?」

ミカ「工科大学ぅ…?」

穂乃果「うん、そういうのに関係のある大学とか専門学校とか」

ミカ「うーん、いないかなぁ…」

穂乃果「あれぇ…?そっか…いないかぁ…はぁ…」

ミカ「いやー…だってさ穂乃果、その代だともうみんな大学卒業してる事になるからね」

穂乃果「あっ…そ、そっか…!」

ミカ「〜〜…穂乃果らしいね」
0191名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:22:39.54ID:jkhiq8KD
ミカ「」ズズッ

ミカ「そういえばフミコ、工科大学の大学院行ってるよ」

穂乃果「え、大学院!?」

穂乃果「だ、大学院って…なんかこう…とにかくすごい人しか行けないとこだよね!」

ミカ「うーん…まぁ平たく言えばそうなのかな」

穂乃果「ふ、フミコの大学院の名前教えて、あと場所!!」

ミカ「良いよ!キャンパスまでの地図、書いとくね」

穂乃果「お、お願い!」

穂乃果「は〜…やっぱ持つべきは友だよ〜!」ズズッ
0192名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:25:19.32ID:jkhiq8KD
穂乃果「ここがフミコが通う…御茶ノ水工科大学」

穂乃果「わ、私…入ってもいいのかな…部外者だけど…」 キョロキョロ

フミコ「あれ?穂乃果!」

穂乃果「は、はいぃっ!!」

フミコ「な、何…どうしたの」

穂乃果「ふ、フミコ…」

フミコ「ひさs」

穂乃果「ふ、フミコ!怪我ない!?変な事されてない!?大丈夫!?」

フミコ「え、えぇ!?な、なにさ急に!」

フミコ「べ、別になんともないよ?」

穂乃果「なら、よかった…」ホッ
0193名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:29:12.93ID:jkhiq8KD
フミコ「え?変わった事?」

穂乃果「うん、なんかおかしいなぁ…とかそういう感じのやつ」

フミコ「うーん……いや、別にないよ!」

穂乃果「だ、誰かが失踪したとか!行方不明になったとか!」

フミコ「………え」

穂乃果「………あ」

フミコ「はは、どうしたの穂乃果…なんか必死だね」

穂乃果「ご、ごめん…」

フミコ「いやぁ…別にいいんだけどさ」

フミコ「んー…行方不明かどうかは分からないけど、それっぽい人はいるかも」

穂乃果「だ、誰!?」
0194名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:32:46.90ID:jkhiq8KD
フミコ「私の専攻分野の教授だよ、木皿っていう」

穂乃果「木皿……あ、知ってる!よくテレビにも出てる、あの人だよね!」

フミコ「そっ…その人が最近全然顔出さないの、仕事すっぽかして何やってんだか」

穂乃果「捜索願いとかは…」

フミコ「いや、出てないよ…だってあの人、自分が気になったモノがあれば無断で休むって人だし」

フミコ「どうせ今頃、自宅で研究に没頭してんじゃないかなぁ」

穂乃果「……もし良ければさ」

フミコ「ん?」

穂乃果「その木皿教授の家まで案内してくれない…?」

フミコ「あー…私、あとちょっとで授業再開するんだ」

フミコ「んー…そうだなぁ…あっ!」

フミコ「おーい!酒井くーん!」

酒井「……?」

酒井「なんですか」

フミコ「君、木皿教授の自宅知ってたよね?悪いんだけどこの子案内してくれない?もう今日は帰るでしょ?」

酒井「………」 ジトッ

穂乃果「あっ……え、えっと」
0195名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:36:06.53ID:jkhiq8KD
スタスタ

酒井「………」

穂乃果「………(き、気まずいよ〜)」

穂乃果「あー、ご、ごめんね…?今から帰るのに付き合わせちゃって」

酒井「………」

穂乃果「(む、無視!!?)」ガーン

ザッ

穂乃果「うわっ!」ドスッ

穂乃果「いてて……」

クルッ

酒井「ここです」

穂乃果「あっ、ありがと…」

酒井「あの」

穂乃果「ん…?」

酒井「教授になんのご用が?」

穂乃果「あ、えっと……うーん……ろ、ロボット作ってるかなぁ……と思って……な、なんて!」

酒井「そうか」

穂乃果「え?」

酒井「そこまでくればあと少しだ」

穂乃果「……え?」

酒井「じゃあ」スタスタ

穂乃果「ど、どういうこと…な、なにが…?」
0196名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:38:47.54ID:jkhiq8KD
ピンポーン

穂乃果「あのー、木皿さん!いらっしゃいますか?」

穂乃果「すみませーん…」

ピンポーン

・・・シーン

穂乃果「いない…のかな…」

隣人「どうかしました?」

穂乃果「あっ、あのここの方って」

隣人「あー木皿さんね、そういや最近全然見てないわね」

穂乃果「あの、いつ頃から見なくなりました?」

隣人「さー、2週間前ぐらいじゃない?」

穂乃果「(“あいどる”がミカに接触したのと同時期だ!)」

隣人「…ん?あんた、どっかで見たことあるわね…」

穂乃果「あっ…!い、いえ…ありがとうございましたー!」ダダダダー!
0197名無しで叶える物語(光)
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2020/06/30(火) 22:42:32.29ID:jkhiq8KD
絵里「そう…木皿教授が留守…ね」

穂乃果「うん……まさかロボット…本当に作ってるのかな…」

絵里「さぁね…本当にそんなもの作ってるとすれば対抗する手立てはもう…」

絵里「………」

絵里「穂乃果、私に策があるの、聞いてくれる?」

穂乃果「う、うん!もちろんだよ!」

絵里「…にこ!」

にこ「えっ…なによ…まーた、にこの力が必要なの?」

絵里「えぇ、あいにく……大必要よ……」
0200名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/07/01(水) 08:34:16.02ID:xu33NwGR
久々に20世紀少年読みたくなってきた
0201名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 10:47:24.32ID:8UWfS3nR
〜A-RISE所属事務所 社長室〜

ツバサ「どうしたのかしら?改まって話なんて」

にこ「あ…あの…」

あんじゅ「安心して、社長には退室してもらったから、今は私たちだけよ♪」

にこ「その、実は…」

あんじゅ「なーに?」

にこ「私も“あいどる”の傘下に入りたいんです!」

A-RISE「」ピクッ

ツバサ「…どういう事?」

にこ「A-RISEが“あいどる”側なのはもう知っています……にこはA-RISEが大好きで……A-RISEが“あいどる”に付くっていうならにこも……!!」

ツバサ「………証明出来る?」

にこ「……え?」

ツバサ「今この場でμ'sを裏切り、私たちに、“あいどる”に忠誠を誓える?」

にこ「……はい」

英玲奈「ならば、μ'sを裏切るという確たる証拠を差し出すんだ」

にこ「確たる証拠…?た、例えば…?」

ツバサ「彼女達の……潜伏先よ」
0202名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 10:51:31.63ID:8UWfS3nR
にこ「……言います」

にこ「でも、交換条件です」

あんじゅ「」ピクッ

あんじゅ「交換条件…?」

にこ「………」

にこ「私にも“あいどる”の計画の一端を教えて欲しい」

英玲奈「なっ…矢澤にこ、貴様…図々しいぞ!」

スッ

英玲奈「!!」

ツバサ「いいわ、教えてあげる」

英玲奈「ツバサ!!」

ツバサ「ただ順番はあなたが先よ」

ツバサ「さぁ、μ'sの居場所を…」

にこ「……地下に全員います」

ツバサ「あんじゅ、山田先生に連絡なさい」

あんじゅ「りょーかい♪」

ツバサ「矢澤さん、裏切ったら…あなたの妹弟の命は無いと思って」

にこ「……分かってます」

にこ「……次はこっちの番」

にこ「“あいどる”の計画は……3ヶ月後の12月31日に“あいどる”がやろうとしている事はなんですかっ!!」

ツバサ「…………」

ツバサ「ふふっ…」

にこ「……なに笑って」
0203名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 10:54:13.52ID:8UWfS3nR
ツバサ「実は私も知らない」

にこ「なっ……だ、騙したんですか……!?」

ツバサ「騙してなんかいないわ」

ツバサ「私たちも計画の全容を知っていると、あなたが勝手に勘違いしただけよ」

ツバサ「私たちは別に“あいどる”の下に付いてるわけじゃない、山田先生の派閥に属しているの」

にこ「そ、そんな…」

ツバサ「でもまぁ……せっかく情報提供しに来てくれた密告者さんにお礼……噂程度でいいならお話しするわ」

ツバサ「“あいどる”の12月31日の真の目的は東京中の人間を恐怖のどん底に落とすこと……巨大ウィルスロボットによってね」

にこ「……!」

ツバサ「ま、あくまでウワサだけど…」

ツバサ「これ以上は何も知らない、私からは何も引き出せないわよ」

にこ「…………」

トボトボ…
0204名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 10:56:46.85ID:8UWfS3nR
ツバサ「またね、矢澤さん」

あんじゅ「ツバサ〜、先生からμ'sを制圧しろとのご命令が」

ツバサ「では親衛隊に地下制圧の命令を」

あんじゅ「フフッ、もう出したわ♪」

ツバサ「流石、私の右腕」

英玲奈「今頃、μ'sは鎮圧……阿鼻叫喚」

A-RISE「ふふ……はっはっはっ!!」

親衛隊「報告!」

ツバサ「あら、報告なんていらないわ…帰っていいわよ」

親衛隊「いえ、地下は既にもぬけの殻でした…!」

ツバサ「……へ?」

ツバサ「……ま、まさか」





にこ「にこっ☆」

にこ「にしし…上手くいったにこ♪」

絵里「ご苦労様、名女優さん、新アジトはこちらよ」

にこ「A-RISE、仕返しにこ☆」テヘッ





ツバサ「や、やられた…」
0205名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:02:08.83ID:8UWfS3nR
にこ「こころ達は……ママは?」

絵里「安心して、みんなのご両親と一緒に避難してる…」

にこ「そう…」

絵里「…勝てば…また一緒に暮らせるわ…」

にこ「……えぇ」







穂乃果「秋穂、分かるよね…?東京にいたら危ないの」

秋穂「でも…秋穂、おばちゃんとが…穂乃果おばちゃんと一緒にいたい」

穂乃果「秋穂…」ポンッ

穂乃果「…おばあちゃんの事、頼んだよ」

秋穂「…………」シュン

穂乃果「お母さん、よろしくね」

穂乃果母「私にはもう、この子しか残ってない…」

穂乃果母「……穂乃果、あなたの帰り待ってるから」

穂乃果「うん…まだ親孝行もしてない…必ず、帰るから」

海未「…………」

〜〜〜♪♪♪

穂乃果母「じゃあ秋穂、行くよ…」

ギュッ

秋穂「おばちゃん…」

穂乃果「………」クルッ

プシューガタンッ……ガタンッ……

穂乃果「……っ」
0206名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:04:32.44ID:8UWfS3nR
海未「いいんですか…?本当に…こんなお別れで…」

穂乃果「…………」

穂乃果「最初…」

海未「え?」

穂乃果「最初、海未ちゃんに声掛けなかったのは…私にもしもの事があったら…海未ちゃんに秋穂を預けたいと思ってたからなんだ…」

海未「…………」

穂乃果「……行こっか」

海未「……私が、私が穂乃果を守ります」

穂乃果「……えっ」

海未「絶対にあなたを死なせません…。必ず、もう一度秋穂と会わせますから」

穂乃果「海未ちゃん……うん、ありがと……」
0207名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:09:23.40ID:8UWfS3nR
-2019年11月2日- 〜μ'sアジト〜

穂乃果「ふっ…ふっ…はっ…はっ…」

『昨月のお台場爆破事件の犯人グループである元スクールアイドルグループのμ's』

『現在の情報をまとめてみますと、μ'sは小型銃器30丁 散弾銃を50丁 手榴弾を多量所持 更にはダイナマイトなど…』プツンッ

穂乃果「んっ…?」

花陽「…このラジオ、無茶苦茶だね」

真姫「また筋トレ…?飽きないわね」

穂乃果「備えあれば憂いなし!」

穂乃果「…それよりみんな、仕事辞めちゃって本当に良かったの…?」

真姫「良いわけないでしょ!!どうやって生活していくのよ!」

穂乃果「あぅぅ…!」

真姫「でも、手配書回されてるんだからどうしようもないじゃない!!もう!!」

凛「あのまま普通に生活してても捕まるだけだにゃ」

希「凛ちゃんの言う通り。潔白を証明しないと、元の…いや平和な世界には戻れないんよ?」

ことり「私はおかげで、穂乃果ちゃんに献身出来る決心がついたよ♪」

穂乃果「みんな…ありがとう、本当に…」

キィィ…

絵里「みんな揃ってる?ちょうど良いわ、こっちに来て」
0208名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:12:52.02ID:8UWfS3nR
絵里「コルトパイソン、オートマグ、コリブリ、ベレッタ、ワルサー、グロック、SIG、リボルバー…etc」

花陽「す、すごい…これ全部…本物…?」

真姫「エリー…どこでこんなもの?」

絵里「裏市場。かなり足元を見られたけどね」

にこ「っていうか…こんなにいるの…?」

絵里「PVを取るなら水鉄砲で十分だけど、今回はそういう訳にはいかないでしょ?」

凛「で、でも凛たち…こんなの使えないよぉ…」

絵里「私が教えるから覚えるの。いや、覚えなさい」

穂乃果「こっちは……」ガチャッ

絵里「そっちはダイナマイト」

絵里「にこの潜入捜査で相手は超巨大ロボットで攻めてくる事が分かったし、これぐらいは当然でしょ」

ことり「こ、こんなの扱えるかなぁ…」

海未「正直…こういった物騒なものを使うのは気が引けるのですが…」

絵里「そうも言ってられないでしょ?だいたい…私だってあまり好きじゃないんだから、こういうの」
0209名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:20:25.19ID:8UWfS3nR
-2019年12月9日- 〜商店街

ジャガジャガジャガジャガジャン!

穂乃果「……今日もお客さん来なかった」

にこ「……衣装と歌のギャップがありすぎなのよ、そのせいで誰も寄ってこないんじゃないの」

穂乃果「え?」

にこ「フォークソングなのに服が変に小洒落てるから、どうも歌に入れ込めないのよ」

穂乃果「じゃ、じゃあどうすれば…」

にこ「そうね……まず、ニット帽は止めてこの地味なキャップにする!コートは止めて、この青いアウター羽織っときなさい!」 サササッ

にこ「これで多少は歌とのギャップが無くなったわね!!」

穂乃果「……本当にこんなのでいいのかな」

にこ「なにっ!?にこのプロデュース力が信じられないの?」

穂乃果「にこちゃんだからなぁ〜」

にこ「どういう意味よぉ!」

穂乃果「冗談っ!!冗談だよ…ははは…」
0210名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:32:53.93ID:8UWfS3nR
-2019年12月25日-

凛「今日だね…」

穂乃果「うん、ついに今日…狼煙が…」





絵里「えぇ…そう…」

オペレーター『まぁ、私も今旅行中だからさ〜♪』

絵里「へぇ、どこに行ってるの?」

オペレーター『ニューヨークッ!いい街並みだよぉ〜、綺麗だし♪』

絵里「ふーん…(今日が狼煙の日…最終的に狼煙が上がるのは音ノ木坂学院という結論に至り、私一人で数日見張ってるけど…特に異常は見られないわね…)」

オペレーター『でね!ご飯も美味しいの♪』

絵里「(そもそも、音ノ木坂爆破を皮切りに…なんて事を“あいどる”がするのかしら…)」

オペレーター『んでねぇ〜!』

絵里「(あそこまで音ノ木坂に拘ってる“あいどる”が……いや、でも……だからこそ音ノ木坂を爆破する事に意味が……?)」

オペレーター『ちょっとぉ!エリーチカ、聞いてる!?』

絵里「(μ'sに関係し、最も簡単に……私たちが悪というイメージを世間に持たせる事が出来るのは………あっ!)」

絵里「今すぐニューヨークから出なさい!」

オペレーター『え?な…』

ドンッッッッッ!!!!!

プツンッ…

絵里「………!!」

絵里「なんで気付けなかったの……一番手っ取り早く、世間にそう知らしめる事が出来る場所は……あそこじゃない」





『速報です、ニューヨークで大規模な爆破事件が……』

穂乃果「ニューヨーク…だったんだ…っ、ごめんなさい…」

希「……これが狼煙なんやね」

海未&ことり&真姫&凛&花陽&にこ 「…………」


ついに狼煙が上がった東京、決戦まであと1週間。

第2章「21世紀少女」-完-
0211名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:45:04.05ID:8UWfS3nR
第3章「幕を閉じた伝説」

-2019年12月31日- PM2:00

希「ついに今日やね…」

にこ「そういえば、今日って…大晦日なのよねぇ…」

凛「凛、こんなにワクワクしない大晦日初めてかも…」

真姫「……そんなの、みんなそう思ってるわよ」

花陽「いつ……ロボットは出てるくるのかな……」

にこ「さぁね、いつでしょうね…」

ことり「案外…出てこなかったりしてぇ…」

真姫「そうね、出来れば……出てきてほしくないけどね……」

「……………」

パンパンッ

「…………?」

海未「ワンツースリーフォー、ファイブシックスセブンエイト……ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト」

凛「う、海未ちゃん…?」
0212名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:49:33.56ID:8UWfS3nR
ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト…ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト

ことり「……なんだか、懐かしいね♪」

凛「海未ちゃんの掛け声聞くと、どんな時でも気合入るんだよね〜☆」

花陽「うん!それで…アドバイスとか貰ったりすると、より一層頑張ろうって気持ちになるんだよね!」

海未「……みんな」

「……?」

海未「勝ちましょうね、絶対…」

真姫「………ナニソレ、誰も負ける気なんてないんだけど!」

海未「真姫…」

にこ「なーに言ってんの、さっきは来てほしくないとか、弱気な事言ってたくせに」

真姫「あ、あれはっ///」

希「とか言いつつ、にこっちも若干腑抜けた感じやったけど?」

にこ「そ、そんな事ないわよ!なんなら、にこが全部見せ場貰うんだから!」

海未「希、にこ…」

ことり「穂乃果ちゃんのためにも頑張ろうね!」

凛「また、みんなが笑って過ごせる為に凛も頑張るにゃ!」

花陽「わ、私も自分のできる事を精一杯…!」

海未「ことり、凛、花陽…」

ザッ

絵里「みんないる?」

絵里「さっ、準備はいい?」

海未「」キッ

海未「行きましょう!!!」
0213名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:54:00.16ID:8UWfS3nR
-2019年12月31日- PM10:30 〜商店街〜

穂乃果「ラララ〜…ラララ〜…ラララ〜…」

ジャガジャガジャガジャンッ!

穂乃果「……ありがとう」

パチパチパチ

穂乃果「!」

青年1「いいじゃん、お姉さんの歌」

青年2「あぁ、なんか哀愁があって…なのに元気を貰える…いいコード進行してるよ」

穂乃果「えへへっ、ありがと…でもコードは他のシンガーさんのを参考にしてるだけだから…」

青年1「パクリか」

穂乃果「むっ、人聞きが悪いなぁ…」

青年2「いやいや、トレースだろうがオマージュだろうがパロディだろうが、そこに自分の色を加えたら、もうそれは自分の曲だろ」
0214名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 11:58:37.20ID:8UWfS3nR
青年1「なんかさぁ……俺らも不安なんだよね」

穂乃果「何で?」

青年1「いやぁ…だってもう2020年なんて節目の年がやって来るって言うのに、こんな夜にふらふらさぁ」

青年1「だからさ、お姉さん見てるとなんか落ち着くんだよね、その年でこんな事やってるお姉さん見てるとさ」

穂乃果「ぐっ…いいじゃんっ…まだ26だよ?…いや、もう26って方が正しいのかな…?」

穂乃果「…でもさ、私みたいにこんな所で一人虚しく歌うのなんて一番嫌な未来でしょ?」

青年2「へへへ…だね」

青年1「場所が悪るいよ、場所が」
0215名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:04:22.40ID:8UWfS3nR
青年1「昔、好きなスクールアイドルがいたんだよな…」

穂乃果「へぇ〜…」

青年2「1年ぽっちで解散しちまったけどな」

青年1「今はなんか……ゴタゴタに巻き込まれて指名手配?かなんかになってるんだけど……」

穂乃果「……」

青年2「ありゃ陰謀だね」

穂乃果「!…なんでそう思うの?」

青年1&青年2「応援してるからだよ」

穂乃果「…そっ…か」

青年2「それにそんな事する様な人たちじゃなかったしな!」

青年2「……周りの奴らが何て言おうと、俺たちは信じてるんだ」
0216名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:06:50.56ID:8UWfS3nR
青年2「んじゃ、この辺で」

穂乃果「うんっ、気をつけて帰りなよ」

青年1「うっす、お姉さんも頑張ってな」

穂乃果「うん……頑張る」

ブロンッッ!!

青年1「良いお年を!」

ブロロロロロ!!

穂乃果「……良いお年をかぁ」

穂乃果「ちゃんと来年は来るのかな……」

穂乃果「そういえば、本当に服装を変えたらギャラリーが……流石にこちゃんだね」

穂乃果「…よいしょっと…じゃ…行こうか」


秋穂「穂乃果おーばちゃん!!」


穂乃果「え?」
0217名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:08:53.76ID:8UWfS3nR
秋穂「穂乃果おばちゃーん!」ダダダッ

穂乃果「……な……え……あ、秋穂……なんで……」

穂乃果「ひ、一人なの…?」

秋穂「うん!」

穂乃果「そんな、どうやって…」

秋穂「電車いっぱい乗ってきた!」

穂乃果「どうして…」

秋穂「穂乃果おばちゃんに会いに来たの」

穂乃果「秋穂…

穂乃果「………もう時間だ、みんなのところに行かなくちゃ」

穂乃果「………秋穂」

秋穂「なーに??」

穂乃果「手、繋ごっか…」

秋穂「うんっ!!」

ギュッ…
0218名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:12:44.98ID:8UWfS3nR




ブロロロ…

青年1「いよ〜し!じゃあいまから初詣にやって来る振袖美人をナンパしに行くかぁ!」

青年2「馬鹿お前、振袖着てくるような清楚女子は俺たちなんて眼中にねーよ」

青年1「女子のスカート捲るさながら帯外して、そのまま元日ホテルに直行よ!」

青年2「馬鹿じゃねぇのw」

サァァァァ

青年1「ウップ!」

青年2「な、なんだ…?」

青年1「あ、雨?」

青年2「あっ?」

ゴゴゴゴゴ…

青年2「な、なんだこれ…デケェ…」

青年1「ろ、ロボット?」

青年2「うッッッ…!!!」

青年1「ど、どうし……グフッッ……!」

パンッッッッ!!!!
ゴパァァァ!!!!
プシャッッッ!!!!

青年1&青年2「」

ゴゴゴゴゴ…
0219名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:16:55.72ID:8UWfS3nR
『たった今入ってきたニュースをお伝えします。
世界各地で謎のウィルスが蔓延し、多数の死傷者が出ている模様です。
そして東京都全域に謎の巨大ロボットが出現。先ほどお伝えしたウィルスと思われるモノを散布しながら移動を続けています。
近隣の住民は速やかに避難を……。』


アナウンサー「ご覧ください!アレが巨大ロボットです!!全長15mはあるでしょうか!?ライトで前方を照らしながら進んでいます!」

サァァァァ

アナウンサー「あっ!今、水のようなモノを噴出させました!一体アレは……!」

アナウンサー「あぁ……楽し気な大晦日からは一変……近場の住民は血を出しながら倒れていきます!」

アナウンサー「さながら血の大晦日です!!この……うぐっ!?……あ……ああぁッッッ!!」バシュッッッ

アナウンサー「」バタッ…
0220名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:23:26.93ID:8UWfS3nR




-2019年12月31日- PM23:20 〜とある工事現場〜

穂乃果「……」

8人「…………」

ドンッッッドンッッッ

花陽「地鳴りが…」

希「だんだん、近づいてきてる…」

穂乃果「……もし」

8人「………」

穂乃果「もし、自分の命が危ないと思ったら……すぐに……一目散に逃げて」

穂乃果「……お願いだから、誰も死なないで」

絵里「……穂乃果」

穂乃果「……」

絵里「あなたも死んじゃダメだからね」

穂乃果「あはは……死ぬ気なんてないよ……むしろ生きる気満々だよ?」

絵里「ならいいわ…」
0221名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:27:16.51ID:8UWfS3nR
穂乃果「最後に聞くよ」

穂乃果「今、辞めたい…抜けたいと思ってる子は……すぐに避難を……」

「……………」

海未「……穂乃果」

穂乃果「なに?」

海未「あなたが一番辞めたいって顔してますよ」

穂乃果「え……ははっ、そうかな……」

凛「みんな決心して来てるっ!今更逃げ出すなんてありえないにゃ!」

真姫「そうよ……何より戦わないと勝てない……勝ってもう一度平和な日々を取り戻してやるんだから」

花陽「勝てたらみんなで…μ'sとしてまた、歌って踊りたいな」

穂乃果「みんなっ…」

穂乃果「うん…そうだね、あとはやるだけだよね…よし!やろう!」
0222名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:32:49.84ID:8UWfS3nR
穂乃果「……あとは」チラッ

ザッ…ザッ…

穂乃果「……秋穂」

穂乃果「私、行かなきゃならない」

秋穂「……うん」

穂乃果「人は人生に一度、ゼッタイにやらなきゃいけない事がある」

穂乃果「私はあの時にやりきったと思ってた…」

穂乃果「でも、今がそうみたいなんだ」

秋穂「……うん」

穂乃果「……おばちゃんね、絶対に帰ってくる、約束する」

秋穂「うん…秋穂待ってるよ、おばちゃんの帰り…待ってる」

秋穂「…それまでおばちゃんの歌、歌ってるね」

穂乃果「……うん……うん!!」

ダキッ
0223名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:42:22.13ID:8UWfS3nR
穂乃果「……」スッ

秋穂「これ…」

穂乃果「その帽子、おばちゃんが帰ってくるまで預かっといてくれる?」

秋穂「……うん、大切に持っとくね」

老婆「長年の付き合いだから分かる」

老婆「アンタは帰ってくる」

穂乃果「常連さん……秋穂をお願いします」

老婆「あぁ」

老婆「さぁ向こうへ」

秋穂「うん……」スタスタ

穂乃果「…………」
0224名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:46:04.54ID:8UWfS3nR
ズドンッッ!ズドンッッ!

穂乃果「よしっ…じゃあ、行こうか!」

絵里「……えぇ」

穂乃果「こんなのが東京中を盛り上げるライブ?私は絶対認めないからっ!!」

にこ「あのデカブツのせいで火災や停電の二次災害も出てるみたいよ」

海未「きっと“あいどる”はそれさえもライブの演出としか思ってないでしょうね…」

希「みんな自分の役割覚えてるよね?」

真姫「えぇ…各自、仕事を果たしましょう」

花陽「ここはこれ以上荒らさせない…」

凛「あのロボットを止めて…」

ことり「μ'sの名前を取り戻そう!」

穂乃果「行くよっ!」
0225名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:51:05.35ID:8UWfS3nR
絵里「みんな銃は持ったわね?」

ことり「う、うん…」ドキドキ

絵里「前線に出る者は防護服を忘れないで」

絵里「あのウィルスを生身で浴びたら…ひとたまりもないわ」

穂乃果「うん…大丈夫…」

絵里「…じゃあ、希と穂乃果は車を出してあのロボットの元へ」

希「うん、機内に侵入してロボットを止める…止めるのが不可能ならダイナマイトで爆破…やんね…」

絵里「何かあったら無線機を通して伝えて、いいわね?」

凛「うん、大丈夫にゃ」

絵里「花陽とにこが先に車をまわして、ロボットの動向を監視してる」

絵里「その情報を聞いて、私と凛と真姫と海未が二手に分かれてロボットを遠隔操作している人物を探す」

絵里「ことりは地上から“あいどる”を捜索して。近くにいるかもしれない」

ことり「わかった!みんな気をつけてね!」

絵里「じゃあ…各自、持ち場に」
0226名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:56:49.17ID:8UWfS3nR
「おっ……ゴプッ……」ドサッ

花陽「ひ、ひっ…」

ピッ

花陽「い、今…ロボットは自衛隊と交戦した後、靖国通りを通過していきました…」

ピッ

絵里『了解、花陽とにこは引き続き、ロボットの動きを車内から監視しておいて』

にこ「オーケー、任しといて」

絵里『頼んだわよ』

ピッ

花陽「……こんなに殺傷力のあるウィルス、どこから……」

にこ「さぁね……でも、こんなものを作ったのも同じ人間なのよね……」
0228名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 12:59:55.58ID:8UWfS3nR
絵里「はっ…はっ…」

絵里「絶対…どこかにいるはずなのに…」

ヒュー…カタッ…

絵里「え?」

絵里「ひょっとこのお面?」

絵里「今、空から…?」

絵里「………ハラショー」

絵里「凛!このマンションの屋上をお願い!」

凛「え…う、うん!任せるにゃ!絵里ちゃんは!?」

絵里「私はこっちのビルの屋上に行く!そっちは頼んだわよ!」
0229名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:08:24.06ID:8UWfS3nR
海未「……ここは愛民党の本部」

海未「」ダッ

真姫「海未っ!」

真姫「もうっ!」

ピッ

真姫「今、海未と愛民党本部前にいる…でも、全然人気がないわ」

ピッ

海未「くっ!!」

ガタガタガタ!

海未「開かない……!!開けなさい!!開けなさい、誰か!!」

真姫「海未、無駄よ!誰もいない…それより向こうの方を調べましょう」

海未「……ッ」
0230名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:11:26.53ID:8UWfS3nR
ガタンッッ!

絵里「はぁはぁ…誰か…誰かいない!?」

・・・ヒュー

絵里「いない…?」

ピッ

絵里「凛、そっちは?」

凛『なにもないにゃ…広いから、もうちょっと探すよ』

絵里「そう…わかった…」

ピッ

絵里「なら、このお面はどこから…」

ガチャン

絵里「……?」

絵里「なんの音…?」
0231名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:14:26.26ID:8UWfS3nR
ミカ「この!!!それを離せぇぇ!!!」


絵里「ミカ…!?何でそんなところに!!」


ミカ「え、絵里先輩!!見てください!!“あいどる”です!」


絵里「な、なんですって!?」


ミカ「このぉ!!」

“あいどる”「んんぅ……!!くぅぅ!!」


絵里「そっちのビルにっ!!お、お面は風に流されて…」

絵里「ミカ!!そいつを離さないで!今すぐそっちに行く!!」


ミカ「は、はい!」

“あいどる”「このぉ!!」ブンッ

ミカ「あっ…」

“あいどる”「うわっ!!?」

ウワアァァァァ!!!


絵里「……ッッ!!」

絵里「ミカッッ!!!」


ビュー…
0232名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:17:48.82ID:8UWfS3nR
絵里「うぅ……くっ」

絵里「あっ!」チラッ

ズドンッ、ズドンッ

絵里「……ダメ」

ピッ

絵里「……ミカが……リモコンを持ってた“あいどる”と一緒に……ビルから落ちた……」

絵里「でも、ロボットは……止まってない……」

ピッ





穂乃果「ミカ……そんな……」

希「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「わかってる……わかってる……大丈夫、行こう」

希「…うん、出すよ」

ブロロロロ…
0233名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:20:59.70ID:8UWfS3nR
ブロロロッッ

希「とりあえず、ロボットの下に潜り込むよ!」

ズドンッ!!ズドンッッ!!

穂乃果「流石に、こんな近くだと揺れるね」

希「穂乃果ちゃん、荷台に荷物を取りに行って」

穂乃果「うん」

ガタンッ

穂乃果「え、これ…」

希「なに、どうしたん?」

穂乃果「このロボット、外側から見れば大きいけど、下から見ればただ風船乗っけて面積広げてるだけだよ」

希「…なんか、肩すかしやね」

穂乃果「だね…よし、必要な物は持ったよ!」
0234名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:24:43.90ID:8UWfS3nR
穂乃果「というかこれ……ハシゴがないけど……どうやって中に……」

希「どうかしたんっ!?」

穂乃果「うん!ハシゴがないから上がれない……けど、もういいや!」

希「え!?」

穂乃果「ふっ!!」

ガシッ!

穂乃果「ハシゴが無いなら、このぶら下がってる紐みたいなのをロープ代わりにして上がるからぁ〜!!!」

希「穂乃果ちゃん!!落ちたらあかんよ…」

穂乃果「はっはっ…うんっ!(す、少しでも鍛えててよかった…!)」
0235名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:29:44.74ID:8UWfS3nR
希「……あっ!あれ!」

希「穂乃果ちゃん!」


穂乃果「な、なに希ちゃん!?」


希「あそこのハシゴから内部に行けるかも!」


穂乃果「ほ、本当だ…!あそこからなら!」

穂乃果「でも遠すぎるよぉ…」

穂乃果「……っ、えーい…一か八か!!!」


希「穂乃果ちゃん…まさか飛び移る気!?」


穂乃果「(せーっの……!)」

ガタンッッ!

穂乃果「今だ!!!とりゃあーー!!」

ガンッ!

穂乃果「……いてて……よし」


希「……ロボットが移動する時の反動を利用して飛んだんや……んもう……無茶しぃなんやから」

ピッ

希「今、穂乃果ちゃんがロボットの中に入っていったよ」

絵里『了解、希は離脱して』

ピッ

希「ウチは後退しないと…」

ブロロンッ
0237名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:40:21.77ID:8UWfS3nR
穂乃果「……ここが操縦室」

穂乃果「……ッ!」

穂乃果「(中に誰かいる…!)」

穂乃果「(使うつもりはないけど……)」ジャキッ!

穂乃果「……!」 ゴクリッ

バンッ!

穂乃果「手を上げて!!早くこのロボットを止めて!」

・・・

穂乃果「………」

・・・

穂乃果「………」ポンッ

ボトッ

穂乃果「ひっ…く、首が取れた…!?」

【へのへのホノカ、バーカ】

穂乃果「……っっ!!ば、馬鹿にしてる……!」
0238名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:45:22.03ID:8UWfS3nR
絵里「……穂乃果」





穂乃果「……壊そう、これで」

ピッ…ピッ…ピッ

穂乃果「よしっ…」

ピッ

穂乃果「ダイナマイトを3分後に設定したよ、みんな……これで終わるからね」

ピッ

穂乃果「ふぅ……ん?」

穂乃果「あれ、あれ…?」

穂乃果「もしかしてこれ…止まってる?」

・・・ホーノーカチャン、ウタイマショー

穂乃果「……?」

穂乃果「今、このモニターから……?」

プツッ

穂乃果「…!!」

「穂乃果ちゃん、よくやったね、おめでとう」

穂乃果「…ッ!…“あいどる”!!」
0239名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:52:08.77ID:8UWfS3nR
穂乃果「…っ、こんな回りくどい事ばっかりやって!」

穂乃果「東京の人たちをあんなに殺して……!!」

穂乃果「出てきてよ!!あなたは…誰なのっ!?」

「……いるよ、目の前にいるよ」

プツンッ

穂乃果「……え?」

穂乃果「前……?……!!!!!」

ゴゴゴゴゴ

穂乃果「なに、これ…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

穂乃果「ドームが……歩いてる?」

穂乃果「このロボットよりも…大きい…」
0240名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 13:59:57.86ID:8UWfS3nR
“あいどる”「久しぶりに穂乃果ちゃんと遊べて、すごく楽しかったよ」

穂乃果「あなたは……」

“あいどる”「……穂乃果ちゃんがそのロボットの操縦者で、私はそれに勇敢に立ち向かう、英雄」

穂乃果「なっ…え?」

“あいどる”「昔とは真逆…穂乃果ちゃんはヒーローからヒールになったんだよ」

穂乃果「“あいどる”……なんで……そんなに無防備なのに、感染しないの……」

“あいどる”「……私は神になる存在なんだよ、穂乃果ちゃん」


ピッ

絵里『穂乃果、早くそこから離れなさい…もう時間が!』

・・・

絵里『穂乃果?穂乃果!!』


“あいどる”「マスク、外してみせようか」パッ

穂乃果「え…」

“あいどる”「…………」パサッ

穂乃果「…………ッッ!!!」

穂乃果「そん……なっ……」
0241名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 14:07:02.06ID:8UWfS3nR
絵里「穂乃果!まさか、顔を見たの!?」

絵里「教えなさい!“あいどる”は誰!!」

・・・ジジジ

絵里「穂乃果!?……穂乃果!!」


“あいどる”「流石のμ'sでも、この状況は覆せなかったか…」

“あいどる”「昔から私がいないとダメだったよね」

穂乃果「なん……で」

“あいどる”「……お別れだよ」

“あいどる”「穂乃果」
0242名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 14:12:11.66ID:8UWfS3nR
穂乃果「…………」

“あいどる”「早く逃げないと、時限爆弾が爆発しちゃうよ」

穂乃果「…………」

“あいどる”「ふふふ、相変わらず面白い」





花陽「あと少しで穂乃果ちゃんが言ってた3分だよ!?」

にこ「何してんのよ穂乃果はっ!!」





絵里「穂乃果っ!!」
0243名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 14:18:51.57ID:8UWfS3nR
絵里「穂乃果、答えなさい!……穂乃果!!“あいどる”は……“あいどる”は誰!!」





海未「離して…離してください!!」

真姫「海未、そっちは危ないわ!!やめなさいってば!!海未ッ!!」

海未「穂乃果……!穂乃果ああぁぁ!!」

真姫「(…っ、穂乃果!)」





凛「絵里ちゃん、穂乃果ちゃんは…!!?」

絵里「……応答がない」

凛「そんな…穂乃果ちゃん」





希「もう時間が…」

希「…穂乃果ちゃんッ」





ことり「あと10秒で2020年になっちゃう…穂乃果ちゃん!!」

老婆「………」

秋穂「………おばちゃん」

秋穂「穂乃果おばちゃんっ!!!!!」





穂乃果「………っ!」

カチッ!!
0244名無しで叶える物語(庭)
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2020/07/01(水) 15:31:34.63ID:BGsOHhun
┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ
0246名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 20:22:29.31ID:8UWfS3nR
-西暦2035年-

カツ…カツ…カツ

「今日8月3日だよ…」

「これ、よかったら食べて」

「座るね…」

「……………」



「………穂乃果おばちゃん」

第3章「幕を閉じた伝説」-完-
0247名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:07:34.29ID:8UWfS3nR
第3.5章「可能性×輝」

-2020年9月- 〜浦の星女学院〜

ガッ、ガサガサ…

曜「……?」

梨子「……?」

千歌「あ、あわわわ…!」

梨子「ち、千歌ちゃん?」

千歌「……おかしい、こんなの絶対おかしいよ!!」

曜「どうしたの千歌ちゃん」

花丸「悪いものでも食べたに違いないずら」

千歌「むっ…!違うよー!これ見て、これ!」

曜「えぇ、なになにー…東京、愛民党から復興支援?お〜、いいねいいね!」

梨子「でも、私たちが行った時でもかなり復興は進んでるように思えたけど……」

千歌「確かにぃ…って、そこじゃなくて!下の記事だよぉ〜!」
0248名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:08:46.78ID:8UWfS3nR
曜「血の大晦日…東京大規模爆破主犯格は…大人気スクールアイドルだった高坂穂乃果……って……うぇぇ!!!?」

ガタッ

ルビィ「そ、そんな!ありえないですッ!!」

千歌「でも記事にそうやって書いてあるんだもん!」

善子「活字にしただけで信憑性って増すものでしょ、今時どの新聞も当てになんないわよ」

千歌「そうだとしても…こんな確定みたいな書き方嫌だよ〜…」

千歌「善子ちゃんは穂乃果さんが犯人だと思う?」」

善子「……ッ、ヨハネ!」

千歌「よ、ヨハネちゃんはどう思う…?」

善子「くく……この退屈な世界へ落とされた神のあるまじき怒り……世界をカオスへと導き……人々を混乱の渦に巻き込む……即ちエクスプロージョン!!」

花丸「でもこんな書き方って本人が訴えでもしたら勝てるんじゃないかな?」

善子「無視!?」
0249名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:12:02.59ID:8UWfS3nR
ダダダダダダダダダッ

バンッッッ!!

ダイヤ「た、大変ですわ…!」

千歌「ダイヤちゃん?」

ダイヤ「こ、この新聞に……!」

千歌「あっ…穂乃果さんの記事ですか!今、ちょうどその話をしてたんです!」

ダイヤ「あっ、そうですの…」

ダイヤ「ってそうじゃありませんわ!!どうなってるんですのこれは!!」

千歌「わ、私に言われても…」

ダイヤ「こんっっっっな有る事無い事書いて、新聞社は恥ずかしいと思いませんの!?」

ダイヤ「プロとしてのプライドは無いんですの!?」

ルビィ「お、お姉ちゃんちょっと落ち着いて…」
0250名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:18:10.55ID:8UWfS3nR
果南「あながち間違いってわけでもないかもよ」

ダイヤ「か、果南さん…」

鞠莉「これを見れば一目瞭然じゃなーい?」

ダイヤ「鞠莉さん、どういうことですの!?」

ピラッ

鞠莉「これは全部、今日発行された新聞だけど、全てにその記事が載ってるわ」

梨子「……ここまで各メディアが取り上げてるって事は……余程の証拠があるって事……?」

ダイヤ「そんな……なら本当に……μ'sは……?」

千歌「…………」
0251名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:20:16.24ID:8UWfS3nR
千歌「なら、確かめに行こう!東京に行って!!」

千歌「自分たちの目で見れば、何かわかるはずだよ!!!」

ダイヤ「そ、そうですわね…きっと何かの間違いですわこんなの!」

ルビィ「ルビィもそう思う……だって変だもん、こんなの!」

梨子「私たち……何回東京に行ったら行くのかしら……」

鞠莉「気にしない気にしない〜、それにリーダーのオーダーは絶対だよ?」

果南「……まぁ千歌だけで行っても危ないし、みんなで行った方がいいでしょ」

花丸「今回はどんな未来が待ってるんだろう〜!」

善子「ズラ丸あんた…調査に行くのよ、調査に」

千歌「じゃあ暇ができたら行こう!」

ダイヤ「え、い、今すぐではないんですの……?」

千歌「え?だって明日も学校あるんだよ?」

ルビィ「確かに…」
0252名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:21:23.74ID:8UWfS3nR
-数日後- 〜東京〜

千歌「うぉー!東京っだー!」

梨子「復興作業も順調そうね」

花丸「でも…勢いで来たはいいものの、いったいなにするずら?」

千歌「え、うーんと……はは、か、考えてなかった!」

果南「……千歌」

ダイヤ「とうっっっぜん!!聞き込みですわ!!」

千歌「聞き込み?」

ダイヤ「現地の方ならμ'sの潔白を証明出来る証言が出来るでしょう!」

ダイヤ「それを得るのです!」

千歌「なるほど!じゃあ曜ちゃん!」

曜「よしきたっ!」
0253名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:22:53.26ID:8UWfS3nR
曜「すみませーん!ちょっとお話いいですか?」

老婆「………」ギロッ

曜「あっ……あの」

老婆「なんだい」

曜「あ、えっとスクールアイドルのμ'sというグループ…ご存知ですか?」

老婆「………さぁね」

老婆「ほらどいとくれ、秋穂…行くよ」

曜「あっ、ごめんなさい!お時間取らせて」

スタスタ…

善子「なーにあの態度、嫌な感じ…」

ルビィ「そばにいた子の顔色が悪かったから、急いでたんじゃないかな…?」

千歌「……あの女の子」

鞠莉「……?千歌ッチ、どうかしたの?」

千歌「………いや、なんでもないや……!次行こ、次!」
0254名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:25:21.42ID:8UWfS3nR
パッ

花丸「あっ、わぁ〜!未来ずら…未来ずらよ!ルビィちゃん!」

ルビィ「えっ?あ、スクリーン?うん!すごく大きいよね!」

果南「……ただ、内容がね」

ルビィ「え?」

鞠莉「“あいどる”…ねぇ」

果南「愛民党…ウチの地域にも来ることあったりするけど、私、好きじゃない…」

梨子「私もこっちにいた時、たまに見たけど……胡散臭いっていうか……どこか不気味……」

千歌「……あのマスクって」

曜「マスク?」

千歌「うん、あの覆面マスクってなんか意味あるのかな……」

善子「はっ…まさか、あのマスクで自らのパワーを制御して…!?」

トンッ

善子「ぐぇ…」

花丸「そんなわけないずら」ニコッ

千歌「……私もあんまり、好きじゃないな」
0255名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:26:35.16ID:8UWfS3nR
ダイヤ「このままでは埒があきません!」

ダイヤ「なので、ここからは効率重視で行きますわ!」

鞠莉「と、言うと?」

ダイヤ「9人を3人1組の3チームに分けます、そして各々情報をかき集めるのです!」

果南「なら集合場所とか決めておいた方が良いかもね」

ダイヤ「19時に駅前に集まりましょう」

ダイヤ「チーム分けは……」

千歌「よし、グッチョッパーで決めよう!」

オーケー、セーノグッチョッパー

花丸「また善子ちゃん、チョキだね」

善子「むむむっ……」

ダイヤ「じゃあ皆さん、お願いしますわよー!」

オーー!!!
0256名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:28:44.31ID:8UWfS3nR
しかし、Aqoursが再び9人揃うことはなかった。
19時に駅前に集まったのは千歌・果南・鞠莉の1チームだけ。
それ以外のチームは夜が明けても、月を跨いでも、はたまた年を超えても、帰ってくることはなかった…。

第3.5章「可能性×輝」-完-
0257名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:31:50.63ID:8UWfS3nR
第4章「最後の希望」

-西暦2035年-

キーンコーンカーンコーン…ザワザワザワ

ガラッ

教師「はーい、席につけ、席に」

教師「はい、起立、気をつけ、礼」

「……Zzz」

教師「えーとだな、前回で中間の範囲は基本的に終わったので、今日は自習……」

男子生徒「マジかよ!!」

教師「にしようと思ったけど…やかましくなりそうだから先生の雑談タイムだ」

男子生徒「っちぇー」

「……Zzz」

教師「えー、今日は…」

先生「2019年の12月31日に起きた血の大晦日の話をしようと思う!」

「……っ!」ピクッ
0258名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:35:07.31ID:8UWfS3nR
教師「先生はあの時、帰省してたからテレビでしか見てないんだけどなぁ」

教師「実家で紅白見てたら突然の臨時ニュースだ!」

教師「東京で大規模テロだってな」

教師「現場の状況を伝えようとしたリポーターは突然身体中から血吹き出して死ぬわ、もうこの世の終わりかと思ったよ」

「………」

教師「いや、終わるはずだった!」

教師「先生は今でもそう思うよ……終わらなかったのはやはり……我らが“あいどる”の存在が大きい!!」

「………っ」

教師「あの時“あいどる”が迅速にワクチンを精製して配付してなけりゃ、本当に世界は終わってた!」

教師「歴史的大悪党、ホノカによってな!」

「……っっ!!」ギリッ

バンッ!!

「先生、間違ってる!!!」

教師「ん……はぁ」

教師「まーた高坂かぁ…」

秋穂「またはこっちのセリフですっ!!」
0259名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:37:46.71ID:8UWfS3nR
秋穂「見てください!この教科書を!」

教師「なんだよ、立派な教科書じゃないか」

秋穂「そうじゃなくて、この写真!!」

教師「あぁ、ホノカ一派がロボットを操縦して、東京を震撼させている真っ最中だ」

秋穂「……なんでそんな捉え方が出来るんですか?」

秋穂「どう見たってこのロボットに立ち向かおうとしてるでしょ!!」

秋穂「こんな所にいたら彼女たちの身が危ない!なのにロボットに向かっていってる!」

秋穂「それにこんな所にいてどうやってロボットを操縦するんですか!?」

教師「だーからぁ…リモコンで操作してたんだよ!!グワングワーン!!と」

秋穂「ありえないっ…先生、何年教師やってるんですか!?」

教師「な、なんだと…」

秋穂「この中で誰かリモコンを握ってますか!?操ってますか!?」

秋穂「ちゃんと見てくださいよっっ!!!」
0260名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:40:07.31ID:8UWfS3nR
教師「オーケーオーケー、高坂の言い分はよーくわかったよ」

教師「俺も教師だ、生徒の思いを汲み取るのも仕事の範疇」

秋穂「………」

教師「だから特別課題だ☆」

教師「高坂、血の大晦日についてレポート書いてこい!」

秋穂「なっ…!」

ドッ!!
ハハハハハハハハ!!

男子生徒「とんだ災難だなぁ!」

女子生徒「そこまで噛み付く必要ないのにっ!」

男子生徒2「“あいどる”が世界を救ったという事実の何が不満なのか理解に苦しむなぁ…」

秋穂「……っ、バカ!!わからずや!!」

男子生徒「ま、穂乃果なんてウンコって書き流しときゃいいんだよ!!はははっ!!」

秋穂「!!!」ブチッ

秋穂「このっ!!」バキッ!

男子生徒「ごぶっ!!?」

バキッ!!!ドスッ!!!ドッドッドッ!!!

秋穂「この!この!何も知らないくせに!!!」バキッ

「うわっ…!だ、誰か高坂をトメロォォォ!!!」

教師「おい落ち着け!お前ら落ち着けぇぇ!!」
0261名無しで叶える物語(光)
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2020/07/01(水) 21:43:06.81ID:8UWfS3nR
〜三森荘〜

秋穂「とっ…」

ジャン…ジャン…ジャーン……

海未「……っ」

海未「ちゃんと聞きなさい…秋穂」

秋穂「うーん…なんかここの音がなぁ…チューニングおかしい?」

海未「秋穂…」

秋穂「あっそうだ!」

海未「……?」

ゴソゴソ

秋穂「ねぇねぇ!海未おばちゃん見て見て!これだよね!昔、穂乃果おばちゃんがよく食べてたってパン!パンマニアの人からゲットしたんだよ!」

秋穂「秋穂……」

秋穂「今は製造してないからさぁ〜」

海未「……っ、秋穂!!」

秋穂「…!」ビクッ

海未「……聞きなさい」

秋穂「……だって私悪くないんだもん」
0262今日はここまで(光)
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2020/07/01(水) 21:48:23.47ID:8UWfS3nR
海未「悪い悪くないの話じゃありませんよ…」

海未「いったいあと何度、学校から電話がかかってくるんですか?」

秋穂「だって!!あの無知な奴等が穂乃果おばちゃんを!!」

海未「……田舎にいるおばあちゃんだって、私と同居することを条件に東京にいる事を許してくれているんです」

海未「それをあなたは…私の家さえ飛び出して、こんなアパートに一人暮らしを…」

海未「…なにを考えているんですか?今まではおばあちゃんとの約束を守り、私の家で大人しくしていたでしょう?」

海未「……もし、あなたに何かあれば、私は穂乃果に合わす顔がありません」

秋穂「………」

秋穂「…海未おばちゃん変わった」

海未「………!」

秋穂「なんで…なんで戦うのをやめちゃったの!?」

海未「……うっ!!お、おばちゃんって言わないでください!!!」

ドンッ!!

秋穂「むっ…」

海未「うっ…」

チョットー!!!
0265名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/07/01(水) 22:59:21.51ID:VMXnS7IG
長編だね
これから読んでみます
0269名無しで叶える物語(家)
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2020/07/02(木) 01:07:52.81ID:ecQ6lWES
そんなに大々的にやってたのか
多分地震なしが荒し回ってて離れてたから知らなかった
0271名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:32:28.05ID:4c9LRaIJ
〜隣室〜

十花「毎日毎日、ギターの音はするわ、大声で歌うわ、爆音で音楽流すわ…」

秋穂「…別にいいじゃん、そんなの」ボソボソ

グイッ

秋穂「ぬわっ…!」

ドスッ

海未「本当に申し訳ございません!!」

十花「…まぁ、土下座が誠意と僕は思わないな」

十花「というわけで…贖罪の意を込めて、これを…読みたまえ」

海未「……?これは……」

秋穂「この人ね、十花田輝って言って、小説家さんなんだよ、でもあんまり売れてないみたい」

十花「」キッ

秋穂「……っ!!たはは……」

海未「では、僭越ながら…読ませていただきます」
0272名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:34:59.52ID:4c9LRaIJ
海未「……」ペラッ

秋穂「(うわぁ、分厚いなぁ…海未おばちゃん…これ全部読むつもりのかな?)」

秋穂「(しかもジャンルはラブコメ!?きつすぎるよ…)」

-1時間後-

十花「」ジー

海未「……」ペラッ

秋穂「ふわぁ…あぁ…やっと中盤…」

秋穂「(そんな真面目に読む必要ないのに…)」

秋穂「ねむっ……い……Zzz……」

バタッ…
0273名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:41:22.33ID:4c9LRaIJ




秋穂「ん…」パチッ

秋穂「(……あれ?私、寝てた?)」

十花「さぁ、ど、どうだったかね?」

秋穂「(えっ…!海未おばちゃん…全部読んだんだ、私なんてつまらなくて寝ちゃったよ…)」

十花「若い頃から幾星霜、必死にプロットを考え、完成した作品なんだ、自信は正直…」

秋穂「(海未おばちゃんの事だから、破廉恥の一言で片付けちゃったりして…へへ、なんて…)」

海未「……あくまで私個人としての意見ですが」

海未「この作品からは、なんの熱意も気勢も伝わってきませんでした」

十花「!?」

秋穂「えっ…」

十花「ふ、ふふ……そんな精神論を……まぁ、素人には分からんよ」

海未「私は文学には精通していないので、文体や言い回しなどについては、なにも意見できません」

海未「ですが、私は……ただひたむきに頑張って……ただひたすら前を向いて……壁を超え、破り、壊し……夢を叶えた女性を知っています」

秋穂「…海未おばちゃん」

海未「この作品からは、そのようなものが感じられませんでした」

十花「………」

海未「……私が読みたいのは」

海未「……自らの命を投げ打ってでも大切な人を守ろうと全身全霊を尽くす人間の物語です」
0274名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:46:11.73ID:4c9LRaIJ
十花「………」

海未「では、失礼いたしました」 ペコッ

バタンッ

秋穂「……海未おばちゃん」

海未「……まったく、人様の家で寝るんじゃありません……」

秋穂「あっ…た、たはは…ごめんなさい」

海未「では私も今日のところは帰ります。あまり隣人の方達に迷惑をかけないように」

秋穂「はーい…って、あっ!私もバイトの時間だ!」

秋穂「遅刻しちゃうよぉ…!じゃあね、海未おばちゃん!」

海未「…っ、だからおばちゃんって言わないでください!」
0275名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:50:52.40ID:4c9LRaIJ
海未「では、気をつけて行くんですよ」

秋穂「あっ…ねぇ、海未おばちゃん」

海未「…?なにか?」

秋穂「海未おばちゃんも本当はさ…本当は…穂乃…」

秋穂「………」

海未「…?秋穂…?」

秋穂「いや、やっぱりなんでもないやっ!」

秋穂「いやぁ〜!40歳の海未おばちゃんがラブコメの小説読んでるのってなんか、なんか笑えるね!」

海未「よ、40…!!秋穂ッ!!」

秋穂「えへへ!じゃあ行ってきまーす!」 ダッ

海未「…んもぅ!あの子だけは本当に…」
0276名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:53:57.06ID:4c9LRaIJ




〜とある監獄〜

ガチャリ

酒井「元気か、9番」

ジャラ

絵里「……元気に見えるかしら?」

酒井「見える」

絵里「あらそう…じゃあ教えてあげる、元気じゃないわ。だからこの手錠外してくれない…?」

酒井「手錠はお前があんまり凶暴だから付けられたんだぜ、殺されないだけ我慢しろ」

絵里「……」

酒井「それと俺、少し外に出る事になった、仕事でね」

絵里「……」

酒井「……お前達の最後の希望」

絵里「……!」

酒井「神の子といえども、場合によっては“退部”させなければならない」

絵里「………」

酒井「じゃあ、元気でな」スタスタ

ガチャ、キーー、バタンッッ

絵里「……秋穂」
0277名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:56:22.77ID:4c9LRaIJ




〜裏路地〜

秋穂「ふわぁ…ムニャムニャ…Zzz…」

陳「アキホ!アキホ!」

秋穂「え、は、はい!」ガタッ

陳「ナニネトルカ、コノバカタレガ!」

秋穂「す、すいません…ちょっと疲れてて」

秋穂「で、どうかしましたか?」

秋穂「…はっ!もしかしてお客さんっ!?はぅ〜!何日ぶりの来店!?」

陳「イヤ、ゼンゼンマッタクキトラン」

秋穂「…………」

秋穂「うぅ…暇ですね…やっぱり場所がダメなのかな…」
0278名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 11:58:58.32ID:4c9LRaIJ
陳「アキホ、マカナイダヨ」

秋穂「ありがとうございます!いただきます!」

秋穂「パクッ」

秋穂「う〜ん!味抜群!陳さんの料理食べないのって人生の半分は損してるよね」

陳「ソレガダネアキホ、ワタシミセタタモウトオモウヨ」

秋穂「え?な、なんで…」

陳「オキャクコナケリャ、ミセシメルシカナイヨ」

秋穂「そ、そんな…もっと人通りがある場所にお店移しましょうよ!そしたらきっと!」

陳「ムリダネ、ワタシミタイナ、フホウタイザイシャガオモテデミセヒラケルホド、ヨノナカアマクナイ」

陳「ケイサツニショッピカレルヨ」

秋穂「……そんな」
0279名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:01:42.58ID:4c9LRaIJ
秋穂「ここで働けなくなったら……私、アパート追い出される……それは困ります!」

秋穂「それに私ここが好きなんです…!」

陳「……シカタナイヨ、トオリデドンパチシテタラ、ソリャアヒトモヨリツカナイヨ」

秋穂「……!」ガタッ

陳「……?」

秋穂「そのドンパチやってる連中をどこかに追いやれば、お客さんも来てお店続けられるんですね!!」

陳「タブンネ」

秋穂「よし……!!じゃあ、行ってきます!!」

秋穂「」ダッ

陳「アッ、アキホ!!ケガスルデナイヨ!!」
0280名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:04:56.45ID:4c9LRaIJ
バンッ!!バキュン!!!

ダダダダダダダッッ!!!!!

中国マフィア1「撃て撃てー!」

中国マフィア2「タイ野郎を一人残さずやれェェェ!!」

タイマフィア1「踏ん反り返ってるチャイニーズに目に物を見せてやれぇ!!」

バキュンバキュンッ!!


秋穂「うっ、こっちの方はこんなに酷かったんだ…」

サッ

秋穂「止めて!!」


中国マフィア3「なんだアイツは」


タイマフィア2「どうしますか?」

タイマフィア3「構わん、撃ち続けろ」

ダダダダダダダッッ


秋穂「」ムカッ


中国マフィア4「おかしい!弾があたらねぇ!」

カスッ…

秋穂「……ッ痛!」

秋穂「…ッッ!!いい加減にしなさいってば!!!」


中国マフィア「………」

タイマフィア「………」

・・・シーン
0281名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:09:57.33ID:4c9LRaIJ
秋穂「ここはあんた達がドンパチするような場所じゃないの!」

秋穂「どのお店もあんた達のせいでお客さんが寄り付かなくてうんざりしてる!!」

中国マフィア「………」

秋穂「ここにいる、多くの人たちが戸籍や国籍を持たない人達なの!!そんな人達が唯一拠り所にしているところを、争いの場にしないで!!」

タイマフィア「………」

秋穂「もしなんか文句あるんだった、お互いのドン私のところに連れてきなさい!!」

秋穂「……ふんだっ!」スタスタスタ
0282名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:14:46.49ID:4c9LRaIJ
スタスタスタ…

秋穂「………」クルッ

・・・シーン

秋穂「銃声が聞こえなくなった、分かってくれたかな…」

店主「いやぁ、お嬢ちゃん凄かったねぇ!」

秋穂「……!」

店主「あっ、いや…度胸あってカッコいいと思ったよ!今まであんな事言える人なんていなかったからさ!」

秋穂「(こんな所に和菓子屋があったんだ…)」

秋穂「…あの」

店主「ん、なんだい?」

秋穂「お邪魔してもいいですか…?」

店主「えっ、どうぞどうぞ!うちなんかで良ければ」

秋穂「ありがとうございます」

秋穂「……なんか懐かしい感じ」

店主「お嬢ちゃん、これ食べな…お金はいいから」

秋穂「えっ、でも…!」

店主「いいからいいから!お嬢ちゃんの度胸に賛辞を送って、ね」

秋穂「……すいません、いただきます!」
0283名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:20:20.09ID:4c9LRaIJ
秋穂「ハムッ…」

秋穂「…っ!これは…!美味しいです…」

店主「そりゃあ良かった!」

秋穂「………」

秋穂「……昔、おばちゃんと食べてた和菓子とそっくりなんです」

店主「もしかして師匠の店かな」

秋穂「え…」

店主&秋穂「丈ムラ!」

秋穂「すごい、こんな偶然…」

秋穂「お師匠さんは、まだ元気に…?」

店主「……亡くなったよ、血の大晦日に」

秋穂「あっ…そう、ですか…」

秋穂「ごめんなさい…」

店主「いや、いいんだよ…。師匠、最後まで自分の店を置いて逃げようとはしなかったね…」

店主「しかし、師匠の顔に泥を塗っちゃったな…お客は来ないし、不甲斐ないよ…」

秋穂「それは、ドンパチしてた連中のせいですよ!きっとこれからはいっぱい来ます!絶対!」
0284名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:23:08.43ID:4c9LRaIJ
店主「だといいんだけどねぇ」

タイマフィア首領「おい」

店主「うわっ、ひ、ひえっ…」

秋穂「……モグモグ」

タイマフィア首領「弾に当たらない女ってのはお前か?」

タイマフィア首領「私はタイマフィアのドン、チャンポンだ」

秋穂「……モグモグ」

チャンポン「なんだいその目は」

チャンポン「手打ちさせる為にボス呼んでこいって言ったのはお前さんじゃないのかい?」

秋穂「……えぇ」

チャンポン「……だが、私一人では手打ちもクソもない」

チャンポン「双方のボスが話し合って、初めて成立するもの……いや、来たようだな」

中国マフィア首領「これはこれは、タイのボスが直々に出てこられるとは珍しい」
0285名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:25:43.25ID:4c9LRaIJ
中国マフィア首領「とっくに老衰でポックリ逝ったと思ってたよ」

チャンポン「」ギロッ

中国マフィア首領「…その目を見る限り、まだまだやれそうだね」

チャンポン「死ぬまでガキの喧嘩に付き合うのも悪くない」

中国マフィア首領「………」

チャンポン「………」

ジリッ…

秋穂「……いちご大福、生地固め、アンコ少なめ、片栗粉少なく、あとイチゴおまけして!!」

秋穂「この人たちにも同じのをっ!」

店主「えっ、あ…は、はいよ」

秋穂「あなた達も座りなさい、立ち食いはマナー違反なんだから!」

秋穂「海未おばちゃんに怒られても知らないよ!」

チャンポン「………」

中国マフィア首領「………」

スッ…ガタッ
0286名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:30:43.64ID:4c9LRaIJ
モグモグ……

店主「………」

チャンポン「……お嬢ちゃん、私が昔まだタイにいた頃」

チャンポン「お嬢ちゃんと同じような、強い眼差しをした女と会ったことがある」

秋穂「……モグモグ 」

チャンポン「全く目障りな奴でね、ポッと現れたかと思ったら、次々と私の部下達をなぎ倒していったよ」

チャンポン「殺そうと思い、銃を撃った」

チャンポン「だが…不思議な事に弾が当たらんのだよ、お嬢ちゃんと同じようにな…」

チャンポン「後で調べるとその女は……エリーチカといい、俺たちのようなゴロツキを懲らしめていることを知った」

秋穂「………」

ガタッ

中国マフィア首領「ロシア人か?」

ガタッ

チャンポン「……さぁな」

ジリッ

秋穂「………」グイッ

中国マフィア首領&チャンポン「!」

秋穂「仲良くして!ほら、握手!」

チャンポン「…………」

中国マフィア首領「…………」

ガシッ

店主「……す、すごい」
0287名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:34:12.88ID:4c9LRaIJ
-翌日- 〜学校〜

秋穂「ふわぁ〜あ…ねむいっ…」

キーンコーンカーンコーン

ガラッ

先生「よーし、席つけ席」

サラッ…

「ザワザワ…」

先生「あー静かに、えー、見ての通り今日から新しい仲間が増える」

秋穂「……転校生?」

先生「んじゃ、チョーク渡すから自己紹介を」

「………」カッカッ…

パチンッ

果南「ま、松浦果南…です…!///」

果南「どうぞ…よ、よろしく…」

オーケッコウカワイクネ?
オトナビテルノニ ドコカハジライアルノガイイネ

秋穂「……んぅ?どこかで会ったことあるような」

果南「(くっ…///マリーめ…!)」
0288名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:38:12.82ID:4c9LRaIJ




-数日前- 〜理事長室〜

果南「鞠莉、なんでこの学校なの?」

鞠莉「……ここが一番“あいどる”に関する情報を掴めそうだったからじゃない」

果南「……だからって鞠莉が理事長になる必要……」

鞠莉「別にお金の事なら心配ないよ、小原家の財力があればイージーなんだから!」

果南「そんなこと言ってるんじゃなくて!その、理事長になる必要性皆無っていうか…」

鞠莉「ホワット?何言ってるの果南、私が理事長にならないと入学手続きその他もろもろ面倒じゃない」

果南「入学手続き……?って、誰の……?」

鞠莉「え?」

果南「え?」





果南「ぐぅ…///」

先生「じゃあ松浦は……高坂の隣が空いてるからそこで」

果南「あっ、はい…」

果南「……はぁ」
0289名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:43:38.98ID:4c9LRaIJ
果南「(あっ、そういえばマリーこんな事言ってたな…)」




鞠莉『果南!挙動不審じゃダメよ!怪しまれずに過ごすにはスマーイルを忘れずに!』




果南「(……わかったわよ)」

果南「よ、よろしくね!!」ニコッ

秋穂「えっ…あっ、よろしく」プイッ

果南「………(やっぱり、私のキャラじゃない!)」

秋穂「(絶対にどこかで会ったことあるんだけどなぁ…)」

秋穂&果南「……んぅ」
0290名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 12:48:43.13ID:4c9LRaIJ
キーンコーンカーンコーン…

〜理事長室〜

バンッッッ!

鞠莉「ん?」

果南「はぁはぁ…!!」

鞠莉「OH、かなーん!どうだった、第二のスクールライフは?」

果南「どうもこうもないっての!!」

果南「私、あの子達より一回りも上なのに、制服着て…勉強して…なんかもう!なんかもう……///」

鞠莉「バレないか不安かって?大丈夫大丈夫!果南は全然若く見えるしビューティフルだよ?」

果南「……もうマリーが生徒役やってよ」

鞠莉「ダメダメ、私はもう理事長として認知されてるんだし、今更役を変更なんて無理」

鞠莉「それに果南、千歌ッチなんて全然慣れない職場で罵倒されながら、必死に頑張ってるんだよ?」

果南「…………」

鞠莉「Aqoursのみんなを助けるために」

果南「………わかったよ、頑張る」

鞠莉「流石果南、お利口さん!」

果南「でも、せめて理事長の権限で私服登校とかにしてくれない?」

鞠莉「それはダメ!果南の制服姿は私の目の保養にもなるから!」

果南「……やっぱり、一番損な役回りだよ」
0291名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 13:15:41.04ID:4c9LRaIJ
-数週間後- 〜警視庁〜

「今宵、我々は長らく黙認してきた、各地域の裏通りにのさばる不法滞在者の一斉摘発に踏み切る!」


刑事1「なーにが黙認してただよ…大した手柄にならねぇから知らぬ存ぜぬで押し通してただけだろうが」ボソボソ

刑事2「聞けばスーザン裏通りのマフィアの抗争は鎮圧されたらしい」

刑事1「はーん…理由はそれか…恐れるものが居なくなったら、あとは不法滞在者のゴミ共を権力振りかざしてお縄につかせるだけだからな」

千歌「ふわぁ〜…」

「高海刑事、少しは緊張しろおぉぉ!!!」

千歌「あぅっ…す、すみません!」

刑事1「本日1回目の高海の叱責」

刑事2「今日はまだ食らってなかったのに、惜しいな」

千歌「す、すみません…」
0292名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 13:21:20.71ID:4c9LRaIJ
刑事1「しかし、よくこんな奴が刑事になれたなぁ」

刑事2「おいやめろ、即戦力の女デカだぜ?有能じゃなけりゃ女でこの部署にはこねぇよ」

刑事1「即戦力って…高海ってもう32とかだろ?」

千歌「うぅ…」

刑事2「この世界じゃ珍しくねぇよ、むしろ若い」

刑事1「……どうせコネだろ」

千歌「………」

刑事2「おい…んな言い方しなくてもいいだろ、今日はどうしたんだお前」

刑事1「はっ…そもそもいくら有能でも女を刑事にさせるってこと事態理解に苦しむね、上は何考えてんだか…」

刑事2「末端の俺らがそんな事言っても仕方ないんだよ、ほら行くぞ、高海も支度しろ」

千歌「は、はい!」
0293名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 13:33:45.91ID:4c9LRaIJ
ウー…ウー…

刑事1「そもそもさぁ、高海って試験受けた?」

千歌「え…う、受けましたよ勿論!」

刑事1「にしてはアホすぎるような…」

刑事2「いい加減にしろ、しつこいぞ」

刑事2「仕事の話に戻す」

刑事2「今日のヤマはここだ」

千歌「珍宝侖…?中華料理屋さん?」

刑事2「あぁ、マフィアの抗争が落ち着いたから、この裏路地もかなり賑わってきた」

刑事2「その中で最も人が集まり、かつ法に触れるヤツらが通ってるのがここだ」

刑事2「今日はここに来店する奴ら全員しょっぴく」

千歌「あの、一ついいですか?」

刑事2「ん?なんだ?」

千歌「どうやって不法滞在者かどうか判断するんですか?もし関係ない人を誤認逮捕でもしちゃったら…」

刑事2「………」

刑事1「………ま、片っ端から逮捕していけ、みんな同じ穴の狢だ」

刑事2「………もし、正当な国民であったとしても、不法滞在という事実を知っていて、その連中を庇っているならソイツも共犯扱いだ」

千歌「…わかり…ました」
0294名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 13:39:05.14ID:4c9LRaIJ
ザッ…ザッ…ザッ…

〜珍宝侖〜

ザワザワザワ

刑事1「よーし高海、先陣切れ」

千歌「えっ、わ、私!?む、無理ですよ!」

刑事1「いいから早く行けよ!!!」

刑事2「お前らうるさい!気づかれる!……あっ」

オカマ「あっ…」

刑事1「あっ…」

オカマ「………!」ダダダダダダダ


秋穂「あっ、いらっしゃい!久しぶりだね、どうしたの慌てて?」

オカマ「秋穂ちゃんヤバい!マジヤバい!外!外!」

秋穂「外?」

オカマ「警察……!めっちゃいるよ!!」

秋穂「え…!早く!裏口から逃げて!!」

バンッ

刑事1「おらおらぁ!!両手あげて大人しくしろぉ!」
0295名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 13:45:22.62ID:4c9LRaIJ
カチャリ、カチャリ

秋穂「何してんのやめてっ!!」

秋穂「みんな何もしてないじゃない!!」

刑事1「うるせぇ!令状も出てんだよ」

珍「コノイソガシイトキニイッタイナンダ!?」

刑事1「店主だ、押さえろ!!」

ガヤガヤガヤ、ザワザワザワ

ガチャリ!

珍「!?」

秋穂「ちょっと!!!珍さん何もしてないじゃない!!なんで逮捕されなきゃいけないの!?」

刑事1「うるせぇガキだな!!お前も逮捕だ!!」グイッ

秋穂「うっ……離して……よ!!」バキッッッ!!

刑事1「グエッッ…….!?」ズドンッ

刑事2「…!公務執行妨害!現行犯逮捕だ!!」

秋穂「…っ!?離して!!」

警察1「つぅ…こいつは没収だ!」スッ

秋穂「!!!」

秋穂「ふざけないで、返して!大切な帽子なんだから!!!」

刑事2「暴れるなッッ!!」

秋穂「返してよ!おばちゃんの帽子!!」

秋穂「……ッ!!弱いものイジメよ!警察なんてサイテー!!警察なんてだいっきらい!!!」


千歌「……あっ……え、えっと……」ポツーン
0296名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 13:53:29.45ID:4c9LRaIJ
-数時間後- 〜警視庁〜

千歌「あれ!?」

刑事2「ん?どうかしたのか」

千歌「あの…さっきの女の子は?」

刑事2「女の子?」

刑事1「あいつだろ、俺をぶん殴った汚ねぇ帽子被ってた、あの」

刑事2「あぁ…高坂秋穂の事か、あの子なら取り調べ受けてそのまま帰ったぞ」

パサッ…

刑事2「……?どうした?」

千歌「……高……坂……?」

刑事2「……それがなんだ?」

千歌「あっ……いえ、その子の帽子とリボン返したくて……」

刑事1「けっ、わざわざ律儀に返さなくてもいいだろ……クソ、思い切りぶん殴りやがって……」

刑事2「あれはお前も高圧的すぎだ。高海、もう今日はいいから、上がれ」

千歌「あ、ありがとうございます!」ダッ

刑事1「………」

刑事1「それにしても、本作戦でも高海刑事はいいとこなしですな」

刑事1「なんであんなの置いてんだ?」

刑事2「……さぁな、俺にもわからん……ま、ムードメーカーってところだ」

刑事1「はっ…なってるか?」
0297名無しで叶える物語(鮒寿司)
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2020/07/02(木) 14:02:54.91ID:zRo1hXnS
秋穂「………穂乃果おばちゃん」

秋穂「……覚えてる?昔食べた、丈ムラの味」

秋穂「今はお弟子さんがお店やってるんだけど…昔と変わらない…あの味のまんま」

秋穂「……………」

ポタッ…

秋穂「グスッ、穂乃果おばちゃん…」

秋穂「どこ行っちゃったの…?」

秋穂「……死んでないよね?」

秋穂「約束したじゃん、絶対に帰ってくるって…」

秋穂「早く…私のところに…帰ってきてよ…」

秋穂「…グスッ」

ザッ…

秋穂「……!」ゴシゴシ

秋穂「誰…?」

千歌「あっ…ご、ごめんね」

秋穂「……あなたは」
0298またID変わってたすまん(光)
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2020/07/02(木) 14:06:38.34ID:4c9LRaIJ
秋穂「………」

秋穂「もう取り調べ受けて釈放されたよ?まだ何か用?」

千歌「あっ、えっと……そうじゃなくて」ゴソゴソ

千歌「これ……」スッ

秋穂「!」

千歌「リボンと帽子……ごめんね、先輩達手荒くて」

秋穂「別にいい……」パシッ

千歌「……さっきさ、それ取られる時かなり抵抗してたけど……大切な物なの……?」

秋穂「………おばちゃんの」

千歌「……もしかして、か、形見?」

秋穂「……ッッ!違う!!!」

千歌「!」ビクッ

秋穂「……違う」

秋穂「預けられてるだけだから……」

千歌「そ、そっか……ごめんね」
0299名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 14:11:45.22ID:4c9LRaIJ
千歌「あの、一つ聞きたいんだけど」

秋穂「なに?」

千歌「あなたの苗字って高坂…だよね?」

秋穂「……それがどうしたの?」

千歌「あと、そのリボン…私、見覚えがあって」

秋穂「…………」

千歌「もしかして、さっき言ってたおばちゃんって…穂乃果さんの事なんじゃ…!」

秋穂「…………」

千歌「…………」

秋穂「……あなたもおばちゃんを悪者に仕立て上げようとしてるんだ」

千歌「え?」

秋穂「ッ、おばちゃんは無実ッ!」
0300名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 14:19:50.52ID:4c9LRaIJ
千歌「じゃあ、やっぱり…あなたが穂乃果さんの姪っ子さんなんだね」

秋穂「……私から聞いたこと脚色して、またおばちゃんの悪評流すんでしょ」

千歌「………」

秋穂「……おばちゃんは……ただ、みんなを守ろうとしただけなのに……」

千歌「……違うよ」

秋穂「……!」

千歌「私は……穂乃果さんの……μ'sのファンだったから……あの事件が報道された時も信じ難かったよ」

千歌「今の時代、穂乃果さんを擁護しようものならすぐに」

秋穂「なんで……」

千歌「……え?」

秋穂「じゃあなんで警察なんてやってるの!?警察なんて今じゃ“あいどる”の犬じゃん!!」

千歌「……私、友達が行方不明でね」

秋穂「………」

千歌「色々調べていくうちに元凶はその“あいどる”にあるんじゃないかって……友達と話してたんだ」
0301名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 14:29:09.15ID:4c9LRaIJ
千歌「この写真見て」スッ

秋穂「……これは?」

千歌「地元の石碑に刻まれた私の友達の名前」

秋穂「………なんで刻まれてるの?」

千歌「…………」

秋穂「……なんで?」

千歌「………死んだってことにされてるんだ」

秋穂「えっ…?」

千歌「でも死んでないよ……表向きは死んだ事にされてるけど……みんな絶対に死んでない」

千歌「きっと何か不都合があるからそうしてるだけなんだよ」

秋穂「………」

千歌「………敵を倒すにはまず敵を知ること」

千歌「そう教えてもらって、私は警察に潜入捜査してるんだ」

千歌「……まぁ、ダメダメで早くも怪しまれてるけどね……えへへ」

秋穂「………」

千歌「……私はあなたの力になる!!だから穂乃果さんの真実を教えて欲しい!」

千歌「ね!」

秋穂「……わかった、信じるよ」

千歌「……!!ありがと!!秋穂ちゃん!!」
0302名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 14:39:47.71ID:4c9LRaIJ
千歌「私、口挟まずに聞くから!」

秋穂「…その前に」ゴソゴソ

千歌「ん?」

秋穂「これ」

千歌「これって、音楽プレーヤー…?」

秋穂「……それ、穂乃果おばちゃんが使ってたやつなんだ」

千歌「……えっ!!聞いてみてもいい?」

秋穂「…うん」

カチッ

『……えーっと……今日は2019年の12月31日、一曲歌いたいと思います!えーっと、あー……とりあえず録音します!!』

千歌「穂乃果さんの生声だ…す、すごい!」

秋穂「……ふふっ」

千歌「え…ど、どうしたの?」

秋穂「うーうん…なんでもない…。それより歌、始まるよ」

千歌「う、うん…!」

秋穂「………(穂乃果おばちゃんの、μ'sのファンか)」
0303名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 14:50:34.74ID:4c9LRaIJ




秋穂「……穂乃果おばちゃんは嵌められたんだよ」

千歌「嵌められた…それって…?」

秋穂「16年前のお台場爆破、NY爆破、そして血の大晦日は知ってるよね?」

千歌「当然だよ!!当時大々的に報道されてたしね、正直……私はあんまり関心がなかったけど……」

秋穂「同時期に起きた他国のウィルス事件も……主謀者は全部“あいどる”だよ」

秋穂「穂乃果おばちゃんは……世界を救おうとしたのに、逆に世界を陥れようとした悪魔って事にされた……」

秋穂「“あいどる”のせいで…!!!」ギュッ

千歌「……胡散臭いとは思ってたけど、まさかそんなことまで」

千歌「でも…穂乃果さんが犯人じゃないって分かって良かったよ!」

秋穂「……本当に穂乃果おばちゃん、好きなんだね」

千歌「うん!………私の憧れなんだ」

千歌「昔……うーうん、今も追いかけ続けてる……一度でいいから会ってみたかったなぁ……」

秋穂「………あの慰霊碑見える?」

千歌「え…?う、うん、見えるよ」

秋穂「あそこが16年前、東京が大爆発した時の中心部……穂乃果おばちゃんが世界を救おうと戦った場所だよ」

千歌「……慰霊碑に名前は」

秋穂「……刻まれてないよ」

千歌「そっか…」

秋穂「…ねぇ!穂乃果おばちゃんの話、もっとしてあげよっか?」

千歌「え?ほ、ほんと!?」

秋穂「うんっ、おばちゃんのことホントに好きみたいだし特別に!」

千歌「うんうん!!大好きだよぉ〜!お願い!」

秋穂「そうだね……まず穂乃果おばちゃんはね……」



0304名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 14:55:39.09ID:4c9LRaIJ
-翌日- 〜学校〜

学年主任「……まずですねお母様、今日起こし頂いたのはやはり、秋穂さんの件についてなんですが」

海未「申し訳ありません…私、園田海未と申しまして、母親ではなくて…東京での身元引受け人なんです」

海未「唯一の肉親である祖母は今……田舎に疎開していまして」

学年主任「疎開……なるほど、ま……賢明でしょうな……。私も仕事柄、声を大にしては言えませんが都民が思ってるほどここは安全でもないし平和でもない……」

学年主任「いや、しかし失敬…お母様でいらっしゃらないとは…通りでお若いわけだ」

海未「……あの、それで用件とは」

学年主任「あぁ…失礼…先ほど申しました通り、今日は秋穂さんの件でお話させて頂きたくてですね」

海未「はい…」

学年主任「いやはや…あの子は中々優秀な子でして。成績もトップクラスですし、運動神経もいい…まさに才色兼備というやつですよ」

海未「…ありがとうございます」

学年主任「しかし…それはいいのですが」
0305名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 15:01:12.20ID:4c9LRaIJ
学年主任「若干ではありますが、素行不良な面も目立つのです」

海未「……本当に申し訳ありません、私の監督不届きが招いた結果です」

学年主任「いやいや、顔をあげて下さい園田さん」

学年主任「いえね…他の教師はどうか知りませんが私はあの子がどうしても悪い子だとは思えないんです」

学年主任「私には孫がいますが、その孫とほぼ遜色ない接し方をしてきたつもりです」

学年主任「今までのイザコザも私なりに庇ってきました」

海未「はい、ありがとうございます…」

学年主任「しかし…警察が絡んでくると話が変わってくるんです…」

学年主任「学校というものはどうも警察に弱くてですね、今回の件は流石に私の手には負えないかもしれません…」

海未「……はい」

学年主任「公務員がなぜ同じ公務員にヘコヘコしてるのか理解に苦しみますよ、全く」

学年主任「…私も尽力はしますが、最悪数週間の停学は覚悟しておいてください…」

海未「本当に…申し訳ございません」
0306一旦落ちます(光)
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2020/07/02(木) 15:13:14.66ID:4c9LRaIJ
学年主任「それとですね園田さん、もう一つ」

海未「…はい」

学年主任「これは秋穂さんが過去、問題を起こした際に聴取したメモなんですが」

海未「………」

学年主任「見ての通り、どれもこれも血の大晦日に関連したことばかりなんです」

海未「………」

学年主任「発端は血の大晦日、口論で始まり、時には手が出たりなんてことも…」

学年主任「私は…彼女は優しい子だと思っています。しかし、この血の大晦日の事になると人が変わったように乱暴になり、冷静でいられなくなる」

学年主任「……園田さん、いったい彼女はなぜ血の大晦日についてあそこまで懐疑的なんですか?」

学年主任「血の大晦日当時、彼女はまだ2歳…いったいその時になにが?」

海未「……それは」

海未「お答えできません」

学年主任「…………」

学年主任「そうですか…わかりました、今日はお時間を取らせてしまい、すみませんでしたね」

海未「いえ、こちらこそ…秋穂には私から厳しく言っておきますので…」ペコリ
0309名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 23:38:38.12ID:4c9LRaIJ
〜三森荘〜

海未「………」

ガチャ

海未「…っ!」

秋穂「あれ?海未おばちゃん?なにやってんの?こんなドアの前で」

海未「………おばちゃんって言わない」

秋穂「中入りなよ、お茶淹れるよ?あ、コーヒーの方がいい?」

海未「……秋穂」

秋穂「……ん?」

海未「……田舎に、おばあちゃんのところに帰ってあげたらどうですか?」

秋穂「」ピクッ
0310名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 23:43:52.11ID:4c9LRaIJ
秋穂「……まぁ」

秋穂「確かに、最近おばあちゃんとも会ってないしね……孫の顔も見たいだろうし、そろそろ顔出した方がいいのかな〜」

秋穂「祖父母は孫無しじゃ生きていけないって言うもんね!えへへへ…」

海未「………」ジッ…

秋穂「………」

海未「…秋穂」

秋穂「やだよっ!!ここにいる!!」

海未「一緒に住んであげれば、お婆ちゃんも安心してくれる…きっと喜んでくれます」

秋穂「そうかもしれないけど……私がいないと、穂乃果おばちゃんが帰ってきた時……」

海未「……穂乃果は帰ってきませんよ」

秋穂「…ッ!?」

海未「………」

秋穂「なんで……そんな事……海未おばちゃん……なんでなの……?海未おばちゃんだって……!」

秋穂「……ッ!」 ジワッ …

秋穂「もう知らないもんッッ!!」ダッ!!

ガチャン、バタンッ!

海未「秋穂っ…!」

ダダダダダダダ……

海未「……っ」

海未「……私だって、そんなこと思いたくないに決まってます……でも」

海未「……でも」
0311名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 23:52:07.56ID:4c9LRaIJ
〜公園〜

キィコ…キィコ…

秋穂「………」





穂乃果「どう?秋穂、ブランコは!楽しい?」

秋穂「うん、すっごく!!」

穂乃果「よーし!じゃあ、次は立ち漕ぎだ!」





秋穂「……穂乃果おばちゃん」

「どうかしたん?」

秋穂「……!」クルッ

秋穂「希おばちゃん…?」

希「なんか、思いつめた顔してるよ?」
0312名無しで叶える物語(光)
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2020/07/02(木) 23:56:37.41ID:4c9LRaIJ
秋穂「…実は」

希「海未ちゃんと喧嘩でもした?」

秋穂「……うん、揉めちゃった」

希「よいしょ…。そっか、それで家飛び出して来ちゃったんやね」

秋穂「……うん」

秋穂「っていうかさ……希おばちゃん、久しぶりだね……元気だった?」

希「うちは元気だよ?神主さんが快く受け入れてくれて、また明神さんで働いて……細々と暮らしてるよ」

希「秋穂ちゃんは?」

秋穂「私は……まぁ、平気だよ」

希「…そう?」

秋穂「……うん」

秋穂「……海未おばちゃんはさ」

希「ん?」

秋穂「穂乃果おばちゃんのこと、なんとも思ってないのかな…」

希「えっ?」
0313名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:00:21.49ID:Edb6uLkM
希「…急にどうしたん?ウチはそんな事ないと思うよ?」

秋穂「だってだって!穂乃果おばちゃんの事話すと……いつも興味なさげだし……挙げ句の果てに怒るし」

希「んー、秋穂ちゃんには、まだわからないのかもしれないね」

秋穂「どういうこと?」

希「大丈夫や。海未ちゃんは別に穂乃果ちゃんに対して関心なくなったわけじゃないよ」

秋穂「…………」

秋穂「絵里おばさんも…」

希「……うん」

秋穂「絵里おばさんも、にこおばちゃんも、凛おばちゃんも、花陽おばさんも、真姫おばさんも………穂乃果おばちゃんも………」

希「…………」

秋穂「みんなどこか行っちゃった…」

秋穂「希おばちゃんは悲しくないの?寂しくないの?辛くないの?」

希「……ウチは」
0314名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:07:04.81ID:Edb6uLkM
希「平気だよ」

秋穂「えっ…な、なんで!なんで平気なの?」

希「んぅ?だって…みんな、絶対生きてるって確信してるから」

秋穂「……っ!」ブワッ

希「秋穂ちゃんもそう思うでs」

ダキッッ

希「!」

希「おっとっと…」

秋穂「うわあぁぁん……!だよね、だよね……!!死んでなんかないよね?」グスッ

希「……うん、少なくともウチはそう思ってるよ」

秋穂「海未おばちゃんにも、そうやって言ってほしかった……!!私にも……グスッ」

秋穂「希望が欲しかった……この真っ暗な闇から抜け出すための……光が欲しかったんだよぉ……!グスッ…」

希「うんうん…よしよし」ナデナデ

秋穂「グスッ…グスッ…エグッ…」
0315名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:12:59.46ID:Edb6uLkM
ナデナデ

希「……落ち着いた?」

秋穂「……うん、ありがと……希おばちゃん」

希「……さっきの話」

秋穂「グスッ……うん……」

希「秋穂ちゃんと穂乃果ちゃんの2年の付き合いを安く見てるわけじゃない……これを頭に入れた上で聞いてほしいんやけど、大丈夫?」

秋穂「……うん」コクッ

希「よしよし、いい子さんやね」

秋穂「……えへへ」

希「……あのね、海未ちゃんは……穂乃果ちゃんの事を誰よりも心配してると思うよ」

秋穂「……うん」

希「あの二人は幼馴染やから、切っても切れない縁があるんよ……」

秋穂「なら……」

希「でも海未ちゃんだって弱音を吐けない…本音を曝け出すわけにはいかないんや」

秋穂「なんで…?」

希「そりゃあ…穂乃果ちゃんが忘れてった、大切な宝物を守るため」

秋穂「あっ…」

希「ずっと気を張ってる…」

希「だから、秋穂ちゃんの前では泣けないはずや?」
0316名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:17:00.55ID:Edb6uLkM
希「2019年までで20年ぐらいの付き合いだったのかな?長い付き合い」

秋穂「……私の10倍だね」

希「あ」

希「秋穂ちゃん、今ちょっと卑屈になったやろ?」

秋穂「え?い、いや、な…なってない!なってない!」

希「ほんとぉ〜?」

秋穂「うん、なってないよ…ただ、海未おばちゃんが凄く大きく見えてさ」

秋穂「なんか2年ぽっちの付き合いの私がへこんでるのって……バカみたいだなって」

ガシッッ!!!

秋穂「ひゃっ!///」

希「そういうのを卑屈になってるって言うんよー!ほーら往年のわしわしMAXよ〜!」

秋穂「あ、あうぅぅ〜…///」

希「……ふふふっ、穂乃果ちゃん譲りの中々な」

秋穂「ううっ…の、希おばちゃん…!」

希「だって〜…秋穂ちゃんがウチの前置きを理解してなかったんやも〜ん」

秋穂「む〜ッ…!」
0317名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:23:27.25ID:Edb6uLkM
希「今まで隣にいて当たり前だった人が急に居なくなる」

秋穂「………」

希「普通じゃいられないよ、そんなことあったら…」

希「ウチだってそう……口ではあぁ言ったものの、実際にはわかってるんだと思う、それを心の奥底にしまっているだけで……」

秋穂「………」

希「……秋穂ちゃん」

秋穂「…ん?」

希「16年前の事覚えてる?」

希「穂乃果ちゃんがお母さん達を疎開させた時の事」

秋穂「……その時の事は……とにかくおばちゃんと別れるのが悲しくて……あんまり、覚えてない」

希「無理もないよ、まだ小さかったしね」

希「……海未ちゃんから聞いたんやけどあの時、電車が発車した後に穂乃果ちゃん」

希「……自分にもしもの事があったら秋穂ちゃんは海未ちゃんに預けたい……って言ったんやって」

秋穂「…ほんと?」

希「うん、ほんとだよ」

希「海未ちゃんも……最初はその責任感から秋穂ちゃんを育ててたのかもしれない」

希「……でも、今は違うと思うよ?」

希「親以上の愛を持って……秋穂ちゃんと接してる、実は秋穂ちゃんも知らんぷりしてるだけで、本当はわかってるんとちゃう?」

秋穂「……私は」

希「……海未ちゃんもウチも……きっと絵里ち達も……秋穂ちゃんのことは希望と思ってる」

希「ウチ達の一縷の……最後の希望」

秋穂「私が……希望?」
0318名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:26:23.69ID:Edb6uLkM
希「ねぇ、リボン、持ってる?」

秋穂「え…う、うん」ゴソゴソ

秋穂「これ…」

希「…懐かしいなぁ、穂乃果ちゃんの…」

希「貸して…ジッとしててね」

シュルル、キュッ

秋穂「希おばちゃん…」

希「帽子もいいけどリボンは付けないと映えないよ?」

秋穂「……うん、そうだよね」

希「それ、海未ちゃんに見せたら喜ぶよ〜!」

秋穂「そう……かな?」

希「うん!きっと!」
0319名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:31:35.56ID:Edb6uLkM
ジジジツ……パッ

秋穂「えへへ、似合ってる…かな?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

希「じゃ、そろそろ解散しよっか」

秋穂「あ、待って!希おばちゃん!」

希「また悩み事があったら連絡してきなよ」スッ

希「……でも、最も適当な相談相手は一番身近にいるって事、忘れたらあかんよ?」

秋穂「……大丈夫、わかってる」

希「よし!じゃあおやすみ、気をつけて帰るんよ?」

秋穂「希おばちゃんもね」

希「ちゃんと海未ちゃんと仲直りするんよ?」

秋穂「……うん、がんばる」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


秋穂「……とは言っても、海未おばちゃんも流石に家に帰ってるだろうしなぁ」

秋穂「……こんな夜遅くに行っちゃ迷惑だし、明日にしよっか」
0320名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:34:47.58ID:Edb6uLkM
秋穂「さてと…じゃあ、そろそろ帰ろっか」

秋穂「この前の公務執行妨害の件もあるし、補導とかされたら面倒くさいもんね」

秋穂「よっこいしょっと」

ザッ

秋穂「え?……!」

海未「………」

秋穂「あ、あれ……海未おばちゃん、今から帰るの……?」

秋穂「ちょっと遅くない…?」

海未「………ですか」

秋穂「え?」

海未「……ッッ!!何やっていたんですか!!」

秋穂「!!」ビクッ

海未「…………」

秋穂「………ごめん、なさ」

ダキッ!

秋穂「………っ!」

海未「どれだけ探したと思っているんですかっ…!」

秋穂「海未おばちゃん……ごめん……なさい、本当にごめん……」

海未「……許しません」

ギュッ…
0321名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 00:38:49.54ID:Edb6uLkM
スタ…スタ…

秋穂「あ、あのさ…海未おばちゃん…」

海未「どうしました」

秋穂「…今日のこと、ホントにごめんね」

海未「…いえ、私も言いだすのが唐突でしたし、こちらにも落ち度はあります…。だから、もういいんですよ」

秋穂「そ、そっか……あ、ありがと……」

スタ…スタ…

秋穂「(…改まって言うと、なんか照れくさいなぁ…)」

ザッ、ドスッ!

秋穂「あぷっ!!?」

海未「え!?」

秋穂「イテテ……きゅ、急に止まらないでよ!」

海未「止まらないでって……何を言ってるんですか、もう着きましたよ」

秋穂「え?あっ…もう家か」

秋穂「たはは…ご、ごめん…!」

海未「もう…」
0322今日はここまで(光)
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2020/07/03(金) 00:43:44.87ID:Edb6uLkM
海未「では…私はこれで」

秋穂「えっ…」

海未「明日も学校があるんですから、早く寝るんですよ?」

秋穂「待って!あ、あの海未おばちゃん…」

海未「…?まだ何か…?」

秋穂「え、えーと…その…今日だけでいいから…ちょっと、泊まっていってほしいなぁ…なんて…///」

海未「……あなたはもう高校生なんですよ?」

秋穂「うっ……知ってるよぉ」

海未「…フッ…冗談ですよ、早く上がりましょう」

秋穂「えっ…?あっ、ありがと!」

海未「……ですが、私が泊まる以上は夜更かし禁止です!」

秋穂「うぇぇ!?」

海未「当然です!さっき言ったでしょう!明日も学校があると!」

秋穂「ぐ、ぐぬぬぅ〜!!(ぜ、絶対遅刻できないっ!)」
0323名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:03:12.92ID:Edb6uLkM




ドサッ!!!

曜「いてっ……!!」

ルビィ「あうっ……!」

ガチャン…ガチャリ!!

曜「えぇ!?ちょ、ちょっと!!」

曜「〜〜!何さ〜!!変な施設で目覚ましたと思ったら!!今度はこんな薄汚い牢屋なんかに連れてきてー!!」

曜「……ッッ!!ふーざーけーんーなー!!!!!」

ルビィ「よ、曜ちゃん、とりあえず落ち着いて…」

曜「……なんなのもう、早く千歌ちゃん達と会いたいね」

ルビィ「うん……でも、もうルビィは何が何だか……」

曜「あはは…私もだよ…」
0324名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:05:15.97ID:Edb6uLkM
曜「…ここってご飯とかあるのかな?」

ルビィ「えっ!?そ、そんな……もしもこなかったらルビィ達……!」

曜「……餓死」

ルビィ「うひいぃ〜!」

曜「いや、大丈夫だよ」

ルビィ「へ…?ほ、ホントに?」

曜「うん!」

ルビィ「なんで大丈夫ってわかるの?」

曜「え?うーん……なんとなく……だけど」

ルビィ「うひいぃ〜!」

曜「ご、ごめんね!ルビィちゃん、適当言って!」

「くるわよ」

曜&ルビィ「!?」

「ありがたいことに…しっかりと三食、ね」
0325名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:07:33.37ID:Edb6uLkM
曜「……今、前の部屋から」ボソボソ

ルビィ「声が聞こえたよね?」ボソボソ

ルビィ「それに日本語だったよ!」ボソボソ

曜「うん、しかもかなり流暢だった…って事は日本人?」

曜&ルビィ「・・・」

曜「あ、あの!」

・・・シーン

曜「あれ?」

キィー

曜「…?(扉が開く音?)」

・・・ドスッ!!!バキッ!!!

曜&ルビィ「……!!!」

「〜〜〜〜〜!!!!! 」

「かはっっ……!!」

ルビィ「……〜〜!!」ブルブル…

曜「だ、大丈夫……大丈夫だからねルビィちゃん……」ポンポン

曜「(次は、私たちの番……なのかな……?)」バクバク
0326名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:09:35.38ID:Edb6uLkM
ルビィ「はっ…はっ…こない…のかな?」

曜「大丈夫……みたいだね」

ルビィ「う、うん…」

曜「……あ、あの!すみません!」

・・・シーン

曜「……あ、あの」

・・・シーン

曜「おかしいな、連れて行かれちゃったのかな…」

ルビィ「いなくなっちゃった…?」

曜「うん、返事がない…」

曜「(……死んでないよね?)」
0327名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:15:38.64ID:Edb6uLkM
-20分後-

曜「」ボー

「何?」

曜「えっ!?…あっ」

曜「(い、今なんだ…呼んでからの時差がすごいな)」

曜「あの!ここってどこなんでしょうか?というかここはなんなんですか…!?」

「プリズン」

曜「プリズンってことは…牢獄?」

ルビィ「ろ、牢獄って…ルビィ達、何も悪い事はしてないんです!」

「……達か、やっぱり二人いたのね」

「じゃあ、あと二週間ってところね」

曜「二週間…?二週間ってなんの事ですか?」

「殺されるまで」

曜&ルビィ「!!!!」
0328名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:19:47.77ID:Edb6uLkM
ルビィ「こ、殺されって…」

ルビィ「うっ、あうぅ……」

ルビィ「」バタッ

曜「あっ!る、ルビィちゃん!!」

「その牢屋、今までも何人か入って来る子がいたわ」

「人は……余命が二週間とわかった時、何をするんでしょうね」

「教えて欲しい?」

曜「うっ…い、いえ…」ゾクッ

曜「…な、何か助かる方法はないんですか?」

・・・シーン

曜「(まただ……何で急に黙るんだろ……)」

・・・ザクッ

曜「……?なんの音?」

曜「ルビィちゃん…?」

ルビィ「ううっ……あうぅ……」グテッ

曜「違う、ルビィちゃんじゃない…」

ドンッッッ!!!

曜「うぇっ……!?」

モクモクモクッ……

曜「こほっ…げほっ…えぇ…?な、なに…?」

「……いいわ、助かる方法、教えてあげる」

曜「……あ、あなたが……前の部屋の?」

「その代わり、手伝いなさい」

曜「えぇと…あの、お名前は…」

「私?私は…そうね…」

絵里「9番よ」
0329名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:23:21.91ID:Edb6uLkM
曜「9番って本名……なわけないですよね……あはは」

曜「それで、助かる方法って?」

絵里「脱獄するのよ」ガッガッ

曜「脱獄……」

絵里「向かいの牢獄からここに来るまで8年もかかったわ」

絵里「目と鼻の先……たかだか直線1mの距離で8年……」

曜「そんなに大変だったんなら、わざわざこの部屋に来る必要はなかったんじゃないんですか?」

絵里「いいえ、ここは構造上、最高の脱出ポイント……どうしても一度ここに来る必要があった」

絵里「……あなた達、ツイてるわよ?あと1日でも遅く投獄されていたら、私は一足先に脱獄して……あなた達は予定通り……殺されていた」

曜「」ブルッ

絵里「………」ガッガッ

曜「そ、それってスプーンですよね?まさかそれで掘り続けてきたんですか?」

絵里「……えぇ」

絵里「さっ、手伝ってくれんでしょ?私は掘り続けるから、あなたは看守が来ないか見張っておきなさい」

曜「あ、はい!」
0330名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:27:18.59ID:Edb6uLkM
ガッガッ…ガッガッ

曜「……普通は無理ですよ」

絵里「………」ガッガッ

曜「そんな小さいスプーンで脱獄しようとするなんて……どんなに根気がある人でも、普通は諦めますよ」

絵里「………」ガッガッ

曜「…………」

絵里「あの子は最後まで諦めなかった」

曜「え?」

絵里「どんなに絶望的な状況でも、どんな困難が待ち受けていようと、成功する可能性がほとんど0に近くても、あの子は絶対に……諦めなかった」

ガッ!!ガッ!!

曜「………」

絵里「体育館…」

曜「……?」

絵里「例えば体育館でファーストライブをやって、お客さんが一人も来なかったら…普通、辞めると思わない?ガッガッ

曜「……あっ」

絵里「でも、あの子は決して諦めなかった」

曜「もしかして、あなたは……」

絵里「………」ガッガッ

曜「μ'sの……絢瀬絵里さん……?」

絵里「………」

絵里「…えぇ」ガッガッ
0331名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:29:46.48ID:Edb6uLkM
曜「やっぱり…」

絵里「……心変わりしたかしら?犯罪者の片棒を担ぐのは嫌?」

絵里「嫌なら辞めてもいいわよ、私はあなたという障害物を乗り越えて、必ず脱獄してみせる」

曜「いいえ!逆に信頼出来ました!」

絵里「やっぱ……って、え?」

曜「正直、最初は不信感マックスだったんですけど……μ'sの絵里さんなら信用信頼、全面協力、圧倒的ヨーソローです!!」

絵里「……っ、ハラショー、気に入ったわ」

絵里「あなた、名前は?」

曜「渡辺曜です!ちなみにこっちでのびちゃってる子が黒澤ルビィちゃんです!」

絵里「曜、ルビィ……いいわ、やってやりましょう」

曜「はいっ!」
0332名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:32:10.20ID:Edb6uLkM
ガッガッ、カッ!

絵里「!!」

曜「あっ!」

絵里「……ハラショー、こんなに早く通じるなんて」

絵里「よし、行くわよ」

曜「はい、あ…ルビィちゃん…」

絵里「……私が背負う義理はないんだけど」

曜「で、ですよね」

絵里「まぁ、いいわ……寄越しなさい」

曜「は、はい…なんか…ごめんなさい」

絵里「よいしょ……っと」

ルビィ「うっ……うぅ〜……」

絵里「行くわよ、ついてきなさい」

曜「ヨーソロー!」

絵里「………(この子、緊張感のキの字もないわね…)」
0333名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:37:01.59ID:Edb6uLkM
曜「なんかこういうダクトを通って脱出って、映画みたいでカッコいいですね」

絵里「……っ」

ズリ…ズリ…

曜「それにしても、真っ暗ですね…」

絵里「と…当然よ…ここはこの刑務所の最深部…ライトなんてないんだから…」

曜「ですね…」

絵里「……え、えぇ」

曜「絵里さん?なんか…震えてる…?」

曜「どうかしました?」

絵里「べ、別に…」

絵里「……ッ!!シッ!」 ピタッ

曜「え?」

絵里「見て、前方の下の方から、かすかに明かりが見えてるでしょ?」

曜「あっ、確かに…」

絵里「おそらく、管理室か警備室か何かね」

絵里「あの部屋から避難路に出て、そのあと海に出る」

曜「でも…話し声が聞こえる、人がいるって事ですよ」

曜「ここは遠回りしてでも安全なルートに行く方が得策じゃないですか?」

絵里「ダメよ、私たちに遠回りしてる時間なんてない」

絵里「今この瞬間に私たちが脱獄した事がバレて、警備に人を回されている可能性がある」

絵里「下の部屋のヤツらが談笑しているのを見ると、まだバレてはいないみたいだけど…」

絵里「一刻も早くこの刑務所から出るに越した事はないわ」

絵里「もし警備に人を回されたら詰みよ」

曜「そ、そうですよね…」
0334名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:46:00.74ID:Edb6uLkM
〜〜〜ペチャクチャペチャクチャ

絵里「……3人か」

絵里「私が先に降りてあいつらを仕留めるから、曜はここで待ってなさい」

曜「え、一人で大丈夫なんですか?」

絵里「大丈夫よ、隙を見て出るから」

〜〜〜ペチャクチャ

絵里「(こっちには気づいてない……今ね)」

スッ…

ルビィ「うっ……あれ……ここは……曜ちゃん?」

絵里「!!?」

曜「あっ…!!」

ルビィ「って……え、えぇ!?みゅ、μ'sの絵里……さん……!?えっ……えっと!」

絵里「(……!!!んもぅ!なんて間の悪い子なの!)」

「誰かいるのか!?」

絵里「(気づかれた…!当然ね……)」

絵里「曜、ルビィ、そこで待ってなさいよ!」バッ


ルビィ「こ、これって…夢なのかな」

曜「夢じゃないよ…もう、ルビィちゃん起きるタイミング悪いよ〜…」

ルビィ「あうっ…な、なんか…ごめんなさい…」
0335名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:49:08.12ID:Edb6uLkM
スタッ

絵里「…っ!」キッッ!

看守1「き、貴様っ!」

警備員「コイツ、なんで……!!」

看守2「取り押さえろ!」

ドスッ、バキッ、ドスドスドス!!!

看守&警備員「」


曜「す、すごっ…」

ルビィ「ほわぁ〜…か、かっこいいなぁ〜…///」
0336名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:51:49.47ID:Edb6uLkM
曜「YOUっと!」スタッ

ルビィ「た、高いよぉ…」

曜「ルビィちゃん降りられる?」

ルビィ「こんなの…む、無理だよぉ…」

絵里「来なさい」

ルビィ「え?」

絵里「私が絶対に受け止めてあげるから、早く来なさい」スッ

ルビィ「は、はい!え、えっと…えいっ!」

ポフッ

絵里「……ね?思っていたよりも、怖くなかったでしょう?」

ルビィ「は、はい…///」

ルビィ「あ、あのなんでエリーチ……絵里さんが……」

曜「それは私が説明してあげるよ!」

絵里「曜、説明するのもいいけど、懐中電灯…そうね、あとビニール袋も探してちょうだい」

曜「よしきた!ヨーソロー!!」
0337名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 12:57:24.65ID:Edb6uLkM
カクカクシカジカデ〜

エェ!!!ルビィ、エリサンニオンブシテモラッテタノ!?


絵里「」キョロキョロ

絵里「……!」

絵里「この手紙…」

絵里「………」シャッ、ピラッ

絵里「………」


【前略、おばさん、お元気ですか。ここまでしらみ潰しに各地方の刑務所に手紙を書いていますが、果たしておばさんの元に届く日は来るのでしょうか。
届いたとしてもやはり、この手紙も検閲され、おばさんの目に通すことなく処分されてしまうのでしょうか。
……届いて欲しい、どうしたらいいか教えて欲しい。
私も成長して、色々行動できるようになりました……そのせいか警察にマークされつつあります。
私の友人が警察官が人を殺すところを見たと言うのです。やはり最早警察なんてあてになりません。
友人を助けたい…でも、どうすればいいかなんてわからない。
相談はする。だけど正直、海未おばちゃんにはこれ以上迷惑をかけられません。
……どうしたらいいんだろう、絵里おばさん。
・・・高坂 秋穂】


絵里「……秋穂」
0338名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:01:17.54ID:Edb6uLkM
曜「絵里さん、見つけましたよ!」

絵里「……」クシャ

絵里「そう、なら行くわよ」

タッタッタッタ

曜「でも…なんで海に出ないとダメなんですか?陸を行った方が、見つかったとしても小回りがきくんじゃ?」

ルビィ「た、確かに……それにもし海を行くとしたらルビィ……」

絵里「あなた達、ここが何なのか知らないで連れてこられたの?」

曜「え、刑務所ですよね…?」

絵里「そういうことじゃなくてよ」

絵里「……私も陸があるんなら陸を行きたい。でも、ここの周りには陸なんてないのよ」

曜「あっ…もしかしてここって、海に囲まれた島とか?」

絵里「違う…ここは船なのよ」

ルビィ「ふ、船…ですか?」

絵里「えぇ」

曜「でも絵里さん、長い間拘留されてたんですよね?」

曜「なんで船ってわかったんですか?」

絵里「ここは環境劣悪に加えて施設の老朽化、設計も杜撰だから頻繁に時化が起きては大きく揺れる」

絵里「まっ、そのおかげで脱獄出来るんだけど」
0339名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:06:59.85ID:Edb6uLkM
スタ、スタ、スタ、スタ

曜「……どれだけ歩いたんだろう?ずっと下り続けてる、結構遠いんですね」

絵里「……ほんとにね」

ルビィ「船内にも車道ってあるんだね…」

絵里「」ピタッ

ボフッ

ルビィ「アウッ…!!」

ルビィ「ご、ごめんなさ……!あ……」

曜「絵里さん?急に止まってどうしたんですか……って」

絵里「………」

曜「こ、これは……」

ザパァ…

ルビィ「し、浸水してる…」
0340名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:10:07.89ID:Edb6uLkM
絵里「……曜、ビニール袋を貸して」

曜「え、あ…はい」

絵里「」パシッ

カチカチッ

絵里「これで懐中電灯も半防水にはなるわ、よし…」

絵里「行くわよ、どっちにしたってこの船はもう終わり」

曜「え?」

ルビィ「行くって…こ、ここを行くんですか!?」

曜「この先どんどん水かさが増えていきますよ!」

絵里「…それがなに?」

曜「え…」

絵里「だから諦めろっていうの?」

曜「いや、ち、違うんです……ルビィちゃんは……あまり泳ぎが上手くなくて……どこかもわからない海のど真ん中で泳がせるなんて流石に……」

絵里「……あなたは?」

曜「私は…泳げます…」

絵里「そう…なら、あなただけ来なさい」

曜&ルビィ「!!!」
0341名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:14:58.48ID:Edb6uLkM
曜「え、絵里さん?冗談ですよね…?」

絵里「……あなた達、何か勘違いしていない?」

絵里「私があなた達を連れてきたのは仕方なく……そう、脱出する最中で偶然出くわしたからなのよ」

絵里「仕方なくなの…」

絵里「……早く決めなさい、ついて来ることに関してはダメとは言わない」

曜「……私がルビィちゃんを担いで」

絵里「ダメよ、万が一の時あなたは絶対にその子を見捨てようとしない」

絵里「あなたが捕まると私が捕まるリスクも高くなる」

絵里「……取捨選択は重要よ、私にも最重視しているものがある」

絵里「……あなた達まで救うなんて、そんなおとぎ話はないわ」

絵里「私は誰も……誰一人だって救えなかったんだから……」


亜里沙『お姉ちゃん♪」

穂乃果『μ'sに入ってください!』

ミカ『絵里先輩!』


絵里「…………」
0342名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:24:16.15ID:Edb6uLkM
絵里「……曜の気持ちは多分変わらない、あなたを置いては行かない」

絵里「もしあなたがここに残るなら、きっと曜も…」

曜「………」

絵里「……選びなさい、ここに残って大人しく殺されるか、不得意な事でも頑張って私たちと逃げるか」

絵里「……この船は沈没するわ、どっちにしても残ったら死ぬ、それまで奴らに何をされるかわかる?」

ルビィ「……え、えっと」

絵里「ここの奴らはクズよ、私の歳でも欲情して身体を求める…」

ルビィ「うっ……」

絵里「あなたはまだ若い、必ず迫られるわ」

ルビィ「る、ルビィは…」

ルビィ「(ルビィ…やれるのかな…途中でダメになったら二人に迷惑をかけるんじゃ…)」

ルビィ「(もし、やり遂げられなかったら…)」

ポンッ

ルビィ「……!」

絵里「……泳ぎが苦手なら、私が出来る限りのフォローをしてあげるわ」

ルビィ「……や」

絵里「私たちのリーダーは…最後までやり遂げたわよ?」

ルビィ「や、やります!行きます!」

曜「ルビィちゃん……!」

絵里「決まったわね、行くわよ……曜、私が先導するからあなたはルビィを見ててあげなさい……」

曜「あの…ルビィちゃん、大丈夫ですかね?」

絵里「泳ぎなんて気持ちの問題よ、今のあの子なら人並みに泳げるわ」
0343名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:27:14.49ID:Edb6uLkM




-神田明神-

希「ふぅ…葉っぱさんがようけ落ちてて、掃除もやりがいがあるなぁ〜」

希「」サッサッ

ザッ

希「…ん?」

希「おやおや、これは珍しい参拝者やね」

海未「……希」

希「久しぶりだね、海未ちゃん」

海未「希も…元気そうで何よりです」
0344名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:31:52.28ID:Edb6uLkM
ズズッ…

希「……ふぅ、お茶がしみるね」

海未「……」ズズッ

コトッ

海未「……そうですね」

希「秋穂ちゃんに聞いたの?」

海未「はい…なるべくメンバーとは接触しないように、とは思っていたんですが…」

希「……ウチ達二人はもうほとんどマークされてない」

海未「未だに大晦日になると、あの時の特集番組が放送されますが……主犯格は穂乃果と絵里の二人になっています」

希「同じμ'sメンバー、ウチ達の事もきっと“あいどる”側に割れてるんだろうけどね」

海未「にも関わらず、私たちのことが大々的に報道されないのはやはり…」

希「秋穂ちゃんの存在やろうね。でも…ウチも海未ちゃんも秋穂ちゃんを盾にして身を潜めてたんじゃない」

海未「はい、それは…理解しているつもりです…」
0345名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:42:16.01ID:Edb6uLkM
海未「少し前からボノカ一派という過激派集団が名を馳せているようですが……これは」

希「うん、ウチも噂には聞いてた……きっとμ'sの誰かが……」

海未「……絵里でしょうか?」

希「……絵里ちは今も収監されてるはず……たぶん絵里ちじゃない」

海未「となると…」

希「…何にしても、それなりの戦力があるみたいだし」

希「ボノカ一派に協力するのもありなんかもね」

海未「希…動くんですか?」

希「秋穂ちゃんやみんなに任せっぱなしって訳にはいかないやん。それに、もう秋穂ちゃんも自立できる歳なんやし」

海未「はい、そうですよね…」

希「ウチ達と一派、あとは……」

希「……絵里ちを」





ザパァ

絵里「……っ」

ルビィ「はぁはぁ……ひぃひぃ……ごめんなさい、ルビィはもうダメです……」ブクブク

曜「わわっ!ルビィちゃん!?」

絵里「……大丈夫そう?」

曜「いえ…これは…」

絵里「………そう」
0346名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:47:59.31ID:Edb6uLkM
ガシッ

ルビィ「もう…はっ…はっ……体力の限界ですぅ…」

曜「私の感覚だと…もう2kmは泳いでますよ」

絵里「……それはマズイわね」

曜「はい、だから少し休憩して…」

絵里「いいえ…休憩は無しよ、一刻も早くこの冷たい海水から上がらないと命が危ないわ」

絵里「行くわよ」

曜「そ、そんな…待ってください!」

絵里「……あなたは何のために脱獄を?」

曜「え?そ、それは……みんなと会うためです」

絵里「私は……あの子の仇を取らないとダメなの」

絵里「こんな所で立ち止まってなんかいられない」

ジャプ…

曜「うぅ…」

ルビィ「はぁ……ふぅ……い、いいよ曜ちゃん……!ルビィは大丈夫だから!」

曜「ルビィちゃん…」

ルビィ「行きます!!」

絵里「……えぇ、行きましょう」
0347名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 13:53:45.32ID:Edb6uLkM
ザプッ…ザパァ

曜「!!」

曜「足がつく…」

絵里「……そりゃあそうね、だってここで」

曜「え……?あっ……」

絵里「トンネルは陥落してる」

ルビィ「あっ……あぁ……花丸ちゃん、お姉ちゃん……みんな……」

曜「行き止まりって…どうするんですか、絵里さん…」

絵里「…………」

曜「……そんな」

絵里「……5分後に戻ってくる」

曜「え?」

絵里「下の避難用通路は無事かもしれない、懐中電灯で下を照らしてて」

ルビィ「それって…」

絵里「陥落箇所がここだけなら、下の避難路をくぐり抜けて向こうの道路に出られるかもしれない」

絵里「大口叩いた以上、あなた達は死なせないから…」

バシャン!!!

曜「!!絵里さん…!!」
0348名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 14:01:14.80ID:Edb6uLkM
ルビィ「……うっ」ブルッ

曜「ルビィちゃん…大丈夫?」

ルビィ「う、うん…」

曜「身体が冷え切ってる……絵里さんの言う通りだ、休憩する時間なんてなかった……」

ルビィ「うん……だね……」

曜「私、絵里さんのこと、少し薄情だなって思ってたけど……考え違いだったのかも」

ルビィ「ルビィは最初からやっぱり優しい人だなって思ってたよ」

曜「え、そ、そうなの?ルビィちゃん、結構キツイ事言われてたから……てっきり、ショック受けてると思ってたよ」

ルビィ「確かにグサってくることもあるけど、それはルビィの事を本当に思ってくれてるから言ってるんだって思うの」

ルビィ「それにさっき、ルビィが降りられない時も優しく受け止めてくれたし……泳ぐことだって、絵里さんに後押しされなきゃ……ルビィ、残ってたかもしれない……」

曜「……そっか」

曜「理解してるつもりで、本当はなにも理解してないや、私……やっぱり……」

曜「バカ曜だ…」
0349名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/03(金) 14:03:28.96ID:Edb6uLkM
ルビィ「それにしても絵里さん…遅くないかな…」

曜「そうだね、ちょーっと遅いかもね…」

曜「(もう10分以上は潜ってる、普通に考えてこんなに長くは……)」

曜「……私ちょっと行ってくるよ」

ルビィ「あっ、ルビィも!!」

曜「うぇ!?だ、大丈夫?」

ルビィ「うん、少しでも絵里さんの役に立ちたいもん!」

曜「……わかった、行こう」

曜「ビニール袋に空気を入れて…と」

曜「ルビィちゃんは懐中電灯で前を照らしてて、私の手…離しちゃダメだからね?」

ルビィ「わ、わかった!」
0350名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 14:06:24.49ID:Edb6uLkM
曜「スゥー…ハァー」

曜「よし!行くよ!ルビィちゃん!」

ルビィ「うん!」

ザパンッ!

ブクブクブグク…

曜「(ここを絵里さんは通ったんだ…)」

曜「(……やっぱり、μ'sのメンバーは大きく見えるや……千歌ちゃんが尊敬するのも頷ける)」

曜「(千歌ちゃんに会いたい…みんなに会いたい…)」

曜「(もう少しで…)」

グイッ

曜「!?」

曜「(や、ヤバイよ!何か引っかかった!)」

曜「……〜〜!!!」ゴボゴボゴボ…

ルビィ「(曜ちゃん!?)」

曜「(や、ヤバい……ルビィちゃんももう息が続かないはずだ……)」

曜「(先に行って!)」ブンブンッ

ルビィ「(え、先に行けってこと!?)」

ゴポゴポ

曜「(い、いいから!!!)」

ルビィ「(曜ちゃん…)」コクッ
0351名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 14:13:20.49ID:Edb6uLkM
曜「(ダメだ…!!やっぱ…取れない!!)」

曜「ゴポォ…!!!」

曜「(もう…息が…)」

曜「カハッ……!!」

曜「(みんな……ごめん……)」

ゴポゴポゴポゴポ……







ザパッ!!!!

曜「プハッ!!」

曜「ゲホッ…ゲホッ…!ガハッ…!!」

絵里「……っ、待ってなさいって言ったでしょ!!」

曜「え、絵里さん……ごめんなさい」

絵里「……死なせないとも言ったでしょ?ルビィが私を呼んだのよ」

絵里「感謝しときなさい」

曜「ルビィちゃん…」

ルビィ「ごめんね曜ちゃん!ルビィに気を配ってたせいで…」

曜「いやぁ…私の不注意だよ…ごめん」

曜「絵里さん……本当にありがとうございます」

絵里「…もういいわよ、それよりあれを見てみなさい」

曜&ルビィ「え?……あっ!!」

絵里「光よ」
0352名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 14:16:40.90ID:Edb6uLkM
曜「瓦礫ばっかりだ…」

絵里「たて穴ね…相当破壊されてるけど、多分トンネル内に空気を送る施設だったんでしょうね」

ルビィ「でも、外だ…!」

曜「私たち…!」

ルビィ「やっと自由に…!」

曜「なれるんだー!!」

ウオオオオォーーー!!!

絵里「」グイッ

曜&ルビィ「うわっ……!」

ドスンッ!!

曜&ルビィ「ぐえっ……!」

曜「え、絵里さん…?な、何を…あイテテ…」

絵里「今、地上に出るのは危ないわ。上を見てみなさい、私は久方ぶりに外に出るから光を直視出来ないの」

ルビィ「上…?」

曜「あっ」

ババババババババババ!!!!

絵里「……どう、ヘリが飛んでない?」

曜「は、はい……飛んでます……それも無数に……」
0353名無しで叶える物語(光)
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2020/07/03(金) 14:21:57.93ID:Edb6uLkM
絵里「しばらくはここに身を隠しておいた方がいいわね」

ルビィ「全部、る、ルビィ達を捜して…?」ヒヤッ

ルビィ「ルビィ達、そんなに悪い事したって思われてるの…?」

曜「イヤ…違うよルビィちゃん、このヘリは多分私たちを捜してるんじゃなくて…」

曜「……」チラッ

絵里「………」

絵里「その通りよ、このヘリが捜してるのはあなた達じゃない……私」

曜「絵里さん……μ'sの件は私たちもある程度知ってます、あれは全部真っ赤な嘘なんですよね?」

絵里「………」

曜「え、絵里さん…?」

ルビィ「μ'sは…絵里さんはいったい何をしたんですか…?」

絵里「………」

絵里「さぁ、本当に…」

絵里「……何をしたっていうんでしょうね」
0354名無しで叶える物語(家)
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2020/07/03(金) 21:52:38.96ID:BlgVWQrH
絵里ってこんなに辛い目に遭ってたか
読んだはずなのに忘れてしまってた
0356名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 00:41:28.56ID:VfFuUysO
・・・2019年の12月31日。あなた達がまだ学生だった頃、私たちは・・・世紀の大悪党に仕立て上げられようとしていた。

ザッ

穂乃果「行こうか・・・人類を・・・世界を救うために」

あの子はそう言って他のメンバーを鼓舞したわ。

空には何機ものヘリが、地上には何両もの戦車が、なす術もなく右往左往していた。

道路には無数の死体が転がり、中にはそれを見て嘔吐するメンバーもいた。

希「ロンドンにパリにニューヨークに北京、どこもウィルスで大パニックやって……」

真姫「世界中の反政府組織が手を組んだ同時多発テロで……」

海未「その元凶であり、すべての黒幕が……」

穂乃果「……私たち、μ'sって事かぁ」

穂乃果はどこか呆れにも似た表情を浮かべたあと、軽く笑ってみせた。

そしてその後、穂乃果は車に乗り込み、ロボットの元へと向かったわ。
0357名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 00:43:41.02ID:VfFuUysO
海未「穂乃果、大丈夫でしょうか…」

絵里「穂乃果は何も考えずに動くから…不安はあるわね」

真姫「え?何言ってるの、そんなのエリーもよ」

絵里「フッ…私も?」

真姫「いつも誰かさんの思いつきで苦労させられるのは、この私なんだから」

凛「真姫ちゃんも自分一人でやろうとする所があるから…今回、無茶しそうで怖いにゃ」

真姫「い、今…私の事はいいでしょ!」

ことり「……クスッ、みんな変わってないね……よし!じゃあ絶対にこの後みんなで会おうね!」

「おーう!!!」

海未「では、行きましょうか」
0358名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 00:46:50.17ID:VfFuUysO
絵里「………」

海未「……?」

海未「絵里…?みんな行ってしまいましたよ?私たちも…」

絵里「……えぇ」

海未「……絵里らしくないですね、怖気付いたんですか?」

絵里「……えぇ、怖いわ」

絵里「ことりがああ言った手前黙ってはいたけど…」

絵里「この戦い、誰かは絶対に死ぬ……それが怖い」

日々訓練を受けている自衛隊でも歯が立たないのに、ただの一般人のみんなが、この死地を乗り越えられるわけないと……私は思っていた。

海未「……それは、わからないじゃないですか」

海未も分かってはいたんでしょうけど、それを認めようとはしなかった。

絵里「それが私か、穂乃果か、にこか、凛か、誰かなんてのはわからない、もしかしたら全滅だってありえるもの…」

海未「………」

絵里「でも海未…あなただけは死んじゃダメ、深追いはしない事…あなたは秋穂ちゃんを…秋穂を守りなさい」

海未「!」
0359名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/04(土) 00:54:43.79ID:VfFuUysO
絵里「私たちに何かあったとしても、次代に繋ぐために……秋穂を……私たちの希望を守るのよ」

絵里「いいわね?」

海未「……何が希望ですか……負ける事を前提にして話を進めないでください!!」

絵里「……海未、穂乃果から直々に言われたんでしょ?何かあったらあなたに預けたいって」

海未「それは……そうですが……」

海未「……絶対に死んではいけないのは私ではなく……穂乃果のはずです」

絵里「そうね、でも私たちが何か言って穂乃果が止まると思う?」

海未「……っ」

絵里「せめて私たちだけは落ち着いて行動しないとダメ」

絵里「………」

絵里「まぁいいわ、何にせよ……もしものことがあった場合はあなたが秋穂の面倒をみる事になる」

海未「………」

それが海未との最後の対話だった。
その後、凛とテレビ局に乗り込んだりもして、なんとかロボットを止めて穂乃果の危険を排除したかった・・・でも。
・・・止められなかった。





ルビィ「そんな、それってつまり……」

絵里「……さっきも言ったでしょ?私はあの子の仇を取らないといけないって」

曜「じゃあ……穂乃果さんは」

絵里「えぇ……あの子は……穂乃果は……」

絵里「………死んだ」
0360名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:04:20.83ID:VfFuUysO




看守長「沿岸部150名、周辺海域40隻!魚1匹逃しはしない布陣を敷いておりますが未だに脱走者3名は発見出来ていません!」

所長「そうか…」

所長「…このまま見つけられないなら君は“退部”だな」

看守長「え…!?」

所長「被験体のガキ2人はともかく、9番に逃げられれば“あいどる”もきっとお冠だ」

看守長「」ゾッ

所長「……看守長、9番を取り逃がす……この事の重大さが理解できないわけではあるまい?」

看守長「は、はい…」

所長「だよな……発見に至りませんなんて答えは聞きたくない」

所長「未だかつて、海上から脱走して生存したヤツなどいない、早く……早くあの9番の死体をここに……!」

「それはダメだね」

所長「っ!!」

看守長「!?」

所長「……あ、“あいどる”」

“あいどる”「どうも所長さん、久しぶりですね」
0361名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:07:04.28ID:VfFuUysO
“あいどる”「絵里ちゃんにはまだまだ沢山のエンターテイメントを提供してもらいたい」

所長「よ、よろしいのですか?」

“あいどる”「当然だよ。人を笑顔にするのがアイドルの仕事だからね」

“あいどる”「看守長、指揮系統は無視してもいい。船と捜索している人たちを撤退させて」

看守長「は、はい…!」ダッ

“あいどる”「……ふふ、流石絵里ちゃんだなぁ」

“あいどる”「では私はこれで」

所長「は、はい…!こんな所にまで足を運んでいただき、ありがとうございました!」

“あいどる”「うーうん、いいんだよ……あっ、いけない忘れるどころだった……所長」

所長「……?はい、何でしょう?」

“あいどる”「君は“退部”だから」

所長「え?」

ブチュッ

所長「ゴプッ…」

“あいどる”「」ピチャッ

所長「」バタッ

“あいどる”「あはは」
0362名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:08:55.21ID:VfFuUysO
絵里「……話はこれまでよ」

曜「え、まだ全部は……」

絵里「続きなら後でしてあげるわ。見て、どういうわけか船やヘリが退散してる」

曜「あっ、ほんとだ…」

絵里「陽も落ちてきた今がチャンスだわ、陸を目指すのよ」

曜「わかりました…ルビィちゃん、もうひと頑張りだよ!」

ルビィ「うん、頑張る!」

絵里「私が先陣を切るわ」スッ

絵里「あまり音を立てないようにね」

ザパンッッッ…

曜「私たちも」

ルビィ「うん、行こう」

ザパンッッッ…
0363名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:13:36.63ID:VfFuUysO
ジャプ…ジャプ…

曜「お〜!ルビィちゃん、かなり泳ぎ上達したね……!!」

ルビィ「うん、高校生の時は泳げなくてもいいやと思ってたけど……今になって、なんかコツを掴んだみたいで……!」

絵里「はぁ……あなた達、少しは緊張感を持ちなさい」

ルビィ「あっ…ご、ごめんなさい…」

絵里「身体も疲弊してるし、これが罠の可能性もある、油断なんてでき……」

曜「……?絵里さん……?」

絵里「誰が……誰がこんなふざけたマネを……」

曜「え?」

絵里「勝手に日本の海域だと思ってたけど……あの街並み……ここは……」

絵里「ニューヨークだったのね……なのに……なんで」

絵里「なんで……アキバドームがあるのよ!」

曜&ルビィ「あっ……」

ルビィ「ん…?しかもあのアキバドーム…μ'sのロゴが刻印されてる…?」

曜「今、μ'sの名前を冒用するのなんて……一人しかいないんじゃ」

絵里「……何を考えてるの」

絵里「“あいどる”……!」
0364名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:15:31.60ID:VfFuUysO




鞠莉「警官が人を殺した?」

千歌「うん、私の友達の友達が見たみたいで…」

鞠莉「そう……何か嫌な予感がする……。わかった、果南には私から警戒する様に言っておくわ……千歌ッチはムロタさんとコンタクトを」

千歌「……へ?」

鞠莉「へ?じゃないよ!だからムロタさんと」

千歌「えっと……ムロタさんって……誰だっけ……?」

鞠莉「………オーマイゴッート!私とした事が内通者の存在を言いそびれていましたぁ」

千歌「えぇ…!内通者なんていたの!?」」

鞠莉「私のパパと顔見知りでね、千歌ッチが警察に潜入出来てるのも彼のおかげと言っても過言じゃないよ」

千歌「ふぇ〜…」

鞠莉「とにかく千歌ッチはムロタさんに相談よろしくね!」
0365名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:17:55.71ID:VfFuUysO
-署内-

千歌「あの、すみません…ムロタって人は刑事課にいるんですか??」

受付「ムロタ?ムロタなんて人いたかしら……」

受付「あなた刑事課所属でしょ?見たことないの?」

千歌「す、すみません…ないです」

刑事2「ムロタさんなら、犬のとこにいるんじゃないか」

受付「あら、お疲れ様です」

千歌「先輩、お疲れ様です…犬って…?」

受付「警察犬の事よ、鑑識の人なんですか?」

刑事2「いいや刑事課の人間だよ?あの人はただ戯れたいだけ」

千歌「いいなぁ、私も警察犬と遊んでみたいです!」

刑事2「やめとけ、警察犬は利巧が故に知らない奴にはうんともすんとも言わないからな」

千歌「でも、ムロタさんも刑事課の人なんですよね?なのに犬に懐かれるんですか?」

刑事2「まっ、あの人は仕事せずにいつも犬と遊んでるし……下手すりゃ鑑識の人間より犬と触れ合ってるからな」

千歌「……(どんな人なんだろう?)」
0366名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:21:07.29ID:VfFuUysO
コンコンッ、ガチャ

千歌「失礼しまーす…」

ムロタ「この寝顔……可愛すぎる」

千歌「あ、あのムロタさんですか?」

ムロタ「癒される……」

千歌「あ、あの!」

ムロタ「!……あぁ、なんだ千歌か」

千歌「あっ……しっ、知ってるんですか?」

ムロタ「当然。話はマリーから聞いてるよ……一応、今までも陰ながらサポートはしてきたつもりだよ」

千歌「そ、そうなんですか……あの、今日は折り入って相談が」

ムロタ「相談?何かな?」

千歌「その、えっとぉ……(あれ?なんて言えばいいんだろう)」

ムロタ「…わかってる。知り合いの子が警官が民間人を殺すところを見たから、情報提供をして欲しいんだよね」

千歌「え、あっ……そ、そうです!って、なんでそれを……?」

ムロタ「ふふ、その程度の事ぐらいとっくに調べがついてるよ」

千歌「す、すごい…」

ムロタ「……ただ、対価として君を描かせてもらう」

千歌「へ、描く?」

ムロタ「君はすごく絵になるから…!」

千歌「へ、へ?」

ムロタ「よし、座りたまえ」
0367名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:23:44.19ID:VfFuUysO
サラサラサラ…

千歌「(うーん……なんかこういうのって、少し恥ずかしい気がぁ)」

ムロタ「………」サラサラ

ムロタ「よし出来た」

千歌「え、もうですか!?早い!!」

ムロタ「ん」ピラッ

千歌「?これは?」

ムロタ「この地区のマップ。それに赤丸で囲ってるところがあるよね?」

千歌「はい」

ムロタ「そこは人通りが少ない上にコンテナやらなんやらが沢山あるのでいざとなれば身を隠すことができる」

千歌「へぇ〜…なるほどぉ、ここまで調べがついてるなんて…」

千歌「ありがとうございます!」

ムロタ「一つ忠告、もし、君の知り合いの友人の子がその殺害現場を目撃しているのが向こうにバレているなら…千歌、君はもっと慎重に動くべきだよ」

・・・シーン

ムロタ「って、いないし…」

ムロタ「善は急げか…大丈夫だと思いたいけどね」
0368名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:25:31.68ID:VfFuUysO
千歌「はいこれ!」

スッ

秋穂「……これは?」

千歌「私の知り合いのすっごく優秀な人が作ってくれた安全なところリスト!」

秋穂「……ありがと、助かるよ」

千歌「困った時はお互い様だから!」

秋穂「……今もある場所に彼女を匿ってるんだけど……良かったら会う?」

千歌「え、いいの?」

秋穂「うん、でも移動する時は護衛お願いね?」

千歌「よーし!!任しといて!!」
0369名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:27:57.57ID:VfFuUysO
〜とある倉庫〜

オカマ「あっ秋穂ちゃーん!」

秋穂「私がいない間、何もなかった?なんか変な事起きてない?」

オカマ「もうぜーんぜん……って、そっちの子は?」

千歌「あっ、私、高海千歌っていいます!あなたを守りに来ました!」

オカマ「あらやだ〜、頼もしい子〜、でも守ってほしいのは私じゃなくてあの子なのよ〜」

千歌「あの子?」

オカマ「ブリトニーちゃん!出てらっしゃい、大丈夫だから」

ブリトニー「」ヒョイ

ブリトニー「ママ〜!」

千歌「ママ?」

オカマ「あーこの子ね、未成年なのにウチのパブで働いてて引っかかちゃったのよ、新青少年保護条例に」

千歌「新青少年保護条例?」

秋穂「仮にも刑事でしょ?知っときなよ…」

千歌「うぐっ…ご、ごめん」
0370名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:31:14.27ID:VfFuUysO
秋穂「これ、この人が用意してくれたの」スッ

オカマ「なにこれ?」

千歌「この区域の安全な場所をリストアップしたものです、しばらくここに隠れた方がいいかと!」

オカマ「あ〜ら嬉しい!んー、でもね…」

ブリトニー「うん、ね?」

秋穂「……?なに?」

オカマ「お金溜まったから故郷に帰れる事になったのよ、ブリトニーちゃん」

秋穂「え!?な、なんで……!?お金がネックだって……」

オカマ「警察にありのまま話したら貸してくれたの」

秋穂「へ、警察……?なんで警察なんかに!?何から逃げてるのか分かってんの!?」

オカマ「警察に行ったのは私だし、戸籍もデタラメに名前も偽名、大丈夫よきっと」

ブリトニー「明日、日本を発つの!」

秋穂「信じらんない…。何でよりにもよって、警察なんかに…」

オカマ「あらやだ何言ってんのよ。秋穂ちゃんも警察の人と一緒じゃない」

秋穂「この人は!!……違うから……」

オカマ「何よ〜それ〜」

秋穂「…ッ!もういいもん!!」ダッ

千歌「あ、秋穂ちゃんッ!」

オカマ「ちょっと心配性すぎるのよね、あの子」

千歌「………」
0371名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:37:16.86ID:VfFuUysO
-翌日- 放課後 〜学校〜

秋穂「………」ボー

秋穂「……帰ろ」

ピンポンパンポーン

『高坂秋穂さん、至急理事長室までお越しください』プツッ

秋穂「………」





秋穂「まさかついに退学?これってやばいんじゃ…」

秋穂「もしそうなら…海未おばちゃんから…雷が落ちる?」

秋穂「」ゾッ

秋穂「はあ…」トボトボ

秋穂「ここだ…」

コンコン

「どうぞ〜」

ガチャリ

秋穂「失礼します……」

秋穂「……何かご用ですか?」

鞠莉「ふーむ…この子が高坂秋穂…。あの高坂穂乃果の姪っ子ね」

千歌「うん、正真正銘…穂乃果さんの姪ちゃんだよ」

果南「(……全然知らなかった)」

秋穂「……松浦さんに刑事に……理事長」

秋穂「何の集まりですか?これ…」

鞠莉「うーんと、この集まりはね……何の集まりだろう?」

秋穂「……帰ります」

鞠莉「え、ちょっと!ストップ!!ストーップよ!!


秋穂「っ…何なんですかいったい?」

鞠莉「はぁ…千歌ッチ、説明してあげて」
0372名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:41:34.75ID:VfFuUysO




千歌「っていうわけなの」

秋穂「じゃあこの人たちがこの前あなたが言ってた残った友達?」

千歌「そう!スクールアイドルやってる時からの仲間だよ!」

秋穂「そうなんだ…。ん…?じゃあ松浦さんって…」

果南「」ギクッ

鞠莉「そっ。果南はとっくにアラサー♪所謂、お・ば・さ・ん♡」

鞠莉「おばさんなのに制服着て果南ったら、んもう〜///」

果南「なっ!鞠莉がやれって…!」

秋穂「…なんでこの高校にいるの?」

鞠莉「ここは“あいどる”に近づける何かがあるの」

秋穂「……漠然としすぎじゃない?」

秋穂「そもそも、私があなた達と協力するメリットがない」

鞠莉「ふふっ、あなた…“あいどる”側からマークされつつあるんでしょ?」

秋穂「……たぶん」

鞠莉「使える駒は多い方がいい、それは私たちも同じ事」

鞠莉「昨日の敵は今日の友……なら逆もまた然りでしょ?昨日の友は今日の敵……」

秋穂「………」

秋穂「………わかったよ」

鞠莉「OK!じゃあ交渉成立って事ね!」
0373名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:45:06.34ID:VfFuUysO
秋穂「ただひとつ条件」

鞠莉「……?なーに?」

秋穂「あなた達の職業柄、ただの高校生の私が接触してるのは…側から見てておかしい。だから松浦さんを貸して欲しいの」

秋穂「すぐにコンタクトが取れるように」

鞠莉「なーんだ!そんな事、どうぞどうぞご自由に!」

鞠莉「果南もいいよね?」

果南「え、まぁ…いいけど」

秋穂「ありがとう、じゃあ今日は帰るから」

秋穂「さよなら」ペコリ

鞠莉「チャオッ!」

バタンッ

鞠莉「……ふー」

千歌「どうだった?」

鞠莉「気難しそうな子かなぁ?それに割とナイーブそうだね」

千歌「……寂しいのかな」

鞠莉「どうだろうねぇ…私たちで穴埋め出来るような存在じゃないのは間違い無いね、あの人は」

鞠莉「それは千歌ッチが一番分かるでしょ?」

千歌「分かるけど…」
0374名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:47:57.34ID:VfFuUysO
果南「ねぇ鞠莉、私、どれくらい彼女と一緒にいなきゃいけないのかな?」

鞠莉「んー、べったり…かな?」

果南「え…」

千歌「ってことは今からだね!」

鞠莉「ザッツライト!さっ、果南、行っておいで!」

果南「……やっぱり、一番損な役回りだ」
0375名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:49:41.33ID:VfFuUysO
スタスタ

果南「…どこ行くの?」

秋穂「友達のところ、今日母国に帰るらしいから一応見送り…一応だよ」

果南「ふーん…」

果南「…こんな人気のない場所にいるの?」

秋穂「まだ日本から発ってなければ…」

・・・パーーーン!!

秋穂「!?」

果南「なに今の音…?」

秋穂「銃声……っ!」ダッ

果南「あっ、ちょっと!」ダッ
0376名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:52:12.24ID:VfFuUysO
タッタッタッタッ、ザッ

秋穂「ッ!どうした……の……」

果南「…?なに?」

果南「…!!」

ブリトニー「」

オカマ「うっうっうぅ……」

秋穂「なに…なんで…?」

オカマ「あ、秋穂ちゃん…」

オカマ「い、今…ここから出ようとして…ブリトニーちゃんが立った瞬間…うっ…うぃ…」

秋穂「…瞬間、なに?」

オカマ「私が相談した警察官がやって来て…ブリトニーちゃんを銃で…殺したの…!!」

果南「……っ」

秋穂「その人の顔は…見たの?」

オカマ「携帯で写真撮ったわ……」ゴソゴソ

オカマ「これよ…!!」

秋穂「ん…」スッ

秋穂「!!!この人…」

果南「どうしたの?」

秋穂「……松浦さん、理事長達…まだいるかな」

果南「え、そりゃあね」

秋穂「戻ろう」ダッ

果南「えっ!?ちょ、ちょっと!!」

オカマ「あ、秋穂ちゃん!」
0377名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:56:25.47ID:VfFuUysO
バンッ!!

千歌&鞠莉「んん??」

秋穂「はぁはぁ…はぁ…」

鞠莉「どうかした?秋穂ッチ」

秋穂「……今、ブリトニーが死んだ」

千歌「えっ…」

秋穂「警察官に殺されたの」

鞠莉「……その警察官のお顔は見たのかしら?」

秋穂「写真がある…これ…」

千歌「……!この人は」

秋穂「この人…あなたの上司だよね?珍さんのお店に来た時、私から穂乃果おばちゃんの帽子を取り上げた人だからハッキリと覚えてる」

千歌「そうだけど…先輩が…なんで…」

秋穂「二人が言ってた人を殺した警察官ってのも多分この人だと思う」

千歌「……」

鞠莉「……それで秋穂ッチ、それが私たちに関係あるのかしら?」

鞠莉「私たちが情報を漏らしたとでも?」

秋穂「……そうじゃない、そうじゃないけど手を組んだ以上は情報共有するべきでしょ?」

鞠莉「……なるほど。まったく、その通りだね…。そうですね、では私からも一つ情報を渡します」
0378名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 01:59:09.95ID:VfFuUysO
果南「はっ…はっ…完全に歳だ…やっと着いた…」

鞠莉「この高校に“あいどるランド”への招待状が届いたの、それも秋穂ッチをわざわざご指名でね」

秋穂「“あいどるランド”?」

千歌「“あいどる”が作ったテーマパークだよ」

鞠莉「そう、表向きはね」

秋穂「表向き…どういうこと?」

鞠莉「裏ではあんな事やこんな事をやってるって口」

秋穂「……そんな所に馬鹿正直に行く必要が?」

鞠莉「当然、無理にとは言わない。だけど、ここには何か重要な事実が隠されてるはずなの、行ってくれると助かっちゃうんだけど」

鞠莉「果南もつけるから」

果南「えっ!?」

秋穂「……考えとくよ」
0379名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:01:31.21ID:VfFuUysO
〜三森荘〜

ガチャ、バタン

秋穂「……はぁ」ドサッ

秋穂「……人が死んだのに、混乱もしない……私、おかしいのかな……」

秋穂「……“あいどるランド”」

スッ

秋穂「ネットの評価は…」

【“あいどる”の魅力を余す事なく教えてくれる世界一のテーマパークだ】

【バーチャル映像でのわかりやすい説明で、血の大晦日、ホノカ一派の残虐さがひしひし伝わってきた】

秋穂「……こんなんばっか、何も知らないくせに」

シャッシャッ

秋穂「……ん?」

秋穂「これって…」

【ゴミ清掃員?がすげぇデカイおにぎり食ってたのは笑った】

秋穂「……いや……まさか……ね」

秋穂「こんな所に行くなんて言ったら……海未おばちゃんは絶対に反対するよね……」

海未「私がどうかしましたか?」

秋穂「え……う、うわぁ……!!!??」

海未「な、なんですか…その化け物でも見るような反応は…」
0380名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:04:30.85ID:VfFuUysO
秋穂「う、海未おばちゃん…。は、入るならノックしてよぉ…!」

海未「しましたよ…返事が無かった上にカギが空いているから何かあったのかと思い心配して…」

秋穂「し、したんだ…そっか」

海未「何かしていたんですか?」

秋穂「い、いや別に!」

秋穂「そ、それより海未おばちゃんは何の用?」

海未「あっ…晩ごはんを作りにきたんです。今日はアルバイトもないと聞いていたので」

秋穂「う、うん…ないよ」

海未「ではキッチンを借りますね」

秋穂「は、はーい…」

スタスタスタ…

秋穂「……やっぱ、言えないよ」ボソッ
0381名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:07:45.99ID:VfFuUysO




ムロタ「そうか…死んでしまったんだね…」

鞠莉「ええ…秋穂ッチの勧めを受け無かったみたい」

千歌「ごめんなさい…私がもっと強く勧めとけば…」

ムロタ「本人たちが選んだ道だ、僕たちが後悔してもどうしようもない」

ムロタ「……話は変わるが穂乃果の姪に話はつけたかい?」

鞠莉「一応、話はしました。ただ悩んでるみたい」

ムロタ「身内に心配はかけたくない……その辺りの事で悩んでいるのかも」

千歌「……秋穂ちゃんが嫌って言うなら私が」

鞠莉「ダメだよ、千歌ッチは顔が割れてる。行くなら秋穂ッチ…もし千歌ッチが行くとしても、やっぱり秋穂ッチも同伴しないと」

ムロタ「“あいどる”の娘、このアドバンテージを活かさないわけはないからね」

ムロタ「それにあそこには…」

鞠莉「……?あそこにはなぁに?」

ムロタ「いや、なんでもない…まぁ最終的に彼女なら行く決断をしてくれるだろう…。もしダメだったなら、また僕に相談してくれ」
0382名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:11:07.71ID:VfFuUysO
-翌日- 〜学校〜

秋穂「………」ボー

「おーい、高坂」

秋穂「…?」

教師「何を黄昏てんだ、教室閉めるから出ろ」

秋穂「……はい」ゴソッ

ガララ、ガチャン

秋穂「………」

教師「なぁ高坂、いったいいつになったら血の大晦日のレポート出す気だ?」

秋穂「………“あいどる”を誉めそやす文なんて書きたくないもん」

教師「まぁ…お前ならそう言うと思ったわ」

教師「だからもうレポートは書かなくていい、代わりに“あいどるランド”に研修行ってこい」

秋穂「……研修って何のためにですか?」

先生「いやなに…校外学習みたいなもんだ、これ行かないと進級出来ないと思っとけよ、ただでさえお前は単位ヤバいんだから」

先生「じゃあなっ!」

秋穂「……ちぇ、足元見て……私、そんなに休んでないよ」

秋穂「進級しないと海未おばちゃん怒るかな…?」

秋穂「…うん、怒るだろうな」

秋穂「くそぅ…」
0383名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:14:17.99ID:VfFuUysO
コンコン

鞠莉「どうぞぉ〜」

ガチャ

秋穂「理事長」

鞠莉「あら秋穂ッチ、どうするか決めたの?」

秋穂「決めたよ…。行く、確かめたい事もあるし」

秋穂「というか理事長…なんか根回しした?」

鞠莉「No!私はダーティーな事は好きじゃないの」

鞠莉「……でも良かった、果南にも連絡しとくね」

秋穂「……あのさ、一つお願いしたい事が」

鞠莉「んー?」

秋穂「私が行く事は内密にお願い、あんまり心配とかかけたくないからさ…」

鞠莉「……園田海未の事ですね?」

秋穂「」ギクッ

秋穂「まぁ…それはそうとして、出発とかはいつするの?」

鞠莉「一週間後の早朝にバスが出ます、団体ツアーですよ」

鞠莉「詳細は日を追って説明するから、今日は帰って結構よ」

秋穂「……わかった」
0384名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 02:16:18.90ID:VfFuUysO
秋穂「」スタスタ

秋穂「……ん?」

千歌「あっ」

千歌「…やっ、今日はどうしたの?」

秋穂「“あいどるランド”…行くことを伝えに」

千歌「そ、そっか……気をつけてね」

秋穂「……うん」

千歌「……先輩、今日は署に来てなかったよ」

秋穂「……そうなんだ」

千歌「ごめんね…」

秋穂「何で謝るの?あなたが謝る必要なんて…ないよ…」

千歌「………」

秋穂「私、行くね…」

千歌「あっ…うん…」

秋穂「………」 スタスタ

秋穂「私が全部終わらせなきゃ……穂乃果おばちゃんの為にも……」
0385今日はここまで(光)
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2020/07/04(土) 02:18:55.51ID:VfFuUysO
-1週間後-

トントン

秋穂「…よし、じゃあ行こっか」

大家「こんな朝早くからどこに行くんだい」

秋穂「あっ大家さん!おはようございます!えーと……ちょっとテーマパークに……」

大家「そうかい……ほら、掃除の邪魔だから退くんだよ」サッサッ

秋穂「あっと…すいません、それじゃ!」

秋穂「…………」

スタスタ……タッ…ダダダダ!

秋穂「やってみせる、私が…」


秋穂「私やる…やるったらやる!!」

第4章「最後の希望」-完-
0387名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:36:00.49ID:VfFuUysO
第5章「あの日その時この場所で」

ブロロロロッ…

「はーい、みなさん!今回のツアーのガイドを務めさせていただきます私!はっちゃけお姉さんです!」

ガッハッハッハッハッ

秋穂「……」

果南「……あのさ高坂さん」

秋穂「ん?あぁ、秋穂でいいよ」

果南「そう?なら秋穂…マリーも言ってたけど今回、少しでも危険だと感じたら直ぐに逃げるんだよ?」

秋穂「……うん、わかってる」

果南「……何か行く目的があるの?」

秋穂「目的っていうか…」

秋穂「……もしかしたら、会えるかもしれないから」

果南「誰に?」

秋穂「………」

果南「……?」
0388名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:39:22.01ID:VfFuUysO
キッ

ガイド「みなさん着きましたよ〜!!ここが“あいどるランド”です!」

ゾロゾロ…

ガイド「では、ここからは一旦自由行動ですので!皆さんお好きなアトラクションへどうぞ!」

ガイド「正午に再度集合願います!」

果南「正午まで時間あるね…私たちはどうする?」

秋穂「……寝たい」

果南「へ?」

秋穂「朝早かったから眠いんだよぉ…」

果南「そ、そう?えっと…どこかにベンチは…」
0389名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:41:28.92ID:VfFuUysO
秋穂「……Zzz」

果南「(マイペースな子だなぁ…)」

果南「はぁ〜、暇だなぁ〜…」ボー

果南「ん?」


「さっきの乗り物超楽しかったなぁ!!」

「おーおーおー!」ポイッ

カンカラッカラカラ…


果南「ポイ捨て……っ、ここは人生の先輩として一言ガツンと……」

果南「って、え?」


サッサッサッ、ガシャン

「………」


果南「……(清掃員の人かな?……仕事早いなぁ……)」


「………」ジッ


果南「(えっ…なんか見られてる?)」

秋穂「……ムニャ」ゴロンッ

果南「あ」

ドサッ!!

秋穂「ぐえっ…!?」


「…あっ」サッ!!!


果南「あ、逃げた……何なんだろ?」
0390名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:43:43.43ID:VfFuUysO
果南「よいしょっと…」

秋穂「ん〜…Zzz…」

トサッ

果南「ふ〜…しかし、ベンチから落ちてよく起きないなぁ…」

秋穂「……ふふっ……Zzz……」

果南「…結構大人びた子なのかと思ってたけど」

秋穂「ムニャムニャ……うふふ、海未おばちゃん……♪」

果南「クスッ…割と子供っぽいところもあるのかな」
0391名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:46:41.19ID:VfFuUysO
ユサユサ…

秋穂「うぅ……んぅ……?」

果南「起きて秋穂、時間だよ?行こ」

秋穂「はぁい……」クシクシ

果南「シャキっとしなよ〜?むしろ今からがメインなんだから」

秋穂「うぅん…そうだね…よし、行こうか…」

果南「うん」

果南「(……寝言は聞かなかったことにしよっか)」
0392名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:50:11.33ID:VfFuUysO
ガヤガヤ

ガイド「はい!では、お次は皆様をバーチャルアトラクションへとご案内させていただきます!」

果南「これだ、多分…このアトラクションに何か秘密が」

秋穂「………」

ガイド「スクリーンに注目です!」

ガイド「今から悪の団体、史上最低のチーム、ホノカ一派の紹介を立体映像を交えて説明していきます!」

秋穂「……!!」

秋穂「……っ、こんな事だろうと思った」

果南「でも何か掴めるかもしれない…耐えて」 」

秋穂「……わかってるよ」

果南「(……ホントにわかってるのかな)」
0393名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/04(土) 12:53:29.58ID:VfFuUysO




ガイド「さて、お次は絢瀬絵里! 通称エリーチカ!」

ブワンッッ!!

「うわああああぁぁ!!!」

ガイド「この冷酷な目…如何にもテロリストですね」

秋穂「」プルプル

果南「……耐えて」

秋穂「……」コクッ

ガイド「つい先日までは収監されていたようですが……現在は脱走、アメリカ国内に潜伏中との事です!」

秋穂「!!」

ガイド「怖いですねぇ〜!もういっそ殺してしまえば!と思いますね!」

果南「よかったね…もうすぐ来てくれるかもしれないよ?」

秋穂「……うん」

秋穂「(絵里おばさんが…来てくれる)」
0394名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 12:57:12.82ID:VfFuUysO
ガイド「最後はこの…世紀の大悪人!!」

ガイド「高坂穂乃果!!!」

ブワンッッ!!

「うわあああぁぁぁ、ひいいいぃぃ!!!!!」

秋穂「…………」ワナワナ

果南「…………」

ガイド「世界を滅亡へと追いやろうとした……悪魔です!!!」

ブーブーブーブーブー!!

秋穂「……ッ」ギリギリ

秋穂「……ッッッ」グシャッッ

果南「こらこら、そんなに噛んだら唇切れるよ…」

果南「制服も破れちゃうし…」

秋穂「わ…か…って…るぅ…よぉ…」

果南「(……この子、やっぱりわかってない!)」
0395名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:00:09.09ID:VfFuUysO
ガイド「続きましては、予てより検討されていました“あいどる”のイメージソングについて」

ガイド「作詞・作曲を担当するのは現在も一線でご活躍中のハターキ先生に決定しました!」

「いえええええぇぇぇぇい!!!」

ガイド「ハターキ先生は今回ご自身で初作曲との事で“あいどる”も『偉大なるお方、楽しみです』と期待を寄せています!」

ガイド「続きましては……」





ガイド「ではみなさん!明日に備えて、今日はおやすみなさい!グッバイ!」

ゾロゾロゾロ…

果南「とりあえず、マリーには私から連絡しておくよ」

秋穂「……うん」

ガイド「おっとその前に!スマホなどの貴重品はこちらでお預かりさせていただきます!」

果南「………」

秋穂「………」

ガイド「さぁ!こちらのボックスに!!」

ワイワイワイワイ…

秋穂「どうするの…?」

果南「まぁ…大丈夫だよ…」
0396名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:05:54.34ID:VfFuUysO
〜理事長室〜

果南『うん…うん…そう』

果南『絵里さんが生きてる事はわかった……今はアメリカにいるらしいよ』

鞠莉「そう……それはよかったわね、希さんと海未さんも喜ぶことでしょう」

果南『ただ…みんなについての有益な情報は得られなかった…』

鞠莉「……まだ明日がある、何か絶対に」

果南『そうだね、明日……うわっ!?ちょ、いやっ……!』ブツンッ

鞠莉「え、果南!?ちょっと果南!返事なさい!!」

プープープー

鞠莉「………」サァー

鞠莉「これは…もしかしたら…ヤッバイかもね…」
0397名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:09:11.00ID:VfFuUysO
〜ホテル自室〜

果南「うっ…」

ガイド「ダメですよ松浦さん!」ニッコリ

ガイド「スマホ類は預かるって言ったじゃないですかー!では研修期間しっかり預かっとくので!グッバーイ!」スタタタタタタタタ

キィ、バタンッ

果南「………」

果南「って…えぇ?なんで電話してる事が分かったの…?電波…?」

果南「もしかして監視カメラ?」

果南「そうだ、監視カメラだ…!まずい、秋穂にも伝えなきゃ」

果南「でも、秋穂の部屋は別棟だから一回外に出ないとダメか…」
0398名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/04(土) 13:12:50.69ID:VfFuUysO
果南「早く早く…!」タッタッタッ

「脱走者発見ッッ!!!」

果南「!?」

果南「(まずい!隠れないと!)」サッ!


女子高生「キャア!!」

ガイド「もう逃げられないわよ」ニッコリ

女子高生「やめて!離して!」

ガイド「大丈夫よ!大人しくしなさい」ニッコリ

女子高生「やめっ…!うっ…」バタッ


果南「(眠っちゃった……あの子にいったい何をする気なの?)」


ガイド「ボーナスステージ!1名追加です!」ニッコリ

職員1「サンキュー!」
職員2「サンキュー!」
職員3「サンキュー!」
職員4「サンキュー!」


果南「(ボーナスステージ…?)」
0399名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:15:45.26ID:VfFuUysO
ガイド「・・・」チラッ

果南「うっ…!」

果南「(し、しまっ…嘘ッ…!目…あっちゃった…!)

ザッザッ

果南「(こっちに来てる!!うっ……どうしよう……応戦する?でもそんな騒ぎ起こしたら……)」

果南「(誰か…誰か助けて…!)」

ザッ

果南「……〜〜!」

「………」

トントン

果南「えっ?」クルッ

フッ…

果南「あっ……えっ……こ……Zzz……」 バタッ

「………」

スッ、サササッ…
0400名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/04(土) 13:26:00.68ID:VfFuUysO
ズル…ズル…ズル…

果南「スー…スー…」

「……はぁはぁ」

「」キョロキョロ

ガチャリ

秋穂「待って!!」

「」ビクッ!!

秋穂「その人をどうするつもり?」

「!……っ」プイッ

秋穂「……ッ!!」

秋穂「あなた…もしかして…」

「ち、違う!私は違うよ…!全然違うから…!」

秋穂「この声…やっぱりそうだ…花陽おばさん…だよね?」

花陽「……!!」

花陽「……わ、私……私は……花陽おばさんじゃ……ないから!!」

秋穂「やっぱり……花陽おばさんだ!!」
0401名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:29:25.99ID:VfFuUysO
スタスタスタ…

花陽「………」

秋穂「花陽おばさん」

花陽「………」

秋穂「ねぇ!花陽おばさん!」

花陽「………」

秋穂「…ッ!ねぇってば!!!」

花陽「わ、私は花陽じゃないから!人違いだから……早く……か、帰りさない!」

秋穂「……嘘ばっか」
0402名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:31:10.42ID:VfFuUysO
スタスタスタ…ピタッ

秋穂「……?なんで止まるの?」

花陽「……はぁ」

秋穂「何もないよ?」

秋穂「上も、下も、右も、左も…壁!壁!壁!壁っ!」

秋穂「なんでこんなところに?」

花陽「」コンコンコンコンコンッ

秋穂「……?なにやってるの?ドアじゃないよ?そこ、壁だよ?」

ギィ…

秋穂「わっ…壁に隠し扉が!?」

花陽「」スタスタ

秋穂「あ、ま、待って…!」
0403名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:36:27.56ID:VfFuUysO
ザッ…!

「お帰りなさい!リーダー!」

秋穂「り、りーだぁー?」

花陽「ただいま」

花陽「先にこの子をお願い、向こうで寝かせといてあげてくれるかな」

果南「ん…んぅ〜…」

「了解しました!」

秋穂「……ここって、花陽おばさんの秘密基地?」

花陽「だから…私は花陽おばさんじゃ…!」

秋穂「…っ、あっそう!違うんだ!じゃあ、あそこに飾ってある写真はなに!?」

花陽「!!」

秋穂「昔のμ'sの写真…あれ、メンバー以外は持ってないはずだよねっ!!」

花陽「……ッッ!」
0404名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:40:19.72ID:VfFuUysO
ダダダダダダッ…!

秋穂「……ん?」

花陽「あっ……」

ダキッ!

凛「かーよちん!おかえり〜!」

花陽「あ…ちょ、ちょっと凛ちゃん…!」

凛「んにゃ…?」

秋穂「り、凛おばちゃん……」

凛「あ、あれ…?もしかして…」

にこ「花陽〜…あんた、帰ってるなら言いなさいよねぇ…」

にこ「ったく、なんであんな子連れてきたのよ…って」

秋穂「に、にこおばちゃんまで…」

にこ「あっ…秋穂…?」

花陽「〜〜〜!!……はぁ、うぅ……」

にこ「花陽?な、なんで秋穂を連れてきたのよ!?」

秋穂「ほら、やっぱり…花陽おばさんなんじゃん…」
0405名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:44:07.80ID:VfFuUysO
秋穂「なんで…しらを切るの?」

花陽「………」

秋穂「花陽おばさん…私ずっとおばさんのこと!」

凛「ま、待って!秋穂ちゃん!」

秋穂「……凛おばちゃん達は隠したりしないのに!なんで花陽おばさんは!」

凛「ち、違うんだよ…秋穂ちゃん!かよちんの話、聞いてあg…」

にこ「…凛」

凛「にゃ?な、なに?どうしたのにこちゃん?」

にこ「……花陽は多分、話す気ないわよ」

秋穂「……なんの話?」

凛「でも!ちゃんと話さないと秋穂ちゃんにも伝わらないよ?」

凛「伝わらないままなんて、秋穂ちゃんもかよちんもかわいそうだよ…」

にこ「……いいわ秋穂」

秋穂「えっ、なに?にこおばちゃん」

にこ「私から話すわ」
0406名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:47:34.20ID:VfFuUysO
にこ「いいでしょ?花陽」

花陽「………」

にこ「…っ、まぁいいわ」

にこ「単刀直入に言うと、花陽はあんたに会いたくなかったのよ」

秋穂「…え?」

凛「ちょ、ちょっとにこちゃん!」

花陽「………」

にこ「…いいから聞いてなさい」

秋穂「な、なんで?私は…おばちゃん達と会えて嬉しいよ…?すごく安心もしたし…」

にこ「勘違いしないで。別に花陽はあなたが嫌いだから会いたくなかったわけじゃない」

秋穂「どういうこと…?」

にこ「…心配なのよ、花陽は」
0407名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:50:48.66ID:VfFuUysO
にこ「あの血の大晦日で穂乃果が…あぁなったのは自分のせいだって」

秋穂「そんな…!花陽おばさんは全然悪くないよ!悪いのは…そう、“あいどる”だよ…」

凛「秋穂ちゃんあのね…かよちんは昔、穂乃果ちゃんと同じユニット組んでたりもして、人一倍穂乃果ちゃんに対して思い入れがあるんだ」

にこ「ましてや花陽の性格で、あの事に負い目を感じないわけがない」

秋穂「………」チラッ

花陽「……ッ!」サッ

秋穂「……そっか」

凛「だからね、ここで秋穂ちゃんに何かあったら…って、かよちんは考えちゃうんだと思う…すごく心配なんだと思う」

秋穂「………」スタスタ

にこ「秋穂…?」

秋穂「………」ピタッ

花陽「うっ…」クルッ

凛「……!秋穂ちゃんお願いにゃ!かよちんを許してあげて!」

秋穂「………」

花陽「〜〜!」
0408名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 13:54:51.00ID:VfFuUysO
ギュッ

花陽「……え」

秋穂「……」ニコッ

秋穂「さっきも言ったじゃん…。私、花陽おばさんの事…本当に恨んでなんかいない…」

花陽「………」

秋穂「今日、会えて良かったと思ってる…。凛おばちゃんにもにこおばちゃんにも」

秋穂「花陽おばさん…。全然負い目なんか感じなくていいんだよ…そんなこと…」

花陽「……っ」プルプルッ

秋穂「………ありがとう、私のこと想ってくれてて」

花陽「!」

クルッ

秋穂「あっ…」

ダキッ!

花陽「私も……私も本当は、ずっと会いたかったよぉ…!」

花陽「ずっと…ずっとずっとっ!!」

花陽「ごめんね…ごめんね!秋穂ちゃん…!!」

ギューー!!

秋穂「…うん、全然、平気だよ…」


にこ「ふぅ、まったく、世話焼かせるんだから…」

凛「グスッ、うんうん…流石にこちゃんにゃ…凛、感動しちゃったよぉ…」
0409名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:02:26.29ID:VfFuUysO




花陽「少しでも穂乃果ちゃんの穴を埋めるようと思ってリーダーを引き受けたんだけど…」

花陽「やっぱり私なんかじゃ全然で…本当はにこちゃんが適任だと思うんだけど…」

にこ「バカ言わないで。あんたが作ったグループなんだからあんたがリーダーよ」

にこ「それに…私はここにいる時間も短いんだし」

凛「みんながまとまってやっていけてるのはかよちんのおかげだと思うけどな〜」

凛「だから、うん!やっぱりかよちんが適任!」

花陽「え、えぇ〜、そうかな…」

秋穂「ふふっ…流石だね」

花陽「あ、ありがとう…」
0410名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:10:59.83ID:VfFuUysO
花陽「……あのね、秋穂ちゃん。これは秋穂ちゃんを子供扱いしてるから言うわけじゃないんだけど……」

秋穂「ん…?」

花陽「これ以上はダメ、今すぐ帰った方がいい」

秋穂「え、な…なんで?」

花陽「それは…」

ゴソッ…

花陽「…!」

果南「うっ…」

にこ「起きたみたいね」

凛「大丈夫だった?」

果南「え、あっ…は、はい……あの、ここって……」

秋穂「花陽おばさんが助けてくれたの」

果南「花陽おばさんって…」チラッ

花陽「…おはよう」ニコッ
0411名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:16:06.58ID:VfFuUysO
果南「あっ、μ'sの…」

秋穂「それで、花陽おばさん…帰った方がいいってどういうこと?」

秋穂「いったいここには何があるの?」

花陽「……」

花陽「……ボーナスステージ、あそこに行ったら最後だよ」

秋穂「ボーナスステージ…?」

にこ「あんた達、研修生としてここに来てるんでしょ?」

秋穂「うん、まだ1日目だけど」

にこ「なら、明日にでも見極めされるわね」

果南「見極め?」

にこ「なんて事無いわ、ただμ'sのメンバーをVRゲームで殺してポイントを取るシンプル極まりない遊び」

果南「うっ…」

凛「なんて事ある気がするけど…ほんと酷すぎだにゃ!」

花陽「ゲームとはいえ……秋穂ちゃんに穂乃果ちゃんを撃ってほしくはないから」

にこ「……というより、撃てないでしょ?」

花陽「……だからここにいても、もう意味は無いんだよ?」

秋穂「………」
0412名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 14:22:43.57ID:VfFuUysO
にこ「ボーナスステージに行けば、あんた達の知りたい情報も何か掴めるかもしれないわ」

果南「(…なら!そこに行けばAquorsについても何か…)」

花陽「……ここに入ったら必ず“卒業”しないといけない。絶対に見極めはさせられるけど…安心して、ボーダーを下回れば、その時点で“卒業”、帰れるよ」

凛「わざわざゲームをやる必要は無いってことにゃ」

果南「………」チラッ

秋穂「……わかったよ」

花陽「うん、わかってもらえてよかった…」

果南「(まぁ、そりゃそうだよね……)」ガクッ

にこ「・・・」
0414名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 15:27:58.80ID:VfFuUysO




ギィ…

花陽「じゃあ、海未ちゃんや希ちゃんによろしくね」

凛「凛たちは元気だってねー!」

秋穂「うん、ちゃんと伝えとく」

秋穂「……じゃあ、また」

花陽「うん、気をつけてね」

秋穂「うん…」クルッ

スタスタスタ…

花陽「……大きくなったんだね」

凛「そうだね〜、昔はあんなに小さかったのに…」

にこ「……花陽、あの子」

花陽「ん?」

にこ「……いや、やっぱりなんでもないわ」

花陽「……?」
0415名無しで叶える物語(光)
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2020/07/04(土) 15:30:23.33ID:VfFuUysO
スタスタスタ…

秋穂「松浦さん…」

果南「あっ、今更だけど私も果南でいいよ?」

秋穂「そっか、ねぇ果南さん」

秋穂「私、ボーナスステージに行くよ」

果南「えっ!?」

果南「でも花陽さん達に…」

秋穂「花陽おばさんはああ言ってくれたけど…私、手ぶらで帰る事なんて出来ない」

秋穂「理事長と約束したしね」

秋穂「それに花陽おばさん達に頼ってばっかりじゃダメだと思うし…」

果南「秋穂…」

秋穂「見極めだっけ……とりあえずそこで目に止まらないと話にならないけど」

果南「そうだね……」

秋穂「はぁ……」

秋穂「憂鬱だなぁ…」

果南「え?」
0419名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:20:19.40ID:GMUchzye
-翌日-

バキュン、バンッ、バンバンッ!!

ピンポーン!

ガイド「素晴らしいですね二人とも!」

ガイド「高坂さんに松浦さん、過去最高得点を叩き出して、1.2フィニッシュでしたね!」

秋穂「……っ」

ガイド「では、今回の成績優秀者達をボーナスステージへとご案内します!」

ガイド「サンキュー!!」

「サンキュー!」「サンキュー!」「サンキュー!」

ガイド「ではボーナスステージ行きのチケットを掴んだ皆さんは私についてきてください!」
0420名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:22:19.06ID:GMUchzye
ザッザッザッ…

果南「……よく出来たね?」

秋穂「あんなの、穂乃果おばちゃんじゃないもん…」

秋穂「穂乃果おばちゃんや絵里おばさんを悪者に仕立て上げようとする連中が作り上げた偽物」

果南「……そっか」

果南「(それがわかってても、やっぱり機嫌は斜めなんだね…)」

秋穂「……ボーナスステージ、何があるんだろう」

ザッ

果南「!」

ガイド「つきました!ここからはボーナスステージへの切符を掴んだ者だけが踏み入ることの出来るゾーン!意気に感じてくださぁい!」
0421名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:24:52.89ID:GMUchzye
ガイド「こちらのヘッドギアをお付けください」

果南「な、なにこれ…?」

カチャカチャ…

ガイド「……ふふっ」

ガイド「準備はいいですね!?」

秋穂「………」

ガイド「あなた達は今から凄いものを観れる……いや、拝めるのよ!」

ビリッ……ビリビリ……!

秋穂&果南「…っ!」

ガイド「途中、何があっても勝手に退場しようとしないでくださいね!」

果南「……だ、大丈夫なのこれ?」

ガイド「ではお二人様を、夢の国に……ごあんなーい!!」

職員「あんなーい!」
職員「あんなーい!」

ガイド「ポチッと!」

秋穂「うっ…!」

果南「ぐっ…!」

グルッ!!ギリリリリリ!!ギュルルルル!!ギュルン!!
0422名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:27:59.36ID:GMUchzye




果南「う…うぅ…」

果南「ここ…は…?」

果南「あれ、秋穂は…」キョロキョロ

果南「いない…連絡取らないと…」

果南「…あっ、そういえばスマホ返してもらってない…」

果南「……見慣れない場所だけど」

果南「どこなんだろう、ここ?」

フッフッ、ハッハッ…フッフ、ハッハッ…

果南「……?」

果南「何の音?」
0423名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:31:17.80ID:GMUchzye
【黄金米・GOHAN】

穂乃果「えへっ、あはは!」

花陽「わ〜!!!!」

花陽「ハッ……んん……!!」ブンブンッ

穂乃果「へへ、ふふふ!!」

花陽「うぅ〜!」ブンブンッ

花陽「穂乃…!」

タタタタタタ

パシッ

花陽「ふぇっ!?」

穂乃果「へ?」

果南「ちょっと来て!!」

花陽「えぇっ!?ちょっと…!だ、誰か…タスケテー!!」

・ ・ ・

穂乃果「……ありゃ〜、行っちゃった……花陽ちゃんの知り合いなのかな?」
0424名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:36:18.23ID:GMUchzye
花陽「はぁ…はぁ…」

果南「あの…花陽さんですよね?」

花陽「えっ、そ、そうです…けど…」

果南「よかった〜、知り合いに会えて〜」

花陽「知り合い…?あれ?私たちどこかで…?」

果南「なに言ってるんですか?昨日お会いして…」

花陽「昨日!?昨日は私…練習してたから多分、会ってないと思うけど…」

果南「あの!そこよりここってどこなんですか?花陽さんもなんか…若返った?」

花陽「えっ?どこってここは…音ノ木坂です」

果南「音ノ木坂…?ん?」

果南「え、えっとぉ…花陽さん今おいくつですか?」

花陽「…じゅ、15歳です」

果南「15歳…?」

花陽「はい…15歳…」

果南「(あれ…ってことはここは…2010年…?)」

果南「……これが、ボーナスステージ?」

花陽「……?」
0425名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:40:39.29ID:GMUchzye
花陽「あの、私そろそろ行かないと…ダイエ…ランニングの最中なので…」

果南「あっ…ご、ごめんなさい」

花陽「し、失礼します…」

果南「(ま、マズイ!このまま私一人で行動しても何もわからない…!せっかく秋穂のおかげで来れたんだし、何か情報を手に入れないと…!)」

果南「あの!良かったら付いて行っていいですか?」

花陽「え?」

果南「そ、その…μ'sの練習風景とか見たくて…」

花陽「……え、えっと……うん、いいと思います。みんな良いって言うと思う……」

果南「ありがとうございます!」
0426名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:47:43.26ID:GMUchzye
海未「花陽はどうしたんですか?」

穂乃果「なんか知らないお姉さんに連れて行かれてたよ?」

海未「知らないお姉さん?」

希「それ、花陽ちゃん大丈夫なんかなぁ?」

にこ「まさか誘拐とかじゃないでしょうね…」

ことり「そ、それはないんじゃないかなぁ…」

真姫「高校生なのよ?そんなことあるわけないでしょ…。花陽は結構しっかりしてるんだし」

凛「どうだろう…かよちん、ご飯ご馳走するって言えば人が変わるから」

海未「なぜ止めなかったんですか?」

穂乃果「だ、だって〜!知り合いなのかなぁ?と思って…」

海未「呆れた…。本当に人攫いだったらどうするつもりですか!」

凛「えぇ!?やだやだ!そんなの絶対嫌だよ!!穂乃果ちゃん酷いにゃ!!」

穂乃果「ま、まだ決まったわけじゃないよ〜!!」

フッフッフッ…ハッハッハッ…

絵里「あら…帰ってきたみたいよ?」

花陽「うっ…た、ただいま帰りましたぁ〜…」バタッ…
0427名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 12:54:59.27ID:GMUchzye
海未「大丈夫ですか花陽?ずいぶん遅かったですが…」

花陽「ご、ごめんなさい…」

穂乃果「あれ、花陽ちゃんあのお姉さんは?」

花陽「もうすぐ上がってくると思うけど…」

タッタッタッ

果南「お〜、ここが神田明神!あっ!それにμ'sのみなさん!」

凛「わぁ〜、オトナって感じするにゃ〜!」

希「この人がさっき言ってたお姉さん?」

花陽「うん。えっと…えーっと…あのっ…名前聞いてもいいですか…?」

果南「あっ、松浦果南です!いや〜、μ'sの皆さんに会えて光栄です!」

穂乃果「お、おぉ〜!こっちこそ光栄ですっ!こんなお姉さんからも応援されてるなんて!」

果南「あっ…は、はい…あはは…穂乃果さんからお姉さんって…なんか複雑…」

穂乃果「是非!μ'sの練習見ていってください!」

果南「あっ、ありがとうございます!」

穂乃果「よーし!!じゃあ花陽ちゃんも帰ってきたしダンスレッスンだー!!」

海未「穂乃果と花陽は別メニューです!」

穂乃果「ぐっ…!」

絵里「地道にやれば成果も出てくるわ、頑張りなさい」

穂乃果「うぅ…はーい…」
0428名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:02:11.47ID:GMUchzye
果南「(あっ、そうだ…大事な事聞かないと)」

果南「あの!」

穂乃果「ん?」クルッ

果南「この中に…」

ことり「中に?」

果南「“あいどる”はいますか!?」

・・・ポカーン

果南「あっ、いやその…」

クスッ…

果南「…!」

穂乃果「みーんな!本当のアイドルだよ!」



0429名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:05:05.39ID:GMUchzye




スタスタスタ

秋穂「ここって…確か」


「いったぁーい!」


秋穂「この声…」

秋穂「…!」タッタッタッタ


ことり「穂乃果ちゃん、もうやめようよ〜!」

穂乃果「まだまだ〜!次こそ出来るっ!」


秋穂「穂乃果…おばちゃん…」

秋穂「……ちっちゃい時から変わってないんだなぁ」


穂乃果「とぉぉーー!」

ラララララ♪

穂乃果「!」

穂乃果「〜〜♪とぉー!」ピョーン


女の子「えへへっ」

秋穂「今の鼻歌…あの子が?あの曲は確かSUNNY DAY SONG…」

秋穂「……あの子、まさか!」

ギュル!!!

秋穂「うっ…な、なに!?」

ギュルルル!!!
0430名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:10:28.37ID:GMUchzye
秋穂「……うっ」

秋穂「なに…?また場所が変わった…?」

秋穂「あれ?この場所…見た事あるような…」

「うぅ〜…」ゴソッ

秋穂「!?」

穂乃果「ギモヂワルィ…」

秋穂「…!!」

穂乃果「んっ…だぁれ…?」

秋穂「穂乃果おばちゃん…」
0431名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:15:04.73ID:GMUchzye
穂乃果「はぁ…穂乃果おばちゃんって…私?」

穂乃果「あなたは…?」

秋穂「あっ…えっと…あの、私、調べないといけない事があるんだけど…手がかりとかがなくて…」

秋穂「μ'sのみんななら何か知ってるかもって」

穂乃果「……私がさぁ……熱出しちゃったから、ラブライブにも出れなくなって」

秋穂「そんな!穂乃果おばちゃんのせいじゃ…ないよ…」

穂乃果「……ありがとうね、でもみんなに迷惑かけちゃった事に変わりはないから。ゴホッ……私、リーダーなのに」

穂乃果「……みんななら……部室にいるのかなぁ……でも今は……流石にいないかな……」

秋穂「…部室。行ってみる!ありがとう!」ダッ

穂乃果「うんぅ……頑張ってぇ……」

秋穂「」ピタッ

穂乃果「んぅ…?」

秋穂「」ダダッ、ダキッ!

穂乃果「!」

秋穂「私が……守るから、絶対……穂乃果おばちゃんの頑張り、無駄にしないから……!」ギュー

穂乃果「え……え……?」

スッ…

秋穂「…またね」

タッタッタッ…ガラッ、タッタッタッ


穂乃果「」ポカーン

穂乃果「……な、なんか……すごい夢……」バタッ
0432名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:18:40.46ID:GMUchzye
〜音ノ木坂学院〜

タッタッタッ

秋穂「もうこんな時間だし、誰もいないかな」

秋穂「よっ…と」スタッ

秋穂「さて、穂乃果おばちゃん達の部室はどこだ…」

〜アイドル研究部部室〜

秋穂「…ここだ、アイドル研究部」

秋穂「………」

秋穂「」ガチャリ

・・・シーン

秋穂「……まぁ、そりゃ誰もいないよね」
0433名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:20:24.41ID:GMUchzye
秋穂「………」キョロキョロ

ゴソゴソ…

秋穂「ミナリンスキー?のサイン色紙…」

秋穂「あっちは衣装かな?」

秋穂「そうだ!パソコンに何かあるかも…」

秋穂「起動ボタンは…」

ガチャ

秋穂「…ッ?」クルッ

“あいどる”「やぁ……秋穂」

秋穂「…!!!」

秋穂「“あいどる”…!」
0434名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:24:30.08ID:GMUchzye
秋穂「……」ジリッ

“あいどる”「……」

秋穂「何しにここへ…?」

“あいどる”「何をしにって、娘に会いにきたんだよ」

秋穂「娘…?」

“あいどる”「うん、雪穂ちゃんと私の…可愛い可愛い娘にね」

秋穂「……は?」

秋穂「……私があなたの……娘?」

秋穂「……ふざけないで、あなたが親な訳がない」

“あいどる”「本当にそうかな?」

秋穂「……何が言いたいの?」
0435名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:30:42.34ID:GMUchzye
“あいどる”「人が人を評価するのは固定観念でしかないということだよ」

秋穂「………」

“あいどる”「秋穂、君は私を悪だと認識しているでしょ」

秋穂「……ッ!当たり前でしょ!あなたが何をしたか……自分でもわかってるはず!!」

秋穂「穂乃果おばちゃんだって……あなたが!」

“あいどる”「人間、一度そう思われたら、もうおしまい」

“あいどる”「雪穂ちゃんは盲信して、私を一方的に非難するんだ?」

秋穂「盲信なんかじゃない!あなたと違って、お母さんは何も悪いことなんてしてない!」

“あいどる”「それは君の育った環境と周りにいた大人達の影響でそう思っているだけだよ」

“あいどる”「雪穂ちゃんは悪いことなんてしないっていう固定観念があるのさ」

秋穂「………」

“あいどる”「現に世界中の多くの人たちが私を信じている」

秋穂「……それこそ盲目なだけでしょ?」

“あいどる”「……物事には表と裏が……光と闇が存在する、あなたにとっての裏は……闇は私なんだよ」

秋穂「でも…事実でしょ?」
0436名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:35:36.03ID:GMUchzye
“あいどる”「裏はいつも汚れ役で、不公平なんだ」

“あいどる”「きっとそれは表の存在が大きすぎるから…でもその存在を支持している人間もいて…」

“あいどる”「でもきっといつかそれを…」

秋穂「何を言ってるのか……全然わかんない」

“あいどる”「………」

秋穂「……あなたが何をしようがあなたの勝手、私はそれを止めるだけだから……。でも、その中で私のお母さんを悪く言わないで」

秋穂「あなたの悪事を人のせいにしないでよ…」

“あいどる”「私もお母さんなんだよ」

秋穂「だからッッ……ふざけないで!!!」

“あいどる”「………」

秋穂「そんなわけないもん……!私のお母さんは……私のお母さんは高坂雪穂だけなんだから!!」

秋穂「……ハァハァ」

“あいどる”「秋穂、それも固定観念だよ」

“あいどる”「いい?君にお父さんはいない。君の親は雪穂ちゃんと、私なんだよ」

“あいどる”「君は運命の子…。いや、神の子なんだ」

秋穂「……そんなわけ……ない……ありえない……」
0437名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:37:55.94ID:GMUchzye
秋穂「……あなたは誰なの?」

“あいどる”「………」

秋穂「マスクを外して……!」

“あいどる”「マスクを外したら、私がお母さんだって認めてくれる?」

秋穂「……例えあなたがそうだとしても、人をたくさん殺した殺戮者を親だなんて思いたくない」

“あいどる”「殺戮者は雪穂ちゃん?私?」

秋穂「…は?」

“あいどる”「秋穂、先入観は良くないよ」

“あいどる”「さっきから言ってるのに、人の話を聞かないのは穂乃果ちゃんそっくりだね」

秋穂「……うるさい!」

ダッ!

秋穂「あなたが穂乃果おばちゃんを語らないで!!」

“あいどる”「……」

バッ!

秋穂「……!取ってやる!」

“あいどる”「……娘に顔を見られるくらい、なんてことはないよ」

秋穂「……ッ!」
0438名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:42:14.85ID:GMUchzye




ダダダダダダダダダ

花陽「…?」

にこ「はぁ…はぁ…はっ…」

花陽「どうしたのにこちゃん?そんなに慌てて…」

にこ「どうしたもこうしたも…はっ…はっ…ないわよ…!」

にこ「あの子たち……秋穂ったら!ボーナスステージに行ってるわよっ!!」

凛「え!?」

花陽「う、嘘…?」

にこ「本当よ…!昨日何か様子が変だとは思ってたけど…案の定じゃない!」

にこ「どうするのよ!あの子たちがもし“あいどる”の顔でも見たら…!」

凛「そ、それだけは絶対にダメにゃ!」

花陽「あの友達の子ならともかく、秋穂ちゃんがあのゲームを突破するなんて…」

凛「凛がもう少し釘を刺しておけば…」

にこ「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

凛「そ、そっか……どうしよう!かよちん!」

花陽「………」
0439名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:44:41.31ID:GMUchzye
花陽「もう、強制終了させるしかないね…」

凛「どうやって終了させるの?」

花陽「向こうのサーバーをハッキングして…」

凛「な、なるほど!」

にこ「…無理ね」

凛「え、ど…どうしてにゃ!?」

にこ「そもそも、そんな簡単にハッキングが出来るなら私たちはこんな大変な思いをしてコソコソ活動してない、違う?」

花陽「……それは」

にこ「それに、向こうのガードだって生半可なものじゃないはず」

花陽「……いや、ガード無しの状況を作ればいいんだよ」

にこ「…?」

花陽「“あいどるランド”施設内の電源を全て落として、その間に…」
0440名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:48:12.98ID:GMUchzye
にこ「……その間に直接アクセスして強制的にあの子達を引き戻すのね」

にこ「さっきよりかは現実的な案だけど、誰があの厳重な警備をかいくぐって電源を落としに行くのよ」

花陽「……それは」

にこ「……はぁ」

凛「…凛が…行くよ」

花陽「り、凛ちゃん…!?」

にこ「冗談でしょ凛…あんた、捕まったら何されるかわからないのよ?」

にこ「もしかしたら殺され…」

凛「でも、早くしないと秋穂ちゃん達がっ!」

にこ「……凛」

花陽「……凛ちゃん」

凛「……任せて!もし見つかったとしても凛、絶対逃げ切るから!」

凛「昔よりスピードは落ちてるけど、きっと大丈夫だよ!へへへ…」
0441名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:51:26.96ID:GMUchzye
花陽「わかった…なら、凛ちゃんにお願いするね」

花陽「でも、絶対に無茶はしないで!」

凛「ダメだよかよちん、無茶しないと潜入出来ないにゃ」

凛「それに秋穂ちゃんは…凛たちが守ってあげないと!」

凛「えへへ、大人のかっこよさを見せないとね〜!」

にこ「……凛、気をつけなさいよ」

凛「…うん!」

花陽「電源を落としたらすぐに逃げて!短時間で戻されるだろうけど、その間に…私が!」

凛「わかったにゃ、そっちの方は任せたよ!」

凛「じゃあ…行くにゃ!」
0442名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 13:59:26.01ID:GMUchzye
にこ「………」

花陽「」ジー

にこ「今からパソコンとにらめっこしてたって仕方ないでしょ…」

にこ「いくら凛でも施設へ到着するまで10分はかかる…」

にこ「それまで気を休めときなさい」

花陽「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「……なに?」

花陽「凛ちゃん、すごく明るく振る舞ってたけど……本当は……」

にこ「……そんなの、私でもわかったわよ」

にこ「でも実際、この中で一番の適任者は凛…。あの子にしか出来ないのも事実よ」

花陽「秋穂ちゃん達を危険に晒した上に凛ちゃんまで…」

花陽「私、やっぱりリーダーには向いてないや…」

にこ「………」

ギュッ

花陽「!」

にこ「しっかりしなさい!小泉花陽!」

にこ「あんたのこの手はなんのためにあるの?」ギュー

にこ「仲間を守るためでしょ!」

花陽「にこちゃん…」

にこ「過ぎたことぐちぐち言って、不向き云々言ってもしょうがないでしょ!」

にこ「ダメな事したなら取り戻せばいいじゃない!」

花陽「あ、ありがとう…」

にこ「…私も凛も」

にこ「期待してるんだから、リーダー」

花陽「…そっか、そうだよね」

花陽「取り戻せばいいんだ…」

花陽「(凛ちゃん……!私に挽回のチャンスを……お願い……)」

花陽「(そして、凛ちゃんと秋穂ちゃん達みんな無事で帰ってきてほしい……)」

花陽「(いや…私が帰らせなきゃダメなんだ!)」
0443名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 14:02:00.72ID:GMUchzye
凛「……結構簡単に入れたにゃ」

凛「誰もいない……秋穂ちゃん達の方に集まってるのかな……」

凛「早くしないと……」ダッ





秋穂「……!」グッ

“あいどる”「……秋穂が雪穂ちゃんの何を知ってるのかな」

秋穂「……黙って!」

“あいどる”「私は…少なくとも秋穂よりは雪穂ちゃんの事を…」

秋穂「うるさい…うるさいうるさいうるさいッッ!!」
0444名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 14:07:11.16ID:GMUchzye
凛「……あそこの部屋だ!」

凛「」タッタッタッタッタッタッ!


警備員1「………」スタスタ、キョロキョロ


凛「!」サッ

凛「(ッ!早くしないといけないのに!)」

凛「…早くどっか行かないかな」チラッ

ミャー

凛「!?」


警備員2「!」ギョロッ


凛「(うっ…ば、バレた…!?)」サッ

猫「にゃー」

凛「(な、何でこんなところに猫ちゃんが…!?)」
0445名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:16:17.71ID:GMUchzye
警備員1「………」

警備員2「………」

警備員3「………」

コツ…コツ…コツ…


凛「………」ナデナデ

猫「んにゃ〜」

凛「…あっ、へっ…くちゅん…!」

凛「えへへ、今、バレなかったかな?」ナデナデ

凛「…本当は凛、猫ちゃん触っちゃダメなんだけど…もしかしたら…だから…」

凛「………」

凛「もし凛がここでダメだったら、かよちん…また落ち込んじゃうよね」

凛「クスッ…やっぱりかよちんは凛がいないとダメだね〜!ね、猫ちゃん…」ナデナデ

猫「にゃ〜」

凛「……凛だって、みんなと一緒の気持ちだもん。穂乃果ちゃんの忘れ形見を……守らなきゃって……!」


警備員「」コツコツコツコツ…!

凛「……またね」ポンポンッ

猫「んにゃあ」

凛「……!」ダッ

警備員1「!」

警備員2「こいつ!?」

警備員3「捕まえろ!!」

凛「強行突破にゃ!」ダダダダダダッ
0446名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:18:02.71ID:GMUchzye




にこ「………」

花陽「遅い…」

花陽「もしかして……凛ちゃん……」

にこ「……凛に限ってそんなはず」

花陽「……やだよ、もうやだ……あの時みたいな想いはもうしたくないよ……」

にこ「………」

にこ「だ、大丈夫だから…!花陽はドッシリ構えて準備してなさい!」

にこ「ほら!向こうの電源が落ちたらパソコンつくようになってるんでしょ!」

にこ「もうすぐつくんだから…!ちゃんとパソコン見てなさいってば!」

花陽「にこちゃん…うん」
0447名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:54:07.56ID:GMUchzye
-10分後-

にこ「……」

ドキ…ドキッ…

にこ「(……あ、あれ?私、もしかして緊張してる……?)」

にこ「(凛を信用してないっていうの…?)」バクバク

にこ「(い、いや…でも、流石に時間だって…)」バクバクバク

にこ「(秋穂たちの方も心配だし……もし、これがダメなら完全にお手上げ……もう秋穂たちは……!)」バクッバクッバクッ

花陽「……お願い」

にこ「……!」

花陽「お願い、凛ちゃん!」

にこ「……そうね、諦めちゃダメよね」

にこ「……頼むわよ!凛!」

にこ&花陽「……ッッ!!」

・・・

にこ&花陽「……!!」

・・・ウィーン、パッ

にこ&花陽「あ…」

花陽「…パソコンが起動した」

にこ「やっ……た」

花陽「凛ちゃん……!やった!」

にこ「あの子、やったわね!」





-“あいどるランド施設外”-

凛「…はぁ…はぁ…」

凛「えへへ…!いくら衰えたとはいえ!凛の脚力ナメないでよね!」

猫「みゃー」

凛「へへ〜、また会えたね!猫ちゃん♪」

凛「……かよちん、にこちゃん、あとは頼んだよ」
0448名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 15:58:13.81ID:GMUchzye
にこ「花陽、あとは!」

花陽「うん、任せて!」カタカタッ

花陽「この端末からボーナスステージ…アトラクションの中枢に入れるはず…!」

花陽「…これ!」カチッ!

にこ「いけそう!?」

花陽「うん!入り込んだよ!」カタカタッ

花陽「この中に強制終了の項目がきっと…!」グリッ

花陽「はやくっ…はやくっ!」

にこ「……頑張って!」

花陽「……うん!……あった!」

にこ「よし…!やったわね!」

花陽「これで…!」カチッ

【強制終了すると、プレーヤーの身体及び脳内が損傷する可能性があります。よろしいですか?】【はい・いいえ】

花陽「……え?」
0449名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:02:37.62ID:GMUchzye
にこ「ちょ…何よこれ…!」

花陽「……ど」タラー…

花陽「どう……しよう?」

にこ「……花陽、早くしないと、また電源戻されたら!」

花陽「うん、で…でも損傷って…!」

にこ「……っ」

花陽「穂乃果ちゃんなら…どっちに…」

にこ「花陽ッ!」

花陽「……!う、うん、そうだよね……」

花陽「自分で決めないと…でも、こんなの…!」





“あいどる”「君が生まれたのは奇跡なんだよ」

秋穂「喋らないでッ!」

秋穂「……あなたは誰!!」バッ





花陽「〜〜〜!!!」

花陽「え〜いッッ!!」

カチッ

【はい】
0450名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:04:13.86ID:GMUchzye




秋穂「…………!!」

秋穂「……ひ」

グワアアアン

秋穂「うっ…いたっ…!」

秋穂「な、なに…!?」

“あいどる”「…またね、秋穂」





ズキッ

果南「いたっ…!」

果南「な、なにこれ…?」

グワアアアン
0451名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:16:54.80ID:GMUchzye






〜ボノカ一派 アジト〜

秋穂「スー…」

果南「うっ…うぅ…」

凛「……うん」

スタスタ

にこ「どう?」

凛「まだ寝てるよ…友達の子はうなされてたけど…秋穂ちゃんは寝息たててた、多分、疲れたんじゃないかな…」

にこ「そうでしょうね…」

花陽「とにかくみんな無事でよかったよ…」ホッ

凛「かよちんのお手柄だね!」

花陽「そんな、私なんて…最後まで悩んでたし…」

ポフッ

花陽「あいたっ…!」

にこ「そう卑下しないの」

にこ「結局あの二人もなんともなさそうだし、損傷ってのはブラフだったんじゃない?」

にこ「そう考えたら、正解を選んだのは花陽なんだし、あんたのお手柄でしょ?」

花陽「にこちゃん…」

凛「そうにゃ!かよちんもっと自信持つにゃ!」

花陽「凛ちゃん…」

花陽「うん、ありがとう…」
0452名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:26:14.35ID:GMUchzye
にこ「しかし凛はよく無事だったわね…」

凛「昔に比べたら全然だけどね!まだまだ若い子には負けないよ〜!」

花陽「あはは、なんか凛ちゃん…」

にこ「ちょっとおばさんくさいわよ?」

凛「えっ…な、なにそれ!酷いにゃ〜!って…くちゅん!」

にこ「あんた帰ってきてからくしゃみ多いわね…風邪?」

凛「えへへ、ちょっと…」

花陽「でも凄く危なかったんだよね…よく巻けたね」

にこ「でも、侵入者が出たって事で向こうは大騒ぎよ!私たちもこれからは慎重にいかないといけなくなったわね…」

花陽「でも、やっぱり凛ちゃんが無事で何よりだよ」

にこ「まぁ…それはそうだけど、なんか心配し損って感じ」

凛「あれれ〜?にこちゃん心配してくれてたのぉ〜?」クスクスッ

にこ「ち、違うわよ!ちょっと花陽に釣られて!」

凛「またまた照れちゃって〜♪」

にこ「やめなさい…!ちょ、くっつくなぁ…!」


「………」


花陽「ちょっと二人とも〜!」

「おばちゃんたち」

花陽「!」

秋穂「おはよう…」クシクシッ
0453名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:33:59.06ID:GMUchzye
にこ&凛「……」

秋穂「座っていい?」

凛「あっ…うん!もちろん!ご、ごめんね寝てるのに大きい声出しちゃって…!起こしちゃった?」

秋穂「うーうん…仲よさそうだなぁって思って見てたよ」

秋穂「……花陽おばさん、ごめんなさい」

花陽「えっ…な、なんで謝るの?秋穂ちゃん、別に謝るような事してないよ?」

秋穂「私、花陽おばさんの言うことを聞かずに行って…結局、みんなに助けられて…」

にこ「……ま、結果的にみんな無事だったんだから、そんなに気にしなくていいんじゃないの?」

秋穂「……ごめんね」

凛「秋穂ちゃん、知りたい事があったんでしょ?そんなに落ち込む事ないよ!」

花陽「二人の言う通りだよ秋穂ちゃん、大丈夫だから…」

秋穂「……うん」
0454名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:37:13.80ID:GMUchzye
秋穂「私たち結局“卒業”出来たのかな…」

花陽「出来たみたいだよ。秋穂ちゃん達が解放されて帰ってるところに凛ちゃんが出くわしたんだ」

凛「二人ともフラフラでびっくりしたんだよ?」

にこ「引きずって帰ってきたのよね」

凛「腕パンパンになったにゃ…」

秋穂「ありがと…凛おばちゃん」

凛「うん!どういたしまして!」

秋穂「………」

秋穂「………あのさ」

果南「おはようございます〜…」

秋穂「あっ…」

にこ「起きたのね、おはよう」
0455名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:40:56.12ID:GMUchzye
花陽「二人とも起きたし…ちょっと質問してもいいかな?」

果南「は、はい…」

秋穂「うん…」

花陽「」ゴソゴソ

花陽「これ…」スッ

花陽「廃校騒動の時に在籍していた1〜3年生の卒業アルバムなんだけど」

にこ「あんた達“あいどる”の顔は見た?」

秋穂「……!」

果南「私は……見てないです」

果南「μ'sの皆さんと一緒にいました」

花陽「そっか、私たちと…秋穂ちゃんは?」

秋穂「私は…」

秋穂「…見たような気が…する」

花陽「……ッ!?」

凛「え、えぇ!?」

にこ「ほんとに…!?」

花陽「こ、このアルバムの中にその顔をした人はいる?」

秋穂「……探すからちょっと待ってね」
0456名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:50:36.65ID:GMUchzye
秋穂「………」パラ…パラッ…

花陽「………」

パタンッ

にこ「……!」

凛「ど、どう?いた?」

秋穂「ごめん……わからない、思い出せない……」

花陽「そ、そっか…でも、それならそれでいいんだよ」

花陽「あそこで“あいどる”の顔を見たら…ダメだから…」

果南「……?どういう事ですか?」

にこ「あんた達の前にもボーナスステージに行った人間が何人かいたわ」

にこ「その大半は無事に戻ってこれた……戻れたのはよかったんだけど………」

果南「……だけど?」

にこ「全員自ら命を絶ったの。調べた結果、自殺した全ての人たちの共通点は“あいどる”の顔を見たということ」

果南「う、うわぁ…」ゾー

花陽「うん、だから秋穂ちゃんも無理に思い出す必要はないからね」

凛「そうだよ。秋穂ちゃんが思い出さなくても凛たちが絶対に“あいどる”の正体を突き止めてみせるから!安心して!」

秋穂「うん、ありがとう…」
0457名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:54:38.60ID:GMUchzye
秋穂「……私からも一ついいかな?」

花陽「うん!」

秋穂「……私」

花陽「うんうん」

秋穂「“あいどる”の子供なのかな…?」

にこ&凛&花陽「!!?」

果南「い、いや…な、何言ってんのさ秋穂!」

秋穂「だって…“あいどる”がそう言ってたんだもん」

果南「私たちを困惑させようとしてるんだよ!“あいどる”の口車に乗せられちゃダメ!」

秋穂「……私もあの中ではそう思った……ただのデタラメだって……」

秋穂「でも…改めて考えるとなんだか、妙に説得力があって…」

果南「……そんな馬鹿な話」
0458名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 16:56:41.84ID:GMUchzye
秋穂「おばちゃん達は知ってた…?」

花陽「いや……私は聞いた事ないよ」

凛「凛も初めて聞いた……」

にこ「……寝耳に水よ」

果南「ほら!μ'sの皆さんでも知らないって事は…!」

秋穂「……うん」

にこ「…………」

花陽「……秋穂ちゃん、それが嘘か本当かなんて事はどうでもいいんだよ」

花陽「そんなの気にせずに、秋穂ちゃんは秋穂ちゃんのやりたいようにすればいいんだから……ね?」

秋穂「そう……だよね……ありがとう……」
0459名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:01:12.91ID:GMUchzye
果南「この度はホントにお世話になりました!」ペコッ

花陽「また困った事があったら頼ってね」

果南「はい!ありがとうございます!」

凛「秋穂ちゃんも元気でね!身体壊さないようにね?」

にこ「昨日も言ったけど、海未と希によろしく伝えといてちょうだい」

秋穂「わかった、おばちゃん達も元気でね」

秋穂「じゃあ、バイバイ」

果南「失礼します」

花陽「うん!気をつけてね」
0460名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:07:50.50ID:GMUchzye
ザッ…ザッ…

にこ「……さっきの秋穂の話」

花陽「えっ?」

にこ「“あいどる”が母親って話」

にこ「秋穂がいたから言わなかったんだけど…」

にこ「昔、穂乃果と海未がそんな事話してたような気がするわ」

凛「え、じゃああの話は嘘とかじゃなくて…」

にこ「多分、本当の事でしょうね…」

凛「……でも“あいどる”は女性なんだよ?どうやって雪穂ちゃんと……」

にこ「あいつらの科学力や発明力があれば、どうとでもなるでしょそんなの」

花陽「……何にしても、私たちは秋穂ちゃんを信じるだけだよ」

にこ「そうね……あの子の原動力は穂乃果なんだし……寝返るなんてことはないわよね」

花陽「うーん…いや、寝返る云々って言うよりかは…秋穂ちゃんの思うようにやらせてあげたいなって…」

花陽「それでもし道を踏み間違えそうになったら、私やにこちゃんや凛ちゃん……周りの大人達が教えてあげればいいと思うんだ」

にこ「……そうね」

凛「そうだよね…とにかく、今まで通り接してあげるのが一番にゃ」

にこ「でもあの子……帰ったら多分、海未にも聞くわよ」

にこ「海未は……なんて答えるのかしら」
0461名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:13:29.75ID:GMUchzye
果南「じゃあ私はマリー…理事長のところに寄ってから帰るけど秋穂はどうする?」

秋穂「私は……また後で行くって伝えといて」

果南「了解、じゃあ一旦ここで解散だね」

秋穂「うん…そうだね」

果南「またね」スタスタ

秋穂「うん…」

秋穂「………」スッ

ピッ

プルルルル、プルルル…

『…もしもし?』

秋穂「海未おばちゃん…?あのさ、今から、会えない…?」
0462名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:17:47.31ID:GMUchzye
〜公園〜

秋穂「……」

ザッ

秋穂「……!」

海未「……秋穂」

海未「あなた……どこに行っていたんですか?」

秋穂「………」

海未「……テーマパークですよね」

秋穂「…!誰に聞いたの?」

海未「大家さんです。秋穂…まさかそのテーマパークというのは…」

秋穂「…そう、“あいどるランド”だよ」

海未「……なぜ黙って行くんですか」

秋穂「海未おばちゃんに……心配かけたくなかったんだもん……」

海未「っ!……はぁ、今回だけは不問にします」

海未「それで、話とはなんですか?」

秋穂「……うん」
0463名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:20:31.55ID:GMUchzye
秋穂「私、“あいどる”の子供なのかな」

海未「……!?誰からそれを?」

秋穂「アトラクションの中で“あいどる”が言ってた…」

海未「“あいどる”に会ったんですか…!?」

秋穂「うん…」

海未「な、何かされていないですか…!どこか怪我は…!」

秋穂「大丈夫だよ、なにもされてない…」

秋穂「でも、その発言だけ…すごく気になってるの」

秋穂「……もしかして、海未おばちゃんは知ってたの?」

海未「……それは」

海未「……知らなかったと言えば嘘になります」

秋穂「……!」
0464名無しで叶える物語(光)
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2020/07/05(日) 17:24:42.02ID:GMUchzye
秋穂「なんで今まで黙ってたのっ!?」

海未「確信が持てなかったからです……。それに、あなたには関係のないこと……それを知ることで色々危険も……」

秋穂「ッッ!!私に関係がない……?」

秋穂「ホントにそう思ってるの!?」バッ

海未「秋穂、落ち着きなさい…」

秋穂「……ッ」スッ

秋穂「……なにか他に隠してることないの」

海未「ありませんよ。それに…別にこの事だって隠していたわけではないんですから」

秋穂「………」
0465一旦落ちます(光)
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2020/07/05(日) 17:28:25.23ID:GMUchzye
秋穂「私…お母さんに会いたい」

海未「雪穂は……お母さんは今も行方知らず、会うのは不可能です」

秋穂「友達の知り合いの人に頼めばすぐ見つかるもん…」

海未「……今、お母さんに会って何をしたいんですか?」

秋穂「……子供がお母さんに会いたいって思うのはおかしいこと?」

海未「いいえ…。ただ、なぜ今なのかと私は聞いているんです」

秋穂「……“あいどる”に言われて気づいたの……私、お母さんの事何も知らないんだって」

秋穂「……“あいどる”が言ってた事も気になるし」

海未「言っていた事?何を言っていたんですか?」

秋穂「……殺戮者って」

海未「殺戮者……?」

秋穂「お願い海未おばちゃん…私、お母さんと会いたいの…お母さんの事を知りたいの」

海未「………」

秋穂「お願い…」

海未「……っ」

海未「わかりました…」
0467名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 15:53:55.74ID:8UYPe4RL
〜理事長室〜

コンコンコンッ

鞠莉「どうぞ」

ガチャ

秋穂「理事長…」

鞠莉「これはこれは…秋穂ッチじゃない。お帰りなさい」

鞠莉「果南から聞いたよ、色々大変だったみたいだね」

秋穂「うん、ホントに…色々ね」

鞠莉「……ただ、収穫もあった」

秋穂「……ねぇ、理事長、お願いがあるの」

鞠莉「なーに?」

秋穂「人を…探して欲しいの…」

鞠莉「おやおや?秋穂ッチが私的な理由で私にお願いなんて珍しいね」

秋穂「………」

鞠莉「……いいよ、私たちは協力関係にあるんだし」

鞠莉「それに……秋穂ッチのそんな顔を見て断るなんて、出来ないしね」

秋穂「理事長…ありがとう」
0468名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 15:55:46.98ID:8UYPe4RL
-数日後-

ガチャ

ムロタ「やっ、マリー」

鞠莉「ハロー♪ムロタさん」

鞠莉「頼んでたあれは?」

ムロタ「さっぱりだね…僕の持つコネクションをフルに使って探したけど…分かったのは数年前の滞在地だけだ」

ムロタ「今、どこで何をしてるのか…影も形も掴めなかった…」

鞠莉「十分です。すぐ秋穂ッチに連絡しましょう」

ムロタ「これはメモね、住所とか書いてあるから…秋穂ちゃんに渡しといて」

鞠莉「OK!サンキュー!ムロタさん♪」

ムロタ「うん、お安い御用だよ」
0469名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 16:02:54.31ID:8UYPe4RL




-数日後- 〜理事長室〜

秋穂「ありがとうございました!色々と調べていただいて…」

ムロタ「どうってことないよ、気をつけて行っておいで」

鞠莉「チャオ!」

秋穂「」ペコリッ

バタンッ

鞠莉「……ふぅ」ギシッ

鞠莉「……アンビリーバボーですね、まさか……高坂雪穂があそこにいたなんて」

ムロタ「今もいるかどうかはわからないけどね」

鞠莉「ふわぁ…私も最近あまり寝れてないし…少し仮眠しようかしら」

ムロタ「マリー、寝る前にこれ…見てもらってもいい?」スッ

鞠莉「……写真?これは?」

ムロタ「ハターキと“あいどる”の意見交換会の時のもの」

鞠莉「……これがなにか?」

ムロタ「マリー、眠気で視野が狭くなってるんじゃないのかい?」

鞠莉「むっ…失礼な!この写真がなんだって言うんですかいったい!」プリプリ

ムロタ「よく見なよ、ハターキの後ろに立ってる人物を」

鞠莉「ん〜…」 ジッ

鞠莉「……!OH……」

ムロタ「それ、どう見ても梨子だよね」
0470名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 16:14:30.06ID:8UYPe4RL
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ガチャ

果南「どうしたのマリー?急に呼び出したりして…」

鞠莉「果南…梨子が見つかった」

果南「え…う、嘘っ!?」

ムロタ「今度“あいどる”のイメージソングを作るハターキって人と一緒にいるみたいなの」

果南「え…そ、それって梨子ちゃん…」

鞠莉「……梨子が“あいどる”側なのかどうかはわからない」

鞠莉「だから調べてきてほしいの」

果南「調べてきてほしいって、どこに?」

鞠莉「……ニューヨーク」

果南「ニューヨ……え?」

果南「ええええぇぇ!?」

鞠莉「果南、今すぐニューヨークへ飛んで」

果南「ちょっと待った!!なんでニューヨークなの!?」

ムロタ「ハターキをニューヨークで見たという目撃情報が多数あってね」

鞠莉「ニューヨークではムロタさんの頼れる知り合いも少ないし…果南が自力でって事になるんだけど…」

果南「う、嘘でしょ?」

鞠莉「…………」

果南「本当なんだ……」

鞠莉「お願い果南、あなたにしか頼めないの」

果南「…………」

果南「……分かった、やっぱり梨子ちゃんの事は気になるし、行くよ」

鞠莉「果南…!」
0471名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 16:20:28.56ID:8UYPe4RL




海未「忘れ物はありませんか…?」

海未「何か困ったことがあればすぐ人に尋ねるんですよ…?」

海未「あ、あと!怪我なく帰ってくるように…!」

秋穂「大丈夫だって、海未おばちゃん心配しすぎだよ?」

秋穂「それに、目的地までそんなに遠くないし…」

海未「……ですが」

秋穂「……お母さんいるかな」

海未「………」

秋穂「あっ……そういえば、この前言いそびれちゃってたんだけど……“あいどるランド”でにこおばちゃんと凛おばちゃんと花陽おばさんに会ったよ」

海未「…!」

秋穂「海未おばちゃんによろしく言っといてって」

海未「そうですか……あの3人が」

秋穂「……あと絵里おばさんが脱獄したみたい」

海未「絵里が…」

秋穂「うん…」

秋穂「……じゃあ、そろそろ行くね!」

海未「えぇ…気をつけて行くんですよ…?」

秋穂「うんっ!」
0472名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:02:43.85ID:8UYPe4RL




曜「へっくちゅ…!」

ルビィ「曜ちゃん、大丈夫?」

曜「ズルッ…うん…大丈夫」

ルビィ「もうずっとお風呂入ってないよね…」

ルビィ「…お風呂入りたいなぁ…」

曜「こら!ルビィちゃん!」

ルビィ「あ、ご…ごめんなさい絵里さん」

絵里「え?なんで謝るの?お風呂は私も入りたいんだけど…」

曜「え!?」

絵里「え!?って…曜、あなた…私をなんだと思ってるのよ…」

絵里「私だってレディーなのよ?お風呂…入りたいに決まってるじゃない」

曜「そ、そうですよね…いやぁ…今の絵里さん、ちょっと野生っぽいから…」

絵里「…怒るわよ?」

曜「ご、ごめんなさい!」
0473名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:05:20.03ID:8UYPe4RL
絵里「それにしても、もうここのスラムで寝泊まりするのはダメね」

絵里「私たち、だいぶ注目を集めてるわ…」

絵里「このままだと何をされるか分かったものじゃないし、移動しましょうか」

曜「そうですね…。身の危険を感じる…」

ルビィ「お腹も減ったし…」

絵里「……っ、一昨日食べたばかりでしょ……」

曜「絵里さん…普通はそれだけ食べてないとお腹減るんですよ」

絵里「知ってるわよそんなことは…。我慢しなさいってこと…」

ルビィ「うぅ…」
0474名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:07:19.22ID:8UYPe4RL
グー

ルビィ「うぅ〜…///」

曜「なんか、すごくひもじいですね…」

絵里「我慢しなさい…」

男「おっ、そこのお姉さん!」

絵里「……」 スルー

男「ねねね!お姉さん!」

絵里「……」ツーン

男「……チッ」

男「じゃそっちのお姉さん達!」

ルビィ「ひっ…!」

曜「ちょっ…!」

男「俺と一緒に遊ぼーよ!」

グイッ

絵里「…ッッ!」キッ

絵里「その子達に気安く触らないで!」ドスッ

男「あぐっ…!?」ドサッ
0475名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:11:34.21ID:8UYPe4RL
曜「え、絵里さん〜!」

ルビィ「か、かっこいい〜…///」 キラキラ

男「て、テメェ〜…!」バッ

絵里「……」

兄貴「やめろ」

男「…あ、兄貴!」

兄貴「今のはお前が悪い…ナイフもしまえ」

男「……くそ」スッ

絵里「………」

兄貴「悪いな、俺んとこのもんが…」

絵里「ちゃんと躾はしときなさい。いちいち吠えられたら敵わないから」

絵里「………ん?」

兄貴「………あ?」

絵里「あなた、どこかで…」

兄貴「お前、どっかで…」

ルビィ&曜「……?」

絵里「………」




『俺はただ、母ちゃんに美味いモン食わしてやりたくて……その、食いっぱぐれないから……この仕事やってるだけなんだよ……!』




絵里「あっ…」

兄貴「あっ…!!」
0476名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:16:25.60ID:8UYPe4RL
兄貴「あの時の偉そうな女ッ…!」

絵里「思い出した…いつだったか私をナンパしてきた坊やじゃない」

曜「お知り合いですか?」

絵里「えぇ、昔にちょっとね」

絵里「自分の事は棚に上げて人に注意するのはやめときなさいよね、カッコ悪いわよ?」

兄貴「うるせぇ、ガキの時の話だろ」

絵里「そうね…ガキの時の話だし、子分にその話をしても大丈夫よね」

兄貴「えっ…馬鹿、やめろ!」

絵里「ふふ、そうよね…それは嫌よね?」

絵里「そんな坊やにお願いがあるの♪私たち、ずいぶんお風呂にもご飯にもありつけてないの」

兄貴「……きたねぇ女」

絵里「それ、どっちの意味で言ってるの?」

兄貴「どっちもだよ!あぁくそっ…ついてこいよ!」

絵里「うふ…ハラショー…♪」
0477名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:19:02.27ID:8UYPe4RL
スタスタ

曜「これ…どこに行ってるんですか?」

絵里「さぁね。でも、喜びなさい曜、ルビィ…今からお風呂に入れるしご飯も食べれるわよ」

ルビィ「えっ!ほ、本当ですか!!」

絵里「えぇ、話をつけといたわ」

曜「すごい……そういえば、絵里さんって英語も喋れるんですね」

ルビィ「頼りになるなぁ〜…」

兄貴「おら、ついたぞ」

絵里「……ここは?」

兄貴「俺たちのアジトだ」

兄貴「風呂は一応あるから…入ったらとっとと出てけ」
0478名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:26:36.13ID:8UYPe4RL
ガララッ

曜&ルビィ「……え」

絵里「……っ、あの坊や……何がお風呂よ……シャワーしかないじゃないの……」

曜「仕方ないですね…シャワーでも無いよりはマシだし、ルビィちゃん先に使いなよ」

ルビィ「え、でも絵里さんが先に…」

絵里「気にしなくていいわ、先に使いなさい」

ルビィ「あ、ありがとうございます…」

シャー…

曜「あー、これじゃ3人同時に入った意味なかったですねぇ〜…」

絵里「本当にね…まったく、きたないのはどっちよ…」

曜「………」ジー

絵里「……な、なに?」

曜「絵里さんって……今、おいくつでしたっけ……?」

絵里「え?いくつでしょうね……42、3だったかしら?」

曜「ふむ、にしては中々…」スッ

プニッ

絵里「ひゃっ…///」

絵里「よ、曜…?あなた、何してるの!?」

曜「いや、なんか…すごいなというか…羨ましいなと思いまして…」

絵里「だ、だからって…」
0479名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:31:38.91ID:8UYPe4RL
キュ…

ルビィ「はぅ〜!気持ちいい〜♪」

ルビィ「……って、曜ちゃん何してるの!?」

曜「ねぇ、ルビィちゃん、絵里さん凄い身体してない…?」

曜「私、同じ女として憧れるよ…」

絵里「い、いい加減にしなさいってば…曜…!」

絵里「ルビィ…!曜をやめさせて!」

ルビィ「………」

絵里「……る、ルビィ?」

ルビィ「ごめんなさい絵里さん、ルビィも……ちょっと興味があります……!」

絵里「は……?え……?」

絵里「あなた達……!こんな時に何を……ちょっとは緊張感を……って!」


〜〜〜アアアアアァァッッ…///


男1「なんかいいっすねぇ…///」

男2「行っちゃう?」

男3「女3人だろ?ヤレるぞ?」

兄貴「辞めとけぇ…お前ら…」

男1「兄貴、なんでですか!」

兄貴「マジで辞めとけって、後で絶対に痛い目見るから…」

男1 2 3「………」
0480名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:47:48.71ID:8UYPe4RL
ガララッ…

絵里「……ほんっっっとにもう!!」フキフキッ

曜「うぅ…絵里さぁん…これ、たんこぶ出来ますよぉ…」

絵里「自業自得よ…!」

ルビィ「ほ、本当にごめんなさい…なんか変な空気だったから…つい、成り行きで…」

絵里「……もういいわよ」

曜「で、でも!やっぱりシャワーとはいえ久しぶりだとサッパリしますね!」

絵里「そうね…本当に気持ちよかった」

兄貴「おい」

絵里「…ッ!…ドア越しでなに?」

兄貴「メシ代…ドアの前に置いとくから、身体拭いたら早く出てけ」

絵里「……ありがとう」

兄貴「ふんっ……別に……」

兄貴「見逃してくれた……あの時の礼だ」ボソッ

絵里「えっ?」

兄貴「…つーか、シャワールームで変な声出すな」

絵里「…!!」

絵里「〜〜///」カァァ…

兄貴「いつまでも人をガキ扱いしてると足掬われっぞ」スタスタ

絵里「……クスッ、まったくもう、言うようになったじゃない」

曜「…絵里さん、なんか嬉しそうだね?」

ルビィ「い、今のってロシア語かなぁ…?なにを話してたんだろうね…?」
0481名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 18:51:18.69ID:8UYPe4RL




果南「……さてと!ニューヨーク……来たのはいいものの……なんの手がかりもないし……どうやって梨子ちゃんを探そうかな」

果南「現地の人に聞き込みでもしてみる?」

果南「いやでも…私、英語なんてわからないしなぁ…」

果南「……まずい、よく考えたら、全然ノープランじゃん……」

果南「それに海外のこのアウェー感…!」

果南「……どうしよ」

果南「……とりあえず、動かないと始まらないか」

果南「よし…じゃあ、まずはあっちに行ってみよう」スタスタ
0482名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 19:16:24.93ID:8UYPe4RL



絵里「それじゃあ、ご飯でも食べましょうか」

曜「そうですね、あぁ!二日ぶりのご飯〜!」

ルビィ「絵里さんは…テイクアウトとかの方がいいですよね…?」

絵里「……そうね、お店に入ると私の顔を知ってる人もチラホラいるでしょうし」

曜「なら、ファーストフードにしましょう!」

絵里「そうね、腹持ちもいいし」




果南「知り合いがいないってこんなに辛いものなんだなぁ」

果南「それに言語が違うのってこんなに不安になるんだ……」トボトボ



曜「あっ!絵里さん、あそこに屋台式のホットドッグ店がありますよ!」

絵里「ならそれにしましょ、食べ歩きも出来るし」

ルビィ「じゃあルビィがまとめて買って来ます!」

絵里「ほんと?なら、お願いするわね」

絵里「はい、これお金」



果南「はぁ〜…」
0483名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 19:25:06.15ID:8UYPe4RL
曜「……ルビィちゃん、昔に比べて少したくましくなったかな」

絵里「……ま、こんな環境じゃ否が応でもそうなるわよ」

曜「そうかもしれないですね、仲間と離れ離れになったら……やっぱり、自分自身が強くなるしかないですしね……」

曜「たまたまルビィちゃんには私がいて、たまたま私にはルビィちゃんがいたけど……」

曜「……他のみんなはどうしてるのかな」

絵里「……あなた達の仲間って、他にはどんな子がいたの?」

曜「え?……うーん、そうですね〜」

曜「例えばあそこのポニーテールの子にすごく似て……る……」


果南「……」トボトボ


絵里「……?どうしたの?」

曜「え、嘘っ……か、果南ちゃん!?」

果南「え……?」

果南「……よ、曜ちゃん?」

絵里「まさか、本人だったの……?」
0484名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 19:31:08.32ID:8UYPe4RL
果南「……よ、曜ちゃん」

曜「果南ちゃん、無事だったんだ…」

果南「無事って…それはこっちのセリフ…だよっ…」ジワッ

曜「えっ…か、果南ちゃんどうしたの、泣かないで…」

果南「いや…なんか、心細かったから…」

曜「心細い?果南ちゃんらしくないね…でも本当に久しぶりだ…!」

果南「…曜ちゃんだけ?」

曜「いや…」

タタタタタタッ

ルビィ「お待たせしました〜!買って来たよ〜……って」

ルビィ「か、か、か、果南ちゃん…?」

果南「ルビィちゃん…!」

ルビィ「か、果南ちゃん……」ブワッ

ルビィ「うぅ…果南ちゃーん…!」ダキッ

絵里「……ちょっ……とっ!」ダッ

絵里「」パシッ

果南「ルビィちゃん…よかった…無事だったんだ…!」

絵里「……んもぅ、抱きつくのはいいけど……ホットドッグ落としちゃダメでしょ……全く」ハムッ

ルビィチャン~! カナンチャン~! ヨウチャン~!

絵里「……うふ……でも、良かったわね」
0488名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 22:58:09.43ID:8UYPe4RL
絵里「モグモグ…ねぇ」

曜「あっ…どうしました絵里さん?」

絵里「あなた達これからどうするの?」

絵里「彼女と一緒に日本に帰る?」

曜「え?……うーん」

果南「……曜ちゃん、この人は?」コショコショ

ルビィ「え、えぇ!?果南ちゃん知らないの!?μ'sの絵里さんだよっ!!」

果南「ちょ、ルビィちゃん声大き……って、あっ……あぁ!ほんとだ!あ、絢瀬絵里さん……!」

絵里「………」

果南「す、すみません…初めまして、松浦果南っていいます」

絵里「初めまして…よろしくね」
0489名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:02:33.39ID:8UYPe4RL
曜「あのね果南ちゃん、私とルビィちゃん、一度監獄の中に入れられた事があったんだ」

果南「か、監獄?」

ルビィ「うん、その時に助けてくれたのが絵里さんだったの!」

曜「……投獄されるタイミングが悪ければ……私たち、今頃……」

果南「本当に……無事で良かった……」

果南「………」

果南「」タタタッ

果南「あの」

絵里「……?」

果南「曜ちゃんとルビィちゃんを助けて頂いて本当にありがとうございます…!」ペコッ

絵里「別に大したことじゃないわ。でも……どういたしまして」

絵里「ねぇ……こんな所で立ち話もなんだし……どこかに移動しない?」

曜「それもそうですね!」
0490名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:10:05.67ID:8UYPe4RL
スタスタ

果南「うん…千歌と鞠莉は無事。今は日本にいるよ」

曜「千歌ちゃん……無事だったんだ……そっか、よかった……」ホッ

果南「曜ちゃんとルビィちゃんが見つかったから…あとは5人…」

ルビィ「お姉ちゃん……それにみんな、大丈夫かな……」


絵里「……(なんだか、羨ましいわね……)」

絵里「(私も……早くμ'sのみんなに会いたい……)」

絵里「………!」ピタッ

曜「あ、あれ?絵里さん…?」

絵里「………」

曜「あっ……ここ」

ルビィ「うわぁ〜!ここがニューヨークで有名な…!」

果南「セントラル・パークだね!」

絵里「………」
0491名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:11:57.69ID:8UYPe4RL
曜「いや〜!綺麗だね〜!」

果南「流石の広さだね」

絵里「………」

「暗い顔だね〜、絵里」

絵里「……!」

「思いふけって来ちゃった?」

「それとも勝手に足がここへ?」

ルビィ「……だ、誰だろう?」コショコショ

曜「さ、さぁ…」コショコショ

「絵里はドーンと構えとかないと」

絵里「……GOD」

果南「え…?ご、ゴッド?」

ルビィ「か、神様ってこと…?」

公野「」ニコッ
0492名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:13:17.05ID:8UYPe4RL
公野「いやいや、別に本当の神様じゃないんだよ?」

公野「この子たちが勝手にそう呼んでるだけ」

公野「本名は公野。以後お見知り置きを♪」

曜「あっ、はい!えっと、私はわたな…」

公野「Aqoursの渡辺曜だね、そっちが松浦果南でそっちが黒澤ルビィ」

曜&ルビィ&果南「!?」

ルビィ「じ、自己紹介もしてないのに…」

果南「な、なんで私たちの名前を…」

公野「うふっ…」
0493名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:17:17.81ID:8UYPe4RL
絵里「GOD…この子達で遊ぶのはやめてください」

公野「ごめんごめん!こういう子達が目を丸くするのが好きでさ」

絵里「……なぜここに?」

公野「昔から風の吹くまま気の向くまま、神出鬼没が私ってもんだったでしょ」

絵里「そんな事言ってるんじゃありません…。あなたが私の前に現れたってことは…何か、伝えたいことがあるからじゃないんですか?」

公野「……流石絵里、鋭いね」

絵里「あなたは昔から私たちがピンチな時にふらりと現れる…」

絵里「今回もそうなんですよね?」

公野「……うん、そうだよ」

公野「じゃあ、単刀直入に言うね…絵里、早く日本に戻ってあげなさい」

絵里「どういうことですか…?」

公野「……あんた達の最後の希望」

絵里「!……秋穂がなにか?」

公野「あんたが早く戻らないと……死ぬよ」

絵里「……ッ!」
0494名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:19:32.49ID:8UYPe4RL
果南「あの…」

公野「ん、なにかな?」

果南「絵里さんと、その……公野さんの関係って……」

絵里「……昔、μ'sが切羽詰まった時に色々とアドバイスをくれてたの」

公野「μ's、影ながら応援してたのよ。ま、ラブライブを優勝したのは紛れもなくこの子達の実力だけど…」

絵里「……私たちはGODのお力添えがあってこその優勝だと思ってます」

曜「だから敬意を示して神様なんだ…」

公野「……というか、あなた達だって」

曜「え?」

公野「……ま、いいや」

絵里「GOD、さっき言っていた秋穂の話はどういう事ですか?」
0495名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:23:49.93ID:8UYPe4RL
公野「どうもこうも…そのままの意味だよ」

絵里「……秋穂には海未がついているはずですが」

公野「……幼少期からずっと両親不在のツケが今、回ってきたって事よ」

絵里「……というと?」

公野「あの子の不安定な心のバランスを保っていたのは間違いなく穂乃果」

公野「ただ、彼女への信頼が秋穂の中で揺らいだ……“あいどる”のせいでね」

絵里「……その彼女というのは穂乃果の事ですか?」

公野「……あの子の人格を形成したのは穂乃果。あの子の中での穂乃果への信頼は揺るがないよ」

公野「ただ、自分が盲目的に信じてるものを他人に揶揄されると人は何が真かわからなくなるんだよね」

絵里「……彼女とは……雪穂ちゃんのことですか」
0496名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:31:03.02ID:8UYPe4RL
公野「……穂乃果が不在の今、あの子の心には常に痼りがある状態」

公野「海未や希に迷惑かけたくないからって一人で抱え込むかもね……」

公野「それに……穂乃果に似て、好奇心旺盛な所があるから、変なことに首突っ込むよ、あの子……」

絵里「………」

公野「海未も希も秋穂に甘い、結局、コントロール出来てないのが現状」

絵里「……私は海未や希のせいだとは思いませんが」

公野「うん、私もそうは思わないよ」

公野「……絵里が捕まっていた間、日本は変わった」

絵里「…日本だけじゃないです、ここも…」

公野「そうだね…“あいどる”もとい愛民党を支持する者は海外にもいる…絵里が言うように、このニューヨークだって例外じゃない」

公野「血の大晦日以降…“あいどる”への信頼は高まり続けてる」

公野「……早くあいつを止めないと、いつか外で“あいどる”の悪口さえ言えなくなる時代が来るよ?いや……もう来てるのか……」

絵里「………」
0497名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:35:17.61ID:8UYPe4RL
絵里「」クルッ

公野「もう行くの?」

絵里「はい、ご忠告ありがとうございます」

公野「ねぇ…絵里」

絵里「はい?」

公野「その子達の面倒を見るのは辛くない?」

曜「……えっ」

絵里「……いえ……そんな事」

公野「…闇に生きると決めたあなたには…この子達は眩しすぎるでしょ」

絵里「………」

公野「これからはどうするの?」

絵里「……日本に帰る方法を模索します」

公野「そう……」

公野「……絵里、これ」スッ

絵里「……これは?」

公野「私お手製の地図よ、ここに向かいなさい」

絵里「……ここに何があるんですか?」

公野「行けばわかるわ」

絵里「……わかりました、ありがとうございます」

絵里「……では、また」

公野「えぇ、気をつけてね」

絵里「……」スタスタ

曜「あっ!私たちも行k…」

グイッ

曜&ルビィ&果南「え!?」

公野「あなた達……絵里をよろしくね、あの子……ちょっとナーバスになってるところがあるから」

曜&ルビィ&果南「は、はい…」
0498名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:42:52.12ID:8UYPe4RL
スタスタ

曜「神様が言うナーバスって何を指してるんだろう?」

果南「……孤独とか」

曜「孤独?」

果南「絵里さんのは私の比じゃないんだろうけど、ここに来て曜ちゃん達に会うまで私…凄く孤独だったから」

曜「なるほど……確かに私達、そんな気持ちの絵里さんの前ではしゃぎすぎてたかも……」

ルビィ「ルビィは……虚無感とかじゃないかな……って」

曜「虚無感?」

ルビィ「絵里さん前に言ってたよね…ほら、ルビィが泳げないって言った時」

ルビィ「誰も救えなかったって…」

ルビィ「多分……穂乃果さんの事とかもあって……あんまり明るくなれないんじゃないかな……?」

果南「確かに……昔、写真で見た時とはだいぶ雰囲気も違うよね……」

曜「……でも、年下の神様に敬語使う礼儀とか」

曜「そういうのはイメージ通りだけど……」

絵里「……GODは私より年上だから」

曜「え!?」

絵里「内輪話ならもう少し小さな声で話しなさい……全部聞こえてるから……」

曜「……す、すみません」
0499名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:45:18.68ID:8UYPe4RL
果南「公野さん、年上なんですね…あんなに若々しいのに」

絵里「全然上よ……でも、初めて会った時から全く容姿が変わってない」

絵里「昔の私たちも……さっきのあなたたちみたいに自己紹介もしてないのに名前から性格まで当てられて驚いたわね……」

絵里「……GODに何を言われたかは知らないけど、別に気を使わなくていいから」

ルビィ「……絵里さん」

絵里「……ほら、ついたわよ」

果南「ここは……」

曜「……なんだろう?何かの施設かな?」

絵里「……入るわよ」
0500名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:48:34.69ID:8UYPe4RL
コツコツ…

ルビィ「なんだか薄暗くて怖いね…」

曜「全く人気がないや…」

果南「そういえば、ここに来るまでの道のり…あんまり人とすれ違わなかったような…」

曜「この部屋はオフィスかな?」

果南「乱雑に置かれた書類にファイル。ここにもう人はいないんじゃ?」

絵里「……ラボ」

曜「ラボ?」

絵里「……5階にラボがあるらしいから、行きましょ」

果南「あっ、向こうにエレベーターがありますよ!」
0501名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:52:27.75ID:8UYPe4RL
チーン、ガラッ

ルビィ「こ、このフロアはまだ明るい方かも…」

絵里「…………」

絵里「」コツコツ…

曜「ここがラボですかね?」

絵里「入るわよ」

ウィーン

果南「うわっ…入り組んでるなぁ…」

ルビィ「ルビィ…迷っちゃいそう…」

絵里「」キョロキョロ

絵里「……!」

絵里「これは……」スッ

ルビィ「……あっ!それって、昔のBiBiの写真……?」

果南「え?どれどれ?」

曜「うわ〜!可愛いっ!これが絵里さんで…にこさん…それに…」

絵里「………」
0502名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:56:29.13ID:8UYPe4RL
「何勝手に見てるのよ?」

絵里「……!」 クルッ

絵里「……真姫」

真姫「エリー、あなた…どうしてここが?」

絵里「GODがここに行けってね」

真姫「はぁ……本当にあの人は……」

ルビィ「あ、あわわわ…!」

ルビィ「μ'sの真姫さん…!ほ、本物だ〜!」

曜「ルビィちゃん本当好きだね〜」

果南「今も昔も、好きなものって変わらないもんだね」

真姫「……エリー、あなた何かの引率?」

真姫「それとも何かそういう仕事を始めたの?」

絵里「フッ…真姫もそんな冗談言えるようになったのね…」

絵里「……真姫がそんな冗談を言うってことは……何かやましい事でもあるってことかしら?」

真姫「……やましい事なんてないわ。でも……積もる話はあるのよ」

絵里「せっかく旧友と再開したんだもの。聞かせてもらおうかしら?」
0503名無しで叶える物語(光)
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2020/07/06(月) 23:59:35.92ID:8UYPe4RL
真姫「……はぁ」ギシッ

真姫「座れば?」

絵里「……えぇ」

真姫「あなた達も」

曜&ルビィ&果南「あ、ありがとうございます!」

絵里「……真姫、いったいここで何を?」

真姫「……エリーはあの後、すぐに“あいどる”から追われる身になったから知らないのね」

絵里「どういうこと?」

真姫「私はあのウィルスのワクチンを作ってたのよ、ずっとね」

絵里「海未たちは知ってるの?」

真姫「……おぼろげに」

絵里「……それで、そのワクチンは出来たの?」

真姫「えぇ…つい先日ね」
0504名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 00:03:37.22ID:UT7itLJ8
絵里「ワクチンは今ここに?」

真姫「いいえ…今ここにはないわ」

絵里「……なんでよ。つい先日出来たんじゃないの?」

真姫「今、ワクチンを配布したって意味がないでしょ?来るべき時に備えて作ったんだから」

真姫「それに…いきなり実用化なんて出来ないわ」

絵里「……人体実験でもするつもり?」

真姫「表向きは“あいどる”を支持していても裏では疎ましく思ってる連中は少なからずいるわ」

真姫「水面下で交渉していた後進国の首脳が快諾してくれてね。今はそこの人たちのサンプル待ちよ」

絵里「じゃあ今ワクチンはその首脳のところに?」

真姫「そういうことになるわね」
0505名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 00:06:57.90ID:UT7itLJ8
真姫「……ま、偉そうに説明してたけど、私はワクチンを作る行程では役に立ってないのよね」

真姫「専門分野じゃないし」

絵里「他に誰か協力者が?」

真姫「パパとパパの部下……それと、京極という名前の男性」

真姫「その中で先頭に立ってやってくれたのが…」

ウィーン

絵里「!」

京極「おや?これはこれは珍しい客人ですね」

絵里「彼は?」

真姫「噂をすればね、彼が今話していた京極くんよ」
0506名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 00:13:09.57ID:UT7itLJ8
京極「初めまして京極です」

絵里「どうも」

京極「お会い出来て光栄です、絢瀬絵里さん。穂乃果さんがいない今、“あいどる”に対抗出来るのはあなただけですからね」


ルビィ「あ、あっ!」

果南「そ、それは…!」

曜「言っちゃまずいんじゃぁ…」


絵里「……いえ、私なんて全然。私なんかより全然希望を持てる子がいますし……」


ルビィ「あ……あれ?思ってたよりぃ……」

曜「ノーリアクション?」


京極「それは秋穂ちゃんの事ですか」

絵里「……!ご存知なんですか?」

真姫「……京極くんは雪穂ちゃんの助手なの」

絵里「……え?」

絵里「本当?それ…?」

京極「はい。先生の助手を務めさせていただいております」

絵里「じゃあ…さっき言っていた、先頭に立って…っていうのは…」

真姫「……そっ、雪穂ちゃんのこと」
0509名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:24:21.54ID:UT7itLJ8
絵里「でも……その肝心の雪穂ちゃんが見当たらないんだけど?」

真姫「さっき言った後進国へのブローカー役が雪穂ちゃんよ」

絵里「……秋穂は知ってるの?」

真姫「知ってるわけないでしょ?そもそも、雪穂ちゃんが秋穂に会いたがっていないもの」

絵里「…!!どういうこと、それ?」

京極「先生はいつもおっしゃってました、こんな自分がどんな顔してノコノコ会いに行けるんだって」

絵里「………」

真姫「あのワクチンは雪穂ちゃんがいないと作れなかった」

真姫「いえ…もっと言えば雪穂ちゃん以外には作れないはずよ」

真姫「……雪穂ちゃんから私たちに協力したいと言ってきたのよ」

絵里「……それって、まさか」

絵里「いや……でも、そんなわけ」

真姫「彼女と話はしても、その辺について私は詮索しない……というか出来ないわよ」

真姫「デリケートな部分なんだし…」
0510名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:25:46.80ID:UT7itLJ8
絵里「……あの」

京極「はい?」

絵里「雪穂ちゃんは……真姫たちと合流する前はどこで何を?」

京極「え?えぇと……確か……日本の……」

・・・

曜「え!?」

果南「うそ…」

ルビィ「そ、そこって…」

絵里「………」





ガタンゴトンッ…

次は沼津〜次は沼津〜

秋穂「……お母さん」
0511名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:27:54.37ID:UT7itLJ8
絵里「沼津……ね」

真姫「さてと……とりあえず雪穂ちゃんの話はこの辺にしときましょう」

真姫「あのねエリー、あなたに……見てもらいたいものがあるの」

絵里「見てもらいたいもの?」

真姫「えぇ…京極くんもついてきて」

京極「わかりました」

ルビィ「あ、あの!」

真姫「……?どうしたの?」

ルビィ「る、ルビィ達も行っていいですか?」

真姫「構わないけど」

ルビィ「あ、ありがとうございます!」
0513名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:33:21.14ID:UT7itLJ8
京極「では皆さん、エレベーターへ」

ゾロゾロッ…

絵里「何階へ?」

京極「地下です」

曜「地下……」

絵里「地下にいったいなにが?」

真姫「………」

絵里「……真姫?」

真姫「……元々ここは、“あいどる”側の研究施設だったらしいわ」

絵里「………」

真姫「血の大晦日以降“あいどる”は別の施設へと研究スペースを移した」

絵里「何のために?」

京極「ここで血の大晦日に使用されたウィルスが作られていたんです。その発覚を恐れた“あいどる”は早々と撤退を決めたようです」

真姫「よほど慌てていたんでしょうね。ウィルス製造に使用した備品やら書類やらが置きっぱなしで、証拠隠滅を謀る余裕もなかったことは想像に難くないわ」
0514名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:39:36.66ID:UT7itLJ8
チーン、ガラッ

スタスタ

真姫「そんな中、この地下施設のガードだけは厳重だったのよ」

真姫「もともとここはスルーしてたの。雪穂ちゃんが来るまでは」

真姫「指紋認証は雪穂ちゃんに解除してもらってるわ、今必要なのはパスコードだけ」

真姫「京極くん」

京極「はい、少々お待ちください」ピツピッピッピッ

真姫「雪穂ちゃん曰く、建物の中で、この地下施設だけは血の大晦日以降も出入りされていた可能性があるそうよ」

絵里「……真姫、この扉の向こうに何があるの?」

真姫「……見ればわかるわ」

真姫「……エリー、私ね」

真姫「仲間に……エリーに久しぶりに会えて嬉しかった」

絵里「え?」

真姫「エリーはどうだった?」

絵里「そんなの当然、私も……嬉しかったけど」

真姫「……そう」

真姫「でも、今から見るものはもっと嬉しいと思うわ」

絵里「え?」

ピッ、ガシャン

京極「開きました」

真姫「入るわよ」

真姫「……そうだ」チラッ

真姫「あなた達も……心の準備はしときなさい」

果南「え、は…はい」
0515名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:42:28.71ID:UT7itLJ8
バタンッ…

グワンッグワンッグワンッ

果南「な、なにこれ…」

ルビィ「大きいカプセルがいっぱい……」

絵里「真姫、これは…?」

真姫「………」

絵里「………?」

曜「あっ…!」

絵里「…どうしたの?」

曜「よく見たらこのカプセル……中に人が!」

果南「え?」

果南「」ジッ…

果南「ほんとだ…」

真姫「……ここには何百というカプセルがあるの」

果南「ぜ、全部…中に人が入ってるんですか?いや、まさかね…」

真姫「……そのまさかよ」
0516名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:45:31.73ID:UT7itLJ8
曜「こういう球体のカプセルの中に人がいるのって、映画とかで見た事あるような」

曜「中にいるのは実はクローン人間で…っていう」

真姫「これに関してはクローンとかそういう類じゃないわ」

真姫「……ただ、中にある水が何かしらの作用で老化を抑えてるみたい」

絵里「なぜそんな事がわかるの?」

真姫「……それは」

ルビィ「えっ……」

絵里「…?どうしたの?」

ルビィ「この中に…花丸ちゃんが…」

曜「う、嘘…!?」

花丸『』・・・

曜「ほ、ほんとだ…なんで…」

ルビィ「なんで花丸ちゃんがこんなところに…?」
0517名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:48:59.51ID:UT7itLJ8
果南「ね、ねぇ…」

曜「どうしたの果南ちゃん?」

果南「これ、ダイヤだよね…?」

ルビィ「え…ちょ、ちょっと見せて…!」

ダイヤ『』・・・

ルビィ「ほんとだ……お、お姉ちゃん……だ」

果南「二人とも…ずっとこんなところに閉じ込められてたの…?」

ルビィ「お姉ちゃん…無事…なんだよね…?」

ルビィ「ま、真姫さん…お姉ちゃん達は…!」クルッ

・・・ポツン

ルビィ「あれ?」

ルビィ「真姫さんがいない…」

果南「あっ…そういえば、絵里さんもいない…」

曜「二人ともどこに…?」
0518名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:51:12.88ID:UT7itLJ8
絵里「真姫…どこに連れて行くつもり?」

真姫「来たらわかるわ」

スタスタ…

絵里「……」チラッ

女1『』・・・

絵里「……」チラッ

女2『』・・・

絵里「この子達はなんのためにこんな?」

真姫「…わからないわ」

絵里「雪穂ちゃんは?」

真姫「知らないって言ってたけど…」

絵里「……」

コツコツ…

ピタッ

絵里「…!」

真姫「……ここ」

絵里「なに?」

真姫「……これ」クイッ

絵里「…………ッッ!!!」
0519名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 02:55:31.54ID:UT7itLJ8
亜里沙『』・・・

絵里「亜……里……沙……?」

絵里「(えっ……いや……でも……)」

絵里「真姫……これって……?」

真姫「……μ'sが再集結してから、エリーに重荷を背負わせてたわよね」

真姫「エリーに…汚れ役を任せてしまった…」

絵里「……生きてるの……?」

真姫「……ここにいる子たちみんな、息はあるわ」

真姫「ただ、開けるタイミングは開いても安全と確認が取れてからにしようと思ってる」

絵里「……亜里沙」

亜里沙『』・・・

絵里「……っ」ツー…

絵里「……グスッ……亜里沙……っ……」

絵里「うぅ……よかった……本当に……っ、よかったぁ……」

真姫「亜里沙ちゃんがいなくなってからのエリーを見てるのは……本当に辛かった」

真姫「でも……一番辛かったのはエリーよね……」

真姫「叶うなら、私は……エリーに昔みたいに笑ってほしい」

絵里「うっ…うっ…うわああぁぁん…!!!」

絵里「エグッ……エッ……ウェッ……」

真姫「うん……でも今は……泣いてもいいから」
0520今日はここまで(光)
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2020/07/07(火) 02:59:17.24ID:UT7itLJ8
曜「え、絵里さん!?どうしまし……た?」


絵里「………うっ…グスッ…グスッ」


果南「……え、絵里さんが泣いてる?」

ルビィ「る、ルビィ……初めて見た」


真姫「感情を抑制してないといけなかったのよね…」

真姫「妹が死んで、笑ってなんていられなかったのよね…」

真姫「……いつ以来かしら、こんなに泣くエリーは」

真姫「……あぁ、あの時」

絵里「……ひっぐ……亜里沙ァ……」

真姫「……よしよし」ナデナデ


曜「いったい、なにが…?」

京極「家族との再会さ」

ルビィ「京極さん…」

京極「実に十数年振りのね…」


生きていた亜里沙を前にし、感情が爆発した絵里。
そして母・雪穂の情報を求め、沼津へと出向いた秋穂は……。

第5章「あの日その時この場所で」-完-
0523名無しで叶える物語(馬刺し)
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2020/07/07(火) 20:40:22.15ID:iuLPBYUs
曜とルビィもカプセルから出されたとすれば
二人とも見た目10代のままなのかな?
0524名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:04:36.52ID:UT7itLJ8
第6章「終わりの始まり」

〜沼津〜

秋穂「スー……」

秋穂「……ハー」

秋穂「ここにお母さんがいたんだ…」

秋穂「よし!早速、聞き込み開始だ!」

秋穂「あの、すいません!」

「なんだい?」

秋穂「えっと…この写真の女性を見たことありませんか?」

「いやぁ、知らないねぇ」

秋穂「そうですか…すいません、ありがとうございます」

秋穂「……あの!」

「なにかね?」

秋穂「この写真の女性を見たことありませんか?」

「いやぁ、ないねぇ」

秋穂「そうですか…」

秋穂「あの、すいません!ちょっとお聞きしても…」
0526名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:10:56.50ID:UT7itLJ8




-5時間後-

秋穂「だーーーっっれも!知らないじゃん…」

秋穂「……お母さん、本当にここにいたのかな?」

秋穂「あと聞いてないのは…あそこの旅館くらいかな」

秋穂「……十千万」

ガララッ

秋穂「あの、ごめんください!」

タタタッ

志満「あら?どうなさいました?」

秋穂「すみませんお忙しい中…」

志満「いえいえ、お気になさらずに」

秋穂「あの、私…人を探してて…いろんな人に聞き込みさせてもらってるんです」

秋穂「この写真なんですけど」

志満「どれどれ?」スッ

志満「あら、すごく可愛い子ねぇ…」

秋穂「昔の写真なんですけど…何かご存知ないですか?」
0527名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:21:10.42ID:UT7itLJ8
志満「うーん…ごめんなさい…ちょっとわからないわ…」

秋穂「そうですか…」

美渡「その子、数年前まで沼津にいたよね」

秋穂「え…」

志満「美渡…知ってるの?」

美渡「志満ねぇ、覚えてないの?ほら、あったじゃん数年前に町内会が急に言いだした謎の催し」

志満「あぁ…ダンスパーティー…そういえばそんなことあったわね…」

美渡「私たちも乗り気じゃなかったのに無理矢理オシャレさせられて行かされたじゃん」

美渡「その子、その時に見たよ」

秋穂「お母……その人は今も沼津に?」

美渡「いーや?数年前に出て行っちゃったよ」

秋穂「そう……ですか……」

秋穂「……お母さん」ポツリ…

志満「お母さん?」
0528名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:23:49.09ID:UT7itLJ8
志満「………」チラッ

美渡「………」チラッ

志満「………」コクッ

美渡「………」コクッ

美渡「確かその時のパーティー、参加者全員、ビデオメッセージみたいなの撮ったよね」

秋穂「……!」

志満「そんなこともしたわね〜」

秋穂「……あの、それって」

美渡「いいよ!私が町内会長に掛け合っといてあげるから」

秋穂「あっ…」

志満「……お母さんの事、何かわかるといいわね」

秋穂「あ、ありがとうございます…!」ペコリッ
0529名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:26:15.25ID:UT7itLJ8
町内会長「何年前じゃったかなぁ…」

町内会長「町内会の人間が何に感化されたんか、突拍子もなくダンスパーティーやりたい言うてなぁ…」

秋穂「はぁ…」

町内会長「ただ、唐突すぎて人の集まりが悪うての」

町内会長「旅館の看板娘二人になんとか来てもらって華は出たもんの、いかんせん、こじんまりしてもうてな」

町内会長「そんな時、街でたまたま歩いてる女の子を見つけてな、可愛いと思うたから、それに強引に誘ったんじゃ」

町内会長「最初は乗り気じゃなかったみたいじゃが、ワシの押しに負けての。あははは!!」

秋穂「………」

町内会長「………本題に入るか」

町内会長「言ってたもんはこれじゃな」

秋穂「そうです…そのビデオ…」

町内会長「当時、集まった人間に沼津への思いを語って貰おうと思ったんじゃが…その子だけな…」

秋穂「…?」

町内会長「まぁ、再生してみぃ」

秋穂「は、はい…」
0530名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:28:49.79ID:UT7itLJ8
ポチッ…

雪穂『………私が、こんなところに来ていいのか』

秋穂「……お母さんだ」

雪穂『姉は私のせいで死んだ』

秋穂「……え?」

雪穂『……娘には悲しい想いをさせた』

雪穂『私のワガママで日本を…世界を…地球を…混乱させてしまった』

雪穂『“あいどる”が支持される現状を作ったのは私……私が……』

雪穂『……虫のいい話と思われても仕方ない……私がそんな事を言う資格、ないのかもしれない……」

雪穂『でももし、このメッセージの意味がわかる人がいるなら……これを見てる時まだ“あいどる”が力を持っているなら……』

雪穂『誰か……誰か彼女たちを止めてください!』

雪穂『さもないと2035年に世界は終わってしまう…』

プツッ

秋穂「!?」

秋穂「…え?」

町内会長「切られたんじゃな、確か取り直しの分がもう一つあったと思うが」
0531名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:30:55.56ID:UT7itLJ8
秋穂「(……穂乃果おばちゃんが死んだのはお母さんのせい……?)」

秋穂「(2035年に世界は終わる…?)」

町内会長「あった、つけるぞ」

秋穂「……お願いします」

ポチッ…

雪穂『……秋穂』

秋穂「!」

雪穂『秋穂……こんな事を私が言える立場じゃないのかもしれない……だけど』

雪穂『絶対……幸せになってね』

プツンッ

秋穂「……お母さん」

秋穂「……うん」
0532名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:35:41.39ID:UT7itLJ8
秋穂「………」

町内会長「まぁ……茶でも飲めい」コトッ

秋穂「………」

町内会長「………」ズズッ

町内会長「思い出した事がある」

秋穂「……なんですか?」

町内会長「東京で巻き起こった、全身から血を出す病…」

町内会長「あれがこの沼津で起きた事があった」

秋穂「……沼津だけじゃない、それは全世界で」

町内会長「いや違うんじゃ。あの血の大晦日…東京大爆発が起きる前の話じゃ」

秋穂「……それって」

町内会長「日本で初めてあの病気が出たのは沼津なんじゃねぇか?」

秋穂「……そんな大事なこと、なんで知られてないんだろう?」

町内会長「……犠牲者が少なかったからな」

町内会長「なんてったって、沼津であの病気で死んだのは一人だけだ」

秋穂「一人?あの感染力で…なんでそんなに少ないんだろう…」
0533名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:39:12.18ID:UT7itLJ8
町内会長「ビデオの娘のおかげだ」

町内会長「あの女医さんが止めたんじゃな…今になって思うと」

秋穂「……女医?」

町内会長「……結局、この病気が沼津で出たのを知ってる奴らは俺を含めてごく僅かだ」

町内会長「だがここで起きていた方が東京での被害を減らせたのかもな…」

秋穂「……ちょっと待って。女医ってなに?」

町内会長「……岸壁の上に病院がある」

町内会長「そこで働いてたんじゃよ」

秋穂「………」

町内会長「あの女医さんがいなくなって、廃墟になってるが…良ければ行ってみるといい」

町内会長「お前さんの知りたいこともわかるかもしれん」

秋穂「……どんな人だった?」

町内会長「……ふと現れて、いつの間にかいなくなった」

町内会長「なにか悩みを抱えているようじゃったが……」
0534名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:43:18.36ID:UT7itLJ8




ギシッ…

町内会長「ここだ」

秋穂「……こんなところでお母さんは何を?」

秋穂「あっ…案内ありがとう」

町内会長「老人には少々堪えるな」

秋穂「ご、ごめんね…」

秋穂「……ねぇ、一ついい?」

町内会長「なんだ?」

秋穂「さっき、その女医さんが病を治めたって言ってたけど、ワクチンでも使ったのかな?」

秋穂「多分、病ってウィルス性のものだと思うんだけど…」

町内会長「ワクチン…まぁそうなんじゃないか」

秋穂「その段階でワクチンが完成してたなら、なんで2019年12月31日の血の大晦日で使わなかったのかな…?」

町内会長「……さぁな、その辺のことはワシにはよくわからん」
0535名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:45:30.68ID:UT7itLJ8
〜廃病院〜

ガシャ…ガシャ…

秋穂「ひぇ〜…ガラスの破片だらけ…」

秋穂「……」キョロキョロ

秋穂「……ん、ネームプレートに何か書いてある」

秋穂「文字が薄れててよく見えないや……え〜っと」

【Dr.KOUS…】

秋穂「……この部屋ってもしかして」

ガチャ、キィー
0536名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:47:46.39ID:UT7itLJ8
秋穂「……お母さんの部屋」

秋穂「……ここにお母さんがいたんだ」

スタスタ…パキッ!

秋穂「……!」

秋穂「……写真?」

秋穂「おばあちゃんとお母さんと穂乃果おばちゃん…」

秋穂「……音ノ木坂入学式の時の」

秋穂「……何か他にないかな?」

秋穂「引き出しとかに…」

ガラッ

秋穂「……!」

秋穂「これって…」スッ

秋穂「お母さんの……日記?」
0537名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:51:45.49ID:UT7itLJ8
秋穂「………」パラッ

秋穂「……え?」

秋穂「」パラッ

秋穂「え、え……これって……」

秋穂「そんな…」ズルッ

バサッ…

秋穂「……嘘……でしょ……」

秋穂「お母さんが……?」
0538名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:54:14.05ID:UT7itLJ8




〜東京〜

秋穂「」トボトボ

海未「秋穂」

秋穂「…!」

海未「…おかえりなさい」

秋穂「…ただいま」

海未「どうでした?お母さんの事、何かわかりましたか…?」

秋穂「……うん。……うん」
0539名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 21:57:12.35ID:UT7itLJ8
秋穂「……これ」スッ

海未「…?これは?」

秋穂「お母さんの……日記……」

海未「雪穂の?」

秋穂「……読んでみて」

海未「………」パラッ

海未「……培養に成功」

秋穂「その裏のページ…」

海未「裏のページ?」

海未「……」パラッ

【全身から出血した猿A】

海未「…!?これは…」

秋穂「…………」

海未「」パラパラ…

【……私が30万人の都民を殺した】

海未「これは…まさか…雪穂が…?」

秋穂「そう……。お母さんが……あのウィルスを作った、張本人……」
0540名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:04:06.43ID:UT7itLJ8




真姫「エリー…日本に行くのね」

絵里「えぇ、秋穂たちの事も気になるし」

真姫「でも……わざわざ密航する必要なんて」

絵里「仕方ないわよ、私は正規の船には乗れないんだから」

真姫「そうかもしれないけど…」

絵里「大丈夫よ、心配しないで。……ねぇ、真姫」

真姫「…?」

絵里「亜里沙を……よろしくね」

真姫「……えぇ、任せといて」

真姫「……雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん、必ずみんなで一緒に帰るから」

絵里「うふっ…ハラショー…♪待ってるわね」
0541名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:08:38.61ID:UT7itLJ8
曜「ルビィちゃん…本当にここに残るの?」

ルビィ「うん…花丸ちゃんやお姉ちゃんもいるし…」

真姫「それに、ちょうど私も助手が欲しかったのよね」

真姫「ま、利害の一致って感じかしら?」

ルビィ「は、はい!ルビィも真姫さんのお手伝いが出来るなんて光栄です…!」

真姫「うふっ…なら良かった♪」

ルビィ「えっと…果南ちゃんは飛行機で帰るんだよね?曜ちゃんは?」

曜「え?私?もちろん私は絵里さんと同じ船に乗るんだよっ!」

絵里「え!?曜…あなた、無理しなくてもいいのよ?」

曜「いえいえ無理なんて!私は生まれながらの船女ですから!」

曜「船があるなら乗り込むまで!ヨーソロー!」

真姫「う、うん…ま、まぁ気をつけてね…」

絵里「え、えぇ…」
0542名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:13:28.86ID:UT7itLJ8
絵里「じゃあ、そろそろ行くわね」

真姫「本当に雪穂ちゃんと会っていかなくてもいいの?」

絵里「私が会ったところで…ね。真姫に任せるわ」

真姫「……わかったわ」

真姫「そっちも海未や希によろしくね」

絵里「えぇ、伝えとく」

曜「ルビィちゃん、体調とか気をつけてね!絶対にまた会おうね!」

ルビィ「うん!またみんな揃って!」

果南「そうだね、またみんなで!……ってあれ?」

曜「ん?どうしたの果南ちゃん?」

果南「いや……私、なんか、忘れてるような……」

絵里「忘れるくらいなら瑣末なことでしょう?さっ、行くわよ」

ルビィ「あっ…え、絵里さん!」

絵里「……?……なにかしら?」

ルビィ「あの……こ、ここまで本当にありがとうございました!」ペコッ

絵里「……ふふっ、ハラショー♪」

絵里「こちらこそ、ありがとう……」

真姫「……ウフッ」

真姫「またね」
0544名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:23:47.93ID:UT7itLJ8




〜神田明神〜

希「これがその雪穂ちゃんの日記?」

海未「はい、かなり昔の事まで綴られていました」

希「……雪穂ちゃんがウィルスを」

海未「……しかし、詳しく読めば望んで作ったものではないという事も分かりました」

希「ウチらにとってはそれで良くても…秋穂ちゃんにとってはお母さんがウィルスを作ったっていう事実が辛いんよ」

海未「………」

希「今、秋穂ちゃんは?」

海未「……はい。すっかり寝込んでしまって、しばらく学校にも行けていません」

希「そっか……当然やね……だいぶショックを受けてるだろうし……」
0545名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:27:33.88ID:UT7itLJ8
希「日記には他になんて?」

海未「……えっと、その///」

希「……?なに、どうしたん?」

海未「その……だから……雪穂と亜里……ゴニョゴニョ///」

希「……えぇ!?なんて!?」

海未「その…///」モジモジ

希「〜〜〜っ!!」

希「もう〜!海未ちゃん、早よ言ってよ!何をそんなに照れてるん!?」

海未「だ、だから!雪穂と亜里沙ちゃんは……その……恋人関係にあったらしいんです……!!!

希「………」ポカーン

希「……知ってるよ?」

海未「え?」

希「当時、気づいてなかったのって海未ちゃんだけちゃうかなぁ?」

海未「そ、そうだったんですか…」
0546名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:37:41.64ID:UT7itLJ8
希「それで雪穂ちゃん達がどうしたの?」

海未「は、はい…日記によると雪穂と亜里沙ちゃんは自分たちの子供を設けたいと考えたようです」

海未「そうして、雪穂は木皿教授のご息女と細胞の研究を始めたそうです」

希「女性同士でも子供が作れるようにって?」

海未「そのようですね…。そして、この木皿教授のご息女こそが、穂乃果に秋穂を託したあの女性のようです」

希「あれ…?でも待ってよ、“あいどる”は秋穂ちゃんに自分はもう一人の母親だって言ったんやろ?」

海未「はい。それは恐らく事実だと思います…」

希「なら、“あいどる”は亜里沙ちゃんって事に…」

海未「いえ、重要なのはこの後なんです」
0547名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:46:45.78ID:UT7itLJ8
海未「日記によると、雪穂たちの研究に目をつけた女性がいたそうです」

海未「恐らくこの人物こそが“あいどる”かと…」

海未「雪穂は…協力しなければ父親を殺害すると脅されたみたいです」

希「………」

海未「……そして、協力しなかったためにお父さんは殺された……と、雪穂は記しています」

希「雪穂ちゃんのお父さんって確か…膵臓癌で亡くなったんじゃ…?」

海未「そうです。ですが…それはあくまでも表向きの死因で、実際は何らかの方法で…殺害されたんでしょう…」

希「………」
0548名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:52:44.78ID:UT7itLJ8
海未「そして別のページには、亜里沙の訃報を聞き、悲しみに明け暮れ、立ち直れなかった自分の前に現れた彼女に気を委ねてしまった…と、記されています」

希「……じゃあ、亜里沙ちゃんの不可解な死も、“あいどる”が一枚噛んでる可能性があるね」

海未「その後“あいどる”は次々とスクールアイドルを拉致し…更に、その子たちの監禁を始めたそうです…」

海未「これは穂乃果がヒデコから聞いたと言っていた、勧誘の事ではないでしょうか?」

希「“あいどる”はなんでそんな事を?」

海未「はい。次にこう記してあります」

海未「自身の卵子を精子へと変換させるために必要なプロセスであり、その適応者を探すため」

海未「この適応者とは…何のことなんでしょうか?」

希「……ウチらにはよくわからないね」
0549名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 22:57:09.06ID:UT7itLJ8
海未「その後、二人の間に生まれた女の子に…秋穂と名付けた…」

海未「そして…しばらくしてから穂乃果に預ける決断をした、と」

希「なんで穂乃果ちゃんに預けようって思ったんだろう?」

海未「それは……“あいどる”は危険と判断したからでは?」

希「そんなの秋穂ちゃんが生まれる前からわかってることやんか」

希「日記にはなんて書いてあるの?」

海未「それが…所々ページが破られていてよくわからないんです」

希「ふーむ…」

海未「亜里沙ちゃんの事もあり、寂しさから正常な判断が出来なかったのではないでしょうか…?」
0550名無しで叶える物語(光)
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2020/07/07(火) 23:02:22.90ID:UT7itLJ8
海未「その後……木皿教授のご息女は“あいどる”に洗脳されたため、疎遠になったとも書いてあります」

海未「……そして……ある年、“あいどる”から出されたオーダーが……」

希「あの血の大晦日に使われたウィルスってわけやね…」

海未「……はい」

希「……やっぱり、雪穂ちゃんにしかわからない事が多すぎるね」

希「カードもわからないって言ってる」

海未「……そうですか」

希「……まぁ、ウチらが今やるべき事は秋穂ちゃんのケアだよ」

希「……色々あって、きっと疲れてると思うんよ」

希「穂乃果ちゃんがいなくなってから……ウチらはあの子に随分救われたからね……」

希「今度はウチらが支えになってあげないとね!」ニコッ

海未「希…。はい…そうですね」
0551今日はここまで(光)
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2020/07/07(火) 23:07:15.56ID:UT7itLJ8




コンコンッ

海未「………」

コンコンッ

・・・シーン

海未「……秋穂?」

海未「入りますよ……?」

ガチャ

海未「……秋穂?いないんですか?」

・・・ガラーン

海未「あの子…いったいどこに…?」
0552名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:08:48.57ID:g1jNtSQP
〜ゲームセンター〜

秋穂「!!!!!」

バチンッ!!!!!

ピーピー

カカリインヲオヨビクダサイ…

ザワザワ…

女客「えっ…壊れた?」

男客「パンチングマシンを壊すなんて…」

女客「最近の子はストレス溜まってるのねぇ…」

秋穂「はぁ……はぁ……」

不良1「ねぇねぇ!お姉ちゃん!」

秋穂「……ふん」プイッ

不良1「華奢なのに、すげぇ力してんねぇ、カッコよかったよ」

秋穂「……」キッ

不良1「うっ…」

不良2「まぁそうカリカリしなさんな!せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」

不良2「地元ここ?見ない顔だけど」

秋穂「………」スタスタ

不良3「帰んの?車あるから送ってくよ!」

秋穂「」ピタッ

秋穂「……乗せて帰ってよ」

不良3「!!!」

不良3「へへ、任せときな…」
0553名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:11:40.16ID:g1jNtSQP
〜車内〜

不良2「大丈夫?狭かったら俺の膝の上にでも乗る?w」

秋穂「………」

不良2「……はっ」

不良3「ねぇ、さっきから窓の外ばっか見てるけど、面白い?」

秋穂「……あなた達と喋ってるよりかは」

不良3「」カチンッ

不良2「つか、さっきからなに聞いてんの?」

不良2「音楽プレーヤー?…古っ」

秋穂「触ったら承知しないから」

不良2「はは、機嫌悪いねぇ…」

秋穂「………」
0554名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:16:28.52ID:g1jNtSQP
秋穂「………」





秋穂「ねぇねぇ、穂乃果おばちゃん」

穂乃果「……」ガチャ、ガチャ

秋穂「穂乃果おばちゃん!!」

穂乃果「ん?どうしたの秋穂?」

秋穂「穂乃果おばちゃんはなんで歌えるの?」

穂乃果「え…?」

秋穂「秋穂以外のお客さん、欲しくないの?」

穂乃果「たはは…そりゃまぁ、欲しいよ」

秋穂「なんで欲しいと思ってるのに…なんで辛いのに続けられるの…?」

穂乃果「……秋穂」

秋穂「…?なーに?」
0555名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:20:05.76ID:g1jNtSQP
穂乃果「諦めないことが大切なんだよ?」

穂乃果「なんでも諦めずに最後までやり遂げる事が大切なの」

穂乃果「諦めずにやってたら、きっと何かが変わるから!」

秋穂「……そうなの?」

穂乃果「そうだよ〜!だって、私たちがそうだったんだもん!!だから保証するよ!」

秋穂「えへへ…そっか!」

穂乃果「うん、そうだ!」

秋穂「そっかそっか!」

穂乃果「そうだそうだ!」

秋穂「クスッ…」

穂乃果「プッ…」

穂乃果&秋穂「あはははは…!」





秋穂「諦めずに……か」

秋穂「」ジワッ…

秋穂「穂乃果おばちゃん……私、もうダメだよ……」
0556名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:29:34.83ID:g1jNtSQP
不良2「……寂しそうだね。これ、使ってみ」スッ

秋穂「なぁに…これ…?」

不良2「大丈夫。変なものじゃないよ?すげぇ気持ちよくなるから」

秋穂「………」

不良3「それ、カラフルで可愛いっしょ?」

不良3「嫌なこと全部忘れられるから」

秋穂「これを使えば、穂乃果おばちゃんに…会える…?」

不良1「あぁ…その穂乃果さんにもきっと…穂乃果…穂乃果…?」

不良1「いや待てよ…コイツどっかで見た事…」

秋穂「はぁはぁ…穂乃果…おばちゃん…私…!」

不良1「よく見れば……コイツ……あの高坂穂乃果に……なんか……雰囲気……」

不良達「…ッ!」ゾッ

キーッ!!

不良1「お、降りろ!」

秋穂「……っ!」ドサッ!

バララッ…

秋穂「あ…!」

不良1「やベェヤツ捕まえちまった…!出せ!」

不良2「で、でもクスリ渡したまんま…!」

不良1「いいから!早く出せ!」

不良3「あ、あぁ!」

キイイイィィ!!ブーン…
0557名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:32:59.01ID:g1jNtSQP
ザワザワ…

通行人女「あ、あなた…大丈夫?」

秋穂「あれ…あれ?さっきのやつ…どこかにいっちゃった…」

通行人女「さっきのやつ?もしかして、これ…?」スッ

通行人男「え…お、おい…それってMDMAってやつじゃ…」

通行人女「えっ、なに…それ?」

通行人男「薬物だよ…!見た目はそんなだけど…かなり危険なやつ…!」

秋穂「か、返して…!」バッ

通行人女「ひっ…!」

秋穂「はぁ…はぁ…!これを使えばまた穂乃果おばちゃんに…会える…会える…!」ジワッ

秋穂「…っ、お母さん、お母さん…」ツー…

秋穂「うっ…やだ、やだよぉ…もう…」

通行人男「も…もう使っちまってんのか?情緒不安定というか…なんか危ないぞこの子…」
0558名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:38:48.76ID:g1jNtSQP
通行人女「つ、通報した方がいい…?」

「ま、待ってください!」

通行人男「…!?」

千歌「その子は…私が預かります」

通行人男「あ、あんたは?」

千歌「私、こういうものです」スッ

通行人女「け、刑事さん?」

千歌「はい。ちょっと、通してもらえますか」

秋穂「はぁ…はぁ…」

千歌「秋穂ちゃん、ほら立って…」

秋穂「だ、誰?……誰ぇ」

千歌「千歌だよ…。とりあえず、ここじゃ人目があるから…」
0559名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:45:56.34ID:g1jNtSQP
ピンポーン

千歌「誰かいないかな…?」

ガチャ

千歌「…あっ」

海未「どなたで……。ッ!!」

千歌「う、海未さ…!」

海未「秋穂…!」

秋穂「……スー」

千歌「あっ…疲れて、寝ちゃったみたいです」

海未「そうですか…。あの、失礼ですが…あなたは?」

千歌「けい…いや、秋穂ちゃんの友達です」

海未「…そうですか。この子…こんな時間まで、いったいどこに…」

千歌「ここから離れたところでちょっと…」

海未「えっ?まさか…そこから秋穂をおぶって、帰ってこられたんですか…?」

千歌「あ、はい!タクシー使おうにもお金がなかったので…あはは…」

海未「ほ、本当に申し訳ありません…」

千歌「い、いえいえ!そんな気にしないでください!じゃ、じゃあ私はこの辺で…」

海未「あ、あの…!」

千歌「…はいっ?」

海未「よければ、上がっていってください」

海未「お茶くらいしか出せませんが…」
0560名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:53:49.57ID:g1jNtSQP
秋穂「……スー」

コトッ…

海未「……どうぞ」

千歌「あ、ありがとうございます!」

千歌「ズズッ……海未さんは、ずっと秋穂ちゃんの家に?」

海未「えぇ…。あまりにも帰りが遅いので、心配していたんです」

千歌「そうですか…」

千歌「……ちょうど私、ゲームセンターから男の人たちに連れられて出てきて、車に乗り込む秋穂ちゃんを見て……それで慌ててタクシーに乗って後をつけたんです」

海未「そんな事が……」

千歌「はい。中でなにがあったのかはわからないんですけど…」
0561名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 14:58:52.69ID:g1jNtSQP
千歌「しばらく走った後、秋穂ちゃん…外に出されたんです。まるで、放り出されるみたいに…」

海未「えっ…?」

海未「ま、まさか…何か酷いことをされたのでは!?」

千歌「あっ…いえ、そういう形跡はなかったんですけど…」

千歌「でも一歩間違えたらそれも……」

千歌「……車から降りた時の秋穂ちゃんはすごく混乱していて、私を認識する事も出来てませんでした」

千歌「……そして、手には薬物が……」

海未「……え?」
0562名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:07:52.78ID:g1jNtSQP
海未「……秋穂が……そんなものを……?」

千歌「たぶん、無理やり持たされただけだと思うんです」

千歌「だから…怒らないであげてください」

海未「……」チラッ

秋穂「…スー…スー…」

海未「……」

千歌「この歳の女の子じゃ…受け止めきれない事がたくさんあって当然ですよね…」

海未「……そうですね」

千歌「ズズッ…」

千歌「……私、そろそろお暇しますね!」

海未「あっ…そ、そうですか…?あの、今日は本当にありがとうございました…」

千歌「いえいえ、当然の事をしたまでですから!」

千歌「それじゃあ…」ガチャ

海未「」ペコッ

バタンッ

海未「………」

秋穂「……スー」

海未「」ギュッ…

秋穂「……ん」

海未「……私では代わりにならないかもしれません……。でも、側にいますから」

秋穂「……っ、ん……」

海未「………穂乃果」
0563名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:13:21.76ID:g1jNtSQP
-翌日- 〜理事長室〜

鞠莉「………」

果南「………」

曜「………」

鞠莉「まぁ…まずは曜の無事を喜ぶべきよね?」

果南「う、うん…」

鞠莉「でもね果南。私が果南をニューヨークに行かせたのは梨子の捜索で……ノー、怒るのはやめましょう……」

鞠莉「そもそも、あんなノーヒントで行かせた私にも責任はあるからね」

鞠莉「…それに、曜にルビィに花丸…それにダイヤが無事ってわかったんだから、結果オーライよね」
0564名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:18:21.57ID:g1jNtSQP
曜「あのさ鞠莉ちゃん」

鞠莉「ワッツ?どうしたの、曜?」

曜「千歌ちゃんは?三人はずっと無事だったんだよね?」

鞠莉「……千歌ッチは今、大忙しだと思うよ」

果南「え、どうして?」

鞠莉「ムロタさんもそうだけど……警察がね」

鞠莉「近々“あいどる”が秋葉原でパレードを開くみたいデスからね」

果南「パレード?」

鞠莉「えぇ、視察も兼ねたね…」

鞠莉「かなり大規模に行うみたいだから…人も大勢集まるはず」

鞠莉「今はその護衛なりの準備で人員を割いてるらしいよ?」
0565名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:24:54.29ID:g1jNtSQP




-パレード当日-

『ご覧ください!“あいどる”の勇姿を!』

『“あいどる”は徐行する車から、市民一人一人に目を向け手を振っています。現場は非常に和やかな雰囲気に包まれています!』

にこ「……こんなパレードをテレビ中継なんて、くだらないわね」

凛「……あれ〜?ねぇ、にこちゃん、かよちん知らない?」

にこ「花陽?そう言えば見てないわね…」

にこ「……まさか、この秋葉原パレードに行ったんじゃ」

凛「凛たちに何も言わずにかよちんが一人で?」

凛「はは。ないにゃないにゃ〜…」

凛「ん〜どこ行ったんだろう〜?」

にこ「…しかし…パレードねぇ…」
0566名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:35:27.86ID:g1jNtSQP
『凄まじい“あいどる”コールが響き渡ります!』

『“あいどる”のこの後のご予定は……』

秋穂「……」ジッ

海未「さて…お昼ですし、何か作りましょうか」

海未「秋穂、何か食べたいものはありませんか?」

秋穂「……ねぇ、海未おばちゃん」

海未「はい?」

秋穂「パレード…行きたい…」

海未「……ッ!」

海未「………」

秋穂「……ダメだよね」

海未「……わかりました」

秋穂「だよね………え?」

秋穂「海未おばちゃん……いいの?」

海未「たまには太陽の光を浴びないといけませんからね。構いませんよ…」

海未「ただし!私も同伴しますからね」

秋穂「……うん、わかった」
0567名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:39:29.61ID:g1jNtSQP




刑事2「高海」

千歌「………」

刑事2「高海…!」

千歌「えっ…?は、はい?」

刑事2「……お前なぁ」

千歌「す、すいません…」

刑事2「……まぁ、やる気が出ないのもわかるけどよ」

刑事2「このパレードの後、“あいどる”は各所の視察に行かれる。そして最後に神田明神へ参拝の予定だ」

千歌「神田明神…」

刑事2「もう明神が混雑してるらしい、行くぞ」

千歌「は、はい!」
0568名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 15:43:24.93ID:g1jNtSQP




ルビィ「真姫さん!」

真姫「なに?今、手が離せないんだけど…」

ルビィ「見てくださいこれ!」

真姫「いや、だから……んもう!なによ?」

真姫「なにこれ……パレード?」

ルビィ「こっちでも日本のこと放送するんですね〜…」

真姫「“あいどる”が出てると、どこもかしこも取り上げるのよ、バカみたいに…」

公野「本当にバカみたいだね」

真姫「ひゃっ…!」ビクッ

ルビィ「うゆっ…!」ビクッ

公野「そんなビックリしなくても…」

真姫「あなた…神出鬼没すぎよ」

公野「ごめんごめん!いやね、今日は真姫に見せたいものがあってさ」
0569名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 17:40:16.66ID:g1jNtSQP
公野「ハターキとコンタクトが取れてね」

真姫「ハターキ?」

公野「知らないの?今度“あいどる”のテーマソングを手がける人」

真姫「それがどうしたのよ?」

公野「ほらこの前、ルビィの友達いたじゃない?」

真姫「ルビィの友達……誰だったかしら」

ルビィ「果南ちゃん!」

真姫「あぁ…で、それがなによ?」

公野「あの子、本当はハターキを探しにニューヨークに来てたんだよ」

ルビィ「あっ…果南ちゃんが最後に言ってた忘れてる事ってそれだったのかな…」

公野「でさ、気になったから私なりに調べてみたのハターキを」

公野「そしたらあの人面白くてさ……ぷぷ」

真姫「……あなた、冷やかしにきたの?」

公野「違う違う!ま、いいや…余計な話は置いといて、これ見てみなよ!」
0570名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 17:50:03.95ID:g1jNtSQP
真姫「…これは?」

公野「歌詞ノート」

真姫「誰のよ?」

公野「……“あいどる”の」

真姫「……え!?」

公野「ハターキに貸してもらったの」

ルビィ「な、なんで、ハターキさんが…?」

公野「まぁ、情報提供…?あの人は完全な“あいどる”側じゃないからね」

真姫「……希望は悪の手で撃ち殺されるのよ」

ルビィ「え、真姫さん…?」

真姫「……歌詞よ」

公野「…それ、あの法則から考えてヤバくない?」

公野「“あいどる”は歌詞に忠実…」

真姫「……あっ」

ルビィ「……え?」

真姫「…っ、自作なんて、もうなんでもありじゃない…!!」

真姫「今日のパレード…マズいわ…」

真姫「秋穂が……殺される……」
0571名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 17:55:42.78ID:g1jNtSQP




ワーワーワーワー!!!!!

アイドルー!!!!!

海未「どこに行っても人混みだらけですね…!」ギュウギュウ

海未「秋穂、大丈夫ですか…?」

海未「……秋穂?」

・・・

海未「い、いない…!」

海未「……っ!もう、あの子は!」
0572名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 17:59:28.06ID:g1jNtSQP
千歌「あれ、先輩…?」

千歌「しまった…はぐれちゃった…」

千歌「あっ…テレビカメラ」

テレビリポーター「“あいどる”は今、世界で最も危険な道を進んで行きます!」

テレビリポーター「我らが愛する“あいどる”は世界の崩壊を唯一止めることができるお方です」

テレビリポーター「日本が世界に誇る“あいどる”が今ゆっくりと…そして堂々と国民に手を振っています!」

千歌「……こわいなぁ」


刑事1「」ニヤッ


千歌「!?」

千歌「あっ…あの人…!」

千歌「なんで、こんなところに…?」

千歌「……ッ!」タッタッタッ
0573名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 18:52:20.26ID:g1jNtSQP
ギュウギュウ…!

秋穂「ん…!んぅ〜…!」

スポンッ

秋穂「ぷはっ!」

秋穂「はぁはぁ…だいぶ人混みに流されちゃった…!」

秋穂「海未おばちゃんと…はぐれちゃった…」

秋穂「どうしよう…」

秋穂「というか、ここって…」

秋穂「神田明神じゃん…」

秋穂「そっか…今は下でパレードしてるから…まだここにはあんまり人が…」

秋穂「そうだ!せっかくだし、希おばちゃんに挨拶しとこ」

バンッッッ!

秋穂「!?」

「止まれ」

秋穂「あなた…」

刑事1「つぎは当てる」

秋穂「ブリトニーを殺した、あの…?」
0574名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 20:44:58.72ID:g1jNtSQP
ザワザワッ…

「今…あいつ、撃った…?」

「銃、持ってる…?」

「いや、いやあああああああぁぁぁぁぁ!!!!」

刑事2「全員伏せろ!」

刑事2「(あの野郎…ここで何を…!?)」


秋穂「なんでこんなところに…」

刑事1「“あいどる”がお前を“退部”させろってな」

秋穂「たいぶ…?」

秋穂「……私は“あいどる”に会って話をしないといけないの」

刑事1「それは無理な相談だ。何故ならお前は今ここで死ぬからな」

秋穂「………」

刑事1「おっと、逃げるなんて考えるなよ?」


ガラッ!

希「ちょっと!今のなんの音…」


刑事1「お前が逃げたら…こうだ」

バンッッッ!


バシュッッ…

希「がっ…!ッッ……!!!」ドサッ


秋穂「ッッ!!!!!」

秋穂「希おばちゃんッッ!!」
0575名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 20:56:28.64ID:g1jNtSQP
秋穂「希おばちゃんになんてことするのよ!!」

刑事1「今のは参考だから足を狙ったんだ。感謝しろよ、死にゃしない」

秋穂「……!」ギリッ

刑事1「お前が逃げたらここにいる奴ら全員殺す」


希「……あ、秋穂ちゃん……ッ……い、いいから、早く逃げや……!」


秋穂「……撃てば」

刑事1「…!流石は運命の子、肝が座ってる」

刑事1「じゃ…」

ダダダ…

刑事1「あ?」

秋穂「!」

海未「秋穂っ!」ガバッ

秋穂「海未おばちゃん…!?あ、危ないから逃げて!」

刑事1「どけよババア…お前ごと撃つぞ?」

海未「撃つなら私を撃ってください!」

海未「私の……私たちの子に手は出させません……!」

秋穂「……海未おばちゃん」

刑事1「ふんっ。バカが。お前一人が庇ったくらいじゃ、どっちにしろ貫通して二人とも死ぬ」
0576名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 21:04:34.03ID:g1jNtSQP
刑事1「だいたい…お前たちの子じゃないんだよ」

刑事1「神の子なんだよッ!」

秋穂「海未おばちゃん、私のことはいいから逃げて…」

海未「……っ」ギュッ

秋穂「……なんで」

刑事1「希望は悪の手で撃ち殺されるのよ」

秋穂「………」

刑事1「素敵な歌詞だ」ニコッ

刑事1「じゃあな」スッ

海未「!!」ギュッ!

秋穂「海未おばちゃん…」

刑事1「あははは!!」

秋穂「……くそぅ」
0578名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:36:56.01ID:g1jNtSQP
希「……ッッ!」グッ


ブルン……

刑事1「……あ?」

ブルンブルンブルンブルンッ!!!!

刑事1「なんだ……この音?」

秋穂「……バイク?」

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!!

ガンガンガンガンッ!!

刑事1「なに!?」

ブルンッ!

刑事1「あぶねぇっ!」サッ

キィィィィィ!

「…………」

刑事1「だ、誰だ!ヘルメットを取れ!ぶっ殺してやる」

「仲間を……」

「……秋穂を」

スッ…

刑事1「……ッ!お前は……!」

絵里「絶対、殺させやしないんだから」


希「絵里ち……」


秋穂「絵里…おばさん…」
0579名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:40:20.99ID:g1jNtSQP
刑事1「ふんっ…」スチャッ

絵里「…………」

刑事1「死ね」

秋穂「…ッ!ダメ!!」

バンッッッ…!

絵里「……?」

秋穂「……え?」

刑事1「…………あ、れ…?」

刑事1「………俺が…希…望……で…お前……らが悪……だった……のか…?」

刑事1「ゴパッ…」

刑事1「」バタンッ

イヤ、イヤアアアアアアアアアア!!!!!!!!

ニゲロニゲロ!!

絵里「……っ」ダッ

刑事1「」

絵里「……即死か」

絵里「……弾はまだあるわね」





酒井「」ニヤッ

酒井「ほら、拾えよ…拾えよ9番」
0580名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:43:31.27ID:g1jNtSQP
絵里「」キチャ…

絵里「伏せときなさい、いいわね?」

秋穂「う、うん…」

絵里「海未、秋穂を…」

海未「絵里…。わかりました…」

絵里「頼んだわよ」

絵里「…希!」


希「へ…?ど、どうしたん!?」


絵里「それで、止血しなさい」ブンッ


希「…っと!」パシッ


絵里「………」

秋穂「絵里おばさん…」

絵里「…ここにいて」

秋穂「でも、私…」

絵里「ここにいるのよ」

秋穂「……わかった」

絵里「……」コクッ

海未「……」コクッ

絵里「」ダッ
0581名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:46:15.49ID:g1jNtSQP
刑事2「落ち着け!落ち着いてこの場から離れろ!」

絵里「どきなさい」

刑事2「!?」

絵里「」スチャッ


「え…?い、いやああああああ!!!!!」

「あ、あれ…テロリストの…!絢瀬絵里よ!!!!!」

「いやああああああぁぁぁぁ!!こ、殺される!!!!」

ドタバタ…


絵里「……みんな、お利口さんね」

刑事2「待て!」

絵里「……なに?」

刑事2「あいつは……死んだのか?」

絵里「えぇ…即死だったわ」

刑事2「……絢瀬絵里」

絵里「…あなた警察?なら、私のことよりも階段の整理をしといてちょうだい。もしもの時、あの子たちがすぐに逃げられるようにね」ダッ

刑事2「あっ!お、おい!!」
0582名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:48:35.03ID:g1jNtSQP
ダダダッ

曜「絵里さん!」

絵里「どう曜?わかった?」

曜「はい!あそこです!あそこのビルの屋上から撃ったはずです!」

絵里「わかったわ、曜はここで見張りをお願い!」

曜「了解であります!」

絵里「……屋上ね」

絵里「」ダダダダダッ

…ガチャリ
0583名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:51:35.29ID:g1jNtSQP
ヒュー…

酒井「………」

絵里「……あなた」

酒井「よう、9番」

絵里「……あなたが撃ったの?」

酒井「あぁ」

酒井「ん?……9番、お前……ちょっと変わったか」

絵里「………」

酒井「いや…変わったんじゃない…戻ったのか」

絵里「……秋穂たちを襲った彼は“あいどる”側なんでしょ?」

絵里「つまりあなたのお仲間のはず。なぜ撃ったの?」
0584名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 22:56:01.53ID:g1jNtSQP
酒井「はっ…わからないのかよ9番…」

絵里「えぇ…さっぱりよ」

酒井「茶番なんだよ……このパレードも全部な」

酒井「あいつは神の子に歯向かって殺されるという役を演じてただけだよ、ノリノリでな」

酒井「ま、本人は知らなかったんだけどな」

絵里「………」

酒井「お前もまんまとのせられたんだよ9番」

絵里「なにが言いたいの…?」

酒井「パレードなら人も集まって、関心を持たせられる」

酒井「絶好の舞台なんだよ」

酒井「このパレードをキッカケに“あいどる”はなろうとしてるんだよ…」

絵里「……なにになろうとしてるのよ?」

酒井「本当の神にだよ…」
0585名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:00:01.31ID:g1jNtSQP
絵里「……人では神になれないわ」

酒井「人知を超越した存在になれば…それは神となるんだ」

酒井「お前たちも不可能と思われた事を実現して伝説と呼ばれたんじゃないのか?」

絵里「………あなた、どこまで知ってるの?」

酒井「教えるもんか」

絵里「………」

酒井「神だとか、伝説だとか…そういう称号は自分で付けられるもんじゃないんだ。こればっかりはな」

酒井「具体的になにをすれば人々は彼女を神と認めてくれると思う?」

絵里「……全人類を洗脳でもする気?」

酒井「……死ぬんだよ」

絵里「どういうこと…?」

酒井「キリストの話、有名だろ?」

酒井「イエスは死んだ後、蘇り…神となった」

酒井「人は死んだ後に生き返ると…神とみなされるんだよ…」

絵里「……!」

絵里「……ッッ!」ダッ

ガチャリ、バタンッ…

酒井「ふっ…」
0586名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:01:45.39ID:g1jNtSQP
ダダダッ

曜「ん?」

曜「え、絵里さん…?」

絵里「“あいどる”のところに行く。あなたは隠れてなさい」

曜「え、ど…どういうことですか!?」

絵里「“あいどる”が神になったら……世界は終わる」

絵里「……その前にあいつの正体を」ダッ

曜「ちょちょ…!絵里さんっっ!?」
0587名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:05:42.48ID:g1jNtSQP
絵里「はっ…はっ…!早く、あいつを止めないと…」

絵里「……!?あれは……」


花陽「……」キョロキョロ

花陽「」サッ


絵里「花陽…?」

絵里「いや…今は…」

ワーワーワー!!!

絵里「“あいどる”…!」

ワー!!!

絵里「ッ…どいてください…!」

ワーワー!!!!

絵里「どいてください!」

アイドルー!!!!

絵里「……ッッ!」

絵里「どいてッッ!!!」

「え?い、いやああああぁぁぁ!!!!?」

「な、なに…今の声?だ、誰が…?」
0588名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:10:10.50ID:g1jNtSQP
警察「貴様…!下がれ!“あいどる”に近づくな!」

SP「」バッ

絵里「………」

“あいどる”「やぁ、絵里ちゃん」

絵里「」バッ…

絵里「」スチャッ

イ、イヤアァァァァァ!!!!

テ、テロリスト…!!!

SP「」スチャッ SP「」スチャッ SP「」スチャッ

警察「発砲準備!!」

絵里「………」
0589名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:12:53.30ID:g1jNtSQP
“あいどる”「いいんだ、彼女は私の友達だから」

“あいどる”「それに市民に銃を…ましてや女性に向けるなんていけないよ?」

SP「………」サッ

警察「待機せよ…」

絵里「……マスクを取るのよ」

絵里「あなたの正体は…あなたは誰?」

“あいどる”「マスクを取ったら…私もみんなの仲間かな?」

絵里「……私たちの時代はもう終わった。あの時の今に置いてきたのよ」

“あいどる”「……そっか」
0590名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:15:32.11ID:g1jNtSQP
“あいどる”「そうやってあなた達はいつも、私を仲間はずれにする」

絵里「……何を言っているの?」

“あいどる”「そうだ、亜里沙ちゃん。生きていたんだね…おめでとう」

絵里「……ふざけないで。今はあなたが誰かを聞いてるの」

“あいどる”「……そっか、お礼はなしか」

絵里「あなたの何にお礼をしろっていうの?」

“あいどる”「亜里沙ちゃんが生きているのは私のおかげなのに」

絵里「……なんですって?」
0591名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:17:50.66ID:g1jNtSQP
“あいどる”「どんなに活躍しても、どんなに頑張っても…それを認めてくれる人はいない」

絵里「………?」

“あいどる”「所詮その程度の存在なんだ」

“あいどる”「私のやる事は当たり前で…だから、お礼もないんだ」

“あいどる”「やっぱり、損な役回りだよね」

絵里「なんの話……?」

絵里「……あなたは誰なの」

絵里「……ッッ。あなたはいったい誰!?」スチャッ

ヒィィィ!!!

イヤアァァァ!!!
0592名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:21:38.29ID:g1jNtSQP
“あいどる”「私を覚えてないの?」

“あいどる”「私の顔がわからない?」

絵里「だから、マスクを…!」

“あいどる”「なら、穂乃果ちゃんの顔も覚えてない?」

絵里「……穂乃果?」

“あいどる”「そんなわけないよね、穂乃果ちゃんは覚えてるのに…私を覚えてないなんて」

絵里「……なにを?」

“あいどる”「これを見ても…わからない?」スッ

絵里「……花?」

“あいどる”「昔、たくさん見たでしょ?」
0593名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:29:51.82ID:g1jNtSQP
絵里「……っ!」

絵里「いえ……そんなはずないわ……だって……」

絵里「いや、でも…」

絵里「あなた……まさか……」

“あいどる”「……」

バンッッッ!!

絵里「…っ!?」ビクッ

警察「ふ、伏せろ!!」

絵里「なに…?」
0594名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:34:21.31ID:g1jNtSQP
“あいどる”「あ……」

SP「ッッ!!!」

“あいどる”「あ、れ……」バタンッ

絵里「あっ…」

「い、いやあああああああぁぁぁぁ!!!!!」

「誰が…誰が!??」

「逃げろ逃げろ!殺されるッ!!」

「“あいどる”うううぅぅ…!いやあああぁぁぁ死なないでぇぇぇぇ!!!」

絵里「いったい…どこから?」

「あぁぁ…!この人よ!!この人が撃ったのよ!!」

絵里「…!」クルッ

フミコ「……終わった」

絵里「フミコ……?」
0595名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:38:43.84ID:g1jNtSQP
フミコ「終わりましたよ、絵里先輩」

絵里「フミコ…あなた、ここで何を…?」

フミコ「私が彼女の暴走を止めないと」

バンッッッ!

フミコ「私があ」プシャッッッ

絵里「!?」

フミコ「」

絵里「フミコッッ!!!」





酒井「ヘッドショット。よくも“あいどる”を」

酒井「“あいどる”…どうか、ご無事で…」
0596名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:47:24.34ID:g1jNtSQP
曜「絵里さんっ!!」

絵里「曜…」

曜「狙われてます!逃げて!」

絵里「ッッ……フミコ……」

フミコ「」

絵里「くっ…!そこを開けなさい!」 スチャッ

「いやああああああぁぁぁぁぁ……!!!」

「こ、殺さないで……!!!」

絵里「ッ…行くわよ…」ダッ

曜「はい…!」ダッ
0597名無しで叶える物語(光)
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2020/07/08(水) 23:52:46.31ID:g1jNtSQP




『“あいどる”が何者かによって銃撃を受けました!』

『“あいどる”は病院へと運ばれ、かなりの重体と予想されます」

凛「今のって…絵里ちゃん…?」

にこ「あの子なにして!」

凛「ね、ねぇ!“あいどる”は?」

にこ「わからない…わからないけど…あれじゃ多分…」

凛「……“あいどる”がもし死んだら……世界は平和になるのかな……」

にこ「どうでしょうね…もしかしたら」

にこ「逆かもね…」
0598名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:08:14.19ID:au0sXs95




ルビィ「ま、真姫さん…!テレビ…!」

真姫「見てるわよ…」

真姫「……ッ」

真姫「こんな終わり方って…」

公野「……本当にこれで終わりかな」

真姫「……どういうこと?」

公野「………」

真姫「……?」

ルビィ「絵里さんが“あいどる”を…?」

真姫「リアクションからして撃ったのはエリーじゃない…」

真姫「…っ、でも、こんなの…」
0599名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:12:08.67ID:au0sXs95




鞠莉「このまま“あいどる”が死んだら……なにもわからずじまい」

果南「これじゃ、梨子ちゃんと善子ちゃんの行方が…」

鞠莉「うん…。それに…このまま“あいどる”が死んで、日本が…世界が良い方に進むとは…正直、思えない」

ガチャ!

千歌「はっ…はぁ…はぁ…」

果南「千歌…!」

鞠莉「千歌ッチ…持ち場、離れても良いの?」

千歌「はっ…はぁ…もう…持ち場もなにも…ないよっ…はぁ…」
0600名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:17:29.14ID:au0sXs95
千歌「以前に話してた先輩は死体で発見されるし“あいどる”も…!」

果南「いや“あいどる”はまだ死んだわけじゃ…」

鞠莉「…いや…ダメだね…」

果南「え?」

『速報です!“あいどる”が逝去…“あいどる”がお亡くなりになられました…!」

果南「し、死んだの…?」

鞠莉「はぁ…」ギシッ

鞠莉「結局…“あいどる”の正体は…誰だったのかしら…」
0601名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:24:29.80ID:au0sXs95
大切じゃない人が死んだ時の気持ちって不思議な感じで、泣くとか笑うとか…もう、そういう概念じゃないんだ。

じゃあ、どんな気持ちかっていうと。ただ、ジッと見つめて最期を見届けようとするの。

私は…家のテレビで海未おばちゃんと希おばちゃんの三人で、その人の最期を見届けようとした。

私は…何故だか震えて、そしたら海未おばちゃんがギュッて抱きしめてくれた。

落ち着いた。すごくすごく…安心した。

でも、私とは対照的に…抱きしめてくれた海未おばちゃんの身体は少しだけ…震えてた。
0602名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:28:10.69ID:au0sXs95
私より長く生きてる人の勘だったのかな。今、考えると、海未おばちゃんはあの時、胸騒ぎしてたんだと思う。

アキバドームってさ、昔は野球とかする場所だったんだけど、今は歌手とかも使うの。

そのキッカケを作ったのは私の穂乃果おばちゃんがリーダーのμ's。

その場所が彼女の、葬儀場に決まった。

そして、その日を迎えた。
0603名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:31:13.84ID:au0sXs95
「人類滅亡が近い今、我々は最も大切なお方を失ったのです」

「あなたは私たちにとって、いつまでも唯一無二の存在であり続けるだろう」

「この模様は全世界の国・地域で同時生中継されており、世界中が偉大な英雄の死を悼んでいることでしょう」


ツバサ「先生、まもなく開場します」

山田「今日だな」

ツバサ「……先生?」

山田「今日、μ'sの名前は」

山田「あなたのものになる」

山田「………“あいどる”」

“あいどる”「」
0604名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:36:19.09ID:au0sXs95
『世界各国の首脳、各界の著名人、そして多数の一般人が“あいどる”の最期を見届けようと、このアキバドームにやってきました』

秋穂「………」

海未「秋穂…何か、飲みますか…?」

秋穂「……いや」

秋穂「いらない……」

希「……秋穂ちゃん、寒いんやし……コーヒーでも飲んだら……?」

秋葉「……いい」

希「………」

海未「そう…ですか…」

『天にまします我らの父よ…』

秋穂「………」
0605名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:41:20.33ID:au0sXs95




ガチャ

凛「ッ!」

花陽「…ただいま」

凛「かよちん!!もう、どこ行ってたの!?何日もいなかったから心配したんだよ!!」

花陽「う、うん…ごめんね」

にこ「花陽…“あいどる”が」

花陽「うん……らしいね」

花陽「もう、終わりでいいよね…私も…疲れた…」

凛「…?かよちん…?」

にこ「二人とも」

にこ「…始まるわよ」

『まもなく代表者による、スピーチが始まります』
0606名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:46:23.36ID:au0sXs95
司会「全人類の唯一の希望である“あいどる”」

司会「あなたを欠いた、日本は、世界は、地球は…きっと不安定になってしまうでしょう」

司会「しかし、私たちはあなたの教えに従い、明るく笑顔で…どんな壁にぶつかろうと、いつまでも歩み続けます」

司会「2019年の12月31日に起きた、あの血の大晦日。ホノカ一派を退け、いち早くワクチンを作り上げた、あなたの活躍は、いつまでも語り継がれることでしょう」

司会「“あいどる”が夢にされていた世界同盟は…私たちで必ずや」

司会「それでは、“あいどる”と親交が深いアメリカ合衆国大統領より弔辞を頂きます」
0607名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:51:27.67ID:au0sXs95




公野「私は神になる…」ブツブツ

公野「そして世界は血の海に…」ブツブツ

真姫「……さっきからなによ?ブツブツと……」

ルビィ「神様、怖い…」

公野「怖いって言われても…ノートに書いてあるんだもん」

真姫「ノートって歌詞ノート?別にもういらないでしょ…“あいどる”は死んだのよ…」

公野「死んだから悩んでるんだよ」

真姫「どういうこと?」

京極「なるほど…余ってしまったのですね」

真姫「京極くん…余ったって?」
0608名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 00:56:33.99ID:au0sXs95
公野「そう、余っちゃったの」

真姫「だからそれどういう事よ!」

公野「ニブチンだねぇ…真姫も」

公野「この歌詞ノート、大体の事は“あいどる”によって実現されてる」

ルビィ「“あいどる”がこうなった以上…もう歌詞は増えないんだよね…」

公野「いや、そうじゃなくてさ…死んだのに歌詞が2曲分余ってんの」

真姫「……あ」

真姫「まさか…そんな事…」

公野「……おそらく、そのまさかだよ」

ルビィ「え?え?」
0609名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:01:53.65ID:au0sXs95
京極「ゆゆしき問題ですね、これは…」

真姫「…どうすればいい…?」

公野「こんなの…どうしようもないよ…もう」

ルビィ「ま、真姫さん…」

真姫「…どうしたの?」

ルビィ「る、ルビィの見間違いかもしれないけど…い、今…なんか、動いたような…」

真姫「……?なにが……?」

ルビィ「……あいどる”が……」



0610名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:06:54.85ID:au0sXs95
司会「以上、大統領の弔辞でした」

司会「続きまして、献花のお供えを」

大統領「」スッ

スタスタ

大統領「……“Idol”」

“あいどる”「」

大統領「……」

“あいどる”「」ピクッ

大統領「……?」
0611名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:12:00.23ID:au0sXs95
“あいどる”「」ピクッ、ピクッ…

大統領「!?」

ザワザワザワザワ…

“あいどる”「」ガサッ…ゴソッ…

大統領「Oh my God…」

“あいどる”「」ムクッ

大統領「…It's a miracle」

“あいどる”「……」

“あいどる”「」コツコツ…
0612名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:17:02.69ID:au0sXs95
“あいどる”「……」

“あいどる”「」サッ

……ワ

ワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!

“あいどる”「………」

“あいどる”「………」スッ

ウオオオオォォォォォォォォォォ!!!

オォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

キャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!!!

アアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!


酒井「すごい……奇跡だ」


ツバサ「彼女こそ、人類の希望…」

あんじゅ「アメージング!本当に蘇ったのね」

英玲奈「神だ…神になられたのだ」

山田「……ははは」
0613名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:22:22.22ID:au0sXs95




秋穂「いや……。いや……いやっ……!」

海未「まさか…こんな事…」

希「う、嘘やん……」





凛「なんで…なんで生きてるの…!?」

にこ「わ、わからないわよ…!確かに…あの時…“あいどる”は…」

花陽「彼女は……本当の……神なのっ……?」





人々「アイドル!アイドル!アイドル!」

絵里「……っ」

絵里「やられたわね……」

曜「こんな…ありえないよ」
0614名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:27:28.65ID:au0sXs95




果南「そんな……こんなことって……」

千歌「こ、これって現実…?」

鞠莉「……クリスチャンじゃなくても知ってる、有名な話がある」

千歌「鞠莉ちゃん…?」

鞠莉「キリストは死んだ3日後に生き返ったんだよ…」

鞠莉「最悪だよ…最悪の展開だよ…」

鞠莉「アイツを止められる人間はもう……」

鞠莉「いない……」

千歌「……ッ」
0615名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:32:30.79ID:au0sXs95
千歌「……でも、穂乃果さんなら」

鞠莉「いない人間に頼っても仕方ないでしょ?」

鞠莉「バッドエンド……終わった。こうなるんだったらいっそのこと……」

果南「マリー……」

鞠莉「世界はあいつの手中に収められる……ほんっと……自分が無力で腹が立つ……」

果南「でも、なんで…ありえないよ、こんなの…」

千歌「……みんな」
0616名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:37:35.90ID:au0sXs95
その日…世界中の人たちは「μ's」の名前が入った小旗を振りかざした。 “あいどる”のために。

おばちゃん達の存在なんて、最初からなかったみたいに。

あたかも、それは最初から“あいどる”のものだったみたいに。

もう止められない。

誰にも。

ごめんね、おばちゃん。私、守りきれなかった。

ごめんね、お母さん。私が楽にさせないといけないのに。

ごめんね、みんな…。

本当に、ごめんね…。
0617名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:42:36.85ID:au0sXs95
-数日後- 〜国会〜

“あいどる”「随分…メンツが変わったね」

“あいどる”「あぁ…みんな“退部”しちゃったんだ」

“あいどる”「……さてと」

“あいどる”「確かあと、もう一つやりたい歌詞があったよね」

女「……あなた……誰?」

山田「」ピクッ

ツバサ「……」

“あいどる”「……君は木皿教授の娘さんだよね」

“あいどる”「会ったじゃないか、あの時」

女「………」
0618名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:47:45.63ID:au0sXs95
“あいどる”「世界は血の海と化し…それは美しい虹を描くだろう」

“あいどる”「うん、我ながらいい歌詞」

“あいどる”「……じゃ」

“あいどる”「やろっか」





その日、世界各地にウィルスがばらまかれた。

何億という人が死んだ。でも。

それは…とてもとても、美しい虹を描いた。

そして世界は。

滅亡した。
0619名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:53:03.22ID:au0sXs95




秋穂「……エッ、エッ」

海未「泣かないでください、秋穂……」ナデナデ

秋穂「エグッ……こんな時に穂乃果おばちゃんがいてくれたら……きっと、何かを変えてくれたのに……」

海未「秋穂……穂乃果は。もう、穂乃果は……」

希「秋穂ちゃん、みんないるから…。絵里ちも帰ってきた。きっとみんなでなら…なんとかなるから…」
0620名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 01:58:16.99ID:au0sXs95
秋穂「グスッ…グスッ…やっぱり私は…穂乃果おばちゃんみたいに…誰も悲しませずに、みんなを笑顔にしながら頑張るなんて出来ないよ…」

秋穂「グスッ…私は、私のやり方で…」

海未「……秋穂?」


“あいどる”の復活と同時に西暦は終わった。
あいどる歴が始まり“あいどる”は各国から要請を受け、世界大統領に就任した。
μ'sも…Aqoursも…秋穂も…。“あいどる”の暴走を……止めることはできなかった……。

第6章「終わりの始まり」-完-
0621今日はここまで(光)
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2020/07/09(木) 02:03:51.02ID:au0sXs95
〜北海道〜

ブゥーン…

「ふーんふーんふふふーん…」

「ふふふふーん…」

バス…バスッ

「あっ」

「……ありゃりゃ、またかー」

「大丈夫…!君ならいける、できるよ」

「やろうと思えば…なんだって出来るんだから!」

ブン…ブゥーン

「……よしよし!」

プスッ…

「あ、あれ…?」

プス…プスッ…

「…あちゃぁ…ガス欠だぁ…」


これは、あいどる暦2年の話。
彼女が東京に向かっている事をまだ、誰も知らない。

第6.5章「虹の向こう側」-完-
0623名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 17:54:50.57ID:au0sXs95
第7章「舞い戻る伝説」

『ありがとう』

『大丈夫、次こそ出来る!』

“あいどる”「ん、んんぅ…」

『3人でやらない?』

『一番になろう!』

“あいどる”「はっ…はぁ…はぁ…」

『じゃあ一緒にやろうよ!』

『いいよ、やってあげる』

“あいどる”「うん…うん…」

『勇気で未来を見せて』

“あいどる”「ははは…あははは…」

・・・

“あいどる”「……あ……?」
0624名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 17:56:06.35ID:au0sXs95
『・・・あなたが、こんな風に死ぬなんて・・・』

『ごめんね』

“あいどる”「!?」

“あいどる”「はっ!」ガバッ

“あいどる”「はぁ…はぁ…はぁ…」

“あいどる”「夢…?」

“あいどる”「今の…記憶は…?」

“あいどる”「……うっ……うぅ……」

“あいどる”「ううぅ……」
0625名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 17:58:17.96ID:au0sXs95




-あいどる歴3年-

「向こうだー!向こうにいるぞー!!」

「追えー!」

ダダダダダダッ…


絵里「はっ…はぁ…」

曜「絵里さん……もう、限界ですよ」

絵里「……やっとの思いで東京に戻ってきたのに、この仕打ち」

絵里「歓迎パーティーもなさそうね」

曜「…こんな時によく冗談言えますね」

絵里「…しかし、いつまでも親衛隊と追いかけっこしてるわけには行かないわね」

絵里「せっかく、東京に戻ってきたんだから…」
0626名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 18:14:03.57ID:au0sXs95
「不法侵入者を捕らえよ!」「不法侵入者を捕らえよ!」

「不法侵入者発見!」

絵里「ッ!行くわよ曜!」

曜「はいっ!…ッ!」

曜「った…」ドサッ

絵里「…!曜…!?」

曜「だ、大丈夫ですから…先に行ってください!」

絵里「足ね…?見せなさい…!」サッ

曜「……ッ」

絵里「こんなに腫れて…いつ…」

「捕まえろ!」

絵里「まずい…。おぶるわ…!」

曜「……行ってください」

絵里「いいから早く!」

曜「絵里さんに迷惑はかけられないんです!」

絵里「…っ。あぁっ!もうっ!じれったいわね!」サッ

曜「ちょ…絵里さん!」
0627名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 21:54:27.18ID:au0sXs95
タッタッタッ…

絵里「はっ…はっ…」

「追え!追え!」

曜「え、絵里さん!もういいですよ…!下ろしてください〜!」グググッ

絵里「……冗談」

絵里「絶っ対に下ろさないから!」

曜「絵里さん…」

曜「でも、このままじゃ本当に…」

「絵里さん!」

絵里「……!?」

こころ「こっちです!」

絵里「こ、こころちゃん?」

こころ「早く!」

絵里「……ッ!」タタッ…
0628名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 21:57:42.62ID:au0sXs95
「どこに行った?」

「くそっ!探せ!」

タッタッタッタッタッタッ…

こころ「……ほっ。行ったみたいですね」

絵里「こころちゃん、なんでここに?」

こころ「それはこっちのセリフですっ!」

こころ「それに絵里さん…親衛隊に追われてるみたいですけど…いったい何をやったんですか?」

絵里「壁を…超えてきたの」

こころ「えっ!?あんな高い壁を自力で…!?」

絵里「えぇ、なんとかなったわ」
0629名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 21:59:56.49ID:au0sXs95
曜「ッッ…い…」

絵里「曜…大丈夫?」

こころ「あら?お連れの方、怪我をされてるんですか?」

絵里「えぇ…ちょっと足をね…」

こころ「なら、我が家にご案内しますよ!」

こころ「近くなので!」

絵里「い、いいの?」

こころ「もちろんです!外にいたら奴等に捕まるのも時間の問題ですからね…」

絵里「……なら……お邪魔させてもらおうかしら」

曜「すみません…」
0630名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:02:53.44ID:au0sXs95
キュッ

ここあ「はいっ!これでひとまずは大丈夫なはず!」

曜「あっ、ありがとうございます!」

絵里「こころちゃん、東京でいったい何をしているの?」

こころ「……お姉様を探しに来たんです」

絵里「……そう。ここあちゃんと2人で?虎太郎くんは?」

ここあ「虎太郎は…“あいどる”が胡散臭いって外で言って、親衛隊に連れて行かれた…」

絵里「……虎太郎くんが」
0631名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:09:36.83ID:au0sXs95
こころ「お姉様は花陽さん達と共に行動してるとお聞きしたんですが…」

こころ「絵里さんは今、お姉様がどこにいるかをご存知ですか?」

絵里「……ごめんなさい、私もさっき言ったみたいに……数年ぶりに東京に帰って来たの」

絵里「にこ達の行方はわからない…」

こころ「……そうですか」シュン

絵里「それに、もしかしたら花陽は……」

ここあ「ねぇねぇ!なら、氷の女王って知ってる?」

絵里「氷の女王?」
0632名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:16:06.98ID:au0sXs95
ここあ「都民に武装蜂起を呼びかけてるんだ」

絵里「武装蜂起…」

こころ「なんでも、リーダーの女性がすごくカリスマ性があるらしいんです」

ここあ「でもでも!すごく冷徹らしくて、そこから付けられたあだ名が…」

ここあ「氷の女王!」

絵里「へぇ…」

こころ「…って、私。お客様にお茶も出さずに!いや…もうこの際ご飯も食べていってください!」

絵里「いや…!遠慮しなくていいのよ、こころちゃん」

こころ「いえ!お気になさらずに!ここあ、あなたも手伝って」

ここあ「はーい」
0633名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:18:53.55ID:au0sXs95
曜「……しかし、テレビもないし……なんだか、寂しいですね」

ここあ「いやいや〜、テレビなんて高くて無理だよ」

こころ「そうなんです。もう、税金を納めるのに精一杯で」

曜「テレビも買えないほどの税金って……“あいどる”に対して反発とか出ないんですか?」

こころ「デモなどは一応ありますよ。ありますけど…」

こころ「…みんな連れて行かれた」

絵里「……」
0634名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:21:50.68ID:au0sXs95
ここあ「あっ!でもラジオはあるよ!ほら!」

曜「おぉ〜!このご時世に珍しい…!」

ここあ「まぁ、なーんにもやってないんだけどね」

こころ「それ、壊れてるんじゃない?」

ここあ「ほんとに?」

曜「どれどれ〜…」ピーグルグル…

「……では、最後に今日の“あいどる”の声をお届けします」

曜「あっ」

ここあ「おっ」

絵里「………」
0635名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/09(木) 22:24:53.39ID:au0sXs95
ここあ「こんなのやってるんだ」

こころ「初めて聞きますね」

「……東京のみなさん、8月3日……未知のウィルスによって、人類は滅亡します」

絵里「………」

「私を信じ、私を愛する者だけが助かります」

ジー…

ここあ「なんだこれ?」

絵里「8月3日……ね」

こころ「ほら、ここあ…もういいでしょ?ご飯の用意するから手伝って」

ここあ「ん〜」スッ
0636名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:29:02.95ID:au0sXs95
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こころ「お待たせしました〜!どうぞ!」

ジィィィ…

曜「うわ〜!美味しそう!」

曜「いただきま〜す!」

絵里「……パクッ」

ジィィィ…

こころ「お口に合いますか…?」

曜「ん〜!!美味しいですっ!!」

こころ「ほっ…。良かったです!絵里さんはどうでしょうか?」

絵里「…モグモグ」

こころ「絵里さん…?」

絵里「…えっ…あっ、いや…すごく、美味しいわ!」

こころ「な、なら良かったです」

曜「……?」
0637名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:32:11.07ID:au0sXs95
曜「どうしたんですか?絵里さん」

絵里「いえ…なにか…聞こえない?」

ここあ「確かに…そういえばさっきから、なんだか変な音がするような…」

ジィィィ…

ここあ「あっ…これだ」

曜「ラジオですね。そういえば消すの忘れちゃってました…」

ここあ「なーんだ!消しとくね〜」

絵里「いや、待って!ここあちゃん!」

ここあ「え…?」

ジィィィ…

絵里「これは……ノイズとかじゃなくて……なにか……人の声みたいな……」

曜「人の声……?」

絵里「よく聞いてなさい」

……ジー ジー ジー ブソウホウキ……セヨ

曜「!!」
0638名無しで叶える物語(光)
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2020/07/09(木) 22:46:58.59ID:au0sXs95
曜「き、聞こえた…」

絵里「……ね?」

「……ブソウホウキ……武装蜂起せよ、8月3日……武装蜂起せよ、私は氷の女王……未知のウィルスは“あいどる”の真っ赤な嘘……みんなで……」プツンッ

曜「切れた…」

ここあ「すごいすごい!初めて聞いた!氷の女王の声!」

絵里「今の声……そうっ……氷の女王……あの子が……」

ここあ「でも、なんで途中で切れたんだろう?」

こころ「電波ジャックだったんでしょ。たぶん見つかって、電波が遮断されたのよ」
0639名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/09(木) 22:50:57.29ID:au0sXs95
こころ「ここあ、もうラジオは直しなさい」

ここあ「なんで?」

こころ「夜のテレビやラジオは法律で禁止されてるじゃない。親衛隊の人にバレたら連れて行かれるのよ?」

ここあ「そ、そういやそうだった!うぅ…それはやだなぁ…」

ジー…ボクハイマ

ここあ「ん?」

「家路を急ぐ…」

曜「歌…?」

こころ「歌…ですね」

「そんな毎日が君の周りで…」
0640名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/09(木) 22:53:59.45ID:au0sXs95
「ずっとずっと続きますように…」

絵里「ふっ…」

曜「これ、いい歌ですね」

こころ「もう!ここあ!消しなさいってば!」

ここあ「待ってよお姉ちゃん!これだけ聴かせて!」

こころ「んもぅ…」

ここあ「これがご近所さんが言ってた…謎の歌かぁ」

曜「どこの放送局だろう…それともこれも電波ジャック?」

こころ「……今、東京でちょっとしたブームになってるんです、この歌」
0641名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/09(木) 22:58:59.86ID:au0sXs95
絵里「ふふっ…懐かしいわね」

曜「え?絵里さん…知ってるんですか?」

絵里「えぇ…昔、無理矢理…聴かされたわ」

絵里「ブーム……か」

絵里「今、流行ってもね……」

絵里「昔に流行ってれば、あの子も助かったのかしら…」

「……グータラ〜スーダララ〜」

絵里「……え?」

こころ「え?」

曜「どうかしたんですか?絵里さん…?」

「グータラ〜スーダララ〜」

絵里「……私が知ってる歌詞じゃない」

絵里「……まさか?」
0642名無しで叶える物語(かぶらずし)
垢版 |
2020/07/10(金) 02:24:13.03ID:tBUD5V1u
原作の内容知らないから先が気になってしょうがないわ
0645名無しで叶える物語(馬刺し)
垢版 |
2020/07/11(土) 00:53:30.33ID:4NpUjWiP
保守
0646名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2020/07/11(土) 07:55:50.36ID:jllEk33W
穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを〜!」

ワイ「ええ店やったのになぁ…」
0647名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:28:45.61ID:cE6ldDgU




〜北海道〜

聖良「じゃ、理亞…行ってくるから、留守番お願いね」

理亞「行ってらっしゃい、気をつけてね」

理亞「……あんまり、姉様に迷惑かけないでよ」

善子「迷惑って…私のことなんだと思ってんのよ!かけないわよ!」

聖良「あはは…じゃ、行ってくるね」

ブルルンッ、キー

理亞「まったく…」スタスタ

理亞「……ん?」

理亞「これって……」スッ

理亞「こんなカセットテープ……あったっけ」
0648名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:30:54.49ID:cE6ldDgU
聖良「それにしても、2人で行くのは久しぶりですね」

善子「私、最近はずっっっと留守番でしたからね!」

聖良「出来ることなら、3人で行きたいんですが…何せ、2人乗りの車ですからね」

聖良「でも、久しぶりの食料探し…燃えるんじゃないんですか?」

善子「……もう、この北海道に食料なんて残ってないんじゃ」

聖良「………」
0649名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:32:43.28ID:cE6ldDgU
聖良「……いずれ、私たちもここから出ないといけなくなるでしょうね」

聖良「実際、たくさんの人が出て行きました…」

聖良「でも、ギリギリまで私たち…いや…少なくとも私はここに残ります」

聖良「ふるさとですから!」ニコッ

善子「……ま、まぁ……付き合いますけど」

聖良「ふふ…ありがとうございます」
0650名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:38:27.02ID:cE6ldDgU
キーーー!

ガチャ

聖良「私は向こうの工場に行ってみます」

聖良「善子さんはあっちの工場の探索、お願いしますね」

善子「はーい…ってヨ…!」

聖良「では、また後で!」タッタッタッ

善子「……〜〜〜」

善子「はぁ…」

善子「もう食べれる食料なんて缶詰ぐらいしかないわよね……」スタスタ
0651名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 12:41:41.70ID:cE6ldDgU
キィ…

善子「失礼しま〜す…」

・・・シーン

善子「……なんかもう雰囲気からして、食料なんて無さそうな感じなんだけど……」

善子「はぁ…わざわざ遠出してこれって…もうね…」

善子「東京では…みんな何してるのかな」

善子「ずら丸やルビィは元気にしてるかしら…」スタスタ
0652名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:44:37.64ID:cE6ldDgU
ピタッ

善子「……って」

善子「食料発見ッ!」

善子「缶詰ね……賞味期限は……まだ大丈夫じゃない!」

善子「久しぶりに探し当てたわ…!」

善子「ククク…やはり私の探知能力は人より優れてい…」

カンッッッッ…!!

善子「!?」
0653名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:47:24.45ID:cE6ldDgU
善子「……何?なんの音?」

善子「……だ、誰かいるの?」

善子「聖良……さん?」

善子「それとも、まさかまだ北海道に…私たち以外の人が…?」

善子「」ドキッドキッ

ノソノソ…

カンッッッッ!!

善子「わわっ!?」

善子「……な、なんなのよ!!」

善子「……あっちの方から聞こえたわね」スタスタ
0654名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 12:50:10.74ID:cE6ldDgU
スタスタ

善子「この扉の向こうから聞こえたわよね」

ガチャガチャ

善子「閉まってる…」

善子「…あ、あの」

・・・

善子「……あの!」

・・・

善子「……あれ?」

善子「おかしいわね……空耳だったの?」

「………なに?」

善子「いっ!」

善子「う、うわぁ…!」ドサッ
0655名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:02:49.51ID:cE6ldDgU
善子「い、いった〜…!」

善子「(…っ、いい歳して尻餅ついちゃったじゃない…)」

善子「…あ、あなた…誰?」

「お前こそ誰だよ」

善子「わ、私…?…私は…堕天使ヨハネ!」

「ヨハネ……お前……“あいどる”の手先か?」

善子「…はぁ?」

善子「何よ手先って!逆に“あいどる”が私の手先なぐらいなんだから!」

「あぁ…なんだ…ただの痛い人間か」

善子「…い、痛い言うなッ!」
0656名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 13:09:52.35ID:cE6ldDgU
善子「って言うか、こんな扉越しで喋るの…疲れるんだけど?」

「………」

善子「出て来なさいよ」

善子「(私がこんなこと言う立場になるなんて…)」

「…外はどうなってる?」

善子「外?」

「ウィルスだよ、ここが一番被害を受けた」

善子「……ほとんどの人が死んだ」

善子「……僅かに生き延びた人たちもみんな……比較的安全な場所へ移った」

「……敵は?」

善子「敵?」
0657名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 13:19:47.43ID:cE6ldDgU
善子「あんた、誰と戦ってんのよ…」

「裏切られたんだ……仲間に……」

善子「人にイタいとか言っといて……あんたの方がイタいじゃないのよ」

「お前と一緒にするな、俺は……“あいどる”に……騙されたんだ」

善子「…!」

「信用してたのに……くそっ、くそっ……」

善子「……あんな見るからに胡散臭いの、信用する方が悪いんでしょ」
0658名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/11(土) 13:24:07.84ID:cE6ldDgU
善子「……見返したいとか思わないの?」

「……俺は何もできない、1人では何も」

善子「私も…今、出来ることなんて何もないと思ってたけど…一緒にいる子たちの発案で…ラジオで音楽を流してるの」

善子「昔、私も放送とかよくしてたから…」

「そうか……お前らか」

善子「……?何がよ」

「……あの音楽、グータラグータラ言ってる歌をラジオで流してるの」

善子「っ、グータラスーダラだから!」

善子「いや、別に私が訂正する義理なんてないんだけど…」

善子「……去年だっけ?もうずいぶん前よ」

善子「私が、1人で留守番させられてた時に…その人は現れた」

善子「……ボロボロだったのに」

善子「すごく、オーラが……あったっけ」
0659名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:28:52.52ID:cE6ldDgU
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

-1年前-

善子「なんで私が留守番なのよッ!」

理亞「あなた、いつも何も見つけてこないじゃない!探すの下手なのよ!」

善子「ぐっ…ぐ〜…」

聖良「すみません、善子さん…すぐに帰って来ますから!」

ブルルンッ!ブウゥゥーン

善子「あぁ〜…もう〜!!」

善子「1人で留守番は暇なのよぉ〜!」
0660名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:32:53.48ID:cE6ldDgU
善子「なによ…私、もうずいぶんと食料調達に行ってないじゃない…」スタスタ

ザッ…

善子「!」

「…………」

善子「だ、誰…?」

「…………」

善子「い、生きてる…わよね?」

「………水」

善子「は…?」

「お水…ちょうだい…」バタッ

善子「えっ!?ちょ、ちょっと…」

善子「大丈夫…!?」ユサユサッ

「うぅ〜…」
0661名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:37:25.56ID:cE6ldDgU
「ゴクッ…ゴクッ…!」

善子「………」

「っぷはぁ〜!生き返る!」

「ありがとう!ホントに助かったよ」

善子「それはどういたしまして…」

善子「しかし、この北海道に私たち以外に人がいたとはね…」

「あ、ここ、北海道なんだ」

善子「え、知らなかったの…?」

「うん」

善子「……今までどこにいたの?」

「さぁ…どこにいたんだろう」
0662名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:41:21.36ID:cE6ldDgU
善子「…?」

善子「あなた…名前は?」

「名乗るほどの者じゃないよ、ただのシンガーだよ」

善子「……あっそう」

女性シンガー「そっちこそお名前は?恩人の名前を覚えときたいな!」

善子「ふっ、ヨハネよ」

女性シンガー「ヨハネちゃん…ヨハネちゃんか!よし!覚えとこう!」

善子「!!」パァァ…

善子「〜〜!ツッコまなくて良いなんて…いい人…!ヨハネ、感激…!」
0663名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:51:15.71ID:cE6ldDgU
女性シンガー「ご飯まで出してくれるなんて…!なんて優しい子…モグモグッ」

善子「あなた、今まで何してたの?」

女性シンガー「」ピクッ

女性シンガー「…記憶を無くしてて」

善子「え…き、記憶喪失?」

女性シンガー「何より…泣いてた…ずっと…毎日毎日」

女性シンガー「得体の知れない何かにずっと怯えてて…でも、誰かを守らなきゃって…思ってたの」

善子「…そうなんだ」

善子「…今は何してるの?」

女性シンガー「今?今は帰ろうとしてるよ」パクパクッ

善子「どこによ…」

女性シンガー「家だよ?……帰るって約束したし」モグモグッ

善子「家か…私もぶっちゃけ帰りたいわね…」

善子「……ちなみに、約束って誰としたの?」

女性シンガー「………」

善子「……?」
0664名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 13:54:55.33ID:cE6ldDgU
善子「そういえば…それは?」

女性シンガー「それって…このギターのこと?」

善子「そっ…それ、何か弾けるの?」

女性シンガー「いや〜、なんにも…」

善子「なによそれ……」

女性シンガー「あ、いや…1曲だけ弾けるや」

善子「…聴かせてよ」

女性シンガー「いいよ…!」

女性シンガー「…日が暮れてどこからか…」

善子「へぇ…弾き語りなのね」
0665名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:01:11.77ID:cE6ldDgU
女性シンガー「グータラ〜スーダララ〜」

ジャーン…

女性シンガー「…どうかな?」

善子「いいんじゃない?私は好きよ」

女性シンガー「そっかそっか!なら良かった…」

女性シンガー「…さてと、じゃあ…そろそろ行こうかな」

女性シンガー「ご飯、ありがとうね!」

善子「あっ…最後に…本当の名前…」

女性シンガー「…また」

善子「…え」

女性シンガー「また会えるよ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
0666名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:02:48.92ID:cE6ldDgU
善子「その時にコッソリ録音させてもらってたのよね…」

善子「あなたもいい曲と思うでしょ?」

「……あぁ」

善子「……ねぇ、そろそろ出てきたら?」

「帰れ」

善子「なっ…!なによぉ…急に!心配してあげてるのに!」

「頼んでない、帰れ」

善子「〜〜〜!!!」

善子「帰るッ!」

「そうしてくれ」

「……俺はずっとここにいる」

善子「……ふんっ!」
0667名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:07:06.91ID:cE6ldDgU
善子「ああもうっ!なんなのよ!なんなのよ!」

善子「まったく!ムカつくわね!」

善子「缶詰は重いし…!まったく、いくつ入ってるのよ!?」

善子「…って、これは」

善子「ヘリコプター…篭ってるあいつの…かしら…」

善子「……あ〜もう……知らないんだから、知らない知らない……」

善子「…聖良さん…早く来ないかな」
0668名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:09:51.93ID:cE6ldDgU
ブゥーン

聖良「今日は善子さんのおかげでお腹いっぱい食べれそうですね!」

善子「ふふふん!ま、私の能力にかかればこんなものです!」

聖良「ふふ…そうですね」

キッ

聖良「ただいま理亞。ごめんなさい、結構かかっちゃって…」

善子「ふふ、待たせたわね…」

善子「喜びなさい…!我がリトルデーモン!今日は存分にマナを回復でき…」

ダダダダダッ!!

善子「へ?」

理亞「善子おぉ…!あなたねっ!!」 ズイッ

善子「いっ!ち、近い…な、なによぉ…!」

理亞「このカセットテープ、いつ手に入れたの!?」

善子「え、えぇ…?それは…きょ、去年よ…」
0669名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:16:00.09ID:cE6ldDgU
理亞「なんでこんな大事なこと黙ってたのよっ!!」

善子「ど、どういうことよぉ…!勝手に放送したのがまずかったの…!?」

理亞「……あなた、このカセットテープの曲、誰が歌ってるのか本当にわからないの?」

善子「え?いや、本人はシンガーとしか言ってなかったけど…」

理亞「言ってた…言ってたってあなた…これを生で聴かしてもらったの!?」

善子「そ、そうよ?去年1人で留守番してた時に彼女が来て…」

理亞「うそ…来たって…ここに…?」

聖良「さっきからどういうことなの理亞?そのカセットテープはいったい…」

理亞「姉様も聴けばわかる!わからないのは善子だけ!」

善子「むっ…もう、いったいなんなのよ…!」

理亞「……いい?これを歌ってるのは間違いなく……」
0670名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:18:55.01ID:cE6ldDgU




〜園田家 道場〜

海未「…………」

ギシッ…

海未「………!」パッ

花陽「海未ちゃん」

海未「……花陽」

海未「久しぶりですね…」

花陽「うん…」
0671名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:22:58.46ID:cE6ldDgU
海未「……どうぞ、座ってください」

花陽「うん…ありがとう」スッ

花陽「……海未ちゃんは……家元を継がないとダメだもんね」

海未「……はい」

花陽「………」

海未「私はもう…やれる事はやりました…」

海未「家元を継いで…ずっと迷惑をかけてしまった母上に恩返しを…」

花陽「……やれる事はやったっていうのは……秋穂ちゃんのこと?」

海未「………」

海未「今まで、あの子の面倒を見ることで私も手一杯でした……」

海未「でも、今はもう…その必要もないので…」

花陽「…そっか」
0672名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:26:00.59ID:cE6ldDgU
花陽「海未ちゃん……私、秋穂ちゃんに会いたいんだ」

海未「…秋穂に?」

花陽「うん…」

海未「…なぜですか?」

海未「“あいどる”が蘇ったあと秋穂は…花陽、あなたのところに行ったと聞いていましたが」

花陽「……一時は協力を仰がれて、一緒に行動してた」

花陽「でも、秋穂ちゃんはだんだんやる事言う事が過激になっていって…ついに私たちと意見が対立しちゃって…」

海未「………」

花陽「今、噂になってる組織があるの…」

花陽「“あいどる”と敵対する過激派組織…リーダーはその冷徹さから、氷の女王と呼ばれてるって」

花陽「……この氷の女王って秋穂ちゃんじゃないのかな……?」

海未「………」
0673名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:32:13.01ID:cE6ldDgU
海未「……はい、そうかもしれませんね」

海未「……秋穂の件ですが……今、あの子と連絡を取るのは私でも難しいんです」

花陽「お願い海未ちゃん……私、秋穂ちゃんを説得したいの」

花陽「私たちの一派と秋穂ちゃんたちの一派で意見が対立して…それ以来もう絶縁状態なんだ…」

海未「…武装蜂起をやめさせるつもりですか?」

花陽「うん…止めた方がいいよ、絶対に」

海未「花陽も知っていると思いますが、秋穂は説得されてやめるような子じゃありません…」

花陽「………」

海未「しかし、花陽の言う通り……止めないといけません」

海未「秋穂は……穂乃果に似て、1人で抱え込む癖があります」

花陽「………」

海未「放っておいたら…本当に自らの命さえ、投げ出すかもしれません…」
0674名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:38:16.63ID:cE6ldDgU
海未「物心がつく前から母親である雪穂はいなかった…」

海未「幼少期に最愛の伯母を失った…」

海未「唯一の肉親である祖母とは会えなくなり……1人であの子はずっと戦い続けている」

海未「片親は誰かもわからない悪の権化……あの子の心情を思うと……私は……」

花陽「私もそう思うよ……だから秋穂ちゃんに何とかして……」

海未「……いえ、秋穂を止めるのは無理です」

花陽「え?」

海未「ですが…秋穂の手を汚さない事は出来ます」

花陽「それって…」

海未「……もう一度、私たちμ'sが立ち上がるんです」
0675名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:42:25.13ID:cE6ldDgU
花陽「う、海未ちゃん……本気?」

花陽「無理だよ……もう……私たちじゃ」

海未「…っ!何を弱気になっているんですか花陽!」

海未「あなたはボノカ一派のリーダーなんですよ…?もっと自信を持ってください!」

海未「……“あいどる”は世界を征服しました……あとはもう、人類を滅ぼす以外にやる事がありませんッ…!」

海未「“あいどる”の標的は私たちです……なぜ、ここまでμ'sを目の敵にするのかはわかりませんが……」

花陽「………」

海未「最近、思うんです……彼女ほどの力があれば……いつでもμ'sを……私たち8人を殺せたはずではと……」

海未「それをしなかったのは…何か理由があるからではないかと…」

海未「……もし、彼女の暴走の原因が私たちにあるとすれば……それを解決するのは娘である秋穂ではなく、私たちμ'sだと思うんです…!」

花陽「………」
0676名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:44:55.85ID:cE6ldDgU
花陽「」スッ

海未「……?」

花陽「」スタスタ

海未「花陽…?」

海未「どこに行くんですか…?」

海未「…花陽!」

花陽「」ピタッ

花陽「……海未ちゃん……もう無理だよ」

花陽「なるようにしかならないと思うの……」

海未「花陽…」

花陽「…やっぱり、私はリーダーに向いてない」

海未「そんな事……ボノカ一派をここまで率いてきたのは……他でもないあなたなんですから」

花陽「………」
0677名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:48:11.56ID:cE6ldDgU
海未「花陽、今ここで挫けてどうするんですか…?」

海未「私たちが踏ん張らないと…本当に世界は…」

花陽「……私には何もないから」

海未「え?」

花陽「海未ちゃんみたいな包容力とか統率力とか……穂乃果ちゃんみたいなカリスマ性もない……」

海未「……そんな事ないですよ」

海未「スクールアイドル部の部長だって、やり遂げたじゃないですか…。どうしたんですか、いきなり…」

海未「花陽にしかない長所はたくさん…」

花陽「……きっと、きっとね」

海未「……?」

花陽「きっと、“あいどる”は本当のアイドルになれなかったんだと思う…」

花陽「どこかで踏ん切りをつけて諦めていたけど…急に疎ましくなったんだと思う」
0678名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:50:53.38ID:cE6ldDgU
花陽「μ'sは…しっかりみんなで終わりって決めて…ちゃんとライブもやって…最後を迎えられた」

花陽「あの時の今が楽しくて…最高で…私たちはそれで満足だった…充実感もあったし…やり遂げたっていう達成感もあった…」

海未「………」

花陽「でも…本当にみんながみんな、そうだったのかな…?」

海未「……どういう事ですか?」

花陽「例えば…“あいどる”となった彼女はその後…虚無感に襲われたんじゃないのかな…」

海未「……虚無感?」

花陽「うん……まだまだやりたいって……一緒に歩みたいって……思ったんじゃないのかな……」

花陽「私、思うの…もしかしたら“あいどる”はどこかで……誰かに……中途半端に希望を持たせられたんじゃないのかな……って」

海未「………」

花陽「……μ'sのリーダーは間違いなく穂乃果ちゃんだよ」

花陽「その事に疑問を持ったことがある?」

海未「そんな事…私は一度だってありません…」
0679名無しで叶える物語(光)
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2020/07/11(土) 14:55:23.36ID:cE6ldDgU
花陽「そっか……そうだよね」

花陽「うん、私もないよ……やっぱりμ'sのリーダーは穂乃果ちゃんだもんね」

花陽「でも、その事に納得がいかない人もいるって事だよ…たぶん…」

花陽「リーダーをやって気づいたことがあるんだ…」

海未「気づいたこと?……何ですか?」

花陽「………」

海未「……花陽?」

花陽「……“あいどる”の気持ちなんて誰にもわからないよ」

海未「……そうかもしれませんね」

花陽「海未ちゃん、そうかもじゃなくて……そうなんだよ……?」

花陽「わからないんだよ、誰にも……それは穂乃果ちゃんだって、海未ちゃんだって、絵里ちゃんにだってわからないよ……」

海未「………」

花陽「………」

花陽「……秋穂ちゃんに会わないと」
0681名無しで叶える物語(茸)
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2020/07/11(土) 18:56:43.64ID:Oi9vNrXK
このSSの続きずっと楽しみにしてたから再開すごい嬉しいわ!
ラストまで頑張って欲しい
0682名無しで叶える物語(茸)
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2020/07/11(土) 18:56:46.46ID:Oi9vNrXK
このSSの続きずっと楽しみにしてたから再開すごい嬉しいわ!
ラストまで頑張って欲しい
0683名無しで叶える物語(なっとう)
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2020/07/11(土) 21:09:31.17ID:EIinu2ix
超大作の予感
0687名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 13:44:47.62ID:yQtVwzGX
-数日後-

海未「……花陽の様子」

海未「あれは…なにか…」

海未「………」

ガラッ

海未「……?」

こころ「海未さんッ!」

海未「こ、こころちゃん…?」

海未「どうしたんですかいったい、こんなところまで…」

こころ「こっちです!」テマネキ

海未「え?」

こころ「ついてきてください!」グイッ!

海未「え!?ちょ、ちょっと…!こころちゃん…!」
0688名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/12(日) 13:48:15.01ID:yQtVwzGX
タッタッタッ…

海未「こ、こころちゃん…!どこに連れて行くつもりですか…!?」

こころ「海未さんに会いたがってる人がいるんです!」

海未「あ、会いたがっている人…?」

海未「…ッ!それにしたって…!いったいどこまで…!」

こころ「あとちょっとですから!」グイッ!

海未「わっ…!」ヨロッ

こころ「あ…」

「…ッ!危ない…!」パシッ

海未「……ほっ」

海未「あ、ありがとうございます……って」

海未「絵里…?」

絵里「海未…大丈夫…?」
0689名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 13:51:31.78ID:yQtVwzGX
こころ「ご、ごめんなさい海未さん!」

こころ「私が引っ張りすぎたから…」

海未「いえ、気にしないでください。今のは私が足を引っ掛けただけですから」

海未「……それにしても、絵里……帰っていたんですね」

絵里「えぇ…つい先日ね」

曜「東京に帰ってくるまで2年ぐらいかかりましたもんね〜…」

海未「……あの、そちらの方は?」

曜「……あっ、そうだ!海未さんとは初対面ですもんね!」

曜「初めまして!私は渡辺曜って言います!」

曜「そうですね……絵里さんの……絵里さんの弟子です!」

絵里「……連れ人」

海未「そ、そうですか…」

海未「園田海未です。よろしくお願いしますね」

曜「はいっ!存じてます!」
0690名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 13:57:09.60ID:yQtVwzGX
海未「しかし……ここまで来るのは大変だったんじゃないですか?」

こころ「そうですね…移動は全部徒歩なので…正直疲れました〜…」

絵里「私の都合で新幹線や電車…公共の乗り物は使えなかったから」

曜「でもまぁ、4人で固まって歩いてたから、どのみち目立っちゃいましたけどね!」

絵里「なるべく人のいない道を通って来たから大丈夫とは思うんだけど……」

海未「あの……一ついいですか?」

絵里「どうしたの海未?」

海未「4人ではなく……3人では?」

曜「…え?」

海未「絵里に曜にこころちゃん…。3人ですよね?」

こころ「あれ?」

絵里「そう言えば…」

曜「1人足りないような…」

こころ「………ッ!」

こころ「ここあ……!ここあがいないです……!」

絵里「あ……!」
0691名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:01:18.34ID:yQtVwzGX




ここあ「あれ〜…」

ここあ「もしかして…迷ったかぁ?」

ここあ「この辺り、あんまり来ないから道わかんないよ〜…」

グ~

ここあ「〜〜〜ッ」

ここあ「お腹減ったな〜…」スタスタ

ここあ「……ん!」ピタッ

ここあ「ラーメン屋さんだ……食べた〜い!」

ここあ「でもお金な〜い……」

ここあ「はぁ……お姉ちゃんたち、どこだ〜」

ここあ「おーい!」
0692名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:05:13.10ID:yQtVwzGX
ここあ「人通りまったくないから訊ねることも出来ないしぃ…」

ここあ「それに、海未さんの実家…どこって言ってたか覚えてないし…」

ここあ「う〜ん…」

ここあ「……あっ、そうだ!」

ここあ「せっかくここまで来たんだし…にこお姉ちゃんを探しちゃおう!」

老婆「!」

グ~

ここあ「もしかすると、この辺りなら何か手がかりがあるかもしれないし……しかし、お腹減った〜……」

老婆「無料」

ここあ「…え?」

老婆「今ならラーメン無料」

ここあ「えぇ…!?」

老婆「中にいる娘に、店の前にいた老婆に無料と言われたと言いなさい」

ここあ「……ほ、本当に?無料?」

老婆「無料」
0693名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:09:50.32ID:yQtVwzGX
ここあ「やったー!ラッキー♪」

ここあ「ん?」

ここあ「(…でも、なんか怪しいなぁ…このおばあちゃん)」

グ~

ここあ「(うっ…だけど…)」

ここあ「(もう限界だし…いいや!入っちゃえ!)」

ガラッ

ガラーン…

ここあ「………ありゃ?」

ここあ「あの〜!」

・・・シーン

ここあ「全然、お客さんいないじゃん……それに店員さんもいない」

ここあ「というか、肝心のおばあちゃんが言ってた娘さんがいない…」

ダッダッダッダ

ここあ「!」

主人「へい!すみません遅くなって!」

ここあ「あれ?」

主人「へい?」
0694名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:12:54.46ID:yQtVwzGX
ここあ「私、娘さんが中にいるって聞いたんだけど?」

主人「娘さん…?…あ〜!はいはい!」

主人「その子なら、そこにいますぜ!」

ここあ「そこ?」キョロキョロ

ここあ「……どこ?」

主人「そこっすよ!ってほらほら漫画読んでないで反応してあげてよ…!」

主人「秋穂ちゃん!」

ここあ「秋穂?」

秋穂「」パタンッ

秋穂「……」

ここあ「うわっ…!?」

秋穂「……なに?」
0695名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:14:30.41ID:yQtVwzGX
ここあ「い、いつからそこに…!?」

主人「たぶん入店した時からいたっすよ」

ここあ「……う、うそー」アングリ

秋穂「それで、私に何か用?」

ここあ「あっ!えーと、ラーメン無料って店前にいたおばあちゃんに言われたんだけど」

秋穂「……作ってあげて」

主人「へいっ!」

秋穂「………」スッ

秋穂「………」ペラッ

ここあ「(ありゃりゃ…また漫画読み始めちゃった)」
0696名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:17:56.41ID:yQtVwzGX
ギィ…

ここあ「よいしょっと」

秋穂「」ペラッ

ここあ「……なんか、この辺り人いないね!」

秋穂「………」

秋穂「」ジッ

ここあ「え…な、なに?」

秋穂「………」ペラッ

ここあ「……!?(む、無視……!?)」

ここあ「(すっごい冷ややか…!)」
0697名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:21:01.54ID:yQtVwzGX
主人「へいっお待ち!」

ドンッ!

ここあ「お〜!美味しそう〜!」

ここあ「お姉ちゃんを探す景気付けに…!」

ここあ「いっただっきま〜す!」

ここあ「ズルズル!」

秋穂「………」ジッ

ここあ「……ん、ん?」

ここあ「にゃに…?」

秋穂「いや…美味しそうに食べるなと思って」

ここあ「うん!美味しいよ!」
0698名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:25:32.99ID:yQtVwzGX
秋穂「あなた…」

ここあ「ふぇ?ズルズル」

秋穂「どこかで会ったことある?」

ここあ「……わたひ?にゃいとモグモグおおうズルズルけど……」

秋穂「…ごめんなさい、食べてる最中に話しかけて」

秋穂「食べてからでいいや…」

ここあ「うん、ズルズル」

ここあ「(…なんだ、案外普通に喋るんだ)」
0699名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:27:36.96ID:yQtVwzGX
ゴクッ…ゴクッ…

ここあ「ぷはぁ〜!美味しかった!」

ここあ「ご馳走様ッ!」

秋穂「……あのさ」

ここあ「ん?あぁ、なんだっけ?」フキフキ

秋穂「さっきお姉ちゃんって言ってたけど、そのお姉ちゃんの名前って…」

ここあ「にこ!矢澤にこだよ」

ここあ「……え?もしかしてっ!お姉ちゃんを知ってるの?」

秋穂「………」
0700名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:30:38.34ID:yQtVwzGX
ここあ「あれ?待てよ?」

ここあ「そういえば私もどこかであなたの声を聞いたことある気がぁ…」

ここあ「ん〜…と…」

秋穂「………」

ここあ「どこでだっけ……」

ここあ「……ぶそ……武装……あっ!」

秋穂「………」

ここあ「思い出した!あなた、もしかして…」

ここあ「……いや、そんなわけないか〜!」

秋穂「……そうだよ」

ここあ「え!?」

秋穂「私だよ……。私が……氷の女王」
0701名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:33:48.11ID:yQtVwzGX
ここあ「氷の女王……ほ、ほんとなんだ」

秋穂「……どうする?ラーメン、まだ食べる?」

ここあ「い、いや!もういい、お腹いっぱい!」

秋穂「そうっ…」

秋穂「……おばあちゃんから無料で食べる事を許されたって事はあなたは白って事だ」

秋穂「……でも、そっか……にこおばちゃんの……」

ここあ「……えっ?にこおばちゃん?」

秋穂「いや、なんでもないの……忘れて」

ここあ「……??」
0702名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:39:39.08ID:yQtVwzGX
秋穂「……もう帰れば?」

ここあ「(ラーメン食べるって聞いたり、帰れって言ったり忙しい子だな)」

ここあ「ま!お腹も膨れたし、そうしようかなぁ」

主人「えっ!?」

ここあ「えっ、なに!?」

主人「い、いいのかい秋穂ちゃん!?せっかく仲間になれそうな子なのにッ!」

秋穂「………」

主人「チャンポン達が使えない今、戦力補強は急務だろうに…」

ここあ「(チャンポン…?長崎の?)」

秋穂「……いらないよ」

秋穂「……ねぇ」

ここあ「んっ!?なに?」

秋穂「……にこおばちゃんなら凛おばちゃんたちと一緒にいるはずだよ」

ここあ「えっ!?や、やっぱりあなた…お姉ちゃんを知って…!」

ここあ「……お姉ちゃんは今、どこに?」

秋穂「……どこにいるかまでは知らない」

秋穂「そう…生温い…ボノカ一派のことなんて…知らないもん…」

ここあ「……生温い?」

主人「……そうかい」

主人「さっ、食ったなら帰った!帰った!」ドンッ

ここあ「……え、えぇ!ちょ、ちょ〜〜!」

ガラッ、バタンッ

秋穂「……はぁ」
0703名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:43:38.84ID:yQtVwzGX
ガララッ

秋穂「帰った?」

主人「ふぅ…。あぁ、追い出してからもしばらく秋穂ちゃんと話がしたいって喚いてたが、ようやく帰ったよ」

秋穂「……そう」ペラッ

主人「……しかし、氷の女王ねぇ」

主人「誰が言い出したか知らねぇがそんな子じゃないんだがなぁ」

秋穂「……」ペラッ

主人「伯母さんの友達の妹を死地に連れ込むのは抵抗があったんだろう?」

秋穂「……別に……そんなんじゃ……ない」ペラッ

主人「……フッ」

秋穂「」パタンッ

主人「!」

秋穂「アジトに戻る。しばらくここには来れないから、お店も閉めといて」

主人「あいよ」

秋穂「よろしくね」

ガラッ、バタンッ…

主人「……非情になりきれてねぇんだよなぁ。女王さんよ」
0704名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:47:27.18ID:yQtVwzGX
バタンッ

老婆「いらなかったかい?」

秋穂「……ごめんなさい、せっかく勧誘してくれたのに」

老婆「にこの妹なら白なのは間違いないし、いい戦力になると思ったんだがねぇ」

秋穂「……白なのは間違いないけど」

老婆「……気が引けたか?」

秋穂「……アジトに戻るね」

老婆「秋穂」

秋穂「なに?」

老婆「……穂乃果は生きてる」

秋穂「…………」

秋穂「……もう、聞き飽きたよ」

秋穂「……生きてるならなんで帰ってこないの?」

老婆「………」

秋穂「いらないよ、同情なんて…」スタスタ
0705名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 14:51:45.51ID:yQtVwzGX
トボトボ

ここあ「はぁ……女王様、もっとお姉ちゃんのこと知ってそうだったのに」

「ここあーー!!」

ここあ「!」

こころ「ここあ!」

ここあ「お姉ちゃん!なんでここに?」

こころ「なんでここにって…あなたを探してたのよっ!」

ここあ「あっ、そっか!ごめんね」

こころ「ほんとにもう…」

こころ「さっ、皆さん心配してくれてるんだから、早く来なさい」

ここあ「はーい」
0706名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:01:04.24ID:yQtVwzGX




海未「こころちゃん一人で探しに行かせてよかったんですか?」

曜「やっぱり、私も行きましょうか?」

絵里「大丈夫。こころちゃんももう立派な大人よ」

絵里「……本題に入りましょう」

海未「……はい」

絵里「海未、単刀直入に聞くわ」

絵里「氷の女王は……秋穂ね?」

海未「……おそらく……いえ」

海未「きっと、秋穂です…」

絵里「……そうよね」
0707名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:19:23.72ID:yQtVwzGX
絵里「武装蜂起の話は知ってる?」

海未「聞きました、存じています」

絵里「……私には、秋穂が大勢の都民を扇動して、自分や人の命を粗末にするとは……どうしても思えない」

海未「……あの子が変わったのは……全部、私のせいです」

絵里「……海未のせいじゃないわ」

絵里「そう…言うなれば、あの子を取り巻く環境の全てが……変えてしまったのね」

海未「……もし、こんな事がなければ……もっと……もっと普通の愛らしい女の子に育ったはずなんです、秋穂は……」

絵里「そうね……。あの子が見てきた現実は……あまりにも残酷すぎたわ」

絵里「物心がつく前から、彼女は戦い続けてる」

海未「……その緊張の糸はいつ切れてもおかしくありませんでした。ですから……そうならない様に、私がもっと愛を注いでいれば」

絵里「いいえ、海未は充分なほどの愛情を持って育ててきたはずよ。秋穂もそれは理解してるはずだわ」

絵里「……ただ、あの子にとって……穂乃果の穴はなんぴとも埋めることが出来ないのよ……」

海未「………」
0708名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:24:17.70ID:yQtVwzGX
絵里「……秋穂に会わせてちょうだい」

海未「……」

絵里「きっと、どこかにアジトがあるはず。海未、あなたなら知ってるんじゃないの?」

海未「……花陽にも聞かれましたが。すみません、私も知らないんです、本当に……」

絵里「…………花陽?」

絵里「花陽がここに来たの…!?」

ガシッ!

海未「…っ!」

海未「え、絵里…?は、はい…先日1人で…」

絵里「ダメ…花陽に秋穂を会わせてはダメ!」

海未「え、え…?」

海未「なぜですか…?」

絵里「………」
0709名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:33:23.87ID:yQtVwzGX
絵里「あのパレード…“あいどる”が暗殺されたあの日…私は1人で裏路地に入りこむ花陽を見たの…」

海未「えっ…?あの日、花陽もパレードに来ていたという事ですか?」

絵里「……」コクッ

絵里「“あいどる”は…殺される直前、私に花を見せた」

海未「……花?」

絵里「……思いたくはないけど」

絵里「花陽が……“あいどる”かもしれない」

海未「…花陽が…“あいどる”…?」
0710名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:41:52.64ID:yQtVwzGX
絵里「いや、花陽だけじゃない…」

絵里「海未……もしかしたら、穂乃果は生きているかもしれない」

海未「ッ!?」

海未「穂乃果が…生きている?」

絵里「えぇ…ラジオから穂乃果の歌が流れたてきたの。でも、それには今までに聞いた事のないフレーズが入ってた。あれは血の大晦日の前に録音したものじゃない」

海未「そうですか…!なら…穂乃果が生きているなら希望が!」

絵里「いや…おかしいのよ…」

海未「…え?」

絵里「だってありえないじゃない…!」

絵里「あの大爆発の中心にいたのよ穂乃果は!?」

絵里「それなのに、生きてるなんて…あそこから助かる可能性なんて0に近い…いや、0なのよ…?」

海未「……」

絵里「本当に穂乃果が生きているとすれば……穂乃果は……最初から私たち側ではなかったのかもしれないわ」

海未「いえ、そんなはず……」
0711名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:46:10.94ID:yQtVwzGX
海未「……ですが、本当にそうだとしたら、“あいどる”は最低でも2人以上は存在するという事に」

絵里「その線は十二分にありえるわ」

絵里「海未、穂乃果から……“あいどる”は複数人いるかもと仄めかされたことはない?」

海未「そんなこと…!」

海未「…ッ!」




海未『つまり穂乃果は“あいどる”は一人ではなく…複数人存在していると言いたいんですか?』

穂乃果『……どうかな、あくまでもなんとなく感じただけだから……私も断言は出来ない』

穂乃果『でも…あの違和感…その線もあるのかな』




海未「………」

絵里「……あるのね」
0712名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:49:59.27ID:yQtVwzGX
海未「確かにありました…ありましたが…」

絵里「ことりも行方をくらましてるんじゃないの?」

海未「え?」

絵里「……“あいどる”があの日示した、花の意味」

絵里「私は昔、花陽にあの花を見せてもらったことがある」

絵里「……自ずと答えが導かれるわ」

絵里「……Printempsが……“あいどる”」

曜「……あの、Printempsって確かμ'sのユニットですよね?」

曜「Printempsと花って何か関係があるんですか?」

絵里「……Printempsといえば花のイメージなのよ」

曜「……なんか……言いがかりのようなぁ……海未さんはどう思うんですか?」

海未「絵里、それは…」
0713名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:53:07.73ID:yQtVwzGX
海未「…それはありえません」

絵里「……!」

絵里「……なぜ、そう思うの?」

海未「……勘です」

絵里「勘……?」

絵里「勘だなんて…海未らしくないわね」

海未「らしくないのは絵里ですよ」

海未「疑心暗鬼になる気持ちはわかります…。ですが、ありえません」

海未「はっきり言います。μ'sに“あいどる”はいません!」
0714名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 15:56:56.20ID:yQtVwzGX
絵里「……どうして、そう言い切れるの?」

海未「……恥ずかしながら私も昔、ことりは“あいどる”なのでは……?と、疑った事があります」

絵里「………」

海未「ですが……私はあの時、確信したんです」

絵里「……あの時?」

海未「はい、2019年……“あいどる”を止めるために、μ'sが再集結したあの時」

海未「誰1人として私たちを陥れようと……嵌めようと考えているメンバーはいませんでした」

海未「…目を見ればわかるんです」

海未「それに…私たちには切っても切れない縁がある…」

海未「絵里も本当は分かっているでしょう?」

絵里「……ごめんなさい」

絵里「早計だった。私が間違ってたわ…」
0715名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/12(日) 16:03:41.12ID:yQtVwzGX
海未「……さっき、ことりの行方がわからないと絵里は言いましたが」

絵里「えぇ…」

海未「ことりは…理事長と共に海外へと発ちました」

海未「……絵里は血の大晦日のあと、すぐに“あいどる”から追われる身となったので……伝えそびれていましたが……」

絵里「なぜ、ことりは海外に…?」

海未「PTSD…ストレス障害の疑いがあると聞きましたが…」

絵里「……そうだったのね」

絵里「……仕方ないわ。そうなるのが……普通なのよ」

海未「……理事長がついているので、無事だとは思いますが……」
0716名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 16:07:51.24ID:yQtVwzGX
ガラッ

絵里「!」

こころ「皆さん…お騒がせさせてしまい申し訳ありません!無事、見つかりました!」

ここあ「えへへ、すみません!迷っちゃってて…!」

海未「ここあちゃん…。ほっ…無事で何よりです」

絵里「変な人に声掛けられなかった?大丈夫だった?」

ここあ「大丈夫!あ…でも、ラーメン食べた!」

海未「ラーメン?」

ここあ「あっ!そうだっ!そんなことより、あのね!」

絵里「?…どうしたの?」

ここあ「私、氷の女王に会った!」

絵里「!?」

曜「う、うそ!?

海未「……えっ?」
0717名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 16:21:24.03ID:yQtVwzGX
絵里「ここあちゃん…それは本当?」

ここあ「うん、自分で言ってたもん。氷の女王だって」

海未「……外見はどんな風だったか、覚えていますか?」

ここあ「え〜、なんて言えばいいんだろ」

海未「前髪がパッツンだったとか…」

ここあ「それはわかんないなぁ…キャップ被ってたし」

ここあ「でも、だいぶイメージとは違ったよ?」

ここあ「思ってたより幼くて、割と可愛らしい顔つきで、身長は155ぐらいかな?」

絵里「……たぶん、間違いないわね」

海未「はい、秋穂です……」

絵里「ここあちゃん、どこで氷の女王に会ったの?」

ここあ「さっき言ったラーメン屋さんだよ?」

絵里「彼女はまだいるかしら?」

ここあ「えっ…どうだろう、私、先に出たからなぁ。というより追い出されたから…」

海未「……ここあちゃん、そこへ案内してもらえますか?」
0719名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 23:34:59.20ID:yQtVwzGX
ガラッ

主人「ん?すみません!今日はもう閉店…」

主人「…!」

絵里「」コツ…コツ…

絵里「氷の女王はどこ?」

主人「……なんのことですかねぇ?」

バンッ!

絵里「とぼけないでっ!私たちは今すぐ…あの子に会わないといけないの!」

海未「お願いします!秋穂の居場所を教えてください!」

主人「……園田海未に絢瀬絵里。秋穂ちゃんに会って……何をする気で?」

絵里「決まってるでしょ。説得するのよ」

主人「説得?本当に彼女はそれを望んでいるのかい?」

海未「えっ…?」
0720名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 23:37:23.76ID:yQtVwzGX
主人「いつまでも保護者面するのはやめた方がいいですぜ」

主人「彼女のためにならん」

海未「それは……そうかもしれませんが……」

絵里「……いいえ、全然そんな事ないわ」

海未「…!」

絵里「いい?私たちはあの子の行く末を見守る義務があるの」

絵里「あの子に傷一つでもつけさせてしまったら、穂乃果に顔を合わせられないわ」

海未「絵里…」

絵里「教えなさい、秋穂のアジトを」

主人「……知らねぇな」

絵里「…っ、早く言いなさい!」
0721名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 23:41:36.05ID:yQtVwzGX
主人「勘違いしないでくれよ。言わないんじゃねぇ、知らねぇんだ」

絵里「……なんですって?」

主人「あくまで俺は協力者だ。それ以上でも以下でもねぇ」

主人「彼女は用心深い。俺もアジトの場所は教えられてねぇんだ。」

絵里「……なら、何か他に秋穂について知っていることはないの?」

主人「ねぇな…」

海未「……ッ」

主人「おっと、言っとくがここを張り込んでも無駄ですぜ、もう彼女は来ないだろうからね」

絵里「……本当でしょうね?」

主人「嘘をついてるように見えますかい?」

絵里「…………」

海未「…………」

絵里「……くそっ」クルッ

海未「絵里……」

主人「……またのお越しを」
0722名無しで叶える物語(光)
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2020/07/12(日) 23:47:05.34ID:yQtVwzGX
ガララッ、バタンッ

曜「!」

曜「絵里さん!どうでした?」

絵里「……」フリフリ

曜「そうですか…」

海未「……秋穂、いったいどこに」

絵里「………」

絵里「ここあちゃん、氷の女王は何か言ってなかった?」

ここあ「えっ…うーん…」

ここあ「特になにもないと思うけど…」

絵里「……そう」

こころ「本当に?何かないの?些細なことだけど、会話の中で気になったこととか」

ここあ「え〜、気になったこと…?」

ここあ「うーん、気になったことぉ…」

ここあ「……あっ」

絵里「何か思い出したの?」

ここあ「長崎ちゃんぽん…!」

海未「長崎ちゃんぽん…?」
0723名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/12(日) 23:53:08.91ID:yQtVwzGX
ここあ「そうだそうだ!ちゃんぽん!」

絵里「ちゃんぽん…?」

ここあ「氷の女王じゃないけど、おじさんが言ってたんだよね……」

ここあ「なんて言ってたっけ……確か、チャンポン達が使えない今……戦力補強はうんぬんかんぬん……とか言ってたような……」

絵里「チャンポン……戦力補強……」

絵里「……!」

絵里「お手柄よ!ここあちゃんっ!」ガシッ

ここあ「へ?」

海未「絵里…?」

絵里「タイマフィアと秋穂に接点があるとすれば……いける!秋穂に会えるかもしれないわ!」

海未「ほ、本当ですか?」

絵里「えぇ。まったく……何が秋穂について知ってることはもうないよ……大嘘つきじゃない、あの店主」

絵里「けど、ハラショー……。なんとかなりそうね……!」
0724名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:00:44.02ID:9N4Zt7qs




公野「ふふふふふ〜ん♪」ジュー

ガララッ

公野「ん!」

公野「いらっしゃ〜い!」

ハターキ「は〜、お腹減った!」

公野「あら、先生!お一人?」

ハターキ「いいえ?あれ?何をしてるの2人とも、早く入りなさいよ」

ことり「は、はい…」

公野「…!こ、ことり…!」

ことり「えっ…あ、神様…?」

ハターキ「あら?2人とも、お知り合い?」

ことり「はい!昔に色々とお世話になって…」

ハターキ「そう…。って、なにしてるの!梨子ちゃんも入りなさいよ」

梨子「あっ、はい…ありがとうございます」

公野「……おやおや〜。先生、可愛いお供だね」

ハターキ「そうでしょ?使える子たちなの」
0725名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:10:40.76ID:9N4Zt7qs
ジュー

ハターキ「」モグモグッ

ことり「……神様は……こんなところで何を?」

公野「ん〜…?見ての通りだよ。お店構えてんの」

公野「こういうの、ちょっと興味あってさ」

ハターキ「ももとカワ2本ずーつ!」

公野「は〜い」

梨子「先生、食べ過ぎじゃないですか…?」

ハターキ「大丈夫大丈夫!あなた達も何か食べなさい」

梨子「は、はい…」

ハターキ「そうだ。GODとことりちゃんは顔見知りみたいだけど梨子ちゃんは初対面なんでしょ?」

ハターキ「ご挨拶しときなさい」

梨子「あっ…はい…私、桜内…」

公野「桜内梨子ちゃんでしょ?知ってるよ」

梨子「え?な、なんで…」

ことり「びっくりしちゃうよね、ほんとに…。神様は初対面でもわかるんだ…人の名前とか性格が…」

ことり「私たちも昔、すごく驚いたもん…」

梨子「……す、すごいですね」

公野「なはは!まーね!」
0726名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:15:06.71ID:9N4Zt7qs
ことり「……神様、すごく機嫌いいですね」

公野「え?……あー、まぁ……機嫌いいっていうより、テンションおかしいのかもね」

ジュー

公野「世界のトップがあんなんじゃ…もう先は長くないしね…」

ことり「………」

公野「名前や性格当てるなんて特技、今じゃなんの意味もないよ」

公野「……それよか」

公野「ことりは今まで何してたの?」

ことり「えっ…わ、私ですかぁ?」

ことり「私は……」
0727名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:22:09.69ID:9N4Zt7qs
ことり「……ずっと、逃げてたんです」

ことり「私は…穂乃果ちゃんと海未ちゃんに支えられて生きてきたから…」

ことり「穂乃果ちゃんを失ったあの時に……現実から目を背けて、海外へ逃げたんです……」

ことり「全部、みんなに任せて……秋穂ちゃんや海未ちゃんの気持ちなんて考えずに……自分だけ逃げたんですっ……!」

ハターキ「……モグモグ」

公野「……ま、別に普通だよ」

公野「他の子たちのメンタルがおかしいんだよ」

ことり「……でも」

公野「なんにしたって、もう過ぎたことよ。気にしなさんな」

ことり「神様……」

ハターキ「それに、今となってはそう言えても、当時は言葉では表せないほどのストレスを抱えてたんだし、仕方がないわ」

ことり「先生……」

ことり「……ありがとうございますっ」
0728名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:35:30.63ID:9N4Zt7qs
公野「で、梨子はなんで先生と?」

梨子「私は…昔、友達と一緒にとある件の情報収集をしていた時に急に拉致されて…」

公野「ダイヤと花丸とで穂乃果の情報を集めてたんでしょ?」

梨子「そ、そうです…よく知ってますね…」

梨子「それで……拉致されて……でも、ダイヤさんと花丸ちゃんがなんとか私だけでも……って、逃がしてくれて……」

梨子「途方に暮れていた時に“あいどる”の追っ手から逃げていたことりさんと出会ったんです…」

ことり「それから、梨子ちゃんと一緒に逃亡生活を続けて…もう限界……って、なった時に先生が拾ってくれたんです」

梨子「先生はいち早く“あいどる”が悪だと気づいていたんです」

公野「へぇ…」
0729名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:40:32.53ID:9N4Zt7qs
公野「しかし、先生はよく“あいどる”に取り込まれませんでしたね」

ハターキ「だって見るからに胡散臭いでしょ」

ことり「そうですけど、実際問題…“あいどる”に心酔する人はたくさんいますよ?」

ハターキ「人間、不安な事が多いんだよ…何かに支えられていないと、酔っ払ってないと…やってられないのよ」

梨子「……つまり、先生は何かに酔っ払ってると?」

ハターキ「え?うん、梨子ちゃんと一緒」

梨子「私と一緒…?」

梨子「あっ…音楽…ですか?」

公野「なるほどねぇ…そう考えてるにもかかわらず、“あいどる”に勘付かれずに上手く取り入ってるって…」

公野「世渡り上手ですね、先生」

ハターキ「そうでしょ?という事で!酔っ払い繋がりでお酒飲んでもいいかな?」

ことり&梨子「ダメですっ!」

ハターキ「……ね?」

公野「ね…?とは…」
0730名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:45:09.02ID:9N4Zt7qs
ハターキ「梨子ちゃんは作曲センスに長けてるし、ことりちゃんもデザイナーとしての実績がある」

ハターキ「有能な子たちなんだけど…ちょっと怖いところがあってねぇ…」

梨子「こわっ…!別に怖くなんて!先生のためを思って言ってるんです!」

公野「怖いですか?少なくとも、ことりは優しくないですか?」

ハターキ「そうなのよ。ことりちゃんは優しい方なんだけど…」

ハターキ「」チラッ

梨子「〜〜っ!なんで私を見るんですか〜!」

ハターキ「だって…。ね〜!」

ことり「あ、あははは…」

公野「ま、この後もお仕事があるんでしょ?ここはマネージャー達の言う事を聞いといた方がいいんじゃないですか?」

ハターキ「んー…そうね、仕方ないか…」
0731名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:52:41.33ID:9N4Zt7qs
公野「ま、私も…先生にはお世話になってるから、あんまり強くは言えないんだけど」

ことり「お世話…?というと…?」

公野「歌詞ノートの横流しとか…ま、いろいろ」

公野「そんな事よりことり、あなたこれからどうするの?」

ことり「えっ…?」

公野「先生に付き添ってるだけでいいの?」

公野「世界の終わりを…このまま何もせずに待ってるだけでいいの?」

ことり「……私は」

公野「μ'sにしか、あいつは止められない」

梨子「……ことりさんにはトラウマがあります、ですから……」

ハターキ「トラウマなんて……そんなのみんなあるよ」

梨子「!」

ハターキ「みんなあるけど…どこかで割り切らないと前に進めないのよ」

梨子「……はい」
0732名無しで叶える物語(光)
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2020/07/13(月) 00:56:17.69ID:9N4Zt7qs
ことり「……神様はどうしたらいいと思いますか?」

公野「え…私?」

公野「……いいの?私に聞いて?」

ことり「え…?」

公野「……昔からいたでしょ」

公野「あんたの近くに、正しい答えを持った子が」

ことり「………」

ことり「海未ちゃんやみんなにばっかり頼っていられない……私も何かやらないと……って」

ことり「でも、私には……」

公野「……ことり、あんたの幼馴染は世界中から極悪人と呼ばれながら……みんなを守ろうとした」

ことり「……穂乃果ちゃん」

公野「あの子のやる事に付き合って、後悔した事ある?」

ことり「……ない。ないですっ!」

公野「……だよね」
0733名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/13(月) 00:57:56.16ID:9N4Zt7qs
公野「先生、ことりをお借りしてもいいですか?」

ハターキ「え?……えぇ、まぁ……仕方ないわね」

ハターキ「正直、ことりちゃんがいなくなると苦しいけど、そのぶん梨子ちゃんに頑張ってもらいましょう」

梨子「え…?」

ハターキ「いいわよね?」

梨子「は、はい!頑張ります…!」

公野「梨子は……近いうちに仲間に会えると思う」

梨子「……その前にまず、ダイヤさんと花丸ちゃんを……」

公野「……その2人も含めて会えるって、近々」

梨子「え…ほ、本当ですか?」

公野「うむ!私を信じなさい!」
0735今日はここまで(光)
垢版 |
2020/07/13(月) 01:09:10.80ID:9N4Zt7qs
ことり「あの…神様、私たちはこれから何をするんですか…?」

公野「“あいどる”を討つ!」

ことり「………」

公野「……ま、あんまり乗り気にはなれないよね」

ことり「いえ、そんな…」

公野「私は昔みたいにことりに笑って欲しいんだけどな」

ことり「……私にとって、穂乃果ちゃんは太陽みたいな存在だったんです」

公野「……太陽が無くなったら人間は生きれないもんね」

公野「そうだなぁ……うん、仕方ない」

公野「あのねことり」

ことり「なんですか…?」

公野「確証が持ててないから、言うか言わないか……迷ってたんだけど」

ことり「はい…」

公野「ことりのモチベーションを上げるために言う」

公野「……あのね」

ことり「は、はい…」

公野「穂乃果は」
0736名無しで叶える物語(馬刺し)
垢版 |
2020/07/13(月) 01:31:31.59ID:hnJyBcM4
善子はどういった経緯で北海道にいたんだろう?
0738名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2020/07/13(月) 13:00:21.20ID:Q3OZwepn
GODはともかく、老婆は何者なんだ?
0740名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2020/07/13(月) 19:32:41.26ID:Q3OZwepn
いやそれは分かるけど、穂乃果に潜伏先紹介したり死なないって予言したり
しかもその頃(20年前)から老婆だし
0743名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:12:26.72ID:elybUKfX




スタスタ

曜「絵里さん、タイ語まで喋れるなんてすごいですね」

絵里「軽くしかわからないけどね」

下っ端「」ピタッ

下っ端「ボスはここだ」

絵里「案内ありがとう。曜、行くわよ」

曜「私も入っていいんですか?」

絵里「別に入るくらいならいいわよ。行きましょ」

曜「なら…失礼します」

ガチャ
0744名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:14:31.14ID:elybUKfX
絵里「チャンポン」

チャンポン「……ゼェゼェ」

チャンポン「……エリーチカ……か」

絵里「……老いたわね、チャンポン」

チャンポン「お前は……牙が抜けたな」

絵里「……えぇ、そうかもね」

チャンポン「かつては弾丸を当てることが出来なかった……あのエリーチカも……ハァハァ」

チャンポン「今では……ただの娘に成り下がったか……」

チャンポン「そんなお前では……ハァハァ……世界は救えんな……」

絵里「………」
0745名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/14(火) 12:16:28.92ID:elybUKfX
チャンポン「しかし……親友に再開した気分だよ……」

絵里「……私はそんな呑気なこと思えないわ」

チャンポン「ふふっ……釣れん……やつだな」

絵里「チャンポン、時間がないの」

チャンポン「……ある意味、私にも時間がない……」

チャンポン「もういつ…迎えが来ても…おかしくないのでね…ゼェゼェ」

チャンポン「だからこそ……お前に頼みたいことがある、エリーチカ……」

絵里「頼みたいこと?」

チャンポン「ハァハァ…あぁ…」
0746名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:21:02.19ID:elybUKfX
チャンポン「私が……とある女の子のファンでね……」

チャンポン「昔のお前と同じだよ……。エリーチカ……」

チャンポン「肝が……据わった少女でね……」

絵里「………」

チャンポン「……聞けば彼女は……テロリストホノカの姪っ子らしいじゃないか……」

絵里「………」

チャンポン「エリーチカ……お前が……止めてやれ……彼女……何をしでかすか……わからないぞ」

絵里「……チャンポン、彼女のアジトの場所を教えて」

チャンポン「……彼女は……アジトを転々としている」

チャンポン「だが……おそらく、今は……ここに……いるはずだ……」サッ

絵里「」スッ
0747名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:24:27.43ID:elybUKfX
絵里「ここからそう遠くないわね」

チャンポン「……彼女は今、氷の女王と呼ばれている」

絵里「……らしいわね」

チャンポン「誰か……止めてやれ……今の彼女は……人の命はもちろん、自分の命さえ投げ出すことも厭わない……」

絵里「……何が彼女をそこまで変えてしまったの」

チャンポン「……心優しい少女だった」

チャンポン「ただ……変わらずにはいられなかったのだろう……強大な敵に立ち向かうためには……甘えた心は捨てなければいけなかったんだろう……」

絵里「………」

チャンポン「頼んだぞ……エリー……チ……カ……」

チャンポン「…」

チャンポン「」

絵里「……任せて」
0748名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:29:09.00ID:elybUKfX
タッタッタッ

曜「絵里さん!これからどうするんですか?」

絵里「私は氷の女王のところに行くわ」

曜「なら、私も一緒に…」

絵里「いいえ、そこには私1人で行く」

絵里「曜、あなたは神田明神に行って希に海未と合流するよう言っておいて」

曜「わ、わかりました…!」

絵里「……お願いね」ダダッ

曜「」ピタッ

曜「絵里さーん!気をつけてくださいねー!」フリフリッ

絵里「えぇ!」
0749名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:33:11.35ID:elybUKfX
ウーー!!ウーー!!

男A「侵入者!侵入者だ!」

男B「侵入者を取り押さえろ!」

男C「うおおおおおぉ!!!」

絵里「」サッ

男C「うおっ!」ドサッ

絵里「……なによこれ。素敵な歓迎してくれるじゃない」

絵里「教えなさい!秋穂は……氷の女王はどこ?」

男D「黙れッ!」

男A「動くなッ!」

スチャッ スチャッ スチャッ スチャッ

絵里「………」

男A「動くなよ。そのまま手を上げろ」

絵里「……」サッ
0750名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2020/07/14(火) 12:37:09.65ID:elybUKfX
男A「名を名乗れ」

絵里「……氷の女王に、絵里が来たと伝えなさい」

男A「あ…?」

ザワッ…

男B「絵里……?」

男C「絵里ってあの…絢瀬絵里か…?」

ザワザワッ…

男A「……ッ!黙れッ!嘘をつくな!」

男E「そうだ……そうだ!デタラメを言うな!」

絵里「……はぁ。物分かりの悪い子たち……ね!」ダッ!

男I「ッ!逃げた!」

男A「撃てぇ!!」

絵里「……っ、厄介ね」

「待って!!!」

男A「!?」クルッ

絵里「……この声」

ザッ…

秋穂「………」

絵里「はぁはぁ……秋穂……」
0751名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:40:56.72ID:elybUKfX
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

男F「弾丸はそっちに置いとけ!」

男G「火薬はこんなもんか?」

ガヤガヤ…


絵里「……いっぱしのテロ集団ね」

秋穂「……」

絵里「……秋穂、あなた何をやってるの?」

秋穂「……」

絵里「……どこで武器を調達したの?」

秋穂「……小原家とで」

絵里「……まさかとは思っていたけど、本当にあなたがこんな事をするなんて……思ってもみなかったわ……」

秋穂「絵里おばさんこそ……生きてるとは思わなかった」
0752名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:44:04.83ID:elybUKfX
絵里「えぇ、なんとか……東京に帰って来たのよ」

秋穂「あの大きな壁を越えて、東京に侵入した人がいるって……噂では聞いてたけど……絵里おばさんだったんだ」

絵里「……海未から聞いたわ。なぜ、花陽の一派から離れたの?」

秋穂「花陽おばさん達のやってる事は生温い」

秋穂「……不当に逮捕された人たちを1人1人逃がしたり、食力不足の街に物資を届けたり……」

秋穂「なんの意味があるの…それ?」

絵里「……私には、間違った事とは思えないけど」

秋穂「じゃあ聞くけど、絵里おばさん…それで何か変わるの…?世界は救える…?」

絵里「……そういう地道な活動が」

秋穂「助けた連中とその家族のお寒い再会劇なんていらない。見たくもない」
0753名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:49:06.10ID:elybUKfX
絵里「あなたが穂乃果や雪穂ちゃんと会えないからって……そんなの、ただの妬みでしょ?」

秋穂「……っ!」

秋穂「……なにそれ?」

秋穂「なんなの……」ワナワナ

バンッ!

秋穂「喧嘩売りに来たなら帰ってよ!!」

絵里「……あなたが何をしようが、それはあなたの勝手」

絵里「ただ、そうやって人を蔑むのはよくないわ」

絵里「……自分の価値を落とすわよ」

秋穂「……だから、あんな御涙頂戴はもう見飽きたんだって」

秋穂「私には……メソメソしてる暇なんかないの」

絵里「………」
0754名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:52:01.99ID:elybUKfX
絵里「……秋穂、本当に武装蜂起する気?」

秋穂「当たり前だよ。もう……止められない」

絵里「……なぜ、8月3日なの?」

秋穂「………」

絵里「………」

秋穂「……誕生日」

秋穂「穂乃果おばちゃんの……誕生日」

絵里「……そうでしょうね。でも、そんな事を穂乃果が望んでると思う?」

秋穂「絵里おばさん、説得しにきたの?」

秋穂「……そんなのいらない、時間の無駄だから帰って」
0755名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:55:52.41ID:elybUKfX
絵里「……なぜもっと命を大切にしないの?」

秋穂「……我慢ならないじゃない」

秋穂「絵里おばさんも知ってるでしょ?2035年のあの“あいどる”の復活劇のあと…世界各国にウィルスがばら撒かれた…」

秋穂「その結果、世界で数十億という人が亡くなった……」

秋穂「……家族や恋人や友達を失った人たちが私の元に集まった」

秋穂「彼らは“あいどる”を倒すことだけを考えて生きてきたの」

秋穂「……そんな彼らを……親衛隊や“あいどる”は虫ケラのように殺した」

秋穂「……みんな、私をかばって」

秋穂「……私だけが生き残るなんて不公平。そうでしょ?」

絵里「………」
0756名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 12:59:09.92ID:elybUKfX
秋穂「……中国マフィアは全滅。タイマフィアもチャンポンを残してほぼ壊滅……。みんな、私に協力して……死んだ」

秋穂「愛民党の本部を襲撃して……殺されたの」

絵里「……チャンポンも、ついさっき死んだわ」

秋穂「……!」

秋穂「……そう」

絵里「秋穂…。言っておくけど、本当にあなたが8月3日に武装蜂起を決行したら、間違いなく彼らの二の舞いになるわ」

秋穂「………」

絵里「………計画は中止しなさい」
0757名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:04:07.72ID:elybUKfX
絵里「あなたの仲間は……あなたを慕って、信じて、一生懸命やってくれている」

絵里「そんな子達が…みんな死ぬのよ?」

秋穂「……合意の上」

絵里「……ッッ。いい加減にしなさいッ!」

秋穂「……っ、なんなの!?絵里おばさんに私の何がわかるっていうの!?」

絵里「……わかっているからこそ、なぜあなたがこんな行動に出るのか……理解出来ない」

秋穂「……うそ。なんにもわかってない。みんな、なにも……」

秋穂「あの小さくて愛らしかった高坂秋穂はもういない……どこにもいない」

秋穂「………私が愛した人はみんな死んだ」

絵里「………」

秋穂「」ツー

秋穂「!……グスッ」

秋穂「…っ」ゴシゴシッ

秋穂「……私はもう泣かない」
0758名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:06:44.14ID:elybUKfX
絵里「……本当にそんな事をして、あなたを愛した人たちが喜ぶと思っているの?」

秋穂「……これはケジメなの」

絵里「……秋穂、もう一度言うわ。すぐに計画を中止しなさい。今すぐよ」

絵里「あなたがリーダーなら、みんなわかってくれるわ」

秋穂「……話、聞いてたでしょ?私がやらないと……」

絵里「絶対に死ぬわよ?」

秋穂「……知ってる、そんなの覚悟の上」

絵里「………」

秋穂「………」ブルブル…

絵里「……本当に決心がついてるの?」

秋穂「………」

絵里「……そうよね」
0759名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:09:49.01ID:elybUKfX
絵里「……昔、命が危ないと思ったら、一目散に逃げろと言った子がいるわ」

秋穂「………」

絵里「……そう、あなたが大好きだった」

秋穂「穂乃果おばちゃんは死んだんだよ?」

絵里「……いえ、あの子は」

秋穂「やめて!もうたくさん…!」

絵里「………」

秋穂「そんな慰めは腐るほど聞いてきた!」

秋穂「……だって、本当に生きてるなら……私との約束を破ってるってことじゃん……」

絵里「……約束?」

秋穂「……絶対、帰ってくるって」

秋穂「穂乃果おばちゃんが嘘つくわけないもん……」

秋穂「……死んだの。穂乃果おばちゃんは……あの時、あの爆発で」

秋穂「……死んだから、もう帰ってこないの」

絵里「……っ」
0760名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:18:53.93ID:elybUKfX
絵里「約束を破ったと決めつけるのは……まだ早いわ」

秋穂「………」

絵里「……秋穂、生きてるかもしれないというのは本当なの」

絵里「ラジオから穂乃果の曲が流れたの」

絵里「……あなたの音楽プレーヤーに入ってる、穂乃果の曲とは違うバージョンよ」

秋穂「……あり得ない。穂乃果おばちゃんが最後に歌った曲はこのプレーヤーの中のもの」

秋穂「これとバージョンが違うなんて事は絶対ない」

秋穂「……もし、本当にそうだとして。じゃあそれはいったい、いつ録音されたものだって言うの?」

絵里「血の大晦日の後よ」

秋穂「……もういい。そんな非現実的な話聞きたくない」
0761名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:22:19.07ID:elybUKfX
絵里「……穂乃果が生きていて、今のあなたを見たら、なんて言うと思う?」

秋穂「………」

絵里「今、自分のやっている事を穂乃果に…胸を張って話せる?」

秋穂「……穂乃果おばちゃんなら、わかってくれる」

絵里「本当にそう思うの?」

絵里「誰よりも仲間思いなあの子が…仲間もろとも死のうとしているあなたに、理解を示してくれると思うの?」

秋穂「………」

絵里「あの子が生きていたら…」

秋穂「……ッッ!」

秋穂「生きていたら生きていたらってうるさいよ!!もうッッ!!!」

絵里「……秋穂」

秋穂「はぁはぁ……生きていたら、来てくれる」

秋穂「……きっと、こんな状況なんてひっくり返して……私を助けてくれる」
0762名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:25:32.48ID:elybUKfX
絵里「……きっと来てくれる」

秋穂「……まだ言うの?」

秋穂「はは…はははは…」

秋穂「……ッッ。来てくれるわけないじゃんッ!!」

秋穂「だって死んだんだもん!!!」

絵里「……秋穂」

秋穂「下手な希望持たせないで……!!」

絵里「………」

秋穂「………」

秋穂「………ごめんなさい」

秋穂「この絶望的な状況を打破出来るのは私じゃないんだよね……わかってるよ、そんなこと」

絵里「………(ここまで……この子を追い詰めてしまっていたのね……)」

絵里「………誰か」

絵里「……誰かラジオを待っていない!?」

「え……?」

秋穂「……絵里おばさん?」
0763名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:29:08.12ID:elybUKfX
絵里「ラジオを誰か…!」

秋穂「何言ってるの絵里おばさん…?やめて!」

ザワザワッ…

秋穂「彼らは私の命令しか聞かない!」

男J「あの…」

絵里「!」

男J「この前、ガラクタの中から拾ってきたのならあるんですけど…」

絵里「貸して」

男J「は、はぁ…」

パシッ

絵里「………」

ピーギュルギュル…

秋穂「……何も放送なんかされてないよ」

絵里「黙ってなさいッ!!!」

秋穂「」ビクッ
0764名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:33:20.15ID:elybUKfX
絵里「お願い穂乃果……秋穂を救ってあげて……」

ピーギュルギュル…

秋穂「……っ、あの人は死んだ!もういいから!」

絵里「………」

ピーギュルギュル

絵里「……電波が届かないのね」

絵里「どこか外に通じるところはない?」

男K「え…む、向こうのスペース…外に出れる場所がありますけど…」

絵里「…ッ!」ダッ

秋穂「まっ…待って絵里おばさん!外に出たら奴らがいるかもしれない!捕まっちゃう!」

絵里「」ダダダッ

秋穂「〜〜っ!」

秋穂「…!」ダダッ
0765名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:38:52.16ID:elybUKfX
絵里「」ピタッ

絵里「ここなら…!」

バッ!

絵里「お願い穂乃果…!歌って…!」

絵里「穂乃果っっ!!」

・・・ピーギュルギュル……

絵里「………」

絵里「……ッ」ガクッ

秋穂「……」スタスタ

秋穂「……ありがとう、絵里おばさん……。でも、もういいよ」

男L「あの…」

男M「秋穂さん…」

秋穂「なに…?」

男N「なんか……聞こえないですか?」

秋穂「……え?」

絵里「……!」

ジー…

秋穂「……!?」

ジー…

セカイジュウガ…

秋穂「……!」

男達「ザワッザワッ…」
0766名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 13:43:26.77ID:elybUKfX
「…世界中が家路を急ぐ」

絵里「……やった」

秋穂「これは……穂乃果おばちゃんの……?」

「そんな毎日が君の周りで」

「ずっとずっと続きますように…」

絵里「……そうよ。歌ってあげて、穂乃果」

「グータラ〜スーダララ〜…」

「グータラ〜スーダララ〜」

秋穂「……っ!」

秋穂「……なに……これ」

秋穂「グータラ…スーダラ…?」

秋穂「こんなフレーズ……聴いたことない……」

秋穂「絵里……おばさん、これって……?」

絵里「………」コクッ

秋穂「うそ……」

秋穂「穂乃果おばちゃんが………生きてる………?」
0767名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/14(火) 16:47:12.87ID:oME9Ub22
秋穂って2歳の時に穂乃果がいなくなったから海未に3歳〜18歳?まで育てられたんよな
にもかかわらずほのラブがすごいな
0768名無しで叶える物語(とばーがー)
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2020/07/14(火) 21:00:08.80ID:je0Q2Cmf
ポンコツじゃないエリーチカとかないわー
0769名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2020/07/14(火) 21:02:35.94ID:3d90MTGO
ほのラブの英才教育を施されたんだろう
0770名無しで叶える物語(家)
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2020/07/14(火) 21:22:35.39ID:zW1EIEjO
2019年の大晦日らへんで既に穂乃果と達者にしゃべれてるから割と秋穂の中で記憶はあるんじゃないか
2歳にしては出来すぎてる気はするけどな
0771名無しで叶える物語(馬刺し)
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2020/07/14(火) 23:42:01.32ID:rmsb6Bj5
1スレで足りるかな?
0772名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 23:51:43.60ID:elybUKfX




千歌「ふわぁ…」

巡査「高海巡査長!」

千歌「ん……あぁ……巡査くん、おはよう〜……」

巡査「いえ、ただいま昼であります!そして交代の時間であります!」

千歌「ん……もう、そんな時間かぁ……」

巡査「異常はなかったでありますか!?」

千歌「うん。なにもなかったから寝ちゃったんだよね…」

巡査「この北門検問所の警備を甘くみてはいけません!いつぞや北からテロリストが来るか…!」

千歌「あはは…来るかなぁ…」
0773名無しで叶える物語(光)
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2020/07/14(火) 23:55:18.77ID:elybUKfX
千歌「……私ね、ここに来て2年経つけど」

千歌「向こうから人が来たのを見たことがないし、聞いたこともないよ」

巡査「北の人間は死に絶えたのでしょうか?」

千歌「……どうなのかな」

千歌「……素敵な所だったんだけどなぁ」

おじさん「千歌ちゃん」

千歌「あっ、おじさん!」

千歌「どうしたんですか?こんなところまで?」

おじさん「近くまで来たから、差し入れだ」

千歌「わ〜!ありがとうございます!あとでいただきますね!」

千歌「今日も誰も来なくて、ほんとヒマなお仕事ですよ〜」

おじさん「いや。なんか来たよ」

千歌「え?」


ブルルンーン…


千歌「……うそ!」
0774名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/14(火) 23:59:22.33ID:gQYOfkVS
千歌「は、初めて向こうから……北から人が来た……」

おじさん「え?」

千歌「あっ…い、今のはちがっ…!って、じゃなくて!」

タタタッ!

千歌「あ、あの止まってください!」

女性シンガー「!」

キィッ…

女性シンガー「ふぅ…」

千歌「……あ、あの」

女性シンガー「ん?」

千歌「え、えーっと……」

女性シンガー「あのさあのさ!ここって東京?」

千歌「え……あ、はい東京だす」

女性シンガー「だす?」

千歌「あっ…!す、すみません…初めてそっちから人が来て…ちょっと動揺しちゃって…!」

女性シンガー「……そっか」

女性シンガー「というか……。やーーーっと!東京だぁ〜〜!」

女性シンガー「1000キロだよ!?1000キロ!!」
0775名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:04:23.17ID:8cFetg2y
おじさん「しかしすげぇな。ホンダのスーパーカブだ…。今時こんなのを乗ってるやつがいるとは」

千歌「す、スーパーカップ?」

おじさん「どこでこれを?」

女性シンガー「これですか?拾ったんです」

千歌「拾ったって…」

女性シンガー「うん。移動するためにね」

女性シンガー「…というかさ」

千歌「は、はい?」

女性シンガー「ここ、あんまり東京って感じしないね……。集落って感じ……」

千歌「集落……確かにそうかもしれないですね」

千歌「……2035年、“あいどる”はウィルスの蔓延を阻止するため……無差別に都民を放り出したんです」

女性シンガー「放り出したって…どういうこと?」

千歌「東京の周りに壁を築いて、隔離政策をとったんです」

女性シンガー「……ひどい」

千歌「ここは壁の向こう側に行けない人たちのコミュニティ。だから…ある意味、その通りなんです」
0776名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:07:32.96ID:8cFetg2y
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スタスタ

女性シンガー「いや〜、ごめんね…。繁華街まで案内してだなんて」

千歌「いやいや!ちょうど私も仕事終わりだったので!全然、大丈夫です!」

穂乃果「そっか。優しいね」

千歌「…………」

千歌「……あの」

女性シンガー「ん?」

千歌「どこかで……お会いしたことありますか?」

女性シンガー「えっ…?私?」

千歌「はい…どこかで」

女性シンガー「あ〜…そr」

おじさん「あれを見てみな」

女性シンガー「へ?」
0777名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:30:05.18ID:8cFetg2y
女性シンガー「なんですかあれ?……畑?」

千歌「……墓地です」

女性シンガー「墓地……?」

おじさん「無断で壁の向こうに行こうとしたやつはな…みんな例外なく殺されるんだよ」

女性シンガー「……なるほどね」

千歌「ただ……この前、壁を超えて向こうに行った人がいたって……ん?」

ジロッ…

コソコソ…

ダレ…ダレ…?

女性シンガー「なんか……私、注目浴びてる?」

千歌「初めて見る人なので、みんなちょっと警戒心があるみたいですね…」

おじさん「初めて見るってより…ナリが悪いだろ」

女性シンガー「ナリ?」

おじさん「格好だよ。帽子被ってサングラスかけてギター背負ってるやつはそりゃあ不気味だ」

女性シンガー「そ、そうかなぁ」

おじさん「そうだ、怖い」

女性シンガー「うーむ……。よし!なら挨拶だ!」

千歌「え?」
0778なぜかたこやきになってるけどご了承(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:35:06.68ID:8cFetg2y
女性シンガー「みなさ〜ん!!!」

「!???」

女性シンガー「私、怪しいものじゃありません!」

おじさん「怪しいだろう…」

女性シンガー「とにかく、1曲歌うので聴いてください!」

ザワザワッ…

…パチ…パチパチ…

女性シンガー「スー…」

女性シンガー「……日が暮れてどこからか」

千歌「(……あれ?)」

女性シンガー「どれだけ歩いたら 家にたどり着けるかな…」

千歌「(この曲……どこかで……)」

女性シンガー「グータラ〜ス〜ダララ〜♪」

ジャガジャガジャガジャン!

女性シンガー「ありがとうございます!」

住人1「い、いい……いい曲だねっ!」

女性シンガー「ほんとですか!?」

住人1「うん。でもちょっと臭うかな…あはは」

女性シンガー「え…?」

女性シンガー「あ、あぁ…!歌詞がですか?」

住人1「いや……身体かな……」

女性シンガー「……!?」

住人2「あ〜…確かに…。風貌的に旅人…?みたいだし…まぁ、仕方ないけど…」

女性シンガー「〜〜っっ///」カァァ

おじさん「ワシの家で風呂、貸してやろう」

女性シンガー「あ、ありがとうございます…」ズーン

千歌「……あの声……いや、あの歌声……絶対に聞いたことがある」

千歌「……どこで」

千歌「・・・」

千歌「うわ〜ん!なんで忘れてるんだよ千歌〜!」
0779名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:38:21.35ID:8cFetg2y
シャー…

千歌「あの!タオル、ここに置いておきますね」

女性シンガー『うんっ!ありがとね』

千歌「お風呂、いつぶりですか?」

女性シンガー『いつだろう…』

女性シンガー『ほんとにしばらくだなぁ…お風呂とか、そうも言ってられる状況じゃなかったし…』

千歌「……そうですか(絶対に知ってる声なんだけどなぁ……)」

ガラッ

千歌「!」

おじさん「しまったしまった!石鹸切らしてたんだ!」ダダッ

千歌「え!?」

おじさん「入るぞ!」

ガチャッ!

千歌「わ、わぁぁ!?おじさん何やってっ…!!」
0780名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:44:28.45ID:8cFetg2y
女性シンガー「へ……え!?」

女性シンガー「う、うわぁ!?な、なにっ…!?」

おじさん「いや、石鹸切らしてて…」

グイッ!

おじさん「うおっ!?」

千歌「お、おじさんなにやってるの!女性だよ!?」

おじさん「えっ…そ、そうなのか?もう俺も老眼でな…」

千歌「声でわかるよね!?」

おじさん「ま、まぁ…何も見てねぇから気にすんな!」

千歌「気にするよ!ほら、謝って!」

おじさん「め、面目ねぇ…」

女性シンガー「たはは…べ、別に大丈夫ですよ…」

女性シンガー「それにシャワーを貸してもらってるのは私なんだし…」

千歌「ほ、本当にすみま」パッ

千歌「………せ………ん………」

おじさん「……?どうした、千歌ちゃん?」
0781名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:47:03.18ID:8cFetg2y
千歌「(そうだ。全部、繋がった)」

千歌「(あの曲……昔、秋穂ちゃんに聴かしてもらった……)」

千歌「(会ったことがあるって言ったけど……わからないはずだ……だって私が知ってるだけだもん)」

千歌「(サングラスで……何より、長髪になってたから気づかなかった……)」

千歌「……いや、でも」

キュッ…

千歌「!」

ガチャッ…

女性シンガー「はぁ〜…さっぱりしたぁ…」フキフキッ

千歌「あの…」

女性シンガー「…ん?」

千歌「……」ゴクッ

千歌「穂乃果さん……ですよね……?」
0782名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 00:59:58.45ID:8cFetg2y
女性シンガー「………」

千歌「………」

女性シンガー「」ニヤッ

千歌「……!」

女性シンガー「あのさ!」

千歌「は、はい!」

女性シンガー「さっき、あの壁を超えた人がいたって話してたよね?」

千歌「……は、はい」

女性シンガー「壁の向こうに行く方法ってさ…そんなのしかないの?」

女性シンガー「他になにかない?」

千歌「……えっとぉ」

女性シンガー「……あるんだ?」

千歌「……私もあんまり大きい声じゃ言えないんですけど」

女性シンガー「うんうんっ…!」

千歌「実は…」

コショコショ…
0783名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:03:18.97ID:8cFetg2y
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

千歌「穂乃果さん…!早く読んでくださいよ…!」

千歌「穂乃果さんがここにいると…みんな物珍しさで来ちゃうんですよ…!」

千歌「ほら、もうこんなに野次馬が…!」

ザワザワッ ワイワイッ ガヤガヤッ

女性シンガー「……」ペラッ

十花「」ドキドキ

女性シンガー「……うん」

十花「!」

女性シンガー「面白いっ!!」

十花「あ…ありがとうございます!」

女性シンガー「大切な人を守ろうと一生懸命頑張った主人公がカッコよかったなぁ…」

十花「え、えへへ…昔は小説を書いていたんですけど…その小説がある女性から酷評されまして…」

女性シンガー「それで今は漫画家を?」

十花「え、えぇ…まぁ…絵を入れた方が面白いかと…」

女性シンガー「…そっか。うん、面白いね」
0784名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:06:40.26ID:8cFetg2y
女性シンガー「ところでさ。あなたにお願いがあるんだけど」

十花「お願い?」

女性シンガー「ここから壁の向こう側に行くには関所のゲートを越える通行手形がいるらしいんだよねぇ」

十花「……はぁ。やっぱり、その話ですか……」

女性シンガー「本物は簡単には手に入らないって聞いたから」

十花「偽造手形は昔、何枚か頼まれて作ったけど……もう、やめました!」

女性シンガー「なんで?」

十花「怖いからですよ……!ゲートを潜る前に親衛隊から手形に対して入念なチェックが入るんです!」

女性シンガー「……ふ〜ん」

十花「もし、偽造手形だってバレたら……あなたはもちろん……僕も殺されちゃいますよ!」

女性シンガー「そっかぁ……」
0785名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:10:24.90ID:8cFetg2y
女性シンガー「ん〜…でもさでもさ」

女性シンガー「あそこからチラ〜…っと、通行手形っぽいものが見えるような…しかもたーくさん…」

十花「えっ…あっ、あれは!!」

女性シンガー「どれどれ〜」スッ

十花「ちょ、ちょっと!勝手にやめてください!」

女性シンガー「ほら…。やっぱりこれ、偽造手形だよね?」

女性シンガー「描きかけのばっかり…。でも、あとちょっとで完成しそう…」

女性シンガー「これ…ついでにみんなの分も用意してあげてっ!」

キャー!!!!ワー!!!!ヤッタ!!!!

十花「」アゼン
0786名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:12:44.14ID:8cFetg2y
女性シンガー「じゃあ、よろしくね」

十花「……絶対にバレますよ、殺されます」

女性シンガー「なるようになるって!」

女性シンガー「…じゃ、まかせ…」

バキューン!

千歌「……!?」

キャッ…キャーーー!!

千歌「な、なに!?」

巡査部長「なに?はこっちのセリフだ、高海」

千歌「ぶ、部長さん…」

巡査部長「どこだ?北からやってきた女ってのは」

千歌「えっ……えっと……」

住人3「か、彼女よ!」

千歌「えっ!ちょ、ちょっと!」

女性シンガー「………」

巡査部長「テメェか…」
0787名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:15:38.90ID:8cFetg2y
巡査部長「」スタスタ

女性シンガー「……」

巡査部長「」スチャッ

千歌「部長さん!?なにやってるんですか!!」

巡査部長「なーに、少し話をするだけだ」

千歌「話し合いに銃はいらないですよっ!」

巡査部長「……高海ぃ。今まで北から来る奴なんていなかったから、お前は知らねぇだろうが」

巡査部長「基本的に向こうから来た奴は殺す決まりなんだよ」

千歌「そ、そんなの聞いたことないです…!」

巡査部長「そりゃあ今、俺が作ったからな」

千歌「え…」

女性シンガー「………」

巡査部長「なんとか言ってみろよ、人外」

女性シンガー「………」

巡査部長「……名前はなんだ?」

女性シンガー「………」

巡査部長「殺す」スチャッ
0788名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:19:15.82ID:8cFetg2y
千歌「ま、待って!」バッ

巡査部長「んだよっ!邪魔だ!」

千歌「この人を撃たないで!」

巡査部長「……高海、お前も撃ち殺してやろうか?」

千歌「……ッ!」ブルッ…

千歌「……あ、秋穂ちゃんが言ってた事が本当なら」

女性シンガー「」ピクッ

女性シンガー「……秋穂?」ボソッ

巡査部長「……なんだよ」

千歌「こ、この人が…」

千歌「この人が救世主なんです!」

巡査部長「……くだらん」

巡査部長「高海…“あいどる”が暗殺されたのも、本を正せばお前たちの警備不足のせいなんだ」

巡査部長「本来は“退部”されてもおかしくないところを何故か左遷で済んだ」

巡査部長「……ふんっ。後ろ盾だけは強い小娘が偉そうに」

千歌「………」

巡査部長「あてにならん、お前の言う事など」
0789名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:21:38.25ID:8cFetg2y
女性シンガー「」ズイッ

千歌「……!」

女性シンガー「この子のこと、酷く言わないでよ」

巡査部長「……あ?」

女性シンガー「あなたなんかにそんなこと言われる筋合いないはずだよ」

女性シンガー「すごくいい子なんだから」

巡査部長「……気味悪ぃな。死ね」スチャッ

女性シンガー「撃ちなよ」

巡査部長「!?」

千歌「えっ…」

女性シンガー「私はもう…銃なんて怖くない」

女性シンガー「本当に怖いのは……」

女性シンガー「………」

女性シンガー「……いいから、撃ってみなよ」

巡査部長「上等だこの野郎……なら、お望み通り殺してやるッッ!」
0790名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:23:41.37ID:8cFetg2y
ポンッ

巡査部長「!?」

巡査部長「誰だ…!?」

ムロタ「その辺でやめときなよ。部長」ニコッ

千歌「ムロタさん!!」

巡査部長「ムロタ……!」

ムロタ「こんなに人が集まって……何があったかと思えば……」

ムロタ「勝手な行動はやめてくださいよ」

巡査部長「っ…離せっ!」ブンッ

ムロタ「この地区の責任者は俺のはず」

ムロタ「勝手に変なルールを作るのはやめてね」

巡査部長「……クソが」ダッ

ムロタ「……ふぅ」

女性シンガー「………」
0791名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:26:29.17ID:8cFetg2y
千歌「ムロタさん!グッドタイミングでしたよ〜!」

ムロタ「あぁ。千歌もよく怯まずに立ち向かったね」

千歌「あ、あはは…身体が勝手に…みたいな感じです!」

ムロタ「彼は本当に撃ちそうだったから…ヒヤヒヤしたよ」

女性シンガー「あの…あ、ありがとうございます」

ムロタ「おっ…君が噂の…」

ムロタ「いや、そんな事より…怪我は無い?」

女性シンガー「特に無いです…」

ムロタ「そっか…ならよかった」

ムロタ「じゃあ僕は十花さんに用があるからこの辺で…」

千歌「お疲れ様です!!」
0792名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:29:15.71ID:8cFetg2y
十花「はぁ…」

ギシッ

十花「!」

ムロタ「どうも、十花さん」

十花「う、うぅ…ムロタくん…聞いてくれ!偽造手形を…!」

ムロタ「わかってます。早速、作業に入りましょう」

十花「え、知ってたの…?」

十花「というか僕、絵は描けないんだけど…」

ムロタ「あぁ…いや、十花さんは千歌たちに渡してくれるだけでいいんです!」

ムロタ「僕も表向きは警察官…。本来こんな事をしてはいけないので、絵を描いてるというダミー役がいるんです」

十花「……君は出来る人間だね」

ムロタ「いえ!漫画がウケているのも十花さんのシナリオあってこそですよ」

十花「……ありがとう」

ムロタ「えぇ……。んじゃ、描きますか……」

カリカリカリカリカリカリ!

十花「……相変わらず早いなぁ……」
0793名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:35:07.68ID:8cFetg2y
バッ!

十花「出来たぞ!」

女性シンガー「……は、早いね」

十花「本当にな……」

千歌「……じ、自画自賛?」

ムロタ「おっ?おやおや…君たちも…通行手形を持っているのかい?」

十花「(白々しい…)」

女性シンガー「さっきの…」

ムロタ「いや〜…ここの人たちみんな通行手形を持ってるんだ。不思議なこともあるもんだね」

女性シンガー「そうなんですか。なら早く関所に行けばいいのに」

十花「本当に死ぬかもしれないんだぞ。それでも行くのか?」

十花「奴らもバカじゃない、偽造手形なんて一発で…」

女性シンガー「……約束」

十花「え?」

女性シンガー「あの子と約束したから……」

十花「約束…?」

女性シンガー「絶対に……帰るって」

十花「……?」
0794名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:37:14.44ID:8cFetg2y
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ザッ…ザッ…

十花「け、結構歩きますね…ハァハァ」

おじさん「もう少しだ」

女性シンガー「……ふぅ」

千歌「バイク押すの大変そうですね…良かったら私が…」

「止まれ!」

千歌「!」

親衛隊「ここを通りたければ通行手形を出せ」

女性シンガー「」ゴソゴソッ

スッ

女性シンガー「はい」

親衛隊「……貴様、今いくつだ」

女性シンガー「……今、何年?」

親衛隊「……あいどる歴3年だ」

女性シンガー「……あいどる歴?……30歳ぐらいじゃないかな?」

千歌「」ズルッ

千歌「……(そ、それじゃ私より年下です……)」
0795名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:39:49.36ID:8cFetg2y
親衛隊「……発砲準備」

スチャッ スチャッ スチャッ

十花「も、もうダメだ…!」

おじさん「殺されるっ…!」

女性シンガー「ちょっと待ってよ、ちゃんと確認してよ」

親衛隊「……結果は変わらんと思うが」

親衛隊「おい!確認しろ!」

親衛隊「今、部下に確認させている…せいぜい残りの人生を…」

「通せとのお達しです」

親衛隊「……!?」

十花&おじさん「!?」

千歌「……通っちゃった」

女性シンガー「大丈夫だったんでしょ?開けてよ」

親衛隊「……ゲ、ゲートオープン!!」

ガァーー…

女性シンガー「……んじゃ、私行くね」
0796名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:44:13.94ID:8cFetg2y
十花「……い、行こう!私たちも……!」

おじさん「お、おう…!」

十花「よ、よし!行くぞみんなああぁ!!」

オーーーーウ!!!!!!

千歌「えっ……集落のみんな!?」

千歌「い、いつの間に来てたの!?」

ドサドサドサドサッッ!!

親衛隊「くっ…何だ今日は!」

親衛隊「な、並べ!並べぇ!」

千歌「……みんな、そんなに帰りたかったんだ」

千歌「…わ、私も…!」ダダダッ
0797名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:48:59.06ID:8cFetg2y
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

千歌「」キョロキョロ

女性シンガー「………」

千歌「あっ!いたっ!」

千歌「穂乃果さ〜ん!」

女性シンガー「………」

千歌「みんなゲート突破しました!」

千歌「みんな穂乃果さんの曲、歌ってましたよ!」

女性シンガー「……この」

千歌「はい…?」

女性シンガー「このデッカい建物ってなに?」

女性シンガー「スカイツリーより大きくない?」

千歌「あはは…それは流石に…」

千歌「この建物は関所を管理する役所です。当然ながら、私は入った事ないんですけど…」

女性シンガー「……へー」

女性シンガー「……私、ちょっと行ってくる」

女性シンガー「よいしょ」スタッ

千歌「えっ!?」

女性シンガー「」タッタッタッ

女性シンガー「あっ、バイク止めといてー!」

千歌「穂乃果さん!!なにされるかわかりませんよ!!おーーい!!」

千歌「……え、えぇ?」ポツーン
0798名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:51:20.50ID:8cFetg2y
カンッ…カンッ…

女性シンガー「(人気が全くない……)」

女性シンガー「(……かなり登ったはずだけど)」

女性シンガー「………」





親衛隊「ご命令通りゲートを開け、あの女を中に入れ、警備員も退避させました!」

親衛隊「よろしいですね?」

ツバサ「あ〜………」

ツバサ「う〜ん、ありがと〜……」

親衛隊「……失礼します」スタスタ
0799名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:54:57.93ID:8cFetg2y
カンッ…カンッ…

女性シンガー「………」

ツバサ「よく……ここまで来たわね」

女性シンガー「…!」

女性シンガー「……」スタスタ

ツバサ「……あなたが誰か……当ててあげましょうか……?」

女性シンガー「……」

ツバサ「まさか、記憶を無くしてるなんて事はないわよね?」

ツバサ「……ね、高坂穂乃果さん」

女性シンガー「……」
0800名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 01:58:22.56ID:8cFetg2y
女性シンガー「……私をわざと入れたんですね」

ツバサ「……えぇ」

ツバサ「本当は……本来ならこんなところにいるはずじゃなかった……」

ツバサ「山田先生は……“あいどる”に疎まれて……殺された」

ツバサ「先生は知りすぎたのね…」

ツバサ「……必然的に山田先生の派閥に属する私も……こんな閑散とした関所へと移動させられた……」

ツバサ「ははっ…一時でもアイドル界のトップに立った人間とは思えない扱いよねぇ〜…」

女性シンガー「………」

ツバサ「あなた……“あいどる”が誰か知ってるの?」

女性シンガー「………」

ツバサ「……うふふっ……落ちたわね、あなたも……私も……」
0801名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 02:02:32.94ID:8cFetg2y
ツバサ「……姪っ子ちゃんの片親が“あいどる”だって……あなたは知ってた?」

ツバサ「……2人の馴れ初め」

ツバサ「元はあなたの妹さんと絢瀬さんの妹で子供を作ろうとしていたそうよ」

女性シンガー「………」

ツバサ「そこに“あいどる”は目をつけた…」

ツバサ「だけど……あなたの妹はそれに応じなかった……」

ツバサ「結果…絢瀬さんの妹は失踪し、あなたのお父さんは腹いせに殺された…」

ツバサ「人は…失って出来た穴を…必ず何かで埋めようとする」

ツバサ「“あいどる”は上手く取り入った…持ち前の人心掌握術でね…」

ツバサ「ふふふ…それとも…あなたの妹が乗せられやすい性格だったのかしら…?」

女性シンガー「……」
0802名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 02:07:09.14ID:8cFetg2y
ツバサ「……しかし、“あいどる”がここまでするとは思わなかったわ」

ツバサ「“あいどる”は御茶ノ水工科大学の木皿教授を拉致して巨大ロボットを作らせた」

ツバサ「……あなたは何故生きていると思う?」

女性シンガー「………」

ツバサ「あのロボットの操縦室で、あなたはダイナマイトを爆発させるつもりだった……」

ツバサ「実際、爆発した。そう思ってる?」

女性シンガー「………」

ツバサ「……ふふ」

ツバサ「あのダイナマイトは既に細工を施されていて、爆発しないようになっていたのよ」

ツバサ「もし、操縦室の中でダイナマイトが爆発していたら、あなたはあの時ちりになっているものね…?」
0803名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 02:13:05.47ID:8cFetg2y
ツバサ「血の大晦日の大爆発はあなたのダイナマイトで起きたものじゃない」

ツバサ「個人が用意できるダイナマイトの量であんな大爆発が起きるわけがないものね」

ツバサ「爆発はあなたがいた操縦室の中ではなく…外で起こったもの」

ツバサ「操縦室がシェルターで頑丈に作られていてよかったわね」

ツバサ「……なんて。全て仕組まれていたのよ」

ツバサ「あの場に“あいどる”がいたの……」

ツバサ「あなたたちが今まさに…人類を救おうとしている時に紛れ込んでいたのよ…“あいどる”は」

ツバサ「“あいどる”はまんまと警察や自衛隊を欺き…ウィルスをばらまいてパニックにさせた…!」

ツバサ「2035年に自分の影武者を暗殺させた…」

ツバサ「世界中が注目するお葬式をアキバドームでして…そこで復活した」

ツバサ「彼女は悲劇の主人公……いや、神になった」

ツバサ「それからはもっと強力なウィルスを作って世界中の人間を殺した!」

ツバサ「そして世界大統領……彼女は暴走を続けている……」

女性シンガー「………」
0804名無しで叶える物語(たこやき)
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2020/07/15(水) 02:17:15.68ID:8cFetg2y
ツバサ「……もうダメ、終わりよ」

ツバサ「彼女はやる事が無くなった……。もう後は本当に人類を滅ぼすしかやる事がない……」

ツバサ「お願い……“あいどる”を殺して」

ツバサ「殺してくれないなら……あなたを殺すわッッ!!」スチャッ

女性シンガー「……」

ツバサ「〜〜〜!!」ブルブルッ…

女性シンガー「……」

女性シンガー「……本当に、落ちましたね……」

ツバサ「……は?」

女性シンガー「……全部他人のせいにして。それって人としてどうなのかなって……」

ツバサ「な、何よ……あなたに何が……あなたに何がわかるのッッ!!!」

女性シンガー「……本当に寂しいです」
0805今日はここまで(たこやき)
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2020/07/15(水) 02:22:06.56ID:8cFetg2y
女性シンガー「原因は本当に“あいどる”だけなんですか?」

女性シンガー「昔のツバサさんなら逃げずに立ち向かって…決して人に頼る事なく…自分でカタをつけてたはずです」

ツバサ「……!!」

女性シンガー「……本当に怖いものって何だと思いますか?」

ツバサ「……怖いもの?」

女性シンガー「銃ですか?ロボットですか?ウィルスですか?」

女性シンガー「……いや、違います」

女性シンガー「本当に怖いのは……逃げる事です」

ツバサ「逃げる事……?」

女性シンガー「今、向けられてる銃だって私…全然怖くなんてありません」

女性シンガー「……今のツバサさんは少し前の私と同じです」

女性シンガー「真実から目を背けて逃げちゃダメ…」

女性シンガー「……そうですよ」

女性シンガー「私は」

女性シンガー「」サッ

ツバサ「………」

穂乃果「高坂穂乃果です」

第7章「舞い戻る伝説」-完-
0806名無しで叶える物語(家)
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2020/07/15(水) 02:45:34.35ID:76etPp8k
おつおつ
一から読み直してるのにあいどるの正体の予想すらつかんな…撃たれたのか影武者ならその直前の絵里との会話も当てにしないほうがいいのかな
0810名無しで叶える物語(光)
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2020/07/16(木) 17:38:43.20ID:EUlGvAuK
>>808
(満年齢) 過去スレよりコピペ

高坂穂乃果(44)
南 ことり(44)
園田 海未(44)
西木野真姫(44)
星空  凛(43)
小泉 花陽(43)
矢澤 にこ(46)
東條  希(46)
絢瀬 絵里(45)

高海 千歌(35)
渡辺  曜(35)
桜内 梨子(34)
国木田花丸(33)
黒澤ルビィ(33)
津島 善子(34)
黒澤ダイヤ(35)
松浦 果南(35)
小原 鞠莉(36)

高坂 秋穂(20)
高坂 雪穂(42)
矢澤こころ(37)
矢澤ここあ(36)
矢澤虎太郎(33)
鹿角 聖良(35)
鹿角 理亞(33)
公   野(64)
ハターキ (51)
ム ロ タ(47)

“あいどる” (44)
綺羅ツバサ(46)
統堂英玲奈(46)
優木あんじゅ(46)
0811名無しで叶える物語(茸)
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2020/07/16(木) 19:31:37.91ID:Nw5t71dW
>>810
京極と酒井は?
0815名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 10:35:25.61ID:HbAlBYEF
第8章「希望の唄」

・・・2019年の大晦日…いや、違う…2020年の午前0時。

あの大爆発に巻き込まれて、操縦室ごとどこか遠くへ飛ばされた。

奇跡的に命は助かった。

けど、記憶はどうにもならなかった…。

記憶を無くして、自分の名前を…自分が高坂穂乃果だって事さえ忘れて…。

記憶が無くなってるっていう自覚はあったけど、取り戻そうとはしませんでした。

取り戻したくない。そう思っている自分がいたんです。

そのあとは…日本中を彷徨いました…。

一度は東京にも行きました…でも。

東京に行ったら怖くなって…震えと嗚咽が…。

その時、直感しました。自分は得体の知れない何かに怯えてるんだって。そう思って、すぐに東京を離れました。
0816名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 10:39:43.28ID:HbAlBYEF
ある日のことです。私は…かろうじて映るボロボロのテレビを見てました。

その内容は“あいどる”のお葬式。

理由は分からない。けど、何故だかそれを見て…心のどこかでホッとしている自分がいて…つい笑みが溢れた。

でも…。

“あいどる”は生き返った。

私は心底怯えて、ただブルブル震えていることしか出来なかったんです。

数日後、世界中にウィルスがばら撒かれたというニュースを見た。

その時に、2019年の大晦日の映像も流れた。

・・・記憶が戻った。
0817名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 10:45:03.83ID:HbAlBYEF
全部、鮮明に思い出した。

私は逃げた。とにかく東京から離れるように。

北へ…出来るだけ遠くへ。

でも、いつしか逃げきれなくなった。

自分の心の中で迷いがあったから。

本当に逃げてていいの?って誰かが私に囁くんです。

・・・もうあんな残酷で悲惨な光景を見たくない。

だから、私はもう戦えない。そう思いました。

いつしか、考えることさえ疲れた私は…自ら命を絶とうとしていました。
0818名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 10:52:18.74ID:HbAlBYEF
・・・でも、死ねなかった。

お父さん、お母さん、雪穂、海未ちゃん、ことりちゃん、μ'sのみんな…。そして、秋穂…。

死ぬ間際、みんなの顔が頭の中に浮かんだんです。

その時に…また誰かが本当に逃げていいの?って私に聞いてきたんです。

・・・決めたよ、私はもう逃げないって言ったら

そっか…良かった!って屈託のない笑顔で言ってくるんです。

私が決心したら、その子の姿が見えるようになったんです。

その子は…。拳を握って、ファイトだよ!…って。私に言いました。

結局、人の本質って変わらないんだなって。

・・・私はもう真実から目を背けたりしない。自分でやると言った事はやり遂げてみせるって…決めたんです。
0819名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 10:54:18.54ID:HbAlBYEF
ツバサ「………」

穂乃果「……だから、私のやる事は復讐じゃない」

穂乃果「みんなを守る事なんです」

穂乃果「……私、ツバサさんたちに憧れてスクールアイドルを始めたんです」

ツバサ「………」

穂乃果「だから、こんなのおかしいんです」

ツバサ「こんな…?どういうこと…?」

穂乃果「……私が救世主なんて褒めそやされて、ツバサさんたちがヒール呼ばわりされる」

ツバサ「わ…私は別にそれでも…」

穂乃果「」スタスタ

ツバサ「!」

ツバサ「こ、来ないで!」スチャッ
0820名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 10:56:56.38ID:HbAlBYEF
穂乃果「……まだ、やり直せるんです」

ツバサ「……っ」

穂乃果「だから、またいつか…A-RISEのライブ…見せて欲しいです!」

ツバサ「……!」

ツバサ「……どうなっても、知らないわよ」

穂乃果「私、信じてます」

穂乃果「みんなで手を取り合えば、どこまでだって行ける…どんな夢だって叶えられるんです」

ツバサ「………」

穂乃果「……待ってます」クルッ

スタスタスタ…

ツバサ「………」

ツバサ「はぁ…」

ツバサ「…バカな子ね」
0821名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:01:08.98ID:HbAlBYEF
千歌「はぁ〜……」

千歌「……穂乃果さん、遅いなぁ」

ザッザッ…

千歌「!」

穂乃果「」スタスタ

千歌「穂乃果さんっ!ホッ…良かったぁ…生きてた…」

穂乃果「……ねぇ。秋穂はいい子に育った?」

千歌「え?」

千歌「あっ…は、はい!」

千歌「あははっ…!やっぱり穂乃果さんだっ!」

穂乃果「聞いていい?あなたはなんで東京に帰りたいの?」

千歌「千歌です。高海千歌!」

穂乃果「え?……あぁ、名前……。そっか、千歌ちゃん、千歌ちゃんだね」

千歌「〜〜〜っっ!!」

千歌「やったぁー!穂乃果さんに名前で呼ばれたよ〜!」

穂乃果「……たはは」
0822名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:06:17.33ID:HbAlBYEF
千歌「……私、東京に仲間を待たせてるんです」

穂乃果「そっか…。私と似たような感じだね」

穂乃果「……じゃあ、そろそろ約束を果たしに行こっかな」

千歌「約束って…ゲートを通る前にも言ってましたよね?」

千歌「確か、絶対に帰るって…」

千歌「誰としたんですか?」

ブルルン!

穂乃果「……秋穂だよっ」

穂乃果「じゃ、私行くね」

ブルルルルンッッ!

千歌「あっ!ちょっと穂乃果さん!!」

千歌「ま、待ってください!私もついて行きますよ〜!」

千歌「待ってくださいってば!穂乃果さ〜ん…!」
0823名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:09:58.15ID:HbAlBYEF




秋穂「みんな集まって!!」

男達「ん?」

絵里「………」

ゾロゾロ…

男A「どうしたんですか?秋穂さん」

秋穂「……みんなに、聞いて欲しいことがあるの」

男B「もしかして、8月3日の新しい作戦指令ですか!?」

男C「秋穂さんの命令なら俺たち、たとえ火の中水の中!」

男D「そうっす!どこにでも突っ込みます!」

秋穂「……ちがうの」

男達「え?」

秋穂「ごめんね……みんな、本当にごめん……」
0824名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:15:32.19ID:HbAlBYEF
秋穂「みんなには色々やってもらった…」

秋穂「危険な目に遭いながら武器を集めたり…」

秋穂「膨大な時間をかけて作戦を練ったり…」

秋穂「……みんなが8月3日を生き甲斐にしてきたのは私が1番分かってる」

秋穂「家族や恋人や親友を殺されて……復讐をしたい気持ちもよくわかる……でも」

秋穂「……っ。でも」

絵里「……秋穂」

秋穂「うん…」

秋穂「…8月3日の武装蜂起は…中止します」

秋穂「……ごめんなさい」ペコッ

男達「………」

秋穂「ホントにごめん……」
0825名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:17:44.62ID:HbAlBYEF
男D「水臭いですよ秋穂さん」

秋穂「えっ…?」

男B「そうですよ、謝ることなんてない」

男E「秋穂さん、俺たちのリーダーじゃないっすか」

男F「そうだよ。そもそも俺たち、秋穂さんがいなかったらここまでやってこれなかったんだしな」

男A「……そうだな。それにリーダーの命令は絶対だ」

男O「みんな!文句ないよな!」

男達「おう!!!!!!」

秋穂「みんな……」

秋穂「……ありがとう」

絵里「……ウフッ」
0826名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:25:04.43ID:HbAlBYEF
ジリリリリリリリンッ!

秋穂「!?」

絵里「なに?」

男Z「侵入者ですっ!」

男A「何奴だ!?」

男Z「親衛隊です!」

秋穂「……っ」

男A「親衛隊のクソどもが!秋穂さん、俺たちは行きますよ!」

男A「行くぞ!お前ら!」

オーーーウ!!!!!

絵里「あなた達まちな…!」

秋穂「待って!!!」

絵里「…ッ!」
0827名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:28:19.52ID:HbAlBYEF
男A「秋穂さん…?」

秋穂「私が……出る」

男B「なに言ってんすか秋穂さん!」

秋穂「あなた達が出れば…奴らの思う壺。私なら…」

男C「ダメっすよ秋穂さん!」

『氷の女王一派に告ぐ!無駄な抵抗はやめろ!氷の女王が投降すれば攻撃は加えない!』

『氷の女王が投降すれば他のメンバーは見逃してやる!』

秋穂「……らしいわ」

男D「行かないでください秋穂さん!あなたが行ったら、それこそ奴らの思う壺だ!」

男E「そうだ!秋穂さんを渡すわけにはいかない!」

絵里「……あなた達さっき言ってたじゃない。リーダーの命令は絶対って」

絵里「少しは秋穂の気持ちを汲んであげたらどうなの?」

男達「…っ。それは…」
0828名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:31:06.14ID:HbAlBYEF
秋穂「……みんなは脱出口から逃げて」

秋穂「私が時間を稼ぐから」

男P「秋穂さん…」

秋穂「命が危ないと思ったら一目散に逃げないとダメなの…」

秋穂「そうだよね?絵里おばさん」

絵里「……えぇ」

男A「秋穂さん…」

秋穂「……みんな、あとで合流しよう」

秋穂「」ダダッ!

男B「秋穂さんっ!!」

絵里「あなた達は行きなさい、秋穂は私に任せて」ダッ

男C「…くっ」

男A「ちっ…!行くぞ、お前ら…!」

男B「そうだ…!秋穂さんの行動を無駄にするな…!」
0829名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:45:43.76ID:HbAlBYEF
親衛隊隊長「突撃ーッッ!」

ガシャアアン!

ダダダダダッ!

秋穂「………」

絵里「………」

親衛隊A「氷の女王、発見!」

親衛隊B「……むっ!こいつは!」

親衛隊隊長「どうした?」

絵里「………」

親衛隊隊長「テロリストの絢瀬絵里…!」

親衛隊隊長「これはこれは…思いがけない収穫」
0830名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 11:49:52.51ID:HbAlBYEF
親衛隊隊長「ターゲット2名を確保し…逃走した反逆者を殲滅せよ!」

秋穂「……やっぱり、嘘だったんだ」

親衛隊隊長「当たり前だ。貴様さえこちらに渡れば残りの奴らなどどうでもいい」

秋穂「私、嘘つきが大嫌いなの」

秋穂「嘘つきには…それ相応の罰がないとダメだよね」

親衛隊隊長「どういうことだ…?」

秋穂「このアジトのあちこちに爆弾が設置されてるわ」

親衛隊隊長「なに!?」

秋穂「それを爆発させるスイッチを持ってるのはあたし…」スッ

秋穂「あんた達が彼らを追うなら…私は躊躇わずこのスイッチを押すわ」

親衛隊隊長「……くっ!」
0831名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 21:41:01.36ID:qVaFjK9r
〜愛民党総本部〜

秋穂「絵里おばさん…大丈夫?」

絵里「ふふ…どうしたの急に?」

秋穂「絵里おばさんも彼らと一緒に逃げてれば…」

絵里「別に…私はただの引率よ」

秋穂「また、そんなこと言って…」

親衛隊A「さっさと歩け!」

ドスッ!

絵里「グッ…カハッ…!」

秋穂「!!」

秋穂「ちょっと!!なにすんのよ!!」

絵里「大丈夫…!」

絵里「秋穂…大丈夫だから…ゲホッ」

秋穂「…っ」
0832名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 21:44:25.35ID:qVaFjK9r
親衛隊隊長「」ピタッ

親衛隊隊長「ここから先は高坂秋穂1人で来るようにとのお達しだ」

親衛隊隊長「貴様はその女を地下へ」

親衛隊A「はっ!」

秋穂「絵里おばさん…」

絵里「私のことは気にしなくていいわ、大丈夫だから…」

親衛隊B「さぁ来い」

絵里「……」スタスタ

秋穂「……」

親衛隊隊長「手錠を外してやれ」

親衛隊C「はっ!」

ガチャリ…

秋穂「…つっ」
0833名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 21:47:49.62ID:qVaFjK9r
親衛隊隊長「ついて来い」

秋穂「……」

スタスタ…

あんじゅ「あら?あらあら!この子があの高坂穂乃果さんの姪っ子?」

英玲奈「“あいどる”のご息女だな」

親衛隊隊長「あんじゅ様、英玲奈様、左様でございます」

秋穂「………」

あんじゅ「へぇ〜…中々可愛らしい子…」ジッ

秋穂「(近い……)」

あんじゅ「……ふぅん♪」

あんじゅ「」ベロンッ

秋穂「いっ……!?」

秋穂「な、何してるのよッ!」

あんじゅ「あはっ♪可愛いリアクション♡」

秋穂「くっ…汚らしい…!」フキフキッ
0834名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 21:52:37.94ID:qVaFjK9r
英玲奈「あんじゅ、遊びが過ぎるぞ」

英玲奈「いくら“あいどる”に贔屓されていると言えど、頬を舐めるなど…」

英玲奈「知れたらただではすまないぞ」

あんじゅ「…ねぇ、英玲奈…この子にアレを持たせたら面白いんじゃない?」

英玲奈「話を聞いていたのか?」

あんじゅ「出して」

英玲奈「……はぁ」スッ

あんじゅ「」パシッ

あんじゅ「それじゃ!姪っ子ちゃん、頑張ってね♡」

ポンポンッ

秋穂「〜〜っ!(鬱陶しい…!)」

スッ

秋穂「!!」

あんじゅ「うふっ…♪」

あんじゅ「じゃあ、みんなご苦労様〜♡」

英玲奈「私たちはこれで」

親衛隊隊長「はっ!」

秋穂「(今、何か…ポケットに入れられた…?)」

秋穂「(この感触…拳銃?)」

秋穂「なんで……あいつらが……?」
0835名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 21:57:11.21ID:qVaFjK9r




親衛隊A「ここだ。大人しくしてろよ」

囚人達「ザワザワッ… 」

絵里「……私も牢獄に入れられるのは初めてじゃないけど、こんな大人数と一緒なのは初めてだわ」

親衛隊A「ごちゃごちゃ言うなっ!」

おばあさん「ゴホッゴホッ…」

絵里「そこのおばあさん…体調が悪そうだけど大丈夫なの?」

親衛隊A「黙って入れ!」

ドンッ

絵里「…ッ!」ドサッ

親衛隊A「ふんっ…」

ガチャリ…
0836名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 21:59:21.55ID:qVaFjK9r
絵里「んもぅ…いったいわね…」

おばあさん「お姉ちゃん…大丈夫かい?」

絵里「ありがとうございます…平気です」

青年「お姉さんはなんでここに?」

絵里「あなた達と変わらないと思うわ。逆恨みみたいなものね」

青年「あははは…」

「絵里お姉ちゃん?」

絵里「え?」

「やっぱり絵里お姉ちゃんだ。僕だよ」

虎太郎「虎太郎だよ」

絵里「え…?こ、虎太郎くん…!?」
0837名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:01:34.05ID:qVaFjK9r




ブォンブォンブォン…

秋穂「246、247、248、249、250、251…」

秋穂「…何階あるのよ」

秋穂「どこまで行くの、これ?」

親衛隊隊長「…」

秋穂「……260、261……」

……チーン

親衛隊隊長「」サッ

秋穂「……?」

ガァァ…

秋穂「……ッ!!」

“あいどる”「…やぁ」

“あいどる”「会いたかったよ、秋穂」

秋穂「……ゴクッ」
0838名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:08:39.23ID:qVaFjK9r
コツ…コツ…

“あいどる”「ほら」

“あいどる”「ここ、座って」

秋穂「………」スッ

“あいどる”「さぁ、食べて」

秋穂「……なにこれ」

“あいどる”「わかるでしょ?おまんじゅう。君の好物だよ」

秋穂「…ッ!」

ガンッ!

秋穂「私を知る人間何人を拷問にかけてソレを聞き出したの!?」

“あいどる”「……そんな事をしなくたってわかるよ。私は神である前にあなたの親なんだから」

秋穂「……うるさい」

秋穂「私の親はお母さんだけ……」

秋穂「あなたを親と思ったことなんて一度だってないッ!」
0839名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:10:35.44ID:qVaFjK9r
“あいどる”「……8月3日の武装蜂起、中止するそうだね」

“あいどる”「良かったよ。親子ゲンカなんて思われちゃみっともないもんね」

秋穂「………」

“あいどる”「……近々人類は滅亡するだろう」

“あいどる”「君にもわかるよね?なんたって神の子なんだから」

秋穂「……滅亡なんてするわけない」

“あいどる”「本当にそう言い切れるの?」

秋穂「……滅亡なんてしない……絶対させないッ!」

“あいどる”「今にわかるよ…」
0840名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:15:01.37ID:qVaFjK9r
秋穂「なにが神の子よ…」

秋穂「ふざけないで……ふざけないでっ!」

秋穂「穂乃果おばちゃんも海未おばちゃんも絵里おばさんも花陽おばさんも…みんな私を本当の娘みたいに可愛がってくれた…」

秋穂「あの人たちの娘だったらどんなに良かったか…」

秋穂「……あなたの子供に産まれて良かったと思ったことなんて一度もない」

秋穂「私は神の子なんかじゃない……」

秋穂「人類史上最悪の人間の娘よッッ…!!」

ドンッッ!

“あいどる”「………」

秋穂「ハァ…ハァ…」
0841名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:20:09.44ID:qVaFjK9r
秋穂「8月3日…」

秋穂「どこにウィルスを撒くの…?」

“あいどる”「……さぁね」

秋穂「みんなどこに逃げれば助かるの…?」

“あいどる”「……さぁね」

“あいどる”「正直…私自身、今度のウィルスにどれほどの殺傷力があるのかわかってない」

“あいどる”「それに…いつの時代も出来事というのは神の気まぐれから起きるものだよ」

“あいどる”「だから…私の気まぐれで無事な場所もあるかもしれないね」

秋穂「…ッ!もうやめて!!」ガタッ

秋穂「」スチャッ

“あいどる”「………」
0842名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:26:56.75ID:qVaFjK9r




スタスタ

海未「秋穂と絵里が捕まったみたいです…。助けないと」

花陽「あの2人が…本当なのかな」

海未「逃げてきた男性が言っていました。金髪の絵里という人物と自分たちのリーダーが拐われた…と」

海未「絵里は秋穂に会いに行ったと…曜という絵里の連れ人が言っていましたし、間違いありません」

花陽「……そっか」

ピタッ

花陽「……ここから上に行けば“あいどるタワー”の駐車場に出られるよ」

花陽「そこで凛ちゃんが待ってる」

海未「花陽はどうするんですか?」

花陽「私は…やる事があるから、気にしないで」タッタッタッ

海未「………」
0843名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:32:05.14ID:qVaFjK9r
海未「はぁ…はぁ…」

凛「おーい!海未ちゃん!」

海未「凛!久しぶりですね…無事でなによりです…」

凛「海未ちゃんもね!」

ブチッ…プツンッ…

海未「!」

海未「停電…?」

凛「きっとかよちんがやったんだにゃ!」

凛「急ごう海未ちゃん!凛たちは早く秋穂ちゃんを!」

海未「花陽が…?おかしいです…いくらなんでも早すぎます」

凛「海未ちゃん早くっ!」

海未「凛、秋穂をお願いします!」ダダッ

凛「え!?」

凛「海未ちゃんッ!どこ行くの!?」

海未「私は花陽のところに!そちらはお願いしますね!」ダダダッ

凛「………」ポカーン

凛「…んにゃぁ…」
0844名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:36:16.87ID:qVaFjK9r




ブォンブォンブォン…

秋穂「絵里おばさんのところまで案内して」

“あいどる”「……秋穂、アキバドームに行った事はある?」

秋穂「……なに?」

“あいどる”「素敵なところなんだ」

“あいどる”「μ'sの努力の結晶だよ」

“あいどる”「彼女たちがいたから、今のスクールアイドルはあそこで踊って歌う事が出来るんだよ」

“あいどる”「私はあそこが好き」

秋穂「…あなたはなにを考えているの?」

秋穂「μ'sが好きなの?嫌いなの?」

秋穂「本当に人を殺してなにも感じないの?」

“あいどる”「…質問はひとつにしてくれないかな」

“あいどる”「いくら最愛の娘とはいえ、一気に回答は出来ないからね」

秋穂「……いや、回答なんかいらない。そんなの無くたってわかる……」

秋穂「異常よ。あなたは」

“あいどる”「………」
0845名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:41:44.79ID:qVaFjK9r
“あいどる”「どんな時代も天才と謳われる人物は奇人や変人と言われるのが相場なのさ」

“あいどる”「天才でさえその言われよう」

“あいどる”「神ともなれば…その存在を異常と思うのも不思議ではない」

“あいどる”「今はまだ秋穂にはわからないかも知れない」

“あいどる”「でも…君もいつかその境地に辿り着く。神の子なんだから」

秋穂「違う…あなたはただの殺戮者…」

秋穂「……本当の天才って言うのは」

秋穂「不可能と言われる事を成し遂げたり……歌で人を魅了したり……行けないと思ってた場所へ手を引っ張って連れて行ってくれる人のこと」

“あいどる”「それは他人の協力があってこそだよね」

秋穂「……μ'sはあなたとは違う」

“あいどる”「……本当に穂乃果ちゃんが好きだね」

“あいどる”「……昔の人たちもみんなそうだった」

“あいどる”「事あるごとに穂乃果…穂乃果…穂乃果って」

“あいどる”「……いいなぁ」

秋穂「………」
0846名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:44:56.97ID:qVaFjK9r
スタスタ…

秋穂「……」

スチャッ スチャッ スチャッ スチャッ スチャッ

秋穂「!」

親衛隊「」スチャ

あんじゅ&英玲奈「……」

秋穂「……どいて!」

あんじゅ「いくら“あいどる”の子供だからって…やっていい事と悪い事の違いもわからないのかしらぁ?」

あんじゅ「親に銃を向けるなんて…」

秋穂「こんなやつ…親でもなんでもない!」

秋穂「殺したってバチなんか当たらない!むしろ…殺した方がきっと…!」

あんじゅ「そう…」
0847名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:48:39.22ID:qVaFjK9r
あんじゅ「なら撃ってみなさい」

秋穂「!?」

“あいどる”「……」

秋穂「……?」

秋穂「……!」ハッ

あんじゅ「うふっ♡正解!その銃に弾は入ってないの♪」

秋穂「ぐっ……」

“あいどる”「……彼女は私に銃を向けた」

“あいどる”「だから“退部”だ」

秋穂「…ッ!」

英玲奈「……“あいどる”、お言葉ですが高坂秋穂は“あいどる”のご息女……いくらなんでも」

“あいどる”「娘?関係ない」

英玲奈「しかし…」

“あいどる”「関 係 な い」

英玲奈「……申し訳ありません。失言でした」
0848名無しで叶える物語(光)
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2020/07/17(金) 22:53:43.94ID:qVaFjK9r
あんじゅ「発砲準備」

親衛隊「発砲準備!」

スチャッ スチャッ スチャッ スチャッ スチャッ

“あいどる”「いや、待って」

“あいどる”「彼女を8月3日の主役にしよう」

秋穂「は…?」

“あいどる”「穂乃果の姪。人類を滅亡に追いやる史上最悪の女テロリスト」

あんじゅ「なぁるほどぉ〜…♪」

あんじゅ「なら、行ってもいいわ。姪っ子ちゃん♡」

秋穂「……っ」

秋穂「……ッッ!」ダッ!

“あいどる”「秋穂」

秋穂「」ピタッ

秋穂「……」クルッ

“あいどる”「わかる?私こそ…」

“あいどる”「私こそが真のアイドルなんだよ」

秋穂「……」クルッ

ダダダッ…
0849今日はここまで(光)
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2020/07/17(金) 23:00:45.84ID:qVaFjK9r
秋穂「」タッタッタッ

秋穂「……」ピタッ

秋穂「」ガクッ

秋穂「ッッ…」ジワッ…

秋穂「うぅっ…うわぁぁぁん…!!!」

…タッタッタッ

凛「秋穂ちゃんッ!!」

秋穂「エッ…エッ…凛…おばちゃん…?グスッ…」

凛「どうしたの!?何かされた?いや…怪我はない!?」

秋穂「グスッ…凛おばちゃん…!」ダキッ

凛「んにゃ…!」

秋穂「撃てなかった……!私……撃てなかったよおぉ……!」

凛「……うん、うん……」ギュッ…

秋穂「なんで…グスッ…なんでぇ…」

凛「とにかく……ここは危険だにゃ」

凛「行こう」

秋穂「グスッ…エグッ…うん…」
0851名無しで叶える物語(SB-Android)
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2020/07/18(土) 14:05:06.21ID:6wfsMCQj
わっふるわっふる
0856名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 14:38:23.75ID:Pw3UHU6k




千歌「釣れないですね〜…」

穂乃果「そうだねぇ…」

千歌「……ってちっがーう!」

穂乃果「へ?どうしたの急に…」

千歌「なんで私たち釣りなんてやってるんですか!」

穂乃果「だってお腹減って…」

千歌「早く東京に行かないとっ!」

穂乃果「まぁまぁ。お腹が減ってはって言うでしょ?」

穂乃果「……ずっと気を張ってると疲れちゃうこともあるからね」

千歌「そ、そうですかねぇ…」
0857名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 14:41:32.68ID:Pw3UHU6k
千歌「」チョキンチョキン

穂乃果「え…?ハサミ?」

穂乃果「何するつもりなの?」

千歌「ふふふ…。髪、切りましょう!」

穂乃果「ふぇ?な、なんで…?」

千歌「穂乃果さんと言えばセミロングですよっ!」

千歌「それに、そんなに長いと秋穂ちゃんが気づいてくれないかも…!」

穂乃果「えぇ…気づくと思うけどなぁ…」

千歌「いいからいいから!切りましょう!」

千歌「さっ!帽子取ってください!」

穂乃果「たはは…(グイグイ来る子だなぁ〜…)」
0858名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 14:44:07.73ID:Pw3UHU6k
チョキン…チョキン…

千歌「きっと…穂乃果さんに会えたら秋穂ちゃん喜びますよ…」

穂乃果「…秋穂の面倒は今…誰が見てるんだろう…」

千歌「海未さんだと思いますよ。いつだか秋穂ちゃんが言ってました…。海未おばちゃんには迷惑かけたくないって…」

穂乃果「そっか…海未ちゃんが」

穂乃果「ぷっ…。それにしても海未おばちゃんかぁ。海未ちゃんもそんな歳になったんだねぇ」

千歌「穂乃果さんも海未さんと同い年じゃないですか」チョキンチョキン

穂乃果「あっ…そっか」

千歌「……秋穂ちゃん、ずっと穂乃果さんに会いたがってましたよ」

穂乃果「……私は」

穂乃果「あの子が思ってるような人間じゃないんだけどなぁ……」

千歌「え?」

穂乃果「………」
0859名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 14:54:04.09ID:Pw3UHU6k
穂乃果「あっ…ねぇねぇ、アレ知ってる?」

千歌「アレ?って…あそこに生えてるアレの事ですか?」

穂乃果「そう。それ」

千歌「うーん?なんだろう…アスパラガスかな?」

穂乃果「うーうん。シオデって言うんだよ」

千歌「へぇ〜…」

穂乃果「あのね、シオデにも花言葉があるんだよ」

千歌「そうなんですか?」

穂乃果「うん。味わい深い…ってね」

千歌「味わい深い?美味しいって事ですか?」

穂乃果「じゃなくて、花の色は地味でも面白いって事だよ」

千歌「穂乃果さん…詳しいですねー!」

穂乃果「……うん。昔、教えてもらったんだ」

穂乃果「あっ…もう一つ花言葉があるんだった」

千歌「2つもあるんですか?」

千歌「じゃあ…そのもう一つは?」

穂乃果「もう一つは…」

穂乃果「………」

穂乃果「あなたを離したくない」
0860名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:00:26.72ID:Pw3UHU6k
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

チョキン!

千歌「ふぅ…!終わりましたよ!」

千歌「うーん。我ながら上手く切れてます」

穂乃果「この歳でこの髪型って…大丈夫かな?」

千歌「大丈夫ですよ!海未さんにしたって穂乃果さんにしたって、昔と全然変わってないですから!」

穂乃果「えへへ…ありがと」

穂乃果「…さてと」

穂乃果「よしっ…じゃあ行こうか」

千歌「え…もう行くんですか?」

穂乃果「…何か他にやる事が?」

千歌「釣りは…?」

穂乃果「……うん。確かに、よく考えたら、私たちの獲物は魚じゃなかったよね」

穂乃果「乗って」

ブルンッ!

千歌「は、はいっ!」 ギュッ

ブルルルーンッ!!
0861名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:05:30.71ID:Pw3UHU6k




ブルルンッ…

ことり「ずいぶん山奥まで来ましたね…」

ことり「神様…いったいどこに向かってるんですか?」

公野「行けばわかるよ」

ことり「私、ちょっと車酔いがぁ…」

公野「えぇ…」

公野「頑張りなよ。もうちょっとで着くから」
0862名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:12:26.99ID:Pw3UHU6k
キッ…

公野「…ほら、着いたよ」

ことり「ここは…」

ことり「…小屋?」

ガチャ…スタッ…

ことり「ここに何が…?」

ブウウゥン…

ことり「え?」

キッ…

ことり「こんなところへ私たち以外に車で…?」

ガチャ…

真姫「ふぅ……。えっ……ことり!?」

ことり「ま、真姫ちゃんっ!何でこんな所に?」

真姫「それはこっちのセリフよ…って、あなた…」

公野「連れて来ちゃった」

真姫「連れて来ちゃった…じゃないのよ」
0863名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:19:25.56ID:Pw3UHU6k
ルビィ「あ、あの!」

ことり「…?どうしたのっ?」

ルビィ「あ、あの……///」カァァ…

ことり「えっとぉ…真姫ちゃん、この子は…?」

真姫「私の助手よ。ほら、ルビィ…自己紹介なさい」

ルビィ「は、初めましてっ!黒澤ルビィです!よろしくお願いしますっ!」

ことり「そっか、真姫ちゃんの助手さんなんだ♪」

ことり「私は南ことりだよ。よろしくね♪」

公野「……さてと。自己紹介はその辺にしてさ」

公野「さっそく中に入ろうか」

ことり「神様…それで、ここには何があるんですか?」

真姫「え?ことり…あなた、知らないでここへ来たの?」

ことり「う、うん…神様に言われるがままついて来ちゃって…」

真姫「あなた…」キッ

公野「……遅かれ早かれ知ることになるんだし」

真姫「……まったく」

ルビィ「こ、ここは穂乃果さんの妹さんの研究所なんですっ!」

ことり「!…雪穂ちゃんの…?」

ことり「真姫ちゃん…ほんと?」

真姫「…えぇ。小さいけどね」
0864名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:27:59.32ID:Pw3UHU6k
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ゴソゴソ…

真姫「この防護服は必ず着て。じゃないと…」

ことり「ねぇ、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

ことり「雪穂ちゃんはここで何をしてるの?」

真姫「…新型ワクチンの開発よ」

ことり「ワクチン…」

真姫「2035年、“あいどる”が世界中にウィルスをばらまいた時、既に私たちの手でワクチンを完成させていたの」

真姫「……でも、完璧じゃなかった」

真姫「100人に1人効果が出ればいいところの不良品だったわ……。その後、雪穂ちゃんはこの山奥に1人でこもってワクチンを……」

ことり「……そうなんだ」
0865名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:35:31.11ID:Pw3UHU6k
スタスタ…

真姫「雪穂ちゃん!真姫よ!」

・・・シーン

真姫「……妙ね、返事がないわ」

ことり「どこかに出かけちゃったのかな?」

真姫「雪穂ちゃんの方から来てほしいって連絡があったのよ?そんなはずは…」

ことり「なら、どこに…」

公野「……こっちだね」スタスタ

ことり「あっ!神様!」

真姫「……そっちは確か実験室……ハッ……まさかっ!!」
0866名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:45:10.88ID:Pw3UHU6k
ダダダッ

真姫「雪穂ちゃんっ!」

雪穂「……真姫さん、来てくれたんですね」

真姫「何…してるの…雪穂ちゃん…?」

ことり「真姫ちゃん!雪穂ちゃん…防護服着てないよ!いいの!?」

真姫「ダメに決まってるでしょ…何してるのよ…雪穂ちゃん!」

雪穂「ことりさんも…来てくれたんですか…久しぶりですね…」

ことり「雪穂ちゃん…」

真姫「雪穂ちゃん!そこから出なさいっ!」

ルビィ「真姫さん、ダメです…!向こうからじゃないと開きません…」

真姫「…ッッ!」
0867名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:52:01.13ID:Pw3UHU6k
雪穂「真姫さん…“あいどる”が8月3日に使うであろうウィルスを入手しました」

雪穂「そして…そのワクチンも完成しました」

真姫「!」

雪穂「ただ…このワクチンを試したいというクライアントはもういません…見つける時間もないので…。だから」

雪穂「私が…試します」

ルビィ「そ…それって…人体実験!?」

ことり「雪穂ちゃんダメだよっ!危険すぎる!」

雪穂「“あいどる”は今度のウィルスのワクチンは私には開発出来ないと高を括っています……」

雪穂「もう、ワクチンは投与しました」

雪穂「そして、ウィルスを…」

プシャッ!

真姫「……!」

雪穂「真姫さん…もし、このワクチンがダメなら…もう8月3日には間に合いません」

雪穂「これが、最後の試作品…」

ことり「…雪穂ちゃん」

雪穂「私が死んだら“あいどる”の勝ち」

雪穂「生きれば…人類の勝ち」
0868名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 15:57:23.07ID:Pw3UHU6k
雪穂「……ハァ……ハァ」

真姫「…何時間持てば有効なの?」

雪穂「ゼェ…潜伏期間は…12時間…それまでに私に何も…ハァ…なければ…いけます…使えます…ハァハァ…」

公野「もう、だいぶ苦しそうだね」

雪穂「…ハァハァ、はは…もしかしたらダメかも…しれないので、その時は…ゼェ…ごめんなさい…」

ことり「ダメだよっ…雪穂ちゃん!死んじゃダメ!」

ことり「死んじゃったら…また誰かが…悲しむ…きっと」

雪穂「私も……血を噴き出して死ぬのは、ハァハァ……嫌なので……あはは……頑張ります……ゼェ」

雪穂「……もし私になにかあったら……デスクの上に“あいどる”についての資料をまとめてあるので……使ってください……」
0869名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:00:29.03ID:Pw3UHU6k
雪穂「ハァハァ…もしかしたら…今すぐにでも…死ぬかもしれません…」

雪穂「何か聞きたいことがあれば……ゼェ……今のうちに答えます……よ、ハァハァ……なんでも答えます」

ことり「……あのね、さっきの雪穂ちゃんが死んじゃったら悲しむって話……誰のこと言ってるかわかるよねっ……?」

雪穂「……秋穂……ハァ……秋穂……ですよね……」

ことり「うん、そうだよ。だから、絶対に死んじゃダメ……」

雪穂「……ハァハァ、はい……」

雪穂「……あの……秋穂は……元気に……ハァ……してますか……?」

ことり「……私もしばらく会えてないけど、元気な子だよ?」

ことり「元気すぎるっていうか……」

雪穂「ハァハァ……あはは……まるで……お姉ちゃん……みたい……ですね……ゼェ……」
0870名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:03:30.58ID:Pw3UHU6k
公野「……デリカシーのない質問で悪いんだけど」

雪穂「神様にも……わからないこと……あるんですね」

公野「まぁね……」

雪穂「大丈夫ですよ……?なんでも答えるって言ったので……」

公野「……それじゃあ。秋穂の片親は本当に“あいどる”なの?」

雪穂「………」コクッ

雪穂「そうです……」

ことり「雪穂ちゃん…“あいどる”は誰なの…?」

雪穂「………いろいろと、薬の副作用で記憶が曖昧なんですが………ハァハァ………ゲホッ」

雪穂「“あいどる”は……」

真姫「………」
0871名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:06:22.95ID:Pw3UHU6k
雪穂「……A-RISEのツバサだと思います」

真姫「……!!」

ことり「うそ……」

公野「……最近聞いた話だと、A-RISEのメンバー3人のうち……ツバサだけ、地方へ飛ばされたらしいわ」

公野「あんじゅと英玲奈は今も“あいどる”の右腕として働いてるって」

公野「冷静に考えてみると、同じ山田派閥だったA-RISEで……ツバサだけ異動はおかしい気がするわね」

真姫「……本当にツバサなの?」

雪穂「はい……今まで黙ってて……ごめんなさい真姫さん……ハァハァ」

雪穂「……私の記憶では微かに……ツバサの……顔が……」

雪穂「もしかしたら……違うかもですけど……ハァハァ」
0872名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:18:58.29ID:Pw3UHU6k
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

雪穂「………ハァハァ」

ルビィ「あと30分!雪穂さん、頑張ってくださいっ!」

雪穂「はは……ありが……とう……」

雪穂「あの……誰か……」

真姫「なに…?どうしたの…?」

雪穂「……秋穂に……ハァハァ……なんでも諦めないで……最後まで頑張るんだよって……伝えといて……ゼェ……ください」

ことり「雪穂ちゃん……」

ことり「……それは雪穂ちゃんが直接伝えてあげてほしいな」

雪穂「でも…。ッッ」

雪穂「オエッ…ゲホッゲホッゲホッ!!!ガバッッ!!」

ことり「雪穂ちゃんっ!」

ルビィ「ッッ…。ルビィ!もう見てられない!中に行ってきます!」

雪穂「ダメッ!!」

ルビィ「!」

雪穂「絶対入っちゃ……ゼェゼェ……ダメ」

真姫「……ルビィ、向こうからじゃないと開かないって言ったのはあなたでしょ?」

真姫「もう見てることしかないのよ…私たちは」

ルビィ「……はい」

雪穂「大丈夫だよ……ルビィちゃん……ちょっと咳き込んだだけ……ワクチンの副作用だから……たぶん」

ことり「たぶんって…雪穂ちゃん…」
0873名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:33:47.03ID:Pw3UHU6k
ことり「まだ、雪穂ちゃんと一回もお酒飲んだことないよね」

雪穂「え……?あは……そ、そうですね……」

ことり「私、雪穂ちゃんとお酒……飲みたいなっ」

雪穂「……はい、私も……一緒に、飲みたいです」

真姫「……実は私もないわよね」

雪穂「確かに……真姫さんとも……ないですね」

真姫「なら、今度みんなで酌み交わしましょう」

雪穂「はは……はい」
0874名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:39:13.65ID:Pw3UHU6k
雪穂「ゲホッゲホッ、ゲッホ…!」

雪穂「……!」ツー

ルビィ「あっ…鼻血が!」

雪穂「……だいじょ……ふ……」

雪穂「あっ…」フッ

雪穂「」バタッ…

ことり「……ッッ!雪穂ちゃぁん!」

真姫「雪穂ちゃんッ!」

雪穂「………」

ことり「そんな……」ガクッ

真姫「うそ……でしょ……」

公野「……あんたたち、慌てすぎだよ」

ことり「え…?」

公野「……疲れて眠っただけ」

公野「……もう、12時間経ってる」
0875名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:44:45.17ID:Pw3UHU6k




ブゥゥゥン…

穂乃果「……んぅ?」

千歌「どうかしたんですか?」

穂乃果「いや、さっきから…何か注目を浴びてるような」

千歌「……はっ!まさか、穂乃果さんの髪切っちゃったからみんなにバレちゃったのかな……」

穂乃果「いや…私なら別にいいんだけどね…むしろ注目されてるのは…」

穂乃果「あなたかも…」

千歌「え?」

中年「おい、そこの姉ちゃん」

穂乃果「」キョロキョロ

穂乃果「私ですか?」

中年「そうだ。なぁ…あんたの後ろに乗ってるそいつの顔、ちょいと拝ましてくれねぇか?」

穂乃果「…なんで?」

中年「これだよ」ピラッ

穂乃果「」スッ

千歌「……?」

穂乃果「指名手配……逃亡警察官、高海千歌……この顔にピンと来たら親衛隊まで……」

千歌「……えっ!??」
0876名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:47:03.25ID:Pw3UHU6k
穂乃果「……いつからこれが?」

中年「つい先日だ」

穂乃果「手配書ってこの写真の子だけ?」

中年「あぁ、そいつだけだ」

穂乃果「そっか……」

千歌「穂乃果さん…まずいですよぉ〜…!もう行っちゃいましょう…」コソコソ…

穂乃果「なら、この子が高海千歌だよ」

千歌「!?」

中年「あ?」

穂乃果「だから、この子がその指名手配の子」

千歌「ほっ…穂乃果さんッッ!?」
0877名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 16:56:28.08ID:Pw3UHU6k
千歌「うぅ……酷い……酷いですよ、穂乃果さぁん」

穂乃果「………」

中年「おら!もうすぐ親衛隊が来るからなッ!この犯罪者め!」

千歌「やだよぉ…!」

タッタッタッ…

「お待たせしました!高海千歌はどこず…ですか!?」

千歌「おぉ、来た来た…」

千歌「うぅぅ……グスッ」

中年「いつまで泣いてんだ!こいつです!親衛隊さん!」

「ご協力感謝しますわ!」ビシッ

千歌「うわぁぁん!」

穂乃果「……じゃ、私は行くね」ブルルルンッ

千歌「〜〜〜ッッ!」
0878名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:13:01.45ID:Pw3UHU6k
千歌「エグッ…グスッ…私、どこに連れて行かれるんですか…?」

「ふふふ…連れていくも何もないずら〜」

千歌「え!?…ってことはすぐに殺されて…!…ん?ずら?」

「鈍感すぎではなくて?千歌さん?」

千歌「この声…この口調…まさか!」バッ

花丸「へへ〜」

ダイヤ「うふふ…」

千歌「ダイヤさん!花丸ちゃん!」

花丸「ここまで来ればもう安心だね」

千歌「2人とも久しぶり……いや、その前に……無事で良かった……!」
0879名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:16:54.29ID:Pw3UHU6k
千歌「というか2人ともなんで親衛隊の格好してるの?コスプレ?」

ダイヤ「千歌さんを探すためですわ」

ダイヤ「少々荒っぽい探し方になってしまいましたけど……」

花丸「ま、無事に見つかってよかったずら〜」

千歌「なんで私を探しに?」

ダイヤ「決まっているでしょう?リーダーがいないとなにも始まらない」

花丸「千歌ちゃんを迎えに来たの!」

花丸「みんな待ってる…行こう!」

千歌「みんなが……うん!行こう!」

千歌「あっ……でも、ちょっと待って!」ダッ

ダイヤ「えっ…ち、千歌さん!?」

花丸「どこ行くの!?」
0880名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:24:18.59ID:Pw3UHU6k
ダダダッ…

千歌「はっはっ…」

千歌「…!いた…」

千歌「穂乃果さん!!」

穂乃果「……!」

千歌「……知ってて、私を差し出したんですね」

穂乃果「……うん。だって、あなたの同僚は他にもいたのに、あなただけ指名手配なんておかしいからね」

千歌「……穂乃果さん」

穂乃果「……みんなの夢が希望が……唄になったら、また会える」

穂乃果「あなたはもう叶ったね」

穂乃果「…向こうで会おう」

穂乃果「またね……千歌ちゃん」キュッ

ブゥゥゥン!

千歌「ほ、穂乃果さん…!」
0881名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:30:55.91ID:Pw3UHU6k
タッタッタッ…

花丸「は、はぁ…もう…千歌ちゃん…急に走って…どうしたの…はぁはぁ…」

千歌「…お礼、言っとかなきゃと思って」

ダイヤ「お礼?」

千歌「うん、穂乃果さんに…」

ダイヤ「穂乃果…穂乃果さん…穂乃果さん…??」

ダイヤ「穂乃果さんッッ!?」

千歌「……また、向こうで会いましょうね」
0882名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:53:25.44ID:Pw3UHU6k




ハターキ「お呼びで?」

“あいどる”「……先生、私ね……次の曲はSF風がいいと思ってるんだ」

ハターキ「SF風ね…」

“あいどる”「強大な力で世界を震撼させる、みたいな……」

ハターキ「…考えとくよ」

梨子「……」

ハターキ「用件はそれだけかい?なら行くよ」

“あいどる”「ちょっと待って」

ハターキ「え?」

梨子「……?」

“あいどる”「君は残って」

梨子「え…」
0883名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:54:31.37ID:Pw3UHU6k
梨子「……(どうしましょう?)」ジッ

ハターキ「……(ここは言うことを聞いときなさい)」コクッ

梨子「……(わかりました)」

ハターキ「……では、私は失礼」

バタンッ…

梨子「………」

“あいどる”「………」

“あいどる”「君は……先生のマネージャーだったよね」

梨子「は、はい…」

“あいどる”「……いいね、役割があって」

梨子「はい…?」
0884名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:56:18.09ID:Pw3UHU6k
“あいどる”「私にも昔は役割があった。他の誰よりも認められていいはずの……役割が」

梨子「……どんな役割だったんですか?」

“あいどる”「………」

梨子「………」

“あいどる”「……ずっと、応援してたんだ」

“あいどる”「ずっと……」

梨子「応援…ですか」

“あいどる”「ずっと……」

梨子「……?」

“あいどる”「ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと」

梨子「…っ」ゾッ

“あいどる”「……しかし、虚無感っていうのはダメだね。本当に虚しくなっちゃう」
0885名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 17:59:47.97ID:Pw3UHU6k
梨子「……次の曲、SFみたいにって言ってましたけど……何をする気なんですか?」

“あいどる”「……世界大統領とかさ……なってみて、やってみて初めて気づいたけど……」

“あいどる”「……向いてないね」

梨子「なら…」

“あいどる”「そうだね、飽きたし…」

“あいどる”「そろそろ終わらせよっか」

梨子「え…?」

“あいどる”「自分が信じているものが虚像だと知ったら、みんなどう思うんだろうね……」

“あいどる”「……私、知ってるよ?本当は君が先生の代わりに作曲してるんでしょ?」

梨子「」ドキッ

梨子「い、いえ…」

“あいどる”「いいんだ、別にそんなこと隠さなくたって」
0886名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 18:05:07.98ID:Pw3UHU6k
“あいどる”「人には得意不得意、適材適所というものがあるんだから」

“あいどる”「……過去、君は行き詰まった時に次の選択肢があったでしょ?」

梨子「………」

“あいどる”「……私には……もう、なにも……」

“あいどる”「……だから終わり」

“あいどる”「……あの子たちのあの時の判断が正解だって、賢明だったって思い始めてる自分が嫌だよ、もう」

梨子「……いったい、何をする気なの……?」

“あいどる”「……ふふ」

“あいどる”「終わらないパーティーを終わらせるんだよ」
0887名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 18:07:42.63ID:Pw3UHU6k
スタスタ…

梨子「……」

ハターキ「おかえり。早かったね」

梨子「先生……はい、まぁ……」

ハターキ「なに言われたの?」

梨子「……よくはわからなかったんですけど……とにかく、終わらせるらしいです」

ハターキ「終わらせる……ねぇ」

梨子「それと…今日の12時30分から特別放送をやるみたいです」

梨子「世界中のテレビや映画館、街頭ビジョンに映し出すそうです」

ハターキ「中途半端な時間だなぁ……それなら正午でいいのに……ちなみに今、何時だっけ?」

梨子「今は……」チラッ

梨子「……12時29分です」

ハターキ「なら、ちょうど街頭ビジョンもあることだし…見ようか」

梨子「……私、何か……嫌なの感じがします」

ハターキ「……私もだよ」

梨子「………」

ハターキ「……さて、なにを語るか」
0888名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 18:12:56.39ID:Pw3UHU6k
ジジッ…ジッ…

ブオンッ…

“あいどる”『やぁ、世界中の皆さん、こんにちは』

“あいどる”『みんな覚えてるかな、2019年12月31日の血の大晦日……』

“あいどる”『そして2035年、ウィルスによって世界中でたくさんの人が死んだよね』

“あいどる”『全部、私の予想通りだったよ』

“あいどる”『なぜ予想できたかって?私が神だから?うーうん…違うよ』

“あいどる”『だって全部、私がやったことだもん』

“あいどる”『君たちに愛想を振りまいて、かまけてるのはもう飽きました』

“あいどる”『そもそも私は…彼女と一緒に何かをやりたかっただけなので』
0889名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 18:15:32.42ID:Pw3UHU6k
“あいどる”『でも、どうやったって君たちは私に何かを頼む、協力を仰ぐ、助けを求めるでしょう』

“あいどる”『ウンザリです。なので私は結論付けました』

“あいどる”『この世に私は必要だけど君たちは必要ないって』

“あいどる”『神様は1週間でこの世界を作られたみたいです』

“あいどる”『なので私は…1週間でこの世界を終わりにします』

“あいどる”『殺人ウィルスを世界中に撒きます』

“あいどる”『・・・あはは』

“あいどる”『うふふ・・・』

“あいどる”『じゃあ』

“あいどる”『みんな』

“あいどる”『お疲れ様』

第8章「希望の唄」-完-
0890名無しで叶える物語(光)
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2020/07/19(日) 18:30:18.43ID:Pw3UHU6k
ここら辺でキリがいいのとボチボチ改行出来なくなる頃合いなので次スレ立てます
諸事情により少し期間が空きますが遅くても今日から1週間以内には立てるつもりなのでよろしくお願いします
再投下が長くなって申し訳ないです
このスレが残ってればURLを貼って誘導させてもらいますので、しばしお待ちを…
0891名無しで叶える物語(とばーがー)
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2020/07/19(日) 19:15:03.41ID:XZItGWg2
おつおつ。
楽しみに待ってるから。
0892名無しで叶える物語(馬刺し)
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2020/07/19(日) 19:58:20.62ID:mKC9OUVh
応援してる、頑張って
0899名無しで叶える物語(馬刺し)
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2020/07/22(水) 07:50:19.89ID:qdB6sqLY
保守
0907名無しで叶える物語(馬刺し)
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2020/07/25(土) 14:36:12.80ID:fizlCjjk
まだかなー
レス数が900を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。

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