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しずく 「願いよ叶え、1つでいいから」 彼方 「叶うよ、きっと」
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0001名無しで叶える物語(しうまい)
垢版 |
2020/06/26(金) 22:08:57.14ID:O0p+CAbh
気がつくと、病室のベッドに横たわっていた。
どうやら酸素マスクをさせられているらしい。

一定のリズムを刻んで鳴る電子音と、窓を叩く風の音。ただ天井を見つめ、静寂の中に響くそれらの音に耳を澄ます。


彼方 (どうして……こんなところに)


体を起こそうにも、全身に痛みが走って思うように体を動かせない。辛うじて顔だけは動かせたので、辺りを見回してみる。私以外誰もいない。

そうこうしていると、突然病室の静寂を撃ち破るかのような激しい音を立てて、扉が開かれる。


エマ 「彼方ちゃんっ!!!」
果林 「彼方……っ!!!」
0002名無しで叶える物語(しうまい)
垢版 |
2020/06/26(金) 22:09:59.87ID:O0p+CAbh
部屋に駆け込んできた2人は、全身汗でびっしょりだった。心配そうな目で、私を見ている。


エマ 「彼方ちゃんっ……大丈夫なの!?」

彼方 「うん……っ…なんと…か……」


ベッドの背もたれに背中を添わせながら、全身に走る痛みを必死に堪えて徐々に座り姿勢へ移る。


果林 「無理しちゃダメよ…。あんな事故に遭ったんだから」

彼方 「…………事故?」

エマ 「もしかして、よく覚えてない?」


思い出そうとするが……ダメだ。あと少し、というところまで行くと、頭痛がする。
まるで、誰かにブレーキをかけられたように。
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