梨子「ええとね、真姫ちゃん。ラーメン屋には本当に行ったことないの」
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真姫「花の女子高生なのに、ラーメン屋さんに行ったことがない……」
真姫「問題ね」
梨子「問題なの?」
真姫「大問題よ!わたしたち、女子高生なのよ?それで、ラーメン屋さんよ!?」
真姫「週に一回は行くでしょ、フツウ」
梨子「ええ?……週一回は多いと思うな」
真姫「いやいや、多くないから。むしろ少ないくらいよ」
真姫「凛も言ってたわ。イマドキオトメは週三でラーメン!って」
梨子「ええぇ……」 鞠莉「まあとりあえず、座って座って?」
梨子「う、うん…………」
真姫「待った!まったく、騙されちゃダメじゃない」
梨子「え?」
真姫「ふふっ、いい?ラーメン屋さんではね――まず、食券を買うのよ!」
梨子「あ、この店、食券があるんだね」
真姫「そう、食券は忘れちゃダメ。食券を買わず店員に注文なんてしてみなさい?」
真姫「あの時は――凛には笑われ、希にはからかわれ…………それはそれは大変だったんだから!」 梨子「食券機は……こっちだね」
真姫「そうそう、食券を買うときは注意点があるの」
梨子「注意点?」
真姫「ええ。知ってた?食券機はね」
真姫「なんと――カードが使えないのよ!」フフン
梨子「え……あ……うん……」
真姫「そうよね、そうよね。初めてだと戸惑うわよね?」
真姫「わかるわかる。わたしも最初は、カードで買おうとしたわ」
梨子「ええっ……」 梨子「……………」
真姫「安心しなさい?この真姫ちゃんが、食券の買い方をていねいに教えてあげる」
梨子「あ、ありがとう」
真姫「いい?まずは、ここにお札を入れるの」
真姫「あ、特別に教えてあげるけど、小切手は使えないわよ?」フフン
梨子「へ、へぇ……そうなんだ……」
梨子(なんでこの子、さっきからこんなに得意げなんだろう……) 真姫「見てて。お札を――」
―ウィーン
真姫「ね?お札が入ったでしょ?」
梨子「そうだね」
……ヴェー
真姫「あ、あれ……お札が戻ってきた……」
梨子「あっ……そのお札――」 真姫「もう一回!」
―ウィーン
真姫「…………」
……ヴェー
真姫「ちょっと、どうなってるのよ!?」
梨子「あのね?だから、そのお札――」 鞠莉「お客様、どうなさいました?」
真姫「どうもこうも……入れたお札が戻ってくるんだけど!?」
鞠莉「ええ?さっきマリーが確認したときは、ちゃんと入ったけど」
真姫「とにかく試してみて。ゼッタイに戻ってきちゃうんだから!」
鞠莉「どれどれ……」
―ウィーン……ヴェー
鞠莉「あれ?ホントだ」 真姫「ほら、わたしの言った通りじゃない。壊れてるのよ、これ」
鞠莉「待って。きっと、向きが逆なのよ。こっち向きで――」
―ウィーン……ヴェー
真姫「ダメじゃない」
鞠莉「待って、入れる角度にコツが……」
―ウィーン……ヴェー
真姫「ダメじゃない」 真姫「ゼッタイに不良品よ、不良品!」
鞠莉「うーん……どうやら、そうみたい」
真姫「まったく、とんでもないもの売りつける会社があるのね」
鞠莉「安心して!マリーが会社ごと買い取って、ちゃんとしたもの送ってもらうから!」
梨子「――あ、あのー……」
真姫「なに?」
梨子「えっとね……そのお札、一万円札だよね?」
真姫「ええ。あ、ほら見て。ピン札よ?」
梨子「あの、ピン札とかは関係なくて……この機械は一万円札、使えないんじゃない?」 ――――――――
――――――
真姫「――えー……いいかしら。場所によっては一万円札が使えない」
真姫「そういうことだから。気を付けなさい?」
梨子「う、うん。気を付けるね」
梨子「ふぅ…………」
梨子(なんとか、食券は買えた……)
梨子(やっと席に座れる…………) 真姫「ところで、ラーメン屋さんではどこに座るか知ってるかしら?」
梨子「座る場所が、あらかじめ決まってるの?」
真姫「当然よ。いい?座るのは、あのまんまるだから」
梨子「まんまる?」
真姫「そう、カウンター席って言うのよ?」
梨子「ああ……まんまるってカウンター席のことかぁ……」
真姫「ふふ、驚いた?まあ驚くのもムリはないわね。まさか、横一列に――」
真姫「しかも背もたれもない、あの、まんまるに座るなんて!」
真姫「わたしだって、初めて来たときは、荷物置きと思ったわ」
梨子「ええっ…………というか、どこに座るかって、そういう意味なの?」 真姫「座ったら、カウンターに食券を出すの」
梨子「うん」
真姫「あとは食券を見た店員さんが、ラーメンを作っ――」
鞠莉「お客さん。おこのみは?」
真姫「うぇ!?おこのみ?」
鞠莉「おこのみ」
真姫「おこのみ…………」 真姫「……あ、ちがうちがう!」
真姫「わからないんじゃなくて、考えてるだけ」
梨子「うん」
真姫「そうね…………トマトかしら」
鞠莉「…………トマト?」
真姫「わたしの好物よ」
鞠莉「麺の硬さ、味の濃さ、油の量などなど……おこのみあれば」
真姫「あー!そっちね!?わかってた、わかってたんだから!フツウよ、フツウ!」 真姫「…………」
真姫「いいかしら。よく聞いて?」
梨子「…………うん」
真姫「食券を出すと、おこのみを聞かれることもあるわ」
真姫「麺の硬さとか、味の濃さをあらかじめ決めとかないとダメなのよ?」フフン
梨子「はい……」
梨子(なんでこの子、こんなに自信満々なんだろう……) 鞠莉「そちらの方、おこのみは?」
梨子「ええと、全部フツウでお願いします」
鞠莉「かしこまりました!ラーメンいっちょー!」
花陽「――ごいっしょに、ごはんはいかがですか?」スッ
梨子「……へ?」
花陽「ごいっしょに、ごはんはいかがですか?今なら炊き立てです!」
梨子「ええっと……」 花陽「ごめんなさい。花陽の声、小っちゃかったですよね……」
梨子「あの、そうじゃなくて、なんで花陽ちゃんが―――」
花陽「ごいっしょに!ごはん!!いかがですか!!?」
梨子「聞こえてます!聞こえてます!」
梨子「ええと……」
真姫「頼みなさい。ラーメンとごはんは合うわ」
真姫「わかりやすく言うと、イチジクとフォアグラと同じくらい合うんだから」
梨子「う、うん……?」 梨子「それじゃあ、ごはんいただこうかな」
花陽「ありがとうございます!オーダーごはんはいります!」
梨子「それで、花陽ちゃんは何でここに?」
花陽「ごいっしょに、チャーハンはいかがですか?」
梨子「はい?」
花陽「チャーハンです」 梨子「チャーハンはいいかな」
花陽「ぱらぱらだよ?」
梨子「ぱらぱらでも、量が多くて食べきらないから……」
梨子「今日はパスかな、ごめんね」
花陽「そうですか…………それなら天津飯でどうでしょうか?」
梨子「あの、だから、おなかに入らないんだけど……」
花陽「それなら、チャーシュー丼はどうですか?」
梨子「花陽ちゃん、お願いだから話を聞いてください」
梨子「というか……この店、食券制だよね?」 ――――――――
――――――
鞠莉「ヘイ!ラーメンいっちょ!」コトン
梨子(はぁ……やっと食べられる……」
真姫「今出てきた大きい器のこれ。これがラーメンよ」
真姫「フィンガーボールじゃないから」
梨子「それはさすがに知ってるよ?」
真姫「スープの中に麺が入ってるの。ああ、麺って言うのは――」
梨子「それも知ってるけど……」
真姫「そうなの?それで――これがチャーシューっていうのよ!」
梨子「あの……一応、ラーメンは食べたことあるからね?」 真姫「それじゃあ、伸びないうちに食べましょ?」
梨子「そうだね、いただきます」
真姫「…………」チュルチュルチュル!
梨子「…………」チュル…
真姫「…………」チュルチュルチュル!
梨子「ん…………」チュル…
真姫「…………」
真姫「あなた、その一口の小ささで、普段うどんとか食べれてるの?」
梨子「…………へ?」 ――――――――――
――――――――
――――――
梨子「ふぅ……ごちそうさまでした」
鞠莉「お!完食ね!」
鞠莉「どう?おいしかった?マリーのラーメン!」
梨子「うん!ラーメンもごはんもおいしかったよ」
真姫「なかなかね。今度は凛も連れて来るわ」
鞠莉「ふふっ、ありがとう!」
花陽「ごはん完食してくれて、嬉しいです。あ、今度は、ごはんものも注文してね?」 真姫「――食べ終わった後、油断したところに忘れちゃいけない重要なことがあるわ」
梨子「最後に重要なこと……なんなの?」
真姫「それはね――お会計してくださいって言わないことよ」
真姫「なんでかわかる?」
梨子「ええと、それは――」
真姫「そう!食券を買う際にお金は払ってるのよ?」フフン
梨子「そうだね……少なくとも、したり顔で言うことじゃないと思う……」 真姫「さて、一通りラーメン屋さんを経験したわけだけど――」
真姫「どう?感覚はつかめたかしら?」
梨子「大丈夫だよ。カウンター席とか、おこのみを聞かれることは分かったし――」
真姫「食券買うのよ?食券」
梨子「うん」
真姫「食券は忘れちゃだめ」
梨子「大丈夫だよ?」
真姫「入ったらまず、食券よ?」
梨子「わ、わかったから!食券買わなかった時のこと、そんなにトラウマになってるの?」
真姫「………………………」
真姫「…………ソンナワケナイジャナイ」
梨子(この子、何があたんだろう……) 真姫「……ま、まあとにかく。あなたなら大丈夫ね。心配ないわ」
真姫「なんたって、このわたしが保証してあげるんだから」
真姫「どんなラーメン屋だって、大船に乗ったつもりで行きなさい!」
梨子「うん、ありとうね、真姫ちゃん!」
緊張しいな私のこと。初めてのラーメン屋に、実は少し不安がありました。
だけど、なんだかよくわからないけど自信たっぷりの真姫ちゃんから、
ちょっぴり勇気をもらえた気がします。
今の私なら、きっとどんなラーメン屋でも大丈夫―― >>44ミス
真姫「……ま、まあとにかく。あなたなら大丈夫ね。心配ないわ」
真姫「なんたって、このわたしが保証してあげるんだから」
真姫「どんなラーメン屋さんだって、大船に乗ったつもりで行きなさい!」
梨子「うん!」
緊張しいな私のこと。初めてのラーメン屋に少し不安があったのはホントです。
だけど、なんだかよくわからないけど自信たっぷりの真姫ちゃんから、
ちょっぴり勇気をもらえた気がします。
今の私なら、きっとどんなラーメン屋でも大丈夫―― ――――――――――
――――――――
――――――
果南「いやー楽しみだね!新しいラーメン屋さん!」
千歌「そうだねーどんな味のラーメンなんだろうね?」
果南「わかめラーメンとかあるかな?」
千歌「えー?それはないでしょ。ね、梨子ちゃん」
梨子「うーん……わかめのラーメンは、ないかなぁ」
果南「えー……いいと思うんだけどな――あっ、お店あったよ!」
『ラーメン 二郎 沼津店』
おわり 本当にラーメン未経験者がいたら二郎か天一かどっち連れてくか悩むなw 天一はこってりのこってり具合で驚くだけだろw
二郎はうっかり大盛頼んだ千歌が死にかけ
並の梨子も死にかけそうだな 二郎は相良セット食える俺もスープ飲みきれんかったわ 二郎はね
場所によってまずかったりめっちゃまずかったりするから注意な 二郎は関内とひばりが丘と仙台行けばいいよ、それと三田 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています