曜「お仕事の依頼…?」
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前作 https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1589547812/ VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:: EXT was configured 〜前作ラストから遡ること1ヶ月前〜 曜「千歌ちゃん、ダイヤさん、なんかメールが来てるよ」 千歌「なになに?ラブライブ関係?」 ダイヤ「時期的にまだ早いのでは?」 曜「えーっと…トウカイホクリク厚生局麻薬取締部だって」 千歌「え?何それー?」 曜「んー…要約するとお仕事の依頼みたい。薬物乱用防止キャンペーンに力を貸して欲しいんだって」 千歌「薬物乱用…だめ!絶対!みたいな?」 曜「多分…あ、電話番号も書いてあるよ!ダイヤさん、連絡してみますか?」 ダイヤ「そうですわね、皆さんが揃ってからにしましょうか」 話の構成上一部オリキャラ等登場しますのでご了承ください 〜数分後〜 花丸「遅くなったずら〜。あれみんなパソコンの前でどうしたずら?」 果南「ラブライブのお知らせでもきてる?」 ダイヤ「みなさん!スクールアイドルとしての仕事が来ましたわ!」 善子「仕事?魔界から?」 曜「違うよ」 千歌「えーっと東海北陸のコーセーきょくってとこから薬物乱用防止キャンペーンの仕事依頼がきてるんだ!」 鞠莉「詳細が気になるわね。ダイヤ、電話してみましょう」 ダイヤ「わかりましたわ」 prrrrr ダイヤ「はい、私メールで連絡を受けましたAqoursの黒澤と申します…はい…はい…」 その後ダイヤは10分ほど話した後電話を切った。 ルビィ「お姉ちゃん、どうだった?」 ダイヤ「一言で言いますと、薬物乱用啓発のドラマをAqoursのメンバーで作ってもらえないかと…」 ルビィ「ど、ドラマぁ!?PVじゃなくて!?」 梨子「演技しなきゃいけないってこと?私たち素人よ?」 ダイヤ「もし興味を持っていただけたら、今週の土曜日13時頃名古屋駅に来て欲しいとのことでした。駅まで迎えに来てくれるそうです。交通費は出してくださるそうですわ」 千歌「ただで名古屋に行けるの!?いいじゃん!やろうよ!」 善子「魔都名古屋…漆黒の翅が疼くわ!」 曜「電車調べたよー!交通費出るならって新幹線のルート調べたんだ。10時30分に沼津集合でいいよね?」 花丸「地区大会決勝以来ずらね!ひつまぶしに小倉トースト、味噌カツに…想像しただけでお腹すいちゃった〜」 善子「食べ物ばっかじゃない!名古屋と言えば我が一族が一人、第六天魔王がかつて統べた土地…奴なき今この堕天使ヨハネがいただくわ!」 梨子「夏はステージのことでいっぱいだったから。落ち着いてみて回りたいわね」 果南「水族館もあるよね。せっかくだし行ってみたいな〜」 ダイヤ「ほらほら、遊びではなく仕事ですわよ」 鞠莉「ふふ、決まりね!じゃあ早速メール返信しておきましょ!」 〜土曜12時40分名古屋にて〜 千歌・曜「ついた!」 花丸「まだ時間あるずら!せめて天むす!天むすを食べるずら!」 ルビィ「花丸ちゃん、焦って食べると喉に詰まっちゃうよう」 ダイヤ「ぬまっちゃですわ。お飲みなさい」 花丸「ダイヤさんありがとうずら〜」 梨子「ナナちゃんの服って定期的に変わるのね」 しばらく談笑していると9人の側にスーツ姿の若い女性が現れた」 女性「Aqoursの皆さんですね。こんにちは。私トウカイホクリク厚生局麻薬取締部の星空と申します。制服で来てくださったんですね。わかりやすくて助かりました。」 星空と名乗る女性はメンバーそれぞれに名刺を配った。 千歌「は、初めまして!Aqoursの高海千歌です!」 黒澤姉妹「星空…?」 千歌を皮切りにAqoursのメンバーは一通りの自己紹介を済ませた。 星空「それでは早速事務所に案内しますね。駐車場に車を止めてあります。この人数を1台は無理なので、もう一人の職員に来てもらっていますので」 10人は駅の駐車場に向かった。駐車場に近づくと一人の男性が手を振っている姿が見えた。 星空「先輩、お待たせしました」 梨子「せ、先輩…?あの、失礼ですが同じ職場の方ですか…?」 星空「ああ、初めてですと驚くかもしれませんね。ごめんなさい」 先輩と呼ばれる人物はスーツ姿の星空とは打って変わった姿だった。髪の毛は明るめの茶髪で色付きのメガネをしている。瞳はほぼ見えず、メガネというよりはサングラスに近いだろう。 そして顔には某戦場カメラマンのような髭を生やしており、デニムに白シャツ、シルバーのネックレスという出で立ちだ。 男性「謝るのは違くないかな…確かに驚かせてしまうとは思いますけどね。はじめまして、Aqoursのみなさん。」 見た目によらず穏やかな声と優しい喋り方だ。そこが逆に怪しい。 星空「私たちの職場は服装規定がないので私服で良い変わった職場なんです。ある意味先輩は仕事着ですけどね。ですがこういう時くらいはスーツの方が…」 男性「いや、私Aqoursの大ファンでね。堕天使ファッションの配信をしていたのをたまたま見てからずっと応援してるんです。本物のAqoursに会えると思ったら気持ちが早ってしまったんだ」 ルビィ「お姉ちゃん怖いよぉ…」 ダイヤ「じ、事務所ってそういう事務所ではないですわよね…」 9人が怯えていると二人はズボンの後ろポケットから黒い手帳のようなものを取り出した。 星空「これが私たちの身分証である麻薬取締官手帳です。警察手帳のようなものですね」 手帳は黒革で上半分には顔写真の入った身分証が、下半分には『麻薬取締官』と書かれた金色のエンブレムが埋め込まれている。 星空「大丈夫、私たち二人ともちゃんとした公務員です」 男性「さて、身分証明もできたし移動しましょうか。」 男性はアルファード、女性はノアにそれぞれ乗り込むように促した。 果南「いいなぁアルファード。うちはお父さんがケチってVOXY買ったんだよね」 善子「上質な乗り心地、昇天するわ…」 〜ナゴヤ合同庁舎〜 星空「IDをどうぞ。先輩、ありがとうございました。」 男性ことオタク取締官「あとでサインもらいに行くね」 星空「それではこちらに。会議室で今回の仕事のお話をさせていただきます。」 千歌「は、はい…」 9人は緊張した表情を崩せないでいた。正直この麻薬取締部という組織に対する得体の知れなさを感じているからだ。 星空「それでは適当にかけてください。皆さんお茶でよろしいですか」 星空は慣れた手つきで9人分のお茶を用意した。 星空「改めまして皆さん、今日は遠いところ名古屋まで来てくださりありがとうございます。ここはトウカイホクリク厚生局麻薬取締部の事務所です。そして私は同麻薬取締部調査総務課の星空です」 再度自己紹介を終えた星空は部屋の隅にあったホワイトボードをひっぱてきた。 星空「今回は若い人たちの中で大人気のスクールアイドル、Aqoursの皆様に仕事のお願いをしたくて来ていただきました。本来は私たちが出向くべきなのですが、仕事を依頼するにあたって私たちや薬物情勢について知っていただきたくて、ご足労をいただきました」 果南「それで、その仕事は具体的に何をすれば?」 星空「はい。来月末、1ヶ月半後ですね。名古屋駅前で大きめの薬物啓発運動を行うんです。そのイベントのために3つの仕事をお願いしたいんです」 ダイヤ「3つも…ですか?」 星空「はい。1つは電話でもお伝えした、Aqoursの皆さんによる薬物啓発ドラマの作成。2つ目は当日のイベントのお手伝い。3つ目は当日に特設するステージでのライブです」 千歌「ライブをさせてもらえるんですか!?それいい!やります!」 曜「イベントのお手伝いも地元で慣れてるし、ライブもできるならいいかも!」 星空「ふふ、ありがとうございます。当然今回は正式な依頼ですので報酬もお支払いいたします」 花丸「最近貯金箱に500円ずつ入れたのにもうそこをつきそうだから助かるずら…じゃなくて助かりますずら…じゃなくて…うぅ…」 星空「私たちも啓発運動は行っているのですが、やはり若い世代には皆さんのように影響力のある方達の働きかけの方が響くかと思いまして、無理を通して皆さんに仕事をお願いできないか上にかけあったんです」 鞠莉「それはとっっても光栄ですけど、私たちドラッグの知識なんてナッシングでーす」 星空「ご安心を。今から私から薬物情勢について、そして私たち麻薬取締官について説明させていただきます。少し難しい話も出て来ますが、随時質問してくださいね」 星空「それでは津島さん、麻薬取締官って私に会うまで聞いたことありましたか」 善子「い、いえ、正直初めて聞きましたね」 花丸「善子ちゃんが普通に喋ってるずら…」 梨子「ここでふざけてたら引き摺り回してたわよ」 星空「そうですよね。最近でこそテレビにもOBが出演したりして少しずつ知名度は伸びましたが、まだまだマイナーな組織です」 ルビィ「たまに芸能人が逮捕された時に聞くような…」 星空「はい。名前を聞くとしてもそういったときだけかも知れません。それでは津島さん、麻薬取締官はどの省庁の管轄かわかりますか?」 津島「また私ですか!?えーと、警察手帳持ってたし警察…?いや厚生局って言うくらいだから厚生労働省?」 星空「その通りです!大体皆さん警察庁とかって答えられるんですよ。津島さんのいった通り、私たちは厚生労働省に所属している国家公務員です」 果南「でもさっきの人、厚生労働省でも国家公務員でもないような見た目してたけど…」 星空「それについては私たちの業務に関わってきますね順を追って説明しましょう。」 星空はホワイトボードを使いながら説明を開始した。 星空「麻薬取締官は全国で288名います。政令では296人ですが、予算が288名分しか割り振られていないので実質288名ですね。 事務所の場所は上から札幌、仙台、千代田区、横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、高松、博多、小倉、沖縄にあります。少し難しいですが、高等検察庁や大きな港があるところです。主な業務は薬物犯罪の捜査ですね」 善子「定員296人で予算がないから288ってどう言うことなの…」 曜「288人って、少なくないですか?その人数で全国の犯罪捜査って大変ですよね」 星空「はい、慢性的な人数不足ですね。世界でも最小・最少の捜査機関と言われています」 千歌「そうさってことは、警察とは違うんですか?同じ?うーーーーん難しいよぉ」 ダイヤ「確かに、いまいち私たちの知ってる捜査機関である警察との違いがわかりませんわ」 星空「私たちは警察ですが警察でないと言えます。警察という言葉は厳密には司法警察職員といいます」 千歌「しほーケーサツしょくいん?」 星空「そしてこの司法警察職員は2種類に分かれます。一般司法警察職員と特別司法警察職員です。この一般司法警察職員が皆さんのイメージする警察官そのものですね」 鞠莉「と言うことは、麻薬取締官は特別ってつく方なわけね!」 星空「そうです。警察官はすべての犯罪を取り締まる権限がありますが、特別司法警察職員は専門的な分野が決められています。いわばスペシャリストの警察職員ということです。 麻薬取締官以外にもドラマにもなった有名な特別司法警察職員がありますが、皆さん何か浮かびますか?」 果南「はいはいはい!!!海上保安官!」 星空「その通りです。海上保安官は国土交通省に所属する司法警察職員ですね」 曜「でもでも、レスキューとかしてるイメージが強いけどな。警察ってイメージよりも」 星空「そうかも知れませんね。そのイメージも正解です。業務内容としては海の上の消防士兼警察官です。 麻薬取締官は薬物捜査と言う限定に対して、海上保安官は海上で起こった犯罪という区域を限定した警察です。 薬物の密輸は海路でも多いので、一緒に捜査することは多いですよ」 星空はホワイトボードをいったんきれいに消した。 星空「その他の業務としては許認可ですね。 個人や医薬品メーカーが医療用麻薬などを海外に持ち出す時には国の許可が必要になるんですが、その業務を担当しているのも私たち取締官です。 捜査は捜査課が、許認可のような行政業務は私の所属する調査総務課が行います。」 ルビィ「お姉ちゃん、それって…」 ダイヤ「ええ、以前私たちのおばあさまが海外旅行にシップを持っていきたいけど役所の許可があると言っていて書類を書くのを手伝ったことがありますわ。おばあさまはここ数年慢性的な腰の痛みに悩んでおりまして…」 星空「恐らくフェントステープでしょうね。麻薬の中には慢性疼痛や癌性疼痛に用いる有益なものもあり、それらは医療用麻薬として厳重に管理されて有効利用されています」 ルビィ「ルビィたちが気づいてなかっただけで、お世話になってたんだねお姉ちゃん」 星空「さて、私たちの話はこの辺までで薬物の話に入りましょう。皆さん何か違法薬物と聞いて思い浮かぶものはありますか?」 曜「うーーん、今言ってた麻薬だよね?」 鞠莉「麻薬と言っても幅は広いんじゃない?ほにゃららテープとか、あとモルヒネとか」 星空「その通り、モルヒネは麻薬の一種ですね」 梨子「テレビで最近大麻が世界中で解禁されているってニュースを見ましたけど、大麻というのも違法薬物に入るんですか?」 星空「もちろんです。世界では大麻解禁の流れがありますが、日本では依然違法薬物の一種ですね」 千歌「あとは歌手や芸能人がカクセイザイで逮捕ってよく聞くよね。」 星空「皆さん優秀ですね。今皆さんが挙げてくれたものはすべて違法薬物です。まず私たち取締官が扱う法律として大きく6種類あり、そのほとんどに違法薬物の名前が入っています」 星空はホワイトボードに法律名を書き上げていく。 @覚せい剤取締法 A麻薬及び向精神薬取締法 B大麻取締法 Cあへん法 D麻薬特例法 E医薬品・医療機器等法 星空「詳細はもっと細かいですが以上です。6種のうち4種には違法薬物の名前が入っていますね。 Dは麻薬と言いますが上の4つと下の1つに関わります。 Eに関しては、この法律の中に記載のある危険ドラッグについての取締権限があります」 善子「漢字ばかりね…」 星空「ふふ、法律と言われると難しく感じますよね。 ちなみに国内で最も多い事犯が@の覚せい剤取締法ですね。国内薬物事犯の80%が覚せい剤です。年間一万人以上がコンスタントに覚せい剤取締法で検挙されています。 そしていま現在問題なのが若年層の大麻ですね。」 曜「やっぱり世界的な解禁の流れが関与してるんですか?」 星空「はい。ここ数年で急速に世界的な大麻解禁が進んでいます。その影響は凄まじいものです。特に医療分野での研究が進んでおり、癌性疼痛やてんかん、パーキンソン病等の難病にも効果があるという報告がされています」 ダイヤ「それだけを聞くと、悪いものという印象は薄れますわね」 星空「その通りです。皆さんに気をつけて欲しいのは、ここで医療と嗜好の2点をしっかり分けて考えて欲しいという点です」 善子「麻薬と同じね。つまり2面性があると」 星空「はい。医療研究でもたらされている有益性は、認めざるをえない段階といっていいでしょう。 しかし、嗜好品となると話は違います。大麻愛好家たちによって丁寧に栽培された大麻には、有効成分であるTHCがかなりの濃度で含まれます。 それを医療目的でなく常習的に使用すると、思考の低下や時には急性症状で過度な鎮静による意識混濁も考えられます。ですので嗜好品として大麻を解禁している国も、購入量や所持量、年齢に制限を設けている国ばかりです」 鞠莉「手放しに解禁するのではなく、適切な管理が求められるのね」 星空「医療用麻薬も同様です。モルヒネやフェントステープに含まれるフェンタニルなどの麻薬性鎮痛薬は痛覚が反応している際、それに拮抗してバランスを取るため依存は起きません。 痛みがないのに利用すると依存が起きて乱用につながります。 大麻成分の作用機序に関してはまだ研究中なのではっきりとは言えませんがね」 梨子「いい部分の話が出てきたから、悪い部分には目があてられなくなってきたんですね…」 星空「そうです。医療用の部分だけが取り上げられ、大麻そのものが良いものとして捉えられつつあります。」 この話をするかは悩みましたが…と前置きをして星空は話を続けた。 星空「違法薬物に手を染める人間は、時には私たち以上の知識を持っています。薬物のリスクも完璧に理解した上で、それでも使う人間は少なくないんです。 ある意味ではコントロールしていると言えるかも知れません。 しかし皆さんのように薬に関して素人の方達も多くいます。 皆さん、薬物啓発のポスターは見たことありますか」 花丸「だめ絶対みたいなやつずらよね。学校の掲示板とかにもよく貼ってあるずら」 曜「よくM&Mチョコのキャラクターも一緒に描かれてるよね」 星空「あのポスターの問題点って何か思いつきますか?」 果南「悪いんもんは悪いで頭のなか終わってたからなー。なんだろう」 ダイヤ「何が悪いか具体性に欠ける、とかでしょうか」 星空「近いですね。具体性に欠けるというのは正にその通りです」 星空は違法薬物の名前と思われるものをホワイトボードに書き連ねていった。 覚せい剤 LSD MDMA コカイン 大麻 アヘン系麻薬 星空「違法薬物には少し挙げるだけでこれだけの代表薬物があります。これらがすべて同じに思えますか?」 千歌「違う…ってことですよね?」 星空「はい。大きく分けて薬物の中には興奮作用をもたらすものと抑制作用をもたらすものがあります。ホワイトボードの右と左で分けて見てください。そしてその中でも依存性や身体に起こる変化にも違いがあります」 善子「つまり、知識がない人間はあのポスターだけ見ると違いなんてわからないのね」 星空「その通りです。覚せい剤は依存すると急激に痩せたり暴力的になるなどの変化が起きます。そして使っていないと落ち着かないのでなんとしても手に入れようと周囲からお金を借りたり時には盗んだりと迷惑をかけることも多いですね。 それと、アヘン系麻薬の一種であるヘロインは薬が抜けた時の禁断症状が地獄のようだと聞いています。 一度ヘロイン中毒者の取り調べをした先輩取締官の話を聞いたことがありますが、のたうち回って取り調べどころではなかったと言います。 一方大麻ですと、肯定するわけではないですがそこまでの話は聞きませんね」 ダイヤ「大麻のマイナスイメージがへってきていることにより、区別されずに伝えれれている他の薬物に対する精神的ハードルも下がっている、ということですわね」 星空「はい。この今の薬物情勢の中で、若い人たちに大麻をはじめとした薬物に手を出す事例が増えるのはなんとしも防ぐ必要があります。 ですので若者のインフルエンサーである皆様に協力していただきたい。私たちにはない視点で乱用問題に切り込んでいただきたいんです」 九人は顔を見合わせた。答えは決まっている。 千歌「やります!やらせてください!」 鞠莉「知ってしまったら引き下がるわけにはいかないわ!」 果南「だね!みんなの胸に響くメッセージを届けるよ!」 花丸「まるも自分で本読んで勉強するずら!」 曜「内浦も海があるし、密輸とかもそう思うと他人事じゃないしね!力になりたい!」 梨子「知ることで避けられる問題があるなら、知らせなきゃね。」 善子「ふっ…悪はこの堕天使の前では栄えさせないわ」 ルビィ「ルビィの大事な人たちが巻き込まれたらって思うと怖い…だからこそしっかりダメな薬はダメって伝えたい!」 ダイヤ「やるからにはとことんですわ!!」 星空「ありがとうございます。ドラマについての細かい内容は皆さんにお任せします。 薬の情報等でわからないことがあればなんでも聞いてください。課長からはイベント終了までは皆さんのサポートに時間をフルに使って良いと許可はいただいいていますので。 皆さんだからこそできる啓発ドラマを期待していますね」 その後九人は交通費の精算を済ませてもらった。自分たちの知らない世界を知ったことによる若干の戸惑いと興奮が九人の胸の中をいっぱいにしていた。 〜名古屋駅にて〜 星空「それでは皆さん、1月後に完成したドラマを見せていただけると助かります。完成したら連絡をお願いしますね。どうかお気をつけて。今日は本当にありがとうございました」 千歌「こちらこそ、とっても勉強になりました!お仕事もありがとうございます。絶対最高のイベントにしましょう!」 星空とAqoursのメンバーは一人ずつ握手をしてその場は解散となった。 オタク取締官「すいません、一緒に写真いいですか」 曜「あ、はい…」 〜仕事受注編 完〜 1は関東信越厚生局の職員?若者へのキャンペーンをここでしてるのか?管轄とか詳しすぎる というくらい真面目な内容だったw 続編ってことは9人はしらばっくれてるのかな? 続き楽しみ あ、前作ラストの1ヶ月前なんで、このキャンペーン依頼の一つであるドラマが前作の内容ってことです。わかりづらくてすいません。 今回のはほとんどAqoursと行く裏社会科学習会って感じです。 今回の次回作で一作目の「シャブしよ?」制作現場の話になります。 ガチのヤク中になってるんじゃなくてそういうことだったのか もうばらすのか?まあいいけど。続きを楽しみにしてます。 あ、ガチのヤク中じゃなくて前作は全部ドラマの内容で演じてたってことか! Aqoursヤク中になる→克服する→ドラマの依頼来る→過去を隠して依頼を受ける かと思ってたわ 仕事が忙しくて続き書き溜められて無いんで、書き溜まり次第だらだらと書かせていただくつもりです。見てくれている皆さん、ありがとうございます。 Aqoursのメンバーは名古屋への長旅と、多大な情報量を詰め込まれたせいで疲弊しきっていた。 なのでこの日は沼津駅にて解散となり、ドラマ撮影に関しては各自宅に着いてからのグループ通話にて行うことになった。 千歌「まずはどんな内容にするかだよね〜。YouTubeで他の啓発動画探したけどいまいちピンとこないんだよね」 果南「悪いものは悪いってのは伝わるけど、そこから先がいまいちピンとこないんだよね」 梨子「うーん、視点が一方通行な気がするのよね。乱用に巻き込まれる側にフューチャーされすぎているような」 鞠莉「まぁそれもそうよね。やってる人に向けてる動画ではないだろうし…」 ダイヤ「少し調べてみたのですけど、薬物犯罪は『被害者なき犯罪』と呼ばれているようですわ」 花丸「どういうことずら」 ダイヤ「暴行罪は殴られた人がいますわよね。窃盗なら盗まれた人が。一方で薬物犯罪は薬をやる本人しかいないという理論なようです」 曜「納得いくような…」 善子「いかないような…」 ルビィ「でもお薬やってる人がいたら周りの人は心配だし怖いよね…」 ダイヤ「その通りです。それに、薬物を売ることによって得られた利益は犯罪組織の資金源になるというではありませんか」 千歌「犯罪で生まれたお金が更なる犯罪に使われるってこと?だめじゃん!!」 ダイヤ「ええ。ですから私は今回のドラマで薬物自体の怖さだけではなく、その先の流れまで描くべきだと思います」 梨子「確かに、そういう視点は今までなさそうですね。じゃあ、売る側、薬をやる側、誘われる側にグループを分けますか?」 鞠莉「そうね!様々な視点で見ることができた方が怖さも伝わりやすいと思うし」 花丸「どう分けるずら?」 千歌「撮影場所とかも考えると内浦組と沼津市街組は分けた方がいいよね?」 曜「つまり私と…」 善子「私がペアね」 曜「わ〜久しぶりの曜&エンジェルだね!よろしく善子ちゃん!」 善子「だからヨハネ!」 梨子「あとはどうする?」 花丸「お薬を売るのってやっぱり暴力団とかそういう怖い人たちずらよね?」 千歌「となるとやっぱり…」 ダイヤ「…なんですか」 善子「黒澤家と鞠莉でいいんじゃない?」 ダイヤ「どういう意味ですの!?黒澤家はそういうのじゃないですわ!」 鞠莉「マリーはオッケーだよ!なんか楽しそうだし!」 ダイヤ「勝手に進めないでください!」 曜「撮影でも雰囲気出そうでいいと思うであります!」 ダイヤ「せ、せめてルビィだけは…ルビィだけは…」 梨子「あとは内浦組と沼津組ね。どっちがやる側誘われる側にするか…」 ダイヤ「よくアーティストが薬で捕まりますわね。曲作り担当の千歌さんと梨子さんがいる内浦組で良いのではなくて?」 千歌「ダイヤさん怒ってます…?」 ルビィ「でもそれだと私がお薬やる側になるよお姉ちゃん」 ダイヤ「はっ……!」 鞠莉「じゃあ決まりね!」 ダイヤ「ブッブーですわ!納得いきませんわ!」 千歌「じゃあ明日から脚本つくりと撮影準備だね」 花丸「まるも図書館で色々と調べてみるずら」 曜「そうだね。今日の情報だけじゃまだまだ内容としてはまとまらなそうだし、薬物犯罪についての情報収集はまだまだ必要かも」 果南「ってことで、今日はもう寝ようか。疲れたよ〜」 善子「そうね…私も羽を休めるわ…」 千歌「じゃあおやすみ!!」 ダイヤ「ちょ、待ちなさい!」 そうしてグループ通話は終了した。納期は1ヶ月。Aqoursのデスマーチが始まる。 そして翌日 〜麻薬密売組織組〜 鞠莉「じゃあダイヤ、青森に行くわよ!」 ダイヤ「…はい?どう言うことですの。」 鞠莉「ダイヤは本物の大麻を見ずして大麻を語れるの?唯一本物を生で見られる違法薬物なんだから、実際に見に行ってドラマのCGに活かさないと」 ダイヤ「ま、まあ一理ありますわ…?しかし、本当に生えているんですの?」 鞠莉「みたいだよ〜。岩手、青森、北海道は自生大麻伐採で毎年苦労しているみたい。というわけで、新幹線のチケットは取ってあるから行くわよ!いざ十和田!」 ダイヤ「きゅ、急すぎますわ!」 鞠莉「1ヶ月しかないのよ!今日と明日で大麻の映像をバッチリ収めるの!ド」 ダイヤ「そもそも十和田ってどの辺ですか…?」 鞠莉「うーん、沼津から新幹線使って5時間くらいね。本州の先っちょまで行って5時間って思うと新幹線って早いね!」 ダイヤ「気が遠くなりますわ…」 鞠莉「マリカしてればすぐでしょ。さぁレッツゴー!」 〜薬物乱用組〜 果南「みんな同じドラッグの中毒者じゃ面白くないから、分かれようか」 ルビィ「ルビィは怖いから痛くなさそうなやつがいいな…お注射とかあるのはちょっと…」 梨子「ダイヤさんも言ってたけど、私と千歌ちゃんは音楽作りのために薬をやるって設定が自然に使えそうだし、幻覚系がいいかなぁ。千歌ちゃん、それでいい?」 千歌「いーよー!CYaRonでビートルズの曲名をもじってキャッチコピーにしたことあるし、LSDなんて良いんじゃない?」 梨子「そうなの?なんで?」 千歌「ビートルズの Lucy in the sky with diamondsって曲は頭文字がLSDになるから、当時ジョンレノンはLSDから曲のインスピレーションを得てるって噂されてたんだって!」 梨子「え、なにその偉人の嫌なエピソード」 花丸「まるは演技でもどうせやるなら美味しいやつがいいずら」 梨子「花丸ちゃん何か隠語使いこなしてるみたいになってるわよ…」 果南「んー、じゃあチカリコはLSD、私とルビィちゃんと花丸ちゃんは覚醒剤ね。あまり数多くしても大変だし」 ルビィ「え、覚醒剤ってお注射じゃ…」 果南「炙りがあるじゃん。あれなら痛くないと思うよ」 梨子「果南さんもなんか、こなれてる感が…」 千歌「どうせだし、トリップした体で新曲作っちゃおうよ梨子ちゃん」 梨子「ええ!?忙しすぎるわよ!」 ルビィ「それ、ちょっと楽しみかも!ガンバルビィするよ! 花丸「まるはちょっと図書館に資料探しに行くずら〜」 〜沼津組〜 曜「私が千歌ちゃんに薬を勧めれて、それを善子ちゃんに相談するって流れはどうかな?バスの中で」 善子「だからヨハネ!曜が相談する側なのね。意外だわ」 曜「あ、毎回名前呼ぶたびにヨハネ訂正はちょっと面倒だから、先に今日分の『だかヨハ』済ませてもらえるかな善子ちゃん」 善子「ひ、ひどい…雑すぎる…」 曜「ほら、善子ちゃんってふざけてるようで結構周りに気を遣えるしさ。聞き上手なところあると思うんだよね」 善子「そ、そうかしら?」 曜「うん!だから結構違和感ない映像にできると思うんだよね。で、泣きながら相談する私の手をそっと握ってくれたりなんてしてさ。どうかな?」 善子「ちょ、ちょっと恥ずかしいわよ手を握るのは…」 曜「えーだめー?私の中のイメージ映像だとかなりいい絵になると思うんだ!ほら、ちょっと真面目な顔してみて善子ちゃん」 善子「こ、こう…?」 曜「うわっすっごい良いよ!この善子ちゃんの迫真の表情だけで百万再生は行くよ!」 善子「も、もう!わかったからやめなさーい!」 〜2日後、部室にて〜 果南「なんか、何人か顔死んでない?」 鞠莉「青森は気楽に行く場所じゃなかったわ…」 ダイヤ「着いてからの移動を甘くみていましたわ…」 鞠莉「なんとか自生大麻の映像はゲットしたからこれで大麻栽培のCGは作れる…」 ダイヤ「半分はケナフの映像ですけどね…」 花丸「二人は長旅だからわかるけど、千歌ちゃんと梨子ちゃんはどうして目がギンギンずら?」 千歌「曲作りのために実際に薬は使えないから擬似トリップしようと2徹中」 梨子「3週くらい回ってハイよ」 千歌「乱用シーン撮影なら今だよ、今。中毒者より中毒者できる気がする」 曜「うわぁ…」 善子「アイドルの顔してないわね…」 ルビィ「じゃ、じゃあとりあえずみんなの意見を合わせてシナリオを作っていく…?」 曜「まともに話し合いできそうなの半分くらいしかいないけどね」 善子「ともかく!時間ないから進めましょ!」 花丸「えーまず導入は部室での乱用シーンと覚醒剤の密売ずらね」 千歌「むっちゃんたちに撮影の協力は済んでるから、買いに来る役をやってもらおう」 ルビィ「小道具も集めないとね。大体は固めたお砂糖とかで大丈夫かなぁ」 善子「私が画像とか動画ある程度いじれるし、あとで調整していけば誤魔化せるでしょ」 果南「あとはこのアプリだね。テレグラム」 梨子「テレグラム?」 果南「色々薬物犯罪について調べていて思ったんだよね。普通の携帯メールや電話だと当然履歴が携帯会社にも残るだろうし、LINEとかのアプリも同じ。だから密売犯罪のプロはどうしてるんだろうって」 ダイヤ「確かに、自分の足跡を残さずにやりとりをするとしたら今の時代かなり難しいですわね」 果南「そしたらこのアプリが出てきたんだ。一言で言うとセキュリティが異常に高いLINEだね。シークレットモードってチャットを使うと一定時間でメッセージが消えて復元不可能になるんだって」 曜「浮気する芸能人もそれ使えば良いのにね」 花丸「ドラマに使ったらリアリティ出そうずらね!」 鞠莉「私もインストールしよ…」 ダイヤ「ガラパゴス携帯でも使えますか?」 果南「無理だね。LINEですらガラケーはもうサービス終わってるんだよ」 善子「いいかげんダイヤもガラケー卒業しなさいよ」 ダイヤ「で、でも!メールも電話もできるし不便していませんわ!テトリスも成金大富豪もできますのよ!?」 果南「言いづらいんだけどさ、ダイヤが不便してなくても私たちは不便なんだ」 善子「グループラインで話したこと全部ルビィが報告してくれてるからなんとかなってるのよ」 ダイヤ「ひどい言われようですわ…」 ルビィ「お姉ちゃん、ルビィも一緒に選ぶから、機種変更しにいこ?」 鞠莉「まあ、とりあえずは撮影用として小原グループの仕事用スマートフォンを一つ貸しておいてあげるわ」 その後2時間ほどシナリオの話し合いが行われた。 全体として長すぎても伝わりにくいと言うことで、大体45分〜60分程度の動画にしていく方針となっった。 撮影は曜と善子は主に二人で済む形となり、密売組織組と乱用組は一部一緒になっての撮影ということで方針が決まった。 ダイヤ「で、結びの部分は全員一緒になっての撮影ですわね」 千歌「あとは撮影を始めてから調整していこう。台本作りは花丸ちゃん、私と梨子ちゃんは劇中歌作り、鞠莉ちゃんと善子ちゃんはCG作成と編集、あとの四人は小道具・大道具だね」 ダイヤ「では今週は各自撮影準備作業。来週から本格的に撮影を始めますわよ」 梨子「ただ頭まわらなくなって終わりだったから早く寝たい」 そうしてミーティングは解散となった。 次の日から各グループは作業に取り掛かった。 撮影や演技の参考にするため、薬物乱用シーンのある映画の観賞会も随時行われた。 そんなこんなであっという間に1週間がすぎた。 東海バスへの撮影協力依頼も済み、若干の不安を覚えながらも撮影が始まる。 おお、みんなノリノリだ!弾丸取材旅行に役作りの為に2徹したり、楽しそう。 面白そうなタイトルだったから開いてみたけどあの話の前日譚だったのか 楽しみにしてるね だらだらした展開にも関わらずみてくださっているみなさん、ありがとうございます。 この話が終わったあとも地続きで書きたいお話がいくつかあるので、もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。 〜撮影開始〜 鞠莉「じゃあ導入、部活での覚醒剤乱用と密売シーンいくわよ」 梨子「シーンの名前の癖が強すぎる」 鞠莉「果南のセリフからよ!準備OK!?3.2.1.GO!」 果南「今日も練習疲れたし、覚醒剤でもキメようかみんな!」 鞠莉「カットカットカーーーーット!! 」 ダイヤ「ぶっぶーですわ!!」 果南「え、なに?なに?台本通りだったよね花丸ちゃん?」 花丸「ずら!」 鞠莉「果南じゃないね」 果南「だってドラマだから演技だし」 ダイヤ「何を仰います!! これはAqoursに来た仕事ですわよ! ただ演じるだけなら芸能人や役者を使えば良いところを、麻薬取締部は私たちAqoursを!選んでくれたのですよ!」 鞠莉「欲しいのは説得力と私たちらしさ。果南らしさよ」 果南「わ、わかったよ…花丸ちゃんごめん、少しセリフ変えるよ」 花丸「ず、ずら…」 鞠莉「じゃあいくわよ!3.2.1.GO!!」 果南「シャブ、しよ?」 鞠莉・ダイヤ「カットカットカーーーーーット!!!」 果南「え?ダメだった?」 ダイヤ「それですわ!それ!」 鞠莉「出てたよ果南らしさ!」 果南「じゃあなんでカットしたし」 鞠莉「ソーリー…」 ダイヤ「最高でしたわ、という気持ちを届けたくてついシャイニーを…」 途中何度かカットを挟みながらも冒頭部分の撮影は進んだ。 鞠莉「じゃあ部室から去るシーンいくわよ。ダイヤのセリフからね。3.2.1.GO!」 ダイヤ「さて、そろそろ帰りましょうか」 花丸「片付けるから待ってずら〜」 ダイヤ「ストップ花丸さん」 花丸「ずら?ずら??」 鞠莉「なんか…足りないね…」 ダイヤ「花丸さんらしさ皆無ですわ。台本では違和感なくとも演じると一目瞭然。花丸さんの個性が何一つ出ていなくてよ!」 花丸「ま、まるらしさ…ずら?」 ダイヤ「本や食に対する貪欲さを薬にも出しなさい!」 花丸「だ、ダイヤさん大丈夫ずら?」 ダイヤ「ふん!!良いですか!これは厚生局、いわば国からの依頼! そして若者たちの未来を明るいものをする為に任せられた使命なのです! 無難ではなく最高に尖った物を作るのです!気合をお入れなさい!」 撮影現場の横では他のメンバーが撮影を見守っている。 ルビィ「お姉ちゃん怖い…」 曜「なんか向こうの空気感凄まじいね…修羅場って感じ」 善子「まあ私達は出番まだだし気楽に見てましょう。ああいうダイヤも面白いじゃない」 千歌「ダイヤさんって夢中になると止まらないっていうか弾けるよね〜。あ、善子ちゃんそれロン」 善子「ああ!なんでまた…」 曜「あ、撮影再開するみたい」 鞠莉「じゃあダイヤのセリフからまたいくわよー。3.2.1.GO!」 ダイヤ「さて、そろそろ帰りましょうか」 花丸「待つずら!マルまだアイス食べてるずら〜!」 鞠莉・ダイヤ「カットカットカーーーーット!!!」 花丸「だ、だめずら…?」 ダイヤ「花丸さん、私は信じていましたわ」 鞠莉「花丸、もう貴方は大女優よ」 花丸「そ、そうなの…?」 ダイヤ「この花丸さんの感じで丸々撮り直しましょう。最高のものを作るためですから。冒頭の果南さんのシーンから台本毎見直しますわよ。花丸さんよろしくて?」 花丸「は、はい!」 果南「終わるかなこれ…」 曜「大変そうだけど、善子ちゃんと私は時間もいい感じだし私達の撮影に向かうね。じゃあ、お先によーしこー!」 善子「ヨハネ!ではまた」 待ち時間に麻雀(笑)アイドルらしくなくて良い感じ。 〜沼津駅に向かうバス内の撮影〜 曜「撮影のご協力ありがとうございます。他の乗客の方には迷惑にならないように配慮しますので」 善子「よろしくお願いします」 運転手「あいよ!ちょっと揺れるときあるから、カメラとかきいつけな!」 2人は改めて深々と頭を下げ席についた。 2人の前の座席には撮影用のカメラを設置した。 善子「じゃあ始めましょうか」 曜「リアリティを出すために気持ちを入れる…もし仮に千歌ちゃんから薬に誘われたらという感情をイメージするんだ…イメージ……」 善子「曜…?」 曜「いくよ、善子ちゃん」 曜「う、うん…」 〜中略〜 曜「リアリティを出すために気持ちを入れる…もし仮に千歌ちゃんから薬に誘われたらという感情をイメージするんだ…イメージ……」 善子「曜…?」 曜「いくよ、善子ちゃん」 善子「う、うん…」 〜中略〜 曜「この前ね、千歌ちゃんに薬勧められたんだ」 善子「は?薬?なんの?てか違法な薬?」 曜「詳細は、聞かなかった…うぅ…聞かな…聞かなかっ……うぇ…うぅ…あぁぁ…」 善子は事態を飲み込めなかった。 確かに気合が入りすぎているとは思ったが、そこから急に嗚咽を漏らしだすとは思わなかったからだ。 善子「え、え、曜?バス酔いじゃないわよね?」 曜「あぅぁ…千歌ちゃん…千歌…ちゃん…」 善子「落ち着いて、ほら、ね?」 善子はカバンから自分のハンカチを取り出して曜に差し出した。 曜「はぁ…はぁ…ごめん善子ちゃん…気持ちがちょっと友情ヨーソロっちゃって…」 善子「は?」 曜「鞠莉ちゃんと梨子ちゃんにしか話したことなかったんだけどさ…私昔から千歌ちゃんと一緒に何かしたいと思ってたんだ。 でも断られてばっかりでね…千歌ちゃん私と何かするの嫌なんじゃないかって思ってたことがあるんだ…」 善子「曜…」 曜「でもスクールアイドルは一緒にやろうって言ってもらえて凄い嬉しくてさ。 それで今回、千歌ちゃんに危ない薬を一緒にやろうって言われたらどんな気持ちになるかを想像しすぎて、これだよ…」 善子「ありもしないことでそこまで…」 曜「いい啓発ドラマにしたくてさ、つい入りすぎたよね…善子ちゃんいなかったら、入ったまま戻れなかったよ。ありがとう」 善子「ど、どういたしまして?でいいの?私座ってるだけ…」 曜「でもなんか、心の機微を口に出したらスッキリしたよ…!」 曜は疲れ切った笑顔を善子に向けた。 曜「あ、もう着いちゃうね。撮影は明日に持ち越しだ。ごめんね、善子ちゃん」 善子「別に大丈夫よ。でも、曜っていつも飄々としてる感じなのに、千歌のことになると急にダメダメよね」 2人は運転手にお礼を告げてバスを降りた。 外はまだ明るさが残っている。 曜「なんでだろう…小さい頃から一緒で、大好きな友達で…だからかな? 千歌ちゃんに嫌われたくないって気持ちが強いのかな…受け身で後手後手になっちゃうんだよね…」 善子「考えすぎよ。じゃなきゃスクールアイドルに真っ先に誘わないし、一緒にやってないでしょ。千歌だって曜のことが大好きだって、曜以外にはバレバレなんだから」 曜「えへへ、ありがとうね、善子ちゃん」 善子「だから大丈夫だって。でも少し妬けちゃうわ。曜にそこまで思ってもらえる千歌に」 曜「えー?善子ちゃんのことも大好きだよ?私」 やはり面と向かって純粋な好意を向けられるのは恥ずかしい。 善子は思わず声が大きくなる。 善子「なんでその対応が千歌にはできないのよ!それとさっきから思ってたけどヨハネ!」 曜「難しいよね、感情のコントロールって…なんか泣き疲れて少しお腹空いちゃったな。善子ちゃん、まだ時間大丈夫?」 善子「大丈夫だけど?」 曜「ミスド寄って行かない?ハンカチ借りちゃったし、ご馳走するよ」 善子「…いく」 我ながらちょろいなーと思いつつ、一歩先を歩く曜に善子はついていく。 曜「私はねーいつもポンデリング食べるんだよね。食感が可愛くて好きなんだ。善子ちゃんは?」 善子「オールドファッションかな。チョコがかかってるのとノーマルのを気分次第でって感じ」 曜「オールドファッションは普段私食べないなー。よし!今日はオールドファッション食べる!」 善子「ええ!?何よ急に!」 曜「善子ちゃんの好きなものをさ、私も好きになれたら良いなって思ってさ!」 天然ジゴロなのだろうか、一つ上のこの先輩は。 きっと千歌以外には常にこういう感じなのだろうと、予測はできてもつい顔が緩みそうになる。 善子「じゃあ私はポンデリング!!」 〜千歌の部屋にて〜 曜と善子が帰ったあと、程なくして千歌と梨子とルビィも撮影のために千歌の部屋に移動した。 撮影は順調かに見えたが… 〜中略〜 梨子「自分たちは売りはしてもやりはしないのね」 ルビィ「うん。黒澤家の長となるもの、薬に魂を売り渡すわけにいきません!って。 だからこうしてこっそり炙りでやるしかないんだ…。 千歌ちゃん、いつもお部屋借りてごめんね」 千歌「こういうことだったんだ…」 ルビィ「千歌ちゃん?」 梨子「セリフ違ってるわよ?」 千尋「ルビィちゃん!さっきのダイヤさんと鞠莉ちゃんのお話聞いてた!?」 千歌は少し興奮気味で畳を叩いた。 ルビィ「ピギャッ!」 梨子「ち、千歌ちゃん!ルビィちゃんが怯えてるわ!」 千歌「啓発ドラマ撮影は遊びじゃないんだよ!台本通りになんでもやるのはおままごとと変わらないよ!?」 ルビィ「う、うぅ…」 千歌「いいんだよ!ルビィちゃんらしさをもっと出していいんだよ!」 ルビィ「うゅ…分かった…もう一回お願いします!」 千歌「よし!じゃあ梨子ちゃんのセリフからいくよ!3.2.1.スタート!」 梨子「自分たちは売りはしてもやりはしないのね」 ルビィ「うん。黒澤家の長となるもの、薬に魂を売り渡すわけにいきません!って。だからこっそり炙ルビィするしかないんだ。千歌ちゃん、いつもお部屋借りてごめんね」 千歌「ルビィちゃんそれだよ!それいい!!」 梨子「炙ルビィ言わせたかっただけでしょ千歌ちゃん…なんかずれてる気がするなー」 ルビィ「ルビィらしさって一体なんなんだろう…」 〜間〜 ルビィ「善子ちゃんと曜さんの撮影は上手くいったかなぁ。あ、みかんどら焼き美味しい」 梨子「どうかしら。2人は沼津に行くバスの中って時間制限があるから大変よね」 千歌「曜ちゃんは言わずもがな、善子ちゃんもしっかりしてるところあるし大丈夫だよ!むしろ一発で撮り終わってても私は驚かないよ!」 梨子「それもそうね!私達も負けてられないわ!」 ルビィ「頑張ルビィすルビィ!」 千歌「よーし!気を取り直して最初から行こう!」 梨子・ルビィ「おー!!」 〜ホテルオハラの1室にて〜 夜のホテルオハラのスイートルームの1室、Aqoursの3年生メンバーが集まり撮影が実施されていた。 果南は出番はないが家が近いので撮影係をしている。 ダイヤ「クスリに手を出す人間は信用できませんから(キリッ)」 果南「はい…オーケーです…」 鞠莉「果南?」 ダイヤ「果南さん?どうされました?」 果南「いやさ、ドラマの中の話とは分かっていてもさ、信用できないって言われると凹むなって… まあ2年前なんて私から二人を突き放したようなもんだし、信用できないって言われたら悲しいけど何も言い返せないっていうかさ…」 ダイヤ「果南さん!今は入り込まなくて良いのですよ!現実とフィクションの境界線を取り戻すのです!」 鞠莉「おちついて果南、大丈夫だから泣かないで!花丸…無意識に地雷を踏み抜く台本を書くとは…」 果南「うん…ごめん…うぅ…」 果南は涙目になっている。 ダイヤ「そうだ!ハグしましょう!ハグ!ねぇ鞠莉さん!?」 鞠莉「い、イエス!ほら果南!ハグしましょう!」 果南「はぐぅ……」 そのハグは3分間ほど続き、ようやく果南は落ち着きを取り戻した。 果南「ごめん、取り乱した」 ダイヤ「さあさ、深海プリンを召し上がりましょう!」 ダイヤは撮影用に買ってきた深海プリンを取り出して2人に配った。 ダイヤ「ちゃんと3人で食べるために3つ買ってきたのですから。あ、美味しい」 果南「美味しい」 鞠莉「デリシャス!うちのホテルのシェフに作らせるプリンよりも、3人でこうして食べるプリンが美味しいよね!」 ダイヤ「私はホテルのシェフが作ってくださったプリンを3人で食べたいですわ。(モグモグ)」 果南「で、この後の大麻栽培パートは撮影するの?」 鞠莉「んーまだ地下室の工事が済んでないから今日は難しいかな」 果南「そっか。でも大麻は使用シーンなしで、大麻の説明だけなんだよね」 ダイヤ「やはり絵的に女子高生がタバコとは違うとは言え、パイプやジョイントを吸うシーンはまずいでしょう」 果南「そこ!?このドラマ自体そこを気にする場合かって内容だけど!?」 ダイヤ「注射器を個人的に打つことや、アルミホイルの上に何かしらの物質を置いて下から炙って湧いた煙を吸う行為そのものは禁止されていませんけど、タバコは未成年禁止ですから。それを助長するような映像はブッブーですわ」 果南「その理屈通ると思って喋ってる?」 鞠莉「まぁまぁ二人とも、今はこの仕事を成功させることを考えましょう!」 ダイヤ「そうですわね。 さて、そろそろ私は帰りますわ。ルビィが起きていたら家での撮影も始めますわね」 果南「送ってくよ!」 ダイヤ「ありがとうございます。では鞠莉さん、おやすみなさい」 鞠莉「グッナイ!また明日ね!」 ホテルオハラを出て果南とダイヤは連絡船にむかった。 少し感情が入り過ぎただけだとは思うが、ダイヤは果南の心境が気になっていた。 ダイヤ「果南さん、今でも2年前のことを気にされているのですか?」 果南「あはは、さっきはごめん…」 ダイヤ「そんな、謝らないでください。私はあの時間や出来事があってこその今だと思っていますから。何一つ気にすることなんて…」 果南「さっきのはね…現実とフィクションが曖昧になって落ち込んだけど…それはさ、いつまでみんなでこうやって馬鹿できるのかなって思うと少し寂しくなっちゃったんだよね」 ダイヤ「果南さん…そんなことを考えていたのですね」 果南「正直ね、2年前のことは気にしてる。というよりこの2年間をね。 あの時少しでも選択が違えば、もっと3人で…それだけじゃない、千歌や曜達と過ごせる時間は多くて、ってうわぁ!」 ダイヤは思わず果南の言葉が終わるより早く果南を抱きしめた。 ダイヤ「たらればはブッブーですわよ。 少し冷たく聞こえるかもしれませんが、過去には戻れないのです。 私達3人がバラバラになって、それでも千歌さんたちのおかげでようやく腹を割って話せて… また繋がれた今が私は大好きですわ。 可能性を考え出したらキリがありませんけどね。 私の人生で一番幸せな時間は、今こうしている間にも更新中ですのよ」 果南「ダイヤ…ダイヤ…!」 果南もダイヤを強く抱きしめ返した。 今こうして全身全霊で向き合ってくれる親友が居る。 それなのに自分の過去に囚われ続けてモヤモヤするのは、失礼だと思った。 ダイヤ「私は、今こうして皆さんと一緒に過ごせる時間が何よりも愛おしい宝物なのです。果南さんにも、そう思っていただけたら嬉しいですわ」 ダイヤを送り届けて淡島に帰る間、果南は考えた。 戻ったらもう一度鞠莉のところに顔を出そう。 ただ感謝を伝えたい。 大切に想ってくれている貴方に何度救われたか。 その想いを私も貴方に返したい。 大事な貴方と、貴方達と、いつでも笑顔でいたいから。 〜黒澤家にて〜 ダイヤ「ただいま帰りましたわ」 母澤「お帰りなさいダイヤ。スクールアイドルのお仕事大変そうね」 ダイヤ「ええ、でもせっかくAqoursを頼ってくださったのですから、全力を尽くさねば」 母澤「真面目ねぇ。誰に似たのかしら」 ダイヤ「ルビィは起きていますか?」 母澤「さっきまで『お姉ちゃん待ってる!』って起きてたけど、 寝ちゃっていたから布団まで運んだところよ。ダイヤも早くお風呂入ってしまいなさい」 ダイヤ「わかりましたわ。ありがとうお母様」 ダイヤは部屋に荷物を置いて着替えを持ち風呂に向かった。 家に着いた途端にどっと1日の疲れが出た。 慣れないことをするとやはり疲れるし、いささかハイになっていた気もする。 この仕事を受けてからの情報量は凄まじかった。 思えば両親と教師、内浦の住民以外の大人としっかり話したのは初めての経験だったかもしれない。 それも自分が関わることなどないと勝手に想っていた違法薬物の取締を行う人達だ。 年間一万人が覚醒剤で検挙されており、それが全体の80%。 つまり年間1万2千人が違法薬物で逮捕されているということだ。 ダイヤ「必ずしも全員が逮捕されているわけではない…ですわよね、やっぱり」 実際に捕まっている人間が犯罪を犯した人間の何%かはわからない。 だが捕まっている人数を遥かに上回るのは間違いないだろう。 ダイヤ「私が関係ないものと勝手に思っていたのも、私が恵まれた環境に生まれ育てられたからなのですね…」 人数だけで考えるならば、自分の周囲で何かしらの形で関わる人間がいて不思議はないのだ。 ダイヤ「もし、もしもルビィやAqoursの皆が巻き込まれたら…」 名古屋で見せられた覚醒剤乱用者の乱用前後の比較写真を思い出す。 クスリのことしか考えられず、そのためなら何でもする乱用者達。 それに怯える家族や友人。 ダイヤ「絶対に、関わらせることなんてできない…」 ルビィが生まれた時の記憶は、2歳にも満たなかったがダイヤだが鮮明に覚えている。 父親に抱かれ病院の待合室で待っていた時、泣き声が聞こえてきたのだ。 当時は言葉もパパとママ程度しか言えなかった気がする。 物事の分別も、おもちゃか否かしかわからなかっただろう。 それでも、初めて見た自分の妹に他の人とは違う特別な何かを感じたのだ。 父澤「お母さん。ありがとう。よく頑張ったね。ほらダイヤ、貴方の妹だよ」 母澤「お父さん、ダイヤ、きてくれてありがとう。ほらダイヤ。 ルビィっていうのよこの子。んー、伝わってるかしら」 ダイヤ「る…びぃ…?」 父澤「そうだよ。ルビィだ」 母澤「宝石のように美しい心に育ってほしいと、私とお父さんで考えたのよ」 ダイヤ「ルビィ…」 ダイヤは生まれたばかりのルビィに手を伸ばした。 手のひらに触れた時にキュッと握り返された時の暖かさと儚さは、体にしっかりと刻まれている。 もっとも、あれは把握反射で特別なのものではないと大きくなってから知ったが、解釈はダイヤ次第だ。 パジャマを着て髪を乾かしたダイヤは、こっそりルビィの寝室に入った。 そっと可愛い寝息をたてた最愛の妹の顔を見つめる。 ダイヤ「大きくなったわね…いつも見ていたはずなのに。改めて見ると、気づくことの多いこと多いこと…」 幼き日のおぼろげな記憶をなぞるようにダイヤはそっとルビィの手に自分の指を近づけた。 その指をルビィの手がそっと掴んだ。 ダイヤ「あらあら、起こしてしまいましたか。ごめんなさいルビィ」 ルビィ「お姉ちゃん…?あれ、私居間にいたのに何でベッドにいるんだろ…」 ダイヤ「お母様が運んでくださったのよ。待っててくれたのよね。ありがとうルビィ。遅くなってごめんなさいね」 ルビィ「お帰りなさい…撮影進められたら良いなって思ったけど、寝ちゃったみたい」 ダイヤ「いいのよ。ルビィも疲れたでしょう。ゆっくりお休みなさい」 ルビィ「うん…また明日ね。おやすみお姉ちゃん」 ダイヤ「おやすみなさい。そうだ、ねえルビィ」 ルビィ「うゅ…なぁにお姉ちゃん」 ダイヤ「愛していますわよ」 ルビィ「えへへ、ルビィも」 改めて言葉にすると少し恥ずかしいけれど、無性に伝えたくなってしまったのだから仕方ない。 お父様やお母様、お爺様やお婆様が私達を守り育ててくれたように、私もあの子の笑顔を守りたいと、ダイヤは心から思った。 ダイヤ「さて、私も寝るとしましょうか」 〜2週間後、部室にて〜 ダイヤ「進捗報告はじめ!沼津市外組!」 曜・善子「撮影終了であります!」 鞠莉「十千万旅館組!」 千歌・梨子・ルビィ「撮影終了!」 善子「部室ジャンキー組!」 ダイヤ・果南・花丸「撮影終了!」 果南「黒澤家!」 ダイヤ・ルビィ「撮影終了!」 ルビィ「ホテルオハラ!」 ダイヤ・鞠莉「撮影終了!」 千歌「あとはラスト、全員が出る部分を撮るだけだね!」 梨子「大変だったけど、なんか楽しかったわね!」 花丸「果南ちゃんとまるはポンプの扱いはもう上級中毒者並みずら♪」 曜「あー私のセリフ長いから噛まないか心配だよ〜」 善子「あんだけ練習したんだから大丈夫よ。自信持って、曜」 果南「マネーロンダリング関連のセリフだよね。よく調べたよね花丸ちゃん」 花丸「本だけでは情報が遅くていんたぁねっとを駆使した結果ずら。あれでもほんの一部で内容の厳選に苦労したずら」 ダイヤ「薬物犯罪のその先を知るための重要な情報です。花丸さん、ありがとうございます」 花丸「お礼だなんてとんでもないずら!まるは自分の無知さを知ることができて、素晴らしい機会をもらったと逆に感謝させてほしいずら」 ルビィ「あ、私出番ないんだった…カメラ!やります!」 千歌「じゃあ始めよう!」 最後の撮影は無事に終了した。 だが落ち着いている時間はない。動画の編集やCGの作成、ライブステージの準備もある。 善子と鞠莉と曜は動画編集関連を請け負い、他のメンバーはステージ準備に取り掛かることになった。 取り掛かろうとした時、ダイヤのガラケーが鳴った。 善子「早くスマフォにしなさいよ」 ダイヤ「おだまり!はい黒澤です」 星空「お世話になっております。トウカイホクリク厚生局の星空です」 ダイヤ「こちらこそお世話になっております。いまさっきドラマの撮影が終了しましたわ」 星空「ありがとうございます。お早いですね。今回は大変恐縮なのですが、ドラマ確認の日までにもう一つだけお仕事をお願いしたくて」 ダイヤ「はい、それは構いませんが…」 星空「今回のイベントのキャッチコピーを考えていただきたいんです。私たち公務員が考えるとダメ、絶対から離れられないので…」 ダイヤ「かしこまりましたわ。そういうことであればお任せください!」 星空「ありがとうございます。では来週の土曜日、楽しみにお待ちしています。新幹線で構いませんから、領収書をお忘れなく!では、失礼します」 ダイヤ「失礼します」 千歌「ダイヤさん、なんの電話だったんですか?」 ダイヤ「この啓発イベントのキャッチコピーを考えてほしいそうです」 梨子「はわわ…またもや責任重大…」 ルビィ「でもみんなにしっかり届けたいもんね!ガンバルビィ!」 ダイヤ「このキャッチコピー、私に任せていただきませんか?」 曜「いいんですか?」 ダイヤ「ええ。やりたいのです。私が」 ルビィ「お姉ちゃん!私も手伝うよ!」 ダイヤ「ありがとう。ではい一緒に考えましょうか」 千歌「じゃあステージの方は私たちに任せてくださいね!」 ダイヤ「ええ、ありがとうございます。さあ皆さん!もうひと頑張り行きますわよ!!」 全員「おーー!!!!」 〜そして2週間後の土曜日、麻薬取締部事務所にて〜 星空「皆さん。お疲れ様です。では動画をお願いします!」 ダイヤ「はい!ではご覧ください、私たちの全力の啓発ドラマを!!」 プロジェクターにAqoursの全員で作った啓発ドラマが映し出された。 冒頭は果南のセリフだ。 これにて一区切りです。 続編として啓発イベント当日を描いたSSを書く予定です。 長文駄文にお付き合いいただきありがとうございました。 前作からこんな展開になるとは思ってなかった 続編も楽しみ だらだらと長いSSになってしまいましたが、少しでも観てくれている人がいたなら嬉しいです。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.1 2024/04/28 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる