目を覚ますと見覚えのない部屋にいた
今まさに横になっているベッドが一台、学習机が一台、机の上にノートパソコンが一台
壁のない手洗い場と洋式便座があって窓はなく、固く閉ざされた鉄の扉が正面にある
着ているのは浦の星女学院の制服で、鞄はなく携帯もない
つまり、自分の持ち物と言えるものは着ているもののみで、それ以外のすべてが他人の所有物


ダイヤ「……なぜ」

いつ、ここに来たのかがまったくわからない
昨夜……と言うのが正しいのかは分からないが、自室で寝たことだけは覚えている
いつものように寝間着に着替え、明日の用意を確認し
起きる予定の時刻に目覚ましをセットし、眠りに落ちた

ダイヤ「にもかかわらず、これですか」

誰かに連れ去られた?
誰に? どうやって?
黒澤邸、黒澤ダイヤの自室……そこから誰が?

ダイヤ「鞠莉さん……でしょうか」

実行はともかく、部屋を用意できるのは小原鞠莉くらいだろう