穂乃果「卍解」千歌「なん…だと…」
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
真姫「…『勝三時計』…」チャリン…
スウウウ…
時がまき戻り、もげた真姫の腕は無事くっついた。
曜「よかった…」
千歌「……」ジト…
果南「いや〜、よかったよかった」
果南「おかしな話だけど、な〜んか悪いことしたな〜って気になっちゃったもん」
真姫「……」ムス… 果南「…でも、10年後の肉体?だっけ?」
果南「終わっちゃったね」
真姫「…………」
果南「大丈夫?真姫ちゃん」
果南「まだやれる?」
真姫「――ッ」
真姫「当然でしょ!」
果南「そうこなくっちゃ」ニヤリ
真姫「…………」
真姫(気にいらない…)
真姫(…揃いも揃って…) 真姫(この私を上から見下ろすその感じ……)
曜「……」
果南「再開…」ザッザッ…
真姫(全く……気に入らないわ…………!)グッ…
―
――
―――
凛「真姫ちゃん、またにこちゃんと喧嘩してたねー」
真姫「別に、喧嘩っていう程じゃないわよ」
・まきりんぱな。在りし日の帰り道。
真姫「ただ意見の相違があったから、ぶつかってみただけ」 真姫「グループの成長の為には絶対必要なことよ」
花陽「そうだね」
花陽「でも、私は真姫ちゃんほどハッキリは自分の意見を言えないから…真姫ちゃんは本当にスゴイと思う」
凛「凛もそういうの苦手だなー」
花陽「どうしたら真姫ちゃんみたいになれるのかな…?」
真姫「……別に」
真姫「なる必要があるとは思わないけど」
真姫「私は…………」
凛「……」
真姫「………………」
花陽「…私、は……?」 真姫「気に入らないのよ」
凛花陽「え?」
真姫「学校で、上級生が下級生の上に立つのが」
凛花陽「…………」
真姫「それだけよ」プイッ
―――
――
―
真姫「ハァ……ハァ…ハァ…」
果南「粘るね…」
果南「とうっ!」ブンッ
ボゴオッ
真姫「ぐうッ!」 真姫「………ッ」ヨロロ…
千歌「よし!もう完全に果南ちゃんのペースだ!」
千歌「勝てる!」
曜「……真姫ちゃん…」
真姫(気に入らない…………)
果南「次で終わりかな…」
真姫「気に入らないのよ!!」ドオッ
曜千歌「!!」
果南「おっ」 真姫「卍解!!」バッ
ドオオオオッ
曜千歌「!」
ゴゴゴゴゴ…
真姫の背後―――大地を割って、人間大のメトロノームが出現する。
果南「そっか、まだそれがあったね」
果南「卍解…」
真姫「『勝三時計2式巻巻(かつさんどけいにしきのまきまき)』」 果南「スクールアイドルの最終奥義、卍解…………」
果南「曜はともかく、鞠莉やダイヤでも出来るんだもん」
果南「そりゃ真姫ちゃんもできるよね」
真姫「…………」
果南「どんな能力なのかな?」
真姫「…能力は……使わない」
果南「え?」
真姫「私の卍解は始解と同じで、直接、戦闘の武器にはならない…」
真姫「そのぶんとびっきりの能力を持っているけど…」
真姫「とにかく、その能力は使わない!」
真姫「私が頼みにするのはこの―――膨れ上がった霊圧だけ!!」ドオオオオッ 曜「ッ!!」
ドドドドドドドドドドドドドド
千歌「あ…あ……っ」ガクガク
バリイイイイン
曜「!!」
千歌「なっ…」
バリイイン バリイイイン
千歌「空が…ガラスみたいに割れてく……」 曜「“空”じゃない」
曜「“空間”が……」
バリイイイン バリィィン バリィィィン…
曜「余りの霊圧に、次元そのものが崩壊してるんだ……!」
千歌「…そんな……ッ」
バシャッ…
曜「…………ッ」ブルッ…
バシャバシャバシャバシャバシャバシャバシャッ
曜(限界か……この『守護胎』も……ッ)ブルブル
曜「果南ちゃん!」 果南「…オッケー…」ザッ…
真姫「……………」
果南「終わらせるよ」
真姫「こっちのセリフよ…!」
果南「来なよ」
果南「真姫ちゃんの全力、受け止めてあげる」
真姫「…この霊圧を見て、まだ……」
ドドドドドドドドドドドドドド
果南「ほら、早く」
真姫「そういうところが気に入らないのよ!」ブンッ グワキインッ
真姫「―!」
果南「……」グ…
真姫「…………ッ」
果南「……知ってる?」
ハグウッ
真姫「ッ!」
真姫(捕まっ――)
果南「ハグっていうのは、片手で抱くより両手で抱くほうが強いんだって」 真姫「ハァ!?」
真姫「そんなの当たり前――」
果南「知らないでしょ?」
果南「どれぐらいスゴいのか…」グ…
ミシ…
真姫「……!」
果南「お休み」
めぎょッッ
真姫「――――」ユラ…
ドシャアッ 真姫「」
果南「楽しかったよ、真姫ちゃん」ニカッ
穂乃果「…真姫ちゃん……」
海未「全く…ッ」グッ…
海未「その狂いに狂った霊圧は飾りですか……!」
絵里「…あなたは人を責められる立場じゃないでしょう?」
希「…いよいよ…残りはこの四人だけやね……」
希「どうする?梨子ちゃんの逃走でちょっと状況が変わったけど…」
絵里「…勢いに乗る敵さんを甘んじて待つのもつまらないわね」
海未「だったらどうします?」
絵里「がら空きの“城”を落としましょう」 絵里「希」
絵里「『純愛レンズ』でAqoursとつなげて。向こうにもわかるように」
希「八人みんなとでいい?」
絵里「面倒だからそれでいいわ」
希「りょーかい」
絵里「穂乃果は結界を」
穂乃果「『ORION』だね!」
海未「歌道なら私が……」ス…
絵里「遠慮しておくわ」
絵里「また破られたら敵わないもの」
海未「…………」 穂乃果「いくよ…」ブウン…
穂乃果「『冬の星座よ私に』」
穂乃果「『ちからをください』」
シュインシュインシュインシュイン…
果南「!」
千歌「なに!?」
曜「星……が……町の周りを……」
穂乃果「『出口のないオリオン座へあなたを誘って』」
穂乃果「『ふたりきりの夜空で恋を確かめたい』」
穂乃果「『ほかに誰が必要なの?』」 穂乃果「『私以外は』――」
シュインシュインシュインシュイン…
ルビィ「これって…」
善子「ラグナロク!」ギランッ
花丸「違うずら」
穂乃果「縛道の九十七――――」
ギャイイイイイン
Aqours「!!」
穂乃果「『NO EXIT ORION』」 穂乃果「また疲れた〜!」ヘター
絵里「ご苦労様」
海未「ふむ…成功ですね」
鞠莉「ちょっと、コレ、どういう…」
ギャイイイイン…
鞠莉「出られない!?」
鞠莉「もしかして、閉じ込められた!?」
ダイヤ「縛道をかけられましたわ…」
ダイヤ「この町全体に………!!」
鞠莉「ハァ!?」
「少し違うわね」ブウン…
ダイヤ鞠莉「!」 絵里「始めましてね、Aqours」
絵里「絵里です」
鞠莉「これは…映像通信!?」
ダイヤ「…エリーチカ…」
絵里「おかしいとは思わなかったの?」
絵里「通行人1人いない――」
絵里「私達が大暴れしているのに、騒ぎも起きないこの“町”に」
ダイヤ「…………」
絵里「この町はあなた達を迎えるために予め音の木の座標に設置した作り物の町」
絵里「端的に言えばレプリカよ」
鞠莉「な……」
絵里「そして今、このレプリカはあなた達を閉じ込めることで役割を完遂する……」 絵里「わかるかしら?」
絵里「あなたたちのこれまでの戦い全てが、この為の隙となったのよ」
ダイヤ「エリーチカ!!」
ダイヤ「梨子さんはどこです!?私たちの大切な仲間を――」
絵里「こちらが聞きたいわ」
絵里「それが分からないから、あなた達にお願いしようと思って」
ダイヤ「…は……?」
絵里「梨子にも伝えてもらえる?」
絵里「私たち四人は今から、内浦に侵攻する」
Aqours「!!」 曜「な……」
千歌「何を………」
絵里「学校も護れなかったあなた達に、果たして内浦が護れるのか……」
絵里「見物だわ…」プツ…
千歌「待っ――」
シィン…
千歌「……………ッ」
果南「切った、ね」 鞠莉「これ…」グヌヌ
ギャイイイイン…
鞠莉「どうにかできないのダイヤ!?」
鞠莉「自慢の“舞武天盾”で――」
ダイヤ「無理ですわ。流石に規模が違いすぎます」
ダイヤ「加えて言うなら、貴方の卍解でも、果南さんでも、そして曜さんでも無理でしょう」
ダイヤ「九十番台の縛道は八十番台以下とは次元が違いますからね」
ダイヤ「解除する方法があるとすれば一つだけですわ…」
鞠莉「何を落ち着き払って…」
ダイヤ「急いても事は好転しないでしょう」
ダイヤ「鞠莉さん」 ダイヤ「私はこれからある方と交渉してみます」
鞠莉「…交渉……?」
ダイヤ「話がつくまでに、貴方は他の六人を集めて――」
鞠莉「そんなヨユーこいてていいの!?」
ダイヤ「一定の猶予はあります」
ダイヤ「こういう展開もあり得ると――という程想定通りではありませんが――」
ダイヤ「とにかく、予め内浦にも結界を張ってきました」
ダイヤ「ですからそれが破られるまでは……」
鞠莉「そんなの、あの穂乃果たちにかかればソッコー破られちゃうでしょう!?」
鞠莉「このままじゃ私たちまた――」 ダイヤ「大丈夫です!!」
ダイヤ「暫くは――――」
鞠莉「え…………」
ダイヤ「戦争にあたって、本拠地は最大の要点であり急所ですわ」
ダイヤ「そんな大事な場所に、誰も配備していない訳があると思いますか――?」
・内浦。
ベリベリベリベリ…
穂乃果「うわぁ〜、綺麗な海!」
海未「なっ、なんです急に…」カアア
穂乃果「いや海未ちゃんじゃなくて、海!」 希「“お送り”ありがとね、海未ちゃん」
希「やっぱり、海未ちゃんの『どんとき』が一番快適やん」
海未「当然です」ドヤ
絵里「三人共、気を引き締めなさい」
絵里「観光に来たわけじゃないのよ」
「μ’sの皆さん、ですね――――」ザッ…
四人「!」
「お待ちしてました!」
ダイヤ「ちゃんと――腕利き共を用意していますわ」 月「初めまして!曜ちゃんの従妹の、渡辺月です!」
月「よーろしくー!」ケイレイ
理亞「遊びじゃない…!」グッ
聖良「ラブライブ!ですからね―――」
絵里「…………」
聖良「こういう事もあります」
to be continued… 希「…えっと……あなた達は…」
聖良「Saint Snow、鹿角聖良」
理亞「Saint Snow、鹿角理亞…」
穂乃果「せいんとすのー…」
海未「思い出しました。花陽に聞いたことがあります」
海未「確か北海道ナンバー1スクールアイドルで…」
聖良「ハイ」
海未「Aqoursとはライバル、でしたっけ?」
理亞「…ライバル……」
聖良「まあ、良いですよ。ソレで」フッ… 海未「で、その貴方たちがどういう了見で私たちの前に立つのです?」
月「それは、君たちがどういう了見で僕達の前に立つのか、によるかな」
絵里「…………」
月「平和的に解決できると、嬉しいんだけど」ニコニコ
希「…平和的、かァ〜…」
海未「ご安心を」ザッ…
穂乃果「!」
海未「戦いと言うほどのものにはなりません」
海未「身の程知らずの首三つ……秒で転がして終わりです」 真姫「ん……」パチクリ…
千歌「あ」
真姫「ハッ!」ガバッ
ルビィ「ピギイッ!」ビクッ
鞠莉「グッモーニ〜ン♪」ヒラヒラ
真姫「…これは……」スクッ…
曜「気分はどう?」
真姫「!」
曜「私の“回道”は半端だから…ダイヤさんみたいに、何もかも全快!ってワケにはいかないけど…」ニコニコ 真姫「……………」
真姫「…そういう…」
善子「本当に大丈夫なんでしょうね…」ヒソヒソ
花丸「いざとなれば曜ちゃんがとめてくれるずら…たぶん」ヒソヒソ
真姫「呆れた」ハアーッ
曜「え?」
真姫「どういうつもり?」
曜「だって真姫ちゃんにはホラ、私たちも助けてもらったから…」
真姫「そういう問題じゃないでしょ!」 真姫「さっきの私のとは明確に状況が違うわ!」
真姫「私は自分が戦いたいから貴女たちを治したんであって…」
真姫「貴女は私を甦らせて、また戦いたいワケ!?違うでしょ!」ビシッ
曜「それはモチロン、戦いたくないけど…」
真姫「だったら――」
「あれー!?真姫ちゃーん!」
真姫「!」
七人「!」
花丸「この声は…」 凛「なんで真姫ちゃんがAqoursのみんなといるのー!?」
曜「星空…」
千歌「凛ちゃん!?」
「千歌さん!!スゴい!生きてたんですか!?」
千歌「!!」
千歌「チョットチョットチョットチョット…」
ルビィ「凛ちゃんとくれば、モチロン――」
花陽「曜さんも!花丸ちゃんも!善子ちゃんも!ルビィちゃんも!!」
花陽「三年生の小原鞠莉ちゃんに松浦果南ちゃんまで!」
花陽「最初の梨子ちゃん以外1人として欠けてない!スゴすぎる!スゴすぎますよコレは!!」 曜「花陽ちゃん…なんで…」
曜「数日はお米の状態から戻れないんじゃ……」
千歌「どーでもいいよそんなことは!」
千歌「ここで会ったが百年目――」
ダイヤ「私が“戻した”のです」ザッ…
千歌「!」
鞠莉「ダイヤ!」
ダイヤ「お待たせしましたわ」
ルビィ「お姉ちゃんが戻したって…」
千歌「どういう…」 ダイヤ「花陽さんと協定を結びました」
千歌「…なん……だと…!?」
ダイヤ「花陽さんに、この『NO EXIT ORION』を“詠唱”で正面から解除して頂く」
ダイヤ「代わりに、私が花陽さんと凛さんの傷を戻して、内浦に――最終決戦の場に連れて行く――そういう交換条件ですわ」
果南「解除?できるの?」
花陽「完全には無理ですけど、一時的に解除して皆さんを抜けさせるぐらいなら…」
凛「『ORION』は、かよちんと穂乃果ちゃんとことりちゃんの、三人の持ち“歌道”だもんね!」
千歌「ちょ、ちょっと待ってよ!」 千歌「手を組む!?花陽ちゃんと!?」
ダイヤ「そう言っているでしょう」
千歌「ダメだよそんなの!ダメ!ぜ〜ったいダメ!」
千歌「だって花陽ちゃんは私たちの浦の星を、輝きを――」
ダイヤ「千歌さん」
ダイヤ「詳しい話は存じませんが…敵の花陽さんと組むことに抵抗があるのはわかります」
千歌「敵っていうか、仇…」
ダイヤ「が、今は手段を選べる状況ではない――ソレもわかりますよね?」
ダイヤ「内浦と、そして梨子さんが懸かっているのです」
千歌「……!」
ダイヤ「悪を倒すのに悪を利用することを、私は悪だとは思いませんわ」 花陽「悪って…」アハハ…
善子「それより!条件の二つめ!」
善子「内浦に連れてくって…それって結局……」
花陽「いいえ!」キッパリ
花陽「信じてもらえないかもしれませんが…私は穂乃果ちゃん達と皆さんの戦いには手出ししません」
花丸「でも、じゃあなんの為に?」
ルビィ「スクールアイドルの戦いを、目の前で見たいから」
花陽「!」
ルビィ「ですよね?」
花陽「ドンピシャリです!」ニッコリ 果南「まあ土壇場で裏切られたとしても、ここから出られない今の状況よりはマシだしね」
ダイヤ「そういうことですわ」
真姫「…知らないわよ…勝手なことして」クルクル
凛「で、真姫ちゃんは何してたのー?」
凛「…もしかして負け…」
真姫「ムウッ!」ベシッ
凛「いたっ…なにするのー!?」
真姫「私が負けるワケないでしょ!」
果南「負けたよね」
凛「シャー!」 鞠莉「じゃあ、花陽!早速だけど…」
花陽「ワカりました」ス…
凛「真姫ちゃんはどうする?凛たちと一緒に来る?」
真姫「…私は別に……」
凛「へ〜真姫ちゃん逃げるんだ〜」ジトー
真姫「なっ!?行くわよ!行けばいいんでしょ行けば!」
ダイヤ「騒がしいですわね…」
千歌「ロクなことにならないよ…絶対……」ブツブツ
花陽「『夜明けの陽が登れば恋は消えてしまう?』――……」 星空凛―『月猫夜』
解号:「生まれ変われ」
形状:骨こん棒。
能力:食材をベースにラーメン(の一部)を作る。
みかんジュースをスープに変えたりといった無茶な料理はできない。
小泉花陽―『炊込地蔵』
解号:「踏み出せ」
形状:しゃもじ。
能力:大量のお米を生み出し、自在に操る。
お米には特殊な品種改良が重ねられている。 穂乃果「…海未ちゃん、やる気満々だね…」
希「色々、溜まってるみたいやね」チラッ
絵里「……」
聖良「私達3人を1人で相手するつもりですか?」
海未「貴方達程度の相手に、2人目が要るように見えますか?」
理亞「…ッ」
月「アッハッハ、ナメられてるね〜」
海未「貴方が一番場違いですよ、月」
月「厳しいね」
月「その心は?」 海未「決まっているでしょう」
海未「セイ…………北海道の二人はともかく」
海未「月、貴方はスクールアイドルですらない」
月「……」
聖良「Saint Snowですよ、海未さん」
海未「すなわち“瞬歩”も“歌道”も斬魄刀も使えぬということ」
海未「そんな素人が仮にもスクールアイドルの最高峰といえる私を相手に……」
月「素人、ね…」ブウン…
海未「!」
希「へえ…」
月の足が地面を離れ、そのまま身体は宙に浮かびあがった。 穂乃果「あれは…」
海未「ホウ…飛廉脚ですか」
月「よーくご存知で」
穂乃果「ひれんきゃく?」
絵里「“生徒会長”が集会で速やかに壇上に上がる為に用いる、霊子を足場に固めて移動する歩行法よ」
穂乃果「生徒会長の?私使えないよ?」
絵里「ハナから“瞬歩”が使えるんだもの。いらないでしょ」
月「霊子を扱うのはスクールアイドルの特権じゃないよ」
月「例えばホラ」スウ… 月「これだって…」キュッ…
月の指先から“糸”が伸びる。
海未「“乱装天傀”…」
月「静真の部活動は優秀でね」
月「“手芸部”だって全国レベルなんだよ」
海未「貴方、手芸部なんですか?」
月「全ての部活動の頂点にあるのが僕ら生徒会…」
月「会長ともなれば、下にある全部活の技術を一通りは使えないとね」
海未「なるほど、愚問でした」
シュンッッ
海未「!」 聖良「――」ブンッ
海未「フン!」バッ
スカッ
聖良「躱しますねえ!」
海未「不躾ですね、話をしている最中に……」
聖良「すみません、我慢できなくて」
聖良「聞いているだけじゃヒマなんですよ…」
「『DROPOUT!?』」
海未「!」
ブワアアアッ
頭上から、海未が闇に飲み込まれる。 聖良「貴方もですか、理亞」ニヤリ
理亞「…これで園田海未は終わり…」タンッ…
月「僕まだ何にもしてないんだけど」アハハ…
海未「破道の四十六、『No brand girls』」
カッ
三人「!」
海未「他愛ない…」ザッ…
理亞「なっ…」
月「闇を吹き飛ばしたね…」 「とうっ!」シュンッッ
聖良「!」バッ
ガキイイン!
理亞「姉様!」
聖良「…案外余裕がないんですね」ギリギリ…
聖良「μ’sたるもの、もっと堂々と構えてくれるものだと思ってましたけど」
希「ごめんね、我慢できなくて」
希「見てるだけじゃヒマなんよ」ニシシ
聖良「…食えない人です…」 理亞「待って姉様、今…」
穂乃果「あなたの相手は私だよ!」
理亞「!」
穂乃果「高坂穂乃果です!よろしく!」ブイッ
絵里「…サービスが過ぎるわ…」
海未「結局一人一殺ですか…まあ良いでしょう」
海未「撃ちぬけ、『神弓』」ピィン…
月「!」
海未「そのぶん、貴方にはがんばってもらいますよ、月」
月「いや〜!お手柔らかに頼むよ!」アッハッハ
to be continued… 園田海未――『神弓』
解号:「撃ち抜け」
形状:弓矢。
能力:特になし。 善子「…みんな…行っちゃったわね」
ルビィ「うん…」
花丸「寂しがってる場合じゃないよ!二人とも!」
花丸「マル達にはマル達の仕事があるずら」
―
――
―――
ダイヤ「善子さん、花丸さん、そしてルビィ…」
ダイヤ「三人はここでお留守番ですわ」
善子「……」ムス…
花丸「ことりさんを倒したのは、マル達なのに…」ボソ…
ルビィ「…聞いてお姉ちゃん!ルビィ達…」
ダイヤ「――と言っても、まだ重要な仕事が残っています」
ルビィ「え?」 ダイヤ「エリーチカの通信を聞いたでしょう?」
ダイヤ「あの時、気になることを言っていました…」
ダイヤ『エリーチカ!!梨子さんはどこです!?私達の大切な仲間を――』
絵里『こちらが聞きたいわ』
絵里『それが分からないから、あなた達にお願いしようと思って』
ルビィ「ハッ!」
ダイヤ「敵の言葉を妄信するわけにはいきませんが」
ダイヤ「アレが本当なら、梨子さんは今、あの四人の管理下にはいないということになります」
ダイヤ「…貴方達に頼みたい事…もう解りましたね?」
ルビィ「梨子ちゃんを見つけて、護る…!」 善子「でも、いいの?」
善子「絵里さんの言葉が本当なら、あっちは私たちを利用してリリーを探そうとしてる」
花丸「マル達が見つけちゃったら、逆に危ないんじゃ…」
ダイヤ「その為に、私たちが行くのですわ」
三人「!」
ダイヤ「エリーチカは、みゅーずは……内浦で、私たちが必ず倒します」
ダイヤ「ですから皆さんは安心して、梨子さんを探し出してください」
―――
――
―
善子「でも…見つけるったってどこ探せば…」
ルビィ「とりあえず、音の木坂かな…?」 シュインシュインシュイン…
三人「!?」
シュインシュインシュインシュイン…
花丸「なんずら!?」
善子「『ORION』が…!」
スウッ…
ルビィ「解除…された…!?」
善子「これって、さっきと…」
花丸「うん。花陽さんが“詠唱”で一時解除したときと同じ…」 ルビィ「まさかッ!」ハッ
…シュイン…
ルビィ「『ORION』を解除できる人は……この世にもう1人だけいる!」
善子花丸「!!」
ルビィ「穂乃果さんと!花陽ちゃんと!」
ルビィ「持ち“歌道”にしている人がもう1人だけ……!」
シュインシュインシュインシュイン…
善子「…な……ッ」
善子「でもあの人はもう完全に死にかけで、今サラ何も……」
ギャイイイイン 善子「あっ…」
ルビィ「閉じちゃった…また…」
ルビィ「…弱弱しくて正確にはわからなかったけど、今の間に霊圧が一つ?二つ?」
ルビィ「外に出たような……」
花丸「……信じるしかないずら、みんなを」
花丸「マル達のやることは、やらなきゃいけない事は変わらないずら」
善子「…そうね」
ルビィ「…お姉ちゃん……!」グッ…
ダイヤ「ヘックション!!」
鞠莉「ダイヤったら、また〜?」 ダイヤ「仕方がないでしょう。生理現象なのですから…」ムズ…
ダイヤ「それより鞠莉さん!この車、もっとスピード出ないんですの!?」
・内浦に向かう5+3人。『予測不可能Driving!』で空を往く。
鞠莉「無理言わないで!何人乗せてると思ってるの!」
花陽「うぅ…スミません……」
凛「真姫ちゃん、用無いなら下りれば〜?」
真姫「アンタが連れてきたの!」
果南「助っ人の三人は、もうドンパチ始めてるかな?」
千歌「聖良さん……理亞ちゃん……」
曜「…月ちゃん……」
ダイヤ「どうか私たちが到着するまで持ちこたえていてください…!」 南ことり――『皆臨好(みなりんすき)』
解号:「寄り添え」
形状:ラクロスのラケット。
能力:霊子のボールをシュートして、当たった相手をメロメロにする。 海未「おっと、すみません、私としたことがつい」
海未「素人相手に “解放”など…」
月「…戻してくれるの?」
海未「フフ…まあソレは」
海未「格好がつかないですからね…」
月「じゃあ、使わないでくれる?」
海未「貴方次第ですね」
海未「ぜひ使わせて欲しいものです」
ポツッ…
月「!」 月「雨…?」
海未「破道の五十五、『愛してるばんざーい!』」
ズドアアアアッ
月「うわっ!?」バッ
グググググググ
月「地面から木が伸びて…触手みたいに!」
グググンッ
月「くっ!」ブウンッ 海未「よく逃げますね」
海未「“夢の木”…少々水気が足りませんか」バッ
月「!」
海未「破道の四十八、『嵐の中の恋だから』」
ザアアアア
月(雨の勢いが強く!)
ザアアアアアアアアアアア
月(嵐だ!) グググーッ!
月「!」
グルルンッ
月(水の量に比例して、木の伸びるスピードも――)
ギュッ!
月「あッ!」ビタッ
海未「おや、鬼ごっこはもう終わりですか」
月「…アハハ…捕まっちゃったか……」
海未「つまらないですね…」フン… 月「ってことは――」スッ…
海未「?」
月「今度は僕が鬼の番だね」バッ
ピインッ
海未「!」
キュキュキュッ…
海未(これは…“乱装天傀”!)
海未(蜘蛛の巣のように張り巡らせて、私を……)
ギチイイッッ
海未「くッ!」ビタンッ 月「僕が夢の木から逃げながら、周囲に糸を張っていたことに気づかなかったの?」
海未「………」
月「ホラ、こっちも…」グイッ
スパアッ
海未「!」
ドササッ…
海未(夢の木が…!)
月「これでまた海未ちゃんが鬼……って言いたいけど」
月「お望み通り、鬼ごっこは終わらせよっか…」 ジュン…
海未「ッ!」
海未(熱……)
月「知ってるよね?霊圧による加熱は――霊圧の炎は――水で消えない」
月「どんな嵐の中でもね」
ザアアアアアア…
月「だから野外での調理も多い全国レベルの “料理部”は、コンロじゃなくて霊圧で燃やす」
海未「…………」
月「こんな風に…」チッ… ボオオオオオオオオオ
海未「――――」
蜘蛛の巣状の“乱装天傀”を伝って、海未の全身が紅く燃えあがる――。
プスプス…
月「いい匂いだね〜!」クンクン
月「骨付きのお肉を豪快に焼く……これぞまさしく」
ボオオオオオオオオオオオオオオオ
月「『ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ』」
海未「………………」
月「好きなんだよねえ、僕」ペロリ ボオオオオ…
聖良「…あっちは文字通り、白熱しているみたいですね」
聖良「どうです?こちらもそろそろ――」
シュンッッ
聖良「“解放”をっ!」ブンッ
希「こわいこわい」ヒョイッ
聖良「………」タンッ…
希「今のは危なかったやん♪」
希「あと数センチ踏み込まれてたら…」
聖良「そのときは、私の首が飛んでたでしょうね」 希「ツレないなあ」
聖良「こちらのセリフです」
聖良「未解放でのチャンバラで仕留められるほど、私も、あなたも、甘くありません」
希「そーう?」
聖良「だから、どうです?そろそろ」カチャ…
希「いや〜、ウチはまだいいかなあ」
希「こういうのは先に晒した方が不利やからね」
聖良「…だからツレないと言」シュンッッ
希「おっと!」シュンッッ
聖良「ツレないと言うんですよ!」シュンッ
希「仕留める気満々やん!恐いな〜!」シュンッ 聖良「私を見くびらないほうが良いですよ?」ブンッ
希「っと」
ガキイイイン!
聖良「ハッキリ言って、私はサシでやるならAqoursの誰よりも強い」
希「ほんとに〜!?」
希「それじゃあウチ、すごい外れクジ引いたってことになるね」
聖良「…目が笑ってますよ」
希「ハハハ、いやいやそんなそんな」
聖良「…本当にあなたは…やり辛いですね!」シュンッッ 理亞「うおおおおおおおっ!!」
穂乃果「よしこいっ!」
理亞「はっ!!」シュンッ
穂乃果「…………」シュンッッッ
理亞「えっ」
パシッ
理亞「……ッ」
理亞「離……」
デコピンッ
理亞「痛っ」 穂乃果「不合格!!」ビシッ
理亞「…………は?」
穂乃果「理亞ちゃんの“瞬歩”はまだ未熟だね」
理亞「なっ…」
穂乃果「いや、“瞬歩”だけじゃない」
穂乃果「霊圧も!白打も!剣術も!」※白打…肉弾格闘。殴る蹴る。
穂乃果「まだ私たちと戦えるレベルじゃ〜〜〜」
穂乃果「ないっ!」バーン!
理亞「そんなの…」
穂乃果「わかるよ」シュンッッッ 理亞「!!」
穂乃果「う〜ん、やわらか〜い…」ホッペムニー
理亞「〜〜〜〜」ホッペムニラレ
穂乃果「ほら、ね?」
理亞「くうッ!」ブンッ
パッ
理亞「なっ!?」
穂乃果「もーらいっ!」ニコッ
理亞「返して!私のラブライブレード!」 穂乃果「…私も妹がいるから、聖良さんの気持ちはよくわかる…」クルクル
穂乃果「ねえ理亞ちゃん」
理亞「返し――」
穂乃果「北海道のお家に帰ろう?」
理亞「――――――ッ」
穂乃果「これ以上理亞ちゃんを相手に戦うのは、私には耐えられない……」シュン…
理亞「…………………ッッ」ワナワナ…
ボオオオオオオオオ
穂乃果「ん?」
月「どうやら、上手く行ったみたいだね…」ホッ…
穂乃果「うわ〜!海未ちゃん、すっごい燃えてる!!」 月「よかった…正直これでダメだったらもう……」
「…そうですか……」
月「!!」
ボオオオオオオオオ
海未「待っていても、これ以上のものは出ないということですね」ザッ…
月「なっ…」
ボオオオオオオオ
海未「残念です」スタスタ 月「も…燃えながら……なんで生きて………」
海未「この炎が自分の炎だと思っていたのですか?」
海未「滑稽ですね」
海未「フンッ!」
フッ…
月「!」
海未「破道の五十一、『僕らは今のなかで』」
海未「今まで燃えていたのは、熱すぎてとまらない僕の―失礼、私の温度によるものです」
月「そんな……」
海未「あなたの霊圧は私の温度で焼き消しました」
海未「もちろん、チャチな乱装天傀もこの通り」パラパラ… 月「くっ!」ブウンッ
海未「遅い」シュンッッ
海未「縛道の三十、『もぎゅっと“love”で接近中!』」
モギュッ…
月「……っ」
海未「“歌道”は言霊の力…すなわち詞の力」
海未「私はμ’sで最も“歌道”に長けます」
月(身動きがとれない……!)
海未「また失礼。スクールアイドルで、ですね」
海未「まあ言わなくても解りますか…」 海未「さて」スッ…
月「!」
海未「それこそ“歌道”でいくらでもトドメは刺せるのですが…」
海未「存外楽しませてもらったので…これは礼です」キリ…
月(弓……ッ)
海未「安心してください」
海未「一発で確実に心臓(ハート)を撃ちぬきますから、瞬きする間に終わりますよ」キリキリ…
月「…………」ゴクリ
海未「さようなら」パッ
ビュインッ 「『守護胎』!!」
ブワアアアアア
海未「!」
チャプンンン…
月「……よ…」
曜「ごめん月ちゃん、遅くなった」
月「曜ちゃん!」
海未「ほう…水如きで私の『神弓』を……」 ダイヤ「曜さん!1人で飛び出さないでください!」
ダイヤ「ブッブーですわ!」
果実「どうやら、間に合ったみたいだね」
千歌「うん!三人とも……」
鞠莉「オウケー!内浦も無事だね!」
絵里「………………………」
絵里「あれは…」 ジト…
凛「わ〜…絵里ちゃんこっちよりにらんでるよ〜っ…」
真姫「…当然でしょ」クルクル
花陽「うう…ごめんなさい……どうしても見たかったのぉ…」 海未「花陽」
花陽「ハイイッ!?」ビクッ
海未「貴方ですね」
花陽「あっ…は…ハイ!わたし…」
花陽「私です!私!私が!皆さんを逃がしました!ハイ!」
海未「…………」
花陽「だから、凛ちゃんと真姫ちゃんは……」
海未「お手柄です」
花陽「…………えっ?」 海未「よく連れてきてくれました」
海未「こんなご馳走……」ペロリ
絵里「……………」
曜「タダで食べられると思ってるの?」
曜「ご馳走はお金がかかるもの…海未ちゃんにもそれなりの対価を払ってもらわなくちゃね」
海未「何を払えばいいのですか?」
曜「そうだね……」
曜「やっぱり、命、しかないかな」
海未「フフ…できないことを吼えるものではないですよ……曜…」
to be continued… 乙
�「ちゃんがはしゃいでるのを見るエリチカの目つきがツラい 氷雪系最強の噛ませポジションになりそうなのは誰なんだ?
氷…寒い…ロシア… 理亞「うわあああああん!!」
理亞「ぶっころしてやる!!!」
穂乃果「その意気だよ!!」
理亞「私のブレード返せ〜〜〜〜!!」ジダンダ
穂乃果「それはダメ!」ブーッ
千歌「楽しそうですね」ザッ…
穂乃果「!」
千歌「天下の高坂穂乃果さんが弱い者いじめが好きなんて知りませんでした」
理亞「弱い者…」グスン
穂乃果「…嫌いだよ、弱い者いじめは…」 穂乃果「だから千歌ちゃんとも、戦いたくないんだけどな……」
千歌「ほざけーっ!」バッ
千歌「『金毘加』!!」ピッカアアアアア!
穂乃果「うわまぶしっ!」
シュンッッ
千歌「ほら!」グイッ
穂乃果「あっ…」
千歌「お姉さんが妹からもの取り上げちゃダメでしょーが!」ビシッ
千歌「はい理亞ちゃん!」ポイッ 理亞「って!」シュンッ
パシッ
理亞「投げないでっ!」
千歌「どういたしまして!」
理亞「お礼言ってない!」
穂乃果「…いいね、千歌ちゃん」パチクリ
穂乃果「よーしそれならっ!」バッ
千歌「!」
ボオオオオオオオオオオオ 理亞「千歌、さ――」
ボオオオオオオオオオオオ
穂乃果が『焔饅頭』を解放して振ると、千歌と二人、爆炎の中に包まれる。
穂乃果「これで二人きり、ジャマは入らないよ」ニコッ
千歌「望むところです!」グッ
ボオオオオオ…
海未「やれやれ、『城郭炎上』ですか」
海未「暑苦しくて参りますね……」 海未「にしても」
曜「………」
海未「思ったより冷静ですね」
海未「穂乃果と一対一…」
海未「死にますよ、千歌」
曜「……千歌ちゃんのスゴさは、私が一番よく知ってる……」
海未「はあ」
海未「で?」
曜「負けるよ、穂乃果ちゃん」
海未「…………」
曜「海未ちゃんとどっちが早いかな…」 海未「フフ…抜かしてくれます」
海未「その減らず口を叩けなくしてあげましょう」クルッ
ス…
海未が背中を向けて髪をかき上げる。うなじに刻印。
“3”
曜「……海未ちゃんほどの力で、まだ三番目なの…!?」
海未「私ほどの力?」
海未「私の力の底など、まだ貴方に見せた覚えはありませんよ…?」ドオッ
曜「!!」
曜「月ちゃん下がって!」
月「う、うん!」ブウンッ 海未「『さかさまのさかさまを見てごらん』」
海未「『スキは常にキライの裏』」
曜「…………」
海未「『かわいくて憎らしいそうよそうよ』」
海未「『それがいわゆる恋なんです』」
海未「縛道の九十六――『るてしキスキしてる』」
カッ
曜「!?」
海未「ようこそ――さかさまの世界へ」 曜「何…コレ……」
海未「言いましたよ曜」
海未「縛道の九十六『るてしキスキしてる』」
海未「数多くの“歌道”とその詠唱を開発した私ですが…これは中々の自信作です」
曜(上下――――…)
曜(いや、左右も逆か)
海未「ご覧の通り、見えてるものの上下左右を逆にします」
海未「曜、いくら貴方が天才といえども、この状態で私の『神弓』を――」キリキリ…
逆さまの世界で海未が矢をつがえる。
海未「躱せますかねっ!」ヒュッ 曜「すごい…上下左右がまるで反対だ」
ビュインッ
曜「前後もね」クルッ
海未「!」
曜「気づかないとでも思った!?」ブンッ
スカッ
曜「え!?」
ブスウウッッ
曜「――――ッ」 曜「なっ……」
背中から、海未の『神弓』は曜の身体を深々と貫いた。
海未「気づかなかったようですね。上下左右前後逆……」
海未「ついでに、見えてる方向と射られる方向も逆です」
曜「……つ…っ」ガクンッ
海未「…これがAqoursの飛車角の一角を謳われる渡辺曜の最期ですか」
海未「呆気ないにも程があります、興ざめですね」
曜「」
海未「はてさて、次に私の『神弓』が射抜くのは……果南か、それとも…」 バシャアッ
海未「!?」
海未(曜の身体が溶け――)
ピチャピチャ…
海未(これは…水人形!?)
サアッ…
海未「!」
海未(月に切り落とされた“夢の木”の残骸が消え…)
ゴオオオオオオオオオ ブクブク…
海未(…空中に水が集まっていきます……)
海未(しかももの凄い量…)
ブクブクブクブク…
海未(これは)
「念を入れておいてよかった…」
海未「!!」
曜「こんな子供だまし、一回しか通じないだろうけど…それで十分」スクッ…
曜「もう“詰み”だからね」 曜「卍解――――」
ド ン
曜「『大紅蓮曜候丸』」
海未「なるほど」
ゴオオオオオオオオオオ ブクブク ブクブク…
海未「花陽じゃ勝てぬわけです」
曜「海未ちゃんもだよ」 渡辺曜――『蒼浪丸』
卍解:『大紅蓮曜候丸』
形状:空中戦艦。それに乗る曜にも制服と帽子ができる。全部水。
能力:水分の隷属(人体は対象外)。水を操る攻撃の威力も始解時とはケタが違う。 希「穂乃果ちゃんと〜千歌ちゃん」
希「フムフム」
希「で」
希「海未ちゃんと〜曜ちゃん」
希「フムフムフム」
希「でで」
希「ウチと〜…」ツー…
鞠莉「ハロー♪」
ダイヤ「よろしくお願いいたします」
希「う〜ん、なんで?」 聖良「同感ですね」
聖良「余計なお世話ですよ…というか邪魔です」
ダイヤ「そう言わないでください」
鞠莉「千歌っちはAqoursのリーダー」
鞠莉「リーダーが敵のリーダーとタイマン張るって言うなら、私たちは黙って見守るしかできない」
ダイヤ「曜さんは天才です」
ダイヤ「その戦いに私達が手を貸す理由はありませんわ」
聖良「私もないと思うんですけど」
ダイヤ「相手が違うでしょう」 ダイヤ「要は希さん…貴方を買っているのですわ」
希「ありがた迷惑やね」
聖良「はあ………まあ良いですけど、足は引っ張らないでくださいよ」
ダイヤ「誰にものを言っているんですの?」
ダイヤ「『舞武天盾』」バサアッ
鞠莉「『金属宿』!」ジャラジャラン
聖良「…潮時ですかね」
聖良「理亞!」
理亞「!」
理亞「……」シュンッ… 希「?」
希「なんで理亞ちゃんを?」
理亞「…………」ムス…
聖良「私達は二人で二本です」
希「???」
聖良「行きますよ、理亞」
理亞「うん」
聖良理亞「今踊れ」
ジャギイイイイン…
聖良「『雪天狂骨』」 花陽「あれは!!」
花陽「スクールアイドル界広しといえども二つしかない“二刀一対”の斬魄刀、『雪天狂骨』!!」
花陽「まさかこの戦いで拝めるとは…!」
凛「かよちん楽しそうだにゃ〜」
花陽「ちなみにもう一つはにこちゃんの『政宗』です!」ビシッ
真姫「聞いてないわよ」
花陽「そしてこっちは…何度見てもスゴい!」
花陽「曜さんの『大紅蓮曜候丸』!!デカい!デカすぎます!」
真姫「…あれが…………」
真姫「フンッ」プイッ 花陽「こんな戦いが見られるなんて…」ウットリ
花陽「やっぱり皆さんを『ORION』から出してあげて良かったぁ〜」
凛「よかったね!かよちん!」
果南「へえ…曜ったらもう卍解出すんだ」
果南「ずいぶん買ってるんだね、海未ちゃんのこと」
真姫「……」ジトー…
真姫「果南、貴女…」
果南「ん?なに?」
真姫「なにって…私達と一緒に呑気してていいわけ?」
真姫「貴女以外のAqoursはみんな戦ってるけど」 果南「う〜ん…そう言われても」ポリポリ
果南「他対一は趣味じゃないんだよね〜…」
真姫「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」ハア…
真姫「どこまでおめでたい頭してるのよ…」
「全くね」ザッ…
真姫凛花陽「!!」
絵里「揃いも揃って…本当におめでたい……」
凛「あ……あ……」ガチガチ
真姫「…絵里………ッ」プルプル 絵里「敵をのこのこ戦場まで運んだ裏切り者が……高見の見物でスクールアイドルの戦いを楽しむ」
絵里「認められないわ」
凛「絵里ちゃん…」オロオロ
真姫「…………」ドッドッドッ…
花陽「…………せん」
絵里「え?」
花陽「誰であろうと!絵里ちゃんであろうと!!」
花陽「私の“研究”とご飯の時間を邪魔するのだけは許しません!!」
絵里「…許さないと…どうなるのかしら」
花陽「踏み出せ!!」バッ 花陽「『炊込地蔵』!!」
凛「かよちん!落ち着――」
絵里「だからおめでたいというのよ」
ス…
絵里「露(さら)け出せ」
凛「ひっ…」
真姫「………………」ドドドドドドド
コオオオオオオオ…
絵里「『永零智禍(えれちか)』」
to be continued… 何気に歌道の発想がすごい。ちょっと感心してしまった のぞえりは格が違う感じなのかな
明らかに値下がりしてるうみみはちょっと応援してる 破道の九十『黒乳首』を期待してスレ内検索したのに無かったので残念 >>641
エアプどころか確信アンチなみの頭の悪さ 絵里「…………」コオオオオオオオ
“解放”された絵里のラブライブレードは露のように消えうせた……。
花陽「『永零智禍』」
花陽「世にも珍しい、刃のない――実体のない斬魄刀」
凛「〜〜〜〜〜」ガチガチガチガチ
真姫「…………」ドドドドドドド
花陽「なのに美しい」
花陽「おかしな話だけど、見えない刀を美しいと感じてしまう」
花陽「不思議です…」
絵里「…流石に肝が据わっているわね」
絵里「この状況で落ち着いている。中々できることじゃないわ」 花陽「いいえ!」
花陽「落ち着いてなんかないよ、絵里ちゃん」
絵里「……」
花陽「さっきから、ホラ…」
花陽「震えが…」プルプル
絵里「…正直ね」
花陽「震えが……!」ブルブル
絵里「そういうところはあなたの良いところ…」
花陽「絵里ちゃんみたいな最高のスクールアイドルを好き放題できるって考えたら!!」
花陽「震えが止まってくれないのぉ!!」 花陽「いただきます!!」バッ
ザアアアアアアア
凛(お米の波状攻撃!速い!)
真姫(また腕を上げたわね…)
ピタアアアアッ
花陽「!」
真姫(でも)
絵里「興奮するとどうにも抑えが効かなくなる」
絵里「そういうところはあなたの……悪いところよ、花陽」コオオオオオ パリイイイイイン
花陽「白米が…」
絵里「で、もう終わり?」
花陽「…………」プルプル
絵里「無駄な抵抗は」
「待ちなよ」
四人「!」
果南「よそのグループやり方に口出しするのは野暮だけどさ」
果南「3年生、それも生徒会長が1年生をイジめるなんて……感心しないな〜ん」 絵里「…下手な嘘はやめなさい」
絵里「あなたが突っかかってきたのはそんな理由じゃないでしょう」
果南「アハハ、バレた?」
果南「噂通り賢そうだね…」
真姫「……果南…ッ」
絵里「それと私は元会長よ」
果南「どうでもいいよ。さっきのはタテマエだからね」
絵里「……」
果南「始めようか」ニカッ 絵里「…………」
絵里「救えないわね」
果南「?」
絵里「そんな全身水分の身体で私の前に立つなんて……」
コオオオオオオオオ
真姫「!!」
絵里「自殺行為もいいところだわ」
真姫「果南下がって!!」
真姫「既に『永零智禍』の射程距離に入って――」 果南「」カッチコーーーン
凛「あ……ああ〜!」ガクガク
絵里「伝えるのが遅すぎたわね、真姫」
真姫「馬鹿!何しに出てきたのよ!!」
絵里「私の『永零智禍』は氷雪系最強」
絵里「その“冷気”の刃に触れるものはみな全て、一瞬のうちに凍りつく」
花陽「………………」ブルブル
絵里「果南ならいざ知らず…残ったあなたに言っても」
絵里「釈迦に説法ではあるけどね…………花陽」
花陽「…いただきます……いただきますよ絶対……」ブルブルブル 絢瀬絵里――『永零智禍』
解号:「露(さら)け出せ」
形状:気体。不可視。
能力:瞬間冷凍。 希「贅沢な眺めやね」
希「強い強いスクールアイドルの斬魄刀解放を、同時に三つも拝めるなんて」
ダイヤ鞠莉「…………」
希「鞠莉ちゃんの『金属宿』」
希「ダイヤちゃんの『舞武天盾』」
希「それに…」
シュンッッ
希「ん」
聖良「『雪天狂骨』」バッ
聖良「『雪合戦』」ブンッ ボボボッ
希「好きやねえ不意打ち!」ヒョイッ
希「説明ぐらいしてくれても…」
聖良「――」シュンッッ
希「!」
聖良が希の頭上に飛ぶ。
聖良「『滑雪』」ビュインッッ
希「お〜こわっ」シュンッッ
聖良「…………」キキィーッ 希「はいはい、一旦落ちつこっか」
聖良「…………」
ダイヤ(恐ろしく速い反応)
ダイヤ(付け入るスキがありませんわね)
鞠莉(三…四対一とはいえ、簡単には勝たせてもらえそうにないわね)
希「で、結局教えてくれないの?」
希「その『雪天狂骨』の能力…」
理亞「馬鹿じゃないの!?そんなの言うわけ――」
聖良「“遊び”ですよ」
理亞「姉様!?」 聖良「私達の『雪天狂骨』の能力は子供の“遊び”を現実化することです」
希「へえ、遊びを」
理亞「………」
聖良「理亞!」
理亞「!」
聖良「『狂骨』を私に」
聖良「あなたは後衛から“歌道”中心にサポートお願いします」
理亞「………」コクリ
ポイッ
聖良「どうも」パシッ 希「晴れて二刀流…ここからが本領ってワケやね」
希「恐いな〜…」
聖良「そう思うなら、“解放”したらどうですか?」
希「…それもそうやね……」
ゴゴゴ…
全員「!」
ゴゴゴゴゴゴ
希「…何、これ……」
希「雲が……っ」
ダイヤ「…やはりこちらに来て正解でしたわね」チラッ… 鹿角聖良・理亞――『雪天狂骨』
解号:「今踊れ」
形状:二刀一対の青竜刀。
能力:子供の遊びを具現化する。 ゴオオオオオオオオ ブクブクブクブク…
海未「大層な卍解ですね……」
海未「数多くのスクールアイドルの卍解を目にしてきた私ですが」
ゴオオオオオオオオオオオオオオ
海未「これほどの巨大さは……はて」
海未「今まであったかどうか…」
曜「だろうね」
曜「この船より巨きいのは、私も見たことがない」
海未「とはいえ」
曜「……」
海未「とはいえです、曜」 海未「ウドの大木という言葉もあります」
海未「大きさだけでは卍解の性能は測れません」
海未「そして、忘れたわけではありませんよね?」
海未「曜、貴方は既に私の…『るてしキスキしてる』の術中にあります」
曜「…………」
海未「どんな大砲もどんな強弓も、当たらなければ無用の長物」
海未「立派な“大木”ですよ」クスリ
曜「…本当はね」
曜「私の『大紅蓮曜候丸』のデザインに…“大砲”は要らないんだよ」
海未「…?」
曜「まあ、かっこいいから要るんだけど…」 ゴゴ…
海未「!」
曜「『大紅蓮曜候丸』の“砲身”は“空”」
ゴゴゴゴゴゴ…
海未(穂乃果が『焔饅頭』で掻き消した雲がまた…)
曜「“砲弾”は……その下の全ての水だよ」
パラ…
海未(雨…)
曜「『水天百海葬』」 ポツンッ…
海未「――!」
ブワアアンッ
海未「なっ…」
海未の肩――落ちた雨粒を始点に、水が広がる。
ザバザバザバザバ…
水は油を注いだ炎のように、みるみる増え広がっていく。
海未「なんですこれは………!!」
曜「『水天百海葬』」
曜「こうやって空は雨をつくり、雨は海をつくってきた…」 ザバザバ…
海未(空間が…水で満たされていきます…!)
ザバザバザバザバ…
海未(溺れる……!)
海未「くッ!」バシャッ
曜「……」
海未「こんなもの、私の“歌道”で吹き飛ばし――」
ポツン…
海未「……――――」ゾク…
ザアアアアアアアアアアアアア 降り注ぐ雨。水の塊は海未を飲み込み、尚際限なく拡がっていく……。
海未「こっ――」ゴボ…
ザブンッ
海未「ぷはぁっ」
海未「ッこんな――」ゴボゴボ…
曜「人間は海には勝てないよ」
曜「海未はあなただけどね」
海未「――……」ブクブク…
曜「ごめんね」
曜「穂乃果ちゃんには………会わせてあげられない」 渡辺曜――『蒼浪丸』
卍解:『大紅蓮曜候丸』
形状:空中戦艦。それに乗る曜にも制服と帽子ができる。全部水。
能力:水分の隷属(人体は対象外)。水を操る攻撃の威力も始解時とはケタが違う。 穂乃果「よしこいっ!」
千歌「たああっ!」シュンッッ
穂乃果「!」ヒョイッ
カスッ…
穂乃果「速いね!」
穂乃果「流石に理亞ちゃんとは“瞬歩”のレベルが違う…」
千歌「そりゃどうも!」シュンッッ
穂乃果「“瞬歩”では互角かな――」
千歌「はあっ!」ブンッ 穂乃果「いや!」シュンッッッ
スカッ
千歌「――!」
穂乃果「私の方がちょっとだけ速いね!」
穂乃果「もらった!」ブンッ…
千歌「ふんっ!」ピッカアアアアア!
穂乃果「わっ!」ガバッ
千歌「ていっ!」ブンッ
穂乃果「っ!」シュンッッ
千歌「ちぇっ、惜しい…」
穂乃果「目が!目が〜!」 穂乃果「“輝き”で目潰しって!」ゴシゴシ
穂乃果「やることがセコいというか、主人公の戦い方じゃない…」パチクリ…
穂乃果「!」
千歌「だったら……これならどうです!?」
ドドドドドドドドドド
千歌「主人公らしいでしょ〜〜〜!」
穂乃果(これは…花陽ちゃんが言ってたやつ!)
千歌「『輝ラ輝ラ天衝!!』」ブンッ
キラアアアアアアアアアア 穂乃果「あぶないっ!」シュンッッ
千歌「…!」
ボッ…
“輝き”は穂乃果の影をとらえらえず、二人を囲う爆炎の中に消えた……。
穂乃果「うっわぁ〜…あんなの当たったらひとたまりもないよ……」
穂乃果「当たらないけどねっ!」ビシッ
千歌「…………」
穂乃果「さ〜て、そろそろこっちからも…」
千歌「当たらないなら…」
穂乃果「え?」 千歌「当たらないなら、捕まえちゃえばいい!」
千歌「縛道の十二!」
千歌「『サンシャインぴっかぴか音頭』!」ピッカピカ!
穂乃果「!」
千歌「さあさあ!」
千歌「よっといでよっといで〜!」クイックイッ
穂乃果「光が……」
シュウウウウ…
穂乃果「あっちからこっちから……身体にまとわりついて…!」モゾモゾ
穂乃果「動きづらい!!」
千歌「あそ〜れそれ!」 穂乃果「…馬鹿にしないでよね…!」モゾモゾ
穂乃果「こんなの私の『焔饅頭』で一思いに…」
千歌「無理だね!」バッ
千歌「縛道の四十一!『想いよひとつになれ』!」
穂乃果「!」
ギュウウウウウ
穂乃果「光が…重…!」
千歌「想いがいっぱい詰まってるからね!」
穂乃果「………完全に動けない……」ギュウウウ… 千歌「あ、今のは“想い”と“重い”をかけた……」
穂乃果「…『だいじな』」
千歌「!」
穂乃果「『ことは』」
千歌(…ヤバい……!)
穂乃果「『あしたを信じる』」
千歌「もっと重く…」グッ…
穂乃果「『アリアケエガオ』――――」 千歌「くうっ――」
穂乃果「破道の九十一」
穂乃果「『愛は太陽じゃない?』」
バアアアアアアンッ
千歌「うわーっ!」バッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
千歌「た…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
千歌「太陽を……創った……!」
千歌「熱――」 カッ…
千歌「!」
穂乃果「強い光は弱い光をかき消す…」パラパラ
穂乃果「こんな風にね」ニコッ
千歌「くっ…」
穂乃果「さあ千歌ちゃん!」バッ
穂乃果「攻守交替だよ!私の太陽!」
穂乃果が千歌に向けて直接太陽をぶっ放す。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
穂の果「さばいてごらん!」 千歌「…得意の“歌道”でも全然歯が立たないなんて…」
千歌「やっぱりスゴいな……穂乃果さんは……」
穂乃果「…ありがとう」ニコッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
言っている間にも、太陽はゆっくりと千歌に迫っていく……。
千歌「しかたない!」
穂乃果「…?」
千歌「昨日の今日どころか今日の今日…実戦で使うのは初めてだけど」ス…
千歌「ここで使わずいつ使う!」
バッ
千歌「卍解!!」 ピッカアアアアアアアアア
穂乃果「わっ!!」ギュッ
輝き一閃。爆炎の中が光で満ちる――。
穂乃果「…っ」パチクリ…
キラキラキラキラキラキラ…
穂乃果「……」
穂乃果「キレイ……」
穂乃果の瞳に、光輝く黄金の建造物が映る……。
千歌「『金毘加蜜柑甘々照(きんぴかみかんかんかんでり)』」 カッ
穂乃果「うわっ!」バッ
ピッカアアアアアアアア
穂乃果「“輝き”が、また一段と……」クウ…
シュン…
穂乃果「あっ!!」
穂乃果「私の『愛太陽』が!」
千歌「…………」
ピッカアアア…
穂乃果「消えちゃっ、た…!?」 千歌「何を驚いてるんです?」
千歌「自分で言ったばっかじゃないですか」
穂乃果「……!」
千歌「強い光は、弱い光をかき消す!」
キラキラキラキラキラキラキラキラキラ
千歌「つまり!」
カッ
穂乃果「ぐッ!?」バッ
千歌「いちばーん強い私の“輝き”は!!」
ピッカアアアアアアアアア
千歌「全てをかき消すのだ――!!」 穂乃果「……っ」ギュッ…
ピッカアアアアアアア
穂乃果(全身がヒリヒリする…!)
穂乃果(服の上からでも関係ない…これじゃ日焼けしちゃうよ〜!)
千歌「フンッ!」グッ
カアアアアアアアアアアア
穂乃果(ま、まだ“輝き”が上がるの!?)
穂乃果(これじゃとても目を開けられない…)
千歌「さあて…」ス…
ドドド…
穂乃果「!」 千歌「今度は当てますよ…」
千歌「いくら私でも…目も見えない穂乃果さんにコイツを当てられないほどドジじゃない……」
ドドドドドドドド
穂乃果「……っ」
千歌「“輝き”は100倍!だから威力は10000倍!!」
千歌「喰らって爆発四散しろーっ!!」キラキラキラキラ
穂乃果(マズい……!)
千歌「卍解版!!」
千歌「『輝ラ輝ラ天衝オオオオオオ』!!」ブワンッ
キラアアアアアアアアアア カッ
千歌「!」
パラパラ…
穂乃果「ふう…間に合ったね」
千歌「な……」
穂乃果「卍解」
千歌「なん…だと…」
プスプスプスプス…
穂乃果「『あんこの太刀』」
to be continued… カアッッ
曜「!?」
ジ…
鞠莉「な――」
ダイヤ「なんですかこれは!?」
聖良「…熱い……」
希「…『あんこの太刀』……」チラッ
ボオオオオオオオオオ…
希「…終わりやね、千歌ちゃん」 フツフツ…
曜「!!」
シュウウウウ…
曜「海が……『水天百海葬』が…………」
シュウウウウウウウウ
曜「蒸発していく……!」
海未「ぷっはぁ!」バシャアッ
曜「…………」
海未「全く……ッ……馬鹿にしてくれましたね…曜……」ハアハア
海未「この借りは高くつきますよ……」 千歌「な……」
千歌「何……ソレ……」
穂乃果「『あんこの太刀』」プスプス…
穂乃果の手に持つ刀は『焔饅頭』のときより小さく、黒く煤焦げている。
穂乃果「私の卍解だよ」
千歌「…私の…」
千歌「私の…『輝ラ輝ラ天衝』は……?」
穂乃果「消し飛ばした」
千歌「!!」
穂乃果「この子でね…」プスプス… 千歌「…そんな……!」
千歌「そんなちっぽけな刀で……私の1万倍『輝ラ輝ラ天衝』を……!」
穂乃果「見た目で判断しちゃダメだよ」
穂乃果「『あんこの太刀』の熱量は、『焔饅頭』の1000倍」
穂乃果「だから威力は100万倍だよ」
千歌「ひゃく……ま…」
ジッ…
千歌「ううッ!」
千歌「…熱い……ッ」ダラダラ
穂乃果「さあ千歌ちゃん!もう一回!」ス…
千歌「……!」 穂乃果「千歌ちゃんの“輝き”と私の“熱”……」
穂乃果「どっちが強いか勝負だよ!」ビシッ
千歌「…………」
千歌「…アハ」
穂乃果「……」
千歌「流石……流石穂乃果さん……」
千歌「最高ですよ……そういうの……」
穂乃果「ありがとう」
千歌「でも」 千歌「後悔しますよーっ!!」バッ
ピッカアアアアアアアアアア
穂乃果「!」
キラキラキラキラキラキラ…
穂乃果「これは…!」
千歌「私の卍解の…『金毘加蜜柑甘々照』の全ての輝きをこの一撃に込める!!」キラキラキラキラ
ドドドドドドドドドドドドド
千歌「最後の『輝ラ輝ラ天衝』だーーー!!」 千歌「今更ヤメなんて言わないでくださいよー!」
千歌「穂乃果さん!!」
穂乃果「もちろん!!」
穂乃果「私も、私の“熱さ”を全部次の一刀にこめる……」ス…
シュウウウウウウウウ…
二人を取り囲む『城郭炎上』の爆炎が、『あんこの太刀』に戻っていく…。
曜「!」
曜「アレは…」
海未「ほう…まだ息がありましたか、千歌」
穂乃果「燃やし切ってあげるよ!千歌ちゃんの輝き全部!!」 千歌「やれるもんなら――」
千歌「やってみろーーーー!!」ブワアンッ
千歌「『輝ラ輝ラ天衝オオオオオオオオアアアアア』!!」
キラアアアアアアアアアアアアアアア
穂乃果「………」スッ…
Dear 千歌ちゃん
穂乃果(千歌ちゃんは――Aqoursは、本当にすごいスクールアイドルになったね)
ブンッ…
穂乃果(確かに――輝いてたよ)
斬ッッッ カッ
千歌「!!」
パラパラ…
千歌「…ッ」
千歌「そんな……」
穂乃果の一振りで、放たれた“輝き”は空しく霧散した。
千歌「私の…最後の『輝ラ輝ラ天衝』が…………」
穂乃果「………」
千歌「…くっそ………」
穂乃果「千歌ちゃん……」
千歌「くっそおおおおおお!!」 シュンッッ
千歌「!」
穂乃果「惜しかったね」ブンッ
グサアアッ
千歌「――――ッ」
穂乃果「あと、もう一欠けら……」
穂乃果「もう一粒でも“輝き”が多かったら、私が負けてたよ」
千歌「……ゲホッ」
穂乃果「本当に…がんばったね……」
千歌「く……そ………っ」
ガクンッ 千歌「」
穂乃果「……ふぅ」
穂乃果のブレードに貫かれ、千歌は力尽きた……。
穂乃果「危なかった…千歌ちゃんがここまでやるなんてね…」
穂乃果「Aqoursは、私達が最初思ってたより、もっと強いスクールアイドルになってたんだね……」
穂乃果「海未ちゃんは大丈夫かな……?」
海未「穂乃果!!」
穂乃果「!」
穂乃果「良かった、海未ちゃ――」
海未「貴方一体何やっているんですかッッ!!?」 穂乃果「え――――」
「ほ……」
ぐにゃあ…
穂乃果「!!?」
ことり「ほ……穂乃果…ちゃん……」ゲフッ…
穂乃果「えっ」
穂乃果「こっ…………ことりちゃ…!?」
見ると、穂乃果が串刺しにしているのは千歌ではなくことりだった。
穂乃果「えっ!?なんで!?」
穂乃果「どっどっどっどういうこと!?!?」 千歌「ごめんなさい千歌さん」ザッ…
穂乃果「!!」
穂乃果「千歌ちゃ…」
千歌「さっき貴方に見せた卍解……『金毘加蜜柑甘々照』」
千歌「アレは嘘です」
穂乃果「なっ…」
千歌「私の本当の卍解の名前は『金毘加水月』」
千歌「有する能力は――完全催眠です」
穂乃果「かんぜん……さいみん!?」
千歌「もう少し優しく言うなら」
千歌「一度でも私の『金毘加』の解放時の輝きを見た人に対して、五感全てを支配する」 穂乃果「そんな……っ!」
穂乃果「じゃあさっきまでのは全部……」
千歌「幻です」
千歌「夢って言ったほうが、もしかしたら分かりやすいかもしれませんね」
穂乃果「……いつから…?」
千歌「はい?」
穂乃果「一体いつから、『金毘加水月』を使ってたの!!?」
千歌「いつから……?それならこちらも聞きます」
千歌「一体いつから…『金毘加水月』を使っていないと錯覚してたんですか?」 穂乃果「…くっ……」
ことり「…ゲフッ」ビクンッ
穂乃果「!!」
ことり「…な……」
穂乃果「ことりちゃん!しゃべらないで!」
穂乃果「待っててね!今“回道”で…」
ことり「何度も…言おうとしたよ……」
穂乃果「……………………」
穂乃果「えっ……?」 ことり「でも穂乃果ちゃん……千歌ちゃんと闘うのに夢中で……」
穂乃果「……………」
ことり「気づいて欲しかったよ……穂乃果ちゃんには…」
ことり「一番に気づいて欲しかった…」
ことり「だって穂乃果ちゃんは初めてできた友達だよ…ずっとそばにいた友達だよ……」
穂乃果「…あ…」
ことり「そんなの…」
海未「穂乃果!!」
海未「耳を貸してはいけません!!けして――」
穂乃果「うわあああああああああ!!!」
千歌「……」
穂乃果「千歌――」バッ… 千歌「遅い」シュンッッ
斬ッ
穂乃果「…………っ…」ブシャアア…
千歌「天下の穂乃果さんも、こうなっちゃうとモロいもんですね」
千歌「スキだらけでしたよ」
穂乃果「…う……うう…ッ」ユラ…
穂乃果「ことりちゃん……ごめん」
ドシャアアッ
海未「穂乃果!!」 千歌「次はあなたですよ、海未さん」
海未「…!!」フルフル
海未「この……」
千歌「忘れちゃったかもしれないから親切で言ってあげますけど、海未さんも内浦で私の“解放”を見てるんですからね」
千歌「間違ってことりさんを刺さないようにしてくださいね」
海未「……千歌…………………」
海未「貴方は最も残酷な方法で殺します!!」
バッ
海未「卍解―――」ドオッ…
シュンッッ
千歌海未「!」 絵里「調子に乗りすぎよ千歌…」ス…
千歌「やばっ」
絵里「『永零智禍』…」
コオオオオオオオ
曜「千歌ちゃん!」
カチコーーーン
千歌「」
絵里「ド素人ね…」 シュバビッッ
絵里「―!」
海未「!!」
曜「よくも千歌ちゃんを――」
絵里(速い―!)
曜「たあああっ!!」ブンッ
海未「……」フン…
スカッ
曜「えっ――」 絵里「……どこを斬ってるのかしら」
曜「あ――」
コオオオオオオオオ
海未「失念しましたね…」
曜(逆だ―――)
カチコーーーーン
曜「」ピタアアア…
絵里「…あなたは少しばかり才能に恵まれたようだけど」
絵里「素人の域は出ちゃいないわ」 海未「…人の獲物を横取りですか…」ザッ…
絵里「…………」
海未「それも二人も……」
絵里「……」ス…
海未「!!」シュンッッ
コオオオオオオ…
海未「…絵里…あなた何を――」
絵里「想像もしていなかったわ」 ピキ…
海未「!」
絵里「苦労して仲間にしたあなた達が……」
海未(足の先が既に氷に――)
ピキピキ…
海未「くッ…!この……」
ピキピキピキピキ
海未(氷が登ってくる――!)
絵里「私達二人に劣るなんてね」 ピキピキ
海未「絵里!!」
海未「私はずっと、あの時から、貴方を――」
ピキピキピキピキ…
絵里「…私を……何?」
海未「」カッチーン…
絵里「最後まで言い切りなさい……そういうところがダメなのよ」
to be continued… 高坂穂乃果――『焔饅頭』
卍解:『あんこの太刀』
形状:あんこのように黒く煤焦げた刀。
能力:圧倒的な熱で触れるもの全て消しとばす。
高海千歌――『金毘加』
卍解:『金毘加水月』
形状:なし。
能力:解放時の輝きを見た相手を完全催眠にかける。 全員凍結コースかと思ったが希は認めてるんだな
にしても海未ちゃんに厳しすぎない? 希「ありゃりゃ」
希「えりち…相当お冠みたいやなあ」
鞠莉「…味方の海未まで……!」
希「これで結果的には、あっちの二組、二年生の四人は全滅」
希「痛み分けやね」
ダイヤ「リーダーとエースを失って………依然そちらには“大将首”二つ」
ダイヤ「割に合いませんわ」
希「…言っている意味がわからないんやけど」
ダイヤ「とぼけないでください」
ダイヤ「穂乃果さんの“数字”が四番であることは既に聞いています」
ダイヤ「あとの3人……私の見立てでは、あの海未さんが三番手でしょう」 鞠莉「で、残ったのはアナタと絵里……」
希「…………」
ダイヤ「どうです?私どもとしてはエリーチカが1番」
ダイヤ「貴方が2番だと嬉しいのですが」
希「…そっか」
ス…
ダイヤ鞠莉「!」
希「ゴメンね」
“1”
希「ウチが“1”や」 鞠莉「…っ…!」
ダイヤ「…やはりですか……」
シュンッッ
希「おっ」
聖良「『雪合戦』」ブンッ
ボボボッ
希「聖良ちゃんは相変わらずやね!」ヒョイッ
聖良「絢瀬絵里と東條希――お二人の序列に興味はありません」
聖良「私と比べたなら、どっちにしろ二番手以下ですから」
希「面白いこと言うね…」 絵里「希!」
希「!」
絵里「三下にいつまでも大きい顔させてないで」
絵里「さっさと片して」
希「…せっかちやねえりちは…」
聖良「三下はどちらですかねっ!」ブンッッ
シュンッッッ
聖良「――!」クルッ
希「……」タンッ…
聖良(…今の“瞬歩”は…今までで一番速い…) 希「流石…」
聖良「当然です」フン
聖良「“瞬歩”でも私は曜さん以外のAqoursの誰よりも優れていますから」
聖良「多少アナタが本気を出しても、目で追うぐらいわけも無い…」
希「……の…」クスリ
聖良「…ハイ?」
希「流石の聖良ちゃんでも……見切れなかったみたいやね」
…クゥ~ン…
聖良「……………え?」
ドッカアアアアアン ダイヤ「なっ…」
理亞「姉様!!」
聖良「…………っ」ガクッ…
鞠莉「今、何を……」
希「『九音狸(くのんたぬき)』」
スウ…
ダイヤ鞠莉理亞「!!」
希の周りに数匹の狸が現れる。
希「ウチの斬魄刀……今“解放”したの」 ダイヤ「斬魄刀…?この狸が…」
希「ウチの“解放”はちょっと特別なんよ……」
鞠莉「どういう…」
たぬ「クゥ〜〜ン」スリスリ
ダイヤ「!!」
たぬ「クウゥ…」スリスリ
ダイヤ「鞠莉さん!!いつの間にか私達の足元にもいますわ!!」
鞠莉「えっ…」
理亞「なっ」 ドッカアァァァァァァン
希「ダイヤちゃんなら知っとるやろ?」
希「μ’sを始めたのは穂乃果ちゃん」
希「でも、μ’sを作ったのはウチ」
希「“ウチら”が“μ’s”に進化するとき」
希「ウチは魂を九つに分けた」
モクモクモク…
希「自分自身の魂そのものを分かち引き裂き」
希「同胞のように連れ従えそれそのものを武器とする」
希「その狸の弾頭はウチでありμ’s」
希「それがウチ、第一μ’s東條希の能力や」 東條希――『九音狸(くのんたぬき)』
解号:「ウチも入れて」
形状:九匹の狸。
能力:弾頭として追尾し爆発する。
狸は希の魂でありすなわちμ’sの魂でもある。 絵里「もう…それぐらい最初からやってよ…」ハア…
「腹立たしいわね」
絵里「……」クル…
真姫「目の前の私達をほっぽって曜と千歌に飛びつくなんて」ドドドドドドド
真姫「あの二人にそんなに可能性を感じたわけ?」
絵里「…まさか」
絵里「別に誰を先に消してもいいけど、調子づいて勘違いされてもイラつくでしょ?」
絵里「私や希までアナタ達と同じレベルだなんて…」
真姫「…………」ドドドドドドドド
凛「…海未ちゃんまで氷漬けにしちゃうなんて…」
花陽「もう、なんの遠慮もいらないみたいだね」
花陽「全力で絵里ちゃんを糠漬けに出来ます」フッスーン 絵里「一応、敵討ちになるわね…フフ…大義名分ができてよかっ」
花陽「違います!!」
絵里「え?」
花陽「海未ちゃんは私が、私のコレクションにするはずだったのに!!」
花陽「勝手に氷像にしちゃってぇ!!」
パラパラ…
絵里「!」
絵里(なに…?…周りに…砂埃のような…)キョロキョロ
花陽「抜け駆けされたのがムカムカするんです!!」 花陽「これは“米粉”です!!」
パラパラ…
花陽「絵里ちゃんが浮気しているうちに、私の『炊込地蔵』で、米粉をこの空間全体にバラまきました!!」
花陽「霧雨のように!粉雪のように!!」
コオオオオ…
花陽「『永零智禍』は触れたものを即座に凍らせる――ということは!」
コチコチコチ…
絵里「!」
絵里「米粉が凍って……」
花陽「よーく見えます!無敵の『永零智禍』の軌道がクッキリと!」 花陽「そして軌道さえ見えれば、所詮はすっとろい気体!」
花陽「“瞬歩”の苦手な私でも―――」
コチコチコチコチコチコチ
花陽「えっ」
絵里「…………」
凛「そんなっ…」
コチコチコチコチコチコチコチコチコチコチ
花陽(は…速い!)
絵里「終わりよ。“瞬歩”の苦手なあなたはね」
花陽(避けられな――) 真姫「フンッ」ドオオオッ
絵里「―!」
コチ…
花陽「…!」
花陽「ありがとう真姫ちゃん!」シュンッッ
コチコチコチコチ…
絵里「…今のは……」
絵里(霊圧の束をぶつけて、一瞬冷気を押し戻した……)
花陽「ハァ……ハァ……」タンッ… 絵里「流石…と一応褒めておくわ」
絵里「こんなことが出来るのは、ゴリラ級の霊圧を持つアナタだけでしょうね……真姫」
真姫「…ゴリラは言わなくていいのよ…」
コオオオオオオオ
凛「絵里ちゃんの『永零智禍』…思ってたよりずっと速いね……」
花陽「うん…でも」
花陽「一番の問題は“速さ”じゃない」
凛「え?」
コチコチコチコチ… 真姫「見なさい。絵里の周りを『永零智禍』がすっぽり覆ってる」
真姫「上下左右前後、360度、一分の隙もなく…」
凛「それって…」
絵里「完全無敵ということよ」
コオオオオオオ…
絵里「チャンバラなんてもっての他、花陽のお米も、凛のラーメンも…もっともあなたのラーメンは元々武器にはならないけれど」
絵里「とにかくあらゆる攻撃は私に届かない」
凛「そ…そんなぁ〜!」
花陽真姫「……」 凛「ふ、二人とも!どうしたの!?黙っちゃって…」
花陽真姫「……………」
凛「ホラかよちん!何か言い返さなくちゃ!真姫ちゃんも!」
凛「あるもんね!?絵里ちゃんを倒す、とびっきりの作戦が…」
絵里「無理を言っちゃ二人がかわいそうよ、凛…」フフ…
絵里「この世のどこにもないわ。私を倒す方法なんてね」
花陽「…縛道の六十六……!」グッ…
凛「かよちん!」パア…
花陽「『なわとび』!!」バッ
ビュイイーーン ピキイイイイイイン
凛「なっ…」
花陽「……っ」
絵里「“歌道”なら……凍らないとでも思った?」
真姫「『思い付き試しなさい!』」バババッ
真姫「『それで回りだす』」
凛「真姫ちゃん!」
真姫「『したいこと』」
真姫「『したいだけ』」
真姫「『叶えるシステムは』」 真姫「破道の四十二!!」
真姫「『PSYCHIC FIRE』!」
ボオオオオッ
凛「やった!炎だ!!これなら――」
カキイイイイイイン
凛「え〜〜〜っ!?」
絵里「…曜の作った海を蒸発させる『あんこの太刀』の余波ですら、『永零智禍』で凍った果南は溶けなかった」
絵里「それを見落とすあなたじゃないとは思うけど……真姫」
真姫「くっ…!」
絵里「他に策もないものね……敵ながら同情するわ」 真姫「こうなったら、私の霊圧で……」ドオオオオッ
凛「真姫ちゃんがんばれ!!」
真姫「ゴリ押す!!」ドドドドドドドドドドドド
絵里「見ちゃいられないわね…」ス…
フッ
真姫「――」
シイン…
凛「…え…?」
真姫「…ウソ」 真姫「フンッ!フンッ!」
シィン…
凛「そんな…真姫ちゃんのゴリラ霊圧が……まさか……」ガチガチ
絵里「霊圧は……凍らないとでも思った?」
真姫「…………っ」プル…
凛「あ……あ……」ガタガタガタガタ
絵里「まだ理解できていないようね」ハア…
絵里「私の『永零智禍』に凍らせられないものはない」
絵里「例外はない…抜け穴は存在しないのよ」 凛「ま……真姫ちゃん……」ガクガクブルブル
真姫「……りだわ」
凛「えっ…?」
真姫「私達では……どうやっても……絵里には勝てない…」
真姫「無理だわ…無理…無謀すぎたのよ……」プルプル
凛「ま…真姫ちゃん…そんな……」
凛「今更そんなこと言わないでよ……」ウルウル
真姫「だってそうでしょ!」
真姫「私達じゃ!私達の力じゃ!こんなのどうしようもないじゃない!!」
凛「…………」
凛「…真姫ちゃん……」
絵里「そういう事…気づくのが遅すぎたわね」 花陽「抜け穴がないなら……」
絵里「!」
真姫「……」
花陽「力づくでこじ空けるしかない!!」
花陽「卍解!!」
ド ン
花陽「『銀色炊込地蔵』!!いくよ!!」
地蔵「ピャアアアアアアアア…」
絵里「フフ…」
花陽「単純な話です!!」 花陽「凍るスピードより速く!強くお米を叩き込めば!!」
花陽「きっとぶち抜ける!きっと届く!絵里ちゃんの喉笛に!!」
絵里「もうヤケクソね…」
花陽「一点集中だよ…絞って……もっと絞って……」
絵里「まあ…無い穴探すよりは建設的だけど」
花陽「発射!!」
地蔵「ピャアアアアアアアアアアアアア!!」ブワアオッ
絵里「無理よ。あなた達には」コオオオオオ
カッ 十刃の序列とかいう厨二心をくすぐりまくる設定ほんとすき ピッタアアアアアアアア…
地蔵「」カチコーーーン
花陽「………………!」
絵里「ね?」
花陽「…………」
絵里「万事休すね」
絵里「さようなら花陽…最後の最後までへこたれなかったあなたの根性は尊敬するわ」
コオオオオオ… 花陽「……頼んだよ…凛ちゃん…」カチコチ…
絵里「…凛?」
花陽「」カチコーーーーン
絵里「………………」
絵里「なんで今更…凛なんかに……」クルッ…
真姫「……」
絵里「…………?」キョロキョロ
絵里「いない…」
真姫「絵里……今日あなたが負けるとすれば」
真姫「ここは一つ敗因になるわね……あなたは凛を見くびりすぎた……」 絵里「…何をわけのわからないことを…」
真姫「無理もないけどね…『月猫夜』は正真正銘のへったくれ能力」
真姫「それでも貴女は凛から目を離すべきじゃなかった」
絵里「いいわ…どうやら気が狂ったようね」ス…
真姫「そしてさっきの…私の霊圧を凍らせたの……あれはもっと失策だった」
真姫「凍らせたりしなければ、溢れる霊圧量の変化で、私の変化に気づけたかも…」
絵里「!」
絵里「真姫、あなた…」
真姫「イヤ!絶対に気づけたでしょうね!」
真姫「なんてったって私の霊圧はゴリラ中のゴリラ!!“解放”に気づかないなんてありえない!」
絵里「いつの間に“解放”して…!?」
絵里「でも肝心の斬魄刀はどこに…」 真姫「スクールアイドルの斬魄刀には……持ち主の手を離れても能力を発揮できるものがあるのよ」
真姫「千歌のもそうだったって花陽ははしゃいでたわ…」
凛「――」シュンッッッッ
絵里「まさか凛に――」
絵里「っ!」シュンッッッ…
真姫「ムダよ、もう間に合わない」フッ…
真姫「なんてったって凛の瞬歩はμ’s最速だもの…」
凛「『勝三時計』!!」チャリンッ
凛「巻き戻れ―!」 スウウウウ…
凛「やった!氷が溶けた!」
「…絵里……」
絵里「……!」タンッ…
「私はずっと、貴方を……」
絵里「……誰を甦らせるのかと思えば…」
海未「殺したいと思っていましたよ……」
to be continued… 海未ちゃんって穂乃果ちゃんいなかったら溺れ死んてただろうし弱そうw 絵里vs海未楽しみだな
今のところ海未は良いとこなしだし 絵里「全くお笑いね…」
絵里「奇跡のような段取りでこの私を出し抜いて、何をやってくれるのかと思えば」
海未「……」
絵里「この役立たずを復活させるとはね…」
凛「ムーッ!」
絵里「まあ…人選ミスというわけではないわ…誰を復活させても同じこと……」
凛「海未ちゃん!絵里ちゃんのいう事なんか気にしないでね!」
海未「……凛…」
凛「海未ちゃんなら勝てるよ!だって海未ちゃんは凛達よりずっと…」 ピシャンッ
凛「えっ…」ヒリヒリ
海未「私を助けるよりもっとやることがあるでしょう」
海未「絵里を相手に“解放”すらせずに…」
凛「ご…ゴメンなさい……」ウルウル
海未「教えたハズです」
海未「仲間がやられたら好機だと思え」
海未「間に入るな」
海未「後ろから刺せ」
海未「それすらできぬ程敵との力量が隔たっているなら」
海未「その場で仲間は見殺しにしろ」 海未「それがスクールアイドルです」
凛「……………」
海未「分かったら解放ぐらいしなさい!!」
凛「にゃっ!?」ビクッ
凛「げっ、『月猫夜』…」カラカラ
絵里「自分の無能を棚に上げて凛に説教?」
絵里「嫌な先輩ね…」
海未「…μ’sは先輩禁止ですよ…」
絵里「揚げ足をとることばかり上手いのね」
絵里「本当に嫌な後輩だわ…」 海未「嫌なのはお互い様です」
海未「絵里……私はずっと…貴方への殺意を忘れたことはありませんよ…」
―
――
―――
絵里「でも、私は認めない」
海未「……」
・μ’sが七人の時代。公園のベンチに座る海未と絵里。傍らには亜里沙もいるが、二人の会話は聞いてはいない。
絵里「人に見せられるものになっているとは思えない」
絵里「そんな状態で、学校の名前を背負って戦って欲しくない」
絵里「話はそれだけ」スッ…
海未「待ってください!」 海未「じゃあ、もし私達がもっと強くなったら…」
海未「貴方を倒せるようになったら…認めてくれますか?」
絵里「無理よ」
絵里「私にとっては、スクールアイドル全部が素人にしか見えない」
絵里「一番強いというA-RISEも――――」
海未「…………っ」
絵里「素人にしか見えない」
海未「…貴方に……」
絵里「……」ザッ…
海未「貴方に私達のこと、そんな風に言われたくありません!」 あれから……
海未「なっ」
海未「なんですかこれは…!?」
海未(生徒会長の幼少期…バレエの型に基づいた戦闘の様子…!)ゴクリ
海未(次元が違いすぎます……!)フルフル
あれからずっと……
海未「悔しいですけど、生徒会長がああ言いたくなる気持ちもわかりました」
希「だから謝ろう思ったん?」
海未「いえ」
海未「闘法を教わろうと思いました!!」 ―――
――
―
海未「貴方に言われたあの時から、私のスクールアイドルを続ける目的は、ラブライブ!優勝でも、スクールアイドル最強を謳われるA-RISEの打倒でもありません…」
絵里「……」
海未「絵里!」
海未「貴方を地獄へ葬り去って、この私を認めさせることです!」
凛「海未ちゃん…」
海未「『い・く・よ』」
絵里「!」
海未「『負けないでね先の先は』」
海未「『雨上がりの青空だよ』」
海未「『雫がきらりはじけて』」 海未「縛道の七十三――『あ・の・ね・が・ん・ば・れ!』」
シュウウウウウウウウウウ
絵里(濃霧…目くらましね)
絵里「案外頭は冷えてるじゃない」
海未「伊達に凍ってたわけじゃありませんよ…」
凛「海未ちゃん流石!」
海未「凛!」
海未「2分……時間を稼いでください」
凛「…え……?」 海未「任せましたよ」
シュンッッ
凛「えっ、ちょっと……」
し〜ん…
凛「え〜〜〜っ!?」
カキィィィィン
凛「!」
凛(霧が凍って…)
パリイイイイイン 凛「あ…」
絵里「あら、お久しぶりね……凛…」
凛「あ…あはは……」
絵里「そして…そろそろお別れの時間よ」シュンッッッ
凛「ちょっと待って〜〜〜っ!!」シュンッッッッ
真姫「…………」
コチコチコチコチコチ…
真姫(大丈夫…凛の瞬歩はμ’s最速…絵里でも追いつけやしない)
真姫(不安があるのはスタミナ面だけど、2分ぐらいならなんとかなるハズ…) 絵里(海未が何を企んでるのか知らないけど…構わないわ)
絵里(今面倒なのは『勝三時計』持ちの凛…こっちを確実に仕留める!)
凛「ひぃ〜〜〜っ」シュンッッッッ…
絵里「…と言っても、流石に鬼ごっこでは分が悪いわね…」フッ…
絵里「久しぶりに…」
ブウン…
真姫「!」
真姫「あれは…!」
絵里「やっぱり、こっちの方が随分楽ね…」スイーッ
真姫(“飛廉脚”……!)
真姫(スクールアイドルになる前に生徒会長だった絵里は、当然“飛廉脚”も使える……!) 絵里「フフフ…」ブウンッ…
凛「!!」
凛「速い……!」シュンッッッ…
真姫(いや…スピードではあくまで凛が勝ってる)
真姫(でも宙の足場ごと移動する“飛廉脚”は、瞬歩より断然無駄がない)
真姫(平らなステージの上ならともかく、障害物だらけの市街地でこの差は大きい…!)
凛「くっ…」シュンッッ
真姫「凛!逃げてるだけじゃダメ!追いつかれるわ!」
凛「そんなこと言ったって…」
真姫「戦いなさい!何も倒せとは言ってないわ!」
真姫「ある程度牽制を入れて……このままじゃ追いつかれる!!」 凛「凛の弱っちい『月猫夜』なんかじゃ、何にもできないよ…」
真姫「馬鹿なこと言ってんじゃないわよ!花陽の犠牲を無駄にしたいの!!」
凛「―!」
花陽「」カチコーーーン…
凛「…かよちん……!」
絵里「とらえたっ!」ブウンッッ
凛「―ッ」グルンッ
絵里「!」
凛「『月猫夜』!!」バッ カランカランッ
絵里「…………」
凛「冷やし中華……の氷」
絵里「……」ジト…
凛「ま…まいどありだにゃ〜……」アハハ…
絵里「――」ブウンッ
凛「ひい〜〜〜っ!」シュンッッッッ
真姫(す…救いようが無い…!)
凛「こんなの不本意だにゃ〜〜〜っ!」 凛「もぉ〜〜〜っ!海未ちゃ〜〜〜んっ!!」
海未「…凛…全く…」ギュッ…
物陰から絵里と凛の様子をうかがう海未。
海未「また泣き喚いて…見苦しい…」ギュッ
海未「…帰ったら山頂アタック百連発です……」ギュウッ…
海未「……これでよし」
ギュウウウウウウウ…
海未「卍解―――……」ドオオッ… 星空凛―『月猫夜』
解号:「生まれ変われ」
形状:骨こん棒。
能力:食材をベースにラーメン(の一部)を作る。
みかんジュースをスープに変えたりといった無茶な料理はできない。 凛「うわあ〜〜〜ん!」シュバババッッ…
絵里「いよいよ万策つきたわね…」
絵里「フンッ!」ブウンッ
凛「ひいっ!」
コチコチコチコチコチ
真姫(追いつかれる…!)
凛「もうダメだにゃ〜〜〜!」
海未「絵里!!」ザッ
絵里「!」ピタッ
凛「海未ちゃん!!」パアッ…
凛「!?」 絵里「何……それは」
海未「卍解」
海未「『園田流雷公鞭』」ガシャアン…
凛「ばんかい…」
凛(海未ちゃんの卍解……初めて見る…)
絵里(右腕に巨大な……何?アレは?)
絵里(…ずいぶん重そうね……)
海未「凛も…よくこらえてくれました」ギュウウウウ…
絵里(それに『愛ばん』の夢の木と…『もぎゅ』で自分を縛ってる…)
絵里(足元のアレは『未来の花』で根を張ってる…?)
絵里(なんのためにあんなに自分に縛道を…) 海未「――――できれば」
海未「この卍解は使いたくありませんでした」
絵里「………何?」
海未「この卍解は私の弓道家としての矜持に反するのです」
海未「威力は絶大…紛うことなき一撃必殺です」
絵里「…………」
海未「しかしその様は」
ガシャアン
海未「“弓道”と呼ぶには派手すぎます」チュイイイイイン… 絵里「!!」
絵里(まさか、あれを直で飛ばす気!?)
絵里(弓っていうか、ミサイル――)
海未「はあっ!!」ドオォォン
絵里「くっ!」バッ
絵里「『永零智禍』!!」コオオオオ
海未「無駄ですよ!」ドヒュウウウウウウウ
カッ…
絵里「――――!」
チュッドオオオオオオオオオオオオオオン 希「!!?」グルッ
凛「爆発した!!」
凛「ってことは――」
真姫「凍ってない!絵里に届いたんだわ!」
モクモクモクモク…
海未「当然です…『園田流雷公鞭』の貫通力は花陽のお米の比ではありません…」
ハア…ハア…
海未「反動も大きすぎて…縛道を何重にもかけなければ撃った私が遥か彼方に吹っ飛ばされてしまう程ですからね…」
海未「…体力の消耗も……」フラッ…
凛「海未ちゃん!」シュンッッ
ガシッ 海未「ハァ…凛に介護されるとは…」
海未「私もまだまだ…鍛錬不足ですね……ハァ…」
凛「もぉ〜、海未ちゃんったら、また凛のこと子供扱いして…」
真姫「やった…やったわ……」
真姫「倒した……あの絵里を…!海未と凛がやったわ……!」
モクモクモクモク…
希「…えりち……」
凛「2分も時間稼ぐの、すっごく大変だったんだよ!」
凛「ラーメンの一杯ぐらい奢ってほしいにゃ〜」
海未「…その前に…山頂アタックですよ……」フフ… 園田海未――『神弓』
卍解:『園田流雷公鞭』
形状:ミサイル。
能力:特になし。 希「…………」
「殺し合いの最中によそ見ですか……」
希「!」
聖良「ずいぶん…余裕ですね……」ヨロッ…
希「…殺し合いしてるつもりはなかったんやけど」
聖良「ハァ…!?」
鞠莉「それはいくらなんでも…」ヨロッ…
ダイヤ「ナメすぎですわ……」ヨロッ… 希「…流石に、みんな強いなあ…」
希「普通なら一発KOなんやけどね」
希「そこの理亞ちゃんみたいに」
理亞「」
聖良「…理亞…」
ダイヤ(無理もありませんわ…かわいらしい見た目からは想像もできないこの威力)
ダイヤ(喰らったのがルビィでも同じことになっていたでしょう…)
希「まあでも、あと二三発って感じやね」
希「どうする?逃げれば見逃すよ」
ダイヤ「……っ!」
鞠莉「誰が…!」 聖良「余裕ぶってもダメです…」
聖良「絵里さんも陥落して…残るはアナタ一人」
聖良「もはやアナタ達の敗北は…」
希「…う〜ん…」ポリポリ
希「それはちょっと違うなあ」
三人「え?」
カッキイイイイイン
海未凛「!!」
真姫「なっ…」
真姫(爆発で巻き上がった煙が――凍っ――) パリィィィィィィン…
希「えりちは負けないよ」
希「なんたってえりちは……」
コオオオオオオオオ…
絵里「…………」
コチコチコチコチコチコチ…
凛「あっ…ああ…ああああ……」ガチガチガチ
海未「そんなっ…」
海未「そんな馬鹿な……!!」
希「無敵……やからね」 凛「なっ…なんっ…なんで…っ」
絵里「……理解できない?」
真姫(傷一つついてない……)
真姫(ありえない!!)ガタガタガタガタ
絵里「死とはそういうものよ」
海未(馬鹿な!!『園田流雷公鞭』が爆発したということは凍らされる前に着弾したということ!!)
海未(着弾した上で無傷!?いやそれはない!!)
海未(絵里の“鋼皮”の硬度は真姫ほどではないハズですし、たとえ真姫でも『園田流雷公鞭』を受けたら粉微塵に消し飛ぶに決まっています!!)
絵里「そう…これからあなた達が死ぬまで」
絵里「あなた達の頭で理解できることなんて何一つ起こることはないわ」 絵里「卍解」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
凛「ひいいっ」
真姫「―ッ」
海未「…馬鹿な…ッ」
コオオオオオオオオオオオ…
絵里「『賢可愛氷女王(エリーチカ)』」
to be continued… >>835
最後の台詞、エリーチカが言うとかっけーな 海未ちゃん卍解があの卍解だったから負けが見えてしまった… 月猫夜でラーメン屋してた方が身のためだった にゃ… 真姫「あれが……絵里の…卍解……」
海未(…忘れもしません……!)
絵里「………」シャラン…
海未(あの純白のバレエの衣装……)
海未(絵里の幼少期……エリーチカの戦闘の装束……!)
絵里「そう身構えなくていいわ」
絵里「私の『永零智禍』は……たぶんμ’sで最も始解と卍解の能力の差が小さい斬魄刀」
絵里「卍解しても気の利いた能力が増えるわけじゃない…」
凛「……っ」ブルブル
絵里「ただほんの少し――」 コオオオオオオオ
海未「!!」
絵里「冷気の速度と範囲が伸びるだけ」
コオオオオオオオオオオ
凛「にゃっ」シュンッッッッ
海未「くっ…」シュンッッッ
コチコチコチコチコチコチコチ
カスッ…
海未「!!」ピキ… 海未「う…」
ピキピキピキ…
海未「うああああああああ!!」ピキピキ
真姫「なっ――」
真姫(あの間合いから海未の指先に掠るなんて――)
凛「あっ…」ピキ…
凛(真姫ちゃんの『勝三時計』が……)ピキピキ
真姫「いいわ凛!!捨てて!!手まで上ってくる!!」
凛「くうっ!」ポイッ 海未「凛!!りーんっ!!!」
凛「――っ」グルッ
ピキピキピキピキ
海未「私の腕を斬り落としてください!!」
凛「海未ちゃん…!」
ピキピキピキ
海未「早くしなさい!!私を殺したいんですか!!!」
凛「っ!」
シュンッッッ
凛「うわああんっ!凛はこんなこと全然したくないのにー!」ブンッ 斬ッッ
海未「…………っ」
間一髪、凍りゆく海未の左腕は身体から斬りおとされた…。
凛「うう…心が痛いにゃ……」
ピッキイイイイイン
凛「!」
凛(海未ちゃんの左腕が…)
パリイイイイイイイイイイン
凛「〜〜〜ッ」ゾワア… 絵里「滑稽だわ」
海未「!」
コオオオオオオオオ…
絵里「海の名を持つあなたが、凍らされることに怯えるなんてね」
海未「…絵里…………!」ギロリ
真姫(ヤバいなんてもんじゃないわね……)
真姫(海未でさえ……凛でさえ完全には逃げ切れなかった)
真姫(誰もかわせない…誰も逃げられない……!)
真姫(それにさっきの海未の『雷公鞭』…あれを止めるなんて)
真姫(力ずくで冷気のバリアを突破して倒すのは絶対不可能だわ!!) 絵里「フフ…一息つく暇もないわよ」
絵里「ほら第二波…」ス…
海未「!!」ビクッ
コオオオオオオオオ
凛「まっ、また来たーっ!!」
海未「この私に二度同じ手が通じるとでも!?」バッ
海未「破道の七!『知らないLove*教えてLove』!」
絵里「…なな……?」
ヒュオオオオオオオ 凛「風だ!やった!冷気はこの激しい風にさらわれ…」
カッキイイイイイン
凛「な〜い!やっぱり風なんか一瞬で凍らされるだけだよ!」
海未「だから良いんですよ、凛」
海未「身体を包む風を一瞬で凍らせてくれるから良いんです!」バッ
真姫「あれは!」
海未「行きますよ絵里!!」
海未「私は逃げも隠れもしません!!」カッキイイイイン
真姫「凍った風をまとって冷気に突っ込んだッ!」
真姫「防火服を着て炎に突っ込む消防隊のように!!」 海未「触れれば凍る冷気ならば触れなければいいのです!」
海未「そして既に凍った“風の鎧”なら、凍ることはありません!もう凍っているのですから!!」
真姫(上手い!鎧と身体の間にわずかに空気の隙間を作ってる!)
真姫(あれなら身体が凍って身動きがとれなくなることはないわ!)
ヒュオオオオオ
真姫(それに海未自身が盾になって防いでるから、背中に吹く風は凍らない!)
真姫(その風を推進力にしている!)
凛「いっけー!」
絵里「…くだらない発想ね」
絵里「神風特攻……二つ欠陥があるわ」
コオオオオオオオ 絵里「一つ…“凍ったものは凍らない”……氷が氷以上にならないという意味ではその通り」
絵里「だけど……」
カチコチ…
海未「……!」
ズシイ…
凛「氷の鎧がどんどん大きくなってる…!」
絵里「氷の鎧は凍らなくても、その周りの空気は凍っていく」
絵里「つまり鎧は際限なく大きく、重くなっていく」
海未「……ッ」ズン…
真姫(海未のスピードが段々遅くなってる…)
絵里「しまいに動けなくなれば、中のあなたは凍らされてるのとなんら変わりないわ」 凛「海未ちゃん!」
海未「問題ありません!」
海未「このペースなら、動けなくなる前に射程距離内に到達できます!」
絵里「そして二つ目…」
カチコチカチコチコチ
海未「っ!」
海未(なっ…凍るペースが一気に……!)
真姫(加速度的に速くなっている…!)
絵里「私の冷気の“冷やす力”は等しくないということよ」
絵里「私の身体に近づけば近づくほど“冷やす力”は強くなる」 絵里「太陽に突っ込むようなものよ」
絵里「中心まで……私まで届くことは決してない」
ミシ…
海未「あと少し…っ」
海未「あと少しで私の射程距離なのに……!」
真姫「…ダメだわ……もう…ッ」
ピタ…
凛「と…止まっちゃった……!完全に…!」
絵里「だから『永零智禍』は無敵だと言うのよ」 絵里「ミサイルだって止められるのに、あなたのやけっぱちな突進ごとき止められないわけがないでしょう?」
海未「…私の方は、別にあなたの身体に触れるまで届かなくて良いのです…」ピタ…
海未「ただ…“射程距離”内に入れれば…」
絵里「あらそう。なんでもいいわ。とにかくもう終わり」
絵里「あなたはもう1ミリたりとも前に進めない」
海未「もう少しなのに…っ何故…」プルプル
絵里「そういうものよ…何をする気だったか知らないけど」
絵里「決定的な“もう少し”は得てしてどうしようもなく遠い」
絵里「これが私とあなたの実力の距離――」
絵里「というには余りに近すぎるわね……フフ…」
ズ…
海未「―!」
絵里「え?」 ズズ…
絵里(海未が前進――なんで――)
「よくわからないけど…」ズズ…
海未「貴方―!」
真姫「あとちょっと近づけば本当に絵里を倒せるんでしょうね!?」グググ
絵里「真姫!背中から押している!」
絵里(背中は冷気の死角になる!凍る速度はこの距離でもやっぱりまだ遅い!)
絵里(とはいえ――)
真姫「この私が捨て身でサポートしてあげたんだから…」ピキ…
海未「真姫…!」
真姫「負けたら承知しないわよ――」ピキピキピキ 真姫「」カチコーーーーン
凛「真姫ちゃーん!」
絵里(プライドの高い真姫が身を呈して――)
海未「貴方の覚悟を無駄にはしません!」バッ
絵里「くっ――」シュ…
海未「遅い!!」
海未「縛道の九十八!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
絵里「……!」
海未「『乙姫心で恋宮殿』!!」 絵里(九十番台詠唱破棄―!)
絵里(本当に……)
ギイイイイイイイイ…
絵里「…………」
バッタアアアン!
巨大な宮殿が何重にもなって絵里を一人包み込んだ……。
絵里「…フン」
シィン…
絵里「こんなもので私を閉じ込められるとでも思っているの?」
絵里「まだ私の力が分かっていないようね…」ス…
「この『恋宮殿』は……貴方を閉じ込めるためのものではありません」
絵里「!」 海未「さっき貴方は…冷気を縦に伸ばして、ミサイルの勢いを極限まで減衰させ――」
海未「最後は分厚い氷の盾にでも着弾させたんでしょう…だからミサイルは爆発もしたし貴方は爆風からも身を守れた」
絵里(壁の外側…隣の部屋?から…)
海未「だったら」
ギイイイイイイ…
絵里「!」
絵里(扉が開いて…)
海未「その一撃を、この至近距離から、爆風を全く逃がさない場所で浴びせられたらどうでしょう?」チュイイイイイン
絵里「…この素人風情が…ッ!」
海未「『園田流雷公鞭』」ガシャアン
海未「やりなさい」
カッ… ズッドオオオオオオオオオアアアアアアアアン
凛「!!」
パラパラパラ…
凛「スゴイ音…」
凛「海未ちゃんの『雷公鞭』が成功したんだ……!」
バラバラ…
凛「一発で『恋宮殿』がボロボロに……ほんとにスゴい威力だにゃ…」
凛「やった…よね?今度の今度こそ…!」
ピキピキッ
凛「えっ」
「調子に……」
凛「ちょ……ちょっと…冗談でしょ…っ」ブル… 絵里「調子に乗るんじゃないわよ……」
カッキイイイイイイイン
凛「こんなの反則だにゃ〜〜!!」
絵里「ド素人が…ッ!」ハアハア
凛「あの距離からミサイルを完全に凍らせて止めたっていうの!?」
凛「ありえない…!!」ガタガタ
絵里「詰めが甘い…甘すぎるのよ!」
絵里「一発目の『雷公鞭』を受けたときの私は始解!今は卍解!!」
絵里「卍解した私が全身360度に纏って伸ばす冷気の…ほぼ全てをこうやって前に持ってくれば!!」
絵里「至近距離からのミサイルだって受け止めることはできるのよおお!!」
海未「……なるほど…」 海未「ならば今の貴方の背中はガラ空きということ」
海未「いくらでも…」シュンッッ
絵里「人の話ぐらいちゃんと聞いてなさいよ!」
絵里「だから素人なのよあなたは!!」
コオオ…
絵里「私は“ほぼ”全てって言ったの!」
絵里「薄っぺらだけど背中にもあなたのケチな攻撃を受け止められるぐらいの冷気は残してあるわ!」
海未「……」
絵里「ここにもう一発『雷公鞭』を打てるっていうんならそりゃ止められないけど!」
絵里「無理無理無理よね…二発でも相当無理してる…それは分かってるのよ!」 海未「だから貴方はポンコツなんですよ」
絵里「…はあ?」
海未「人の話ぐらいちゃんと最後まで聞きなさい」
海未「私はこう言いかけたんです」
海未「今の貴方の背中からいくらでも――」
ス…
海未「近づける…ってね」
絵里「ポンコツはどっちよ!?近づいてどうするっていうの!?」
絵里「いくら近づいても私の身体に届くことは決して――」
海未「射程距離ですよ」 海未「“この技”は発動さえすれば必殺ですが射程距離がごくごく狭い…こうやってすごく近づかないと発動できないのです」
海未「待っていましたよ………この時を!ずっと!」
絵里「なんでも一緒よ!どんな技もどんな攻撃も私には届かないんだから!」
絵里「一から十まで百まで千まで!凍ってくだけるだけなのよ!!」
海未「…本当にそうでしょうか?」
ギュル…
絵里「!!!」
海未「確かに外から放つ攻撃なら貴方を纏う冷気に凍らされるだけでしょう」
海未「でも“内側”からなら…?」
ギュルルルルルル
絵里「これは…まさか……ッ」
海未「縛道の六十三―――『勇気のReason』」 不思議、熱くなる!
踏み出したらもう走らなきゃ
絵里「ああッ!」
みんなこうなっちゃうの?
高まってく
ギュルルルルル
ああ止まらない
絵里「あああ〜ッ!」
やってみたいと思う事を数えながら進むよ
絵里「ああああああ〜〜〜〜ッ!!」バタバタ ギュルルルルルル…
絵里「許さない許さないわ!ド素人が!!」
絵里「この期に及んでこんなふざけた技――」
海未「ふざける?馬鹿言わないでください」
海未「この『勇気のReason』は、私の“持ち歌道”です」
絵里「…………」ギュルルルル
寄せては返して輝く波を私は見ていた
海未「貴方を倒すことを願い続けた私の――そして“歌道”のプロフェッショナルである私の」
知らない世界へ飛び込む勢い
海未「れっきとした最後の切り札…………無敵の貴方を殺す、必殺の一手です!」
絵里「………ッ」フルフル 絵里「………も…もう…」ブルブル
海未「ふざけてるのは貴方の肛門だけですよ」
私のなか
海未「――『生まれたReason why now?』」
絵里「認めないいイイイイ!!認められないわああアアアアアア!!」
ブッチブリブリブリブリイイイイ!!!
凛「うっわあ…」
海未「決着です」 カキイイイイン
海未「!」
パリイイイイン
絵里「」ガクッ…
海未「……」
海未「最後の力で、自分のウ…排泄物だけはこの世から消し去りましたか…」
サラサラ…
海未「ポンコツは撤回します」
海未「絵里…確かに貴方は、私がずっと目標とした、誇り高い戦士でした」
凛「さすがにフォローに無理があるにゃ〜」 絢瀬絵里――『永零智禍』
卍解:『賢可愛氷女王』
形状:なし。(本体はバレエの衣装に変わる)
能力:瞬間冷凍。 ルビィ「梨子ちゃん、どこにもいないね…」
花丸「もう残ってるのは…」
・音の木坂学院にて、梨子を探すAqoursの一年三人。
善子「ここだけね」
ドドドドドドドドドドド
『図書室』
ルビィ(何か感じる……この部屋の中…)
花丸(“誰か”が……いる?)
善子「開けるわよッ!」
ガララッ! 善子「!」
花丸「!」
ルビィ「!」
梨子「あ……」クルッ…
花丸「り…」
梨子「花丸ちゃん…ルビィちゃん…それに……」
善子「リリー!」ダッ
ハグウッ
梨子「…善子ちゃん…」ナデ… 善子「バカバカバカ!どこ行ってたのよ!」
善子「心配………したんだから」ギュッ…
梨子「…ごめんね……」
梨子「絵里さんが健在のうちに居場所がバレちゃうと危ないから…」
花丸「絵里さん…」
花丸「!」ハッ
ルビィ(絵里さんの霊圧が消えてる…!)
ルビィ「お姉ちゃん達、勝ったんだぁ!」パアッ…
梨子「…ダイヤさん達にも……後でちゃんとお礼言わなきゃな」
善子「………」ギュウウウ…
梨子「みんなも…私のために本当にありがとう」 梨子「そして」
ズンッ
善子「――っ」
花丸ルビィ「えっ」
ブッシャアアアアアアアア…
梨子「さよなら」
善子「………………」
善子「………………………?」ズキン…
シャアアアアアア…
善子「嘘」 ドシャアアッ
花丸「善子ちゃん!!」
梨子「………」チラ…
ルビィ「え、あ…え、……なんで」
花丸「善子ちゃん!善子ちゃんっ!!」ユサユサ
善子「」
ルビィ「梨……子…ちゃん」
梨子「………」チラ… シュンッッ
ルビィ「!」
斬ッ 斬ッッ
ルビィ「――っ」
花丸「…………っ!」ユラ…
ドシャシャア!
梨子「…………」
し〜ん…
梨子「フン」
スタスタ… 桜内梨子――『桜内』
解号:「叫べ青春」
形状:桜色の日本刀。
能力:斬ったものの“支配権”を奪う。 適用範囲は狭め。 希「………………」
絵里「」
希「…えりち……」
聖良「感傷に浸っているヒマはないですよ」
聖良「アナタもすぐああなります」
希「……………」
聖良「それとも降参ですか?って」
聖良「させると思いますか?私が――」チャカ…
希「…ごめんね聖良ちゃん」 ギアアアアアッ
聖良「!!?」バッ
希「時間や」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
突如空間が裂ける。その狭間に巨大な霊圧が1人――――。
鞠莉「…あれは――」
シュンッッッッ
斬ッッッ 鞠莉「なっ…」ブシャアアッ
ダイヤ「鞠莉さ――」
グサアアアッ
ダイヤ「――っ!」ブシャアアアア
シュンッッッッ…
ダイヤ「…馬鹿な……」ガク…
聖良「…っ!」
聖良「『雪天狂骨』!!」ジャギイインッ
のんたぬ「クゥ〜ン…」スリスリ
聖良「!!」 ドッカアアアアアアアアアン
希「“梨子ちゃん”がね……」
モクモクモクモク…
希「もう、待てなくなっちゃったみたいなんよ」
「何よ、絵里のやつ、負けたワケ?」タンッ…
海未「…………」
凛「え?え?え?」
にこ「ざまあないわね…」 凛「にこちゃん……なんで…」
海未「…どういう事です?」
にこ「Aqoursは敵、だから斬った」
にこ「なんか疑問の入る余地ある?」
海未「大アリです」
海未「にこ、貴方は『スクールアイドルの戦いは挨拶から始める』が信条のはず…」
海未「らしくないですよ」
希「……」
海未「そして…こっちはもっと大問題です」
海未「貴方の“瞬歩”…………そんなに速かったですか?」
にこ「…………」
海未「何か……不純な力を……何者かから与えられたかのような……」 にこ「ちいッ」
にこ「面倒だわ…」
シュンッッッッ
海未「―!」バッ
ガキイイン!
凛「にこちゃん!?何を――」
にこ「ま…当然受け止めるわよね?」
海未「…大手を振って訊けますね」
ギリギリギリ…
海未「どういう事です?」 にこ「知る必要のないことよ」
にこ「これから死ぬアンタ達にはね」
海未「…あらゆる意味で……正気の沙汰ではありませんね」
にこ「…………」
海未「自分の“序列”を忘れたんですか?」
海未「私は“3”、貴方はドンケツの“9”」
海未「下駄の一つ二つ履かせてもらったところで格が違います」
海未「“3”が“2”を倒すのとはワケが違いますよ……」
にこ「μ’sの力の数字が1から9だって誰か言った?」
海未「は?」
ス…
にこが首元を見せる。そこには確かに“9”の刻印……。 スウウ…
海未凛「!!」
ドドドドドドドドドドドド
“9”の字の下半分が消え、にこの首元には上半分だけが残る……。
凛「あれは……」
海未「丸…?いや、まさか……」
にこ「ミューズの力の序列は0から8よ」
海未「ゼロ………!?」 にこ「私は“あるもの”の大きさが変わることで数字の変わる唯一のミューズ」
海未「大きさ…?」
海未「…何も…特に変化があるようには見えませんが」
にこ「せっかちね、これから変わるのよ」
にこ「そしてその力でアンタ達は死ぬことになる…」スチャ…
海未「…卍解ですか……望むところ…」
にこ「卍解?ハッ、笑わせんじゃないわよ」
にこ「梨子様は卍解なんかよりもっと素晴らしい力を私にくれたのよ…」
海未「…梨子様…?」
にこ「帰刃(レズレクシオン)」
にこ「『伊達女子道…………増胸(まさむね)』」 ズオオオオオオオッ
海未「!!?」
凛「えっ――――」
ドドドドドドドドドドドドドドド
にこ「……………………ハ」
希「…………」
にこ「ハハハ…」
ぼいんっ
にこ「ハハハハハハハハハハハハ!!」ボインボイン
凛「にこちゃんのおっぱいが大きくなってるゥ〜〜〜ッ!!」 にこ「見える見える見える見えるわ!!」
ボイン!ボイン!
にこ「これが巨乳ね!!」
にこ「これがおっぱいね!!」
にこ「これが世界ね!!」
凛「…………!」ガクガクブルブル
にこ「そして…」チラッ
にこ「……それがアンタね」
にこ「海未」
海未「…………」ペッタン…
にこ「思っていたより…」
にこ「哀れだわ」
海未「……………………」ジト…
to be continued… 遅くなりまして済まぬ
このスレ内での更新は次回がラストです 乙
愛染様枠は梨子ちゃんだったか
Aqoursは相変わらず空気だがどうなるか 凛「にこちゃんが…レズレクシオン……!?」
海未「そこまで堕ちましたか………にこ!」
にこ「随分な言い草ね」
にこ「ことりも使うレズレクシオンを、私が使ったら堕落になるわけ?」
海未「そうではありません!」
にこ「…………」ボインボイン
海未「己の信条も……仲間も捨てて!梨子に魂を売ってまで!」
海未「過ぎた胸を手にしようというのが、堕落だというのです!」
にこ「うるさいわね…」ギリ…
にこ「アンタの説教なんて………」ス… ヴォンッッッッ
凛「響転(ソニード)!」
にこ「聞きたくはないのよ!!」ブンッ
海未「……」バッ
ガキイイイイン
にこ「エラっそーに上からもの言うんじゃないわよ」
海未「…………」
ギリギリ…
にこ「今やあんたは“数字”でも、おっぱいでも私の下なんだからね……!」 海未「…ぬるい」
にこ「あ?」
海未「あまりにぬるいですよ…にこ……」
ギリギリ
海未「貴方、いつからこんな単純な攻撃しかできなくなったんです?」
海未「貴方の『政宗』は……間合いも軌道も変幻自在」
海未「私でも、こんなに容易く刀を合わせられる代物ではなかったはずです…」
ギリギリ…
海未「思い出してください!にこ!」
海未「私は貴方を斬りたくはありません……」
にこ「………………」
海未「貴方は何のためにスクールアイドルになったのですか!?」 にこ「やかましいッ!」ズオオッ
海未「――!」
グググググ…
海未(なんです…!?剣圧が……!)ギリギリ
にこ「上から物言うなっつってんでしょーがッ!」
にこ「攻撃が単純!?単純で結構!!」
海未「くっ…」ギリギリ
にこ「ちょこまか小細工弄するのは弱者の戦法よ!」
にこ「私には必要ない!もう!!」
ガバアッ 海未「――っ…」
海未(しまっ…!)
にこ「ハイ!お腹ががら空き!」
にこ「もらったあっ!」ブンッッ
シュンッッッ
にこ「ん?」
スカッ…
海未「……!」
「ごめんね、海未ちゃん…」タンッ…
にこ「…へえ…」
凛「この戦い……凛にも立ち合わせて欲しいにゃ!」グッ 園田海未――『神弓』
解号:「撃ち抜け」
形状:弓矢。
能力:特になし。
星空凛―『月猫夜』
解号:「生まれ変われ」
形状:骨こん棒。
能力:食材をベースにラーメン(の一部)を作る。
みかんジュースをスープに変えたりといった無茶な料理はできない。 「な……」
梨子「……」ピタ…
ルビィ「な…んで……こんな………」ピクピク
梨子「ルビィちゃん……フフ……」
梨子「腐ってもダイヤさんの妹…でも今はその半端な地力の高さが逆に辛いね」
善子花丸「」
梨子「二人みたいに気絶できた方がどんなに楽なことか…フフフ…」
ルビィ「………てたのに」
梨子「え?なに?…聞こえないよ」 ルビィ「ルビィはずっと!梨子ちゃんに憧れてたのに!!」
ルビィ「ルビィだけじゃない!善子ちゃんも!花丸ちゃんも!」
ルビィ「それに千歌ちゃんも!曜ちゃんでさえ!」
梨子「……」
ルビィ「みんな、梨子ちゃんには憧れ――」
梨子「いい機会だわルビィちゃん、一つ覚えておくといい」
梨子「憧れは理解から最も遠い感情だよ」
ルビィ「―――――ッ」
梨子「みんなが理解してなかっただけなんだよ」
ルビィ「……そん……な…」ガクッ
梨子「私の本当の姿をね――」クルッ
ルビィ「」
梨子「フフフ…」スタスタ… にこ「へえ…」
・内浦。
にこ「あっこから海未を担いで私の剣を躱せるのね〜」
にこ「えらいえらい」
凛「…………」グッ…
にこ「ちゃんと鍛錬してるみたいね……凛」
凛「……にこちゃん」
にこ「それでいいのよ……アンタの強みはその“瞬歩”」
にこ「『月猫夜』の能力はハッキリ言ってカスだけど……スクールアイドの強さは“斬拳踊歌”の総合力なんだから」
にこ「斬魄刀がてんでダメだからって、そう落ち込むことはないわ」
海未「…………」
にこ「ただ…」 にこ「その“瞬歩”一つで私の前に立つってのは、自信過剰が過ぎるんじゃないの?」
凛「…にこちゃん…」
にこ「もう私はアンタの下の9番じゃないのよ」
にこ「アンタから最も遠い存在……第0μ’s、矢澤にこなんだから」
凛「なんで……」
にこ「……なんで?」ピクッ…
凛「なんで凛達を裏切って、梨子ちゃんの下に……」
凛「そこまでして、巨乳なんかに――」
にこ「――」ヴォンッッッッ
凛「――!」
斬ッッッ ドシャアアッ
海未「凛っ!!」
にこ「…さっき言ったわよ」
にこ「これから死ぬアンタ達に、説明してやる義理はないって」
凛「…だったら……」ムクッ…
にこ「!」
凛「力づくで吐かせてあげる……」グッ
にこ「…踏み込みが浅かったみたいね……」
にこ「甘いわ、私も…」フン…
凛「違う」 凛「凛が反射的に半歩下がったの」
にこ「…………」
凛「剣を抜いて立つときは……常に半歩躱せるように構える」
凛「そうすれば…胸がうすっぺらな凛なら……どんな攻撃でも、心臓に届く前に避けきれる」
凛「にこちゃんの教えだよ」
にこ「………………」
凛「にこちゃん……にこちゃんがいたから、凛は……」
カッ…
凛「!!」
にこの胸元――膨れあがった双丘の両の先端が白く光る――。
にこ「乳閃(セロ)」
ドッカアアアアアアン パラパラ…
凛「…う……」ユラ…
にこ「……」
凛「にこ…ちゃ……」ガクッ…
にこ「…ノーモーションからの高速破壊光線」
にこ「流石のアンタも避けられるわけないわよね…」
海未「……卍解…」
にこ「!」クルッ
ドドドドドドドドドドドド… 海未「『園田流雷公鞭』!!」ガシャアアン
にこ「はあん…」
にこ「ずいぶん消耗してるみたいだけど、まだ出来たのね、ソレ」
海未「…出来ませんよ…」
にこ「はあ?」
海未「体力は半分…霊圧は残り二割前後……」ハア…ハア…
海未「この卍解の一撃は……下手したら失敗して、力尽きて死にます」
にこ「……それをなんで撃とうとするわけ?自殺志願?」
海未「私は怒っています!!」 海未「にこ……貴方が梨子なんぞの下に甘んじるのはこの際どうでもいいです」
海未「不愉快ですが……ガッカリですがどうでもいいです!」
にこ「…ハッキリしなさいよ……」
海未「許せないのは……貴方が平気で後輩に刃を向けることです」
海未「私にではありません!貴方を慕う凛に………!」
海未「貴方を尊敬する凛を、貴方は……!」ハアハア
凛「……海未…ちゃん………」
海未「刺し違えてでも殺します!!」
海未「今の貴方は、花陽にはとても見せられません……!」
にこ「…質問の答えになってないんだけど……まあ良いわ」
にこ「ここからはハッキリと殺し合いってことね…」チャカ…
ヴォンッッッッ 斬ッ!
海未「うッ!」
海未「…この……」
にこ「遅い!」ヴォンッッ
海未「っ」
にこ「フンッ」ブンッ
ブシャアアアッ
海未「痛ッ…」
にこ「卍解したのが大失敗ね!」
にこ「そんな重いもんぶら下げてたんじゃ瞬歩もろくに出来ないでしょ!」
海未「……っ」タラ… にこ「そして刀を受け止めることも!」ブンッッ
海未「縛道の三十」
にこ「!」
海未「『もぎゅっと“love”で接近中!』」
モギュッッ!
にこ「……!」
海未「受け止めることが……なんですって?」
ギュウウウウウウ…
にこ「…参るわ」 にこ「わかりきったセリフを、最後まで言わせないでよね…」
にこ「受け止めることは………」
ズオオオオオッ
海未「!」
にこ「できないっつってんの!!」
バァァーンッ!
海未「力ずくで『もぎゅ』をふりほどいた!」
海未「どういう馬鹿力ですか!」
にこ「スクールアイドルの力の大きさと霊圧の大きさ」
にこ「そして霊圧の大きさと胸の大きさは…………ほぼ比例する」
海未「…!」
にこ「絵里や希を見れば明らかでしょ?」 海未「…真姫は……」
にこ「胸は人並みね、でも代わりにケツがゴリラ並みでしょ」
海未「なるほど」
真姫「」カチコーーーーン…
海未「で…貴方のその作り物の胸にも………霊圧がいっぱい詰まっているというワケですか………」
にこ「そういうことよ」
海未「にこ……そんなものが…貴方の欲しかったものなんですか…?」ハア…ハア…
にこ「……」
にこ「この状況でそのセリフは、負け惜しみに聞こえるわよ…」
海未「そんなものの為に貴方は、私達を――」 にこ「そんなもの!?」クワッ
海未「…!」
にこ「なんで!?どうして!?そんなものの為に!?」
にこ「うるさいうるさいうるさーい!!」
海未「…にこ……」
にこ「アンタらに何が分かるっていうのよ…!」
にこ「バスト74cmで、壁だ無乳だまな板だの煽られて」
にこ「その数字さえも3cmも盛ってるっていう私のこの惨めな気持ちが、アンタらに分かる!?」
海未「………………」
にこ「なんでもへったくれもない!!」
にこ「巨乳は私の憧れなのよ!」
にこ「一度でいいから私もこうやって、本物のおっぱいをぶら下げてみたかった……!」 にこ「その為になら、梨子の足の裏だって喜んで嘗めてやるわ…!」
海未「……………」
にこ「その為なら、アンタに凛……真姫や…花陽…だって」
にこ「平気で殺せるんだから…!」グッ…
海未「……………………」
海未「…………」
海未「わかりました」ス…
にこ「…?」
海未「貴方の本心が聞けてよかった」
にこ「あ…?」
海未「私の心は…………既に貴方を許しています」
にこ「許す…?」 にこ「神のような口を聞くんじゃないわよ!!」カッ
にこ「誰が許せなんて言った!?」
ヴォンッッッ
海未「!」
ガシイッ
凛「海未ちゃん!」
海未「うッ…」
にこ「さっきの威勢はどうしたのよ!!」
ギュウウウウ… 海未「く………が……っ…」
にこ「私を殺すんでしょ!殺しなさいよ!!」
ギュウウウウウウ
にこ「こんな私を花陽に見せていいって言うの!?」
ギュウウウウウウウウウ
海未「……………っ…」
にこ「なんとか言いなさいよ!!」
海未(…にこ……) 海未(私は理解しました)
海未(貴方は本当は世界が憎いのだと)
海未(自分を貧乳にした世界が憎いのだと)
海未(しょうがないことです)
海未(実数値71cmなどという殺人的なバストサイズに生まれれば、誰でもそうなるハズなのです)
海未(貴方がそれでも世界を愛そうなどと、聖者のような口を聞く人でなくて良かった)
海未(そういう貴方の飾らない心を、私は――)
海未(私達は尊敬していたのですから)
ギュウウウウウウウ…
にこ「…なんとか………言いなさいよ…………!」
海未「……………………」ダラリ… 海未(御免なさい凛)
海未(御免なさい花陽)
海未(御免なさい…………にこ)
ギュウウウウウウ…
海未(やっぱり私に………)
にこ「………っ」ギュウウウウ
海未(にこは……殺せな……)
シュンッッッッッ
海未「!」
グサアアッ
にこ「―――ッ!」 超速の“瞬歩”と同時に、一本の刀がにこの背中から胸を貫いた……。
「やっぱりにこちゃんは……前までのにこちゃんじゃない」
にこ「……アンタ…」
凛「胸が無いときのにこちゃんなら……この程度の一撃は躱してた…!」
海未「…………凛…」
凛「『月猫夜――参の舞』」
凛「『チャーシュー』」
ボタボタッ
にこ「は?」 ジュワアアアア
にこ「私のおっぱいがチャーシューになったァー!!」エエエエエ
海未「…よかったじゃないですか」ケホ…
にこ「!」
海未「これで何もかも元通りです」
海未「花陽にも会わせられますよ」モグモグ
にこ「いや、なんで食べてんのよ」
凛「まず〜い!」ペッ
にこ「残さず食べなさいッ!!」 矢澤にこ――『政宗』
帰刃:『増胸』
形状:巨乳化。
能力:乳内の霊圧が爆増したことで力が上がる。
備考:これは梨子に開発されたものでにこ本来の力ではない。 希「…………」ジト…
凛「不味くってもう食べられないよ〜〜〜!」エーン
にこ「気合で押し込みなさい!私の血と汗と涙が詰まってるんだから!」
海未「そう言われると余計に不味く感じます…」モグモグ
にこ「ぬわんでよッ」
ギャーギャー…
希「ふふふ」
希「やっぱりにこっちは、“そっち”の方が似合ってるやん」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
海未にこ凛「!」 にこが出てきたときと同じように空間が裂ける。
希「…遅かったね」
ドドドドドドドドドドドドド
海未「……!」
にこ「あいつは…!」
梨子「可愛い後輩との今生の別れだもの」
梨子「ちょっとぐらい大目に見てよ」
凛「桜内…梨子ちゃん…」
梨子「それよりこっちはどうなってるの?」
梨子「にこさんは…」 希「あの通り」
梨子「……」チラッ…
にこ「……………」ペッターン…
希「やっぱり自分は梨子ちゃんの下につくタマじゃないって」
梨子「…そ、残念だけど仕方ないわね」
梨子「私も好みのタイプではないし」
海未「希!!」
希「おっと」
希「なあに海未ちゃん、急に大きい声出さんどいてよ、ビックリするやん」 海未「いつから梨子と組んでたんですか」
梨子「最初からよ」
梨子「この一年、いやその前からずうっと……希ちゃん以外を仲間だと思ったことはないわ」
にこ「ハァ…?」
「どういう……ことですの?」ムクッ…
梨子「!」
ダイヤ「梨子さん……」ギロリ
梨子「どうも、ダイヤさん」ニコッ 梨子「流石ですね……今お話ができるAqoursのメンバーはダイヤさんだけみたい」
千歌「」カチコーーーン
曜「」カチコーーーン
果南「」カチコーーーン
鞠莉「」グッタリ
梨子「フフ…大層な暴れっぷりだったみたいだね、絵里さんは」
梨子「でも、曜ちゃんはちょっとダラしないなあ」
梨子「曜ちゃんの実力なら、絵里さんとも十分にやり合えるハズなのに……」
ダイヤ「どういうことですかと訊いているのですわ!!」
聖良「言っても無駄です、ダイヤさん」ムク…
梨子「わあ、聖良さん」
聖良「言葉が通じる顔じゃありません」
聖良「何があったのかは知りませんけど……梨子さんはここでバラしておいたほうがよさそうですよ」ス… 聖良「『雪天狂骨』!」シュンッッッッ
ダイヤ「お待ちください!聖良さん!」
聖良「アナタの指図を受ける義理はありませんね!」ブンッッ
カッ
聖良「!?」
パアアアンッ
希「おお、恐い恐い」
突如、希と梨子を光が包み――光は聖良の剣を弾いた。
希「間に合ったね」 ダイヤ「あれは――」
海未「縛道の七十七――『どんなときもずっと』」
ダイヤ「!」
海未「一手遅かったですね、聖良」
海未「どんな攻撃も、あの光の中には通りません。逆も然りですが」
聖良「…残念です」
海未「もうあとはいずこかに“瞬間移動”するのみです」
梨子「賢いダイヤさんはもう気づいているかもしれないけど…親切で教えますね」
梨子「一年生の三人は音の木で斬っておきました」
ダイヤ「…………っ」
梨子「急いだ方がいいですよ……いくらダイヤさんの『舞武天盾』でも」
梨子「死んでしまったものだけはブッブーできないんですからね…」 ドドドドドドド…
ダイヤ「地に堕ちましたわね……梨子さん」
梨子「おごるな黒澤」
梨子「最初から誰も天になど立っていない」
梨子「あなたも……善子ちゃんも……μ’sすらも」
にこ「…………」
梨子「だけどその耐え難い天の座の空白も終わる」
梨子「これからは――」
ぐにゃあ…
ダイヤ「…………!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
メノ^ノ。^リ「私が天に立つ」 にこ「なっ…」
海未「なんですかあの化け物は!?」
「…希………?」
希「!」
絵里「…どういう……」パチクリ…
希「…………えりち…」
絵里「…………」
希「ごめんな」
メノ^ノ。^リ「さようならμ’s、そしてAqours」
メノ^ノ。^リ「アナタ達の逝かせ合いは実に楽しい見世物だったわ」
シュインッ… 希と梨子は“瞬間移動”して、一同の前から消え去った………。
にこ「…で、どうする?」
にこ「一応、まだ戦争中なんだっけ?私ら」
ダイヤ「場合じゃないでしょう」
ダイヤ「状況が変わりました。変わりすぎましたわ…」
にこ「まあ?」
海未「ですね」
ダイヤ「取り急ぎ、私が皆さんの傷を治します。まずはルビィ達ですが…」
聖良「その後は?」
ダイヤ「その後は…………また戦争でしょうね」 梨子「…希ちゃんから見て、Aqoursのみんなはどうだった?」
希「いや〜〜〜」
希「みんな思ったより全然強いやん!」
梨子「そうでしょう……曜ちゃんとか」
希「逆も聞いていい?」
希「どうだった?ウチのμ’sは……」
梨子「…上位の四人の戦闘力は圧巻の一言ね」
梨子「帰刃を完全に使いこなしてることりさんにも驚いたわ」
梨子「花陽ちゃんも曲者だし、真姫ちゃんの霊圧は人間の領域を遥かに凌駕してる…」
希「ベタ褒めやね」ニシシ
梨子「ただ」
希「…………」
梨子「やっぱりいなかったわ………私に… “見合う”人は……」 にこ「わからない〜!?」
ルビィ「ピギッ!?」
にこ「二人がどこにいるのか、全くわからないって言うの!?」
ダイヤ「……ハイ」
曜「う〜ん、おかしいなあ…」ポリポリ
真姫「…絵里は?」
絵里「………ダメね」
絵里「霊圧を感じ取れない」
ことり「ことりのアンテナにもひっかからないなあ…」 絵里「どうしようもないわ」
絵里「結論として、二人の居場所は全く分からない」
穂乃果「え〜〜〜ッ!?」
果南「どうすんの?」
ダイヤ「どうしようもないと今言ったでしょう」
善子「そんな…」
ダイヤ「ただ希望的観測にはなりますが……時がくれば二人の方から接触してくると思います」
ダイヤ「その為に今回我々を衝突させたんでしょうし、そしてその為に今回我々にトドメを刺さなかったのですから」
千歌「いつ来るんです?」
千歌「その時は」
ダイヤ「……」
千歌「聞いてるんですけど」
曜「……」
ダイヤ「…それはわかりませんわ…」 かすみ「ちょっとちょっとちょっとォ!」
かすみ「なんなんですかアナタぁ!?」
・虹ヶ咲学園。
梨子「フフ……ここが噂の」キョロキョロ
梨子「よりどりみどりだわ……」
璃奈「敵襲…?」
彼方「道場破りだ〜…」
果林「面白いじゃない」
梨子「私の目的は戦いじゃないけど」
梨子「そっちの方が話が早いっていうなら、それも満更でもないわね」 エマ「あれ!」
エマ「この子ってもしかして――」
せつ菜「桜内梨子さん!Aqoursの桜内梨子さんです!!」
愛「Aqoursって…あのトップスクールアイドルのぉ!?」
しずく「そんな方がどういう理由で私たちのところに…」
梨子「単刀直入に言うわ」
梨子「私のレズ奴隷になりなさい」
果林「ハァ!?」
栞子「…言っている意味がわからないのですが」
かすみ「しお子おバカ!レズ奴隷っていうのはね…」コショコショ
栞子「…そうではありません」
しずく「かすみさん、メッ!」
梨子「もう一度だけ言うわ」
梨子「私のレズ奴隷になりなさい」 歩夢「嫌だ」
梨子「…………」
歩夢「―――って言ったら?」
梨子「……」ニヤリ
ズオオオオオッ
彼方「おぉ〜すご」
果林「ちょっ、何よこの霊圧〜〜」
せつ菜「みんな下がってください!!」バッ
せつ菜「会いたかったよー!『大鋤(だいすき)』!!」バン
梨子「…やっぱり満更ではないわね…」 「荒れそうだな…」
某所某学園。霊圧を読む数人の女。
「μ’sにAqours……それに虹ヶ咲まで加わりそうだ」
「大戦が起こるぞ……スクールアイドルの」
「結構なことじゃない」
「戦ってこそのスクールアイドルだものねえ」
「ただ……」
「……」
ドドドドドドドドドドドドドドドド
「最高で最強の戦争(ライブ)にするには……役者が一組足りないわよね?」 千歌「―!」グルッ
・浦の星女学院。
曜「千歌ちゃん?」
千歌「…今……遠くで、梨子ちゃんの霊圧がしたような……」
曜「…千歌ちゃん……」
ハグウウッ
千歌「…曜ちゃん……」
曜「大丈夫…大丈夫だよ!」
曜「絶対戻ってくるからね!」
曜「梨子ちゃん……」グッ… 千歌「……ありがと」
曜「…練習、行こっか!」
千歌「……うん」
ザッ…
千歌(私は ついてゆけるだろうか)
梨子ちゃんのいない世界のスピードに
to be continued… 切りがいいので一旦ここまで
書きながらが思ったよりしんどかったので次スレはそれなりに書き溜めてから立てます
だいぶ間は空いちゃうと思いますが…
ここまで長々と付き合っていただきありがとうございました。 乙
後半Aqoursはあんまり活躍しなかったな
曜ちゃんはまだまだ力出しきれてなさそう
続きも楽しみに待ってます なんで海未が聖良の邪魔したんだ?瞬間移動したのも希梨だけだし意味わからん レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。