梨子「甘さと春と」曜「修学旅行!?」
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曜「あ、あった!水守り!すみません!これ一つください!」
梨子「へぇー、色々なお守りがあるのね」
梨子(子宝守に獅狛守り……あら、これは?)
曜「わっ!そのお守りかわいい!ハート形になってる!」
曜「ね、そのお守り、絶対梨子ちゃんに似合うよ!」
梨子「え!?そ、そうかな……」
曜「絶対そうだって!しかも綺麗な桜色だし!すみませーん!この葵のお守り、ひとつ下さい!」 曜「はい、これ!私から梨子ちゃんに、プレゼントだよ!」
梨子「え!?いいよ悪いよ……」
曜「大丈夫!それに、私があげたいんだから、ね?もらってよ!」
梨子「じゃ、じゃあ……ありがと……」
梨子(曜ちゃんがくれたお守り……)
曜「ふふっ!ずっと大切にしてね!」
梨子「ええ、もちろん!」 曜「あっ、おみくじあるよ!梨子ちゃん、一緒に引いてみようよ!」
曜「じゃあ私から、いっくよー!えいっ!」
曜「どれどれ……『小吉』だって!これってまあまあってことじゃない?梨子ちゃんは?」
梨子「私は……中吉、みたい」
曜「えっ、すごい!じゃあおみくじ勝負は梨子ちゃんの勝ちってことだね!」
梨子「別に勝負をしていたつもりはないけど…曜ちゃん、こういうのは、結果よりも書いてある内容のほうが大切なのよ」
曜「それもそうだね!えっと、どれどれ……」
梨子(私のは……恋愛運、好機を逃さず勇気を振り絞るべし、って書いてある…頑張ってみろってことなのかな……) 曜「梨子ちゃん梨子ちゃん!みてみて!私のおみくじ、身近な人を大切にするべし!って書いてあるよ!これって、梨子ちゃんやAqoursのみんなってことじゃないかな?」
曜「うん!きっとそうだよ!私、梨子ちゃんのこともっともっと大切にするね!」
梨子「……」キョロキョロ
曜「ん?どしたの梨子ちゃん?」
梨子(気づけば少し日も落ちてきて、周りの人も少なくなってきて……)
曜「梨子ちゃん?」 まぁ、そろそろようりこもこんな形式から外れたssが見たい
33 名無しで叶える物語(もんじゃ) 2020/02/29(土) 20:57:57.79 ID:9NhyGdJT
ようりこスレ&SSに必ずあること
千歌だけはノンケ
千歌の不幸からはじまるようりこ(失踪とか)
千歌、たまには善子の悪女化
千歌の結婚とようりこ
善子はようりこの赤ちゃん設定
曜は男役、梨子は女役設定
男体化が一番多い 梨子(きっと、これが好機ってことなのよね……)
梨子(ええい!勇気を出すのよ私!女の子には、大胆にならなきゃいけない時があるんだから!)
梨子「あ、あのね私!曜ちゃんにずっと言おうと思っていたことがあって!」
曜「?」
梨子「じ、実は私—
千歌「どわぁっ!!!」 曜「ち、千歌ちゃん!?大丈夫!?」
千歌「いてて…転んじゃった……二人を見つけてつい嬉しくなっちゃって……」
千歌「もう二人ともひどいよ!ずーっと探してたんだよ!チカひとりぼっちで怖くて怖くて、迷子になるところだったのだ……」
曜「あはは、ごめんね千歌ちゃん」ナデナデ
曜「それで梨子ちゃん、私に話って?」
梨子「…ううん、なんでもないの」ニッコリ
曜「そう、ならいいけど」
梨子(…こうして、私の恋は、冷たい風とともに、流れて去って行きました。) 夜、旅館にて
千歌「さあっ!今日も思う存分遊び通すよ!!」
千歌「…って思ってたんだけど、チカもう眠くて眠くて……今日は一足先におやすみさせてもらうのだ……」フトンモゾモゾ
千歌「梨子ちゃん、曜ちゃん、おやすみ……」
梨子「うん、千歌ちゃん。おやすみなさい」 梨子「…今日はずいぶん早く寝ちゃったわね」
曜「きっと、昼間はしゃぎすぎて疲れてたんじゃない?」
梨子「ならいいんだけど……」
曜「さっ!私たちも寝よっか!」
梨子「ええ、そうね。おやすみなさい、曜ちゃん」
曜「うん!おやすみ!梨子ちゃん!」
……… ………
梨子「……」パチッ
梨子(…起きちゃった)
曜「…すぅ、すぅ……」
梨子(曜ちゃんはまだ寝てるみたい……)
梨子「スマホスマホ…まだ3時……」
梨子(起きるまではまだだいぶ時間あるし……)
梨子「…喉乾いたわね」
テクテク ピンポンパーン
ガラガラッ
テクテクテク
梨子「…あっ、自動販売機……って千歌ちゃん!?」
千歌「うえっ!?梨子ちゃん!?な、なんで!?」
梨子「ちょ、ちょっと、目が覚めちゃって、飲み物でも飲もうかなって……」
梨子「千歌ちゃんは?」
千歌「わ、私も、眠れなくって、それで、飲み物飲みながらこのソファで休憩してたとこで……」
梨子「そうなんだ……」
千歌「……」
梨子「……」 千歌「…ねえ梨子ちゃん。私ね、実は梨子ちゃんに話さなきゃいけないことがあるんだ」
梨子「え?なあに、千歌ちゃん?」
千歌「…実は私ね、梨子ちゃんの気持ち、ずっと知ってたんだ。初めから」 梨子「え!?そ、それは、どういう……」
千歌「あ、言わなくっていいよ、別に」
千歌「梨子ちゃんと曜ちゃんを一番近くで見てきたんだもん。わからないわけ、ないよ」
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「…私ね、ずっと怖かったんだ」
千歌「ほら、私、梨子ちゃんや曜ちゃんと違って、得意なことも特技も、何もないでしょ?」
千歌「だから、このままじゃ、曜ちゃんと梨子ちゃんが特別な関係になったら、私二人においていかれちゃうって、とても、不安で……」
梨子「そんなことない!千歌ちゃんのこと見捨てたりなんて絶対しないわ!」
千歌「ありがとう、梨子ちゃん。わかってはいるけど……」 千歌「…それに、この春で浦の星はなくなっちゃって、私たち新しい学校に進むことになったら、きっと、今みたいに三人だけでわいわいやる機会も、少なくなっちゃうから」
千歌「果南ちゃんたち三年生もいなくなっちゃったら、Aqoursの活動だって、どうなるかわからないし……」
千歌「たはは…私まだまだダメダメだね……」
梨子(ち、違うよ、千歌ちゃん…千歌ちゃんはダメダメなんかじゃ……)
千歌「でもね、私、言われたんだ!神様に!」
梨子「神様?」
千歌「うん!最後にいった神社、下鴨神社で、私もね、引いてたんだ、おみくじ」
梨子「え!?そうだったの……」
梨子(じゃああの時千歌ちゃん、私たちのこと見ていて……) 千歌「曜ちゃんが水守りのこと言ってたから、もしかしたら私自身のことと、Aqoursのことを占ってくれるかもって思って」
千歌「そしたらね、己の道を突き進むべし!って書いてあったんだ。これって、自分だけの道を走りなさいってことだよね」
千歌「…私、わかったの。いつまでも三人でいられるわけじゃないってことを」
梨子「千歌ちゃん……」
梨子(そう、私もきっと気づいていたのです。三人でいる時間が永遠ではないことに) 千歌「私、このまま梨子ちゃんと曜ちゃんに甘えてちゃ、だめなんだと思う。誰かを追いかけるんじゃなくて、私だけの輝きを見つけるために、走っていかなきゃいけなくって」
千歌「そのためには、勉強も、Aqoursの活動も、もっともーっと頑張らなきゃいけないなって、思ったんだ」
千歌「だから、ずっと三人でいたいって私のワガママが、梨子ちゃんや曜ちゃんを気づつけていい理由になんかならなくて…とにかく、ごめん!梨子ちゃん!」
梨子「ち、違うよ!みんなでいたいって思ってるのは、千歌ちゃんだけじゃないんだから!」
千歌「うん、ありがと。梨子ちゃん」 千歌「梨子ちゃんや曜ちゃんがどうなろうと、私のこの気持ちは変わらない。もう、大丈夫だから」
千歌「だから梨子ちゃんも、自分の気持ちにまっすぐになってみて」
千歌「心の中のその想いに、答えを出してあげて」
梨子「千歌ちゃん……」
梨子「…ありが、とう」
千歌「うん!それと梨子ちゃん!」
千歌「この先何が起ころうと、私たち一番の親友だよ!」 三日目 清水寺
梨子(私の真っ直ぐな気持ち、か……)
千歌「なにこれすごい!お寺の中に滝が出来てる!」
梨子(私はいったい、何がしたいんだろう?)
曜「このお水、飲んだら長生きできるんだって!千歌ちゃん梨子ちゃん!一緒に飲んでみようよ!」
梨子(…私はこの修学旅行を、終わってしまったこの気持ちを、一生消えない思い出にしたい)
千歌「うわっ!?みてみて梨子ちゃん、曜ちゃん!すごい景色!たっかーい!」
梨子(もし私たちが離れ離れになったとしても、それぞれ違う道に進むことになっても)
曜「千歌ちゃん千歌ちゃん!すっごい遠くまで見渡せるよ!ヨーソロー!」
梨子(いつかまた会えた時に、笑顔で話ができる自分でいたい、かな……) 曜「わあっ!見て見て梨子ちゃん!もう梅の花が咲き始めてるよ!」
梨子「そうね、もう春、なんだね……」
梨子(…この春が終わって、また次の季節がきて、そうして私たちは大きくなって)
梨子(いつか、この季節のことも、懐かしいねって笑える日が、くるのかな?)
曜「…ねえ、梨子ちゃん?」
梨子「なあに?曜ちゃん……ってええ!?」
曜「ちょっとついてきてよ!見せたいものがあるんだ!」
梨子「よ、曜ちゃん!?ちょ、ちょっとどこ行くの〜!?」 円山公園
曜「ついたっ!」
梨子「はぁっ…はぁっ……ここが、曜ちゃんが来たかった場所……」
曜「そうっ!円山公園!ほら、見て見て梨子ちゃん!」
梨子「えっ…あっ…桜……もう咲いてるんだ……」
曜「そっ!しだれ桜って言うんだ!普通の桜より少し開花が早いんだって!」
梨子「そうなのね、すごいキレイで……」
曜「ほら、梨子ちゃんのメンバーカラーって、サクラピンクでしょ?だから、この景色を見せてあげたくて」
梨子「えっ!?」
梨子(私のため、だったんだ……)
梨子「曜ちゃん、ありがとう……」
曜「うん!どういたしまして!」
曜「ねえ、もう少し奥の方まで行ってみない?」 梨子「曜ちゃーん!もう、どこまでいくの?」
曜「…ふぅ、ここなら大丈夫かな?人も少なくなってきたし」
梨子「もうっ、どうしたの曜ちゃん、急に」
曜「…ねえ梨子ちゃん、私梨子ちゃんに伝えなきゃいけないこと、あるんだ」
曜「私の勘違いだったらごめん、梨子ちゃん、もしかして、悩んでること、あるんじゃない?」
梨子(!?)
曜「それも、修学旅行の間、ずっと」 梨子「…いいの別に。昨日も行ったけど、もう終わったことだから」
梨子「ほんとはね、私も進路のこと、ちょっとだけ悩んでたんだ」
梨子「でもこれは、私自身の問題だから、私自身が答えをみつけなきゃいけないことだから」
梨子「だから、いいの。ありがとう、曜ちゃん」
曜「梨子ちゃん……」
梨子(これで、いいんだよね。私が曜ちゃんの重荷になんてならなくて、曜ちゃんが笑って夢を追いかれられるようになれば、私は、それで……)
梨子(だからこの話は、私の恋は、ここでおしまいに… 曜「…あのね梨子ちゃん、実は私、こうみえて梨子ちゃんのこと、すっごく感謝しているんだ!」
梨子「え?」
曜「梨子ちゃんと出会えてなかったら、きっと今の私はない」
梨子「曜ちゃん……?」
曜「…実は私、小さいころから千歌ちゃんと一緒にいるけど、Aqoursを始めるまで一緒に何かをやってきたことって、あんまりなくて」
曜「ほら、飛び込みって一人で黙々と打ち込む競技でしょ?だからもしかしたら私、協調性とかないのかなって、千歌ちゃんも、私と一緒にいるの、本当は嫌なんじゃないかって、思ってたんだ」
曜「でもそんな時、梨子ちゃんが内浦に引っ越してきて、Aqoursが作られて、」
曜「梨子ちゃんと千歌ちゃんが言い合いしながらすっごい曲を完成させてるのを見て、ああ、これが青春なんだなぁって、」
曜「私も、自由に、全力でぶつかってみてもいいのかなって、思えた」
梨子(…曜ちゃんにも、そんな悩みがあったのね) 曜「Aqoursの活動がもうほんっとに楽しくて!みんなであーでもない、こーでもないって言いながら一つのものを作るのが、何よりも楽しくて……」
曜「だからこれは全部、梨子ちゃんのおかげなの」
梨子「そんなこと、ないよ。私が曜ちゃんにしてあげられたことなんて、なにも……」
曜「ううん、そんなことある!梨子ちゃんは、私の中のヒーローだよ!」
曜「だから、こんどは私が、梨子ちゃんを助けてあげる番」
曜「私ね、梨子ちゃんの悩みも、梨子ちゃんの夢も、全部を受け止めてあげたい!」
曜「一緒に迷って、一緒に泣いて、一緒に笑って、一緒に二人で歩いていきたい!」
曜「これが、今の私の全力の気持ち!」
梨子「曜ちゃん……」 梨子(ああ、私、やっぱり曜ちゃんのことが、大好きです)
梨子「…うん、ありがとう」
梨子(弱気な私を明るい笑顔で引っ張ってくれるそのまぶしさが、臆病な私の隣に寄り添ってくれるその優しさが、とってもとっても、大好きです) 梨子「あのね、曜ちゃん、私ね……」
梨子(ふいに、一陣の風が舞って)
曜「うん!」
梨子(私たちは、甘い季節に包まれて)
梨子「ずっと、曜ちゃんのことが—
——— 終わりです。お粗末様でした
実は初投稿、どころかラ板初カキコだったりします…
本当は少女以上の恋がしたいとサクラバイバイをかけ合わせたような甘々な感じにしたかったのですが
力及ばずMarine Border Parasol的な形に落ち着いてしまいました…
ここまでコメント&お読み下さった皆様、本当にありがとうございました! 乙乙
修学旅行がテーマで青春を感じられるお話でとても良かった
この後の続きも気になる 久しぶりにこんなピュアピュアなSSが読めて嬉しい
最高でした
また書いてくださいな おつ
千歌とバトル展開になるかと思ったけど平和に終わって良かった おつです
こんな毒のない甘いストーリーを延々と読んでいたい 乙!
甘酸っぱくてとてもよかった
この後も気になる……! 未来に向けての悩みを描きながらも、爽やかな話になっててとても良かった
春ならではの青春SSいいぞ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています