ダイヤ「夢か現かエリーチカ」
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・生徒会室・
ダイヤ「…ん」ウトウト
??「…ほら…ねぇったら…」
??「そろそろ帰る時間よ?」ユサユサ
??「起きなさい、ダイヤ」
ダイヤ「…んぅ…はえ?」ウト...
ダイヤ「………ふぁあ」ムクリ
??「あ、やっと起きた」
ダイヤ「…………………!!」ハッ
ダイヤ「――も、申し訳ありません…!」
ダイヤ「絵里会長!!」
絵里「もう、居眠りさん」フフ カァーカァー...
ダイヤ(窓から見えるのは赤い夕焼け空)
ダイヤ(とっくに下校時刻は過ぎているようでした)
絵里「ダイヤがここで寝ちゃうなんて、珍しいわね」
ダイヤ「す、すみません!」ペコペコ
絵里「わっわっ」
絵里「謝る必要なんてないのよ?」
絵里「いつもお疲れ様…副会長」ニコ ダイヤ(…………?)
ダイヤ(………あれ?わたくしは)
絵里「どうしたの?ダイヤ」
絵里「もしかして…まだ寝たりないのかしら」クスクス
ダイヤ「ち、ちがいますわ!」
ダイヤ「ただ、その…」
絵里「まあ無理もないわね」
絵里「ダイヤにはたくさん、無茶きいてもらってるから…」 ダイヤ「絵里会長…」
ダイヤ「いえ、少し気が抜けただけですわ」
ダイヤ「この黒澤ダイヤ、会長のお役に立てることが何よりの幸せですから」
絵里「ダイヤったら、大げさなんだから」モウ
絵里「でも本当に…いつもありがとう」フフ
ダイヤ(……………あ)
ダイヤ(いま、カチリと)
ダイヤ(幸せのピースがはまっている、そんな音が聞こえました) ダイヤ(願わくば……ずっとこのままで)
絵里「ほらダイヤ、帰りましょう?」
ダイヤ「は、はい…!」
絵里「ふふ、慌てないでいいわ」
ダイヤ(いつまでも……このままで)
ガチャ...
------------------
-------------
------- ・ダイヤの部屋・
チュン..チュン..
ダイヤ「……ん」
ダイヤ「……」パチ
ダイヤ「………」
ダイヤ(…………朝) ダイヤ「…………」ボー..
ダイヤ(起きた直後)
ダイヤ(なぜか胸いっぱいに感じた幸せは、すぐにすり抜けてしまいました)
ダイヤ(あれは、何だったのでしょう)
ダイヤ(抜け落ちた幸せの正体は、もうつかめません)
ダイヤ(なにか夢を…見ていたような)
ダイヤ「……あ」
ダイヤ「学校に…行きませんと」 ダイヤ(制服…)
ダイヤ(これを着る機会も…もう限られてきますわね)
ダイヤ「…………」チラ
ダイヤ(机の上には、無造作に置かれた大学推薦合格通知)
ダイヤ(頂いたときには、確かに嬉しかったはずなのですが)
ダイヤ「…………はぁ」
ダイヤ「ん、いけませんね…黒澤家長女たるもの、朝からため息など」パンパン ・生徒会室・
ダイヤ(この時期)
ダイヤ(三年生はすでに授業はありませんが)
ダイヤ(わたくしには生徒会の資料を仕分け、整理する仕事があります)
ダイヤ(廃校に向けて、ほとんどが処分になりますが…)
ダイヤ(千歌さんたちの授業が終わり、Aqoursの練習が始まるまでやるべきことは山積みです)
ダイヤ(立つ鳥跡を濁さず……これは最後の生徒会長として、わたくしがやるべき仕事なのですから) ダイヤ「『校則違反者リスト・反省文』」
ダイヤ「処分」
ダイヤ「『プール使用許可申請』」
ダイヤ「処分」
ダイヤ「『学園祭会議議事録』」
ダイヤ「…処分」 ・
・
・
処分
処分
処分
処分
処分
・
・
・ ガチャ
ダイヤ「!」
絵里「あらダイヤ」
絵里「お疲れさま」ニコ
ダイヤ「あ」
ダイヤ「絵里会長」 絵里「一番のりだなんて、精が出るわね」
ダイヤ「これくらい当然ですわ」
絵里「今日は居眠りしてないのね」クスクス
ダイヤ「あっあれはその…少し気が緩んだというか」
絵里「ざんねん」
絵里「眠っているダイヤにいたずらしようと思ってたのに」フフ
ダイヤ「んま!」 絵里「なんて…冗談よ」
絵里「さ、仕事しましょうか」
絵里「この学校のために…やるべきことは多いわよ?」
ダイヤ「おまかせくださいまし」
ダイヤ「絵里会長の期待にはすべて上回って応える所存ですわ」
絵里「ふふ、心強いわね」
絵里「ダイヤがいてくれて…本当によかった」
ダイヤ(………………あ) ダイヤ(…またこの感覚)
ダイヤ(喉が灼けるほどの幸せがこみ上げてくる、この感覚)
ダイヤ(どうか、どうかおねがい)
ダイヤ(この現実を…永遠に)
------------------
-------------
------- キーンコーンカーンコーン
ダイヤ「……ん」ゴソ
ダイヤ(チャイム…時間は)
ダイヤ(ちょうど授業が終わったところ、ですか)
ダイヤ「………ふぅ」ムクリ
ダイヤ(仕事は……)チラ
ダイヤ「すべて、終わらせてしまいましたわね」 ダイヤ(さて、部室に向かわなくては)
ダイヤ「ふわぁ……んっ」
ダイヤ(いけませんわ)
ダイヤ(大口開けてあくびなど、はしたない)
ダイヤ(こんな調子では)
ダイヤ(また居眠りさんと呼ばれてしまいますわね) 実際こういう夢見ると起きてからも5分間は「いや、行けば居るときもあるだろ」とか思っちゃうの不思議 ・屋上・
果南「はい!練習おしまい!」パン
千歌「ふぅ〜〜〜みんなお疲れさまー!」
花丸「お疲れさまずら〜〜」グテ~
善子「ちょっと!寄りかかんないでよ!」グイグイ
ルビィ「あはは」 ダイヤ「………」
鞠莉「あらダイヤ?」
鞠莉「どうしたのぼーっとして」チャオー?
ダイヤ「………………あ」
ダイヤ「…鞠莉さん」
ダイヤ「いえ…なんでもありませんわ」
鞠莉「そう?」 ・バス車内・
ダイヤ「」コクリ..コクリ...
梨子「あ、ダイヤさん寝ちゃってる?」
曜「珍しいね!ルビィちゃんがダイヤさんに寄りかかってるのはよくみるけど」
ルビィ「うゅ…そうかなぁ」
花丸「ダイヤちゃん、いつも寝てるルビィちゃんのこと撫でてるんだよ」
ルビィ「えぇ?//」
ダイヤ(……う…ん)
ダイヤ(……なにやら)ウトウト
ダイヤ(…話し声が)ウツラウツラ.. 絵里「ダイヤったら疲れちゃったみたいね」
絵里「ふふ、いつもはキリッとしたつり目なのに」
絵里「寝てると子どもっぽい顔立ちで可愛いんだから」ナデナデ
ダイヤ「……んぅ」
絵里「ふふ…よしよし」
ダイヤ(ああ…絵里会長)
ダイヤ(絵里会長のぬくもりが…心地良いですわ)ギュゥ ガラガラガラガラ
ダイヤ「――はっ」ビク
ルビィ「ただいま〜」
ルビィ「あ、おねえちゃん目が覚めた?」
ダイヤ「え、えぇ」 ・黒澤邸/玄関・
ダイヤ(いつの間にか、家の玄関…)
ダイヤ「ん、これは?」ギュゥ
ルビィ「えへへ…おねえちゃん半分寝てるみたいだったから、手をつないで歩いてきたんだ」
ダイヤ「ええ?」
ダイヤ「ほ、ほんとですの?」
ルビィ「うん、おねえちゃん器用についてきてくれたから大変じゃなかったけど…新鮮だったなぁ」エヘヘ
ダイヤ(まったく憶えてないですわ…) ダイヤ「その…ごめんなさいねルビィ」
ダイヤ「姉だというのに、こんな」
ルビィ「いいよぉ気にしなくて」
ルビィ「だって……楽しかったもん♪」
ダイヤ「楽しかった?」
ルビィ「うん、おねえちゃんと手をつないで帰るなんて…昔みたいで」
ルビィ「こんな機会も、もう少ないのかなぁ」
ダイヤ「……そう…ですわね」
ダイヤ「………」 ・食後・
ルビィ「それでね!最近可愛いなって思ったスクールアイドルの衣装は〜〜」
ルビィ「これ!ルビィもこんな衣装つくってみたいなぁ」
ダイヤ「ふふ」
ダイヤ「それも…いいですわね…」
ダイヤ「」コク..コクリ...
ルビィ「うゅ…おねえちゃん眠い?」
ダイヤ「……ん」ゴシゴシ ルビィ(いつの間にか遅くなっちゃったのかな)チラ
ルビィ(あれ…まだ八時…?)
ルビィ(おねえちゃんいつもだったら起きてる時間…だよね?)
ルビィ(生徒会のお仕事、大変だったのかな)
ルビィ(帰るときも眠っちゃってたくらいだし…)
ルビィ「ごめんなさいおねえちゃん、ルビィに付き合わせちゃって」
ルビィ「お部屋に戻るね…おやすみなさい」
ダイヤ「…ん…おやすみ……なさい」ウトウト ダイヤ(布団…布団…)フラフラ
ボフ...モソモソ
ダイヤ(ん…)
ダイヤ(……)
ダイヤ(………)z..
ダイヤ(……………)zzZ... ダイヤ「それにしても…」
絵里「〜♪〜♪」
ダイヤ「実に素晴らしいですわ」ジィ
絵里「ん?なに読んでるのダイヤ?」
ダイヤ「絵里会長のライブ写真が載った雑誌ですわ」ペラ
絵里「へっ///ちょっと//」 ダイヤ「んま!Angelic Angelの流し目ウインク!あまりにも麗しいですわ〜」
絵里「もう…ダイヤったら、からかわないでよ」
ダイヤ「からかってなどいませんわ」
ダイヤ「すべて本心…絵里会長はわたくしの憧れですもの」
絵里「う、正面から言われると流石に恥ずかしいわよ…?」
ダイヤ「」キュン
ダイヤ(ステージではクールな絵里会長が恥ずかしがる姿もいいですわね) ダイヤ「ステージではクールな絵里会長が恥ずかしがる姿もいいですわね」
絵里「何いってるのよダイヤったら…」
ダイヤ「あっ…つい声に…?いけませんわ」
絵里「………ダイヤも」
ダイヤ「?」
絵里「ダイヤも…かわいいわよ?」
ダイヤ「…………」
ダイヤ「!!?///」 ・ダイヤの部屋・
ダイヤ「!!」ガバッ
ダイヤ「……はぁ…はぁ」
ダイヤ(………)ドキドキドキ
ダイヤ(………?)ドキ..
ダイヤ(なんでしょう…この動悸は) チチチ..チュンチュン...
ダイヤ(朝…)
ダイヤ(?…昨日は)
ダイヤ(いつの間に寝たのか)
ダイヤ(記憶が…) ダイヤ(………)ボー
ダイヤ(なんだかまだ…)
ダイヤ(眠気が…)フラ..
「ダイヤ?まだ眠いのかしら?」
ダイヤ(絵里…会長?)
ダイヤ(いえ…大丈夫…ですわ)コク..コク... 「無理しちゃだめよ?」
「ほら…こっち…」
ダイヤ(ん…)
ダイヤ(……)
ダイヤ(………)z..
ダイヤ(……………)zzZ... ダイヤ「あの、絵里会長…」
絵里「ん?なに?」ナデナデ
ダイヤ「これはえっと…いつまで?」
絵里「なぁに?膝枕、嫌になった?」
ダイヤ「い、いえ!そういうわけでは…」
絵里「そうよね、ダイヤから頼んできたんだもの」クスクス ダイヤ(そうでした)
ダイヤ(わたくしはあろうことか絵里会長に膝枕のお願いを…)
絵里「ふふ…いつも頑張ってるダイヤになにかご褒美っていったら、これだもの」ナデナデ
絵里「ダイヤのこういう意外と可愛いところ、好きよ?」
ダイヤ「〜〜///」キューン 絵里「あ、照れてる」ホッペプニプニ
ダイヤ「んむ!」
絵里「ふふふ」フニフニ
ダイヤ「や、やへへふらはい///」
絵里「そう?じゃあやめた」パッ
ダイヤ「あ…」 ダイヤ(………)
ダイヤ「そ、その」
ダイヤ「えっと…絵里会長」
絵里「ん?なぁに?」ニコニコ
ダイヤ「えと、その」
ダイヤ「先程の…もう少しだけ続けても……」 絵里「ん〜〜?」
絵里「先程の…って何かしら?」
ダイヤ「そ、それはっ…先程の、絵里会長がしてくださったこと…ですわ」
絵里「んー…」
絵里「ちゃんと言ってくれないとわからないわね〜」ニヤニヤ
ダイヤ「んま!」 絵里「ふふ」ニコニコ
ダイヤ(う、絵里会長…わかっておいてわざと)
ダイヤ(こんな恥ずかしい…プライドもなにもないお願いを)
ダイヤ(わたくしが自分から、なんて)
ダイヤ「……うぅ///」
ダイヤ(膝枕はお願いできましたのに…ものすごく恥ずかしいですわ!///) ダイヤ「………」
ダイヤ「…頬を」
絵里「頬を?」
ダイヤ「!…その、絵里会長の手で」
ダイヤ「つついたり…つまんだりして」
ダイヤ「ほしい、のです」
ダイヤ「〜〜っ//////」カァァ 絵里「ふふ、よ〜くわかったわ」
絵里「ダイヤは…私にほっぺたを弄ってほしいのね?」クスクス
ダイヤ「は、はい…///」
絵里「こ〜〜んな感じに」フニーン
ダイヤ「ふぁ、ふぁい〜〜///」 フニフニ..プニプニ...
ダイヤ(なぜでしょう)
ダイヤ(プライドという鎧をかなぐり捨て)
ダイヤ(無防備な姿だというのに)
ダイヤ(絵里会長の前では…それが心地良い)
ダイヤ(絵里会長には)
ダイヤ(誰にも見せられない自分を見てほしい)
ダイヤ(自分の弱い部分をさらけ出してしまいたい)
ダイヤ(だってわたくしは――) 絵里「はい!休憩おしまい」
絵里「ダイヤ、そろそろ仕事に戻りましょうか」
ダイヤ「ん…わかりました」
絵里「もしかして名残惜しかった?」フフ
ダイヤ「いえ、問題ありませんわ」
ダイヤ「絵里会長とともに進める生徒会の仕事こそが、最も優先すべき事柄ですから」 ・黒澤邸・
ルビィ「ただいま〜」
ルビィ「!!」
ルビィ「おねえちゃん?いるの?」トテテテテ
ダイヤ「あら、ルビィ」
ダイヤ「おかえりなさい」 ルビィ「おねえちゃん!」
ルビィ「今日はどうしたの?練習こなかったし、連絡もつながらないし…」
ルビィ「みんな心配してたよ?」
ダイヤ「??…練習?連絡?」
ルビィ「?…ライブの練習だよ?」
ダイヤ「………あ」
ダイヤ「ごめんなさい…うっかり忘れていましたわ」
ルビィ「う、うっかり…??」 ダイヤ「携帯…」
ダイヤ「まぁ、着信がこんなに」
ルビィ「うゅ…ルビィからもみんなに伝えておくけど、おねえちゃんも返事しておいてね?」
ルビィ「特に果南ちゃんと鞠莉ちゃんが不安がってたから…」
ダイヤ「ええ、わかりましたわ」
ダイヤ「……ふぁ」ング
ルビィ「…………」
ルビィ「…おねえちゃん、ほんとに大丈夫?」 ルビィ「なんだか最近疲れてるみたいだけど…」
ダイヤ「ん…そう見えるでしょうか」
ルビィ「今日は学校も行かなかったみたいだし…」
ダイヤ「はい??」
ルビィ「え?」
ダイヤ「練習は失念しても、学校にはちゃんと行きましたわよ?」
ダイヤ「生徒会の仕事がありますし」 ルビィ「うゅ…?」
ルビィ「生徒会の仕事って…生徒会室で?」
ダイヤ「当然でしょう、他にどこでやるのです」
ルビィ「あれぇ?おかしいなぁ…」
ルビィ「おねえちゃんに連絡がつかなかったから、生徒会室は真っ先に確認したんだけど」
ルビィ「鍵がかかってて…職員室で聞いてみたら今日は誰も鍵とりに来てないって」
ルビィ「だから学校にも来てないと思ったんだけど…」
ダイヤ「はぁ…」 ダイヤ「しかしそうは言っても、わたくしは実際生徒会室で仕事をしていましたし」
ダイヤ「なにか勘違いをしているのでは?」
ルビィ「そうなのかなぁ」
ルビィ「…うん、おねえちゃんがそう言うならそうだよね」
ルビィ「わかった!変なこといってごめんなさい」
ダイヤ「ふふ、気にしていませんわ」 ルビィ「あ、でも明日は忘れずに練習きてね!」
ダイヤ「ええもちろん、みなさんに示しがつきませんから」
ルビィ「ううん、それも大事かも知れないけど、そういうことじゃなくて」
ダイヤ「?」
ルビィ「ルビィね、おねえちゃんとできるだけ一緒にスクールアイドルやりたいんだ♪」
ルビィ「だっておねえちゃんはもう―― ダイヤ「…っ」クラ..
ルビィ「ピギ!おねえちゃあ!」ギュ!
ルビィ「だ、大丈夫?」
ダイヤ「ん…」
ダイヤ「ええ…ちょっとしためまいでしょうか」
ダイヤ「もう大丈夫ですわ」 ルビィ「ほ、ほんとに?」
ルビィ「横になったほうがいいんじゃ…」
ルビィ「やっぱり最近の疲れが…」
ダイヤ「そう…ですわね」
ダイヤ「わかりました、夕食まで部屋で休むことにします」
ルビィ「それがいいよ!時間になったらルビィが呼びにいくね」
ダイヤ「ふふ、ありがとう」ナデナデ ・ダイヤの部屋・
ポスン...
ダイヤ「………」
ダイヤ「…あ、連絡」
ダイヤ「返事をしなくては」
ブ~ブ~
ダイヤ「ん?新しいメールが」 果南:やっほーダイヤ。見つかったみたいで安心したよ〜〜。
見たら返事ちょうだいね〜。
ブ~ブ~
ブ~ブ~~
ダイヤ「ま、どんどんみなさんからメールが」
ダイヤ「ルビィが伝えてくれたようですわね」
ダイヤ「………」
ダイヤ(みなさんに、無用な心配をかけてしまったのかも) 鞠莉:明日は会えるの楽しみにしてるわね♪
ダイヤのいないAqoursってすっごい締まらないのよ〜?ブレークタイムが終わっても話し続けちゃったりして
まあ、それはマリーもなんだけどね♪ノξソ>ω<ハ6 テヘペロ♪
ダイヤ「……ふふ」
鞠莉:それでね、私たち三人が集まれるチャンスも少なくなってくるし、時間は大切に使っていきたい、って今日は思ったの
ダイヤ「………あ」
鞠莉:だって私たちはもう――
------------------- ------------------
-------------
------- ピピピピピピ
ピッ
ダイヤ「ん」ムク
ダイヤ「ん〜〜〜っ」グググ
ダイヤ「さて」
ダイヤ「行きますか」 ・生徒会室・
絵里「ダイヤ、この書類明日までに確認してもらえる?」
ダイヤ「わかりました」
ダイヤ「そろそろ手が空きそうなので、他にも仕事があったら任せてくださっても大丈夫ですわ」
絵里「そう?じゃあこっちの棚の整理、お願いしてもいいかしら」
ダイヤ「ええ、もちろん」
絵里「…っと、私ったらまたダイヤに頼りっきりね」
ダイヤ「問題ありませんわ」フフ カァーカァー...
絵里「あら…もうこんな時間」
絵里「ダイヤ、どんな調子?」
ダイヤ「ちょうど一区切りついたところですわ」
ダイヤ「今日の分はこのあたりで十分かと」
絵里「そう…じゃあ」
絵里「帰りましょうか」
ダイヤ「はい」 絵里「……」テクテク
ダイヤ「……」テクテク
絵里「ダイヤは」
ダイヤ「はい」
絵里「毎日楽しい?」
ダイヤ「?もちろん」
絵里「…そう」 ・ダイヤの部屋・
ダイヤ(明日やらなければならない仕事は…)
ダイヤ(ふむ、大丈夫ですわね)
ダイヤ「……」ゴソ
ダイヤ「おやすみなさい」 -------------------
………!…………っ!
……ん!………ぁ!
------------------- ピピピピピピ
ピッ
ダイヤ「ん」ムク
ダイヤ「ん〜〜〜っ」グググ
ダイヤ「…………?」
ダイヤ(気のせいですか) ・生徒会室・
ダイヤ「ふぬぬぬぬぬぬっ」
絵里「だ、ダイヤ?」
ダイヤ「な、ふぬぬっ…なんでしょうっ」
絵里「いや、書類整理も重要だけど…気をつけてね?」
ダイヤ「ええっ…心配ご無用…ですわ!」
絵里「」ハラハラ
ダイヤ(なんでしょう)
ダイヤ(やけに…手が重いですわね) ダイヤ「…ふぅっ」ドサッ
ダイヤ「これで完了…」
ダイヤ「手がヒリヒリして熱いですわ…」
ダイヤ「ん?というよりも」
ダイヤ(両手が……じんわり暖かい?) ダイヤ(この暖かさは…)
ダイヤ「………」
ルビィ「おねえちゃん」
ダイヤ「!?」
ダイヤ「る、ルビィ…?」 ダイヤ「!!」
ダイヤ「絵里会長…絵里会長はどこに」
ルビィ「おねえちゃん」
ダイヤ「ルビィ…」ジリ...
ダイヤ(なぜでしょうか)
ダイヤ(わたくしは今…とても恐い) ルビィ「もうやめなよ」
ダイヤ「っ」
ルビィ「こんなこと続けても無駄だよ」
ルビィ「授業はもうないし生徒会の仕事も全部終わっちゃった」
ルビィ「あとは余った時間をすり減らしていくだけなんだよ」
ダイヤ「……やめてください」 ルビィ「貴重な高校生活の大半を、親友と仲違いした状態で過ごしてしまったからって」
ルビィ「Aqoursとしておねえちゃんたちが再結集するまで、一人でずっと抱え込んでいたからって」
ルビィ「そのせいで黒澤家長女なんて呪いみたいな役割をこなすだけの刺激のない日々だったとか」
ルビィ「そんなの関係ないの」
ルビィ「やり直しなんてきかないし、それはおねえちゃんの責任でもあるもん」
ダイヤ「やめて…」 ルビィ「一番でなくちゃいけない」
ルビィ「弱音を吐いちゃいけない」
ルビィ「誰にも甘えちゃいけない」
ルビィ「弱さを見せちゃいけない」
ルビィ「そんな重圧に押しつぶされる日々が、おねえちゃんの高校生活のすべてなんだよ」
ダイヤ「やめて……っ」 ルビィ「わかるよね?」
ルビィ「いくらおねえちゃんが学校のことが好きでも、もう来る理由がないの」
ルビィ「最後のライブが終わったら尚更ね」
ルビィ「どうあがいたって時間は進むし、すぐにその時はやってくる」
ルビィ「だっておねえちゃんはもう――
ダイヤ「やめて!!」 ・ダイヤの部屋・
ピピピピピピ
ピッ
ダイヤ「ん」ムク
ダイヤ「…………」
ダイヤ「行きます」 ・生従会室・
ダイヤ「……」ペラ
ダイヤ「………」カリカリカリ..
ダイヤ「……」
ダイヤ(……次を) ダイヤ「あ」スカ
ダイヤ「ペンが…」
ダイヤ「どうして…握れないの」
ダイヤ「!」
ダイヤ「書類が…どこにもない…」
ダイヤ「消えてしまう……」 ダイヤ(白く溶けていく)
ダイヤ(ペンも紙も)
ダイヤ(机も棚さえも)
ダイヤ(なにもかもが…溶けて消えていく)
絵里「ダイヤ」
ダイヤ「エリーチカ!!」
ダイヤ「あ…いや……」
ダイヤ「絵里、会長…」 絵里「ふふ」
ダイヤ「…絵里会長?」
絵里「ダイヤ、無理しなくていいのよ」
ダイヤ「え…」
絵里「そろそろ…この夢も醒めるから」
ダイヤ「………」 絵里「ダイヤは本当に私のことが好きみたいね」
絵里「ここで私がダイヤのことを引き止めてもいいのに、ダイヤの中の私はそんな非道いことできないみたい」
絵里「もう送り出すので精一杯よ」フフ
ダイヤ「エリーチカ…」
絵里「不安がる必要も、罪悪感を抱く必要もないわ」
絵里「夢が醒めるのは…」
絵里「何が正しいことなのか、あなたの中ではもう決まっている、ということ」
絵里「どうあるべきか、あなた自身が決めたということ」
絵里「どうしたいのか、心が定まったということ」
絵里「だってあなたは、一人じゃないから」 絵里「だからもう大丈夫よ」
絵里「休暇はおしまい」
絵里「行きなさいダイヤ、あなたの生きる世界へ」
絵里「迷ったときは、その手のひらの熱が居場所を教えてくれるから」
絵里「その熱はきっと、いつまでもダイヤの道標になってくれるから」
絵里「これは全て…あなた自身が一番わかっていることだから」
------------------
-------------
------- 目を覚ますと自分の部屋にいました。
布団から見上げる天井はなんだか久しぶりに見るような気がして。
それから左右に人影を感じました。
右を見れば果南さんが、今にも涙がこぼれそうな瞳で見つめていて、左を見れば鞠莉さんがわんわんと泣いていました。
二人の手は布団の中に伸びていて、私の両手をしっかりと握っていました。
まだぼんやりとした意識の中、その手のひらの熱だけが強く伝わっていました。
次の瞬間には私は二人に抱きしめられていて、いろんな感情が押し寄せてきて…その中でやっと、一つの現実を受け入れることができました。
「わたくしはもう――卒業するのですね」
布団の上でもみくちゃにされながら、宣言するようにつぶやいて、わたくしはきっと泣いていました。 ――およそひと月後
・卒業・閉校式・
曜「おっはヨーソロー♪」
ちかりこ「ヨーソロー♪」
果南「どう?緊張してる?」
鞠莉「まさか」
ダイヤ「むしろ誇らしいですわ」
ダイヤ「…この場に立ち会えることが」 ダイヤ(あれから、いろいろなことがありました)
ダイヤ(ラブライブで優勝したことがまずひとつ)
ダイヤ(これで、少しはエリーチカに近づけたかもしれませんね)フフ
ダイヤ(ですが、今のわたくしにとってもっと重要だった出来事はやはり)
ダイヤ(わたくしたち三人の進路を知ったあの夜)
ダイヤ(みんなバラバラになると理解したあの夜) ダイヤ(でも、大丈夫)
ダイヤ(空は繋がっているから)
ダイヤ(この手の温もりは、決して消えないから)
果南「ダイヤ〜!こっちこっち!」
鞠莉「校門で写真とりましょ♪」
ダイヤ「ええ…いますぐ!」
------------------
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------- 人気の引いた校舎。
西日の差し込んだ生徒会室。
赤く浮かび上がった室内はほとんどが空っぽで、ところどころ傷んだ部分だけが、過ぎ去った時間の重さを示している。
その中でただ一つ馴染まない、真新しい紙が一枚、机に置いてある。
紙には一言、水色のペンで
お疲れさま、生徒会長
と書かれていた。 >>89
(たぶん、話の展開がわかりづらかっただけでしょうか
。すみません…) オチまで素敵だったわ
絵里ちゃんが夢の中にとどめようとするみたいな役じゃなくてよかった
乙
野暮な話だけど、普通に絵里ちゃんも同じ時代に生きてるから頑張れば会えるんだよな あそこまで追い詰められるくらいのダイヤさんが抱え込んだ気持ちを考えると涙が出る
素晴らしかったです、乙 なんか、ダイヤちゃんが壊れそうになっていく話だったけど逆説的にダイヤちゃんの強さが感じられる話だったように思える
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