よしルビが同棲するSS
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善子「……どうしたのかしら」
善子「(ルビィのことだから寝坊は大いに有り得るけれど、あの子はこういう時は絶対に遅刻をしない)」
善子「(事故?トラブル?ヨハネじゃないのよ。あの子は幸運のリトルデーモンなのだから)」
善子「だったら……」
そう様々な憶測を胸に浮かべつつも時間は過ぎる。
ルビィとは連絡がつきそうにない
そして、3本余裕を持っていた電車も発車してしまい、電車移動では間に合わないことが確定した。
善子「こうなると、内浦へ行くだけね……」
万が一の事態が起こった際、ヘリを出して欲しいとマリーへ1年に1回レベルのお願いをして了承を得ている
ルビィに何があったのか。すぐに東京へ向かえる状況ならヘリに押し込んで連れていかなきゃ
そう思いながらヨハネは内浦行きのバスへ飛び乗った ルビィの家付近に到着する前にマリーのお家には連絡をつけた。バスの車窓から見えた淡島のヘリが頼もしく感じた
善子「あとはルビィと落ち合うだけ……!」
そう呟き、あと2つで最寄り停留所、と言う所だった
善子「っ!? す、すみません!降ります!」
見間違うハズのない、赤髪の彼女が歩道を歩いていた
俯き、髪の毛もセットしていない、サンダル履きで
審査のために準備していた、大きめの鞄を胸に抱え
とても痛々しい足取りで、ヨハネが向かっていたバスとは反対方向へ歩みを進めていたーーー。 善子「ルビィ!ルビィ!!!」タッタッタ…!
ルビィ「…!」ピクッ
ルビィ「よっちゃ……」クルリ…
善子「っ……!」
善子「な、何が……。何があったのよ……」ギュッ
ルビィ「……ふ、う、うっ……ぅぁ……あぁ……!!」
ルビィを抱き締めずにはいられなかった
今にも壊れて、崩れて、消えてしまいそうなルビィの顔を見て
世界中の誰よりも優しく包み込む他なかった……。 親にバレた。
説得を試みたが認められなかった。
海を見ながら腰を掛けて、声を振り絞ったルビィの話を要約すればこうだった。
ルビィ「スマホも取り上げられちゃって……もう、どうすればいいか分からなくなっちゃって……」
ルビィ「せめて、よっちゃんの所へ行かなきゃって……」
善子「……」
ルビィ「……」
善子「認められなかったって、何よ……」
ルビィ「よっちゃん……」
善子「(まだ、今すぐルビィの親を説得して認めて貰ってマリー家のヘリを使わせて貰えば間に合う!)」
善子「突撃するわ。黒澤家に」
ルビィ「えっ」
善子「腹立たしいのよ!!ルビィの夢を認めてくれない黒澤家が!!このヨハネが粛清してあげるわ!!」
ルビィ「よ、よっちゃ……!待ってぇ!」 ===
黒澤家 客間
黒澤父「……」
黒澤母「……」
善子「……」
ルビィ「……」ガクガク
黒澤父「……」ソレデ、ハナシトイウノハ?
黒澤母「貴方。声が小さいわ」
黒澤父「……」コホン
黒澤父「失敬、つい癖で。それで、話と言うのは?」
善子「本日私と娘さん、ルビィさんが向かおうとしているアイドルオーディション」
善子「こちらに行くことを認めて貰えなかったことです」
善子「単刀直入に言います。まだ審査開始の時間には間に合います。この場でルビィさんがオーディションに参加することを認めて貰えないでしょうか」
黒澤父「……それは、認められない」
善子「っ……!どうしてですか!」 黒澤父「理由は幾つかあるがーーールビィ。そもそも『本気で』アイドルなる職業を志しているのか?」
善子「本気ですーーー!!」
黒澤父「……」スッ
「君ではなく娘に話しているから黙っていなさい」と言わんばかりの視線と手の平に制される。
ルビィ「ぅ……は、はいっ。本気です!」
黒澤父「ならば何故先程からご学友ばかりが口を開き、身を靡かせているのだ?」
黒澤父「この審査会の開催を知ったのも、申し込みを行ったのも、今日までの準備を先導したのも、全てこのご学友によるもの」
善子「それには理由があります!私が見つけて、申し込みの期日が目前だったので勝手ですが私が申し込みをしたんです!準備だって友達の夢を応援したくてーーー」
黒澤父「ルビィから『本気で』志している姿勢が感じられないんだ」
よしルビ「っっ……」 黒澤父「アイドル。詰まる所は芸能界」
黒澤父「私の知る漁業の世界とはまた違う、若しくはこの世界以上に厳しく、理不尽で、筋の通らない世界であろう」
黒澤父「その世界で華を開き咲かせる人間は持って生まれたモノからして凡人とは異なる。が、それ以上にーーー」
黒澤父「この世界で生きる。この世界で成し遂げる。そうした確固たる覚悟と目的を以ている」
黒澤父「芸能界で生き、光を放ち続ける人間には、これだけは必ず共通して心中に刻み込まれている」
黒澤父「決して数は多くないが、実際にその世界で生きる人間と触れて、私はそう思っている」
黒澤父「生半可な心構えで飛び込んだら最期、一瞬で海底へ引きずり込まれる。そういう世界だ」
黒澤父「尤も、芸能界に限った話ではないだろうがね。社会に出たらどこへ行こうと大差無く厳しい世界ばかりだ」
よしルビ「…………」 黒澤父「それで、だ。ルビィ」
ルビィ「……」
黒澤父「アイドルを志すにあたってどう言った取り組みを行ったのだ?」
ルビィ「それ、は……えっと……」
黒澤父「そもそもーーー」
黒澤父「社会へ出る覚悟を持っているのか?」
ルビィ「っ……」
善子「……」
黒澤父「この家はダイヤが継ぐ。ルビィはこれからも健やかに生きていてくれれば、父としてそれ以上何も求めない」
黒澤父「だが。社会へ出る以上、甘えただけは許さん」
黒澤父「今一度、どのような進路を取るのか。よく考え、決意と覚悟をもった上で改めて取り組みなさい」
ルビィ「……っっ!!!ぅっ……くっ……うぅぅぅ……!!!」ポロポロ
善子「……」
黒澤父「……。すまないがそろそろ家を出なければならない。失礼するよ」
黒澤母「はい」
黒澤母「身支度を!」
お手伝い「はい!」シュバババ 善子「……」
ルビィ「ひっ……ぐ!!うっ……ぐぅぅ……!!」
黒澤母「ルビィ。そして津島さん」
黒澤母「父も私も、アイドルと言うものを否定はしません。特に私はあなた達の活動を多少なりとも拝見して、アイドル……偶像と言うものも悪くないと思ったわ」
黒澤母「それでも。娘が偶像となり世間の目に晒され、そうしたことを生計として生きていく」
黒澤母「それはやはりどうしても、現実的ではないと思うわ。今のところはね」
善子「(今のところ……)」
善子「突然押し掛けた上に幾つも御無礼なことを言ってしまいました。大変失礼しました」
黒澤母「いいのよ。私達もルビィの大切な進路についてもっと話を聞いてあげなければいけなかったわね」
ルビィ「……。ちゃんと、考えて、決める……」
黒澤母「そう。きちんとお考えなさい」
ルビィ「……うん」 ===
黒澤家近くの海岸
ルビィ「……」
善子「……あ、そうだ」
善子「オーディション辞退の連絡と謝罪。あとマリーの家に手配していたヘリについて連絡するわね」
ルビィ「ルビィにさせて」
赤く腫らせたルビィの瞳が強くヨハネを見つめた。
善子「……うん。分かったわ、お願い」
ルビィ「うん」
こうして、初めて応募したオーディションは辞退と言う結果に終わった。
それでも
この日から『本気で』アイドルを目指す日々が改めて始まったのだった。 初夏ーーー
あの日2人で取り決めた約束と目標を果たすためヨハネとルビィはそれぞれ邁進していた。
ルビィは自分で養成所とそこから繋がる事務所を調べ、さらに数は多くないけれどスクールアイドルの知り合いから色んな話を聞き情報収集を進めていた。
自分が本気で目指せる道なのか、きちんと現実味を持って少しずつ毎日を過ごしている。
また、この情報収集はルビィ1人で行っているの。出来る限り1人で頑張る。ルビィがそう決めたから。
そしてヨハネはと言うと、
善子「うーん。またも内定ならず、かぁ」
ヨハネもまた就活を行っていた。これもルビィとの約束。 ルビィ「よっちゃんにお願いがあるの」
ルビィ「よっちゃんもまずは自分の進路をきちんと決めて欲しい」
ルビィ「ルビィも自分だけの力でちゃんとこれからのことを決めて、その通りの道に行けるように頑張る」
ルビィ「だからよっちゃんも、同じようにして欲しいんだぁ。そうして貰えたらルビィ、頑張れると思うから」
善子「えぇ。分かったわ。ヨハネもちゃんとこれからの活路を切り開く」
善子「お互いに頑張りましょう」
ルビィ「うん!!!」
ルビィ力強い返事と共に、暫し別々の棘道を歩むことを決めたのだった。 善子宅
善子「お母さん。また不採用だったわ」
善子母「そっか。残念だけどご縁が無かったわね。また次の採用試験に切り替えていきましょう」
善子「うん」
善子母「それに今から進学に切り替えても善子なら十分なレベルの大学に行けるとお母さん思うし!」
善子「進学はしないってば。高卒で就職してバリバリ働いて富を築くの!」
善子母「あらあらゴメンね、つい。お母さん的には善子も先生の道選んでくれたら嬉しいなって思っちゃって」
善子「教師と言う職業が稼げるなら考えてもよかったけど!」
善子母「十分貰える職業だと思うけどね〜」 と言うわけで、ヨハネは高卒から働けて、ある程度興味の持てる、少しでも稼ぎの良い仕事だけに狙いを定めて採用試験に臨んでいる。
理由は、今となってはバレバレだけど……
あの日ルビィと約束を交わした時に、ふと頭に浮かんだの
ルビィと東京で2人暮らしをして、アイドルを目指すルビィをヨハネが色んな面で支えてあげたいって。
ヨハネの大切なリトルデーモンの夢は、気付いた時にはヨハネの夢にもなっていたの。
そんな日々を送っていた矢先、
まずヨハネが良いご縁に巡り会えることとなった。 善子「(最終選考まで残れたこの会社。高卒大卒どちらも応募出来て、初任給も申し分ない急成長中の企業)」
善子「(正直、絶対にモノにしたい会社……!最善を尽くしてやるわ!!)」顔ペチン
===
善子「ーーー以上が志望動機です」
人事部長「はい、ありがとうございます」
社長「ふーむ……」
人事部長「では続いて、採用となった場合具体的にどのような取り組みを行っていきたいとお考えですか?」
善子「はい。私は御社のーーー」
人事部長「なるほど〜。とても熱心に弊社の事業内容を調べて下さっていますね」
善子「恐縮です。御社の仕事に携わることが出来たら、是非ーーー」
社長「ちょっといいかな?」 善子「ひゃ、い……!」ビクッ
社長「あぁっと、ゴメンゴメン。リラックスしてちょーだい」
社長「あ、そうだ。アルフォートあるけど要る?」テクテク
善子「!?」
人事部長「ちょっとなんちゃん!大切な面接中だよ!!」
社長「いーじゃん。ここまで来た子なんだから浅い所はバッチリ見てるでしょ?」
社長「私が知りたいのは深いトコ。最後の面接なんだから腹を割って話して欲しいのよ」
善子「は、はい……!」
人事部長「もぉ〜」 社長「それで、よ。ぶっちゃけウチの仕事本当に興味ある?やっていけそう?」
善子「それは勿論です!とても広い範囲で女性のお洒落について携わることが出来る所に大変魅力を感じています!」
社長「それだけなら、別の会社でもたっくさんあるよ?」
善子「ぅ、御社は……御社の取り扱っている商品や、お客様の身に付けているもののセンスが、凄く好きだったんです……(他の大手企業は高卒採用無いし初任給が低いの!それじゃ駄目なの!!)」
社長「ふむー」
社長「ぶっちゃけ。他に強い志望動機、あるよね?」
善子「っ……それは……」
社長「そこが一番知りたいから教えて欲しいなぁ」
善子「(流石に、会社を立ち上げるような人へいい子ぶった言葉は通用しない……か)」 善子「……」スゥ、ハァ……
善子「馬鹿正直にお話しますと、高卒で初任給の高く、且つ自分の興味の持てるお仕事。それに焦点を絞り就職活動を行っております」
社長「まぁねー。お金どんどん稼ぎたいよね。分かる。コンビニ弁当も買えないとか泣くもん。それで、そんなにお金が必要なの?」
善子「……夢が、あるんです」
善子「アイドルになるって言う、夢が」
社長・人事部長「?!」 善子「高校で出会った大切な友達が今、アイドルを目指して同じように就活を行っています」
善子「私はその子が必ずアイドルへの道へ踏み込むことが出来ると信じていて、それを応援したいと思っています」
善子「それで、それでも、駆け出しの頃は日常生活を送るだけできっと手一杯になってしまいます」
善子「そこを支えられる存在になりたいって、思ってて……でもまだその子にもこのことは伝えていなくて……」
善子「と、とにかく!自分のこれからを決めつつ、その子と一緒に生活を送れるだけの収入が欲しいんです!」
社長「ほぁ〜すっごいなぁ君〜。つまり友達が夢に向かって集中出来るように養うつもりなんだ!」
善子「あくまでも、私の妄想のような計画ですが……」
社長「いや、キツいよ。絶対」
善子「っ……」 社長「自分自身の夢じゃなくて、友達ーーー他人の夢のために働くなんてのは、キツいと思う」
社長「ウチは最初は事務仕事をメインに任せて、色々吸収して貰うけど、仕事覚えていったらどんどん仕事任せるよ。所謂総合職ってヤツ」
社長「残業もすることになると思うし、今は東京しか会社無いけど、今後成長するにつれて新しく広げていくつもりだから転勤だってしてもらうと思うよ」
善子「うっ」
社長「君自身が辛くなっちゃうこともあるかもしれないし、それに、その子の夢が叶わなかったら、どうするの?」
善子「……」
社長「相当強い気持ちが無いと、続かないよね?それで退職されちゃったらウチも辛いよ」
善子「……」
善子「……ます」
社長「ん?」
善子「叶えます!絶対に!」 善子「ルビィの夢は、ヨハネの夢でもあるんです!」
人事部長「(突然の横文字!!)」
善子「ヨハネはずっと、周りの人を不幸に巻き込んでしまってた……ヨハネと共に居ると不幸になる。悲しませてしまう……」
善子「そんなヨハネをルビィは慕ってくれて、存在を認めてくれて、それどころか不幸を打ち消してくれるかのようなことまで……!」
善子「ルビィはヨハネのかけがえの無いリトルデーモンなの!あの子の夢はヨハネの夢でもあるの!だからぁっ……!どんなことがあっても夢が叶うように、頑張りたいって……思ってる……の!!」
善子「……」
社長・人事部長「……」
善子「(あ)」
善子「(終わった……)」 善子「(言葉が止まらなくなっちゃったとは言え……何てことを……)」グスッ
社長「ふーーーーむ……」
社長「ある程度言いたいことは分かった」
善子・人事部長「(えっマジで)」
社長「まぁ取り敢えずアルフォートでも食べて落ち着いて」つアルフォート
人事部長「え、えっと。望みたっぷり」つお茶
善子「あ、はい……ありがとうございます……」
社長「うーん……」ジィー
善子「(……突然ガン見されてる)」
善子「(もう、ヤケクソよ!ルビィと一緒にこの夢に向かって歩みたい!それだけよ!それしかないのよ!それだけは、あるんだから!)」キッ!
社長「……ふふ。良い顔すんね、君」
善子「ふぇっ」 社長「ま、ちょっと素の部分が面白すぎたけど。働くって気持ちは伝わってきたかな」
人事部長「そうだね」
社長「何よりやっぱ大卒はほとんど遊んでるせいでダメっしょー!この子みたいに頭良さそうなやる気と覚悟ある子の方が絶対いいよー!」
人事部長「それは偏見だよ!」
善子「(ヨハネの前でそのやり取りはするべきなのだろうか……)」
社長「おし!一応こちらで最終決定はするけども!どう?TOPが私みたいな社長だけど、ウチで働く?」
善子「は、はいっっっ!!!」
社長「そっか。おっけー」ニコッ
人事部長「では、これにて面接は以上になります」
善子「あっ、りがとう…ございました!!」ガタッペコッ
ーーーこうしてヨハネ自身の胸中を晒け出した最終面接は、採用内定と言う結果を招き入れたのであった。 夏ーーー
善子「はぁ……受験生の勉強する様を見ながら食べるチョコアイスの何て美味たることかしら……」
花丸「がるるー」カリカリ
善子「がんばれがんばれ♪」
ルビィ「もぉ、お勉強の邪魔しちゃダメだよぉ」
善子「ゴメンゴメン。少しだけ肩の荷が降りたから、つい」
ルビィ「うん……」
ルビィ「(マルちゃんは毎日受験勉強頑張って目標にしてる大学は既に十分合格圏内。よっちゃんも素敵そうな会社に内定ーーー)」
ルビィ「(ルビィも、もっと頑張らなきゃ……)」ギュッ
善子「……」
善子「焦りだけは禁物よ。絶対大丈夫。きっと貴女にも結ばれし縁ーーー」
prrrrrーーー
ルビィ「わっ、お電話?」
ご縁が、やってきた。 ルビィ「はいもしもし?」
『もしもしこんにちは。私、芸能事務所"アルクマ"の代表取締役をしております、つん♀と申します〜』
ルビィ「……ふぇ」
『春に弊事務所が開催したオーディションに応募してくれた黒澤ルビィちゃんで間違いないですか?』
ルビィ「……はい」
『実はですね。今回、オーディションの最終選考で合格出来た子が一人も出なくて……』
『それで、書類と歌声選考は通っていたのに辞退しちゃったルビィちゃんに、一度会ってみたいなって思っているのだけど、どうかや?』
ルビィ「……えええぇっっ!?」
ルビィの歌声と、高校時代努力した経歴に可能性を捨てきれなかったオーディション主催者が
一発勝負を持ち掛けてきたのだった。 数日後 都内某所
女性「それでは始めていきますよ。よろしくねぇ↑」
ルビィ「よろしくお願いいたします!」
つん♀「いよぉし!それじゃ早速歌ってみようか!」
女性「つんさんwテンション高いですww」
つん♀「いやだってふりちゃん!こうしてわざわざ遠い所から来てくれたんだよ?それだけで嬉しいもん!それにーーー」
つん♀「ルビィちゃんの歌声、ずっと私の中に残ってたんだ!この感覚が私の買い被りか、本当の浪漫か、確かめたい……!」
つん♀「てことで準備はいいかなルビィちゃん?今日1日で他の人達がやった審査項目を一気にこなしてもらうよ?!」
ルビィ「はい!!!頑張ります!!!」
つん♀「うんうん!いいお返事!」
女性「それじゃ改めて、生歌の披露から行きますね」
ルビィ「はいっ!!!」 ルビィ「披露する曲は、ルビィが高校時代スクールアイドルをしていた時に作ったものです」
ルビィ「(まだ恋心も何も分からないルビィが、想像だけで書いた歌詞の曲)」
ルビィ「(でも、何だか今日は)」
ルビィ「(ルビィの夢を自分のことのように真剣に応援してくれてるーーー)」
ルビィ「(ーーーよっちゃんに向けて歌いたい気分、だなぁ)」
ルビィ「それでは聞いて下さい」
ルビィ「RED GEM WINK」 秋ーーー
黒澤父「……」
黒澤母「……」
善子「……」フゥ…
ルビィ「……」キッ!
黒澤父「それで、改まって話と言うのは」
ルビィ「お父さん。お母さん。ルビィはーーー」
ルビィ「ーーーアイドルを目指します」
あと37レス以内にどうにか 黒澤父「……ふぅ。改めて真剣に考えて出した答えがそれかい?もう、高校3年生の秋だぞ」
ルビィ「この前、4月から入所する養成所の内定を芸能事務所から貰いました!」
黒澤父「む?」
ルビィ「お父さんも知ってる名前のつん♀さん、歌手とプロデューサー業をしている方が代表をしている芸能事務所の傘下にある養成所です。たくさんのアイドルを産み出しているきちんとした所です」
黒澤父「聞いていたかい?」
黒澤母「実はある程度の近況報告は受けていました。ただ、しっかりと結果が出るまであなたには話さないで欲しいと口止めされていました」
黒澤父「成る程。では既にこれからの進路を掴み取った上での決意表明と言うことだね」
ルビィ「はいっ」 ルビィ「本気、です!」
ルビィ「小さい頃からルビィが落ち込んだり泣きそうになった時、ずっと支えてくれたアイドルって存在」
ルビィ「今度はルビィが!誰かの心を元気にしたり勇気づけられる存在になりたい!!」
ルビィ「どんなに辛くても大変でも、もしかしたら泣いちゃうかもしれないけど……絶対に負けません!」
ルビィ「必ずアイドルになってみせます!!!」
黒澤父「……」
黒澤母「……」フフッ
ルビィ「お願いです!アイドルを志すことを許してください!!」
善子「私からも、お願いします!!」
黒澤父「……分かった」 ルビィ「……!い、いいの!?」
黒澤父「その代わり!!!」
よしルビ「びっ……!」ビクウッ
黒澤父「我を通すからには、貫き通しなさい」
ルビィ「はい……!!」
黒澤父「そして、どのような道を進み、その先に何が待ち受けていても」
黒澤父「ルビィの家は、この内浦に何時でも在り続ける」
黒澤父「還ってくることの出来る場所があるのだと、それだけは忘れずに。迷い無く進みなさい」
ルビィ「は、い……!!!」ポロポロ
善子「ルビィ……!」ウルッ
ルビィ「よっちゃ……!や、やったぁ……!!」 黒澤父「さて、そうと決まれば先の話もしよう」
黒澤父「その養成所は東京かい?」
ルビィ「うんっ」コクッ
黒澤父「では、上京して生活することになるね。1人暮らし、又はダイヤと共に生活をするつもりか?」
ルビィ「えっ、お姉ちゃんと2人暮らしはちょっと……」⌒°( ˘・ω・˘)°⌒
善子「あ、あのっ!」
黒澤家「「「?」」」
善子「私も4月からの就職先が内定していまして、東京で……」
善子「その、今まで自分の中だけで思い描いていたことなんですけど、ルビィさんと私でルームシェアをして生活を送ると言うのは如何でしょうか!?」
ルビィ「ほぇっ!?」 ーーーーー
ーーー
ー
それから年月が過ぎーーー
善子「ただいま」ガチャ
ルビィ「あ、おかえりなさーい」トントン サクサク
善子「ただいま。今日は久しぶりにルビィの手料理が食べられるわね。しかも一緒に」
ルビィ「えへへ。オフって最高だね」
善子「ゆっくり休めたかしら?」
ルビィ「うんっ。お家のことも出来たし、見たかった番組とかBDも見られたし幸せ〜♡」 ルビィ「それにコッソリお散歩もしちゃった♪」
善子「(あ、それで髪型が普段のものなのね)」
善子「もぉ、その髪型でフラついて見つかっても知らないんだからね?」
ルビィ「ふふっ。案外バレないんだよぉ?」
善子「それはきっと8割は街の皆の優しさだと思うわよ……」
ルビィ「えーっ!?」 ルビィ「そっかぁ……気を付けまぁす……」シュン
善子「今はそのヘアスタイルが貴女のトレードマークなんだから」フフッ
ルビィ「えへへ♡」
===
ルビィ「よっちゃん」
善子「ん?」
ルビィ「明日から養成所へ通うんだけどーーー」
善子「えぇ、そうね」
ルビィ「髪型をね、今のツーサイドアップから新しいものにしたいなって思ってるんだぁ」
ルビィ「それで、その……」
ルビィ「よっちゃんのお団子。シニヨンの結い方、教えて欲しいなって……///」 ===
ルビィ「懐かしいなぁ」
善子「懐かしい。と言えば、ヨハネも今日何となく高3の時のことを思い出していたわ」
ルビィ「大変だったねぇ」
善子「ルビィがご両親を説得させて、その後この2人暮らしをさらに認めて貰うのも大変だったわねー」
ルビィ「『本来であれば自立のため自分自身で生活費を稼ぐべきだが、養成所の費用や訓練期間中最低限の生活費までは援助する。だから無理に共同生活する必要は無いのでは?』って言うお父さんと」
善子「そう言った面も含めてルビィのことをヨハネが支えたいんです!と何故かあそこで意地を張ってしまったヨハネ」
ルビィ「『君は一体ルビィの何なのだ……?』ってお父さんの困惑した顔が今でも忘れられないよぉ笑」 善子「いいじゃない。ルビィは永遠にヨハネのリトルデーモンで、ヨハネは貴女の主なんだから!」
ルビィ「ふへへっ♪はいっ!ヨハネ様♡」
ルビィ「よっちゃん」
善子「ん?」
ルビィ「これからも、よろしくね」
善子「何よ藪から棒に」
ルビィ「えへへ。ちょっと恥ずかしいけど、たまにちゃんと言葉にしておきたいなって思って」
善子「……そうね。貴女と過ごしている時間はとても刹那的で、でも毎日が有り得ないくらいに幸福に満たされて、充実してる」
善子「それにルビィが側に居てくれないと、ヨハネの不幸がまた猛威を振るってしまうわ」
善子「だから、こちらこそ。この先の未来も共に歩んで行きましょう。ルビィ」
ルビィ「はいっ」 https://i.imgur.com/kRfVeFX.jpg
黒澤ルビィ:長野が生んだ伝説”つん♀”が代表を務め運営する芸能事務所「アルクマ」に所属する人気アイドル。
身長は現在158cm。トレードマークはお団子シニヨンと、その反対側に黒色のシュシュと共に結び下ろした独特のヘアスタイル。
古き良きアイドル像を彷彿とさせる歌声と、近代的アイドルソングをマッチさせたスタイル。そして何より未だ健在の庇護欲を掻き立てる妹キャラでデビューから順調に人気を博していった。
女優業にも挑戦しているが、あくまでも歌って踊るアイドル業が本業。自身がそうであったように「誰かの心の拠り所となるアイドルでありたい」をモットーに、ファンが最後の1人になるまでアイドルを続ける所存。 https://i.imgur.com/AALGCRU.jpg
津島善子:女性向けブランド会社「ジョルノ」に勤める会社員。
高卒ながら入社直後から頭角を現し順調に仕事をこなす(も、隠れルビィファンのお局にいびられる)日々を送る一方、食事や家事の面でルビィを支える。
身長は159cm。その美貌には磨きが掛かりナンパ求婚は日常茶飯事。ルビィの事務所から「あなたも芸能界デビューしない?!」と言われたことも。
しかしそれらには一切靡かず彼女は今日もルビィとの生活のために邁進する。
自らの存在を認め、忌々しい不幸体質をその幸運で相殺し、自分を慕ってくれた、最愛のリトルデーモン。
彼女に最大の恩返しをするために。 https://i.imgur.com/OPC8qsv.jpg
善子がルビィに抱く感情は恋か愛か女の友情か。それらを超越した感情か。
それは善子自身にしか分からない。
善子とルビィが高3の時の話&よしルビが同棲するSS ―END― ある程度G's準拠ながら完全に自分の設定で、且つ終盤完全に筆が止まっても尚、
目を通して頂き、保守し続けて下さった方々には本当に感謝の限りです。
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1503450246/
よしルビの同棲ネタを書いたのは今回で2回目ですが、2人の関係性を妄想する楽しさを再認識出来て良かったと思うばかりです。
以上これにて一段落。完全終了です。
読んで下さった方、お礼申し上げますね。失礼いたします。 ここまで書いてくれてありがとう
本当に感謝しかない このスレッドは1000を超えました。
新しいスレッドを立ててください。
life time: 170日 7時間 45分 16秒 レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。