https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190119-00010000-danro-life


どういう場合だと漢字が替わり、替わらないのか
なぜ、「澤」が「沢」になってしまったのでしょうか。静岡新聞も加盟している共同通信社が発行する新聞用字用語集「記者ハンドブック 第13版」を見ると、「常用漢字」に関して次のように定めています。

1 「常用漢字表」内の漢字は原則として新字体を使い、旧字体の使用は避ける。

これが「黒澤」ではなく「黒沢」が用いられた根拠と言えます。ちなみに、筆者の名字は「河嶌(かわしま)」で、そのうちの「嶌」は「島」の異体字です。このような異体字について、記者ハンドブックはこう書いています。

2 「常用漢字表」内の漢字の異体字についても、表に掲げられた字体のものを使うことを原則とする。

これに従えば、私の名前の表記は「河島」ということになります。しかし、私の名前がかつて新聞に載ったことがありますが、そのときはいずれも「河嶌」のままでした。

異体字の場合は、常用漢字表に載っている字体を使うことが「原則」とされているので、逆に言えば「例外」が認められる可能性があるわけです。「嶌」という表記は例外として認められたのかもしれません。

さらに、記者ハンドブックにはこんな記述もあります。

5  ただし、特に本人、家族などの強い希望があった場合、前記各項の申し合わせについては各社の運用に任せる。

つまり、新聞表記ルールよりも本人の要望が優先される場合があるということです。このため、もし今回、ルビィ本人が「正しい名前は、黒『澤』ルビィです!」と強く主張していたら、おそらくそのまま紙面に載っていたことでしょう。