にこ「Loveless World」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
西暦1995年3月20日、地下鉄テロ事件。 −−−−−東京都台東区-秋葉原-某居酒屋 セカンド「おっと……しつれ。まあいいっちゃいいんですが、まぁ。ところで知ってる…？この近くのどっかのジャンク屋にさ、ディスクが売っててさ。エヴァに関係あるっぽいのよね」 −−−−−2時間後-秋葉原電気街 ーーーーー20分後−矢澤宅 ーーーーー矢澤宅−にこの部屋 ごめんなさい、上のにこのセリフ「エウアンゲリオン」じゃなく「エヴァンゲリオン」で…… にこ「この映像の…やっぱそう…こいつ…こいつじゃない……これ、あの、中二の時だか花陽に無理やり連れられてったセミナーだか何だかにいて……去年の春にあの事件起こして、梅雨くらいに捕まって……」 希「ふ ふ ふ…」 またミスった… 海未「じゃあ早速…」 凛「凛たちが今取り組んでるのは2つ…まずは花陽ちゃんの教団からの脱会、そしてそれが成功すれば脱洗脳(デプログラミング)を施すこと…それと、花陽ちゃんが本当に狙撃事件に関与しているのかということ……」 凛「…凛には難しいことはわからないにゃ。ただ、この事件を絶対に解決しないといけないってことだけ」 にこ「………何をすれば良いの…」 −−−−−同日 ロシア連邦-モスクワ市-ロシア連邦保安庁本部庁舎(ルビャンカ)-地下収容階-419番号室 1939年10月、当時の副大統領アレクサンドル・ルツコイと最高会議長ルスラン・ハズブラートフが大統領ボリス・エリツィンと決別。 エリ「そのようね。貴女のお爺様はあのマンハッタン計画に参加していたとか」 ーーーーー翌日−矢澤宅前 海未「さぁ、乗ってください」 海未「ここからは地図を渡します。一人で行ってください。私達…特に希は彼らに悪魔だと思われているので」 −−−−−教団施設-入り口 −−−−−教団施設-入り口 にこ「えぇ…そうよ(綺麗……)」 にこ「花陽あんた……お母さん、心配してたわよ」 −−−−−東京-南千住警察署-特別捜査本部 −−−−−教団施設内-信者居住棟 穂乃果「ふんふん……そういう事。長官狙撃事件に花陽ちゃんがね」 穂乃果「そう。例えば、自分の意思じゃないのに命令されて人を殺しちゃって…すごい後悔する…みたいのは浅い洗脳なの。自分の意思がまだあるわけだからね」 穂乃果「(希ちゃんが送り込んできた女の子…“矢澤にこ”ちゃん…か。あの人もまた面倒なことするよなぁ)」 −−−−−東京-南千住警察署-特別捜査本部 ツバサ「……彼女は元々こっちで、若くして理論物理学の権威としての名を欲しいままにしていたわ」 希「……教団モスクワ支部は、ロシア政府内の反大統領分子、ルスラン・ハズブラートフ、アレクサンドル・ルツコイと繋がっている…と。 −−−−−ロシア連邦-モスクワ市-ロシア連邦保安庁本部庁舎(ルビャンカ)-地下収容階-419番号室 マキ「“僕は耳と目を閉じ口をつぐんだ人間になろうと考えたんだ。そうすれば、誰とも無益なばからしい会話をしなくてすむからね”」 エリ「“貴女は反エリツィン大統領派の工作員ではないと思う”そう言った私の言葉は、半分は正解だったわけね。貴女は確かに彼らに協力していた。でも、それは思想的な共鳴という面を一切含まない、単なる目的の噛み合せがついただけだった」 ーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーー −−−−−東京-南千住警察署-特別捜査本部 −−−−−教団施設内-信者居住棟-午前3:21 花陽「…………」 −−−−−教団施設内-廊下 −−−−−東京-南千住警察署-特別捜査本部 凛「何しに来るの？」 ーーーーー教団施設内−ことりの部屋 にこ「(それに花陽のこと。そして家族のこと。最後に、辛いこと、苦しいこと。自分が部屋から出たくなかったこと、社会が、他人が、怖くて嫌いなこと。)」 −−−−−教団施設内-信者居住棟 ことり『ノストラダムスの大予言？セカイの終わり？終末、オカルト。そういうの、くだらないなって 』 −−−−−東京-南千住警察署-取調室前 エレナ「(その話なら2ヶ月前…6月に日本警察公安部の防諜記録にあったな… −−−−−ロシア連邦-首都モスクワ-シェレメチェボ国際空港-ターミナルC-特待遊間室 −−−−−教団施設内-ことりの部屋 −−−−−千葉-成田市-三里塚地区-成田国際空港-第1ターミナル直結駐車場 −−−−−1時間後−東京−八潮PA−バン車内 −−−−−教団施設内-ことりの部屋 −−−−−東京−南千住警察署-特別捜査本部 凛「本当の目的は置いといて、CIAが動いたことはあくまで公的に。その事実くらい、ロシアには伝わってると思うけどにゃ」 −−−−−教団施設-作業場 −−−−−東京-南千住警察署-地下駐車場-覆面護送車(大型バンタイプ)内 エリ「コストロマって田舎に潜伏していたわ…1人でね」 ツバサ「マキシーヌ・ニシングストン。まず貴女は…誰に命じられて核を？」 海未「彼女は自分の核を完成させ、それが使われることが目的ですよね」 エリ「その解釈、間違っていないと思うわ。しかし、日本にそんな団体が？」 −−−−−教団施設-作業場 にこ「そういえば“セカンド”とはこないだ会ったわよ？」 −−−−−東京−南千住警察署-取調室 セカンド「………………」 −−−−−南千住警察署-特別捜査本部-地下駐車場-覆面護送車(大型バンタイプ)内 ツバサ「杞憂だったわね…“3度目の冷戦”どころじゃないかと思ったわよ」 −−−−−教団施設内-信者居住棟 穂乃果「昔、知り合いの女の子に聞いたの。何もしないで部屋にいることは、何かを一生懸命することと同じくらい疲れるんだって」 −−−−−教団施設内-ことりの部屋 ことり「“あの人”は、この世界が終わるって言ったの。本気でそう思ってたかはわからない。多分、終わらなかったら終わらなかったで“私が防いだんだ”って言うつもりだったんだと思う」 ことり「例えばにこちゃんは、どうしようもなく人生が辛くて、何もかも終わりな気分になることはない？」 ことり「そんな“セカイ”が誕生してしまうのは自己愛のせいなんだよ。自分が愛しいから、他の人に愛してもらえるから、自分が特別のように感じて、自分の否定が全ての否定と直結する」 ことり「そう。テレビに出たあの人はとても寂しそうだった。実際のあの人は沢山の信者を愛人として囲っていたけど、それは一方的に求められているだけだった。誰もあの人自身を愛してあげようと思う人はいなかった」 −−−−−教団施設内-信者居住棟 穂乃果「ごめんね、花陽ちゃんやほかの信者さん達が魅力的じゃ無いってことじゃなくって。でも、わかるでしょ？」 −−−−−教団施設内-ことりの部屋 にこ「外に出たくない〜って言ってね。ダメな姉よ」 ことり「………に、にこちゃん」 ことり「まぁ、そうだけど…この選書はなんか…」 −−−−−東京−南千住警察署-特別捜査本部 凛「“フィフス”は一体誰なのか全くわからないのにゃ。ログを見る限り、主催はその人なんだけど…しかも“ファースト”は“フィフス”を計画の首謀者だと証言してるのにゃ」 −−−−−教団施設内-ことりの部屋-Am6:34 −−−−−教団施設内−信者作業棟 −−−−−南千住警察署-特別捜査本部 エリ「それはおかしい…逆に不自然よ。そこまでのお膳立てがなされているのなら、もし本当にシロでも何かしら疑惑が浮かび上がる程度のことはあるはずよ」 エリ「…“サード”矢澤にこと“フィフス”もまた、同じ存在ということ？馬鹿馬鹿しいわ」 −−−−−南千住警察署-地下駐車場-覆面護送車内 あんじゅ「でも、そういうのって結構大切よ？」 マキ「いや、そうじゃなくて。貴女もアメリカ人ならわかるんじゃない？」 ーーーーー教団施設内−信者作業棟 ーーーーー教団施設内−シールドルーム ｳﾞｨｰｰｰｰ 穂乃果「えっ…どこまで逃げる気なの？」 −−−−−教団施設外-駐車場 にこ「あ…来た……！！」 穂乃果「今の…“雨を止める”それが私に初めて備わったもの。私をこの世界で独りにしたもの」 −−−−−東京-南千住警察署-特別捜査本部 この話は単なる噂話ではなく、事実である。 海未「確かににこも“ライ麦畑でつかまえて”を読んでいました。出発の時も、持っていたはずです」 ツバサ「ああ……えーとね、崖にあるライ麦畑で子供たちが遊び回っているのを想像して？そして子供たちはその場所の危険に気づかない。彼らはいとも簡単にそこから堕ちて、そうして死んでしまう…」 −−−−−教団施設外 −−−−− −−−−−南千住警察署-地下駐車場-覆面護送車内 −−−−−南千住警察署-第三会議室 1995年、アメリカ中央情報局(CIA)は陸軍にから引き継いだ超能力の軍事利用計画「スターゲイト・プロジェクト」を中止した。 エリ「あら…アメリカの方は、そんな名前だったのね。うちも当然超能力研究はやってたけど、やっぱり成果は上がんなかったわ」 エリの反応の通り、射程距離10kmの携行兵器というのは武器開発の常識的にどう考えてもありえない数字であった。 ツバサ「少なくとも、理屈としてはあるわ。“学界の権威”たちも渋々認めている」 エレナ「しかし、銃はあまり…もし核に当たったら…危険すぎる」 −−−−−教団施設付近-車中 ことり「きっと、見たらわかるよ…っていうか、さっき雷、見たよね？」 ことり「にこちゃん……それ、苦労するタイプの考え方だよ」 −−−−−静岡-沼津市上空-警視庁航空隊“アグスタウエストランド”AW139機内 −−−−−静岡- ヘリコプター機内-航空無線通信(3機) −−−−−富士裾野-樹海 マキ「さぁ、早く。撃つ方の準備は出来てるんでしょ？」 −−−−−山梨-西八千代郡上空-ヘリコプター機内-航空無線通信(2機) −−−−−山梨-富士裾野-樹海 花陽「別に…それより、最終的にってどういう事です？他にどこかに……？」 ニコニー「良いんじゃない？全て消し去っちゃいましょうよ。“私たち”の罪の、始まりの始まり。彼らの罪の、90年代が産んだ地獄の…あそこを消し去ってからよ」 −−−−−山梨-富士裾野-樹海-上空 −−−−−山梨-富士裾野-樹海-地上 ニコニー「威嚇狙撃でしょ……？銃が危ないからって弓？当たるわけないでしょ…」 −−−−−山梨-富士裾野-樹海-上空-警視庁航空隊“アグスタウエストランド”AW139機内 −−−−−同-アメリカ陸軍MH-6“リトルバード”機内 −−−−−富士裾野-樹海-地上 −−−−−同・上空 ことり「！！！」 凛「海未ちゃん………ほんとに、ほんとに」 マキ「ﾁｯ…目に当てられたら撃てないじゃない……花陽もことりも…そこまでの…私が撃つしかっ……！」ﾀｯ！ ツバサ「私じゃないでしょ？恨むなら……」 ツバサ「科学者、技術者は理論立て、創造する存在。破壊は、誰か別の者に任せる必要があった。今回も、第三者として、そこに立ったまま冷静な視線でその破壊、つまり研究の結果を観察するのが義務でしょう？」 エレナ「悪いが、こいつは本国に戻ったら…もう会えんと思うぞ」 凛「ことりちゃん、花陽ちゃんは確保したよ」 マキ「さて…あぁ、酷いわね。目玉にぶっ刺さったというよりは目尻の横を貫通か……このまま処置するわよ」 ニコニー「そんな顔して見ないでよ…黙って聞きなさい。 ニコニー「“悩み、考える事”が大事？それもどうかしら。そんなの、向き不向きがあるじゃない。自分で考えて、そうして泥沼にはまっていく。そんな人の方が多いんじゃ無いかしら」 ニコニー「そうよ。だけど、それでまた、貴女達、警察の無能さは顕になった、そうでしょう？」 ニコニー「そして貴女方は、彼の自白、“警察の汚点”を隠蔽した。そして、あくまで教団の犯行に拘り“フォース”に辿り着いた。“フォース”小泉花陽は教団の信者…夢にまで見た“教団犯行説”を立証する事ができるかと思われた」 海未「……それを打ち消す為、私達はにこを花陽の元へ送りました。“95年オフ”の参加者でありながら花陽同様事件への関与が見えてこないにこを接触させることで何かボロを出さないか」 ニコニー「結局貴女たちは、そんだけやって核を1つ止めることしかできないのよ」 ツバサ「………さぁ、後は別の場所で話を聞くわ。ヘリに乗って」 ツバサ「貴女や、南ことりは“セカイの終わり”を恐れ、“世界の終わり”を起こそうとしたのよね？それって何なの…？一体何が違うの？」 希「いや…わかるよ。それはつまり、教団と同じやろ？」 −−−−−東京-千代田区-永田町-上空-MH6 リトルバード機内 マキ「そういうこと…“フィフス”ニコニーは彼女たちから教団が外国人と協力して核開発に手を出してること自体は知っていたからね」 エレナ「しかし、結局失敗したんだろう？」 ツバサ「何笑ってるのよ……どうしたの？」 −−−−−同-アグスタウェストランド AW139機内 ことり「私は全く“洗脳”されなかった。あの男の超能力を、一切信用しなかった。なんで、それができたと思う？」 穂乃果「希ちゃんは、そういう意図があって私を…？」 二コニー「にこちゃんは“耳と目を閉じ口をつぐんだ人間になろうと考えた”のよ。そうすれば、誰とも無益なばからしい会話をしなくてすむからね”」 −−−−−30分後-東京-南千住警察署-特別捜査本部 海未「そういうことです…さて、抽象的な小難しい話はここで終わりにしましょうか。私たちには、まだやるべき事が沢山あります」 凛「仕方ないよ。何かを選択しなければ、死んでしまうもの。失敗を恐れて引きこもっていたら、そのまま……」 −−−−−−−−−−−事件後、園田海未・星空凛は上層部に事のあらましを全て報告。 −−−−−−−−−−1996年10月25日、マスコミ各社に「(狙撃事件の)犯人は警察官」とする告発文書が郵送。“ファースト”の存在が世間に明るみになる。 −−−−−−−1998年2月7日、長野オリンピック開幕。同月15日、高坂穂乃果が事件記録を出版、ベストセラーに。 −−−−1999年10月28日、元・教団施設の所在地であった村に建設されたテーマパークが経営破綻により閉鎖。廃墟となる。 ---- これに終わりです。「Loveless World」の勝手な解釈をしてしまいました。読んでくれた人、ありがとう。 >>166 核好きだなこの>>1 は >>169 >>170 >>173 >>171 >>175 >>174 >>172 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
