絵里「怪盗のことだったら」ことり「μ'sにお任せ♪」雪穂「ですっ!」 第二話
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海未「な…っ!? μ'sを追っている間に、いつのまにかお宝が…!!」
あんじゅ「け、警察…?」
海未「私としたことが…不覚…ッ!」
あんじゅ「お宝はもう盗んだから勝負は終わりでしょ〜…?」
海未「…ッ!」キッ
あんじゅ「!?」ビク
海未「いいえ! まだ終わっていません! あなたただけでも独房行きですよぉぉぉ――――ッ!!」
あんじゅ「ちょ、ちょっとぉ! そんなのルール違反よぉ〜〜〜!!!」
……。
リポーター『まさかまさかの大ドンデン返しィィィ!!! A-RISEの優木あんじゅがお宝を先に奪い、μ'sの南ことりが破れましたぁぁぁぁぁぁ!!! なんということでしょう〜〜〜ッ!! ことりちゃぁぁぁぁぁんッ!!!』
コトリチャァァァァァン!!!
アンジュチャァァァァァン!!!
リポーター『しかしかぁぁぁし!! これだからエキシビジョンマッチは面白ぉぉぉぉい!!!!』
【同時刻】
【ミカ邸】
絵里「…ことり姉さんったら。嫌がらせのつもりかしら…?」
絵里「…はぁ」
絵里「…」
絵里「なんにせよ…後は任せたわよ、雪穂――」
……。
【23:56】
【フミコ邸】
タッタッタッタッタ…!
雪穂「はぁ…はぁ…っ」
雪穂「…っ」
雪穂「えっと…」キョロキョロ
雪穂「こっち…かな?」 雪穂「急がないと…っ!」
雪穂「警察に捕まって随分時間経っちゃってるし、このままじゃ負けちゃう…!」
雪穂「お姉ちゃん達なら先に二勝してくれる気はするけど…」
雪穂「ううん、そうじゃなくて、私が勝たなくちゃ意味がないんだ…!」
タッタッタッタッタッタ…!
雪穂「外からパッと見た感じ、普通の広さのお屋敷だと思ったけど…随分広いなぁ…」ハァハァ
雪穂「でも、トラップもないし…お宝の気配もしない…」
雪穂「どういうこと…?」 雪穂「…絵里お姉ちゃんは焦らないで肌で感じろって言ってたけど…」
雪穂「むむ…」
雪穂「〜〜…わかんないーっ!」
雪穂「よく考えたら私…怪盗の技術って、まだ宝箱の解錠と足の速さぐらいしか鍛えられてないや」
雪穂「お姉ちゃん達がいればこの二つだけでもなんとかなったかもしれないけど…一人だとどうしようもないよぉ…」
雪穂「はぁ…」
タッタッタッタッタ…!
ツバサ「ん…?」トッ
雪穂「あ…」
ツバサ「…へぇ、私の相手は雪穂ちゃんだったのね」
雪穂「ツ、ツバサさん…」
ツバサ「できればことりさんや絵里さんと戦いたかったけど…これも運命というやつかしらね」
雪穂「っ…!」
ツバサ「ふふ、この勝負は私が頂いたわ…!」バサッ
雪穂「は、早い…! さすがA-RISEのリーダー…!」
雪穂「くっ…! こうしてる場合じゃないや…! 私も追いかけなくちゃ!!」グッ
雪穂「…」ピタ
雪穂「…って、随分時間経ってたはずなのに、なんてツバサさんが後ろから…?」
雪穂「んー…」
雪穂「見た目と違って広すぎる屋敷内…お宝の気配がしない空間…」
雪穂「…」
タッタッタッタッタッタ…!
雪穂「あっ…」バッ
ツバサ「…あ〜〜〜〜もう!! なんて広い屋敷なの!? お宝は一体どこよ…!」
タッタッタッタッタッタ…
雪穂「…」チラ
雪穂「…もしかして、この廊下ループしてる…?」
雪穂「どういう仕掛けになってるのぉ…?」
雪穂「…まぁなんにせよ、チャンスってことだよね――?」
リポーター『…――る絵里!! ミカ邸の勝負はμ'sに軍配があがったぁぁぁぁぁ!!!』
雪穂「…ん」
雪穂「絵里お姉ちゃん…勝ったんだ。やっぱりすごいや…!」
雪穂「…」
雪穂「外――か…」
トッ!
雪穂「うっ…寒い〜〜…!」
雪穂「〜〜」ハァ
雪穂「月が綺麗だなぁ――…」
雪穂「ん…?」チラ
バタバタバタバタ…
雪穂「あ、あのヘリで中継してるのかな…?」
雪穂「…」
雪穂「絶対勝つ…!」グッ
タッ!
トン!
……。
タッタッタッタッタッタ…!
ツバサ「はぁ…はぁ…」
ツバサ「もう…10分位は走り続けてるわよ…どうなってるの…?」
ツバサ「さっき雪穂ちゃんにも出会してしまったし…まずいわね…」
ツバサ「ああ…! このまま負けて帰ったら英玲奈になんて言われるか…!」
ツバサ「私は…勝たなければいけないのよ…っ!!」 ツバサ「…っ!」ザッ
ヒュオオオ…
ツバサ「窓が開いてる…?」
ツバサ「…」
ツバサ「この足跡は…雪穂ちゃん…ね」ツツ…
ツバサ「…ふふ」
ツバサ「まんまとしてやられたわね…!」
……。
【23:59】
タタタタタタ…!
雪穂「はぁ…はぁ…っ」
雪穂「やっぱり、外から見たらそんなに大きくない…」
雪穂「この屋敷全体がトラップみたいなものなんだ…」
雪穂「…お宝の場所を…肌で感じるんだ…!」
雪穂「…」
雪穂「お宝は――…」
ゴォーン!ゴォーン!
雪穂「――時計塔の上…!!」キッ
リポーター『まさかまさかの大ドンデン返しィィィ――…!!!』
雪穂「!?」クル
雪穂「ことりお姉ちゃんが…負けた…!?」
雪穂「そんな…」
雪穂「…っ」
雪穂「ということは…」
雪穂「わ、私が勝てるかどうかで勝負が決まるってこと――…?」ブル
ツバサ「…っ!」タタタタ…!
雪穂「っ!」
雪穂「ツバサさん…! もう来たの…!?」
雪穂「急がなくちゃ…っ!」バッ!
……。
リポーター『南ことり&絵里姉妹が二勝して終わってしまうかと思われた今宵のエキシビジョンマッチ!! まさかまさかの大番狂わせによってお互いに一勝一敗!! 勝負の行方は二人の妹の手に委ねられてしまったぁぁぁ!!』
リポーター『だがしかぁぁぁ――――しッ! 相手はAランク怪盗、A-RISEの代表取締役である綺羅ツバサ!! これは分が悪いかぁぁぁ〜〜〜〜!!?』
ウォォォォーーーーー!!!
ユキホチャァァァン!!!
ツバササマァァァァーーー!!!
リポーター『状況は南雪穂が一歩リードか!? 既にお宝の解錠に入ってるぞぉぉ〜〜〜!!! 私たちに南姉妹の実力を見せてくれぇぇぇええぇぇぇ〜〜〜〜!!!』
英玲奈「大方、トラップに引っ掛かって手間取ったというところだろうな…。ツバサのやつ、実力はある癖に…」
英玲奈「…ふ、人のこと言えたものではないな…」
あんじゅ「…なにやってるのよぉ〜! 勝ちなさいよぉツバサぁ〜〜!! 南ことりに一泡吹かせてやるんだからぁぁ〜〜!!」
海未「待ちなさぁぁぁ〜〜い…!!」
あんじゅ「あんたはいつまで追いかけてくるのよぉ〜〜〜!!」
ことり「はぁ〜…♡」
ことり「TVに向かってあんな表情ができるなんてぇ〜…///」
ことり「やっぱり雪穂ちゃんは最高の怪盗になるよぉ〜…♡」
絵里「…」
絵里「――勝て、雪穂」
……。
【00:01】
【フミコ邸・時計塔】
カチャカチャ…
雪穂「…」
雪穂「このパターンなら簡単…ことりお姉ちゃんに教わった通りにやれば1分もかからない…!」
雪穂「屋敷の罠が大掛かりな分、宝箱の鍵は簡単なんだ…」 雪穂「…1分あれば…間に合う…」
雪穂「よし――…!」
ツバサ「――お生憎様」トッ
雪穂「っ!!?」バッ
ツバサ「1分なんかあげられないわ」
雪穂「…っ!」
雪穂(な…なんて速さなの…!? 絵里お姉ちゃんと同じ位の速さ…!?)
ツバサ「屋敷内では不覚を取ってしまったけど…ここまで来てしまえばこっちのものよ」
雪穂「くっ…!」
ツバサ「――」スッ
雪穂「へ…」
ツバサ「遅い」
雪穂「あっ…宝箱が――…!?」
ツバサ「…まぁ、さすがに怪盗になったばかりの新米じゃあこんなものよね」
雪穂「…っ!」
ツバサ「悪いわね…私も、負けるわけにはいかないから――…」
雪穂(…)
雪穂(やっぱり私じゃ…勝てない…)
雪穂(お姉ちゃん…ごめんなさい――…)
ツバサ「お宝は私が頂いたわ…!」
穂乃果「警察だぁ――――――ッ!!!」バーン!
ツバサ「っ!?」
ツバサ「警察!? こんな時に…!」
穂乃果「綺羅ツバサーっ!! 独房行きだよぉ――――っ!!」
ツバサ「ちょ…! なんで私だけ…! μ'sもいるじゃない!!」
穂乃果「μ's…?」
雪穂「っ!」ビク
穂乃果「…穂乃果はμ'sファンなんだから、A-RISEを捕まえるに決まってるでしょー!!」
ツバサ「ば、バカじゃないの…!? 警察が選り好みしてるんじゃないわよ!!」
穂乃果「いいじゃんー、雪穂ちゃんも可愛いしさぁ〜♪」
雪穂「…///」 穂乃果「…と言うわけでA-RISEのツバサ確保、っと」ガシャリンコ
ツバサ「へ…」
雪穂「ぇ…」
ツバサ「えぇ〜〜〜〜〜!!!?」
穂乃果「…♪」パチ
雪穂「ぁ…!」
シュッ!
カパ
雪穂「お宝…ゲット…!」
ツバサ「く…っ!!」
穂乃果「あちゃぁ…お宝盗まれたら勝負アリだよねぇ〜」エヘヘ
リポーター『…μ'sとA-RISEと警察との三すくみでなんやかんやあった模様ですが…最期にお宝を手にしたのは…! μ'sの南雪穂だぁぁぁあああぁぁぁぁ―――――――ッッ!! おめでとうぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!!』
ワァァァァァーーーーーー!!!!
ユキホチャァァァァァン!!!
雪穂「…か、勝った…の…?」ヘタ
穂乃果「…ふふ、おめでとう雪穂ちゃん♪」
雪穂「ぁ…えっと…その…///」
雪穂「ありがとう…ございます…警察さん」ペコリ
穂乃果「!」 穂乃果(げ…むちゃくちゃ可愛いじゃんこの子…!///)
穂乃果(なんとなく既視感覚えてたのって、単純に一目惚れ…!?)
雪穂「…?」
穂乃果(…これからは雪穂ちゃんを推していくしか…っ!)
ツバサ「〜〜…!」
ツバサ「こんなの…認めないわよぉ――――――――ッッ!!!」
……。
ことり「キャ――――!! 雪穂ちゃんさすがだよぉ〜〜〜!!!」
ことり「これで雪穂ちゃんも一人前の怪盗だよぉ〜〜〜〜!!!」
絵里「…」クス
絵里「…今度は実力で勝ちなさいよ」
あんじゅ「ツバサのバカぁぁ〜〜〜〜〜!!!」
海未「いいかげんに観念なさぁぁぁ〜〜い…!!」
あんじゅ「観念するのはあんたよぉ! もう勝負は終わったでしょ〜〜〜〜〜!!?」
……。
雪穂「…フミコの日記、かぁ…」パラ
雪穂「…」
雪穂「…」クス
雪穂「…姉妹だもんね、本当は仲良いよね」パタン
雪穂「いいなぁ――…」
……。
リポーター『と言うわけでぇぇ〜〜!! 今宵のエキシビジョンマッチの勝者はぁ〜〜〜〜!!!』
バーン!
リポーター『μ'sだぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!!」
ワァァァァァァ!!!!
ことり『みんなぁ〜ありがとぉ〜〜♡』
絵里『…』
雪穂『…///』ペコリ
コトリチャァァァァン!!!
エリサマァァァァァァァ!!!
ユキホチャァァァァァン!!!
リポーター『当初はμ's圧勝かと思われていた今回の対決! 南ことりの敗北によって波乱の展開を巻き起こしましたが…!
新米怪盗である南家の三女雪穂が、その実力の片鱗を見せてくれたことによって見事勝利を掴むことができました!! これならば将来はSランクも夢じゃない――――ッ!?』
リポーター『μ's三姉妹の今後の更なる活躍にご期待くださぁぁぁぁぁいッ!!!』
雪穂「μ's…三姉妹…」
絵里「どうしたの雪穂?」
雪穂「…」
雪穂「――ううん、なんでも…♪」
絵里「…?」
ツバサ「…今回は私たちの負けよ」
雪穂「ツバサさん…」
ツバサ「――でも、私たちは諦めない。μ'sに勝ち、A-RISEが頂点に立てる日が来るまで…!」
雪穂「…」
英玲奈「そうだな」ガシ
ツバサ「へ?」
あんじゅ「っていうか負けたのはツバサのせいでしょぉ〜〜…!」ガシ
英玲奈「帰って反省会だ」グイ
ツバサ「ちょっと…二人とも…! 放しなさい〜〜…!」ズルズルズル… ことり「あ〜、ツバサちゃん可哀想〜…」
絵里「ことり姉さん…あんまり恨みを買うことはしないでちょうだい」
ことり「え〜何のことぉ〜?」
絵里「全く白々しいんだから…」
ことり「♪」クス
雪穂「…絵里お姉ちゃん」
絵里「…なに?」
雪穂「ツバサさんって、何か私たち…μ'sに恨みでもあるの…?」
絵里「ん…」 雪穂「なんか…妙に目の敵にされているっていうか…」
絵里「…」チラ
ことり「…☆」
雪穂「…?」
絵里「――その昔、ね」
絵里「と言っても、数年前のことだけど…まだμ'sが無名だった頃は、A-RISEが日本でトップの怪盗チームだったのよ」
雪穂「え…」
絵里「今では世界にその名を知らぬ者はいない、なんて持て囃されてるけど…以前はそこらの怪盗チームと同じ弱小チームでしかなかったわ」
絵里「当時、A-RISEは日本にいる怪盗全ての目標と言っても過言では無かった」
雪穂「…」
絵里「けれど、ことり姉さんがSランク怪盗になったことによって、全てが一変した――…」
ことり「♪」 絵里「瞬く間にμ'sの名は知れ渡り、異例の速さで頂点を取っていたわ」
雪穂「それって…」
絵里「勿論――A-RISEをも負かして、ね」
雪穂「だから…過去の栄光って…」
絵里「…ことり姉さんの実力は本物よ。それだけは誰しもが認める現実」
絵里「それは私が一番よく知っている…」
絵里「だからこそ、あっという間に頂点の座を奪われたμ'sに…ツバサは固執しているのよ」
雪穂「…」 ことり「――別に、そんな特別なことじゃないんだけどねぇ…頂点なんて♪」
雪穂「ことりお姉ちゃん…」
ことり「結果的に頂点を取ったけれど、それは私にとっては通過点でしか無いから…」
ことり「ね、絵里ちゃん…☆」
絵里「…」
絵里「はぁ…」
ことり「あ〜、溜息はひどいんじゃな〜い?」 絵里「…雪穂、これがμ'sの怪盗になると言うことよ。分かった?」
ことり「絵里ちゃ〜ん!? 聞いてる〜!!?」
雪穂「…」クス
雪穂「…うん」
雪穂「頑張るよ…! μ'sの三姉妹怪盗として――…!!」
……。
トッ…
亜里沙「…」
亜里沙「…」クス
亜里沙「――幸せだね、雪穂は…♪」
―――――――――――――――■第二話「対決、A-RISE」終
ここまでお付き合い頂けた方はありがとうございます。
楽しんで貰えていたら幸いです。
相変わらず次の話は未定になります… 雪穂はμ’sじゃないからμ’sと名乗るならあの9人の中から3人選べよ 雪穂推しだから嬉しいぜ
なんか伏線ぽいのがちらちらしてるから3話も頼む 本筋に影響しそうなのは亜里沙と希の依頼なんかな
地味に穂乃果の伏線が回収されてないのが気になるけど ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています